1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月十九日(月曜日)
午後三時四分開会
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委員の異動
五月十六日委員寺尾豊君辞任につき、
その補欠として黒川武雄君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 鈴木 恭一君
理事
尾崎 行輝君
山田 節男君
委員
大島 定吉君
新谷寅三郎君
小笠原二三男君
水橋 藤作君
政府委員
電波管理委員会
電波管理長官 長谷 愼一君
電気通信省業務
局長 田辺 正君
電気通信省経理
局長 横田 信夫君
事務局側
常任委員会専門
員 後藤 隆吉君
常任委員会専門
員 柏原 栄一君
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本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法案(内閣送付)
○国際電信電話株式会社法案(内閣送
付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/0
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001・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) これより本日の委員会を開きます。日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案、国際電信電話株式会社法案、電波法の一部を改正する法律案、いずれも予備審査でありますが、各法案につきまして一応逐條の御説明を政府のほうからお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/1
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002・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 この前の委員会で要求しておいた資料は今日頂いたので、これで全部という意味ですか。例えば日本電信電話公社法案、これについての機構、それがどうなつているか、どうなる見込かということを聞いたのですが、それはまだ頂いていないように思うのです。それから電波法関係でも條約と対照表を頂きたいと思うのです。これもまだ頂いた中に入つていないのですが、若しあればそれを頂いておくと御説明を伺うのに非常にわかりいいと思うのです。できているのですか、できていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/2
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003・田辺正
○政府委員(田辺正君) まだ機構のほうは用意ができませんので、一もう少しお待ち願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/3
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004・長谷愼一
○政府委員(長谷愼一君) 只今御質問の電波法の新旧対照表と並びにその根拠となる條約の條文関係のものは只今調製中でありまして、追つてお手許に差上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/4
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005・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/5
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006・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それではどの法案からでもよろしいのでありまするが、順序に従いまして公社法案から御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/6
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007・横田信夫
○政府委員(横田信夫君) 只今お話のありました日本電信電話公社法の内容につきまして、條を逐いながらこの内容を説明さして頂きます。一章の一條には、公社の設立の目的を書いてあるわけであります。これは特に御説明するまでもないことじやないかと思います。次の二條には本法によつてこの公社は成立するのである、法人であるということを闡明いたしてあるわけであります。この点国有鉄道、或いは専売公社におきましては、公法人とするとこう書いてありますが、これは法人とする、これは別に意味はありません。公と書いても、書かなくても、これは同じ意味なのでありまして本法によつて成立する法人であります。その意味において、これは公が抜けておるから違う意味かといいますと、同じ意味であります。第三條には業務の内容を規定しておりますが、この公社の性格からしまして、公社が全額政府出資の公共的な使命を持つ企業体であるという意味から、この公社の業務範囲というものも、ここに明示いたしましたように限定いたしたわけであります。で「公衆電気通信業務及びこれに附帶する業務その他第一條に規定する目的を達成するために必要な業務」、こういたしたわけであります。附帶する業務の中には、この電気通信事業の経営に当つて、当然必要とするいろいろな研究のようなこともやるし、そういうことも当然入るわけであります。又必要な業務の中には、そのほか電気通信のいろいろな庁舎の空いたものを、場合によつては貸すということもできないことはないというふうに解されるわけであります。第三條の第二には、その本来の業務を遂行する上に支障のない限りにおいて、次のような用途を委託によつて引受けてよろしいということも書いたわけであります。この一乃至四に書いてありますことは、本来の電気通信業務ではありませんが、大体電気通信業務についての大部分の仕事をこの公社がやるということに相成りますので、その仕事を場合によつて引受けることは、公衆電気通信業務に支障がないだけでなく、むしろ或る程度助けになるという場合も有り得ると思うのであります。これも委託によつて次のような業務を行い得るというようなことを規定いたしてあるのであります。第四條に事務所のことを書いてあります。主たる事務所は東京都に置きまして、そのほかに従たる事務所を置く。その場合は郵政大臣の認可を得るということにいたしております。
次に資本金でありますが、資本金は第五條に規定いたしておりますが、これはいわゆる狭義資本説を採りまして、このいわゆる公社の借方と申しますか、資産のほうに上るものには流動資産或いは固定資産或いは作業資産というものがあるわけでありますが、それに対応するいわゆる貸方のほうに上るべきものといたしましては、自己資本とそれから借入資本、それから引当勘定と、こうあるわけでありますが、そのうちの借入資本を除いて引当勘定は勿論のことでありますが、借入資本を除いたものを以て資本金に充てるという、いわゆる狭義資本説によるということを第五條は闡明いたしたものであります。第五條の第二項には差当り今予想はいたしておりませんが、将来必要があるという場合、政府は公社に追加増資ができる、この場合には予算で定める金額の範囲内において、行うのだということを規定いたしております。第六條は登記、第七條は名称の使用制限をいたしております。こういう全国に亘る特別な事業でありますので、名称を他人が潜称するということは信用にもかかわるという点で使用制限を設けておるわけであります。第八條は、民法の法人の不法行為能力、まいは代表権の制限、或いは法人の住所の規定を準用いたしております。これも当然なことでありまして、別に説明するまでもないと思います。
