1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年二月十一日(月曜日)
午後二時二十七分開会
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委員の異動
十二月十五日委員棚橋小虎君、中山福
藏君及び須藤五郎君辞任につき、その
補欠として江田三郎君、木下源吾君及
び西田天香君を議長において指名し
た。
一月二十三日委員木下源吾君辞任につ
き、その補欠として森崎隆君を議長に
おいて指名した。
一月二十五日委員西田天香君及び森崎
隆君辞任につき、その補欠として川上
嘉市君及び吉田法晴君を議長において
指名した。
二月四日委員小串清一君辞任につき、
その補欠として小滝彬君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小野 義夫君
理事
宮城タマヨ君
伊藤 修君
委員
小滝 彬君
鈴木 安孝君
長谷山行毅君
岡部 常君
吉田 法晴君
齋 武雄君
羽仁 五郎君
衆議院議員
松本 一郎君
鍛冶 良作君
政府委員
法務政務次官 龍野喜一郎君
法制意見長官 佐藤 達夫君
事務局側
常任委員会専門
員 長谷川 宏君
常任委員会専門
員 西村 高兄君
説明員
法務府民事局第
二課長 阿川 清道君
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本日の会議に付した事件
○小委員長の補欠指名の件
○請願及び陳情の取扱に関する件
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
令に関する件の廃止に関する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
令に関する件に基く法務府関係諸命
令の措置に関する法律案(内閣送
付)
○国の利害に関係のある訴訟について
の法務総裁の権限等に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出)
○罹災都市借地借家臨時処理法第二十
五条の二の災害及び同条の規定を適
用する地区を定める法律案(衆議院
提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/0
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001・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 只今より委員会を開きます。本日は先ず小委員長の補欠指名の件を議題といたします。続いて請願陳情の取扱に関する件についてお諮りをいたしたいと存じます。
民事訴訟法改正に関する小委員長の中山福藏君が委員を辞任されましたため、小委員長が欠けたのでありますが、一月三十一日の委員長及び理事打合会におきまして協議の結果、先例により、便宜委員会において委員長より小委員長の指名を行うことになりました。小委員長には伊藤修君を指名することが適当であると決定いたしました。つきましては、打合会の決定通り民事訴訟法改正に関する小委員長に伊藤修君を指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/1
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002・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/2
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003・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 次に請願陳情の取扱についてお諮りいたします。
戦犯者の減刑釈放等に関する請願及び陳情は、前国会におきましても戦争犯罪人に対する法的処置に関する小委員会にその審査を委託していたのでありますが、委員長及び理事打合会において協議の結果、今国会においても同様な取扱をすべきであると決定いたしました。つきましては、委員長及び理事打合会の決定通り取扱うことにいたして御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/3
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004・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 異議ないと認めます。さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/4
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005・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 次に当委員会に付託されました会社更生法案中一部修正に関する陳情は、便宜会社更生法案等に関する小委員会において審査することといたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/5
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006・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めまして、さよう取計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/6
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007・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 次に法案の審議に入ります。
お手許に当委員会関係の第十三回国会提出予定法律案一覧表をお配りしてありますから、御覧おきを願いたいと存じます。本日は先ずそのうちからポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案、衆議院送付案。ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律案、予備審査。国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律の一部を改正する法律案、本院先議、以上三案を便宜一括議題に供したいと思います。
