1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年二月二十一日(木曜日)
午前十時四十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 廣瀬與兵衞君
理事
赤木 正雄君
田中 一君
小川 久義君
委員
石川 榮一君
深水 六郎君
小笠原二三男君
三輪 貞治君
国務大臣
建 設 大 臣 野田 卯一君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
常任委員会専門
員 菊池 璋三君
説明員
建設省河川局治
水課長 伊藤 剛君
建設省地理調査
所長 武藤 勝彦君
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本日の会議に付した事件
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
令に関する件に基く建設省関係命令
の措置に関する法律案(内閣送付)
○住宅緊急措置令等の廃止に関する法
律案(内閣提出)
○河川、道路、都市及び建築等各種事
業並びに国土その他諸計画に関する
調査の件(空中写真の利用状況に関
する件)
○岩手県田瀬ダム建設に伴う損害補償
等の請願(第三四七号)
○球磨川改修工事に伴う部落立退補償
の請願(第三五八号)
○高津川を直轄河川編入等の請願(第
三八五号)
○斐伊川治水工事完成促進に関する請
願(第三八六号)
○雄物川改修工事に関する請願(第二
四三号)
○埼玉県の中小河川改修工事費国庫補
助増額等に関する請願(第四四九
号)
○和田吉野川下流延長工事施行に関す
る請願(第五五〇号)
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001・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 只今より委員会を開会いたします。
それではポツダム政令に関する二法律案について建設大臣から提案理由の説明を聴取しまして、その後請願、陳情の審議をいたしたいと存じます。先ず建設大臣から説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/1
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002・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 只今提案になりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令の措置に関する法律案の趣旨を御説明いたします。
建設省関係のポツダム政令は、昭和二十年に制定されました住宅緊急措置令と昭和二十五年に制定されました空中写真の利用等に関する政令の二であります。
その中空中写真の利用等に関する政令は、連合国最高司令官から日本政府に貸与された空中写真を、建設省地理調査所において保管し、これを戦災復興又は経済再建の事業のために必要がある場合においては、国若しくは地方公共団体の機関又は測量法にいう公共測量を実施しようとする者が広く利用できるものとするために、その保管、利用の手続及び期間、処分等について必要な規定を設けているのであります。今後におきましても、引き続きその利用を認めることが適当と認められますので、この政令を法律としての効力を持つものとするものであります。
住宅緊急措置令につきましては、その廃止に伴う経過的措置について若干所要の規定を設ける必要がありますので、別途その廃止に関する法律案を提出して御審議を願いたいと存じております。
何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
住宅緊急措置令等の廃止に関する法律案の提案の趣旨と内容の概要を御説明申上げます。
住宅緊急措置令は、昭和二十年勅令第五百四十二号ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件に基いて、昭和二十年十一月二十一日に制定されたものでありまして、当時、終戦直後の混乱期に当り、海外引揚者、戦災者等の住宅困窮者の数が極めて多く、住生活の不安著しいものがありましたので、これらの住宅困窮者のために緊急に住宅を確保する目的で制定されたものであります。その要点を申し上げますと、第一にこれらの住宅困窮者を収容するために、都道府県知事は罹災建物その他寄宿舎等で現に使用されていないもの又は使用上余裕があると認めるものを、その指定する地方公共団体その他の公益的団体をして一年乃至三年の期間を限つて強制的に使用させることができるものとしたことであります。この使用によつて生ずる損失は、使用権の設定を受けたものが建物の所有者に補償ずるものとし、その金額は都道府県知事が住宅緊急措置損失補償委員会の議を経て定めることになつております。なお、使用権の存続期間は必要によりましては知事において更新することができます。第二に、右に述べた遊休建物を一時住宅として転用する外に都道府県知事は、必要があると認めるときは、使用上著しく余裕のある一般住宅の所有者又は占有者に対して、その一部を引揚者等に貸し付けるよう勧奨又は命令することができることであります。
以上申上げましたところからもおわかり願えるように、住宅緊急措置令は住宅建設が軌道に乗るまでの暫定的な緊急住宅対策であり、経済の安定と社会秩序の回復に従い、当然廃止すべき性質のものであります。今回平和条約の締結に伴い、いわゆるポ政令を整理するに当りまして、政府は次に述べる理由からこれを廃止することが至当であると認め、この住宅緊急措置令及びこれに基く住宅緊急措置損失補償委員会官制を廃止することとし、現に入居している居住者に対する措置、建物の所有者に対する補償その他所要の経過措置を講ずるため、本法律案を提出したのであります。
