1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年十二月二十四日(水曜日)
午前十一時五十分開議
出席委員
委員長 阿左美廣治君
理事 水谷 昇君
小澤佐重喜君 淺沼稻次郎君
三宅 正一君 原 彪君
委員外の出席者
国立国会図書館
長 金森徳次郎君
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本日の会議に付した事件
国立国会図書館法第二十条の規定により行政各
部門に置かれる支部図書館及びその職員に関す
る法律の一部を改正する法律案起草の件
国立国会図書館職員苦情処理規程の一部を改正
する規程案
国会図書館庁舎の建築計画に関する件
国立国会図書館の経過報告に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/0
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001・阿左美廣治
○阿左美委員長 これより会議を開きます。
まず国会図書館庁舎の建築計画に関する件について御協議をいたします。図書館の本庁舎の建築問題が年末の懸案でありますことは申すまでもありません。最近におきましては、先月末委員会の懇談会において、明年度の予算要求事項に関連いたしまして、この問題に関する図書館当局の意向を聴取し、その計画の推進方を要望いたしまして、次いで本月五日には両院の図書館運営委員会の合同打合会におきまして、敷地に関し大蔵当局の係官の出張を求め、その意見をもただした後、旧ドイつ大使館跡を使用すべきである旨の申合せを行い、また委員各位よりは、最初理想案を掲げて、漸次それを実現する方向に持つて行くべきであるとの御意見の開陳があつたのであります。さらに十一日、第二回の打合会において、図書館当局より具体的計画を示され、各位の御賛同を得た次第であります。しかして一昨二十二日には、国立図書館建築委員会法により建築委員会が開かれ、その結果同委員長より昨日議長を経由して国会に勧告が出されたのであります。この問題につきましては、本委員会といたしましても重大なる関心が持たれますので、この際その内容につきまして、建築委員長たる図書館長より御説明を承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/1
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002・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 去る二十二日に図書館の建築委員会を開きまして委員の大部分が御出席くださいまして、そこで論議をいたしました。結局、図書館はどうしてもつくらなければならぬという従前からの動きに従いまして、場所は元のドイつ大使館の跡ということにいたしまして、そのためには、そのまわりの土地をある程度まで国の所有にしなければならぬということと、その上に延坪四万五千坪の建築計画というようなものを将来の念頭に置きまして、そしてあとは実行の必要に応じて、数年間の計画としてこれを建設して行こうというふうな結論を得まして、これに必要な予算その他の計算書を添えまして、両院の議長に報告することになつたのでありますが、大体の考え方といたしましては、当初の四万五千坪の計画は非常に筋の通つたものでありますけれども、また将来の日本としてはそうでなければなりませんけれども、何分にもその規模がすぐには充実し得られないのでありまして、目下の経済の面はかりに別にいたしましても、ほかの文化の動きとつり合いをとつてみますると、ただちにこれを満たすだけの書物も容易には集められない、こういうこともございまして、もう少し具体的な案でよかろうというような考えを持つておりますが、さればとて非常に小さなものをつくりますと、もうつくつたときからいろいろの支障を起しまして、現在の不十分な図書館ですらも四千坪の土地を利用しておりまするのに、いくらくふうをいたしましても、それとあまり大きさの違わないようなものができますれば、ただちに図書館が動かなくなつてしまうということで、いろいろ考えてみますと、やはり一万五千坪という計画は大切でございまして、それを建築の技術及び経費の関係から、すぐというわけには行かないにしても、六年計画くらいでこれをやつて行くことが一番望ましいではないか、これをやりますれば書物の集まりぐあい及び中におる人々の充実ぐあい等から考えて、相当程度役に立つ施設が持てるであろうという結論を得ましたわけであります。実行の面につきましては今後これに派生するいろいろの問題もあろうと思いますけれども、ねらいどころとしてはこの計画で行きたいというのが、図書館関係者の念願でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/2
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003・阿左美廣治
○阿左美委員長 ただいまの御説明に対して御質疑はありませんか。
別に御発言もないようでありますからお諮りをいたします。本勧告の実現促進方につきまして、委員会の決議をもつて議長に要望いたしたいと考えますが、いかがでありましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/3