先ず政府委員の説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/7
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008・龍野喜一郎
○政府委員(龍野喜一郎君) 只今議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案の提案理由を御説明申上げます。
今回日本国との平和条約が調印され、その効力発生を目前に控えて、占領継続中の特殊の事態に基き制定されましたいわゆるポツダム緊急勅令と、これに基くいわゆるポツダム命令の処理をいたす必要を生じたのであります。
御承知の通り、昭和二十年九月我が国の降伏後における事態に即応して当時の憲法第八条に基く緊急勅令として、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件という勅令第五百四十二号が制定され、連合国最高司令官のなす要求に係る事項を実施するため、特に必要のある場合には命令を以て所要の定めをなし、及び必要な罰則を設けることができるという旨の規定が設けられたのであります。このいわゆるポツダム緊急勅令は、その後の第八十九回帝国議会において事後承諾を得、法律としての効力を持つて現在に至つております。このポツダム緊急勅令に基く委任命令、いわゆるポツダム命令は、この六年間に相当多数制定されたのでありますが、現在において効力を存しているものは、勅令、政令、府令、省令等を合し、百四十数件と相成つており、なおこのほかに既存の法令を廃止した命令でその附則がなお効力を有しているものが若干あるのであります。ところで、占領の終止と我が国の主権の回復に伴い、このポツダム緊急勅令、及びこれに基いて制定された諸ポツダム命令についてとるべき処置でありますが、先ずポツダム緊急勅令は、占領の終止に伴い連合国最高司令官が存在しなくなる以上、新たに発動する余地はないものでありますから、当然廃止の措置をとるべきものと考えます。
次にポツダム緊急勅令に基く各個のポツダム命令の措置については二種類に分けて申上げるのが妥当であると存じます。即ち第一は、命令の内容上連合国軍の存在を前提としているもの、及び占領終止後将来に存続させることを不適当とするものであり、第二は、内容上将来に向つて存続させることを適当とするものであります。前者については、この際廃止の措置をとるべきものであり、後者については、内容に従い、全面改正を行うもの、一部改正を行うもの、及びそのまま存続するものと三つの区別に分けて措置すべきものと存じます。そこでこれらの個々のポツダム命令の処置につきましては、右に述べました廃止、存続等の措置をおおむね各府各省別に取りまとめまして、その法律案を別途提案することといたしております。なお、全部改正を要するポツダム命令につきましては、これらの各府各省別のポツダム命令の措置に関する法律案とは別に、単独の法律案として提案いたすつもりであります。
以上申上げましたところがポツダム命令の措置に関する政府の方針の大要でありますが、次に本法律案の内容について簡単に御説明いたします。
先ず第一項は、基本法令たるポツダム緊急勅令を平和条約の最初の効力発生の日限り廃止するもので、前に申上げました通り、いわば当然の措置であります。次に第二項は、右のポツダム緊急勅令に基くもろもろのポツダム命令は、他の法律で廃止又は存続の措置がとれない限り、平和条約の最初の効力発生の日から百八十日間を限り法律としての効力を有するものと定めたのであります。個々のポツダム命令をどう処置するかは、前に申上げましたとおり、別の法律案でそれぞれの措置を定めているのでありますが、万一これらの法律案が平和条約の最初の効力発生の日までに成立しないようなことがあつた場合等に備えて、いわば念のための規定として設けたものであります。第三項は全く念のための規定でありまして、過去においてポツダム命令を以て、他の法律又は命令を改廃した効果について、この際疑念の生じないようにとの配慮に基いたものであります。
以上簡単ながら本法律案の提案理由を説明しましたが、何とぞよろしく御審議のほど御願いいたします。
次に只今議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律案の提案理由を御説明申上げます。
御承知の通り、日本国との平和条約が調印され、その効力発生を目前に控えまして、占領期間中に制定されましたいわゆるポツダム緊急勅令と、これに基くいわゆるポツダム命令との処理について定める必要が生じたのでありますが、その処理方針といたしまして、ポツダム緊急勅令は平和条約の効力発生と同時に廃止し、その他のいわゆるポツダム命令は、その内容に従いまして、一々法律で廃止又は存続の措置をとるという考え方をとつたのであります。先に提案いたしまして、現に御審議中のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案は、この考え方に従いまして、第一項において、ポツダム緊急勅令を廃止することを定めると共に、第二項において、いわゆるポツダム命令は、別に法律で廃止又は存続に関する措置がなされない場合には、平和条約の効力発生後百八十日間に限り、法律としての効力を有するものとするということを定めているのであります。只今議題となりました法律案は、法務府関係のポツダム命令について、この第二項にいう「廃止又は存続に関する措置」を定める法律に該当するわけであります。ただ法務府関係のポツダム命令のうち、平和条約の効力発生を機会に、その内容に全面的な改正を加える必要があるものにつきましては、別に新らしい内容を持つた法律として制定し、その法律の附則で処理する予定でございますので、その分のポツダム命令は、この法律案には含まれておりません。この種類に属するものとしては、団体等規正令初め、団体規正に関する一連のポツダム命令がございます。従いまして本法律案は、この種類に属するものを除きまして、その他の法務府関係のポツダム命令につきまして、一々その内容に従つて、廃止すべきものは廃止し、存続させるべきものは存続させるということを定めているわけであります。
