1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十七年六月十一日(水曜日)
午前十一時七分開会
—————————————
委員氏名
厚生委員
委員長 梅津 錦一君
理事 長島 銀藏君
理事 井上なつゑ君
理事 深川タマヱ君
大谷 瑩潤君
小杉 繁安君
田方 進君
中山 壽彦君
常岡 一郎君
藤森 眞治君
河崎 ナツ君
堂森 芳夫君
山下 義信君
谷口弥三郎君
西園寺公一君
大蔵委員
委員長 平沼彌太郎君
理事 大矢半次郎君
理事 伊藤 保平君
理事 野溝 勝君
理事 木内 四郎君
岡野 眞一君
黒田 英雄君
西川甚五郎君
溝淵 春次君
小林 政夫君
小宮山常吉君
田村 文吉君
森 八三一君
江田 三郎君
赤松 常子君
大野 幸一君
下條 恭兵君
菊田 七平君
油井賢太郎君
木村禧八郎君
—————————————
出席者は左の通り。
厚生委員
委員長 梅津 錦一君
理事
井上なつゑ君
深川タマヱ君
委員
大谷 瑩潤君
小杉 繁安君
藤森 眞治君
河崎 ナツ君
谷口弥三郎君
大蔵委員
委員長 平沼彌太郎君
理事
大矢半次郎君
野溝 勝君
委員
黒田 英雄君
溝淵 春次君
小林 政夫君
田村 文吉君
森 八三一君
下條 恭兵君
油井賢太郎君
木村禧八郎君
政府委員
地方財政委員会
財務部長 武岡 憲一君
厚生政務次官 松野 頼三君
厚生省医務局長 阿部 敏雄君
厚生省医務局次
長 高田 浩運君
事務局側
常任委員会専門
員 草間 弘司君
常任委員会専門
員 多田 仁己君
常任委員会専門
員 木村常次郎君
—————————————
本日の会議に付した事件
○国立病院特別会計所属の資産の譲渡
等に関する特別措置法案(内閣提
出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/0
-
001・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) これより厚生、大蔵連合委員会を開会いたします。国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案を議題といたします。順次御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/1
-
002・下條恭兵
○下條恭兵君 私の質問するのは、私は実は質問通告をしておりませんし、従つて政府委員の出席を要求しておきませんでしたけれども、この問題を我我は審議するに当つて、私は当然大蔵大臣が出席しなくちやならんと思うのです。少くとも私が質問するとすれば大蔵大臣の出席を要求しておきたいのですが、大蔵大臣は今日出席の予定になつておりますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/2
-
003・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 今日は大蔵大臣の出席を要求しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/3
-
004・野溝勝
○野溝勝君 今日出ておる人は誰と誰ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/4
-
005・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) それでは申上げます。今までお見えになつておられる関係当局は、厚生省医務局長の阿部さん、同じく次長の高田さん、大蔵省管財局国有財産第一課長の木村さん、それから大蔵省の主計官の石動さん、なお後刻見えられるかたは地方財政委員会の事務局長の荻田さん、それから厚生政務次官の松野さん、以上でございます。この御両人がまだ見えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/5
-
006・下條恭兵
○下條恭兵君 それでは私の質問に対しては、大蔵大臣と厚生大臣に出席を求めます。従つて私は今日の連合委員会に大蔵大臣と厚生大臣が出席できないとするならば、更に次の機会に両大臣に出席して頂いて、それまで私の質問を留保しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/6
-
007・野溝勝
○野溝勝君 私は、折角開会したのですから、事務的の質問をいたします。併し、これは地方に移譲する自治体の地方財政の問題ですから、即刻荻田君を呼ばれたらどうですか。そうしたら質問しますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/7
-
008・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) それでは念のために申上げますが、只今申上げた政府関係は、大蔵委員会からの申入れでございますので、厚生委員会の手落ちではないと存じますので御了承願いたいと存じます。只今下條さんが御要求をされましたので、大蔵大臣と連絡をとつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/8
-
009・野溝勝
○野溝勝君 折角開会されたのですから、地方自治庁の政府委員が来るまでに、私は事務的の質問をいたしたいと存じます。
先ず私のお尋ねしたいのは、今回の法案を見ると、「国立病院を地方公共団体等に移譲するため、当分の間、その移譲する国立病院の所属に係る資産の譲渡等に関して特別の措置を講ずる必要がある。」このための法律案だ、こういう理由でございますが、かような移譲するための当分の措置ですが、移譲するまでの経緯についてお伺いしたいと思うのでございます。と申すのは、大体この国立病院特別会計法を見るというと、第一条には、大体場合によつては地方に移譲することがあるというような例外規定は、この会計法には見受はられません。政府はいやしくむ名を国立病院と銘打つておきながら、地方に移譲するということを最初から考えておつたのかどうかという点が第一点、若し考えておるとするならば、国立病院特別会計法を制定するときに、なぜその点を謳つておかなんだか、こういう点を織り込んでその経過についてお伺いをいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/9
-
