1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月四日(火曜日)
午前十時五十六分開会
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委員の異動
三月三日委員下條恭兵君辞任につき、
その補欠として小松正雄君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 平沼彌太郎君
理事
大矢半次郎君
伊藤 保平君
菊川 孝夫君
木内 四郎君
委員
黒田 英雄君
小林 政夫君
田村 文吉君
森 八三一君
大野 幸一君
油井賢太郎君
政府委員
大蔵省主税局長 平田敬一郎君
事務局側
常任委員会專門
員 木村常次郎君
常任委員会專門
員 小田 正義君
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本日の会議に付した事件
○公聽会開会に関する件
○所得税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○相続税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○砂糖消費税法の一部を改正する法律
案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/0
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001・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 第十八回の大蔵委員会を開会いたします。
所得税法の一部を改正する法律案その他の税制改正案について公聽会開会承認要求に関する件、これをお諮りいたします。ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/1
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002・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記始めて。最初に公聴会開会の件についてお諮りいたします。所得税法の一部を改正する法律案その他税制改正案につきまして、国会法第五十一条の重要なる歳入法案と認め、公聽会を開きたいと存じますが、御異議ございませんですか。
〔「異議なし」と呼ぶものあり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/2
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003・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。つきましては公聴会の時日は大体三月十一日、公述人の数、選定方法は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶものあり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/3
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004・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。なお公聴会の開会につきましては本院規則第六十二条により、議長に対して公聽会承認要求書を提出しなければならないことになつておりますが、本件につきましては委員長にその手続は御一任願いたいと存じます。
〔「異議なし」と呼ぶものあり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/4
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005・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) それでは所得税法の一部を改正する法律案その他の税制案について質疑をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/5
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006・田村文吉
○田村文吉君 資料を一つお願いしたいのでありますが、それはお配りになりました二十七年度税制改正要綱ですね、要綱の二ページの上から二行目にある「旧軍人、軍属の遺家族である寡婦及び老年者並びに旧軍人、軍属で戦傷のため不具者となつた者に対しては、これらの控除を六千円に引き上げるものとすること。」ということになつておりますが、一体この階級の人たちは頭数はどのくらい見込んでおられますか。それからその税額というものは、この改正案によつてどのくらい税金が取れるものなんですか。これは私大した弊害はなければ、こういう人のほうまで取らないでもいいのじやないか、こういう考え、ちよつと思うのでありますので、若しその資料がお集め願えれば頂きたい。今できましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/6
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007・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと申上げておきますが、実はこの要綱に書いておりますこの改正は、先般も実は申上げたかと思いますが、遺家族の援護法が所得税法をまとめる際にまだ未決でございましたので、範囲等が若干はつきりしない、従いましてこれに関する改正は、援護法の附則で所得税法の改正を行うということで進めて参りたいと考えていたのでございます。従いまして資料等につきましても、なお目下援護法が大体輪郭がはつきりしましたので、それに基きまして整理いたしておりますので、近くこちらにまとめまして御報告申上げたいと存ずる次第でございます。
なおこの条文は、遺家族が政府から受けまする各種の年金又は一時金、これには所得税は全然かかりません。こういう人がほかに働いたり或いは資産所得等がございまして、それによつて所得があつて、所得税がかかる場合に六千円控除する趣旨でございますことは当然でございますので、結構と考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/7
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008・田村文吉
○田村文吉君 そういう人たちの政府から頂くもの以外の所得というものの計算が大体できましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/8
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009・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 現在不具者、老年者、それから未亡人、こういう者の全体の課税上の控除の実績は或る程度わかつておりますので、それをもとにしまして遺家族に該当する者が何%あるか、それを今計算いたしまして調べている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/9
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010・黒田英雄
○黒田英雄君 富裕税についてはいろいろ考慮されているというお話でしたが、大体どういうふうに考慮されておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/10
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011・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 富裕税につきましては、どうも余り手数の割合に収入も少い、どうも少し理論は非常に立派ですけれども、むしろ所得税の最高率を上げたほうが実際的じやないか、こういう考え方が大分昨年以来ございまして、そういう趣旨でいろいろ検討していたのでございますが、何といたしましても富裕税は、所得税の最高税率を比較的低くとて、そうして資産所得に対して富裕税をかける、こういうシステムがシヤウプ勧告の特色をなしているので、早く結論をつけてしまうのは如何かというので、今年もう一遍よく検討いたしまして、この次の機会にはつきりした結論を下したい、こういう結論を出している次第でございます。大蔵大臣はできれば廃止したいという衆議院の委員会等ではお話のようでございましたけれども、まだ併しはつきりした決定はいたしておりませんので、そういう方向でなおよく愼重に研究しまして結論を下して参りたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/11
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012・黒田英雄
○黒田英雄君 富裕税に対してのお考えは大体わかりましたが、そういうような考えを持つておられるならば、この際所得税法の第六十何条でしたか、六十二条ですか何かで、或る一定の高額所得者については資産明細表を同時に提出する、出せということが規定されているのですが、これは出さなければ一万円の加算税かを取られるというような規定もあるのですが、ああいうものは富裕税があるから、高額の所得ならば富裕税が或いはかかるのじやないかというふうな観点から立てたのだろうと思うのですが、非常なあれは手数のかかるものであつて、富裕税のかかる人ならば富裕税の申告で以て詳細を出すことは、これはまあ当然であるのですが、富裕税がかからない、殊に勤労所得が、あれは年額七十万円以上でしたかな、そのうちの大部分が勤労所得であるというような者は富裕税がかかる何は比較的少いというふうにも考えられるのですし、あれはまあとにかくこの際今度の改正であれだけは富裕税と直接関係がないのですから、あれだけでもせめて提出をやめられたらどうかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/12
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013・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今お話の通り財産価格三百万或いは所得七十万以上のいずれかに該当します場合には資産、負債の明細表を提出して頂くことに法律上なつております。この趣旨は今まで通り富裕税の調査に役立たしめんということが一つの目的、それからいま一つは、やはり資産の明細を明らかにいたしておきまして、適正な所得の申告並びに調査、これに役立たしめる。大体この二つの目的を実は持つているのでございますが、後者のような目的からいたしますると、お話の通り余り……、如何なる所得者に対しても一律に出して頂くということは如何であろうかと考えまして、運用の方針といたしましては、これは公表いたしておりますが、大体こういう趣旨のことを言つております。つまり所得税法第六十二条の三に規定する財産及び債務の明細表を納税者が出さなかつた場合におきましても、その明細表を添附ないことによつて特に所得を隠蔽する意図が明らかに看取されるなど悪質であると認められる場合を除きましては加算税は徴収しない、その辺は或る程度余り窮屈な扱いにしないという運用の方針にいたしておりまして、これは先般国税庁から世間にも公表いたしておりますが、そういう趣旨で適用上考慮する。従いましてお話の通り大部分が勤労所得でありまして営業を営んでいるわけでもない、或いは相当多額の資産所得があるわけでもないというような場合庭おきましては、余り嚴格に実は法律を実行して行く必要もなかろうかと……。大体規定の趣旨自体が補助的な資料の提供でございますので、その程度の運用でいいのじやないかと考えている次第でございまして、その点も御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/13
