1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年十二月二十日(土曜日)
午後一時四十九分開議
出席委員
委員長 奧村又十郎君
理事 川野 芳滿君 理事 内藤 友明君
理事 松尾トシ子君 理事 佐藤觀次郎君
上塚 司君 大泉 寛三君
小山 長規君 島村 一郎君
中田 政美君 宮幡 靖君
三和 精一君 笹山茂太郎君
中崎 敏君 小川 豊明君
坊 秀男君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 白石 正雄君
大蔵事務官
(主税局長) 平田敬一郎君
水産庁長官 塩見友之助君
委員外の出席者
大蔵事務官
(日本専売公社
監理官室長) 鈴木 秀雄君
農林事務官
(水産庁漁政部
協同組合課長) 濱田 正君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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十二月十九日
委員小山長規君及び中田政美君辞任につき、そ
の補欠として三木武吉君及び犬養健君が議長の
指名で委員に選任された。
同月二十日
委員三木武吉君及び犬養健君辞任につき、その
補欠として小山長規君及び中田政美君が議長の
指名で委員に選任された。
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十二月十九日
日本専売公社法の一部を改正する法律案(佐藤
觀次郎君外五名提出、衆法第一九号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
日本国有録道に対する政府貸付金の償還期限の
延期に関する法律案(内閣提出第二二号)
中小漁業融資保証保険特別会計法案(内閣提出
第二三号)
造幣局特別会計法等の一部を改正する法律案(
内閣提出第二八号)
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三二号)
国際連合の決議に基く民生事業のため必要な物
品の無償譲渡に関する法律案(内閣提出第三四
号)
日本専売公社法の一部を改正する法律案(佐藤
觀次郎君外五名提出、衆法第一九号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/0
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001・奧村又十郎
○奧村委員長 これより会議を開きます。
一昨十八日、本委員会に付託に相なりました国際連合の決議に基く民生事業のため必要な物品の無償譲渡に関する法律案を議題といたしまして、まず政府当局より提案趣旨の説明を求めます。
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国際連合の決議に基く民生事業のため必要な物品の無償譲渡に関する法律案
国除連合の決議に基く民生事業のため必要な物品の無償譲渡に関する法律
政府は、国際連合の決議に基いて設けられた公的機関が国際連合の決議に基いて実施する民生事業のための必要な物品を、当該機関に対し無償で譲渡することができる。
附則
この法律は、公布の日から施行する。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/1
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002・平田敬一郎
○平田政府委員 ただいま議題となりました国際連合の決議に基く民生事業のため必要な物品の無償譲渡に関する法律案について提案の理由を申し上げます。
この法案は、政府が、国際連合の人道的事業に協力するため、国際連合の決議に基いて設けられた公的機関が国際連合の決議に基いて実施する民生事業のため必要な物品を、当該機関に対し無償で譲渡することができることとしようとするものであります。御承知の通り財政法第九条におきましては、国の財産を無償で譲渡する場合には、法律に基くことを要することとなつておりますので、この法律案を提出いたしました次第であります。
なお、今回無償で譲渡しようとするものは、国際連合の決議に基く公的機関が国際連合の決議に基いて行う朝鮮における難民救済事業、東南アジアにおける児童福祉事業及び防疫事業等の民主事業に使用される医薬品、医療器具、綿布、下着等の物品が予定されておるのでありまして、これらについては、目下御審議を願つております。昭和二十七年度一般会計補正予算に所要の金額が計上せられておるのであります。
何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/2
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003・奧村又十郎
○奧村委員長 次に日本国有鉄道に対する政府貸付金の償還期限の延期に関する法律案、中小漁業融資保証保険特別会計法案、造幣局特別会計法等の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及びただいま提案趣旨の説明を聴取いたしました国際連合の決議に基く民生事業のため必要な物品の無償譲渡に関する法律案の五案を一括議題といたしまして、質疑に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/3
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004・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、主税局長に質問したいと思います。
外国人が二重課税になるという話でございますが、二重課税になれば、アメリカの方を削つて日本におる方をそのままにしておいたらどうかと思うのですが、どういうわけでこういうようなことになりますか、ひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/4