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004・阿左美廣治
○阿左美委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決しました。
つきましては、委員長のもとにおいて作成いたしました案文を朗読いたします。
国立国会図書館本建築に関する
件
今般国立国会図書館建築委員会委
員長より両議院の議長を経由して国
会に勧告せられた国立国会図書館の
本建築に関する計画は、国会図書館
本来の使命とその現状に鑑み、適切
妥当なるものと認められる。
よつて、本委員会は、議長におか
れても本建築計画の実現方につき格
段の配慮を致されんことを切に要望
する。
以上であります。
ただいま朗読いたしました案文の通り決するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/4
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005・阿左美廣治
○阿左美委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定をいたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/5
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006・阿左美廣治
○阿左美委員長 次に国立国会図書館職員苦情処理規程の一部を改正する規程案を議題といたします。図書館長の説明を求めます。
国立国会図書館職員苦情処理規程
の一部を改正する規程案
国立国会図書館職員苦情処理規
程の一部を改正する規程
国立国会図書館職員苦情処理規程
の一部を次のように改正する。
第五条第二項中、第一号を削り、第
二号を第一号とし、第三号を第二号
とし、同号の次に次の一号を加える。
三 国会職員以外の者で学識経験
を有する者一名
第五条第三項中、「第二号」を「第
一号」に改める。
第六条第一項を次のように改め
る。
公平委員会に委員長を置く。委員
長は、館側及び職員側を除く委員の
うちから、委員が選挙する。
附 則
この規程は、昭和二十八年一月十一日から施行する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/6
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007・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 ただいま議題になつております苦情処理規程の一部を改正しまする規程の趣旨は、事柄は非常に簡単でございます。前にこの委員会の御承認を得ましてつくりました苦情処理規程は、御承知のように新しく国会の職員炉特別職になりましたので、その苦情を処理いたしまするために、公正な委員会をつくる必要があるということに方針がきまりまして、衆議院でも参議院でもまた図書館でも、おのおのその苦情処理委員会の制度を設けたのでありますが、図書館の側におきましては、当時非常に公正に行こうという見解から、その苦情処理の委員会の委員の組合せ方を、職員の側から二人、図書館の側から二人、それから最も公正な立場を代表する方として、両院の図書館運営委員長または委員長から指名を受けた方、それからもう一人はやはり図書館に深い関係を持つておりまする図書館連絡調整委員でありまするところの最高裁判所の裁判官を持つて行く、こういうふうにして規則をつくりました。
当時その規則でうまく動くものと思つて計画を進めて行つたのでありますが、その後に至りまして一つの故障が起りました。というのは、ここの苦情処理委員会の結果が、あるいは裁判所に問題が持ち込まれるということもあり得るのであります。普通にはないと思いますけれども、りくつの上から行けば、これが裁判所に行くこともあろう。そういたしますると、理論の上からは、最高裁判所の裁判官が委員会の中におつて委員長のような立場におられます場合には、かえつて公正を失するようなきらいも起り得るのでありまして、りくつからいえばたくさんの裁判官でありまするから、そういうことは避けられると思いますけれども、裁判所側の事務部局におきまして、これは筋の上から困るからして何とか直してもらいたい、こういう御希望が出たのであります。それも一つの理由があるというふうに考えまして、そこで今回この規程を改正をしていただきまして、最高裁判所の裁判官が委員であり委員長である、こういうことをやめまして、国会職員以外の者で、学識経験を有する者一名を、これにかわる者として委嘱するというふうに規程を改めたわけであります。この方が実際の議論の上にも都合がよくなるものと思つております。前の規程を改正しましてから一ぺんも使わないで、こういう規程の改正の御承認を願うということは、いささか手落ちのあつたきらいもございますけれども、さような事情でありますので、どうか御審議をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/7
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008・阿左美廣治
○阿左美委員長 ただいまの説明に対しまして何か御質疑はありませんか。
