1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年六月十九日(木曜日)
午後二時五十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 平沼彌太郎君
理事
大矢半次郎君
木内 四郎君
委員
岡崎 真一君
黒田 英雄君
西川甚五郎君
田村 文吉君
森 八三一君
下條 恭兵君
菊田 七平君
油井賢太郎君
衆議院議員
森山 欽司君
政府委員
外国為替管理委
員会委員 大久保太三郎君
日本専売公社監
理官 久米 武文君
事務局側
常任委員会專門
員 木村常次郎君
常任委員会專門
員 小田 正義君
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本日の会議に付した事件
○外国為替資金特別会計法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○国有財産特別措置法案(内閣提出、
衆議院送付)
○たばこ専売法の一部を改正する法律
案(衆議院提出)
○製塩施設法案(内閣提出、衆議院送
付)
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001・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第六十九回の大蔵委員会を開会いたします。外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案について質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/1
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002・油井賢太郎
○油井賢太郎君 二、三点伺つておきたいのですが、この外国為替資金の件ですけれども、最近ドルやポンドの手持が相当多くなつておるのですが、最近承わるところによると、海外に日本の為替銀行が進出する途が開けたそうなんです。そういう際に、今持つているポンドやドルを、そういう海外に進出する日本の為替銀行に預託をするというようなお考えがあるか、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/2
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003・大久保太三郎
○政府委員(大久保太三郎君) 日本の為替銀行の中で極く最近ロンドン、ニユーヨークに駐在員を派遣いたしました銀行が五行ございます。で、私どもこの駐在員が近い将来に店舗を、支店を開設いたしますかどうか、その辺のことは大蔵省のほうでお考えになつておりますので、私のほうでは承知いたしておりませんのでございますが、先先日本側の為替銀行がこういつた金融市場に支店を開設するということが早晩起つて来ようかと存じます。その際に、政府が集中いたして細りますドル或いはポンドの資金をこれらの為替銀行に預託をしまして、その運営の上に援助を與えるということは考えられないことはございません。非常に重要な問題でございまして、十分考えなくちやならないのでございますが、先だつてこの委員会で御質問がありました際に、私見といたしまして申述べました点は、日本の只今集中しております外貨資金は多くの部分日本の国際決済上のリザーヴといたしまして持つておるのでございます。こういう種類のいわゆるモネタリ・リザーヴに当りますものは、本来ならばドルであれば連邦準備銀行、ポンドであれば英蘭銀行若しくはイギリスの大銀行に預託するほうが一番堅実な方法であろうと存ずるのであります。何となれば、日本の銀行が仮に進出いたしましても、これに多額のモネタリ・リザーヴを預託いたしますことは、そういう銀行はドルなりポンドなりの資金をどういうふうに調達いたしますか、引出しを受けました際に、恐らく只今の状態でございますと、いきなり預託いたしましたならば、その外貨資金をFCCに売つて来るのじやあるまいかと思います。つまりスワップか何かで売つて参りましてそれを、円資金を調達する、円資金を調達するために売つて来るということが考えられます。若しこれをスワツプに応じないということであれば、自然これを輸入為替資金とかその他に運用、使用するわけでございますが、ただ漫然とちちらに積んでおくのでは意味はございませんので、貿易に使うだろうと思いますが、その場合に日本が何かの……これを引出さなければ別でございますが、本当に引出すような必要なときに、果して英米の大銀行と違いましてその辺の運用いたしました資金を確実に返済できるということはなかなかむずかしい点もございます。従つてそういうモネタリ・リザーヴに当りますものは、金に換えるか、或いは中央銀行若しくはその土地の大銀行に預託して保管するというのが筋ではあるまいかと思います。そのほかなお只今も利用いたしておりますが、日本の決済のために外為資金を現実に使わしておるのでございますから、そういつた運転資金に当りますもの若干をこれに預託いたしまして、運転資金の調達に便宜を與える、或いは将来国庫の取扱銀行になりましたものについては、その国庫の支拂元の資金を若干預託するといつたことは十分考えられることじやないか、さように私考えるのでございます。まだ何分現実の問題として起つておりませんので、只今から先々のことをはつきり申上げることはちよつと困難と存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/3
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004・油井賢太郎
○油井賢太郎君 外国銀行が国内に進出しているのは相当あるのですね。そういうところへ、現在は外為委員会でいわゆる手持の外貨というものを有効に使つておると思うのですが、そういうふうに使つておるよりも今度の改正法で出ている。外貨証券というほうがよほど右利になるのですか。それから、それをいざ日本の外為委員会あたりで実際に自分が使いたいときには、外貨証券というものは簡單にいわゆる現金化できるというお見通しは大丈夫なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/4
