1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年六月十三日(金曜日)
午後二時二十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 平沼彌太郎君
理事 大矢半次郎君
委員
岡崎 真一君
黒田 英雄君
西川甚五郎君
溝淵 春次君
小林 政夫君
小宮山常吉君
田村 文吉君
森 八三一君
江田 三郎君
大野 幸一君
下條 恭兵君
菊田 七平君
油井賢太郎君
政府委員
大蔵省銀行局長 河野 通一君
大蔵省主計局法
規課長 佐藤 一郎君
説明員
通商産業省通商
振興局経理部長 石井由太郎君
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本日の会議に付した事件
○緊要物資輸入基金特別会計法の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○日本開発銀行法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○連合委員会開会の件
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001・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 第六十六回の大蔵委員会を開催いたします。
緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案について内容の説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/1
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002・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 緊要物資輸入基金特別会計は昨年四月以来通産省
の所管において運用されておるのでございますが、本会計の設置の目的は民主主義諸国家に経済的協力をいたす意味におきまして、特需等の調達を容易
にいたしますために政府がみずから緊急に取得供給しなければならんと思われるような物資、言い換えますれば国際的に需給が逼迫いたしておりまして、これの取得の困難な物資を輸入いたしまして特需の用途に供給するという目的で設置いたされたわけであります。
本日までの運用状況は、この基金によりまして輸入いたしましたもの約八億、うち現に引取済になつておりますものが約四億という状況に相成つております。主要な買付けました物資はニツケル五百六トン、合成ゴム千七百八十六トン、石綿百七トン、コバルト一三トン及びアメリカからの原皮約四十二万枚、このような状況でございます。この会計は只今申しましたように特需の原材料として必要な国際的な供給の不足している物資を政府みずから取得して供給するという見地に立つて設置されたのでありますが、国際的供給不足物資の取得につきましてはひとり特需の原材料のみならず民需用につきましても政府におきまして確保供給する必要があるわけでございまして、これを一般の民間貿易方式によりまして供給いたしますることが、或いは貿易業者の資力の弱いこと或いは国内において比較的高い値段が維持されておりますために、買入競争をいたして殊更に不必要な価格の吊上げをやつておる、或いは将来の価格変動等を見越しましてなかなか思うような民間の買付が進まない、このような状況であるのでございますが、他面これらの稀少物資につきましては、或いは長期の契約を結びまして不断に国内に流入させるというような措置をとらねばならん必要もありますし、更に先頃我が国が加入いたしました国際原料割当会議におきましては、各国政府におきましてそれぞれの所要数量の計算をしてこれが原料割当会議等で審査を受けまして、各国に或いは消費の勧告、或いは輸入の勧告、或いは輸出の勧告等が行われるわけでございますけれども、輸入の勧告等の行われました場合においては、民間貿易方式等で取得し切れないものは各国がこれを引取る義務を負うというような申合せに相成つておる関係等もございまして、これらの物資につきましては長期契約を可能にし、又国内における不当な不必要な競争もなく、政府みずから取得いたしまして且つ国際的な不足物資の国際的な流通秩序に即応しつつ供給する方途を講ずる必要があるわけでございまして、かような見地から従来緊要物資特別会計がひとり特需の原材料といたしての国際的需給の逼迫いたしました物資を取得しておりましたのを改正いたしまして、一般民需の目的にも本会計を運用して輸入を確保し促進したいという考え方で本改正案を御審議願つておる次第でございます。
この会計で計画いたしておりまする輸入計画は、国際割当会議からの割当物資ニツケル約千二百二十八トン七億三千万円、コバルト二百四十トン、これが七億二千万円見当であります。タングステン百五十トン二億二千五百万円、モリブデン五十トン約一億、国際割当会議に期待いたしておりまする物資約十八億程度でございます。更にその他の国際稀少物資で、各国の輸出統制等が極めて厳重でありまするもの、その代表的なものは、アメリカにおきまする外国貿易局の所管物資、一口に
○IT物資と申しておりますが、OIT物資の取得でございます。例えば、石綿のごときものにつきましては極めて強い政治的交渉を以て当る。且つ継続的に輸入いたしまする有力なる資力を持つて契約いたしませんと輸入ができないのに対しまして、国内における実際の需要家は極めて多数の分散いたしました中小企業等でございます関係もありましてなかなか入つて参らない。このような物に対しまして、本資金で石綿等を輸入いたしたいと考えているわけでございます。OIT物資に期待していいものが約十億見当であります。合計いたしまして、二十七、八億乃至三十億見当が本会計で取得、運用しようとする総額でございまして、一般の民貿方式により得ないもののみを取上げまして、本会計による輸入をいたしたいと考えている次第でございます。
御審議の参考といたしまして、法文について申上げますれば、第一にございまする国際条約、国際協定、その他国際的な取極に基いて日本国に割当てられた物資の取得と申しますのは、国際協定と申すことができると考えておりますが、国際原料割当会議、IMCの決定によりまして、我が国に輸入の割当の勧告された物資のことを意味しているわけでございます。更にこのIMCで扱つております物資は、銅、亜鉛、鉛、棉花、綿リンター、タングステン、モリブデン、マンガン、ニツケル、コバルト、羊毛、パルプ、紙の十四品目でございますが、大体本基金で扱いますものが、只今申しましたようにタングステン、モリブデン、ニツケル、コバルトといつたような物資に限る考えでございます。第二に、外国政府において輸出を統制している物資、その他国際的な供給の不足している物資で、政府において取得しなければ輸入することが困難なものと申しまするのは、先刻申上げました米国からの外国貿易局割当物資、即ち商務省が輸出を極度に調整いたしておる物資をいうのであります。政府で輸入しなければ輸入が困難だと申しまする物資は、これらの物資につきましても、大部分のものは民間輸入方式を以て入手し得るのでございますけれども、先ほど申上げました、例えば石綿の輸入等にいたしますれば、需要者は分散且つ小資力であり、到底強力に政治交渉を背景といたしまして入手することができないというような場合に適用されるわけでございます。更に同一、同様な物資で、政府において取得することを有利とするものと申します範疇に現在考えておりまする物資は、大体外国政府で国際割当等を行つている物資と競合いたすのでございますけれども、従来のこの種物資の取引の実情に照らして考えて見ますると、少い物資を多数の一般業界が競合して引合いを出します関係もありまして、非常に国外市場の価格を高めるだけの結果に終つているというような例も多いわけでございますので、これらの場合には、政府が会計一本の力を発揮して有利に買付けたいという考えに立つているわけでございます。かようにいたしまして輸入いたしました物資の国内における供給につきましては、勿論会計の諸原則に従いまして払下げをいたすわけでございますが、払下げの価格につきましては、一応国内時価によらなければならんわけであります。但し本会計によりまして取得しました物資につきましては、輸入価額を下らない範囲で時価より低価に供給し得ることができるという緊急物資の売払いに関する法律が出ておりまするので、特殊なものに対しましては、輸入価額を越えない範囲で低価供給を行い得ることに相成るわけであります。どのような範疇に属する用途に対して安い価額を適用するかという点は、目下検討いたしておるのでございますが、考え方といたしましては、先ず特需でございます。これは国際的な割当等を行いまして、いわば国際的な切符制度を布いて、各諸国が比較的安く、日本国内より安い物を供給し合いまする理由は、国連軍或いは民主諸国家その他の経済協力を円滑にするという点にあるのでありまするから、特需に対しましては低価供給を図りたいと考えております。又重要な管理につきましては、会計の原則からこれは輸入原価ベースで供給できることに相成るわけであります。更に輸出につきましても、現在の我が国における一般特需の消費原材料の値段が高いにもかかわりませず、外国から安い原材料が手に入つた場合に、国内における原材料の高価格というものが輸出供給力を相当阻害いたしておる実情もございますので、このようなものに対しましても、低価供給の途を開きたいと考えております。更に我が国といたしまして、今後産業政策としてどうしても努力しなければならん目標の一つでございまする合理化用の機械類のための原材料、例えて申しますとニツケル等の価格で国内と輸入品等が相当違つておるのでございますが、このような場合に、或いは関税法によりまして、或いは合理化促進法によりまして、或いは法人税法等によりまして、特殊な償却等を認めている限定されました機械等に対しましては、これ又国際供給力を強くする意味から、原価ベースの供給をいたしたいと考えておる次第であります。
以上が本法を改正並びに今後の運用についての大体の方針でございますが、ついでを以ちまして国際原料割当会議の活動状況及び我が国におけるこの種稀少物資の需給状況を御説明申上げたいと思います。
我が国におきまして稀少物資と申しまするとニツケル、コバルト、タングステン、モリブデン、誰でも挙げる例なのでございますが、ニツケルについて申上げますと、大体国内における生産は、御承知のニツケル製錬助成法の施行等によりまして、大体次期百トンベース、二十七年度千百六十五トン程度の国内生産を上げ得る見込であります。これに対しまして需要は二千三百六十トン余りの国内需要があるのでございまして、差引千二百二十八トン程度をIMCの割当てにより海外から輸入することを期待いたしておる次第であります。
又コバルトにつきましては、これは国内生産は全然ございませんわけで、全需要量年間約二百トン余りのものを、二百二十一トンとなつておりますが、それをIMCの割当による輸入を期待いたしておるわけであります。
タングステンは、国内によつて約三百五十万トンの製錬生産を行つておるわけでありますが、需要は約四百トンでございまして、八十トン程度の輸入を仰がねばならんことに相成る見込みでございます。