次に本法律案の内容について簡単に御説明いたします。先ず第一条は、今後法律としての効力を持つて存続するポツダム命令を列挙しております。これらの命令は、今後も存続させることが必要であると思われますので、この際、法律ではつきり列挙いたしまして、その旨を規定したものであります。次に第二条は、平和条約の効力発生と同時に廃止すべき命令を列挙しております。このうち、第一号の民事裁判権の特例に関する勅令、第二号の連合国占領軍財産等収受所持禁止令、第五号の連合国人に対する刑事事件等特別措置令及び第六号の占領目的阻害行為処罰令は、いずれも、その内容として連合国占領軍の存在を前提といたしておりますので、平和条約の効力発生と同時に廃止し、第三号の財閥商号の使用の禁止等に関する政令は、本来財閥の解体を主たる目的とするものでありますが、今日では、その使命は、一応終つたものと申すべきであり、第四号の外国人の商号に関する臨時措置令は、同令に定める請求期間をすでに経過いたしておりますので、今日では、事実上適用の余地のない政令であり、その他の二つの命令は、今後も存続させることが不適当と思われますのでいずれも、条約の効力発生と同時に廃止しようとするものであります。次に第三条は、第二条で廃止いたします諸命令につきまして、罰則の適用その他に関する経過的措置を定めたものであります。
以上簡単ながら本法律案の提案理由を御説明いたしました。何とぞよろしく御審議のほど御願いいたします。
次に只今議題となりました国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。
法務総裁は、法務府設置法第一条の規定によりまして、国の利害に関係のある争訟に関する事項を管理し、国又は行政庁を当事者又は参加入とする訴訟の適切な遂行について職責を有するのであります。そのため、これらの訴訟のうち、国を当事者又は参加入とする訴訟については、法務総裁は、国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律の規定により、或いは法務府職員を指定し、或いは弁護士を訴訟代理人に選任して、その訴訟を行わせることができるのでありまして、訴訟の遂行に遺憾なきを期し得るのであります。ところが、行政庁を当事者又は参加入とする訴訟についは、現行法におきましては、法務総裁は、当該行政庁に対する指揮を行い、必要に応じて、法務府職員を指定してその訴訟を行わせることができるのでありますが、法務総裁が直接弁護士を訴訟代理人に選任する途がないのであります。そのため、行政庁の訴訟遂行が十分でないとか、その他諸種の事情から、法務総裁において弁護士を選任するのを適当と認めた場合にも、その方法をとることができず、その結果、この種訴訟について、法務総裁が敏速適切な訴訟上の措置をとる上に、多大の支障を来たす場合が少くないのであります。
このような実務上の不便欠陥を補おうとするのが、この改正法案を提出する理由であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/8
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009・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 以上三案につきまして、本日は質疑をしないことにいたしまして、次回より質疑をすることにしたいと思いますが、如何でしようか。何か併し緊急に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/9
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010・伊藤修
○伊藤修君 次回に質疑に入る前に今提案説明のあつた第二番目のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律案、この第一条ですね、存続すべき命令の内容を次の委員会開催のときに政府から御説明を願いたいと思うのですが、そうして質疑に入つて頂くと、そういたしませんとこの命令の内容というものは各委員は存じていたいはずですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/10
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011・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 只今伊藤君の御提案のごとく次回におきまして……この廃止するのも全部ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/11
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012・伊藤修
○伊藤修君 廃止するほうはよろしいですから、なくなつちまうのですから、存続するほうだけを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/12
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013・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 存続するほうの法案の内容について詳細な説明を当局から聞くということにして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/13
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014・小野義夫
○委員長(小野義夫君) ではさように取計らいます。よつて三案に対する質疑は次回から行うことにしまして、その質疑に入る前に只今の手続をとつて入ります。
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015・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 次に罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案、これは衆議院送付であります。これに対しまして提案者を代表して松本一郎君から御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/15
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016・松本一郎
○衆議院議員(松本一郎君) 私衆議院の松本一郎でございます。御多忙のところへこの法案の御審議を願いますことを誠に恐縮と存じております。有難くお礼申上げます。
