1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月九日(金曜日)
午後一時三十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 梅津 錦一君
理事
深川タマヱ君
委員
大谷 瑩潤君
小杉 繁安君
中山 壽彦君
藤森 眞治君
河崎 ナツ君
山下 義信君
谷口弥三郎君
政府委員
厚生政務次官 松野 頼三君
厚生省薬務局長 慶松 一郎君
厚生省保險局長 久下 勝次君
事務局側
常任委員会專門
員 草間 弘司君
常任委員会專門
員 多田 仁己君
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本日の会議に付した事件
○国民健康保險再建整備資金貸付法案
(内閣提出、衆議院送付)
○小委員長の報告
○麻薬取締法及び大麻取締法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
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001・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 只今から厚生委員会を開きます。
国民健康保險再建整備資金貸付法案を議題といたします。保險経済に関する小委員長の報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/1
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002・中山壽彦
○中山壽彦君 先日厚生委員会におきまして、国民健康保險再建整備資金貸付法案の審議を保險経済に関する小委員会に付託されましたので、小委員会は昨八日と本日の二回に亘り開会し、愼重審議をいたし、小委員各位と政府当局との間に種々熱心な質疑応答が交されたのでありますが、問題の焦点は、
一、保險料の收納率七〇%以下の真に経営困難に陷つておる保險者に対しては如何なる措置を講ずるか。
二、貸付利率年六分五厘は高過ぎないか。
三、貸付予算額は過少である、この程度では国保の再建整備は可能だと認めるか。
四、政府は国保の再建整備に関し根本的解決策を講ずる意図はないか。
等々に集中されたのであります。これに対しまして政府当局から、
一、保險料収納率七〇%以下の保險者に対しては、貸付制度によることは不適当と考える、これらに対しては別途奬励金制度を活用して遺憾なきを期したい。
二、貸付利率については預金部資金を融資する場合の例に準じたのであつて、国庫に対する貸付利率のみを特に安くすることは困難である。
三、貸付予算額四億円は過少ではあるが、このほかに奬励金予算が四億円ある、若し貸付予算が不足した場合は補正予算で増額するつもりである。併し今回の措置で国保の再建整備は十分だとは考えていない。政府においては目下国保の実態調査を行なつているから、これに基いて根本的解決策を講ずる方針である。
との答弁がありました。かくて小委員会におきましては更に検討を加えた結果、この法律案に対しては次のような要望事項を附して承認することに決定した次第であります。以上御報告申上げます。
要望事項を附加えて申上げますと、
一、貸付金の貸付要件を具備しない保險者についても、貸付金の貸付により、事業を再建することが可能であると認められるものに対しては、第三條の「特別の事由」の適用範囲を広く解釈して、貸付金の貸付を行うこと。
二、診療報酬の未拂額に対し、貸付金の予算額は極めて少額である。よつて本年度における補正予算又は次年度における予算において貸付金の予算額を増額すること。
三、この貸付金の貸付は、昭和二十六年度末までの診療報酬の未拂を解消することだけを目的としているが、昭和二十七年度以降に生ずる診療報酬の未拂に対しても貸付を行うことを考慮するごと。
四、財政難におちいつている保險出に対する国の財政的援助としては、この貸付金だけでは極めて不十分であるから、是非とも給付費に対する国庫補助を早急に実現すること。
五、国民健康保險の現状を徹底的に再検討し、実情に即応した適切なる根本策を確立すること。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/2
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003・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 只今の中山小委員長報告を承認することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/3
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004・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) それでは質疑を続行いたします。只今の小委員長報告を含めた法案全都について御質疑を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/4
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005・藤森眞治
○藤森眞治君 この法律によりまして保險者の或る一定数のものは経営がよくなつて来るかと存じますが、併しこれから落ちたものは勿論先ほどの小委員長報告にもありましたように、或る方法が講じられるといたしましてもたかなか容易ではない。そこで問題がありますのは、現在保險医に診療報酬を拂つていない組合が相当たくさんあります。殊にこの法律の適用によつて一部は救われるといたしましても、恐らく相当数のところは大部分がこれの対象にならない。悪い、経営状態のよくない保險者の所に、そういう保險医に対しての支拂が行われておらないのじやないかと思う。而もこれは僅かの間でなくて、聞くところによりますと、二年、三年も支拂われておらんというのがあります。殊に我々が知つております範囲におきましても、一年以上支拂われておらないという現状を見ております。これに対して政府としてはどういうふうな対策をおとりになるおつもりがございましようか。ただ保險者を救うだけが、これが国民保險の再建整備じやない。どこまでも医療担当者というものに迷惑をかけないように、医療担当者の犠牲において国民保險が行われるというようなことは、これは大いに避けなければならないと考えるのでありまするが、この支拂われておらない診療報酬に対しての今後の対策としてはどういうお考えがございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/5