別段御発言もなければ、お諮りいたします。本規程案はこれを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/8
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009・阿左美廣治
○阿左美委員長 御異議なしと認めます。よつて本規程案はこれを承認するに決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/9
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010・阿左美廣治
○阿左美委員長 次に、国会図書館運営の経過について、図書館長より報告の申出がありますので、この際これを承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/10
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011・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 国会図書館の昭和二十七年四月から九月に至りまする六箇月の経過報告を申し上げたいと思います。
これは非常に多岐にわたつておりまして、かつまたこまかいことをも含んでおりまするので、別にお手元に出しておりまする印刷物の中に、ある程度までこまかく記載をしております。それは経過報告の要領と、それからこれに関係しております統計表のごときものでありますが、大体そのうちの非常に特別に注目すべき点だけを拾つて申し上げますると、過去の六箇月間におきましては、仕事の全般の上にはだんだんと小さいものが大きくなつて行き、単純なるものが複雑になつて行くというような方向に進んで参りまして、少しもゆるみを生じていないということだけは申し上げられ得るものと思うのでございます。職員の数は前の行政整理の影響を受けまして、約五分弱の減員をいたしましたが、相当これは困りましたけれども、いろいろな方法をもちましてこれを補つて参りまして、その上で一応順当な通り道をしております。今回のこの六箇月のうちにおきまして、ただ従来のものが発展して来るということ以外に、新しい仕事を始めましたことが二つあるのであります。一つは日曜日に図書館を開くということでありますし、一つは図書館の材料を比較的広くどこにでも貸し出すということでございます。本来から申しますれば、図書館が一日も休みがなくて、日曜日であろうが、休日であろうが、普通の日にはことごとく公衆のためにサービスするということが、理論上正しいと私は思つております。非常な金をかけて貴重な材料を図書館の中に積み込んで、一般の勤務規程に合せまして日曜日は開かない、普通の国の休日には開かないということは、いろいろな角度から見ましてあまりよいことではないのでありまして、世界の進んだ国におきましても、相当この点は利用を高めるように運用しておると思つておりますが、ただ私どもの図書館は、建物の関係が非常にぐあいが悪いのでございまして、日曜開館などをいたしますると非常な金がかかり、あるいは照明のぐあいが非常に悪いのでありまして、いろいろ間取りをしまして、やつと念願がかないまして、この四月から日曜開館をやりましたところ、平日と少しも劣らない程度に利用されておりまして、図書館の使命をそれだけ拡大し得るような気がいたしました。いま一つは、図書館の貴重な材料を図書館で見るばかりではなくして、一般の方面に貸し出すことができるということをやりたいと思つておりました。これは図書館の材料を最も有効に使う方法でありまして、理論としては非常に正当だと思つておりますが、これがまた経費その他の関係がございまして思うように参りません。さしあたりこの企画—私の方からは、つまり国立国会図書館の方からは、外の全国の図書館あるいは研究所の方に貸し出そうという計画を立ててこれを実行いたします。ほんとうをいえば、今度逆に向うからも図書が交流せられて来るということにしたいのでありますけれども、これは日本にありまする多くの図書館や研究所を拘束するわけには、すぐにはできません。今は一方的に図書の交流をはかつております。これが広く実現されて行きますならば、日本の図書館に相当の画期的な影響が生ずるものと思つております。あとは蔵書の増加とか、あるいは外国との交換状況とかいうことは、そんなに特筆すべきことではないが、次第々々に増加して来ております。
なお、多少つけ加えて申し上げたいのでありますが、私どもの仕事が外国の方に割合によく理解されて来つつあるのであります。その結果とでも申しましようか、たとえばアメリカの財団から、ソ連のいろいろな調査についてのアメリカにできておる一つのまとまつた数の書案を、われわれの方の図書館に寄贈をしたいというような申込みが来ておりますし、あるいはまたロつクフエラーが、相当の金を出して私の方の図書館の施設を援助しよう、こういうような、これは申出の程度を越えておりまして、向うだけの立場では決定されておりますけれども、そういうこともございまして、図書館の行き道は相当明るく、あるいは明るさがぐんぐん増しつつあるというような気持がしております。
これをもつて御報告を一応終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/11
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012・阿左美廣治