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014・黒田英雄
○黒田英雄君 大体わかりましたが、なかなかあれは手数がかかると思うので、殊に地方にいろんな不動産でもあるような者についてはこれはえらい手数がかかる、十分なる効果があるものかどうかもどうかと思うのですが、まあ富裕税の関係ばかりではないというお話ですから、富裕税に直接という考えは或いはいかんかもしれませんが、所得税のいろいろの正確な審査をするとしても、あれを一つ、資産の所得の或る一定の高額の者についてはあれは必要かと思うのですけれども、勤労所得などが大部分を占めるような者についてああいう手数のかかるものを納税者に出させるということは少し行き過ぎているのじやないかと思われるのですが、一つ廃止される御意思はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/14
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015・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 実はこの点は根本の趣旨といたしますと、まあシヤウプ勧告により二十五年度の改正以来とつている方針でございますが、成るだけ所得を適正に納税者から申告してもらう。で調査もがつちり行きまして、所得は飽くまでも完全につかんで、税率なりその他はできるだけ低くして行き、負担の公平を図るというのが一つの基本方針になつておりまして、その趣旨の一つの現われといたしましてああいう規定を設けたらどうかという勧告もございましたのでこのような規定を設けておるような次第でございます。で、私はその根本の趣旨はやはり悪いことではない。勿論できればそれに越したことはない、いいことだと考えておるのでございますが、併し一方お話の通り余り実益のない調査、こういうことをやたらに厳格に運用するのはどうであろうかというような趣旨からいたしまして、今申上げましたような運用の方針にいたしております。更に富裕税廃止等の問題もありますので、今度の段階ではそういう趣旨で根本的に改正してしまうのはどうかと……、困難の問題であると思いますので、なおこの点についてはこの次によく根本的に検討して考えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/15
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016・黒田英雄
○黒田英雄君 まあ十分一つ御考究を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/16
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017・森八三一
○森八三一君 第十二国会に今度提案になりましたと同じような趣旨における税法の改正が行われておるのですが、その際の説明にありました言葉は、郵便料金、鉄道料金等いろいろ価格の改訂に伴いまして国民の負担が殖える。その殖える部分を放置することは民生を圧迫するので、税法の改正でこれを救済したいというような御説明かあつたと記憶いたします。そういうような御説明に関連いたしまして、その当時税を全然負担しておらん者は減価の処置が講ぜられましてもその恩典には浴し得ない。価格の改訂による負担の増だけはこれをどういうふうに救済して行くかという問題が非常に大き仏問題であるし、是非とも急速に解決をしなければならん問題であるというような趣旨で、大臣の御意見を伺つた記憶を持つておるのであります。その当時大臣といたしましは、非常に重要な問題であるが、各国における税を取扱う政治家の一番の悩みとする問題であつて、今後とも十分研究して善処したいという御答弁であり、更にそういうような救われざる階級の人々が主として組織をいたしておりまする経済機関、中小企業の協同組合とか漁業、農業等に関する協同組合でありますが、この対策が差当つて十分にないといたしましても、そういうような救われざる階級の人々が主として組織いたしておりまする協同組合等に対する法人税を免除することは、せめてもの一つの対策ではないかということにつきましてお伺いいたしたのでありますが、大臣といたしましては、それも一つの方法であろうが、この次税の改正を本格的に考える場合には十分考慮してみたいということを言われたことを記憶しております。そういう点について本格的に税を改正されるこの際にどういう御考慮が払われたか、この考慮をしてみようというお気持が具体的にどういうふうに検討されたかをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/17
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018・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お話の趣旨は大体において私どももそのように大臣からもお話があつたように承わつて来ておるのでございますが、ただ前回も申上げましたように、所得税を軽減する主たる目的がそういうことにあるということよりも、料金、物価等を改訂いたしまして生活費が高くなる。それが所得税の改正で相当カバーできるのである。むしろ結果的な考え方といたしまして申上げておいたことを今も記憶しておるのでございますが、それにいたしましてもお話の通り、税制の改正によつて負担の軽減の恩典があり得ない少所得者、こういう人につきましては何か特別な方策があり得ないかという問題と存ずるのでございますが、この問題は前回も大臣からたびたびお話もありましたし、又私からもお答えいたしました通り、税制の上で特別に考慮することになりましてもなかなかむずかしい問題でありまして、まあ間接税を軽減するというようなことは、その場合の一つの考え方であろうと思いますが、併し間接税と申しましても、現在の間接税は極力大衆課税を避ける意味におきまして、特定物品に対する課税におおむね限つておりまして、極く一部物品税等におきまして、必需品的な性質を或る程度持つておる物に対しましても課税いたしておりますが、多くは酒、たばこ或いはその他の嗜好品又は奢侈品、かような物に重税いたしておる状態でありますので、これを更に減税いたしまして、調整を図るというわけにも参らない。所得税等におきましては御承知のように数次の改正で、農民なんかの場合納税者は三分の一になつておる。それで税金を納めないクラスが相当殖えておりますので、それを所得税を減税いたしましても大して影響がない、従つてどうすればいいかということなんですが、これはまあなかなか税制の上におきましてはそう簡單に解決できる問題でないと思うのであります。そういう問題につきましては一般の物価政策等をできるだけ考慮に入れまして、料金なり、政府の勧告しました価格の引上げが、全体の物価水準を成るべく上がらないような方向に持つて行く、まあそのためには財政の均衡を図ることが根本だろうと思いますが、金融面等におきましてもオーバー・ローン、或いは過剰貸出等のような措置をできるだけ避けまして、極力一般物価水準の安定を図る、それによりまして家計費等の安定を図りまして、そういうかたがたに対する生活の安定と申しますか、これを極力努める、こういうむしろ一般政策の問題といたしまして、結果的にそういう人々に対しましてひどい影響を来さないような方策をとつて行つたらどうかというようなことに、結局問題としては帰着するのではないかとまあ私は考える次第でございます。お話の通り法人税と申しましても、恐らく森さんのお話は、農民等が組織しておる協同組合等のものを一例としてお考えになつておるのかも知れませんが、これとて総税額は僅かのものでございましてどつちかと申しますと現在の税制は、建前と申しますか、全体の負担の公平と申しますか、そういう見地から課税している状態でありまして、これを減税して見ましても、実際の影響というものはそれほど大きいものではないという点を考えますと、やはりこれとてお話になるような意味におきまする対策にはどうも余りなり得ないのではないかというふうに考えて見ますと、やはり結局一般財政経済政策の上におきましてできる限り物価の安定、生活の改善身期するという方向で運用して行くということによつてお話のような目的を達する。勿論歳出面におきまして、政府の例えば生活保護費等の支出がございますが、こういうものはできるだけ物価の事情にマッチした引上げによりまして改訂を加える、これもすでに実行しておると思います。それから農民の場合でございますと、パリティ価格の計算の適正化を期する、或いはその他いろいろなできる限り理由のつく限りの措置を講じまして、極力経営と生活の安定を図つて行くということに帰着するかと思うのでございまして、税制の上におきましてこれに合うような適切な対策というものは、その当時も申しましたように、なかなかむつかしい問題ではないかというふうに考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/18
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019・森八三一
○森八三一君 今の局長のお話は十二国会でもお伺いをいたしましたお話を又承わつたわけでありまして、よく私もお話の点は理解ができるのであります。併し申上げまするように、別個の社会政策的に保護を受けるというクラスでもありませんし、といつて国の施策による価格の改訂に伴つてその生活の上に相当の負担を増大せられる階級である。而もその階級にして税の改正に伴う恩典は受けられないという、国民のうちの相当大部分を占める少額所得者でありまする都市の勤労生活者、農村における農民、漁村の人々、更に中小企業でも比較的小さな企業者というような人々の組織をしている協同組合なり、農業、漁業、中小企業等における協同組合というものの、計算上出て来る、我々の考え方ではそういう経済機関の年度末における利益は、純粋な利益と考えるのは如何かと思いますような性格であると思いますが、そういうようなものに対して、お話のような極めて少額でありまして、それを軽減することによつて、今私の述べているような負担の軽減を図るとか、物価の改訂によつて増大する負担を具体的に軽減してやるというような大きな金額には到底ならんと思います。それでは解決はできんと思いますが、せめてそういうものでも免除してやるということは研究するとか言つておりまして、時日をかけているうちに非常に困難になるわけでありますので、当面の対策として、せめてもの一つの対策ではないかということを申上げているのであります。それに対して十分研究してみようというお話がありましたのでありますので、今度の本改正に当つてどういうように具体的に御研究になつたのかということを、実はむつかしい質問かも知れませんが、お尋ねをいたしているのであります。お話のようにこの一つを以てしてそういう階級を救うとか、その人々の生活の多少でも助けになるようなことを考えるということは、これは筋としては非常に小さな問題で、当つていないと思うのですが、私の申上げる趣旨は十分御了解になつているわけでありますので、せめてもの対策として考えられて然るべきではないかということを強く私は考えさせられるのですが、研究の実態を一つお漏らしを頂きたい。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/19