第一に、すでに終戦後六年以上を経過して、最近の我が国の住宅事情も終戦直後に比べるとかなり好転し、特に公営住宅の供給と住宅金融公庫の利用による融資住宅の建設がおおむね順調に行われておりますので、今日では私人の所有にかかる建物を強制的に住宅に転用すること、当を得た措置とは考えられません。いわゆる余裕住宅の強制的開放につきましても同様でありまして、元来日本の住宅は、家屋の構造上共同生活に適せず、住宅の所有者又は占有者と賃借人の生活程度や生活感情の相違等から同居生活がうまく行かず、とかく問題を起しがちで、余り芳しい成績を挙げていない実情であります。第二に、建物使用の対価として建物の所有者に対して支払われる損失補償金額は極めて低額であり、而も起業者によつてはその低い損失補償金額すら満足に支払つていないものがあり、建物所有者に少からぬ損害を与えているのであります。特に使用権が設定された工場施設については、現在大部分の工場が事業を再開し、この返還を強く要望しているにかかわらず、これを本来の用途に供することができないので、建物所有者がこうむる事実上の損失は少くないのでありますが、これについては何らの補償も支払われておらず、建物所有者に不当に犠牲を強いている実情であります。なお、これらの建物は、元来住宅として不適当であるため、すでに不良住宅化しており、又この管理も適切を欠く憾みが多く、これを放置することは国民保健上も国民経済上も適当とは認められません。第三に、現在において、新たに転用できるような遊休建物は殆んどなく、又現に本令の適用により既存建物の入居者及び余裕住宅の賃借人は、昭和二十四年以降減少の一途を辿り、その数は当初に比して激減しておるのでありまして、今後かくのごとき異常な強制的住宅確保措置を必要とするような事態は先ず起らないものと考えられます。併しながら、現在残つているこれらの利用者に対しては、適当な立退先を考える必要があることは言うまでもないのでありまして、これについて遺憾のない措置を講ずるならば、この際本令を廃止しても何ら問題が存しないと考えられるのであります。
本法律案は、この住宅緊急措置令の廃止に関する経過的措置をその主な内容とするものでありまして、その要旨を申し上げますと、第一に、住宅緊急措置令に基いて使用権が設定された建物等は、その使用権の設定を受けた者において、昭和二十八年三月三十一日までに居住者を立退かせて、その所有者に返還すべきものとしたのであります。第二に、建物等の返還と促進するため、必要な場合には、都道府県知事は居住者に対して建物等の明渡しを命ずることができるものとしました。第三に、適当な立退先のない転用住宅の居住者又は余裕住宅の賃借人に対しては、公営住宅への優先入居を認めることにしました。第四に、返還すべき建物等については、その所有者の請求により、使用権の設定を受けた者又は特に必要な場合は都道府県がこれを原状に回復又はその費用の補助を行わなければならないものとし、国は、その費用の一部を補助するものといたしました。
以上が本法律案の提案の趣旨と内容の概要でございます。何とぞ御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/2
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003・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 皆さんにお諮りいたしますが、この際、空中写真に関する政令について、現況を地理調査所長から説明を願つてはどうかと思いますが、如何いたしましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/3
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004・武藤勝彦
○説明員(武藤勝彦君) 米国から貸与されておる空中写真の利用状況につきまして、御説明申上げます。
そのあらましはお配りいたしました刷物にある通りでありますが、先ず地理調査所におきまして今までに複製いたしました原板は、縮尺約四万分の一のものおよそ五万六千枚、縮尺約一万分の一のものおよそ五万枚でありまして、約四万分の一の縮尺のものは殆んど全国を蔽つております。約一万分の一のものは重要地域、大部分の平野と主要な交通路線の沿線地帯の写真であります。
次に官庁諸機関の利用状況を、地理調査所から交付いたしました写真の枚数、これは密着焼と引伸焼と合せました枚数から見ますと、昨年十一月末までに約十二万枚、本年二月九日現在では十三万枚に達しております。今これを利用目的から見ますると、森林調査以下三十に上る多方面に亘つておりますが、主要なものは森林調査修正及び基本測量、総合開発、河川開発の四つでありまして、この四つで交付写真枚数の六七%を占め、これに次ぐものといたしましては、地質調査、鉄道路線計画、都市計画の三つでありまして、以上の七つで総枚数の八五%を占めております。なお写真の利用方面は次第に拡大する傾向が認められます。又写真の利用状況を利用者別に見ますると、官庁六三%、地方公共団体三七%の割合となつております。官庁のうち最も多く写真を利用しておりますのは、建設省、農林省、運輸省通産省でありまして、その他といたしましては、経済安定本部、日本国有鉄道、郵政省等であります。地方では北海道六千五百枚、山形、熊本両県がおのおの二千枚、福島、茨城、新潟、三重、岡山、宮崎の各県が五百枚以上二千枚未満で最もよく写真を利用されております。併し枚数の多い少いを問題外といたしますれば、全国都道府県で写真を利用していない所は一つもございません。
なお昭和二十六年十二月末までに受付けました空中写真の利用申請は千六百四件に上ります。そのうち千四百七十件はすでに作業を完了し、百三十四件が昨年末において作業中でありまして、空中写真利用状況の概略は只今申上げました通りであります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/4
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005・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) それでは請願の審査を継続いたします。先ず第三百四十七号。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/5
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006・菊池璋三
○專門員(菊池璋三君) これは補償関係でありまして、速記のある際にという委員長のお計らいでありますから。岩手県田瀬ダム建設に伴う損害補償等の請願、小笠原先生が紹介者でありますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/6
