1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月二十六日(月曜日)
午後二時八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河井 彌八君
理事
鈴木 直人君
委員
中川 幸平君
楠見 義男君
竹下 豐次君
成瀬 幡治君
上條 愛一君
栗栖 赳夫君
三好 始君
松原 一彦君
委員外議員
運輸委員長 山縣 勝見君
高田 寛君
政府委員
総理府事務官
(内閣総理大臣
官房審議室長事
務代理) 増子 正宏君
行政管理庁次長 大野木克彦君
行政管理庁管理
部長 中川 融君
行政管理庁監察
部長 柳下 昌男君
法務府法制意見
第一局長 高辻 正己君
法務府法制意見
第二局長 林 修三君
法務府法制意見
第三局長 西村健次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
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本日の会議に付した事件
○運輸省設置法の一部を改正する法律
案(内閣送付)
○国家行政組織法の一部を改正する法
律案(内閣送付)
○法制局設置法案(内閣送付)
○総理府設置法の一部を改正する法律
案(内閣送付)
○行政管理庁設置法の一部を改正する
法律案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/0
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001・河井彌八
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。
諸君にお諮りいたしますが、運輸省設置法の一部を改正する法律案につきまして、山縣運輸委員長がお見えになりまして、運輸委員会の御意見をここにお述べになりたいという御希望でありますから、さように取計らいます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/1
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002・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/2
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003・山縣勝見
○委員外議員(山縣勝見君) 本日特に運輸委員会のほうにおきまして、運輸省設置法の一部を改正する法律案に関して検討いたしました点について、委員会の考えておりまする点を述べられまする機会をお與え下さいまして、厚く感謝をいたす次第であります。
運輸省設置法の一部を改正する法律案に関しまして、殊にこの観光行政に関して、運輸委員会におきましてはかねて深甚な関心と、従つてこれに関しまする所見を持つておりまするので、この問題につきましては累次委員会におきまして討議をいたしまして、去る十六日の運輸委員会において、本法案に関して考えておりまするところを決議いたしまして、当委員会の御審議の御参考に供しまするために、なお又本委員会において本案を御審議願うときに是非共御勘考願いまするために申入を決議いたしまして、当委員会に、只今お手許に配付されておりまするような、観光局設置に関する件を決議いたしまして、申入をいたしたのであります。この件につきまして、もうすでに各委員方におかれましては、十分御承知でありまして、今更御説明を申上げる何ものもございません。ただ運輸委員会におきましては、今後の観光行政を日本の講和後のおけるいろいろな問題のうちで一番大きな問題の一つとして考えておりますだけに、今回の運輸省設置法の一部を改正する法律案におきまして、一律に形式的に局を廃して部にするというふうな形式論のために、今後非常に重大な問題を持つておりまするこの観光行政が等閑視されるような結果になる運輸省設置法の一部を改正する法律案に対しましては非常な遺憾の意を表する次第であります。
御承知の通りこの講和後におきましては、日本の観光客或いは又いろいろなビジネス等の用務もありましようけれども、外国人の日本に参ります数が非常に増加いたしております。昭和二十二年度でありましたかには、僅か五百数十人でありましたのが、昭和二十六年度は五万六千人、昭和二十七年度は六万五千人くらいが予想されております。従つて又外貨の日本に落ちまする額のごときは、当初は非常に微々たるものでありましたのが、昭和二十六年度においては千四百万ドルでありますか、昭和二十七年度におきましては、二千百万ドルが想定されておる。なお又單に外貨收入という点だけでなくして、こういうふうな面を通じて、日本の国情を外国にその本当の日本の姿というものを紹介し、又将来日本の政治的にも経済的にも非常な重大な関係、役目を持つておりますこの観光行政というものを、單に他の行政の整理と同じような考え方で、今回は観光監を置いて、そうして局を廃して部にする、これは行政の責任の点から見ましても非常にいろいろな問題があります上に、今後非常な大事な日本として問題があるこの観光行政というものが、こういうふうな行政の整理の一環として整理されますることは重大な問題でありまするので、お手許にありますような理由によつて、又お手許にありますような申入をいたしまして、是非とも当委員会において御審議になるときに、運輸委員会の意のありますところを御勘考願いまするようにお願いをいたします次第であります。この点、委員長といたしましてお願いを兼ね、申入をいたしたような次第でございます。
なお若しもお許しを得ますれば、この問題に対して従来非常な実際上研究をされ、又いろいろな点に御経験のある高田運輸委員からも、若しも許されるならば発言をいたしたいということでありますから、お許しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/3
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004・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 高田委員の御発言お差支ないと思いますが……。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/4
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005・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/5
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006・高田寛
○委員外議員(高田寛君) 私から只今の山縣運輸委員長の発言を補足御説明申上げるお許しを得ましたことを厚くお礼申上げます。
只今山縣委員長から申上げました通り、この観光事業が戦後の殊に講和條約発効後の我が国として、これは大きく是非取上げて強力に観光政策を推進しなければならんと私ども確信しておりますこの際に、このたびの行政組織改正の法案を見ますると、従来ありました運輸省観光部というものがなくなりまして、ただ大臣官房に観光を担当する課を置いて、そのほかに観光監というものを運輸省に置くということになつておるのであります。これは部制を、観光部という制度を廃して観光監というものを置く、この制度はどうも私にはよく納得行きませんので、非常に行政組織の責任体制がはつきりしなくなるのじやないか、従つてこの観光行政を従来以上に強化しなければならんというこの際に当つて、従来よりも逆に非常に弱体化するということを非常に慮れるものでございます。で、ヨーロツパ各国におきましても、この第二次大戦後は観光事業に非常に力を入れまして、特にフランスあたりは、運輸土木観光大臣の下に観光院総裁というものを置いて、特に強力に観光行政を進めておるのでありますが、我が国におきましても、やはりこの際、一面、外貨獲得の面から、又一面、日本に対する列国の認識を深めさせ、延いて国際親善に資する、こういう意味からいたしまして、観光行政について今後力を入れるべき点は多々あると存ずるのであります。いろいろ観光道路とか、ホテルとか、こういう方面を整備する点、或いは又一般に観光土産品というものを適当に指導いたしましてこれが今後の輸出促進に資するという点、或いは又、港や空港などにおきます取扱官のいろいろ取扱い方、態度、延いては又一般の日本の国民の外国の客に対する取扱い方の心構えというものも指導するとか、非常に力を入れるべきときに当つて、この組織が従来の観光部というものでも足りないと思つていたのが、この観光部制さえ廃止するということになりましては、誠に今日の日本の今後の観光事業の発展ということに心細く存ずる次第なんであります。勿論このたびの行政機構の改正は簡素化を眼目としていることはよく承知しており、私も又これは賛成するものでありますけれども、特にこの今日の事態において今後力を入れなければならない面においては、特別にこれは強力な行政組織を作る必要があると思うのであります。丁度昭和五年の五月、当時の浜口内閣、御承知の通りの非常に緊縮内閣であつたのでありますが、この浜口内閣の時代に、曾つては鉄道省に国際観光局というものを設置いたしまして、観光事業振興のために特段の力を入れたことも併せ考えて見まして今日観光事業の振興に特別にカを入れるべき時期に当りましては、やはり行政機構においても相当強力のものを作る必要を特に感ずるのであります。この意味におきまして、去る五月十六日運輸委員会全会一致を以ちまして、運輸省設置法の御審議に当りましては、運輸省に最小限度国際観光局というものを設置できるように、内閣委員会の皆様の御審議に当りまして特段の御配慮をお願い申上げたいということを決議いたして、書面を以て内閣委員長まで差出したような次第でございます。何分この辺の事情をよく御諒察の上、特段の御配慮をお願い申上げる次第でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/6
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007・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは国家行政組織法の一部を改正する法律案、予備審査であります。これを議題といたします。提案理由につきましては、すでに政府から説明を伺つたのでありますが、内容について政府から御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/7
