1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年三月四日(水曜日)
午後二時十九分開議
出席委員
委員長 田嶋 好文君
理事 松岡 松平君 理事 松山 義雄君
理事 小畑虎之助君 理事 猪俣 浩三君
小林かなえ君 佐治 誠吉君
福井 盛太君 松永 東君
大川 光三君 後藤 義隆君
長井 源君 古屋 貞雄君
出席政府委員
総理府事務官
(内閣総理大臣
官房審議室長事
務代理) 久田 富治君
法務政務次官 押谷 富三君
検 事
(矯正局長事務
代理) 高橋 孝君
委員外の出席者
専 門 員 村 教三君
専 門 員 小木 貞一君
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三月二日
委員井伊誠一君辞任につき、その補欠として田
万廣文君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
田万廣文君が理事に補欠当選した。
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二月二十八日
刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三〇号)
売春法制定に関する請願(小平久雄君紹介)(
第三一八四号)
の審査を本委員会に付託された。
三月三日
戦犯者の減刑、釈放並びに抑留同胞引揚促進に
関する陳情書(第
一六二一号)
戦犯者の助命減刑内地帰還赦免に関する陳情書
(第一六二二
号)
戦犯者の釈放に関する陳情書
(第一六二三号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
理事の互選
少年法の一部を改正する法律案(内閣提出第六
七号)
少年院法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六八号)
下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出第一一〇号)
(予)
刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一
二〇号)
刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三〇号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/0
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001・田嶋好文
○田嶋委員長 これより会議を開きます。
本日の日程に入る前に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。すなわち、理事であつた田万廣文君は去る二月二十七日本委員を辞任されたのでありますが、去る二日再び本委員に選任されたのであります。従いまして、理事の補欠選任を行わなければならないのであります。お諮りいたします。理事の補欠選任は、先例に従い委員長において御指名いたすに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/1
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002・田嶋好文
○田嶋委員長 御異議なしと認めます。従前通り田万廣文君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/2
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003・田嶋好文
○田嶋委員長 それでは日程に入ります。まず下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、刑法等の一部を改正する法律案及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題とし、それぞれ提案理由の説明を聴取いたします。押谷法務政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/3
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004・押谷富三
○押谷政府委員 ただいま議題になりました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について提案の理由を申し上げます。今回の改正の要点は、次の三点であります。
第一点は、簡易裁判所の管轄区域の変更であります。すなわち、西大寺市の設置に伴い、牛窓簡易裁判所管内の岡山県邑久郡旧豊村、旧太伯村、旧幸島村及び旧邑久町長沼の地域を岡山簡易裁判所の管轄に、岡山県吉備郡真備町の設置に伴い、玉島簡易裁判所管内の同郡旧呉妹村の地域を倉敷簡易裁判所の管轄に、鳥取県八頭郡船岡町の設置に伴い、若桜簡易裁判所管内の同郡旧隼村の地域を河原簡易裁判所の管轄に、また、土地の状況等にかんがみ、本山簡易裁判所管内の高知県土佐郡本川村を高知簡易裁判所の管轄にそれぞれ変更しようとするものであります。
