1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年四月十四日(月曜日)
午後一時四十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 羽生 三七君
理事
加賀 操君
山崎 恒君
岡村文四郎君
委員
瀧井治三郎君
宮本 邦彦君
片柳 眞吉君
三浦 辰雄君
小林 孝平君
三橋八次郎君
衆議院議員
宇野秀次郎君
政府委員
農林政務次官 野原 正勝君
林野庁長官 横川 信夫君
事務局側
常任委員会專門
員 安楽城敏男君
常任委員会專門
員 中田 吉雄君
説明員
林野庁林政課長 臼井 俊郎君
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本日の会議に付した事件
○農業災害補償法の一部を改正する法
律案(内閣送付)
○農業災害補償法臨時特例法案(内閣
送付)
○農業共済基金法案(内閣送付)
○森林法等の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
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001・羽生三七
○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。
本週の議事日程は、お手許にお配りいたしたような順序によつて行いたいと思いますので、御了承をお願いいたします。
本日の議事日程は、最初に農業災害補償法の一部を改正する法律案並びに農業災害補償法臨時特例法案、なお農業共済基金法案、以上三案につきまして、政府委員より提案理由の説明を求めたいと思います。最初に農業災害補償法の一部を改正する法律案から御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/1
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002・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。
第一に改正いたしたい点は、共済掛金の一部を国庫が負担する制度に関してでございますが、農業災害補償法第十二條によりますと水稲、陸稻、麦の農作物共済の共済掛金の一部を農業共済再保険特別会計に繰り入れて負担いたしますと共に、この負担金を食糧の売渡価格の中に織り込みまして消費者に負担させるように定めているのでございますが、家計費への影響等を考慮いたしまして、農業災害補償制度施行以来毎年これに対する臨時措置としてこの規定の適用を除外する法律を制定して参つたのでございます。従いましてこの負担金は、一応食糧管理特別会計が負担いたしますが、その財源としては、一般会計からの繰入金によることとし、実際上は消費者負担は行われなかつたのでございます。この点をふりかえり、又今後の国民経済等を勘案いたしますときに、農作物共済のこの掛金の負担を、農業災害補償制度上国庫が負担する建前として、これを恒久化する措置を講じたいのであります。
又家畜共済及び蚕繭共済の掛金の一部は、農業災害補償法第十三條の二、第十三條の三の規定が、年度を限つて国庫が負担することになつておりますので、毎年度ことにこの年度を延長する措置を講じて参つたのでございますが、制度の趣旨に鑑みまして、両共済にかかるこの国庫負担の制度につきましても、同様恒久化の措置を講じたいのであります。
第二に改正いたしたい点は、農業共済団体の運営に関してでございますが、現在農業協同組合の役員の選挙は、総会でこれを行う建前になつておりますが、農村の実情に即しまして、投票所を村内の数カ所に設けまして行うこともできるように改めることが適当であろうと考えるのであります。又共済団体の役員の任期は、農業災害補償法第三十二條によりますと、一年を原則とし、定款で別に定めるときは、二年以内ということになつておるのでありますが、過去の経験に照してみましても、災害補償事業は極めて複雑かつ技術的であります関係上、役員が業務に習熟し、その手腕を十分発揮するためには、任期を三年以内とすることが適当であろうと考えるのであります。このような点につきまして必要な改正の措置を講じたいのであります。
第三に改正いたしたい点は、農業共済団体に対する監督検査に関してございますが、農業災害補償法第七十九條の規定によりますと、共済団体の業務又は会計の検査は、組合員の請求による場合、又は法令等に違反する疑いがあるときに行われるのでありますが、この制度の性格からみまして、業務又は会計が適正に行われているかどうかを知るために、随時検査を行うことが制度の健全な運営を図る所以でもあると考えるわけでございます。
以上の通りでありまして、何卒愼重審議の上速やかに御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
次に農業災害補償法臨時特例法案につきまして、その提案理由を御説明いたします。
農業災害補償法におきましては、水稻、麦の農作物共済は、各耕地一筆ごとに引受け、各一筆ごとに三割以上の被害があつた場合に補償する建前になつておるのでありますが、これを農家全体としてみますと、平年作程度の收穫の場合でも、一部の耕地が三割以上の被害を受けたため共済金の支拂を受ける場合がある反面に、病虫害等により全体として相当の被害を受けている場合でも、各一筆ごとの被害がそれぞれ三割以下のために共済金の支拂を受けられない場合もあるのであります。更に現在は、共済金額は町村毎に一律に定められているために、生産力の高い耕地も、生産力の低い耕地も被害程度が同一であれば同一金額が支拂われるのでありましてこのような点は、一筆單位の共済のもたらす不合理であると考えるのであります。従いまして将来はこれを農家單位に引受け、農家單位に補償する共済の方法にいたしますことが、制度の趣旨に鑑みまして必要ではないかと考えるわけであります。
この法律案の内容は、この点に鑑みまして、水稻又は麦にかかる農作物共済を行う全国の農業共済組合の中から、一定の基準の下に約五パーセントほどの組合を選定いたしまして、この組合について耕地一筆單位の共済と異なるいわゆる農家單位の共済を一定期間試験的に実施させ、この実施成績をみまして、農業災害補償制度の根本的な改善を図ろうとするものであります。
試験的な農家單位共済の方法といたしまして、水稻及び麦につきそれぞれ收穫物の石当り価格の八〇パーセントに相当する「石当り共済金額」を定め、この行当り共済金額に農家の平均收量の八〇パーセントを乘じた金額を、各農家の共済金額とし、耕地ごとの減收量を農家ごとにすべて合計したものが、その農家の平均收量の二割以上となつた場合に、石当共済金額に、その二割以上となつた收量を乘じた金額を補償することといたします。一方共済掛金は、農家單位共済を行う場合には、支拂が減少すると予想されますが、この点の資料がございませんので、組合單位では一応現行通りの掛金額を積み、現行通りの保険料を連合会に納めることとし、この点の相対的な負担の軽減を図る意味合と、この試験的実施を奬励する意味合におきまして、農業共済保險特別会計から農家負担掛金の二分の一に相当する額の補助金を支出致します。同時に共済掛金の額が、農家單位共済に適当であるかどうかが不明なことに関連いたしまして会計を区分し、実験期間中に農家單位共済から生じた剰余金は実験を終了したときにこれを拂い戻すことといたします。
この法律案の提出理由及び内容は以上の通りであります。何卒愼重御審議の上速やかに御賛同あらんことをお願い申上げます。
引続きまして農業共済基金法案の提案理由を御説明申上げます。
農業災害補償制度は、御承知の如く長期均衡の観念を基礎として成立している制度でありまして、料率の決定が如何に適正でありましても、短期間を採りますならば、当該年度の保險料收入以上に保險金の支拂を要する事態が当然発生するわけであります。此の短期的な不足金に対する資金の融通は、この制度運営上不可欠の措置でありまして、災害発生の都度これに対する応急対策を講ずるにとどまらず、制度的にも恒久対策として解決さるべき問題と考えます。幸にして国の再保險金支拂につきましては、先般再保險特別会計法の改正によりまして、基金勘定が設置せられたわけでありますが、共済組合連合会につきましては、その団体の性格上、受信能力、金利負担能力が極めて乏しいにもかかわらず、従来これら資金供給のための制度が存在せず、年々不足金の発生の都度その資金調達に困難を経験し、しかも罹災農民に対する共済金の支拂が極めて遅延し、本制度の円滑なる運営に重大な支障となつていた次第であります。