010・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 国立病院は御承知のように、終戦後におきまして旧陸海軍病院を引受けて、これを一般に公開して病院として開設したわけであります。その当時からこの国立病院の終局の形をどうするかということについては、いろいろ論議されたのでございます。一方国全体の医療体系をどうするかということと関連して、例えば医療制度審議会等において論議されたのでありますが、その後においてもそういつた審議会において論議された結果、結局結論として、国としては数府県にまたがるような特別のいわゆるメデイカル・センター的の役割を果すべきもの、乃至特殊の医療を内容とする特別の医療機関、そういつた何がしかの病院に限定してこれを経営し、一般的に言えば、公けのいわゆる公的医療機関の経営主体としては、都道府県が最も望ましいものであるというようなことに考え方がずつとなつておりましたし、厚生省当局としても大体同じような考え方を持続して参つたのであります。従いまして国会におきまして、この国立病院を地方に移譲することについて、いろいろ論議が出ました場合におきましても、終局的にはこの国立病院の地方移譲ということは賛成である。ただその時期を選ばなければならない。そういう意味の答弁を政府としてはして参つたのであります。かようにいたしまして、この国立病院の地方移譲という考え方は、決して今日卒然として出て参つたのではなくして、或る意味においては開設当時に遡つての考え方であるわけでございます。然らばなぜ特別会計法が出ました当時、これを織り込まなかつたのかというお話でございますが、その当時においてはまだすでにこの移譲をやるというところまでは行つておりませんでしたので、特別会計法の中には織り込まなかつたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/10
-
011・野溝勝
○野溝勝君 この点に対しては地方財政の当局が来なければ、この点を了解することに非常に苦しむのでございますから、いずれ地方財政当局が来てからこれに関連して質問をいたしたいと思います。そこで医務局次長に聞くのですが、大体何と言いますか、移譲するに当りましては、医療制度審議会の決定並びに国会の承認を得た、こういうことであります。それから最初からも大体目論んでおつたことであると、こう言われます。併し今目論んでおつたのは時期の問題だけだというように私は聞いておつたのですが、ただ移譲する時期だけについて、今日までの時間的のズレがあつたのですか。ほかにも何か問題があつて今日まで延びたのですか。今日それをやるというのはどういう機会、シヨツクがあつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/11
-
012・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 厚生省といたしましては先ほども申上げましたように、国会等にも申上げておつたように、この国立病院の移管については適当な時期にはやるべきであるというふうな考え方をしておつたのであります。然らばなぜ今日これをやるようになつたかということでございますが、第一は国立病院が終戦後のいわゆる経営が非常にいろいろな事情で混沌としておつた時代を脱却いたしまして、まだいろいろなさなければならんことはあると思いますが、大体においてこれが軌道に乗つて参つたということ。それから国立病院の経営というのが、御承知のように従来かなりの繰入をいたしておつたのでありますが、単価の引上等に伴いまして二十七年度におきましては少くとも経営費については、全般としてはかなりの繰入ということを考えずしてやれるという見通しが立ちましたのと、それからなお一般的に地方におきましては最近非常に病院を建設したいという希望が殖えておりまして、起債等の申請も非常に多額に参つているのであります。そういつた地方のお気持も参酌いたしまして、二十七年度において少くともこの程度のものを出資することが適当であると、さように考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/12
-
013・野溝勝
○野溝勝君 ますます混乱してわからなくなつて来るのですが、大体病院の特別会計法を制定する当時におきましては、序論において話があつたごとく、終戦後の混乱を避けてかような措置を取ることが正しいというわけで、私どもこれに賛成いたしたのであります。今聞くと軌道に乗つたと言うが、どういうことが軌道に乗つたのですか。もつと具体的にお話を願わんというと、私は軌道に乗つたということがわからない。更に地方の気持を参酌してと言うのが、何を参酌したかわからない、こういう点について次長から一つ御答弁を頂きたい。若し君が答弁できないというのならば、答弁において難解な点があるならば、あとで又厚生大臣をこの場所に呼ばつて聞こうとすることを、あらかじめ了承して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/13
-
014・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 病院としての運営が軌道に乗つて参つたということでございまして、或いはお聞きになつたかと思いますが、根本的な建替えであるとか、そういう整理の問題はあると思いますが、一応とにかく病院経営がスムースに行くような段階になつたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/14
-
015・野溝勝
○野溝勝君 第二点の地方の気持を参酌してということは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/15
-
016・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 地方において先ほど申上げましたように、公の医療機関を設置したいという非常に強い要望は、起債の要求等に顕著に現われていると考えられるのでありますが、そういつた医療機関を整備するという一般的な空気と考えられるのでありますけれども、そういつた点も斟酌いたしまして、公の医療機関、いわゆる中核的な経営主体としては府県、地方公共団体が適当であるというふうな、前からの考え方に基いて、この際本来あるべき姿に順次引直して行くことが適当ではないだろうかと、かように考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/16
-
017・野溝勝
