1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月十八日(火曜日)
午後一時四十五分開会
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出席者は左の通り。
理事
岡田 信次君
委員
植竹 春彦君
仁田 竹一君
一松 政二君
高木 正夫君
小野 哲君
内村 清次君
深川榮左エ門君
衆議院議員
關谷 勝利君
国務大臣
運 輸 大 臣 村上 義一君
政府委員
運輸省海運局長 岡田 修一君
運輸省海運局海
運調整部長 國安 誠一君
運輸省鉄道監督
局長 荒木茂久二君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 細田 吉藏君
経済安定本部貿
易局長 板垣 修君
事務局側
常任委員会専門
員 岡本 忠雄君
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
説明員
日本国有鉄道総
裁 長崎惣之助君
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本日の会議に付した事件
○昭和二十六年十月の台風による木船
災害の復旧資金の融通に関する特別
措置法案(衆議院送付)
○商船管理委員会の解散及び清算に関
する法律案(内閣送付)
○一般運輸事情に関する調査の件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/0
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001・岡田信次
○理事(岡田信次君) 只今より委員会を開会いたします。
昭和二十六年十月の台風による木船災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案を議題といたします。発議者より提案の理由の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/1
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002・關谷勝利
○衆議院議員(關谷勝利君) 只今議題となりました昭和二十六年十月の台風による木船災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案の提出の理由を御説明申上げます。
木船は国鉄及び汽船と並んで、我が国内輸送に極めて重要な役割を果しつつあるのでありますが、昨年十月に襲つたルース台風は木船にも甚大な被害を与えたのであります。この法案はルース台風による木船の災害の復旧資金の融資を円滑にすることを目的としたものでありまして、融資機関が木船事業者に対し復旧資金の融資をするときは、その融資につき政府は損失補償及び利子補給の契約を結ぶことができるようにいたしたものであります。即ち復旧資金の総額の限度を三億八千万円とし、これについて政府は、融資機関のした融資ごとに年四分の利子補給を行うと共に、融資機関ごとにその融資総額の三割以内の損失補償を行おうとするものでありまして、昭和二十七年度予算中にはこれに要する予算措置も講ぜられている次第であります。このような特別の措置によりまして、ルース台風による甚大な被害の復旧を促進し、以て我が国内輸送に支障なからしめたい所存であります。
何とぞ慎重御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/2
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003・岡田信次
○理事(岡田信次君) 本件につきましては、本日は発議者の提案理由の説明だけにいたしまして、質疑その他は次回以後に譲りたいと存じますが、如何ですか。……ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/3
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004・岡田信次
○理事(岡田信次君) 速記を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/4
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005・一松政二
○一松政二君 私は国鉄総裁の長崎さんに、最近国鉄で行われました人事について御意見を伺いたいと思います。勿論総裁の権限内で行われることであるし、我々が何もその人事についてとやこう言う意思も持つておりません。ただ一、二確かめておきたいと思うことがございますから、その点について伺いたいのであります。
私は元来、最近と言いましても大分長くなりますが、高級の公務員が頻繁に代る、大抵四十四、五以上になれば、殆んど局長或いは次官として、少くとも五十以前に全部退職されているのが今日の実情だと思うのであります。で、今日の国鉄の人事をただ新聞紙上で見ただけでございますから、私の想像でございますが、恐らくは年令もその近所じやないかと思うのであります。公務員が局長或いは次官になるとすれば、恐らく優秀な人でなければその地位に到達しなかつたはずだと思うのであります。そうすると、その人には国鉄は公共企業体でありますが、国家公務員であるならば国家が殆んど想像に余りあるほど、大学を或いはその他の学校を出られた後にその役所なりその官庁に入つてから後に、その人が国家の費用において習得した知識或いは経験というものは非常に莫大なものだろうと思う。つまり平たく言えばたくさんの元手がかかつている。であるから国としても或いは公共企業体としても、その元入れをした人にできるだけ長く勤めて頂いて、そうして本人もよし、企業体もよし、国家もそれによつて裨益するところが多い。そういうふうな運営がされないものか。昔は相当長く勤めておられたようでありますが、昭和の何年頃からか若返り法というものが非常にはやりまして、四十四、五でもうそろそろ退職の噂が出るような情けない状態に私はあると思う。この点について国鉄総裁はどう考えられるか。殊に私は国鉄という所は公共の企業体といえどもこれは事業会社と殆んどその経営のやり方は異るところは、如何にも予算その他で押えられておりますが、少くともその事業経営の面では同じであろうと思うのであります。民間の企業の経営の仕方と国鉄の企業の経営の仕方は、企業体それ自身の性格がかなり違つておりますから、それに制約されることは勿論でありますが、人事の問題などはさほど私はそういう制約から必ずしも制限される必要はなかろうと思う。この鉄道の事業を経営する上においてそういう元手のかかり、長く経験を経て、そうして練達堪能な士を割合に早く退職させているのが今までの実情であろうと思うし、多少長くなつたかも知れませんが、今度の人事についてもそういう憾みはなかつたのか。勿論人心を刷新するとか、いろいろ問題もございましようが、一応その点について総裁のお考えを伺つておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/5
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006・長崎惣之助
