1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月二十九日(木曜日)
午前十時四十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河井 彌八君
理事
鈴木 直人君
成瀬 幡治君
委員
中川 幸平君
横尾 龍君
楠見 義男君
竹下 豐次君
和田 博雄君
栗栖 赳夫君
松原 一彦君
三好 始君
国務大臣
建 設 大 臣 野田 卯一君
政府委員
行政管理庁次長 大野木克彦君
行政管理庁管理
部長 中川 融君
農林政務次官 野原 正勝君
農林省農政局長 小倉 武一君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
説明員
農林大臣官房文
書課長 立川 宗保君
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本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○農林省設置法等の一部を改正する法
律案(内閣送付)
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001・河井彌八
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。急に必要ができましたので、理事の補欠をお願いしたいと思います。それは山花君が今度委員をおやめになりましたので、従つて理事に欠員を生じたのであります。山花君の補欠として理事の選挙を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/1
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002・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
それでは理事の補欠選挙をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/2
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003・楠見義男
○楠見義男君 理事の補欠選挙につきましては、成規の手続を省略しまして、先例に従つて委員長から指名せられんことの動議を提出します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/3
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004・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 楠見君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/4
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005・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決しました。
つきましては成瀬君を理事にお願いいたします。よろしく願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/5
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006・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 次に農林省設置法等の一部を改正する法律案予備審査でありますが、これを議題といたします。先ず以て政府側から本案の内容につきまして、各条について御説明を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/6
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007・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 ちよつとその前に政府のお方に資料を御請求申しておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/7
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008・河井彌八
○委員長(河井彌八君) よろしゆうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/8
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009・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 実は今度各省の設置法案で機構改革が行われますが、それについて内局と外局とをどういうようなけじめでもつて内局に入れようとか、或いは外局に残されるかというようなことをお考えになつたかということをお尋ねする資料といたしまして、こういうものが若しお手許にあれば頂戴したいと思うのですが、今外局は二十三ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/9
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010・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/10
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011・栗栖赳夫
○栗栖赳夫君 そのうちでなんか外局は十一が改正案では残つて、十二が内局のほうになると、こういうようなお話でございますが、この二十三の外局を大体その下に課がいくらあるか、それから職員がいくらおるか、それから今年度の予算はどれだけ付けてあるかということと、それからまあいろいろの特質と、その特質に基いて外局に残される或いは内局に入れるという理由、そういうものを書いて頂いた簡単な表を頂戴したいと思います。これをお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/11
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012・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 委員長から政府に要求いたします。
それでは逐条的の説明に入つてよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/12
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013・河井彌八
○委員長(河井彌八君) さようにいたします。文書課長の立川君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/13
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014・立川宗保
○説明員(立川宗保君) 農林省設置法等の一部を改正する法律の逐条の御説明を申上げます。
先ず第一条と第二条とわかれるのでありますが、第一条は農林省設置法の一部改正、第二条は水産庁設置法の一部改正と相成ります。
先ず第四条のところが変るのでありますが、第四条につきましては、先ず経済安定本部が解体をいたされました関係上、それに関して農林省の所掌事務として殖えました事項がかなり書き足されておるわけであります。例えば第十四号の物資の生産、配給及び消費の基本的施策についての企画立案というようなこと、それから十五号の価格の統制ということ、それから十六の四の外国為替予算の作成の準備に関することというようなことは、皆それに関連をした事項であります。十六の五は外資委員会が大蔵省の所掌に相成りました、大蔵省に吸收せられました関係上、それに関する事務で農林省に関する部分を書き出したわけであります。十六号の二乃至三は、これは現在もやつております主要食糧のいろいろな統制関係の権限並びに国際的に供給が不足する物資の統制、この仕事を書き挙げたわけでありますが、従来は物調法の関係の規定があつたのでありますが、それをしぼつて、現在当面ありますこの二つに限つて書き挙げた、こういうことでございます。
次に四ページの初めのほうの第四条第十七号中云々のあたりのところは、外局が内局になりましたりいたしました関係の字句の修正をいたしたわけであります。それからその次の、そのページの真中頃以降のところに五十四という次に、第五条第一項中とありますが、そこに五局を七局にいたしております。これは外局が内局になりました関係上、食糧局、林野局というものが新たに附加わりましたので、二局殖えております。
それからおしまいから二行目の農林経済局と農地局に次長を一人ずつ、食糧局と林野局に次長を二人ずつ置いております。これは現在の農地局には部長が三人、食糧庁、林野庁にはそれぞれ三人あるわけであります。
次に次長の職務でありますが、これは各省と同じであります。かつこの中、農林経済局は次長と統計調査監がありますので、農林経済局の次長は統計調査監の掌理する事務を除いて取扱うということにいたしております。
次に第五項農林経済局に統計調査監一人、これは現在の統計調査部で農業改良局統計調査部で行つております事務を統計調査監が六項で命を受けて掌理をすると、こういうことにいたしております。七項に畜産局に競馬監を置くこと、八項は競馬監の権限。それから、その次第七条は官房の取扱う事務でありますが、第十二号に農林畜水産業に関する土地及び農林水利の総合計画に関する調査立案に関する事務を書きましたが、これは国土総合開発等の関係で、この農林省部内の取りまとめを官房がやつておりますので、その仕事を明らかにしたということでございます。それから次の八条、五ページのおしまいの八条のところは、農政局が農林経済局になりまして、その所掌事務がいろいろ変りますので、これは提案理由のところで御説明をいたしておりますが、その関係のことをここに規定をしております。
そこで、その次の六ページの中頃の九号以下はずつと新らしく農林経済局に帰属する仕事を書いておりますが、そのうちこの十号の農業倉庫に関することは、現在食糧庁にありまして、十一号の事務は現在改良局にあるものを経済局に持つて来ております。それから十二号乃至二十、二十二、二十二号までが官房の事務を農林経済局に移管しておる。二十三号から二十八号、二十九、三十号これが改良局であります。それから次に、第十条のところは農業改良局の事務を書いております。