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005・平田敬一郎
○平田政府委員 今回問題にしておりますのは、一つは特許権の使用料、それから外債の利子、この二つでございますが、実はこれらの所得に対しましては、従来は日本においては課税いたしていなかつたのでございます。受取る人が外国に住所、居所を有する場合におきましては、特許権の場合におきましては今まで課税していなかつた。それから外債の利子につきましても、支払いが外国にある場合におきましては課税していなかつたのでございます。ところがこれに対しまして、最近の世界の立法例を見ますと、所得発生地主義を大体とつておりまして、この所得が日本において生じたものでありますれば、まず日本側で優先してある程度の課税を行うというのが、これが最近の傾向のようでございますので、とりあえず今年から所得税法を改正いたしまして、課税する建前に実はこの四月から変更を加えたのであります。ところでよく調べてみますと、従来ありました契約の中には、もしも日本で税金がかかるならば、日本側の業者の負担にするという条項が入つているのが大部分ある。外債の利子等の中にも同じように、というよりむしろ免税約款がついているのがございまして、これらの事情にかんがみまして、ここでただちにそういうものについて、今申しました主義の変更によつて課税するのは少し無理ではあるまいか、これはやはり二重課税の条約の効力が発効してから六箇月の余裕期間を置きまして、その間に、こういうような条項につきましてもそれぞれ相手方と話合いをしてもらいまして、条項の変更を求めました上で課税するというのが、より実情に即応するのではないか、こういう趣旨で改正を加えようというのでございます。特許権の方はアメリカとの例が非常に多いのでございますが、大部分のものが、今までの契約が、日本の税がかかれば日本の側の負担にする、こういうとりきめをいたしている例もございますので、ある程度の余裕期間を置きますことはやむを得ない措置であると考えまして、このような法律案を提出した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/5
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006・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 六箇月を経過するまでという期限が切つてあるのはどういう理由でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/6
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007・平田敬一郎
○平田政府委員 これもまた無条件に単に延ばしつぱなしにしておきますと、なかなか話がつかなかつたからまた延ばしてくれというのでは私ども適当ではないと思う。従いまして二重課税の条約が発効いたしまして、六箇月の間に話をつけるならつけてしまえ、つかなかつたならばこれはいたしかたない、場合によつては契約した者の損に帰するかと思いますが、これだけの余裕期間を認めてやりますれば、まず大体において話がつくのではないか、ことに二重課税の防止条約を結びますれば、結局日本で納めた税金は、それぞれ相手国の税額から控除する等の方法を条約でもはつきりすることになりますので、交渉に際しましてもそのことが比較的有利な条件になりまして話がうまく行くのではないか、こういうふうに私ども期待しておるのでございます。そういう点から行きまして、六箇月の余裕期間を置こうという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/7
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008・奧村又十郎
○奧村委員長 ちよつと速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/8
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009・奧村又十郎
○奧村委員長 速記を始めてください。
暫時休憩いたします。
午後二時一分休憩。
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午後二時十四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/9
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010・奧村又十郎
○奧村委員長 会議を再開いたします。
休憩前に引続き日本国有鉄道に対する政府貸付金の償還期限の延期に関する法律案、中小漁業融資保証保険特別会計法案、造幣局特別会計法等の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、国際連合の決議に基く民生事業のため必要な物品の無償譲渡に関する法律案の五案を一括議題といたしまして、質疑を続行します。
ただいま出席中の政府委員は大蔵省主税局長、主計局法規課長、主計局総務課長、運輸省鉄道監督局国有鉄道部財政課長、日本専売公社監理官室長、水産庁長官、なお国有鉄道副総裁はすぐ出席することになつております。
質疑は通告順にこれを許します。笹山茂太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/10
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011・笹山茂太郎
○笹山委員 私は中小漁業融資保証法案について、一、二御質問申し上げたいと思います。
それは今度の法案によりまして、信用基金制度ができまして、それに基いて融資されるということになつておるのでございますが、この融資の方法としまして、政府が関与するという形に関してでございます。これは特別会計によりまして、この協会と関係を持つということでございますが、今度できます農林漁業金融公庫は長期資金を主として扱うということでありますが、この金融公庫によつて信用基金協会の方と関係を持つと考えられることはないか、その点についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/11