そこで今回「農業共済基金」を設立しまして、特別会計における基金勘定と相呼応して、連合会に保險金支拂のための準備基金を設け、罹災農家に対する共済金の迅速且つ円滑な支拂を制度的に保証したいと云うのが、今回この法案を提出いたしました主目的でございます。
次に法案の主要点を御説明いたしますと、第一に出資金であります。基金の出資金は三十億円と予定しているのでありますが、勿論災害の発生は不測の事態でございまして、此の三十億円で所要資金のすべてを充足し得ない場合も考えられるわけでございます。
併し他面不測の事態を予想して、多額の資金を長期間寝かして置くことは、資金の効率及び農家の負担の点等から考えまして必しも妥当と考えられませんので、出資金といたしましては、当面の必要限度の三十億円にとどめまして、爾後必要の場合には、財政資金の導入等によりまして本基金の運営に万遺憾なきを期したい所存であります。この基金の出資金は、さきにも述べましたごとく、国が法律によつて、災害補償を強制しております関係上、補償体系の一環として国がその責任のすべてを負担すべきものとも考えられますが、他面国の財政の現状並びに連合会が基金制度の受益者たる地位にも鑑みまして、政府と連合会の半額ずつの共同出資としたわけであります。勿論出資金の拂込みの時期方法について農家の負担を考慮して、五ケ年以内において分轄拂込の措置を講ずると共に、農家が共済組合を脱退する場合には、その醵出金の金額を拂い戻すことにいたしております。
次に基金の運用についてでありますが、基金の性格及び国庫出資金の関係からしまして、相当の行政的監督を必要といたしますが、他面基金の会員である連合会の方々の創意によりまして、民主的運営を図りたい所存でありまして、出資金の配分につきましても、抽象的基準を掲げるにとどめると共に設立、管理等においても社団的な取扱いをいたしております。
以上が此の法案の目的及びその概要でございまして、慎重御審議の上、可決あらんことを御願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/2
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003・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 只今説明を求めました三案につきましては、質疑は後日に讓ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/3
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004・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 次に森林法等の一部を改正する法律案について質疑をお願いいたしたいと思います。なお提案理由を承わつてから大分日も経ちますので、主要な点についていま一度説明を求めまして、それから質疑に入つて頂くことにいたします。なお本日は提案者である衆議院議員のかたが都合で欠席されておりますので、便宜政府委員のかたから御説明を願いますので、御了承をお願いいたします。
それでは林政課長から逐條的に簡單な説明があるそうでありますから、お聞き取り願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/4
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005・臼井俊郎
○説明員(臼井俊郎君) 逐條的に主なる條文を御説明申上げます。一番初めは第八條の関係でございまして、これは森林区実施計画を定めます期日を約一カ月繰下げることにいたしたいという関係でございます。新旧対照の法律がお手許にお配りしてあると思いますので、それを御覧になつて頂きますとわかり易いと思います。
それからその次は、十三條は條文の整理でございます。第十六條の伐採の許可の関係の規定でございますが、これは條文が大分たくさん動いている恰好になつておりますが、実質的な中味のございますのは、今までは年一回年度当初に伐り始めます前に許可をいたす関係になつておりましたのを、許可の申請を受付けまして許可をいたしますと、余剰がある場合があるのでございまして、そういう場合には許可限度に達しますまで、もう一度六月に申請をしてもらいまして、許可をいたすようにいたしたい。こういう考え方でございます。従いまして許可限度まで当初の許可が下りてしまつたような場合には、この規定は適用にならないことになります。六月と二度になりましても、許可の限度に変りはございませんわけでございます。
それから次は十八條の伐採の例外、一応伐採は許可が要りますが、例外の規定でございまして、一つは第一項の緊急の用に供する必要がある場合には、現在は市町村長の許可を受けて伐ることになつておりますのを、緊急の場合の性質上、許可というのは適当でないと考えまして、一応許可を受けないで伐りまして、伐りましたあと伐りましたものが二十日以内に都道府県知事に届出をする、そういう仕組に直したわけでございます。
それからあとは條文の整理が少しございまして、二十一條の火入のところでございますが、これは国有林野又はこれに近接いたしました林野について火入をいたします場合に、市町村長が許可をする事前に、営林局長の承認を受けなければならないことになつておりますのを、地元の営林署長で足りることにいたしたいという改正でございます。
その次の三十四條の保安林に関する制限の規定でございますが、旧法時代には立木の損傷も知事の許可を受けなければならないことになつておりましたのを、一応新法を作りますときに、そこまでやらなくてもいいじやないかというような考え方で落したのでありますが、やはりどうも損傷をして、それから枯れた木になりますと伐れますので、どうも徹底を欠く憾みがあると、保安林の行政をうまくやつて行く考え方からすると、どうしてもやはり損傷も許可というふうにしたほうがいいという考え方から追加をいたした次第でございます。
それから次に一つとびまして五十三條の規定でございますが、これは土地使用の関係の裁定をいたします場合に、事前に收用委員会の意見を聞いて裁定をしなければならないというふうに改めた。事前に意見を聞くという点を追加した点であります。
それからあとは整理が大分ございまして、土地收用法の準用というのが六十四條にございます。これは御承知のように、昨年の通常国会で土地收用法が成立いたしましたので、その関係の整理をいたすのでございます。
それから七十九條でございますが、これは先般御審議を頂きました森林火災国営保險の事務を森林組合が取扱えるようにいたしたいという関係の森林法の関連條文の整理でございます。
それから大分條文の整理の事項がございまして、百五十四條に参りますが、百五十四條もこれは連合会の規定でございまして、先ほどの場合と同じように、国営保險の仕事を森林組合連合会がやれるようにする規定でございます。
それから百八十條でございますが、現在は森林組合にはございませんが、農業協同組合その他協同組合の大部分にございます業務会計の状況を定例的に毎年一回行政庁が検査できるようにいたしたいという條文を追加した規定でございます。
それから百九十一條の訴願の規定でございますが、総理府にございます土地調整委員会の裁定を、土地に関する事件でありまして、且つ鉱業権その他の権利と関連をいたしますようなものについては、ここの裁定を受けるというふうに他の土地関係の立法と調子をとります改正をいたしたいという点でございます。
改正の主な点は以上のような点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/5