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007・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは先般、一般的な質問を河川局次長にいたしましたが、諸般の事情等がありまして、御答弁を頂けなかつた点もあるのでありますが、従つて内容は各委員御了承のことでありますが、この請願に出ております事情は、簡單に申上げますと、家屋その他の物件の移転料の補償、その他の土地に関する損失の補償、それから生業に対する補償、墓地改葬料補償と、或いは家屋移転に伴う電力需用者に対する電力導入の問題、或いは水没する既存の道路の切替えの問題等々各般に亘つております。建設省のほうに関係しない部分もあるのでございましようし、或いは県自体ででき得る部分もございましようから、これは速記に上ります程度のことはその程度に御説明頂き、速記は困るということについては速記をとめて、この際建設省側の御見解を承わつておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/7
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008・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 田瀬ダムの補償につきましては、昨年以来今なお準備調査、或いは一部の折衝を続行しておる最中でございまして、今お話のありました各補償の要目に対しては、建設省といたしましても、ことごとく相当額の支出をしなければならん、又それは必要欠くべからざるものだと、こう考えております。ただこの補償で今当面問題になつておりますのは、実はこの仕事が戦前、一時一部分を補償いたしまして、それが昭和十九年の七月に工事中止になつたために、補償或いは買収した土地は、そこの前に住んでおつた人が又耕作を初めまして、それで昭和二十五年の十月に再着工するまでそのまま続いておる。その間非常に物価の変動がありまして、建設省としましても、前に補償したから今はただで立退けと、こういうことは言えない立場にあると考える次第でありまして、その間に或いは会計検査、或いはその他財政当局と御相談しましてほぼ了解を得て参つております。で、今年度中に少くともこの全補償額の三分の一乃至二分の一ぐらいの額は支払いまして、その土地を立退かざるを得ない人々に対しまして十分のことをして差上げたいと同時に、又いろいろ立退先きで計画があるようですが、それについても今後引続き盡力して差上げたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/8
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009・小笠原二三男
○小笠原二三男君 同僚委員の了解を得てもつと詳細な説明を伺いたいと思うので、速記があつてはいかぬ場合は速記をとめて具体的な構想をお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/9
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010・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 実は具体的と申しましても、大体さつき申上げました移転する、それからその必要な移転先の耕地の情勢、それからそこに用水などが必要なる場合、それから今お話がありました墓地の改葬とか、或いは水没地の道路を高い所に上げる、そのような工事は全部補償の対象にしたいと考えております。それから移転先の情勢その他につきましては、農林省関係に一応仕事としてはお願いしておりますが、ここに必要な用水その他はこの田瀬ダムによつてできました貯水池で分水したい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/10
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011・小笠原二三男
○小笠原二三男君 質問してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/11
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012・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 如何でしよう、……それではどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/12
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013・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは具体的にお尋ねいたしますが、家屋の移転料はどういう計算で補償するのですか。それから農耕上の補償はどうしているか。それから採草地、山林等はどういう措置をとるのか。或いは商店その他営業しておるもの、或いは山林、川等から無形の収入を得て生計に充てているという、そういう生業に対する補償はどういうふうにするか。或いは学校等の公共の建物についてどうするか、この点お伺いしたい。それからここは御承知のように二反歩、三反歩の小百姓ですが、それでも田の収入を得て、その土地、環境から得て相当程度の生計を立てている。そういう無形の収入、営業に対してどういう補償をやるのか。それからもう一つ今御説明がありましたが、二分の一乃至三分の一を先ず以て補償するということは、四月から水没する地域の、それに全面的に一気に補償するということでしようか、全体的に分割払いをするということでしようか、その点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/13
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014・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 速記を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/14
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015・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記をとめて。
午前十一時九分速記中止
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午前十一時三十分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/15
