1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十七年十二月十三日(土曜日)
午前十一時十六分開議
出席委員
委員長 橋本登美三郎君
理事 中村 梅吉君 理事 有田 喜一君
理事 松前 重義君 理事 原 茂君
岩川 與助君 羽田武嗣郎君
松村 光三君 中曽根康弘君
松井 政吉君 三輪 壽壯君
阿部 五郎君 山田 長司君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君
出席政府委員
郵政事務官
(電波監理局
長) 長谷 愼一君
郵 政 技 官
(大臣官房電気
通信監理官) 庄司 新治君
委員外の出席者
専 門 員 吉田 弘苗君
専 門 員 中村 寅市君
—————————————
十二月十一日
電話設備負担臨時措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一九号)
同日
立川電報電話局舎新築等に関する請願(並木芳
雄君紹介)(第七五七号)
釧路市にテレビジョン放送設置に関する請願外
一件(伊藤郷一君紹介)(第七五八号)
の審査を本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法
律案(内閣提出第一九号)
放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の
承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
電気通信事業に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/0
-
001・橋本登美三郎
○橋本委員長 これより開会いたします。
放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、本件を討論に付します。討論の通告があります。羽田武嗣郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/1
-
002・羽田武嗣郎
○羽田委員 私は自由党を代表しましてこの承認を求める件について賛成の意を表するものであります。賛成はいたしまするが、この際ただ一言、私は今後の放送当局に、また政府当局に注意を喚起いたさなければならないと存ずるのであります。
昨日自由党の松村委員からもるる御質問をなさつた通りにこの施設費を考えましても、さしあたつて五十万ドルの外貨を使用するというような情勢でありますが、はたしてこの五十万ドルで、世界の進運につれての理想的な施設ができるかどうかということは、私ども非常に疑問に思つておるのであります。従いましてなお多額の外貨をこのために輸出しなければならないというふうに考えて、わが国の経済の現状から非常に心配をいたしておるのであります。さきにすでに許されたるところの日本テレビもございますし、またさらに引続いて、東京放送もこの免許を申請しようというような情勢であります。こういうものが幾つも競合いたして行くということになりますと、この外貨は莫大な数字に上りはしないか。しかもいずれも中途半端で、充実したるところのテレビの完成を見ることができないじやないかということを、非常に心配いたしておるものであります。さらにそういつた経済的な立場ばかりでなく、フイリツピンその他の賠償問題等も目前に控えておるのでありまして、それらの国民感情を相当刺激することは、日本当局が今後東南アジアに伸びて行かなければならぬ、経済的にも精神的にも相提携しなければならぬという際にあたりまして、日本がこういつたぜいたくな施設を幾つもやるということが、彼らに相当の刺激を与えることを非常に心配をいたすものであります。さらに国民大衆の面から考えましても、今度のNHKによると、受信料が二百円、片一方の日本テレビは、広告収入によるがゆえにゼロであるとは申しますが、日本テレビの施設をいたした人も、結局ダイヤル一つまわせばNHKのテレビを受信することを得るわけでありますから、おそらくこの機械設備をした者は、日本テレビは無料と考えながらも、案は二百円の受信料を払わざるを得ないだろうと思うのです。そういう意味から言いましても、今後テレビが大いに普及いたされなければならないにもかかわらず、片方はただでやる、片方は二百円でやるといつて、いかにもただが安いように見えても、実質的には二百円の受信料を国民大衆に負担をさせることになるのでありまして、私はその意味において、テレビの普及を阻害することを非常に心配いたすのであります。そういうことから考えまして私はこの政府案に賛成はいたしまするが、今後の実際の実施にあたりましては、日本テレビとNHKのテレビが、ほんとうに虚心坦懐に話し合つていいのじやないか、従来もよく官の放送であるとか、民間放送であるというようなことで、官民の差別をつけられておるようでありまするが、こういつた相当の金がかかり、しかも新しい時代に普及すべきものについては、官も民もなく、またこれは国会において法律の建前で幾らでも改正もできるのでありますから、私は日本テレビ並びにNHKが、虚心坦懐に話し合う必要があると思う。