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006・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) 改正の主な点は只今御説明申上げた通りでございますが、昨年の八月一日森林法が施行せられまして以来の経過は、お手許に差上げてあります資料の通りでありまして、予定通りに各種の計画が実施を見たのであります。なお前国会におきまして、森林法をいろいろ御審議願います際に、最も問題になつておりましたのは、伐採の許可の回数を二回以上にすべきであるということと、この森林法施行によつて木材需給が非常に逼迫するのではないかという御議論でございました。第一の伐採の許可の回数を殖やせという御意見に対しましては、森林法実施の結果から見まして、今回六月に更にもう一度許可をする機会を作つたのであります。なお木材需給の関係につきましては、只今はランニング・ストツクは大体毎月千五百万石程度でございましたものが、只今では二千万石程度ございまして、従つて木材需給については何ら逼迫した状態ではございません。むしろ木材がだぶついておるという状態でございます。それから二十七年度の木材需給の見通しにつきましては、お手許に資料を差上げておるのでありますが、生産量は八千五百八十五万一千石という見通しでございます。そのうち国有林に関しましては二千三百三十一万七千石、民有林の合計が六千二百五十三万四千石、このうち開発済みの分は五千九百六十八万一千石でございまして、又そのうちの三千九百四十五万八千石が伐採許可を要するものであります。適正伐期齢級以上で伐採許可を要しないものが伐られるであろうという見通しが二千万石ということになつております。なお未開発林の開発によつて出材をみるであろうと思われますものが二百八十五万三千石となつておるのであります。需要量につきましては九千九百六十六万石、印刷に落ちておりますが、九千九百六十六万石でございまして、その内訳はパルプ用材が一千六百十七万石であります。これはパルプにいたしまして百十万トンの計画でございまして、戰前樺太を入れた分量とおおむね等しい数字でございます。電柱は百八万石でありまして、本数にいたしまして百八万本、大体一本一石という程度でございます。坑木は一千九十六万石でございまして、石炭四千九百万トンを生産するに要するものを見込んでおります。建築用材は三千万石でございまして、この一坪当りの所要量は大体三石でございますから、一千万坪の建築ができるという見通しを持つております。枕木は二百六十八万石でございまして、七百万挺の枕木を生産することを計画いたしておるのでありまして、国鉄が五百万挺、その他が二百万挺でございます。その他の用材が三千八百七十万石でありまして、そのうちの主なものは、造船が二百十六万石、包装用材が千二百二十五万石、土木用材が三百六十万石、電源開発等に百万石使われるであろうという見通しを立てておるのであります。これに対しまして、差引約千四百万石ほどの不足になるのでありまするが、これに対しまして輸入材が二百二十万石、これはラワン材が百七十万石、米材が五十万石という大体見通しでございます。なお先ほど申上げましたように、ランニング・ストツクが五百万石ほど余分にございますので、これを消化して参る。そういたしますると約六百六十万石ほど不足なのでありまするが、これは木材利用の合理化或いは既開発林からの生産によりまして收支を合せて需給のバランスをとつて参る、さように考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/6
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007・羽生三七
○委員長(羽生三七君) ちよつと私からお尋ねいたしますが、今長官からの大体御説明があつたわけですが、森林法が制定されてから日がなお浅いので、ここでこの効果をかれこれ論議する時期ではないとは思いますが、大体この期間の成果を見て、一応法律制定の所期の目的を遂行され得ると思われる方向に進んでいると了解してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/7
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008・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) お話のように法律制定当時でございまして、実施上不満な点がいろいろあるのでございますけれども、法律制定の目的でありまする国土の復興という点につきましては、十分目的を達し得ると考えておりまするし、又さように努力をして参らなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/8
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009・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 御質問がございましたらどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/9
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010・片柳眞吉
○片柳眞吉君 森林法の施行は昨年の八月からだと了承しておりますが、施行後まだ一年にならないのでありますが、勿論その短期間の経験でも、惡いところを直すことは、これは当然だと思いますが、前の法律を施行して一年を出でずして改正をするということになりますると、これは今後の見込でわかりませんが、しよつちゆうこれをいじつているという結果も起るような嫌いも感じまするが、その辺の、僅か九カ月ぐらいでこれを直すということにつきまして、これは政府当局はどういうようなお考えを持つておりますか。提案者でなくて政府当局の御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/10
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011・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) 二十七年の一月から三月までの伐採の許可が、この法律によつて実施をされたのでありまするが、その結果を見ますると、許可限度の僅かに四〇%程度の許可しか出ておらないのであります。二十七年度の許可の傾向を見ましても……これはまだ正確に数字が参つておりませんけれども、この傾向を見ましても極めて低率でありまして、予定をいたしました一〇〇%を超えているというような点は極めて僅かなのであります。さようなことに関しまして、この法律を強行して参りますると、徒らに法に抵触する森林消費者を作るというような結果になりまして、法の真に狙つておりまするところと極めて相反する結果を招来する虞れが十分ありまするので、お話のように僅かに九カ月にして主要な点を改正するというようなことは、立案者としての、いわゆる面子もございますけれども、それよりもむしろ面子は極めて惡くても、事態に副うように、本当に親切な法律にすべきではないかというような話合いでいろいろ議論をしたのでありますが、やはり率直に惡いところは、早くてもいいから改めるのが我々のとるべき策ではないかというふうに考えまして、実はかような法律改正を考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/11
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012・岡村文四郎
○岡村文四郎君 私もそれは非常に心配をしておる一人であります。それは何でもかんでも議員提案で、衆議院で通る関係があつて、非常に万全の注意をしなければ議員提案に対してはいかんじやないか。そこで今片柳議員からお話がありました、これが政府提案になりますと、恐らく八カ月か、九カ月で又訂正をするというような手もないと思います。そして林野庁のほうでも十分議員提案に対するものに対しては目を通され、又いろいろ協議されてやつたと思うのでありますが、それでもこういう手落ちがあつて、今気がついたことじやなくて、もともとからこういうことはあつたと私は思います。そこでこれは場合によると政府のほうで、どうも政府が提案すると工合が惡いから、一つ名義だけ貸してくれということでやつておつたこともあるようであります。それは場合によつては便法でやるのも惡いとは申しませんが、こういう大事な法律は、堂々と政府のほうで万全を期して、一年に二回も手をつけることのないような法律を今後作るようでないと、現在の実情でみますと、前申上げましたように議員提案ではなんぼでもできる、こういうようなことで全く迷惑することが非常に多いので、今後是非こういつたことのないように、殊に営林局ではなかなかその道の権威者ばかりがおるところで、議員そのものがこういう案を作るということなどは非常に困難であると思いますから、そういうことは御遠慮なしにどんどん林野庁にお出しになつて、そして大いに議論をし、わかつたところは議員にも意見を述べてやつてもらうように今後望みたいと思いますが、どう考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/12
