1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月十八日(火曜日)
午前十時四十六分開会
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出席者は左の通り。
委員長 平沼彌太郎君
理事
大矢半次郎君
伊藤 保平君
菊川 孝夫君
委員
岡崎 真一君
黒田 英雄君
西川甚五郎君
溝淵 春次君
小宮山常吉君
小林 政夫君
田村 文吉君
森 八三一君
野溝 勝君
菊田 七平君
木村禧八郎君
政府委員
大蔵政務次官 西村 直己君
大蔵省主税局長 平田敬一郎君
大蔵省銀行局長 河野 通一君
大蔵省主税局税
関部長 北島 武雄君
事務局側
常任委員会專門
員 木村常次郎君
常任委員会專門
員 小田 正義君
参考人
日本輸出銀行專
務理事 山際 正道君
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本日の会議に付した事件
○租税特別措置法等の一部を改正する
法律案(内閣送付)
○資産再評価法の一部を改正する法律
案(内閣送付)
○通行税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○災害被害者に対する租税の減免、徴
收猶予等に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣送付)
○資金運用部預託金利率の特例に関す
る法律案(内閣送付)
○漁船再保險特別会計法の一部を改正
する法律案(内閣送付)
○漁船再保險特別会計における漁船再
保險事業について生じた損失を補て
んするための一般会計からする繰入
金に関する法律案(内閣送付)
○日本輸出銀行法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○所得税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○相続税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/0
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001・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) では第二十四回の大蔵委員会を開催いたします。
租税特別措置法等の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、資金運用部預託金利率の特例に関する法律案、漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、すべて予備審査であります。右七案について提案理由の説明を聽取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/1
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002・西村直己
○政府委員(西村直己君) 只今議題となりました租税特別措置法等の一部を改正する法律案ほか六法律案につきまして提案の理由を御説明申上げます。
政府は国民の租税負担の軽減と課税の簡素化等を図りまするために、先に所得税法の一部を改正する法律案ほか三法律案を提案申上げましたのでございますが、更に最近におきまする社会及び経済の情勢などに即応いたしまして、租税負担の軽減、合理化を図りますると共に、所得税の災害減免の制度の合理化などを行うために、ここに関係法律案を提案することといたしたのでございます。以下順次各法律案につきましてその大要を申上げます。
先ず租税特別措置法等の一部を改正する法律案でございますが、第一に住宅の建築を促進いたしますため、昭和二十七年一月一日から五年の間に新築をいたしました居住用の家屋を貸家の用に供しましたり、又は会社などの従業員の居住の用に供しました場合におきましては、その用に供した日以後三年間は法定、償却額の五割増の特別償却ができることといたしました。又昭和二十七年四月一日以降五年間に新築いたします居住用家屋につきまして、所有権の保存又は抵当権の取得の登記に対しまする登録税を軽減することといたしておるのでございます。次に譲渡所得課税の合理化を図りまするために、宅地又は農地を譲渡し、その譲渡のときの前後一年間にこれらと同種の資産を取得いたしました場合にはその譲渡価格のうち、新たに取得しました資産の取得価格までの部分及びこれらの資産の交換がありました場合における差金授受のない部分につきましては、譲渡所得税を課税いたしませんこととし、又資産を相続税の物納としました場合、又は公益事業を営みます法人に贈与いたしました場合などにおきましては、譲渡所得課税を行わないなどの措置を講じておるのでございます。次に外国技術の導入に役立たせるために、制限納税義務者でありまする個人又は法人が、日本経済の両建のため緊要な工業所有権などの提供によりまして支払を受ける使用料につきましては、その源泉徴収の税率を一般の場合が二〇%でありますのを一〇%に軽減しますると共に、その源泉徴収の実施の時期は本年末まで延期することといたしております。又賠償指定施設の解除によりまして新旧帳簿価格に復活することによる評価益が一般の利益の三割を超える場合におきましては、その超過分に対する法人税の納付の期日を三回に分割いたしまして最長一年平まで延納を認めることにいたしております。
次に航空機の燃料用に供しまする揮発油につきましては負担の状況等を考慮して昭和三十八年三月三十一日まで揮発油税を課税しないことにいたしております。
更に、臨時物資需給調整法が失効いたしますることに伴い、生産奨励用等特殊の用途に供されまする酒類につきましては、引続き加算税を免除した価格により販売することができるように、規定の整備を図つております。
なお最近におきまする国税の納付の状況に鑑みまして、国税徴収法の規定により徴収を猶予した場合又は滞納処分の執行を猶予した場合におきまして、止むを得ない事由があると認められるときには、その利子税を減免し得ることといたしております。
次に資産再評価法の一部を改正する法律案におきましては、先ず今回の所得税法の改正によつて相続の開始があつた場合に譲渡所得課税を行わないこととすることに伴い、再評価税につきましても、この場には再評価税の課税を行わないこととし、又、資産の譲渡、贈与があつた場合の再評課税の負担の軽減合理化と課税の簡素化を図りますため、これらの再評価差額から十万円を控除して課税することとしております。
更に、賠償指定施設につきまして指定の解除がありました際の課税につきまして特例を設けますると共に、その施設につきまして再評価を行なつた場合の再評価税につきましては、再評価が遅れた点を考慮しまして、その最終納期限を延長することといたしております。
次に通行税法の一部を改正する法律案におきましては、汽車の特別二等の料金に対しまして新たに通行税を課することとすると共に、日本国有鉄道の徴収する通行税の納付方法につきまして特例を認めることとしております。
最後の点といたしまして災害被害者に対する租税の減免徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、所得税の負担が一般的に軽減されて来ておりますことに鑑みまして、災害であつた場合に所得税の減免をなし得ます範囲を拡張することといたしております。即ち、現在は総所得金額が十五万円以下の場合には所得税の全額を、又三十万円以下の場合には半額を免除することとなつておりますのを、二十五万円以下の場合は全額、五十万円以下の場合は半額、八十万円以下の場合は四分の一をそれぞれ免除することとしております。更に、年の中途で災害があつた場合には、すでに納付した所得税を還付し、又は予定納税額の変更をなし得ることとする等、災害減免制度の合理化を図つているのであります。
次は資金運用部預託金利率の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
この法律案は、明年度実施を予定される郵便貯金の利率の引上等に伴い、郵便貯金特別会計において、支払利子等の経費が増加し、明年度以降当分の間、収支の不均衡を生ずることが予想されますので、郵便貯金特別会計から資金運用部に預託された資金の利率を引上げる措置を講じ、同会計の収支の不均衡を緩和しようとする趣旨のものであります。現在、郵便貯金特別会計から資金運用部に預託されている資金で、約定期間五年以上のものに対しては、資金運用部資金法の規定により年五分五厘の利率で利子を附しているのでありますが、明年度以降当分の間、資金蓮田用部資金法の規定による利率で利子を附するほか、年一分以下の範囲で特別の利率を設け、この利率による利子を附加することといたしたいのであります。この措置は、郵便貯金特別会計の独立採算が可能になる見通しのつくまでの臨時的のものであつて、その特別利率は、毎年度政令で定めることとし、又、昭和二十六年度以降は、前年度より低く定めることといたしております。
第六番目の法律でありますが、漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
これまでの漁船保険法を全面的に改め、新たに漁船損害補償法を制定すべく、本国会において御審議が行われておりますが、これに伴つて、漁船再保険特別会計法に若干の改正を加えることが適当と認められるので本法案を出しましたのであります。即ち漁船再保險特別会計に、新たに普通保険、特殊保険及び業務の三勘定を設け、おのおのその経理を明らかにし、各勘定の歳入及び歳出について規定いたすと共に、普通保険勘定及び特殊保険勘定における決算上生ずる剰余金又は不足金の処理方法並びに業務勘定における決算上の剰余金の処理方法について規定し、併せて必要な経過規定等を設けることとしたいのであります。
最後の法案でありますが、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
漁船保険法の規定によりまして、拿捕、抑留等の事故を保険の目的として特約する特殊保険につきまして昭和二十六年度において保険事故が異常に発生いたしましたため、漁船再保険特別会計における再保険金の支払も著しく増加し、その支払財源に約八千万円の不足が生じたのであります。この不足金は、その事故の性質に鑑みまして、一般会計からの繰入金を以て補てんすることが適当であると考えられますので、その措置を講ずるためこの法律案を提出いたした次第であります。
なお、只今申上げた特殊保険に関する経理は、別途御審議をお願いしている漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律によりまして、この会計に新たに設けられる特殊保険勘定においてなされることとなつておりますので、損失補てん金はこの特殊保険勘定に繰入れるようにいたしているのであります。
以上これら法律案の提案理由であります。何とぞ、御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/2
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003・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 次に日本輸出銀行法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/3
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004・菊川孝夫
○菊川孝夫君 輸出銀行法の一部を改正する法律案について御質問申上げたいと思いますが、第一点は、この輸出銀行のような国の財政資金を以てまあ銀行業務を営む、こういうやり方は、これはいつまで続けるつもりであるか。もう当分これは永続的にやつて行くつもりであるか。それとも速かなる機会にこういうものはやめて、そうして一般の市中銀行にやらせるという計画の下にやつているのか。それとももう当分の間これは永続的にやる見込のものであるか。この点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/4
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005・河野通一
○政府委員(河野通一君) 政府機関としての金融機関につきましては、御承知のようにたくさんございます。例えば国民金融公庫もそうでございます。それから日本開発銀行も同じような性格を持つております。それから今お示しの日本輸出銀行につきましても同じような性格を持つておるわけであります。これらの政府機関としての金融機関というものが存在を要する理由は、いろいろな点でそれらの目的によつて違うと思いますが、この輸出銀行につきましては、法律に規定がございますように、差当り五年間だけを限つて融資ができる。勿論融資をいたしまして、その期間が又五年なら五年ございますから、実際の仕事はあとに残ると思いますけれども、法律としては一応五年間と限つております。開発銀行とか、国民金融公庫につきましては、何と申しますか、業務をやつて行く期間の制限はございません。これはおのおのその性質が違うと思いますが、輸出銀行につきましては、長期のプラント輸出を促進いたしますことの、何と申しますか、臨時的必要が強いという点から、こういう銀行を作つたわけであります。それぞれ正常な貿易関係にありまして、民間の金融機関でこれらの仕事がやつて行けるということに相成りますれば、当然これらの機関は必要性がなくなる、こういうことに相成るわけであります。併しながら国民金融公庫にいたしましても、或いは日本開発銀行にいたしましても、今後日本の民間における資本の蓄積ということが十分にできません限りにおきましては、これらの金融機関というものは今早急に何年を限つてその業務を停止するというわけにも参りません。これらに対する民間の蓄積及びその蓄積資金が十分これらの目的に融資されることが確保されません限りにおきましては、これら機関も存続して参らなければならん、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/5
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006・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それでこの輸出銀行や開発銀行、まあ一連のこうした政府の金融機関でありますが、どうせ財政資金を以て充当するのでありますが、この資金を我々の考えのように、金融機関を一応国で管理をするという方針である、私らの主張はそうでありますが、そういうのと別個に、今の政府は成るべく自由主義経済であり、資本主義の心髄を十分発揮させようとするところにあるのでありますが、そういたしますと、むしろ市中銀行にこれを委託するという行き方のほうがいいのじやないか。それを促進する面においていいのじやないか。それから経費の面から言つても、わざわざ輸出銀行や開発銀行の事務所を設けたり、役員を置いたりするよりも、一般市中銀行に預託して、今の大蔵省の金融政策に協力をし、内容のいい銀行を選んでやらせる、こういう方法ができないものか。そうぜんと、ややもいたしますと、この輸出銀行や開発銀行はどうかすると大蔵関係のまあ官僚の姥捨山的な感じを抱かせるきらいが多々あるということは否めない事実だと思います。そういう意味から人件費も省けると思いますが、そういう点が不可能かどうか、この点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/6
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007・河野通一
○政府委員(河野通一君) 金融の機構といたしましては、今お示しのように、私どもは本則はやはり飽くまで民間の金融機関というものが中心になつているということを本旨といたします。ただそれでは現在のような日本の経済の現状からいたしまして、なかなかそれだけで金融の需要に応じ得ないということがございますので、これらの民間の金融機関の足らないところを、何と言いますか、補完すると申しますか、補足する意味におきまして政府機関の金融機関を実は作つているわけでございます。お話のような……それじやこれらの政府機関と申しますか、政府資金を民間の金融機関に預託をして運用をさしたらどうか、これらは一つの考え方としてあると思います。併しながらこの大きな大事な租税その他からできておりまする国家の資金である財政資金というものが十分に責任を持つて運用されますためには、やはり一つの独立の機関を作つて運用するほうが、これらの責任のありかがはつきりするという点もあるのではないか、こういう観点から特別の金融機関を作り、それに役員を置きいろいろやつているわけであります。併しながら御承知のように輸出銀行にいたしましても、せいぜい人数は数十人の陣容で以てこれを動かしているわけであります。業務のやり方は、原則として市中の金融機関との協調融資と申しますか、パーチシペイトとして金融をいたすことにしております。従いまして、できるだけ市中の金融機関の人的な能力その他は活用して行く。それにそれらの調査を十分に取入れて、できるだけこれらの政府機関というものは少人数でやつて行くようにして参りたい。業務その他についても、陣容の重複或いは無駄を省くように極力配慮をいたしているつもりであります。又お話のような、大蔵省の姥捨山というお話でございましたが、全然そういうことはないのでありまして、独立の機関を作つて、これらのかたがたに責任を持つて運用して頂くというような態勢で進んでいるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/7
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008・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今の銀行局長の話では、責任の真の所在を明かにしなければならんと言いますが、責任の所在というのは、単に国会における政府の答弁だけでありまして、実際今度の決算委員会の模様を見ましても、全く責任の所在はただ口頭の責任の所在だけでありまして、事故が起きた場合に誰が責任を負うかということがちつとも明かになつておらんのであります。例えば、甚だしいのは今度の財産税の物納で以て取上げたやつを、血の出るような思いをして取上げられた借家等を、それをとても役所では管理運営ができないというので、変な業者に委託をした、ところが業者のほうは潰れてしまつて何とも仕方がないというのが、たくさん今度の決算委員会にも決算報告として会計検査院の検査報告をされているのであります。従いまして輸出銀行にいたしましても、開発銀行にいたしましても、事故の起る場合においては、成るほど責任だ責任だと言つているが、一体起きたときには誰が責任をとるかということは、はつきりわからんことになつてしまうと思うのでありますが、又国有財産にいたしましても、取扱方の粗漏等によつて莫大な損害を国家に与えているという会計検査院の報告書が提出されている。ところが一体大蔵省でその責任を誰がとるかということがはつきりされておらんのでありまして、そういうのはただ単なるここにおける答弁としては成るほど聞き得るかも知れませんが、実際の面においてなかなか困難だと、今までの実績から言つてそう思うのであります。そこで市中銀行にそれじや委託したからと言つたつて、むしろそういうのは銀行、永年の伝統のある銀行でございましたならば、むしろ却つて細かく整理もでき、責任感といつても決して私は官庁に落ちるものではない、こういうふうにも見られる銀行もたくさんあると思うのであります。従いまして今の銀行局長の御答弁では、ちよつと僕らとし七は余り答弁としては一応成立つかも知れませんけれども、なかなか実際上はそう行つておらんと思うのであります。さて、それでは今度は輸出銀行と開発銀行を両立さするより、これをむしろ一つ合同をさせて、そうして両方の業務を……これは銀行というものは市中銀行になるといろいろの業務をやりますが、わざわざ輸出銀行と開発銀行と分けてやつて行く理由をちよつとお知らせ願いたいと思う。そうすれば総裁も一人でよし、副総裁も一人で済むと思うのでありますが、そうするとなおこれは行う業務が違うとおつしやればその通りでありますが、併し銀行業務では、市中銀行になればもう百方の金融業務をやるのでありますから、決してこれを二つやつたからといつて私はそう困難じやないと思うのであります。その二つに分けた理由を聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/8
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009・河野通一
○政府委員(河野通一君) 銀行業務につきましても、民間の金融機関がいろいろな仕事を現在やつておりますが、これは本則の行き方といたしましては、やはりおのおの金融の分野というものがあると思います。近く政府といたしまして御提案申上げたいと考えておりまする長期金融銀行の制度等は、銀行の中でもやはりそういう長期の金融を主としてやる機関というものは、やはりその分野を確定して行かなければならない。一般の預金銀行と違つて、債券の発行によつて、長期の金融を目的として長期の金融をやつて行く金融銀行というものを整備して行かなければならん、こういう意味で近く御提案申上げたいと考えておるのであります。民間の金融機関につきましても、銀行の制度というものがだんだんと分化して参りますれば参りまするだけ、いわゆる八百屋的な金融機関でなくして、いろいろの目的に従つて運用というものがなされて参らなければならない、かように考えておるわけであります。さて、今お話の輸出銀行と開発銀行を一つにしたらどうかということについてのお話でありますが、この問題は仕事の性質が違うことは、これは御説明申上げるまでもなくよく御承知なんで申上げる必要はないかと思いますが、その違つた性質の仕事をどの程度一緒の機関でやれるかという実は程度問題に相成るかと思うのであります。現在のところは、やはり開発銀行のやつております仕事と輸出銀行のやつております仕事とは非常にその性質を異にしておる。勿論外国から開発資材を入れて参ります場合の金融等については、若干ダブル点もありますけれども、大体においてその分野は非常に大きく違つておるという観点に立つて、現在のところではやはり二本建で行くことが適当であろうと考えておるのであります。ただこの問題は十分検討して見なければなりません。能率を挙げる、殊に人数もできるだけ少い人数で、経費もできるだけ減してこれらの目的を達成するために、更に一つにしてもやつて行けるかどうかという点につきましては、将来といえども十分検討は続けて参りたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/9
