1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十七年五月三十日(金曜日)
午前十一時四十七分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 鈴木 恭一君
理事
尾崎 行輝君
山田 節男君
委員
大島 定吉君
寺尾 豊君
新谷寅三郎君
小笠原二三男君
水橋 藤作君
池田七郎兵衞君
国務大臣
郵政大臣電気通
信大臣 佐藤 榮作君
政府委員
電気通信電気通
信官 平井 太郎君
電気通信省電気
通信監 山下知二郎君
電気通信大臣官
房人事部長 山岸 重孝君
電気通信省業務
局長 田辺 正君
電気通信省国際
通信部長 花岡 薫君
事務局側
常任委員会専門
員 後藤 隆吉君
常任委員会専門
員 柏原 栄一君
参考人
日本銀行政策委
員会委員 中山 均君
日本専売公社総
裁 秋山孝之輔君
RCA通信社駐
日代表 チアレス・
バルケイ・
ジエニングス君
マツケイ無線電
信会社・副社長 ジエームス・
フオムス・
チヤタートン君
(通訳 森 正一君)
—————————————
本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法案(内閣送付)
○日本電信電話公社法施行法案(内閣
送付)
○国際電信電話株式会社法案(内閣送
付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/0
-
001・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) これより委員会を開きます。
日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案、国際電信電話株式会社法案、いずれも予備審査、これを議題といたします。総括質問が残つておりますので小笠原委員お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/1
-
002・小笠原二三男
○小笠原二三男君 昨日は経営委員会、役員等について一般的な質問をいたしたのでございますが、本日は職員のほうについて一応お尋ねしたいと考えるのですが、高能率、高賃金制ということをどう政府においてお考えですか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/2
-
003・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) お尋ねの点はどういう点か私ちよつとつかみかねますが、まあ高能率、高賃金ということを事業官庁においてしばしば申上げますのは、この独立採算に徹底して参つて業績がよくなる、その業績をよくするためには、やはり能率を上げてもらわないと業績がなかなか上らない。業績が上りますならば同時に給与等においても改善されるのだ、こういう意味で、私どもは特別事業官庁における業績を上げる意味において高能率を主張し、同時にこの種の特殊企業におきましては一般職員の給与にのみ縛られないで、やはり作業官庁には作業官庁にふさわしい給与制度を考えるべきだというので、只今のお尋ねのような、目標と申しますか、基本的な考え方をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/3
-
004・小笠原二三男
○小笠原二三男君 提案理由の説明の中にあります能率給を加味した特殊の給与準則を定めることになつておるがということですが、これは定めるおつもりなのですか、又能率給を加味した給与そのものは、今の現業庁において実施されておるのでございますか、その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/4
-
005・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) かねてから作業官庁の給与につきましては、只今御指摘のような点を加味して給与を作るべきだ、まあ特別な報奨制度を設けるべきだということをかねてから主張しておるのでございますが、この前の給与規定の改正等におきまして、不幸にしてこれが実現を見なかつたのでございます。今回公社等に移行いたしますれば、かねての狙いでもありまするし、給与準則を作ります際に、この従来の報奨制度は是非とも取入れたい、かような強い考え方をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/5
-
006・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私は今行われておるような報奨制度そのものを、いわゆる賃金体系において能率給であるというふうには一概には考えられないのです。で能率給を加味した給与体系というものは、民間においては今ぼつぼつ行われていますが、一般官庁においてはこれは体系として実施されておる向きはないのじやないか、こう考えるので、これは非常に新しい日本の各方面に与える影響の大きい基本的な労使関係について規制して行く重要な事項だと考えるのです。それでこれはあとで政府委員等にお伺いしてもいいのですが、一般的に政府としてお考えになつた構想はどういう形態のものをお考えになつておられるのか、あつたらお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/6
-
007・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど申しますように、又小笠原さんが御指摘なさいますように、現在までにはこの種の給与規定はないのでございます。ただ私が扱つておりますこの電気通信の業務の実態等から見まして、又職員の強い要望もありましたので、これを人事院で出して参ります給与法の中に取入れるべくいろいろ過去において努力をした、併しながらそれが実現を見なかつた。で今回公社に移りまして給与法の規定とは別に給与準則を作る際におきましては、かねてからの申合せもありまするし、是非ともそれを実施したい、かようなことを申しておるわけでございます。内容等につきましては、詳しくは後ほど人事部長からでもお話をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/7
-
008・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ではこの公社として人事管理或いは労使の関係を規制することにおいて国有鉄道或いは専売公社等の紛争処理、或いはその形式なり手続なり等についても相当やはり参考にせられたことと考えますが、この法律案で見ますと、大体他の公社の経験に照らして、何と申しますか、新らしく創意を加えたと思われる点は労使関係においてはないように思う。で今の公労法等において賃金なりの問題が団体交渉の対象になつておりながら、実際他の公社においては、国鉄の横山君の公述にもございましたが、この法案で見ますと七十二条に制約せられて、いわゆる給与準則を定めるけれども、その予算総額は抑えられておる。従つて国有鉄道等においてもこの団体交渉の際において、当局は当事者に能力はないのだ、政府にある、こういう状態になるので、根本的な解決を得ない。それでこういうあり方は公社として運営されて行く上において非常に遺憾だ、削除したらいいだろうという意見等があつたのですが、佐藤大臣はまあ国有鉄道のほうは専門家であり、又過去において当局者としてやつた御経験もあつたわけですが、それは無論この関係以前の経験であつても、従業員諸君がこういうことで非常に不満を感じておる、又このことが紛争の種となつて、政治闘争というような形で、いい悪いは私は結論は別でありますけれども、批判せられる。こういうことはやはり今回出ます公社においても起つて来るのじやないかということを考えるのです。他の公述人も例を昨日申しましたが、事業予算等について拘束を除去するようにして、自由闊達にやれというような趣旨等からいつても、これらの問題について何と申しますか、毎会計年度において利益等が出て来る見込があり、その利益金の予想というものが当初において考えられるような場合においては、必ずしも予算総額をきめてそれで縛られる必要はないのじやないか、こういう考えも常識的にするわけです。この点に触れて一つお伺いしたいということと、公社運営上公労法のほうについて検討を加え直さなければならないと考えられた点があるか、今の公労法でいいのだという考えでいるのか、政府の所見をこの際伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/8
-
009・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 只今のお話は至極御尤もなお尋ねであります。で話の順序から申しまして、公労法のほうから先に申しますが、今回公社にいたしますと、当然公共企業体関係労働法の適用を受けることに相成るわけであります。従いまして在来の電気通信として一般公務員法の適用を受けていたときとはこれは変つて参るわけであります。その意味では鉄道やそれから専売関係の職員と同じような労働関係に立つわけであります。今回の労働法の改正に際しまして、かねての主張であつたと思いますが、企業官庁の職員については特別の法規と申しますか、一般公務員法そのままを適用しないので、労働関係においては特別な立法をすべきだという主張をいたしておつたわけであります。この意味におきまして郵政省職員に対しましてもこれに準じたような処置がとられるようなことに相成るわけであります。そこで基本的な公共企業関係労働法から見まして、その内容等について労働省自身もいろいろ検討を加えておると思いますが、過去の実績等から見まして、これに対しましてはいろいろな批判があると思います。個人的な意見に相成るのでありますが、その意見は別といたしまして、今日の状況におきましてはまだもう少し経験を積むべき状況ではないかというのが最終的な結論でありまして、今回は公社に移る、その関係において公労法の適用を受けるということで、一応経過をいたしておるわけであります。それにいたしましても調停委員会等の事務処理方法は労働省においてこれを一本化する、こういうような点は今後行われるわけであります。この公労法適用の点についての根本的な問題は、これは又他日の機会の問題に譲らして頂きたいと思います。
而して先ほど来お話のありました公社に移行した場合の給与総額というものが予算で縛られていて、事業官庁にふさわしい、事業体にふさわしいような給与がなかなかできにくいんじやないか、こういう問題であります。殊に経過的の問題といたしまして、本年の予算はすでに御審議を頂いて経過いたしたものでありまするし、この経過的の問題といたしまして本年は特に窮屈さを感ずるのではないか、これは過去におきまして鉄道公社の場合にそういう経験を嘗めて参りましたが、本年に関する限り予算が非常に明確になつておりまするから、給与を年度途中において増額するということは、鉄道の場合に経験したと同様に予算上資金上それだけの余裕がないというような結論になるのではないか、かように考える次第であります。併し来年度以降の問題におきましては、この給与総額が決定を見ますから、そこで私どもがモツトーにしている高能率、高賃金というものを如何ように運用して参るか、ここに一つの問題があるように考えるのであります。給与総額を決定いたしますゆえんのものは、やはり政府関係職員といたしまして、一般公務員との差を均一にする、こういう意味ではないのでありますが、やはり比較考慮する余地は政府としてはいたしたいように考えるのであります。政府関係職員も一般職員もやはり基準になりますものについてはできるだけこれを近接して参りたい考えを持つのであります。かように考えますると、予算制度を残す限りやはり給与総額を予算できめるということは、これはあり方として止むを得ないように考えられるのであります。併しながら一般公務員はこれはいわゆる事業を遂行しておるわけではないのでありますので、事業遂行上の特殊な問題がいろいろ考えられて来るのは当然だと思います。例えて申しますれば、過去におきまして定員査定等から見ましてオーバー・タイム、超過勤務の手当等につきましても相当の標準はできております。併しながら今後の実際問題等から考えますれば、こういう問題もオーバー・タイムをたくさん取るように働かすという意味ではなしに、事業遂行上必要であり、オーバー・タイムの勤務をいたしますれば、その実情に合つたような給与が支給されるのはこれは当然のように思う、当然に考えて行かなければならないだろうと思います。この種の問題であるとか、或いは又事業が非常に発展いたして参りまして、そしてそれが特別な職員の努力によつてそういう結果を招来したと考えられるならば、こういうものにつきましても特別な方途を考えて行く、こういうような制度、先ほど申すような考え方の報奨制度等も当然取入れて参るわけであります。総額自身が縛られておりまして非常に窮屈なのだ、かように考えますると、いわゆる事業官庁の給与総額というものにはどうしても弾力性を持たさざるを得ないのであります。これが事業官庁の特殊性であります。だから基準給与額だけのものについては、これは政府全般といたしましての標準を考えて参りまするが、事業の規模等から考えて割出される給与総額でありますので、国家財政には予算編成上において、いわゆる文字の上に出たものとは中味が変つて来るのは当然のように私は考えておる次第であります。従いまして一般の民間会社におけるような非常な融通性のあるものにはこれはできない、これは無理だ。併しながら政府関係機関であるという意味合いにおいて、又企業体であるという性格から、一般公務員の場合とは別な給与準則を定めるべきではないか、かように考えておる次第でございます。問題は一般会社のように非常に余裕のあるものではないけれども、その企業体としての事業遂行上当然出て来る繁閑並びに規模の大小との関係におきまして、運用の面においては或る程度は考えられるということが申されるように私どもは理解をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/9
