1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十七年十二月四日(木曜日)
午後一時三十二分開議
出席委員
委員長 奧村又十郎君
理事 淺香 忠雄君 理事 川野 芳滿君
理事 内藤 友明君 理事 松尾トシ子君
理事 佐藤觀次郎君
上塚 司君 大泉 寛三君
大村 清一君 佐治 誠吉君
中田 政美君 西村 直己君
宮幡 靖君 三和 精一君
加藤 高藏君 中崎 敏君
吉田 正君 坊 秀男君
出席政府委員
大蔵政務次官 愛知 揆一君
大蔵事務官
(主税局長) 平田敬一郎君
大蔵事務官
(銀行局長) 河野 通一君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 白石 正雄君
大蔵事務官
(銀行局特殊金
融課長) 有吉 正君
国民金融公庫総
裁 櫛田 光男君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
―――――――――――――
十二月二日
漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案
(内閣提出第一一号)
の審査を本委員会に付託された。
税制改正に関する陳情書
(第五二六号)
課税の適正化に関する陳情書
(第五二七号)
揮発油税収入を道路整備事業費に充当の陳情書
(第五二八
号)
揮発油税軽減に関する陳情書
(第五二九号)
松本市に国民金融公庫支所設置の陳情書外一件
(第五三〇号)
政府資金の統一運用に関する陳情書
(第五三一号)
同(第五
三二号)
同(第
五三三号)
同(第五三
四号)
未帰還抑留同胞の国家補償拡充に関する陳情書
(第五四六号)
を本委員会に送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した事件
国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
提出第八号)
漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案
(内閣提出第一一号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/0
-
001・奧村又十郎
○奧村委員長 これより会議を開きます。
本日は、まず一昨二日本委員会に付託されました漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題として、政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。愛知大蔵政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/1
-
002・愛知揆一
○愛知政府委員 ただいま議題となりました漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
第十三回国会において成立した漁船乗組員給与保険法が施行されることとなるのに伴いまして、漁船乗組員給与保険にかかる政府の再保険事業の経理を、その保険事故の性質が、漁船損害補償法の規定による特殊保険事故と相互に関連性を有しております関係上、特殊保険にかかる政府の再保険事業に関する経理を取扱つている漁船再保険特別会計をして取扱わせることができることとしようとするものであります。
すなわち同特別会計に従来の普通保険、特殊保険及び業務の各勘定のほか、新たに給与保険勘定を設け、当分の間、漁船乗組員給与保険にかかる再保険に関する経理を取扱うことができることとするとともに、その歳入及び歳出、決算上の剰余金または不足金の処理、借入金、一時借入金、積立金の運用及び歳出予算の翌年度への繰越し使用等に関する所要の規定を設けようとするものであります。
何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/2
-
003・奧村又十郎
○奧村委員長 次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題として、前会に引続き質疑を継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/3
-
004・淺香忠雄
○淺香委員 動議を提出いたします。ただいま議題となつております国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきましては、質疑も大体尽されたと思われますので、この際質疑を打切られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/4
-
005・奧村又十郎
○奧村委員長 ただいまの淺香君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/5
-
006・奧村又十郎
○奧村委員長 御異議ないようですから、国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきましては、以上をもつて質疑を打切ることといたします。
これより本案の討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/6
-
007・宮幡靖
○宮幡委員 ただいま議題となつております国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、私は自由党を代表いたしまして賛成の意見を表明するものであります。
すでにこの問題につきましては、政府の手配が遅きに失するの感があるのでありまして、すみやかに通過成立せしめるべきであることは、委員会の各位の御了承を願い得ることだと存じております。しかしてさらに国民金融公庫そのものの組織、機構、あるいは運営等につきましては、将来にわたりまして十分検討を加えなければならない問題が多々あることと存じます。たとえば庶民金融機関としての使命を達成するために、資本不足の状況下において、必要なる資金が随時適当なる時期に調達できる方策、あるいは国民金融公庫の職員の待遇の問題等々、考え来りますならば、この法案を中心といたしまして慎重に検討すべきいろいろな問題があろうと思いますが、さしあたりまして、年末の切迫しております今から衆参両院を通過いたすといたしましても、この手配による資金が、はたして年末融資に間に合うかどうか、非常に心配せられておる折からでありますので、その他のいろいろの問題は次の機会において、本委員会において十分検討せられることを条件といたしまして、本案のすみやかなる通過を念願いたしまして、御賛成を申し上げるわけであります。
特にこの際政府に要望いたしておきますのは、法律は急いで出たが、行政の面、実施の面におきまして、とかく事務的な手続におきまして遅滞等のないように、申し上げるまでもなく年末差迫つておる折からでありますので、特にこの点に御配慮をせられまして、この法律案が年末において相当適切なる効果を上げ得るよう御努力を賜わらんことをお願いいたしまして、本案に賛成いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/7
-
008・奧村又十郎
○奧村委員長 内藤友明君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/8
-
009・内藤友明
○内藤(友)委員 私は改進党を代表いたしまとて、この案に対しまして附帯決議をつけまして、賛成の意を表したいと思うのであります。まず附帯決議を朗読いたします。