第二章において、経営委員会のことを規定いたしております。この経営委員会は、大臣の説明にもありましたように、本公社につきましては重要なる公益的な、政策的な問題につきましては、国会並びに政府の監督下に置きまして、実際の経営管理というものは、公社に自主性を持たせてこれに委ねて行く、こういうのが公社の本質であろうかと思いますが、この経営委員会というものは、その意味におきましてこの公社の経営管理の基本政策をきめる機関として設けたのであります。そういう意味でこの第九條で経営委員会を作るということを定めたわけでありますが、第十條におきまして、その権限といたしましては、そういう意味でこの経営委員会におきましては以下に並べるようなことについての経営管理上の重要事項を決定する、その決定されたところに従つて執行に当る、こういう順序に相成ります。その順序に従つてその権限を規定いたしましたのが第十條であります。次に、この経営委員会の組織につきまして十一條に規定いたしております。この経営委員会の組織は、委員三人と職務上当然就任する特別委員二名を以て、組織するということになつております。この趣旨は、経営委員会は先ほどのように経営管理についての基本政策を決定する機関でありますが、この基本政策におきましては、事業内部のいわゆる、専門的な知識経験のほかに、広い経験と視野、広い財政的或いは経済的、財界の知識、経営上の経験、こういうものを持たれた人と両方の相談によりまして、この経営管理の基本政策を決定して行くということがこの公社の経営をして最も公正妥当ならしめるゆえんであろうと考えられますので、委員即ち非常勤重役三人と常勤重役に相当いたします特別委員二名を以て組織いたすということになつておるわけであります。併し委員長は委員即ち非常勤の委員の互選によつて選任する、こういうふうになつておるわけであります。次に委員の任命は十二條に規定いたしておりますが、この普通委員の任命は両議院の同意を得て内閣が任命いたすということになつております。なお三項にこの委員の欠格條項が規定されておりますが、この中には国務大臣とか、国会議員、政府職員等の欠格條項が入つておりますが、そういう意味で、この公共企業体の経営管理というものはこの企業体に一任して行くという趣旨からいいましても、経営管理自身に余り政治的な色彩が入つて来ることはできるだけ避けたほうがいいという意味で一号、二号の欠格條項が入つておるわけであります。三号は公社と特別な取引関係があるという者も、これを欠格條項にいたしたわけでありまして、これも当然なことではないかと考えます。四号は第三号に附随する問題であります。公社の役職員は今の特別委員をのけましてこの経営委員になれないということも当然かと思います。委員の任期は十三條に規定いたしておりますが、四年でありまして、再任は差支えないということになつております。委員の罷免は十四條、十五條に規定いたしておりまして、十四條に規定いたしておりますのは、委員は勿論両議院の承諾を得てこの任命をするのは当然でありますが、国会が閉会中で承認が得られないというような場合に、一応任命する、その代りあとで事後承諾ができないときは罷免する、これも当然のことと思いますが、十五條は心身故障のため、或いは職務上の義務違反があるときに、これを罷免できるということを規定いたしたわけであります。委員は報酬を受けないことになつておりますが、実費を委員にお渡しすることは当然のことであろうと思います。この委員を無報酬といたしましたのは、委員は非常勤でありますし、当然金融或いは財政或いは財界そのほかに広い知識経験を持つ人が必要でありますが、そういう意味におきまして兼務が当然必要であろうという二とから、この無報酬ということにいたしたわけであります。議決の方法は多数決によるという大体の主義であります。非常に細かく書いてありますが、大体多数決という原則を明らかにいたしたといろ意味であります。十八條に公務員たる性質として、「委員は、罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する者とみなす。」といたしましたゆえんは、勿論公務員法の適用があるわけではありませんが、罰則の適用に関して、それは重要なる職責上、或いは収賄とか、そういう点におきましては、この重要なる職責に照らしてそういう公務員と同様の重い責任を課する、或いは公務執行妨害に対しても同様の意味の適用があるわけであります。
次に第三章は役員及び職員のことを規定いたしております。公社には役員といたしまして総裁、副総裁各一人、及び理事五人以上を置くことにいたしております。総裁は第二十條に役員の職務及び権限を規定いたしておりますが、「総裁は、公社を代表し、その業務を総理する。」そうして副総裁以下につきましては必要ある場合に総裁の代理をするということに相成るわけであります。次に役員の任命及び任期でありますが、二十一條に総裁、副総裁は内閣が任命いたすことになつておりますが、放送協会等におきましては経営委員会が任命するというようなことになつておりますが、この公社は本公社の重要性と、もう一つは特別委員たる性格、そうして経営委員会に参加するという意味におきまして内閣が任命するということにいたしたわけであります。理事は総裁が任命いたします。任期は総裁、副総裁四年で、理事の任期は二年、勿論再任は妨げないということになつております。役員の欠格條項につきましては、今の経営委員の欠格條項の一部と同様な趣旨におきまして一部を援用いたしております。
役員の罷免につきまして、やはり今の心身の故障のため、職務上の義務違反、そういうことについては同様の理由に相成るわけであります。次に役職員の兼職禁止でありますが、二十五條に規定いたしております。これはこういう公共企業体の特性といたしまして、「役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。」、これは当然なことかと思います。併し場合によつて特に例外的に何か必要があるときには、郵政大臣の承認を受けて初めてできるのだということを規定いたしたわけであります。次に代表権の制限、これは総裁と公社とが利害相反するような場合においての代表権の制限であります。次に代理人の選任は二十七條に規定いたしておりますが、総裁は公社を代表いたしますが、総裁がすべてのことをやるということは勿論できないのでありまして、必要なる場合において副総裁、理事、職員のうちから代理人を選任することができるという根拠を規定いたしたものであります。職員の地位及び資格につきまして、この「公社の職員とは、公共企業体労働関係法第二條第二項に規定する者をいう。」といたしておりますが、この趣旨は、いわゆる常時勤務するということ、それから只今は常時の報酬を受けるということになつておりますが、これは只今本国会に提出されておると聞きます案では、常時一定額の報酬を受ける必要はないということになつておりますが、この常時勤務ということと報酬を受けるということ、そういうことが大体この公共企業体労働関係法の中の條件になつております。
それから任用の基準、これは「職員の任用は、その者の受験成績、勤務成績又はその他の能力の実証に基いて行う。」、この職員は公務員法の規定を外れるわけでありますが、この任用の基準については公社自身においてやる、こういう趣旨できめて行くということであります。次に給與でありますが、「職員の給與は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」、「前項の給與は、国家公務員及び民間事業の従事者の給與その他の事情を考慮して定めなければならない。」、この点につきましては、いわゆるこの給與につきましては、事業の職員でありますので、この事業の能率を発揮するという意味においての給與制度がとられなければならないわけであります。第一項にはその趣旨を闡明いたしたわけでありますが、その場合に第二項の公務員及び民間事業の両方の関係を考えて行く、これは当然なことかもわかりませんが、併しこれが現実にどうなるかと申しますと、以下の財務、会計のところに出て参りますが、給與総額というものがやはりこの公社の予算といたしまして国会の議決を経ることを要するようになつております。従いましてこういう趣旨できめるわけでありますが、給與の総額はやはり国会の議決を得た範囲内にするということになりますので、こういう趣旨の給與を行なつて、できるだけ能率を挙げて、少い人でできるだけの事業の能率を挙げて行く。いわば高能率、高賃金をやつて行く、こういうことが以下の財務、会計のところの関係と相待つてそういう方針をとつて行くものであるということが明らかになるわけであります。それから降職及び免職、或いはその次に休職……、こういうようなものの規定があります。これは今の国家公務員に幾分準じたものでありますが、この公社の性格というものがやはり事業の能率化ということと同時に事業の民主化ということも一つの目的でありますので、こういう降職、免職、或いは休職等の身分保障の規定をこの中に入れたわけであります。主十三條の懲戒も同様であります。それから服務の基準を三十四條に規定いたしておりますが、「職員は、その職務を遂行するについて、誠実に法令及び公社が定める業務上の規程に従わなければならない。」、これもこの公社の性格からいたしまして当然なことであります。二項で「職員は、全力を挙げてその職務の遂行に専念しなければならない。」、但し、この公共企業体労働関係法でいわゆる組合の事務に専務いたす、いわゆる組合の専務者というものは別だ、こういうふうにいたしておるわけであります。専務者は大体現在千人に一人ぐらいな程度でおるわけであります。次に公共企業体労働関係法の適用を三十六條に規定いたしております。「公社の職員の労働関係に関しては、公共企業体労働関係法の定めるところによる。」、従いまして公社の職員は公務員に準じまして団体団結権のみならず団体交渉権を公けに持つて来るわけであります。併し罷業権は現在の公共企業体労働関係法にはないのであります。この公共企業体の仕事というものの公益性に照しまして、やはり公共企業体労働関係法を適用して行くべきものであろう、こう考えたわけであります。