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013・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 只今のお話誠に御尤もでございます。これから十分注意いたしまして、政府といたしましてその責任を果したいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/13
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014・三浦辰雄
○三浦辰雄君 この二十七年度の木材需給推定表でありますが、ここに木材の生産量が八千五百万石とありますが、一体前の森林法の審議の際に提出になられた資料ははつきり記憶いたしませんが、六千五百万から七千万の間であつたように記憶しておりますが、その点はどうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/14
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015・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) 八千五百万であつたと私は記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/15
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016・三浦辰雄
○三浦辰雄君 私は実は資料を持つて来ていないのですが、あの際に各府県から最近の実情に基くいわゆる森林成長量というものを、通常における成長量というものをお調べの途中であつたから、そういつた数字は後になつたかも知れませんが、併し普通一般言われているのは、木材の成長量というものは七千万石だと言われているはずなんであります。ところがこれを見るというと八千五百万になつている。而もなお更に米材の五十万石或いは南洋材におきます百七十万石というものを輸入に見込んでいても、非常に厖大に見込んでおつても、なお且つここに六百六十万という数字が足らない。その足らないほど多くの需要量をここに見ているという問題が一点ございます。それと同時に併せてお聞きしたいのは、二十七年度の森林の予算については、殊に造林費は確か入植では二十三万町歩程度しか今度は認められなかつたのだというふうに記憶します。ところがいわゆる五カ年計画に従えば、恐らく人口植栽の分だけとして三十万町歩を予算として成立させなければ、いわゆる五カ年計画というものは遂行ができないように私は大体見当をつけておりますが、林道等においても同様。ところが森林法の中では、あの非常な手数をかけてやる森林計画というものを進行する一つの條件として、造林だとか、林道だとかいう森林経営に必要な施設ができない場合においては、森林法のこの計画を変えることができるとさえ、いわゆる背水の陣を布いている政府の気持、少くとも提案者の気持はそうであつた。そうしてそれが通つたならば、当然あの森林法の趣旨に従つた予算ができなければならないのに、非常に依然として小さい数字しか出ていない。一方において需給というものは、相当にこの供給量を過大に見積つているとさえ考えるわけです。少くとも森林法に示しているところの精神とは必ずしも合わない数字を推定している。私はこういうふうなことを考えて見るというと、森林法というものができた、まだその成果については云々すべき時期ではないけれども、それを運用するところの政府側自体において少し、何と申しましようか、ルーズに考えておるのじやなかろうか。私は若し造林費というものが、二十三万町歩の人口造林程度しか認められないならば、むしろ供給量というものは日本の経済自立を立てる上に、それは相当重要な、必要な材料であるかも知れないけれども、そんなに多くの供給量を政府みずからが立てて行くという態度は私は考えものじやないか。折角ああいうふうな意図を持つてできた森林法が通つて、その翌年にすでにこれを或る程度みずからがルーズに考えている。そうしてみずから又或いは予算等も国民の前に五カ年計画、五カ年計画と立てておる。それが相変らず空念仏になつてしまうというようなことを、好んでいるのではないが、認めているような恰好になつている。私はその点について先ず政府のほうのお考えを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/16
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017・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 三浦委員の御質問誠に御尤もな点が多いのでありまして、森林法の改正に当つては、当然それに伴うべき予算的措置がなければならないということは、提案した当時の情勢から見ましても、当然二十七年度の予算にそのことがはつきり現われることを私どもは大いに期待しておつたのであります。御承知の通り、森林の成長量にはおのずから限度がありまして、その限度を超えて余りに伐採をし続けることは非常に好ましくないのでありまして、我々としましては、一日も早く森林の持つ成長量をどんどん引上げて行くという対策を講じつつ、一面においては現在の国内における木材の需要供給の現状から行きまして、現在の需給の状況に対して余りに大きな衝撃を與えないで、この森林法制定の趣旨を生かして行きたいと思う。そのためにこそ奥地開発を急がなければならない。そのために大いに林道が必要であり、同時に又或る程度無理な伐採もここ当分続ける必要があるというので、伐採の許容限度を二割程度超すことは止むを得まいというようなことでありまして、それはすべて五カ年計画による造林の急速な促進と、奥地開発に対する林道網の整備強化という問題、それに又この幼齢林伐採に対する伐採の制限、その制限の裏付けとしての伐採調整資金の低利、長期の融資の問題というようなことが、すべて一つの一連の構想として、当時考えられ、それが実施されることを強く要請して、あの森林法ができたのであります。その面から見まして、今年度の予算面から考えますれば、林業に対する資金融通の問題は、農林漁業資金融通法の特別会計によりまして、或る程度林業の特殊事情というものが尊重されまして、伐採調整資金等も、当時森林法成立当時の二十七年度二十二億円の融資が必要であるという点は、このまま承認をされて、二十七年度から融資が二十二億円行われるわけであります。二十六年度は、取りあえず五億円の伐採調整資金が出たわけでありまして、その面におきましては、我々満足しておるわけでありますが、国家財政の投資と、いわゆる二十七年度における予算面に現われました問題につきましては、御指摘のように、それは十分でなかつたことは事実でありまして、現在国家財政の許す限りにおきましても、実はもう少し林業に関する国家財政の財政投資が行われることが、森林法を真に十分に生かすためには必要であるというふうに考えております。併し国家財政全体を通じまして、林業のための予算措置が不十分であつたことは、その点甚だ遺憾でありまするけれども、これは森林法の趣旨を十分尊重し、今後政府は大いに努力をいたしまして、引続きできるだけ早い機会に、何とかして財政措置を講ずるようなことも大いに努力をいたしたい。又二十八年度以降におきましては、当然林野庁の立案いたします五カ年計画を十分に尊重するように努力をいたしまして、森林法が十分この面からも適正妥当に実施されることを、私はそのために努力をいたしたいと考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/17
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018・三浦辰雄