次のページ、十ページに参りまして、食糧局の事務になりますが、これは内容は現食糧庁の事務と変りません。農業倉庫に関するものを農林経済局に移しただけであります。
それから林野局の事務は、現林野庁の事務とこれ又変りません。それからずつと参りまして、十四ページ食糧研究所、林業試験場、これは現在の内容と変りませんが、それぞれ食糧庁、林野庁が内局になりました関係上、ここに規定をしております。十五ページの食糧管理講習所又同じ。それから十六ページの林業講習所、これは新らしく規定を入れたのでありますが、この内容は提案理由のところにも御説明いたしておりますが、現在林業講習所というものがすでにありまして、かなり長い間この仕事を、林業に関する講習をやつております。部内職員が……。ただその実は存するわけでありますが、設置法上明らかにこれを現わしておりませんので、前の食糧管理講習所と内容は全く同じような性格のものでありますので、これを出したというだけのことでございます。それからその次に、そのページの真中頃、第三十四条の中の規定でございますが、これは米価審議会が経済安定本部に属している。の附属機関が農林省の附属機関に今度の安本の解体の関係上移つて参りましたので、その規定でございます。次のページの食糧事務所の内容も変りません。
次に十八ページの第四款、営林局であります。所掌事務は変りませんが、次のページ、第四十六条の営林局の名称、位置及び管轄区域では訂正がございます。先ず内容から申して参りますと、旭川、北見、帯広、札幌、函館、北海道については変更がございませんが、次の青森営林局につきましては、現在青森、岩手、宮城三県を管轄いたしておりますが、これが宮城が抜けまして、秋田は変更ございません。福島は新設であります。東京営林局につきましては従来の管轄区域に対しまして栃木、群馬が新らしく入りまして、静岡が抜けました。それからその次に、前橋営林局というのがあつたのでありますが、それがなくなりました。次に長野営林局は、現在は長野県と新潟県の一部、岐阜県の一部というものを管轄しておりましたが、それを新潟全県にいたしまして岐阜を削りました。名古屋営林局につきましては新らしく静岡県が入りまして、岐阜県の一部が入つたということでございます。あとは変更ありません。この内容の変更の考え方といたしましては、大体似たような条件或いは地域的に一括して管轄することを適当とする配分に変えたのでありますが、例えば利根川の流域というものを東京営林局で一括まとめる。従来は前橋、東京に分断されておりましたのをそういう工合にまとめる。或いは信濃川の流域を長野営林局で一括してまとめる。従来は前橋、長野と二局に分割されておる。それから従来福島が前橋営林局の管轄に入つておりましたが、これを東北ブロツクにして、宮城、福島という二県をまとめて青森、秋田、福島の三つの営林局で東北ブロツクを作る。こういう工合にいたします。そうしてこの仕事のバランスも、非常に少いところを割合に殖やし、多いところを削つたという関係でありまして、これは結局こういう何といいますか不合理な点が残つておりましたのは、昭和二十二年に御料林を統一いたしまして、いわゆる林政統一をやりました際に、一応従来の御料関係の支局をそのまま尊重して営林局にしておつたという関係で、可なり従来の実情といいますか、やりかたをそのまま踏襲しておつたのをこの際合理的な基準に再編成するという意味であります。次に営林局の内部部局は変りなし。営林署も変更はありません。
それから二十三ページに参りまして、第二章、外局の第二条の水産庁設置法の一部改正のところですが、これは次の二十四ページに参りますが、ここが従来は漁業調整事務局と水産駐在所という二つの支分局があつたわけであります。それで漁業調整事務局は瀬戸内海と有明海の二つでありまして、これはそのまま残りましたが、水産駐在所は、これを廃止いたしました。そうして新たに漁業調整事務所というものを設けたのでありますが、従来の水産駐在所の仕事は、主たるものが鮮魚介の統制の関係で、いわゆる魚の統制が非常に大きな問題でありましたときに、地方の組織として農林省が持つておりましたものでありまして、合せて漁業の許可関係をいたしておりましたが、これが水産物の統制関係がなくなりまして、そういつたような角度から、地方に支分局を設けておく必要がなくなりました。併しながらその意味で水産駐在所は廃止いたしましたが、同時に別の角度から新たに地方の組織を必要とする事態が生じて参りました。それはここに書いてありますように、水産動植物保護の関係で、漁業の許可の事務がありますが、その許可事務を敏速に処理をするというために、中央で片付ける。集中いたしませんで、地方の組織にその権限を任せておくということ、それから漁業の取締りの関係上取締船、監視船がいろいろおりますが、そういうものの監視のセンターになつておるという必要“その他漁業制度改革のための漁業調整委員会の監督の地方的な事務もあります。水産の関係は県と県の間の問題が可なりいろいろありまして、例えば福岡県と佐賀県の問題だとか、或いは御存じの青森と秋田の問題だとかいうような、県と県との関係がいろいろございますので、なかなか県だけに仕事を任せておいても処理できないという問題がありますので、やはり中央の直轄の支分局を必要とするというために、新たに調整事務所というものを設けました。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/14
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015・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 本案について御質疑がありましたら、この際お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/15
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016・三好始
○三好始君 今回の農林省設置法等の一部を改正する法律案は、他の各省と同様に積極的に大きな効果が考えられるような改正ではないような気持がいたすのであります。何だか機械的に何を減らす何をなくするというような方針の下に行われております。名称が変つたり、或いは従来官房の事務だつたものが農林経済局に移つたりするというような事務的なものに止まつている感が深いのであります。而もそれが積極的に大きな効果を期待できないだけでなく、そうした変更が却つていろいろな点で行政事務の能率的な運営を阻害するような結果が起りはしないかというマイナスの面も相当考えられるのであります。
数点についてこれらの点をお伺いいたしたいと思うのでありますが、先ず順序を追つてお尋ねいたしますが、統計調査部の関係であります。従来ありました改良局の統計調査部を廃止いたしまして、新たに農林経済局を設けて、その局長の下に統計調査監を置くという形をとつておるわけであります。このすでに審議いたしました労働省その他も同様であつたわけでありますが、労働省に関して統計調査監の性格を野田行政管理庁長官にお伺いした際に、法律的な地位についての御説明が留保されております。これは農林省の統計調査監についても共通問題でありますから、統計調査監の性格について留保になつております御答弁を先ず伺つておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/16
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017・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 只今の御質問にお答えしますが、統計調査監は局長或いは官房長、或いは技監、その所属部の技監といいますか、局にありますれば局長を補佐いたしまして法律によつて明らかに定められた問題に関しまして局長を補佐してその仕事をやつて行く、こういう職分を持つておるものであります。統計調査監は、従つてその仕事の内容が統計調査のことをつかさどるというふうになつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/17
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018・三好始
○三好始君 先日の野田長官の御説明の際は、最初は統計調査監は専門的な、技術的な意味で統計調査という専門の部面だけを担当して、その部面で局長を補佐するに止まつて、事務的な面にまでは職務が及ばないような御答弁が行われたのであります。その後更に重ねてお尋ねいたしますというと、終りのほうの御答弁は、必らずしもそれには限らないような御答弁であつたのであります。先般の御質問を繰返すようになるかも分りませんが、改めて農林省の統計調査監についてその性格をお尋ねいたしたいのでありますが、農林省の新たに設けられる統計調査監は、第八条第二十三号から二十八号までに掲げる事務については、設置法上の権限及び責任を分担しておると考えてよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/18
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019・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 只今の問題につきましては、この前のときの御質問は、統計調査部長だつた場合と、統計調査監であつた場合との差をお尋ねになつたと記憶しておりますが、その際に、統計技術官というものは統計技術の仕事そのものをしつかりやつて行くんだ、その仕事をしつかり受持ちまして、そうして局長を補佐してしつかりやつて行くんだ、こういうことを申上げまして、部長であれば部の中に課が幾つかあるわけでありますが、そのことにつきまして全面的に仕事を引受けなければならん。例えば人事、予算の経理、それから労働争議の問題が起ればそういうことについて、それから厚生施設管理、そういうことを全部勿論統計調査のことも入るのでありますが、そういつたような庶務、雑務に属することも、統計調査に拘泥することなしに、一般的なそういうような問題も部長であれば全責任を以てそれに当らなければならんというふうになつておりますが、統計調査監の場合には統計調査という立体的な仕事について、これが局長を補佐してその仕事をつかさどるというふうにその問題を取扱つて行くというふうに考えておるのであつて、今の労働問題を管理するとか、或いは厚生施設管理をするとか、いろいろなそういうような問題はむしろ課長と、それから局長において主としてこれに当る。勿論統計調査に関連するのだから統計調査監の意見を聞いたり、又統計調査監のほうからいろいろな意見を述べたりすることは勿論あることであります。これは実質的に考えられるのであつて、統計調査そのものに対して深くこれをしつかりやつて行くということが統計調査監の主たる任務である、こういうふうな意味合いの御答弁を申上げたのであります。それで文句の表現があれでよく出ているかどうか、部であつたときの書き方と、監のときの書き方が少し紛らわしいのじやないかというような点がありまして、その点については法制的な意味で、あの表現でいいかどうかということについて十分研究したい、こういうように御答弁申上げたように記憶しているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/19