○野溝勝君 私は強いて姑の嫁いじめで意地悪く事務当局を答弁で困らせようなどという気持でやつているわけではない。これは高田君、むしろ私は君たちよりも素直に言えば日本財政を中央集権化そうという大蔵省の意図なんだよ。だから君、答弁に困るようなことがあつたら、むしろこの点は、大蔵省との関係もありまして、というくらいのことを一言言えば、私はその問題については氷解するのだよ。それを君が要領を得ない答弁をすると、ますますわからなくなつて来るので、私は質問するのだよ。
それで又私は質問の追及をするのだが、今高田さんが言われたその中で運営が軌道に乗つたと言うが、私は運営の軌道に乗つたものを何もそんなに慌てて移譲しなければならん理由がどこにあるか、それが一点。それから軌道に乗つたものならば、今現に国立病院をやつているような制度。国庫から補助を受けている、三五%の補助を受けている。その二五%まで地方に附けてやつちやうというのか。そういうことを大蔵省と折衝したのかね。そういうようなことがはつきりしないで、抽象的に運営が軌道に乗つたとか、地方の希望を参酌してというようなことは、それは君委員の我々には通らんよ、特に私は、君は知つているか知らんか知りませんが、私は地方財政を特にやつておりまして、地方財政法の第九条を制定するときも、国の委任事務が多くて、その割に地方に何らの恩恵がないのですよ。そういうところから、今度国家事務など地方に委せる場合については、この費用を負担してくれなければ困る、こういうことを大体決議して、かように日本の地方財政が非常に貧困貧弱で全く困つている際に、財源をどうしようかと困つている際に、こんな独立採算もやれないような、自分たちが中央で国立病院を経営するときには二五%の補助をもらつておいて、地方でやらせるときには与えない。そんな馬鹿げたものを地方がもらうなんという気持になる筈はないじやないですか。あなた御承知のごとく、全国からどのくらい一体これに対するところの県の要求が出ておりますか、私の知つている範囲内では、地方の十五府県会は反対を決議しているじやありませんか、これでもあなたは地方の要望だということが言い切れますか。私はこのことに対して、あなたに強いて無理に答弁を迫るものじやない。素直に、これは私はむしろ大蔵当局との関係もありまして、要するに日本の予算編成の関係もありまして、と言うなら、私はこの問題を質問しやしませんよ。その点がわからんと、徹底的に私はあなたにこういう質問を繰返さなければ、私自身の質問の結論が出ない。こういう点を私は強くあなたに言うておきます。
そこで更に次に地方財政の事務当局が来ておりますからお伺いするのですが、一体地方財政は、特に私は地方財政が今急によくなつたということは聞いておらない。先般も君に、大蔵委員会において開発銀行の一部改正法律案に際して、地方税を免除するその額は幾らかというと、八百六十億、奥野君一体そういう財源をどうするのか、そういう点で私は聞いたところが、ぐにやぐにやとしちやつた。これも大蔵省のからくりである。とにかくこういうふうに次から次へと地方財政の財源というものはだんだん少くなつて、全く貧困の状態になつて、それを今度は地方に国立病院を移譲するというのだが、これを見るというと、従来その補助を受けておつた者が、補助を受けないで独立採算でやつて行け、こういうことに対して地方財政当局は、この問題の折衝の過程において、どういうふうにこれはお考えになつたか。その点一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/17
-
018・武岡憲一
○政府委員(武岡憲一君) 地方財政の現状は総体的に見まして非常に苦しい運営をいたしておるということは御指摘の通りでございまして、私たちもいろいろな機会におきまして地方の財源の十分な措置の行われまするように努力をいたして参つておるわけであります。従いまして総体的に見ますれば、この上地方に如何なる形におきましても負担が非常に加つて来るというような措置の取られますることは好ましくないことは当然でございままするが、ただそれも団体によりまして必ずしも財政状態は一律ではございません。これも御承知の通りだと思うのでありまして、これは地方財政全体として相当私たちとしても検討いたさなければならない問題を残しておると思うのでありまするが、或る団体は非常に困窮をいたしまして、多くの赤字に苦しんでおりまするが、或る団体におきましては、赤字がありましても、その程度が必ずしもほかの団体程度ではない。非常に黒字で悠々たる運営をしておるという団体があるとは私思いませんけれども、困窮しておる段階につきましては、団体によつて多少違いがあるのではないかというふうに考えられるのであります。それから又今問題となつておりまする医療機関の移譲の問題でございまするが、医療機関は地方といたしましても総体的に非常に不整備である。地方としてはなおこの医療機関の整備を図りたいという希望は、厚生省からも今お話がありましたけれども、非常に熱烈なものがあるのであります。そういう状況でございまするから、団体によりましては相当起債もし、又苦しい中からも財源を捻出いたしまして病院の建設等医療機関の整備を図つておるのが実情であります。こういうような状況でありまするから、この際政府の方針によりまして医療機関を状況によつては地方に移譲してもよろしいというようなことでございますれば、団体によりましてはその移譲を受けてこれを経営して行くことが、その団体の財政をそれほどひどく圧迫しなくて、又その団体の自治行政を運営して行く上から、又住民の全体の福祉の上から考えまして有利であろうというような団体もあろうかと考えております。そういうような意味合におきまして、そういうような所ではこういうような措置の行われることが非常に望ましいということが申せるのではないかというのであります。ただ一律に、地方財政が総体的に見て財源が不足であるが故に、こういう措置を若し強制的に義務的な負担として課されるというような措置として取られるのでございますれば、私たちといたしましては同意しかねるわけでありまするけれども、各団体の状況によりまして、只今申上げましたような効果を発揮し得る場合におきましては、こういう措置の取られることも望ましいのではないか、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/18
-
019・野溝勝
○野溝勝君 武岡さんに関連してお聞きするのですが、熱烈な要求が地方にあるというのですが、私は不幸にして秋田県以外にそういう所を聞いていないのですが、そんなに地方に熱烈な要求があるのですか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/19
-
020・武岡憲一