○阿左美委員長 ただいまの報告に対して何か御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/12
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013・淺沼稻次郎
○淺沼委員 質問というわけではありませんが、要望を兼ねて申し上げたいのであります。
それは国会分館というか、図書館の運営ですが、これはまあ、われわれは戦前にも議席を持つておつた。そうしてそのときには、国会図書館は院内にあつただけですから、主としてそれを利用したのですが、このごろは、前と違つて、設備、それからまた人の出入り等が、戦前と比較して、設備は少しくルーズになるし、人の出入りがよけいになつて、たとえば質問の資料を得、またあそこで原稿を書こうと思つても、静かにならぬような点があるのではなかろうかと思うのです。まあ私は、割合にひまがあれば院内の図書館には行く方ですが、たとえば新聞が衆議院と参議院のまん中に置かれるようになつてから、新聞を見るところには、秘書及びわれわれ議員外の人がこれを占拠して、すわつて読むというようなことがほとんどできない。それからまた新聞も、たいてい読んでいる以外の新聞は、あそこにかかつておつてしかるべきだと思うのですが、これまたかかつておらない。それから雑誌その他についても、参考資料に読もうと思つても、全部がとりそろつておらないときもある。通信等も中には欠けたものがある。こういう点を、議員だけ読むというようなところにできぬものか、ひとつお考えを願いたいと思うのです。議員以外の者は、入つて来ることはさしつかえないのですけれども、これは他の場所においてやつてもらうということにして、たとえば、そういう点で、新聞なんかも、場合によれば議員だけ専用するところに持つて行けばいいのですが、持つて行くとすれば、近いところへ置いといてもらうとか、それから図書館のすぐ前のところには、今はいろいろな人がすわつておりますが、あそこに大体新聞があつて、そこにすわつて議員が読んだというのが戦前の姿であつて、今はそこはもうほとんど議員外の人によつて占拠されて、われわれは、そこ新聞もないから、新聞を読みに行くことができない。この点を少しお考えを願つて、まああるいは本館ができた関係もあろうと思うのですが、議員が院内の図書館を利用する数も少くなつておろうと思うのですが、たとえばインキその他を見ても、万年筆を持つて行かなければ書けないという状況です。これはやはりわれわれがそこへ行けば、常に万年筆を持たなくても、インキは入つておつて書けるというようなことは、朝ちよつと心がけていただく。それからペンを一本つけておいてもらう。ということは、ときには万年筆を忘れることもあるからです。中がひからびたのを見ると、もうそのときに、本を読んだりなんかする気持がいやになつて、またこの調子ならやめておこうかという気持になる。こまかいことですけれども、そういうような心理的なことがぼくらにもあるのですから、ほかの人にもあるんじやないかと思いまして、本を読むというときには、やはり静かなところを求めるし、それから設備万端整つておつて、行きさえすれば静かにやれるという環境がなければ、読むという気持にならぬので、そういう点をお考え願いたいと思うのです。
それから戦前は、われわれの議事録を全部整理願つたのですが、この復活は、これを全部聞いてみなければわからぬですけれども、できないものか。これはやはり図書館の方で積極性を示していただかなければ、せつかく議会で千部ぐらいしかない議事録というものが、このごろは全部紙くず同様に扱われておる。たとえば、よその部屋のことを言つては悪いですから、私どものところで言えば、総選挙が済んだあと、相当部数が上に乗つかつておりましたが、結局とりにも来ない、またどうもしないということになつて、そのままこれがどこかに紙くずに売られて行くのではなかろうかという気さえするのです。しかし私は、いくら考えても、これほど尊い資料というものは—まず日本の国において、やはり国会が最高であると同時に、議事録も最高の権威あるものとして扱われて行かなければならぬ。私はそう思うのですけれども、たまたま私は個人的に図書館の方に頼みまして、今りつぱな本に仕上げてもらつておりますが、これを見た同僚は、これはりつぱなものができた、ひとつおれもやろうかなと、こう言うのだけれども、それ以上の積極性は出ないので、少し道を開いて、かりに、整理をしない人は別として、整理をする人があるとすれば、国会が終つたあと全部議事録をそろえて取りもとして来れば—料金をとつてもかまわぬと思うのですから、そこで何ぼで整理をするということになると、りつぱな議事録が作成できるのじやないかと思うのです。そうしてりつぱなものになれば、今度は議員の方でも粗末にしないで、あるいは議員から退くときには、自分の出た学校に寄付するとか、地方の図書館に寄付するとか、そういうような行為が行われて来て、議会というものの民主化のために大きな役割をするのじやないかと思うのです。日本人も外国人も同じだと思うのですが、やはり一つの心理があつて、自分が演説をやつたもの、自分がしやべつたものということになれば、やはり一つの興味を持つておつて、これを見ろというようなことで、人に、議員なんかがよく新聞を買い求めて送る、あるいは官報を求めて送るということは、単なる宣伝ばかりでなくて、やはりこういうことを言つたという資料として提供するという姿もこの中にあろうと思うのでして、ぜひそういうことを願いたいと思うのです。