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010・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると今の大蔵省の金融政策と言いますか、銀行対策というものは成るべく分野を分けて行つて、そうしてそれぞれおのおの特徴を発揮させたい、こういうので市中銀行、それから地方銀行は地方銀行の業務を発揮したい。それから今後は昔の興銀、勧銀のようなものだろうと思うのでありますが、大体そういうようなものは別にやらせる、こういう方針でございますか。成るべく分けて行くように……、今度中小企業のほうはこの間も相互銀行なんかができましたけれども、成るべくそういうふうな分野々々でやつて行くということが果していいものか。それとも今の世界の趨勢は、外国の例等も考えなければならんと思うのでありますが、大体そういうふうに分けて行くのがいいのか、大きく一つにまとめさして行くようなほうが却つて信用その他の方面から言つていいのじやないか、私はこう思うのでありますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/10
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011・河野通一
○政府委員(河野通一君) これは考え方でいろいろ違うと思いますが、私どもはやはり金融の分野を非常に広くいろいろな分野の中で、経営の主体というものをできるだけ分野に従つてやつて行くのが適当であろう。庶民金融につきましても、やはり庶民金融機関がこれに当る、長期金融につきましては長期金融機関がこれに当る、短期の金融につきましては短期の金融機関がこれに当るというふうに、できるだけ分野をはつきりして行くことが適当であろう。ただこれは実際問題として、然らば今後長期金融銀行ができました場合に、一般の預金銀行、銀行法に基く銀行が長期の金融を全然やらないで進むかという点につきましては、これは日本の経済の実態から行きまして、一挙にそういうところまで行くことはなかなか困難であります。逐次、それらの預金銀行について申上げますれば、その資産構成をできるだけ健全化、正常化して、長期の金融は能う限り長期専門の金融機関のほうに移して行くという態度で進むべきものであろうと考えております。併しながら先ほど申上げましたように、日本の経済の実情から一挙にそういうふうに行くことはなかなか困難であります。できるだけそういう方針に副いたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/11
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012・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今長期金融銀行の、長期金融機関の設置について近く法案を国会に提出する予定である、こういうお話でありますが、この点についてお聞きしようと思いましたが、その際に譲るといたしまして、今度のオーバー・ローン解消の手段として石橋構想が発表されて、これに向つていろいろ意見が開陳されておるようでありますが、その一つとして、長期金融機関を設置して、これに長期的なものを肩替りをさぜる、そうして市中銀行は短期の運轉資金を主としてやるようにしたほうがよかろうというような構想も発表されておるようでありますが、そういう要請に応えてこの長期金融機関というものを設置するつもりでおるかどうか。それと今までの興銀、勧銀を、この機関をそのまま活用する構想でおるかどうかということと、それともう一つ聞きたいのは、横浜正金銀行ですな、あれに相当するような銀行はもうそろそろ必要になつて来るのじやないか、かように思うのでありますが、今外国為替委員会で大分やつておるようでありますが、あんなものも、昔の正金銀行のようなものの必要性、これについてはどうお考えであるか、準備をされておるのかどうか、この点について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/12
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013・河野通一
○政府委員(河野通一君) 現在の銀行と申しますか、金融制度の中で大きな問題として考えられております問題は、お示しのように第一は長期金融機構、第二は為替銀行と申しますか、外国為替の金融機構、この二つが具体的の大きな問題になる、その外勿論銀行全体の制度の問題についていろいろ問題はあるはずでありますが、その第一の長期の金融機構を整備するという問題につきましては現在の日本が特にオーバー・ローン、そのうちでも特に長期の資金のオーバー・ローンという点に鑑みまして、これらを解決する一つの方法としても、これらの金融機構を整備することが非常に役立つという観点に立つて、こういう制度を御提案申上げたい、かように考えております。なお興業銀行はどうなるか或いは勧業銀行をどうするかという点については、いろいろ御意見も各方面から伺つておるのでありますが、現在私どもといたしましては、この問題については検討いたしておる段階であります。今日ここでこれらの行政上の措置に関しまして、結論を申上げる段階に至つておりません。
それから第二点の為替銀行の機構であります。これにつきましてはいろいろ御意見を承わつておりますが、私どもといたしましては、この問題については結論をまだ得ておりません。少くとも今早急にこの問題に関する限りは結論を急いで出さなければならんという段階には現在のところないと私ども考えております。いろいろ提案されております構想は、御承知のように或いは旧正金のような一つの特別銀行を作るというふうなこともいいでしよう。又そういつたものでなく、長期信用銀行法の構想の下に、為替銀行法といつたような一つの特別のカテゴリーの銀行法を作つたらどうかというような構想も出ております。又現在のままの形で或る程度これを整備しながら、そういう特別の法律を作らないで行政上の措置で以て為替銀行の制度を整備して行くことがいいというような意見もあります。又更に進んでは、純粋の為替銀行専門の政府機関、完全なる政府機関を作るべしというような御提案も出ておるようであります。かく例もいろいろ非常にまちまちでございまして、帰一するところがないのでありますが、これらのいろいろなご提案を現在頂いておりますので、私どもとしては目下鋭意検討を続けておる段階でありまして、結論を申上げるまでに至つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/13
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014・菊川孝夫
○菊川孝夫君 次に、それでは銀行局として金融機関の監督の限界という点でありますが、これはもう今の日本輸出銀行や開発銀行については、政府の金融機関でありますから、あなたのほうで直接すべての面に監督干渉されるのは当然だと思います。が併し、一般の市中銀行に対する監督でございますが、ややともしますと大蔵省の監督がきつ過ぎるというような非難が大分あるわけでありますが、特に私申上げたいのは、今度の年末や期末の賞与を通じて一八五%以上を出してはいかんというようなことをあんた銀行の頭取を集めて一席打つて来たというので、今度はその給与の配分について従事員のほうから経営者のほうへ要求しても、その配分問題も一方ではあなたの言明を胸壁として経営者のほうはなかなか守る、こういうことになるので非常に、そういう面まで干渉されなければ一人歩きのできないような今の銀行の状態であるかどうか。それから将来もそういう問題にまで立入つてあなたのほうから干渉されるつもりであるかどうか。この点について一つお伺いしたいのでありますが、どの程度まで、通牒はあるかないかということを調べて見たのだが、通牒は出ていないのだが、一方はそれを一つの口実として、経営者のほうではいい口実、これで大蔵省の御機嫌を損じるとひどい目に会うから、こういうことでありますから、そういうことを守らない場合には何か報復手段があるのですか、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/14
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015・河野通一
○政府委員(河野通一君) 銀行に対する私どもの監督の限界等につきましては、銀行法その他の法律に書いてある範囲内でやつております。給与につきましても、私どももこの点については非常に度のきつ過ぎた干渉をいたしておることはございません。ただ金融機関の経理ということ、殊に銀行につきましては、その経理の堅実性ということを維持して参りますために、いろいろな観点から経理の準則とか、経理の、例えば経常収支の割合等につきまして、いろいろな観点から私どものほうで御指図を申上げておることは事実でございます。その一環として給与等につきましても、普通の企業と違つて、やはり金融機関というものは公共的な立場から、これの社会的経済的な影響等も頭に置きながら、給与については適正なる線を維持することが必要である、こういう観点から私どもの勧告と申しますか、意見はいろいろ申上げております。併し先ほどお話のように、私は別に頭取を集めて一席打つたということは、やつたことは毛頭ございません。事前に御相談を受ければ、私どもとして経理の堅実を維持する範囲内において、必要な場合においては御勧告と申しますか、意見は申上げておる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/15
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016・菊川孝夫
○菊川孝夫君 まああなたのお話は経理の勧告、サジエツシヨンを与える、それは結構だと思いますが、むしろ銀行の公共性を守つて行くという面から行きますならば、単なる給与や雑用の問題をやかましく言うよりも貸出しの面ですよ、一番銀行が今まで倒れたのは、人件費を余計使つたから、或いは諸費を使つたから銀行は倒れたという歴史はないのでありまして、不良貸出、これをやかましくやればいいのであつて、銀行としては単なる経費を、それは常識外れの給与を出すとかいうことなればその銀行おのずから預金者のほうから批判をされて、そういう所へはもう預金が集まらないのであります。昔は銀行のほうではけばけばしい背広を着るのでさえ遠慮をするようにして、正服に似通つた紺の背広を行員に着せて堅実なものであるというようなことを示した事実もあつたことを我我記憶しておるのでありますが、そういうものは自主性に委して、そのくらいなことはどちらにしても大して銀行がえらい打撃を受けることはないのでありまして、むしろあなたのほうでやかましく言われるのは、不良貸出によつて生ずるところの危険を事前に防止するというのが、一番大事な使命だと私は思うのであります。従つてここで確認しておきたいのは、経理なんかについてはあなたのほうは、意見を求められたときは勧告する程度である、従つてそれによつて別に大した、度外れの場合はいざ知らず、これには何ら拘束を受けないものである、それによつて報復面、報復手段のごときは何もないものである、こういうふうに考えてよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/16
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017・河野通一
○政府委員(河野通一君) 経理全体の立場からいろいろ申上げているわけでありますが、勿論今お話のような銀行の貸倒れを警戒するとか、そういつた面で十分監督を進めて参らなければならないということは、お説の通りだと思うのでありますが、併しながら、さればといつて経理の問題はどういうふうな措置を与えてもいいということには私は相成らんと思うのでありまし
て、殊に銀行等におきまして、これも別に法律上の制限はございませんけれども、私どもといたしましては指導しておりますことは、例えば銀行の配当でございます、銀行の株式に対する配当でございます。これらにつきましては普通の企業なら三割、五割の配当をいたす、併し金融機関が、銀行がそういう率の配当をすべきでないと考えております。これらの点からも、それはやらしたらいいじやないか、利益が出ているのなら配当したらいいじやないかという意見もあつたと思いますけれども、私どもはおのずから或る程度の限界というものはある、それはどうしてかと言えば、金融機関というものは普通の企業と違つて公共的な性質を持つている、こういう点から私どもはそういうことを主張するわけであります。できるだけ金融機関にそういうものがあるならば内部留保を厚くして、預金者、取引者に対するサービスの向上にできるだけ重点をおいてやつて行くのが、むしろ金融機関としての使命である、利益が出たからそれをどういうふうに配分してもよろしいというような考えはいけないというふうに私は考えておるのであります。これらの点から、程度の問題ではありますけれども、私どもは経理についてやはり十分な何と申しますか行政上の指導はして参らなければならん、この点ははつきりここで申上げざるを得ないのであります。なお銀行の利益は御承知のようにいろいろな形で出て参りまするが、普通の企業の利益と違いまして、例えば最近のようないわゆるオーバー・ローンの状態におきますれば、日本銀行から相当多額の資金を借りる、銀行の利益というものが、この日本銀行の貸出利率を若干引上げるか下げるかによつて、銀行の利益の相当大きな部分は動きます。又預金利子を若干上げるか上げないかという問題によつて、銀行の利益というものも非常に動いて来る。ただ普通の企業のようなものでなくして、これらの要素が、相当銀行の収益というものに対して大きなウエイトを占めている現状におきましては、必ずしもその銀行自体が普通の企業と同じような収益の状況、或いは収益の源を持つているとは私は考えておらんのであります。これらは一に政策次第によつてどうにでもなる、日本銀行の割引レートというものは、金融政策によつてどうにでも動くわけであります。これを低くすればすぐ利益は出て来る、その出て来た利益は銀行の利益だから、どういうふうに配分してもいいということには毛頭ならんと考えております。これらの点から、経理につきましても十分国民経済全体に直結しているという立場にあるという観点から、私どもは銀行の経理につきましても、勿論度の過ぎた干渉はいたすつもりはございませんけれども、適当なる範囲において行政上の御指導は申上げて参らなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/17
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018・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今の政府の政策によつてどうにでもなるというのですが、日銀の貸出利率を下げれば、今度は一般利用者に対する貸出の利率を下げさせるようにあなたのほうから勧奨すればいいのであつて、日銀が下げたがそのままで貸して行くというようなやり方をするのに私どもは賛成しているのではない。日銀が安く貸出すならば、これは一般の利用者に対して安く貸すようにすればいい、そういう指導は望ましいと思うのでありますが、やはり経理の小さいことにやかましく干渉されるけれども、今問題になつている社用族の対象は大抵銀行の貸出係りだという、そういうところを指導されておられますか、その点について最後にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/18
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019・河野通一
○政府委員(河野通一君) 私どもは個個の貸出先について詳しく調べて、この貸出は適当でないということを言うだけの能力を持つておりません。それだけの材料も持つておりません。ただ私どもは、銀行の検査その他を私どものほうで行なつておりますので、その検査をいたしました場合におきましては、これらの点について、その貸出のやり方がいいか悪いかにつきましては十分検討いたしまして、御注意申上げるところは御注意申上げております。ただ今の社用族その他に対する資金がどうなつているかという点につきましては、私どもとしましては、例えば不急な方面への資金を出すことは抑制するようにということで、一般的に指導はいたして参つておりますし、検査の結果わかればいろいろとやつておりますが、常時検査以外の方法で逐一貸出の内容を調べて、これはどうだ、あれはどうだということを言うだけの私どもに力はございません。全体の大綱を示して、そういう方向に金融活動がうまく動いて行くように指導いたしておる、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/19
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020・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ちよつとさつきの銀行員の給与の問題ですね、これについては余り行き過ぎた干渉はしていない、こういうお話ですが、これは河野さんも御存じのように、一時銀行が非常に儲かつて、銀行局の給与が一般の民間給与より非常に高かつたというような時代があつた。あれはたしか愛知君が銀行局長をやつている頃だつたと思うのですが、あれは通牒みたいなものを銀行に出して、それが始まりだと思うのですが、その後ずつと見ておりますと、銀行員の給与は必ずしも最近ではそう一般よりも著しく高いというように思われない。具体的に我々資料も見ました。ところが聞きますと、やはり依然として大蔵省は経理の監督という名によつて相当干渉している。一種のこれは案質的には賃金統制みたいに私は思われる。相当私は行き過ぎていると思うのですが、それは銀行のほうは、大蔵省のそういう銀行の経理監督の名によつて、給与引上げの抑制ですか、こういうことについては、それを楯にとつてなかなか引上げに応じない。勿論一般民間賃金より著しく高いということになれば問題だと思うのです。さつき銀行局長の言われたように、日銀の貸出によつて相当利益を挙げている面があるのですから……、併し最近の実情を見ましても必ずしもそうじやないと思うのです。そこでその賃金、特に給与に関する大蔵省の通牒みたいなものは、あれは僕は一種の賃金統制みたいなものだと思うので、ああいうことはやはり銀行の自主性に任せるべきであると思う、個々の銀行の経営のやり方というものがあるのですから……。そこで日銀の貸出による利益以外に、いわゆる銀行員の努力によつて成績が上つた。そこは組合と当局との自主的な交渉によつて、その妥当な点をきめさせて行く、こういうのが私は当り前だと思うのです。それは公共性ということは勿論尊重しなければなりませんが、それだからといつて、どうも大蔵省では、銀行員の賃金に最近では干渉しているというような面が見えるのです。この点については相当不満もあるようです。全銀連あたりから陳情が来ております。それからむしろ最近では愛知君が紹介議員になつて、その請願を受付けているのです。前にそういうことを出した愛知君が、紹介議員になつて請願を受付けている。ですからそれが不当であるということがわかつて来たと思う。だからその点については、それが不当な干渉にならんように、この点やはりはつきりここで私は意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/20
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021・河野通一
○政府委員(河野通一君) 不当な干渉にならないようには十分やつて参りたいと思つております。具体的なお話になりまするわけでありますが、私どもは金融機関の経営者に対して、経理の立場からいろいろ御意見を申上げることは、これは止むを得ないと思うのです。併しお示しの点のように私どもは不当な干渉を給与についてもいたすというつもりは毛頭ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/21
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022・木村禧八郎
○木村禧八郎君 その経済全体について、それが対外的ないわゆる信用を害するようなことがないように監督することは十分しなければならんのですけれども、会社の経理の内容にまで立入つて、特に給与べースにまで立入つて今まで勧告されたことは私は行き過ぎだと思うのです。民間の普通の会社にそういうことを干渉されたら行き過ぎですよ。賃金統制と同じになると思うのです。ですからこの点は十分……そういうことまでは私は干渉すべきじやない、それは自主性に任せるべきだと思うのですが、今後そういう干渉はされないということを私ははつきりここで伺いたいと思います。成るほど、銀行の経営全体についてはこれは預金者保護の点についてやらなければならないのですが、その点給与について特にそういう勧告をされたのですから、これは私はほかの企業と比べて特に銀行業を不当に干渉するものじやないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/22
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023・河野通一
○政府委員(河野通一君) 具体的に給与べースについて私どもが指図をするというようなことはやつておりませんし、今後もやりません。ただ経理全体の点から見て、給与についても意見は申上げることがあるということは申上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/23
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024・小林政夫