○説明員(長崎惣之助君) 人事のやりくりと申しますか、操作と申しますか、それにつきまして只今一松委員から申述べられました点、これは私は非常に貴重な御意見でもあり、私としましても大いにその心持を一つにするところがございます。仰せの通り長い間国鉄で養成いたしまして、それから一人前になつて働くという年限がどのくらいになりますかわかりませんが、私の想像では学校を出まして、まあどうやら使えるようになるのが五年くらいであると思います。それからもう五年くらい経つと漸く一人前になる。十年くらいかかるのではないかと思います。最近やめる年限が早くなつたのではないかという仰せでございますが、それは私の記憶では非常に違つておりますので、昔は私どもは大学を出まして鉄道省へ入りました当時は、大体事務系統と申しますか、法学士ですね、そういう人は恩給がつかなかつた。十五、六年でやめておつたように私は承知しております。当時その功績賞というものがございまして、年限が何年かするとその功績賞をもらうのであります。その功績賞をもらつた法学士の先輩というのは殆んどございません。私から一、二年前の連中から功績賞をもらつたような状態でありまして、その後ずつとその功績賞をもらう人が殖えました。今度やめたかたがたも大体は二十三、四年、長いのはもつと上であります。三十年近くおります。そういう次第でありますから、今一松委員の言われました趣旨にはだんだんと何と申しますか、追いついて来ておるわけでございますけれども、併し一方余り上のほうが長くおられますと、下のほうがなかなかうまく行かないというようなことでございまして、これは非常にむずかしい問題でありますが、御趣旨のようなつもりで仕事をしておるという状況は今申上げた通りでございまして、決して或る一定の年限が来たらやめさせるということではなしに、又誰がどの地位にあるから、誰がこういう健康でどうであるということではなしに、やはり能力々々に応じて私は人を使つて参りたい。又そうすべきものであると、かように考えております。ただ、併しながら後進に道を譲つて何か活気をつけるとか、新鮮な空気を導入してやろうという気持も皆の中にはありますので、そういうものを余り押えつけることもどうかと考えております。そこらはやはり私自身の責任でもあり、同時に御趣旨のような心持でやらなければならんということもよくわかつておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/6
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007・一松政二
○一松政二君 今総裁の功績賞というのはよく聞きとれませんでしたが、昔はつまり恩給の年限になつてやめようとした人と、或いは長崎さんの今のお話ですと、恩給をとらずにやめた、それはやめたんですか、やめさせたんですか。従前のやつは本人の意思によつてやめるのは私はどなたでも特別に我がままなよし方でない限りこれはどうも止むを得ないかと思うのでありますが、本人みずから退職して行くことはこれはどうにもならない。併し或る年限が来る、まだ本人は務めていたい、けれどもどうも後進に道を譲らなければならないし、周囲を見廻せば殆んど自分よりも若い者ばかりだというようなことが居辛くなつてやめる人もあろうかと思うんです。で、昔は非常に若かつたとおつしやることをもう一度ちよつと私は知りませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/7
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008・長崎惣之助
○説明員(長崎惣之助君) 当時どういう事情でやめられたんですか、私どもはまだ学校を出たばかりの若い事務官でしたから自分はよくわかりませんが、それはいずれにしてもやはり話合いでやめたものだと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/8
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009・一松政二
○一松政二君 一般の官庁の人事と国鉄の人事とにおいては、これは国鉄が事業体である、現業官庁であるという建前からして、相当過去の経験及び知識を長く活かして使うべきであるという点については、長崎さんも恐らく今伺つたところによると、同感の意を表されておると思うんですが、後進に道を譲るということは一つの美風でもあるし、或いはそういうこともときによつて必要と思いますが、余りにつまり後進の人が多過ぎると、そうして上に行くに従つてポジシヨンが少なくなるのがこれはどの機関を見てもさようでございますが、必ずしもみんながそんな最高のポジシヨンまで行けるわけではない。いろいろな事情によつて課長にもならず或いは局長にもならず、会社で言えばいわゆる部長、重役にならずしてやめておる人がたくさんあるわけであります。併しながら課長や部長にならないからと言つて五十まで、或いは五十五、六まで勤めておる人もあるわけです。でありますから、特別にみずから退職を求めるなり、或いは後進に道を譲る、場合によつては或る意味において譲らせる。いわゆる諭旨退職みたいな、まあ無能な人が長くその職を汚す場合はこれは諭旨退職も止むを得ないと思いますが、後進に道を譲るということは、これは公務員としては私は一応納得行きますけれども、事業経営ということになると、民間の経営者だというと死ぬまでやつておる人もある。大低六十……社長或いは専務、或いは常務重役などは相当な年輩の人がみんなこれに当つておるのであります。必ずしもこれは後進に道を譲らない、重役は……。私はやはり国鉄の企業が企業としてしつかり下に号令するには、やはり幹部が相当長い年限を要して、そうしてがつちりと公務員を把握して督励すべきであると思うのです。でありますから、理事の諸君はやはりこれはいわゆる重役の建前であろうと思うのですが、そういうポジシヨンになるだけの人はやはり年令を見ずに或る程度長い勤務をして、そうして国鉄のために尽力して頂くほうが国鉄のためでもあり、国のためではなかろうかと思うのですが、その点について今後できるだけ年限を……年限ではありません、つまり人間の価値を、元入れをした価値を、折角元入れをした者を中途で以て放してしまうというような気がいたしますので、国家としても私は甚だ損が多かろうと思うのです。入れては出し、入れては出しするようなもので、極端に言うと最も下手なやり方になるのですが、今日の公務員が全部そうだというわけではありませんが、下手な会社で待遇が悪かつたり経営が悪いと、入つては出、入つては出して、そうして企業全体がうまく行かない。長く人間が勤められるところほど成績が挙がるわけだと思うのでありますが、企業体といわゆる一般官庁の公務員との間において相当人間の勤務年限なり仕事の仕振りについて違つたところがなければならんと思いますが、その点について如何お考えになりますか。もう一度承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/9
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010・長崎惣之助
○説明員(長崎惣之助君) 今のお話の点は私御尤もと思います。できるだけこの年限、年限ということじやないとおつしやいましたが、その通りでございまして、やはり人の能力というものを、殊に私どもの仕事などはどつちかと申しますと、いわゆる一般行政ではございませんので、極めて專門的な技術的な面が多いわけでございます。従いましてその習得した技術という面に習熟しておる人はこれはできるだけ長く使うということは、私は仕事そのものの本旨から申しましてその通りであると思います。併しながらこれもやはりおのずから限度がございますので、余り長い間同じ人がやつておるということも、そこに進歩ということが欠けて来る点がございます。併し進歩の欠けるようなことではいけないので、飽くまでも進歩性があり、革新性もあり、改良するという熱もあり、力もあるというような人は、私は年齢が五十であろうが、六十であろうが、できるだけ長く活かして使うということが一番事業としていいということは全く同感でございます。従いまして、将来におきましてもそういう趣旨でできるだけで、できるだけ能力のある人は長く使つて行くということは、私は大賛成なのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/10