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016・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて。第三百四十七号は採択することに決定してよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/16
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017・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 採択することに決定いたします。次は第三百五十八号、球磨川改修工事に伴う部落立退補償の請願。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/17
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018・深水六郎
○深水六郎君 この請願は、熊本県八代郡高田村という所ですが、恐らく治水課長御存じの場所と思います。丁度肥薩線の球磨川鉄橋のすぐそばですが、あれから見られてもすぐわかる所ですが、現在球磨川改修工事をやつておりますが、その前、改修工事がある前は殆んど最高の出水時でも水が出なかつたのですが、改修工事が始まつてから毎年梅雨期、特にその他の出水期には全戸床上浸水をしない時はない。場合によると家屋の流失もするというようなことで、殆んど安心しておられないというわけで、現在皆立退を希望しておるわけです。と申しますのは、北堤、南堤と申します間にこれはあるわけですから、大体これは川の流域と思いますが、現在前川堰というのがあつて、それと用排堰というのとの間に何もない、尤もその間に堤防を作るということも私は不可能ではないかと思いますが、そういう関係でいつも、肥薩線の鉄橋附近の汽車の窓から見られてもよくわかりますが、はぜの木が一ぱい生えておる、あのはぜの木の高さくらいに溢水して行つておるようなわけで、どうしてもそこにおることができないという、そういうことですから、全戸立退きたい、二百六名の人が、三十六世帯ですけれども、立退きたいから是非この立退の費用を考えて頂きたい、こういうわけです。この費用については、いろいろな点は両方で相談すればよいわけですから、この趣旨を含んで是非立退料を頂戴したい、こういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/18
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019・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) お話の地点は、ちよつと御質問したいのですが、信玄堤の対岸の所ですが、それともずつともつと下流の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/19
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020・深水六郎
○深水六郎君 前川堰と用排堰の間でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/20
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021・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 私の考えるには、改修工事をやつたために特に被害が多くなつたというのはちよつと考えられないのですが、今九州の地建のほうの人を呼んで取調べ中なんですが、若し改修によつて人工的に災害が殖えるようになつたのなら当然補償すべきだと思いますが、そういうような治水工事はやるべからざるものなんでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/21
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022・深水六郎
○深水六郎君 これは二十四年の改修前後は殆んどそういう溢水はなかつたのですよ。ところがあれ以後毎年なんですよ、これは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/22
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023・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) その辺は自然の、つまり雨が多いとかいう理由なのか、或いは堤防で狭めて特に被害が多くなつたのか、私の今の常識としては、改修工事の外にそういう激甚な被害を生ずるようなことをあえてしてまで堤防を作るようなことはしないんで、ちよつと疑問を感じまして、今九州地方建設局の工務課長にその様子を聞いている最中なんです。本人が余りよく知つておりませんですから、少し調査さして頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/23
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024・深水六郎
○深水六郎君 地建の調査によつて、原因を調査されて一つ善処して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/24
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025・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 承知しました。そのような請願と解釈してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/25
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026・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) それではこの問題は如何いたしますか。保留いたしておきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/26