私は直接ではありませんが、聞くところによりますと、すでに許可されたところの日本テレビの正力さんも、このテレビが国家のためにほんとうに充実して行くように、NHKの皆さんも一緒になつて、そして最小の経費で最大の効果を上げて、世界に負けないような方向に進むことについては、自分も今までの一切の立場を捨ててかかろうというようなことを表明されたように伝聞しておるような次第でありますので、これはわれわれが承認するにあたつての注文でありますが、承認になれば、NHKも日本テレビも許可になるわけでありますから、私はこの実施にあたりましては、ひとつ官民という過去における法制の意識から離れて、この貧乏国の日本が、ほんとうに充実したところのものをつくるために、両方の当事者が一対一でほんとうに真剣に話合いをする、政府もまたこれを指導いたしまして、先ほど述べましたいろいろの条項にかんがみて、大衆のためにも、一本化いたしまして、たとえば二百円とゼロを合せて百円の受信料ということになれば、国民大衆の負担は百円だけ減るということになりますから、そういういろいろな点から考えまして、政府もほんとうにこの二つのものを一つにする努力をしていただきたい。またNHKも日本テレビも、遅れておるところのものをとりもどすために、ひとつ虚心坦懐に一緒になつて、そして施設を充実して、国民大衆の負担も軽くし、かつまた外国の感情、あるいは日本経済の現状に対して即応する態勢をとつていただきたいという注文を特に申し上げ、政府並びにNHK、日本テレビの当事者に対しまして、重大なる注意を喚起いたしまして私はこれに賛成の意を表する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/2
-
003・橋本登美三郎
○橋本委員長 有田喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/3
-
004・有田喜一
○有田(喜)委員 私は改進党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりますところの放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件について、賛成の意を表するものであります。
すなわち本件は、日本放送協会がテレビジョン放送事業を行わんとするものであつて、郵政大臣がこれに免許を与うることを前提とするものであります。日本放送協会がテレビジョン放送事業を行うということは、放送法の趣旨、建前に合致しております。そしてわが国の放送政策上から見ましても、きわめて適当と認められ、また事業計画、予算収支など、その内容もおおむね妥当と認められるからであります。本件が国会の承認を得た上は、郵政大臣はすみやかに日本放送協会に免許を与えられ、放送法の建前であるところの公共企業体、民営、その趣旨に合致するように監督指導に当られんことを、私は特に切望するのであります。
今羽田委員からの御意見にありましたが、われわれ改進党といたしましては、あくまで放送法、電波法等の建前、趣旨をくずさないことを、強く要望するものであります。そうして国民の文化財であるところのテレビジョンが、できるだけ早く全国に普及するように、郵政大臣は適切なる監督指導に当られんことを要望してやまないのであります。また日本放送協会も、公共企業体としての使命を十分に自覚されまして、一段と技術の研究に励まれまするとともに、現有の放送施設及び機能を活用して、テレビジョン放送の運営に要する経費をでき得る限り軽減されて国民の負担を最小限度にとどめられ、同時にテレビジョン放送は、標準放送とその対象を異にする関係上、経理の面におきましても両者を明確に区分されまして、受信料金の適正を期せられんことを要望する次第であります。またその番組も、健全明朗で、わが国民の文化水準の向上に寄与せられるように編纂されんことを、私は特に切望するのであります。どうか郵政大臣は、放送法の建前、その趣旨にのつとり、テレビジョン事業のますます発展するように、適切なる監督指導に当られんことを重ねて強く要望いたしまして、私の討論を終る次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/4
-
005・橋本登美三郎
○橋本委員長 松井政吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/5
-
006・松井政吉
○松井委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつております放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件につきまして、ただいま申し上げる理由と、若干の条件を付して賛成をいたします。