次は第四章の財務及び会計であります。総則には、「財務及び会計に関しては、この章の定めるところによる。」これは当然なことであります。次に事業年度はやはり「毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日終る。」といたしております。この公社の事業は事業でありますので、必ずしも一年をとる必要もないわけでありまして、半期にするということも可能でありますが、以下に書いてありますように、この公社の財務、会計につきましては勿論公社の予算は事業予算であり、憲法上の予算ではないわけであります。即ち政府機関予算ではない、政府関係機関予算でありまして、政府機関予算ではないわけであります。併しこの公社の性格に照らしまして政府全額出資の公共企業体という性格に照らし、或いは建設資金の大部分を政府資金に将来も頼らなければならんというような本質にも照らしまして、この公社の予算はやはり政府機関予算と一緒に国会に提出いたすということになつておりますので、差支えない範囲内におきましては手続、形式等は政府機関予算のものと同一にいたしたわけであります。そういう意味におきましてやはり年度もこういう同じような年度をとつたわけであります。次に三十九條に経理原則を掲げておりますが、これはいわゆる発生主義会計というものを闡明いたしたわけであります。「公社の財務及び会計に関しては、財産の増減及び異動をその発生の事実に基いて経理するものとする。」、いわゆる事業会計は大抵皆発生主義会計になつております。即ち現金主義会計でなくて、発生主義会計である。従いまして現金の支出を伴わない減価償却というようなものも当然この考えで行きますし、或いは未收金或いは未支拂金というようなものを考える。或いは物品につきましても、物品を実際使つたときにこれを消費に付けて行く。或いは物品と金が代つただけではこれは消費にならない。いわゆる現金主義会計でなくて、事業的発生主義会計をとるということを闡明いたしたわけであります。次に四十條に規定いたしておりますのは、予算の弾力性の本質を規定いたしたわけでありますが、これは公社の予算が政府の消費会計予算と異なるのでありまして、いわゆる事業予算の本質を持つべきであるとして、事業予算としていわゆる弾力性の予算の本質を持つべきことを闡明いたしたわけであります。「公社の予算には、その事業を企業的に経営することができるように、需要の急激な増加、経済事情の変動その他予測することができない事態に応ずることができる弾力性を與えるものとする。」事業予算でありますので、当然お客さんの要求に応じ得られる幅におきましては常に事業の幅というものに伸縮性がなくてはならんわけでありまして、そういう事業予算としての本質を闡明いたしたものであります。この本質の内容がどこに規定せられるかと申しますと、この法案におきましては四十三條の総則でその内容を明らかにするという構成になつております。これは後刻四十三條のときに申上げることにいたしまして、四十一條で予算の作成及び提出の手続を規定いたしております。この手続によりまして、先ほど申上げましたように、これは憲法上の予算ではありませんが、政府関係予算といたしまして政府予算と同時に提出する。従つてその差支えない範囲でどういうような手順を経るかというようなことにいたしております。即ち公社は、毎事業年度の予算を作成して、これに必要な添付資料を添付して郵政大臣に提出する。郵政大臣はこれの提出を受けたときはこれを検討して、それが適当であると認めたときは大蔵大臣に送付する。大蔵大臣はその送られたものにつきましてこれを検討して必要な調整をう行なつて閣議の決定を得る。この必要な調整を行う点につきましては、これはこの公社の予算というものがやはり、殊に建設につきましては、将来の拡張資金につきましては民間の資金にのみ頼ることは今の日本の情勢としてはできなくて、むしろ当分の間は政府資金、資金運用部資金が中心になることと思いますが、そういう政府の資金に依存することの程度が相当多いと思われるわけであります。で、そのほか或いは一時借入金、年度途中における事業運営上の一時借入金、こういうようなものもありまして、これは大蔵大臣の財政運用の全体の問題とも関連を持つものでありますので、必要なる調整を大蔵大臣がするということに相成るわけであります。次にそうやつて調整を得たものは国の予算と共に内閣がこれを提出いたし、それを国会の議決を受けるということの順序に相成るわけであります。そこで次に予算の内容でありますが、四十二條に「公社の予算は、予算総則收入支出予算、継続費及び債務負担行為とする。」これも差支えない範囲で政府予算に類似した名前が使われております。政府の予算におきましては、予算総則と歳入歳出予算と相成つておりますが、ここでは収入支出予算といたしております。継続費及び債務負担行為、国の場合は国庫債務負担行為と相成つております。字句として或る程度似せましたが、内容において幾分の違いができて来るわけであります。次にそのうちの予算総則のことを四十三條で規定いたしております。予算総則は先ほど申上げましたこの予算総則で、今の四十條の予算の弾力性の本質をここで明らかにして提出いたしまして、国会の御審議の上議決を受ける、こういうことに相成るわけでありますが、予算総則には、收入支出予算、継続費予算及び債務負担行為に関する総括的な規定のほかに、左に掲げるような事項を規定する。で、四十七條第二項の規定による債務負担行為の限度額、これは四十七條の第二項と申しますのは、債務負担行為に二つありまして、一つは予定できる目的のための債務負担行為であります。年度内に契約はするけれども、支拂いはしなければならない、併し目的ははつきりしておるというようなものが、これは四十七條の債務負担行為として出ているわけでありますが、二項のほうは予定できない債務負担行為、これは目的がはつきりしない、併しそういうことが起り得るという場合の限度額をここで規定して行こうというものであります。
五十三條二項の規定による経費の指定と申しますのは、これは流用の問題であります。五十三條でこの予算の勘定別、或いは目的別の流用はしてよろしいということになつておるわけでありますが、特に必要あるときは流用の制限をする、この流用の制限をする場合は、その制限する経費をここに指定いたそうということであります。その制限された経費を使う場合は郵政大臣の承認を受けることになつております。五十四條は五十三條と同様の趣旨でありますが、これは繰越の規定であります。繰越をすることができない場合にここでその経費を指定しよう、こういうことであります。四号の「第六十一條第一項に規定する国庫納付に関する事項」とありますのは、これは利益及び損失の処理といたしまして、利益金が若し出た場合において、これをあらかじめ定めて、ここで定めておく額は国庫に納付する、その納付をすることにいたしまするならば、ここに予算総則の中に明らかに書かなければいかん、若し書いてなければ全部公社の積立金に入るということになるわけであります。又五号で「長期借入金、一時借入金及び電信電話債券の限度額」というものをここに規定いたそうということであります。この限度額につきましては、総括的事項の中に、将来こういう考慮をして行くならば、なおそういう考慮もできるということが二の法文上当然でありますが、この電信電話債券の、或いは長期借入金というものは政府もできますし、民間に対してもできる、政府に対してもできますし民間に対してもできる。政府の場合は、これは当然固定性を持つと思いますが、民間の資金を借入れる、或いは電信電話債券の民間の引受がここで予定しておる以上にできるというような民間のものについては、或る程度の弾力性を持たすということはこの総括的事項の中で規定できるものだと解釈できるわけであります。次に六号の「役員及び職員に対して支給する給與の総額」この給與総額はやはりここで定めて国会の議決を経ることにいたしておりますが、これは先ほど申上げましたように、公社の事業は今後できるだけ経営の能率を挙げてサービスをよくして行くというのが使命でありますが、公社になつたからと言いまして直ちにすぐ能率も挙らずにべースを上げて行くということはこれ又非常に問題であります。事業の管理者も職員従業員一般も皆協力いたしまして事業能率を挙げて行つて、いわゆる高能率、高賃金ということを原則といたすのが当然でありますので、そういう意味におきましての給與総額を定めたわけであるのであります。併しこれも今のそういう趣旨に反しない範囲におきましてこの総括的事項の中で或る程度の弾力性を持たして行くということもこれは法理上当然考えられることであります。その他予算の実施に関し特に必要な事項があれば、ここに総則の中でこういうことをきめるのだということを明らかにいたしたわけであります。次に収入支出予算ですが、四十四條の中にありますが、政府予算におきましては、部局別或いは款項別という分けかたをいたしておりますが、この公社の予算は事業予算でありますので、事業にふさわしいような勘定の別に区分する、こういうふうにいたしております。收入にあつては性質、支出にあつては目的、これは当然なことであります、こういうふうに区別はいたしますが、この勘定間の相互流用は絶対できないかと申しますと、これはできるようにあとのほうで規定されております。その趣旨はこれは今後につきましては流れ作業的なものについてはむしろ決算的に処理して行くということは相当必要でありまして、例えば特別保守工事と銘を打ちましても、この中には消費の分に該当するものと、建設の資産に該当するものと工事が一緒になる場合が相当ある、そういうものはそういうことによつてこれを決算的に分けて行くということが当然であります。これを事業的にやるようにまあ規定いたしておるわけであります。