モリブデンも国内の生産百三十トンに対しまして百需要約二百トン、前年度の持越等を考慮いたしますると、大体輸入に期得すべきものは二十五トン程度ではないかと考えております。これらの稀少物資を国際的に配分し、融通させるための機構といたしましての原料割当会議は昨年の二月十六日に発足いたしておるのであります。国際間の協調協力で不足物資の融通をしやすくするという目的のために設置された機構でございますが、現在銅、亜鉛、鉛、硫黄、綿花、石綿、タングステン、モリブデン、マンガン、ニツケル、コバルト、羊毛及びパルプ紙という品目について七つの委員会ができておりまして、現在二十八カ国がこれに加入して、その規制に従つた行動をとつておるわけでございます。我が国に対しましては、タングステン、モリブデン、硫黄につきましては昨年の第三四半期から、又銅、亜鉛、ニツケル、コバルト等につきましては第四四半期から国際割当を受けるように相成つております。この機構から割当を受けておりまする物資は昨年十月以来でございますが、ニツケル五百十六トン、コバルト百二十トン、タングステン百五十五トン、モリブデン七十七トン等の輸入割当を受けておるわけでございます。又硫黄につきましては五千トン、銅につきましては一万六千四百五十トン、タングステンにつきましては百十トン、亜鉛につきましては千七百七十トンを我が国から輸出するようにという勧告を受けて、それぞれの措置を講じておる次第でございます。以上……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/2
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003・田村文吉
○田村文吉君 政府の輸入されたのは八億円ばかりのものが輸入されたというのですが、その行方はどうなつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/3
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004・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) これは申上げますと、ニツケル四百三十七トン、それから合成ゴム六百七トン、石綿二十四トンというものが事実入つておるわけでございます。入つておりまする物資は約四億でございまして、これらのうち売られておりまするものは従来は本会計が特需の需要にだけしか売られておりませんでした関係上、ニツケル或いは石綿その他のものにつきましても特需の注文を受けまして、軍からの、進駐軍等の資材割当証明を受けました用途にだけ売渡しをいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/4
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005・田村文吉
○田村文吉君 いや、私の伺いたいのは、輸入されましたが、皆それが片つぱしから民間に払下げが済んでおるのか。又それがために高く輸入したけれども安く売られて行くというようなものが起つていないかどうか、そういう点を、例えばゴムですね、ああいうようなものについては逆に大分損して売つていらつしやるというようなことがありはしないか、こういうことを伺つておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/5
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006・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 従来までニツケル等は相当多量入れたのでございますが、特需のためのいわゆる需要がそう大きくございませんでしたので、今まで売られた物資は約二千二百万円見当でございます。なおゴムは先ほど申上げましたが、入つておりまするものは約六百七トンでございまして、これにつきましては我々の買付けましたあとにアメリカのゴムの価格の引下げがございまして、約トン当り三セント下つておるわけでございますので、今後の情勢といたしましては損失を生ずることになると一応考えられるのでありますが、ただ現在合成ゴムと天然コムとの、天然ゴムの相当の値下りがございました関係上、情勢によりましては損失を買うようなことになるかと考えております。但し現在合成ゴムの価格が非常に悪い原因は、先だつてカナダで行われました国際ゴム会議が決裂いたしまして、米国が買付を全く中止しておるということの影響がシンガポール等の相場に現われておるわけでございますので、このような状況が取除かれますれば、ゴムにつきましても未だ以て直ちに大きな損失が生ずるというふうなことはなかろうと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/6
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007・田村文吉
○田村文吉君 今お話の国際割当会議ですね、昨年の二月お開きになつたのですが、今後ともこれは継続しそうですが、もう実質的にはなくなつてしまうのじやないかという考えを持つているのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/7
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008・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) その点につきましては、国際割当会議におきましても従来以上に国際間の統制割当を厳格にするものなのか、或いはだんだん緩和して行く傾向にあるのかという問題でありますが、現在のところ直ちにこれらの物資については国際的な統制或いは輸入輸出の規制というようなことがなくなるというふうには現在のところまだ考えられないのではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/8
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009・田村文吉
○田村文吉君 ただたまたまニッケルとかゴムというようなものを持つて来てはあるけれども、国内でまだ処分もできていないというような情勢にあるのに、一方に硫黄であるとか、それから何ですか、こつちから銅であるとかいうようなものの輸出の強制をされるような形になることは却つて非常にまずいと思う。大体緊要物資輸入基金特別会計などは去年のあの事変の当時においては必要ではあつたろうが、現在余り必要がなくなつておるのではないか、こう考えるのですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/9
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010・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 実は従来入れました物資は国内におきまして自由に処分する、或いは非常に緩めて処分するということをいたしますれば、いずれも羽根が生えて処分できたのでありますが、ニッケル等は御承知の通り特需だけにしか売らないということに規制いたしております関係上在庫が残つておるのでございまして、民間輸入その他でやつてよろしいというのも一つの考えでございますが、昨年実はニッケルが国内に輸入されましたのは民間貿易方式でやつた経験もあるのでありますが、大体トン当り二百七十万円というように非常に高い値段で入つております。本会計でその後方針を改めまして四十一、二万円というような極めて安い値段で入るということになりまして、輸出原料割当会議等の機構に即応しての行動をとるほうが全体として考えれば我が国のためには有利と、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/10
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011・田村文吉
○田村文吉君 もう一つ伺つておきますが、今度若干拡張して、単にそういう貴重品だけでなく一般のものでも国がやつたほうがいいというものはやるということに改めたいというように伺つておりますが、共産国家以外で政府が輸出輸入をやつておるものが大分世界にはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/11
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012・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) それは非常に多いのでありまして、イギリスにおきましては大体原料供給省という一つの省がございまして、これで政府貿易をいたしております。大体両三日前我々の部の課長が向うから帰つて来て、調査の結果によりますと四〇%程度は政府貿易であるというお話でございます。又アメリカにおきましてもこれは国防貯蔵というような大きな計画があるからでございますが、ゴム或いは錫、こういつたようなものはすべて政府買上げの措置にいたしておるわけでありまして、全体といたしますれば各国政府貿易量はきまつておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/12
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013・田村文吉
○田村文吉君 私の伺いますのは、いわゆる政府の管理でなくて、政府が直接外国から承諾をして輸入するというようなやり方で、イギリスは輸入品の四〇%を扱つておる、こういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/13
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014・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) イギリスの輸入方式は政府みずからが外国と契約をいたして輸入しておるものもございます。カイロの綿花市場等には綿花購買官が行つて市場で買つておるわけでありまして、又その他の物資につきましては民間の商社を任命いたしましてこれをして買わしめておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/14
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015・田村文吉
○田村文吉君 そういう御趣旨で今度の拡張した解釈で仕事をやろうという考えはお持ちになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/15
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016・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) お尋ねの趣旨は主として本会計で輸入して、或いは取得した場合にどういう方式で政府みずからがやるか、或いは民間商社等の知識経験を活用してやるかというお考えかという点にあるかと思いますが、勿論政府みずからが対外的に契約いたしまするものはこれはないとは申し得ないのであります。例えばニツケルにつきましてアメリカ、カナダにございまする世界最大のニッケルの生産者でありまするインターナシヨナル・ニッケル・コーポレーシヨンというのがございますが、この辺と政府が契約いたします場合には勿論直接契約しておりますが、大体のラインといたしましては勿論民間の輸入業者等の力を借りましてこれらの買付をさせて、それを政府がセレクトするという形を織込んでやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/16
