1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十七年三月十八日(火曜日)
議事日程 第二十号
午後一時開議
第一 農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 農業改良助長法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 私立学校振興会法案(内閣提出)
第四 塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第五 農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第六 日本專売公社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
—————————————
○本日の会議に付した事件
議員請暇の件
日程第一 農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 農業改良助長法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 私立学校振興会法案(内閣提出)
日程第四 塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第五 農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第六 日本專売公社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
午後一時十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/0
-
001・林讓治
○議長(林讓治君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/1
-
002・林讓治
○議長(林讓治君) この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。
第二百七十一番、東京都第六区選出、新井京太君。
〔新井京太君起立〕
〔拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/2
-
003・林讓治
○議長(林讓治君) 第三百六十三番、東京都第六区選出、熊本虎三君。
〔熊本虎三君起立〕
〔拍手〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/3
-
004・林讓治
○議長(林讓治君) お諮りいたします。議員根本龍太郎君より、経済安定本部顧問としてビルマ国へ出張のため、三月十五日から三月三十一日まで十七日間、議員小西英雄君より、ハワイ旅行のため、三月十三日から三月二十五日まで十三日間、右いずれも請暇の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/4
-
005・林讓治
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/5
-
006・林讓治
○議長(林讓治君) 日程第一、農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案、日程第二、農業改良助長法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事河野謙三君。
〔河野謙三君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/6
-
007・河野謙三
○河野謙三君 ただいま議題と相なりました、内閣提出、農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案並びに農業改良助長法の一部を改正する法律案に関しまして、農林委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告いたします。
農林漁業資金融通法に基き国の特別会計から融通する農林漁業のための長期低利資金は、同特別会計に、昭和二十六年度において、当初予算並びに補正予算を通じ、一般会計より繰入れ五十億円、見返り資金より繰入れ四十億円、資金運用部より借入れ三十億円、合計百二十億円が計上され、昭和二十七年度においては、一般会計より繰入れ六十億円、見返り資金より借入れ三十億円、資金運用部より借入れ百十億円、合計二百億円が計上され、その貸付がおおむね順調に進捗いたしておりますることは、今後における農林漁業の生産力の向上と、農林漁業者の経営の安定のために少からず貢献するであろうと信ずる次第であります。ところで、この特別会計からの資金の貸付利子は、その資金の性質上、一般に低利を旨として定められておりまするが、農林漁業者の共同利用に供する施設の造成、復旧または取得に必要な資金に対しまする貸付利率は、最高八分、最低七分、平均七分五厘と相なつておるのであります。しかして、米麦等食糧の集荷、配給、保管等の任に当る農業倉庫に対する貸付利子につきましても、現行法によれば、当然この共同利用施設に対する利子を徴せられるわけでありますが、国民食糧の確保のために農業倉庫の持つ重要性は今後ますます増大する趨勢にあるにもかかわらず、今日までの状態は、資金資材の不足のため、その新設補修は意のごとく進捗しておらないありさまでありまするので、早急にかような事態を改善する目的をもちまして、政府は農業倉庫資金を、二十六年度に二億円、二十七年度におきましては、一挙に増加して十二億円を割当て、農業倉庫対策を強力に実施せしめることとし、しかして右の金額のうち、二十七年度においては十億円を新設費に充当し、所要新設資金十二億五千万円のおおむね八割程度をまかない、産地倉庫五百一棟、連合倉庫十棟の建設を促進する融資計画を立てておるのであります。しかるに、農業倉庫は一般の営業倉庫とは異なりまして営利を目的とせず、従つてとうてい高金利の負担に耐え得るものではないのであります。そこで政府は、昭和二十七年度において、農林漁業資金融通特別会計の資金を用い、農業倉庫の新設を行う分につきましては、一般の規定を排除して特に年四分をもつて貸付を行うこととし、そのために現行の農林漁業資金融通法の一部を改正し、同法の附則に新たに一項を追加したいというのが、この改正法律案を提出せられた理由であります。