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020・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今お話のような観点におきまして、比較的小企業者の組織しておりまする特別法人等に対する課税を何か考慮できないかというようなお話かと思いますが、この点は先ほど申上げましたように、現在課税しております利益の総額というものが実は比較的少のうございまして、それなら取りやめてもいいかという議論もあるのでありますが、併しそれは法人として仕事をしている以上、やはり公平の見地に立ちまして、大した実害がなければ実際はこれくらいの負担をしてもらつてもいいではないか、両面の考え方が立つわけでありまして、そういう点からいたしまして、私どもも考えてみたのでございますが、この際更に特にそういうものにつきまして特別の税率を設けて軽減するというのは如何なものであろうか、前回の法人税の改正におきましては御承知の通り特に税率を引上げないで据置くことにいたしたわけでありますが、これを更に引下げるまでの措置ということ、更にその実行という点を考えまして如何なものであろうかと実は考えた次第であります。なお特別法人の所得金額で三十三億、それから税額はその三五%でございますけれども、約十一億円程度になります。この程度の実は法人税の収入を負担してもらつている程度でございまするので、先ずやはり税金がまだ重いような時期でございますから、免税するとか、更により以上軽くするということでなくつても、何とか負担して頂けるのじやないかというふうに今考えた次第でございます。ただ相当理由があるところにつきましては、農協の場合におきましても、例えば二、三年前非常に損をいたしまして、その繰越欠損が大分残つております。で青色申告を当時していなくてその控除ができなかつた法人がたくさんございました。これにつきましては昨年やはり特例を設けまして、繰越控除ができるような措置を講じて参つたような事情もございますが、個別的な問題としましては、できる限り実情に応じまして斟酌するということを考えておるのでございまするが、この税、基本税率自体をこの際更に引下げるというところまで行きますのはどうも少しどうであろうかと考えまして、その点は見合せることにいたした次第でございます。なお歳出の面、その他いろいろな面につきまして財政政策といたしましては、まあお話のような点は頭に入れまして、いろいろな観点から予算ができておるのじやないかと思うのでございますが、なお必要がございますれば、そういう見地からもう少し歳出の面におきましては調査もいたしまして、お答えしてもいいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/20
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021・森八三一
○森八三一君 今の点は一つ十分御研究をお願いいたしたいと思います。
その次にお伺いしたいのは、砂糖の消費税の問題でございますが、恐らく消費税七〇%の引上げ、更に関税におきまして粗糖で一〇%、精製糖で一五%の引上げということを決定されまして、その案を提案されておるという趣旨は、食糧の事情が非常に緩和せられたと申されてはおりまするが、実態は決して食糧問題が基本的に好転をしておるのではなくて、たまたま外国からの輸入がなされておるということにおいて比較的安定したかのごとき状況にあるということでありまして、国内生産を以て国民の食糧を充足するということは極めて困難な状況にあることは明確なことであります。そこで終戦直前から終戦後のあの非常に混乱をいたしました食糧困難時に、いも類の果しました役割は極めて重大な内容を持つておつたわけでありまして、諸般の国際情勢等を睨み合せて考えて見ます場合に、やはりいも類の生産というものは或る程度に確保して置かなければならんというような、非常に遠大と申しますか、深い基礎に立つて生産されるいも類に対しまして、現況が相当砂糖とか澱粉に変つておりますることと、その澱粉が水あめ等に全部転化しておる、その水あめと砂糖との関連があるので恐らくこういう措置が講ぜられておるのではないかというように私は承知しておるのであります。そこでそういうような趣旨であるといたしますれば、本日の新聞の報ずるところによりましても、ニューヨークにおける砂糖の市況は百七十ドル前後であり、世界的に砂糖の生産は非常に戦後好転をいたしておりまして、かなり大巾な増産が見られておるのであります。そういう砂糖の生産状況を考えますれば、現在の一般市況は更に低下をして行くのではないかというようにも考えられるのでありまするが、そういう将来の見通しは別といたしまして現在実際に新聞に出ておる世界的な市況というものから考えて参りますると、今度の関税率及びここに提案されておりまする消費税の仮に引上げということが国会を通過いたしましたといたしましても、その結果国内における砂糖の一般小売価格は我々の計算によりますれば、大体一貫目にいたしまして四百五十円前後に落着くのではないか、一斤にいたしますれば七十円乃至八十円程度のところにとどまるのではないかというように想像をいたしておるのであります。そういたしますれば、前段申上げましたように、この税の制度だけで砂糖の関係といもの関係を調整するということは、これは当然むずかしい問題ではありまするが、そういう意図が含まれてこの施策が講ぜられておるとすれば、これだけでは非常に不十分である。お考えになつておるような日本の食糧問題の一つとしていも類の問題を考えて行くとしては、余りにも影響する面が小さ過ぎて、これだけではいも類の生産を維持して行くということは到底不可能である、こう考えられるのでありますが、十二国会におきましても申上げましたように、更に十分研究しようという局長のお話がありましたので、これに関連いたしまして、別にありまする物品税を当然取り外すことが、申上げまするような希望を達する大きな要素になると思いますが、そういう点の御研究が今度のこの税法改正に当りましてどういうように御考慮になりましたのか。それから七割の値上りということは、民生の上から申しますれば負担の増加になるのでございますが、この程度の増加は現在の経済情勢において当然であるという結論であると思うのですが、そういう当然であるという結論が他の物と比べてどういうような計算から出発して結論されたのか、そういう点を一つお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/21
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022・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 細目の資料は又必要に応じまして申上げることにいたしまして、先ず基本的な考え方をもう一遍申しますと、今お話のように、今回砂糖につきまして課税を変更するというのは、やはり一つはそれによりまして財政目的を達成するなり消費税は負担可能な程度を考慮いたしまして財政収入を上げると、そういう見地から考え、いま一つはお話の通り国内の砂糖の生産並びにあめ、水あめ等に及ぼす影響、まあこれも併せ考慮いたしまして税率課税方法を実は考えた次第でございます。で、負担の程度といたしましては、とにかくこの四月から自由販売になりますので、砂糖の値段が一本になる。そういう場合におきまして一般の小売される砂糖の消費者価格が一体どの程度あれば、先ず消費者の立場から行きましてもそう文句のないところであろうか、これを一つの目安にいたしまして、それを最近のと申しましても、森さんの申されました本日の相場はちよつと研究不足でございますが、原案を作りますまでのニユーヨークの相場等を基礎にいたしまして、それに運賃、チャージ等を入れまして、自由販売になる場合の小売消費者価格がまあ大体八十円前後、一斤でございますね。現在配給価格は六十八円、それからお菓子用といたしまして、特別販売しておりまするものの販売価格は大体百十円強といたしておりますが、それが一本になりまして大体八十円前後ぐらいに納まれば、消費者の点から行きましても大した負担の増ということでなくして、家計に及ぼす影響もそれほどないのではあるまいかということを一つの目安にいたしまして、そうして砂糖の消費税と輸入税と両方でそれを一つ考えて行きたい。まあ最初は砂糖の消費税だけで考えて参りたいと思つておりましたが、北海道の甜菜糖の問題がございまして、これはやはり極力国内産業として保護したらよかろうということ、これと砂糖に対する課税を、まあ適正だと思われる課税を、砂糖の消費税と輸入税と両方で課税すると、こういう考え方になりまして、輸入税につきましては精製糖につきまして従来二割の税率を三割五分それから原料等に対しては一割の税率を二割程度に引上げる。この程度の関税率でございますれば、先ず世界の各国に対しまして日本の砂糖関税としてそう著しく高いという非難を受けないで済むのではないか、その限度におきましてできる限り関税を考慮しよう。残余の分につきましては砂糖の消費税の引上げによつてやるという考え方をとりまして、大体そういたしますると、関税と消費税と合せまして一斤十円強、百斤につきまして千円強の引上げとなるならば、丁度今私が申上げましたような結果に納まるのじやないかというような点からいたしまして税率をきめた次第でございます。で八十円の小売価格に仮になつたと仮定いたしますと、その中で関税と消費税を含めまして、約税の負担が二十四円程度になります。大体三割、小売価格に対しまして三割程度の負担、これはほかの間接税の課税物件、それは酒、その他の負担からいたしましても、先ず穏当なところであるまいか。勿論砂糖は酒と違いますので、酒みたいな重税をかけるのは如何であろうかと考えますし、過去の税負担等から考えまして、先ずこの際としてはこの程度が妥当ではあるまいかというような点を考えまして、砂糖消費税を百斤につきまして七百円引上げ、輸入税率はさつき申上げましたような程度に引上げまして、結果から申しますと百斤につきまして三百円強の負担の増加になる。そういうくらいのところがこの際としましては一番穏当なところではないか。
その他従いまして水ああ等に対しましても、砂糖の税負担が殖えまして、砂糖の価格がそれだけ上がる結果といたしまして、間接的にいい影響を来たす。こういうことも同時に考慮のうちに入れている次第でございます。ただ砂糖の課税におきましてもつぱら水あめ等の保護という見地からだけ課税問題を考えることはできるかということになりますと、これはやはり私は少し行き過ぎになる点があるのではないか。やはり砂糖消費税といたしましては、国民の砂糖に対する間接税の負担は一体どの程度であつて然るべきかということを他の課税物件、或いは直接税の負担等に比較いたしましてやはり判断をしなければならないので、それが基本となりまして、そういう見地から認容される限度におきまして、他の産業に及ぼす影響等も考慮に入れ得るのではないかと、このように私どもといたしましては考えまして原案を作成いたしたような次第でございます。