それからもう一つは、かりに全体にできないとすれば、有志の者については引受けるという設備をしていただきまして、ぜひこの促進をしていただきたいと思うのです。私も今頼んでおりますが、なかなか一つの仕事を持つてやられておるのでありますから、相当日限がかかります。やはり人間も、頼んだらまあ三箇月か四箇月たてばものになつて来る、ものになつて来れば、それを他にも見せる、こういうことになるのであつて、頼んだところが半年もかかつたということになると—これはまあ合法的な頼み方ではありませんから、私のやつが遅れるということは、これは何もその苦情を申し上げるわけではございませんが、ただ一ぺん申込みを受けて、そうして申込みを受けてから二、三箇月たつたら、みんなつくつて返す、こういうような設備をされたらいかがであろうかと思つて、ぜひできれば—全部やるということについては費用の関係もございましようし、いろいろな関係もあろうと思うのですが、全部でなくても、議事録の整理編集を要望する者があれば、それだけはひとつやつてやる。しかもそれは前にやつたように雑な整理の方法ではなくして、今度はほんとうに製本にしてりつぱなものに仕上げる。普通の雑な整理で、前のようなとじ込みだと、これはもうときが来ると糸が切れて、だめになつてしまいまするから、そうでなくして、国会の図書館で保管をしておるような整理を各議員にやつてやる。実費は各議員から出させる。費用を出すことがいやで、やらない人はやむを得ぬけれども、希望の者はやるということを、ひとつやつていただけないものだろうかということをお願いいたしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/13
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014・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 ただいま分館の中のぐあいが悪いというところ、これは私も実はときどき気がついておるのですけれども、何しろあの二つの院の方を一つにしてやり出しましてから、一面に分化的に発展しておると同時に、他面に御不自由をかけておるということは、これは認めざるを得ないのでありまして、一何とかひとつうまいくふうをいたしまして、御趣旨に沿うように、ことに新聞などは、自分のお読みになりたいときに手元にないということは、実におかしいことでありまして、ひとつこれは何とか考えたいと思います。
それから古い議事録、ことに委員会の速記などというものの整理の仕方につきましては、私どもも記憶しておりますが、その昔は相当きちんと整理のできるように、わずかの料金で国会側でやつてくれたのでありまして、今お話を聞いてみますと、どうもその仕事も、われわれの方の図書館に縁の深いようなことで、実はそこまで気がついておりませんでした。だからひとつ図書館の方で骨を折れば、ある程度まで道があくのじやないかと思いますが、ただそれが国会自身の事務局の仕事か、われわれの方の仕事か少しわからぬ点もございますので、そういうところをよく相談をいたしまして、何とか目鼻をつけたいと思います。実は製本なんかの施設は、図書館の方にも、合せてとじるというような施設は持つておりまして、相当能率は上つておりますから、何かうまいくふうが出るかもしれません。よくひとつ研究してみたいと思います。お答えを終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/14
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015・原彪
○原(彪)委員 今の淺沼さんの御主張は非常にけつこうなんです。これは私も非常に同感で、ぜひやつていただきたいと思いますが、結局それは図書館の職員諸君のサービスという問題にも関連して来るのでございますが、私聞きますと、この年末に図書館職員の年末手当が出ていないということですが、それはほんとうなんでございますか。どういう事情なんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/15
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016・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 年末手当が出ていないということを、どこかで言われておるかもしれませんが、各官庁並には、もとより法律できまつておることでありますから、出るのでありまして、法律的な意味の年末手当と、それから勤勉手当というものは、法律がきまり次第出ることになりまして、その割合等は一般と違うことは、ございません。
ただ実情を申しますと、国会の中の国立国会図書館でありますけれども、やはり国会の方はいろいろ忙しいということも言えましよう。ところが図書館の方はいろいろな見ようがありまして、国会の職員ほど忙しくない、こういうことがございますと、超過勤務手当というものの予算の基礎が幾らかずつ違つて来ておりまして、その面から来る給与が少くなつて行くということはございます。それから今私どもの方で比較的大きな問題になつておりますのは、いわゆるアルバイトでありまして、図書館というところはアルバイトを非常にたくさん使つております。正親の職員が五百何十人というときに、