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012・塩見友之助
○塩見政府委員 お答え申し上げます。公庫の方で取扱いますのは、主として現在農林漁業資金融通特別会計の方で取扱つておりますものが主体で、漁業について申し上げますと、漁港であるとか、魚田開発であるとかいうふうなもの以外には、大体製氷、冷凍、その他の共同施設に限定しておるような状態でございまして、まあ個人の方で必要な資金につきましては、これでは現在のところは出す予定をしておらないような状態なので、その部分が非常に金融に困るというふうな関係が一つあります。もう一つは、ただいま御指摘のありましたように、片方の方は非常に長期なものというような関係で運転資金あるいは三年、四年くらいの設備の改良資金というふうなものは、これでは出ないようになつておりますので、そういうふうな部分を今度の制度で補完したい、こういうふうな考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/12
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013・笹山茂太郎
○笹山委員 法律の方の第七十条によりますと、政府と協会との関係ができるのでございますが、この契約ができるには「一定の金額に達するまで、」というふうに書いてありますが、一定の金額に達するまでというのはどういうような趣旨でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/13
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014・濱田正
○濱田説明員 お答えいたします。これは基金の保証能力を考えまして、当初の予算で全国の基金が大体どのくらいの保証能力があるかというのをまず考え、次に、それを各基金別に考えて半期ごとに包括的に契約をしておく、つまりその金額までは、基金が通知をすればいつでも自動的に保険がかかるというために包括的に一応契約をしておく、そうすると協会の方で保証すれば、その都度政府に通知をすれば自動的に保険がかかる、こういうふうな形で、基金協会の保証能力の最大限度をとつて、そこをわくとして契約をする、こういう考え方であるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/14
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015・笹山茂太郎
○笹山委員 実際の運用の場合におきましては、総額がどの程度の金額に達した場合において契約が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/15
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016・濱田正
○濱田説明員 われわれの考え方としましては、これは全国的のお話で申し上げますと、基金がまずかたいところ二十億はできるであろう。それに対して日銀の保証能力は、日銀などの統計数字で見ますと五倍の保証能力がある。そうするとまず百億ということになる。百億が大体二回転すると見込みますと二百億ということになる。それを一応の目標として総トータルを押え基金別にそれを配分して行く、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/16
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017・笹山茂太郎
○笹山委員 この協会の資金については、今御説明がありましたが、この保証の限度というものは、各県にできまする協会の能力とか、あるいは基金の集まり状況、こういつたものによつて五倍とか六倍とか、あるいはそれ以下というふうにまちまちになるのでございますか。あるいはまた政府の方でその限度は一つの基準をきめる、こういうふうになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/17
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018・塩見友之助
○塩見政府委員 その点につきましては、当初においては信用もまだ不十分でありますので、割合にその制度がなれるまでの間は堅実に押えておき、また各県の協会の実績によつてもかなり違つて来る、こういうふうに考えられますので、動かして行くうちにある程度その信用の高いところと低いところと出て来る可能性はあると思います。それで、ことにその金融機関の方が金融する場合に、この協会ならばこの倍率くらいまでは大丈夫だとか、この協会においてはまだ基礎がはつきりしていないから、この程度で押えなければならないとか、こういう点があろうかと思います。政府の方においては、先ほど協同組合課長からも話したような基準で、大体なるべくは全国の漁業者がばらばらな取扱いを受けないようになるべく一定の基準でずつと進めるように指導して参るつもりではおりまするが、その点については、実際上の問題としては実績によつて幾らか違つて来るということが考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/18
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019・笹山茂太郎
○笹山委員 この協会は主として短期の資金を取扱うのでございますが、やはり漁業者の方から見ますると、長期の資金についても相当要望がありますが、長期の資金については一切扱わないのでありまするか。あるいはまた、長期といわないまでも、中期くらいの資金をこの協会で将来取扱うというような考えでおりまするか。もしそうした場合におきましては、その資金はどういうふうな調達方法をとられるのであるか。それらのお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/19