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017・田村文吉
○田村文吉君 なぜ私はそれを申上げるかということは、為替管理輸入許可というような形でもつてそういうものの統制がつくのじやないかということを考えるのですが、現在の為替管理とかそういうものではそういう手はないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/17
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018・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 現在の為替管理におきましては、入つて参りましたものの用途制限といつたようなことが実はできないわけでありまして、或いは国際的供給不足物資の需給調整に関する法律におきまして需要者の側に切符を切つてとらせることはできますが、積極的にどこへ売れということまではやり得ませんので為替管理だけでは目的を達し得ない部分があります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/18
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019・田村文吉
○田村文吉君 そうすると現在ではあれですか、輸入したものをどこへ、軍需用なら軍需用以外には売つてはならんということを今はつきりとされているわけですか、ニッケルとかコバルトとかそういうものに対しては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/19
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020・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) ニツケル、コバルト等につきましては、例えば民間商社が輸入いたしますと、それは民間商社のみずからのものとして売られるわけでありますが、買うほうの側にいわゆる切符が出まして、この買うほうがここに行けば買われると、こういう間接統制と申しますか、間接的なものの支配関係に相成つているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/20
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021・田村文吉
○田村文吉君 昨年のアメリカの進駐されておつた当時においては、今のニッケルのようなメタルを輸入して来る、持つて来るが、日本ではまるでそれを自転車に使つたり非常に乱暴に使うじやないか、そういうことでは物資の輸入はできんということを言われて、こういう法律はできたというふうに私は承知しておるのですが、今後ともそういうものに対する配給制限をやかましくおやりになる方針で一体この法律は行くのかどうか、それを伺うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/21
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022・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) ニッケル等につきましては国内における増産態勢も着々進んでおるわけでありまするし、できるだけこのような物資につきましても国際的な関係で求められる以上の統制或いは規制といつたようなものは避けたいと考えているわけでございますが、非常に無駄な扱い方をしておるということが、延いて国際割当会議等から取得する量を減らすところまで参りますればその関係で必要なだけの規制はいたす、こういうふうなことになつています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/22
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023・田村文吉
○田村文吉君 はつきりしませんが、どうなんです。今後アロケーシヨンをちやんとやつて行くのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/23
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024・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデン等につきましては、国際的な需給関係がこのようであります限りはやはりやらざるを得ないと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/24
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025・田村文吉
○田村文吉君 民間から輸入したものがありましたね過去に。そういうものまでもアロケーシヨンの中に入れるのですか。政府の特別のこの会計法によつて入れたもの以外に過去にあつたもの、それからストック、そういうようなものを新たに商社として許可を得て入れているものがあるのじやないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/25
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026・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 従来はいわば政府貿易と民間輸入とが競合いたしておるわけであります。IMC等に計算をいたしまして、特需関係或いは民間イージーと言つておりますが、このようなものがどのくらい、それから民間需要がどのくらいということになりまして、その通りの割当が参るわけであります。そうしました場合には特殊需要の分だけを我々のほうで輸入しまして、一般は民間貿易方式で輸入されているのでありますが、この結果を見まするとニツケル等におきましては民貿で入りましたものは非常に高くなる、即ち買付が競合いたすということで不利を招いておりますので、このような物資に限りまして政府で一括買付をいたす、このようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/26
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027・田村文吉
○田村文吉君 その点はわかりましたがね、そうするとつまり政府の一手で輸入する、民間には絶対に許可してやらんと、こういう御方針であつて、而も入つたしなものの配給は必ず政府の指図によつて配給をすると、こういうことに今後とも行く方針であるのかどうかということをお確めしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/27
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028・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 勿論この法律は、これは政府の会計の運用法でございまして、一般の物資それ自身の管理法と申しますか、統制法ではないわけでございますので、絶対というほどの強いことは申上げられないのでありますが、方針といたしましては緊要物資会計に所要の外貨を割当てましてこの会計で輸入いたして、特需或いは民間需要を問わず物の形で民間に配給できるようにいたしたい、こういう方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/28
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029・田村文吉
○田村文吉君 通産省でいらつしやればアロケーシヨンをやるとかやらんとかいう方針はきまつておるはずと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/29
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030・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 只今申上げましたニツケル、コバルト、タングステン、モリブデンにつきましては政府、即ち緊要物資輸入基金会計だけに外貨の割当をいたし、民間には直接の割当をいたさないという方針でございます。但しこの会計におきましてみずから対外的に信用状を開いて買付けるのではなくて、この会計に納めるものにはこの会計から外貨の割当をいたす、こういうふうに書いてあります。これが方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/30
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031・田村文吉
○田村文吉君 おわかりにならなければそれでよろしいのでありますが、通産省としてそういうものは非常に貴重品を輸入するのだから、配給だけはちやんと用途をきめて、どこへ何トンどこへ何トンというアロケーシヨンをおやりになるのかならないのか、それを伺いたいのです。つまり配給をやつていらつしやるのか、今後ともおやりになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/31
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032・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 入つて来た物についてでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/32
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033・田村文吉
○田村文吉君 そう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/33
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034・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) これはいたしております。国際的供給不足物資の需給調整に関する法律に基きまして需要者に切符を出しまして、この需要者の切符のないところには売らないという割当をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/34
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035・田村文吉
○田村文吉君 今後もその方針をお進めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/35