-
010・小笠原二三男
○小笠原二三男君 国鉄公社の場合を例にしますと去年においても現にあつたことですが、年末給与等において一般公務員が八割支給と決定になつておつておる。国鉄公社のほうは予算がない、それらのことから三千五百円なり四千円なりという一応の取極で、一般公務員並みに給与が支給されなかつた。どうにも手の施しようがなかつたというような事情も起り、又総裁などもいろいろ苦慮せられて、政府関係と折衝しても政府からは金が出ない、こういうようなことで困つた実例があつたように思うのですが、そういうようなことはこつちの公社としては絶対にあり得ないのか、そういう問題から、この点やはり逆な場合の例でございましたが、私たちとしては問題になると思うのです。この点についても一つお伺いしたい。今のに補足してお伺いしたいし、それからこの職員の問題については、もう一つは一般にこの法案によりますと、体系上からいつて職員に対して規制する部分の法律事項が案外に多いように思われる。そうして他の経営委員会なり役員なり、或いは経営のための方針等の規定は案外骨格だけにとどまつており、公社の自由裁量ということが十分あり得るような点がある。ところが職員の個々の問題については一般公務員のそれらと同じように相当規制せられておる部分が多い。それでまあ率直に言つて、公述人の労働関係を代表するほうのかたがたの意見を聞きますと、仮に例えば三十二条等における職員の身分について規制した部分については、これは公労法においても団体交渉の対象となり得る部面のものだから、それらについては一切削除して、それぞれの労使関係の協約に委ねたらどうか、或いは公社自体の内部的な規律としたらどうか、こういう意見があつたと思いますが、それについては無論反対でございましようから、その理由を一つ伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/10
-
011・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 国鉄の場合の例をとられまして、年末手当が一般公務員より少なかつた、こういうお話をされて、そういう心配があるんじやないかということが第一点でありましたが、給与総額がきまつておりまして、基本給をたくさん出しておりますと、手当のほうで一般公務員の場合とは違うようにならざるを得ない場合もあるのであります。で、鉄道の場合の基本給の、まあ平均給と申しますか、このほうは一般公務員と違う建前で作りました関係上、その基本給が高くなつておりますために、給与総額といたしましては按排し得るものがあつたように思うのであります。これは総額がきまつておりまして、手当の方面に廻す予算をたくさん残しておけば、それは手当の率が高いということにもなるわけであります。なぜそういうことになつたかと申しますと、これは当初御承知だと思いますが、盆並びに年末の賞与につきましては、新らしい給与制度から見て手当を支給しないようにするというような考え方が一部にあつたやに聞くのであります。そのために年間を通じての基本給というほうをできるだけ高くする、で、手当を減らすというような一つの理論体系に基いたものがあつたようであります。けれどもこれはまあ日本の特異性でありまして、一般の給与も給与だし、盆並びに歳末の手当というものは制度として長い間の慣習としても生きておりますだけにやはり必要な事柄ではないかと、かように考えられるわけであります。そこで一般公務員でありますると、給与ベースが決定され、そしてそれに更に手当の総額をきめて予算を作つておるわけであります。御承知のように今年は給与べースは各省を通じての一つのきめをし、手当としては一カ月分を予算に計上しておるわけであります。ところが国鉄のほうはその給与ベースが高いために予算の編成に当りましても、手当といたしましては〇・五しか計上いたしておらないわけであります。で、〇・五を計上し、その平均給と睨み合して見ますというと、給与総額等において一般官庁との均衡がとれるということに相成つておるのであります。この点は、先ほど申しましたように政府職員と全然区別はできない、やはり政府関係職員というその立場におきまして或る程度の均衡をとらざるを得ない、そこから出て来る結果だと思うのであります。恐らく今年におきましても国鉄の手当の問題になりますると、一般官庁とは別な仕組をせざるを得ないのであります。先ほど御指摘になりましたように事業官庁の給与というものならば、もつと管理者と組合側と話合つて、そして決定するのが本筋じやないか、これはお説の通り最も進んだ考え方だと思います。理想的な体系と申しますか、そこまで行きますならは職員関係においては一般の事業会社と別に差異がないということに相成るのだと思います。併しながら基本的な問題で先ほど申しますように、政府関係職員の給与というものを一般政府職員との間に均衡をとり、均衡をとれない部分は企業官庁としての特殊性の面だけにこれを考えて行くという基本的方針をとつて参りますと、一般民間会社におけるように組合と経営者との間の話合いで給与をきめるわけには参らないのであります。先ほども御指摘になりましたようにそういう進んだ考え方で御覧になりまするというと、職員に関する規定が少し多過ぎるじやないか、もつと双方の協約或いは話合いに譲るべき部門があるのじやないかというのは御指摘の通りであります。で、私も公社を作ります際にはいろいろな理想的な考え方も持つてもおりました。併しことが今までたびたび申上げております、今回作りました公社は、職員の側においても不十分を感じ、或いは経営者の面においてもいろいろ不便を感じておるということも是認をいたしておるのでありまするが、結局今まで出ております鉄道の公社なり或いは専売の公社なり、これらの先例に縛られておる点が非常に多いのであります。結局先例に倣つて来ておる。これは一つのまあ今後の問題に相成ろうかと思いますが、公社関係の事業計画なり或いは事業資金なり、或いは又その資金の運用の問題なり或いは職員の給与関係なり、或いは労働関係を如何に調整するかと、こういう一つの進んだ体系が出て参れば非常に結構だと思うのであります。私どもも当初においては、率直に御披露申上げますが、公社を作るに際してはできるだけ進んだものを作りたいと思つていろいろ準備もし検討も相当いたしたものであります。いたしたのでありまするが、結局政府関係の事業としての鉄道なり或いは専売なり、これらと余りかけ離れたものは作ることができなかつたのであります。この点は皆様がたの御批判等を頂きまして、更に公社、企業点というものが経営上の経験を積んで来る、これは経営上と申しまするのは、ひとり管理者だけの立場でなくして、従業員の立場をも含めての経営上の経験を積んで参りまして、そして先ほどお話のありましたような理想的な体系を採用し得るような時期が参れば誠に仕合せではないかと存ずるのであります。現在の状況におきましては先例等に捉われ、それらと歩調を合わすということにならざるを得なかつたと、実状を申上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/11
-
012・小笠原二三男
○小笠原二三男君 前回以来質問しておりますというと、国の直営事業であつては法規或いは制度に縛られて自由闊達な私企業的な高能率の経営をすることができない、それで公社経営だというふうに御答弁が再三あつたわけでありまするが、こういう労働関係を規制するほうの部面については法規、制度、それら先例なり或いは政府の力というもので或る程度抑えておいて、そして他のほうは自由闊達にというような点はどうも私常識的に納得できない。経営の主体者であるかたがたのほうは都合がいいように自由闊達にできても、手足になつて働くほうは余り私企業的にはしていない。こういうふうで高能率ということはどうもおかしいのじやないかというまあ感想です。そういう感想が起るのですが、而も今の御説明では、基準給与が高いからバランスをとつて、まあ手当のほうが少くなつて一般公務員と均衡が取れるようになつているんだということであれば、これは高能率高賃金という制度と、その主張と矛盾するんじやないか、いわゆる民間会社等において高能率高賃金である場合においては、盆暮のいわゆるボーナスと言われるようなものにおいても高能率、高賃金の制度を適用して、然るに一般基本賃金のほうはそういう考え方で、手当のほうは生活給として全体のバランスの上に立つてこれが給与せられるというやり方はおかしいのじやないか、而もこの点については一般公務員と均衡を得ると言つたつて、それは均衡ということでとどまるので、平等であるということを意味するものでない。而も今回の公社は郵政省の監督下にあるものでありまするが、郵政省の直営として郵便事業の従業員が、これらとの関係において私は必ずしもこの公社の従業員において高能率、高賃金なり或いは豊かなる生活給なりが予定せらるるというふうには考えられない。それぞれこれは均衡という名に隠れると申しますか、伴つて郵便事業関係のほうとバランスをとるために制約になる部分が多くなつて予算総額がきまつて行くのじやないかということを心配するのであります。そういうことを考える場合に、公社になつた場合に、それら国鉄公社なり専売公社なりのいわゆる手当が少い、これは均衡を得るために少くなつたのだという考え方でなくて、いわゆる私企業の経営に近付かせ、高能率を発揮したいということであるならば、この賃金給与において画期的に公社は公社としての方針が作られて然るべきではないかと考える。ただ単に高能率、高賃金の云々ということで大いに宣伝はよくても、現実がどうなるかということは、やはりこれに関与する従業員に取つては重要であり、又士気を鼓舞する点から言うて重要であろうと思う。私としましては今の大臣の均衡を得るということについては、意見になりますけれども、必ずしも賛成できない。どうも高能率、高賃金の理論的なものを背景としてはそういう結論は出て来ないのじやないかと考える。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/12
-
013・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 抽象的なお話ばかりいたしましたので、小笠原さんから積極的な御批判を頂いて非常に私も恐縮に思つておりまするが、先ほども申しましたが、一般官庁の職員と企業体の職員で先ず睨合せを考えますると、考えると申しますのは、基本的な給与でありまして、これは本給並びに年末等の手当、これが総額が大体均衡をいつも要求されるものであります。従いまして総額としての金額がきまつておりますると、いわゆる給与の総額が決定を見ておるといたしますると、その中の使い方の問題に相成るわけでありますので、先ほど来申上げるような議論にならざるを得ないのであります。併しながら事業体としては特別な事業遂行上からいろいろ諸手当も考えて参らなければならないのであります。そういう面におきまして高能率というものがやはり働いて来る画が多分にあるのであります。又規定の面でいろいろお話がありましたが、この公社法の条文に規定いたしております関係の条文は、むしろこの身分保障の規定が大部分であるのでありまして、この身分保障に関する規定が多いということは、これはむしろ職員に対しまして安心を与えるのではないか、この規定の条章が多いことは、この意味においては、場合によりましてこれが組合と管理者だけの話合いでなくて、国会の御審議を経るということが、この法律で規定されるだけに安心ができるものではないかと思うのであります。でこれを御覧になりますとおわかりになりますように、職員の任用なり給与等の問題は、やはりこれは任されておる部分であります。従いましてこの条文自身の問題には余り力を置かれないで考えて、先ほど来のような御批判をなされないで、一つ条文を見て頂きたいと思います。又一般公務員法なり或いは人事院規則による職階なり任用等の面で、これらのものの適用を受けないだけでもこれはもう企業体にふさわしい制度が今後作られるわけであります。この辺にも非常な期待があるわけであります。これらのことを考えて参りますると、在来から見ますると相当のプラスがあるように思います。殊に給与の問題で先ほどからいろいろ御批判を頂いておりまするが、成るほど給与総額は決定は見ておりまするけれども、給与予算のこの内部におきましては或る程度の弾力性が考えられるのでありますから、将来の問題になる部分もありまするが、弾力性が考えられますので、冒頭にお話のありました奨励手当制度等によりまして、事業の業績が上りますれば、やはりこれに対しての給与ができるというようなわけで、私どもは相当今回の公社によりましては、職員の給与についての安定を期する上においては一つの進歩がある、又それはやり得る、かように実は思つておるのでございます。