○政府委員(武岡憲一君) その要求というのはこの国立病院の移譲についての要求でございましようか、或いは総体的な医療機関の整備、病院の建設をやりたいということでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/20
-
021・野溝勝
○野溝勝君 この議題が国立病院でございますから、この国立病院に関してです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/21
-
022・武岡憲一
○政府委員(武岡憲一君) これはまだ私たちの地方財政委員会といたしましては、各団体個々につきまして希望を取つたこともございませんし、具体的には聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/22
-
023・野溝勝
○野溝勝君 それは武岡さん、そういうことを言つちやいけません。それはいやしくもこの議題に関する質問をされているのに、さような答弁をされては迷惑ですよ。研究もしていないのに……中央に対して要求があつたということを、そういう研究もしていないのにそういうことを言われるのは甚だ心外です。これは若しあなたがそんなことを意識して言つたとすれば、私は又あなたに対して聞くことがあるのです。意識的でないとすれば今後あなたは注意して頂きたい。武岡さんの御答弁によりましてはつきりいたしました。私は別に医療機関と国立病院をちやんぽんにして質問しているのじやありませんから、その点は一つ御了承願いたいと思います。
そこで先ほど次長の高田さんにお伺いした点についてまだ御回答がありませんが、その点について高田さんから一つ御回答を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/23
-
024・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 先ほど大体二五%の繰入云々というようなお話がありましたが、これは従来においては正しく大体二五%でございました。二十七年度の予算におきましては約十一%になつております。それでこれの主なる内容はいわゆる整備に要する営繕費的なものと、それから移譲に伴うその他のいろいろな退職手当等も入つているわけでございまして、経常の経営に要する費用については繰入れにはなつていないということを御了承頂きたいと思います。それからこれにつきましては前に御審議頂いておりますように、条件等については法律できめられなければならないわけでありますし、従いましてその辺の条件がはつきりきめられなければ地方に対して交渉をするということはえらい軽卒であるというふうに考えまして、実は地方に対しましては未だこの病院を引受けてもらいたい、或いは引受ける、引受けないというような交渉は実はやつていないわけでありますから、従いまして具体的にどの県はどういう考えであるということは未だ申上げる段階にはなつていないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/24
-
025・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 政府委員の出席関係を申上げておきます。松野政務次官が来ておりますし、阿部医務局長、高田次長、木村大蔵省管財局の国有財産第一課長、それから石動大蔵省主計官、武岡地方財政委員会財務部長、以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/25
-
026・木村禧八郎
○木村禧八郎君 只今野溝委員の質問に対しましての、国が医療費に対する補助二五%は二十七年度においてはそうではない、十何パーセント、十一%ですか、これは国立病院を移譲することを前提としての補償の割合ですか、移譲を前提としての……。予算としては、これは八カ月ですか、組んであるのは……。ですからこれは年に直すとどのくらいになるのか、その点正確に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/26
-
027・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 結局まあ移譲の予定をいたしております約六十施設については、お話のように九カ月の予算になりますが、経常の経営費的なものについては繰入れを考えておりませんが、九カ月が仮に十カ月になりましても十二ヵ月になりましても、この点は今の額にはこれは影響ないと思います。ただここで申上げたいのは移譲の病院につきましては、なお整備を要する点もありますから、その点を考慮いたしまして、約六億四千万円の費用を計上いたしまして、移譲いたします病院にそれを配付をする、補助をする、そういうような考えかたをいたしております次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/27
-
028・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私が質問しているのは二十六年度と同じべースで考えて、同じ基礎の上に考えて、その政府の医療費補償の割合が非常に減つている、こういう御説明ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/28
-
029・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 或いは私の言葉が足りなかつたためにおわかりにくかつたと思いますが、例の保険の単価の値上り乃至増点、そういつたことに伴いまして収入がかなり殖える、それから医療費の収納率が大分殖えて参つております。その辺のところを見積りまして、二十七年度においてはこういうふうにバランス・シートが或いは好転したというふうに御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/29
-
030・野溝勝