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011・一松政二
○一松政二君 もう一点総裁に伺つておきたいのは、企業体であるが故に、事務にあらずして……先ずやることはおおむね事務と仕事というふうに分けると一応はつきりするようなしないような点もあるかと思いますけれども、総装はおわかりだろうと思うのです。国鉄はさつきも申上げましたように、公共企業体であるから普通の民間会社とは違いますが、併し事業であることは確かでありますから、事業はおおむね重役が計画して、そうしてそれを下に及ぼすのが事業であるわけです。そうすると、今日の国家公務員なり各省のやり方を見るというと、起案する人は大抵昔で言えば属官という形のほうから案を具して上に持つて来る。そうしてその昔の属官と言われた人が長い間或る一点の巣を食つておつて、そうして仕事は、まあ官庁の事務はそういう者が主としてやつておつて、大学を出たところの課長補佐なり課長、局長がずつとただ盲判と言えば語弊があるかも知れませんが、下のほうでやつておることを殆んど御存じないことがある。同様に国鉄についても私はそういうことがありはしないか、事業体であるが故に中心は私は少くとも課長なり課長補佐の人が全体を把握しておつて、その下におる人が日々何を一体やつておるのか、どういうことをやつておるのか、殆んど顔を見れば今日はあれは何をやつておる、今日はこれは何をやつておるというくらいに私は目が届いていなければならないと思うのです。ところが必ずしもそうでないように承わるので、私はこれら私の総裁に対する希望を申述べて、総裁の御意見も承わつておきたいと思うのです。つまり局長、課長がむしろリーダーになつて、そうしてあとの人はそれの手伝いをする、足らないところを……、いわゆる本当の事務だけをやつて、仕事の中心は課長或いは課長に代る者でなければならんと思うのです。それで、そうすれば、私は何も国鉄のことを言おうとしてはおりませんが、今日各官庁においていろいろ新聞沙汰になつておることがある。それもおおむね、中には違うこともありましようが、おおむね課長、局長が知らずにか、或いは知つておつてもずるずるつまりその方面に引き込まれたというような恰好のものが多いのじやなかろうかと私は思うわけです。でありますから、成るべくまあ予算で縛られておるのは止むを得ませんが、二般の事業会社の能率のように、総裁みずから陣頭に立たれておるわけですが、局長、課長が仕事の中心になつて、そうして何をどこに註文し、或いはどこに何を修理をさしておつても、一々属官に聞かなくしも課長みずからがその事件を心得ておるように私はやつて頂きたいと思うのでありますが、それが私は仕事の本筋であると思うのです。どうぞそういうふうにやつて頂きたいと思います。その点について総裁のお考えを伺つておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/11
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012・長崎惣之助
○説明員(長崎惣之助君) 只今仰せになりましたような傾きは曾つてはあつたことを私は否認いたしません。が、併し戦争以来、殊に昨今におきましては、この長年国鉄には御承知のように一歩も足を入れておらなかつたのでありますが、今度こういう責任を負わされまして帰つて見ますと、その点は非常に改まつておるようであります。昔は課長、局長の判を属官が持つておつたというような、部面によりましては、全般ではございませんが傾向があつたかうに私は記憶しておりますが、今日はそんなことはございません。全然それは改まつております。全部局長、課長が見まして判を押しておるということになつております。まあルーテインな、日常の業務のようなものになりますと、随分書類が多いものですから、それはようわかつておるからということで任せておつたというようなこともございますけれども、今はそれはやつておりません。それから大きなあら筋の方針は私と副総裁、並びに今度特に作りましたが、総裁室に調査役というものを置きまして、それに調査をせしめて、大きな方針だけは理事会にかけてそれを決定する、そうしてそれを下に及ぼして行くというふうにいたしまして、いわゆる理想的なアメリカでやつておりますトツプ・マネージメントというふうにはなかなか参りませんけれども、そういう方向に持つて行きたい、あら筋だけは少くとも我々が考えてきめて行く。細かい実行の方法、手段というものは所管の局長にそれを立案させろという方向に持つて行きたいと折角努力をいたしております。御趣旨の点は非常に私は結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/12
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013・一松政二
○一松政二君 もう一点だけちよつとお伺いしたい。今総裁のお話を承わりまして私も非常に満足であります。どうかそのようにやつて頂きたいと思うのです。ただ、国鉄ではございませんが、いわゆる昭和の十年、或いは五、六年頃からか、いわゆる下剋上の風というものが各方面に拡がり、殊に今度又終戦後になると、いわゆる労働問題によつて殆んど左右される。そうしてどうも下のほうの力が強いというようなことを言う人もあつたりして、企業が私は日本の今の実業界におきましてもかなりまだ批判すべき余地がたくさんあると思うのです。どうぞ総裁におかれましては、今お話の通りの御趣旨によつて全体を把握し、しつかり御経営になるようにお願いをいたしまして、私の質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/13
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014・岡田信次
○理事(岡田信次君) ほか御質問ございませんか……それでは日程に捕獲審検所の検定の再審査に関する法律案が載つておりますが、本日各派の議員さん皆さんおいでにならないかたもありますので、次回に廻したいと思いますが如何でございますか。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/14
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015・岡田信次
○理事(岡田信次君) それではこの案件は次回に廻します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/15
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016・高木正夫
○高木正夫君 私は安本のほうから乗用自動車に関する説明を求めたいと思つて要求しているのですが、どうも見えないということであるのですが、是非これは私としては聽取したいと思うので、委員長において然るべき措置をとつて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/16
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017・岡田信次