○三浦辰雄君 政務次官は、林業についてはなかなかのエキスパートで、大いに説明そのものについては敬意を表するのですけれども、実際からいえば、それは口だけであつて、内容は伴つていないことは、さつき一例として指摘した造林費のごときものですぐわかる。つまり單価増以外には全然殖えていない。私は昨年こういうことも聞いている。今年はいよいよ講和が名実共にできる年であるから、百年の大計からいつても、又事業そのものの性質からいつても、この講和の記念造林のごときものは、事実各地方で非常に計画しているのです。その計画していることが明らかに予想されたので、政府側の一部ではそれを予算化そうとしたところが、これ又ものの見事に一町歩といえども認められない。ところが本年になつて、この春を迎えるとどうですか。どこでもいわゆる記念造林というものをしようとしている。私はそういうようなことを、事前にやつておくべきだつたと思うが、もう過ぎたことだから止むを得ませんけれども、これは前は予想であつたけれども、今度は現実のいわゆる講和造林となつて各地に現われている。而も一般の造林は、じやあどうかというと、すでに御承知の通りに、各府県はいわゆる国庫の補助を貰つてやれる対象の割当面積を超えて実施している。これは誠に喜ばしい。政務次官の胸にある緑の羽根の運動もこれはもう全国的に津々浦々までいつておる。それで各府県はどうやつているかというと、三通りやつている。御承知であるかどうか知りませんけれども、三通りある。一つは植えたいというのに対して、割当が少いからと言つて、むしろ実施の面では或る程度セーブをしているような傾向がないわけではない。又或る府県においては、昨年割当の面積を超えて実施してしまつた分を先ず今年の割当の数量の中から優先配当してしまつて、残だけでもつてやつている。そうやつているものだから、地方事務所あたりでは、その各町村別に割当てる方法がないといつて非常にこぼしている。そこでそれに関連して或る府県では、例えば和歌山などもそうですが、止むに止まれずして県單で、県費の單独で補助に当る分を累積していた分だけを一応出してきれいにしている。ところがもう一つの方法というのは、そういう実情からして一町歩、今の予算でいえば、一万三千円の補助が、半額が行く形になるのですけれども、どうも一万三千円やつたんじやとても要望に応えられない。だから四月植えるやつも秋の植栽期以降まで延ばしてしまつて、春植え、秋植えをやつてすまして終つちやつたあとできた面積でもつて補助金額を機械的に割出して一万円になり、或いは一万五百円になり、その出たとこ勝負でこれが補助だと言つている。成るほど半額の内で予算の許す限りやるというのだから違法じやないだろう。ないだろうけれども、併しそこにはいろいろとむしろ害が出て来て、或いはそこに使途においての不明なものが出て来る。少くともはたから見れば不明朗なものが出て来てしまう。そういうような苦労までさせているということは私は誠に残念だと思う。それもです。今日本材の値段が高いというけれども、あの生産の過程から見るというと、私は高いとも言えない。むしろまだまだその苦労に比べれば決して高いものじやない。もう少し上つても然るべきものじやないかと思う。それで政府はこのような需給の推定をしておられる。成るほど森林法は適正伐期以上のものについては、法律的にいえばなんぼ伐つても届出をすればいいんだ。ただ狙いは、適正伐期以下のものについては、嚴密に成長量の中だけで許可制を以て抑えたい。だから推定のしようがないのだから、需要が余りに厖大だから、或る程度つじつまを合せるためにこう予想したというかも知れないけれども、一体森林法を流れているところの精神からいえば、やつぱりなるべく供給量というものの範囲でこれが需要を止めたいという、そうしてその足らない分はいわゆる木材等の、或いは薪炭等の消費の規制、消費の合理化、こういうものを強力に推進して行かなければいけない。一方において造林はそういつた非常に要望があるのにかかわらず、どつちかといえば抑えるのじやないか。そうして一方において伐るほうは、日本の経済自立であるから止むを得ん得んと言つてやつているのであれば、何もあんなに騒いで森林法というものを愼重に作るほどのことはないとも言える。私はこの第一年目を迎えるに当つての態度としては、そういうことはまるで何と申すか。森林法というような一つの尤もらしいものを作つて、ゼスチユアとして示しただけであつて、内容に至つては魂を入れないものだとさえ言えるのじやなかろうかと思うのであります。是非この点は考えなければいけないと思う。それでこれは今度の森林法の新しい改正の問題とも関連がある。これはあの当時……あなたのほうが今直そうとしておる年二回の許可の問題です。私はあの時に、なるほど森林法はなかなかむずかしい。が併し計画的に経営をやつて行くように指導するのがこれは当然の行き方なんだから、一回であるということは理論的に正しい。けれども如何にそれが理論的に正しいといつても、その法律の下にやつて行く森林所有者の人達が徒らに窮屈なもんだ、或いは面倒なもんだとして恐れおびえるような態度というものは、そういうような環境にもつて行くことは、行政の運営の上からいつて最も避くべきものであつて、親しみを持つたものに運用して行かなければならない。従つてこの両三年というものは、新しい森林法というものの精神或いはそのテクニツクというものが或る程度浸み透るまでは、むしろ寛大な扱いをして、その届出のごときものを年に三回とか四回とか、暫定的に認めるようにしてやつたらどうなんだというふうに話したんだけれども、今度は今他の議員が疑義を持つたように、一年ならずしてというか、まだ一月末に届け出たばかり、それをあわてくさつて、ここに二回に改正をされる、私はやはり理論的に言うならば、この二回ではまだ足らない。或いは三回、四回というものでも、結構だから、附則等において、これを三年なら三年というものに、間にそういう変態的な取扱として許す札を掲ぐべきであつて、それは慣れるまでそういう暫定の便宜をとるべきであつて、原則としてはやはり計画の線上に持つて行く限りにおいちや一回でいいんだと、こういうふうに思うのですが、それについてはどういうふうに考えられるか。私はどうも、要はお答えは、あなたが今言われるような精神じやなくて、真からあの森林法のような……森林法が示すように、日本の森林を計画的な、而もいいものに早くしたいんだと、まあ今年は予算の関係上うまくなかつたとか何とかいう説明があるとは思いますけれども、そうじやなくて、真にそういう点を思つているならば、答えはそれでは一つだけ求めたい。それは他の何かの必要でもつて補正等をお出しになる場合においては、本年のうちでも最近何かで補正を出すような場合においては、造林の新しい面積拡大に対する予算をお組みになる用意があるか。更にそういうような他の機会がなくとも、講和関係の何かの実績が、いわゆる講和の記念造林等の実績が出た場合においては、それを基にして補正等を組むだけの更に勇気があるか。この点だけをお聞きすれば政府の大体の、言葉でない、気持がわかると思うのです。それだけお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/18
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019・野原正勝
○政府委員(野原正勝君) 三浦委員の御意見として、非常に参考になる面がたくさんありまして傾聽しております。講和発効後において、国家財政の事情が許ず限り、恐らく適当な時期には補正予算等の措置が講ぜられる段階になるかと思うのでありますが、その際におきましては、講和記念造林というような澎湃たる国民の中から盛り上つておるその造林に対する気持を率直に予算の面に盛り上げて、補正の要求をいたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/19
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020・片柳眞吉
○片柳眞吉君 先ほど朝令暮改になつても、惡いところは直すという御答弁があつたわけですが、そこでそういうラインで今度の改正案を見て参りますると、第二十一條の規定でありますが、これは営林局長の承認を営林署長の承認にしたことは、これは実際に適すると思うのですが、ただこの規定を見て参りましても、国有林、国が持つておる林野なり、それに接近するとこ