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008・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) それでは私から国家行政組織法の一部を改正する法律案につきまして御説明いたします。
この法律案は先に提案理由の説明でも申上げましたように、四点ばかりの改正がございますが、第一は、従来行政機関として府は総理府及び法務府がございましたのでありますが、今回の行政機構改革によりまして、法務府はこれを法務省と改めて、その長を法務大臣とすることといたしましたので、右に伴いまして国家行政組織法の規定の中にあります法務府及び法務総裁を削ることにいたしましたのが、この初めにございます「第三條第三項中「、法務府」を削り、」ということでございます。それから五條一項、それから十二條の一項、十七條の一項、十八條の一項、いずれも法務府関係のものでございます。
それから次に、従来国家行政組織の一部面をなすものとして規定されておりました公団は、すでに全部廃止されましたので、これに関します規定第二十二條を削ることといたしました。そうして二十二條の二、これは組織上の職名を付けることができるという規定でございますが、それを上げまして二十二條といたしました。
それから次に今般の行政機構の改革の一環といたしまして、府又は省、それから本部等の官房及び局は、本年五月末日まで臨時的に設置が認められております。部並びに同じく特定の庁、資源庁でございますが、それに臨時的に設置せられております局は、このたびの機構の改正で本年七月一日以降はこれを廃止することといたしましたが、六月三十日まではまだこれを存置いたすことにいたしておきませんと続きませんので、臨時にこれらの部及び局を置き得る期間を現在の法律の五月三十日から六月の三吉までに延長することができるように規定いたしたものでございます。
それから九番目といたしまして府、省及び委員会及び庁等の廃止、及び部の廃止等に伴いまして組織法の末尾についております別表を整理することといたしました。これがこの法律の内容でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/8
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009・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは次に法制局設置法案を議題といたしましましてその内容につきして政府委員から御説明を願いたいと思います。これも予備審査であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/9
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010・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 只今審査の対象になりました法制局設置法案につきまして、その内容につきまして御説明申上げます。これはお手許にありますように、非常に簡單なものでございますが、今度の機構改革によりまして、従来法務府の法制意見長官の下において司つておりました仕事の大部分を内閣に持つて行きまして、内閣に法制局を置くということにいたした次第でございます。
第一條は、この意味におきまして「内閣に法制局を置く。」、こういうことになつておる次第でございます。
それから内閣法制局の長は法制局長官でございます。これは内閣が任命するということに相成つております。長官は長官の職務としまして、ここに第二條の第二項に「長官は、法制局の事務を統括し、部内の職員の任免、進退を行い、且つ、その服務につき、これを統督する。」というふうになつておりますが、これは元来この法制局そのものが国家行政組織法に言う行政機関の枠内に入らないという法律的な理由によりまして、従いまして国家公務員法の五十五條の特例をここに定めたわけでございます。と申しますのは、これがないと一々職員の任免、進退等も内閣がやるということに相成るので、ちよつとその点が明らかでありませんので、ここに特にはつきり長官が職員のいわゆる「任免、進退を行い、」、即ち身分的事務を行う国家公務員法五十五條の特例を規定した次第でございます。
それから法制局の所掌事務でございますが、これは第三條にございますように、従来法制意見長官の下において法制意見の各局で所管しておりました事務の大部分、即ちこれはずつと以前の法制局とその所掌事務は全く同一でございます。即ち「閣議に附される法律案、政令案及び條約案を審査し、これに意見を附し、」及び必要とあれば「修正を加えて、内閣に上申すること。」、それから従来の法制局或いは法務府内における法制意見長官の部門におきましても同様でございますから、いわゆる俗に特定事情審議と申します法律案及び政令案をみずから立案し、内閣に上申する、これが第三條の第二号に書いてあることでございます。それから同條の三号に「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べること。」というふうになつておりますのは、これは従来法務府設置法において、法務総裁が内閣における最高の法律顧問として法律問題に対し意見を述べ、或いは勧告をするというふうになつております。その法律問題に関し意見を述べるという部面が、やはり法制局の所掌事務としてこちらに来ることにいたしておる次第であります。それから第四号の「内外及び国際法制並びにその運用に関する調査研究を行うこと。」、これは法律案並びに政令案等の審議立案或いは法律問題に関する意見を述べるということと関連しまして、当然内閣に直属する法制局としては、内外及び国際法制というもの、それの運用というような点につきまして、できるだけ調査研究をして比較法的或いは古来の、古今の制度といつたようなものを検討しまして、本来のその法律案並びに政令案の審議立案或いは法律問題に関する意見の陳述という職務に遺憾なきを期して行くということを狙つている次第であります。ここに書いてありますこと以外に、全体としてやはり内閣にかかわりまするいろいろな法制一般の問題がございますので、これにつきましても所掌をいたす。いろいろ事例はあると思いますけれども、この一号から四号までに書いておりますもの以外に法制一般というものがあることを予想している次第であります。
それから法制局内部部局は三部置くことになつております。意見部、第一部、第二部というふうに三部ございまして、その所掌事務について法律に挙げておりません理由は、まあ意見部につきましては、この部の名称が示すごとく、法律問題に関する意見の陳述を司るということを予想している次第でございますが、第一部、第二部につきましては、その所掌事務は第四條第二項で「政令で定める。」ということに相成つております。こういう各省設置法と異つた定め方をいたしました理由は、法制局の法律案及び政令案の審議立案という仕事は非常に、何と言いますか、内閣の各般の法制全般でございます。併しときによりまして、その分野における立法の繁閑というものがおのずからございます。従いまして法律で第一部はこれこれの事項に関する法律案及び政令案の審議立案、それから第二部はこれこれの事項に関する法律案及び政令案の審議立案というふうに、仮に非常にリジツトな制度をとりますと、実際問題といたしまして、或る時期、或る年におきまして動きがとれない。これは御承知のように、ここに書いてありますように、極く少数の人数で以て、一年に法律案のみでも四百件近いものを審議している実情でございますので、どうしてもそのときの機に応じてと申しますか、多少流動的に、機動的に事務を分掌させる必要があるという理由で、こういうふうに特にいたした次第でございます。なおまあ蛇足でございますけれども、申上げますれば、元来法制局の職務というものは各省と異りまして、直接に国民に接触する、国民に対して或る職権を行使するというような役所ではございませんので、政令で定めるということにして今のような機動的な事務の所掌を可能ならしめるほうが適当であろう、かように考えた次第であります。
なお法制局の長官のほかに置かれる職員といたしましては、「次長一人及び法制局参事官、法制局事務官その他所要の職員を置く。」ことと相成つております。次長は一人でございまして、これは長官を助けまして、法制局全体の事務を整理する、こういうことに相成つております。それから参事官は、上官の命を受けまして、法律案及び政令案の審議立案その他法制局の所掌事務として定められた事項を司ることとなつております。それから事務官は参事官の補佐役といたしまして上官の命を受けて事務を整理する。なお部長はこの参事官を以て充てるということに相成つております。それから定員はここにございますように、長官及び次長を除きまして五十九人、極めて小規模な人数でございます。甚だ仕事は多忙でございますけれども、政府全般の行政機構の簡素化という点にも照応いたしまして、この程度の定員でやつて参りたい。
それから第七條にちよつと書いてありますが、「法制局に係る事項については、内閣法にいう主任大臣は、内閣総理大臣とする。」、これは内閣法の主任の大臣というのは、法制局という一つの特別な内閣に置かれるものにつきましては、内閣総理大臣ということをここではつきり定めて置く必要がございますので、特にこの規定を置いた次第でございます。
甚だ不備な説明でございまするけれども、大体以上であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/10
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011・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 次に総理府設置法の一部を改正する法律案、これも予備審査でありますが、これを議題といたします。政府から本案の内容について御説明願います。総理大臣官房審議室次長増子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/11
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012・増子正宏
○政府委員(増子正宏君) 御説明申上げます。総理府設置法の一部を改正する法律案でございますが、総理府設置法の改正につきましては、先般の提案理由の御説明の際に申上げました点で殆んど盡きているのでございますが、初め第五條の二といたしまして、内部部局の改正事項について規定いたしております。賞勲部が官房にございますが、その部を廃しまして「賞勲監一人を置く。」といたしました。それから統計局に部が現在三部ございますが、それを廃しまして、「次長二人」といたしました。
その次、審議会の関係につきましては、新たに電源開発促進法と資源調査会設置法を現在提案中でございますが、この関係で電源開発調整審議会と資源調査会が新たに総理府の附属機関として加えられることになりましたので、その関係の整理でございます。