○理事(岡田信次君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/17
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018・岡田信次
○理事(岡田信次君) 速記を始めて……。
それでは商船管理委員会の解散及び清算に関する法律案を議題といたします。先ず政府より提案理由の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/18
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019・村上義一
○国務大臣(村上義一君) 只今から商船管理委員会の解散及び清算に関する法律案の提案理由を御説明申上げたいと存じます。
この法律案は商船管理委員会の解散及び清算に関しまして、清算人の決定、清算の方法、残余財産の帰属、清算事務の監督などを定めようとするものであります。商船管理委員会は御承知の通り戦時海運管理令に基きまして設立された特殊法人でありまして、現在では国家機関として国の予算を以て賄われておるのであります。委員会の基礎法である戦時海運管理令は国家総動員法に基く勅令でありまするが、国家総動員法を廃止した後におきましても、この委員会を存続させるために総司令部の指令に基きまして十二回に亘つてその効力を延長して参つた次第でありまして、元来戦争目的遂行のために設けられた船舶運営会が商船管理委員会として現在に至るまで存続して来ましたのは、専ら占領軍がその占領目的のために設置を命じたいC・M・M・Cに代りまして、C・M・M・Cとみなされて働いて来たからであります。従いまして、占領の終結が見通された現在におきまして、その存続はもはや必要がないと認められるのであります。このような事情から第十二回目の延長の最終期でありまする本年三月三十一日を以て戦時海運管理令を自然失効させまして、運輸大臣はこれに先だちまして、この管理令第六十條の規定によりまして、この委員会に対しまして本年三月末日を以て解散すべき旨の命令を発することとしたいのであります。ところでこの委員会は特別法に基く法人でありまする関係上、その解散なり又清算につきましては直接民法、商法の適用がないのでありまして、このような法人の解散及び清算に関する先例に做つて商船管理委員会の解散又清算の実施をし、その監督等については新らしく法律を制定するのが最も妥当な方法と考えられるのであります。これがこの法律案を提案いたしました理由であるのでありまして、なおこの管理委員会の現に行なつておりまする業務は外航船舶の外国における入出港及び外航によりまして收受する運賃の見込額につきまして、運輸大臣の承認を受けるために同委員会を経由すること、又LSTの運航事務並びに帰還輸送船管理事務の三者であるのであります。右のうち第一の入出港及び運賃の承認の経由事務は船舶運航令に基くものでありまして、この運航令は講和発効後百八十日を以つて失効することとなつておるのであります。又LSTの運用につきましては、新たに設立される会社と米国の海軍との契約によることといたしまして、帰還輸送は政府が直接これを行うことといたしておりまして、それぞれ今後における措置に遺憾のないことを期しておる次第であります。
何とぞ慎重御審議を下さいまして速かに御可決下さいますことを切に希望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/19
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020・岡田信次
○理事(岡田信次君) 続いて本案の要綱の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/20
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021・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) それでは商船管理委員会の解散及び清算に関する法律案の極く概要を御説明いたします。
先ず第一に内容といたしまして、商船管理委員会は運輸大臣の命令でこの二十七年三月三十一日を以て解散するということにいたしております。この委員会の清算事務は遅くとし昭和二十七年九月二十日までに結了しなければならない。委員会の清算事務は運輸大臣がこれを監督する。委員会の清算人は運輸大臣がその委員会の役員又は職員のうちから任命する。清算人は就任の後直ちに委員会の財産の現況を調査し、財産目録及び貸借対照表を作成して運輸大臣の承認を受けなければならないこと。それから清算人は又その財産目録及び貸借対照表につき会計検査院の検査を受けなければならない。それから委員会は二十七年度の收入金及び委員会の二十六年度剰余金を国に納付しないで、それをすぐ清算の金に充てることができる。ただこの委員会の事務費は二十七年度の予算に計上しておりまして、約四千万円計上しておるわけであります。事務費以外の清算に必要なものに充てるというわけであります。委員会の権利義務で運輸大臣が委員会の清算を促進するために必要と認めて指定したものは国が引継ぐこととし、これは九月三十日で清算を結了せしめることとなつておりますので、それまでに清算事務の片付かないものは運輸大臣が一定の期間告示いたしまして、然る後その権利義務が国に引継がれるということにして清算を結了させることにいたしたのであります。それからその次は、清算事務が終つた場合に、清算人は直ちに清算報告書を作つて運輸大臣に提出して、その承認を受けしめること。それから清算報告書には清算に関する重要な書類、委員会の帳簿、その事業に関する重要な書類を添付せしめます。それから運輸大臣の承認を受けた清算報告書は会計検査院の検査を受けしめることとする。委員会の残余財産は国庫に帰属する。その他登記とか、或いは清算人の職務権限、債権者の取扱い、これはすべて各種公団の清算の例に倣つたのでありまして、内容としては大体他の公団の清算とその手続その他は同様でございます。別段のものはない次第でございます。
簡単でございますが、以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/21
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022・岡田信次
○理事(岡田信次君) 本案につきましては、只今の提案理由の説明並びに要綱の説明で本日は打切り、質疑は次回ということにいたしたいと思いますが、如何でございましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/22
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023・岡田信次
○理事(岡田信次君) それでは、さようにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/23
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024・小野哲
○小野哲君 ほかの質問をいたしてよろしうございますか……。
丁度運輸大臣も御出席でございますので、私から行政機構の経過についてお伺いいたしたいと思うのでありますが、昨日でございましたかの新聞に、政府与党或いは、自由党だけかと思いますが、行政機構の問題について何らかの結論が出たやに窺われるわけでありまして、運輸大臣におかれましては、この間の経過の概要についてお話を伺えれば大変結構だと思うのですが、この点を伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/24