いろいろお話がありましたが、ただ問題は、今年の予算というものにつきましては、これはどうも公社になつた際に公社予算は特別に作つておりませんから、今年は只今までのところでは相当窮屈な状態に置れておる、在来と同じような考え方で見て行かざるを得ないということに相成るわけであります。その関係は郵政省のほうの職員につきましても同様なことが言われるのでありまするし、殊に労働法の改正も、いつからこれを実施するかというような問題で、只今国会で御審議を頂いておりますると考えまするが、本年度の予算の運用範囲からは一応これを外しておく、この点がやはり一つのポイントであるように思うのであります。将来次の国会等におきまして補正予算等を作ればこれは別であります。併し現在の予算の編成の建前から申しますると、本年に関しまする限り他の官庁との間に非常な差異があることはどうも考えかねる、ただ公社に移行いたしますれば、来年度予算以後においては相当に融通ができまして、一般官庁とは異るということを前提に私ども考えますので、長い間の職員の要望であるところの報奨制度等については積極的に考慮ができる、かような考え方をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/13
-
014・小笠原二三男
○小笠原二三男君 では手足になる従業員のことについてはこの程度にしたいと思います。
最後に率直にお尋ねしまするが、そんなら直営である郵便事業のほうの現場に仕事を持つかたがたとこの公社のかたがたと給与並びに労資関係ですね、労働関係についてどういう差が出て来るか、お伺いしておきます。ということは、私大前提として申上げておりました通り、私企業化して行く過程における公社は一つの企業ですから、それが直営であるものと違う点について関連しておる点に集約してお尋ねしたいので、そういうことをお尋ねして置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/14
-
015・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 公社が私企業への移行段階であると言われることについては私は異存があるわけでありますが、それは本体の御意見ではないようでありますので、ただ御注意申上げる程度にいたしまして、この公社とそれから郵政省との関係でどういうことになるのかという問題について私の所見を御披露いたしたいと思います。
今日までも郵政省と電気通信省は政府の直営でありますので、給与体系等はこれは一般公務員と同様の給与体系を受けておるわけであります。併しながら御承知のように多数の従業員を擁しております。その上に両省とも企業官庁であります。従いまして職員の組合結成なり或いは組合との交渉等におきましては、一般行政官庁とはやや趣きを異にするものがあるのではないか、と申しますのは、しばしば全官公の組合活動或いは組合運動というものが展開されまするが、これらの職員と大筋においては同様でありましても、両省の組合を結成しております職員のほうから見ますると、企業官庁の特殊性というものが強く頭に残つておる、いつもその主張の下にいろいろの運動もあり、又組合側の主張というものはそこに根拠を置いておる、かように考えておるのであります。その意味におきまして閣議等においての各省大臣の立場と、或いは郵政大臣なり電通大臣の立場というものは趣きをやや異にいたしておるのではないかと、私自身は今まで感じて参つたわけでございます。ところが同じような国の経営しておる企業体ではあり、そうして同一の人間が両省を所管しておりまするが、企業体にはやはり企業体の特質があるわけでありまして、又その独立採算の建前を採用いたしましても、事業自体の消長等もありまして、大筋の給与は同じでありましても、やはり幾分かずつ特殊性が双方にあるわけであります。又組合側から見ましてもいいところへ均霑を要望する運動はこれはもう絶えず展開されると思います。私が過去において鉄道の関係者でありました時分に、鉄道から見まして旧逓信省の職員に対しては給与なり手当なりが非常によろしい、鉄道側はこうしてくれ、又恐らく旧逓信省職員においては、鉄道側においてはこういういいことがあるから俺のほうもこれを一つ考えてくれというようなこともあつただろうと思います。各省にはそういう特殊性がある、今後これが一方は公社になり一方は官庁の直営であるといたしますると、在来の経過ばかりでなく、今後におきましても企業経営の相違から来るものもきつと表面化して来るのではないか、かように考えるわけでございます。一例を取つて申しますと、現在の郵政省におきましての例えば簡易保険の契約の手当制度と申しますか、この種のものはこれはもうはつきり郵政省職員の特殊なものであります。こういうものを他のほうに均霑さすわけに行かない、私はこれは郵政省部内においても特別会計でそれぞれ別なものがあれば止むを得ないわけであります。問題は基本的な問題、例えば基本給が一体どうなるのか、又お盆や年末の手当を一体幾ら支給してくれるかという基準の問題が狂うということは先ず考えられないと思うのであります。その他の事業遂行上の特殊な面においてそれぞれの特性を伸ばして行くということは、これは先ず差当つて考えられることのように思うのであります。さように考えますると、恐らく従来も問題がありましたが、それは両者の関係において今後も或る程度の問題が残るであろう、これは政府全般として考えて行かなければならない問題であります。
それからもう一つは、旧逓信省で同じものでありましたが、御承知のように電気通信省に分れてから曾つての全逓という組合も二つの組合に分れて来ておる。この二つの組合に分れておるということは、これは省が違うというばかりでなく、それぞれの職員には職員の特異性のある、その立場から出て来る一つの組織活動だろうと私どもは考える。だから過去二年間の経験から見まして、それぞれの組合がそれぞれの立場においておのおのの方向において発達して来ておる。併し基本的な考え方においても、組合活動という線においてはこれは皆同一だと思いますが、今お尋ねになりましたような給与等の問題になりましては、これは全部が全部同一になり得ない。又組合側におきましてもその点は私は必ず了承するものだと思います。かように考えておりますので、今日郵政省の末端機構におきまして電気通信省の職員であると申すような人たちの給与がもうすでに違つておりまして、そこの管理者といたしましては身分が違いますために、又諸給与の支給の時期等が違います等から見まして、部下職員と申すか、その末端の団体自身をまとめて行く上におきましてはなかなか苦労があるだろうと思うのであります。思いまするが、これはどうも事業体が違い、事業の主体、経営形態が違い、又実態が違うといたしますれば、或る程度納得をしてもらわなければならんと思うのです。ただ問題は基本的な問題だけを非常に差異を設けることは、これは如何かと考えられるのであります。こういうような意味が先ほど来御議論のありました、給与の総額を予算において縛る、こういうような方向にまで実は思想としては一貫して出て参るわけでありまして、これらの点が将来の問題といたしましてもつと独立採算が徹底して参りますならば、これは又別な結論になるでありましようが、只今の過渡的な状況といたしましては止むを得ない状態ではないかと、かように考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/15
-
016・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ちよつとお尋ねするまでのことでもないので、逐条審議でお聞きすればいいと思うのでありますが、今お話があつたから重ねてお尋ねしますが、そうしますと具体的に申せば郵便関係の普通局と、或いは田舎のもつと下の郵便局もございましようが、それらで専門に電報だけを扱うような者は将来においてもこれは郵政職員だろうと思います。それと電報局が独立しておつて、電報を扱う者は公社のほうで、それとの基準給与、主たる手当は違わない、こういうことになるならば、逆に公社において新規に採用せらるる者等においては恩給その他の恩恵を受けない、この点は逆に言つたら保障と申しますか、保護と申しますか、そういうようなことで一本に一貫していないのじやないかと思われる、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/16
-
017・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) この末端の機構を如何にするかということは、これは一つの公社が誕生いたしました後において大きな問題であります。従いまして昨日もいろいろお尋ねがあつたのでありますが、その点についてはこの委員会でもたしか申上げたと思いますが、扱い方を一つ整理して参りたいという考え方をいたしてをるのであります。どういうように整理するかと申しますると、現在のところは委託業務の方法でそれぞれ末端の職員の定員等を査定して参つておるわけであります。ところがなかなか行政機構の改革その他から見まして所要の職員を採用することが困難な問題もあるわけであります。又郵政省と電通省の関係相互におきましても電通業務を担当するという意味において電通省の職員の身分を持つことも同一勤務場所において先ほど来お話のありましたような問題も起るわけでありますので、成るべく避けたい、かように考えまして、然らばどうしたらいいだろう、そこで扱い通数によるまあ委託料を郵政省が電通省から取りまして、その範囲において職員を整理して行く、この方向が望ましいのじやないかという考え方をいたしておるのであります。基本的な問題から見ますれば、御指摘になりましたように電報局は独立して行くという方向がいいと思いますが、併し独立だけでは必ずしも利用者の便益増進にもならないと考えるものでありますので、その点においては先ほど申します委託料を根本において支払つて頂く、そういう方向で整理をして参つたらどうかというを考えておるのであります。この点については別に新らしい工夫ではないのでありまして、今日停車場等で電報も扱つておりますが、これは通数による委託料の支払いを受けてそうして停車場等においては公衆電報を扱つておるわけであります。こういうことは郵政省の所管の郵政局等で、考え方によりましてはこれは可能なはずであります。そういう方向によりましてこの制度をもつと単純化して行きたい、こういう考え方をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/17
-
018・小笠原二三男
○小笠原二三男君 簡単に一つ私の聞いた結論だけ御返事頂けばいいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/18
-
019・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) それで只今申上げたような方向で整理をいたして参りますから、末端機構においての混淆はだんだん減つて参ると思います。そこで先ほどの恩給の問題でありまするが、これは公社として、将来公社自身としてその恩給だとか、退職金制度を根本的に考えて行かなければならないと存ずるのであります。それでそういう場合におきましては只今恩給制度等についても一般の批判が行われておりますから、こういう新らしい恩給制度とも睨み合せて考えて行くべきだと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/19
-
020・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そんなら何故そういうようなことを抽象規定ででも法律化しなかつたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/20
-
021・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) こういう問題は恐らく昨日ありましたように、任用、給与等の問題は委されておる基本原則で御了承が頂けると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/21
-
022・小笠原二三男
○小笠原二三男君 あるじやないですか任用、給与の法律は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/22
-
023・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 原則は只今申上げた通りであります。十分考えて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/23
-
024・小笠原二三男
○小笠原二三男君 あとは財務会計制度等については次回にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/24
-