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036・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 現在の段階ではそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/36
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037・田村文吉
○田村文吉君 ゴムなどどうなさるんですか。僅かな数量としても値が下つて来るというような場合に、そういうものはやはり割当なんかをやつたところで割当をもらつては迷惑だ、こういうものは自由にお売りになる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/37
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038・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 合成ゴムのお話だと思いますが、これは今申上げました国際的供給不足物資の需給調整に関する法律の中の指定品目でないわけでございまして、このようなものにつきましては自由な処分ができるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/38
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039・下條恭兵
○下條恭兵君 今の説明を聞いておりますと、ニッケルの年間使用量二千三百六十トン、それから千二百トンの国産がある、こう言つておられたんですが、去年でしたかニッケルのあの法律、何と言いましたか助成法のようなものが出ましたときに、やはりこの年間使用量二千三百六十トンでしたが、大体こんな数量だつたと思いますが、この数量の需要見込みが多過ぎるという議論があつたと思うのです。ただそれぞれの需要者からの要求を積み上げただけのものだという説明があつたと思うのですが、併しながら又今聞きますと、折角輸入したニッケル自体もあまり使わずにいるというようなんですが、従つてニッケルを特需だけに限定するものとすれば、何が特需の予算というものが日本ヘアメリカから来ておつて、そうしてその予算に基いてこれだけのものを輸入することにしておるんですか、どうですか、その点を先ず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/39
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040・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) ニツケルにつきましてはこの改訂で現在盛つておりまするものは、いずれも特需を予定いたしました金属なんでございますが、この計算は或いは我々の計算が過大であつたのか、或いは特需の発注がスローダウンしているのか、いずれにいたしましても、当初我々が計算いたしまして、これをIMCに出し、IMCにはこれを米国の非常に強い関与があるわけでございますが、極東における軍需費の支弁状況等も考えまして、特需がこれだけありそうだというところで意見が一致して、入つているわけでございまして、これは実際において非常に少かつたということは、一応ニツケルを使うような特需が落ちておつたという、非常に発注が減じたということに原因があるわけでございますので、勿論こういつたものを民需と特需との間で融通をつけようというようにするのも、今回の改正の一つの狙いであるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/40
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041・下條恭兵
○下條恭兵君 あの法案を審議した当時いろいろの問題になつたと思うのですが、今国産のニッケルは価格がいくらくらいで、それから輸入は今四十一万か、若しくは四十二万円かと思いますが、国産のものはどのくらいの時価になつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/41
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042・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 国産のニッケルは先頃まで三百二十万円という価格がニッケル製錬事業助成措置法によりまして、業者の価格として指定されておつたのでありますが、先頃これを改訂いたしまして二百七十万円ということにいたしております。このうち三百二十万円当時には、約四十万円を特別償却のための経費として見込んだわけでございます。今回の二百七十万円では約十七万円というものが、これは数字がはつきりしておりませんが、十七万円が特別償却のための経費として見込んであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/42
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043・下條恭兵
○下條恭兵君 タングステン、それからモリブテン、コバルトなんかも国内産と輸入とはこれくらい、やはりこんなふうにひどく開いておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/43
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044・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) コバルトはこれは国産がございませんので、いわば国内にありまする値段は、非常な供給不足に伴なう闇の価格とでも申すべきものだと思つております。タングステン、モリブテンにおける開きは、それほど著大なものはございません。いわば一般の商品についてある程度の開きでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/44
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045・下條恭兵
○下條恭兵君 まあ今日日本で生産の足りないものだから輸入して、たくさん貯蔵して置くというのもいろんな意味で意義があるかも知れんですけれどもね。特需用として輸入するならば、もう少しニツケルの数量から逆算して、特需の数量を見当つくように、もう少し確めた、確定した数量にするということはできないものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/45
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046・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) その点はお叱りでございますが、実は……ちよつと速記をとめて頂きまして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/46
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047・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/47
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048・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/48
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049・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) それでこのような関係がございますが、潤沢でございまするが、民需のほうは逆に非常な窮屈でございます。電気通信機等におきましては、どうしても輸入ニッケルによらねばならんと思いまするけれども、これが仮に輸入されましても、非常に高くなつてしまうわけで、高くなるということは、国内における、国内の需要者間の競争が激しくなりまして国際価格を釣上げて行くようなわけでありまして、このような弊を除くためにも一本輸入をいたすほうがよろしいという見解を持つている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/49
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050・下條恭兵
○下條恭兵君 民需の中に輸出用と、内需用とあると思うのですが、この割合はどのくらいなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/50
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051・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) ニツケルについて申上げますと、大体只今申上げました需要量、ヘロ・ニッケル五百八トンを強き千四百六十九トンと相成つているわけでございますが、大体は鉄道、船舶、鉄鋼機械、化学工業、化学肥料、金属工業、雑貨といつたような分類で一番大きな需要が機械需要でございます。千二百トン見当の機械が需要が見込まれているわけでございます。これらの中に輸出の機械があるわけでありまして、確かのところは積算いたしかねております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/51
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052・下條恭兵
○下條恭兵君 さつきの説明の中には、輸出用のものに対しても安いニッケルを割当る方針だといつておられたと僕は聞いておつたのですが、これに対して輸出用というのを一つ区別してわかつておらないということは、今のところは輸出用も何にも、いずれもこの高い三百二十万円もする高いものを使つていると、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/52
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053・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 現在の段階では二百七十万円乃至は三百万円というようなことで、自転車のメッキにいたしましても、こうなつているわけでございまして、この機械或いは船舶というようなもののうち、輸出に向けられる部分に廉価なニッケルの供給をいたしたいと、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/53
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054・下條恭兵
○下條恭兵君 今の国産のニッケルというのは、全部フエロばかりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/54