○野溝勝君 どうも少しくどいようなのですけれども、どうも高田さんの答弁が、最初の印象が非常に地方的に要望しているごとく言われておつたが、どうも私に入つている情報ではさような情報は一つも入つておらないのだがね。そこで相当その点に対する相違感からだんだんとまあ質問が発展するのですが、だんだん質問をして行くというと、どうも又調査をしていないということになつて来るのですが、結局私は国立病院の特別会計の運営が順調に行つて成果を挙げている、それで地方の要求もえらいないようだ、これから調査して見る、それで地方にこれを分けてやる、まあいわば移譲する、そこでまあ医療制度審議会などの要求もあつて、どうもその間がわからんのだが、独立採算でやつて、独立採算といいますか、中央で国がやつて行けるものを、無理に、地方のほうで好まないものを無理にやつて、医療設備並びに運営に対して不徹底なことをさせれば、その医療制度の目的を達することができない、かようなことは、私は賢明なる政府当局がさような判断くらいはつかないことはないと私は思つているのですが、そういう点に対して私どもにはどうしてもこれは呑込めないのですが、ざつくばらんに言えば、高田さんどうですか、これは大蔵当局のしわ寄せ、大蔵当局が一番弱い面に、農村とかまあ何と言いますか、その生産性のないような、中央から補助しなければやつて行けないようなところは、成るべく独立採算という名の下に、どうだ厚生省一つ地方に移譲したらどうだ、というようなところからこの問題が発展したのではないのですか、私はそういうようなことがわかれば質問をするのもだんだんと方向が変つて行くのですけれども、そういう点はどうなんでしような。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/30
-
031・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 最初のお話の点でございますが、法律で御覧の通りに、一律にその地方がいやだというのを無理やりに押しつけるということではございませんで、地方当局とよく話合をして、その話合をいたします場合におきましては、その病院の将来の運営というものがどういう姿になるかということも、或る程度両者の間で話合をいたしまして、その上でいわゆる合意が成立した場合に譲り渡すという考え方でございまして、決して無理やりに押しつけるという考え方は、私どももありませんし、大臣からもその点はよくお話を伺つている次第でございます。
なお、先ほど来申上げておりますように、今回の措置を取りました理由は、言わば医療機関の整備というものをやりたいというその一つの手段として考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/31
-
032・野溝勝
○野溝勝君 まあ高田さんなり、武岡さんなりに、かようなことを聞くのも無理かと思いますが、聞く身になつてもらいたいと思うのです。成るほどそれはさような無理なことはしないと、こう言いますが、中央におきまして国立病院をやつておる場合に、例えば長野ならば長野に国立病院がある。先だつて私は新潟県の新発田へ行つたのです。この新発田へ行きまして国立病院はやつて行けない、けれども移譲される。だんだん聞いて見ると確かに地方で気のないものを引受けろということは強要はしないかも知れませんけれども、国のほうで、例えばその地方にある病院の経理が悪くなつて来た場合に、収支が償わないというような場合には、やはり国のほうからこの病院を、まあ地方におる病院をやめちまうというときもある、私はそれはあると思うのです。さような場合に無言の強圧というのがあるのです。そうすると地元じや置いてもらいたいのです。医療機関が徹底していないから、そうすると是非お願いしますという、かようなときに条件を出す。出すというと、地方から要求があつたのだから、こうやつたのであつて、無理したわけじやないとこういうことになる。そういうことに実際なつて行くのでして、私は心配だからそういうことを聞くのですが、この点は一応武岡さんにしても、高田さんにしてもわかつて頂けると思うのです。そこでこの新らしい法律案を見ると、さようなことが書いてあります。如何にも強制的な、強要的なものはこれにはありません。ありませんが今申した事情というものは、私無視できないと思うのでございます。そういうことから今回の法案にもある譲渡資産の対価の経理、こういうようなことにも勢い問題が波及するのでありまして、こういう点に対しても、決して地方で経営が収支採算が取れなんでも絶対にやめることはない。又地方において移譲の話が解決しないから、その地方における国立病院はやめちまうというようなこともない。これを決定的にあなたが申されるならば、私は医療制度の拡充整備というところからも、この法案に具体的にどこかの条文にでもそれが出ておるならば、私は安心ができるのでございますが、出ておりません。でありますからあなたの答弁に対しましては信頼を置きたいのでございますが、法文に出ておらんことはどうも、信頼をするわけにも参らないので、そういう点について当局はどうして一体法文上に規定しなかつたかという点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/32
-
033・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 相手方に、いわゆる強制をするということは、これは法律によらなければできないわけでございますし、その意味から申しましても、この法律の中に、そういうふうに強制的に移譲をするのだということは、規定をいたしていないのであります。従いまして、私のほうで強制しようと思いましても、強制はできないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/33
-
034・野溝勝
○野溝勝君 だから私は聞いておるのですよ。だから私が例を挙げて言うておるのです。例えば、或る場所なら場所に国立病院がある。その国立病院が収支がどうしても合わん。そういう場合に引上げてやれる。六十個所のうち、結局地方では医療機関がないと困るので、その自治体が置いてもらいたい、実際問題として……、そうすると話し様によつては移譲するということになると思う。それはあなたのおつしやつた通り、確かに強制じやありません。強要じやありません。実際において、地方におけるところの財政が許さなければ、非常に苦労をするのですよ。実際に苦労するのです。そういうようなことに対して、政府が財政上苦しいからということになつたならば、政府はその場合、その機関を存置するということを決定的にここで御約束できるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/34
-