025・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それじや一応財務会計制度もお話になつてもよろしうございますが、それは……。ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/25
-
026・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
暫次休憩いたします。
午後零時四十八分休憩
—————・—————
午後二時四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/26
-
027・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 休憩前に引続きましてこれより会議を開きます。
本日日本電信電話公社法案及び国際電信電話株式会社法案につきまして、参考人として日本銀行政策委員会委員の中山均君、日本専売公社総裁秋山孝之輔君、RCA通信社駐日代表チアレス・バルケイ・ジエニングス君、マツケイ無線電信会社副社長及び太平洋地区支配人ジエームズ・フオムス・チヤタートン君、以上四人のお方にお願いいたしまして参考人としての御意見をお聞きすることにいたしたのでございます。中山さんがお見えになつておりますので、中山さんからお願いいたしたいのですが、当委員会におきましては、只今申上げましたように、日本電信電話公社法案と、国際電信電話株式会社法案が政府より提案されておるのでございます。
政府の理由といたしますところは、我が国の電信電話事業が創業以来国営であつたので、そのために設備拡張資金等におきまして、そのときどきの国家財政の枠に左右され、十分且つ安全な資金を獲得することが困難であつた。更に企業経営の基本である財務、会計、人事、管理等についても一般官庁と同一の規律を受けて活撥な企業活動を阻害されて来た。そういう面が少くないので国内通信部門については公社に、国際通信部門については会社経営にいたしたいと、こう申しておるのであります。当委員会といたしましては、事柄の重大性に鑑みまして慎重に審議をいたしておるのであります。先般公聴会を開きまして、各方面の御意見を伺つたのでございますが、今回更に只今申上げましたようなお四人のかたに御意見を伺いたいと思うのでございますが、中山さんは日本銀行政策委員会委員として特に金融方面の御造詣がお深いのでございまして、そういうと面から公社法或いは公社並びに会社ということに対して御意見を承わることができれば幸いと存じます。お忙しいところをわざわざおいでを頂きまして誠に有難うございました。厚くお礼申上げます。それではこれよりお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/27
-
028・中山均
○参考人(中山均君) 日本電信電話公社並びに国際電信電話株式会社、この法案につきまして一応拝見いたしまして、今御説明によりましても、なお一層その点が明らかになつたのですが、実際問題で日本の電信電話は官営でありますためか、非常に電話の開通も需要から見まして非常に少い、こういう点から見まして、何とかこれを改善することが非常に急務だと思いますが、今もお話のような国家財政に縛られまして、なかなかそう思うように行かない、こういうのを直すには、結局公社或いは民営どつちにすべきか、これが私は一つの問題と思います。民営もあらゆる点から見れば必ずしも悪いとは思いませんが、併し今日のような大きな設備を持つておりまして、そうしておる場合に、これを民営にすぐするということは、非常に厖大な資金を要しまするので、又電信電話の公共性から見ましてもすぐ直ちに民営にしますことは当を得ません。むしろ公社案のほうが適当ではないか、こう私は存じます。そこでこの公社になります場合におきましての考え方ですが、御承知の通り、今日まで相当の赤字が出ておりますわけであります。従つて今後金融につきましてはなかなか民間の金額をこの際取入れるということは非常な困難さがあるのではないか、今年の、安本の二十七年度の計画から見ましても、大体の債券の募集の見込みから見ましても、もうすでにその大部分が電気とか、鉄鋼関係にそれぞれ百二十億とか、六十億とか計算されております。その他の債券も非常に起債が圧迫されておるというのが現状であります。従つて電話債券で若し民間から金を得ようというようなことは私は非常に困難が多いと思うのであります。その点が一つの困難の点と、それから経営の問題ですが、二十五年度は御承知の通り九億円の赤字が出ております。二十六年度、二十七年度は大体黒字が十八億から出ております。併し調べてみますとその大部分が国際通信から得た利益が非常に大きいのであります。こういう点から見ますと電信電話が今のような程度で行きますと、なかなか料金を引上げることは非常に困難さも強いと思います。その点から行きますと相当経営に骨が折れはせんかということを痛切に感じます。
なお経営上一層困るではないかと思われることは給与の点でありますが、これも御承知の通り今日の公務員の給料のベースから見まして、すでに前例のありますような国鉄のべースを見ましても、それよりも或る程度上廻つております。公務員給与よりも七%以上引上げられておる。こういう点から見ましても、又専売公社の賃金ベースを見ましても、これ又公務員から見まして三・三六%上つておる。こういう点から見ますと、この点は電信電話というものを特別会計にしまして給与面において融通がつきますだけに支給量が殖える、本年見込まれておるのは御承知のような二百五十二億でございますが、これが若し専売公社並みにベースが上つたとしましても八億円の増になつております。若しこれが国鉄と同じならば十九億ぐらいの増になると思います。こういう点から見まして給与ベースが便利になると共に、成る程度上るということが考えられます。なお資金ですが、民間資金は御承知の通り今資本蓄積が非常に足りませんので、相当今お使いになつておるような金から見ますと相当に金利が高くなつておる。これは実例といたしましても、利附の興業債券の発行利廻りが年八分六厘三毛、日歩にして約二銭三厘七分、優良社債が御承知の通り一割一分三厘九毛、これは平均ですが、日歩にして三銭一厘、こういうのが現状における民間の資金の大体のあり方です。然るに今までの電信電話のこの金を見ますと、相当に政府の金或いは日本銀行の特別な金とか、或いは見返り資金というようなもので相当安くなつております。従つて便利にはなりますが、経費が増して来る。又御希望のような民間資金を利用しようとしましてもなかなかすぐ、今後長い間には考えられますが、ここ一、二年ではそういう金が得られることに非常に困難さがあると、こんな感じがしています。なお多少の資料は持つておりますが、大体の大ざつぱの考え方としてはそんなふうに考えております。
それから国際電信電話の問題ですが、これはお話にもありましたような各国の例から見ましても、民営に移すということが、やはり民間会社にするということが私は適当だと、こう存じます。併しこれも御承知の通り政府が現物出資しまして、そうしてこれを評価をしましようが、よほどこれは評価をお考えなさつて、余り時価に近づくようなことをしますと相当に高くなりますので、従つて非常に困難さがあるではないか。その再評価には相当の手心を願つたほうが後の発達上よくはないかというような感じもいたしております。それから資金の調達の困難なことも先ほど申上げた通りでございます。金利負担の増加もこれは先ほど申した通りであります。経費の増大もやはり先ほど申したような程度で従来よりも多少上る、こういうような点を考えてみますれば、民営にいたしました結果相当発達が私はあると思いますが、併しすぐ急にそれによつて民営に移し得たら安いものが得られるということは今のところ考えられない。こんな感じがしています。
一応の自分の考え方だけ申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/28
-
029・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 委員のかたに申上げますが、若し御質問がございましたらこの際御質問をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/29
-
030・山田節男
○山田節男君 今の中山さんの日銀の政策委員として全国的に御覧になつて、いわゆる資金の借入れということは非常にむずかしいだろう。殊に民間資金というものは鉄鋼業とか、或いは電源開発とかいろいろなものがあつて、それが枯渇しておるということは、これは私も大体そういうような見通しが持てるわけでありますが、日本電信電話公社、これはいわゆる御承知の通り非常に厖大な資本でありまして、法案によるといわゆる、狭義資本で設立するということを申しておるのですが、それにしましても評価の価格はどうなるかわかりませんが、昨年の八月に佐藤電通大臣が言明したところでも、およそ三億七千万ドルくらいの価値があるということを言つておる。そうしますと今度公社になりまして電話の建設工事、いわゆる従来見返資金でも何百億円というものを借りておつたのですが、中山君の見通しとしては、例えば電話の拡張、敷設、普及ということについて少くとも何百億という金が要ると思うのですが、これは日銀の方面から考えても、或いは民間資金、或いは電話債券で吸収する面においても不可能とは思わない。そういうようにおつしやつたと思いますが、よほど困難だという意味はどのくらいの可能性があると見たらいいでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/30
-
031・中山均
○参考人(中山均君) 今の見通しでありますと、日本銀行で直接持つということはこれは法律上できておりませんが、いずれ強いてやりましても、必要止むを得んとしますれば民間で引受けてやれば日本銀行でオペレーシヨンで買うという手もないではありませんが、今御承知のような金融機関以外にこういう債券を持つという人は日本の中には今のところは非常に少い。殆んど金融機関でなければ消化ができない、現状においては九割以上金融機関が持つております。その金融機関の中の都市銀行というものはかなりオーバー・ローンになつておつて、銀行はどこも貸出しが多い。こういう現状であります。そこへ持つて行つて今言つたような電気とか、或いは発電とか鉄鋼、造船というような、いわゆる捨てて置けないようないろいろなことが今湧いておる。無論この問題も捨てて置くべきではありませんが、そういう方面へ金を取られますと、なかなか今のところでは私は民間で金を得ようというようなお考えでこれを考えたとすれば、今のところは非常にむずかしさが多くはないかということを、まあいろいろ電話のことでありますから、或いは電話を持つ人に債券を買つてもらうとかいういろいろな手は今後出て来ようとは思いますが、金融機関で持つことは非常に困難さが強いというような見通しをしておるわけであります。放送債券その他を考えてみましても、相当利用者も買つておりますから、或いは電信電話になりますと今非常に需要者がありますから、債券を買つてくれと言えば、或る程度電話の架設を非常に希望しますから、そういう点から持つ者が或いは出るかも知れませんが、一般の金融機関の事情からいたしまして非常に困難さが多い、非常に御想像以上の困難ではないか、こんな感じがしております。不可能とは言いませんけれども、非常に困難さが多いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/31
-
032・山田節男
○山田節男君 これは電信電話が公社になりまして、とにかく第一着手として電話ということが重点になるわけですが今おつしやつたように電話債券とか或いは負担金を持たせるということはこれは電通省も従来負担金制度は現在やつておりますし、電話債券も昔やつたのですが、大体電信電話公社ができましたら電話の普及ということも勿論第一義的にやらなければなりませんけれども、主な点は戦争でいろいろ破壊されたようなものをこれを復旧しなければ電話の能率が上らないということが多少あります。これはもう電話の要求者から債券或いは負担金等で賄う部面じやない。私ももとよりこれはまだ電通の事務当局に具体的な数字はまだ示さしておりませんけれども、併しこれは相当な金が要るだろう、これもまじめにやればやはり何百億という金が要ります。そういたしますと電話の需要者が債券の形、或いは負担金をこれを受持つという意味においてやる、これは別としまして、忽ち電話の復旧に対しては建設資金というか、こういう面に例えば二百億、三百億という金を、これを計画いたしまして、この秋或いは来年の春等からそういう実際の資金の問題にぶつかつた場合、例えばこの秋の十一月、十二月或いは来春の三月頃までの時期を見通しまして、今やはりあなたのおつしやつておるような予想以上の困難だというそういう予想はやはり続くものと見てよろしうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/32
-
033・中山均
○参考人(中山均君) 本年のところでは続くものと私どもはそう信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/33
-
034・山田節男