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025・村上義一
○国務大臣(村上義一君) 行政機構の改正が問題となつておりますことは御承知の通りであります。案は今日まで余りに進展しておらんと申しますのが適当じやないかと思うのでございます。先月中旬に、あらかじめこの問題につきまして、その担務者と申しますか、木村法務総裁と野田建設大臣が一応起案をされることになつておりまして、先月中旬に御両所からそれぞれ口頭での説明が、極めて要綱のみの説明があつたのであります。その後私どもも進展如何ということは多分に関心を持つておりまして、機会あるごとに質問を繰返しておつたのでありますが、昨日までのところにおきましては、各省大臣からそれぞれ意見書が両大臣の所に集つておるということ、それから両大臣から各省の事務次官に対して一一希望意見を聽したということ。そういうままで実はあつたのでありまして、これに対してこれらを考慮に入れて第二案を作成せられるということになつておらなかつたのであります。それは自由党のほうにおきましても委員会ができておりまして、その委員会の意見を聞きたいということを考えておられたのでありす。これが大体昨日まとまりました。で、両大臣においてそれら今までのすべての意見を総合して一つの案を作られるということになつておりまして、その案ができましたら……、恐らくもうできておると思うのでありますが、それに基いて懇談を更に重ねて、是非今週中に意見をまとめたいという考えをすべての者が持つておる次第なんであります。現在具体的に申上げるようなことはないのであります。なお御指摘になりました新聞に掲載されておる意見というものは、これは自由党の意見とはよほど異つておると思うのであります。ああいう具体的な意見ではないのでありまして、極めて私の聞いておる範囲におきましては、自由党の委員会その他適当な機関を通してきめられた意見というものは、方針、要綱をきめられたに過ぎないのであります。ついでながら申しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/25
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026・小野哲
○小野哲君 只今運輸大臣から御説明を頂いたわけでありますが、行政機構の改革の問題は一運輸省のみならず各般の政府機関に関連のある問題でありまして、予算の審議をいたします場合におきましても、行政機構が如何なる形で現われて来るであろうかということは、予算委員会等におきましても大きな関心を持つておることは運輸大臣も御承知かと思います。なお又我々運輸委員会の委員といたしましては、運輸大臣が御就任になりまして以来、陸、海、空に通じた総合的な運輸行政をやつて行くべきであるという御抱負の下に運輸行政を担当されておりますお気持からも考えまして、多大の関心を寄せておるわけでありますが、政府のやり方を見ておりますと、行政機構の問題を隠密の間に何らかの成案を得て、而も所管大臣にもなかなかこれを連絡をとらないような傾向があるやに見受けられますことは、誠に遺憾に堪えないところであります。むしろ私の考え方を以ていたしますならば、政治の動きと密接な関係を持ち、且つ又それぞれの政策を遂行して行くための行政機構であります点から考えまして、むしろ広く意見を聽取して、単に内閣の一部大臣だけでこれを取扱うというのではなくして、広く意見を求めるという態度が望ましいのではないか。特に運輸省の所管行政につきましては、相当專門的な立場において検討しなければならない事柄もあるように思われるのでありまして、その帰趨如何によりましては、運輸行政全体の運営の上に至大の影響を及ぼす虞れがあるのではないかということを多分に懸念をいたしておるわけであります。従いまして、誠に運輸大臣のお立場上は何かと御苦心の点が多いことと重々拝察いたすわけでございますが、私どもの考え方をお聞き取りを願いまして、交通政策が如何なる行政機構によつて運営されることが最も妥当であるかという点を基礎として、内閣が行政機構の問題を取上げることを日常要望もいたしておるわけでありますが、適当な機会において運輸大臣もそれらの点を御勘案を願つて、この際一層の御尽力を頂くことが適当ではないかと、かように考えておりますので、意見がましくなりますが、意見を申添えまして、私の希望を申上げておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/26
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027・村上義一
○国務大臣(村上義一君) 只今小野さんから、暗々のうちに少数の人で進行しておるやに考えられるが、頗る遺憾であるという御指摘がございました。これは前刻も申上げました通り、全く担任しておる両大臣においても実は第二案は作つておられなかつたというのが昨日までの実情であります。他の大臣は何ら承知していなかつたという、実は次第であります。その点について御批判があつたことと拝察いたします。併しこれは前刻も申しました通り、折角約半年前から党において委員会を設けて折角検討を続けておられた、これを参考にしたいという考えがあつたことは一昨日も明瞭に御両者から説明を伺つたような次第であります。昨日から始めてこの問題が内閣全体の問題として取上げられたという実は次第であります。この点一つ御了承おきを願いたいと思います。
なお、運輸行政というものと運輸省の機構というものは密接不可分であつて、その機構の善悪如何によつて、運輸行政の善悪に密接な重大な影響があるということは、私も夙に考えておつたところであります。実は私の意見は十数年前から、交通行政の機構はかくあるべしという実は意見を持つておりました。勿論客観情勢の推移に基いて考慮、再検討を要する点もありました。これらの点につきましては、御承知の通り民間の諸団体の代表者をやつておりました当時から両院に請願の形式で、或いは又政府に建議の形式で意見を持出しておつたのであります。自然先月末だつたと記憶いたしまするが、当委員会におきまして個々の事項について御質問を受けました。私としてはすでに請願、建議の形式で数年前より発表しておつたことでありますので、これを申述べておつたような次第でありまして、今日三時から会議を持つことに相成つております。御指摘の通り重大な問題であると信じておりまするが故に、最善を尽したいと思つておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/27
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028・岡田信次
○理事(岡田信次君) 安本の関係官が直ぐ来るという返事だつたのでありますが、まだ見えませんから……ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/28
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029・岡田信次
○理事(岡田信次君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/29
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030・高木正夫