本案は、去る三月十二日に政府側より提案理由の説明があり、翌十三日、二、三の委員から、資金の運用計画、貸付決定方針、麦の統制撤廃との関連性等について若干の質疑が行われた後、質疑を終局することとし、引続いて翌十四日、討論を省略して表決に付したのであります。本案の内容はきわめて時宜に投じたものとして各党とも異存なく、満場一致をもつて可決すべきものと決した次第であります。
次に農業改良助長法の一部を改正する法律案について申し上げます。現行の農業改良助長法は、施行後すでに三箇年余りを経過いたし、この間に農家の実態に即した試験研究ができるように試験研究機関を整備統合いたしまして、次第にその成果をあげて来ておるのであります。また普及事業につきましても、專門技術員、改良普及員及び生活改良普及員の各普及職員の充実と相まつて、農業技術の浸透、普及並びに農民生活の改善に多大の効果をもたらしておる次第であります。しかしながら、今日までの運用の経験に徴しまして、なお若干不備の点が認められますので、農業改良事業が一層円滑に運営できるように改正したいというのが、本案提出の理由であります。
改正の主要点を申し上げますと、およそ四点に要約できると思います。第一点は、都道府県及びその他の試験研究機関に対し政府が助成する場合、試験研究機関の数並びに交付資金総額に関する制限を撤廃して、有用な試験研究に対しましては広く適切な助成をすることができるように改めましたことであります。第二点は、農林省の試験研究機関が積極的に都道府県農業試験場を指導援助することは、すでに事実上は実行しているのでありますが、法的には明文がございませんので、この点を新たに條文に規定いたしたことであります。第三点は、協同農業普及事業の範囲を拡張いたしまして、農業講習施設による改良普及員の養成及び研修並びに農業または農民生活の改善を目的とする農村青少年団体の指導者の養成等の事業をこれに加えましたことであります。第四点は、農業改良普及事業の直接の担当者であります專門技術員及び改良普及員の身分及び任務に関し現行法には明確な規定がございませんので、これを明文にいたし、その活動の促進をはかるようにいたしたことであります。
本法律案は、去る十二日、政府委員より提案理由の説明を聽取、翌十三日簡單な質疑を行い、さらに翌十四日、討論を省略して採決いたしましたが、全会一致可決すべきものと決定いたした次第であります。
以上をもちまして御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/7
-
008・林讓治
○議長(林讓治君) まず日程第一につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/8
-
009・林讓治
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
次に日程第二につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/9
-
010・林讓治
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/10
-
011・林讓治
○議長(林讓治君) 日程第三、私立学校振興会法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長竹尾弌君。
〔竹尾弌君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/11
-
012・竹尾弌
○竹尾弌君 ただいま上程になりました私立学校振興会法案につきまして、その概要並びに委員会におきます審査の結果を簡單に御報告申し上げます。
まず政府原案の概要を御説明申し上げます。わが国の学校教育におきまして、私立学校がその数におきましてもきわめて重要なる地位を占めているばかりではなく、それぞれ特有の伝統と学風とを備えて教育の進展に寄與されて来たことは、御承知の通りでございます。ただ私立学校の現状についてはなはだ遺憾とされております点は、学校経営に関する財政的基礎がきわめて不安定な状態に置かれておりますために私立学校の健全な発達を阻害している点でありまして、かかる欠陥をすみやかに改善除去いたしまして、私立学校の自主性をいよいよ尊重しながら、私立学校経営の助成に関する恒久的制度を確立しようといたしますのが、本案提出の理由でございます。