次に予備費ですが、四十五條に規定してあります。予備費の性質でありますが、予備費の性質としましては、「災害の復旧その他避けることができない事由による支出予算の不足を補うため、公社の予算に予備費を設けることができる。」ことといたしております。この條文の意味は、要するに予備費というものはこういう性質の予備費を会社としては設けるのだ、従来の政府の予算の予備費にはこのほかにいわゆる業務量の増加があるという場合はこの予備費を設けるというようなことも考えられておりましたが、この業務量の増加に伴う予備費というものは、その本質からしまして、当然そこの四十條の予算の弾力性の中に入るべき事項でありまして、これは予備費とは考えない。むしろ弾力性予算の本質から出て参るということにいたしたわけであります。その予算総則で明らかにする事項でありまして予備費ではない、初めからマーケットの変動による伸縮性というものを持つのは当然なことであるというふうに考えておるわけであります。
次に継続費につきまして、これは公社の事業がずつと続く事業でありますので、継続費の必要なことは当然でありますが、継続費の而も年度も、場合によつては年度というものは長くなるというようなこともありますので、必らずしもその年度を何年と制限いたしておりません。継続費につきましては一般政府の会計法、財政法においてもこれを今回恰も認めるような方向に行つておるわけなのでありますが、その場合はやはり年度の制限がありますが、一応年度の制限は取つたわけであります。次の債務負担行為は先ほど御説明いたしましたように、第一項のほうは目的がはつきりするもの、第二項は目的のはつきりしないもの、こういうものであります。
次に予算の議決、これは先ほどお話いたしましたように、できるだけ差支えない範囲において政府関係機関予算として同時に提出して御審議を願うという関係上、差支えない範囲において同様な主義によつたわけであります。「予算の国会の議決に関しては、国の予算の議決の例による。」四十九條におきましては、公社の予算の成立した後の通知の方法というものを規定いたしたわけであります。
次に追加予算、これも大体差支えない範囲で同様な方式をとつたわけであります。次に予算の修正、いわゆる修正予算をも大体差支えない範囲で同様な方法をとる、暫定予算につきましても同様であります。国の予算の例に準じていたしたわけであります。次に予算の流用、五十三條に規定いたしておりますが、これは先ほど御説明いたしましたように、第一項で「公社は、予算については、当該予算に定める目的の外に使用してはならない。但し、予算の実施上適当且つ必要であるときは、第四十四條の規定による区分にかかわらず、」これは勘定区分も目的区分も同様でありますが、「彼此流用することができる。」二項で、併し「公社は、予算で指定する経費の金額」特にこれを流用を抑えようということがある場合は、郵政大臣の承認を経なければこれを他に流用することができない。例えば今の給與総額というものを禁止課目に指定いたしますならば、それは他に流用できない。或いは交際費というものを取上げるといたしますならばこういうところへ入つて参る、こういうことになろうと思います。
次に予算の繰越、これも先ほど申上げました通り、こういう継続する事業についていわゆる年度独立の原則というものが事業の本質にふさわしからんものでありますが、年度末に一遍に物を買うというようなこと、これは一般会計でも相当これは抑えることでありますが、事業については殊にこの年度独立の原則、勿論帳簿といたしましては年度の区分はいたしますが、事業自身は継続するものでありまして、これも年度独立で割つてしまうということは困るわけで、これは予算の繰越を原則にすることを規定いたしたものであります。で、第一項で繰越とそれから但書で特に指定した経費ではやはり郵政大臣の承認を受けなければ繰越ができない、こういうようにいたしたわけであります。その五十四條の二項は、継続費についての問題であります。継続費についてもこれは繰越ができる。第三項はその繰越した場合は郵政大臣、大蔵大臣、会計検査院に通知するというようにいたしたわけであります。
次に資金計画、五十五條に規定いたしておるのでありますが、先ほど御説明いたしましたように、この公社の予算は事業予算でありまして、必ずしも金の動きというものが現われておるわけじやないわけであります。資金自身の動きを現わすものといたしまして資金計画をきめる。この資金計画を四半期毎に定めまして郵政大臣、大蔵大臣及び会計検査院に提出する。で、この場合に、大蔵大臣はこの資金計画が国の資金全体の動かし方からどうもそういうように行かないというような場合は、その限度を郵政大臣を経て公社に通知してくれ、若し通知してくれなければ公社はそのままの資金計画で動いて行くぞというのが二項に規定された趣旨であります。第三項は通知があつたときには勿論公社で変更して行く、こういうことであります。收入支出等の報告、これは別に御説明するまでもないことではないかと思います。
次に決算、決算については五十七條、五十八條、五十九條、六十條に規定いたしておりますが、五十七條はその時期を規定いたして、五十八條以下にその手続を規定いたしておるわけでありますが、この決算につきましては、殊にここで明らかにいたしましたものは五十九條で、今までのいわゆる特別会計を終戰後複式簿記制度をとつて、いわゆる事業的な財務諸表を作つて参つたわけでありますが、なお政府予算の特質といたしまして現金予算のいわゆる二重決算的なものをやつて来たわけであります。今後は五十九條に明らかにいたしておることは、そういう二重決算的なものをやらずに、事業会計的な決算を一本にやつて行けばよろしいということを五十九條で明らかにいたしたわけであります。でいわゆる事業予算に対するものとしては実績報告書を出せばいい。実績報告書と一緒に財務諸表、貸借対照表、損益計算書、財産目録、こういうものを一緒に出して行けばよろしい、こういうことにいたしたわけであります。六十條もこれは検査院に対する手続そのほかのことであります。
次に利益及び損失の処理を六十一條に規定いたしております。これは相当問題になる條文かと思いますが、「公社は、毎事業年度、経営上利益を生じた場合において、前事業年度から繰り越した損失の補てんに充て、なお残余があるときは、その残余の額は、あらかじめ予算で定めるところにより国庫に納付すべき場合におけるその納付額を控除し、積立金として整理しなければならない。」法文となるとなかなかややこしい條文になつておりますが、この趣旨は、経営上の利益金が出た場合におきましては、先ず繰越し損失の補填に充てなさい。なお余りがある場合においては、原則として積立てなさい。事業の原則としては積立てるのだ、併し先ほどの予算総則で特にこの納付金をあらかじめ定めた場合はその納付金を納めるのだ、こういう規定であります。で、この点につきましては、鉄道公社、或いは専売公社の関係はどうなつておるかと申しますと、鉄道公社、専売公社におきましては、専売公社はちよつと性質が違いますが、鉄道公社におきましても、経営上の利益金が出た場合におきましては、予算で若し何か定めたらいいし、定めなかつたら原則としてそのまま国庫に納付するというように規定いたしておるわけであります。即ち利益金が出たらそれは国庫に納付される、損失が出たらその代りに国庫から交付金を受ける、いわゆる丸抱えである。併し経営努力をやつたその伸縮性を含めて、納付金のほうとして国庫のほうへ行くというように規定されておるわけであります。それが国鉄、専売公社の例であります。これはこの條文におきましては、その建前を逆にしまして、あらかじめ一定の金額というものを予算総則できめた場合においてもその一定の率なり、金額のもの以外の利益金が出た場合には、その伸縮性のほうは事業自体の積立金のほうに行くというようにいたして、独立採算制の趣旨を明らかにする。その代り損失が出た場合においては交付金を受けない、繰越し損失でやつて行こう、こういうようにいたしたわけであります。二項では、損失が出た場合の整理の仕方を書いておるわけであります。次に六十二條、借入金及び電信電話債券につきまして、六十二條、六十三條で規定いたしております。これは借入金及び電信電話公債ともに政府に対しても、或いは民間に対してもできるわけでありますが、その場合は、一々郵政大臣の認可を受けるということになつております。限度額は先ほどお話いたしましたように、予算総則で限度額をきめる、以下所管のこと、そのほかが書いてありますが、これは特に御説明するまでもないことだろうと思います。六十三條は、この借入金或いは電信電話債券の中で当該年度において借入又は発行しなかつたという場合はそれを繰越しできる。これは今の経費そのものを繰越しできることからいたしまして、当然これを債券のほうも繰越してもらわなければならんわけでありまして、これは当然なことじやないかと思います。次に六十四條は、これは今の民間については特にこういうことを言う必要はありませんが、政府については、今の公社が電信電話債券を発行し、或いは借入ができるということを書くと共に、政府側のこの受入態勢を書いておかなければならんという意味で政府側の受入態勢を書いただけであります。