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055・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) フエロニッケルにつきまして本年度の計画として約五百トン余りの見込でありますが、先ほど申上げました千六百六十五トンと申しまする国内の生産、これは金属ニツケルでございまして、純ニツケルに近いもので、千百六十五トンに相成つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/55
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056・油井賢太郎
○油井賢太郎君 さつき御説明の中で金額を細かくされなかつたようですが、ちよつと金額はわかつたら発表願いたいと思います。トン数だけで結構です。一年間の金額をずつと、若し今言うのはあれでしたら、資料で出してもらつてもいいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/56
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057・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 御質問は本年度の計画の分は先ほど申上げましたように、現在手持の分についての御質問でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/57
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058・油井賢太郎
○油井賢太郎君 一年間の分。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/58
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059・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) ニッケル千二百二十八トン金額七億三千七百万円、コバルト二百四十トン、七億二千万円、タングステン鉱百五十トン二億二千五百万円、モリブデン五十トン約五千万円、計千十七億三千二百万円、これがIMCの割当物資であります。OITの割当物資につきましては、現在予定いたしておりまするのは石綿約二億円、需要はその他として考えているわけでございまして、まだ正確な計数の弾き出しに至つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/59
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060・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そうしますと手持品の二十五億という特別会計にあるのですね。これはどんな内訳になつていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/60
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061・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 油井委員の御質問は、特別会計における二十七年度三月末の貸借対照表をおつしやつておられると思いますが、これは二十五億という在庫はないのでございまして、先ほど申上げました約四億三千九百七十万円という在庫にしかすぎません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/61
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062・油井賢太郎
○油井賢太郎君 一年間に只今あなたが読上げられた大体十九億三千二百万円だけなんですかこの特別会計でお扱いになるのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/62
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063・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 十九億余りのほかにIMCの割当等のものを約十億予定いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/63
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064・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それから硫黄なんかは日本は大体輸出国ですね、そういうのは一遍輸出して又割当てられた形式をとるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/64
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065・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 硫黄は日本へは国内で消費しました輸出余力だけが輸出の勧告を受けるわけでございまして、別段改めて国内消費の分までの割当を受けるという筋合のものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/65
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066・油井賢太郎
○油井賢太郎君 やはりこれは緊要物資としていわゆる政府の会計を一応通らなければ輸出できないと解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/66
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067・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) この会計は輸入のほうの会計でございまして、輸出のほうには全然タッチいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/67
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068・大矢半次郎
○大矢半次郎君 ニッケルにつきましては内地の生産を今後助長するために相当処置を講じておりますが、併し先ほどのお話によりましても、生産価格は相当高いようですが、今度の特別会計でカナダ等から輸入するほうが非常に安い、四十二万円ほどですか、そういう開きがあるのですが、そうすると国内の生産助長と輸入との関係をどういうようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/68
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069・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 先ほどの説明には輸入金会計全体についての説明でございますので、ニッケルのことについて申上げなかつたのですが、若し仮に現在二百七十万円という価格の中には数十万円の特別償却の経費が入つておるわけでございますが、仮に国内の生産費が二百五十万円といたしました場合に、相当多量のニッケルが入つて参りまして、これが民間輸入その他の形式で入つて参りまして、仮に二百万円で売られるということに相成りますれば、直ちに生産者に対しましては損失補償等の措置を講じなければならないわけでございます。その場合に一般の輸入価格四十万円との差額というものは輸入者自身の利益になるというようなことに相成るわけでございますが、その辺の兼ね合もございますので、ニツケルのごときものは政府会計、少くとも国内におきましてあのような償却が行われる必要のあります限り、又償却、生産をストップ等いたしました場合に、特別な補償等をいたさねばならん事態が続きまする限りは、輸入価格と国内価格の調整のためにも、政府会計等で一般の輸入ニッケルを管理いたしておきまして、輸出、特需等特別な用途でないものに売りました歳費というものを、国家の歳入の会計に記入し得るようにするほうが適当ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/69
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070・大矢半次郎
○大矢半次郎君 前に御説明のうちに、こういう国産を保護助長して着々生産の実績が上つておるというお話でございましたが、ニッケルだけに限つてみて、将来ますます国内増産を奨励して行くつもりなんですか、或いは又ここで考えなおすというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/70
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071・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) その点は正直に申上げまして省内にもいろいろ議論のあるところでありますが、実はTMCにおきましては近き将来においてニッケルの生産国となるであろうという見解が強いのであります。即ちカリホルニヤ等の鉱石が、或いはセレベス等の鉱石が日本の電力と結びついて製錬されて行くことが多いだろう。又日本はできるだけそういう方向に持つて行つて欲しいということを申しておるのでありまして、輸入期待量も逐次むしろ減らされるような状況にあるわけでございまして、今やや輸入が潤沢であるということで、直ちに製錬助成といつた方面をおろそかにしていいというようには考えられないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/71
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072・田村文吉
○田村文吉君 関連して伺いますが、今ニッケルの輸入価格はどのくらいになりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/72
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073・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) ニッケル鉱石ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/73
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074・田村文吉
○田村文吉君 ニッケル製品の今の四十何万円の割当で入るやつでなくて、自由市場で入るやつ、どのくらい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/74