その次に第十六條の二としまして、現在総理府の機関として、現行法では地方行政調査委員会議というものが置かれてありますが、これは別途廃止になりますので、この條文を削除いたします。
それから第十六條の三といたしまして、警察予備隊が総理府の機関として置かれておりますのを、これも別途提案中の保安庁設置法によりまして警察予備隊が保安庁内に吸収されますので、この第十六條の三も削除することにいたしたわけであります。
その次に第十七條中に外局の委員会及び庁が列挙されておりますが、この外局の委員会、庁が、これ又別途に御審議頂いております法案によりまして、或いは廃止になり、或いは統合、或いは他の省に移管替になる等の関係で整理になりますので、その関係を整理しまして條文を改めたわけでございます。
それからその次に「第十入條中「又は政令」」とございますのを創ることにいたしまして、表を一部改めておりますが、この「「又は政令」」とございますのは、現行の十八條によりますと、外局の組織、所掌事務及び権限に関しましては法律又は政令で規定されておるものがあるのでございますが、今回の改正によりまして、政令で規定されておる分がなくなります。全部法律で規定されることになりますので、「「又は政令」」という字句が不要になりますので、これを削ることにいたしました。その他表の内容は、先ほど申上げました十七條中の改正と同じように、全体としまして調整したわけでございます。
簡軍でございますが、各條の御説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/12
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013・河井彌八
○委員長(河井彌八君) ちよつと杉田専門員から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/13
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014・杉田正三郎
○専門員(杉田正三郎君) 皆さんのお手許に廻つております。この法律案の中で、第十七條中といろところに委員会と外局がありますが、その中で上のほうにありますところで賠償庁ですね、これは正誤で削除になつておりますから、これは誤まりであります。それは削つて置いて頂きます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/14
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015・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは次に行政管理庁設置法の一部を改正する法律案、これも予備審査であります。政府委員からこの内容について御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/15
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016・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案につきまして御説明を申上げます。
今回の改正は、提案理由で申上げたように統計委員会と経済調査庁を廃止して、前者につきましては権限及び所掌事務の全部、後者につきましては、その一部分を行政管理庁に統合し、併せて監察機構を整備するためでございまして、従つて第二條の所掌事務及び権限の部分の改正を行なつておる次第でございます。それで第二條が所掌事務及び権限でございますが、そのうちの初めの部分、つまり第一項の一号から四号までは、いわゆる行政管理に関係する部分でございまして、行政管理庁の管理部の所掌事務でございますのでこれについては変更を加えません。第五号以下を改めることといたしまして、先ず統計関係の事項を五号から十号までに加えた次第でございます。これらはいずれも統計法第六條に規定せられておるものでございまして、ただ第七号だけは統計報告調整法に関するものでございます。それから第十一号及び第十二号は行政監察を整備強化するための規定でございまして、ちよつと中味を申上げますと、十一号におきまして各行政機関の業務の実情を監察し必要な勧告を行う、それから第十二号におきまして、十一号でやる監察に関連して、公共企業体に関する業務及び国の委任又は補助にかかる業務の実施状況について関係各行政機関と協力して必要な調査を行うことができるということにいたしております。第十三号は各部、つまり管理部にも統計基準部にも監察部にも共通するものでございまして、いずれも所掌事務に関して必要な資料の収集を行うことができるということを規定いたしておるのでございます。ここでただ従来と違いますことは、従来行政管理庁は行政機関に関してのみ監察ができるようになつておつたのでございますが、今回行政機関の監察に関連して、公共企業体の業務及び国の委任又は補助にかかる業務の実施状況につきまして関係の各行政機関と協力をして必要な調査、監察とまでは参りませんが、調査を行うことができるということにいたしました。この点は、経済調査庁は経済法令の運営に関する行政機関のほかに、法令による公団、日本専売公社、日本国有鉄道等の監査ができるようになつておりましたので、そういう点も勘案いたした次第でございます。
次に現在第二條の第二項でございますが、これは第一項の所掌事務は人事院に対する関係においてはこれを適用しないものとし、且つ他の法令によつて人事院法務府及び会計検査院の所掌に属せしめられた事務を含まないものとするということを規定いたしておるのでございますが、今回御承知のように人事院は内閣の機関から総理府の外局である国家人事委員会となりまして、国家行政組織法の適用を排除しておりました。国家公務員法の第四條第四項を削除せられることになりましたので、前段を創りまして、又人事院、法務府、会計検査院とは監察の目的がおのずから相違いたしますので、重複する問題はないと考えるわけでございます。あとは会計検査院は内閣から独立した機関でありますので、この監察部で行います監査は政府部内のほうは自己監査というような形に相成りますので、これも目的が違う。又結果につきましても、おのずからその効果が違つておりますので重複する問題はないと考えまして、従来注意的な規定でありましたこの事項を創ることといたした次第であります。
それから次は第三條の関係でございますが、行政管理庁の内部部局といたしまして、現在は長官官房のほかに管理、監察の二部があるのでございますが、殊にこのたび統計委員会の仕事も統合いたしましたので、統計基準局というものを加えることにいたしました。そして二項以下におきましては所掌事務に必要な改正を加えている次第でございます。
次は地方支分部局でございますが、従来管理庁においては地方支分部局はございませんでしたが、このたび監察機構の整備強化等があまりましたので、そのために地方に九ヵ所の地方監察局を置くことといたしまして、各局に二部ずつを置くことといたしました。その一管轄区域等が三條の二の三項に規定いたしております。なおこの地方支分部局組織の細目につきましては長官が定めることにいたしております。
それから次に第四條は「(職員)」という見出しの下で長官のことを規定しておりましたので、これを「(長官)」ということに改めまして、「長官は、監察上の必要により、公私の団体その他の関係者に対し、資料の提出に関し、協力を求めることができる。」ということを新たに加えました。これも監察機構の整備のためでございます。
それから第四項につきましては、大体従来からも同じような規定がございましたが、ただ関係行政機関の長に対しても意見を述べることができるようにいたした次第でございます。
それから第七條を第十條に繰下げまして、第六條に附属機関の規定をいたしました。従来は行政監察のために行政監察委員が置かれておつたのでございますが、このたびの改正案では、これを廃止いたしまして、新たに附属機関といたしまして行政審議会というものと、それから統計につきましての統計審議会の二つを置くことといたしました。前者につきましては、第七條に規定いたしておりますように、「長官の諮問に応じ、国の行政の改善を図ることを目的として、行政制度及び行政運営に関する重要事項並びに監察の結果に基く重要な勧告事項を調査審議する。」ということを規定いたしまして、学識経験のある十五人以内の委員で組織することができるということにいたしました。又その委員は長官の委嘱に基いて監察を行うことができるということにいたしまして、現在の監察委員の職能の一部を引継ぐようにいたしております。
次に「統計審議会は、長官の諮問に応じ、統計調査の審査、基準の設定及び総合調整並びに統計報告の調整に関する重要事項を調査審議し、並びにこれらの事項に関し長官に建議する。」、こういうことになつたのであります。十七人の委員で、第三項に掲げるようなものにつきまして内閣総理大臣が任命することにいたしております。
以上が改正の概要でございますが、なお附則におきまして、経済調査庁法の廃止及びこれに伴う必要な措置並びに統計委員会の廃止に伴う統計法及び統計報告調整についての所要の改正を規定いたしております。そのうち主要なものは、経済調査庁法による経済調査官等の行為の効力、罰則につきまして、三項、四項に規定いたしております。それから第五項に、現在ございます地方経済調査局につきましては、残務整理のために二十八年の三月末まで、これを当該地方監察局に附置することができるということにいたしております。併し残務整理が終了した場合には、政令で定めるところによりまして、その以前でもこれを廃止するということにいたしております。
次に統計法につきましては第六項に改正をいたしておりますが、このうち十六條の二は、現在第六條の二の三にある統計委員会の権能に関する規定を生かすために規定いたしたものでございます。
次に第十八條の二につきましては、行政管理庁の長官が、統計技術に関する専門的な事項につきましての権限を統計基準部長に委任することができるということを規定いたしておるのでございます。それから統計報告調整法につきましても所要の改正を加えております。十四條におきまして、統計法の場合と同じように、専門的な事項につきましては行政管理庁長官は政令で定めるところによつて統計基準部長に委任することができるということを規定いたしております。他は一般の改正規定の附則と同様でございます。
大体以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/16