只今委員長からお話のありました罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案でございまして、提案者は御案内の、書きました通り不肖私、石原圓吉、鍛冶良作、前田榮之助、中村清、田嶋好文、村瀬宣親、この七名でございます。私代表いたしまして提案理由を御説明いたします。昨年の十二月の十六日、十七日といずれも夕景から三重県の松阪市に大火が発生いたしまして、約六百二十戸ですが全焼いたしたのであります。つきましては速かに復興いたしまして、民生を安定させなければならん、こう考えましていたしますところの罹災都市のこの本法の準用をお認め願わなければ復興が円満に参らんと、かように考えましたので、いわゆる現在の地所を借りておつた者、家を借りておつた者の権利を二カ年間確保させまして、そうして復興いたしたい、かように考えまして、適用をお認め願いたいと、かように思うのであります。
それでは只今議題となりました罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案の提案理由を申上げます。
昭和二十一年九月十五日より施行の罹災都市借地借家臨時処理法は、或いは罹災建物の旧借主に、優先的に借地権を取得させ、或いは逆に、罹災地の借地権で今後存続させる意思がないと認められるものを消滅させるなどの途を開き、借地借家関係を調整して、戦災都市の急速な復興を図ることを目的として制定されたのでありますが、その後、同法の改正により、戦災の場合のみならず、別に法律で指定した火災、震災 風水害その他の災害の場合にも同法の規定を適用して、かかる災害地の復興の促進に資することとなつたのであります。これにより、飯田市、能代市、熱海市に発生した大火災のほか、一昨年五月長野県上松町に発生した火災及び同年六月秋田県鷹巣町に発生した火災に対しましても、本法を適用して、それぞれ所期の効果を挙げております。
昭和二十六年十二月十六日松阪市に発生いたしました火災は、市の中心部において六百二十戸を焼失したのでありまして、借地借家等の権利関係が複雑な場所であり、地元の市及び県当局も、本法の適用を強く要望しております。よつて私どもも、政府当局と共に、罹災地区の状況をつぶさに調査検討いたしましたところ、右災害につき同地区にも罹災都市借地借家臨時処理法の規定を適用することにいたしますのが、同地区の借地借家関係を調整し、以て速かに同市を復興させるゆえんと考えられますので、ここに本法案を提出した次第でございます。
何とぞ慎重御審議の上、速かに本案を可決せられんことを切にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/16
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017・小野義夫
○委員長(小野義夫君) それではこれより質疑に入ります。御質問ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/17
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018・吉田法晴
○吉田法晴君 それでは、これは提案者よりも、むしろ政府委員が来ておられましたら政府委員に質疑をいたしたいと思うのですが、この資料として頂きました従来の適用地区の表を拝見しますというと、千戸以上もある所もございますが、例えば四十三戸といつたような所、例えば福井県の福井市その他相当多いのですが、小さい所もある。そうすると、こういう適用範囲を一々議員立法でやらなければ適用ができないのか、或いは又時期的に見て急速を要するでしようが、政府のほうで適用範囲云々ということができないのか、その点が一つ。
それからこの適用範囲について一つの基準が従来あるのかどうか。その点まだ十分参照条文等を見ておりませんが、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/18
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019・阿川清道
○説明員(阿川清道君) 御質問の第一点につきましては、最近の立法の状況に鑑みまして罹災都市借地借家臨時処理法の適用区域を定める法律は、議員立法による方法が妥当であると思うのであります。
第二点につきましては、従来罹災家屋千戸程度の災害を基準といたしているのでありまするが、特殊事情のありますもの、例えば上松町に例をとりまするならば、罹災戸数は六百戸足らずでございましたが、借地面積が全区域の、全罹災面積の六〇%を占め、又借家の世帯も罹災世帯の四四%を占めるような状況でありまして、罹災者が元の土地に復帰しなければならない必要が大なるものと認められましたので、千戸に満たない災害につきましても適用いたしたのでございます。その他の例も、やはりそのような借地又は借家の率が非常に高い特殊な状況のある場合に適用いたして来た次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/19
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020・吉田法晴
○吉田法晴君 第一点のものについてはどうも納得が行くほどの御説明を頂けないのですが、第二点に関連をいたしますけれども、一応千戸程度、併し千戸にならなくても借地関係が非常に複雑である、或いは相当広汎に亘つている場合には適用して来た。そうすると実際に各地の震災、或いは火災、或いは風水害等による被害を受けたもので同様なものについては、落ちなく適用がなされておれば問題はないわけでありますが、その点政府で実際に弊害がなかつたから、或いはないからそれでよろしいと、こういう御答弁かと思うのですが、その点について、議員立法に待つて政府での適用範囲の問題について措置しなくつても従来はよかつたのかどうか、或いは今後についてもそういう心配はないかどうか、もう一度伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/20
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021・鍛冶良作