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075・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 今のところは自由市場のものは入つておらんのですが、先ほど入つたものはやはり二百七十万円程度のものになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/75
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076・田村文吉
○田村文吉君 それで今内地の買取価格を下げたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/76
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077・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) 国際的にやや下つておる情勢をも考慮に入れておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/77
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078・田村文吉
○田村文吉君 この前の確かあれは別に奨励金を出すのではなくて、内地で安いものを入れたものを、相当価格で売つて、その価格の益金で国内のニッケルを奨励すると、こういう方式でしたね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/78
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079・石井由太郎
○説明員(石井由太郎君) この会計におきまして一般民需の分も輸入いたして配給し、その差益が入るようになりますれば、只今のお説のような結果に相成るのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/79
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080・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/80
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081・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見あるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もないようですから討論も終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/81
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082・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。緊急物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/82
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083・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続きは前例により委員長に御一任願います。なお多数意見者の署名をお願いいたします。
多数意見者署名
大矢半次郎 岡崎 真一
黒田 英雄 西川甚五郎
小林 政夫 田村 文吉
森 八三一 江田 三郎
大野 幸一 下條 恭兵
油井賢太郎
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/83
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084・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 次に日本開発銀行法の一部を改正する法律案について質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/84
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085・小林政夫
○小林政夫君 ちよつと関連をして、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律についてお尋ねをいたします。我々の修正案として日本開発銀行法の中で、第三十七条で借入金ができることに今度政府案でも改正になりましたが、その中で外資の借入れについては、外貨の借入金については政府が保証をする必要があるのじやないか、で、外貨資金の、外国為替の統制をやることについては、外貨送金を保証するというような意味においても、その借入金については政府が保証するということをやる必要があるのじやないか
という見解なんですが、それについて電源開発促進法案というのが今出ております。そのほうでははつきり今の法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の適用を除外して保証ができるということになつております。それから更に又日本電信電話公社法案においても、第六十二条の第五項において同様の規定をおいておる、こういうことであるわけですが、ところがこの先ほどの法律を読むと、第三条の但書において大蔵大臣が指定した会社については直ちに政府保証ができるという但書がある。そこで殊更法律に書かなくても適用を排除するような法律を入れて、一条項を設けなくても必要とあれば大蔵大臣が指定しさえすればこの日本電信電話公社にしても、或いは電源開発特殊会社にしても行けるのじやないか、又同様に日本開発銀行に指定しさえすれば保証ができるということになるのじやないかという見解もあるわ
けなんです。その点について佐藤さんの意見を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/85
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086・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) お答えいたします。先ず根本に法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律でございます。非常におかしな法律でございまして、私たちも非常に困つている法律でありますので、ちよつとこの趣旨を御説明申上げたいと思います。これは昭和二十一年の九月に法律二十四号として出ているわけでございますが、御承知のように終戦になりましてから、過去における各種の国策会社等に対しまして、政府がいろんな形の財政援助をしているわけでございます。この法律は三カ条からなつております。第一条においては、政府が劣後株を持つている場合にはそれを禁止するという規定をおきまして、それから第二条におきまして配当の保証のために財政援助をする、補給金を出すというような類のものを禁止しているわけでございます。最後に第三条におきまして、政府が保証をするということについて禁止しているわけでございます。それで一番多くの問題を孕んでいるのは第三条でございますが、この法律の成立経過を御説明すれば御理解願えると思うのでございますが、これは従来或る特定の法人に対して、政府が特別な財政援助を行なつたのを、この一本の法律で以て一遍にやめてしまえ、そういうスキヤツピングが出まして、それを具体的に法律化したのがこの法律なわけでございます。その点これはまあ非常に経過的な法律でございまして、私どもとしては、もう現在として廃止する実は意向であつたのでありますが、ちよつと手続的に遅れまして、今回は出なかつたような性質のものなわけなのでございます。御承知のように政府が債務負担をいたします場合、即ち他の法人に対して債務負担をする場合、勿論その債務負担の一つの典型的な場合でございますが、その何らかの形の債務負担をします場合に、憲法の八十五条によりまして、法律なり予算なりにおきまして国会の議決を要することになつております。法律なり或いは予算により、そのいずれによりましても、とにかく国会の議決がなければ政府の債務は負担でないわけでございます。でありますから何らかのそういう意味の法律なり予算なりが要るわけでございます。ところがこの第三条を見ますと、これは只今のような経過から保証契約のできないことを禁止しておりますので、今度は逆に反対解釈としまして、この但書によりまして支払いを指定した場合には憲法の八十五条にありますような法律なり予算なりの特別の権限を与えられないであたかも保証ができる。即ちこの第三条によつて政府はすべての場合の債務負担ができるかのごとき錯覚的な印象を与えられるわけでありまして、勿論それは行過ぎた解釈であります。即ち法律なり予算なりがどうしても要るんでありまして、従つてこの第三条は法律的に申しますと非常におかしなものです。率直に申しまして、向うのスキヤツピングの引写しのような規定でありまして、法律的にも非常に解釈に苦しむのであります。むしろこれは政策的な意図を持つて、如何なる場合でも債務負担はいかんということを言つている性質のものと我々は考えているわけなんです。それでありますから、今回の場合におきましても、若し債務保証の必要が認められるものであるならば、電通公社なり或いは電源開発株式会社のように明らかに規定を必要とするわけでございます。問題は政策論と申しますか立法論と申しますか、銀行の場合にはその金融機関としての対外信用というような見地から特にそういうものを必要とするかしないかというような政策論の問題になろうかと存じまするので、この法律から直ちには出て来ないと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/86
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087・小林政夫
○小林政夫君 政策論は抜きにして、そうすると結論的に言うと、そういう但書があつても、今は政府のこの電通公社のごときはもう全額政府出資の公社、電源開発株式会社のごときは半額政府出資である株式会社、従つて議論をなす人は、今までのこの委員会における一部の議論としては、電源開発会社は半額が民間が出資している特殊会社だから特にこれは必要がないのだ、全額政府出資の政府機関だつたらこういうわけに行かんじやないかということであつたのですが、電信電話公社のほうには書いてある。従つてその趣旨から押すならば、まあ開発銀行に対してそういうことをやろうとしてまで、あなたは立法論だけ言つてもらえれば、立法的には要るということをですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/87
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088・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) おつしやる通りでありまして、若し保証を必要とするということで、そういう制度が必要であるということでありますれば、改めて法律の規定が要るわけでございます。勿論予算でやつて参ることもできますけれども、御承知のように債務負担行為については一応三年の制限がございますからして、どうしても法律の規定はできないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/88