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017・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは本日政府の説明を得ました各案につきまして、御質疑がありますれば、この際お願いいたしたいと思います。つきましては、先ず行政管理庁の大野木次長が今御説明せられたものを、便宜これを議題といたしまして御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/17
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018・中川幸平
○中川幸平君 この組織法の一部改正の中の二十四條の二「「五月三十一日」を「六月三十日」に改める」と、こう出ておりますから、少し遅れましても、別にこれを議員立法で出さなくても差支えないような感じもいたしまするが、委員長のお考えはどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/18
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019・河井彌八
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/19
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020・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記つけてどうぞ。
それでは本日議題にいたしました案につきまして御質疑があれば、願うことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/20
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021・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 行政管理庁の設置法の一部を改正する法律案の中で、経済調査庁の廃止の問題がありますが、これは定員とか人員の上では一番終りに、当然この「行政管理庁の職員となるものとする。」とあるようですが、この関係を今少し説明して頂くといいと思うのです。当然…全部当然なるのですか、どうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/21
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022・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) これは「別に辞令を発せられない場合においては、同一の勤務條件をもつて行政管理庁の職員になるもの一でございまして、で、実は現在……、経済調査庁は御承知のように経済統制のために設置せられた庁でございまして、その後一部新らしい方式が入りまして、行政経済法令についての監査を行うということになりまして、現在それらのほうの仕事もやつておるのでございますが、今回一応これを廃止することといたしました。で現在その職員といたしましては、中央に百六十二人、それから管区は四百五十人、それから各地方局と言つておりますが、各府県に合計千三百二十九人、合計千九百四十一人の職員がいるのでございます。これを新らしく監察機構を行うために、このうち千百九十一人を使うということに相成つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/22
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023・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうすると今の場合は、このまあ定員法との関係ですが、廃止になれば、別に辞令の発せられない場合においても当然廃官になるのであつて、やめるのであつて、「別に辞令を発せられない場合においては、」というその関係がちよつとはつきりせんと思うのですが、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/23
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024・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) 要するにこの経済調査庁関係では只今申上げました数の差だけが整理されると七百人余り、七百四十人が整理されるということになりまして、これは来年の三月末まで定員外として、これは定員法の規定になりますから、定員法で以てそれだけが整理されるという形になります。それで来年の二月末までは定員外として置くことができる。で特にこの定員法で規定せられました行政管理庁の定員を超える人数は三月までに整理される、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/24
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025・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうすると、その定員外として存置される者には辞令が出るのでしようか、どうでしようか、この施行の際に辞令が出るかどうかということは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/25
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026・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) 施行のときにはこれは誰が整理されるかということはまだきまりませんので、そのときには全部には出ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/26
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027・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうすると、出ない場合には別に辞令を発しない場合ということに該当しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/27
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028・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/28
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029・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうすると一応は調査庁の辞令が出ないものは定外であろうとすべて同一の勤務條件を以て行政管理庁の職員となる、当然なるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/29
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030・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/30
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031・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 定員外になるということはこの條文で大丈夫ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/31
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032・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) それは定員法のほうで規定されるのです。結局数として定員外になるのでありまして、誰がそれに該当するかということは、別にその時に辞令を用いるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/32
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033・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうすると辞令は出るのですねその時に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/33
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034・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) 罷めるときに辞令が出まして、引継ぐときはそのまま一応全部引継がれるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/34
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035・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうすると私一つ疑問があるのですが、全体では定員外が幾らくらいで、幾らがこの定員の中に入つておるものとして引継がれるとしましても、併し特定のかたがどれが定員外であるか、定員内であるかということはわからないわけですね、そうですね、これはこの條文ではつきりしておるかどうかということをお尋ねするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/35
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036・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) 誰がその定員外の部分に入るかということは特定いたしません。ただ数として定員外があるというだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/36
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037・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 小さいことを言うようですが、この條支じやそこがそれだけできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/37