○小林政夫君 私は前回も質問をして、局長の説明では納得をしないと言つておいたのですが、問題は例の資本金の増額について、今度の改正で第四條の第三項ですか、「大蔵大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。」にもかかわらず、第一項では「日本輸出銀行の資本金は、百七十億円とし、」、こうある。これはおかしいのじやないかといつたところが、あなたは開発銀行についても前例があるということでありました。その後調べたところが開発銀行についてはこう書いてあります。前にありますが、「第三項の規定により政府の一般会計から出資があつたものとされた金額との合計額とする。」、こう書いてある。その第三項というのは「日本開発銀行は、必要があるときは、大蔵大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。」、こうあるのであります。だからこれは開発銀行法の書き方であれば納得することができるわけです。ところが一つ不可解な、今度の場合と全く同例なものは、住宅金融公庫法においては、「公庫の資本金は、五十億円とし、政府がその全額を出資する。」、「公庫は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。」、こう第二項にあつて、今度の場合においても五十億ですか、増額することになつておる。而もこの公庫の資本金の五十億を百億にするという法案は出てない、こういう住宅金融公庫法が今度の改正にきつぱり当てはまるわけです。ところが国民金融公庫法は、公庫の資本金は、百億円とするというように、常に増資をする都度、この公庫の資本金の改正をする法律案を提出しておる。こういうふうに同じ政府機関である銀行、金融業務を行う機関についてこの法令が違つておるということについては、菊川委員からしよつちうこの委員会でも言われるのですが、どうも立法が非常にまちまちであつて、統一を欠き、困ると思うのです。そうして実際問題としておかしいので、この資本金は、当初の資本金はこのままであるならこれは話はわかる。けれどもこの輸出銀行の資本金は百七十億とする、とこうあつて、そうして大蔵大臣の認可を受ければその都度、今度も三十億増すのですから、そういうふうに知らぬ間に増しておる。法律案を見れば百七十億である、ほかのを見れば二百億になつておるということはおかしいので、これはどうしても委員の皆さんとも相談をして、これは改正というか、考えなければならん。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/24
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025・河野通一
○政府委員(河野通一君) 同じような種類の金融機関につきまして、資本金の点について規定がまちまちになつておりますことは誠にお示しの通りでございまして、これはそれ自体としては面白くないと思います。これは御承知のように、まあ沿革的にいろいろ占領下の特殊な事情もございまして、まちまちになつた條文がずつと出て来まして甚だ申訳ないと思います。できるだけ早い機会に統一すべきものだと考えます。又今、今度の輸出銀行法の第四條につきましての改正案は、文理上全く今お話のように開発銀行と少し平仄も合つておりませんので、書き方としては適当でないという点もあるかと思います。ただここで私どもが考えましたのは、この前も申上げましたように、予算その他の関係で輸出銀行の資本金が増加されるようになつた場合に、この法律を直して、その資本金の金額をこれこれだと書かなければ、どうしても予算は通つてもあれできないというようなことにならないようにして置きたい。そのためには認可とか何とかいう制度で便宜その予算の通つたものはこのまま繋げるようにして置きたい。一番いい例は、今度の場合はまあ輸出銀行の改正が国会に出ましたからよろしいのでありますが、国会に輸出入銀行の収支を殖やすという予算が出まして、輸出入銀行の改正法はこの国会に出ないという場合があり得るわけです。その場合にどうしても輸出入銀行の改正案を出さなければならんということにするか、或いは場合によりましたら、その場合には一応予算が通つた以上は認可で資本金を増して置いて、適当な機会にこの法律を直すという、一つの猶余期間をつけるような法律の態勢にして置いたほうがいいんじやないか彈力性を持つていいんじやないかという考え方で出発いたしております。條文の仔細の点については、これは書き方として少し適当でない点があつたと思います。趣旨はそういうつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/25
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026・小林政夫
○小林政夫君 実体的には大したことじやないのですが、今のあなたの御説明はおかしいです。予算は通す。そうして法律は改正せずにして置いて、予算は通つても法律改正案が通らんかも知らんというようなことはないので、同じ国会の一方で輸出入銀行の予算の増額三十億を認めたとするならば、その同じ国会の意思は当然この輸出入銀行法の改正がこの資本金の問題のみの改正ならば、これは同意すべきなんです。特に今までの先例から行きましても例えば特別会計等において共済保險金の歳入不足を埋めるという場合においては、一方に予算増額があり、同時にその特別会計法の改正案として、單独にそのことだけでも一つの別の法案を作つて大蔵委員会へかかり、その法案を先きに出したけれども、予算はなかなか通らないということもあるし、予算が先きにきまつて、法案があとになつたということもあるのです。だから当然この資本金の改正は、増額すると、予算に計上するならば、一方に輸出入銀行法の改正案として当委員会に提出されるその予算審議と、この大蔵委員会の審議と並行的に審議して行く、何ら支障ありません。同じ国会の意思なんだから一方は通して、一方は否決するなんということは絶対ない。これは当然立法府としての我々としてちよつと簡單に通せないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/26
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027・河野通一
○政府委員(河野通一君) お説は御尤もであります。ただちよつと誤解を小林さんしておられるのじやないかと思います。私は国会に増資の法律案を出してもそれが通らんかも知らんということを申上げておる……そういう失礼なことを申上げておるわけではないので、その場合に増資のためだけの法律の改正なら、場合によりましたらそれを出さなくても、次に改正をいたします場合にその資本金の規定を改正することでいいのじやないかというような意味で申上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/27
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028・小林政夫
○小林政夫君 それはこれから先は意見になるが、要するにこの特別会計の簡單なことでもそのためにわざわざ一つの何とか特別会計へ一般会計から繰入れる法律案というようなものを作つて、実に形式的な法案がこの大蔵委員会で多々出るんです。それと同じように本当の審議の過程から言えば無意味なようであつても、やはりこれは輸出入銀行法の一部を改正する法律案としてお出しになることが適当なんだと私は思います。ちよつと速記をやめて懇談させて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/28
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029・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/29
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030・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/30
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031・大矢半次郎
○大矢半次郎君 従来日本輸出銀行に見返資金からも出資していたのですが、将来は出資ということをしない、見返資金から借入するわけでありますから、又そうするとすればどういうふうにして運用するのか、変えて行くのか、その点伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/31
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032・河野通一
○政府委員(河野通一君) 二十七年度は御承知のように見返資金から三十億の貸付金という形に整理いたしております。その前は御案内のように出資という形になつておつたわけであります。これは別に大した理由もございませんが、見返資金自体の今後の措置とも関連いたしまして、やはりこれは貸付金の形で整理して、或る程度の利息を見返資金としてとるという形にしたほうがいいという観点からこういうことになつたのであります。長い将来の問題につきましては、見返資金の今後の運用計画とも関連いたしまして、若し見返資金からこれらのほうに資金が或る程度放出されるといたしました場合に、それを出資の形で出すことが適当であるか、或いは三十七年度にやりますと同じような貸付金の形でやるほうがいいか、これは十分輸出銀行自体の金利等の関係その他とも勘案いたしまして適当に考えたい。必ずしも将来永久に貸付金の形で資金を放出するという形にきまつたわけでもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/32
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033・大矢半次郎
○大矢半次郎君 従来の出資の形になれば金利関係が起つて来ないが、見返資金からの貸付にすると金利の関係が起つて来て、従つて貸出のレートにも響いて来るのじやないかと思うのですが、その点如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/33
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034・河野通一
○政府委員(河野通一君) 現在のところでは多少、貸出レートは現在通りといたしますれば、別に見返資金からの借入金に対して利子を払いましても、新らしい制度による納付金の金額が若干それによつて影響を受ける程度でございまして、特に貸出レートを上げなければならんということには相成らんと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/34
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035・小林政夫
○小林政夫君 前回ちよつとお尋ねしたのですが、「外国の銀行その他の金融機関から外貨資金の借入をすることができる。」というふうに第三十九條を改正するわけであります。そのときこの輸出入銀行として予定しておる、予想しておる外貨の質ですね、一体まあ普通の個人等からの借入を恐らく予定しておるわけじやないと思うのです。それに政府機関としてのこの輸出入銀行がまあ外国金融機関から外貨資金の借入をするという場合、まあ政府機関、例えば日本開発銀行も、まだ法案が出ませんが、外貨資金等の借入をするというふうに改正するのかどうか。そうした場合にはこの輸出入銀行の予定しておる借入光、及びその資金の性質と開発銀行の予定しておる、若し仮に予定しておるとすれば、外貨の性質及びその借入光等についてはどういう違いがあるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/35
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036・河野通一
○政府委員(河野通一君) お示しのように日本開発銀行法の改正案の中にも、これと大体同じような外国の金融機関からの借入金、外貨の借入金を條文に入れて参りたい。そういたしました場合に、新らしい輸出入銀行の外貨資金の借入と開発銀行の外貨資金の借入とはどういうふうに違うかというお話でありますが、この点は開発銀行の業務と輸出入銀行の業務との相違に結局かかつて来ると思います。併しながら具体的に、例えばアメリカならばアメリカから或る種の開発資材を輸入する、そのための金融をいたします場合に、一体それが開発資金であるか、或いは輸入資金であるかということは一応観念上は分けられますけれども、具体的にはなかなかそう簡單には分けられない。尤も今度の輸出入銀行では、そういう開発資材そのものにつきましては、それを入れることは輸出入銀行の使命の中に入つておりませんので、今の例は少し惡かつたと思いますけれども、ものによりまして同じようなものが対象になつて、而もそれが開発銀行で扱つていいか、或いは輸出入銀行で扱つていいかという問題が区別が付かない点も実はあるかと思います。そういうものにつきましては、そのおのおのの取引者との間の選択に委されるということになると思います。併しながら大部分の問題につきましては輸入業務としての金融であるか、或いは開発資金の金融であるかという点につきましては大体において区分がつくというふうに私ども考えております。殊に原材料を輸入して参りますための資金等の借入は、これは輸出入銀行からやつて行けばいいので、特に開発銀行がそれにタッチして行く必要はない、おのずからそこにも分界ができて来る。併しながら今申しましたようなこのダブル面も一部は確かに起ります。これはやはり当事者の選択によつて選ばせればいいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/36
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037・小林政夫
○小林政夫君 今外貨資金を借入れると言つても、大体相手はアメリカとしか考えられない。そのときに向うの金融機関として輸出入銀行があり、そして世界銀行がある、復興開発の。それから国際通貨基金ブレトン・ウツヅ機構、その具体的な機構との関連はどういうふうになるか、大体そういうところの先の資金を考えられておるのじやないか。一般のシビリアンの、普通の個々の外人の或いは会社等についての借入金を考えられておるのではないと思うのです。そのオフイシヤルな輸出入銀行と或いは政府機関或いは半政府機関、或いは世界的なもの、ブレトンウツヅ機構との関連においてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/37
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038・河野通一
○政府委員(河野通一君) お話のようになかなか民間プロパーの借入金というのは、特別の場合を除いてはなかなか近い将来に多くを期待することはむずかしい。できるだけこれは促進をして参らなければならんと思います。現在輸出入銀行が外貨の金融クレジツトを受けるという場合におきましては、恐らくやはりアメリカについて申しますれば、アメリカの輸出入銀行がやはり相手になるのじやないか。それから開発銀行が若し外貨の資金を入れるという場合におきましては、今お話のようにこれは必ずしも私は国際開発銀行ですか、世界開発銀行ですか、この銀行に限られるとは考えておりません。例えば具体的に電力の開発のためにいろいろな外資というものが若し入るとすれば、これらの受入機関として唯一ではありませんけれども、その幾つかの一つとして日本開発銀行も予定されていいものであるというふうに考えております。輸出入銀行につきましては、恐らく米国の輸出入銀行あたりが最も適当な相手ではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/38
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039・小林政夫
○小林政夫君 先般もちよつと触れたのですが、綿花借款ですね、四千万ドルの。これは日本銀行が今受入窓口になつておる。こういう形はノーマルな形じやない。昔の正金銀行のようなものができれば恐らくあれで行くだろうと思うのです。そういうこれは明らかに綿花を輸入してすぐ輸出をするためのものである。そういうものが一応為替銀行の整理の問題とも関連して、これは又別にお聞きしたいと思つておりますが、普通のそういつた外為、まあ為替金融機関が整理できるまでの間はどうするつもりですか。依然として日銀で、もう一遍ああいうことをやるという場合には、日銀に今まで通りやらせるつもりか、或いは別個の銀行で考えるのか。そうなつて来るといわゆる資金の長短期によつて窓口を変えて行くつもりなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/39
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040・河野通一
○政府委員(河野通一君) 先般も御質問があつたのでありますが、綿花借款、綿花クレジツトにつきましては、これは資金の性質から一種の短期のクレジツトで、現在の少くとも輸出入銀行の機構なり、使命、性格から見まして、これらの資金を受入れる機関としては輸出入銀行は適当でないと私ども考える。じや日本銀行をどうして使つたかというお話でありますが、これも本来日本の為替銀行の制度がはつきり整つておりますれば、やはり今お示しのように日本銀行を必ずしも介在させる必要はないかと思います。併し現在対外的にもなかなか為替銀行の制度がまだ整備をいたしておりません。対外的信用もまだ一人歩きができるまでに実は遺憾ながらなつておりません。これらの関係でいわゆる信用をバツクする意味におきましても日本銀行をこれに介在させたほうが適当であろうという観点から、実はああいう制度にいたしたわけであります。将来の問題につきましては、先ほどお話のございましたように、為替銀行の制度を整理して参つて、これの対外的な信用がだんだん強化され、充実して行きますに応じまして、最も適当な一つの金融受入れの機関として使つて行くということは十分考えられることであると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/40
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041・木村禧八郎
○木村禧八郎君 只今の小林君の質問に関連するのですが、私お聞きしたいと思つておりましたが、この三十九條ですか、「外国の銀行その他の金融機関から外貨資金の借入をすることができる。」これはもう少し具体的に説明して頂きたいのです。この東南アジア開発とか、そういうような場合に、その東南アジア開発のために必要な資材を輸入する、そのときにその輸入資金について借入をするということになると思うのですが、それは何か大体の予定があつたのじやないかと思うのです。ただここに漠然と将来外貨資金を外国銀行から借入れるというそんな漠然たるものではないのであつて、大体二十七年度、二十八年度とかと、大体具体的なプランがあつたのではないかと思うのです。その点が一つと、それから開発銀行については主として電源開発の外資が予定されておつたと思うのです。その点具体的に、これはどういうものを予定して、外貨を借入れるのか。東南アジア開発に関連してもう少し具体的に御説明を願いたい。それから開発銀行の場合も、漫然とこういう規定を私は入れたのではないと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/41
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042・河野通一
○政府委員(河野通一君) 外資の導入につきましては、いろいろ政府としても一生懸命に現在やつておるわけです。この輸出入銀行、或いは開発銀行につきましてはまだ御提案を申上げておらんのでありますが、今の予定では、同じような規定を入れて頂くように改正案を提案申上げたいと思つております。輸出入銀行の、若し外貨資金の借入をします場合の用途といたしましては、やはり今木村さんからお話もございましたように、東南アジア開発というふうなところに結び付いたいわゆる外資の受入れということに相成ると思います。併し現在のところでは、私どもの承知いたしておりますところでは、非常に具体的に相手方及び使途、用途につきましてはつきりした具体的な計画があるようにも聞いておりません。今後いろいろな形で、経済協力その他、或いは東南アジア開発の計画の促進に応じまして、これらの問題がだんだん具体化して行くものと私ども期待をいたしております。その場合におきまして、直ちに受入れられるような法律上の制度を整えておきたい、受入れの態勢を整えておきたいという意図に基いております。これは開発銀行につきましても同様でありまして、現在具体的にどこからどういう資金が、どういう用途のために入つて来るという具体的な計画までできておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/42
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043・木村禧八郎
○木村禧八郎君 山際さんのほうに何かそういう計画を、ラフでもかまわないのですが、予定ですか、何かそういうものがやはりおありになるのじやないかと思うのですが、銀行の立場としては、どういうふうに将来の東南アジア開発及びその資金の金繰り、それから又外貨資金を外国から借入れる場合に、ただ漫然とこういう規定を入れられたわけではないと思うのですが、もう少し何か具体的な見通しなり、或いは御計画なりありましたら、伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/43
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044・山際正道