○衆議院議員(鍛冶良作君) 私から、これは初めの成立した時分から関係しておりますので、その実情をお話申上げなくてはおわかりにならんと思います。この法律は既存の法律上の効果を……非常な変化を及ぼすところの臨時処置があるのであります。それ故に重大な法律でありまするから、法律案としてこれをすべて法律できめることにいたしました。今の御議論のように政府でやるときには委任命令か何かでやれるようにきめればそれはできるわけでありますが、こういう大きな既存の権利義務に変化を与えるものでありますが故に、さようなことではいかん、仮に変更いたしまするといたしましても、慎重国会の御審議を願わなければならんとかように考えまして、委任の手段はとつていないわけであります。それ故に政府だけではできませんので、必ずその内容の異なりまする場合には国会にかけて法律としての御審議を願うということにならざるを得ないわけでございます。それから小さい所でもやつたらどうだという御議論でありまするが、これも同様でありまして、これはもともとは戦災の場合には、而も大都市において借地借家の複雑なる関係がある、それから住宅に非常に困る場合の臨時措置なのでありまするから、小さい所には適用しないことが原則であります。そこで、なおここへも適用してはどうかということになりますると、国会で慎重御審議を願つてこれをやつたらよかろう、こういうふうに御決定になつたものだけを適用する、かような考えでおりますわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/21
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022・吉田法晴
○吉田法晴君 今の御答弁の中にございました、或いは法律によらないで政令その他、或いは委任ということでごさいましたが、そういうことでやれという議論をしておるわけではないのであります。問題は千戸程度ということが一応標準になつておるようですが、必ずしもそうでもない、そうするとその基準がだんだん緩くなつて参る。一一の市町村について問題がありました場合に、これは該当させる、適用すべきかどうかと、こういう基準を議員なら議員にばかり任せておいて不公平が起つて来ないか、落ちる所が出て来ないか、或いは早さの問題もあると思うのでありますが、災害が起つた、適用をする、早く言えば議員なら議員に頼まなければ適用ができないと、こういうことになるといいますか、時間的な問題もあるだろうと思います。そういう点についてこういうやり方で政府としては何と申しますか、不公平はないと確信しておられるのかどうか。こういう適用基準の問題に関連して全般の責任についてお尋ねをしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/22
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023・鍛冶良作
○衆議院議員(鍛冶良作君) 御尤もですが、この千戸というのを別に千戸という何は特別にきめておるわけではありません。ただ千戸以上であれば複雑なので必要であろうという、こういうことでやつておりますので、それ以下でもやはり要旨は国会できめてもらわなければいかん、そのための参考意見としては、それは権威あるところの、市内で希望しておるかどうかということが最も問題になるわけであります。それから今の時間的な問題は、今までやつております実例を申しますと、この処理法を適用してもらおうとこう思いますと、知事が借地関係を暫らくそのままに待たしておいて、その間にここで早く一つ審議してやつてもらいたい、こういう方法をとつておるわけであります、実際問題としては……。そうしてこの松阪なんかでも二月十五日まで適用を延ばしておる、家を建てるのを待たしておるというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/23
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024・吉田法晴
○吉田法晴君 政府はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/24
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025・阿川清道
○説明員(阿川清道君) やはり罹災都市借地借家臨時処理法の適用をさせるかどうかという問題は、国民の権利義務に重大な影響のある事柄でありまするので、どうしても国会で立法によらなければなりませんので、この立法の方法といたしまして、政府提案の方法も勿論可能でございまするが、最近の趨勢に鑑みまして、議員より提案されて立法化されることが望ましい、このように考えております。いずれにいたしましても、国会で慎重審議されて速かに可決される必要がありまするので、その点いずれの方法によるも大差ない、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/25
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026・伊藤修
○伊藤修君 この法律の基本法たる臨時借地借家ですか、この法律の改正の場合において、たしか衆議院の提出であつた、それを参議院においてこの基本法を現行法のごとく修正した覚えがありますが、その際特に参議院で問題になつたことは、結局国民の権利義務を相当大幅に制約する、かような法律を政府の命令に任すことは不適当である、必ず国会の審議を経てその都度適用地区を定める、こういう趣旨の下で緑風会の松本氏あたりが強く御主張の下にこの修正が行われたので、当時の立法経過から考えますと、いわゆるみだりにこの法律の地区を定める法律を作るということを阻止する意味において、参議院においてはそういう修正を行つた覚えがあります。然るにその後の立法例を見て参りますと、大体千戸を標準にしてこの立法がされておるように思われるのです。その都度その点が、いつもその点が問題になつておるのです。この前上松の場合においては、いわゆる面積及び戸数において他の例より少い、併しそれは上松市全体を考えますれば、上松市全体の総戸数にも等しいというので、特にあの法律について協賛を与えたわけです。このたびの場合はここに参考書にその例示を書いてあるのですが、いわゆる戸数において一万一千六百七十四戸、人口において五万三千四百十九人、これに対して僅か六百戸であるのですが、罹災地区は三万坪と称されておりますが、果して罹災地の三万坪が松阪市のどれだけのパーセントに当るか、戸数においては六百戸ですから、一万一千に対しては相当な、僅かな比率よりか示していないのです。先ほど政府委員の説明によりますと、特にその必要がある、どういう必要があるか、特別にこの松阪市に適用しなくちやならんという、従来の例を破つてこの法律を適用しなくちやならんというその理由をお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/26
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027・松本一郎
