1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年十二月十八日(木曜日)
午後一時四十二分開議
出席委員
委員長 平野 三郎君
理事 大石 武一君 理事 野澤 清人君
理事 山下 春江君 理事 堤 ツルヨ君
理事 長谷川 保君
池田 清君 勝俣 稔君
加藤鐐五郎君 永山 忠則君
日高 忠男君 平澤 長吉君
吉江 勝保君 亘 四郎君
高橋 禎一君 岡部 周治君
島上善五郎君 柳田 秀一君
只野直三郎君
出席政府委員
厚生事務官
(医務局次長) 高田 浩運君
厚生事務官
(引揚援護庁次
長) 田邊 繁男君
厚生技官
(医務局長) 會田 長宗君
委員外の出席者
議 員 明禮 輝三郎
衆議院法制局参
事
(第二部長) 鮫島 眞男君
専 門 員 川井 章知君
専 門 員 引地 亮太郎
専 門 員 山本 正世君
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十二月十七日
委員中馬辰猪君辞任につき、その補欠として池
田清君が議長の指名で委員に選任された。
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十二月十七日
戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する
法律案(明禮輝三郎君外九名提出、衆法第一六
号)
同月十六日
清掃施設整備に対する財源措置に関する請願(
横川重次君外三名紹介)(第一〇四二号)
同(島上善五郎君外一名紹介)(第一〇八六
号)
同(平野三郎君外五名紹介)(第一〇八七号)
同(大泉寛三君紹介)(第一〇八八号)
乙種看護婦養成所存置に関する請願(勝俣稔君
紹介)(第一〇八四号)
元満洲開拓犠牲者遺族等の援護に関する請願(
平野三郎君紹介)(第一一四四号)
母子福祉法制定の請願外二十二件(小西寅松君
外二名紹介)(第一一四五号)
戦傷病者援護に関する請願(山下春江君紹介)
(第一一四六号)
国立病院、療養所の看護婦増員に関する請願(
柳田秀一君紹介)(第一一四八号)
アフター・ケア施設設置に関する請願(柳田秀
一君紹介)(第一一四九号)
国立療養所における給食費増額の請願(並木芳
雄君紹介)(第一一五〇号)
同(柳田秀一君紹介)(第一一五一号)
健康保険療養給付期間延長に関する請願(山下
春江君紹介)(第一一五二号)
同月十八日
あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法
の一部を改正する法律案に関する請願(堤ツル
ヨ君紹介)(第一二三五号)
医療扶助安定のための措置並びに国庫補助増額
に関する請願(三宅正一君紹介)(第一二三六
号)
立川市の水道施設完備促進に関する請願)(山
花秀雄君紹介)(第一二三七号)
癩予防法の一部改正等に関する請願(大麻唯男
君紹介)(第一二三八号)
国立病院、療養所の看護婦増員に関する請願(
長谷川保君紹介)(第一二三九号)
国立公園施設整備に関する請願(吉江勝保君紹
介)(第一二四〇号)
旧南洋群島官民戦没者遺族に対し戦傷病者戦没
者遺族等援護法の適用に関する請願(川島正次
郎君紹介)(第一二四一号)
母子福祉法制定の請願(木村公平君紹介)(第
一一四二号)
同(平野三郎君紹介)(第一三五一号)
同(牧野良三君紹介)(第一三五二号)
同(大野伴睦君紹介)(第一四四一号)
未復員者給与法の適用患者に生活扶助料支給に
関する請願(三宅正一君紹介)(第一二四三
号)
同(石野久男君紹介)(第一二五五号)
アフター・ケア施設設置に関する請願(長谷川
保君外一名紹介)(第一二四四号)
同(内藤隆君紹介)(第一二四九号)
同(平野三郎君紹介)(第一四三八号)
生活保護法の改正等に関する請願(長谷川保君
外一名紹介)(第一二四五号)
同(平野三郎君紹介)(第一四三七号)
国立療養所等の給食費増額の請願(長谷川保君
外一名紹介)(第一二四六号)
同(平野三郎君紹介)(第一四四二号)
日雇健康保険の確立に関する請願(八木一男君
紹介)(第一二四七号)
国立療養所における給食費増額の請願(石野久
男君紹介)(第一二五二号)
健康保険療養給付期間延長に関する請願(長谷
川保君外一名紹介)(第一二五三号)
同(石野久男君紹介)(第一二五四号)
同(平野三郎君紹介)(第一四三九号)
生活保護法による生活扶助料引上げに関する請
願(石野久男君紹介)(第一二五六号)
塩釜港に検疫所設置に関する請願(佐々木更三
君紹介)(第一二六四号)
自然公園候補地の指定促進に関する請願(吉江
勝保君紹介)(第一二八二号)
国立公園及び国定公園管理強化に関する請願(
吉江勝保君紹介)(第一二八三号)
自然風景の保護に関する請願(吉江勝保君紹
介)(第一二八四号)
慰安謝金増額に関する請願(赤城宗徳君紹介)
(第一二八五号)
戦傷病者援護に関する請願(長谷川保君紹介)
(第一三四三号)
清掃施設整備に対する財源措置に関する請願(
首藤新八君外一名紹介)(第一三四四号)
社会福祉事業振興に関する請願(平野三郎君紹
介)(第一三四五号)
医療給付費の二割以上国庫負担に関する請願(
風見章君紹介)(第一三四六号)
未復員者給与法の適用患者に生活扶助料支給等
に関する請願(猪俣浩三君紹介)(第一三四七
号)
未帰還抑留者及び留守家族救護法制定に関する
請願(村上勇君紹介)(第一三四八号)
同(松野頼三君紹介)(第一三四九号)
同(首藤新八君紹介)(第一三五〇号)
理容師美容師法の一部改正反対に関する請願(
今村忠助君紹介)(第一四四〇号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十六日