次に本法案の内容について大要を申し上げますと、第一に、この法律によりまして設立されます私立学校振興会というものは、私立学校の経営に関し必要な資金の貸付をいたし、私立学校教育の助成その他私立学校教育に対する援助に必要な業務を行うことを目的といたしまする特別法人でございまして、その資本金は約二十一億四千万円、この金額が政府出資によるものでございます。しかしながら、そのうち現金出資は三億九千万円、他の約十七億五千万円は、昭和二十一年度以降において政府から私立学校の設立者または都道府県に対しまして貸付をいたしました、いわゆる私立学校戰災復旧費貸付金等の貸付金の債権でございます。そこで、現金出資の額は、私立学校の資金需要額をまかないますのには、はなはだ不十分でございますので、今後の機会におきまして資本金の増額に努め、その運営に支障なからしめたいという仕組みになつております。この法案の内容の第二としては、振興会の役員並びに振興会の諮問機関としての評議員会に関する規定を設け、第三には、振興会の行う業務といたしまして、資金の貸付のみならず、私立学校職員の研修、福利厚生等に対する貸付または助成等を行うことを規定いたします。第四には、振興会は文部大臣により監督を受けることを規定しておるのでございます。
さて文部委員会といたしましては、去る三月六日、本案が委員会に付託となりまして以来、前後三回にわたり質疑応答を重ねます一方、特に参考人といたしまして明治大学法学部長野田孝明君ら四名の私学関係者に文部委員会に出席を求めまして意見を聽取いたしまする等、本案立案の趣旨を十分に尊重いたしまして、愼重審議を行つたのでございます。
かくて、三月十四日、質疑を終局し、討論に入りましたところ、まず自由党若林委員より、次のごとき三項目にわたる附帶條件を付して原案に賛成の意見が述べられました。すなわち
一、わが国の教育上における私立学校の地位の重要性にかんがみ、政府は、私立学校振興会法の成立後、なるべくすみやかな機会に、私立学校振興会に対し、相当大幅な資金の増額を行うこと。
二、第五條第二項の災害私立学校復旧貸付金等の取扱いについては、災害私立学校の復興に支障を来さないように配慮すること。
三、私立学校教職員の福利厚生対策については、教育基本法第六條の趣旨に基いて、国公立の教職員と均衡を保てるような別途の施策を考慮すること。
これに対しまして、改進党の笹森委員、日本社会党の松本七郎委員、社会民主党の小林進委員、無所属の小林信一委員より、それぞれ若林委員の附帶條件に賛成しつつ原案に賛成の意見が開陳せられ、松本委員よりは、なお私立学校振興会の役員のうちに私学関係者をも加えられたいとの希望降順が付されたのでございます。次いで日本共産党渡部委員より原案に反対の意見が述べられましたが、採決の結果、起立多数をもつて原案通り可決すべきものと決定した次第であります。(拍手)
右御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/12
-
013・林讓治
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。今野武雄君。
〔今野武雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/13
-
014・今野武雄
○今野武雄君 日本共産党は、この法案に対して断固反対するものであります。
われわれも、最近までの戰後における私立学校の経営が非常に困難であること、特に学生諸君の授業料などが国立学校に比して数倍高いという事実、そうしてこのままでおれば、私立学校としての特色はほとんどなくなつて、遂には国立学校よりももつと強い力でもつて——経済的な力その他でもつて、フアツシヨ的な支配者のために押えつけられるであろうということを憂慮して来たのでありまするが、たまたまこの法案を見まするに、まさにその憂慮が実現して来つつあることを感ずる次第でございます。(拍手)
第一に、このような私立学校振興会というものをつくつて、それに、ごくわずか、三億九千万の金を支出してそれによつて日本の伝統ある早稻田、慶応その他の私立学校全体を文部大臣の手に握つてしまうということは、これはまさに押しがふといと言つていいと思うのであります。(拍手)その点は、役員の選出などには実に明瞭に現われておるのでございます。つまり、役員には少しも私立学校の当局者、職員、学生などの意見をいれる余地がなく、てんから文部大臣が任命することになつておる。
元来、最近においては、自由党の諸君の間には、教育委員会の委員を任命制にせよというような、いわゆる逆コースの議論が盛んに横行しておる。そればかりでなく、行政協定の締結を機会に、東京では区長の公選をやめて、区長を任命制にするという線が、やはり自由党の諸君の線から強く出ておる。これに対しては、たとい自由党に属する諸君といえども、区会議員なども含めて、東京都民全部反対しておる。ところが、強力にこの東京を自由自在に軍事的な目的その他の目的に使用するために、警視庁なども政府の手に收めるために、強硬に、その一環として区長の任命制というようなことを持ち出しておる。そういうような、一貫した、民主主義を逆行させようという方策が、現在の政府によつて行われつつある。この一環として、この私立学校振興会の役員の選出方法を見るときに、われわれは、まさにここでは明らかにその逆コースが露骨な形で出ておるということを言わざるを得ないのであります。
しかも、その目的が一体那辺にあるかということは、今回の行政協定のあとに行われたリツジウエイ氏と吉田首相との会談においてはつきり示されておるようでございます。すなわち、日本において、学生諸君は特に強く徴兵に反対しておる。再軍備に反対しておる。われわれ国民は、たれも日本が戰場になるのを喜ぶ者はいない。特にまつ先にこの徴兵によつてとられて、そして、これによれば、アメリカ軍の指揮のもとに外国にどんどんと出かけなければならないという、そういうおそれを持つている学生諸君は、すべての青年諸君と一緒になつて、徴兵反対の運動をやつておる。これに対して政府は彈圧をしておるけれども、彈圧くらいではどうにもならない。その弾圧の一端は特高警察の復活となつて、この間の東大の例の手帳問題、こういうところで明確な証拠があがつて来ておる。こういうふうなことがどんどん行われておる。