○衆議院議員(松本一郎君) 大変御尤もでございまして、実は松阪の状況について私も近くの者でございまするので申上げますが、松阪市はここ数年の間に町村合併を三つ、四ついたしまして、市の中心部よりもむしろ農村のほうが大分広くなつておりまして、この面積と、並びに戸数というものは相当農村が含まれておりまして、他府県にもございますが、三重県には鈴鹿市という市がございますが、これは市と申しますよりもむしろ村が集まつておつて、面積は東京都よりも広いのです。よう似たのが実は松阪であります。但し松阪の、昔からの松阪町以来の中心部というところは、このうちの約三分の一程度だろう、こう私ども考えております。その中心部が不幸にして大火に遭いましたので、戸数におきましても、面積においても比較的パーセンテージからは低いようではありますが、松阪の中心部の状態において四分の一をこれで失つた。而もこれが商店櫛比しておる繁華街であります。ついては松阪市は戦災も受けておりませずいたしますが、上水とても未だにないし、又都市計画も行われておりませんので、この機会に都市計画をやつて、国道一号線が縦貫いたしておりますが、この国道一号線も幅員七メーターであつて一方交通を実はやつておつた。従つてこういう火災のときに類焼率も高くなつたということ等を考えて、不幸ではあつたがこの機会に都市計画もやりまして、商店街、住宅街、或いは学校等適当に配置して将来の松阪の新らしい建築をやる、こういうことにしたらいいというので、市も県当局も一応都市計画の準備を今進めておるのであります。御承知の建築法第八十四条によりまして一カ月は知事が借地借家権というものの移動を停止することができます。併しそれ以後は建設大臣の許可を得ればもう一カ月延長することができます。要するに二カ月というものはこの建築法の適用を禁止いたしております。その期限が実はこの十五日に当つておるわけでありまして、ここで本法の準用をお認め願うことになりますれば、又二カ年間というものは本法によつて勝手な個人の処置が禁止され、なお又曾つての借主というものの権利というものは保護されることになります。恐らく実際は二カ年はかかるまいと思いますが、少くとも二カ年の期間があればその間には完全に都市計画もでき、又新らしい松阪市も建設される。こう実は考えまして、私ども衆議院におきましては、地元三名の議員、それから法務委員会のお二人、社会党からお一人、民主党からお一人、いわゆる七名のかたがたの連署を以ちまして本案を提案させて頂いたようなわけであります。実情におきましては今申上げましたようなことで、是非とも皆さんに御承認をお願いいたしたい、かように存じますので……、なお又はかにお尋ね頂くことがありましたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/27
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028・伊藤修
○伊藤修君 今の御説明によると、三分の一とおつしやるのですが、それは人口の三分の一ですか、或いは面積の三分の一とおつしやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/28
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029・松本一郎
○衆議院議員(松本一郎君) 松阪市の中心街の旧松阪町、即ち市街地の約三分の一、或いは四分の一強というところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/29
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030・伊藤修
○伊藤修君 旧松阪町というのはどれだけあるのですか。基本をちつとも示さずに三分の一とかおつしやつたのではわからんのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/30
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031・松本一郎
○衆議院議員(松本一郎君) 旧松阪町でございまして、御承知のごとく松阪駅というのがありますところから日……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/31
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032・伊藤修
○伊藤修君 どれだけあるかという数字を聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/32
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033・松本一郎
○衆議院議員(松本一郎君) ちよつと数字は詳しいことは調べておりませんけれども、恐らく一万一千戸のうちまあ半分以上は合併したところだと、こう考えております。先ず五千戸ぐらいではなかろうか、こういうふうにも思われますが、ちよつとそこのところは調べておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/33
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034・伊藤修
○伊藤修君 私のそれをお尋ねしたいゆえんのものは、みだりにこの法律を火災があつたから、風水害があつたからと一々この法律を適用してそうして国民の基本の権利を剥奪するというやり方は正しくないというのが我々の考え方です。でありますから、ここにこの比率で考えましても僅か六百戸の火災に対しまして堂々とこの法律を適用するということになりますれば、これが先例になりまして今後各都市に僅かの火災があつてもこの法律を適用しなくちやならん。そんなら、もつと根本的に考え方を直して、国民全般的にこれが適用する一般法律に書き改める必要があるのです。一々そういうことをする必要がないのです。ですからこの数字から拝見いたしますと、今の御説明によりましてもいわゆる旧松阪市のみを標準にとりましても私の想像するのでは極く寥々たるものです。にもかかわらずこれを適用しなくちやならんということは、都市計画とか、一方交通道路というだけではその理由を発見できないのです。もつと数字的にはつきり一つ御説明願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/34
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035・松本一郎