○参考人(山際正道君) 只今のお尋ねの点に関しましては、実は銀行局長からお答えがありました通り、具体的な借款の案につきましては、何もまだ話はございませんです。然らば将来のために備えてこの規定を設ける必要がどこにあるかということになろうかと思いまするが、具体的な話はございませんが、例えば考えられる場合といたしましては、一般的に申しますと、例えば国際競争等でプラント輸出をして参ります情勢を見ておりますると、各国が競争上だんだん長期のクレジツトを出しつつあるのであります。ヨーロツパ諸国は、例えば南米等におきましてもすでに五カ年ぐらいの代金取立猶予の條件で売り込んでおります。日本も競争をして売り込んで参りますためには、だんだんその融資期間が長期化されて参るのではないかと思うのですが、そうしますと、入るべき外貨がそれだけずれるということになります。そうしますと国全体の国際収支から申しまして、それに見合う外貨をどつかで補充しないと、あとのプラント輸出の素材も入らんという点もございます。又今般の改正によりまして、輸入金融業務が行われまするような場合におきましては、その前金の形といたしまして、外国へ資金を貸します場合、その資金は外貨を以てするので恐らく原則になろうと思います。即ちその前金の形で出しました外貨を基礎に、その外国が開発をいたしまして、よつて得たるところの生産物を以て日本と長期の輸入の契約をする、こういう形になると思います。そうするとやはり所要の外貨というものを、国際収支の全体の観点からいたしまして、或る程度補充する必要があると思います。さような場合に、只今御指摘になりましたような條項が働いて参る、こういうことが考えられます。ただ冒頭に申上げましたように、具体的な借款につきましては何ら現在のところはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/44
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045・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この輸出入銀行もそうですが、開発銀行についても同様のことが言えると思いますが、国内の資材を使つて、そうしてこれを長期的に東南アジアに輸出して、そうしてそれが物として返つて来るまでの期間、それが仮に長期になれば、それだけ日本の外貨が足りなくなる。そうすると今度は日本の輸入の外貨がそれだけ不足になる。僕は開発銀行についても同様なことが言えると思う。そのギヤツプを埋めなければ、いわゆる国内的に東南アジアの開発のためのインフレ、インフレといえば変ですが、国内に物資の需給のアンバランスが出て来る。開発銀行についても同じだと思う。そういうアンバランスを埋めるために、いわゆる外貨、外資というものが必要である。これで日本経済の不均衡を調整しつつプラント輸出も多くやり、国内開発も電源開発も多くやる、こういうことになつておつたと思うのです。ですから当然これには二十七年度においても、二十八年度においても或る一定の外貨というものが予定されていなければ、それが非常なアンバランスになつてしまうと思う、国際収支も国内の物資の需給計画についても。そういう点が若し外資が入つて来ない、仮に非常に困難となつたらどうなんですか。この輸出入銀行の場合、仮に困難である、困難となつたら長期の契約ができなくなると思う。そうするとこれは非常によその国との競争上困難になる。東南アジア開発というようなことは期待できないと、こういうことになると思うのですが、その関係はどういうふうになるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/45
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046・河野通一
○政府委員(河野通一君) これはなかなかむずかしい大きな問題であろうと思いますが、我が国の持つておりまする外貨のポジシヨンとか今後の見通し等とも関連いたして参る。お話のように日本の外貨のポジシヨンが非常に惡くなつて、而も長い外貨を要するような輸入の金融をこちらで賄つて参らなければならんというようになつて参りました場合には、お話のように何か具体的に外資導入の方式ができない限りは長期のクレジツトを相手方に与えるということはなかなかむずかしいということになろうかと思います。これらは同時に今後における日本全体の国際収支、特に外貨ポジシヨンとも関連をいたしまするので、これらの問題の推移によりましてはお話のように更に積極的に外資の導入、長期の外資の導入を図つて参らなければならんということになろうかと思います。併し只今のところではそういつた具体的な長期の外資の導入の計画は具体的にはまだ熟して参つておらん。このことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/46
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047・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/47
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048・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/48
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049・木村禧八郎
○木村禧八郎君 じやもう一つ。問題は大きくなりますが、講和後の日本経済自立を考える場合に、大体電源開発にしても、最近ではどうか知りませんが、最初では一応外資依存ということが考えられておるようです。二億八千円ですか、三億円ですか、従つて講和後の日本経済自立の計画があるはずだと思うのです。安本においても、それからそれに即応したような輸出入銀行についても、東南アジア開発計画についても、或いは電源開発等についても、何か二十七年度のこの予算の基礎になる二十七年度の自立計画について、全然こういう外資というものは度外視してその計画が立てられているのかどうか。全然これを考慮されない、それであれば何もここに法律に出て来る必要がないのです、この法律に。来年だつていい、再来年だつていいと思う。全く外資というものを考えないで、二十七年度の自立計画というものが立つているのか。電源開発にしても、東南アジア開発にしても、その点はどういうふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/49
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050・河野通一
○政府委員(河野通一君) 経済自立計画及びそれに基く外資の導入計画につきましては、私、資料も実は持合しておりませんし、そのほうの権威者でもありませんので、別のかたからお聞き願いたいと思います。少くとも日本輸出入銀行の今後の資金計画といたしましては、一応今立てておりまする計画といたしましては、特に外資の導入を予定しないで、一応計画を立てております。ただこの問題は、先ほども御指摘ございましたように、日本の経済の今後の推移によりましては、外資が入つて来ればその外資をできるだけこの銀行の目的に活用して参るということは非常に結構なことでございます。今後そういうことが具体化して参りますれば、その外資の活用によつて輸出入銀行の使命を更に十分充実して達成して行きたいと、こういうふうに努力したいと思います。現在のところでの資金計画といたしましては、外資の導入を予定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/50
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051・木村禧八郎
○木村禧八郎君 最後に、それではさつきの御説明のように非常に困難になりますね。東南アジア開発その他は、非常に諸外国で長期の契約をやるようになつて来ているのですから、若しかそういうものがなければ、この輸出入銀行としても競争上非常に困難だ、そういう見通しに立たざるを得ないと思うのです。外貨ボジシヨンも非常に惡くなる、そういうふうに考えられるのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/51
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052・河野通一
○政府委員(河野通一君) これは先ほど申上げましたように、外貨のポジシヨン、殊に長期外貨のポジシヨンの問題になると思うのです。差当りの見通しといたしましては、私どもはポンドにいたしましても、ドルにいたしましても、輸出入銀行がその使命を達成するために必要な長期の外貨には、今の見通しではそんなに不自由をするような日本の外貨事情ではないと考えております。併しこれは言葉は非常に惡いのでありますが、更に外資が而も長期の外資が入つて参りますれば、これをできるだけ活用して行くということになれば、更に日本の経済はプラスになる面が非常に多いのであります。極力そういう方面に進めて参りたいと思います。現在のところでは外貨のポジシヨンとしてはそう支障も起さないで済むのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/52
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053・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) これを以て休憩いたします。
午後零時二十五分休憩
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午後二時十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/53
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054・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) それでは午前に引続きまして大蔵委員会を再開いたします。
租税特別措置法等の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、いずれも予備審査であります。右四案について内容の説明を聽取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/54
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055・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 租税特別措置法等の一部を改正する法律案ほか三件につきましては、先ほど提案理由によりまして概要を御説明申上げた次第でございますが、なおこの機会に若干敷衍しまして御説明申上げたいと思います。
お手許に租税特別措置法等の改正要綱という印刷しました書類をお配りいたしておりますので、それに基きまして御説明申上げたいと思う次第でございます。
先ず租税特別措置法等の一部を改正する法律案でございますが、この法律によりまして改正しようとする事項は、実は雑多な事項がございまして、最近における経済事情或いは社会事情等の変遷に対応いたしまして、それぞれ租税上特別に措置すべき事項につきまして各般の事項を網羅いたしまして、規定いたしておる次第でございます。従いまして事柄の内容が多岐に亘つておりますことを先ず申上げておきたいと思います。
その第一点は、住宅の新築を促進しようという見地から改正を加えた点でございます。その一つは昭和二十七年一月一日、つまり本年一月一日から今後五カ年間に居住の用に供する新築家屋を作りまして、それを賃貸したり、又は会社等が従業員の居住の用に供しました場合におきましては、今後三年間は五割増の特別償却を認めることにしようという、これによりまして極力一般の貸家の建築を奨励し、並びに会社等におきましても社員、従業員等の住宅施設を増加するような方向に導こうという趣旨でございます。で、事柄の性質上大体これは政令で規定する予定でございますが、二十坪以下の住宅に限るようにいたしたい、最近の建築事情等からいたしまして、できる限り手頃な住宅を多数作るというのを奨励する意味におきまして、この特別償却は二十坪以下の住宅につきまして適用いたしたい。但し、例えば鉄筋コンクリートの建物のごときは一世帶あたり二十坪以下であれば勿論差支えない、その種の建物につきましても同様な特例を認める考えでございます。
それからその次は登録税でございますが、登録税につきましては、家屋を新築いたしまして保存の登記をいたしますと、現在千分の六の税率で課税されることになつておりますが、これを千分の一に軽減することにいたしたい。それからなお建築資金を借入れるために抵当権の設定の登記をする場合が大部分でございますが、まあそういう場合におきます抵当権の取得の登記につきましても、現在千分の六・五という税率になつておりますのを千分の一に軽減することにいたしたいと、かように考えております。先ほど述べました償却の事項はいずれも貸家とか或いは会社が社員の用に供しておる家でございまして、自家住宅は入つておりません、償却の問題はございませんので……。この登録税の問題は、自己住宅たると貸住宅たるとを問わないで全部入れる考えでございます。登録税の場合は而ういたしまして、自家住宅等も入つて来ますので、坪数に制限を置かないで居住用の住宅には一般に適用いたすようにいたしたいと考えておる次第であります。これが住宅の新築等に対しまして租税上できる限りの援助を与えようという意味におきまして特別に措置しようという事項でございます。
それからその次は、居住用住宅や農地を買換える場合の譲渡所得の減免の問題であります。この問題は先般の要綱にも掲げておりましたので、すでに御説明いたしましたので、ここで重ねて述べる必要はないかと思います。要するに一年以内に同種の財産を買つたり売つたりする場合、これはあとの財産を先に買いまして、その後一年以内にあとの今まで持つております財産を売つてもよろしいし、反対に今まで持つていた家を先に売りましてその後一年以内に新らしい家を取得してもよろしい、その讓渡をいずれの場合にも認めることにいたしております。勿論金額が同じでありますれば問題はございません。全額その際には讓渡所得税は課税しないということになりますが、今例えば百万円の家を売りまして五十万円の家を買つたと、こういう場合におきましては、差額の五十万円分に相当する分だけはこれはやはりその際に課税する。で、百万円の家を売りまして百二十万円の家を買いました場合はこれは又全部が前の家があとの家によりかかつておると見られますので、この場合は全部課税しない、こういうことにいたしておる次第でございます。農地の場合におきましても、同様な関係になります。まあ交換の場合でも同様でございます。
それからその次は公益法人に対しまする贈与、それから相続税の物納のために国に財産を、不動産等を移転した場合に、こういう場合におきましては二十五年度の税法改正によりまして、現行税法では全部讓渡所得税を課税することにいたしておるのでありまするが、どうも実情に即しない点がございますので、まあ理窟は別といたしまして即しない点がありまするので、若干緩和しようという考えでございます。一つは例えば土地建物、書画、骨董の類を公益法人を作りまして寄附しようというこういうかたが間々あるようでありますが、まあそういう場合におきましては讓渡所得税を課税しない。併しこれは場合によりますと名目だけの移転で、実質は従来の所有者が利益をそつくり得ているという場合もございますので、大蔵大臣が指定することによりまして、そういう何と申しますか、弊害の多いような方法でやります場合には該当しないような余地を残して置こうということにいたしております。
それからその次は相続税を納めるのに物納した場合にこれは山林の場合に多くあるのでありますが、物納いたしますと、やはり所有権が移転しますので、そこでやはり讓渡所得税の再評価税の課税の問題があるのでありますが、この問題は理窟を申しますとこれも確かに一つの理窟でございますが、やはり実際問題といたしまして無理なところがありまするから、物納の場合におきましては讓渡所得税は課税しないことにいたしたい。ただ再評価税につきましてはやはり課税することにしよう。こういう改正でございます。
それからその次は、小型機船底曳網漁業につきまして農林省と今整理の方針を立てまして、一定の補助金を支出して小型の船舶を沈めてしまおうという例があるようでありますが、この場合におきましては、先般御審議を煩わしました漁業権の整理の問題とほぼ類似な関係にありますので、それと同様な関係に置かしめるために讓渡所得税は課税しないで、再評価税だけ課税するということにいたした次第でございます。
それから次は、特許権の使用料につきまして、今回の所得税法の改正でこの種の使用料を、外国にいる人が受取る場合におきましても、二〇%の源泉課税することに改正を加えようとしている次第でございますが、先般も申上げました通り、日本経済の再建のために緊要な事業に使用する特許権等の場合におきましては、どうしてもやはり或る程度日本に権利を留置しまして経済の再建を図る必要がございますので、源泉課税の一般の税率二〇%をこの際一〇%に軽減する。それからこの点につきましては先般も申上げました通り、現在特許権の所有者との間に結んでおりまする契約の中に、日本におきましてかかる税金は使用者側の負担にするといつたような條項を入れているケースが大分多い。これにつきましては先般も申上げました通り、新税法が実行されました後におきましては、その條項の改訂方を民間使用者のそれぞれ契約書におきまして申入れ頂いたらどうであろうかと言つているのでありますが、そのためには若干のやはり余裕期間が必要だという意味におきまして来年の一月一日以後これを適用することにいたしたい。それで今度新らしく課税しまするものの中でも、例えば映画のロイアルテイといつたものにつきましては四月一日からすぐ二〇%の税率で徴収する予定でございますが、特許権等につきましては、この種の税種につきまして特許権を使用いたしまして、現在技術の改善、或いは生産の増強等に努めておられます産業方面に及ぼす影響をできるだけ少くするという考えでございます。なおアメリカ等の関係におきましては、日本において所得税が課税されまするその税額は、アメリカの法人税、所得税等から控除される関係は、先般も御説明申上げた通りでございます。
それからその次は、賠償指定施設に対しまする法人税の納期限の特例に関する條項でございまして、賠償指定施設が解除されました場合におきましては、現在は帳簿価格を零にしている。そうして零にしますときに税法上損金としまして認めているわけでございますが、今度はそれを元に戻すわけでございますが、これはやはり差額につきましては法人税を課税すべきであるという考え方でございます。ただ一時に全額納付せしめるということは負担の実際にも即しませんので、その帳簿価格の付替によりまして増加するところの利益、つまり評価益がその法人の普通の所得の三割を超えるときという場合におきましては、その超える部分に対応して法人税の分は三分割いたしまして、それぞれ六カ月、十二カ月、十八カ月目に分納することを認める、こういう特例を講じようという趣旨でございます。
それからその次は、航空事業用の揮発油につきましては現在課税いたしておりまするが、御承知の通り航空事業は最近再開されたばかりでございまして、まだどうも経営の基礎が十分成立つていない。そういう際におきましてこれらの課税がございますと、どうもやはり航空事業の将来の発達のために面白くない。で財政等から行きましても若干赤字を生ぜざるを得ない状況にありますのと、いま一つは乘客に対しましては通行税を課することにもなつておりますので、そういう点を合せ考慮いたしまして、この際一年間揮発油税を免税にしたらどうかという提案でございます。
それからその次は、なお雑多な事項でございますが、更生保護事業を営む法人につきましてはこれは登録税を課税しないことにする。これは類似の法人の場合におきましてやつていることでございます。
それから外貨債につきましては、先般の国会におきまして特別の法律が成立いたしましたことは御承知の通りでありますが、戰時中に外貨債処理法によりまして外貨債を邦貨債に引換えまして持つていた。それが財産税の、相続税の課税の対象になつております。ところで今度の新らしい法律によりましてそれが又御破算になりまして元に戻るというような関係になりますので、その関係から来る財産税及び相続税の課税を更正しようという趣旨でございます。
それからその次は臨時物資需給調整法が四月一日を期して廃止になる予定でございますが、その廃止されました後におきましても、酒類につきましてはやはり或る程度の特別配給が必要じやないか、こういう点を考えましてその根拠規定を今までは物調法に求め
ておりましたが今回は租税特別措置法に求めようという改正でございます。即ち生産の奨励その他一定の目的のために特別に配給する場合におきましては加算税を免除しました。安い価格で酒類を供給することができる、こういう規定を設けまして物調法に置替えようという考えでございます。
それから最後は国税徴収法の改正でございますが、現在国税徴収法の規定によりまして徴収猶予をする場合におきましても、例えば病気になつたとか或いは災害に遭つたとかいつたような場合で徴収猶予をします場合は、利子税を減免することができることになつておりますので、これに関しまして、例えば営業上の重大な損失を蒙つたとか、その他納税者の責任もあるといつたような場合におきましては利子税を減免する規定を置いていない。ところが最近の状況から鑑みますと、どうもいろいろ事情がありまして一遍に利子税を徴収するのはどうも如何であろうかという面もございますので、国税徴収法の規定に基きまして国税徴収を猶予するという場合、それから滯納処分の執行の猶予をする場合につきましても、昨年新たに国税徴収法を改正しまして規定を設けたのでございますが、そういう場合におきましては、止むを得ざる事情ありと認める場合におきましては利子税を減免し得る規定を追加しまして、納税者の実情に則し得るようにしたい、そういう趣旨の改正でございます。
次は資産再評価税の一部を改正する法律案でございますが、これにつきましても、先般からこの中の事項は御説明申上げている事項が多いのでございますが、一つは相続が開始しました場合におきましては、先ほど譲渡所得税の課税について申上げましたように、同時に再評価税も課税するということにいたしていたわけでございますが、相続開始の場合におきましては再評価税も譲渡所得税も課税をしないでおきまして、その資産を相続人がのちに実際に処分した場合に課税することにしようというふうに改めようというのでございます。
それから第二の点は讓渡又は贈与の場合の再評価税につきまして一定の軽減をしよう。この再評価税の例えば償却資産の再評価の場合の再評価税につきましては、これは適用するつもりはございませんが、不動産なり株式等を処分した場合におきまして、いわゆるみなす再評価といたしまして再評価税にかかる場合、こういう場合におきましては讓渡所得税と同じように小額のものを排除する場合におきまして、十万円の控除をいたしたい。これによりまして負担の軽減と、課税や申告が非常に簡素化されるものと期待しているわけでございます。