035・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 野溝さんにお答えいたしますが、座つたままでお許し願いま。それは非常にたびたび論議になることであります。任意だから、若し受取らなかつたら、全部残つたらどうするかということであります。受取り手がなかつたら、どうなんだという極端な例もあるわけであります。私どものほうも、これを非常に注意しまして、初めは六カ月予算という構想もありましたが、六カ月予算ではとても話にならん、九カ月予算ということで三カ月延ばして、九カ月たつてできなかつたらどうなるかということは、それは当然今までのように、補正予算を組んで、存置したものは今後残るのだ、それは任意だから、強制的にやるならば厚生省も全部できるが、任意だから全部移譲できるという確約はできないというわけで、まあ六カ月が九カ月予算になり、若しこれができなかつたらどうするか、当然存置するから当然残るのだ、補正予算で、或いは財政のやり繰りで原則的のものは残るのだ、こういうような実は考えでこの法案を出しまして、少しも強制的なところはございませんし、全部でき上つたときには当然政府は予算措置もしなければならん、こういう法文になつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/35
-
036・野溝勝
○野溝勝君 それでは一つ聞いておきますが、そうするとあなたのお答えによるというと、地方の国立病院は、財政上やり切れなくなる場合においても、廃止をしないというふうに解釈してもいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/36
-
037・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 廃止をいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/37
-
038・野溝勝
○野溝勝君 それではなぜこういう特別会計法の一部改正をあえてしなければならん必要に迫られたのか、それはどういう理由ですか。先ほどお伺いいたしましたけれども、そうするとどうもその点がわからなくなつて来るわけですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/38
-
039・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) これは、御承知のように軍の病院を一手に終戦後引受けまして、病院というものが不完全なものもあり、場所的にも辺鄙な所もあり、国立病院として日本の中心的な病院を拡充整備して、日本の国立というものは、その地方の指導的な、又すべてのものに対して世界の水準に応ずるような国立病院として日本の医療を進めて行きたい。それには九十九もあつてはなかなか全部のものを国立病院として十分な設備をするということは非常にむずかしいし、或るものは地方的な環境に立つて医療整備に対処すべきものも中にはあるのでありますから、この際一応私どもの構想として、つまり強い国立病院の拡充整備のために、中心的な病院を日本の全国に残して、その他のものは地方病院として国民医療のために尽して頂きたい。これが日本の将来の財政的にも又国立病院のあり方においても、当然じやなかろうか。各府県におきましても、県立病院というものの非常な御熱心なところがたくさんあります。たまたま私どもの言う構想に合せて頂いて、この移譲ができるならば、地方も国も共に将来医療体系上においても貢献するのだ、これがこの法案の提案の趣旨であります。初めは勿論別にどこからどこまでするのであるか、どこに移譲の希望が出ているか、それは私たちも先ほど次長が言いましたように、恐らくこの法案において幾らで移譲するかという発言もありませんし、職員の身分の確定法もありませんし、そういうふうなものがないうちに、移譲だ、申請だということを言つて来る、恐らくそこから姫路の市会では、たしか国立病院というこういう問題がない前にも、実は国立病院を市に移譲してくれという市会の決議か何かが昨年の、大分前ですが話になつております。こういうわけで、こういう法案がなくとも、全然なかつたわけじやありません。と言つてあつたわけでもございません。それでこの際、だからこういう構想の下に改めて私たちの医療体系に協力してもらおうじやないか、こういう御趣旨で始めたのでありまして、私どものほうは病院を切捨てるのじやなしに、残つた病院をもつと大きくいい病院にして将来指導的な病院にしたい、九十九の病院より一つの病院をよくすることは申すまでもないのであります。地域的にも相当いろいろな偏頗な場所を軍の病院として受取りましたから、設備も悪いし、非常にこの点において私たちの構想は、この観点から立つたものでありまして、今までのものよりもつとよくしたい、いい病院を中心的に残して行きたい、こういう構想から出発しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/39
-
040・野溝勝
○野溝勝君 松野君、君そんなに地方で要求があるとか、地方に出して設備内容を改善していいものにしたいというような意見らしいが、一体十五府県というのは反対決議をしてるのだよ。それから今言う通り、別の国立病院、これは僕は二五%と言つたら二十七年度は一一%、それはそれでよろしい。まあそういうふうに聞いておきましよう。例えば一一%を補助してやつても、それでもなかなか容易じやありませんよ。先般静岡へ行つて国立病院を見ても、なかなか容易じやない。いわんや松野君も御承知の通り、地方財政なんというものは、そんな裕りのあるものじやありませんですよ。それであなたのほうの地方起債で責任を負えるかというと、大蔵省の御見解だからそうやるというので、国立病院の起債も承認するわけに行きません。それと大蔵委員会として、そういうようなことで例えば地方に移譲して、残つたものを徹底するというようなことよりは、今九十なら九十のうち、その不徹底なものをもつと設備をよくする、或いはもつと改善してよくするというふうに、大蔵省に向つて予算を要求せんが、どうもその間の論理が不徹底なんで、大蔵委員会としては、かような問題については一応私は大蔵委員会で十分練つた上に、私たちの意見を発表したいと、こう思つております。
そこで、事務当局並びに松野政務次官にも申上げるのでございますが、一応私は、この際委員長を通じまして、国立病院九十何個所のうちの、今日までの経理状況を一つ資料として出して頂きます。それで質問を継続したいと思います。多くのかたがおりますから、私は質問を留保いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/40
-