○衆議院議員(松本一郎君) 詳細な旧松阪町の数字を持つておりませんので、これは申訳ありません。大体今申しましたようなわけで、旧松阪町、即ち現在の松阪市の人口櫛比しております中心街は恐らく四千戸か五千戸くらいだろうとこう考えます。そこで六百戸余りを焼きましたということは大体において或いは五分の一程度を失つたのではないだろうかとこう思われるのですが、実は本年松阪市もいつかの機会には都市計画をやつて、そうして道路網、或いは水道その他すべての施設を整えなけりやならんところなんです。それが古きままにおかれて、戦災を免かれていわゆる繁華街になつておつたのですが、今度の被害の大きい原因もこの道路は狭いがや、水道はないがや、川の水はなかつたがや、風は不幸にして強風であつたがやというようなこと等が相当影響があつた、ついてはこの機会に国道一号線の貫通している関係もありますので、この国道も十五メーターくらいに拡げなけりやならんというようなことと、或いは水道施設もやりたい、又は防火施設もやりたい、学校の位置も変えなければならん等々考えますというと、いわゆる個人の権利というものを全部全面的に認めて、身勝手に又前の所へ住宅を建てさしたのでは残念ながら都市計画というものは又ぞろ相当遅れてしまうということ等考えまして、県も市も恐らく市民も一人残らずこの適用を受けて、一応二年間ばかりは個人の権利義務というものを停止しておいて、その間に一日も早く復興計画を立てるということで、幸いにも住宅公庫のほうも、又は建設省関係の公営住宅のほうもすべてが滞りなく今進んでおるような実情です。一般的にこういう準用をすべてにおいて認めたならばという御意見も御尤もでありますが、戦災を免かれて人口が櫛比しておつて、徳川時代のままの住宅がそのままに乱雑にあるというのも恐らく全国に例が少いだろうとこう考えます。かような特殊事情を御斟酌賜わりますようにお願い申します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/35
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036・伊藤修
○伊藤修君 この基本法の立法精神は今の御説明のように、いわゆる都市計画遂行の目的のために基本法が制定されたわけじやないのです。便宜それを利用してあなたたちの松阪市の目的を達成しようというので……、基本法の立法精神は今御説明のようなことじやございません。これは私御注意申上げておきます。それであなたの御説明を伺つておりますと、どうも私はどうしてこの法律を適用しなくちやならんかという中心について御説明が外れて来るのですが、どうも納得できないのですが、明日までに一つその数字と比率とその必要性等を御調査願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/36
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037・鍛冶良作
○衆議院議員(鍛冶良作君) 松本さんの御答弁は、伊藤さんから言われるのがわからない御答弁であるのですが、今伊藤さんが言われる通りでありまして、問題は、この法律を適用せなかつたならば旧来松阪市なら松阪市に住居しておつた者が十分住居ができなくならんか。これが根本だろうと思います。そこで今松本さんの話を聞きますると、旧松阪市街は約半分五千戸以上あつた。その五千戸以上の中心街が全滅した。六百何十戸ではありまするが、中心街が全滅いたしまするならば、そこにおつた住民は非常に複雑しておつたものと十分想像できるのであります。それ故にこの法律を適用して、住民の住居を惑わせないように秩序を立ててやろう、こういうことが眼目だろうとこう思いますので、その意味において我々も賛成いたしましたので、ただ六百戸だからいかん、千戸でなけりやいかん、こういうことになりますと、まあ別に基準があるわけではございませんから、実際は街の住居状態、人口稠密状態等々根本の基本になるものと心得えます。松阪市は相当惑つておるようでありますから、これを適用することは最も住民のためにいいのではないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/37
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038・伊藤修
○伊藤修君 私もその点鍛冶さんの御説明でもまだちよつと足らんのですが、どうも今鍛冶さんが全滅したとおつしやるけれども全滅の基本がわからずに、全滅ということはわからない。だから全滅をすれば、先ほどからの御説明によれば四千戸あたり焼けていなくちやならんです。旧市が三分の一とおつしやるならばその言葉から結論は四千戸ということになるのですが、そうすると六百戸しかないから、全滅という言葉は私は当てはまらないと思う。だから一体旧市街というものはどれだけ破壊しておつて、お説の通り旧幕時代からのいわゆる松阪は私よく知つております。あの褌持ちのような松阪市を都市計画で改正なさるという趣旨もよくわかりますが、ただこういう例を作ることを、無暗やたらに、適用するのだというけれども、作ることを私は恐れるのです。だから我々の納得の行くように必要性を御説明願いますれば賛成することにやぶさかでないのです。ただ無暗やたらに盲目的に盲判を押すわけには行かない。その点を明らかにして頂きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/38
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039・鍛冶良作
○衆議院議員(鍛冶良作君) 私は全滅というのは、松阪市が全滅したというのではない、繁華街、中心市街であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/39
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040・伊藤修
○伊藤修君 中心市街が全滅したというならば、先ほど松本さんの説明では中心市は三分の一とおつしやつた。三分の一と申せばここに表にあります通り一万一千戸というのですから約四千戸を想像しなければならん。四千戸焼いているというならば成るほど全滅ということを私は肯定いたします。だから少くとも我々現地を調査するわけではないですから、書面の上においても納得の行く理由を明らかにして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/40
