1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月五日(水曜日)
午前十時五十五分開会
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委員の異動
二月二十八日委員藤原道子君辞任につ
き、その補欠として森崎隆君を議長に
おいて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 カニエ邦彦君
理事
宮田 重文君
千葉 信君
委員
木下 源吾君
森崎 隆君
政府委員
人 事 官 入江誠一郎君
人事院事務総局
給与局長 滝本 忠男君
大蔵省主計局給
与課長 岸本 晋君
事務局側
常任委員会専門
員 川島 孝彦君
常任委員会専門
員 熊埜御堂定君
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本日の会議に付した事件
○一般職の職員の給与に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣送付)
○議員派遣要求の件
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001・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) それでは只今から人事委員会を開催いたします。一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたします。これは予備審査でございます。本件に関しまして、人事院のほうに対する御質疑があれば逐次御質疑をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/1
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002・木下源吾
○木下源吾君 この地域給ですが、今回大分調査をして、いろいろ御用意をして均衡のとれるような、実際に又即応するような案が出て来ておるのですが、人事院としてもなお不十分だという点は認められるだろうと思うのです。そこで多少でももつと公平にしようとする意図はあるとは、先般来よく聞いてわかつておるのですが、次のベースの勧告の時期というようなことの時期まで、やはり放任できない地域も大分あるんだろうと思うのですが、そこでこれを官署指定で補おうという意向を示されておる。さてその官署指定だが、従来の例を見ると、官署指定で極めて部分的な、最も不合理と認められるところというようなことだけでは、私はこの際均衡をとる上に不十分ではないか。そこで手続の上では官署指定ということになるんだが、実質的には来たる時期においては地域を指定するというような方向で、やはり今回の官署指定というようなことは考えられるのじやないか、こういうように考えるのですが、そうなれば、やはり相当な今回指定漏れの、ここは当然誰が見ても指定せにやならんというところを選んで、それを主眼として官署指定というものを行わなければならん、こういうように私は考えるのです。人事院はまあいろいろ調査或いは方針等もあるだろうし、その他の予算の関係等をも考慮しなければならんと思うのだが、そういう点について私の言うように、もう少し今回の指定漏れを合理化するに必要な地域を、そういう意味で官署指定を相当数殖やすというようなことが考えられておるか、おらないかというようなことをまあお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/2
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003・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 只今の木下委員のお話でございますが、まあ人事院といたしましては、今回勧告いたしました案は、現在の状況において最善の努力をいたしました。最も人事院として出し得る最善なものであるということなんであります。併しながらそういう地域に近接いたします官署につきまして、特別の考慮を払う必要があると思います。こういうものは勿論官署指定の対象になるだろうと思います。又従来官署指定をいたしますときには、只今地域給の付いております特定地域から二キロ以内ということを一応判断の基準にいたしまして、そういう距離の以内にあります官署は官署指定をいたしているということに相成つております。併しながら今回やりまする場合に、一体如何にすべきかという問題なんでございますが、やはりこの内地と申しまするか、そういう地域につきましては一応二キロという線が判断の基準になろうかと思つております。ただ北海道のような非常に広範な地域におきましては、二キロという線を厳守するということは、これは甚はだ困難であろうかと思いますので、これは若干その距離を拡げまして、適当に考えて行かなければならんのじやないか、そういうふうにいたしましても、なお且つ今回は相当の官署を指定する必要があるだろうというふうに考えております。目下各省に照会をいたしまして、官署指定を必要とするような官署につきまして調査を進めております。勿論それだけではございませんで、いろいろな機会にいろいろな官署指定を必要とする官署をいろいろ調査しております。そういう資料に基いて官署指定が行われるということになろうかと思います。ただ根本のものの考え方としまして現在人事院で勧告いたしましたものが不十分であるから、それを補うために官署指定をやるという趣旨ではございません。結果におきましては、相当多数の官署を指定いたす必要がある、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/3
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004・木下源吾
○木下源吾君 この二キロという計算ですが、これは行政区域の末端からの考え方ですか、そうではなく密集家屋のある、つまり町というような、そういうところに考えておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/4
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005・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 行政区域の末端の一番近いところから二キロということを一応考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/5
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006・木下源吾
○木下源吾君 そうすると、ここにまあ甲の地域がある、次には乙の地域がある、官署は申の地域は指定されておるのだが乙の地域は指定されていない、而も乙の地域内にある官署が隣りにあれば、それはもうすぐ二キロというつまり何に入るのか、官署の所在地まで二キロというのか、その点が一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/6
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007・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 趣旨は官署の所在地まで二キロということでございます。ただその二キロということを余り厳守いたしまして、二キロにちよつと足りないというようなことで指定しないというのは余り杓子定規であろうかと思いますので、一応判断の基準といたしまして、二キロということでございますから、それから余り逸脱しておる場合は勿論駄目でありまするが、二キロにちよつと足りないという程度のことでありまするならば、これはやはり固執しないというふうにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/7
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008・木下源吾
○木下源吾君 今の私はやはり所在地、官署の所在地点というのではなく、やはり行政区域のほうがいいのではないかと、こう考えられるのですが、必ずしも二キロを固執をしないというふうな、いろいろ判断でやられると思うから、実情に即してやられると、そういうふうに了解いたします。さて人事院は、この場合はいろいろ考慮の条件を言われておりますが、官署の人事交流の面というようなことについては、余り条件の中には考えておられないのですか、この点はどうですか。非常に人事交流で困つておるところが多いのです。甲のところには指定されておる、今度今のような余り遠からざる、而も経済条件の変らないところの乙へ行く、乙のところは指定されていない、事実上の減俸になる、こういうような点で非常に実際行政施行上に支障があるということは御承知の通りだと思うのでありますが、こういう点は余り考えておられないか、どうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/8