それから少し長くなりましたが、物品税をそれじや砂糖を上げると同時に考えたらどうか、あめ等に対しましてこれは一つの確かに考え方かと存じますが、この点につきましては、先般一番最初に申上げましたように、今年の財政需要といたしましては、どうも物品税につきまして相当な改正を行うということは少しどうも困難な情勢のように見受けられる、間接税につきましては原則としまして今までと違つて負担の引下げを行わない、つまり減税を行わない、こういう基本的考え方をとらざるを得ない事情に相成つたのでございます。そういうことにいたしますと、水ああだけ外して、果して物品税として他の課税物件等との間の負担の均衡が取れるかという点から考えますと、私はどうもなかなかそこまで御説明申上げる十分な根拠がどうであろうかということも考えて、若し水あめを外して、ほかの物品まで相当改正を加えるということになりますと、これは相当な財政の収入の減になる。それは今申上げましたような事情でなかなかむずかしいということになりますと、どうも政府といたしましてはやはり間接税の基本方針に従いまして、原則といたしまして物品税というものについても改正を加えない、こういう方針に行かざるを得ない。率直に申上げますとそういうような事情で、物品税の改正案は政府といたしましては提案を見合わせるということにいたした次第でございます。
この問題はなおその後の情勢がますます深刻になつておるようでございまして、衆議院の側におきましても、水あめの物品税だけにつきましては何か特別の考慮をして然るべきじやないかという大分強い意見があるようでございまするし、そういう点国会におきまして十分御審議になりますれば、その結果に対しましては、私どもといたしましてもそう反対、強く反対すべき筋合いのものではなかろうと、まあこのように現在では考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/22
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023・森八三一
○森八三一君 今のお話で大体今度の措置の結果、砂糖の最終価格の中に三〇%前後の消費税、及び関税も引括めて税の負担が盛り込まれておる。それは他のものと比べて大体均衡が取れているというようなお話を伺いましたが、そこで他の消費物資に含まれている税が、大体全部の物についても、主たる物についてどういうようなあんばいになつておりますか。これは資料としてお出しを願つても結構でありますが、ここにありますればお伺いしたいと思います。
それからお話のように、この措置だけでいもの問題をどうするとかいうことを考えることは、これは到底不可能なのでございまして、それは私どもも考えてはおりませんが、お話のように物品税を外すことによつて、置かれている国の財政事情から言えば非常に困難な結果が生れるようにもなるので、今度は諸般の物品税には手を着けないという結果になつたのだというお話でありますが、一面に食糧を国内で充足することができませんので、海外に今年度は三百七十万トンというような大量を依存しなければならない。そのためにわざわざ食糧輸入のための特別使節を海外に派遣して懇請までされるというような状況になつており、而もそれによつて相当多額の補給金を国民は負担をしているという現況にある状況でありますから、若し国内における食糧としていもの生産が更に確保せられるということでありますれば、補給金を或る程度削減をするということも可能ではないか、これは一つの計算でございますが、そこまで発展をしてもいいのではないかということも考えられますので、国際情勢等を睨み合わせて考えた場合においては、勿論そういう施策を進められなければならんことは総理もはつきり方針の中で、国内食糧自給度の向上については万難を排してやる、こういうことを明確に所信を披瀝されておるわけでありまして、そういうような政府の方針から参りましても、今の計算上、一方において減収を生ずるが、一方で又収益もあるのでありますから、双方睨み合わせますれば、これは当然とられて然るべき筋合いではないかと我々は端的に考えさせられるのですが、この点は衆議院でもいろいろ問題が進んでいるということでございますので、そういう曉には一つそういう実情をお汲み頂きまして、積極的に政府の態度をそういう方向へ持つて行つて頂くように、事務的に持つて行つて頂きたいという希望を申述べておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/23
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024・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) なお若干附け加えさして頂きたいと思いますが、私農業政策のことは実は直接の所管でもございませんし、余り詳しくないのでございますが、お話の通り、大分主食の点につきましては、最近輸入の状況が面白くないような事情もあるように聞いております。ただ砂糖のほうは御承知の通り相当世界的にも豊作でありますので、入れようと思えば相当たくさん入り得る。戦争中から戦後にかけまして国民も大分砂糖について辛棒して来たのでございますので、或る程度の量はそう高くない価格で入れまして、国民に消費させるという考え方も同時に必要ではないか。外貨資金の点も幸いにいたしまして最近好転いたしておりますので、そういう見地も考えざるを得ない。従いまして余り砂糖に対しまして水あめの保護という見地から高過ぎるという、若干はどうかわかりませんが、国民負担に非常に高過ぎるという感を抱かしめるような課税を一挙にいたすことは如何かと私どもも考えております。私ども今回改めました砂糖の税負担は決して重いものとは、そう重いものと考えておりません。ただ現況から比べますと、約二倍になる、戦前の負担からいうとまだ併し砂糖税だけでしたら低いという状況でございます。大体昭和十年頃は砂糖消費税だけで小売価格の三〇%から三三%くらい、このほかに輸入税がございましたが、ただ当時は台湾かち入れておりましたので、実際輸入税は殆んどかかつていなかつたのでございますが、それを両者を入れますと、国際の砂糖価格の水準にいたしますと、実質的負担は高いものであつたということも言えると思いますが、今直ぐこの砂糖につきまして余り高くするのもどうであろうと思うので、先ほど申しましたような程度の負担が適当ではないか。これは併し非常に別に機械的に非常にむずかしく計算したものでありませんので、若干程度財源が不足した場合に砂糖消費税を増徴するそれが絶対にいかんというものでもないと私は考えておる次第でございますが、然らばといつて余り水あめ、いも対策という見地から砂糖に重税を課するのはどうであろうか、いろいろな角度から対策を考え、それと同時に食糧事情等につきましても当面の事情としましては十分考慮すべき事情もあるようでございますけれども、遠き将来においては主食、いも等の対策を一体どういうふうに持つて行くか、その根本問題が私はやはり相当問題があるのではないか、その辺のところにつきましてよく一つ政府としましても考えまして、漸進的ではありまするが、適当な対策を講じて行つて然るべきものではないか、若干私見に亘る点がございましたが、このように考えておりますが、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/24
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025・田村文吉
○田村文吉君 今物品税のお話がありましたから、これはたびたび二年間お話申上げておる用紙の物品税の問題ですね、これは今の御説明がありましたように理窟からいうと不公正なものであつても、今財政事情からして止むを得ないという大体のお考えのようでありますが、ただ御承知のように私ども今日御配布頂いた資料、先般来頂いておる資料、皆税金がかかつている。物品税が全部かかつている。かかつていないのは新聞紙という特殊の、そのほか特殊の紙、それからボール紙、菓子の箱にするボール紙とか日本紙ですね、これは物品税はかかつていないということなんでありますが、これは誰が聞いても非常に不公正なので、幾度か申上げて十分御了承願つているのですが、ただ税の收額の面からいつて金額が大きいからちよつと削りがたい、こういうお話なんでありますが、ただ政治の面からいつて余りそう不公正なことを長くお続けになるということは非常に政治の公明を欠くという点からいつてまずいのじやないか、こう思いますので、今度は少くも今のこの我々一番使つているところの紙ですね、この用紙の物品税を御廃止になるものと、こう私は考えておつたのでありますが、今御説明になつたような事情で廃止ができなかつた、こういうことなんで、ただ根本的に見まして私ども間接税が多くなることがいいのか、悪いのかということになりますと、これはおのずから議論がありまして私自体もつと賛澤なものに対してもつと税金を取るというようなことは当然だと、間接税がもつと殖えるということは、私どもは今日のように直接税が非常に高額で負担に耐えかねているような事態にあつては考えらるべき問題だ。こういう意味からいつて物品税といいますか、或いは別の名前でそういうものが徴税されるということについて根本的に反対するわけではないのだが、さりとて現在のような賛澤なものが昨年でも免税になつているが、こういう必需品の我々毎日買つて使つていなければならないようなものが未だに財政上の理由だというだけでお残しになつているということはどうもまずいのじやないか、こう考えるのであります。今度は多分一般の用紙だけをお残しになると思つておつたのですが、その御提案はないようでありまするし、予算にも載つていないようでありますが、これに対していつまでも長くこういうことをしておおきになるということはどうも困るのではないかと思うのですが、どうお考えになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/25
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026・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 大体私ども申上げたいことは田村さんおわかりになつているようでございますので、余り申上げる必要ないかと思いますが、ただやはり公平の見地から考えなければならんということは確かにその通りでございまして、そのような点につきましては間接税を課税する場合におきましても、それを実は考慮に入れまして考えておる次第でございます。そういう点から行きまして、紙とかあめだとか、マツチだとか、こういうものが今物品税の一番底にあると申しますか、この次物品税な公平原則から改正するとするならば真先にその辺は考えなければならんものだろう、こういう意味におきましてはまさにその通りだと考えるのでございます。ただ然らばといいまして、現在の課税が全然理由がないかということになりますと、これはやはり私は或る程度紙に対しまして、ほかの物品に課税しなくても、紙に対して課税してもいい節がある。これは税率につきましては他の物品と違いまして、その性質に鑑みまして一番低い税率にしている。物品税の最高は御承知の通り五〇%でございますが、紙の税率は五%にしております。それでその次は免税ということにすると不公正ということになりますので、一番底にある。これも間違いないことでありますが、ほかの必需品と比べまして、絶対に如何なる場合といえども紙に課税すべからずというようなところまではどうも少し言わなくてもいいのではあるまいかと、紙の中におきましても学校の教科書用、それから今御指摘の新聞紙など非常に必需的性質の濃厚なものに対しましては免税いたしております。それから一部紙の中におきましても、必ずしもそういうものでないものにつきましても、生産方式の差によつて非課税にしているものもございます。これは確かに考え直したらどうかといえば、私はそれはやはり相当問題がある点だと思いますが、併し大筋から行きまして最低の税率を紙に課税しまして財政の收入に充てる、財政收入を減らすことができない場合におきまして、これを止むを得ないものとして認めてもらうということも全然理由がないことではない。これは併し今申しましたように、大体私どもはやはりどうも少し所得税を中心にする直接税が重過ぎる、日本の現状としてやはり重過ぎるのではないか、間接税といたしましては大分大衆課税をこの二、三年来廃止し、軽減して参りましたが、先ず今の財政事情から申しますと、この辺のところでとまつたらどうか、そういうようなふうに考えまして、物品税につきましては差当り減税するということで考えたのでございます。これはいろいろ問題がございますので、この次の機会に財政需要等とも睨み合せまして、物品税の中にも確かに非課税にして然るべきものが残つているように私どもも感じます。それから今の税率の適用区分なり課税範囲が、何人が見ても問題がないものであるというふうにも考えておりません。或いは課税方法等につきましてむしろ製造課税よりも小売課税がいいのじやないかというような面もございます。尤もそのような問題等につきましては、将来の機会におきましてなおよく検討いたしまして考えたい。その際におきましては更に紙に対する課税の問題等につきましてもよく検討して行きたい。このように考えておりますことを附加えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/26