それからその次は賠償指定施設に対しまする償却と再評価税の納期の特例に関しまして規定を設けた点でございます。法人が指定を解除された賠償指定施設につきまして帳簿価額をつけた、つまり一旦零にいたしました記帳価額を従前の帳簿価額につけ替えた、このときにおきましては、先ほど申上げましたように、その差額に対しましては法人税を徴収するのでございまするが、今までの償却不足をどうするか、これは零に記帳しておりますので、新旧勘定併合後は償却を認めておりません。併し現実におきましては、実際に動いていた場合が多うございますので、従前の帳簿価額に相当する額まではこれは遡つてやはり償却を認めたほうが妥当ではないか、こういう意味におきまして、その部分につきましては一時に償却することを認めようという趣旨でございます。これはこの規定がございませんと、勿論再評価、この帳簿を新らしくつけ替えた後におきましては、税法上の償却はできますが、新旧勘定併合後帳簿をつけ替えるまでの期間は償却が一つもできないということに相成るわけでございまして、それをこの規定によりまして認めようという趣旨でございます。
それからいま一つは、こういう法人が従来の帳簿価額よりも高い再評価をする、これは認めるのは当然でございまして、賠償指定施設の指定が解除されました後におきましては、この再評価をすることを認める、これはもう再評価法でかようになつております。ただその際におきまして、再評価税の納期につきまして一般の例によりますと、法への場合ですと、昭和三十年十二月三十一日を含む事業年度までしか延納を認めていないのでありますが、それではやや酷に失しますので、指定解除があつた日から五年を経過をした日を含む事業年度までその納期を延長することにいたしたい、つまり指定を解除した事業年度から五年間再評価税の延納左認めることにいたそう、そういう趣旨の改正でございます。以上二点が再評価法に基きまする賠償指定施設に対する再評価の場合の課税の特例でございます。
最後は、これはもう技術的なことでございますが、相続等におきまして再評価税がかかる場合でございますが、その際には相続税の延納利子と同じように今四銭になつておるのを二銭に引下げようというのでございます。相続税の翌年度の利子と同じようにしようとする規定でございます。
その次は、通行税法の一部を改正する法律案でございますが、これも比較的小さい改正でございます。その一つは汽車電車等の特別二等車のいわゆる座席券については、現行税法ではどうも規定の解釈上課税するのが無理のような点がございまして、課税いたしていなかつたのでございますが、これはやはり事柄の性質上当然課税すべきものでございますので、今回法律を改めまして、特別二等車等のいわゆる座席券に対しまして新たに通行税を課税しようという趣旨でございます。それから第二の点は、納付手続でございますが、まあ国有鉄道は広く全国的に営業いたしておりまして、毎月はつきりした税額を納めるということは非常に無理でございます。従来も成る程度扱いで、概算納付を認めていたのでございますが、これはやはり法律にはつきり根拠を置かないと面白くない点もございますので、今回その規定を設けまして、或る月の通行税は翌月末までに一応概算で納めまして、その次の月に精算いたしまして通行税の納付をはつきりさせる、こういう改正を加えることになつております。
それからその次は、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、まあこの点につきましては、最近における所得税の負担の状況、所得が一般的に前回の改正の際よりも増加しておる状況等に鑑みまして、軽減の適用区分を改正することにいたしたのでございます。即ち現行法によりますると、所得金額十五万円以下の場合におきましては、災害等によつて甚大な被害を受けた人の場合は、所得税の全額を免除することになつておりましたのを二十五万円以下までのときに全部免除することにいたしました。それから三十万円から十五万円の人につきましては、所得税額の半分を軽減いたしておりましたのを今回は五十万円から二十五万円までの間の人につきまして半分を軽減することにいたします。従来は三十万円を超えますと、この減免法に基く軽減、免除はいたしていなかつたのでございます。ただ所得税法におきまして災害を受けました場合には、被害の金額を課税所得金額から控除しておつたという規定でございます。或る所得者は主としてその規定の運用によつてやつていたようでありますが、併しこの災害救助法の減免は比較的簡易なものでございますので、やはりこういう趣旨においても、もう少し上の所得階級まで十分実情に即したほうがよかろう。半分軽減で打切つておつたのを、今度は四分の一軽減という段階を一つ設けまして、八十万円から五十万円までの間の人につきましても、甚大な被害を受けました人につきましては、所得税の額の四分の一を軽減することにしたい、こういう改正でございます。勿論これはすべての人について同様でございませんが、所得税法におきます損害額を課税所得から控除するという、それを利用したほうが有利な人の場合におきましては本人の選択によりましてそちらを選択し得ることになつております。でございますが、そのほうはやはり相当損害額の見積りその他につきまして問題がございますので、中小納税者の場合におきましては、むしろ家財の半分やられたとか、或いは住宅が半分滅失毀損したとか、そういう比較的簡単な基準でこのような減免をしたほうが便利な場合がございまして、そのような意味におきまして災害被害者に対する減免の比率は実際上相当適用されておるようでございます。それを改正しようというのが今回の趣旨でございます。
それからその次の申告納税者の場合の災害が途中であつた場合の税額の還付、それから源泉課税の納税義務者の場合におきます、やはり年の途中に災害があつた場合の税額の還付等につきましても、現在は例えば給与所得者の場合でありますと、一応徴収猶予をしておきまして、翌年はつきりさせることになつておつたのでございますが、一応経過した後に減免の処分をいたすことにいたしておつたのでございますが、途中におきましても経過におきましても、一定所得以下の所得がありましてはつきりしたものは、それまでに納めた税額を返し得る措置を講じまして、でき得る限り災害のありました場合におきまして、納税者の立場を考慮しました税の軽減措置をいたそう、こういう趣旨で改正をいたしたような次第でございます。
以上大体四法律案につきまして、その要点を補足しまして御説明申上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/55
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056・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) これに対して御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/56
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057・小林政夫
○小林政夫君 予算の説明書ですかを見ると、例の遺家族の老年者及び未亡人並びに傷痍軍人について一般より五割増し、この措置がつまりこの租税特別措置法等の一部を改正する法律案に出るかと思つていたのですがこれにもない。これはどういう方法でやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/57
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058・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) あのほうは、御承知の通り遺家族援護法という法律が、名称については若干問題があるようでございますが、出ることになつておりまして、その附則で所得税法の改正を行うことにしたらどうか、こういう意味におきまして、向うの法律の附則に実は載つかることになつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/58
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059・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、まあ先日の議論と同じことになるのでどうも……。これにもあなたのほうも同意されたわけですね。やはりこの租税特別措置法でついでに、こういうふうにやるのだからやつたほうがいいのじやないかと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/59
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060・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは所得税法自体を改正しようという趣旨の改正でございまして、であの場合におきましては本体になります遺家族の援護というのは非常に大きな一つの目的がございまして、それに附随しまして一つの附加的な措置といたしまして、所得税の軽減を行おう、こういう趣旨でございますので、そのような形式をとりましても産業合理化法とはややちよつと趣きを異にする、産業合理化法の場合は小林さんからお述べになりました通り、むしろ特別償却自体があの法律の主たる部分を占める。そういう意味におきまして私どもといたしましても、できればやはり税法改正自体といたしまして出したほうがいいのじやないか、こういう意見を持つておつたのでありますが、援護法の場合はややそれとは、ややではございません、大分程度は違うようでございますので、そのような方式をとる必要はない、かように考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/60
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061・小林政夫
○小林政夫君 余り税法を……、あつちこつちの法律でここにもある、ここにもあるということになると、あなたのほうはいいとしても、出先のほうは困るのじやないかと思います。やはりこの特別措置法でやることが……、援護法でこういう援護をやるのだ、こういう援護をやるのだというふうに遺家族に宣伝周知せしめる上におきましては、遺家族を対象とする場合にはいいかも知れませんが、徴税を行う人の立場から言うと、あの法律にもある、あの法律にもあるということになると、これはやりにくいと思いますが、これは遺家族に周知させるということについては、何も一つの法案にならなくたつてやる方法はあるし、是非これは今後はこれで統一してもらつたほうがいいのじやないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/61
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062・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) その点は実は遺家族援護法の附則で所得税法自体を改正しておる。従いましてあの援護法が通りまして公布されますれば、所得税法自体が実はその部分につきましては改正されまして公布される、こういう結果になりますので、国会の御審議の都合上は如何かと思うのでございますけれども、あとは実際に適用しまする場合におきましては、その点の問題はないかと存じます。
それから適用を受ける範囲等につきましては、どうしてもやはり援護法の本文の規定を援用し、そこに乘つからざるを得ない、乘つかつたほうがお互いに便利でございますので、そういう関係にございますので、ややお話のような点もございますが、そう大きな支障はなかろうという趣旨で今回はいたしましたことを御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/62
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063・黒田英雄
○黒田英雄君 特別措置法要綱の第四、これは「重要な工業所有権等に対する」とありますが、それから又その次は「日本経済再建のため緊要な事業に使用する工業所有権等の使用料」とあるのですが、これはどういう標準で以てきめられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/63
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064・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) なお先にちよつと失礼でございますが、先ほどの小林委員の御発言、私どもも今後注意いたしたいと思つております。附加えておきますが、今回いたしております住宅の施設は、実は一部には住宅建設促進法といつたような考えがありまして、そこの中に住宅組合等の規定と一緒に入れたらどうかという意見がありましたが、これはやはり面白くない、これはやはり租税特別措置法で行くべきであるという考え方で、そういうものと別個に提案いたして規定いたしておることを御了承願います。
それから只今の黒田委員のお尋ねでありますが、これは現在も御承知の通り外資導入に関しまする租税特別措置法の特別規定で一定の業種を指定いたしております。大体あれと同様な方法によりまして規定いたしたい。大体におきまして現在日本で使用を認めておりますのは、外資委員会の認可を経て認めておりますので、殆んど大部分はそういうものが入るようなふうにこの範囲を指定いたしたいと考えておることを御了承願います。ただ一部では、調べてみますと、何か販売方法等の改善等のための特別の考慮を払つておる例もありますけれども、そういう種類のものは除外しても止むを得ないのじやないかと思います。或いはその他一般に外資委員会の認可を経まして日本に入つて来ております特許権につきましては、大体入りますようにいたしたい、現在も指定いたしております業種に若干新らしい検討を加えておりまするが、追加いたしますると、同様の規定が改正されることになろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/64
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065・黒田英雄
○黒田英雄君 生産の技術等のようなものは大体皆入るわけですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/65
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066・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 外資委員会等で認可を経ましてやるようなものは、大体入つております。今後認可がなくなつたような場合どうするかという問題は別問題でございます。現在のところは殆んど大体入る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/66
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067・黒田英雄
○黒田英雄君 それから先ほど御説明があつたようですが、使用料についていろいろな使用者の国において課税等があれば、それは使用者の負担だという工合になつておるように私聞いておるのですが、その場合においてこれは源泉で取るのですから、無論向うの、この工業所有権者に間接に課税するということにまあなるわけなんですね。納税義務者としての工業所有権者になるわけですね、外国の……。その場合に今お話では向うで、仮にアメリカならアメリカとして、今二重課税の排除について御議論があるようですが、あれができればこつちで課税すれば、向うでは免除されるということになるのですから、そのこちらで負担するということはやめてもらいたいということを、まあ交渉する期間を与えるというような御説明であつたのですが、それは相手方があることですから向うでそれは困る、初めから課税されたらそれはお前のほうの負担になるものとしてやつているのだから、更に自分のほうで返してもらえんかと言つても、それはいかんと言えば、なかなか問題はむずかしいのであつて、使用料がそれだけまあ高くなつておる関係になるわけですね、この法律では……。その場合において向う側で、こちらで課税されたからといつて向うでは更にそれだけを返してもらうというふうな、負担はこつちへさしておいて、向うは向うでそれを返してもらうというようなことができるような心配はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/67
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068・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) その点につきましては、若干そういう心配はする向きもあるのでございますが、まあ私ども二重課税の、條約の下打合せをいたしました際におきましても、現在各国の、一流国の所得税法の原則はいわゆる発生地主義と申しますか、その国におきまして生じた所得に対しましては、その所得者がどこに住んでいようとその国で優先的に課税する、この原則はアメリカもイギリスもフランスもドイツも、全部主な国は大体どの国も認めておるのでございまして、むしろ日本の側におきまして所得税法は若干その点が少し国際的な行き万と立ち遅れていたと申しますか、少し寛容にできた次第でございまして、今度所得税法を変えまして、先ずこの原則を設定したらというのがこの今度の改正の趣旨でございまして、特許権でも映画の使用料でも、日本に使わして、日本で運転さして、日本で生まれた所得を外国へ持つて行くという、そういうものにつきまして日本ではやはりそう考えて、高率課税は無理ですが、国際的に認められた範囲の或る課税をするというのは、これはもう異存はないと思います。国際法で行きましても当然のことと思います。実際問題といたしましても、アメリカとの間に下打合せをしました場合にも、そういう原則論については一つも異存はない。向うでは、最近の傾向として、頻りにいい傾向だということで、承認しておるくらいの原則でございます。そこで問題は、併しだからといつたつて、二重課税をしてはいけないというので、相互に條約を結びまして、発生地で課税する税額は、お互いに話合いできめまして、その程度をきめているのでございますが、住所地で課税する際におきまして税額を控除しよう。つまり日本で課税になりました所得税が日本で発生しだ所得につきまして、日本で課税された所得税額は、その所得者がアメリカに住んでいるためにその所得者は全部の所得に対して課税されるわけでございますが、課税する場合の税額から日本で納めるところのものを控除して課税しよう。こういう方向で二重課税を調整する。これも現在各国間に確立された一つの原則になつております。それでアメリカは更に一歩進めまして、どうせそういう條約を結ぶことになるということを前提にいたしまして、現在でもそれは控除する、すでに外国で納めた所得税はアメリカ側で課税する場合におきまして、アメリカの税額から控除するという規定を設けておるのでございます。それで條約を結びますと、国際的にアメリカは縛られる。こういうことになるわけでございまして、従いまして私どもそういう点から考えますと、御指摘のような件は日本の税法が変りましたに関連して、当然相手方たる当事者の申出を拒否する理由はないのではないか。拒否するということになりますと、日本でかかつた税額だけ実は特許料は値上げになつてしまう、向うが現状を維持しようと思えば当然その契約の方向において非常にいいわけです。税法の改正を機会に向うが値上げをしたいという意図があれば私はむしろ別だと思うのですが、そういう事情がない限りにおきましては、当然これは公開に応じられる筋合のものではないかというふうに考えておりまして、まあ従いましてそういう点私どもといたしましても、そういう点につきまして、でき得る限り民間の交渉せられまする場合におきまする立場につきましては、できる協力ならば協力して行きたいと思いますが政府で余り干渉するということはできませんので、何らかの方法で円滑に公開ができるように配慮をしてみたいという意思は十分にございまするし、どうも拒否する理由は私はないのじやないか。そういう点もはつきりこの速記録に勿論残さして頂きたいというような考えを持つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/68
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069・黒田英雄
○黒田英雄君 今のお話の、値上げをこの際しようというなら別ですが、そうでなければ向うで返してもらつてですね、こつちの分はそれだけ向うが負担するのは当り前ですがね。けれども初めから約束で税はお前のほうで負担すると言つてあるから、つまり喧嘩されないでですね。その人の負担が使用者の負担になつてしまうというような、向うで返してくれなければそれでもいいわけなんですが、併しそれは税は納めたに違いない、納めたけれども自分の懷ろからは納めないで、使用者が払つてくれたんだ、払つてくれたんだから納税はしておるに違いないのだから、アメリカで返してくれというような要求をして事実上値上げをしたと同じような結果を得るというようなことのできる危険はないですか。その点はどうですか。それはこちらからそいつは納めたということを、住所地に通報とかなんとかやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/69
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070・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) その点は実際上の交渉のことでございまして、私どもどういう方法を講じたら一番目的を達成するかということにつきましてまで、どうも余りいい意見を持ち合わせてないのですが、現在までは日本で所得税等が課税されない建前になつていたから、恐らく日本の使用者はそういう條項に大した関心を示さないで、恐らく応諾しておるのではないかと思われるのでございます。併し今度はつきり国会で法律が通りまして、それに対しまして新らしい問題が生じて参りました場合におきましては、相手方が実害を受けることはないのでないか、当然それは公開に応ぜられないという理由はないではないか、而もこれが日本が一方的にこういう措置をやりまして、国際的に而も反対の方向をとるということでございますれば、これは私問題だと思います。併し大体国際的に認められました慣行に従いまして、而もアメリカ政府等とは緊密に話合いを遂げました上で、今実行に移そうという趣旨でございますから、私は普通の人でございますれば当然応諾すべき筋合のものではないかと、実際問題としまして、然らば必らずそうなるという保障を与えるかというお話でございますと、そこまではお話申上げにくいと思うのですが、話の筋合としましては、当然そういうふうに話ができるはずのものではないかと、まあかように私どもは考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/70