国民金融公庫の資金は本年度補正予算において三十億円の出資金と二十億円の借入金を追加計上しているのであるが、中小企業並びに庶民金融の現下の実状から見て、この程度ではとうてい十分とは言いがたい。よつて政府はすみやかに国民金融公庫の資金を増加するよう適切な措置を講ずべきである。
この附帯決議をつけまして、ただいま宮幡君が述べられましたと同一趣旨で本案に賛成いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/9
-
010・奧村又十郎
○奧村委員長 吉田正君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/10
-
011・吉田正
○吉田(正)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、内藤君の附帯決議と同様な意味におきまして附帯決議をしまして、本案に賛成するものであります。中小企業の金融の困難さとか、倒産者が続出しておるということは申すまでもありませんが、大蔵大臣が特にこの問題に財政演説で言及しまして、中小企業の金融積極化ということ、または金融の円滑化ということを取上げられているのです。ところが実際はどうかといいますと、この国民金融公庫法の改正法律案を見ますと、わずかの金を出したにすぎない。言うことはなかなか盛んでありますけれども、いざやるとなるとこれしか出さないということは、私どもこれに対して非常に遺憾に思つている。それで日本社会党といたしましては、これを修正してもつとこれを増額いたし、もつと積極的な根本的な対策を講ずべきだということを考えるのでありますけれども、それをやつていますと年末金融に間に合わない。ことに戦災者とか、またはその他一般の勤労者とか、中小企業も、もう金がなければ困るというような段階でありますので、この際修正はしたいけれども、それをやつていると間に合わないという意味におきまして、本案に賛成するわけであります。従つて、今附帯決議の朗読を省略いたしますが、改進党の附帯決議と同様の意味におきまして、この法案に賛成する次第であります。さらに来年度の本予算におきましては、この問題についてさらに積極的に、大金融資本中心でなしに、国民大衆のほんとうの金融を考える意味におきまして、根本的な考え方からひとつもつと積極的な案を立ててもらいたいのです。そうしてさらにこの経営の内容を見ましても、なかなか事務が渋滞して貸付が遅れるとか、また職員の給与が低くてなかなかうまく行つていないというような内容の問題についてもさらに検討を加えて行きまして、もつと積極的、もつとほんとうの意味の、大衆の信頼にこたえるような国民金融公庫法というものを改めて提出されたいことをお願いいたしまして、賛成の意を表する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/11
-
012・奧村又十郎
○奧村委員長 佐藤觀次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/12
-
013・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 日本社会党を代表しまして本案に賛成するものであります。
現在の中小企業者の資金の枯渇は、大衆の生活を圧迫すること言語に絶するものがあります。わずか三十億くらいの増額ではとうていまかない切れるものでないとわれわれは考えます。政府当局は、昨年度よりは資金関係が円滑であるかのように答弁をされておりますが、市井の実情はまつたくこれと反対でございまして、実に悲惨な状況でございます。今年の春から起つて来たところの輸出不振に伴つて、商況はますます悪くなり、資金の枯渇はまことに見るに忍びないものがあります。従つて国民金融公庫に殺到する民衆の数は日一日と増加している現状でございます。私たちはこの法案そのものには反対ではございませんけれども、わずか三十億くらいのことではとうていまかない切れないと思つております。年末ももう差迫つておりますし、早くこれを通さなければ実際この暮れには間に合わない、こういう立場から賛成するのであります。少くともわれわれは、八十億くらいの増額を条件にして賛成をし、先ほどの内藤君の決議案と同じ趣旨でもつて、少くとも庶民のために、年末金融の現状にかんがみて即刻これを具体的に処理していただきたい。特に当局の処理に対する熱意に信頼して、本案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/13
-
014・奧村又十郎
○奧村委員長 坊秀男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/14
-
015・坊秀男
○坊委員 私は無所属倶楽部を代表いたしまして本案に賛成いたします。一般会計から三十億の出資並びに資金運用部から二十億の借入れ、都合五十億をもつてしてはとうてい差迫つております中小企業金融をまかない切れるものとは私は思いませんが、しかしながら、そういう見地から本案を修正してこの五十億を増額するということは、諸般の手続を要して非常に時日を要する。こういうことに相なりますので、せつかくの良薬も、時を失しますとその効果を発生し得ないという意味におきまして、この五十億出すということに賛成するものでございます。ただ私は、この国民金融公庫が今後十分その機能を発揮して行くためには、職員等について万全の措置を講ぜられんことを希望しておく次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/15
-
016・奧村又十郎
○奧村委員長 討論は終局いたしました。
これより採決に入ります。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/16
-
017・奧村又十郎
○奧村委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
次に、先ほど改進党内藤友明君より附帯決議を付するの動議が提出されておりますので、本動議を採決いたしたいと存じますが、本動議は各派共同の提案でありますことを、念のため御報告いたしておきたいと存じます。
それでは、これより本動議の採決をいたします。本動議に賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/17
-
018・奧村又十郎
○奧村委員長 起立総員。よつて動議の通り附帯決議を付することに決定いたしました。
次に本法律案に関する報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/18
-
019・宮幡靖
○宮幡委員 ちよつと議事進行について。ただいまの附帯決議に関連しまして、中小企業振異議員連盟各党各派合同で中小企業振興に対する決議案を出したいと思つております。その件についてお諮りいたしたいので、散会後において理事会を開催願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/19
-
020・奧村又十郎
○奧村委員長 了承いたしました。
本日はこれをもつて散会いたします。
次会は明後六日午前十時から開会いたします。
午後一時四十七分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X00919521204/20
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。