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041・松本一郎
○衆議院議員(松本一郎君) 伊藤さんの御質問御尤もでございますが、実は都市計画でいろいろ府県も市も後の復興並びに後の区画整理、いろいろやつておるのですが、大きな昔からの料亭等もございます。この中には遊郭もございます。又一般の商店、人家もございます。ただこの機会に道路等も幾分は、もう少し便利なものにしようといえば当然宅地です、宅地を一%なり或いは一〇%なり平均縮めなければなりません。ところがこのままで放つたらかしておきますと、大きな料理屋は又自分の土地にどんどん建てる、遊郭が又できる、延いては昔のままの七メートルの国道等考え併せますとこれは当然誰一人の異論もなく、この際すべての人が一応建築を見合わして、そうして区画整理のできるのを待つて建てるということになつたのですが、大勢の中には、百人の中に一人や二人はおれのところに、おれの土地におれが家を建てるのだというのがなきにしもあらずなのです、そういう場合に一%なり五%なり或いは一〇%なり平均小さくやらし、或いは無駄な大きな余分の屋敷はパーセンテージを縮めて小さくしてもらう、そうしてすべての人が仲良くあと復興するというために実は県も市もこの法律の準用をお願いしておるようなわけでありまして、まあ全国的に松阪市のような例も少いかと私ども考えますので、もう十五日ございますのでどうぞできます限り資料は出せとおつしやるならば取寄せますが、大分隔つておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/41
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042・伊藤修
○伊藤修君 御苦衷のほどはよくわかります。わかるけれどもこれが先例になつて全国の、松阪市はこうやつたのだからおれのところの火災はなぜやつてくれんと、こう言われては困る。これは鍛冶さんもよくわかると思う。今松本さんが土地を取上げて云々とおつしやつたけれども、これは勿論当然のことで、その御説明によるとよくわかるのですが、どうして松阪市に適用しなくてはならんかつたかということを簡単でいいですから、一つ数字的に……。それは一応、私たちのほうで調べてもわかりますが、明日までに一つお願いして、明後日に本会議に出せばいいのですから間に合うようになります。速記の上に明らかにしておきませんと将来困りますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/42
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043・鍛冶良作
○衆議院議員(鍛冶良作君) 今おつしやる点はわかりますから、できるだけ調べますが、ただ参考に松阪市の罹災状況調によりますと、罹災地の借地率は四〇%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/43
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044・伊藤修
○伊藤修君 それはわかつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/44
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045・鍛冶良作
○衆議院議員(鍛冶良作君) 借家率は三五%となつております。この意味からしても相当住宅は稠密なところであつて、いろいろ複雑な法律関係のあることはわかると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/45
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046・伊藤修
○伊藤修君 そうすると、この四〇%の借地率を乗じて考えますと、一体先ほどの四千戸というのは出て来ないのです。繁華街四千戸だというのが出て来ない。あなた計算なさつて見てもそうでしよう。だから私はやはりその基本になるものを明らかにしてもらつたほうがよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/46
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047・吉田法晴
○吉田法晴君 今までの説明を聞いておりますと、とにかく納得し得るほどの説明はございませんので、伊藤委員からの御発言のように、もう少し納得のできるような一つ資料を持つて御説明願うこととして、今までの説明を聞いて……幾ら聞いても同じことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/47
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048・岡部常
○岡部常君 先ほどの吉田君の質問に対する政府側の御答弁、どうも的が外れているように思うのでございます。私は更によく調べて頂くと同時に、先ほど伊藤委員が指摘されたように、これは根本的に問題があるということを、先刻松本議員が申し、それに対して政府の今後の処置を尋ねたことがあるのです、それに対して一向それが、処置がとられておらない。これなんかもやはりこの際政府のお考えを一応聞いて、それから進めたほうが将来のために都合がよろしい。これも同時に政府のほうで御用意になつて頂きたい。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/48
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049・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 速記をとめて下さ、
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/49
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050・小野義夫
○委員長(小野義夫君) 速記を始めて下さい。
本問題に関しては、明日質疑を続行することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101315206X00219520211/50
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