理由といたしましては、日本にテレビジョン放送を行おうとすることについては、御承知のように長い間、前国会においても議論をして来たところであります。その際に、公共的な立場でテレジョン放送を行うことが妥当であるというような結論も出たのでありまするが、免許の条件が整わないために、今日まで延びたことは御承知の通りであります。従いまして私は第一番に、広義の意味における放送の定義から見ましても、テレビジョン放送は、やはり公共性を本質とする公社組織において放送を行うことが妥当だという見解を持つからであります。もう一つは、御承知のように一般放送にしても、テレビジョン放送にしても、われわれは日本の文化財として、あるいは科学の発展に伴う大きな進歩の形態として、全国民に聴取せしめるように努力をしなければならない。そのためには国家の直接監督における公共放送が、全国民を対象とする場合には最も妥当であると、経営の形態の面から考えるからであります。第三には、そういうことで認めるならば、受信料の問題でありまするが、これは公共放送としては、広告収入及びその他の収入を得ることのできない組織になつておりまするから、受信料の徴収はやむを得ないものと考えられるのであります。従いまして、本案件の内容とする受信料並びに事業計画に基く予算等についても、承認をしなければならない。以上の理由で、われわれは賛成をいたします。
以下、条件を申し上げます。御承知のように受信料を徴収しなければならない組織になつていることは明らかでありまするが、これはできるだけ軽減をはからなければならないものであります。なぜかと申し上げまするならば、さきに申し上げた通り国民全体を対象として、文化の恩恵の役割を果すということにあるのでありまするから、できるだけ国民大衆の負担を軽くするということは常に考えなければなりません。そのために一番必要なことは、ややともすれば諸外国より遅れているといわれる技術の研究が、一番重点に考えられなければなりません。技術の研究の結果、かりに規格が統一されるということがもたらされるならば、受信料の軽減等は、またその面から考えられて来るのでありまして、この点を私は条件の第一として考えたいのであります。そうなつて参りますると、今までの論議の中で、やはり外国との関係、ドルとの関係等が真剣に論議をされたことは明らかであります。従つてできるだけテレビジョン放送並びに全体の放送を通じて輸入を少くするごとによつて、技術を進展させるということがまた必要になつて参りまするので、これは真剣にひとつ考えていただきたいと思います。
さらに第二の条件といたしましては、文化的の使命を完全に果すこととともに、公共性を失つては、公社としてのテレビジョン放送は成り立たないのでありまするから、あくまでも文化的使命と公共性の保持については、十分の注意を払つていただきたいと思います。
第三の条件は、御承知のように独立採算制がとられておる組織の上に立つて事業を行うのでありまするから、独立採算をいかにしてとるかということについては、十分なる研究をしていただきたい。いやしくも一般放送の犠牲においてテレビジョン放送がなされるということのないようにテレビジョン放送はテレビジョン放送で独立採算のでき得るように、十分なる考え方をしていただきたいと思います。
第四の問題でありまするが、これは特に郵政省として真剣に考えていただきたいのは、ただいま条件の点や理由の点で申し上げたように、やはり独立採算と公共性ということが中心に考えられて参ります。いかにして独立採算制を保持するかということになりますると、現在の全体の放送からながめてみましても、国際放送の拡充等もあると思うが、国際放送等を行う場合も、やはり協会の負担と政府の負担と二本建になつております。従つて国家的目的を中心とする国際放送及び国家的目的を持つ放送等についての一切の費用は国が負担をして、協会の独立採算制を可能ならしめるように特段の努力をはかつていただきたい。これが私の条件であります。
以上の観点から、本案件に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/6
-
007・橋本登美三郎
○橋本委員長 山田長司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/7
-
008・山田長司
○山田(長)委員 ただいま議題になつております放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件について、社会党を代表しまして意見と希望を申し上げたいと思います。
テレビの文化性につきましては、いまさらわれわれが事新しく申し上げるまでもないことであります。しかしながら日本の現状を検討いたしまするときに、一台十七万円ないし二十三万円もする機械が、そうたやすく一般化するということはなかなか困難であると思われます。そこでこの点に十分考慮を払う必要がある。また受信料の問題につきましても、私たちは二千四百円という年額の支払いというものは、相当困難に考えられる。そこで公共性の問題につきましても、今日までのNHKの公共性の問題を見まするときに、われわれが知つている範囲において、料金をとれないはずであるにもかかわらず、かなり料金がとられておる。こういう事実を私たちは知つております。こういう点について、この公共性の問題につきましては、十分に料金の低廉化を目ざされたいということを、第一番目の問題として申し上げたいのです。