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006・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 診療報酬の未拂につきまして、根本的な対策を講ずる必要がありますことは仰せの通りであります。この制度それ自身がそれを狙つておることはもう御承知の通りでございますが、只今の御質問の御趣旨は、この制度によつて貸付金を受けられない弱小の保險者に対してどういう措置を講ずるかというふうなお話でございます。要望事項の中にもございまするように、私どもといたしましては、国民健康保險事業の根本的な対策につきましては、只今基礎的な調査を進める準備をいたしておるのでございまして、この基礎的な、根本的な調査に基きまして対策を研究をいたしたいと思つておるのでございます。差当り予算化されておりまして、本年度以降着手いたしたいと思いますることは、御承知の通りこの貸付以外に奬励交付金制度がございまして、予算総額は大体この貸付制度の予算と同等でございます。これは只今のところ財政当局との話合いによつてきまつておりまする方針は、同様に七〇%以上の保險者に一定の比率で奬励金を交付する建前でございまするが、これは将来の問題といたしましては、仮に二十六年度の成績が七〇%に達しない保險者でありましても、二十七年度に努力をして七〇%に達しますれば、二十八年度において奬励金を受けることができるというような運用をいたしたいと思つております。申すまでもなく診療報酬未拂の起ります根本的な原因の最も主なものは、保險料の未収に基くものでございまするので、この方面に若干でも活を入れることによりまして、保險料の徴収が向上して参りますれば、御趣旨の点の一部は達せられるのではないかと思うのでございます。こういうことを只今のところとしては具体的に考えておるのでございまして、勿論これはこれによつて全部が直ちに解決するとは思つておりませんけれども、この貸付制度と相待ちまして、相当な成果を挙げ得るように努力をしたいと思つております。更にそれ以外の根本策につきましては、最初申上げた通り今後の基本的な調査に基きまして検討して参りたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/6
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007・藤森眞治
○藤森眞治君 そうしますると、現在までに或いは二年、三年というふうに診療報酬を拂つておらない、そういうふうな組合に対しても何らかの方法を講じて、一応そういうことのないようにされるおつもりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/7
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008・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 只今のところといたしましては、全面的にこの問題を解決をするという段取りまでは確信を持つてお答えいたしかねるので恐縮でありますが、先ほど来申しておりまするように、国民健康保險制度の根本を調査いたしまして、それに基いて更に適切な方策を考慮したいと思つております。なお先ほどちよつと申し落しましたが、現在すでにやつておりますやり方の一つとして、預金部資金から、これは短期ではございますが、年度内の短期貸付をすることによりまして、これも若干は診療報酬の未拂の解消のために役立つておるものと思います。現在年間二、三億くらいはその方面に貸付が行われておるのでございます。そういうような方法もすでに実施しておりますことを申加えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/8
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009・山下義信
○山下義信君 一つ二つ伺いたいと思うのでありますが、今回の貸付の方法は、三カ年の間に貸付をされるようでありますが、明年新たに借りたいというものにつきましては、やはり今年と同じような方法がとられることになるのでありましようか、如何でありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/9
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010・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 先ず御質問の点につきまして、第一には本法案の十三條にございまする再開保險者、又は他の保險者の権利義務を引継ぎましてその仕事を始めました保險者、これは二十七年三月三十一日現在に保險者でありませんでも、その後一年間にそういうふうな状況になりますれば、十三條の規定によりまして貸付を受けられることに相成ります。そのほかに二十六年度の成績ではこの條件に合いませんで、二十七年度に貸付を受けられなかつたものにつきましても、二十七年度の成績が八〇%以上の徴収成績を挙げておりますれば、二十八年度において新たに貸付を受けられるようになつておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/10
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011・山下義信
○山下義信君 そういうことになつておるだろうと思う。それで私が伺うのですが、今年新たに借りたいと思うものは七〇%以上の収納率があれば初めての第一回の借入金ができる。明年同じように初めて借りたいと思うものは収納率が八〇%以上になつていなければ、明年では第一回の借入ができんということでは、第一回の貸付の條件が今年と明年とでは同じ初めて借りたいというものであつても、條件が著しく不利になつておるように思うのでありますが、それはどうしてそういうことにされたのであるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/11
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012・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) そのようになつておりまする理由は、昭和二十六年度に保險料の徴收割合が七〇%以上に達しておりまして二十七年度において最初の年に貸付を受けられましたものでも、更に二十八年度に貸付額の残りを借受けまするためにはもう一〇%二十七年度で成績を挙げなければいけないということになつておるのでございます。それとの均衡上、二十八年で初めて貸付を受けますものにつきましては、最低を八〇%ということに押えたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/12