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020・塩見友之助
○塩見政府委員 現在までは、漁業手形制度というのがございまして、それで必ずしもうまく行つておらないのでございまして、大体運転資金を目がけて融資しているような状態でございまするが、しかしながらこの制度ができますれば、漁業者からの要望も単に運転資金のみではなくして——特に終戦後つくりました船の建造期も迫つて来ておりますし、それから沿岸の小漁民としましては、無動力船を動力船にしたいとか、あるいは焼玉機関をデイーゼル・エンジンにすえかえて、油の使用量もコストも下げて参りたいとか、あるいは漁業の操業区域の拡張、あるいは変更等に応じまして漁船の船型を改造し、あるいは冷凍その他の設備等も改造したい、あるいは無電をつけたいというような、ちようど今お話のありましたような農林漁業資金融通特別会計のものから申しますれば、あれほどの長期ではないけれども、三年とかその前後くらいの、そういうような中期のものでぜひ改造したい、というような設備改造の部分が非常に抜けております。それで政府の方としては、昨年あたりの方針としましては、長期の新設設備の方は政府で特に見てやろうという方針をきめましたために、中期の設備改良的な部分が非常に金融的には梗塞しておりましておつしやる通り運転資金の方は別としまして、これは三年、五年というようになりますと、資金源等に相当詰まつて参りますのでぜひその部分は、今度の保証の方には乗せたいというような話合いになつております。その資金源につきましては政府の方でも、農林債券の引受とか、あるいは長期信用銀行の債券引受とかいうような形で助力する、こういう建前で銀行局の方との話合いはできることになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/20
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021・笹山茂太郎
○笹山委員 この特別会計の基金は、補正予算においては五億円でございますが、これは将来地方の協会の基金の造成に従つて増加するというように承知しております。その場合におきまして、地方の協会の基金のトータルとこの特別会計の基金の増加の比率というか、資金の割合といいますか、そういうものはある一定の比率をもつて増加する考えでありますか。この辺のお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/21
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022・塩見友之助
○塩見政府委員 この補正予算で計上しておりますところの五億円というのは、特別会計が保険事故がありました場合に払つて行くその準備金的なものでございまして、保険事故が起つた場合にその金がいるわけでございます。それで、もちろん基金協会において積み立てますところの金が多くなるに従つて、そういうような意味の特別会計の運転資金的なものも準備金的なものも多くなつて来るわけでございますがこれは運用してみませんと、その利子等がどういう関係になるかというようなことははつきりいたしませんので、はつきり一定率でというようなことは申し上げかねるわけです。この五億というのは、中小企業信用保険特別会計において当初年度五億計上しましたので、それと同額をこれにおいても計上してもらうことになつたわけです。基金との金額は、確かに片方が多くなればこつちの方も多くならざるを得ないわけですけれども、一定率ということは、必ずしも考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/22
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023・笹山茂太郎
○笹山委員 地方の協会のメンバーになる資格の中で、個人の分について中小企業の方と比較してみますと、若干資格に差があるようでございます。たとえば平時従業員が中小企業においては二百人以下、こつちの建前では三百人以下というふうになつておりますが中小企業の考え方について、一般の中小企業と漁業における中小企業の考え方が何かその辺に差異があるのであるか。あるいはまた漁業の特性からそういうふうに違えたのであるか。お考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/23
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024・塩見友之助
○塩見政府委員 漁業におきましては漁業協同組合法をつくりますときに、協同組合の加入資格としましては三百人まで認めたわけでございます。漁業の方は、どうしても御存じの通り定置網漁業であるとか、その他相当数の乗組員を必要とする場合がありまして、商工業等においては、そのくらいの従業員を持つ場合には非常に厖大なものであつて、かなり大きな企業であつても、ことに商なんかにおいては三百人も持てば相当の企業になりましようけれども、漁業の場合においてはそれほどの企業にはならない、中程度の企業になる。こういうふうに、漁業はそう大きな機械設備を持たない、割合に機械化の進んでないような企業形態が多いので、それで三百人というふうなところを適当として考えたわけであります。まあ漁業の特性からと申し上げたらいいのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/24
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025・笹山茂太郎
○笹山委員 中小企業の地方協会にも漁業協同組合あるいは個人の漁業の会社が加入を認められておりますね。そうしますと、この漁業だけの中小企業の協会ができた場合におきましては、今まですでにこの協会に入つておつた地方の一般の中小企業の方々がそれを脱退しまして、こちらの方にかわるような見込みがあるのですか、あるいはまた、それはそれとして、これは別個の方針でやる、こういうことでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/25