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020・三好始
○三好始君 それでは只今の御説明によりますというと、統計調査監は従来ありました統計調査部長の権限或いは任務の範囲は、本来の統計調査の事務に縮減されて、それに附随しておる雑務的なものは統計調査監の仕事から離れる、こういうふうに立案者の意思がきまつておると考えていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/20
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021・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 大体そういうような意味合いだと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/21
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022・三好始
○三好始君 曾つて農林省に統計調査局があつて、これを局の数を減らすという趣旨から改良局に加えられて統計調査部となる際に、相当本委員会においても、又恐らく農林省内部においても、これを改良局に属せしむべきか、或いは統計調査の仕事は改良局だけの仕事でなくて、全般に亘るのだからむしろ局をやめるという前提の上に立つのであれば官房に属せしめるのが適当なのではないか、こういう意見が行われたと記憶いたすのであります。今度の場合にも農林経済局に所属せしめたのでありますが、勿論これは農林経済関係だけでなく、農林省の外局全般に通ずる統計調査を担当することにもなりますので、こういう機構改革の際には農林経済局に所属せしめるのがいいか、別な方法を考えるのがいいかというのが恐らく一つの問題になるのではないかと思うのであります。私の考え方を率直に申しますというと、機械的に局の数を減らすとか、或いは部を整理するとかいう考え方よりは、もつと本質的に行政事務が合理的に能率的に運用できるように、余り数にこだわらないで、現在の統計調査部が擁しておる人員と事務の分量その他を考慮して、却つて統計調査局にしたほうが合理的な事務の運営ができるのではないかと、こんな感じがしておつたのでありますが、この点については農林省の立案者のほうではどういうふうにお考えになりましたか、一応御説明伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/22
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023・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) この統計調査部を官房に置かずに、農林経済局に入れたその経緯につきましては、私も実はよく存じておりません。ただ農林経済局はすでに御承知のごとく、従来の農政局のやつておりました仕事及び官房の取扱つておりました農林金融等の仕事を合せて、一つの経済的な面を首尾一貫した形で整備するという形になつたわけでありまして、それに統計調査の仕事が加わるわけであります。統計調査の仕事は御指摘のような一つの各般の農林関係全体に亘つておりまするので、これは考え方によれば官房につけたほうがいいという考え方も当然起ると思います。併し専らその内容を吟味して見ますというと、いずれかというと農林経済局に関連のある仕事のほうがボリユームが非常に多いのではないかというような点から考えますと、これはやはり経済局に所属せしめるのが妥当であるというような解釈になりまして、農林経済局を新たに創設するということになりましたときに、従来の改良局に入つておりました統計調査の仕事を挙げて農林経済局に入れるという形になつたわけであります。従来の改良局に入つておつたそのことが、これは農業改良その他の非常に仕事に関連があるわけでありますが、これ又いずれかというと改良局に入れて置くこともおかしいようなふうに見られておりまして、今度の経済局の中に入れたということは、まあその意味から行けばそう不自然ではない、むしろ農林経済局の仕事の基礎になるべき統計調査の仕事であるというような点から見れば、今度創設されます農林経済局というものは、統計調査という非常に基礎的な仕事を含めて非常に強力な局として、これは大いに日本の農林政策の推進に役立つようなことが期待できるのではないか、そういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/23
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024・三好始
○三好始君 くどいようでありますが、農林経済局に入れることが不自然でないというような消極的な意味よりは、むしろ独立の局にして積極的に統計調査の事務を円滑に運営して行くほうがいいのではないか、こういうお考えは全然起らなかつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/24
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025・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 三好さんの御主張のごとく、従来から実はこの統計調査の重要性というものが十分認められて参りまして、そうしてやつております仕事の内容、性格或いは又分量というふうなものから見ても、到底これは一つの部でやつて行くには余りに厖大であつて、これはむしろ統計調査局にしたほうがよろしいというような強い実は意見もあつたのでございます。併しこの新らしく局を作るというふうなことは、やはり我々の考えておりますできるだけ行政を簡素化しようとする建前から見れば、実は相当食違うわけでありまして、そういう点から従来もそういう内部の主張、或いは又外部からもいろいろ御要望があつたのでありますけれども、その点の事情は十分承知はしておりますけれども、一応現段階においてはまだ独立の局にするということはいろいろな面から困難であるというような点で、統計調査部という扱いにしたわけであります。併し御承知の通り統計調査部という一つの部にはしましたけれども、その扱いにつきましては実際の面では実はかなり独立性を持たせると申しますか、改良局の中におきましても実は統計調査部だけはそういつた特殊な性格というものを考慮して、或る程度の独立性を持たして統計調査の仕事は進めて参つたわけであります。その点はそういう局にしたほうがよろしいというような強い意見も今までかなりあつたことは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/25
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026・三好始
○三好始君 現在あります統計調査部は、農業改良局の中にあつて或る程度の独立性を持つておるということは、私も大体承知いたしておりますが、現在或る程度持つておる独立性は、今度改良局から統計調査部もなくなりまして、事務が農林経済局に移つて統計調査監というのが置かれるような形に変るに伴つて、その独立性はなくなつたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/26
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027・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 独立性ということでありますが、今までは御承知の通り改良局の一つの部として、どうしても首尾一貫した統計の事務を扱うためには、独立性を持たないとうまくやれないというような面もあつたわけです。このたびはいわゆる農林経済局という一つの局に入つて参りますが、農林経済局そのものの仕事が、いずれかというと統計調査を基礎としていろいろ農林の経済的な部門を全体としてやつて行くわけでありまして、まあ見方を変えて言えば、むしろ統計調査の仕事というものがそのところを得て、大いに基礎的な調査も十分活かされているという点においては、農林経済局の最も大きな仕事になるのではないか。従つて農業改良局の当時においては一つのどうしても或る独立性というものが必要であつたけれども、経済局ができますれば、むしろその中では最も大きな仕事であつて、あえて独立した形でなくても農林経済局のむしろ中枢機関としてこれは活かさるべきものではないかというように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/27
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028・三好始
○三好始君 統計調査局を置くことは実質的には望ましいけれども、行政簡素化の趣旨に合わないからというようなお話がさつきあつたように思うのでありますが、私の考え方から申しますと、形式的に局の数が一つや二つ減るという形で行政が簡素化されるのではなくして、むしろ行政簡素化は行政機構内部のより実質的な相互の関係なり、その他を合理化することで実現されねばならないと思うのであります。そういう点から申しますと、今度の統計調査部をめぐる改革にいたしましても、果して行政簡素化の趣旨に適うかどうかについても大いに疑問があります。
なお質さなければいけない点もあるのでありますが、長くなりますから一応この点は以上に止めまして、次に次長について一つお伺いいたしておきたいのであります。農林経済局、農地局にそれぞれ一人次長を置き、食糧局、林野局に次長それぞれ二人を置くことになつておるのでありますが、これは各省を通じて次長制度が全面的に採られる結果になつて来たことは、果して責任を明確にして行政事務が円滑に運営されるかどうかについて、むしろ今後の運用に待つて判定しなければいけない問題があるかとも思いますが、この法律案から受ける印象ではやや責任の明確という点に欠けるところがあるような感じがするのであります。そこでそれに関連してお伺いしたいのは、次長二人置かれる食糧局、林野局において、各次長の担当する権限なり任務は、二人の次長の間で明確に範囲が認定されて、担当する部門が違つて来るのかどうかということをお伺いいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/28