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027・田中一
○田中一君 この会期中に返事が来ればもう一度これを審議することにして、その意味で保留して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/27
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028・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) それでは保留することに決定いたします。
それでは第三百八十五号。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/28
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029・菊池璋三
○專門員(菊池璋三君) 高津川を直轄河川編入等の請願であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/29
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030・小川久義
○小川久義君 この川は同僚三輪委員とつい最近調査して来た川でありまして、一部工事が施行されておりますが、この川は一日直轄河川に編入されて直轄河川としての取扱を取けておつた、それが取消されて直轄河川でなくなつたという事情だそうでありまして、相当水害の度数も多いし、又水の量も多いために非常な災害をこうむつておりますので、一旦直轄河川に編入されておつた川ですから、再び直轄河川に編入して本格的改修をやつてもらいたい、これが願意であります。特に御承知の通り、この川は島根県の一方に片寄つておる川で、山口県の境のほうにある川で県庁の所在地とは余り遠い。従つて継子扱いにされるのじやないかというような地元民の見方、考え方もありますので、特別にその願意に副うようにお取計らいを願いたいということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/30
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031・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 速記をとめて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/31
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032・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/32
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033・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて。……保留することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/33
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034・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) これは保留することに決定いたします。
次は第三百八十六号。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/34
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035・菊池璋三
○專門員(菊池璋三君) 斐伊川治水工事完成促進に関する請願。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/35
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036・小川久義
○小川久義君 これも先ほど申上げました三輪委員と一緒に行つて現地で見て来た川であります。工事はやつておりますが、河床が上るので流水量が伸びないというのが実態で、もつと河床の上らぬような施設をしてもらいたい。特に下げつてもらいたい。あの川をタワーのようなものでほじつて河床を下げてもらいたい。そうして本格的に改修してもらいたいという願意でありますので、当局の御意見を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/36
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037・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 斐伊川の問題はおつしやる通りで、実はここは非常に土砂が多いものですから、戦後特殊な海藻機械を工夫して試作して一台あそこに設置したのです。今後もう少し殖やしまして、ああいう機械がないとああいう川は処理できませんでしたが、今後は、そういう機械が非常に能率よく働いておりますので、うまくできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/37
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038・小川久義
○小川久義君 採択して欲しいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/38
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039・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 採択してよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/39
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040・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 採択することに決定いたします。