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005・大久保太三郎
○政府委員(大久保太三郎君) 只今日本の持つておりますドル及びポンドの資金の約三分の二は、それぞれ定期預金、当座預金にいたしております。三分の一が只今の貿易規模で為替金融を賄なつて行きます上の余裕資金だと認められる為替でございますが、こういうものは定期預金をいたしております。ニユーヨークの例で申しますと、定期預金のレートは三カ月前の予告で以て引出し得るもの、これはレートが年利一%であります。それから九十日の定期預金、これがドルにつきましては過半数を占めておりますが、これが年利一・五%でございます。若しこれを大蔵省証券に運用いたしますと、大体九十日の期限のものでございますが、只今利廻が大体一・七%強になつております。ですから定期預金にいたしますのと大差はございません。若干有利だという程度でございます。
それからポンドの資金でございますが、これは三十日の前の予告で引出し得る定期預金が只今年利二%でありまして、大蔵省証券を買いますと、若干これも有利になります。そういつた程度で、大差ございません。
それからこういう短期の大蔵省証券でございますと、これはいろいろなものを組合せをいたしまして、始終償還金が回転するようになつて参りますから、何か決済上必要なときには必ず償還資金で満額、最初の投資額を欠けないで償還する。今度いつでも償還を受けられる。又万一これを全部資金化いたしますときたは、英蘭銀行なり或いはフエデラル・リーザーヴ・バンクによりましてすぐに資金化いたす、そういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/5
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006・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それから先だつていわゆる外資導入に関する法律が改正されたのですね。あれによつて見ますというと、まあ今度の改正で相当外資の導入ができる、いわゆる日本の有価証券が海外に売れるということになりますと、これは日本の有価証券は非常に金利が有利になるわけです。それで少くとも一割、或いは一割五分というような利廻になると思います。それに対して外為委員会のほうで現在やつておる資金の運用を外国の有価証券に投資したとしても、外貨証券に投資したとしても、これは利廻が幾らでもないと思うのです。大分日本のほうの導入した資金の利子と、それから日本が向うへ預けた利子との差が開き過ぎる。この調節はもう少し何か名案ないのですか。外為委員会でそういうことはお考えになつておらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/6
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007・大久保太三郎
○政府委員(大久保太三郎君) お尋ねの問題は日本と海外の大市場との金利差の問題でございます。これはいろいろなむずかしい問題が絡んでおると思います。委員会といたしましてはその金利差の調整北つきまして別に措置のようなものを考えておりませんのですが、現状においてどういたしましても今の外貨資金を運用するに両地の、ロンドン、ニユーヨークの標準金利水準によらなければなりませんし、殊に日本の決済資金であればやはりこれは確実、たとえ利廻は低くても償還の確実なもの、それから又何時でも資金化できるもの、そういうことが標準にならざるを得ません。只今のところ先ほど申しましたような非常に低い利廻にしかなりませんけれども、止むを得ない措置かと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/7
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008・油井賢太郎
○油井賢太郎君 これは非常に素人じみた質問か知れませんけれども、大体今日本で持つておるドル、ボンド手持合計十億ドルぐらいあるというのは、円に直せば三千六百億です。それでそれだけのものを持つているくせに外資導入をやらなくちやならない。私は外資導入をやらなくちやならないと思うのですが、一方においてそういうふうな大きな外貨の手持があるのです。それにもかかわらず外貨というものは極めて利子が、さつきあなたの御説明にあつたように一%或いはせいぜい二%というふうな低いものです。而も日本で導入した外貨に対する海外支拂いの利子というものはこれは少くともさつき私が言つたように、どんなに安くても一割以上にはなつている。そうすると五倍の差がそこに出てしまう。こういうようなことに関してはもう少し大きな見地からあなたがたエキスパートの手腕なり、或いは頭を以て、もつと日本の有利なようにこれに対する方策を講じてもらいたいと思うのですが、いずれ機会を見てそういうことを一つ御検討願いたいと思います。私の質問は終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/8
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009・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/9
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010・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/10
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011・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それでは採決に入ります。
外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/11