次は国庫余裕金の一時使用、これも大体それに類するものでありまして、公社から言いますならば、やはり一時借入金の一種でありますが、国庫余裕金を政府のほうが、貸すほうが、これは当ててもいいのだということを書いたわけであります。次の償還計画は御説明するまでもないことであります。次に現金の取扱、これは公社の資金というものが、今後もお客さんから頂く、サービスに対して頂く料金收入のほかに、いわゆる建設資金としては、政府の資金運用部資金等の金が中心になるわけでありますので、やはり今後とも日本銀行を中心に利用いたして行くということは当然だろうと思うわけであります。日本銀行を利用いたします以上は、これは国庫ということになるわけであります。そこで国庫に預託しなければならない、これは原則でありますが、勿論国庫に收めましても、この公社口座というものが別にされますので、公社の資金を一団的に経由する意味におきましては支障がないわけであります。同時に又国庫のほうから申しまして、国庫を全体的に利用して行くということもこれはできる。両方ともできるということに相成るわけであります。併し日本銀行を利用することが中心でありますが、但し業務上必要があるときは、政令で定めるところによつて、郵便局又は銀行、その他大蔵大臣が指定する金融機関を利用することができる。これは日本銀行の本店代理店がないというような場合とか、或いは隔地者送金の場合とか、或いは先ほどの電信電話債券の発行の場合に、シンヂケート団として銀行に引受けてもらうという場合に、一定の金額が集まるまではこの銀行に預け入れることが当然のことでありますので、そういう場合を予想いたしておるわけであります。国鉄の場合は、ただこの業務上必要があるというのが、資金の安全確保の上必要だというような趣旨になつておつたと思います。幾分その意味で広くなつているわけであります。なお国庫に対して相当の利子が附く、これは国鉄と同様であります。
財産の処分の制限、これは電気通信幹線路及びこれに準ずるような重要な電気通信設備の譲渡、交換という場合は、改めて国会の議決を経なければならない。これは国会の議決の形式といたしましては法律になることもあるし、或いは予算になることもあるし、或いは何々に関する件という形式になる場合もあると思います。
次に会計職員について六十九條から七十條があるわけでありますが、六十九條の規定は、契約の担当者と、それから現金出納の職員、物品出納職員、これについてこの法律で代理権を與えたわけであります。第七十條は、現金出納職員又は物品出納職員が善良な管理者の注意を怠つて、その保管に係る現金又は物品を亡失毀損したというような場合は、亡失して公社に損害を與えたというような場合に、総裁が弁償責任を命ずるということにいたしたわけであります。これは実はこの公社は政府が全額出資いたしますので、会計検査院が検査をする、会計検査院に権限が及ぶということになるわけでありますが、こういう問題について一々会計検査院を煩わすのもなんでありますので、この規定を置きまして、その範囲においての弁償は総裁が会計検査院に代つてやろうということにいたしたわけであります。併しこれが十項で規定いたしましたのは、それは不服がある場合は会計検査院の検定を求めることができるということにいたしたわけであります。その検定の結果、総裁の処分が不当である場合は勿論、逆に総裁から弁償した金を返すということにいたしましたのが三項であります。
次に七十一條、会計規程でありますが、只今のこういう方針をとりましたので、財政法、会計法の適用のないことは当然でありますが、併しながら会計は重要なことでありますので、この会計の重要事項について会計規程を公社は当然設けることになる、わけであります。その中の重要な、殊に基本的な事項については、三項で郵政大臣の認可を受けるというようにいたしております。
次に給與準則について第七十二條に規定しております。これは国鉄公社と同様の規定でありますが、公社は、役職員に対して独自の給與準則をきめて行く、その給與の準則のきめ方も先ほどの事業の給與らしい本質をできるだけ盛つて行こうということでありますが、併しこの給與準則で公社が勝手にどんどん能率が挙がらんのに給與準則でペースを上げて行けるかというと、「この場合において、この給與準則は、これに基く一事業年度の支出が国会の議決を経た当該事業年度の予算の中で定められた給與の総額をこえるものであつてはならない。」こうなつておりまして、これは先ほども申上げましたように、給與準則におきましてもやはり高能率、高賃金という趣旨で行く、こういうことが明らかになつておるわけであります。
次に会計検査、これは公社の会計が政府の全額出資である以上、当然なことであります。検査院が検査する。
大蔵大臣に対する報告、これも別に御説明するまでもないと思います。次に、大蔵大臣との協議、第七十五條に郵政大臣が協議する場合が書いてありますが、五十二條の二項と申しますのは重要な問題であります。五十四條の第一項は、繰越の承認の問題であります。五十八條の第一項は財務諸表の承認の問題であります。それから第六十六條は償還計画の承認であります。そういうことを承認する場合は大蔵大臣に協議しろ、こういうことになつております。六十二條第一項は借入金であります。同條第三項は借り換えの問題であります。借入金の借り換えの問題であります。第七十一條第三項は会計規程の重要事項であります。そういうものの認可をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない、こういうことになつでおるわけであります。
第五章は、主管大臣といたしまして、郵政大臣が公社をこの法律の定めるところにより監督する。七十七條で、必要な命令及び報告を徴することができるということを明らかにいたしたわけであります。
第六章には、役員の違反行為に対する罰則を規定いたしておるわけであります。
それから第七章の雑則でありますが、この第七章の雑則は、公社の経過規定としては別に施行法として相当詳しいものが出ておりますが、そのうち特に事項として当分常時的になるだろうというようなものが特に挙げられておるわけであります。
第八十條では、恩給のことで、恩給は従来のものを当分準用して行くということにいたしたわけであります。従いまして今までの電気通信省の職員の大部分というものを公社に引継ぐわけでありますが、恩給法を準用いたしますので、やはり退職金は支給しないということが施行法に出て参ります。
次に、共済組合もこの国家公務員共済組合法の規定を準用いたしまして現在の共済組合によるいろいろの救済或いは厚生手続というものを準用いたすことにしております。
それから次の八十二條は、健康保險等の問題でありますが、健康保険、船員保険、厚生年金保險、こういうものにつきましては、今のその内容が国家つ公務員共済組合法に規定されておりますので、そうして又殊にこれらの健康保険法による保険等の法律によります最低のべースより、この国家公務員共済組合のほうの内容が幾分よくなつておりますので、これはそのままそちらのほうによつて行つて、健康保険法のこの適用はしない。「公社の役員及び職員は、国に使用される者とみなす。」ということは、これの適用から除外すると、こういうことであります。
災害補償につきましても、この労働者災害補償保険というものの適用については、公社の事業は国の直営事業と見なすというのでこれも適用しないということであります。即ち補償保険というものに民間の会社がこういう資金を十分持つということについて不安があるので、特にこういうものを国家が再保険して行こうということであります。公社自身については十分信用できますし、それだけの補償する金は保持して行けるわけでありますので、この適用を除外いたしたわけであります。次に失業保険法につきましては、別に施行法のほうで国家公務員の退職に関する手当に関する法律を準用しておりますので、失業保險法の適用をしないという意味におきまして、国に使用されるものと見なすといたしたわけであります。
八十五條は政府と公社との間の分担割合を定めたわけであります。以下不動産登記法、土地収用法のこれは準用を、いたしたのが、公社の仕事の本質から公社となつても必要だということであります。その外に実施規定といたしまして非常に多岐に亘りますので、これは施行法のなかに設定するといつうことをここに闡明いたしたものであります。
以上を以て公社法の各條文説明を終らして頂きます。
〔委員長退席、理事山田節男君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/7