041・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私はこの問題を二つの点から問題にする必要があると思います。一つは厚生という点、厚生省の厚生、ウエルフエア、まあ社会保障的見地、もう一つは財政の面、この二つからこういうこの譲渡がいいかどうか、その点を私は検討すべきだと思う。そこで只今野溝委員がこの点について一応質問をされましたが、更に私は今の政府委員の答弁を通じて、もう少し具体的に、納得が行きませんから御質問したいのです。要するにまあ厚生省の御説明ですと、医療機関の整備の一つの手段として考えた、こういう御答弁です。これは医療法との関係があるのじやないか。医療法実施との関係……。御承知のように医療法は、あれは私どもの委員会にかかつたのだか知れませんが、地方をずつと廻つてみますと、地方財政の調査に廻つてみましても、あの法案が通つたために地方がどんなに苦しんでいるかわからないのです。あの実施が急がれたために、そうしてあの条件を整えるために、地方では新らしく病院を作らなければならんと、非常に地方は苦しんだ。そこで、その手段として今度は国立病院を委譲すると、地方債の削減、地方債によつて、これを納付することができるということになるので、その医療法実施によつて地方で病院を整備しなければならない。そうしますと、これまでの病院のように、何時間までだか病人を置けないところが出て来るとか、いろいろな支障が生ずるので、そういう関係も一つ私はあるのではないかと思うのですが、その関係はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/41
-
042・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 従来国立病院としてやつておりましたときのベツドの数、それから地方に参りまして仮にそのまま殖えないとして運営されるとしても、そのままのべツドが移譲されるわけでありまして、従つてその地方としては、移管によつて特にベツドが増減をすることはないわけでございます。
医療法との関係でございますが、そういうわけで、特に医療法との関係を考慮したわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/42
-
043・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この医療法実施によつて地方で新らしく病院を建てないと、この医療法に規定された条件を充たせない。そこでこの医療施設の建設のために、地方債の起債の要求というものはたくさん出て来たと思うのです。
〔委員長退席、厚生委員会理事井上なつゑ君委員長席に着く〕
先ほど地方医療施設に対して拡充の要求がたくさんあるという御説明でありましたが、私はそれは医療法実施の関係、こればかりじやないと思いますけれども、これは直接に非常に響いつていたと思うのです。そこで、それならば、本来ならば地方にどんどん起債を許して、その建設を認めるべきであるのに、政府のほうでは起債を許さない。ところが国立病院のほうのを入れるとなると、地方債でこれを納入してほしい。そうなると一応体裁は整うと思うのですよ。で、国立病院のほうは、その医療法に定めるいろんな施設や何か完備しているから、その地方としては一応体裁が整うので、そういう便宜的手段として考えられた点はないかと、こういう質問なんです。それで、あなたは医療法との関係は余りないように言われでいますけれども、地方をお廻りになつて見ると、その地方の病院、それを作らなければならぬという病院が非常に多いのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/43
-
044・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 私がさつき申上げましたのは、結局医療法に基く収容施設、即ちベツドというものは、その経営主体が何であろうと、とにかくそれを総合して、全体として地方民のいわゆる医療に対して便宜を供与いたしておるわけでありまして、従いまして特にその関係から国立を地方に移したり、或いは地方立を国立に移したりするということは、ベツドの増減ということとは関係がありませんので、従つて医療法との関係は考える必要がないじやないだろうかということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/44
-
045・木村禧八郎
○木村禧八郎君 いやそれはわかりましたが、それでは何の関係ですか。その医療機関の整備の一つの方法として、私は医療機関の整備という意味は、医療実施に伴うところの医療機関の整備、こういうふうに私は解釈しているのですけれども、それでは医療機関の整備の手段ということはどういう意味か、具体的にどういうことを意味されているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/45
-
046・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 先ほど申上げましたが、結局医療機関としては、公のいわゆる公立の医療機関と、それから開業医その他のいわゆる私の医療機関と両方考えられるわけでありますが、公の医療機関の経営主体としては、府県乃至まあそういつた地方公共団体が一番適当じやないかというふうに、厚生省としては従来考えて参つたわけであります。従いまして国としてはその上に立つて数府県にまたがるような、いわゆるメデイカル・センター乃至特別な医療機関、何がしかのそういつたものを国としてはやつて、公の医療機関の経営主体として府県が中核体になることが最も望ましいやり方である、そういうふうに考えておりましたし、言わばそれを引直す、いわゆる医療体系をそういうことによつて整備をする、そういうような考え方に基くものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/46
-
047・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはどういう観点から、そういうふうに引直したならばそれが適当であるのか、適当という意味は何で適当なのか。患者に対して医療内容がよくなるとか、厚生度が高くなるとか、保障制度的にこれがもつと進展するとかですね、何に対して適当なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/47
-