国民健康保険事業を強制制度とすること等に関
する陳情書外百十六件
(第八五
一号)
同外三十三件
(第八五二号)
同
(第八五三号)
国民健康保険給付費に対する二割国庫補助の実
現に関する陳情書
(第八五四号)
国民健康保険再建整備資金貸付法による貸付条
件緩和の陳情書
(第八五五号)
遺族補償に関する陳情書
(第八五六号)
戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正に関する陳
情書
(第八五七号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法
及び診療エつクス線技師法の一部を改正する法
律案(内閣提出第七号)(参議院送付)
戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する
法律案(明禮輝三郎君外九名提出、衆法第一六
号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/0
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001・平野三郎
○平野委員長 これより会議を開きます。
戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず提案者より趣旨の説明を聴取したいと思います。明禮輝三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/1
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002・明禮輝三郎
○明禮輝三郎君 ただいま提案となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を簡単に御説明申し上げます。
終戦後軍人軍属が内地に帰還いたしまするや、その上陸地におきまして復員手続を終了した後に帰郷せしめておつたのであります。しかしその帰郷の途中で自己の責めに帰すべからざる事故によりまして死にましたり、または傷を受け、もしくは病気にかかるような事例が起つているのであります。たとえば済州島第五十八軍隷下を離れまして、昭和二十年十月二十五日佐世保港に上陸いたしました復員部隊のうち、四国方面へ帰りまする二百数十名の軍人軍属が、同年の十一月五日に佐世保を出発いたしまして、翌六日朝七時十分ころ尾道から第十東予丸に乗船いたしたのであります。ところがたまたま天候が非常に悪くなりまして、愛媛県越智郡伯方町の六つ瀬という灘にさしかかつた際、猛烈な突風に襲われまして、その第十東予丸は午前九時二十五分ころ転覆いたしたのであります。このために遂に乗客三百九十六名が遭難溺死するに至つた事件がございます。これらの人々は形式的にはすでに復員が完了いたしておりますため、戦傷病者戦没者遺族等援護法第二条にいわゆる未復員の状態を離れておりまする関係上、同法の適用外に置かれまして、何らの援護を受けることができません。まことに気の毒な事情にございます。内地に帰還したとはいえ、いまだ郷里に帰着していない以上は、実質的に見て未復員の状態にあるといつてもさしつかえないのでございます。ことに全然自己の責めに帰すべからざる事由に基く原因で死亡、傷病等の災害を受けたこれらの人々及びその遺族等が、復員手続完了という単なる形式的な理由によりまして、他の一般戦傷病者戦没者遺族等と差別的な取扱いを受けることは、まつたく理解に苦しむところでございます。本件のごとき場合におきまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法を拡張いたしまして援護の措置を受けしむるために、本改正法律案を提出することが最も急務と信ずる次第あります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望してやまない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/2
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003・平野三郎
○平野委員長 これにて提案理由の説明を終りました。本案について御質疑がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/3
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004・高橋禎一
○高橋(禎)委員 これは政府の方へお尋ねするのですが、ただいま提案者が説明中に引用された第十東予丸に乗船していて死亡された方々に対しては、これまで国家としては何らの弔慰あるいは救済、援護といつたようなことはなされておらなかつたのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/4
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005・田邊繁男
○田邊政府委員 復員後の死亡に属するものでありますので、今日まで弔慰金等の措置をとつておらないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/5
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006・高橋禎一
○高橋(禎)委員 これは提案者からでもあるいは政府からでも適宜お答え願えればいいのですが、この案の「遅滞なく帰郷する」云々の、この「遅滞なく」というのはどのように解釈すべきものであるか、その点をお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/6