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013・山下義信
○山下義信君 それがわからんから、明年初めて借りたいものは八〇%にしておかなければならない、つまり言い換えると、昭和二十六年度のことはわかつておるのでありますが、その後に改善して一足飛びに八〇%になつていなければ明年借りるというものはできないことになつておる。やはり明年借りることになつて、今年は借りなくとも明年初めて借りるものは、今年初めて借りると同じように、その制度を適用してよろしいのではないか。ただ三カ年間のうちに、あと二カ年しか……三年の間順次スライドして行けば、成績が上れば三年続けて借りられるが、二カ年しか借りられる年限がないだけのことである。初めて借りるということは同じことなのであります。それを今年全部貸してしまうという御方針なれば、この法律できめられた貸付制度は極めて合理的であるわけなのであります。もう今年申入れたもの以外には貸さん、これで打切りだ。それで一遍に貸付の必要のあるものは済ましてしまう。今年借入れなかつたものにはもう貸さんということならばよくわかる。併しこの三カ年の間に初めてのものにでも必要を生じて希望するものには貸すということになると、今年最初に借りるというものの條件と、来年初めて借りるというものの條件と同じようにして置いてもいいのじやないかと私は言うのです。来年八〇%にしてあるのは、今年借りたものが又来年行こうとすると、八〇%になつておる必要があるということを規定してあるのでしよう。ですから、最初借りるものは明年になるというと、言い換えると不利……不利ということはないが、自分の成績がよくなるのですから、不利ではありませんけれども、一応この條件が別に置いてあるということが私にわからない。ですから反間すれば、この貸付は今年中に皆申請させるという方針とか、そういうことであるならば首肯できるのであります。その辺がどういうふうにされるお考えかということを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/13
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014・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 制度の立て方の問題でございまして、確かにお話のような立て方をすることも方法であろうかと思うのでありますが、この制度を考えましたのは、申すまでもなく昭和二十六年度末に存在しておりましたそれまでの診療報酬の米拂、即ち赤字を解消をしようということと同時に、将来に向いまして保險料の徴収成績を挙げることによつて、二十七年度以降の赤字は保險料の徴収成績の向上によつて解決をして行こうという実は裏のほうの行き方も狙つておるわけでございます。その関係から先ほど申したのでありますが、二十七年度に貸付を受けましてそれは二十六年度に七〇%以上の成績を挙げておつたという理由で貸付を受けました者は、引続き二十八年度で残額の貸付を受けますためには、今申したような意味から、保險料徴収成績が更に一階級上るということを條件としているわけでございます。従いまして、二十七年度にすでに借りておつた者でも、二十八年度になれば最低限八〇%の徴収成績を挙げなければならないということになつておりまする関係上、二十八年度で新らしく借りる者も同じ條件を付けたと、こういうことになつておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/14
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015・山下義信
○山下義信君 初め借りて一年経過して成績を挙げなければならん者に八〇%を要求することはわかるのです。初めて借りる者に初めから八〇%、つまり一年貸付けて、一年後の奬励を受けて一年間励みをした者と同じように、最初から借りる者に明年に限つて八〇%という條件を要求することが道理上私は納得ができん。それでいろいろな御都合でこういう制度を立てられたのでありましようから、それから先は意見の対立ですから申上げませんが、何かの事情によりまして明年借りようとする者も、これも法律のどつかにありますように、この要望事項の中にもあげますように、特別の何か事情があつだものとしてできるだけ便宜をお與えになるように、当然のことでありますが、私はお願いしたいと思いますが、そういう点一つ御研究下さつて御考慮が願われるかどうかということを伺つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/15
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016・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 先ほどの要望事項にもございましたように、私どもとしては只今の御質問の趣旨に副うように、今後予算の折衝につきましても十全の努力をいたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/16
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017・山下義信
○山下義信君 この法案の目的は、提案の御趣旨にありますように、従来の焦付を解消させるというところにある。御尤もな狙いでありまして、同感でありますが、そうすると焦付の多い者に私はたくさん貸すのがこれが合理的で、焦付の少い者と焦付の多い者にどつちに余計貸すかといつたら、焦付の多い者にたくさん貸してこそ、焦付の解消の援助ができるわけです。然るに本案を見ますと、焦付の多い者には少く、焦付の少い者には逆にたくさん貸すような立て方になつておりますが、それはどういうお考え方でありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/17