第二の問題として申し上げたいことは、受像機の問題であります。これにつきましては、許可されてもかなり困難が伴うであろう。過日来の討論の様子をいくつか検討いたしまするときに、通産省と郵政省との間において、何かまだ明確にされてないものがあるのじやないか。こういうことを過日来から察知するのであります。こういう点において、この文化性から考慮されて、通産省との間においてできるだけ円滑なる発展を考えていただきたい。
なお外貨の問題その他につきまして、先ほど来の委員の申されたことによつて、私の申し上げたいと思うことは言い尽されておるのでありますが、外貨の問題等について相当困難のあることが察知されるのであります。この点につきましても郵政大臣においては十分検討されて、この趣旨を十分に了とされたいと思うわけであります。こういう希望意見を申し上げて、賛意を表する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/8
-
009・橋本登美三郎
○橋本委員長 これにて討論は終局いたしました。
放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件について採決いたします。本件に承認を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/9
-
010・橋本登美三郎
○橋本委員長 起立総員。よつて本件は、政府提案通り承認を与えるべきものと決しました。
なほお諮りいたします。本件に関する報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/10
-
011・橋本登美三郎
○橋本委員長 御異議ないと認めまして、さよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/11
-
012・橋本登美三郎
○橋本委員長 次に、去る十一日本委員会に付託になりました電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります、まず提案理由の説明を求めます。高瀬郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/12
-
013・高瀬荘太郎
○高瀬国務大臣 ただいま議題となりました電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
日本電信電話公社の補正予算につきましては、ただいま国会において御審議願つているところでありますが、建設資金財源の一部として、二十億円の電信電話債券が計上せられております。政府といたしましては、重要施策中に、経済基盤の発展の一施策として、電信電話の拡充を取上げたのでありますが、わが国の復興を促進し、現下の熾烈な電話に対する要望にこたえるため、電話拡張資金をできる限り増加し、急速に電話設備の拡張をはかることが急務と考えられますので、従来認められておりました拡張資金以外に、臨時的措置として、利用者負担等の方法による債券の特殊引受けの道を新たに開かんとするものであります。
本法案のおもな内容を申し上げますと、加入申込者に対しましては、電話取扱局の級別に従い、六万円以内において、政令で定める額の債券を引受けさせることとすること、また戦災電話、いわゆる焼け電話の復旧工事を完了したときは、その加入者に対して電話取扱局の級別に従い、四万円以内において、政令で定める額の債券を引受けさせることとすることであります。なお公益上必要がある場合、その他郵政大臣が定める特別の事由がある場合は、債券の引受けを免除することができることといたしております。
何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決せられますよう御願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/13
-
014・橋本登美三郎
○橋本委員長 本案に関する質疑は、次回にこれを行うことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/14
-
015・橋本登美三郎
○橋本委員長 なお電気通信事業に関する日程を追加して審議を進めるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/15
-
016・橋本登美三郎
○橋本委員長 御異議なしと認め、さよう決します。原茂君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/16
-
017・原茂
○原(茂)委員 郵政大臣も時間がないようですし、日程の追加でございますので、間単に希望と善処をお願いいたすにとどめたいと思います。