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007・鮫島眞男
○鮫島説明員 「遅滞なく」と申しますのは、復員の事務が終了いたしました後に、自分の私用でどこか途中へ立ち寄る。そうして立ち寄つて用事が済んでから郷里に帰る、そういう場合もございますし、あるいは復員の事務が終了いたしますと、そのままずつと何といいますか、一番テイピカルな例をとりますと、やはり今までと同じような行動をとつて、部隊行動のような団体行動をとりまして、そのまま帰つて行くという両方の場合があり得るわけでございまするが、今後援護しなければならないと申しますのは、復員しまして、そのまますつと郷里に帰るというのを救う必要があるのじやないか、といいますのは、その復員という観念が、上陸地におきまして復員事務が終了するということで、復員が完了するということに取扱い上なつておるのでございますが、それは常識的に申しますと狭きに失するので、むしろ復員が済んでそのままずつと郷里へ帰るときまで、復員の観念というのを常識的に拡張してもいいんじやないか、そういうような考慮から出ましたので、「遅滞なく」という言葉を入れたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/7
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008・高橋禎一
○高橋(禎)委員 そういたしますと、提案者がせつかく御心配になつておるこの第十東予丸の場合には、この「遅滞なく」ということに該当して救われることになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/8
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009・明禮輝三郎
○明禮輝三郎君 先ほど提案理由の中に申しました通り、この部隊は十月二十五日に佐世保に帰りましたが、いろいろ復員事務をやつて整理をやつております間が十一月五日までかかりまして、一人生き残つておる人がございまして、その人から私が聞きましたところによりますと、この部隊は先任者が引率いたしまして十一月五日の晩に立つたわけでございます。汽車賃などのようなものも無料証明書を使つて、軍装のままみんな一緒にずつと帰つたということでございますので、もちろんその死んだ人々は、復員ということは自分の家へ帰るまでまだ済んでいないつもりで、その道すがらはすべて復員の途中にある軍人、軍属そのままの姿でおつたと思います。こういう点からいたしまして、これはもちろんその部隊といいますか、上官の指揮を受けて動いたのじやないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/9
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010・高橋禎一
○高橋(禎)委員 政府にお尋ねしたいのですが、ただいま提案者の説明によりますと、第十東予丸に乗船しておつて死亡した方は、この法律案が法律となれば救済できる、こういう御意見のようですが、政府においてはこの法案が法律となりました場合に、その運用上当然第十東予丸に乗船して死亡した人たちは救い得るという御見解かどうか、そこをはつきりお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/10
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011・田邊繁男
○田邊政府委員 第十東予丸に乗船して遭難死亡された方々は、軍人軍属が海外から帰還し、復員後遅滞なく帰郷する場合に、その帰郷のための旅行中において負傷しまたは疾病にかかつて、そのためになくなられたということに該当すると思います。その死亡した原因も、今私どもが手に入れております資料等によりますれば、自己の責めに帰すべからざる事由によつて負傷しまたは疾病にかかつた方々だと、目下のところ考えられる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/11
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012・高橋禎一
○高橋(禎)委員 これは当局において御調査がすでにあるかと思うのですが、提案者の引用されたこの第十東予丸の例、こういう事件を除いて、大体これに類似するもので、今問題になつております法律案の実施によつて救済される者はどの程度あるか、あるいはないのか、その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/12
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013・田邊繁男
○田邊政府委員 お答えいたします。このために特別に調査したことはないのでございまして、正確なことは申し上げられませんが、大体ないのではないかと思つておりますが、二、三あるような話もちよつと聞いておりますので、場合によりましては第十東予丸以外にも、これに該当するものがあり得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/13
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014・高橋禎一