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008・山田節男
○理事(山田節男君) 今日本電信電話公社法案の説明を聞いたわけでありますが、資料に関して何か更に御注文ありませんか。
第五條ですね、第五條の電気通信事業特別会計、この今度公社に換える場合に七月一日実施ならば数字的な検討並びに計算ができていると思うのですが、その資料を一つ頂きたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/8
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009・横田信夫
○政府委員(横田信夫君) この公社に移ります場合にこれは七月一日から公社にできるわけでありますが、六月末の決算をやつて見ないと正確には出て来ないわけであります。概算がどのくらいになるかと申しますと、只今公社といたしまして実は三月三十一日の決算もまだ最終的にできておりません。大体まだ集らないものを電話で聞いたりそのほかに聞きまして、一応まとめて見たわけでありますが、これで行きますと大体借入金が五百九十億になるわけであります。五百九十億の借入金は、これはそのまま今度は公社が借入金のまま公社の借入金になつて残るわけであります。公社が借金するわけであります。借入れ資金のほかに自己資本はどのくらいあるかと申しまと、固有資本が約三億あります。それから積立金が約五億、それから実は繰入れ資本と申しましてこれはガリオアの資金が百二十億の外に、主進駐軍の施設のための、建設のための繰入金でありますが、これを入れまして両方合せまして百三十六億、これが自己資本になつて政府の全額出資ということに相なるものであります。この外に本年度の三月末をしめ切りまして正確にしめ切つて剰余金が出ますとこれが積立金に振替つて来るということになるわけであります。その分の剰余金ができたら、それがそのまま積立金に振替りまして、これが政府の出資額に加わつて来るということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/9
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010・山田節男
○理事(山田節男君) 今日は説明を聞きまして今あなたのおつしやつた程度でよろしうございますので、資料をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/10
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011・横田信夫
○政府委員(横田信夫君) 未定のままでよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/11
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012・山田節男
○理事(山田節男君) 大体のメドさえわかればそれでいいから、各委員に是非一つ頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/12
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013・横田信夫
○政府委員(横田信夫君) 承知いたしました。
〔理事山田節男君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/13
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014・小笠原二三男
○小笠原二三男君 只今の説明でも一時間を超えるのですが、施行法はまだ、頁数が多いようで、これはどうか簡單に要旨を言つて貰つて、何とか委員長において考慮願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/14
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015・横田信夫
○政府委員(横田信夫君) 今実は公社法の特に本質でありますので少し長く時間がかかりましたが、施行法のほうは或る意味において簡單であります。事項として他の法律の関係條文があるやつを、ずつと直したのが主でありまして、それほど長くかからないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/15
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016・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ではその要点をつまんで御説明頂くこととして本日はこの施行法だけの説明でとどめて頂きたい。とてもこれはかかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/16
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017・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) お諮りいたしますが、施行法のほうは公社と関係しておりますが、会社法はやはり一つの大きな仕事の内容になりますものでありますから、簡單に会社法をお願いしたら如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/17
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018・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでも結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/18
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019・田辺正
○政府委員(田辺正君) 国際電信電話株式会社法案の内容につきまして逐條御説明いたします。
先ず第一條でありますが、第一條におきましては、この会社は国際電気通信事業の経営を目的とする株式である旨を規定しておるのであります。国際通信電気事業は本法案の附則で、電信法第一條の二及び電波法第四條第二項を改正いたしまして日本電信電話公社とこの会社のほかはこれは経営することができないことにいたしてあります。国際電気通信の事業における公社と会社の関係につきましては、有線によるものは電信法第一條により郵政大臣が定めることになつております。無線によるものにつきましては電波法第四條第二項では明確ではありませんが、趣旨といたしましては両者を競争関係に立たしめようとするものではなく、両者の協定によりまして、その業務の分担範囲を定めることになると思います。現在のところ原則としては、会社は東京、大阪その他主要都市において営業所を開設して大部分の国際通信を取扱うことになるものと考えております。
次は第二條でありますが、第二條におきましては、国際電気通信事業のほかに会社は更に郵政大臣の認可を受けまして国際電気通信に附帯する業務その他前條の目的を達成するために必要な業務を営むことができることといたしまして、これらの業務の内容といたしましては会社の委託によりまして会社の営業所における内国欧文電報の取扱、国際放送用の無線設備の貸付又は委託による建設及び保守、技術の研究調査その他通信相手国の国際通信用設備の貸付又は建設保守の請負及び通信相手国の職員の訓練の受諾などが考えられます。次は第三條でありますが、第三條は事務所の規定でございまして、別段御説明申上げる必要はないと存じます。
次は第四條でありますが、第四條におきましては、国際電気通信事業が我が国の対外活動の重要な地位を占めておりますことと、通信の公共的な性質に鑑みましてこの会社に対する外国の支配を排除するため経営を左右すべき出資者の資格につきましては一定の制限を設け、これの徹底を期するために、株式は記名式にいたしたのであります。
次は第五條でありますが、第五條は、会社の国際電信電話株式会社という文字を使うことを禁じておる規定でございます。
次は第六條でありますが、第六條は、将来担当多額の資金を必要とすることがあり得ることを考慮いたしまして商法の特例を設けまして社債の発行限度を資本の三倍まで拡張することといたしたのであります。次は第七條でありますが、第七條は、社債権者を保護し、社債の募集を容易ならしめる趣旨に出でたものでありまして、会社の社債の発行の裏付としての担保権の設定につきましては現行担保付社債信託法、工場抵当法等におきましては、この会社は財団系統の会社となることはできないものでありますし、又一つ一つの不動産抵当を設定いたしますことも非常に煩雑な手数を要します一方、この会社のように、政府の監督の下に経営される会社にありましては、会社財産の不当な処分によつて債権者に不測の損害を與える危険は少いので、一般担保制度を設定することが適当であると考えたわけであります。