ろで火入をする場合には承認を受ける、こういうことになつておりまするが、民有林の場合においては、これは同じく、国の所有権であれ、或いは民に所有権があれ、民有林においてもやはりその火入れの結果民有林が類焼するというような危険もこれは当然あると思うのです。にもかかわらず国の持つておるものだけは承認を受ける。民有林はこれは黙つてやつてもよろしい。こういうふうにこれは解釈してよろしいのかどうか。或いはこれは民法等の解釈から、実際上承認を受けるという規定は私はないと記憶をしておるのですが、こういう点も頗るこの自分のものだけは危険であるから承認を受ける。民間の場合はこれはどうなりまするか、その点を一つ。これは私の疑問が正しいとしますれば不公平な感じがすると私は思うのですが、そういう点が如何がでありましようかどうか。それから或いは民有林全体についてはこれは或いは必要はないということになりましても、この間我々が審議をいたしました森林火災国営保険の見地から見て参りますと、今度は大分大規模に森林の国営保険が施行せられるわけでありまするが、民有林で国が保険料を取つておる場合においては、これは所有権はないのですけれども、やはり保険金の支拂においては一つの利害関係を持つと思うのですが、そういうものについて承認を受けないという、その間のけじめが私ははつきりしないのでございます私のこの疑問が間違いでありますれば、二十一條の改正案には賛成をいたすわけでありまするけれども、その辺がどういうふうになつておりまするか。どうも官尊的な思想がやはり強いんじやないかという感じがいたしますので御質問したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/20
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021・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) この改正に触れておりませんので、参考の資料には載せておらないのでありますが、二十二條におきまして、やはり所有者又は管理者に通知をするということになつておるのであります。なおこのほかに都道府県の條例によりまして、更に危険の度によつて、そういうところは條例によりまして制限を加えるという道を開いておるのであります。お話のように国有林だからといつて、特別な扱いをするという考え方は持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/21
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022・片柳眞吉
○片柳眞吉君 そうなりますると、国有林の場合には承認ということであつて、それから民有林の場合においては要するに火入をしますからという、要するにあらかじめ通知をして、或いは警戒をしてもらうというふうでありまするが、そこのところもやはり承認と通知ということは、やはり私は或る程度のニユアンスの差が出て来るのであつて、ひとしく所有権であれば、私は承認であれば全部承認である。通知でよければ全部通知でよろしいと思う。どうもその間にやはり理解しがたいものが一応出るのじやないか。それからもう一つは、この承認というのは、これは罰則にも関係があると思いまするが、承認をして而も類焼で国有林が焼けたという場合においては、損害賠償等の点においては多少のその辺に取扱上の差異がこれは今まで出ておりまするかどうか。これは承認と通知という関係で、その辺の私は損害賠償の場合にも一つの問題が起きてきはせんかと思うのですが、その辺の実際上の扱い振りを重ねて一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/22
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023・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) 通知と承認という、如何にもその非民主的なような響きのある取扱という点についての御指摘は尤もでありますが、これで格別実害がないのではないかと思うのでありますが、できるだけ簡易な取扱で済ますように、私共取扱をきめて参りたいと考えておるのであります。なお災害の起きた場合の実際の処置でありますが、類焼をいたして参りましたような場合に、無願ででもいたしたような、承認を受けないでいたしたような場合には、当然損害賠償を頂かなければならんということになるのでありまするが、承認した場合に、さてその承認をして、そのものを火入の場合の措置というようなことの如何によつて、その状況によつて判断がきまるのではないかと思うのでありますが、只今類焼いたした場合の取扱の実例を承知いたしておりませんので、その辺よく取調べましてお答えを申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/23
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024・片柳眞吉
○片柳眞吉君 私はやはり通知と承認とは、或る程度実体上の差異があると思いますが、そう実際上の取扱で大体同様な扱いをするということでありまするから、これ以上申上げませんが、どうも先ほど三浦さんなり、岡村さんが言われたように、少し法律が一カ年も実績を見ないで直すというのは、やつぱり法律の権威を失墜するのではないか。やはり朝令暮改という嫌いがどうしてもあるかと思うのでありまして、その意味で我々もできるだけ参議院においては、愼重に時間をかけて審議いたしたいのもそういうことになるのであります。結局すぐ直すという、惡いことを直すのは私も異存はないの
でありますが、併し法律は過去の例から見ましても、そうそのいつでも勝手に直すということでは、却つて法の権威を失墜することになると思うのであります。まあ今度の場合は、この法案の審議の過程にそういう議論もあるようでありまするから、私はこれ以上申上げませんが、それからまあ法律提案の恰好についても、さつき岡村さんから言われた点は、或る程度私も同感ではございまして、併し今の点はこれから私どもも少し審議させて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/24
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025・三浦辰雄
○三浦辰雄君 提案者のほうからお見えのようですから、さつきのことを一つ確めたいのでありますけれども、これは一体適正伐期以下の許可制の問題、これはやつぱりあの森林法の精神がよく浸み透り、又取扱が或る程度よく理解を受けるまでの暫定的な、私はやつぱり考え方だと思うのです。そこでむしろこうやつて変えるほどの親切があるなら、ついでに暫定的である性質を明らかにして、いわゆる附則等で期限を付けて、その間にならば何かその地方々々の便宜のときでもよいし、或いは一定にしたければ一定にするで、三回とか四回とかいつたようにするといつたほうがいいようにも思うのですけれども、提案者のほうではどういうふうにお考えでございますか。恒久立法であるこの中に、年に二回としてしまう。ところがずつとその森林法というものを読んで行くというと、ここを二回にするということは私はどうもここへ来て何かどうもちよつとおかしな角度の違つた点が入るような気がしてならないのであります。そうかといつて、私は今一挙に一回にしろというようなむちやなというか、実状を無視したことをやることは、むしろ森林法全部をしてよく遵法してもらう態度ではないと思うものですから、それは私自身もそうまでは勿論主張いたしません。併しこの精神からいつて、附則かなんかで三回なり四回なりに、この三年間なら三年間といつたようなことで、何年度までとか、何年何カ月末までとかいうようなことで、むしろ讓るのなら、その点で実際上に合うように調整して行くという態度のほうがむしろ筋としてはいいように思うのですけれども、その点はどういうふうにお考えになられていますか。この点をお伺いしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/25
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026・宇野秀次郎