御承知の電通の現在の執務状態でございます。公社側は今日おいでになつておりませんが、おそらく詳細な報告が郵政大臣のお手元には行つていることと存じます。御承知のように東京におきましては中央電報局、あるいは東京市内電話局を中心にしまして、六大都市と県庁所在の中小都市まで合せまして四百四十局が、すでに約三割から五割、麻痺状態に入つておることは、おそらくお手元に報告が行つておることと存じます。かつて電通その他が遵法闘争という体形をとりましても、実際は組合の指示に従つて完全な闘争体形がとられなかつたわけであります。今回に限つては、昨日私は現地を視察して参りましたが、まつたく一人の脱落者もなく、完全にこの遵法闘争の趣旨が徹底いたしておりまして、まずスイッチその他におきましても、働くことにおいては、一人々々完全な働き方をしておりましても、その場所が歯の抜けたように、ぽつんぽつんと執務員が抜けております。これだけでも相当の執務停滞になるのでございますが、なお各地方の中都市におきましてもこれに同調いたしまして、すでに三割しぼつておりますので、実際には昨夜あるいは今朝に、電話あるいは電報を利用しようといたしましても、非常に不便を感ずる状態になつております。きよう、あすもこのままに放任しますと、年末を控えて、おらく半分以上が完全に麻痺状態になるというような状態になつておると思います。こんなに一糸乱れず、組合員の遵法闘争が展開できるようになつたのも、電通に関する限りは、調停案をのんで、民主的に、かつてないこのベース・アップ問題の解決をはかろうとする、非常に建設的な意見を組合側が率先主張したにもかかわらず、やはりかつての例に漏れずに、最後のどん詰まりで行つて初めて解決するといつたようなところへ、政府側はかえつて追い込んでいる。逆に組合従業員諸氏は大きく奮起いたしまして、それならば完全にやるぞという体形を今度初めてとつたわけであります。かつて見ざるほどの、一糸乱れない、いわゆる遵法闘争、規正闘争体形が持たれておりますので、わが国における一般大衆に與える影響は、年末繁忙の際に、非常に憂慮すべき事態にあると私は考えます。一日も早くこの詳細な実態を把握されまして、公社測と御相談の上で、これがあまり長く続かないよう、きようにでもあすにでも早期に解決せられますように、郵政大臣がこれを新しい事態として取上げて、閣議に提案せられるよう、一段の御努力を要請申し上げたい。かような意味で発言いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/17
-
018・高瀬荘太郎
○高瀬国務大臣 ただいまお話がありましたような事情でありまして、何とかして早く解決しなければならないと私も考えております。そして公社の側ともいろいろ相談もいたして目下検討中であります。まだ具体的な結論には達しておりませんが、できるだけ早く検討をして解決をいたしたいものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/18
-
019・山田長司
○山田(長)委員 これは郵政大臣に一応お願いしたいと思うことですが、地方農村その他において、ラジオの五十円の徴収というものが非常にぴしぴしとられているけれども、金があつて乗りまわしている自動車にすえつけられているラジオについては、全然聴取料が考えられていないじやないか、こういうことを私最近聞いたのです。この点について郵政省はどういう取扱いをするか、ちよつと似いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/19
-
020・長谷愼一
○長谷政府委員 ただいまの御質問につきまして私から御答弁さしていただきます。この聴取料の徴収と申しましようか、法律上から申しますと受信料でございますが、日本放送協会の行う放送を受け得るような設備をしておるものは、受信についての契約を放送協会と結ばなければならない、こういうことに定められておりまして、受信料は、国会でその年度の収支予算を御審議になる際に、収支予算とともにお認め願う、こういう建前になつておるわけであります。なおこの受信契約を結ぶに際しましては、たとえばある種の病院であるとか、あるいは公共を目的とした公民館であるとか、図書館のようなところ、あるいはまた盲人のような方であるとか、そういう方々で、公共的に考えまして、受信料を免除する制度ができております。これは郵政大臣の認可を得て協会が定めているわけであります。その契約条項の中に、どういう単位ごとに受信料の契約をするかということが定められておりまして、郵政大臣の認可を得ておるのでありますが、その契約条項によりますと、一軒の家に、同じ世帯であるならば、二個持つておつても三個持つておつても、一軒として数える、こういう考え方になつております。そういう意味で、自動車に備えつけてありますただいま御質問の点は、その一世帯の中にすでに契約が成り立つておるならば、それが単に動いておるというふうな見方をとりまして、一軒の中に含められて処理をされております、そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/20
-