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018・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 初年度だけ押えますると、確かにお話の通りでございまするが、少くとも保險料徴収成績が七〇%以上でありまする保險者につきましては、三カ年に亘りましていずれも同額の貸付金が貸付けられることになつております。これは先ほど申上げたように、借受けます金額はそういう意味で比率は同じでございますが、それが確かにお話のように或る者は、成績のいい者は一年間に借りられて解消ができるし、その他の者は、成績の比較的低い者は二年乃至三年度に分けて借受けられるということになつておるのでございます。この点は、先ほども申上げました保險料徴収成績を逐次挙げるようにしたいという一種の奬励の意味もこの制度に含ましたものでありますので、このようなことに相成つたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/18
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019・山下義信
○山下義信君 收納車の成績を挙げるようにするのだという御趣旨は御尤もでありまして、確かに効果はあろうと思います。全然無効とは考えない。従つて收納率が上がれば焦付の解決もこれによつて促進できるというまあ間接的な効果といいますか、そういうことも考えられることも御尤もであります。併しながら只今申上げましたように、元来は焦付そのものを直接に解決されるというのが一番よろしい。これは少し廻り道をするような方法になつておりますが、私どもから考えると、癌になつておる焦付そのものを直接解決するというような考え方のほうが直接効果もあるわけです。而もこの焦付たるや、殆んど解決が困難なものが今日の焦付となつておると私どもは思うのであります。そういう点が実は本案の狙いと実際の焦付解消というものとの関係でいささか納得しがたいような点もあると思いますが、併しそれは別といたしまして、今回のこの貸付に利子をお取りになりますのはどういうわけでありますか。これが私に合点がいかん。どういうわけで利子をお取りになるかということを承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/19
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020・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) この貸付金に対する利子の問題につきましては、厚生省の立場から押しますれば、できるだけ無利子か、或いは利子を取るにしても安くしてもらうということで何回か交渉を重ねたのでございます。併しながら一般市町村に対する預金部資金の貸付即ち起債の利子などとの比較もございまして、この点は私どもも努力をしてみたつもりでありまするけれども、結局一般市町村の起債並の預金部資金の貸付の利子と同等以上のことは実現を見られなかつたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/20
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021・山下義信
○山下義信君 この貸付の財源はどこから持つて来ることになつておりますか。これは預金部資金から廻るのであれば、それは利子のかかる金でありますから、そういうこともあろうかと思いますが、財政の一般会計から貸付資金が出ておるのでございましようか、預金部資金からでありましようか。私はこれは予算に計上されてあるとしますと、一般会計からの財源になつておるのじやないかと思います。どちらでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/21
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022・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 仰せの通り、これは一般会計から出される金でございます。その意味では、預金部資金の問題を私例にあげて申しましたけれども、別のものでありまするが、私が申上げましたのは、預金部資金の市町村に対する貸付金が全部こういうことに行つておるので、そういう関係もあつてこれだけを特別な扱いをすることだできないという財政当局の意見がありまして、ここに落ちつきましたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/22
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023・山下義信
○山下義信君 これはあなたを責めてもいかんと思うのでありますが、これは非常に不合理だと思う。一般財政からの貸付をするのに、利子のかからない金を使つて貸付けて利子を取るということは、政府がそれだけ儲けることになるのは面白くない。殊に六分五厘という貸付利率は、この種の融資といたしましては私は甚だ面白くないと思う。現に例えば同じ社会保險におきましても、健康保險等の赤字の縛ぎ資金などには何も利子をとらないのです。それが市町村のこういう再建整備の貸付にはこれだけの條件を附けて、そして貸した後の條件まで要求しておいて、それから利子を取るということは、これは世間の高利貸でもしません。高利貸のような金貸しでも貸した後の金の儲け方までいろいろ約束しておいて利子を取るということはしません。非常に酷な気持が私はするのでありまして、これは当然無利子でいいと思いますが、今ここには財政当局はおりませんが、若し国会がここで六分五厘ということをお削りになれば無利子で貸付けることもできでる。私どももそうしたい。あなたを責めるのでなく、むしろ我々国会がやればよろしいのですが、そこまで御協議申上げる時間がなかつたからこれはいたし方ありませんが、今後は国会がそのことをやかましく言つたということを、ここに速記にも残るのでありますから、十分次年度からは利子の問題につきましては厚生省のほうでも一つお考えになりまして、こういうことをしてはいかん。本来焦付を解消するならば補助金を以て解消させればいいので、收納率の向上を図るためには、これは別途奬励金を出せばいいので、焦付の解決ならば、これは当然政府出資で補助金を出せばいい。赤字の解消に何十億という巨費を投じておりますのに、利子を取るなんというようなことは私どもは甚だ面白くないと思うのであります。意見になりますから申上げません。