次は第二百四十三号。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/40
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041・菊池璋三
○專門員(菊池璋三君) 雄物川改修工事に関する請願。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/41
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042・田中一
○田中一君 これは雄物川の中流並びに上演部でぼつぼつ今改修をやつておるのですが、御承知のように全くの原始河川でありまして、至る所に何といいますか、沼沢地というのがあるのです。この部分は、外にもそういう実例がありますけれども、積極的に補償その他の問題を地建で考えてくれないのですよ。この沼の部分はやめてくれという希望なんです。無論やめられません、やめられませんから可能なる範囲まで自分の部落をよけてくれという希望なんです。無論開墾地でもいいが、熟田となるまでの補償ですね、そうしたものを、補償をはつきりしてくれるならば別なんですが、換地の問題も適当な換地をくれるなら問題はない。併し現在の地建の状態ではそこまで踏み込んで相談してくれない。こういう点が外にもありますが、そういう点についての陳情なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/42
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043・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 表に出ておりまする堤防予定線を変更するというのは殆んど不可能じやないかと思いますが、今の裏の御趣旨の、十分親心を以て、補償についていろいろ部落と相談し、納得の上で工事を進めて行く、そういうような方針でやらせていいと思いますが、よろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/43
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044・田中一
○田中一君 採択して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/44
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045・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 採択してよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/45
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046・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 採択することに決定いたします。
次は第四百四十九号。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/46
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047・菊池璋三
○專門員(菊池璋三君) 埼玉県の中小河川改修工事費国庫補助増額等に関する請願、これは石川先生の紹介であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/47
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048・石川榮一
○石川榮一君 国庫補助増額とありますが、必ずしも増額とばかりは言つておられませんので、内容を御説明申上げます。埼玉県は御案内のように全国でも有数の中小河川の多い県であります。岐阜、埼玉は最も多いとしてあることは御存じの通りであります。従いましてこの中小河川の水害に悩むことは非常に多いわけです。それによりまして県では直接にその改修計画を立てて、国にその補助の助成を常に願つておるんですが、遺憾ながら非常に少いのであります。昭和二十六年度における中小川改修改良事業費は、全国の最下位になつておるというような事態、大変遺憾なことと思いますが、勿運動等に遺憾の点があつたと思うのですが、何にいたしましても全国的に見て最も多い中小河川のある埼玉県の国庫補助が非常に少い、いわゆる最下位におかれておるということは堪えられないというような点から特に御考慮を煩わしまして、一つ本年度は思い切つて埼玉県のこの中小川改良費用に国庫補助を出してもらいたいというのが第一であります。差当り本年度出しております新事業としましては、東京と埼玉を流れております中川水系でありますが、この中川水系の改良工事と、芝川の、例の川口市の年々の恐るべき冠水地を改良して工場地帯を作るための機械排水工事、それから霞川の改良工事、黒目川の改良工事等は是非とも本年は御採択を願いまして、そうして新規改良河川として御採択を願い予算を計上して頂きたいということが第一項目でございます。
次に砂防工事の件でありますが、これ又埼玉県は秩父の連山を抱えて非常な山地帯が多いわけです。荒川は名前のごとく非常に荒川でございまして、非常な急峻の川でありまして、従つて災害は非常に、雨量に比較しましては災害度が強いのであります。このために埼玉県は考えまして、どうしても砂防を完備しなくてはならんという建前で調査をいたしましたところ、緊急施行を要するだけの砂防工事でも約十一億程度を必要とするのであります。然るに昨年度における国庫が認めました費用は、僅かに三千三百万円、九牛の一毛に過ぎないわけでありまして、この状態でおりましては荒川の災害、又荒川を中心とする中小川の災害はますます激化して参るというような状況にありますので、特に荒川を中心とする秩父連山の砂防工事に対する県の施行に対しましては、これは一段の御奮発を願いまして、これが助成に遺憾なきを期して頂きたいということであります。