○高橋(禎)委員 これは提案者あるいは法制局からでも、どなたからでもいいのですが、「自己の責に帰することができない事由により」云々とあるのですが、たとえば帰郷中に自動車事故で負傷したり、あるいは疾病にかかり、あるいは死亡したというような場合でも、この案によつて救済されるわけなんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/14
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015・鮫島眞男
○鮫島説明員 今度の改正法案につきまして、「自己の責に帰することができない事由」という言葉がございますが、それは現行法の第四条の第二項に、ちようどこの同じ言葉があるのでございまして、実はそれと同じ言葉を使つたのでございます。そこで第四条第二項におきます「自己の責に帰することができない事由」といいますのは、この法文にもございますように、軍人軍属が昭和二十年九月二日以後というのでございまして、もう軍人軍属としての本来の公務が考えられなくなつてからのことでございますので、そういう自己の責めに帰することができない事由というふうに使つたのでございまして、これは第四条第一項の規定とを比較いたしますと、自己の責めに帰することができない事由というのは、それが軍人軍属であつたならば、その公務と見られるような場合、あるいはその軍人軍属という特別の事情に関連して生じたような事故、そういうふうに考えられる場合を意味するというふうに第四条第二項で解釈されておりますので、本件の場合もそういうふうに解釈すべきではないか。ですからお尋ねの場合も、ただちにそれが今度の改正法案でいいます自己の責めに帰することができない事由に該当するかどうか、というのはやはり具体的案件によつて判断いたしませんと、そのいずれということははつきりは申し上げかねることになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/15
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016・高橋禎一
○高橋(禎)委員 公平の観念からいたしますと、この法律案に規定して救済されようとしておる人たちと大体同じような立場にあると考えられますのは、ちようど召集を受けて入隊する以前、自分の居住地から入隊地に旅行しておるその間において、大体この法律案の条件と同じような、もしくはそれに類似したようなことによつて負傷し、疾病にかかり、あるいは死亡したというような者も救済しなければならないと私は思うのでありますが、これを救済することに関して政府当局のお考えをこの際伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/16
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017・田邊繁男
○田邊政府委員 軍人軍属が退職した後においての事故について援護をするということにいたしました場合に、公平の見地から、入営または召集途上において、同様に自己の責めに帰すべからざる事由によつて災難にあわれた方方に対しましても、同じような援護の手を差延べるべきじやないかという御意見につきましては、まつたく同感に考えております。ただ援護法はたびたび申し上げますように、軍人の恩給が復活するまでの暫定措置という建前をとつておりますので、すべての建前を恩給法の公務及び軍人というものに限つております。また遺族の範囲もできるだけ可能な限り恩給法の遺族に合わせておるような次第でございます。軍人が公務のために疾病にかかりまたは死亡した場合において、恩給法によつて国家が補償するという建前をとつておりますので、国家が補償するという建前をとる以上、恩給法において自分が軍人軍属である限り、同様に取扱われるのではないかと考えております。現在までのところ、恩給法では入営または召集途上の方々に対しましては、恩給法の適用はないように承知いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/17
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018・高橋禎一
○高橋(禎)委員 大体ただいまのお答えを、私が引用いたしました事例の場合には、政府当局においてこれを救済しなければならぬというお考えがおありになるというふうに理解いたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/18
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019・勝俣稔
○勝俣委員 ちよつとお尋ねしたい。疾病にかかつたときというのはどういう意味ですか、提案者から承りたい。帰郷してから二日目に病気になつた。疾病の種類によつてはそこでかかつたものと見なしてくださればいいのですが、腸チブスのような病気にかかつたときには、発病はそのあとになりますけれども、船の中で熱が出なかつたからいけないというようなことでは、ちよつとその辺が違うのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/19
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020・明禮輝三郎
○明禮輝三郎君 この法律はけがをいたしましたり、疾病にかかつたということで結んでございますが、その前にあります「自己の責に帰することができない事由により」ということで押えてございますので、そういう病気も自己の責めに帰すべきものでない限り、病気になつたり、けがをしたり、——もう一つ、死んだ場合は書いてありませんが、死んだ場合もやはり救われるものであろうと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/20