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038・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) これは特にそのときに辞令を発しませんが、ここには同一の勤務條件を以て行政管理庁の一応の職員となるということを規定いたしておりますので、定員外云々のことは別に定員法のほうで規定をいたします。ですからこれだけでは定員外云々は出ておりませんけれども、定員法と合せてそういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/38
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039・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 私の質問がまずいか、とりかたがまずいか何なんですが、いや、定員外であつてもなお職員となつておるということについて條文が要りはしないかということを私はお尋ねするのです法文の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/39
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040・大野木克彦
○政府委員(大野木克彦君) それは別に要らないと思います。このままでこの條文で間に合うと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/40
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041・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 それじやこれは定員法のところでかねて一つお尋ねすることにしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/41
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042・三好始
○三好始君 法制局設置法で質問してよろしいですか、法律案が飛び飛びになると困るのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/42
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043・河井彌八
○委員長(河井彌八君) よろしいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/43
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044・三好始
○三好始君 先ほど法制局設置法案の内容について御説明を伺つたのでありますが、私疑問に思つたのは、法制局は国家行政組織法上どういう根拠を持つておるかという点なんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/44
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045・林修三
○政府委員(林修三君) これは御承知のように今度の法制局はこの昭和二十二年の新憲法施行後に一時二十三年までの間、内閣に法制局が置かれておつたのでございますが、それと大体同様な考え方でございまして、法制局の仕事の性質上直接に内閣或いは言い換えれば閣議を補佐する機関である、こういう考え方からこの部局は内閣直属の部局にいたしております。いわゆる内閣法におきましても内閣官房のほかに内閣を補佐する機関を置けることになつておりますが、そういうものを参酌しまして内閣直属の部局としてこの機関を置くことといたしております。国家行政組織法は一応その内容を見ますと、内閣の統轄の下に府、省、庁、委員会を置くことになつておるわけでありますが、それとは別に内閣直属の部局としてこの法制局を置く、こういう考え方で出ております。従つて国家行政組織法が直接に規定する行政機関ではない、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/45
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046・三好始
○三好始君 国家行政組織法が直接に規定する行政機関でないというところに一つの疑問を持つのであります。国家行政組織法が行政組織の基本法としての性格を持つておつて、すべての行政組織が国家行政組織法に根拠を持つておる。私たちは従来そういう理解の下に国の行政組織を考えて参つたのでありますが、法制局に限つて国家行政組織法の規定とは別個な組織として設けられるということになると、国家行政組織法で基本法そのものが少し性質が変つて来る。国家行政組織法によつて規律せられない行政組織も存在するということになりますと、従来私たちが考えて来た国家行政組織法に対する考えかたが変つて来なければいけないということにもなります。それで疑問を持つた次第であります。国家行政組織法の第三條第一項には「国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。」という原則を規定しておるわけでありますが、第二項には「行政組織のため置かれる国の行政機関は、府、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。」とりありまして、各省設置法等はこれらを根拠として設けられておるわけでありますが、法制局はこの第三條の一項、二項のどれにも根拠を持つておらないと、こういう感じがするのであります。先ほどの御説明によりますと、法制局の根拠はむしろ第二條に求めておるような印象を受けたのであります。第二條は、「国家行政組織は、内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によつて、系統的に構成されなければならない。」こういう規定でありますが、このうちの「内閣の統轄の下に、」という表現を一つの根拠に求めて、内閣の直属機関として第三條とは別個に法制局を作つたのだ、こういうふうに了解しておつたのでありますが、私はこの第二條に規定しておる「内閣の統轄の下に、」という表現を、第三條とは別に、内閣の直属機閣として各種の行政機関を設け得るように解釈することが許されるかどうかということについて疑問を持つのであります。それでそういう疑問に対してはつきりしたお答えを頂きたいということを、内閣の統轄の下に行政組織法第三條とは別個に今回提出されておるような法制局に立場が同じものが他に例があるのかないのか、こういうことも併せて伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/46
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047・林修三
○政府委員(林修三君) これは今の内閣法第二條ということをおつしやいましたけれども、実は私ども内閣法……、国家行政組織法第二條を基準に申上げたわけではございませんのであります。一応この憲法に申します内閣及びその内閣の統轄の下にあります行政機関の組織につきましては、御承知のように内閣法と国家行政組織法とがあるわけであります。内閣法におきましては、内閣の組織そのものにつきまして規定をいたしております。この国家行政組織法のほうは、内閣の統轄の下にあります国の各行政機関について規定をしておるわけであります。この法制局は内閣法に申します内閣という会議体の機関、この機関の直接補佐をする機関だ、こういう考えの下に内閣法に基きまして作られるべきものである、こう考えておるわけであります。国家行政組織法はそういう会議体の内閣という行政機関、憲法にいいます行政機関の統轄の下にありますところの府、省、庁、委員会、こういう行政組織を定めておるわけであります。一応勿論内閣の統轄の下にございますけれども、内閣とは一応別個の行政機構を、成しておるわけであります。そこは多少違うのではないかと思つておるわけであります。この法制局の仕事は設置法の第三條の内容から申しまして、閣議におきましてきめられるべきことについての直接補佐である、そういう考え方から、これを内閣に……、いわゆる内閣の附置機関とすべきが適当じやないか、こういう考えでございます。これは内閣法の第十三條に只今のところ「内閣に、内閣官房を置く。」と書いてございますし、その第四項に「内閣官房の外、内閣に別に法律の定めるところにより、必要な機関を置き、内閣の事務を助けしめることができる。」こういう規定がございます。現在内閣官房というものが内閣にあるわけでございます。これはいわゆる閣議の事項を整理することをその職務といたしております。これはやはり国家行政組織法におきまして内閣の統轄の下にあります府、省、庁、委員会とは別の組織である。閣議を直接補佐する機関であると考えられております。それと並んでこの法制に関しまして閣議を直接補佐する機関としてこれを考えておる。只今までのところこの内閣の機関といたしましては、御承知のようにこの内閣官房というものが一つございます。もう一つは外国為替及び外国為替管理法に基きまして置かれております閣僚審議会というものがございます。これは我々内閣の機関と考えておるわけでございます。そのほかに只今のところ今度の行政組織法の改正で、多少性格が変つて来るようになつておりますが、人事院は内閣の機関である。国家行政組織法の府、省、庁の外に立つ機関である、かように解釈されておるわけでございます。今までの例といたしましてはそういうものがあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/47
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048・三好始
○三好始君 政府側の趣旨は今の御説明でわかりましたから、詳細な質疑については次回までに内閣法等調べた上で更にいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/48
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049・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 もう一つ私は根本問題でお尋ねしますが、各省からいろいろ立法が出る場合に、実際の運営として法制局ができますと、どういうような順序になつて参りましようか、それをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/49