それから今一つ伺いたいのは、国保の将来の育成をして行こうとされる政府の方針でありますが、どういう方針を持つておいでになるかということを伺いたいのであります。これは社会保障制度の第一次の勧告、又は殊に第二次の勧告におきましては、十分政府に勧告がしてあるのでありますが、当初の経緯につきましては、ここに関係の各位もおられますから詳述は避けますけれども、審議会の意見といたしましては、国保の育成につきましては、国家は将来覚悟をいたしまして、露骨に申上げましたならば、強制的にこれを強力に推進すべきことを要請して勧告がなされておる。だからどういう方針を持つておられるかということを明らかに承わつておきたい。その根本方針の線に沿うての本法案に手を打たなければならん、かように考えます。その点、伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/23
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024・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 厚生省といたしましては、社会保障制度審議会の二回に亘る勧告の趣旨を十分了承し、又そうあるべきであると信じまして、少くともそういう精神で今日までいろいろ対策を講じて折衝を続けて参つたつもりでございます。その結果努力をして来たつもりではありますけれども、結果として取りあえず本年度はこの貸付金制度並びに奬励交付金の制度は僅かながら実を結んだというような結果に終つておるのでありまして、私どもといたしましては、今後社会保障制度審議会の勧告の趣旨なり、或いは又衆参両院の昨年のそれぞれの御決議の趣旨にも副いまして、これを実現いたすように努力をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/24
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025・山下義信
○山下義信君 私は意見を申上げないと言うて意見を申上げて済みませんが、この国民保險の保險料をこれを保險税と改めた。保險税と改めたことにつきましては、私は政府におきまして責任があると思う。これが徴収におきまして、租税同様の徴収権が與えられておるのでありまして、保險料という建前でやつておつたときと、これから税といたしまして徴収することを許した後におきましては、国といたしましての私は責任感は非常に相違するものがあると思います。従来の国保に対する指導の考え方と言いますか、方針は、保險税として徴收されることにいたした後の国保のあり方についての指導につきましては、政府におきまして重大なる私は決意をしてもらわなければならんと思うのであります。その点、私は政府の今後におきまする国保の強化山農の態度につきまして、しつかりしたお考えを記録にとどめておきたいと思いますので、御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/25
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026・松野頼三
○政府委員(松野頼三君) 国民健康保險は只今私どもの一番大きな希望を持つておりますのは、本年は当初以来国保の再建整備、或いは奬励金等少額しか予算に計上されませんでしたが、少くとも多年の懸案の突破口と申しますか、一歩たりとも将来の見通しとして国の財政を幾らかでも注ぎ込んで行きたい、こういう考えで相当予算折衝におきましても努力いたした大きな問題です。これも幸いに少額なりとも実は本日提案して御審議を頂くような法案ができたということも、実は厚生省として全力を挙げた一つの現われであります。金額が甚だ零細でありますが、これに応じて今後の財政的援助も一応第一歩を踏み出し得たと、こう考えております。将来とも私どもは先ほどの御趣旨のごとく、政府として或る程度め責任を国民健康保險に負わなければならん。今後の育成発達は、相当限度に達しておる、市町村におきましては保險料の徴収率も各市町村とも努力されておりますが、相当限度に達しておるという状況になつておりましげれ中には財政的に保ち得ないから立つて行けないという町村財政も現われて来て、おります。たびたびお決議がありますように、二割国庫負担という参議院の決議を尊重いたしまして、何らかの形で今後とも財政援助をして行きたい。本年は只今御審議のように、先ずその前に一つ自力で最高限度の自立達成の目標に近付くような奬励的の意味の奬励金、再建整備資金というものを……、只今御審議を仰いでおりますようなこの考え方は、言葉は足りませんが、非常に今後の大きな力を與えて行きたいという努力の結果と、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/26
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027・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) ほかに御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めまして差支えございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/27
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028・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより討論に入ります。本案全部について御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/28
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029・中山壽彦
○中山壽彦君 討論を省略して直ちに採決に入られる動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/29
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030・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/30
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031・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて下さい。只今の中山委員の動議について如何いたしましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/31