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071・黒田英雄
○黒田英雄君 アメリカあたりとは今話合いされておるということであるのですが、ほかの国のほうはやはりそういう話合いは今年末までにですね、済むというような話が目算があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/71
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072・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) まあ今入つて来ておりまする特許権の大部分はアメリカでございますが、まあ若干の部分がスイス、ドイツ等から入つて来ている部分があります。これらの関係も調べてみますと、アメリカとの間には大体やはり日本でアメリカと結ぶと同じような趣旨の、二重課税の防止協定を結んでおるようであります。従いまして私どもこれらにつきましても同じような方法で二重課税を防止するような措置を講じて参りたい。それが必ず一月一日までにできるかというお話でございますと、そこまではお話し申上げにくいと思いますが、できるだけ早い機会に実現いたすようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/72
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073・黒田英雄
○黒田英雄君 若しそうしますというと、その交渉が非常に遅れるようならば、更にこの施行期日を延期するというお考えはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/73
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074・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは一つのまあ考え方だと思いますが、私今回改正しようというのは、これは実にその国際原則にかなつた又日本国の立場といたしましても、今特許権の使用料だけで年額三十億円程度支払つておりますが、使用料だけでございますが、それに対してやはり全然課税しないというのは、どうも所得税法の建前からいいますと面白くない。そういう趣旨が基本になつてこれはやるのでございますが、実施につきましては、成るべく今すでに契約せられるかたがたの負担はできるだけ殖えないようにいたしたい、そういうことにつきましては十分な配慮を加えたいと思う次第でございますけれども、どうもいろいろな事情なり、いろいろな故障等がありまして、場合によりますと、若干そういう点につきまして負担が加わつて来るということになりましても、これは課税の原則といたしまして、若干の程度ならばいたし方ない場合もあろう。併しでき得る限りそのようなことがないようにして参りたい、又それは一月一日までにできなくてもその後話合いができれば恐らく一月一日から案施されれば課税しました源泉課税につきましても当然私は調整ができるのではないかと考えておる次第でございまして、今一月一日以後の問題につきましてはここではつきり申上げることは少しどうかと思う次第でございます。まあそのときの事情によりまして、なお且つ再検討しなくちやならん場合も出て来るかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/74
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075・岡崎真一
○岡崎真一君 今の問題に関連しまして、今度は逆の問題でありますけれども、日本から向うへパテント等を売る場合ですね。まあそれを一本内地で使う場合は別として、外国に送るような場合も最近ないこともないと思いますがそういう場合において逆の立場からこういう問題が起ると思います。そういう場合に日本としてはそういうような外国へ売るようないいパテントをそういうものを奨励する意味において課税の問題が日本では起ることが考えられるのですが、これについてはどういうようなことが考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/75
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076・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 非常に御尤もな御質問でございまして、まあそういう問題がございますので、アメリカとの間にも二重課税について條約を結ぼう、それで條約ができますれば、日本でもアメリカにならいまして、アメリカで納めましたアメリカの税額を日本に総合課税します際の所得税なり、法へ税から控除する、そういう條約を実行するようにして参りたいと考えております。従いましてどの程度それぞれにおいて課税するのか、これが問題でありますが、アメリカは現在実は今問題になつておりますようなものに対しましては三〇%の税率で課税しておる、つまり外国人に支払うところの特許権の使用料程度の使用料、或いはその他アメリカにちよつとおりまして、短期に滯在して、向うで月給を得るような場合に対しましては、一拳に三〇%程度アメリカでは課税しております。それを二重課税の條約を結びまして若干ずつ軽減いたしております。それは結局そういう所得に対しまして、或る程度発生地で優先して課税するわけでございますが、又お互いの負担関係等考慮しまして、余り高く課税するのは妥当でないという見地からしまして今の考えでは大体一五%ずつ課税することにしまして、ずつというと語弊がございますが、源泉では一五%程度の課税を認めまして、その分は相互に控除するということにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/76
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077・菊川孝夫
○菊川孝夫君 酒のやつですが、第一の二ページの(3)、「臨時物資需給調整法の廃止に伴い、従前通り配給酒類について酒税の加算税を免除するため必要な規定を設けること。」と、これで特別措置法の二十五條によつて「生産の奨励その他の用に供するもので命令で定めるものについては」、これは一体具体的に申しますと、どういうものを指すのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/77
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078・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 大体具体的に今考えておりまするのは、主要食糧の増産や或いは供出の報奨、つまり農家に対する特別配給、これを一番中心に考えております。その次は震災、風水害等によりまして、応急の必要に応じまして、災害用としまして、復興事業等に従事しました者に対しまして特配をする、これもやはり継続をいたしたいと考えております、それからもう一つは、密造取締を盛んにやつておりますが、これはやはりいろいろ問題がございますので、そういう取締に関連したものでございます。そういうものが主たるものでございます。従来はそのほかに鉱工業に対しましても相当特配をいたしておりましたが、まあこの点につきましては、先般も申上げましたように、案はどうも今までのようなやり方は少くとも改めたい。今の考えといたしましては、できれば全部やめてしまう段階に来ているのではないかと思つておりまするが、併し一部の例えば石炭とか、鉱山の炭坑の中に入るとか、こういうような人の場合におきましては、やはり何か配給を継続してくれないかというような強い要望等もございますので、まあそういう問題につきましては若干研究するという考えをいたしておる次第でございます。主たる部分は農村方面に対する特配とお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/78
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079・菊川孝夫
○菊川孝夫君 この生産の奨励特配酒でございますが、例えば今度電源の開発等で労務者は山奥へ相当入つて行く、やはりこういつたようなものには私は命令で定めるべきではないか。それから一般の労務者にも、場所を限りまして、労務用の特配酒販売所、特に港湾労働者であるとかいつたような連中は酒がなければ仕事ができんわけですな。それから小運搬の、運送店の仲仕といつたような重労働に従事する者、こういつたものには必要施設の傍に指定の販売所を設けてコップ酒を売らせると、そういうところには特配酒を売らせるというような方法はやれないのですか。又職場を通じて今まで労務者に相当特配をやつておつたのですが、これは今度は全然なくなつてしまうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/79
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080・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) どうも本年度までは相当範囲を広くしまして一年に上下一升ずつくらいですから、一年に二升くらい配給しているのが相当あるのでございますが、どうも普通一般の地上労務者に対しまして配給するのは、もう情勢がそこまで必要がないのではないかと考えております。先ほど申上げましたように、炭坑労務者とか、非常に何と申しますか、ヘビー・ワークをやりまして、酒類に対して必要度が強いもの、そういうものに限りまして或る程度配給をするかしないか、そういう問題につきましてはなお若干研究してみたいと思つております。今お話の電源開発等の場合にどうするか、これもそのときの事情によりまして、まあ大した数量には上らんと思いますので、予算を狂わすほどのものではないと思いますので、そのときの範囲、実情等に応じて研究することにしてみたいと思つておりますが、まあ併し一般的には農村以外の鉱工業の配給は、これは原則としてもう今度はやめる、どうにも必要止むを得ざるものにつきましてはなお今後よく研究した上で必要あれば実行する、こういう考えで実はおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/80
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081・菊川孝夫
○菊川孝夫君 その災害復旧につきましては、これはまあ例えば鉄道の事故だというようなものがあつた場合に、これなんかも国鉄あたりから要求した場合には、この災害復旧の特配酒を出すことになるのでございますか、これはどういうような処置をおとりになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/81
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082・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これはやはり或る程度地域的或いは範囲等からいたしまして、相当広汎な範囲に亘りまして、社会的にも如何にもひどい、気の毒だというような災害がありました場合に従来やつておりまして、極く小さい事故等がありました場合におきましては従来も余りやつておらなかつたと思います。その辺のところは実情に応じまして適切を期したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/82
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083・菊川孝夫
○菊川孝夫君 災害復旧という場合には、これはその天災地変の復旧、こういう意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/83
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084・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 主としてはそういうふうに考えておる次第でございますが、併し列車事故等も非常に莫大な事件等がありまして、その復旧に相当な激しい緊急な労働を必要とする、そういう場合には、そういう復旧を早くするためにやはり酒の配給が非常に有効である、こういうような場合が仮にあるとすれば、これは私考えてもいいと思いますが、従来の例によりますと、余りそういう例はどちらかと申しますと少いのじやないかと考えておる次第でございます。その辺のところは或る程度実情に応じてよろしきを得るよりほかないのだと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/84
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085・菊川孝夫
○菊川孝夫君 これは今まで労務用特配というやつで、はつきり言いますと、酒というものは、これは半分くらい税金を飲むようなものでありますから、その面においてこれは労働者にとつては相当有利な特配であつたわけでありますが、これを全面的に廃止してしまつて、農家だけは残すと、この理由はどうもよくわからないのですが、まあ廣川農林大臣あたりから大分ねじ込まれたらしい話ですが、それでこの農家だけは残すということになつたのだと思いますが、農家を残すということになつて、もう鉱工業労働者のほうは全然必要はないということになりますと、やはり農家のほうも同じようなふうに私は考えるのでございますが、これは一体農家だけを残すという理由は、鉱工業生産労働者のほうの特配も必要はなくなつたというような情勢では、農家だけを特に必要だという理由はどうもちよつとわからんのでございますが、而も供出したその報奨に今もう酒を出さなければならんような時代ではないと思う。酒をああいう配給切符制で酒給しておるときならば、これは酒を特配でやるということも必要だろうと思いますが、百姓は酒を好むからということになれば、重労働者の連中なんかは皆酒がなければ立つて行かんと、こういうことになるのでありまして、必要性では一緒だと思うのですが、一体差別待遇をする理由ははつきりした根拠はわからんのですが、平田さん、どういうところから差別待遇をされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/85
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086・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは一つは……別に農林大臣から非常に注文を受けてやつたわけではございません。実は御承知の通り農村の密造という問題が社会的にも大きな問題になつておりまして、これを私どもはできるだけ少くいたしたい、これは鉱山地帶の密造でもやはり同じでございますが、農家は何しろ酒を造る原料を持つているので、自分で簡單に造つて飲む、惡いところはそれを売つて変なことをしておるということもありますから、農村の側におきましてはそういう事情もやはり頭に入れて考えざるを得んのじやないかという考えでございまして、そのためにはやはり増産奨励用、或いは供出しました場合におきまして或る程度安い価格で供給してやる、それによりまして間接的に密造対策等に資するというようなことも私は相当意味があるのではないかと存じます。工場、鉱山等におきましても、間接にそういう労務者相手に密造酒を造つて売るほうの対策を考えますと、まあ若干類似の事情もございますが、農村では若干その程度が違いますので、そういう点も併せ考慮しまして、この農家に対しましてはもう少し一つ継続して配給してやるようにしたらどうかと、まあこういう考えでございます。それで鉱工業等につきましても、先ほど申上げましたように、一応全部やめる方針でいたのでございまするが、菊川さんの御意見もございまするし、又あつちこつちからの意見もございまして、今やはりもう広汎に過ぎておりますので、これはやはり整理いたしたいと思いますが、どうしても酒が緊急に必要なもの、こういうものに対しましては、おのずから数量を限定いたしましてなお引続きやるかやらないか、酒税収入に影響を及ぼさない範囲内で一つ実行できればやつてみるかどうか、目下若干検討中であることを附加えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/86
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087・菊川孝夫
○菊川孝夫君 まあ考慮されるということですから、結構だと思いますが、今密造の話が出ましたが、それとからんで港湾労働者なんかおるところには、密造の燒酎を持込んで参りまして、安いものに仲仕連中や港湾労働者が盛んにたかつて、そうしてそのために健康を損ねるというやつが横浜、神戸等に行きますと特に多いのであります。而も三国人あたりが密造の燒酎を持込んで来て、而もそれが安いから皆密造燒酎のところにたかつて行つてしまうから、ああいうところに特別の指定飲酒所というものをこしらえて、切符でも渡してやつて、今までのような頭割の配給をするというようなことになりますと、横流しというようないろいろな弊害もありましよう。従つて、一カ月間働いた者には切符を何枚やる、その特殊のところへ行つて飲めば安く飲めるというような方法もお考えを願つて、或る程度重労働者に特配をやる、農家にだけ特配をやらないで、こういう連中は酒なしには立つて行かれん連中だから、こういうものにも特配するということを一つ講じてもらいたいと思うので、まあこれは考慮されるということですから、この辺で質問を終つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/87
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088・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) なおちよつと附加えておきますが、以前は大分配給酒と自由販売酒との間に値段の差をつけておりましたが、最近は価格も大分縮めて参りまして、価格の差は、現在は自由販売酒五百六十五円に対しまして配給酒が四百八十五円、大体一割五分くらい安くなつております。それから燒酎が一般のものが四百二十円に対しまして特配酒が三百六十円、これもやはり一割五分くらい安くしておる。まあここまで接近して参りますと、余り特配酒自体の何と申しますか、特配の価値もそれほど大きくない。これを相当広汎に少しずつばら撒いても意味が少いのじやないか、こういう意味で整理しよう。併し農村は何と申しましてもこれは酒を造る原料を持つておるので、それでありますから、これはやはり或る程度安い酒を供給するということが、偏頗の扱いをするという意味じやなくて、私は常識から行きましてやはり尤もじやないかと、その他のものにつきましてはこの際大いに検討しまして、全廃又は大縮小するという考えでおりますことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/88
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089・菊川孝夫
○菊川孝夫君 その次に汽車、電車等の特別二等の料金に対し新たに通行税を課するということになつておるのでございますが、これはもう特別二等は普遍化いたしまして、どんどん今普通二等は特別二等に切替えつつあるので、あれを特別二等だけ通行税をかけるということになると、あれは三百円料金を出すのですが、どのくらいの税金がかかるのか。それからもう一つは、特急に乘りました場合には、特急は今全部特別二等でございますが、そうすると特急料金のほかに又かかるのでございますか、この点を一つお伺いいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/89
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090・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは通行税の税率は御承知の通りに二割になつておりますが、二割の通行税を課税しよう、そうして以前は、非常に近距離は別といたしまして、二十五キロ以上の三等乗客にも全部低い税率で課税していたのでありますが、これは大衆課税のそしりを免れないというので、昭和二十五年度の改正で、二等以上に課税しよう。その代り二等以上に対しては、担税力もあるから若干高い税率で課税しようと、従来は五%の税率でありましたのを、二等以上二割課税することに、実は通行税を二十五年に変えたのでございます。その後特別二等車というものができまして、特別の座席料と申しますか、特別の料金を取ることにした。これは税法の趣旨から行きますと、当然これも課税すべきものでございますが、解釈上無理でございましたので、課税しないでいたのでございます。併し、やはりよく考えてみますと、法律を改めまして課税したほうがよいのではないかという趣旨で今回課税することにしたのでございます。併し国鉄におきましては、すでに先般の料金の改正の際にこのことを考慮に入れまして、二十七年度の予算ではこれに対する税額の増加はすでに見積つて計算いたしておりまして、料金は特に引上げにならなくてもというような関係になつておるようでございます。なお、七千万円程度通行税が殖える計算になるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/90