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026・塩見友之助
○塩見政府委員 中小企業の信用保証協会の方は、これは各県の内容によつていろいろ差があると思いまするが、中小企業信用保険特別会計の方は、原始産業としての漁業及び農業等を排除しておるわけであります。そういう信用保証というものは、やはり最後に政府の保険が加わりませんとどうしても安定しないというふうな関係で、中小企業の信用保険特別会計の方では漁業が排除されておるというふうな関係から、こちらの方は別立てといたしたわけで、信用保証協会の方での扱いができるようになつているところと、なつていないところとおそらくあると思いまするが、それはどちらでも、漁業者が使いやすい方を使つてかまわないわけでありますから、この制度ができますれば、おそらく漁業の方も保険の方に入りますので、それで金融的にはより安定するから、この制度の方をより活用するという結果になるのではないか、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/26
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027・笹山茂太郎
○笹山委員 一般の中小企業の方では出資金額の大体九五%くらいは地方公共団体が負担しておるような状況でございますが、今度できまするところの漁業協会の方におきましては、地方公共団体というものの出資といいますか負担といいますか、それはどの程度予想されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/27
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028・塩見友之助
○塩見政府委員 中小漁業の方の場合におきましては、政府の方が保険をかけます場合の利子としましては、地方公共団体の出資分が総額の三分の一になれば七〇%までは保険にかける、それ以下の場合には大体五〇%というふうに政府の保険の方を限定しておりまして、望むらくは、これは漁業者だけの保険事業ではありまするが、自分たちでまず金を積んで、それでひとつ漁業の特性に応じて最もうまく運用してもらいたいという趣旨からいつて、府県その他の公共団体の出資は、大体三分の一くらいまでにはなることをわれわれの方としては希望しておるわけでございますが、これは法的には強制も何もしておりません。ただ奨励的に、そこまで行けば七〇%までは保険の方で受けるという形で奨励する、こういう建前をとつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/28
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029・笹山茂太郎
○笹山委員 協会の出資金としまして漁業証券を認める、こういうふうになつておりますが、その漁業証券を認める場合におきまして、その金額については額面金額をそのまま認めるのかどうか、あるいはまた協会が漁業証券を得た場合におきまして、これが現金化の方法につきましては、従来通り国債
整理基金特別会計、こういうものから買い入れるまで待つておるのか、あるいはその間に何らか中途において便法を講じまして現金化するのであるか、その点の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/29
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030・塩見友之助
○塩見政府委員 漁業権証券は、前年度は大十五億を、おつしやる通り国債整理基金の方から資金化してもらつたわけであります。本年度の計画としましては、大体同額程度のものを要求しておるわけです。大体五十億まではもうかなり前から大蔵省の方としては資金化できる、あとはもうしばらく待つてくれ、こういう状態でありますが、この信用保証の方へ出資しますところの証券につきましては、本年度においても、この法案が成立し次第最優先的に買い上げてすぐ資金化するこういう形で、ただいまの御質問の評価の問題等が起らないように措置したい、また漁業者の方からもその要望が強くございますので、そういう措置で本年度でもできる、こう考えております。明年度ももちろんそのつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/30
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031・笹山茂太郎
○笹山委員 地方公共団体がこの協会に出資する場合におきまして、現在の地方の財政事情はきわめて悪い、そういうような関係で、なかなか出資を勧めても困難と思うのでございますが、こういつた場合におきまして、この協会に出資するために特別に地方の起債のわくをふやすとか、あるいはまたひもつき起債、こういうものを認める方針であるかどうか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/31
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032・塩見友之助
○塩見政府委員 地方財政の実情から申しますると、この金額はそう多額ではないのでございまするが、やはり相当な負担になると考えられますので、私の方では地方自治庁及び大蔵省の方へ折衝しておるのでございます。大蔵省の方は、まだ財源全体から申しまして、ここまで起債を拡大するかどうかというふうな点には踏み切つておらない状態でございますので、まだ起債で認めるとはつきり申し上げられる段階になつておらない状態でございます。先般あたりの大蔵省の考えとしましては、やはり事業に伴うものに制限したい、こういうふうな意見が強いので、そこのところの話はまだまとまつておらないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/32