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027・田村文吉
○田村文吉君 今の財政需要の事情から相当物品税の額が大きいから、今一気に削ることは困るということでこの二年ばかりおやりになつて来ておるので、私はその理由ならば止むを得ないと思つて実は諦めておつたのですが、今日局長さんからのお話の中に、課税してもいい理窟もあるのだ、こうおつしやられると、ちよつと私にはそういうことまでお考えになつているのなら少し私どもも申上げて見なければならん点もあるのではないか。例えば繊維製品にしても、スフとか人絹とか木綿とか、止むを得ざる日用品、これは別でありますが、立派な友禪織とか唐織の帶であるとかいうものに対しては一文もかかつておらないのに、どうしてこういう我々の本だとか、大事な文化財になつているようなものにかける必要があるか。同じ紙のことを申上げることはちよつと何ですが、紙自体にいたしましても、やはり教科書。新聞というようなものは身近に我々の生活に近いからこういう点はわかるが、そのほかの板紙にいたしましても、仙花紙、ああいうようなものも実は無税になつている。ところが肝心の筋の通つた我々の一番大事に使つているようなものだけに税金をおかけになつておいて、これは理窟があるのだとおつしやられると、ちよつと私には解せない点があると思うのです。この点の考え方が一応財政上の事情で止むを得ずこのままで行き、今後間接税の問題については考えるのだという御趣旨であるならば、私はもう一期待つたらどうかということについての納得する方法もあるのですが、理窟としてこれは課税すべき筋があるとおつしやられると、少しく私としては納得しかねるのでありますが、その点もう一度あなたのお考えを確めてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/27
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028・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今お尋ねの点はまあ程度問題と申しますか、まあそう私絶対的に紙に課税してもいい、如何なる見地からいつても十分理論的な理由があるというわけで申上げたわけではないのでありまして、紙に対しましては先ほど申上げましたように、物品税を課税するとしても、一番低位においておりますし、それから他の物品税を課税しないあらゆる物と比べまして、この紙の課税は然るべきだというところまではこれは言い切れない点は確かにあると思います。併し大筋といたしましては、例えば米とか食糧とかその他の本当の意味の必需品には課税していないが、まあそういう物よりも、紙に対して財政需要がある場合には若干の課税もするということはいたし方のない事情がある。こういう意味で私は申上げた次第でございますので、その点一つそう窮窟なものでなくて、相当彈力性のある説明としてお聞き願えれば仕合せと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/28
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029・油井賢太郎
○油井賢太郎君 私は最近の金詰り、或いは資本蓄積という面から見て、法人税の社内留保についての何か特典を與える途を政府で考えておられるかどうかという点についてお伺いしたいのです。最近御承知のように中小企業者等においては相当金詰りの面から来ている破綻が多いのです。殊に工業界方面なんかを見ますと、利益をそのまま出しますというと四二%も取られる。それよりは機械或いは不動産等に廻したほうが償却というようなことがあつて却つていいというような見地から、利益が挙つた場合にこういうものに向ける。一度不況が来るというと今度は現金がなくて、それで金融機関が応援しない、それでつぶれてしまう、そういう所が非常に多い。そういう面から言うと、資本蓄積という面と相待つて社内留保に対しては特別な措置のとられるのが然るべきじやないか。今回の法人税の改正についてもそういうことをお出しになるかと期待しておりましたが、何もその点は触れておりませんが、将来お考えになつて行かれるか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/29
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030・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お話の点は御尤もだと思いますが、ただ社内留保に対しましても一般的に特別の措置を講ずるということは、どうも私は今の国民負担の現状では少し行過ぎじやないか。これは先国会から申上げました既定の措置でございますので、それを補足して申上げるのにとどまりますが、單に固定資産の償却だけではなくて、やはり価格変動準備金、それから貸倒準備金、それから今度の退職手当引当金、まあこういうような種類の諸準備金と申しますか、それにつきましても昨年の改正以来、或いは最近更に追加いたしましてその限度を引上げましたが、極力課税外においておきまして、でそういう形で社内留保が殖えるであろうということを促進しようという考え方でおりますことは油井さん御存じのところだろうと思うのであります。それで貸倒準備金等も相当……、あれは政令でその限度はきまることになつております。先国会で説明いたしました趣意によりまして先般引上げることにいたしました。それから退職準備金の問題も、労働協約のあるものに限つたらと最初思つておりましたが、よく調べて見ましたら労働協約のないものが多い。殊に中小企業の方面におきましてそういうものが多いので、雇主がその就業規則をきめまして、これを届ければ損金に計上することを認める、引当金として準備金を認めることができる。こういうことにいたしたような次第でございますから、そういうふうに個別的にそれぞれ相当理由があると考えられるような節につきましては、まあできるだけ税制の上におきましても考慮に入れまして、お話のような点を解決する一助と申しますか、一助にしかならんと思いますが、まあ一助にしたい。こういう考え方でいろいろ立案しているわけであります。社内留保に対しまして特別に一般的な大巾な措置を講じたらどうかという意見もなおございまするが、どうもその点は一般の所得税の負担から行きまして行過ぎになりやせんかということを私どもとしては心配いたしているわけでございます。
繰返して申しますが、減価償却、それから棚卸資産、貸付金等の償却とか評価とかにおきましてできる限り考慮いたしまして、御趣旨に副うようなふうにやつて行くというのが、現在の財政状態から見ていいのじやないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/30
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031・油井賢太郎
○油井賢太郎君 只今局長から挙げられた項目は全く一助に過ぎないのでありまして、いわゆる資本蓄積、金詰り打開という面の対策としては微々たるものとなつてしまう。なぜならば、決算では利益が挙つたのに、課税のために解消される。決算期になりまして課税という対象になつてそれが出て行くというための金詰りが必然的に起るのです。結局一般的の準備金に対しても何らかの措置を講じたほうが、却つて資本の蓄積というような目的も到達すると思うのです。それは四二%という高率になつたために特にそういう方策を講じて行くべきじやないかと我々は考えておるのですが、将来なお御検討を願いたいと思います。
それからなお先ほど田村さんからお話がありましたが、織物消費税の復活、この点につきまして、この秋あたり補正予算でも出るならその際に考慮したいというような意向があるという噂でありますが、本当のことか、どの程度事実でありますか、私はこれに対して反対するとか何とかいう意味でなくて、合理的にそういう面に対する課税も、国家財政的な見地から却つて必要じやないかとさえ思つておりますが、今から明白にされておつたほうが都合がよいと、かように思いますが、御予定は如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/31
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032・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 織物消費税の復活の問題につきましては、私どもはまだ具体的に案を作つて、いつ頃からやりたいとか、やるべきだというところまでは実は参つておりません。将来の研究問題としまして愼重に研究して行きたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/32
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033・大矢半次郎
○大矢半次郎君 ちよつと資科を私はお願いしたい。讓渡所得、一時所得、山林所得についての過去三カ年間の課税実績を金額別にしてなお讓渡所得については有価証券、不動産を種類別に出して頂きたい。それから去年の臨時国会において配当所得の源泉課税を実施されましたが、更に医師の社会保險に基く診療收入からする税収等について、又弁護士、公認会計士等が源泉課税となつておるのでありますが、この源泉徴収の範囲を拡げて行く趣旨はどこにありますか、今後なおこの方面に向つて進んで行くのかどうか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/33