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050・林修三
○政府委員(林修三君) これは昔御承知のように旧憲法時代に内閣に法制局がございました。新憲法に移りましても約一年間の間同じような趣旨で法制局が続いておりました。昭和二十三年に法務府ができまして、昔の法制局が法務府の中に移つておりまして現在に至つておりますが、今度は内閣の直属機関といたすと、こういうことになつております。大体その間におきまして実際にやつておりました仕事のやり方はそう実は違つておらなかつたわけでございますが、ただ内閣にあります場合と法務府にあります場合とは、そこにおのずから仕事の性質上多少の、法制局としての発言力と申しますか、発言の内容にも多少の違いはあつたわけでございます。大体仕事の内容は今までと殆んど同じような手続でやることになると思うのであります。手続から申しますれば、これは大体形式的に申せば、今度の設置法にも善いてございますように「閣議に附される法律案、政令案及び條約案を審査し、これに意見を附し、及び所要の修正を加えて内閣に上申すること。」それが第一号でございます。第二号に「法律案及び政令案を立案し、内閣に上申すること。」この二つがございますが、普通のやり方はこの一号で行くわけでございます。各主管省が自分の主管の法律案或いは政令案を内閣から国会にお出しする或いは政令案を閣議できめてもらおう、こういう場合には各主管省におきまして一応法律案、政令案を立案いたしまして、これを閣議に請議をいたすわけでございます。閣議に請議いたしました場合に、その内容が果して法律、その他の関係から適当であるかどうかにつきまして、法制局の意見に回付されるわけであります。法制局にお下げ渡しがあるわけであります。法制局におきましては内容を審査いたしまして、それが適当であると認める場合には、その意見を出しますし、内容につきまして多少修正を加えるほうがよろしいという場合、こういう場合にはそれの修正を加えまして、これを閣議に報告をいたすわけであります。閣議はその意見に基いて閣議できめて直ぐ、かような手続になるわけございます。ただ実際上の手続といたしましては、今申しましたように形式的には各省が一応の自分の法律案、政令案を作りまして、それを閣議に出すわけでございますが、実際上そういたしますと、一応出て参りましたものも法制局におきまして審査して相当根本的に直すという場合もあるわけでございます。いろいろそこに法律的に不備な点もあります場合もありまして、或いは他の法律との調整を要する場合もございます。他の省、庁との権限関係で不適当な場合がございまして、或いは憲法問題等の関連で不適当な場合もございますので、相当根本的に直す場合がございますので、その手続を省略する意味で、実際上の問題として各省庁は閣議に請議いたします場合に一応の原案を持つて参りまして、一応前に見てくれということはございます。大体これは法律の手続といたしましては順序が逆でございますけれども、実際上は先に一応見まして、大体それで法律的に固まつたところで以て閣議に請議いたします。そうすれば閣議を通つて参りまして、法制局で審査する手続も相当簡單に済む。大体は最近そういう手続をとつております。併し形式的に申しますと、各省庁が一応の自分の法律案、政令案を立案いたしましてそれを閣議に出す。閣議から一応お下げ渡しをしてもらいまして、法制局で意見を付けて出す、こういうことに相成るわけであります。第二号に「立案し、内閣に上申すること。」とありますが、これはあらゆる法律案、すべての各省の関係の法律案、政令案に関しまして、自分て立案し閣議に直接出す権限を規定しておるわけでありまして、これは従来とも昔の法制局時代からございました。これは必ずしもどこの省の、どこの府の法律案、政令案に限らず一応法制局として閣議から御用命がございました場合等につきましては、自分で立案して出すことができる、こういう権限を持つております。これはどこにも相談ぜずに直ぐ出せる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/50
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051・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そこで、そうすると特にこの一号のほうは、各省の法律案というものが先に……、文字通りの解釈は、先に閣議に出てそれを更に閣議によつて法制局の意見を聞くということになつて、そうして法制局のほうに廻される、そうしてこの一号の意見を附して或いは所要の修正を附して内閣に上申する、こういうことになるわけでございますね文字上は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/51
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052・林修三
○政府委員(林修三君) おつしやる通りでございまして、必ず閣議にかかりますものは法制局を通すことになつておりまして、法制局を通さずに、内閣関係のもりにつきましてすぐ閣議できめるということはございません。必ず法制局の意見を聞くということは、必ずそういうことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/52
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053・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 必ず法制局の意見を聞くというのはどこで出て来るのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/53
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054・林修三
○政府委員(林修三君) この第一号で「閣議に附される法律案、政令案及び條約案を審査し、」云々とございますので、この審査を経て上申したものが閣議できまる、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/54
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055・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうするとこれは文字ではなしに精神を汲んで……、文字上はそうは読みませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/55
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056・林修三
○政府委員(林修三君) これは「閣議に附される」云々とございますので、閣議に附しますものは必ず審査する或いは内閣に上申する、こういう権限をここに書いてございますれば、この審査し或いは上申しないものにつきましては閣議できめるということは、この裏腹としてないことになるのじやなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/56
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057・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 なかなか従来も法制局と各省との間に争いがあつたことも私も存じておるのですが、それで念のためにお尋ねするわけですが、そうすると各省の大臣ではなしに総理大臣が閣議で出たものを法制局に廻されるということになるわけですか。廻される人は誰になるわけですか。各省の大臣ですか、それとも総理大臣になるわけですかこの條文から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/57
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058・林修三
○政府委員(林修三君) 形式的には閣議に各省の大臣が請議をいたします。この請議案が閣議できまります段階において、法制局を通つてきまる、こういうことに相成るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/58
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059・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 各省の大臣がされるわけでございますか、総理大臣がされるわけですか、そこはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/59
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060・林修三
○政府委員(林修三君) これは各省の大臣は閣議に請議いたすわけでありまして、閣議におきましてきめる前に法制局の審査をするということでございまして、閣議から下つて来るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/60
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061・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 閣議からということは総理大臣ですね、各省大臣が閣議に廻すべき法律案を法制局へ廻すという意味じやないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/61
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062・林修三
○政府委員(林修三君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/62
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063・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そうして二号ですが、今もちよつと出たのですが、法律案、政令案でございますが、これは一号と二号との調整は同じような案についても或いは根本的に意見が各省と……、或る省と法制局の間に対立して……、これは従来しばしばあつたのです。その場合には別案を以て、二号によつて内閣に出されるということがあり得るのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/63