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033・笹山茂太郎
○笹山委員 地方の財政事情は非常に困難でございますからして、今の起債のわくでは、とうていこれは勧奨しても実行が困難と思いますので、その点の打開について政府の御尽力をお願いしたいと思います。
なお特別会計法の第十三条によりますると、会計の余裕の運用については資金運用部一本になつておるのでございますが、この金融については、こうした余裕金がかりに特別会計にあるような場合におきましては、単に資金運用部だけでなくて、農林中央金庫に余裕金を預託して、農林、漁業全体の金融に弾力性を与える必要があると思うのでございますが、こういう点について、さらにこの余裕金の窓口を拡大する考えはないか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/33
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034・白石正雄
○白石政府委員 特別会計におきましては、支払い上現金に余裕がありますときには、資金運用部に預託することができるということが今までの立法例になつておりまして、これは国庫金という意味から、その運用は資金運用部に一応限定をするという建前をとつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/34
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035・笹山茂太郎
○笹山委員 特別会計が協会に対しまして保証する限度は、七〇%及び五〇%と二通りになつておるのでございますが、これは一率に七〇%にする方がいいのではないかと思つてありますがなぜ七〇%と五〇%と区別をする必要があるのでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/35
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036・塩見友之助
○塩見政府委員 この点は、実を申しますと、われわれの方としては当初できるだけそういうふうに、全部七〇%の方にしてもらいたいというふうな考え方で大蔵省と折衝したわけでございまするが、この種のものは、国だけでなくて、ある程度府県の方においても府県の漁民のためにそれだけの助力をするのが当然であるので、府県の方にそういう点で助力させる必要もあるという点も考えて、それである程度府県のそういう助力を奨励するというふうな意味でございますか、主計局の方としては、どうしてもその点を差をつけてやりたい、こういう点で予算の折衝中に最後的にそういうふうにきまつたようなわけであります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/36
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037・奧村又十郎
○奧村委員長 ほかに御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/37
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038・川野芳滿
○川野委員 動議を提出いたします。ただいま議題になつておりまする五法案中、日本国有鉄道に対する政府貸付金の償還期限の延期に関する法律案及び中小漁業融資保証保険特別会計法案の両案につきましては、質疑も大体尽きたと思われまするので、この際質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/38
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039・奧村又十郎
○奧村委員長 ただいまの川野君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/39
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040・奧村又十郎
○奧村委員長 御異議なしと認めます。それでは日本国有鉄道に対する政府貸付金の償還期限の延期に関する法律案及び中小漁業融資保証保険特別会計法案の両案につきましては、質疑を打切り、討論を省略してただちに採決に入ります。
まず、日本国有鉄道に対する政府貸付金の償還期限の延期に関する法律案より採決いたします。
本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/40
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041・奧村又十郎
○奧村委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
次に、中小漁業融資保証保険特別会計法案を採決いたします。
本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
「総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/41
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042・奧村又十郎
○奧村委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
なおただいま可決いたしました二案に対する報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
本日はこれをもつて散会いたします。次会は明後二十二日午前十時より開会いたします。
午後二時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504629X01919521220/42
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