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034・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お話の通りこの資科につきましては、後ほど集計しましてお配り申上げたいと思つております。源泉課税の問題につきましては、実は私ども現実のこの申告所得税の、申告納税等の状況を見まして、どうもやはりでき得る限り源泉課税を拡張するほうが納税者にとりましても、又政府にとりましても便利ではないかという点が強く最近の実績等からいたしましても考えられまするので、まあこの際源泉課税ができ得るものにつきましては、でき得る限り一つ範囲を拡張したらどうかという趣旨で、まあその一端といたしまして、今御指摘のような提案をいたしておるような次第でございます。若干その結果あとでなお返さなくてはならんかたがたも出て来ると思いますが、返すことにつきましては、やはり返す基準と申しますか、則るべき大体要領を今度は大蔵省令等ではつきりいたしまして、その要領に該当するような資料なり申告を御提出なさつた場合におきましては、先ず原則としまして書面調査で一定額以下のものは返すべきものは返す。早く措置して行くというような措置を併せ考えまして、源泉課税をできるだけ拡張するというようなことは、どうもやはり申告納税の、状況からいたしまして、一番適切な考え方ではないか、こういうふうな意味におきまして、最近少し拡張することにいたした次第であります。なお将来におきましても拡張の余地があるかどうかというふうな問題でございますが、これはまあ将来は少し又その源泉課税自体が、最終負担に対しまして妥当でないような標準によらざるを得ないようなものにつきましては、源泉課税するといたしましても如何かと思われますし、又実際問題としましても、ここまで拡張して来ますと、新たに源泉課税をし得るような余地があるものは比較的少いのじやないか、まあ若干残つておる問題がございますが、そういう問題につきまして検討しまして将来考えてみたいと思いますが、今の段階におきましては、ここまで拡張して来ますると、源泉課税できそうなものにつきましては源泉課税をやる、こういうところに落ちついて来たのではないか、まあ大体そういう考え方、行き方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/34
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035・大矢半次郎
○大矢半次郎君 今のお話で、申告所得税の納税状況等に鑑みるということでございまするが、そこで私は根本的なこういうふうな源泉課税をだんだん拡げて行くというのと、申告納税制度とは、どうも相容れない点があるのじやなかろうか、一方においては最近資本蓄積の観点から、無記名定期預金のような制度も始めるとか、或いは又供米の奨励の期間の匿名供出の分について手加減するとかいうようなことは、確かに時勢の要求するところに従いまして非常に結構なことではありまするが、どうも申告納税の根本のあれと相容れない点があるのでありまして、この点はまあ将来の税務行政或いは又租税制度の全体から見て又考えて頂かなければならん点ではなかろうかと思いまして、どう考えても申告納税制度にむしろ疑惑を持つのでありまして、或いはアメリカのような制度はもう一遍検討して、将来は英国式の賦課課税にでもしようという御意思があるかどうか、更に青色申告で個人の分が振わないのは、やはり誠実なる申告に対する恩典が非常に少いのであつて、どうしても最近のような全租税理論に立脚しない、いろいろの方途を立てて行く上におきましては、まあ青色申告についても十分考えて頂かなければならん点があるのではなかろうか、これが全般的な基本的な問題のように考えますが、如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/35
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036・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 御指摘の点は確かにいろいろ問題がございまして、私どもも常に立案する際にいろんな角度からの要求がありまして、実は苦慮する問題の一つでございますが、ただ、今御指摘のように、源泉課税は相当拡張いたしまするが、なお併し例えば営業者の所得とか農民の所得とか、その他独立事業者の所得の場合、これは数から見ましても、所得金額から見ましても、所得税額から見ましても相当なものでございまするが、こういう分野が相当残るということは、これはもう大矢さんも御存じの通りかと存じます。従いまして源泉課税を拡げた結果、申告納税或いは賦課課税の領域が将来その限度において狹まつて行きまするが、この納税の制度自体を、源泉課税を導入することになりまして、もつと何といいますか根本的に縮小するとか、解決してしまうわけには行かない問題ではないか、ただ私どもはこの源泉課税というのは一つの徴收の便宜と申しますか、やはりあらゆる所得を総合しまして、最終的には正しい負担を見出して、納むべき税額の一種の前取り前納めと申しますか、予納と申しますか、そういうものと実は理論的には観念いたしておるのであります。従いましてやはり一年の所得を全部通算して確定申告の際に総合計算しまして、正しい税額を求める、それから源泉等で納めた税額を差し引いて、不足があれば申告で追加して納めてもらうと、それから徴収過ぎがありましたら返すと、この基本原則は相当堅持する考え方で進んでおりますことを御了承願いたいと思います。ただそれに対しまして、昔からありました例の預貯金に対する源泉選択の問題、これはまあ一つの例外を認めたわけでございます。それから匿名供出の問題等も、食糧供出の重要性に鑑みましてこれは源泉課税にしたわけではございませんが、若干妥協したと申しますか、そういうようなやり方も、全体の政策から考えると、この際といたしてはいたし方がないといたしまして、認めるというような事情になつたのでございますが、原則は併し飽くまでも、今私が最初に申上げました建前というものを、やはり税制としてはできるだけ維持するというのが、これは私はやはり正しい行き方じやないかと、かように考えておりますことを申上げたいと思います。
それから申告納税の分野に属する部分をむしろ賦課課税に切換えたらどうか、或いはそういうことについて考えていないかというお尋ねでございますが、これは卒直に申上げまして、私はまだ申告納税制度をやはり育てて行つたらどうかと、結論を申しますと、まあそのように感じております。ただその点に関しまして、所得調査委員会の復活を要望する向きが大分ありますがまあこれはどうも最初の査定の段階でそういう委員会を設けるのは、少しどうもどうかと……、審査の段階におきまして何か協議団の組織に民間の委員を入れるような方法、これにつきましては実際の実情等を考慮しまして少しよく検討してみたらどうか、まだ結論は出しておりませんが、まあそういう考えでございます。それから青色申告の問題は、御指摘の通り最近余り芳しい成績を収めておりません。法人は大体併し五割五分程度は青色申告になりまして、中小の法人も大部分が青色申告をすると、相当多くの部分がそのような傾向に幸いにいたしましてなつております。これに対しまして個人の営業者並びに農業者になりますと数が非常に少い。業者通じまして十四、五万ぐらいの納税者が今青色申告をしておると、こういう状態でございます。まあこれを一体どういうふうに持つて行くかというお尋ねでございますが、これも私どもといたしましてはできる限り一つ助長したい、まあ指導の面におきましても、或いは制度の上におきましてもできる限りの考慮を加えまして助長して行くように参りたい。それによつて初めて申告納税の仕上げができると申しますか、そういう方向に行き得るんではないかという考え方で現在もおります。まだどうもこういうものにつきまして日本は到底駄目だ、落第荘という断定を下す時期ではないのではないかというふうに考えておる次第でございます。それで青色申告に対しましても今回家族專従者に対しましてば給與の考慮を認めるということにいたしました。これは実際は小さい納税者である青色申告者の場合におきましては相当な実は現在負担の軽減になるのでございまして、小営業者或いは農民等のかたがたも青色申告をされまして、家族專従者の控除を受けるような場合におきましては、現在の負担に比べまして相当軽減される結果になりますので、その方面の普及にも今回の改正は相当役立つのではないかというふうに考えております。なおその他青色申告の制度に対しましていろいろな特別扱いを認めておりますが、その一覧表は最近の状態で整理いたしまして、別途に資料としてお配りいたしてありますので、改めて申上げることを省略させて頂きたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/36
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037・大矢半次郎
○大矢半次郎君 大体御説明でわかりまするが、ただ私の感じといたしましては、所得税の源泉徴収の範囲を拡げて行くのは、どうも申告納税に対する熱意が欠けている一つの証拠であると、当初不用意にお話しなすつた、申告納税の成績に鑑みてというのが本音ではなからうかというような気がいたしますのと、もう一つは個人の青色申告者に対する恩典が足らないのと、両方の意味においてどうも申告納税に対する熱意が足らないと、むしろあれは適当なときに転換しようという考えではなからうかというような感じを抱いて申上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/37
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038・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと今のお尋ねに補足して申上げたいと思いますが、申告納税と源泉課税の制度というものは、私はこれはそう両方矛盾する性質のものではない。併し若干の相違点はあると思います。アメリカにおきまして先般やはり給料の所得につきまして、これは戰時中でございますが、一九三七、八年でございましたか、アメリカは比較的遅く給與の源泉課税を始めました。そのときの事情を聞いて見ますと、やはり源泉課税するのは申告納税とどうも調子が取れないのではないかと、アメリカにおきまして多年反対して来ました……申告納税制度はどうも面白くないという意見がアメリカの大蔵省等の意見としてあつたらしいのでありますが、やつてみた結果は非常によくて、最近はそういう問題が実際は解消しておる。ただアメリカにおきましては申告納税の建前を相当貫く趣旨からいたしまして、給料等の源泉課税をした人につきましても、仮に税額が過不足はなくても実は確定申告を出させておる。アメリカの納税者は約四千万人ぐらいございますが、そのうち約三分の二は主として給與所得者、源泉課税の納税義務者でございますが、やはりすべての人に対しまして必ず三月十五日には確定申告を出させまして、そこでけりをつける。こういう建前はアメリカにおきまして堅持いたしておるようでございます。これはまあ一つの源泉課税と申告納税の、お話のような感じから来る一つの矛盾を調整しているのではないかと感ずる次第でございますが、ただ我が国の場合におきましては、そこまで申告納税の問題を深刻に考える必要はなかろう。ただ源泉だけで相当税額として不適当な負担ができる場合におきましては、年末調整等で片付けまして、給與だけで済む人はもう申告をする必要はないというような簡便な措置を取入れなければならない、併しどうしても源泉課税ができない分野、これにつきましては先ほど申上げましたように、まあ申告納税制度を勿論今後も持続いたしまして、できるだけその改善を図るようにいたしたい。なお今後相当努めましてうまく行かなかつた場合におきましてどうするかという問題は、そういう際におきましてよく検討して見たらどうかと、こういう気持でおりますことを更に附加えさして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/38