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012・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願います。それから多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
菊出 七平 下條 恭兵
森 八三一 油井賢太郎
田村 文吉 黒田 英雄
木内 四郎 西川甚五郎
大矢半次郎 岡崎 真一
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/12
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013・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 次に国有財産特別措置法案について質疑を行います。……別に御発言もないようですが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/13
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014・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/14
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015・下條恭兵
○下條恭兵君 私は社会党の第二控室を代表しまして、この法案に反対するものでございます。この国有財産の拂下げにはいろいろな矛盾があると思うのであります。現に今厚生委員会のほうでは国立病院の地方移管問題について非常に大きい問題になつておりますし、なお最近新聞を賑わしました四日市の燃料廠の問題、その他政治問題になりつつある問題が相当あるのです。特に私は終戦後国有財産で民間に貸下げ、拂下げ等の行われたものにつきましてはいろいろ不明朗な点も多々あると思うのでありますが、これらの点につきまして私はこの法案にあるように、大蔵大臣だけの決裁でやられるというようなことは将来のために非常に問題を残すのではないかと思うのであります。そのような見地に立つて、我我はこの法案が撤回されまして、政府は改めて案を練つて再提出せられんことを希望するのであります。以上の意味を以ちまして反対の趣旨弁明をいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/15
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016・油井賢太郎
○油井賢太郎君 私は民主クラブを代表いたしまして、この法案に賛成いたすものであります。ただ今回出ております法案によりますと、かなり中小企業のほうにも恩恵は、潤いがあるというふうに見られるのでありますけれども、実際の具体的な立場におきまして、この法案のやり方を上手にやらなければ、法律はあつても実際的に行われないというようなことになつては、甚だ遺憾だと思うのであります。殊にこの第九條にありますところの企業の合理化というようなことに関しましては、特に中小企業者に重点を置いてやつてもらいたいということと、それからその差額が、必要な場合におきましてはその差額というようなものもできるだけ支拂が円滑にできる方法をとるということと、その対価ということも、中小企業者の立場において十分廉価に引渡すというような方法を特に御注意願つておきたいと思うのであります。そういう点を注意してもらうことにいたしまして、この法案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/16
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017・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/17
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018・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。
国有財産特別措置法案を原案通わ可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/18
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019・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続は前例により委員長に御一任を願います。それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
菊田 七平 大矢半次郎
森 八三一 油井賢太郎
田村 文吉 黒田 英雄
木内 四郎 西川甚五郎
岡崎 真一
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/19
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020・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/20
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021・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。
たばこ專売法の一部を改正する法律案について質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/21
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022・森八三一