第二点は、簡易裁判所の所在地及び名称の変更であります。すなわち、土地の状況等にかんがみ、青森県下北郡大湊町所在の大湊簡易裁判所を同郡田名部町に移転し、その名称を田名部簡易裁判所に改め、また、富山県東礪波郡礪波町の設置に伴い、出町簡易裁判所の名称を礪波簡易裁判所に、大船渡市の設置に伴い、盛簡易裁判所の名称を大船渡簡易裁判所にそれぞれ改めようとするものであります。
第三点は、市町村の廃置分合による行政区画の変更、市町村の名称の変更等に伴うこの法律の別表の整理でありまして、これについてはあらためて御説明申し上げまでもないと存じます。
なお右の第一点と第二点とにつきましては、いずれも、地元市町村、関係官公署、弁護士会等の意見を十分しんしやくし、最高裁判所とも協議して決定いたしたものであります。
以上簡単にこの法律案の提案の理由を申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
次にただいま上程に相なりました刑法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は、刑法、刑事訴訟法、犯罪者予防更生法及び更生緊急保護法の一部を改正し、犯罪対策に寄与せんとするものであります。
終戦後犯罪の激増に伴い、受刑者の増加とともに、執行猶予の言い渡しを受ける者も激増し、同時に執行猶予の取消しも激増しましたが、現行の執行猶予制度においては、何ら本人に必要な保護と指導を加えることができないし、一方執行猶予の要件が厳格で、前科のない者か、前科のある者は執行終了後七年を経なければ執行猶予をつけることができないこととなつているのであります。執行猶予中の者は、たとえば軽微な窃盗を犯しその事情酌量すべきものであつても、必ず実刑を科し、前の執行猶予を取消さなければならないこととなつているのであります。以上のような点にかんがみ、本法案は執行猶予の要件を適当に緩和すると同時に、執行猶予中必要のある者に対しては裁判の言い渡しにより保護観察に付することとし、これに必要な手続を定めるものであります。
すなわち、刑法の改正案におきましては、先ず刑法第二十五条で執行猶予に付し得る条件として規定された「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあつても其執行を終り又は執行の免除を得た日より七年以内に禁錮以上の刑に処せられたることなき者」という制限を「五年以内」に短縮し、また執行猶予中の者であつても、軽微な犯罪により刑期「一年以下の懲役又は禁錮」に処すべき場合であつて「情状特に憫諒すべきものあるとき」は再度の執行猶予を与え得る規定を設けて、執行猶予に付し得る場合の幅を拡張緩和し、同時に其の裏づけとして、再度の執行猶予に付された者は其の猶予期間中は必ず保護観察に付することとし、その他の執行猶予者については必要ありと認める場合、保護観察に付し得ることにしているのであります。
刑事訴訟法の改正案は、右の刑法の改正に伴いまして、刑の執行猶予に加えて保護観察に付することにする場合は、刑の言い渡しと同時に判決で言い渡すことにいたしまするとともに、保護観察中の遵守事項違反を理由として執行猶予の言い渡しを取消すことができることとし、その手続として、検察官はその者の保護観察を担当した保護観察所の長の申出に基き裁判所に請求することにし、なお、裁判所の審理についても本人の請求があれば口頭弁論を経ることにし、かつ、その場合は弁護人の選任を許すことにし、また執行猶予の取消し決定に対しては即時抗告を許して、その者に不測の不利益を帰せしめないようにするものであります。
犯罪者予防更生法の改正案は、以上の改正により執行猶予中保護観察に付された者をこの法律によつて保護観察に付すことを明らかにし、次に保護観察に付された者が、保護観察中守らなければならない遵守事項に違背した場合には、他の種類の保護観察対象者と同じように、裁判官のあらかじめ発する引致状により引致し得ることにし、さらに、現行法の仮退院少年の再収容を審理するときと同じように、執行猶予取消しの要否を審理するため引致後十日以内これを留置し得ることにし、検察官から執行猶予の取消し請求があつたときは、裁判所は、その請求について決定をするまで留置を継続することができるものとし、但し、その留置の期間は、引致後通じて二十日を越えることができないものとし、また、本人の請求により口頭弁論を経て決定すべき場合には、裁判所は、決定でさらに十日間に限り、留置の期間を延長することができるものとし、なお、右の期間内に刑の執行猶予の取消し決定があつたときは、その決定が確定するまで留置を継続することができるものとし、これらの留置期間は、すべてこれを刑期に算入するものとするものであります。
更生緊急保護法の改正案は、執行猶予者で保護観察に付されない者が身体の拘束を解かれた後あるいは帰住先がなくあるいは就職口がなく再犯に陥る危険がある場合に、本人の申出に基き、一定期間に限り、これを保護し得ることにするものであります。
なお附則においては、此の法律を施行する日を規定するほか、この法律の施行前に罪を犯した者及びすでに少年で刑の執行猶予に付せられ、現行法で保護観察に付されている者に対しては、この法律の施行により不利益を帰せしめないようにする経過規定を設けているのであります。
以上申し述べましたように、犯罪をした者の改善更生には、でき得る限り刑の執行を避けてこれを保護観察に付し、その成績に応じて刑の執行を考慮することが最も必要であると考慮して、この法律案を提出いたした次第であります。何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことを切望する次第であります。