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089・大矢半次郎
○大矢半次郎君 関連して、今この法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の但書は無意味で、むしろ全面的に債務保証を禁止しておるのだというような御説明でありましたが、この法律はひとり政府に対するばかりでなく、地方公共団体に対しても会社その他の法人の債務について保証することを禁止していて、但書においてそれを緩和しておる。従つて現在地方公共団体において会社等の債務保証をやつておる例が相当あるのでありますが、但書によつてやつておるのではないか、そうすると若しもそうでないとすれば、この法律に抵触するように思われますが、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/89
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090・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) この法律は非常に確かにおかしいのでありますが、従来法律で以て債務保証ができるという権限を政府が与えられておつたようなものが終戦後にたくさんあつたわけであります。それに基いてやるような場合でも、債務保証ができないということをこのたつた一本の条文によつて禁止しようというのが本来でありまして、新らしい事態についてこの法文を適用することが適当かどうかは非常に私たちも疑問に思つておりますが、併し少くとも法律の形といたしましては、今後の問題についてもこの条文がある以上は、やはりこれは条文としては活きておる、こういう解釈をとつておるわけであります。今大矢委員のおつしやいました場合でございますが、地方公共団体が債務保証をするという場合には、国が債務保証をいたすような意味の特別な権限、つまり法律上の権限を必要としないという根本的な相違がございます。それで地方団体といたしましては、今お話のございましたような成る特定の会社に対して債務保証をいたそうとする場合には、法律の規定なくしてすることができるわけでありますが、ただこの条文がひつかかつて参りますので、この大蔵大臣の指定を求めて参つて来ております。実際問題としましては、この法律は殆んど専門家以外に余り知られていない法律なものでありますから、或いは地方公共団体で以て知らないで債務保証をしている場合があるがとも私は想像いたしますけれども、一応この規定は現在活きておるわけでありますから、勿論適用がそういう場合には当然あると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/90
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091・大矢半次郎
○大矢半次郎君 但書の規定がそういう場合には発動をして働いておるのではないか、こういうことをお尋ねしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/91
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092・佐藤一郎
○政府委員(佐藤一郎君) おつしやる通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/92
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093・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 如何ですか、御質問も大体終了したようですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/93
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094・小林政夫
○小林政夫君 懇談にしてもらつて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/94
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095・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 緑風会から御承知の通り修正案が出ておりますのですが、これに対しまして懇談願いたいと思いますが、如何ですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/95
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096・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) では懇談に移ります。速記をとめて。
午後三時三十四分速記中止
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午後三時五十二分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/96
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097・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。他に御発言もないようですが、質疑は終局したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/97
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098・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。なお御意見のおありのかたがたは賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がありましたら討論中にお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/98
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099・小林政夫
○小林政夫君 私は修正の動議を提出いたします。修正案については委員長の了承を得てすでに皆さんのお手許に案が配つてありますから、これを速記に入れることにいたしまして、要点を口頭で申上げますと、先ず資本金額を、法律案に明らかに金額自体を明示するということが第一点。それから第二点は、日本開発銀行の資金運用量が二千二百億という厖大な数量にもなりますので、この際総裁、副総裁、監事の人選については慎重を期する必要があるので、特に株主とも言うべき、国民が株主であるが、その代表である国会が十分納得した人選をしてもらうという意味において総裁、副総裁、監事の任命は両院の承認を経るというのが第二点であります。第三点は外貨の借入ができるように改正するわけでありますが、その際まだ外貨管理を行なつている限りにおいては、外貨送金を保証するというような意味において、外貨借款をする際に商社から政府保証を要求する場合もあろうかと思いますから、その際にも敏速に応じられるように所要の条文を入れたいと思います。それが第三点であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/99
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100・油井賢太郎
○油井賢太郎君 私は日本開発銀行法の一部を改正する原案並びに只今小林委員から修正案が出ましたが、小林委員の修正点について賛成いたしまして、その他の分は原案に賛成いたしたいと思います。ただこの際我々希望いたしますところは、開発銀行は今までの機能を拡大いたしまして復興金融金庫から相当の肩替りがありますが、そのうちには中小企業に貸出されているものも約三十数億あるということを聞いております。従つて開発銀行の本来の趣旨は中小企業とはちつとかけ離れた存在になつておりますから、この点につきまして将来中小企業の金融の面において支障を来さないように適当な措置を当局においてとられることを切に要望いたしまして、只今の要旨に副つて賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/100
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101・下條恭兵
○下條恭兵君 私は小林委員の修正案に賛成いたします。残りの分については原案に賛成いたします。この際私は一言付加えておきたいと思いますのは、私共はこの開発銀行法の制定の際にも、当然厖大な貸出しの全責任を総裁が負う機構になつております関係から、当然国会の承認を得べきものだと考えておつたのであります。今一点はこの法案審議に当りまして、復金の貸付についての質疑が相当詳細に亘つて行われたのでありますが、復金の創立された当時の復金の果した役割については、当時相当の功績も勿論あつたと思いますけれども、今はもう結果の問題だけが論議されているわけであります。ここで私は是非開発銀行に注意してもらいたいと思いますのは、数年前に物資の不足の際に、いろいろ例えば油脂原料のごときものを政府が増産を奨励して、その線に沿つて復金が貸出しをしたというようなもので、中小企業、農村工業等に相当起つておつたのであります。ところがこれが、その後の政府の大豆の輸入なんかの見通しの誤りから、非常に農村の、糠油にしましても菜種にしましても不況に陥つている。そうしてそのために中小企業の油脂工業というものは今非常に呻吟を続けている。そうしてこれに対して復金の貸出しは相当あつたわけであります。でありますから、これらのものは非常に、今何とかして事業を持ち続けて行こうという努力を方々でやつておるわけであります。こういうところに一つこの委員会が非常にやかましく言つたからといつて、どんどん手加減なしに開発銀行が、人が貸したものだからという調子でやられますというと、折角これから再建しようとしている中小企業が開発銀行によつて潰されてしまうという結果が起きることを虞れているのであります。でありますから、こういう点は一つ十分、今後も政治的な考慮を加えて頂くような必要があろうと思うのであります。今一点は、この法案審議の経過においてもわかりますように、一方においては当然のことではありますけれども、国民の血税の一部を貸出しに当てるのだからというので、貸出しを慎重にしろという要求があるわけであります。ところが一方においては商業採算に乗らない長期の貸出しをやるということでありまして、この運用というものは極めて兼合いは困難であろと思いますけれども、こういう大局的な見地を誤りなく、今後厖大な貸出しを運用して頂きたいということを希望いたしまして、賛成の趣旨を申上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/101