○森八三一君 昨日本案について質問の途中で散会になつたわけでありまするが、当初に申上げましたように、山村地帯において非常に零細な耕作者の主要な生産品でありますので、これが育成と申しまするか、更によりよく生産されるような方途を講ずる点においては極めて関心を持たなければならん問題であり、ここに提案されていることについては別に異議はありませんが、更にこの趣旨を徹底せしめるためには、御説明にございましたような植付検査が終了したあとでやるというようなことではまだ十分ではないのではないか、耕作反別がきまつたときに資金を出してやるというように、もつと資金を出すときを繰上げて早くやらなければ、この法律に示しておりまする、その資金によつて葉たばこの品質を向上し、又は収穫量目を確保するという結論は直接に関連性がなくなつてしまうのではないか。ただ実態は御説明がありましたように、現に市中銀行なり、農林中央金庫等から金融を受けて耕作をやつておりますので、これを出してやればそれによつて今まで借りている金を返すとか、或いはその資金によつて次の年の肥料の手当をするというようなことで、関連してこの十九條の但書に示したようなことを達するというような意味になることは十分理解はできまするが、端的にこの十九條但書の趣旨を達しようとすれば、そういうふうに考えるべきであると思うのですが、そこまで提案者のほうでは御研究になつたのかどうか、この辺を一つお伺ついしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/22
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023・森山欽司
○衆議院議員(森山欽司君) 森先生の御懸念は御尤もな点があるのでありますが、ともかくこの法案が成立いたしますれば今年の七月一日から実施し得るのでございます。今年度は今回の法律でやるほかございませんので、来年の実施につきましては御趣旨に副いまして私ども衆参両議院の着たちが十分お話合いをいたしまして、納得できる線に持つて行きたい、こういうふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/23
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024・森八三一
○森八三一君 その次にお伺いしたいのは、昨日も御説明があつたと思いますが、資金を前渡いたしまする場合に、勿論形式上個々の農家の耕作者が前渡を受けるということになると思いますので、公社から個々人の耕作者に渡るという形式はとられますが、趣旨で申されておりますように、この資金を使つて主として肥料の購入をやるというようなことが眼目になつておるように思います。そういたしますると、この資金が個々人に現金を以て給付されるということになりましたのでは、或いは非常に農家といたしましてはいよいよ経済的に行詰まつておりまして、生活資金を非常に強く欠いておるというような気の毒な状態に置かれておりますので、現金を掴んでしまえばこれは別なほうへくれてしまうという危険が多分にあるのではないか、そこでその前渡をするという趣旨を十分に達するために具体的にどういうような措置が講ぜられるのか、現金の授受については昨日お話のあつたよたりに連合会を通じて云々、これはわかりますが、それがキャッシュで渡るということになると非常に問題を孕むのではないかという気がするのですが、その辺どういうような措置が講ぜられるのか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/24
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025・森山欽司
○衆議院議員(森山欽司君) その点も誠に御尤もな御質疑でございますので、ともかく事実上前拂ということになりまして、これが収納いたしましたときに現金が渡るという仕組が必要という面もありますし、先に余りだくさん渡りますと、お話にありました通りの無駄使いになる面もございます。そこで今日大蔵省並びに公社のかたがたと打合せをしておりますところは、大体耕作組合の連合会單位、或いは出張所単位ということになるかと思いますが、これは各県の実情によつて多少相違が出て来るかと思うのでございます。そこで統一して取りまとめて本改正案の趣旨にかなうように使用するということに事実上は運用するつもりでございます。もとより法の建前から申しますと、個々の耕作者に一五%乃至二〇%というような収納代金の前拂が行われるわけでございます。これは形式上はそういう形をとりますが、実際上の運営といたしましては、只今申上げましたような形でやつて行くほうがより適当ではあるまいか、又それが御質疑の趣旨にもかなうことであるというふうに私ども考えておる次第であります。大体そういうふうな方向に進むであろうというような見通しを持つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/25
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026・森八三一
○森八三一君 只今の御説明で十分了解いたしましたが、私といたしましてはでき得る限りやはり耕作者に、資金がありまする場合には肥料の現物とか農薬とかといつたような、趣旨に適合するものに替えて給付をされるということについて御考慮を願うことを希望いたしたいと思います。
それからその次にお伺いいたしたいのは、法律に必要があると認めるときということで、裁量が公社に一任をされておるような恰好になつておるのでありますが、これは法律の表現上こういうふうになつていると私は理解いたしておりますが、現実の問題としてはこれは肥料代金とすれば毎年々々入用なはすでありますので、必要のあるとかないとかいうことを一々公社が判定なさるということではなくて、しばしば御説明のあつたように、たばこ耕作の特殊性、たばこ耕作者が非常に零細な農村の耕作者である、而も経済的に非常に困難をしておるという意味から、この点は大体恒例的に考えるものというふうに理解をいたしたいと思いますが、公社のほうで運用をなさる場合の指導を大蔵省はどうするのか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/26
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027・久米武文