○山田節男君 それからもう一つこれは電信電話公社も、それから国際電信電話株式会社もそうでありますが、そういつたものに国内資金がなかなか融通できないという場合に、他に方法を求めると言えば外債しかないのであります。外債或いは外資導入の方法を講じなくちやならんじやないかと思いますが、大体中山さんが御覧になつてもう政府的な借款でなくて、飽くまでコンマーシヤルな投資が今後特にこういつたような通信関係に対しての外資の導入、これは外債の形式をも含めてそういうものが見込みがあり得るかどうかということをこの一年以内ぐらいな見通しでよろしうございますが、あなたの見通しをお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/34
-
035・中山均
○参考人(中山均君) いろいろ外資の導入につきまして考え方があると思いますけれども、今後一年くらいの間にこうしたような民間の外資が入るということは相当困難さがあるのではないかと、こう存じます。無論外資導入に対するいろいろな法律その他の改正その他がありますれば又いろいろな点があると思いますが、今の現状ではこうしたような特殊なものにつきましては、或る程度の無論興味は向うさんもあると思いますが、直ちにそれができそうだというようなそういう予感は私どもとしては持つておりません。又私どもの立場から言いましても、何か向うから機械でも入つて来るとか、向うから道具が入つて来る、そういう外資ならばどうかと思いますが、今のところでは御承知のようにドルもポンドも相当或る程度持つております。ただ簡単に金だけ向うから借りて来まして、そうして内地にこれを円でばらまくということになりまするとやはりいろいろなインフレの悪作用が出て参ります。そういうことは余りしたくない。できます限り物価と通貨の安定を図つてそうして進みたいという見地から見ますると、ここでただ外資をすぐ持つて来れば非常に日本がよく行くというような感じも持つておりませんので、そういう点から言いましても、すぐ金だけ入れますことにつきましては私どもとしては非常に賛成しにくいような感じがしております。実際問題から言いましても非常に困難さがあるのではないかというようなことを感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/35
-
036・山田節男
○山田節男君 もう一つ資金に関係してですが、これは政府が出した法案によりますと、資金計画は国会の議決を経た予算に基いて四半期ごとに資金計画を出しておる、それを郵政大臣、大蔵大臣、会計検査院に提出しなくちやならんということにしておるのでありますが、若し国会の議決を経た予算というものを含めました場合、その資金計画というものに対しましてはこれは、若しこの法案通りにやるとすれば大蔵大臣もこれは責任を持つということになる。そういたしますと郵政大臣並びに大蔵大臣がこれは妥当なりと見た額を、日銀の政策委員会が御覧になつて今の資金政策から見てどうもこれは困るというようなことが、今の情勢だとそういうことでないかと思いますが、これは成規に国会の議決を経た予算に基いて出した資金計画の資金に対しまして、大蔵大臣、郵政大臣の保証があれば日銀として最大の便宜を計つて行けるものかどうかということそういうことができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/36
-
037・中山均
○参考人(中山均君) それはそうできると思います。これで御覧の通り従者から明らかに私どもから見て赤字となつたものにつきましては相当他の会計から繰入れております。そうして余り利息の出ないようなもの、借入金その他のものは非常に低利ですから、これは公社になりますとこのままで行けるか行けんか、或いは金利が上りはせんかというような点から見て、先ほど申したように今後の経営が或る程度非常に窮屈になる。併しこの会共性から見まして直ちに電信電話料を上げるということは非常に困難があるのではないか、併しそうしなければ債券がなかなか売れんではないか、危いものに対しては債券を持つ人は殆んどない。安全だということになれば、最近の電気のようなことになつて来る便利もあるけれども、まあそういう線は出て来る可能性があるんじやないか、こんな感じがこの法案を見ましてもしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/37
-
038・山田節男
○山田節男君 これは資金には直接関係ございませんが、あなたが経済人として、文金融人としてのお考えを伺いたいのですが、今回こうして電通省が国内の電信電話をこれを公社にして、そうして国際電信電話は民営にいたすという案でございます。これは従来の、特に終戦後の経理面を見ますると、これは電信電話の部面は赤字でございます。今あなたのおつしやつたように、国際電信電話が二十億に近い収益を挙げる、これのほうはあなたのおつしやるように公社でやる電信電話は赤字ということははつきりしておる。従来とにかく二十億の金でカバーして辛うじて赤字を補填するという状況である。それは民間会社にしてしまつて、儲からんものを公社にしてしまつた。これはかなり民間企業的な能率本位でサービスをよくしようというのでありますが、これは今あなたのお話から伺つて、こういう赤字だらけの公社ならは第一債券の受手がない。それから金融者にいたしましても、そういつたようなものに対しては国家的な意味からいつても、いわゆるコンマーシアル・べースで行く、普通の企業より危険は少いかも知れない。併し私は金融業者のインタレストというものはそれに向わないと私はそう思いますが、どうでしようか、これは儲かるようなもの、赤字をカバーし得るような国際電信電話とそれから赤字のものと一緒にしておる公社ならばまだ金融家としたら投資のインタレストはあるけれども、そうでない場合にはないのじやないか。併しあなたは国際電信電話を民営にすることは適当だと思うというようにおつしやつたように思いますが、この点はどうお考えでしようか。まとめて公社にしたほうが金融から考えていいというようにお考えになりますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/38
-
039・中山均
○参考人(中山均君) 私は一体全部両方ともに民営のほうが将来いいということを信じている一人でありますけれども、現状のような日本の資本の蓄積から見ましても、とても電信電話のあの厖大なる資産を評価して、これを民間へ移すなどということは容易なことではない。これは非常に不可能だ。そうしますれば、今の場合、官営で今やつているようなことよりもまだ公社のほうが一歩前進ではないか。併しできるならば民営のほうを希望いたしますが、今言つたような点で不可能だという点から、暫らく公社止むを得ん。併し国際電話のほうは今後施設も相当要ると思います。今は黒字か出ておりますけれども、先ずこれで足れりとは思えませんから、今後相当支出が出る。そういたしますると、これは必ずしも黒字だとは考えられません。むしろ今ある政府の持つておるようなものが相当、価格の再評価をお考え願つて、そうして安いものも与えてやらんと、必ず黒字を出して行くということは今後考えられんし、このほうはできるならば、今のところならは民営でも先ずやれるのではないか。そういう点から言いまして、これは民営可なり、片つ方は公社の止むなき、まあこういう感じがしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/39
-
040・山田節男
○山田節男君 これは現在国際電信電話部面も国営でやつておつて、これは民間になりましてもやはり公社の電信電話と非常に密接な関係がございまして、恐らく国際電信電話が国内の配達或いは国内通話の場合には委託をかなりやると思いますが、そういうように考えまずと、何も苦しんで民間にしなくても……、而も儲かるものですから…。ですからどつちもこれは公社にして、一体にしておいたほうがいいんじやないかと思いますが、これはあなたの経営からのお考えですね、どうも私はそこに政府のポリシイがあるように思えて、私不自然に思えるのですが、あなたは不自然にお感じになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/40
-
041・中山均
○参考人(中山均君) 私は不自然に……。できるならば、先ほども申したように民営にして一番能率よく行くというような感じからいたしまして、できれば民営にいたしたいが、電信電話が今のところ資金その他の関係からうまく行きませんから、暫らく公社で、これは将来は民営にだんだん移すというようなことがありやせんかと思います。まあ国際電話のほうはそれほどではありませんから、早く民営になすつて、そうして一般の便利をお図りになつたほうが……。戦前もこれはやはり御承知のようにやつておつた。これは戦時中に無理にさせられたというような、又他の外国への関係もありまして、大体民営でやつている。このほうはまあ企業としてはそう……、政府の持つたものを高く評価されればまあ成り立つのではないか。片つ方は非常に骨が折れる。非常に電信電話のほうはこれはちよつと赤字のを直すのは、よほどの英断をして行かなければむずかしかろう。併しまあこれも公社にしますれば今よりももつと能率的なことを考えることもこれは不可能とは思いません。今よりも一歩前進だと、こんな感じが私はしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/41
-
042・山田節男
○山田節男君 私の質問申上げたのは、例えばアメリカでは会社が国内電話もやり電信電話もやり、そうして海外へのやつも同じ会社でやつている。そうして国際、国内のものを一会社でやつている。今回これを分担するという場合に、まあ国営から切離すという場合に、何も金の儲かつている国際電話と……、金の儲からんものを公社にして、儲かるものを民営にするということをしないで、これはアメリカの一会社でやつているように、こちらも国際部門と、国内部門を一緒にやつたほうが経営的に赤字がカバーできるということから、何も国際電信電話を……、儲かるやつを民営にして、儲からん国内のを公社にするという、そういう分断するということは、経営面から御覧になり、或いは金を貸すという場合にはどちらがいいでしようかということをお伺いしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/42
-
043・中山均
○参考人(中山均君) まあ金を貸すという観点のみから言いますれば、今言つたような、儲かるものも儲からんものもあるという、これは一緒に作つたほうがいいのじやないか、これは御尤もと思います。併しこういうような電信電話の公社と、或いは民間の会社ということにしますれば、今後日本電信電話というものと国際電話というものを切離したほうが私は発達はいいとこう思うのです。発達はそのほうがいい思う。なかなかこれを一緒にしましたところが、今日その金融面で一般の市場からこれは金を得ようということは、困難さは非常に強いですから、この点は一緒にしたからといつて必ずしも楽になるとは思いませんし、又国際電話のほうは今までのところでは黒字が出ておりますが、これも今後の相当な設備の改善を要して来ますと、そうしますと必ずしも楽観して黒字が必ず出ると強く言うことは非常に私は疑念を持つておるのです。今は黒字であつても、いろいろな、先ほど言つたような資金の関係、或いは給料の関係その他は無論これは双方連絡が要りますし、今までもそうしたような連絡費その他が要りましたし、相当な経費は考えなければならん。発達はしますけれども、経費は考えなければならん。こういう点から行きますれば切離しなすつたほうが、むしろこれだけの部門から行きますれば利益がある。民間から得る金にしますれば、これを一緒にしたからといつてすぐたくさんの金がつくだろうかといつたところで、この点は一緒にしましても大したことはないというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/43
-
044・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 有難うございました。ほかに御質問ございませんか……、ございませんければ秋山さんにお願いいたします。秋山さんお忙しいところを有難うございました。資料等も余りお手許に差上げなかつたと思うのでございますすが、実は先ほども中山さんに申上げたのでありますが、今度政府では従来国営でやつておりました電信電話を、国営のためにいろいろ制約もありまするし、自由な企業としての発達も処理できないということから、国内部門は公社に、国際部門は会社にするというので、日本電信電話公社法案と、国際電信電話株式会社法案が今提案されておるわけでございます。私どもも今審議いたしておるところでございまするが、秋山さんの過去の御経験から、特に専売公社の総裁とされましていろいろ御意見もおありにならうと存じまして今日お出でを願つた次第でございます。お忙しいところをわざわざ御出席頂きましたことを感謝いたします。それではこれより秋山さんのお話を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/44
-
045・秋山孝之輔