次は第八條、第八條におきましてはこの会社が将来募集する社債、又は借入金のうち、外貨で支拂わなければならないものがあるべきことを考慮し、他の例に倣いまして、政府は国会の議決を経た金額の範囲内におきまして「会社の外貨で支拂わなければならない債務について保証契約をすることができる。」旨の規定を設けたのであります。なお具体的に政府が如何なる債務について保証いたしますかは、その都度予算によりまして国会の審議を求めることになるわけであります。
次は第九條から第十六條までは、会社に対する監督と罰則の規定でありますが、第九條は、会社の事業経営に関する監督は、郵便大臣がこの法律の定めるところに従つて行う旨を規定し、その内容は第十條から第十五條までに規定するところであります。第十條におきましては、社債の募集又は長期借入金の借入は、会社経営上の重要な事項でありますので、郵政大臣の認可を受けなければならない旨を規定いたしました。第十一條におきましては、取締役及び監査役にその人を得るか得ないかは、直接会社の業務運営の適否に大きな関係がありますので、その選任及び解任について、定款の変更、合併及び解散は、会社の業務運行上並びに会社の経営する事業の性質上特に重要な事項でありますので、その決議につきまして更に利益金の処分は、会社の性格及びその経営する事業の性質に鑑みまして、その有効適切な使途を監視する意味におきまして、それぞれ郵政大臣の認可がなければその効力は生じないものといたしたのであります。第十二條は、会社が事業計画を定め、又はこれを変更いたします場合に、郵政大臣の認可を受けなければならない旨を規定いたしましたが、これは会社の使命が、国際電気通信業務に必要な設備の整備及び拡充を促進し、並びにサービスを改善することにありますので、かようにいたしたわけであります。第十三條は、「無線設備及びこれに準ずる重要な電気通信設備を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。」といたしました。これも第十二條と同様の理由からでございます。なお第十四條は、郵政大臣が社債の募集、長期借入金の借入、利益金の処分、会社の合併及び解散の決議、事業計画の設定、変更並びに重要財産の処分につきまして認可をいたします場合に、大蔵大臣に協議をしなければならない旨を定めましたが、これらの項目は、いずれも国の財政上等の見地から検討されなければならないものがございますので、大蔵大臣に協議することといたしたわけであります。
次は第十五條でありますが、第十五條は、郵政大臣は会社の業務に関し監督上必要な命令をなし、又は業務に関する報告を徴することができる旨を規定いたしました。なお本会社設立に伴う監督といたしましては、別途提案されております郵政省設置法の一部を改正する法律案におきまして郵政省に電気通信監理官を設け公社の監督と共に会社の事務を担当することにいたしてあります。
第十六條は、この法律による監督事項の実効を確保するために、この法律違反に対する罰則を規定いたしたものであります。なおこの会社の性格に鑑みまして、附則におきまして経済関係罰則の整備に関する法律の罰則の規定の適用がある旨を定めております。
第十七條は商号の使用制限に違反した者に対する罰則であります。
以上によりまして会社法案の各本條の説明を終りますが、その他本会社が株式会社であります関係から、一般的に商法の規定による二とは当然であります。
次に附則に移ります。第一項はこの法律の施行期日を定めたのでありますが、本会社の設立に伴いまして日本電信電話公社の予算の補正を要することになりますので、その予算補正の時期との関連におきまして施行期日を昭和二十八年三月三十一日までの間にいたしたわけであります。
第二項は、郵政大臣は設立委員を命じて会社の設立事務を処理させることといたしたのでありますが、これは特殊会社設立に伴う当然の処置であります。会社の設立に際しまして公社から国際電気通信事業用の設備を会社に現物出資又は譲渡する必要がありますので、第三項は公社に対して現物出資の権能を與え、第四項は公社法第六十八條に、公社が重要な電気通信設備を譲渡し、又は交換しようとするときは、国会の議決を要する旨の規定を廃しまして、この場合には国会の議決を要せず、郵政大臣の認可によつて会社の現物出資又は譲渡することができることといたしました。第五項から第七項までは、公社が現物出資又は譲渡する財産の範囲につきまして公社と会社の設立委員との間の協議によつて定めること、両者の協議が整わない場合におきましては、郵政大臣の決定を以て公社の設立委員との間に協議が整つたものとみなすことを定めました。第八項から第十七項までは、会社の設立手続きの規定であります。只今御説明申上げましたように、公社は会社に対して現物出資又は譲渡する財産の範囲が定まるのでありますが、その価額は専門機関として郵政省に設置されます電気通信設備評価審議会が決定することに定めました。なお出資又は譲渡する財産の価額につきましては、その財産の価額のみならず、收益率を考慮することが適当であると考えまして、その財産の時価を基準とし、收益率を参酌して定めることにいたしたのであります。次に第十八項及び第十九項は、会社設立の際の登録税の特例を規定いたしたのであります。第十八項は設立登記の場合でありまして、この場合は普通の税率即ち千分の一を、公社の出資の額につきましては千分の一・五、公社以外のものの出資の分につきましては千分の六といたしたわけであります。第十九項は、不動産に関する権利取得の登記に関する場合でございまして、この場合は普通の税率千分の五十を千分の四といたしました。公社は現物出資によりまして相当多数の株式を割当てられることになりますが、これは株式による支配、統制等を考慮したものではありませんので、公社は政府にその株式を譲渡し、政府も又成るべく速かにこれを処分し、その対価は公社に麦拂うべきものといたしたのでありますが、これが第二十項乃至第二十二項でございます。
第二十三項は、公社から会社に現物出資又は譲渡する財産のうち、無線局につきましてその地位の承継を規定したものでありますが、これは一時的のものであり、且つ多数の無線局に関するものでありますので、一々免許を申請する煩わしさを避ける趣旨であります。
第二十四項から第三十二項までの規定は、電気通信設備評価審議会に関する規定であります。第二十七項におきまして、この審議会の委員は大蔵省の職員一名、郵政省の職員一名、公社の役員一名、会社の設立委員一名、学識経験者一名というふうに定めてございます。
次に三十三項でありますが、三十三項は、本会社設立に伴いまして電信法に必要な改正を加え、日本電信電話公社の独占に属しております公衆電気通信業務のうち、国際電気通信業務は、この会社も又行ない得ることとしたわけであります。
第三十四項は、先ほど罰則のときに申上げましたが、この会社の性質に鑑みまして経済関係罰則の整備に関する法律を適用し、職員の收賄行為の防止を図ることといたしたわけであります。
第三十五項から第三十七項までは、会社が国際電気通信業務を郵政省に委託することがあり得ますので、郵便法、郵便為替法及び郵政事業特別会計法に、これに伴う必要な改正を加えようとするものであります。
第三十八項の電波法の改正は、先ほど申上げました電信法第一條二の改正と同趣旨でありまして公衆通信業務を行うことのできる無線局は公社でなければ開設できないことになつておりますのを改めまして、公社のほか、会社も又開設できるということにいたしたのであります。
第三十九項は会社の性質に鑑みまして、土地收用法の適用あるものといたしたのであります。以上で御説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/19
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020・山田節男
○山田節男君 今の逐條説明ですが、附則の第四項、第五項、それから第六項ですね、これ、もう少し立案の構想から具体的にこういつた場合こうだというような、一つ、もつと詳しい御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/20
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021・田辺正
○政府委員(田辺正君) 公社法第六十八條におきましては、公社の重要財産の処分につきましては、国会の議決を経ることといたしておるのでありますが、第四項は会社の設立の際は国会の議決を経ないで公社法第六十八條に規定する「設備を会社に対する出資の目的とし、又は会社に対し譲渡することができる。」ということといたしたのであります。但し郵政大臣の認可を受けることとなります。
それから第五項は、「公社又は設立委員は、公社が会社の設立に際し会社に対する出資の目的とし、又は会社に対し譲渡する財産の範囲」につきましては、両者が協議してやる建前でありますが、両者の協議が整いません場合には、郵政大臣の決定を申請するというふうにいたしまして、六項は郵政大臣の決定がありました場合には、公社と設立委員との間に財産の出資又は譲渡につきまして協議が整つたものとみなすということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/21