○高木正夫君 この前の運輸委員会におきまして、外国の自動車の払下に関しましていろいろ御質問を申上げました。そのときに安本のかたもおいで願うようにお願いをいたしておいたのですが、どういう都合かお見えにならなかつたが、本日はおいでを願いましていろいろお伺いをしたいと思うのです。大体日本の今日の自動車の輸入におきましては、三十六年、三十七年という車ですが二万何千台、これは非常に年令もついておりまするし、非常に事故が多いし、又従つて修繕も多い。これを何とかすべきじやないかというのはこれは一般の世論であると思うのであります。それに対して供給はどうなるかというと、国産の問題があるわけです。国産は現に小型しか出来ていない。而も今までは三千台くらいしかできていない。或いは今度はまあ気張つて資材を提供しても六千台ぐらいしかできない。六千台ぐらいではとてもそれでは追つ付かない。殊に普通自動車におきましては、これはなかなか工作機械が手に入らない。アメリカから工作機械を入れるにしてもそれは一、二年はかかる。現在そういう能力がない。ここ数年は普通の乗用車はできない、これはもう誰もわかつているわけであります。そうすると、現在このような状態では行けないということははつきりしているわけであります。経済の促進から言いましても、このままにしては置けないのじやないかと思う。これをどうすればよいかということについては、これはもう結論がおのずから出るので、外国の乗用車を輸入する、中古車でもいいし、新車でもよろしいが、輸入しなければならぬというふうに私どもは考えるのであります。又一般世論もそういうふうなところにあると思うのでありますが、安本のほうではそれをどういうようにお考えなさつているか、それをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/30
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031・板垣修
○政府委員(板垣修君) 外国自動車の輸入問題につきましては、従来はいわゆる融通とか、古い中古車という名前で多少入つておつたわけであります。今お話のように確かに国産の関係それから価格の関係その他から言いまして、どうしても国内の生産だけでは当分の間は間に合わないということは確実なのであります。一方むやみに多量に入れますことは国内の自動車行政との関係もございますので、私ども輸入外貨予算を組むものといたしましては、関係者のいろいろな要請その他を調整いたしまして、従来最小限度の輸入計画を組んで参つたわけでございます。四月から今度は多少自動車の関係の規則が新らしくなりまして、日本人が円でも自動車を買受けられるようになるようでございますが、今度は少し従来よりは多量に入れようという計画を持つております。但しドルからの輸入につきましてはいろいろな関係がございまして、主として外人用関係のものをドルで入れる、日本人関係のものについてはポンド対策の輸入も加えまして、主としてポンド地域及びオープン・アカウント地域からの輸入をやれという方針で大体外貨予算の編成をいたしております。御承知のようにこの四月から半年予算になりましたので、只今準備をいたしておりますのは四月から九月までの外貨予算でございます。まだはつきり申上げる段階にまでなつていないで本当の事務案でございますが、只今予定いたしておりまするのは、中古車とそれから新らしい車のドル向けのほうは約四百万ドルばかりの輸入計画を立てております。それからポンド地域、主として日本人用に向けられるところのポンド地域、オープン・アカウント地域からは三百万ドルの予算をこの半期で組むことになつておりますので、まあ日本人関係のほうが台数にして見ますれば、千五百台ぐらいの輸入計画になるわけですが、この数が多いか少いかは問題があると思いますけれども国内の自動車行政の関係もございまして、一応この程度で行こうじやないかということで今意見が一致しておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/31
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032・高木正夫
○高木正夫君 今の四百万ドルとおつしやるのは何ですか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/32
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033・板垣修
○政府委員(板垣修君) ドル地域からの……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/33
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034・高木正夫
○高木正夫君 それは第一四半期だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/34
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035・板垣修
○政府委員(板垣修君) 上半期四月から九月までの予算です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/35
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036・高木正夫
○高木正夫君 今度は二回にやるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/36
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037・板垣修
○政府委員(板垣修君) そうです。それから十月以降はどのくらい組まれるかわかりませんが、組まれるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/37
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038・高木正夫
○高木正夫君 そうすると、去年より少いわけですね、ドルのほうは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/38
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039・板垣修
○政府委員(板垣修君) ドルだけから見ますれば、ちよつと只今記憶しておりませんが、少しドル地域は減るかも知れません。その代り新らしくポンド地域からは相当殖やします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/39
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040・高木正夫