○参考人(秋山孝之輔君) 実は私電気通信事業についての知識は何にも持も合せないのでありまして、初め公聴会にお呼び出しにあずかつた節に私の意見を申上げても格別御参考にはなるまいと、こう存じまして一応御辞退申上げたのでありますが、公社の経営について若干の知識を持つておるから公社というものについての私の考え方だけでもよろしいと、こういうようなお話であつたように承知しております。で、私は只今専売公社の責任者としてこの電気通信事業に対して公社のよしあしということを論ずることは実は差控えたいと存じておるのであります。今日も相成るべくはお尋ねにあずかつて遠慮なく申上げたいと存じますが、速記は実は差控えて頂きたいと、こういうふうに考えておるのであります。余りフォーマルなお話は私は余り得意といたしませんし、又自分の目下担任しておる事業の関係からも極くインフオーマルにお話を申上げたほうがいいんじやないかというふうに考えております。なお概括したお話はもう皆さん堪能なかたばかりでありますから申上げる必要もないので、ただポイント、ポイントについて何かお尋ねにあずかりますれば私の存じておる範囲において極く形式を除いてお話を申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/45
-
046・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それでは速記をとめてお話を願つてよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/46
-
047・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それでは速記をとめて。
午後二時四十一分速記中止
—————・—————
午後三時三十六分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/47
-
048・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて。
参考人の意見を引続いてお聞きしたいと思いますが、RCA通信社駐日代表のチアレス・バルケイ・ジェニングス氏と、マツケイ無線電信会社副社長兼太平洋支配人のジェームズ・フオムス・チヤタートン氏の御両氏にお願いしたいと思います。御両氏に一言御挨拶いたします。
本日はお忙しいところを当委員会においで願いまして、長くアメリカにおかれまして通信会社の経営に当られて御経験の深い御両氏に御意見を伺う機会を得ましたことは、私ども有難く感謝いたしております。御案内にも差上げておきました通り、当委員会におきましては、目下政府で我が国の電信電話事業を、国内部門におきましては公社に、国際部門に対しましては株式会社に移そうといたしておるのであります、私ども只今審議中でございますが、皆様の御経験による貴重なお話を承わることができますれば幸いと存じます。本日は誠に有難うございます。
只今からお二人にお願いするのでありますが、御両氏からお話を承わつてから、そのあとで御両氏に対して御質問を申上げたいと存じます。チアレス・バルケイ・ジエニングス氏にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/48
-
049・チアレス・バルケイ・ジエニングス
○参考人(ジエニングス君) (森正一君通訳)委員長殿並びに皆様、今日我我をわざわざここに御招待して頂いて有難うございました。つきましては、今日私はRCAの会社の社長イングレス中将からの、会議においてできるだけのことはやつてくれという意味の言葉を頂いて来たわけであります。御承知のように我々RCAは、過去三十年間元の逓信省、その時は勿論郵便、電信電話という関係もありましたしして、我々は戦前において特に国際の通信の面において非常に日本政府の、つまり逓信省にもいろいろお世話になつたわけでありまして、今日この法案の審議の中に我々も入れて頂きまして非常に感謝しているわけであります。併し、この審議がどういう結末になろうといえども、我々は依然として昔のその繋がりを維持して行きたいわけでありまして、今日のこの審議は、一つは国内通信を公社にしたい、で、国際通信を国際電気通信という会社にしたいという目的だと私は聞いておるわけでありまして、つきましては、若し質問がありまして、その質問に対して我々の過去における体験から何か役に立つことがあるとすれば非常にうれしい次第でありまして、つきましてはこの会議が成功に終らんことを祈つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/49
-
050・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) ジエームズ・フオムス・チャタートンさんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/50
-
051・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) 皆さんどうも有雑うございました。御承知のように私自身は現在のマツケイ会社に三十年間おるわけでありまして、通信のことについてもまあ少いながら経験して来たわけでありまして、若し今日この法案審議におきまして私の過去の経験が幾ばくでも役に立つ、或いは皆さんの御参考にまでなるという点がありましたならば私は非常に喜ぶわけであります。どうか私はできるだけのことをいたしたいわけであります。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/51
-
052・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 委員諸君にお願いするのでありまするが、御質問はそのかたの名前をお選び頂いてお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/52
-
053・山田節男
○山田節男君 今日アメリカの二大会社であるITアンドTの子会社のマツケイの副社長ミター・チヤタートン、RCA会社の日本代表のミスター・ジエニングス、お二方に来て頂いて、この法案審議に参考の意見を述べて頂く、誠に私はいい機会を得たと思うのであります。殊に我々国会議員五名、参議院ではここにおられるミスター・寺尾、並びに私、並びにミスター・新谷と参りまして、そうしてITエンドTのマツケイ会社とか或いはRCAの厖大な組織を非常に能率的に又サービス本位にやつておると感心したのであります。今回こういう日本に革命的な法案ができて、昨年も我々がITエンドT並びにRCAからいろいろ教えてもらつたのでありますが、なおこの法案の実際審議に当つて、我々当面しておる問題について御答弁を願えるということは誠に私としては喜ばしく思います。で、今日は電気通信省の次官並びに山下通信監もおられますから、どうぞ御遠慮なく率直に御意見を伺いたいと思うのですが、第一に従来マツケイ或いはRCAのいわゆる国際電信電話を取扱われて、現在の国営の電気通信事業が得意即ちカスタマーとして或いは協力者、コーポレーターとしてはどういうところがよかつたか、或いはどういうところがどうも望ましくないかこの点を一つ率直にお二かたの御意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/53
-
054・チアレス・バルケイ・ジエニングス
○参考人(ジエニングス君) (森正一君通訳) 先ず電気通信省の能率化、効率化ということを考える前に私申上げたいことは、この戦争のために、戦争が終りまして電気通信省の施設並びにその従業員というものがどういう状態にあつたかということを先ず皆さん御承知だと思います。で、それを今日のレベルまで上げたということはなみ大抵のことでなかつたと思います。ということは、その間におきまして日本は占領されておつたわけであります。併し皆さんの御努力によりまして現在のサービスが提供できるレベルまで通信事業を上げられたということは確かに偉大なる功績だと思います。併しいずれにしましても或る国家機関がこういう事業を行う場合にはそこにおのずからの制限、範囲があるのではないかと思います。御承知のように国家というものはその政治と或いは行政機関で以てこれは運営して行かれるものでありまして、で、若しその政府の、或いは国家機関の一部が或る企業体の仕事を運営して行つたということになりますと、結局その他の行政官庁と同じような規則或いは法律で以て運営して行かれることになります。それはその運営の面或いは会計の面においてもそうなるわけであります。併し、これは行政官庁或いは監督官庁としましては当然のことであります。併しここに現在あります通信というような事業がほかの他の官庁と同じような規則で以て運営して行かれるということはそこに無理ができて来るのではないかと思います。併しこれは例えば通信に携つておるかたの実力がないという意味ではないわけでありまして、この規則その他が或いは適切でなかつたとも言えるのではないかと思います。が、そういう法律或いは規則で以て縛られながら事業を行なつて行くということは、新らしい面が出て来ない、又同時にその事業の悪いところを改善して行くという意欲も勿論低下する面もあるわけであります。或いは若し新らしいことを行おうとした場合には、必ずそういうチヤンネルを通して、或いは他の政府機関と連絡をとりまして、それでその規則或いは法律を変えて行く手続が必要となるわけであります。即ちそういたしますと、おのずから意欲というものが低下して行くということになるわけであります。併し私はここではつきりしておきたいことは、この通信事業というものは必ず政府の統制が必要であろうということはこれは一つの事実でありまして、アメリカにおきましても御承知のように連邦通信委員会というものがありましてそこで以て各通信会社の統制をしておるわけです。即ちFCCというものはアメリカにおきましてこれは一種のブレーキとも言えるわけであります。従つてどの国においても通信に対しては、政府の干渉とも言えるいわゆる或る一種のコントロールというものは絶対に私は必要だと私は思つているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/54
-
055・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) アメリカ政府におきましても通信事業をどこまで民営にしていいか、或いは官営でいいかという問題につきましても相当議論があるわけであります。特に政府が或る事業を行うということに対しては昔から反感を持つていたわけでありまして、併し或る意味においては止むを得ない場合が現在もなきにしもあらずであります。特に政府職員というものは御承知のように安全性というものを先ず考える。そうしますとそれは一般の民間事業におきましては、それよりほかにプライヴエート・ビジネスという気持があるわけであります。併し政府職員というものは自分の安全性というものをのみ考えて行けばそれで済むということも言えるわけであります。ここに今度でき上がりました二法案、一つは国内電気通信公社、一つは国際の電気通信会社というものが別々にでき上つたということは、私は実は強いて申しますると非常に賛成しているわけです。ということは国内通信と国際通信というものはみずから異つている点があるわけであります。特に特異性というものは違つているわけでありまして、この両者を若し一つにしたならばこれは健全なる運営というものは余り望めないわけであります。勿論先ほどからお話がありましたように官営という面におきましては相当弱点というものがある。併し我々アメリカにおいてもこれは官営ということはあります。でそこにおいてもやはり日本と同じような弱点はあるのじやないかと思われます。従つて今まで電気通信省の運営が余り能率的でなかつた、或いは効率的でなかつたということは、その電気通信事業そのものが入つていたコンヂション、状態というものが、それがなしたのではないかと思われます。ですからそれは止むを得なかつたとも考えるわけであります。併し或る政府機関が国際通信並びに国内通信をコントロールするということにつきましては、私自身は大賛成であります。ということは若し国内通信或いは国際通信というものをそのまま放任しておいたならば、或いは或る一定の標準のサービスというものを提供できなくなることもあるのではないかと思われます。特にこの両法案を見ますと、そこにある政府機関がやつぱりこれをコントロールするというようなことを書いてあります。私はその面に対してそれを見まして特に賛成しているわけであります。ということは只今これはブリチツシユ・ワイアーレスという会社がありまして、現在この会社の能率が非常に低下しサービスも非常に悪くなつているがために、現在それを調査されているわけであります。併しこれは話こそ違いますが、アメリカにおいても国内通信と国際通信と一緒にしたいという話も大分前にあつたわけでありますけれども、我々は全部全面的にこれに反対して来たわけであります。私自身が関係しております国際通信の面のことを申上げますと、我我は最小限度の人員でもつて最大な能率を上げようとしているわけであります。従つて最小の人数の人に最もいい給料を出しまして昇任の道を常に考えているわけであります。今度はこれを政府機関と比較して申上げますと、これは恐らく日本でも同じだと思いますけれども、アメリカにおきましては政府職員というものはその年功で行くわけであります。実力その他は二次的になりまして何年勤めて必ずここまで行くという工合になるわけであります。併し我々国際通信に関係している最小限度の人員でもつて最大の能率を上げるということは、勿論この過去の経験或いは年数というものは重く考慮をしますけれども、そのほかに実力或いは責任感というものを常に念頭に置いて人事をやるということにしておるのでございます。