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032・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 御異議ないものと認めまして、それではこれより採決に入ります。国民健康保險再建整備資金貸付法案を衆議院送付案の通り可決することに賛成のかたは御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/32
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033・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
それから委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
多数意見者署名
深川タマヱ 大谷 瑩潤
小杉 繁安 中山 壽彦
藤森 眞治 河崎 ナツ
山下 義信 谷口弥三郎発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/33
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034・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 署名漏れはございませんか……、署名漏れないと認めます。
なお、本会議における委員長の口頭報告については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/34
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035・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 御異議ないものと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/35
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036・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 次に、麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引続き質疑を行います。御質問を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/36
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037・藤森眞治
○藤森眞治君 この家庭麻薬を緩和するということについて、何も弊害が起きる心配がありませんかということを承わりたいのですが、殊にこれによつて一般人がたくさん買う、又この場所もいろいろな所で買うというようなことになりまして、手に入れる量を多くして、弊害を及ぼすことがないですかということをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/37
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038・慶松一郎
○政府委員(慶松一郎君) 家庭麻薬をいささか緩くいたしますことによりまして、弊害が生じないかというお話でございますが、実は家庭麻薬として認めようと私どもが考えておりますものは、コデインのみでございまして、ほかの麻薬につきましてはこれを今のところ認めるつもりはございませんです。御存じでもございましようが、コデインにつきましては、その麻薬としての力は極めて弱く、むしろ咳をとめるとか、そういつたことに非常に珍重されるのでございます。その意味におきましてコデインを実は考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/38
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039・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 今回の家庭麻薬には阿片、それからモルヒネ剤を取り除かれたのですが、これにはどのくらいの中毒者が殖えたとかいうような統計がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/39
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040・慶松一郎
○政府委員(慶松一郎君) 麻薬中毒者というものは御承知の通りその性質から申しまして、正確な数字をつかむことは極めて困難でございますが、現在判明いたしております中毒者は約全国で五、六千名だと存じますが、併し実際上といたしましては年々増加の傾向にあることも否めない事実でございます。大体先ず一割から一割五分くらいの程度で殖えているということを申さざるを得ないことは誠に遺憾でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/40
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041・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 この麻薬中毒者がだんだん殖える、とにかく或いはヘロインとかモルヒネなどにおきましては、まあ百人のうちの八一%くらいがそれである。それからそのほか阿片とか、コカインというものがあつて、そのほかに一一%、約一割くらいのものがその他の麻薬というようなこの前資料を頂いておりますが、その一一%の麻薬というのは一体どういうものでしようか、どの種類からできておるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/41
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042・慶松一郎
○政府委員(慶松一郎君) 麻薬と申しましても、只今申上げましたように、或いは今谷口委員が仰せになりましたように、コカインとか或いはモルヒネ、ヘロイン等が主なるものでございますが、併しながらそのほかにジオニンとかそういつたものがあるのでございまして、大体一般的に申しますと、コデインによる中毒というようなものは余りございませんで、その他の例えばパビナールとかそういつたいろいろな麻薬の混合物、これによる中毒者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/42