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091・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、この特別二等車に乗つた場合、今は三百円だと思いますが、この三百円にはもう二割の通行税は含まれているのですか。これは距離には影響ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/91
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092・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 以前は距離に影響なく百円でございましたが、非常に料金が安いというので、前回の鉄道料金改正の際に変りまして、三百キロまでが二百円、それから六百キロまでが三百円、千二百キロまでが四百円、千二百キロ以上一キロ超えますと百円、この程度の累進料金になつておるようでございますが、その際に或る程度通行税がかかるということを考慮に入れましてできておるようでございますから、これの措置によりまして特別料金は必要ないということになつておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/92
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093・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 本案に対しまする質疑は本日はこの程度にとどめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/93
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094・小林政夫
○小林政夫君 ちよつとさつきの黒田さんの質問に関連いたしまして、先般日米租税協定のときに、私も同様の質問を平田さんにしたのですが、その後公聽会で原安三郎氏が、今度は私はあなたの立場になつていろいろ聞いてみたのですが、やはり黒田さんの言われるように、相当こちらが弱いので、どうしても税金を取られるというような話だつたのですが、日米租税協定のときにアメリカの財務当局に十分その趣旨を徹底させるということを、これはまあ申すまでもないと思いますが、念のために、あなたのほうで協定の際に十分了解を得ておいてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/94
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095・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 御尤もでございまして、少くとも政府間におきましては、できる限りそのような改訂がしやすいような方向に宣伝説明等を行うようにして参りたい。先方にもその趣旨のことは一つ私のほうからも頼んでみたいと思つております。ただ、政府の業界に対するいろいろな発言が、アメリカではどの程度きくかきかないか、その点は別問題でございますが、できる限り私ども合理的な修正に応じてもらうように、できる限りの力を盡してみたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/95
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096・小林政夫
○小林政夫君 アメリカ国内に一つしつかりとお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/96
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097・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 次に所得税法の一部を改正する法律案と、法人税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、右三案について質疑を行います。それで先ほど議事進行について、理事打合会を開きましたが、その結果を報告申上げます。この税法三案につきましては本日から三十日まで三日間で事務当局に対する質疑は終り、二十一日から二十三日までは委員会を休むことにいたしたい。二十四日に、即ち来週の月曜日に大蔵大臣に対する質疑をした上、なるべくその日に採決をする方針で進むことにきまりましたので御承知願います。ついてはこの事務当局に対する質疑は明日、明後日二日で終了したいというふうに打合せましたので、各会派におきましてそのように御配慮願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/97
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098・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それは只今理事会できまつたことであるようですが、大蔵大臣に対する質疑は一日ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/98
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099・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/99
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100・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはどういうことなんです。これだけの大きな税法を、大蔵大臣一日というのはあまり不見識じやないですか。私は一応それはまあどういうことになるかわかりませんが、一応事務当局に資料をもらつたり、事務的なことを今まで聞いているわけですから、何ぼ何でも大蔵大臣一日といふことはどういうことか僕のほうは理事が出ておりませんから、それできまつたということで強行されるならば、仕方ありませんけれども委員長も常識として、この税法案が大蔵大臣が一日だけ来て済まされるというのは、それで済みますか。済めばいいのですけれども二十四日一日だけというのは……、それで予算は大体二十七日頃になると思うのです。ですからまあ予算との関連で二十四日に無理に上げなくても済むのじやないですか。どうしても支障があれば仕方がありません。そうなればもつと、もう少し大蔵大臣も前に来てもらつて二十二日頃に来てもらつて、二日ぐらいやるというのがどうですかね、それが、これは少数意見で駄目ならばあれですけれども、私は一つ自分の考えとしてそういうふうにして二日ぐらいは来て頂かなければできない、相当これに関連する問題があると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/100
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101・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて下さい。
午後三時二十四分速記中止
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午後三時四十分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/101
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102・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始め
て。
それでは税法三案に対する質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/102
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103・木村禧八郎
○木村禧八郎君 これはちよつと細かい問題ですが、主税局長にちよつと伺つておきたいのですが、こういうことを聞いたのですがね、この医師会のほうですね、医師会で健康保險料の値上げの問題をまあ運動しておりましたが、これが実現困難になつたので、所得税を課税する場合の標準率と言いますか、あれを大体今まで五〇%から六〇%くらいを標準にして課税をしておつた。ところが医師会のほうからの申入れがあつてこれをまあ非常に下げた。こういうことを聞いたのですが、これは税法違反になるのではないか。こういう意見があるのですね。この点主税局長はどういうふうにお聞きになつておるか知りませんが、どういうふうに御覧になつていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/103
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104・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お答え申上げますが、大体事情を申上げますと、一昨年でございますか、二十五年分の所得の計算に当りまして、一般のお医者の診料の場合の標準は今お話のありました程度のものでございまして、社会保険はその当時から若干所得率が低いというので、それに対しまして一割乃至三割くらい斟酌して適用することができることにいたしておつたのでございますが、更に二十六年分の所得の計算に当りましては、御指摘のような値上げの問題がありまして、それに関連いたしましてどうも従来の大蔵省でやつておりまする標準率が高い。こういう問題が一緒に出て来まして、これをできるだけ実情に即させようじやないかということになりまして、二十六年分としましては大体三〇%程度、実情によりましては更にもう少し下げ得るというようなことにいたした次第でございます。これはよく調べて見ますと、一点單価は御承知の通り余り上らない、上りましても僅かで、而も年末頃に上つた。それに対しまして薬のようなものは、木村さん御承知の通り朝鮮動乱以後比較的早く上りまして、二十六年の初め頃から大分上つていた。従いましてそれだからこそ早く診料を値上げしてくれ、こういう御要望があつたのでございますが、まあそういう事情がございましたので、大蔵省におきましても或る程度調査しました事実にも基きまして、この際としましては、二十六年分としましては、三〇%程度がより実情に即するのではないか、こういう意味で、そういう趣旨の通達を各地方官庁に出した次第でございます。従いましてこの問題は例の一点單価の値上の問題に関連しましてきまつた問題ではございまするが、やはり私どもといたしましては相当実情に応ぜしめるためには、そのような措置をとることが妥当であると考えまして、実は実行に移したような次第でありまするので、その点御了承願いたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/104
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105・木村禧八郎
○木村禧八郎君 実際の問題として、実情はよくわかるのですが、税法の建前上、一点單価の問題と、所得の税金をかける場合の、所得の標準率を下げる下げないの問題とは、これは一応区別しなければならないと思うのです。そうしませんと他の課税との不均衡ですね、これは相当大きい問題になつて来るのです。それで、ほかの問題と関連せしめて課税標準率を動かすということになれば、方々からいろんな問題が起つて来ると思うのです。例えば給与べースを上げることが困難だから、そのときにはやはり課税標準率を下げるとか或いは商店なんかの申告納税の場合、不景気になつたからそれも考えて標準率を下げると、こういう問題も起きて来ると思うのです。ですからその單価の問題は、確かに私は今主税局長が御説明されたようなことはわかるんですけれども、税法の建前上……医師会という大きな力があるから、その力によつて今みたいなことができた。若しかこれは力が弱いところであつたら、そういうことができないんじやないかと、こういうような考えが強くなると、僕はどうも納税上、税法の建前上よくないんじやないかと思うんです。この点をもつと合理的に何かできないものか。單価の問題とこの問題とを関連せしめるということは、少し無理じやないかと思うのですが、その点ほかとの振り合いがありますから、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/105
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106・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お説御尤もな点が多いと思いますが、私ども極力所得の査定と申しますか、そういうものはやはり実際に即しまして妥当を期することは当然の職責でございまして、そういう見地から常に勉強し、努力しなくちやならんと思いますけれども、ほかの関係でそれをどうするということにつきましては、政治的意図等で余り動かすということは、これはやはり木村さんのおつしやる通り余り面白くないことだと考えます。ただ一点單価の問題自体が、やはり薬代は上つて單価は据え置かれておるので、お医者さんが苦しい、お医者さんが苦しいということは、同時に所得が非常に少くなつておる。そのことは延いては売上に対しまする……売上という言葉がございますが、診療収入に対しまする純所得の率が非常に下がつておるということと、事柄はやはり一脈相通ずるものがございまして、まあそういう問題が出た際に、同時にやはり所得税の標準率という問題等が取上げられまして、その合理的な解決を図つてくれ、こういう要望が出て来ますことも、これも満更どうも全然関連のない問題でもあるまい、従つて單価を据え置くから特に考えるということは、私は木村さんのお話の通り、余り面白くないことだと思いますので、まあそういうようなことで熱心に政府としまして、審議しました際に、この問題も併せて取上げまして、実情に即するような解決をできるだけ図つて行くというふうに行きますれば、別段木村さんが御心配になりましたような点も、それほどのことはなかろう、まあ如何にもそういう印象を与えたことは、私も十分今後注意したいと思いますが、私どもやはり医者の実情に即しまして、適正な所得を見付け出すことができるか、そういうことによりまして、こういう問題は処理して行きたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/106
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107・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私は、税自体が全体として重いですから、税が少くなるということに対しては、決して私は不賛成じやないのですけれども、こういうやり方は、税法違反にならないか、私はどうも税法違反になるのじやないかと思うのですが、どうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/107
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108・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは結局三〇%、まあ収入に対しまして大体三〇%、これが一つの標準率でございますが、従つて税務署は収入を調べまして三〇%の標準率を掛けまして所得を見出すわけでございます。これは所得を見出す一つの方法でございますけれども、それが結果におきまして実際の所得に対し、著しく低くなつておる、実情通りでないということでございますれば、木村さんのお話のような問題になりますが、併し昨年のように、薬代は上つた、診療収入は余り單価が殖えない、こういう場合におきましては、所得率は下がつておるということは、当然考えられるわけでございますので、そういう点を考えますると、必ずしもそのこと自体が私は税法違反になるというふうには考えていない次第でございます。果して三〇%の標準率というものが正しい所得を見出すものとして適当であるかどうかという問題でございますが、いろいろこれまでも或る程度調査はいたしておりまして、これは前から問題になつておりました事項でございますので、そういうものと関連しまして大体妥当じやないかというふうに考えて措置いたしました次第でございますので、その点御了承願いたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/108
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109・木村禧八郎
○木村禧八郎君 前は五五%乃至六〇%、それが三〇%或いはそれ以下になるというと標準率としても半分以下になる、非常に大幅な引下げだと思うのです。それでどうも最近税法が他の要因によつて動かされるというようなことがあるように思いまして、前にあのいわゆる匿名供出の問題も私はああいう形ですべきじやないので、やはり本当に税体系を崩さないで、はつきり重いのだつたら、減税すべきだ。これもやはりそういう一つの一点單価の問題と関連して標準率のほうで考慮する、こういうことになるのはどうも税法上の建前から面白くない。それは結局こうなると、力のあるところのほうが勝ちになると思うのです。結果としてですよ。ですからこれは十分その点は考慮する必要があると思うのです。もう主税局長も不合理、決して合理的であるというふうには説明されておりませんから、私はこれ以上はあれいたしませんが、どうもこういうことがたびたび出て来るわけです。これはやはり税体系を崩しますし、これを今度理窟をつければいろいろな点にもつくのですね、これと同じような……。実際にそれが引合わないか引合うかということは、実際を調査しなければわからないのですけれども、こういうことを見ますと、成るほど医師会というものは非常に力が強いからよく半分以下に標準率を下げたもんだ。少しならいいですけれども、半分以下に下げたのです、標準率を……。こういう印象はよくないと思うのです。今後十分こういう点は課税の均衡をとるために気をつけられる必要があるのじやないかと思う。こういう形じやなく、何かほかの形で、本来なら單価の問題としてこれは解決すべきだつたと思うのです。それを税のほうに持つて来てしまうと、これはほかに、それに責任のない人のほうに責任を負わせる。それでこれによる減税分はほかの人が税金を納めてカバーするということになるのですよ。この点十分今後気をつける必要があるのじやないかと思うのです。私はこれ以上あれいたしませんが、最後に主税局長から一つ御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/109
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110・平田敬一郎
○政府委量(平田敬一郎君) 木村さんの御意見、一般論としては私も全く同感でございます。ただ今度の、社会保險の収入の医療費の状態を見る場合の今度の措置が完全に変だということの意味におきましては、ちよつとそこまでは私は意見の差があるのであります。と言うのは先ほども申上げました通りでありまして、單価の値上げの問題は、やはり薬剤等が上りましても單価が低く、所得が少くて苦しい、それで値上げしてもらいたい、こういう問題があつた。それと同時に、所得が比較的収入の割に少いというようなことと裏腹と申しますか、事柄は違つた事柄でございますが、対象は同じようなことでございますね。而もやはり所得の標準自体に対しましても今度の値上げ前に問題がありまして、前から実は大蔵省としましてもたびたび要望等を受けていた事情でございますし、そういう際にできる限り実情に即するように努めたい、こういう意味でいたしましたものでありますことを御了承願いたいと思います。お話のようなふうに誤解を受けるような結果に相成りましたことにつきましては、私どもも今後十分注意いたして参りたいと思う次第であります。それから又一般論といたしまして、正規の方法によらないで、適当な行政措置等でこの問題の解決をよろしくやるというようなことは、これは私やはりできるだけ避けて行くべきことであるということは全く同感でございますので、その点一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/110
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111・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私はそういう御答弁なら了承できないですね。これは農村における課税においても同じようなことが起つて来ると思うのです。それは原料が高くなつたから引合わないで収入が少くなる。そこで標準率を引下げるということは、これは農民にしよつちゆうシエーレの問題が起るのですから……。そうして米価はきまつておる。そうして資材が上つて来た。そこで農民の収入が少くなつたら農民に対してはこういうようなことをされるかというのですよ。ですから、そこは医師会というああいう力が強いから標準率を半分以下に下げた。農民はそういうふうに団結的なそういう組織がないから、そういうことが起つてもそういうことを通すことができないということになるので、私はこういう措置はこれは決して合理的でないと思う。これを合理化するように御答弁されるならば私は承服できない。これはどんなことがあつても……。もつと大きな政治問題になると思う。そういうふうに言われれば一点單価の問題を税金の課税の標準率の引下げによつて解決するということは、これは許されない問題です。そういうことはこういうことが起つたら全面的に起つて来ます。一つの非常な惡例です。こういう惡例をすべきじやない。これは決していいことじやないというなら私は了承できるのです。今後こういうことはしたくないというなら……。併しこれは止むを得なかつたという御答弁で、私が今指摘したことを一般論として取扱われる。これは抽象論として私は言つておるのじやない。実際問題としてそんならほうぼうにこういうことが起つて来る。そうなつたら一体どうするか。それが適正であるかないかは実際調べて見なければわからない。現実に……。ところが農村にそういう問題が起きたら現状を一々皆調べる、そういうことができるかというのですね。だから一点單価の問題を税のほうにこういうように転嫁して来るということは、私は原則としてよくない。こういうことはやるべきじやないと思う。私はこれは非常に惡例になると思う。惡例ですからこういうことはもうしたくないのだ、こういう御答弁ならいいですよ。それを何か合理化されるように御答弁されるならば私は承服できないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/111