最後に一言申上げたいことは、この両法案は非常によくできておりまして、大体この両法案によつてこれは法律化されますと、必ず今までその職員が持つていなかつた意欲というものが初めて向上されるのではないかと思います。でその或る事業を政府が運営をするということは私は反対であります。事業は事業としてこれは民営であるべきだという考えを持つておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/55
-
056・山田節男
○山田節男君 もう一つは今回、日本電信電話公社は公社法案の中に経営の責任者であるまあ経営委員会というものを設けて、これは法案を御覧になつておればわかると思いますが、この法案でいう経営委員は会社でいえば重役であります。併しこの経営委員会というものは、この法案によるとただ決定機関であつて執行機関じやない、而も経営委員は報酬を一文ももらわない、こういつたような最も重要な経営委員の制度を設けて執行部面に責任を持たないような、そういう経営委員制度というものは、これほど厖大な公社の事業に対してうまくやつて行けるかどうかということです。これはアメリカでは例えばマツケイにしても、RCAにしても重役がたくさんおつて、その重役が執行機関として責任を持つておる。でこの経営委員会の制度をアメリカの経験から或いはアメリカの状態から御覧になつて、この法案できめてあるような経営委員会で以て、殊にこの通信事業が最も能率高く経営し得るかどうか、この点について御意見を伺いたいと思います。これは御両君から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/56
-
057・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) アメリカにおきましても向うのボード・ヂレクターといたしますと、やはりこれは無償でやつておるわけです。ヂレクターの仕事、職務は大体その会社の方針をきめる機関である、実際の執行面はその下のいわゆる執行機関がこれを実行して行く、これが上つて来まして、問題は経営委員会ですか、委員のところへ来まして、そこでもつて政策、方針を練るというだけであるのであります。大体その報酬というのは一回出席しますと一人二十ドルよりもらわないのであります。併しこういうこともアメリカでもあります、例えばオフイシヤー、社長、副社長、或いは副社長補佐のようなかたが同時にその経営委員、ボード・ヂレクターの中に入つておる場合があるということは、ボード・ヂレクタースというものは株主がアポイントつまり、選定するわけであります。その下のオフイシヤーというものをその経営委員会において任命するわけであります。併しその経営委員会の委員であつて同時に下のメンバーであるということもあり得るわけであります。併し経営委員会そのものは運営に直接は関係してないわけであります。不在のかたもあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/57
-
058・山田節男
○山田節男君 RCAでは各部門の会計部、工務部、それから施設部、それから業務部、こういうところのチーフは皆副社長になつておる、これは重役であり兼執行機関。ところがこの法案の経営委員会というものは、ポリシイを定めるだけであつて、その決定機関で、執行機関でない。こういうような法案で行政が目的とするような責任制の確立ができるかどうかということを非常に私は疑問に思つておる。だからアメリカの今の例をお聞きしたのですが、これは重役が業務の執行面の最高責任者となる、そういうように解釈しておるのですが、そうじやないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/58
-
059・チアレス・バルケイ・ジエニングス
○参考人(ジエニングス君) (森正一君通訳) アメリカにおきましては、すでに御承知だと思いますけれども、RCAの例をとりますと、いわゆるボード・オブ・ヂレクタースのヂレクタースというのは株主がこれをきめるわけであります。実際面から申しますと、RCAは親会社でありまして、その親会社が大半の株を持つておりますからそこでもつて大体きまるわけであります。でそのボード・オブ・ヂレクタースが今度社長、副社長、いわゆる重役ですね、最後は監査役まできめるわけであります。そのボード・オブ・ヂレク夕ースの下におる社長、副社長というものが、上の、つまりボードに対して責任を持つて事業を運営している。それでそのボードは、ただ方針或いは政策をきめるだけです。
具体的に申しますと、RCAにおきましては先ほどお話の通りに副社長が重要部門を担当しておるわけであります。一つ最も我々の会社で重要だと私は現在思つておるわけでありますけれども、それはいわゆる業務担当の副社長、この業務と申しますと販売或いは周知宣伝という方面の仕事を担当しておるわけであります。ここは副社長スパークという人であります。あとには経理或いは工務、或いは法律と別々に分れておりますけれども、併しその副社長は必ず社長を通してボードのほうへ連絡するわけであります。ボードは常にこの社長以上におるわけでありまして、社長以下がいわゆる執行機関になるわけでありまして、ただその上は今度株主に対して責任を持つわけであります。併し副社長の中でも、いろいろ副社長がありますけれども、専任副社長、専務というのですが、が一人おりまして、これが社長の下で以て副社長の中では、たくさん副社長がおるわけでありますけれども、副社長の中の一番上の副社長としておるわけであります。その下の副社長へ又この専任副社長を通して、社長を通して、又ボードのほうへ報告が行くわけであります。
御承知のように、まあ皆さんのこの法律を見ますと、経営委員会というのがありまして、これは向うのつまりボード・オブ・ヂレクタースに匹敵するものだと私は思います。でこの下には必ず社長副社長・或いはそれ以下の運営責任者というものは必ず置かなくちやならん、それと普通の民間会社の場合ではこの経営委員会というものは、株主に対して責任を持つ。そうしますと、この日本電信電話公社という法案を見ますと、それは恐らくこの経営委員会というのは、政府機関である国会の両院に対して予算或いは経営のいろいろな報告というものは或いは提出するかも知れません。即ちこれが我々がいう民間会社のストック・ホルダー、いわゆる株主という工合に考えるわけであります。その下に、今度その経営委員会は、私はこの法律をよく勉強しておりませんからこれはわかりませんけれども、今度我々がいう社長、副社長、或いはその他の専任重役というものを置くのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/59
-
060・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) ほかに御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/60
-
061・山田節男
○山田節男君 この間我々電気通信委員が大阪に行つたときに貿易業者から、パキスタンそれからインド方面の国際電報は非常にサービスが悪い、時間がかかつていけないという非難を受けたのですが、この現象は今日本の政府がやつておる国際通信の施設が悪いのか、或いはその原因はパキスタン或いはインド等の向うの施設が悪いからこのサービスが悪いのか、どつちなのか、これをマツケイとRCAに一つ証言してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/61
-
062・チアレス・バルケイ・ジエニングス
○参考人(ジエニングス君) (森正一君通訳) この日本とインドの国際通信のことにつきましては私は余り勉強してないわけでありますけれども、併しここには大阪ボンベイというヂレクト、いわゆる直通線があるわけであります。この回線は恐らくよく運営されているのじやないかと私は思います。併し若しその回線で以て通信が遅延するということが事実であれば、或いはインドの国内における回線、通信網というものが或いは悪いのじやないかとも考えられます。併しインド国内においても恐らくインド政府は全力を挙げてよくしようとしておるとは私は思います。併し現在ボンベイ——大阪という所はモールス式の通信でやつておるわけでありますから相当スピードも出るわけであります。併しそれでまだなお遅いということであれば或いは回線が足りないのかも知れません、或いは四チャンネルというものも必要かも知れません。併しそうなればインド政府が或いはそれだけの通信というものは必要でない、或いは日本側、受けるほうもそれだけの施設がない、そういう面も考えられるわけでありますけれども、併し恐らくこれは殖やすという面も考えられますけれども、併しそれだけの必要性があるかどうかという面も同時に考えなければならんと思います。
今度はパキスタンの回線でありますけれども、大阪——パキスタンという、これは日本——パキスタンという直通回線はないわけであります、大阪——カラチの直通線の回線を作る予定でありましたけれども現在においてもまだ作つていないわけであります。現在は回線は二つあるわけであります。それはパキスタン、コロンボ、セイロンから日本です。もう一つはパキスタン、カラチ、タンジール、ニューヨーク、サンフランシスコから東京に来るわけであります。これを二、三カ月前に実は私も今のような話をお聞きしまして、電通省の国際通信部の皆さんにお願いしていろいろ資料を頂いて大体十六頁の資料を集めたわけであります。そうしますとその遅れる理由はパキスタンからタンジールの間であります。ということは或る通信をパキスタンに渡してからタンジールからこれが発信されるまでに二、三時間そこに遅れる場合が統計的に出て来たわけであります。それから今度タンジールから東京まで恐らく大体世界の四分の三の距離を至急電報だつた場合には十五分くらいで来ておるわけです。遅くても一時間というわけでありまして又東京から大阪も非常によくやつているわけです。従つてこれはパキスタンの国内の或いは取扱が通信を遅らしているのじやないかとも思われます。実は我がRCAの代表者がカラチの話を聞きましていろいろ調べた結果、もう少しカラチ通信をよくするために今度施設を殖やすと言つております。まあこれが実現しますと或いはよくなるのではないかと思います。勿論私は今恐らくパキスタンあたりの国内施設のために通信が遅れたということを申上げましたけれども、これは決してパキスタン政府を攻撃したわけではないのでありますから、その点私は御了承して頂きたいと思うのであります。ということはパキスタンの政府はRCA会社を非常に援助してくれておるわけでありまして、我々は非常に感謝しておるわけであります。それは実際的に申しますと攻撃的に申上げたわけではありません。日本の施設も非常に効率的に現在動いておるわけです。併しこの通信をよくしようとして、大阪——カラチの回線を実行しようとしたわけでありますけれども、併しいろいろなそこには障害或るいは何か妨害的なことがありまして、現在に至つてまた実行されていないということはちよつと残念なことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/62
-
063・山田節男
○山田節男君 例えばITTとかRCAというような大きな会社は民間経営であつても会社の予算とか金をかける資金計画を立てた場合には、これは連邦通信委員会或いはその他の政府の承認を要するのかどうか、又これについてコングレツスがこういうものに対してやはり承認をするというようなことになつておるのか、予算と資金のことについて現在の制度をちよつと知りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/63
-
064・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) 向うでは連邦通信委員会又は国会の予算面の承認というものは必要ではありません。但し四半期ごとに或いは毎年、その連邦通信委員会のほうに事業報告的なものを出さなくてはならない、と同時に経費に対して、特に固定資産に対して十分なる妥当なる収益を挙げてなかつた場合には、つまり連邦通信委員会からお叱りを受けるという工合になるわけであります。従つてその予算の獲得と予算の使い方というものはいわゆる経営委員会のほうで以て行うわけであります。実際予算を使う面においては、これは経営委員会以下いわば専務の副社長がこれは責任を以てやる、その資料は勿論工務担当の副社長から入るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/64
-
065・チアレス・バルケイ・ジエニングス
