1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年四月十八日(金曜日)
午後一時五十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 鈴木 恭一君
理事
山田 節男君
委員
寺尾 豊君
新谷寅三郎君
稻垣平太郎君
水橋 藤作君
政府委員
電波管理委員会
委員長 網島 毅君
電波管理総局法
規経済部長 野村 義男君
電気通信省電気
通信監 山下知二郎君
事務局側
常任委員会專門
員 後藤 隆吉君
常任委員会專門
員 柏原 榮一君
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本日の会議に付した事件
○工場抵当法及び鉱業抵当法の一部を
改正する法律案の修正について法務
委員会に申入れの件
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
全保障條約第三條に基く行政協定の
実施に伴う電信電話料金法等の特例
に関する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
全保障條約第三條に基く行政協定の
実施に伴う電波法の特例に関する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/0
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001・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 只今より委員会を開会いたします。議題に入ります前にお諮りいたしたいことがございます。先般日本民間放送連盟の会長足立正氏から放送事業設備の担保規定に関する陳情がございました。或いは委員の各位のところにも要望があつたかと思うのでございますが、陳情の内容は、結論から申しますと、民間放送事業の財政的基礎の安定を図ることが必要でありますので、放送事業設備を最も有効且つ適宜の方法で担保となし得る規定を至急制定してもらいたい、配意してもらいたいというのであります。放送事業の財政的基礎を確立するということの必要なことは、これは申上げるまでもないことでありまして、日本放送協会は放送法によりまして放送債券の発行の規定もあります。この点の配慮がされておるのでありまするが、民間放送事業につきましては、こういう保証もなく抵当権設定などにつきましても一般民法の規定しておるだけにとどまつておるのであります。若し放送所とか、演奏所とか、その他の設備など放送事業が有機的に一体をなして構成しておる施設、これを一括して財団とすることができるならば、言葉を換えて申しますると、工場財団として一個の不動産として認められるようにできますならばこれによつて資金の獲得も非常に円滑に行くでしようし、事業運営の上にも有利になるのではないかと思うのであります。そこで仮に今申しましたような措置をとるならば、工場抵当法の修正をいたすことが一番適当な措置ではないかと思つております。この修正も第一條の第二項に電気ガスが工場とみなされておりますることに対して、これに放送を附加えれば足りるのではないかと思われる。この問題は実は当委員会の所管外の事項ではありますが、丁度今法務委員会に工場抵当法の一部改正の案件が付託されておるのであります。そこで皆さんの御賛成が頂けまするならば、法務委員会に対して電気通信委員会から工場抵当法の一部改正案の修正を要望いたしたらどうかと、かように考えるのでございますが、皆様の御意見をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/1
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002・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 これはもう申すまでもないと思うのです。ですから民間放送事業がやつと昨年の暮からですね、スタートして今日漸く軌道に乘つたのですが、資金面で非常に弱つておるようですから他の方法によつても資金の調達について骨折つてやらなければいかんと思いますが、その場合にも、やはり抵当物件の設定ということについて、工場財団式に関係の財産を、やはり一括してその抵当に入れるというのは当然で、新聞社等も工場財団になつておりますから、それらと同じようにしてくれという要望をこの委員会から法務委員会に宛てて、これはむしろ公文ででも要望書を出しておいたらいいだろうと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/2
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003・水橋藤作
○水橋藤作君 これはまあ新谷委員の言われる通り、私らも絶対賛成もし、又努力もしなければならんことですが、これは見通しとしてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/3
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004・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 法務委員会のほうでもこの問題の陳情を受けておるようでありまして、今のところそういうふうな修正もいたしてもよろしいというように私は法務委員長とは打合せております。なおこの問題が参議院に参りまして問題になりましたにつきましては、実は衆議院のときにはこの問題が余り具体的に進行しておらなかつた。衆議院の電通委員会もその必要を認めておりまして、衆議院のときにはその修正はしなかつたけれども、参議院のほうで考慮されるならば、衆議院としてはその修正を呑むということにやぶさかでないということを電気通信委員長から私のところにも、話が参つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/4
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005・水橋藤作
○水橋藤作君 それでは結構ですから形はどういうことに……申入ということにしますか。これはまあ決議してどうということではありませんから、やはり文書ででも善処方を委員長に一任して早速にその法案が審議中、審議に遅れない前にその手続をとつて頂きたいと要望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/5
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006・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 山田先生は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/6
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007・山田節男
○山田節男君 いいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/7
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008・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それでは電気通信委員長から法務委員長に宛てて公文で出したいと思いますが、ここに手許にございますので、これを読んで見ます
当委員会は民間放送事業の財政的基礎の安定に資するため、その放送事業設備を最も有効且つ便宜な方法で担保となし得るよう工場抵当法を左記のごとく修正することについて貴委員会の格段の御配意を望むものである。記、といたしまして第一條第二項、営業のため電気又はガスの供給の目的に使用する場所はこれを工場と看做すを、営業のため電気若しくはガスの供給又は放送の目的に使用する場所はこれを工場と看做すに改める。
これを法務委員長に至急提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/8
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009・山田節男
○山田節男君 文句ですがね。放送事業、放送事業ということは、将来テレビジヨンもできるものと見なければならん、これが民間放送になるか、国営になるかわかりませんが、これはラジオ放送と、それからテレビジヨン放送ですか、そのほかにもあるかどうか私知りませんが、放送という中に、ラジオ放送とテレビジヨン放送が含まれればいいですがね。字句の点において、将来更に又加えるとか、訂正する必要がないように、若しテレビジヨンも含まれるような意味に修正されれば将来変える必要がないからいいのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/9
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010・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 放送という文字は、この前有線放送のときにもいろいろ議論もあつたのでありますが、放送法の第二條の第一号の定義によつて無線放送ということが明らかなんであります。そして現在テレビジヨンもこの定義の下で我々はテレビジヨンを定義いたしておりますので、テレビジヨンというものもこれに含まれると解釈いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/10
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011・山田節男
○山田節男君 含まれればいいでしよ、法理的に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/11
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012・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) さよう取計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/12
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013・水橋藤作