○衆議院議員(宇野秀次郎君) 三浦さんにお答えいたしますが、この伐採許可の回数を一回がいいか、二回がいいか、或いは又三回か、いろいろと考え方もあろうと思うのでありますが、昨年の法律は一回でよかろうというようなことでやつたわけでございまするが、実際に当りまして、許容限度に達しないとか、いろいろなことで、只今のこの法律が施行されましての只今の段階において一回では窮屈である。二回というようなことで、改正案がそこに生れたわけなんでございます。ただ併しこれはやはり三浦さんもおつしやつたように、だんだんこの法律に慣れますれば、やはり原則としては一回がよろしいというようなことになることもあると、或いは又なるのじやないかというようなことも考えられるのでございます。そういうような意味で、ただ併し三浦さんのおつしやつたように、それならば初めから附則で暫定的に、この法律は二年間はこうしようというようなことかどうでございますか。私ども提案のときにおきましても、又今度の改正の提案におきましても、やはり法律を作る上においては、原則が一回というような考え方が強ければそれで進みまして、実施に当つて今日のような考え方が出ましたときには、御改正を願うということではどうかと考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/26
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027・三浦辰雄
○三浦辰雄君 私その気持もわからんわけじやありませんけれども、とにかく一月末までに先ず第一回の許可願を出したばかりなんです。そこでいち早くもうすでにこれは三月二十四日でもつて御提案のようでありますが、約二月、そうしてなお工合が惡ければ変えてもいいというような意味のようにもとれた節がございます。そういうふうにして行くことは私は、それも惡ければ直せばいいじやないかというようなことですが、さつきからの議論もありますように、森林法の一貫した精神からいえば、なるべく早く協力を願つて、理解を深めて、いわゆる計画的な線にもつて行きたいというものが満ち溢れている法案のわけでありますから、この法案としては、恒久法としては一回ということにしておいて、附則でもつてこの三年間なら三年間というものはどうするというふうにやるという点について、もう少し私も考えますが、一つ提案者の方でもお考えを願つて見たいと思うのです。それからもう一つは、森林の所得税の問題にからんでのことと存じますけれども、この許可制をめぐりまして、実は千石伐るのだけれども、まあ三百石くらい届出をしようと、私昨日は茨城県の緑化大会に行つたのですが、その際に県の審議会委員である宇佐美というかたからその話が出まして、この問題自身が出たのであります。大会で、許可制度を二度乃至三度にしてもらいたいという一つの大会決議が出ました際に、県の審議会委員であられる宇佐美というかたから「異議ある、」こういうふうに出て、大会の中で盛んにやりとりがかわされました。そこでその異議ある問題は、私の言つたようなことで大体けりはついたが、それに関連して、どうも届出の数字は、今みたような森林に適切な、森林の特徴、特性に合つたような所得の関係にしていないものだから、届出をするというと、のつぴきならなくなるので、大体三割とか、ひどいのは一割、こういう届出をして許可を貰つて、やるときはやる、こういうようなのが自分の知つておる村の全部だと言つて、その人は極言しておられました。まさかそういうところが全国とは必ずしも思いませんけれども、そのことも確かに現在の所得税の行き方から言えば了解がつく、了解というか想像が明らかにつく。それで私はなおこの手続等の関連におきまして、森林所得税について、大蔵大臣は前にも直す直すと言つておりますが、今度は税体系を直さないのだから、ただ十万円の控除の点だけを一般並にそれに及ぼした程度で、何ら改正を見ないわけですけれども、これについては十分政府側で早急に改正してしまわないと、広いところでございますから、闇から闇への仕事が行われてしまつて、折角指導層で力んで、相当に丹念な計画案を立てても、さつぱり依然として実態とは離れたものになつてしまうということでは全く趣旨が通らないわけです。是非政府側としては早く林業関係、森林関係の所得の税の問題をやはり取上げてもらいたいと思うのですが、その点について政府はどういうふうに考えられますか。特に提案者としてはですね。どういうふうな考えをその関連についてお持ちですか。お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/27
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028・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) 林業の税制と森林法の施行の関係についての御質問でございますが、お話のように林業のような長期の而も低利廻りの事業に対しましては、而も国土保安上無形の利益を国に與えておるというような産業に対しましては、特別な税制を以て臨まれたいということは、私ども平素主張いたしておるところであります。お話のように、今回の税制改革におきましては、僅かに新たに十万円の基礎控除を認められただけでございまして、まだ遺憾の点が非常に多いのであります。先般見えましたアメリカの税制の権威者ホール氏は、森林所得については頭から七〇%を控除して、三割について税を課すべきであるというような勧告をして帰られたのでありますが、特に今回の税制改革におきましては、さような点、森林だけについて特別な取扱を受けることに至らなかつたのであります。併しながらずつと以前は森林所得というものは特別な取扱を受けまして、いわゆる五分五乘の方法という非常に低率の税を受ける恩恵を與えられておつたのでありまするが、今後もできるだけ御意見のように、税率の改正については特別に努力して行きたいと思うのであります。政府だけでも、私どもだけでもなかなかその実現はむずかしい事柄でございますので、特に農林委員のかたがたの御支援をお願いいたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/28
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029・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 私からちよつと希望を申上げておきたいと思いますが、先ほどの皆さんの御質問に関連するのでありますけれども、本来この法律の目的が森林の保続培養と森林の生産力の増進とを図つて、以て国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的としておるわけで、従つて需給のバランスをとりながら、一面において生産増強、消費規正等それぞれの対策が立てられるわけであります。先ほど三浦さんのお話と関連する問題は、池田蔵相が丁度サンフランシスコの講和会議に行かれる前に、皆様と御同道で先ほどのお話の講和記念植樹等についても要望した際に、補正では困難であるが、通常予算においては勿論そのつもりであるというようなお答えもあつたけれども、なかなか所期の目的を達せられなかつたわけであります。従つて今政務次官からお話のあつたように、奥地林道等の開発を通じて、実質上、その成果を期待できるような、この法案の裏付けとなる予算の点が十分活用されませんというと、法律の技術上、手続上の細則を不断にいじつておるということが考えられますので、是非この所期の目的を達するように、適当な時期において十分予算上の処置がとられるよう、格段の一つ御配慮を希望するわけであります。これはまあ政府委員にも提案者にも是非お願いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/29
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030・宮本邦彦
○宮本邦彦君 私質問ではないのですが、関連して私の希望と申しますか、申上げておきたいと思います。今日こうやつて改正法案が提出せられまし