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029・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 次長の仕事は御承知の通り、局長を助けて局務を整理するというのでありますが、誠に何というか整理というので、掌理するのでないのですから、言葉の上から見ると実は私どももよく掴めないような気がしておつたのでありますが、いろいろだんだん情勢を見まして、従来部が監に変つたというだけの意味でもなしに、又部がなくなつたときに課長が大体の責任を以て、大体というか課長が専ら責任を持つわけでありますが、従来部でやつて参りましたのが、急に課長だけでやるといたしましても、局長のやります仕事に一々細かなことまで相談するというのは、なかなか事実上容易でないという点もあつて、課長と局長の間を適当に補佐するというか、助けて行かなければならんというような点から次長が置かれるということになつたと承知をしております。それで二人おるという場合はどうか、これは仕事の分量等に応じて一人でよかろうというところと、二人にしなければどうしても困難であろうというような点を考慮されて、従来外局でありました食糧庁、林野庁には二人という案になつておるのであります。この二人がどういうふうに仕事を分けるかということになりますと、それはこの法律そのものには明確でございません。でありますから、この設置法が通過いたしますれば農林省といたしましては適宜局部内で十分検討いたしました上で当然次長に対する仕事の分担というようなものをはつきりさせまして、太いに次長制度を活用して行きたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/29
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030・三好始
○三好始君 それでは現在のところ次長二人を置く予定の局の、次長の責任の分担といいますか、そういう点については具体的な案をまだお持ちでないということでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/30
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031・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/31
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032・三好始
○三好始君 野原政務次官は、次長制度について最初よく呑み込めなかつたような率直な述懐もありましたが、そういうふうに次長の性格はかなりはつきりしない点があります。次長二人置く場合の二人の権限、任務等の分担についても、まだ具体案を持つておらないというようなことで、私たちが次長制度に対して疑問を持つのは極めて当然だと言わなければいけないと思うのであります。これは更に他の委員からも御質疑があるだろうと思いますので次の問題に移ります。
現在の外局である食糧庁、林野庁を今度内局の食糧局、林野局にしたことは農林省設置法の改正案の最も重要な点をなしておると思うのでありますが、従来三つありました外局の中で水産庁だけが残つて食糧庁、林野庁は内局になつたというこの比較の問題はどういうふうに理解したらいいのですか、その点を先ずお伺いいたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/32
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033・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 私からお答えをいたします。農林省の外局の中で林野庁と食糧庁が内局になり、水産庁が外局として残るという、こういう点につきましては水産庁の所掌しております事務の性質等に鑑みまして、例えば食糧、林野というものは他の一般農林行政と切つても切れない、どうしても切れないというお説でございます。そういうものを尊重いたしまして、これは一体的にせらるべきもの、こういうわけで内局にいたしたわけでありますが、水産の場合につきましては御承知のように水産行政の主たる点は漁港と船にある、船舶と港でありましてそれからだんだんと本来の漁業が中心になつているというような関係からいたしまして、港と船とは関係が深い。そしてほかの農林行政とは比較的関係の薄い関連の薄い事業でありますので、これを外局として存置する。外局は御承知の通り独立性があるということにその特徴があるのでありますから、そういうふうにいたしたい。又議会の関係からいたしましても、農林委員会水産委員会、これは水産だけは議会でも初めから別に取扱つているという関係もありますし、又水産省を置けという殆んど参議院満場一致に近いようなものの運びをされたこともあり、かれこれ勘案いたしまして、水産庁はこれは外局として半独立な姿において存置するのを適当と認めた、こういうところに理由があるという点を御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/33
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034・三好始
○三好始君 食糧庁、林野庁はそれぞれ厖大な特別会計を擁しておりますし、人員の点から申しましても事務の分量の点から申しましても、相当大きな組織をなしておるわけでありますが、これは内局にせられるのに伴つてそうした事務が円滑に従来通り運営ができるのかどうか、やや疑問にも感ずるのであります。例えて申しますと人事、会計、こういつたような仕事は外局である場合と内局になる場合とで違つて来ると思うのでありますが、内局になることによつてそういう事務も官房が全面的に扱つて行くということは、果して実情に適しているかどうか、こういうことに一応の疑問を持つのでありますが、この点はどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/34
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035・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 林野庁や食糧庁は従来外局であつたのであります。この仕事の分量等から見ますと、御指摘のごとく水産庁の仕事よりははるかに仕事の分量等は多いのであります。従いまして仕事の分量等から行きますれば、この機構内容等はむしろ或る程度の整備された内容でないと仕事の円満な実行は困難であるというふうにも考えられるわけでありますが、このたびの行政簡素化に当りましては、原則的に外局でありましたのは、これは一応内局で行くという建前を政府としては取つたのであります。ただ特殊な例外だけが外局として認められるというような最終の決定になつたのでありまして、これまでの過程におきましては御指摘のような議論もかなり強くあつたことは事実でありますけれども、政府としましてはそういう方針で一応内局で行くという建前を取つた関係上、林野庁、食糧庁は内局にするという案で実は提案をしたわけであります。更に内局になりましても事業分量等は殆んど変りはございませんし、行います仕事も従来と何ら変つたことがないのでありますから、農林省としましてはその示された機構により与えられた責任を十分完成しなければならんという気持で考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/35
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036・和田博雄
○和田博雄君 委員長ちよつと関連して聞いておきたいことがあるのですが、よろしゆうございますか……、今の水産庁だけを外局にして残した理由で、野田君が国会関係で水産委員会も独立しているし、それから水産省の設置の要望があるということを言われたのですが、それは本当にそういう理由なんですか。若しそうだとするとこれは非常におかしなことになると思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/36
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037・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 私はその残されたという事実を言うのじやなしに、取扱つているということは両者の間において取扱うことにしていいという一つの事実があるということを申上げたのです。これは離していかんものなら、恐らく参議院でも殆んど全員が署名をして水産省を設くべしということにはならなかつたであろうというこの事実を申上げているのです。認識の問題なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/37
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038・和田博雄
○和田博雄君 事実であるけれども、一つの何か機構改革をやる上において、原則としては外局はすべて内局にするという原則を建てながら、農林省において三つそれぞれ重要な外局があるにかかわらず、水産庁だけを外局にしたという、そこにそれだけ大きなやはり理由が私はなければならんと思う。殊に今度の行政機構の改革を政府がやつている理由の一つとしては行政簡素化ということを挙げているわけなんですね。行政簡素化にしてもいろいろ聞きたいと思うのだが、そのプリンシプルというものは、外局を内局にすることによつてそれほど筋が通つていないのです。事務は同じようなことをやはりやつているのだし、そこで水産庁だけについて一体どういう理由でということをもう少しはつきりと一つ御説明願つておきたいと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/38