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021・勝俣稔
○勝俣委員 政府当局にお伺いいたします。おそらく提案者の方は、疾病にかかつたという意味合いが、私の質問の意味がよくおわかりにならぬのじやないか。船の中で食事なんかによつて疾病にかかつた。しかし発病はしておらない。うちへ帰つて来てから発病した。潜伏期は五日である。あとで発病になつても、その人は入るだろうと思うのですが、政府当局から御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/21
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022・田邊繁男
○田邊政府委員 旅行中に発病しなくとも、旅行中に疾病に感染したということでありますれば、その限りにおいては、むろん対象になるわけであります。疾病にかかつた原因が、自己の責めに帰すべき事由であるかどうかということによつて、法律の対象になるかならぬかがきまつて来ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/22
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023・平野三郎
○平野委員長 他に御質疑がありませんか。——他に御質疑もないようでありますが、本案に対する質疑は終了したものと認めるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/23
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024・平野三郎
○平野委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終了したものと認めます。
次に本案の討論に入りますが、別に討論の通告もありませんので、これを省略し、ただちに採決に入るに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/24
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025・平野三郎
○平野委員長 御異議なしと認め、本案の討論は省略し、これより戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/25
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026・平野三郎
○平野委員長 御異議なしと認め、本案は原案の通り可決いたされました。
なお本案に関する委員会の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、そのように決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/26
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027・平野三郎
○平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/27
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028・平野三郎
○平野委員長 次に日程を追加してあん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法律案を議題といたし、その審議を進めます。この際本案に関し政府より発言を求められております。これを許します。政府委員會田医務局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/28
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029・會田長宗
○會田政府委員 本案につきましては、前会から御審議を願つたのでありますが、御承知のように高等学校卒業者あるいはそのほか大学に入学する資格を持つております者にについては、はり、きゆう、柔道整復の学校または養成施設における修業年限を二年以上というふうに最低限を短縮するという案でございます。
問題となりました点は、あんま、はり、きゆうといつたようなもののうち、幾つかのものをあわせて修業いたします場合に、二年では短か過ぎはせぬかとういうような問題が出ておつたのでございます。いろいろと各方面の意見も十分にたたきまして、慎重にさらに考慮いたしました結果、ここにはいろいろと問題が残つおるようではございますけれども、厚生省にあんま、はり、きゆう、柔道整復審議会というような機関も備わつておりますので、本法律に基きまして省令を出します場合に、具体的に併科修業の場合には何年といたすかというようなことは、その審議会の意見をも十分徴しまして確定いたしたいというふうに考えております。この法律といたしましては、この原案通りにしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/29
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030・平野三郎
○平野委員長 御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/30