○政府委員(久米武文君) 私前に法律の條文解釈の点だけ御説明申上げましたけれども、実際の運用面は、只今御指摘になりましたようなことに相成ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/27
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028・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/28
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029・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/29
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030・田村文吉
○田村文吉君 昨日の質問及び只今森同僚からの御質問の中に織り込んでございまして、これの運用に当りましては細心の御注意を願いたい。と申しますのは、昔御承知のようにこの自由経済時代に青出売買というものがございまして米作にはまだできない青田の時代に、農家が金が要るために金をもらつたということが、かなり惰民を作り、貧農を作つたゆえんの途であつたということを覚えておりますので、前渡金をお渡しになるのも結構でありますが、これの運用に当りましては細心の御注意をおつけになりまして、御加入の組合その他に十分の注意をして頂いて、折角政府が無理して親心で前渡金を渡してやつたけれども、その結果は非常に悪かつた、それがために農村はますます疲弊したというようなことにならないようにこれはして頂かなければならんと考えますので、どうかその点を十分に運用の面で御注意を下さるということの下に本案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/30
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031・油井賢太郎
○油井賢太郎君 民主クラブはたばこ専売法の一部改正に賛成するものであります。只今田村委員からもお話がありましたが、私もこの法案は活用の方法に心して頂きたいという希望を持つておるのであります。即ち何か救済資金というふうな考えを持たれることでは私は意味を成さないと思うのであります。積極的に将来の生産というものの増強、或いは品質の向上、収穫量目というものの確保という、この目的に本当に副い得るような使い方をするように、よく周知徹底をさせてこの法案を活用して頂きたいと、こういう希望を特に申述べまして賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/31
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032・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて差支えありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/32
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033・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決を行います。
たばこ専売法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/33
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034・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願います。それから多数意見著の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
岡崎 真一 木内 四部
西川甚五郎 田村 文吉
黒田 英雄 森 八三一
油井賢太郎 菊田 七平
下條 恭兵 大矢半次郎発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/34
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035・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 次に製塩施設法案について質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/35
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036・下條恭兵
○下條恭兵君 私は前回電気製塩関係の資料を出してもらいたいと要求しておいたのですが、今日これを見ますとその資料が入つておりませんけれども、口頭で結構ですけれども、大体どうなつておるか御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/36
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037・久米武文
○政府委員(久米武文君) 只今の電気製塩関係の資料は、間もなく公社の塩脳部長が参りまして申上げることに相成つております。暫らく御猶予お願いいたします。塩脳部長から申上げます。