021・山田長司
○山田(長)委員 一軒という法的根拠をどういう点に置かれるかということでございます。自動車は一軒の家にとどまつている性質のものではなくて、自動車自体が毎日動いておるわけですから、こういう金があつて、備えつけておる自動車に対する聴取料の問題は、新たに規定してさしつかえないものと私は思うのですが、その点どうお考えですか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/21
-
022・長谷愼一
○長谷政府委員 今のお話の点は、たとえばポータブルのようなものは、先ほど申し上げましたように一軒に二台、三台あつても、そのうちの一台がポータブルになつているようなものも一単位の契約で済ましております。但し初めから場所が違うところに設けられておるものは、別の契約単位として考えることになつております。自動車の問題につきましては、多少疑問の点もありますので、協会で実除に徴収漏れがあるかどうかは、私どもの方も調べさしてもらいたいと考えておりますが、先ほど来申し上げましたように世帯別に考えて行つて、一世帯でたとい二台、三台持つておつても、これは契約上一単位と見ておる、こういう考え方になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/22
-
023・山田長司
○山田(長)委員 自動車の場合に、一世帯であるかどうかはわからないけれども、とにかく今の都下における自動車の状態というのは、実は私各地で調べたのです。ところが家にあるかないかは別としても、とにかく東京中に何十万台あるかわかりませんけれども、これがほつてあるということは、実にけしからぬと思うのです。それで農村においてあるいは裏長屋の、それを唯一の楽しみにしておる人たちに対しては、備えつけたその日からでも、三人も五人もかわり番に催促に行つてとつているにもかかわらず、自動車に対してはちつとも催促して来ていないという状態は、許すことのできない点だと思います。この点について、私はほんとうにはつきり法規をこしらえるべきだと思います。そうでないと、一軒の家に三つ許す、四つ許すといつても、一軒という限界点の問題が出て来ると思うのです。場合によれば一日のうち、ほとんど全部が外へ出ておつて、放送のキャッチをされておる、こういうことが考えられると思うのです。この点についてもつと明確な説明がほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/23
-
024・高瀬荘太郎
○高瀬国務大臣 ただいまのお話のような事情があるとすれば、むろん十分調査して適当な処理をしなければならぬと考えております。今のお話のような点につきまして、十分よく調査をし、研究をして、適当な処置をすることにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/24
-
025・山田長司
○山田(長)委員 どういう調査をされるのかわかりませんけれども、新しい規定を設くべきだと私は思うのです。そういう点についてどういうお考えをお持ちですか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/25
-
026・長谷愼一
○長谷政府委員 お答え申し上げます。郵政大臣が認可を与えております日本放送協会の受信契約条項に基いて、協会が漏れなく徴収を行つているかどうかということをまず調べたいと思います。なおただいま御指摘のような問題について契約条項の変更を必要とすることが認められました場合は、そのように指導したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/26
-
027・山田長司
○山田(長)委員 一世帯という考え方について、自動車がもし一軒の家から出ている場合における考え方は、一世帯と見なすのかどうか、その考え方を一応伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/27
-
028・長谷愼一
○長谷政府委員 私の記憶がもし間違つていませんければ、外へ出ておる、あるいは営業に使つておるという場合には、別に考えることになつておると存じております。なお詳しいことは調査いたしまして、それの対策等も考えて御報告申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/28
-
029・山田長司
○山田(長)委員 よろしゆうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/29
-
030・橋本登美三郎
○橋本委員長 次会は公報をもつてお知らせいたします。
本日はこれをもつて散会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101504847X01019521213/30
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。