○水橋藤作君 最初のほうの字句ですがね。抵当に入ることもできるというふうにあれしたほうがいいように思うのですが、もう一遍読んで下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/13
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014・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) これは、工場抵当法の第一條はですね。結局物品の製造若しくは加工又は印刷若しくは撮影の目的に使用する場所、こうなつております。それが工場に属する機械、器具、土地又は家屋と一緒に抵当に供することができるように……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/14
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015・水橋藤作
○水橋藤作君 それはわかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/15
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016・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 第二項に、嚴格の意味の製造、加工、印刷とかいうふうなことじやないものですから、営業のため電気又はガスの供給の目的に使用する場所は工場と看做すと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/16
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017・水橋藤作
○水橋藤作君 それはいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/17
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018・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) そこでそれを営業のため電気若しくはガスの供給又は放送の目的に使用する場所はこれを工場と看做す、第一項の規定で供し得るということになつているのですから、それであなたの御趣旨の通りになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/18
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019・水橋藤作
○水橋藤作君 その次です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/19
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020・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それじや前文のほうを……当委員会は民間放送事業の財政的基礎の安定に資するため、その放送事業設備を最も有効且つ便宜な方法で担保となし得るよう工場抵当法を左記のごとく修正することについて貴委員会の格段の御配意を求める……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/20
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021・水橋藤作
○水橋藤作君 適当にできるということですね。なし得るということだから必ずするという意味じやないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/21
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022・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/22
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023・水橋藤作
○水橋藤作君 それじや結構です。
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024・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それではこれより本日の議題に入ります。
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う電信電話料金法等の特別に関する法律案及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う電波法の特例に関する法律案、以上を一括して議題といたします。この法律案は昨十七日に衆議院におきまして可決、直ちに本院に送付せられ、本委員会に正式に付託と相成つた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/24
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025・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 若しできれば審議の使宜上この前に私から要求しておいたのですが、電波、電気通信両方に跨つて行政協定の実施に伴つていろいろ細目の話合いを今政府は進めておるだろうと思うのですが、駐留軍の軍事的目的からはどういう事項を要求されておるか、又それが今どういうふうな段階に交渉がなつておるかということを詳しく御説明を聞きたいと思うのですが、この法律案に載つてない事柄でいろいろ我々考えられる問題があるのですから、これは場合によりましてこの会議を秘密会にされても私は結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/25
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026・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 前回におきまして新谷委員から政府委員に対して資料の要求がございました。只今新谷委員から御発言のような内容であつたのでありますが、これにつきましては秘密会で説明申上げたいということを関係当局から事務局まで申出がございました。従つてこれから秘密会を開いて説明を聽取いたすかどうかお諮りしたいと思つておつたのですが、如何いたしましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/26
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027・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それではこれより秘密会に入ります。なお秘密会におきましては速記をつけるかつけないか、その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/27
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028・水橋藤作
○水橋藤作君 ちよつとその前に、私はあえて秘密会を拒むものじやありませんが、国会といたしましてやはり所管官庁として交渉過程を率直に国会に披瀝してお話しても、あえて秘密会でなくとも勇敢に国会に報告をされる腹がまえが必要じやないか。今日もうすでに講和條約も締結され、今日あえてそこに遠慮する必要がないかとも思いますが、今回はそういう申入があればこれもいいと思いますが、あえてこれからは遠慮なしに十分に向うの言われること、こつちの言うことも遠慮なしに言える立場に立つて今後のいろいろな問題の交渉に当つて頂きたい。こういうことを要望するわけなので、本日の秘密会はあえて反対いたしませんが、態度としてはそういう態度で臨んで頂きたいということを要望いたしまして、今日の秘密会に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/28
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029・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 水橋委員のお説御尤もだと思います。ただ本件につきましては今なお予備作業班でいろいろ交渉中にも属しておるかと思われますので、さよう取計らいたいと思います。速記は如何いたしましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/29
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030・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 それは結局政府側で速記をつけてもかまわんということであればそれでよろしいが、恐らく駐留軍の問題で、速記があると公することになるので困るのじやないかと私は思うのだが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/30
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031・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それでは速記をつけないで秘密会に入ります。速記をとめて下さい。
午後二時十六分速記中止
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午後四時九分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/31
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032・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。それでは秘密会を閉じまして本日はこれにて散会いたします。
午後四時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X01719520418/32
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