第三には荒川総合開発の問題でありますが、埼玉県の中枢部を流れます荒川は御案内のように長野、山梨、埼玉の、秩父連山等の雨量が埼玉県の沃野を流れまして、そうして御承知のように東京都に注いでおるわけであります。これは一朝洪水の時には非常に落差が激しいものですから、激甚の被害を及ぼしておるのでありまして、従いましてその洪水による損害、又河底が上昇を激しくしておりますので、これによつて起るところの被害というものが年々数万町歩にも達するというような状況であります。又一方渇水期におきましては、そういう惡質の川でありますだけに水が少いのであります。従いまして渇水期における水量は殆んど利用する価値がないというような状況でありますので、この点を考えましてて、埼玉県では荒川を中心とする総合開発計画を今樹立しておるわけであります。その上流に多目的のダムを建設いたしまして、治水と利水を中心とする総合開発計画を現在計画をいたしまして、これが完成に努力をしておるわけですが、二十七年度から事業実施をするための予算を県では立てておりますので、国もこれに協力をして頂きまして、惡質の荒川から東京を護り、埼玉県の沃野を護るための総合開発計画に対しましてはできるだけの助成をして欲しい、これがこの請願の趣旨であります。是非当局の温い御考慮を以て埼玉県における荒川総合開発その他の中小河川に対する事業の助成にもう一段の御努力を願いたいという趣旨であります。是非御採択を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/48
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049・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 承知いたしました。それから荒川の総合開発計画につきましては、二十六年度に急に話が起つたのでありまするが、特に調査費を廻わしまして、県の三度目の調査費と合して現在調査中だと思います。不足分は引続きこれは二十七年度にやります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/49
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050・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) これは採決いたしますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/50
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051・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 採択することに決定いたします。
次は第五百五十号。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/51
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052・菊池璋三
○專門員(菊池璋三君) 和田吉野川下流延長工事施行に関する請願。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/52
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053・石川榮一
○石川榮一君 私から紹介議員として説明いたします。この和田吉野川は荒川の右岸にあります上流の中小川であります。これは和田川と吉野川とが合流いたしまして熊谷の対岸の荒川に注いでおる沃野を流れておる河川でありますが、灌漑面積は約二千町歩程度でありますが、先般、昭和七年に当時の内務省が農村の不況の対策としましての河川改修をやつたのであります。ところがその計画が予算の関係上短縮されまして、その計画を下流のいわゆる落口を四キロばかり上流で打切りまして、そうして荒川へ落しておるのであります。そのために荒川の水位が非常に上昇をいたしますために、その中小河川のこの和田吉野川の水は殆んど落ちない。従つて破堤は随所に行われ、或いは破堤しない場合には非常な湛水を呼ぶという形になつておりまして、非常に遺憾であります。折角農村対策としてやりました和田吉野川の改修工事は殆んどその効果を挙げておらない。そこで元の計画に戻りまして、当時の計画のごとくやはり四キロばかり下流にこれを延長してもらいまして、そうして水位を下げて行く、それによつてこの荒川から制圧を受ける洪水を防ぎ、湛水を排水しようというねらいでありまして、これも県から多分本省のほうへ申請してあると思いますが、この上流層は年々歳々殆んど洪水の破堤と湛水とに悩んでおりますので、この四キロの下流に対する延長を計画しておるに対しましては是非これを採択して頂きまして、そうしてこれが助成に努めて頂きましてこの工事の完成を図つて頂きたい、かような考えで請願しておるわけであります。どうか治水局長の温いお気持を伺いまして、善処方をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/53
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054・伊藤剛
○説明員(伊藤剛君) 別に御返事の申上げようもないのでありますが、一生懸命やるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/54
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055・石川榮一
○石川榮一君 どうぞお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/55
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056・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) それではこれは採択いたしますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/56
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057・廣瀬與兵衞
○委員長(廣瀬與兵衞君) 採択することに決定いたします。
本日はこの程度にいたしまして、あと理事会を開いて来週の委員会の予定を決定いたしたいと存じます。
本日はこれを以て閉会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314149X00819520221/57
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