そして、リツジウエイ大将は吉田首相に何を要望したか。現在のような、はつきりした再軍備反対の勢いがあつたのじや困る、これを何とか啓蒙して、しずめてもらいたい、何とか再軍備の空気をつくり出せということを言つておる。この問題では、教育問題が一番重要問題であります。こういう問題に対しても統制を加えるのに、この私立学校振興会法なるものは非常に巧妙にできておる。つまり、経済的な面から制肘を加えて、やはり学校教育においても再軍備を鼓吹するような、そういう教育をやらせて行こうという、こういう要望がはつきり現われておるわけであります。
そういう意見おいて、われわれは現在音を立てて行われておるこの日本の植民地化、そして日本を戰争に巻き込もうとするその政策の一端としてこれを見て、これに対して断固として反対せざるを得ないわけであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/14
-
015・林讓治
○議長(林讓治君) これにて討論は終局いたしました。
採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/15
-
016・林讓治
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/16
-
017・林讓治
○議長(林讓治君) 日程第四、塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案、日程第五、農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案、日程第六、日本專売公社法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐藤重遠君。
〔佐藤重遠君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/17
-
018・佐藤重遠
○佐藤重遠君 ただいま議題となりました塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず塩田等災害復旧事業費補助法の一部を改正する法律案の提案趣旨について申し上げます。
本法律案は、昨昭和二十六年に発生した災害により激甚な被害を受けた地方の塩田等の災害復旧事業につきまして、事業施行者の負担を緩和するため、災害復旧事業費が政令で定める額を越える場合には、その越えた部分について、特に補助率を、塩田及び濃縮施設については現行の十分の五より十分の八に、塩田防災施設については現行の十分の六・五より十分の九にそれぞれ引上げることとし、もつて塩の生産確保をはかろうとするものであります。
次に、農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案の提案趣旨を申し上げます。
この法律案は、農林漁業資金融通特別会計における貸付金の財源を拡充するために、同会計の資本額を越えて借入金をすることができることとするとともに、資金運用部のほか、新たに米国対日援助見返資金特別会計からも借り入れることができることといたそうとするものであります。
次に、日本專売公社法の一部を改正する法律案の提案趣旨について申し上げます。
この法律案は、專売事業の円滑な遂行に資するため、日本專売公社の会計制度の合理化をはかることを目的としたものでありまして、改正のおもなる点は大要次の三点であります。
まず第一点は、予算の繰越しに関する制度を拡張したことでありまして、現行のいわゆる事故繰越しの範囲を若干拡張するとともに、新たに歳出予算の経費の性質上または予算成立後の事由に基き、その事業年度内に支出を終らない見込みのあるものにつきまして、あらかじめ国会の議決を経て、繰越明許費として計上できることといたしたのでございます。第二点は、彈力條項、すなわち專売品の売上げ増加の場合の経費の増額使用に関する制度を設けたことでありまして、予備費を使用してもなお経費に不足を生じます場合に、專売品の売上量の増加に基くところの予定見積額を越える收入増加額の一部を、事業のため直接必要とする経費に使用することができることといたした次第でございます。最後に第三点といたしまして、公社の業務にかかる現金の預託機関に関する規定を整備したことでありまして、預託機関の中に新たに大蔵大臣の指定する金融機関を加えることとし、農業協同組合に対しましても現金を預託できることといたしたのであります。
以上の三法律案につきましては、それぞれ政府当局より提案理由の説明を聽取し、数日にわたつて愼重審議の結果、去る十五日、右三案を一括して、討論を省略の上、ただちに採決いたしましたところ、起立総員をもつてそれぞれ原案の通り可決いたした次第でございます。
右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/18
-
019・林讓治
○議長(林讓治君) 三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/19
-
020・林讓治
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り可決いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101305254X02119520318/20
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。