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039・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 今外局の問題ですが、さつきちよつと事務の分量が多いから外局にするというような、そういうことも一時或る時代にはあつたと思う。今度の行政機構改革については、事務の分量が多いから外局にするという観念を取つておらないわけであります。それで事務の分量が多いというと、例えば国税庁あたりでも事務の分量は随分多い。電波監理委員会でも随分多いのですが、これを事務の性質から分けよう、そうしてその事務に独立的な取扱いをするということはよろしいというようなものについて外局にする。それはどういうふうな意味かというと、原則的には審判的制度、これは本省が余り干渉しないほうがよろしいというような、独立性を持たしたほうがいいものを、審判的性質を持つものに干渉してはいけませんので、そういうものを原則として外局に存置するということにした。そういう点は理解して頂けると思いますが、水産庁については同じような行政庁じやないか。それが外局にこれだけ残すのはおかしいじやないか。これにつきましては仕事の内容性質に鑑みまして、これは何と言つてもほかの農林行政とは関係がやはり薄いということははつきり言えると思います。それから一つの仕事として独立に取扱つて行く、又独立に取扱つたほうがいいという、こういう見解から水産庁というものを外局という半独立の形体に残す、こういうふうに理解して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/39
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040・和田博雄
○和田博雄君 切り離して取扱うことができる、こういうわけですね。一口で言えば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/40
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041・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) できるし、仕事が離れておる。これは参議院でやられたこと、その事柄を言うのじやなしに、その事柄の底と言いますか、本に横たわつているそこからいろいろなものが出ている。水産委員会を別に作つてやつているとか、水産庁設置が満場一致で皆賛成しておられるという事実の下にあるものは何であるか。それはやはり水産と農林一般行政と相当離れて行くものであり、それはこう取扱うべきものだ、こう取扱つたほうがいいという、こういう事実ですね。その事実に基いて外局としておくのを適当と認める、こういうふうなことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/41
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042・和田博雄
○和田博雄君 まあそれは理由だけ聞いておきます。私は意見がありますが……。私は何といつても離れているというが、漁業と農民とそう切り離すことはできない、切り離すことのできるというのは大きな資本家漁業だと思う。労働者は皆農村人だ、だからそういうような根本に横たわつている事実の議論をやれば、これは自主的に私は違つた意見を持つておりますが、ただ今質問だから理由をはつきり一つお伺いしたかつただけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/42
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043・三好始
○三好始君 食糧庁、林野庁、それが外局である場合には内局と違つた或る程度の限られた範囲の独立性を持つておつたと思うのであります。又そうすることが厖大な事務を運営して行く上に合理的であると考えられて、外局の制度になつておつたと思うのであります。それが内局になるに伴つて、外局自体が限られた範囲で持つておつた独立性というのはなくなると了解していいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/43
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044・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) それは独立性の今のお話の意味でありますが、今度の御承知の、国家行政組織法では外局というものは本省に対して可なりの独立性を持つているわけであります。で内局になれば独立性は失われるということは間違いないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/44
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045・三好始
○三好始君 私はまあ聞いている範囲では食糧庁、林野庁それぞれ従来持つている或る程度の独立性を、今後も続けて行くような意思が農林省においておありになるように聞いているのでありますが、その点は事実かどうか伺つておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/45
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046・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) この行政機構が今回提案になりましたようなものにまだはつきりと確定を見る以前におきましては、農林省におきましては可なりそういつた問題について強い要望があつたということは事実でございます。その当時におきましては、外局というものの性格というふうなものにつきましても、我々はやはり外局のほうが仕事を、或る程度の独立制を持つたほうが仕事のボリユーム等から見ましてもふさわしいのではないか、又持つておつたほうがそれだけの仕事を掌理する上においては非常に円滑に事務などもうまく行くのではないかというふうに考えておつたわけなんでありますが、政府全体として各省との関連も考え、いろいろと行政簡素化の線で検討を加えました結果、従来の局は一応すべてこれは内局という建前で行くということになりましたので、農林省といたしましてはその線に副うてこの提案をしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/46
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047・三好始
○三好始君 食糧庁、林野庁等の事務の分量から言えば、外局として或る程度の独立性を持つている状態のほうが適当であるという考えのようでありますが、先ほど逐条的の御説明を伺つた際に、食糧局の事務は現在の食糧庁と同じである。又林野局の事務も現在の林野庁の事務と同じであるという御説明であつて、事務の分量が縮小されたとは伺つておらないのであります。そうしますというと、今の政務次官の考えておられる事務の分量から言えば、外局として或る程度の独立性を持つほうが適当であるという、その状態は変つておらない、こういうふうになるのでありまして、その点から申しましても政府当局自身、今度の外局を内局にするということについては、積極的な自信のおありでないということを示されたのじやないかというような感じがするのであります。なお具体的な問題については後ほどお伺いいたすことにしまして、最後に部制廃止に伴つて事務が却つて渋滞を来しはしないかという例を農地局の場合についてお伺いいたしたいのであります。
従来農地局にありました部を廃止することによつて、現在行われておる農地局の事務の組織的な、系統的な運営が或いは乱されるような結果になりはしないかという疑問を持つのでありますが、この点についての農林省の考え方を承わつておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/47
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048・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 部制のお話に入る前にちよつと申上げておきますが、私は先ほど外局としてのほうが仕事の分量等に対して仕事の能率を発揮せしめるに適当ではないかという強い意見があつたということを申上げたのでありますが、その後これを一般的に内局にしても、又はむしろ事務能率を下げることではない、首尾一貫した一つの方針として内局としても、十分にこの仕事はやつて行けるというような確信を持つて実はこの案を出したわけなんでありますが、ただ只今農地局の場合の部制の問題でありますが、農地局の場合は実は部長制度というものが従来非常に効果的であつたということは確かに言えると思います。例えば非常に合理的な制度であつた、それはおわかりと存じますが、従来計画部門と建設の部門とそれが一つの計画から見まして流れ作業的運営がなされておりまして、その間に非常に事務能率の上にも、新らしい行政の在り方としてまあ非常に仕事が流れ作業的に行われて来た。従来ややもすると、一つの課でもつて計画もすれば執行もするというようなことのために、いろいろと能率が上らなかつたとか、或いは又一つには弊害が伴つたというようなこともあつたのであります。そういう面では、あれだけの厖大な仕事がこういつた新らしい機構によつて非常に円滑に行つているということは、農地局の場合確かにあつたと私ども考えております。従つて今回部長制度は廃止になりまするが、従来考えられておりました流れ作業的な仕事、計画面と執行の部門というような面は、これは何らかの形で私ども考えたい、部長は勿論おりませんし、次長一名でありますので、従来の三人の部長の仕事をそれぞれ分担というわけには参らんのでありますが、局長の下に部長あり、優秀な課長もおりますが、その点は一つ機構的には次長はいなくても、非常に優秀な、優れた組織と申しますか、アイデアだけはどうしても残しておきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/48
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049・三好始