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022・山田節男
○山田節男君 この四ですね、これ、勿論まだ国会にそれを出さない前ですから、理窟においてはあらかじめ郵政大臣の認可を受けただけでできるということも言い得るのですが、これは実は前に、去年公益事業委員会ですね、電力の再分割の場合、これは一つの会社でして公益事業が、日発が、九つに再分割された。このときに財産の評価とかその譲り渡しですね、電力会社の場合にはこれは相当問題があつたのです。この場合は国家の財産が民間会社に譲渡されるのですね、ですから立法上こういう形式でいいのかどうか、これはまあいずれ質疑でなにしますけれども、これで、間違いなく、こういう文章にされたのだろうと思うのですが、まあ私は今日の田辺局長の御説明だけで、一応初めですから聞きませんが、質疑で又詳しいことをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/22
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023・小笠原二三男
○小笠原二三男君 山田委員の質問に関連して、資料と申しますか、お願いしたい、と申しますのは、公社になつてから、会社のほうに分離されて行く資産ですね、推定される資産、それがまあ時価において評価せられた場合、どれくらいのものになるか、又それらを中心とするこの会社の資本金というようなものはどの程度になるか、その会社を実際設立するに当つて推定される計数的な資料を出して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/23
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024・横田信夫
○政府委員(横田信夫君) お話の趣旨はよくわかるわけでありますが、この財産の評価がどうなるかというのは、これは評価審議会のほうの審議を経て初めてきまる問題でありまして、大体どういう設備が移管になるだろうかというようなところは、これもまあ郵政大臣の認可になりますが、これは大体想定できますが、その財産がどうなるかということについてはちよつと今、私のほうで資料を出すというのはできない問題なんですが、この評価の方法もいろいろありまして、概略申上げますと、この評価の方法も今一つの、先ず財産の時価をどういうように評価するかという問題と、それから利益率をどう参酌するかという二つの問題に分れるわけでありますが、時価の評価の方法としましても現在行われておる一般の方法としましては、いわゆる指数法、いわゆる大体日銀の卸売物価を前提にいたしまする日銀の卸売物価による指数法という方法と、それから御承知の資産再評価法によりまして一般の民間会社の行う減価償却をやるについての評価の法律が出ましたが、あの資産再評価法による方法、それからもう一つは再取得価格による方法というのがありますが、これは各具体的な設備を全部棚卸ししまして、これを新たに取得する場合、どのくらいの価格かということを一つ一つ当つて、それによつて今の設備の償却程度を見て評価する、こういう再取得価格法というものがある。その方法は勿論相当時間がかかりますので、集計は勿論できませんが、そういう方法による場合、そういう方法によつて非常に変つて参ります。それから収益率を参酌するという方法に関しましても、收益を還元する方法と年数法という方法とが大体一般には行われておるようでありますが、これもそのほかの方法を採るかどうかという点において相当議論があるわけでありまして、ちよつと計数はむずかしいと思いますので、御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/24
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025・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは来年までにできればよいものですから、そうすると私たちとしても、生み出した卵が何に抜けかえるかわからないで卵を生み出すわけには行かない。その内容、規模が明らかに想定されるものでなければ責任を持つて私は法案審査はできない。それで推定でも或いは何の方式によつてでもよいから、これは推定され得る限りにおいて会社の規模内容というものを示して頂かなければならない。そうすれば或いは評価委員会においてどういう方法で評価するにしても、換算して大体推定して行くいろいろ方法はあり得ると思いますが何がどうなるやら全然わからないで、会社だけ作ることだけは、法律を通して許しておこうというわけには行かない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/25
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026・横田信夫
○政府委員(横田信夫君) 何が何やらわからないというのではなくて、設備はこういう設備が対象になるということはわかります。従つて帳簿価額が幾らになつておるかということもわかります。その程度でありますならば、これは我々として帳簿はありますから、これはできると思います。それを今棚卸しして、これが帳簿価額と現物をもう一遍対照してどうかするということになると直ぐはできないと申したのでありまして、現在対象となる見込のある設備はどういうもので、それに対しての帳簿価額がどうなつておるかという問題であれば資料は作ることができます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/26
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027・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そういうものでも結構です。対象となるものを巨細出して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/27
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028・山田節男
○山田節男君 もう一つ資料ですがね。従来逓信省、電気通信省になつてから、国際無線電信として、殊に戦後重点をおいてもらつておりますが、外国の無線電信電話会社、それとの今までの大体年別の業務量、そのボリューム、若し会社別にわかればなお更よい。それとこつちへの受取勘定、日本政府が受取つた金、こういつたものと、それからもう一つは現在国際電気通信都で管掌しておる外国通信との、例えばこちらからサンフランシスコ、或いはボンベイ、カルカッタ、こういつた通信網、レーダー、電波の無線の通信、こういつたようなネツト・ワークが、これは要するに現状どうなつておるか、会社に譲渡さるべきネット・ワークがどうなつておるか、これを示すようなものを作つて頂きたい。
それからさつき小笠原君の要求された、勿論それは電気通信の設備の再評価審議会がまだできていないのだろうと思いますから、無理だろうと思いますが、大体価額が、若し数字が出なければ会社に譲渡する財産、例えば小山の送信所とか、福岡の何とかというのがありますが、そういつたような大体差当り会社に譲渡しなくちや業務が始められないというような資産表、これは直ぐできると思う。これを一つ参考のために逐條審議に入る前に作つて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/28
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029・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 残りました二つの法案の逐條説明は次回に譲ることにいたしまして、本日はこれにて散会いたしたいと思いますが、如何でありましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/29
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030・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 本日はこれにて散会いたします。次回は二十二日午前十時ということにいたします。
午後四時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02119520519/30
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