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043・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 今回の麻薬の取締も大勝の問題が出ておりますが、日本におきまして大麻の麻薬というのが一体どのくらいあるでしようか、或いは一年間にどのくらい生産されておりましようか、それを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/43
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044・慶松一郎
○政府委員(慶松一郎君) 大麻によります麻薬というものは、薬局方等には大麻エツキスとか大麻チンキというものが載つておりますし、まあ過去において載つておつたものでございますが、今日におきましては実際問題といたしましては、大麻の製剤というものは我が国においてはございませんです。但しこの大麻につきましては、国際條約にも大麻の取締ということが載つております。その意味におきまして、我が国においても国際條約を遵奉するという意味から大麻取締法なるものを制定いたしておるのでございますが、ちよつと速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/44
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045・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/45
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046・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/46
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047・慶松一郎
○政府委員(慶松一郎君) 大麻取締法というものが存在いたします限りにおきましては、この大麻の栽培に関しまして許可制をとつております。その意味におきまして、やはり年に一回ぐらいは報告をとることが適当であろう、こう考えておる次第であります。従いまして、今後におきまして当分これを廃止するというような見通しは私どもとしては考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/47
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048・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) ほかに御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/48
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049・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 御異議ないものと認めます。
それではこれから討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/49
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050・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 討論を打切りまして、早速採決に入る動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/50
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051・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 討論省略の動議がございますが、如何いたしましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/51
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052・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) それでは討論は省略することに決定いたします。
それでは討論を省略して採決いたします。麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案について、原案通り可決することに御賛成のかたは挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/52
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053・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 全会一致でございます。原案通り本法案は可決せられました。
それから委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可とされたかたは順次御署名を願います。
多数意見者署名
深川タマヱ 大谷 瑩潤
小杉 繁安 中山 壽彦
藤森 眞治 河崎 ナツ
山下 義信 谷口弥三郎発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/53
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054・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 署名漏れはございませんか……署名漏れはないものと認めます。
なお、本会議における委員長の口頭報告については、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/54
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055・梅津錦一
○委員長(梅津錦一君) 御異議ないものと認めます。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314237X01919520509/55
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