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064・林修三
○政府委員(林修三君) 権限としてはできることになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/64
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065・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 できるのですね、じやこの点はそのくらいにして置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/65
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066・竹下豐次
○竹下豐次君 法制局の長官は閣議に出席されることになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/66
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067・林修三
○政府委員(林修三君) これは実ははつさりわかりません。私からお答えしていいかどうかはちよつとわからないのでございますが、昔の内閣にございました法制局時代は法制局長官は閣議に出席いたしておりました。只今は、法務府にあります場合には法務総裁が閣議に列席しております関係上出ておりませんですが、今度やはり内閣に法制局が置かれる場合には、恐らく法律顧問としての意味におきまして出席されることになるであろうと想像いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/67
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068・竹下豐次
○竹下豐次君 法制局では各省関係の法律をまあ法律専門の立場において審査されるわけですが、その場合にその法律案の実質についても審査されることができるのでありますか、ただ法律技術的に審査されるだけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/68
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069・林修三
○政府委員(林修三君) この法律案の技術的と申しますか、法律技術的な審査と実質審査と言われるのでありますが、私ども考えますと、実際上は、勿論その実質につきましてそういう法律を出すほろがいいか悪いか、或いはそういう政令案を出すほうがいいか悪いかにつきましてはこれは内閣の政策もあることでございますし、各省の政策も、一応の各省の考え方もあるわけでございます。根本的にそれがいい悪いということにつきまして、いわゆる法律的な見地を全然はずしていいかどうかということにつきましては多少問題はあるかと存じますが、実際問題といたしましては実質審査と言い法律審査と申しましても、或いは裏腹、或いは紙一重の問題でございまして、いわゆる実質的に論議がありましたことを、或る事柄を前提といたしましてそれを表現する方法が、こういう表現がいいのだとか、こういう表現が法律的にまずいとかいうようなことだけではありませんで、やはり憲法を基にいたしまして、その憲法の精神に合つているかどうか、或いはそのほかの法律との関係はどうか、或いはほかの省庁との権限の関係がどうかということは、これは全部法律的に見ましても審査の対象でございます。実際的には相当実質まで入りまして審査をいたしませんと、そういうことまでには行き得ないのでございまして、実質的、いわゆる実質審査の内容にも相当入るわけでございます。併し極く抽象的に申せば、或るそういう観点を除けまして、こういうものを出すべきか出すベからざるかということは、これは内閣の政策なり或いは各省のその自分で行政を実施しておられます責任がございますので、これにつきましてとやかくそういう法律的な、憲法とか何とかの関係がないものにつきまして言い得るかどうかにつきましてはこれは相当限界があるのじやないかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/69
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070・竹下豐次
○竹下豐次君 元の法制局では相当に実質的の意見を各省と闘わされたものだというふうに私どもは承知しておりますが、今の法制意見局ではその点が非常に少くなつておるのでありまして、技術的にこれは法律の体裁が悪いとか、或いは重複しているとかいうようなことに主力を置かれて実質的にタッチされる、ほかの言葉で言えば政策等についての御意見などをお出しになることが非常に少くなつているのじやないかと思いますが、今承わりますというと、やはり実質的方面にも権限を持つておやりになるということになつているようでありますけれども、これから又それがだんだん強く主張されるというようなことになりますることを予想しまするので、閣議に長官が出席されて堂々と主張をされるということにならない以上、仮に各省長官、各省の関係大臣と法制局の長官の意見の違うような場合ですね、そのような場合に各省の大臣は閣議において堂々と主張するけれども、それに受け答えする長官は出席していないということになりましては、本当のこの両方の対立がどういう……、法制局の立場から見れば不利益な立場に置かれるというようなことにならないとも限らない。非常にこの点は気遣われておる問題だと思つております。そこで実は出席されたかどうかということをお尋ねしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/70
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071・林修三
○政府委員(林修三君) 先ほど申上げましたようにまあ一応閣議のメンバーでございませんので当然閣議を構成するものではございませんけれども、やはり法律的な専門的な見地からの助言、或いは意見の申出では必要でございますので、やはり只今閣議には閣僚のほかは官房長官及び副長官が出席しておられるようでございますが、やはりそれには法制局長官も出席されることに、恐らくそういうことになるのではないかと予想しておるわけであります。
先ほどの実質審査でございますが、従前、昔の法制局は相当いろいろやつておつたようでございますが、これはいろいろの権限と申しますか、昔の法制局は今と多少違いまして、今の行政管理庁の持つておりました権限も持つておりましたし、或いは又人事院の権限も持つておりましたし、そういうところで大分権限範囲も今と多少違つておつたわけであります。併し特にただこの法務府になりまして以後の審査の仕方につきまして、今お話のような点が確かに一部あつたと存ずるわけでございます。これはそう申して何でございますが、一応占領期間中におきましては、或る法律なりなんなりの実施といこうことは與えられたこととして相当あつたことが実際問題としてあるわけでございまして、それをいいとか悪いとかいうことは相当実質的な制約もあつたわけでございまして、そういう点におきましては相当技術面が強く打出される恰好になつておるのでありますが、今後におきましてはやはり閣議における政策を体しまして、閣議の直接附属機関でございますから、閣議におきまして或いは内閣におきましてそういう政策をとられることになりますれば、そういうことを表現する意味におきましては相当強力に発言し得るのじやないか、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/71
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072・竹下豐次
○竹下豐次君 そうしますと、現在のこの改正によりますると、現在法制意見局長官の持つておられる権限をそのままに長官のほうに移される、別に実質的の審査権を従来現在よりも強く広く持たせようとするようにお考えになつておるわけではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/72
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073・林修三
○政府委員(林修三君) 特に條文の表現上はそう書いてはないわけでございます。この点は昔の法制局も、法制局官制におきましても大体この三條と同じような実は趣旨を書いておりました。実際の運用から結局法制局長官と閣議との関係でやつておられたことだと思うのであります。これは結局実際の運用の問題になるのではないかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/73
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074・竹下豐次
○竹下豐次君 ほかの問題でお尋ねしたいのですが、今度の新らしい制度で、意見局と申しますか、意見部ですか、意見部と一部二部、この一部二部というのはこれはどういう分担になりますか。例えば通産省、農林省、どれどれは一部で分担するとかいう各省別に分担されるということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/74
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075・林修三
○政府委員(林修三君) これはおつしやいます通りでございまして、大体各省別に分けますか或いは事項別で、例えば財政金融とか或いは労働厚生とか、そういうふうな抽象的な区分で分けますかでございますが、実際的な点から申せば、大体各省別で分けることが一番実際的でなかろうかと存するわけであります。ただこれは昔の法制目にもございましたし、只今の法務府の法制意見各局でもそうでございますが、やはり一応分けてみましても、法律案とか政令案の数がときと共に相当各省で違いますので、実際その区分は相当自働的に変えなければならないという点はあると存ずるわけでございます。現在においても一応法務府の法制意見各局におきましては法律上権限はきまつておりますけれども、同時に法律の條文がございまして、意見長官が各局の事務の分担を変更し得ることになつております。そういう点もございますので、今度の設置法におきましては政令に讓つて頂きまして、実際に機動的な部間の事務の分配はやつて行きたい、かように考えております。ただ、おつしやいました通り基準は大体各府省別にきめられることになるのじやなかろうかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/75