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112・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 重ねて申上げますが、昨年の社会保險診療によるお医者の所得ですが、医師の所得が所得率を適用する場合におきましていろいろな事情から相当所得率が低くて然るべきだ。これは私ども間接ないろいろな材料からでも十分考えられることじやないかと思う次第でございます。それは丁度一点單価の問題等における議論と同じような議論が所得の標準率の問題で出て来る。薬剤等は、繰返して申上げますが早くから上つたが、單価が上らないために非常に純所得率が下る。これは非常に常識的にも考えられる節でございまして、従いまして、そういう実情を十分考慮しまして標準率の問題につきましても妥当を期することにした。それが時あたかも一点單価の問題がありまして、それに引つかけましてそういう問題を解決したのじやないか、こういう点におきまして木村さん非常に面白くないとこういうことでございますれば、これは私はやはりそういう点は確かにどうかと思うということは先ほど申上げておる通りでございます。ただ併し事柄の実体自体は一点單価の問題と基礎になる事情が同じでありますので、やはりそういう際に所得の標準率の問題も実情に応ずるように是正を加えよう、こういう要望が出て来るのもこれは別に私はそう不自然なことではない。そういう際に従来のいろいろ調査したもの等に基きまして妥当と認めましてやりますことも全然で、絶対にこれはどうかと思うほどのことではないと私は考えております。従いまして三〇にしたことが果して実際に即したか即しないか、これはどこまでも追及さるべきことであると、こういうふうに考える次第でございますが、どうもそういうふうにしたこと自体が今どうかというような点になりますと、これは私は少しどうも木村さんのお話の通りに惡いということは、どうも認めがたいことを御了承願いたいと思います。で、一般的にその他の問題と関連しまして、税法の運用上すべきでないことをするということでございますれば、これは私はやはり木村さんのお話のように、どうもこれは適当でないというふうに考えますが、税法上正しい運用の途としまして、そういう姿が出て来た場合におきまして、併せてそういう措置を講ずるということになりましても、それはまあそのときの事情によりまして、絶対いけないものだというわけにも私は考えられぬのじやないか。その辺まあ若干これは結局程度の差になるかと思いますが、意見と申しましようか、まあそういうことにつきましてなお重ねて趣旨を御説明申上げて、御了解を得たいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/112
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113・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはまあこの医師会のほうは、事情どうしても止むを得なければ了承できますが、それならほかのほうでそういうことが起つた場合どうなるのですかね。例えば、中小企業者でもそういう問題が起つたときやはりそういう手加減ができるかというと、実際はその力の弱いところはできないのです。そこは問題があつて、たまたま力が強いからこういうことになるのであつて、そういうことはもつと権衡上……。弱いところは結局そういうことができない、泣き寢入りになるというのですよ。だから若しかこういう医師会のほうでこういうことをやるならば、ほかのほうにおいてもそういうことが起つたらやはり考慮されるべきだと思うのです。それは成るほど一応は更生決定なり何なりで、本当に所得がなければ、それは低くきめるということになつてはおりますけれども、最近の申告納税のあれを見ましても、なかなか一応税務署のほうで、申告前に、事前に大体指示額が来て、そうして行つて相談して見るとなかなか相談がまとまらない、それで大体まあ止むを得ずそれを呑んでしまう、押し切られてしまう。それだから申告納税の申告成績が惡いということを我々聞かされておりますが、力の弱いところは結局泣き寢入りするという結果になるので、私はまあ質問したのですが、これはまあ見解の相違になりますから、一応まあ主税局長の御答弁は御答弁として聞いておきまして、まだ私割切れない点がありますから、これはやはり一つの政治的な問題にもなると思うのです。これは大蔵大臣からも別の機会に伺つて見たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/113
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114・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと農業の標準の話がございましたので、ちよつと附加えて申上げておきたいと思います。この問題も米価が問題になりますようなときにもしよつちゆう実は問題になるのであります。で、米価審議会等におきましても、やはり所得の見方等につきまして、米価をきめる際におきまして、参考に私どもの意見を徴されるような機会がございます。まあそういう際にやはり適正な所得を見出すためにどうあるべきかというような意見なり要望があるわけでございますが、まあ私ども別にその事自体をいかんということまでは言いにくい。やはり常に農業所得でございますれば、あらゆる機会を捉えまして、正しい意見を聞く、それから実情に即するようにしたいということで、標準率の問題等につきましても常に適正化を図つておる次第でございます。それから農業のほうは全国一律にきめがたい事情もございますので、成るべく中央からはいろいろな、この委員会等における論議その他のことにおきましても、会議等で十分注意いたしまして、各実情に即しまして妥当な標準率ができ上るように努めておる。まあそういう点、そういう問題は別として、直接データをどうするこうする、こういう筋合いのものではございませんが、そういういろいろな機会におきまして、やはり問題になりまして、正しい所得を見出すために常に努力をしておるということは、この機会に木村さん御不満でしようが、一言附加えて申上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/114
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115・小林政夫
○小林政夫君 今の医療診療報酬について同一人に対し一回に支払うべき金額が命令で定める金額に満たない場合……、この命令で定める金額に満たないというのは、どういうふうにきめられるのですか、きめるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/115
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116・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは主として社会保險の収入が大部分であり、且つその収入が低い場合、こういう場合におきまして一割の源泉課税をしますとやはりあとで返さなくちやならん場合が非常に多く出る。そういう点をできるだけ避けたい。ほかの配当とか、ほかのものと違いまして、このほうは基金から、一カ所から払いますので、割合にその点の調整がし易い。あちこちから無数の方面から源泉課税の所得を受ける場合におきましてはこれはなかなかむずかしいのでございますが、社会保險のほうは幸いにしまして基金のほうからまとめて払われます。それで毎月の収入金幾ら幾らから源泉課税しようということになりまして、過誤納になる分をできるだけ防ぐという趣旨で規定をいたしたのであります。なお月三万円乃至四万円、この程度のところできめたらどうか。そうしますと、所得率を当てはめて計算して見ますと、大体自由診療も若干ございますので、普通の場合におきましては余り取り過ぎにはならない、そういう点が求められ得るのじやないかと思います。三万円にいたしますか、四万円にいたしますか、その辺最終的に資料を収集中でございます。いずれ近く資料が集りましたらきめる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/116
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117・小林政夫
○小林政夫君 大分弁護士会だとか、税理士会方面で源泉徴収に反対しておつたようですが、この今の三、四万円にするということであなたのほうと話合いは付いたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/117
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118・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今私申上げましたのは、実は社会保險の収入だけでございます。弁護士とか、計理士はあちこちの会社から、無数のところから収入がございますので、ちよつと医者の社会保險みたいな調整をやることは困難のようでございますので、このほうはもう一律に一〇%ずつ源泉課税をする。医師のほうはさつき申しましたように受ける先が社会保險は一本になつておりますので、従つて一定額以下を外しましてもそう弊害はない、こういう趣旨で話合つておりまして、医師会のほうではできるだけ高くそれをきめてもらいたいという希望もあるようでございますが、こちらとしましては大体大した過誤納が普通の場合では出ないようなところできめたい、こういう意味で話しておるような次第であります。いずれ今申上げましたところの前後で了解を得るものと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/118
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119・小林政夫
○小林政夫君 それから青色申告の申告者に対して、ああいうような特典ができたわけですが、更正決定の状態ですね、これは国税庁長官に聞いたほうがいいでしようが、あなたでその資料があればどういう状態になつておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/119
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120・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 個人の所得税関係のやつは今手許に資料がございませんが、法人のほうを申上げますと、青色申告者で二十五年度中に更正決定をいたしました件数が約一万二千八百件ございまして、処理すべき件数に対しまして二二%程度更正決定をやつておるような状況でございます。個人のほうはちよつと資料は完備しておりませんが、後ほど取調べまして、わかりますれば明日でも申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/120
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121・小林政夫
○小林政夫君 個人と法人とそれから今の更正決定を受けたパーセンテージ、この更正決定による金額の差ですね、どういうふうになつておるか、それもできれば知らせて頂きたいと思います。それからあなたのほうでも先般の私どもの質疑によつて例の勤労控除額の引上げ及び社会保険料について考慮することは懸案としてお認めになつておるわけです。その資料を頂きましたが、その社会保險の払込保險料の所得控除により昭和二十七年度に七十九億円減税になるということでありますが、前の勤労控除の額を五万円に引上げると六十一億何がし減収になる。で、あなたのほうとしては、今局長としてはやるとすれば、まあできれば両方ともやつたほうがいいわけですが、どちらかやり、両方ともやれないということは税収の関係のみとすれば、次に減税等を考える場合には是非どちらかから手を着けなければならんことになるわけですが、その点についてはどういうお考えを持つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/121
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122・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 先般も申上げました通り、この問題は本年度といたしまして、私どもやるかやらないか大分検討した問題でございまして、まあ結論が二十七年度としましては少くともいずれも実行するのは不適当だ、こういう結論に到達いたしまして、その改正は実は提出を見合せたような次第でございます。将来どうするかという問題につきましては今ここで申上げることは少し差控えさして頂きまして、なおその他勤労控除の一五%の引上げの問題、それから農民の控除の問題、事業所得の、勤労控除の問題、まあいろいろの問題がやはり問題としてありますので、やはりそういう問題を総合して考えた上で、その年々として果していずれが妥当か、こういう考え方で決定すべき筋合いのものじやないかと思いますので、この際今いずれが優先すべきかということにつきましてはちよつとお答えを留保さして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/122
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123・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この二十七年度に不適当であるというふうに結論を出されたようですが、その理由ですね、この前我々伺つたときには大体この源泉徴収給与所得者が非常に不利になつているということは認められたわけなんです。従つて主税局長もこの保險料、社会保險料についてはこういう考慮、研究されたことは諒といたしますが、二十七年度に不適当であるという結論に達したのはどういう理由か、税収だけからですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/123
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124・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今のお尋ねは社会保險の控除の問題と了承しますが、これはお話の通り税収の問題も大分大きく響いております。で、少し前検討しました際は六十億くらいの減収かと思つていたのでありますが、最近の実情で社会保險の年間の払込を計算して見ますと、相当増加しておりまして、まあ八十億近くになる。こうなりますと、ちよつとやはりそれだけ減税するということは如何であろうかというのが一つ、それから先ほど申上げましたように、三万円の勤労控除の最高限を上げるか上げないかという問題が確かに問題としてある、それから一方農民等におきましては勤労控除すべきではないかというシヤウプ第二次勧告もあつたことは、木村さんも御承知の通り、やはりそういう問題を総合的に取上げまして、よほどしつかりした考え方で臨まなければ、今日この問題の解決はむずかしいのじやないかという点を考えまして、実は今回は提案をいたさなかつたような次第でございます。なお先ほど御指摘になりましたこの社会保險料の値上げの問題、それから国庫負担問題等もございますが、まあこの立法的な問題になりますと、やはりそういう問題もどういうふうになるかということもやはり考えなくちやならんということもあろうかと思います。まあ、そういういろいろな点からいたしまして、今回としましては如何であろうか、将来もう少しよく検討して見たい、こういう考えで提案を見合したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/124
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125・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それでは、この負担の不均衡はどういう形で画そうとしておるのか、もう不均衡であるということは認められておるのですから、駄目とすればほかにどういう形で不均衡を直そうとされておるか、他の方法を伺いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/125
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126・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは先般も木村さんにお話申上げました通り、所得を的確に把握すると申しますか、事業所得等につきまして、でき得る限り実額をよく調査いたしまして、適正な把握に努める、それで本年のこの申告所得税におきましても、実額調査を相当多数行いまして、できる限りその趣旨に努めております。で、営業者の場合等におきましても、国会等で大分一律に上げるという御非難を受けたのでございますが、決して一律には上げておるわけじやない、相当調べまして従来やはり課税洩れになつておる方面におきましては、できる限り調査いたしまして、的確な所得をつかむ、こういうことに努力をいたしておる次第でありまして、私はそういう点から行きまして、二十六年分の申告所得税の課税は従来に比べますとよほど私はやはり改善されつつある。これはまだ最終結果はわかりませんので、はつきりしたことは今数字的に申上げる段階に至つておりませんが、そういう努力は実は相当重ねておるのでございます。やはり基本的に申しますと、そういうところが中心になるべきではないか、社会保險料の控除の問題をそういう問題に関連して考えますのは、私どもはいつかも木村さんにお答えしましたように少しどうかと実は思つておりまして、これはやはり所得税法の建前が勤労控除の一五%のほかに、更にそういうものは所得の計算上控除したほうがいいかどうか、こういう問題があるわけでございます。それはいいという議論と、まあ必ずしも必要じやないという議論と両方ございますが、それをやりますと、今申しましたように、ほかの農民の勤労控除をどうするか、或いはその他のいろいろの問題がございますので、まあ今度としましてもう少し将来の研究に委ねよう。こういう趣旨でございますことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/126
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127・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それは私は言い逃れだと思うのですよ。この大蔵委員会の公聽会では全財の齋藤さんの公述によれば、申告納税が惡いのですよ。それはやはり税金が絶対的に重いということがあるので、最近惡いということは自然的な、この過重な税金に対する抵抗である、こういうようにも見られる、こういうふうに言つておるくらいでありますから、所得を的確に捕捉すると言いましても、それは実質的に増税になつて来ると思うのです、そういう方面には……。ですからそれはやるとしても実際はもうすでに重いのですから困難であつて、やはりその給与所得のほうを減らすという形においてやつて行かなければ実際問題としてこれは解決つかないのじやないかと思うのですよ。そう言われてもすでに過重なんですから、これは議論になりますから、是非私はそういう形で解決しようと思つてもできませんから、積極的にやはり勤労控除或いは社会保險の控除ですか、今のような控除というような形で考えなければ駄目ですから、これは議論になりますから、その程度に……。答弁を頂かなくてもよろしいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/127
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128・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと附加えておきますが、私はどうも先ほどから木村さんの御意見によりますと、勿論やはり所得税法は営業所得につきましても事業所得その他につきましても、的確に所得を把握して一般的な税率の引下げなり、全体としての控除の引上げ等によりまして、税法通りのきちんとした負担に持つて行けるというところに行くべきではないか。御意見として承わりまして非常に実に一般論として賛成したわけであります。それで私ども一番そういう角度から問題にしておりますのは、このことでございまして、従いましてこういうことに関しましては、できる限りそういう努力をいたしまして、どうにも匙を投げたという時分におきましては、私どもはやはり止むを得ぬとして後退せざるを得んが、まだ匙を投げるのは早過ぎると、こういうふうな努力をいたしますことを一言附加えさして頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/128
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129・小林政夫
○小林政夫君 今のどちらから手を着けてやるかという問題は、一遍大臣の見解を質したいと思いますので、至急に相談しておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/129
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130・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) じや本日はこの程度で散会いたします。
午後四時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X02519520318/130
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