次に只今議題に上りました刑事訴訟法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
まず、立案の経過について申し上げます。現行法は、御承者の通り、旧法に対し根本的な改正を加えたものであります。ところが、制定当時の情勢上比較的短時日の間に企画立案し、かつ、施行するのやむを得ない次第でありましたため、実施当時からいろいろ問題があり、その後四年を経た今日では、修正を要する箇所もかなり多く指摘されるのであります。しかし、他面、刑事訴訟法は、刑事手続の基本法でありますので、改正には慎重を要するのであります。そこで、一昨年法制審議会に対し、訴訟法運用の実情にかんがみ、早急に同法に改正を加えるべき点の有無につき諮問いたし、その答申をまつて、逐次改正をすることといたしました。同審議会は、一昨年九月以来各方面の有識者から選ばれた委員及び幹事の間において慎重審議の上、昨年三月、とりあえずその一部につき答申があつたのであります。そこで当時政府は、その答申に基き法律案を作成し国会に提案いたしたのでありますが、第十三回国会では継続審議となり、第十四回国会は解散となりましたため、遂に審議未了に終つたのであります。爾来、法務省においては運用の実情を検討しつつ改正の方向につき考慮を重ね、法制審議会開催の準備を進めておりましたところ、最近特殊集団事件における被告人の出頭拒否により裁判所の開廷が不可能となるがごとき事態を生じ、これに対する何らかの立法措置が必要となつて参りました。一方、かねてから検察官と司法警察職員との関係に関する刑事訴訟法の規定にやや不備の点があり、ことに逮捕状の濫用の事実をあげて、検察官にこれが防止を求める声が強くなつて参りましたので、この際かねてからの疑点を明確にし、捜査の適正をはかるのを妥当と考え、去る二月二十日及び二十一日の二日にわたり法制審議会を招集して、審議を求め、その答申を得ましたので、これを前の改正案に附加して今国会に提案いたすことといたしたのであります。
次に、改正の内容について申し上げます。第一は、被疑者及び被告人に対する身体の拘束に関する規定の改正であります。現行法は起訴前の勾留期間を一応十日以内とし、やむを得ない事由のある場合に限り、裁判官の裁量により最大限十日の延長を認めているのでありますが、終戦以来現在までの犯罪の動向について考えますと、事件の規模はいよいよ大きくかつ複雑となつて参り、捜査機関がいかに努力いたしましても、現行法の認める勾留期間をもつてしては、起訴不起訴を決定するため必要な資料を集めることすら至難な場合が少くないのであります。そこで、これに対処するため、特別の事情のある場合に限つて厳重な要件の制約のもとに、さらに、五日だけ延長し得ることといたしたのであります。
起訴後の勾留期間につきましても、現行法はその更新を原則として一回に限つておりますため、起訴から上訴を経で判決の確定までの勾留期間も原則として三ケ月に限られ、その結果、審判及び刑の執行に支障を来しているのであります。かかる実情を考慮し、本案においては禁錮以上の実刑の宣告があつた後の勾留期間の更新に限り、これを形式的に制限せず裁判所の裁量にゆだねることといたしました。
次に、いわゆる権利保釈につきましては、その除外事由が狭きに失し、訴訟の進行に支障を来たしておりますばかりでなく、世の一部に非難の声も聞かれるのであります。よつて、今回この除外事由を一部拡張することといたしたのであります。その一は、従来除外事由の一となつていた被告人が死刑又は無期の懲役もしくは禁錮に当る罪を犯した場合というのを短期一年以上の刑に当るいわゆる重罪を犯した場合にまで拡張したこと、その二は、被告人が多衆共同して罪を犯した場合及び保釈されるといわゆるお礼まわりなどをして脅迫がましい態度をとる危険が多分にある場合を加えたことであります。なお、このお礼まわりにつきましては、これを保釈の取消事由にも加えることといたしました。
第二は、被告人が公判廷において有罪である旨を自認した場合には、簡易な公判手続による審理を進めることができることとした点であります。
公判において審理を受ける被告事件の約八割までが、犯罪事実について争わない場合であるという実情にかんがみ、この簡易公判手続により審理の促進と事件の重点的処理を期することといたしたのであります。
英米法では、被告人が公判廷で有罪の答弁をした場合には、それのみでただちに被告人を有罪とすることができることとなつておりますが、かような制度は、わが国の憲法上その採用に疑義のある向きもありますので、本案では有罪の答弁があつても、なお従来通り補強証拠を要することとしつつ、その証拠能力に関する制限を多少緩和し、かつ、証拠調べについてもその方法を裁判所の適当と認めるところによることといたしたのであります。さらに、漸進的にこれを実施する意味におきまして、この手続はさしあたり、いわゆる重罪以外の比較的軽い罪の事件につき当事者の意見を聞いて行うべきものとするとともに、裁判所は、一旦簡易公判手続による旨の決定をした後でも、この手続によることが相当でないと認めるときは、いつでもその決定を取消し、通常の手続により審判をすることができることといたしました。
第三は、控訴審における事実の取調べの範囲を拡張いたした点であります。