048・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) お答えいたします。実は非常に全国的に、殊に厚生省の医療体系、医療に対する関心が非常に高まつて来ました。先日の町村長、地方選挙等を通じましても、恐らく医療体系、県内の医療体系整備ということをスローガンにされた知事は、恐らく全部だろうと思うのであります。そういうふうに、地方としては是非県立病院を作りたい、或いは組合病院を作りたい、市町村立病院を作りたいという要望が本年も非常にたくさん来ております。こういうふうに、各地方において市民、県民のために医療整備をしたいという御希望が多いのですから、丁度この際、私たちのほうの国立病院を移管してこの目的に沿おう。なお国ではその財政的余裕を以て、もつといい病院を中央病院として残し得る、丁度財政的から考えましても、国の最大限の効果を挙げ得るという医療が進展をいたしますし、地方においては地方の病院を新設するというよりも、現在のものをなお且つ経営して頂くならばやりいいし、県民市民に対する奉仕できると、こういう意味で、両々相待ちますと、確かに日本の医療というものは世界の水準以上の位置にまで、日本の国立病院を持つて行けるという余裕がここに出て来る。こういう医療の面で確かにこれは協力して頂くならば、又県民諸君のためにも府県知事はいい厚生施設をやつて頂ける。こういう趣旨で私たちはおるわけなんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/48
-
049・木村禧八郎
○木村禧八郎君 御説明は、そういう御説明をしなければこの法案を出した趣旨が通らないから……。併し先ほどから野溝委員の御質問においても、御答弁を聞いていますと、地方において医療機関の整備を非常に要望しているということと、それが即国立病院の地方移譲を要望しているということと何か一致しているかのごとく説明されているが、そこが問題なわけなんです。非常に医療機関の整備を要望している。で早く、特に独立後においては社会保障的にも、池田大蔵大臣も最近車中談で話しています。自由党としては、吉田内閣としては、今後は社会保障制度というのは非常に拡充して行くのだと言われているのです。従つてそれは、厚生度、社会保障度というものを高くするというのが根本の目的だと思うのです。それとこの国立病院の地方移譲とどういう関係があるか、そこが問題だと思うのです。一番の焦点だと思うのですよ、我々は地方に移譲したのでは今の御答弁になつた根本の目的と反した結果になる、今の実情から言つてですよ。私はそう思うのです。そこでこれが非常に問題になるのですが、先ほどから地方では反対のところもありますし、併しそれは強制はしていないと言われておりますけれども、それは法律には成るほど強制はしていないのです。併しこれは実際問題として考える場合に、若し地方で新たに医療機関を設けたいと、こういうときに、どうしても地方起債が必要とされるとき大蔵省は許さない。併しながらこの国立病院をこれをお前のほうへ移譲してやるから、そのときには地方起債で払込んでよろしいのだ、そういう場合には地方起債を許すということになつたら、これは強制的になるのです。実質的にです、経済上から言つて、財政上から言つて。この強制のほうが法律案による強制より実質的に強いわけです。そういう形でこれを強制して行こう、そうでなければ政府はこの法案を出した趣旨が通らないわけです。どうでもいいならこういう法律案を出す必要はないだろう、非常に熱意を持つて政府がやる意図がなければこの法律案を出す必要がない、そこでどうしてもそれは私は実質的には強制になる、起債というものを通じて。その点はどういうようにお考えになつていますか。さつき強制していないと言われましたけれども、実際には強制になる。この点大蔵省のほうではどういうふうに御了解になつているのか。若しこの国立病院の移譲を受けないというならば、自分のところで病院を作りたいというときには、お前のほうは前にこれを移譲してやると言つたのに引受けないので、その起債は許さぬということになると強制的になる、実質的に強制になる。この点はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/49
-
050・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 先ほどの私の答弁は、この法案に合せた答弁ではなしに、私の答弁のような事情からこの法案が実は生まれて来たわけです。それから、成るほど地方の要望と国の要望と一致するならばこれほどいいことはございません。併しその間に必ずしも一致しがたいものをどうするか。そういう丁度その中間としてこの任意でこの問題をやる、強制法ではありません。そこで全部が一致する工合に行かない場合に困るからというので、実は任意ということで書いたわけであります。
それから只今の第二の御質問のように、地方起債でいじめるんじやないかということをおつしやいますが、現在厚生省で二十七年度の計画を実施しておりますが、国立病院地方移管と併せて交渉したり、起債を斡旋したり、そういうことは厚生省では現在においては一つもしておりません。殊に最近医療体系としましては、県の御要望のごときが多いのですから、たまたま自分の方で作り上げるのだ、国立病院は受取らないのだ、そういうこともありますまいし、自分のほうで新築をしなければいかん、古いものは受取らんということはありますまいし、こういうことも、たまたまその要望が一致するならば、国立病院を十分整備して、殊に修理などの悪いところは整備して、そうしてこれを運営して行く、これがまあ国のほうからいたしましても、地方のほうからいたしましても一番いいんじやなかろうかというような、妙な意味で兼ね合いでどうどうということは、現在もうすでに二十七年度の計画を実施しておりますが、一つもそういうものとの兼ね合いでやつておることはございません。一つもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/50
-
051・井上なつゑ
○委員長代理(井上なつゑ君) ちよつと皆様にお諮りいたしますが、松野政務次官は衆議院のほうから呼ばれておりますそうでございます。これはたくさんまだあとに質問がおありのことと存じますが、本日の連合委員会をこの程度にいたしまして、あとは次回に廻したいと思いますが、御異議ございませんでしようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/51
-
052・井上なつゑ
○委員長代理(井上なつゑ君) それでは御異議ないものと認めます。それでは本日の委員会はこれで散会いたします。
午後零時十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314231X00119520611/52
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。