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039・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私は今度の改正法案については、全般的については今日はもう時間がないようですから次回に讓ることにいたしまして、先回の委員会の際にお尋ねしました年末調整の簡易税額表についてでありますが、これは新らしいのもやはり依然として保險料控除後の給與金額の中が、例えば三十一万と三十一万三千円とこう二つになつておりますために、この間の丁度中間くらいか、それとも三十一万の者はかなりこれは過納になるわけです、確定申告の計算をして見ますると。で、これはもう少しランクを狹めまして、そうしてせめて五十円過納になるとか或いは百円前後という場合はまあ止むを得んと思うのでありまするが、ひどいのになりますと千円近い過納になるのが出て来るわけです。これは去年の年末調整の際にもそうなんです。併しこれはこの間局長のお話では、確定申告をすれば払戻しをしなければならんと、こう言つておるんだが、源泉徴収を受ける給與所得のみの者については、これは申告は不要というのがこれは原則であります。そういたしますると、申告することは要らんと言うて置きながら、申告したならば千円乃至数百円の払戻しがあると、申告しない者はそのままになつてしまうと、中にはこれは又確定申告をやるよりも安い人がございますが、この問題はこれは地方税にもすぐ影響して来る問題で、例えば千円余計取られてあるということになると、地方税の際にも二百円ばかり余計取られることになるんですが、併し全部確定申告をするということになりますると非常に手数も多い。従いましてこのランクをもう少し縮められて、その確定申告をしなくてもいいようにこの表を直される必要が私はあると思うんですが、その点についてこの間もお伺いしたんだが、果してこれが実際問題として、この間あなたは捨て台詞のように、それじや確定申告するんなら皆受付けると、実際それをやられた場合には、税務署は三百円や五百円の払戻しのために確定申告をどしどし出されたらお困りだろうと思う。実際問題としてお困りだろうと思う。而も丁度これをやると、又地方税の申告期に直面いたしますると、全部源泉徴収表を渡したやつを又渡し直さなければならん。地方税の中唐のやり直しというようなことにもなるわけでありますが、その手数たるや煩雑夥しい結果になると思うのですが、合法的にやろうと思えばやれるわけです。最終団体が結束してやろうというふうになればやれるわけですが、こういう余地のないように行きたいと思うのですが、この点について一つお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/39
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040・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 先般私お答え申上げましたのは、まあ税法上そういうふうにいたしておるという意味に申上げたわけでございまして、その点誤解のないようにお願いいたしたいと思うのでございますが、お話の通りできます限り源泉徴収、殊に年末調整で一箇所だけしか給與をもらわない人につきましては、所得税法の基本の税率を適用いたしました基本税額でございますね、これとまあできれば同一のもの、同一にしましても過不足が非常に極少のものと言いますか、少いに越したことはないことは、これは私もお話の通りだと思います。ただ問題は、そういたしますと非常に適用の階級を今お話したように小刻みにしなくちやならん。それともう一つは生命保險料の控除を昨年から設けたために特にそういうことが起つたのでございますが、生命保險料の控除というのは幾らであるか、これに対して基本をやはり設けなくちやならん。そうしたらだんだんやはり或る程度の過不足が出て来るということになりますので、若しもそういたしますと又厖大な表になつてしまう。そこまで行きますとどうもやはり取扱い上の不便と申しますか、源泉徴収義務者の際もやはり考えて行かなくちやいけないのでありまして、両者を考えますると、まあ若干、或いは場合によりましたら相当程度そういうものが出て来てもいたし方ないのではないかというのが、私どもの立案した場合の実は考え方だつたのでございます。まあこれはお話のように相当面倒でも、むしろ細かにして、今の表等もまあ五倍ぐらいになつてもいいから精細にしてやつたがいいじやないか、こういう意見の確かにあろうかと思います。併し何しろ年末調整なんかになりますと、相当多数の者につきまして会社の経理部等で一々計算しなければならん手数の問題を考えますと、余り負担をかけてもどうであろうか、それを実は私ども常に心配しておるようなわけでございまして、そういう観点からしまして、まあ我慢できる程度ということで実はきめている次第でございます。まあ具体的に果してそれが今私が申上げましたようなことに適切にやつているかどうかということにつきましては、或いは将来研究の余地は、私全然ないとは申上げかねますが、まあ併しそれを完璧ならしめるようにするということも、これは又どうも如何であろうかと考えろのであります。なお今回の改正案によりますと、大体年所得二十七万円、給與の金額二十七万円以下の場合には大体殆んど過納がないというようになるようでございます。係の調べによりますと。それ以上の場合におきまして、まあこの辺からも少し階級の刻みが荒くなつておりますが、保險料の控除その他の関係と併せまして、お話のような場合は或る程度出て来る。所によりましたら相当出て来るということがこれはどうも否定し得ないようでございますが、そういう人に対しましてそれではどうするか、考え方といたしましては、手続が厄介ならそれを以て打切つてしまつて、それを確定してやるようにしてしまつたらどうか、こういう見方もある。そうしますと、どうも所得税の面からしまして、非常に一年の負担をまあ重要に考えておりまする私どもといたしましては、少くとも納め過ぎになるものを放つて置くということは、どうも立案者としまして少し納税者に対して相済まない。若干の破り不足は、これはまあ手数のことでございますので、申告をしなかつたら放つて置くということでいいのではないかと思いますが、過納になろかたがたの場合に、本人が申告をしてやつてもらいたいというのを拒否するのはどうも少し如何であろうかというので、そういう途ば飽くまでも開いておきたい。納税者に対しましても、実際の場合におきまして負担の程度その他からいたしまして申告が出て来るものと思います。そういう場合には当然返すべきは返す、それから継続しておられる場合におきましては、次年度の給與の所得税額に充当することもできることになつております。従いましてそういう点を考えますと、その調整措置が実行上著しく困難でもない。こういう点を考えまして、御指摘のような或いは私が申上げましたようなことにいたしたいということを御了承願いたいと思います。なほ併し具体的の問題において私どもの申上げました程度のものであるかどうかにつきましては、よく一つ今後におきましても検討は加えて参りたい。若しも更に改善すべき点があれば改善したいと思います。考え方としましては、このように考えておりますことを御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/40
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041・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今のお話によりましても、二十七万円くらいまでは殆んど大した過不足は出ないということになりますれば、この前の表と比べまして、そうあなたの言われたように五倍にも十倍にもなるというはずはないのであります。それから保險料の控除が複雑になる、こういうお話でございますが、一体どうしてそういうことになるか、控除後の金額でこういうふうになるというのは、保險料の控除を考慮しますと、もつとずつと幅が広くならなければならん、あなたが言われたように。それが実はどうもおりかしいと思う。この刻みをもう少し細かくするだけで或る程度過不足が非常に緩和されて来るのじやないかと思うのでありますが、而も、今現実に二十七万円の所までは殆んどないという、精算して見たところ大したことはない、こういうお話ですから、それをランクを少し縮めて行くようにすれば解消できる問題であつて、而もこれは年に一遍でありまして、あなたのおつしやるように、会社において非常に手数だとおつしやいますが、これは表さえできておれば、この表を当てはめるだけで、決してそう手数はかかるものじやないと思いますが、特に源泉徴収をやつているものは、個人一人々々違うのです。と言うのは超過勤務手当、その他の給與は一人々々千差万別になつておりますから、一万人おれば殆んど一万人が、年額計算して見ますると違うのでありますから、あなたのほうで表をこしらえるのが面例なだけでありまして、それを実際に運用する面において面倒をかけるというのは、どうも言い逃れのように思うのでございますが、この点もう一遍再答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/41
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042・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 表をこしらえるのが面倒だということは、これは一遍やればいいことでありますから、私どもはそれほど問題に実はすべき筋合いのものでない。ただ当てはめて計算します際に、ランクがたくさんありますと、なかなかやはり実際上簡單なわけには行かず、時間がかかる、手数がかかるという点を実は考えに入れている次第であります。それから、保險料の関係の点は、今こちらに專門家がおりますので、お許しありますれば説明員から更に補足申上げてもいいのでありますが、渦不足を非常に少いものにするためにば相当精密な表を必要とするようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/42
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043・菊川孝夫
○菊川孝夫君 結論として、それではもう去年の年末調整によつて、たとえ千円でも五百円でもありました過払い、又年末調整をやつてもらつても過払いになつておつたが、併しそういうことは出るのは止むを得ないものとして立案したのである。併しそれが不服である者は確定申告をすれば払戻しをする、こういう方針である。こういうように了解してよろしうございますか、今後もそれは止むを得ない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/43
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044・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) その通りでございまして、私どもやはり取り過ぎは放つて置けない、取り不足は放つて置いてもいいだろう。こういう基本相な考えの下に、税を取る場合には、常にそういう場合につきましては納税者に有利になるような判断で物事をきめておるのでありまするが、そういう基本的な考え方でおりますことはお話の通りでございます。なお、全部現金を払戻すというのでなくて、その次の年度の給與所得税に充当するという簡易な方法も当然国税徴収法上認められておる措置でありますことを付加えて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/44
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045・菊川孝夫
○菊川孝夫君 その場合の地方税に対する源泉徴収票は再発行をさして、更に地方自治庁においてもそれを再発行した場合にはその措置を講じさせるように適切な措置をおとりになりますか、この点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/45