○参考人(ジエニングス君) (森正一君通訳) 先ほどこちらのチヤタートン氏からも話がありましたように、その予算の面はこれは経営委員会で以て全部やるわけであります。これは政策的な問題になりますけれども。併しRCAの実際の報告は、各月の報告と或いは各四半期と常にFCC連邦通信委員会のほうには報告してなくてはならない。併しその報告は或る一定の様式がありまして、その様式に従つて報告しなければならない。従つて各通信会社は一定の書式の報告をしているわけです。併しアメリカの連邦通信委員会という性格は、或いは少しよそより変つているかも知れません。ということは、アメリカの連邦通信委員会というものは、つまり料金の面、一般の大衆からとる料金をどの程度に上げていいか、どの程度が最も妥当であるかということに対して特に関心を持つておるわけであります。特にそれを監督しているわけであります。或いは経営委員会のほうで以て施設拡張のための予算をとる、予算をとつたがために、或いは経営費が高くなつたから通信料金を上げたいという場合に、その連邦通信委員会がそれが妥当かどうかということをもつと突込んで調べるわけであります。従つて予算そのものを握つている機関ではないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/65
-
066・山田節男
○山田節男君 まだ二、三質問がありますが、時間も大分進んでおるようでありますし、私お願いいたしたいことは、ジエニングスさんにしてもそれからチヤタートンさんにしてもいろいろこの問題について御意見がまだおありになるだろうし、今時間がないので私質問できませんが、なおこの両法案についてこういうふうにしたいとかいうような御意見があれば、一つ御遠慮なく文書で委員会に提出して頂ければ我我として非常に幸いだと思う。この点をお願いしてもう時間もありませんからこれで打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/66
-
067・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) ほかに御質問がありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/67
-
068・小笠原二三男
○小笠原二三男君 このマツケイ等は民間会社でございますが、今度日本に作ろうとするのも会社でございます。この会社にする理由として、国際的に外国のほうが会社経営、民間経営だから日本も民間経営で対応することが競争なり或いは能率を上げる上において都合がいい、こういうことが言われておるのですが、外国側の会社としましては、日本の経営主体が民営であろうが公社であろうが直営であろうが相手とする場合に不都合があるのかないのかお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/68
-
069・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) 今のつまり競争という意味がちよつとわからないのです。誰と競争するのか、やはり外国会社と競争するという意味かというわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/69
-
070・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今申しました競争というのは、電波獲得等において国際的な競争ということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/70
-
071・山田節男
○山田節男君 今小笠原委員が言われたのは、電波の獲得戦においても、或いは外国と能率の上で競争するためにも民営がいいのだということを言つておるわけです。二つあるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/71
-
072・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) それは日本のためですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/72
-
073・山田節男
○山田節男君 だから競争というのは二つの面がある。電波獲得の競争は民営のほうがいいということ、国際電信電話のサービス、エンタープライズの方面でも民営がいいということをこの法案は言つておる。だからそれはどう思うか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/73
-
074・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) 私は民営であるということはその周波数の割当を獲得するという面においては絶対これは民営であるということが必要であると考えるわけであります。ということはその割当られた周波数を以て最大なるサービスを若し提供できなかつた場合には、そこにサービスというものが常に先に出て来ますから、そうしますと、その周波数の担当であるその政府の機関はその国際周波数の割当の会議において何とかしろというその気持も表示できるわけです。同時に両法案を合せて考えますと、国際通信を民営にする、同時に又国内通信を公社にすると、民営にするということは先ほどパキスタンの話が出ましたような場合にこれが国内の欠点であつたか或いは国際通信の場面の欠点であつたかというような面においてもそこに同じ国の通信ではありますけれども、国際通信と国内通信という場面においてもそこに競争的に励み合うという面も出て来ますから、そういう意味において私はこれを民営であるということに賛成するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/74
-
075・小笠原二三男
○小笠原二三男君 もう一つマツケイのような外国会社で、現在のような日本の経営で不都合がございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/75
-
076・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/76
-
077・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/77
-
078・小笠原二三男
○小笠原二三男君 先ほどの質問は取消しましてもう一点伺いますが、アメリカのように日本においても独占会社でなくて二つなり三つなり競争会社があるほうが外国としては都合がいいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/78
-
079・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) 日本の状態を考えまして、通信の状態からこれを国際通信の面を私は話しているわけでありますけれども、現在は、外国商社と日本は競争しておることが多くて、むしろアメリカのほうは日本に一つの通信ができて、而もサービスが提供でき得る通信が、これは向うの中継で以て日本国内で以てそれをはかすと立派なものができるということをむしろ期待しておるわけでありまして、それで若し日本において同じような国際通信会社を或いは二つ作つてそうしてお互いに競争し合つた場合には、向うから見た場合決して向うでは有利ではない。むしろ日本の通信がお互いに競争し合つて目的を達せない場合があるのじやないかと思います。こういうわけです。つまり向うの外国の通信のほうは日本の通信がもう一つだけ日本にあれば十分なんです。そこで以てはかしてもらいたいわけですから、むしろこれは小さい日本の国において、二つもやつておりますと或いは目的が達せないのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/79
-
080・チアレス・バルケイ・ジエニングス
○参考人(ジエニングス君) (森正一君通訳) この両法案を見まして、これはちよつとその点が国際通信会社の法案を見ますと、この業務は国際通信を行うという旨の条項は入つております。併しこの日本電信電話公社の法案を見ますと、これは何も国内通信だけに制限されておるというような意味合いの条項はないわけであります。従つてこの日本電信電話公社が国際通信を行なつてもいいのかとも考えられるわけであります。御承知のように我々はRCAのほうは競争というものを非常に歓迎しているのであります。我々は、御承知のように、RCAという会社はアメリカにおいて競争の上競争した結果、現在のRCAになつて来たわけであります。一八六〇年にケーブルで以て有線通信を始めて千九百年から大体無線通信というものをやつて来たのであります。その間において競争というものは相当あつたわけであります。皆さんからのお話のように、日本におきましても競争会社を作つたらどうかというような話もありますけれども、私は日本に若し或いは国際通信会社というものを二つ作つた場合には、或いは二つ以上でも差支えない、各会社に周波数の割当というものを必ずやらなくちやならん。現在は御承知のように国際周波数の割当というものは非常にむずかしいわけでありまして非常に窮屈になつているわけであります。従つて、そういう面におきましてもその国全体から見てこれは有利ではないと私は思うわけであります。勿論今度この法案に基いてわざわざ国際通信を民営にするということは、これは勿論これらが成功するということを前提としてやつているのでありますから、最初からこれを二つの会社にして競争してどつちが倒れるかというようなことを考える必要はないと思います。特に若し一つ以上の会社があつたならば、その競争した結果だんだん日本の経済力で以て施設を改善するというだけの力がなかつた場合、料金を上げなくちやならん、そうすると送通料が下るというようなことがありまして、それでなおサービスを提供しようとした場合はサービスが悪くなるというような虞れがあります。従つて、現在は国際通信では一つの会社にして行つて、国会議員の皆さんが後日或いはこの一つよりも二つのほうがこれは成功するというようなお考えをお持ちになつた場合には、そのときにこの法律を改正するか或いは訂正するかという方法をとつたほうが、現在の日本においてはいいじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/80
-
081・山田節男
○山田節男君 このアメリカの国際電気通信会社ですね。RCA或いはマツケイ、或いはアメリカ・ケーブル電信株式会社とか、それからインターナショナル・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニー、こういう名前は一つのコツピイライト、著作権といいますか、登録した名称かどうか、これを一つ聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/81
-
082・チアレス・バルケイ・ジエニングス
○参考人(ジエニングス君) (森正一君通訳) コツピイライトです。別にこれは大したことではないですけれども、国際電信電話会社というのを英語で言いますと、インターナシヨナルテレグラフ・アンド・テレフオン・カンパニーというふうに翻訳しておるわけであります。これを外国人が見ますとITエンドTの会社じやないかという、私は特にITエンドTの会社ですから特に気にしておるわけでありますけれども、これはどこかITエンドTの関係会社じやないか、そういう印象を与える。或いはRCJという言葉を使われてもこれはRCAの関係会社じやないかと思われるので、これを日本独特の名で何かNYKが郵船会社で、〇SKが大阪商船という工合に、何か国際電信電話だからKDDでもKDKでもいいが、そういう社号にしたほうがいいじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/82
-
083・山田節男
○山田節男君 そうすると、日本の国際電信電話会社はインターナシヨナル・テレグラフ・アンド・テレフオン・カンパニーで、アメリカの会社がインターナシヨナル・テレフオン・アンド・テレグラフで間違いやすいから、KDDKで世界に通用させる、或いはジヤパン・オーバーシーズ・テレグラフ・アンド・テレフオン・カンパニーでもいいですが、KDDKで十分だというのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/83
-
084・ジエームス・フオムス・チヤタートン
○参考人(チヤタートン君) (森正一君通訳) KDDKでも或いはKDDでも十分だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/84
-
085・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) それではこれで終りたいと思いますが、一言御挨拶申上げます。
本日はチャタートンさん並びにジェニングスさんにはお忙しいところを来て頂きまして、私ども委員会のために、日本の通信の相手方であり又会社として長い経験を持たれましたかたとしての御意見を拝聴しまして、私ども審議の上に非常に参考になりましたことを厚く御礼申上げます。有難うございました。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314847X02919520530/85
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。