アルバイトを百人くらい使つております。正規の職員は、何といつても一般の公務員の給与に従いまして、いろいろと改善せられて行きます。ところがアルバイトの方はつくりつけでありまして、これは予算で品物を買うような考え方でありまして、ちつとも増加して行かないのであります。だからアルバイトの面に行きますと、ことにことしのような場合は、正規の職員は俸給のベース・アつプもあり得るし、かつまた勤勉手当というものもございますけれども、アルバイトの方は予算できつちりきめられて、手も足も出ないような状況でありまして、ここに一つの悩みがあります。それとてもある程度まで歩調をそろえまして、予算の許す限りやつておりますけれども、これは事実ほんとうの職員とかなりの差が出て来ることは免れ得ません。これをどうするかということが私の方の悩みでありまして、何とかして予算も少し増してもらうことを努力しておりますけれども、思うにまかせないような状況にあります。しかし全然ないということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/16
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017・原彪
○原(彪)委員 この年末にも一般公務員並の〇・二五という手当は出ることになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/17
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018・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 〇・二五とかいう方のものは、まだ私どもきまつたというところまでは聞いておりません。あの問題はいろいろとこれから発展することと思つておりますが、その発展の可能性に従つて、もとより私どもの方も均霑しなければならぬのであり、そういうような場合のいろいろな差繰りの覚悟はしておりますけれども、元の方がきまらぬものですから、どうすることもできない状況になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/18
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019・原彪
○原(彪)委員 さらに重ねてお願いの意味を兼ねて申し上げますが、もう年末も差迫つておることでありますから、この際ぜひ当局でも年内にそういうものの支給ができますように、極力御尽力願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/19
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020・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 お話の点は、よく資本家と労働者とかなんとか言いますけれども、われわれ自身が勤労者でありまして、そういう点につきましては、よそに一歩も譲らないという意味で、努力をいたしておりますが、今の〇・二五の方はまだ本質がまつたくきまらないらしゆうございますから、私ども実は待機の姿勢で、すきがあつたら飛び出そう、こういう気持で控えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/20
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021・阿左美廣治
○阿左美委員長 ほかに御発言がなければ、図書館長の報告はこれを了承するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/21
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022・阿左美廣治
○阿左美委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定をいたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/22
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023・阿左美廣治
○阿左美委員長 次に、国立国会図書館法第二十条の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案起草の件を議題といたします。
本法の改正に関しては、昭和二十四年に本法が制定されまして以来、行政各部門に置かれる支部図書館に相当の数の異動を来しましたので、さきに第十三回国会におきまして、本委員会より改正法案を起草提出いたしたのでありますが、参議院において審議未了となつたのであります。この際本法改正案を起草いたしたいと考えますが、さきの第十三国会の案は、本年七月に予定されておりました行政機構改革をすべて織り込んであつたのでありまして、御承知の通りその機構改革は当初の計画とは異なつたものとなりましたので、同案についてその間の調整をいたし、また今般新たに設置を見ました支部図書館を加えまして、委員長の手元においてただいま御配付いたしました案を作成いたしました。この案を起草の原案といたしまして、御協議を願いたいと存じます。本案につきまして国会図書館長より御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/23