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046・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 地方税の源泉課税はやや技術的に違つた点がありますので、その問題は一遍私どものほうもよく考えてみまして、この次の機会にお答えをさして頂きたいと思います。筋から行きましたならば、所得税が多いから当然附加税式によつております場合におきましては変更すべき筋合いのものだと考えております。現行の地方税の細目に亘る点でございますので、その点はもう一辺よく検討いたしまして、お答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/46
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047・大野幸一
○大野幸一君 青色申告の場合ですが、大会社は格別として、非常に小さい小売商人あたりが青色申告を出しますと、得意先のほうを明示する、得意先では比較的納税に対する知識がなく、いろいろ税金に対する無知識から、得意先で青色申告をされておる者と取引することを嫌つておる。なぜかというと、最後にあなたはどこどこ商店からの青色申告によるとこれだけの取引があるのじやないか、こういうので、これを見せつけられて、つい自分の所得をはつきりせざるを得ないというような、これは法律的には信頼すべきものではないとしても、青色申告を奨励する意味において特に申上げたいと思います。そうなると、そういう青色申告をしようとしてもだんだんと取引がなくなつてしまう。それで青色申告をするが、その取引先へは、成るべく取引者へはどこの商店の青色申告によればあなたのところはこれだけあるじやないかということを言わないで、これを秘して、巧妙に相手をして脱税を逃らしめないような方法を税務の第一線に立つ税務官吏はやるべきだと思うのですが、こういう点についてどういう御配慮を払われているか。それは全部が青色申告をだんだんとすれば、それはそういう議論はなくなつて行つて、又それが理想だというかも知れませんが、人間はやはり人情の機微をつかまなければすべての政治は成功しないと思うのですが、こういう点についてはどうお考えになつていらつしやるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/47
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048・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お話の点非常に御尤もでありまして私も理窟としましては勿論そうあつて然るべきだと思いますが、然らばと言いまして、そういう資料を利用する際におきまして、こと立てて青色申告の場合からつかまえてこうだということで、援用してその資料を活用するというような行き方は、どうもそれは青色申告を助長するという見地から考えますと、少くとも現状ではどうであろうかと感じます。私その方面の実情を今ちよつとはつきりつかみ得ないのでございますが、そういう点につきましてよく国税庁とも連絡しまして、指導の際におきまして十分注意するように私からも申してみたいと思います。なおその点この次の機会にもう少し調べましてお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/48
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049・大野幸一
○大野幸一君 それから今度の改正案に対してですけれども、弁護士の場合ですが、初めて私はこれを知つたのですが、弁護士の場合に報酬若しくは料金とある、弁護士はそのほかに例えば出張すると精油料を取り或いは交通費を取る。規定によりますると一日幾らかの日当を取る、こう書いてある。日当それから宿泊料、交通費はこの報酬若しくは料金に入るのですか、入らないのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/49
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050・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは先ほど申上げましたように先ず確定申告で納めるべき税額の一部を便宜的に前納してもらう、こういう非常に徴収の便宜のについて考えたのであります。従いまして扱いといたしましても、結局最後には清算してはつきりした税額を計算して通算するわけでございますので、源泉課税の際は成るべく簡便にしたほうがよろしかろう、こういう意味からいたしましても、要するに弁護士等に対しまして会社が払うすべての報酬でございますか、旅費とか日当とか区別しないで、総括した全体に対しまして一割を天引として取る、こういうのがいいじやないか、あとでどうせ弁護士の所得を計算する際、経費として差引き純所得汐見出して、それに税率を適用いたしまして正しい税額が出て来る。その税額から一割天引で取つた税額を差引きまして過不足を調整する。こういうふうに考えております。特別に日当を外すとか、旅費を外すということになりますと、これは問題が起つて却つて面白くないと存じております。要するに或る事件、或る事柄等につきまして弁護士として委嘱されました場合におきまして、支払われる場合におきまして、その全部に対しまして源泉課税をする、こういう趣旨でやつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/50
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051・大野幸一
○大野幸一君 それは大蔵当局としては実に便利なお話だろうが、それでは全国の弁護士は承知しまい、それは理窟にならない。実情からいつてその日に使つてしまう交通費や飮食費、或いは宿屋の立替えまで一割天引するということはそれは承知しないだろうと思う。そうしないでも、報酬と交通費なんというものは実際別なんだから、これは取扱として妥当な交通費を取つた場合は、弁護士は日当を訴訟費用として請求できる、こういうことに該当する宿泊料の千円とか千五百円とかいうものに対してまで一割を差引いておいて、あと清算すればいい、こういうことについてはもう一度考え直してもらいたいと思います。もう一つこの顧問料というものは年額、月額としてもらつているのですが、それはこのどちらに入るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/51
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052・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 最初の問題は私ども若干考えて見たのであります。どうも外すとか外さない分とかいうものを設けますと、こういう場合はどうなるかとなつて、なかなか厄介な問題になりはしないだろうか、従つて税率等も一割という比較的低い税率になつておりまして、所得から必要経費としましてそういうものは全部差引いて、純所得を見出して税額を確定する、その際にそういうものは差引かれるわけであります。そのほうが便利ではないかと実は考えた次第でございますが、非常に細目の点でございますので、なおその点実情を調べましてからはつきり申上げたほうがよろしいかと存じます。それからいま一つは顧問料の問題でございますが、これは結局給與所得になります場合にはこれは給與所得の源泉課税、そうでなくしてやはり独立して業務を営んでおられる弁護士に対する対価たる報酬と申しますか、そういう性質のものにつきましては一割の天引をする、いずれかになつて行くということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/52
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053・大野幸一
○大野幸一君 これは私事に亘つて非常に何ですが、私は丸ビルに事務所を持つておつたのですが、殆んど弁護士はやらずにおつたが、丸ビルでは最低三十万円の所得税を課ける、こういう決定を受けて非常に迷惑した。それ以後もう税務署と約束して丸ビルを引払つて、そして弁護士というものば全然看板を掲げないことにしてあるのですが、ところが顧問する場合に、別に弁護士としてでなく、私らが小会社の顧問をする場合、それはやはり弁護士の中に入らないのでしよう。そのことだけは確かですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/53
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054・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これはどうも具体的な問題で、事実認定の問題になりますので、具体的な場合にどうなるかということはちよつとお答えしにくいのであります。ただその具体的のケースで、果して弁護士としての報酬であるか、そうでないか、事実に即して判断すべきものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/54
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055・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 油井委員からの質問主意書を読上げます。
一、納税積立金の現状に付いて
(イ) 金額
(ロ) 利用状況
(ハ) 恩典について
二、昭和二十五、六、七年の三ヵ年間の安本発表によつて示された国民所得推計の類別に従い国税負担額(直接税)と地方税負担額を提示されたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/55
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056・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今の最初の問題は納税準備預金でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/56
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057・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/57
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058・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) あとの問題は簡單に短時間の間に正確な調査をすることはむずかしい問題ではないかと思います。御趣旨に成るべく近いものを調べまして出してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/58
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059・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 本日はこれにて散会します。
午後零時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X01819520304/59
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