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031・長谷川保
○長谷川(保)委員 この前の厚生委員会で御質問を申し上げたのでありますが、清眼者を主といたしまする養成所の実情について、その後御調査いただいたでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/31
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032・高田浩運
○高田(浩)政府委員 主として清眼者を対象としております厚生大臣の認定しました養成施設は、柔道整復の分を含めまして全国に七箇所でございます。これらはいずれもこれらの学校に関します施設の認定規則という省令がございまして、それに基準がございます。その基準に適合しているかどうかということを精査の上認定をいたした次第でございまして、その後の監督につきましては、都道府県の衛生部を通じて監督している実情であります。これらの養成施設について、この前いろいろお話がございましたが、今申し上げました規則のいろいろな規格に適合しているというふうには承知いたしておるのでございますけれども、なお細目の点につきましては十分今後監督に気をつけまして、間違いのないように努めて行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/32
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033・長谷川保
○長谷川(保)委員 私がこの前御質問申し上げましたのは、ただそうい、)ことをお調べいただくということではなしに、その中に相当いかがわしいものがあるということが、私の方の調査で想像せられるわけであります。この前申し上げましたように、いろいろな基準は一応形式的には整備してございますけれども、実際におきましては、昼間働いておる清眼者たちが夜参りまして、より簡単にこそこそといわば教えてもらうという程度、従つてまた事実その単位時間をはたしてやつているかどうかということは、ずいぶんあぶなつかしいものであり、中にはそれもほとんどろくにやらなくて、資格の証明書と申しまするか、そういうものを金で売買ができるというような実情もなきにしもあらず、こういうふうなことを私どもの方では実は耳にいたしておるのであります。そういうようなことでありますると、私が一番心配いたしますのは、盲人の方々はいやおうなしに盲唖学校に二年なり三年なりあるいは四年なり通つて、そして実習もあるいは教授の方も単位時間をきつちりやるということでありますけれども、清眼者の方はそうではありませんから、きわめて楽にその資格を得ることになります。そういたしますれば、これは非常な、たださえ肉体のハンデイキヤツプのありますところへ持つて行つて、なおハンデイキヤツプができる、従いまして清眼者の方々が盲人の方々の職業、職域をどんどん冒して参りまして、盲人の方々がいよいよ生活の困難なところに追い込まれざるを得ない、盲人の保護という立場に立ちまして、この点よほど考えて、むしろ盲人の方々が職業を得るによりやすい方法をやつてあげなければ、盲人は独立生活ができなくなる、こういうことを心配しておるのです。私はその学校の実情がどうであるかということを承つておるので、基準に合つていないとか、基準に合つているとかを承つていないのです。許可すれば基準に合わせるにきまつておるのであります。実情が今日どんなであるか、盲人の方々に非常に不利益になつて行くのではないか、そういう実情について伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/33
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034・高田浩運
○高田(浩)政府委員 ただいま申し上げましたように、養成所の施設についての監督は都道府県知事を通じてやつておるのでございますが、今お話になりましたような規則に違反をしたようなきわめていかがわしいことをやつているということについては、報告を受取つておりません。しかし具体的なそういう疑わしいことが考えられるといたしますれば、都道府県を通じてさらに監督を厳にいたしまして、間違いのないようにいたしたいと思います。
なお念のために申し上げておきますが、失明者を対象といたしておりますいわゆる盲学校以外の厚生大臣の認定しました養成施設が全国に六箇所ございまして、盲学校以外は全部清眼者を対象といたしておるというわけでないことを御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/34
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035・長谷川保
○長谷川(保)委員 清眼者を主として対象といたしておりまする養成所はどこどこにあるかおわかりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/35
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036・高田浩運
○高田(浩)政府委員 具体的な名前を持ち合せておりませんので、後刻調べて申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/36
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037・長谷川保