○高木正夫君 只今国産の関係もあるということですね、これは御尤もだと思いますので、この点はこの間私どもの意見は縷々申上げました。併し局長さんのお話もありますので申上げたいと思うのですが、現在の国産のほうは余りに行き過ぎるのではないか、これは一般の世論ではないかと思います。利用者側もよくお考え願わないと徒らに高くて悪い自動車を使わせるということは当然利用者側の犠牲においてやることになるのではないか。もとより何でも国産ものは奨励しなければならんが、現在のところでは余りに行過ぎているんではないか。或る程度そこで調整を取るべきである。少くともそれには私どもとしての考えでは、二万何千台という非常に危険な車があるんだから、その程度は一遍に行かなくてもここ一、二年のうちにして頂くのが丁度妥当な考え方ではないかというのが私どもの主張でありまして、この間も運輸省と通産省のかたがたの前で述べたわけですが、どうも両者意見が一致しない。運輸省の意見は私どもの意見とよく一致しますが、甚だ悲しむべきことだと私どもは思うのですが、まあ安本のほうでは根本問題を押えられるのだから、一つその点は十分御考慮を願いまして、今までのような枠でなしにもうちよつと殖やして頂きたい。全体のこの外貨の枠は三十億でありますが、そのうちでこの自動車に使つておるのは御承知の通りに五%足らんくらいである。この程度でいいのかどうかという問題です。これは一つ大きく考えなければいかん。ほかの物資、生活物資でも外人が今まで使つておつたのが最近では日本人が使つておる。チヨコレートにしても外国の菓子、それから洗濯道具、写真機、そういうようなものに自動車よりも余計にドル資金が出ておるわけです。これでいいのかどうか。そういう理窟も言いたくなるわけなんです。そこにはいろいろ儲けがあるらしいのですが、そういうものと同じように自動車というものは見ていられるのかどうか。これは根本的に考え直さなければいかんじやないかというように私は思うのであります。今の御説明の程度では私どもはこのドル資金の支出という点については満足はできないわけです、はつきり申上げます。もう一つ実情をよく察知して頂きまして、できるだけ局長のほうのお骨折りを願い、これは質問よりお願いになりましたが、一般の世論であると思いますので申上げておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/40
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041・板垣修
○政府委員(板垣修君) なお今後とも関係省とも相談をいたしまして、できるだけ御趣旨に副うように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/41
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042・高木正夫
○高木正夫君 どうぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/42
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043・一松政二
○一松政二君 今の七百万ドルの上期の輸入のお話がございましたけれども、それが内地の生産に、生産というか値段に影響するという考え方もこの前の高木さんのお話でわかつておるのです。それは限度があるはずなんですが、そういう限度については研究したことがあるのですか。何台入れれば値段が幾ら下る、これでは生産の維持ができないとか、今高木さんが言われるようにあんな一年も使われないような車にべら棒な値段がついておるということは国産の進歩にも何にもなりはしない。自動車が退歩するばかりだ、あんなことをやつておるのでは。どうしてどこからそういう保護を必要として来ておるか。その点を貿易局長がわかつておるなら一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/43
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044・板垣修
○政府委員(板垣修君) その面につきましては、自動車行政の問題になりますので、実は安本の貿易局としてはそこまで深くは研究段階に入つておらないのでありますが、この面につきましては、従来とも私どものほうとしましては外貨の面から制約がある、やはりできるだけ少なくドル支出をしたいという要望がありますのと、それから今の輸入の面から言いますと、自動車行政の保護の面に当つておりますところは成るたけ国内産業に対する影響を少なくしようという関係がありますので、その関係からその御要望に副うように入つていなかつたし、今後急速に入るか否かはよほど関係省との間に話合いを進めて行かなければ実現しないと思いますが、今の国内産との関係、どの限度まで入れても差支えないかという線につきましては、恐らく機械局あたりは一応の研究はしておると思います。差当り千五百台ぐらいなら大きな影響はないという消極的な限界だけはできておるということだけ申上げるよりほかないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/44
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045・高木正夫
○高木正夫君 今の千五百台というのは問題じやないですね、実際の話では。国産車は乗用車は今作れないのですね、小型でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/45
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046・板垣修
○政府委員(板垣修君) 従来は外貨の面から制約が多かつたのですが、今度は少し楽になりましたから今度はその面から少し解きほぐすことはできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/46
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047・一松政二
○一松政二君 このポンド地域というのは主にイギリスが主だと思うのですが、自動車に関する限りはこれはオースチンとか、ああいう中級というか、小型というか、あれは向うの生産にも限りがあつて、やはり日本に輸入が意のごとくならんのじやないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/47
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048・板垣修
○政府委員(板垣修君) 私も細かいことは存じませんが、日本として欲しいオースチンとかああいう中型のやつは非常に向うも生産が限られております。生産がありましても主としてドル向けに限つてやつておりますので、日本が買えるにしましても、ポンドで買えるかどうか非常に疑問の点があります。併し今度ポンド対策に関連しまして、イギリス側と交渉しているのでありますが、自動車は多少は出してもいい、ただ型とかそういうもののタイプはまだわかりませんが、いいという話だけはありまして、果してオースチンという希望する型が入るかどうかは不明でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/48
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049・小野哲
○小野哲君 外貨資金の点について関連して伺つておきたいと思いますが、平和條約発効後において外貨資金の運用については何らかの変更を生ずる予想があるかどうか。言い換れば外貨資金の運用が現状のままで行つた場合においては、恐らく品目別に相当枠ができて、その間の運用の上で融通性がないというふうな状態にあるのではないかというふうに素人考えで見るわけでありますが、外貨資金の運用の上に何等かの措置を講ずるお見込であるかどうか、この点を伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/49
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050・板垣修