○三好始君 只今の御説明によりますというと、農地局の部長制度は事務の運営上非常に有効であつたということをお認めの上で、その長所を今後も残して行きたい、こういうことでありますが、その残し方については設置法の改正案には何ら窺い知ることができないのでありまして、そういう点から申しましても、今度の改正案に対して私たちは相当の疑問を持つのであります。部長制度に代わるものとしてできた、各局の次長制については、先ほど来伺つた御説明によつて決して釈然とするものではないのでありますが、ついでに一つ関連して伺いたいのは、農林経済局、農地局、食糧局、林野局にそれぞれ次長が置かれるのでありますが、改良局には全然次長が置かれないということになつております。改良局は統計調査部を離しますけれども、全国の厖大な組織としての、試験研究機関或いは改良普及事業を持つております。こういう改良局に限つて次長を置かないという案に落着いたのはどういう理由があつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/49
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050・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) ちよつと私参考に申上げたいのですが、次長はないほうが原則なんでございまして、あるのはいわゆる経過的にいろいろな事務の円滑な捌きをするために置いたのでありまして、農林当局がなぜ置かなかつたというのは、大体ないのが原則で、よその省を御覧になつてもわかりますが、あるほうがむしろ例外に属する、こういうふうに考えて頂くといいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/50
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051・三好始
○三好始君 あるほうが例外だと申しますが、今度の次長制度は、むしろ部の廃止せられたところに殆んど全面的に各省を通じ次長制度が登場して来ているのでありまして、これを例外というふうに理解するわけに行かないのであります。若し例外的に置いているとすれば、それ相当の理由があるから置いてあるのだということだといたしますというと、試験研究機関なり、改良普及事業にはその例外を認めるに足るだけの重要性を認めておらない。こういうことにもなりかねないのでありますが、その辺の事情はどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/51
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052・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 今現在は部が二つあつて、一つが調査研究、これは農林経済局に行くわけでありますが、あと一つの部がある。それがなくなつて、そこに次長を置いたらどうかという御意見に承わるのですが、行政簡素化の際でもあり、部がなくなつて代りに次長というような考え方になりますので、それはできるだけ局長なり課長なりを以てその仕事をしてやつて行きたい、こういうような全体的な簡素化の構想もありまするので、それに沿つてやつて行くという意味もあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/52
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053・三好始
○三好始君 これ以上押問答をしてもいたし方がありませんので、やめておきますが、ただ農林省だけでなくして、各省通じて次長制度が多く採られているのと考え合せまして、農林省の改良局に限つて試験研究機関と、普及事業、これはいずれも相当厖大な、而も全国的に組織を持つているのでありますが、そういうものを擁しておりながら、全然部長に代る制度を考慮しなかつたということは、政府の態度が試験研究関係或いは改良普及事業に対して冷淡であつたという印象を否定できないのでありまして、相当そういう態度そのものに疑問があるということだけを申上げておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/53
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054・楠見義男
○楠見義男君 農林省設置法関係につきまして、只今三好委員から概括的な御質問かあつたのでありますが、私は只今の三好君と政府委員の間における質疑に関連しまして、別の観点から若干伺つて見たいと思うのであります。従つて三好委員が御質疑になつた順序に従つて、別の難点から伺いたいと思います。最初に部制の問題について御質問があつたのでありますが、この部制の問題については三好委員も言われたように、先般来各省の設置法の改正案を審議する場合に、従来より問題になつた点でありますが、その中の一つとして、統計調査部の問題であります。統計調査部の問題については、私どもの理解しているところでは、野田大臣と、それから行政管理庁なり或いはその他の各省の事務当局といいますか、政府側といいますか、その間における説明は必ずしも完全一体を成しているようなふうには理解されないのでありますが、一応野田大臣の御説明を基礎にして質疑をいたしたいと思います。野田大臣は先般も、例えば農林省の統計調査部、或いはその前の統計調査局の場合について具体的に近藤康男君の例を引用されまして、むしろああいうような人よりは局長のような総括的な雑務に追われることなしに、むしろ専門的な立場からやつたほうがいい。従つてそういう観点から統計調査監というのは統計調査に関する具体的なアドバイザーであると同時に、その技術についての全般的な責任を取る必要があるのであります。従つて部長或いは局長というよりも、監のほうがいいのだと、こういうようなふうの趣旨の御説明があつたと思うのであります。そこでこれは政務次官にお伺いしたいと思うのでありますが、私どもはほかの統計もそうでありましようが、なかんずく農林統計については、従来のようないわゆる標識調査とか、或いは申告調査とかというような極めて創作的な統計調査でなしに、最近は近代統計学を基礎にした、いわゆるサンプリングの方法で以て相当これは進んだ行き方でやつていると思うのであります。これからの、先般も行政整理の際に問題になりましたが、国際会議に参加してやる場合にも、現在のこういうような近代的な統計調査方式をより進めて行き、進めて行けば大体それでやつて行けるんじやないか。こういうふうに思つているのでありますが、野田大臣が言われるように、統計調査について統計調査監はどういうことを農林統計についてやる必要があるだろうか。これからの技術的な面において恐らく私はむしろそういうふうに進んだ現在の統計調査方式で進んでいる場合には、一万数千名に及ぶこの中央地方を通じた人々を組織的に運営して行くということが、現在の農林統計においては一番大事なことではないかと思うのであります。ところがそういう組織的な、この前にも申上げたのでありますが、一体的に、組織的にこれを運営して行くということが農林統計においては一番大事だと思つているのに、そういうことはこれはまあ私の意見でありますが、そういうことでなしに、単に技術的の面においてやつて行こう、而もその技術的の面においてはどういうことを予想されているのか、この点について立案者と言いますか、原案者側の農林省の御説明を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/54
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055・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 統計調査部の仕事は、御指摘のごとく、非常に重要であつて、而もその調査は特に国際的な立場もありまして、国際会議等に非常に重要な資料を提供する役割も、又一面に果しているわけでありまして、又日本における農業の進歩と発展のためには、飽くまでも正しい統計が基礎となつて、初めて我々の考えているような農村の振興という、自立、経済達成の面における農林の発展が期せられるという、その基礎をなすものであるという点においては、統計の仕事は今後もますますその内容を整備されて行くべきものであるというふうに考えているのでありまして、その機構におきましても非常に厖大な人員を擁しておりまして、それあるがためにこそ従来農業改良局の一つの中に、その中に入つておりましたけれども、先ほど申しましたような、或る程度の独立性を持たせるほうが、その統計の仕事をまとめて行く上に非常に効果的であるという点で、部という形ではありましたが、実際の扱い方としましては半ば独立したような形で、部内では扱つて参つたわけであります。今回それが先ほども三好さんの御質問にお答えしたのでありますが、経済局の重要な部門として一緒になつているわけであります。その際における統計調査監の役割というものにつきましては、一応ここに今回の法律では御八条の二十三号から二十八号までに挙げる事務を掌理するということになつておりまして、人事或いは予算等の問題については何らはつきりはしておらないのであります。併し先ほども野田長官からも御説明がありましたように、局長のよき相談役として、それらの仕事についても当然その方面に対して練達の士であり、今まで扱つておつた関係もありまするので、当然統計調査監の協力を得、統計調査監の意見を聞いてやるようなことにはなると思うのでありますが、一応の建前としましては、二十三号から二十八号までの事務を掌理するということにしているわけであります。これを一つの経過的措置とでも申しますか、漸次新らしい機構の中にとけ込んでしまつた際においては、まあおのずからすべての事務が農林経済局として非常に円滑に行くことと思うのであります。恐らくここ当分の間は或る程度統計調査監が全体の仕事を或る程度見てもらわなければならんということの扱いにしなければ、円滑に行かないのではないか、その点は別に法律では規定がありませんが、農林省の扱いとしましては、この案が通りましたときにはもつと効果のあるような形で大臣において部内の仕事の調整を考えたい。又そうしなければならんじやないか、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/55
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056・楠見義男
○楠見義男君 只今の政務次官の御答弁を伺つておりますと、冒頭に私が申上げたように、従来各省のそれぞれの責任者が御答弁、お考えになつていることと、野田国務大臣がお考えになつていることとが違うと思うのであります。それは先般の厚生省或いは労働省における場合にも具体的の事例について、例えば従来は掌るという言葉が使われているのが、今回は掌理という言葉になつている。
〔委員長退席、理事鈴木直人君委員長席に着く〕