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076・竹下豐次
○竹下豐次君 意見部が別に二つの部のほかにできる。先程ちよつとお話がありましたけれども、意見部は意見を述べるだけですか。これはどういうことになるのですか。二部との性質の偉い。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/76
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077・林修三
○政府委員(林修三君) 現在の法務府設置法に基きましても、法制意見長官の下に法制意見第一局というのがございまして、これは新らしい設置法の第三條の第三号と第四号に当ることをやつておるわけでございます。大体各省等から法律問題について意見を求められた場合にそれに対する法律の解釈を各省に回答いたします。又あらゆる憲法問題その他につきましても法律の解釈につきましての行政部内における最高の解釈を下す、こういう建前でやつておるわけであります。相当重要な仕事を、特にこれは法務府ができましたとき以来重要現してやつて来ておるわけでございまして、こういう仕事を大体この意見部においてやることになるわけでございます。これは勿論新らしい法律案、政令案を作ります際にも、そこに意見がなければ作れないわけでございまして、既存の法律の解釈を新らしい法律案を作ります際にどう解釈して新らしい法律案、政令案を作るかという問題がございます。一応分担といたしましては意見部におきましては憲法以上既存の法律の解釈ということに主眼をおきまして、勿論新らしい法律案、政令案を作ります際にも或いは條約案を審議いたします際にも、憲法との関係につきましての最も法律問題の最高的な解釈はこの意見部でやる。大体こういうことに分担して行くことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/77
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078・竹下豐次
○竹下豐次君 私の持ちまする疑問は、仮に各省を二つの部分に分けて一部と二部とで分担するというようなことになるか或いはその他の方法で二つに分担するということになるか、いずれかになるわけですが、そうしますると、法律の解釈等についても、一部か二部のほうにお尋ねになれば解釈ができるのじやないか、そのほかに何故に意見部というものが必要であるか、一部二部の分担の人が憲法問題はわからない、わからないから意見部のほうに聞くというようなことだつたらこれは別ですけれども、そんなこともないのじやなかろうかという疑問を持ちます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/78
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079・林修三
○政府委員(林修三君) 私からお答えいたしまして、又補充的にも第一局長がおりますから第一局長からお答えたしますが、これは部の分け方につきましては、今おつしやいましたように、例えば三部なら三部に分けまして、各部で例えば法律案、政令案及び意見を分担するということも当然考えられることでございます。ただ法律案の審査或いは立案をしております部局は、何と申しますか、特に国会の前後でありますとか、そういうときには非常に多量の法律案なり政令案が一時は輻湊いたしまして相当忙しい仕事をやらなければならないような状況でございます。憲法問題その他の法律の解釈につきましては、相当じつくり考えまして、やはり裁判所とまでは参りませんけれども、どこの裁判所に行きましても当然政府部内の最高解釈と通り得るだけの解釈をしなくてはならないわけでございまして、相当掘り下げて考えなければならないわけでございます。勿論審査をいたします場合にも当然そういう意見に基いてやるべきでございますが、やはりそこになんと申しますか、事務のやり方におきまして多少違いが出て来るわけでございまして、各法律案、政令案を審査いたします部で意見を立てることになりますと、どうしてもそこが非常に事務の忙しいようなときにはその仕事があと廻しになりましたり或いはなかなか意見をきめかねる、むずかしい問題につきましてはどうしてもそういうことになる慮れがある。やはり専門に担当いたします部局を設けたほうがいいのじやなかろうか。勿論そうなくてはならないというものではございませんけれども、一応便宜といたしましてはそのほうがよりいい部局の編制ではなかろうか、かように考えまして一応こういう考え方をとつておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/79
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080・竹下豐次
○竹下豐次君 いろいろ今の問題については考え方、意見の違う問題だと思つておりますが、私はこういうふうのことも考えておるのです。現在は今役人になつておられる人達で今度新らしく法制局の部の役人になられる人達或いは新らしい人は従来の法律については余り詳しく御存じないかもしれない、そう考えると、意見部のほうにそういうことを知つた人をお集めになつて解釈をそこでされるということも一つの方法だろうとは思います。しかしあとの長いことを考えてみますと、各部の人が仮に各省を分担して二つに分けて立案から審議して行くということになりましたならば、その問題に関しては意見部の人よりもむしろ専門家が多くなつて来なければならない。そうして各部の部長初めその専門の参事官というような人達が憲法がわからないような人がなられるはずはないわけですね。そこに本当な専門家ができる。そちらに持つて行つたほうがむしろはつきりわかるのであつて、解釈の問題が起つたとき、局外の立案にタッチもしなかつた人が解釈を下すということはこれはむしろ危険だと思う。だから人が足りないというような場合があるかもしれませんけれども、今の国会中とかいうような場合にはそういう問題も起りましよう。それならばやはり意見部のほうにおかれる人の数を各部に分ける、三つなら三つに分けるということができるわけであつて、国会中特に忙がしい、この頃法律案もたくさんありますから、忙がしいことは私どもよくわかつております。これが後廻しにされることがあるかも知れない、これも心配でありますけれども、これは後廻しにしないように政府部内でしつかり褌をしめてやつて頂かなければならないわけで、極くざつくばらんなお話だから、それを私挙げ足とつて言うわけではありませんけれども、そういうふうな気持がするのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/80
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081・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) 只今竹下さんからのお話、誠に御尤もな点があるのでございまして、結局只今御指摘になりましたような考え方、それから他の政府委員からお話申上げましたような考え方と二つの考え方は正に両方同じように合理的な或る程度の理由をもつて成立つわけであります。併しながら私ども今までやつて参りました経験から徴じまして、やはり法律の解釈と、それから法律の審議立案というものとは、或る程度分離しておるほうが法律の解釈についての相当困難な問題に対する時間的な関係とか或いは客観的に……審議立案すれば主観的になるというわけではございませんけれども、より以上にその法律の客観的な意味というものを捉えるのにより以上適当であろうというようなこともございまして、只今この案に示されておるような結果になつたわけでございます。それで意見部のほうの仕事といたしましては、やはりこれも相当数多く参るわけで、大体一年に文書に上るものが二百五十件くらい、そのほか口頭によるものは相当毎日多数に参つております。それでそういう事柄の性質上、判事、裁判官等の出身者等もそれに交えまして、いろいろな行政府出身者、判事出身者或いは検事のかた等も加えまして、そういう組織といたしまして、法律解釈上遺漏のないような一つの部を構成いたしまして、この処理に遺憾なきを期そうというのがこのようになりました経過でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/81
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082・竹下豐次
○竹下豐次君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/82
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083・鈴木直人
○鈴木直人君 意見部というものは第三條の三号、四号が主なんでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/83
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084・林修三
○政府委員(林修三君) 大体さようでございます。
ちよつとつけ加えますが、御承知のようにこの第四條におきましては一応所掌事務の分配につきましては政令できめることになつておりますが、名前の示す通りに、大体におきまして只今お示しのような第二條の第三号及び四号が主になることと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/84
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085・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 如何ですか、本日はこの程度でとどめて置こうかと思いますが、御異議ないですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03019520526/85
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086・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それでは本日はこの程度にとどめまして散会いたします。
午後三時五十四分散会
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