詳細は間もなく塩脳部長が参りまして申上げることに相成つておりまするが、大体のことを申上げますると、終戰直後の、いわゆる塩が非常に不足いたしました時代に、塩の需給を図つて自家消費の塩を増産するというふうな政策がとられました際に、相当全国的に電気製塩の施設が設けられたのでございます。前に御指摘の通り、当時復金からも相当の資金的援助をいたしてこれらの施設は設けられたのでありますが、その後電気事情その他いろいろの事情で、これらの電気製塩施設は十分に所期の目的を達することなく、いわば一種の遊休施設化したわけでございます。その後相当月日がたちましたので、現在これらの電気製塩施設はその後余り塩業者の、当該電気製塩を業とされたかたの側におきまして手入を余りされていないというふうな実情であるように私考えております。従いまして、例えばパイプが錆びているとか、いろいろの機械装置の一部が壞れているとかというふうな実情に相成つておるというのが多うございまして小名浜式の海水直煮製塩方式に切替えることによつて、これらの遊休化したところの電気製塩施設を活用するという面は、着想としては非常に結構なのでございますが、実情においてはそういうふうな転換の可能性というものは余りないというのが残念ながら実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/37
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038・油井賢太郎
○油井賢太郎君 小名浜の工場の原価計算予想表が出ているのですが、これを見ると、トン当りの生産が一万一千六百四十円なんですね。そうすると普通の収納価格よりもかなり下廻つていると思うのですね。今の説明によると何かあれですね。小名浜の製塩でも余り感服しないような、そんなように聞えたのですが、安くできて、そして感服しないというのはどういうふうな意味なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/38
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039・久米武文
○政府委員(久米武文君) 先ほど下條委員のほうから御指摘になりましたのは、終戰直後にできましたところの極めて小規模な電気製塩の施設でございまして、そういうものがその後の情勢の変化で遊休施設化してしまつたというわけでございます。
それから今度公社で直営にいたしましたところのまあテスト・フランとしての福島県の小名浜の工場は、これは能力として年産一万トンというのを目標といたしまして、その原価計算も、今の塩の収納価格一トン当り一万三千円というのを超えたのではこれは採算が成立ちませんから、トン当り一万三千円という収納価格よりも低いベースで以て十分採算がとれ、技術的にも間違いなく塩ができるというふうな方法を考案して工場設計をいたし、いろいろ基礎の目論見をしたわけでございますから、従いまして小名浜のほうにつきましては見込に間違いはないわけでございます。こういうふうなものは、今後仮に民間でも資金の手当がつけば、十分可能性があるわけでございます。尤も電気を所要いたしますから、電力の供給が確保されるということは條件でございます。小名浜式の海水直煮の方式によりまするところの塩は、これは技術的にも間違いないものと御了解願いたいと思うのであります。ただ従来の細々した古い何と申しますか、家庭工業的な極く細かいところの電気製塩というものが、これがちよつと今転換の途がないということで行き悩みの形でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/39
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040・油井賢太郎
○油井賢太郎君 この小名浜の表を見ましてちよつと伺いたいのですが、建設費の総額は五億八千七百万円で相当の金額になつていますね。生産能力が一万トンということになれば、このトン当りの建設費が五万八千七百円になるわけですね。これのトン当りの利子はこの総額のうちに、いわゆる経費明細のうちのどの部分に入るのですか。利息を計算されてこれはお入れになつたのですか。将来民間で以てそういうような設備を作る場合、非常な参考になつて来ると思うのです。利子ということを全然考えないで、国家費用で皆塩を作らせればいいでしようが、借入金を以てやるということになれば、或る程度利子ということはよく見なければならない。どこに入つていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/40
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041・久米武文
○政府委員(久米武文君) 減価償却の項目のところだつたと思います。今記憶しておりませんけれども、なお詳細について、只今遠藤部長が参りますから、そのとき申上げますが、その採算の点だけから申しますると、一万トンプラントというものよりも、五万トンプフントのほうが有利であります。又五万トンプラントよりも、十万トンプラントのほうが有利である。これは明瞭でございまして、十万トンプラントを作れば、電力さえ確保されれば、この一万一千六百四十円という原価は、これは極く大ざつぱな目安としても、九千円以下に下るだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/41
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042・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 実は下條委員の要求の資料がまだ参りませんので、それらを見てからゆつくり質問して頂くことにしまして今日はこの程度にしておきます。ちよつと速記をとめて。
午後三時四十二分速記中止
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午後四時十五分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/42
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043・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。本日はこれを以て閉会いたします。
午後四時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X07019520619/43
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