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024・金森徳次郎
○金森国立国会図書館長 この法律の手続の関係は、国会の側で提出をしていただくことになつておりますが、実質上の影響を受けるのは国会図書館の方でありますので、私の方から大体この法律が生れて来た趣旨を申し上げたいのであります。
支部図書館というのは、御承知のように国会図書館法できまつておりまして、そうして行政、司法の各部門にこれを置くということになつております。しかし具体的にどこに何という図書館が置かれるかということは、国会図書館法自身ではきまつておりませんので、その必要に応じてここに置くというふうに定まつて行くのでありますが、実際は必要に応じてここには何という図書館を置く、こういうふうに図書館長の定める規定でもつて多くの場合やつております。しかしそれは図書館長の定むる規定でつくるだけのものでありますから、堂々と支部図書館の持つべき特権を持つことができないのであります。と申しますのは、支部図書館になりますと、そこには最低限度何人の職員を置かなければならないかということが、法律で制限をつけられます。またそういう人数を動かそうといたしますときには、図書館長の同意を得なければならぬというような制限が加わり、いわばやや存続性が保障せられておるようなものになりますためには、やはり法律をもつてこれを指示していただかなければならぬわけであります。その意味で昭和二十四年法律第百一号ができまして、どこにはどういう図書館があるというように、支部図書館をずらりと列記しておいたのであります。ところがその後行政機構がかわりましたり、あるいはほかの事情で新しき図書館が編入せられるということになりますと、昭和二十四年の法律第百一号で規定してありましただけでは、ぴつたりと実情に合わないのであります。そこで実情に合わして、支部図書館の地位を確立いたしますために、この法律を改正する必要があるのであります。原案はいろいろと甲を乙に改めるとか、甲を削るとかいうように、たいへん複雑なものが含まれておるように見えますが、その趣旨を申しますと、きわめて簡単であります。と申しますのは、新しくできました図書館が五つあるのであります。その例をあげますと、日本学術会議の図書館というものが新設せられて来たのであります。あるいはまた海上保安庁の図書館、中央気象台の図書館というようなもの、合計いたしまして五つだけ新しくふえましたので、その名前をこの法律の中にはつきり書くという必要がございます。また廃止せられたものが二つあるのであります。一つは物価庁の図書館であります。これは廃止というよりも、むしろほかの図書館に合流したということが正しいのでありますが、形式的にいえば廃止せられております。また電気通信省の図書館は、これが国の直営でなくなつて、公社の方になつて行きましたので、電気通信省の図書館がこの表からはずされていることになつておるのであります。なおまたもの自身はかわりませんけれども、名前だけをかえるというものがございまして、それはたとえば経済審議庁の図書館であります。従来の安本の図書館を名を改めるというか、実質もかわるというか、どつちか批評はございましようが、ともかく、経済審議庁の図書館になつたといたしますると、新しく名前を書く必要があります。同時に法務府が法務省になりましたために、多少の字句の変更も起るということもございまして、またそういうふうに新しくできた五つの図書館の名を連ね、廃止せられた二つの図書館の名を削り、それからまた名称の変更をいたしました二つの名をかえる、これが本旨でございまして、そのほかには字句整理以外には何らの意味はございません。これも何とぞ法律になりまするように、御援助を願いたいものと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/24
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025・阿左美廣治
○阿左美委員長 ただいまの説明に対しまして何か御質疑はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/25
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026・阿左美廣治
○阿左美委員長 別に御発言がありませんければ、ただちに採決をいたします。本案を委員会の決定として、これを委員会提出の法律案とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/26
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027・阿左美廣治
○阿左美委員長 御異議なきものと認めます。よつてさよう決しました。
次会は公報をもつてお知らすることといたしまして、本日はこれをもつて散会いたします。
午後零時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504553X00419521224/27
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