それはどう違うかというと、それは同じだと、ところがその上に言葉に従来は命を受けてという言葉がないが、今回の改正案には命を受けてという言葉がある。それは併し実質的には殆んど変らない。最初の言葉としての統計調査部というのと、統計調査監というのとの違いだけだ、そこで一番大きな問題として述べられていることは、只今の野田大臣の答弁として御披露したように、従来の一体的に、組織的にやつているという仕事は、これは実はその面から見ればバラバラにするのだ、従つて庶務、会計、人事のようなものは、これは従来の一体的に運営しておつたのとは違つて、他の部面でそれは取扱うことになるのだ、従つて純然たる統計調査の技術的な面に主眼が置かれる、こういう答弁であつたのでありますが、只今の答弁を伺うと、疑問はこれはいよいよ永解しないのでありますが、今のお言葉の中にあつたように、局長なり或いは次官のよき相談役としてやつて行くということであれば、一般の次長とちつとも変らない。ところがそうでなしに、野田大臣の言つておられるのは、当面の主管大臣として述べられておるのは、そういうよき相談役というのじやなしに、次長のような包括的なものでなしに、統計技術について考えておられる。そこで私はさつき申上げたように、現在の農林統計というものは、組織的に一体的にやるのが最も必要なことなんで、そいつをばらばらにして、技術的に何をアドヴアイスするということに重点を置いておられるのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/56
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057・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) それじや私から申上げますが、この部長或いは監というものの解釈といいますか、説明に私或いは行政管理庁の申上げるところと各省の申上げるところと必ずしも一致しない点があるのじやないかという点につきましては、政府部内の意見を統一いたしまして申上げる機会があると思います。それから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/57
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058・楠見義男
○楠見義男君 それで私は一応の主管大臣であるところの野田大臣の御説明を前提にして伺つておるのです。だから一応政府部内では統一されたものと、こう見て農林省はどういうふうに考えておられるのか、こういう質問を農林省にしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/58
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059・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 行政管理庁あたり、或いはこの立案に携わつて参り、初めの原案の立案に携わつて来ておる者と、各省の所掌されているかたとの間の、この考え方の完全なる一致という点は、まだその完全に一致しているというところへ認識が来てない部分もあり得ると思います。そういう点につきましては、だんだんこうして話をしておると、だんだんどなた様も私の言うことはよくわかられると思うのですが、こいつはもつとはつきりさせまして、御迷惑にならないようにはつきりさせます。そこで御迷惑を少いようにいたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/59
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060・楠見義男
○楠見義男君 それじや統計調査部の関係はいずれ又そういうような統一された御意見ができた場合に、その統一された御意見を本にして改めて伺うことにします。
次は、同じく部制の問題で、競馬関係のことについて伺いますが、競馬はこれは御承知のように国営競馬であつて、一種の公共企業体のようなものなんですね。ところが従つてそういう意味から従来は農林省の畜産局の中にありますけれども、建物も全然畜産局と違つたところにあつて、そしてまあ一体的に公共企業体のような運営をしておるわけなんです。ところがこれもまあ統計調査部のほうが統一されればそれによつてやるわけですが、野田大臣が考えておられるような行き方にした場合には、これ又一つの公共企業体のようなものがばらばらになつてしまう。こういう場合に競馬監というようなあいまい模糊たるものを設けて競馬運営が一体やつて行けるのかどうかということについて、私は非常に疑問を持つのでありますが、この点についてのお考えはどうお考えでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/60
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061・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 競馬監は今回の設置法によりまして、第十一条の第十一号即ち「国営競馬を実施し、及び地方競馬の指導監督を行うこと。」それから「国営競馬事業特別会計の経理を行うこと。」という二つの仕事を掌理するわけでありまして、従つて専ら国営競馬及び地方競馬の事務を担当するわけなんであります。で、競馬に関しましては、これは私は差支えないものであると、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/61
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062・楠見義男
○楠見義男君 そうすると、競馬監というものと競場部という、部長なり競馬部というものと違えた結果は、どういうことなんでしようか。名前だけを変えたことなんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/62
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063・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 従来の競馬部長と大体同じ仕事をするわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/63
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064・楠見義男
○楠見義男君 これ以上は意見になりますから、競場関係はこの程度にいたします。
次に農地局関係の部制について申上げます。この点については、私は丁度三年前における参議院の内閣委員会及び本会議における状況を思い出すのでありますが、当時開拓局でありましたが、政府は部制をやめる案を原案としてお出しになつたのであります。ところがその原案をこの内閣委員会委員のかたがたが、今日大分変つておられますが、内閣委員会においては、政府の原案を一応多数を以て是認されたような結果になつたのでありますが、併し参議院の全体の意向としては、むしろ部制を設けたほうが却つて行政事務の能率は図られ、又合理的な運営が期せられるということで、ここにおられる三好委員が提案せられまして、本会議において修正されて、そして部制が設けられたのであります。先ほど政務次官のお話を承わつておりますと、全体として参議院が修正したその考え方が過ちでなかつたということが裏付けされて、提案者である三好委員を初めとして、我々その修正案に賛成した者としては、非常に満足の意を表するわけなんでありますが、即ちそれは今の政務次官のお言葉をかりて言えば流れ作業的に、近代行政運営の妙味を発揮するようなふうに運営されたと、こういうことで、我々が修正をいたしましたのも実はそういうことを考えてやつたわけで、それが当つておつたことを喜ぶのでありますが、ところが折角流れ作業的に、又は近代行政運営の上から言つて、非常にいい長所を発揮した、若し欠点があつたとすれば、その欠点をお示し頂きたいのでありますが、欠点がなしに、仮に欠点がなく長所のみが運営の上において発揮できたというものを、この際何を苦しんで廃止しなければならないのか、今の御答弁によつてもそれに代るものを考えたいということでありましたが、折角いいものをやめて、こうやつて原案としてお出しになる以上は、具体的にそれに代る案といいますか、考え方をお示しになつて然るべきだと思うのであります。その具体的な方法等についてもお示しがないということは、私はどうかと思うのでありますが、この点についてもう一度お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/64
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065・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 私ちよつと参考に申上げたいのでありますが、行政事務の運営の方法といたしまして、このセクシヨンを分ける場合に、この同じところで一つの事項を取扱つてそこで企画もし、企画立案して同時に実行するということがいいか、或いは企画立案のところと、実行の部面と横にわけるほうがいいかということがあるわけでありますが、これは行政機構全体としてあるわけであります。それにつきましては、先ほど農地局については企画立案するところと、実行というところにわけて、流れ作業にやればいいという点を政務次官のかたは主張しておられましたが、私はほかのところでもそういうことはあると思います。それとその部というものとの直接の関連は必ずしも私はないと思うのであります。ただそういう運営方式がいいということに特に重点を置かれたのじやないかと思いますが、この点につきましては、この行政機構改革後直ちに行政審議会が設けられまして、今仕事の取扱い方は縦割り横割り、連絡、こういうことにつきましては、その実態に即しまして、科学的に各国の研究もありますから、そういうものを採入れましてよく検討して、最良の制度を研究いたしまして、第二次の行政機構改革として、議会で御審議願いたい。こういうのがまあ政府の考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/65
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066・楠見義男
○楠見義男君 農林省から御答弁がないのですが、それではこの点について、農林省でも野田大臣でもいずれでも結構でありますから、答弁のできるかたから御答弁頂きたいのであります。