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009・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 官署指定を考えるということが、すでにそういつた人事交流というような面に余り不便があつてはいけない、官署指定をいたしませんために、この行政区画で、或る地域は地域給が付いておりまするのに、それから余り遠くないところの官署が付いていないというようなことは非常に困るのであるというようなことから、それだけが理由ではございませんけれども、官署指定ということを考えておるわけであります。原則としては考えておる、併し人事交流の面から物を考えたらどうかということになりますると、これは非常に大きな問題であろうかと思います。今後地域給を是正して参りまする際に、これは抜本塞源的に解決されるべき問題であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/9
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010・木下源吾
○木下源吾君 今暫定的にもやはり人事交流という面を考慮に入れておられるというお話で、そのために官署指定ということも考えられているのだ、それは全部ではなくてもですね。そうなると、私は二キロとか、十五キロとかいうことに余り拘泥せんでもいいではないか、経済事情が指定されている所とされていない所とがやや同じであるならば、距離ということに余り拘泥されないでやられたらどうかというふうに考えられるのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/10
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011・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) これは今木下委員の言われますようなことを問題といたしまするならば、現在の地域給につきまして、これは根本的に再検討をいたすということに相成らなければ解決は付かない問題であろうというふうに思うのであります。それでは只今すぐ地域給を廃止できるか、或いは現在被地域給を一級なり、二級なりに全部上げてしまうことができるかと申しますれば、なかなかそういうわけに参らない。現在のところといたしまして最大限度……、部分的に先ほども申上げたのでありますが、北海道というような非常に広汎な地域におきましては、二キロいうようなことを考えますると、余りにこれは杓子定規なことになりますので、相当程度幅を拡げて考えなければならん、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/11
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012・木下源吾
○木下源吾君 私は具体的なことを言えば、これは県庁なり、地方事務所というようなものは国家公務員ではありません。そういう類似な所、やはりそういう所は距離等にかかわらず私は付けべきではないか。例えば営林署の出先のようにああいう全国一のものがあるわけです。そういうような所で、而もそれは相当附近の指定されておる所より以上に物価高というようなことはわかりきつておるのです。例の東洋一の水銀鉱がある町なんです。温泉もある。そういうような誰が考えても指定適当地であるというような所を除けるというのは、何かあなたがたの基準とか、いろいろな面において外れおるから除けるのだろうとは思うけれども、理由が付くならば、こういうときに私はやはりやらなければいかんじやないかと、こう考えるわけなんです。無理に理窟の付かんものを言うわけじやありませんが、例えば岩内町あたりでもそうなんです。経済事情なんというものは……。そこでは非常に魚はとれませんけれども、北海道の半分ぐらい、どこでもとつたやつを持つて来てそうして魚が漁がなくなつたものだから加工することに一生懸命やつておる。そうして有名なつまり加工地になつておるというようなわけで、どこから見てもこれは物価が高いのだ。而もそこには官庁が密集している。そういうような所をやはり私は基準から除けるというのは相当おかしいのじやないかと思うのですが、ですからこういうようなことをくどく聞いておるのですが、そういうわけで、そういうことになれば、政策的の面も含むところがあろうと思いますけれども、合理的に行けるものならば、どうしても私はこの際に官署指定の途で補強するという場合でも十分考慮の中に入れられて全国的におやり願えるかどうか、こういうふうに考えるわけです。従つてさつきから申上げるように、人事交流という面も一つの条件としておるならば、人事交流という面で距離という面に余り拘泥されないで、これは実際市長の諸君が行政をやる上において非常にお困りなんです。従来心配されておるそういう面をも、或いはこれは政策の面になるかも知れませんけれども、考慮せられることがいいんじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。それでくどく聞いておるわけなんです。ちよつと速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/12
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013・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) 速記をとめて……。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/13
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014・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) 速記を始めて……。それでは一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の人事院に対する質疑は、本員は都合によつてこの程度にいたしまして、他に御相談を申したい件がございますので、これは懇談の形でいたしたいと思つておりますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/14
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015・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) 御異議ないと認めます。
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016・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) それではお諮りをいたしますが、実は国家公務員の給与の問題に関する調査について、このたびは特に地域給手当の問題を中心として現地の事情を調査するということで実は三班こしらえまして、そうして一班は秋田、山形、青森、二班は滋賀、京都、大阪、三班は長崎、熊本、大分、この三班の地域に議員を派遣する、こういうことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/16
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017・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) それではさよう決定いたしまして、なお手続或いは又議員の氏名等につきましては委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/17
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018・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) それではさよう決定いたします。
それでは只今より懇談会に移ります。
午前十一時十八分懇談会に移る
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午後零時十二分懇談会を終る発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314548X00719520305/18
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019・カニエ邦彦
○委員長(カニエ邦彦君) 懇談会を終ります。これにて本日の委員会を散会いたします。
午後零時十三分散会
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