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102・江田三郎
○江田三郎君 私は緑風会の修正案に賛成いたすものでありますが、ただこの開発銀行の運営に当りまして、先ほど油井委員のほうから中小企業を重視した運営を要望されましたが、それと同じ意見でありますが、同時にいま一つ附加えたいことは、こういう開発銀行の資金が今後軍需産業に多く使われるのではないかという点を憂うるのでありまして、私どもはそういうことのないように中小企業なり平和産業に飽くまでこの金は使われなければならん、そこでこの修正案の提案者に対しましても、さようなことを法文の中に修正、書き加えて見たらどうかということを私どもは希望いたしましたが、法文にそこまで書くのは、これはその必要がなかろう、運用の面において考慮すればいいのだろう、こういうような御意見でありましたから、あえて法文を修正するということはいたしませんが、どうかそういう点を今後の運用の画に十分に考えて頂きたいということを希望いたしまして賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/102
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103・大矢半次郎
○大矢半次郎君 私は自由党を代表いたしまして所見を申上げたいと存じます。政府の提案は我が国産業の長期資金の供給を従来よりもなお一層豊かにしようといたしまして、開発銀行創立以来一年有余の経験に鑑みまして、この資本金を拡充し、或いは借入れの制度を設ける、債務の保証をなし得るなど各種の方法を講じまして、その機能の充実を図ろうとしております。誠に適切なる措置と考えて、大体においては賛成するのでありまするが、ただ資本金の規定におきましてやや不備なる点もありまするので、小林君の修正動議の第一点の、資本金の額を明確にするということの修正動議には賛成いたします。第二の修正動議、即ち開発銀行の総裁、副総裁及び監事を内閣において任命する場合に国会の承認を要することにするという点につきましては、金融機関の特殊性に鑑みてその必要がないと思うのでありまして、日本銀行の総裁、副総裁等の任命におきましても又日本輸出入銀行の総裁、副総裁等の任命につきましても国会の承認を得る必要がないことになつておるのであります。同様の趣旨によりまして、内閣の任命で事足りると考える次第であります。第三の借入金についての政府保証につきましては、これ又開発銀行の本質からいたしまして、全額政府出資であり、政府の特別の機関で、而も金融機関でありますからして対外信用十分である。外貨の借入れに際してあえて政府保証の必要はなかろうと考えるのでありまして、将来若しも万一その必要があつた場合には、その場合において法律上の保証をなし得ることにすると同時に、国会の決議を経てその保証の金額も明確にする、かくして初めて発動し得るのでありまして、ただここで法律の改正によつて政府が債務を保証し得るといたしましても、実際の発動はそれだけではできない、そういう点を考えまして、第三の政府保証の点も現在といたしましてはその必要がないと考えます。従いまして小林君の修正動議の第一点には賛成いたしますけれども、第二点、第三点につきましては反対いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/103
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104・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/104
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105・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。先ず討論中にありました小林委員の修正案の全部を議題といたします。小林委員の修正案に御賛成のかたの挙手をお願いします。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/105
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106・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 多数であります。よつて小林委員の修正案は可決せられました。次に只今の修正部分を除いた原案について採決いたします。修正部分を除いた原案に賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/106
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107・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は修正議決と決定いたしました。なお、諸般の手続は前例によつて委員長に御一任願います。多数意見者の御署名を願います。多数意見者署名森 八三一 小林 政夫 田村 文吉 江田 三郎 大野 幸一 下條 恭兵 油井賢太郎発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/107
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108・油井賢太郎
○油井賢太郎君 銀行局長にちよつとお伺いして置きたいのですが、先般為替銀行の海外進出ということについて新聞紙上等にもありましたが、駐在員をロンドンとニューヨークに置くということになつておつたようですが、あの承認の仕方が五行に限つて承認される。而もその五行もロンドンとニューヨークは別々の名前が承認されたようですが、その経過についてどういうことを基準にしてああいうふうに選定されたかということを先ずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/108
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109・河野通一
○政府委員(河野通一君) 外国為替銀行の海外への駐在員の設置につきましては、今お話のように先般ロンドンとニューヨークに対しまして五行、どちらも三行ずつ駐在員の設置を認めたのであります。この駐在員の制度を認めましたのは先ず前提としてどういう考え方で立つておるかということを申上げたいと思うのでありますが、これは特別に将来それらの地に支店を設置するということは必ずしも関係はございません。それから第二点に駐在員の数でありますが、銀行の数でありますが、これは先方のいろいろな空気等を打診いたしましたところ、余り数が多くないほうが望ましいということもはつきりいたしたのであります。これらの点から判断をいたしまして、駐在員を派遣いたしまする銀行を選定いたしたのでありますが、その選定の基準は過去における業歴と申しますか、過去におきまする為替業務に対する経験、能力、実績、そういつた点を十分に考えたのが第一点であります。例えば戦前にこれらの地域に支店を持つておつたとか、そういつた業歴を頭に置いて考えたのであります。それから第二点は最近におけるこれらの地域との間の為替取引の量、ボリュームを参考にいたしたのであります。この二点を頭に置きましてこれらの地域への駐在員の派遣の銀行を選定いたしたのであります。具体的にはニューヨークには東京銀行と大阪銀行、千代田銀行、いずれも戦前におきまする業歴の非常に古い外国為替の専門機関であります。ロンドンには同じく東京銀行と帝国銀行、それから富士銀行とを入れたわけであります。取りあえずのところといたしましては五、六行程度を選択いたしまするといたしますれば、いろいろな観点から判断いたしましてもこの五行、五つの銀行が先ず第一に選に入ることはこれは客観的に見てはつきりいたしておるのでありまして、そういつた観点からこの五行を選んだわけであります。将来然らば如何にして行くかという点であります。この駐在員は御承知のように決して支店ではない。為替銀行の外国為替の業務はいたしません。これらの地域における経済事情或いは今後の状況等の調査をいたしますということ、得意先その他に対する連絡等を行うことが目的であります。将来これらの五行のほかに更に駐在員の制度を拡張する意思ありやなしやにつきましては今後の情勢の推移に従つて適当に考えて参りたい。只今のところでは差当りこれを更に殖やすということは考えておりません。今後の事情の推移に応じて考えて参りたいと思つております。又海外に本格的な支店を設置するという問題につきましては、これは対外的な関係もございます。これらの状況を睨合せながら、事情が許すに従いまして本格的に支店を設置するということも考えて参りたい。これによりまして外国為替銀行が本当の意味で一本立になつて仕事ができる組織が築かれるわけであります。私どもは成るべく速やかなる機会に本格的な支店へ、海外支店の設置を認められることを希望いたしております。併しその場合におきましても過去の例、又戦後におきまする或る国等の実例等から見ましても、あまりに数多く銀行が支店を設置するということはいろいろな観点で支障がありますので、支店を設置いたします場合にも、これはやはり或る程度選択をして参らなければならんと思います。併しながら先ほど申上げましたように現在駐在員を出しておりますものが将来支店の設置について優先権を持つとか、それだけに支店の設置が認められるとか、そういつたふうな関連はございません。なお今申上げましたのはニューヨークとロンドンを中心にして考えておりますが、アメリカにおきましてもコーストの方面に駐在員を置いたらどうかという意見も出ております。又東南アジア方面においても駐在員或いは許さたるならば支店を置いたらどうかといつたような希望もあります。現に近くタイには帝国銀行が支店を設置することになるはずであります。先方の政府の正式の許可はまだ出ておりませんが、近く実現をいたすことになると思います。その他の地域につきましては現在まだようやく調査をいたしておる段階でありまして、どの神域に支店を置くとか或いは対外的な関係もございますし、先方のほうの政府の考え方もございましよう。これらの点について的確なる見通しを持つておらん次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/109
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110・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと申上げますが、電気通信委員会との連合委員会が、なかなか交渉がうまく行きませんので、いろいろ懇談願いたいと思います。ちよつと速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/110
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111・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。
本日はこれを以て散会いたします。
午後四時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X06719520613/111
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