それは野田大臣が別にお与りになつておる建設省の今回の改正案を見ましても、官房のほかに計画局、河川、道路、住宅、営繕というようなふうに、一つの計画局というものをお持ちになつておる。私はなぜ農地局についてこういうことを言うかというと、農地局の予算というものは、大体建設省一省の、この建設省の五二%以上を占めておるのであります。各省の予算と比較いたしましても、例えばまあこれは法務府、刑務所関係から全部ありますが、法務府の場合、文部省、これは公立学校を含んでおりますが、これと殆んど一緒であります。労働省の場合、建設省との関係は今申しました通り、従つて事務分量から行けば、本来建設省の一官房五局の五二%以上を占めるような大きな事業分量を持ち、又一面においては公共事業における行政のほかに、農地改革なり或いは開拓行政なり、未墾地の土地の問題、その他優に一つの省として、或いは現在ある他の省の倍にも近いような仕事をやつておるのであります。従つてこういうような厖大な業務をやつて行く場合に、農地関係の現在の管理の関係、それから公共事業、非公共事業についてのこの計画及び建設ということは、本来ならばそれぞれ一局ずつあつてもいいような仕事だと私は思うのであります。そこで先ほど野原政務次官からも答弁せられたように、こういうような厖大な作業をやつて行く場合に、これをてんでんばらばらに、或いはそれを総括するのに一局長とか、或いは一次長とか、そういう特に次長になりますと、局長と殆んど変らないような地位の者がそこで総括的にやるなんかということは、実際問題としては、私は却つて行政運営を不十分にさせるのじやないか。本来これは私の個人の考えでありますが、部の問題とか、或いは課の問題とかいうものは便宜の問題であつて、如何にすれば行政運営の能率が上げられるかということが主眼となるべきであつて、中二階とか何とかいうような私は問題じやないと思うのであります。これは野田大臣も行政の衝にお当りになつておられたのだからよくおわかりだと思うのであります。従つてそういう意味からすれば、むしろ具体的に計画部門とか或いは建設部門とか、或いは管理部門とか、丁度建設省でやつておつたようなことをやつたらいいのじやないか。而もそれが非常によかつたということを認めておるに拘わらず、それを止めようという場合には、それに代るそれ以上の案をお示しになつて、そういうような原案を実施せられて然るべきじやないか、こういう意見を持つのでありますが、その点について御所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/66
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067・野田卯一
○国務大臣(野田卯一君) 今の楠見委員の御意見ですが、これは誠に私考えなければならんと思うのでありまして、私も予算を取扱つて来た関係もありますが、金額によつて機構の規模をきめますと、なかなか可哀想な役所ができるのでありまして、農林省のごとく金をどんどんお使いになる役所はよろしうございますけれども、金を使わぬ役所がたくさんあります。文部省なんかでも余り金を使いません。法務府も金に関係がない。そういう役所が随分多いのであります。そういうところは部局が縮められてしまう。金だけで行くということは非常に危険だと思うのです。それですから楠見委員もそういう飛び離れたところの比較でなくて、建設省の比較をお出しになつたのだと思いますが、建設省の仕事と農地局の仕事とは可なり関係が深いわけです。そこでまあこれは衆議院で同じようなことをお聞きになつたかたがあつたのですが、数字というのは取り方によつていろいろ取れるわけです。ですから私は数字のことは自分で専門ですから、取り方によつてどうでも比較ができるのでありまして、簡単に数字だけでも申上げられないのでありますが、それから建設省の数字が出ましたので御参考までに申上げますが、建設省の数字の大部分は河川局です。河川局だけの数字を取りますと、行政管理部で調べたものでは、農地局より大きくなつている。河川局一局の数字が農地局より大きくなつているということを私は聞いている。これはどういう取り方をしたのか知りません。普通の予算から取つたのだろうと思いますが、金額だけですぐに云々すること簡単にできないと思います。金の使い方でも、例えば工事をやる場合でも、直轄工事の場合と補助工事の場合と、自分で仕事をやるということならたくさん人が要りますが、補助金を出すというなら簡単に行く。直轄工事でも自分で人を傭つてやる、請負師を相当使つて行くということになりましても非常に要る数が違つて来る。ですからいろいろな点を深く考えませんと、数字だけでもなかなか私は却つて危険な場合が、判断を誤る場合があるのではないか、こういうわけで、私は非常に数字が好きですが、お話のような点については十分権衡をとつて私建設大臣として極力人間を減らせ、そうして少人数で能率を上げろということでやつている。少くも賛肉を付けない。民間でやれるものは民間にやらせる。役所でやれるものだけ役所でやれということを現にやつている。民間のものを役所でやるということになれば、仕事は厖大になります。民間のものは民間でやらせる。或いは頼んで来るときやつてやるということだけでも人間はうんと変つて来る。ですから私の方針としては、民間でできるものは成るべく民間でやつて、人を殖やすなという方針で実行しているということを参考に申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/67
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068・楠見義男
○楠見義男君 数字の点で、金額だけを云々という問題は、これは野田大臣の言われた通り私も数字は持つています。具体的に事業分量がどうかという、又実際の仕事のやり方がどうかということが問題で、従つてそういう意味から一番似通つている建設省の例を取つたわけでありますが、これもこれ以上やつていますと時間が掛かりますから別の機会に又譲りたいと思います。
最後に部の問題で、改良局で、これも三好委員から御質問になつたのでありますが、そのほうは試験研究部門というものと、それからそれを実際の改良普及の実践面に移して行くというこの二つの部門が、一つずつ集団的になつて非常にうまく、これこそ政務次官の言葉を借りて言えば流れ作業的に、又計画的に、科学的に非常にうまく行つておつたと思うのであります。従つてこの点について、部制が廃止されるという場合に、これは又これに代る具体的な、従来の長所を生かして行くような行き方を御提案になつて然るべきだと思うのでありますが、この点についてはどういうふうにお考えになつておりましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/68
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069・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 農業改良局には従来御承知のごとく統計調査部のほうは別といたしまして、研究の部門、研究部と、それから研究の成果を普及徹底させて実行に移す段階の仕事を担当している普及部と、二つの部があつたわけです。これが試験研究機関の成果を直ちに農業の技術の進歩と発展の上に活かすという普及の部門とで、恐らく従来と違つた非常に新らしい試みとして、日本農業の民主化と近代化に非常な効果があつたと私どもは考えているのであります。将来もやはり農業改良の仕事というのはやはり飽くまでも研究の部門は、試験研究等の地味な部門も、又これを単なる研究の成果としてしまつておかずに、すぐにその成果を挙げて農村に周知徹底させて、実行に移して行くというような普及の仕事とは、これが緊密に行われて始めて農業改良局たるの仕事が、農業改良局の存在する意義が発揮できると考えておるのでございます。この部制をなぜ置かなかつたかという問題になりますと、これはいろいろと議論もありますが、内局には部制は原則として置かないという建前を取りまして、専ら課長をおいて、将来課の仕事として、それらの仕事を十分やつて行く、局長の下においてやつて行けばよろしいという建前を取つたのであります。ただそれに対してこの際二人も部長があつたのに、一人の部長も置かなかつたのは他に比べて見てどうかというような御議論もあろうかと思います。その点につきましても、農林省の設置法においては、改良局の分は次長制などを置かなくても十分にやつて行かなくてはならぬということで、一応部長は置かないということに決定をいたしまして、この案を出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/69
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070・楠見義男
○楠見義男君 私は次長のようなあいまい模糊たるものはむしろできれば置かんほうがいいと思うのです。それよりもはつきりとそれぞれの部門を一体的にやつて行く部というもののほうがいいのではないか、その部の上に局長が各部の総合調整をやつて行く、一応部で欲したものをやつて行くということが、十課以上の課を抱えておる局だとか、或いは仕事の性質が根本的には違つている、違つているが併しその間に調整を取らなければならない、それぞれの部門における調整をする必要があるとかいうような、いろいろの関係、観点からそういう分課が行われるわけでありますが、私はここで一番、これは多少意見になりますが、農林行政を今後推進して行く上において一番大事なものは何かというと、その基礎数字を明らかにする統計調査の仕事、私はかねて言つておるのでありますが、若し農林省に一番最後まで残る仕事は何であろうかということを言われれば、それはパブリツク・サービスとしての、又正確な一般人の経済活動の基準になる統計調査だと思うのであります。同時にもう一つの問題は、農林行政を末端の五百万或いは六百万の農家にまで及ぼして行く場合の一番大事な問題は何かというと、これは改良普及事業だと思うのであります。ところがそういうような一番大事な面における農林省の今回の行政機構改革における配慮というものが、非常に欠けておると言いましようか、或いは無神経に近いような考え方に対して、私どもは非常に残念に思うのでありますが、これは意見になりますからこれ以上は申しません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/70
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071・鈴木直人
○理事(鈴木直人君) それでは本日の内閣委員会はこれを以て終りにいたします。
午後零時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314889X03219520529/71
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