○長谷川(保)委員 都道府県別にはわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/37
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038・高田浩運
○高田(浩)政府委員 ちよつと書類がまぎれ込みまして今見つかりませんので、あとで申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/38
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039・長谷川保
○長谷川(保)委員 私聞くところでは地方にもありますが、東京に数箇所あるということを伺つております。遠くにあるものならば日がないということも言えますが、すでに先日の委員会でこの点を申し上げてあるのでありますから、どうか至急お調べをいただきたいのであります。すみやかにこの法律を採決に移したいと思つております私どもの考え方に対しまして、そういうことでこれが遅れることは残念でありまして、どうか至急お調べをいただきたいのであります。この点が盲人保護の道に行けるかどうか、この法律の非常な重大な点であると私は思うのであります。どうかその点をこの次までに至急お調べをいただきますように、この点につきましては質問を一応終ります。
なお次に質問いたしたいのでありますが、先般中途失明者のことで問題が出ましたが、その中途失明者数及びその学歴についてお調べいただくようにお願いしてあるはずでありますが、その数が大体おわかりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/39
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040・高田浩運
○高田(浩)政府委員 御承知のように私の方は保健衛生という立場からこういつた仕事の関係を取扱つております関係上、いろゆる盲人についての全般的な統計その他の行政をあずかつておりません関係上、的確な材料が整わないことは非常に残念でございますが、以前におきまする中途失明者とそれか、らその他のいわゆる一般の失明者との数の比を基礎にいたしまして、今日における中途失明者の数を算定いたし、なお戦争によります傷病による失明者をそれに加えまして計算いたしますと、約八万が中途失明者と見られるのであります。これらの者の学歴につきましては、私のところにも、それからその関係の盲人の福祉の関係を主として担当しております主務局においても、現在のところないのでありますが、かつてずつと以前に調べられました統計によりますと、もちろん大部分は小学校を出た者、これが約九六5%を占めておりまして、あと大学が〇・二%、専門学校が〇・四%、中等学校が二・七%、大体そういつた数字になつているのでございます。もちろんこれは以前の数字でございまして、今日においては教育制度の改革、その他一般文化の進歩に伴いまして、上級学校の比率が、あるいは多少増加しているかと思いますが、この点そういうようなことになつておりますので、御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/40
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041・長谷川保
○長谷川(保)委員 この法案の改正の理由の中に、中途失明者を救うという大きな目標があるようであります。そこで大学入学の資格を持つておる人の数が一体どれくらいあるかというようなことを調べますことが、この法案改正によつて盲人と中途失明者をほんとうに救うことになるか、それともまた職業を清眼者に奪われる結果になるかという大きな境目にあると思う。こういう点を、最近のものを知りたいと思いますから、できるだけそういうものを御整理願いたいと思います。
それから次に傷痍軍人の光明寮に入つておりまする入寮者の方々は、常にいわばからだをさすつてこの修練をする期間が非常に長いのであります。長い時間を持つことができるわけでありますが、そういうものについてやはり特別の処置を講ずる必要があると思うのです。すでに時間もないようでありますが、こういうところに入つております人の人数はわかりましようか。またその学歴はわかりましようか。そのことをお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/41
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042・高田浩運
○高田(浩)政府委員 国立の光明寮が全国に三箇所あるわけであります。そのほかにまたこれと同じような、いわば中途失明者を対象といたしております養成施設が府県立で一箇所、私立で三箇所。これの在学者は約二百三十人ということになつております。これらの者の学歴別につきましてはただいま持ち合せておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/42
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043・平野三郎
○平野委員長 間もなく本会議も始まる模様でございまするので、質疑は次会に続行することとし、本日はこれをもつて散会いたします。
次会は公報をもつてお知らせいたします。
午後二時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504237X00719521218/43
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