て、この法案に対して今長官が実際に必要だと、まだこの法律が出て間もない時でありまするが、実際上の問題として必要だから変えるんだ、こういう御答弁があつたのですが、その考え方に対しては、私案は法律というものの趣旨から行けば、岡村さんだとか、片柳先生の御意見のように、これはちよつと困るのではないかという考え方はあるのでありますが、けれども林野庁長官のこういつた考え方も私は今日の場合、こういつた日本の経済変動の激しい時であり、そして又復興の途上においてはやむを得ないのじやないかというようにも実は考えられるのであります。けれども私はそれに関連いたしまして、もつと大事な問題が実は忘れられているのじやないかなということを思つておるものなのであります。その点について申上げたいのですが、それはどうも緑の週間だとか何とかいつて、非常に啓蒙宣伝はよく行き届いておりますけれども、末端における現実の問題が実はその逆を走つているのじやないかというような気がされるのでございます。これは森林の需給計画というものは、当面の伐採よりも、もつと私はこういつた年数のかかる森林行政というものには根本的な行政がはつきりした線でもつて動いて行かなければいけないのじやないか。そうしてその末端における造林というような根本的な問題が、末端におけるものは本当にそういう方向に動いて行かなければいけないのじやないか。この間の新聞にもあります通り、緑の週間になつたら直ちに苗木が一割乃至二割高くなつた。これは逆じやないかと思うのです。緑の週間になつたら苗木というものは一割乃至二割安くするのでなければ私は嘘じやないかと思う。今三浦さんからもお話があつたのですが、造林補助金が実は足らない。予算的な面が足らないということを言つておるのですが、私は何だか造林の行政について根本的なものが何か間違つているような気がするのです。というのは、実は私も知つているのですが、私の県でから松の苗木を作つております。これは生産地なんですが、これが北海道に参りまして、実際の運賃その他は一本について一銭くらいにしか当つていない。それが実際に需要者の手に入つて植えられるときには、大体生産者が販売する価格の倍ちよつと超しておるのです。これはどこかに大きな欠陷があるのじやないかと思う。殊に林業などという利の薄い事業においては、この問題が一番大事じやないかと思うのです。最近歩いて見ますというと、ともかく苗木が高くて木が植えられん、これが現実じやないかと思う。どこへ行つてもその声を聞く。その苗木の生産者の收入の丁度倍の価格でもつて需要者がその価格を支拂つている。そういう高い価格の差というものは現実にあるのです。だからもう少しこれを裏返して申上げれば、生産者の価格、それに運賃その他実費でもつて需要者のところに入れば補助金は要らないということに私は結論がいくのじやないかと思う。これは実は私よく知つているのですが、その現状は、これは必ずしも私官庁の手落ちだとは思つておりません。大体において苗木業者というものは、私の県あたりにもあるのですけれども、最近非常に何と言いますか成金というか、裕福な生活をしております。急に膨脹しております。これは必ずしも正当な利潤じやなかつたのじやないかと思うのです。そういう下の御指導が、私本当にうまくいつていないのじやないか。私は何よりも大事なことは、そういつた農林業の利の薄い事業に対して、中間に大幅な利鞘を稼ぐような業者の入るような組織を持つておつて、そうしてそれを放任しておつて、緑の週間をやつて、そうして啓蒙宣伝をしておつたところで、末端における造林というものは実際は伸びないのじやないか。この法案にも実は関係がないと言つちや関係がないのですが、私は大きな一つの森林行政として、そういうところまで考えて頂くことが大事なのじやないか。そういう意味において、私まだその森林行政においては、相手が多少とも時代よりも遅れておるのじやないか。だからそういうような遅れておる場合にです。まあ林野庁長官のような、そのときの情勢に応じて多少とも法律案を改正するというような考え方は、或る程度私許されていいように思うのですが、それと同時に、それと同じ考え方を今後とも本当の森林行政の基本になる造林というような面に、実際に伸びるような方策を考えて頂きたい。若しそういうような特別な考え方がおありならば、私は林野長官の構想でも御希望でも承つておいたならば、私も非常に参考になるのじやないかと思うのです。実は長野県の南佐久の川上村というところはから松の苗の産地なんです。で私の今申上げましたような、何と言いますか、矛盾をしばしば永年の間経験して参つたものですから、何とかこれを改善して行きたいというような気持で本気になつておりましたもので、私も勧めて、あそこに林野長官も御存じだと思いますけれども、苗の生産協同組合の実はこの間発会式をいたしたばかりなんです。ところが私これを指導しましても、実際に今度苗を捌くときに、これを消化するときに、その方法を実は私何ら持つておらんのであります。で私の考え方としては、そういつた生産者からできるだけ直結して、需要者という考え方で指導をしておりますけれども、その行先が実は私のほうにも皆目安定した生産者から需要者という線が浮んで来ないのであります。で長官にそういつた面でもつて、今後どんな御方針でやつておいでになるか、やつておいでになる方針が、承われれば幸いと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/30
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031・横川信夫
○政府委員(横川信夫君) 造林の基礎になる苗木の養成に関する御質問のように拜聽いたしたのでありますが、まあ少し差障りもあろうかと思いますけれども、苗木商のうちには非常に信用できないようなかたもおりまして、特に林業の苗木と申しますと、三十年、四十年経たなければ收穫できないものでございますので、優良な品種の苗木をもつて造林さして参ることが最も肝要なのでありまして、従来国有林におきまして相当の経費を投じまして種をとる。苗木を養成いたしまして需要者に配布いたしております。併し苗木の養成の事業というものは、相当多年の経験と技術の必要なものでございまして、そう一朝一夕に誰でもできるというものではございません。で、民間の信用ある、民間の業界のかたがたには、できるだけその仕事を発展さして頂くように、私共指導いたしておるところであります。なお二十七年度の予算養成におきまして、優良母樹から種を採取いたします経費を二千百万円ほど出すことにいたしております。更にとりました種から一年生の苗木を養成いたしまするために、五千九百万円ほど支出をいたすことにいたしておるのでありまして、お話のように苗木代が非常に中間経費において高くなつておるというような事例も間々あるようでありますけれども、養成途中における危険率等を見ますると、必ずしもそうひどい不当に高いものだとは考えておりません。杉の三年生苗木におきまして、従来四円ぐらいでありましたものが三円二十銭から三円五十銭ぐらいに只今下つておりますように、逐次苗木が増産されますと共に、値段もだんだん下つて参るかと思うのであります。なお川上村の組合のことにつきましては、本日も組合のかたが私のところに見えまして、から松の苗木を養成する農場はあるんだけれども、種がないから国有林からなんとか種を分けてくれないかというお話もございまして、できるだけ差上げるようにしたい。から松の苗木は御承知のように、特に川上村の分は北海道に入つておる。一年生の苗木が北海道に参りまして、三年生ぐらいになりまして山に植えるということになるのであります。なかなか造林者の個人で苗を一年生から三年生まで持つて行くということは困難でございますが、やはりその間に苗木商なり、或いは苗木の技術者を持つた組合がお世話して養成しなければならんことじやないかと思うのであります。その間の経費も、お話によりますと、非常に倍にもなつているというふうなお話でございますけれども、倍ほどには私なつておらないのではないかと思います。相当の利潤は見ておるんではありましようけれども、そう高くなつてはおらんと考えます。又天候の工合で、予定いたしました通りに全部発芽成長いたしますれば相当利潤のあることでありましてたまたまさような年に当りますれば相当利潤を挙げましようけれども、一度天候が非常に不順でありますと、ひどい損害を受ける仕事であります。全体を均分して見ると、そういう利潤が、そこに苗木の価格でそうひどい利潤を挙げているとは私は考えておらないのであります、いずれにいたしましても、苗木養成の御指導をなすつておられますれば、私先ほど申上げましたような需要家との結びつきということは私どものほうでも御斡旋申上げたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/31
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032・羽生三七
○委員長(羽生三七君) 本日はこの程度にいたしまして、明日更に質疑を続行いたしたいと思いますが、なお明日格別御異議がなければ採決できるところまで進めたいと思いますので、御了承を願います。本日はこれを以て散会いたします。
午後三時二十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314988X02019520414/32
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