○政府委員(板垣修君) 外予算の編成につきましては、従来御承知のように事前に総司令部と密接な連絡をとつて実施して参つておるのでありまするが、今度の四月以降の問題につきましは、全部日本側に任せるという非公式の示達を受けております。近く或いは正式に覚書が来ることになつております。従いまして、四月以降は日本側で十分に十分と言つては語弊があるようでありまするが思うように編成ができるわけであります。只今御指摘のような点がありましたなら、それは運用の面で日本側として研究して改善する余地は十分あると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/50
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051・小野哲
○小野哲君 それで更に伺いたいのは、ポンド地域とドル地域によつてその資金の運用の上においていろいろ変つて来るだろうと思うのですが、たとえて申しますと、私は先ほど品目別というふうな言葉を使つたのは、石油の例をとつて見ますと、石油の中にもいろいろの種類があるわけです。従つて原油を輸入した場合において、その操作によつては軽油も出て来れば、揮発油も出て来る。或いは重油にもなるということですね、さような場合において資金の運用を一本にまとめてやつて行くということが極めて妥当なやり方ではないか、かように思うのであります。自動車の点についても同じようなことが或いはあるのではないか。従つて例えば先ほどお話があつたように三百万ドルとか何とかいうような一つの枠ができて、その枠の範囲内において千五百万台という数字が出て来るわけでありますが、併しながら日本の自動車工業の技術的な向上とか、或いは価格の操作の問題であるとか、言い換えれば高木先生からも御摘になりましたような立場において我が国の自動車が如何にあることが最も適当であるかというようなことを外貨資金の運用の上から再検討をして行く必要があるのではない。即ち外貨資金の運用自体について一本化と申しますか、改善を要する点があるのではないかということが一つと、かく改善することによつて自動車ならば自動車に例をとつて見るならば、国内における需給と見合つた弾力性のある貿易と申しますか、輸入と言うか、そういう点を考えて行く必要があるのではないか。これらの点についての御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/51
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052・板垣修
○政府委員(板垣修君) 外貨予算運用の面につきまして、石油の例をお引きになりましたが、確かに石油等につきましては、従来石油及び石油製品の中で非常に細かく予算を組んでおりましたので、その間の運用の融通がきかなかつたという点がございました。日本側といたしましては、従来総司令部に何遍も石油及び石油製品について二本価格の一本化をお願いしておりましたが、ガソリンを除きまして今回認められましたので、今後なるべくそういう形で予算面の運用をして参りたいと思います。ただ、自動車の場合が石油の場合とぴつたり当てはまるかどうか知りませんが、自動車につきましては、御承知のように広い枠で予算を組みまして、その範囲内で運用に弾力性を持たせるということは当然私どもとしてはとりたいと考えております。
それから今後の予算を組むにつきまして、国内の生産などの関係で弾力性を持たせるということは御趣旨に副つて善処して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/52
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053・小野哲
○小野哲君 今石油を例にしてのお話がありましたが、一本化の方向に向つているということでこれは私非常に結構だと思いますが、ガソリンだけを切離すということにつきましては、どういう理由があるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/53
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054・板垣修
○政府委員(板垣修君) これは日本側としましては、初めからガソリンも含めての一本化であつたのでありますが、総司令部から許可が出なかつたのであります。理由は実ははつきりしなかつたのでありますが、従来ともガソリンに対しましては、総司令部といたしましては一種の贅沢品であるということで、高いドルを使つてガソリンを買うということにはできる限り制限的な意向を持つておつた、その関係から別枠にして監視を十分にしようということでなかつたかと思います。併しながらこの四月からは広く一本にしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/54
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055・小野哲
○小野哲君 そうすると、平和條約発効後と申しますが、四月かうは管理が日本政府に戻されるということになると、石油及び石油製品については全面的に外貨資金の運用については一本化でいい、かように了承していいでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/55
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056・板垣修
○政府委員(板垣修君) そういう方向になろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/56
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057・植竹春彦
○植竹春彦君 さつきちよつと聞きましたのですが、四百万ドル、三百万ドル、それに対して合計千五百台ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/57
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058・板垣修
○政府委員(板垣修君) これは単価のとれ方によりますと、二百万ドルが千五百台の分に、四百万ドルのほうは又外入用で一応別ですが、これも二千ドル単位にいたしますれば、二千台になります。全部で三千五百台になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/58
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059・植竹春彦
○植竹春彦君 質問の要点は一台をどのくらいに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/59
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060・板垣修
○政府委員(板垣修君) 二千ドル単位で見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/60
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061・岡田信次
○理事(岡田信次君) ほかに御質疑はございませんか。
では、本日の委員会はこれを以て散会いたします。
午後三時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X01119520318/61
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