御承知のごとく現行法は旧法のような覆審の制度を廃し、控訴審を第一審の判決の当否を批判するいわゆる事後審とし、第一審判決後に生じた新たな事実は控訴審においてはこれを考慮することができない建前をとつているのであります。しかしながら、運用の実際は、規定の不備もあつて心ずしもこの建前通りではなく、裁判所によつてその取扱いが区々になつているのみならず、少くとも刑の量定に関する事実については、この建前を緩和すべきであるという意見が各方面に強いのであります。よつて、この要望にこたえるべく第一審判決後の被害の弁償その他の情状に関する事実については控訴審においてもこれを考慮することができることとするとともに、第一審の当時から存在しながらやむを得ない事由によつて公判審理の過程において法廷に顕出されなかつた事実も、控訴趣意書に記載して控訴申立の理由を裏づける資料とすることを認め、裁判所の調査義務の範囲を拡張することといたしたのであります。
以上が前回の法制審議会の答申に基くおもな改正点であります。
次に今回新たに附加することといたしました改正点につき申し上げます。
その第一は、犯罪捜査に関する検察官と司法警察職員との関係に関する規定の改正であります。これは二点にわかれ、その一は、検察官のいわゆる一般的指示権の及ぶ範囲を明確にした点であり、その二は、司法警察員の逮捕状請求につき、原則としてこれを検察官の同意にかからしめた点であります。前の点は、現行法が公訴を実行するため必要な犯罪捜査の重要な事項に関する準則を定める場合にのみ、一般的指示をなし得ることとしているため、捜査自体の適正を期するためには一般的指示をなし得ないものでないかとの疑いを持つ向きもあり、解釈上明確を欠いているのであります。しかし、捜査が適正に行われて初めて公訴の実行が可能になるのでありますから、検察官の一般的指示は、捜査の適正をはかるためにも行われなければならないと存ずるのであります。そこで、この点の明確を期したのであります。後の点は、最近逮捕状濫用の非難が高く、有力な法曹の間にも本案のような規定の創設を希望する声が高いので、これを改正案に取入れたのであります。
その二は、勾留中の被告人が公判期日の召喚を受け、正当な理由がなく出頭を拒否し、監獄官吏による引致を著しく困難にした場合に、被告人の出頭なくしてその期日の公判手続を行うことができることといたしたことであります。これは、冒頭にも述べましたように、最近における特殊事件の事例にかんがみ、今後かかる事態の発生に備えてやむを得ず規定の整備をはかつたのであります。
以上でおもな改正点の説明を終りますが、なお、現行法の不備を補うため改正案に取入れました点として、捜査機関のいわゆる供述拒否権告知について運用の実情にかんがみ、その内容に修正を加えたこと、訴訟促進の要請にこたえるため、死刑以外の判決に対しては、書面によつて上訴権の放棄をすることができるものとしたこと、起訴状謄本の送達不能の場合には、その法律関係を明確にするため、公訴棄却の裁判によつて訴訟を終結すべきものとしたこと、さらに、略式裁判手続に関する規定を一部改正してその適正迅速な進行をはかつたことなどがあるのであります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/4
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005・田嶋好文
○田嶋委員長 これにて説明は終りました。
なお、これら三案に対する質疑は後日に行うことといたしますから、さよう御承知を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/5
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006・田嶋好文
○田嶋委員長 次に少年法の一部を改正する法律案及び少年院法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑をいたします。
まず、私から一言お尋ねいたします。それはこの間政府の方にお願いしてあつたことでありますが、少年鑑別所という名称が今使われておるわけであります。私実は名古屋の方ですが、名古屋では鶏の鑑別所というのがありまして、その札が立つておる。しばらく行くと少年鑑別所の札が立つておる。少年保護の立場からやる鑑別所が、いかにも人間を動物扱いにしておる感じがして、非常にぐあいが悪い。少年に対しては、やはり指導、補導ということについて精神面を加味しなければいけない。いかにもこれは唯物的な表現の仕方です。親御さんがときどき行つておるが、これを見た親御さんはどんな感じがするだろうと考えましたときに、非常に感ずるものがあつた。それでこの間政府に私個人としてぜひとも改正してもらいたい、研究してもらいたいということを申し上げておいたわけです。その点について政府はどういうようにお考えになつておられるのか、私の申し上げたような感じがしないのか、そうだとすると、この名称を適当と思われるものにかえる御意思があるかどうか。この点を承つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/6
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007・高橋孝
○高橋(孝)政府委員 この問題につきましては、先般内々法務委員長からも私の方に御連絡がありました。現在いろいろ研究中でございますが、その少年鑑別所という名前ができておりますのは、御承知の通り少年院法十六条において、少年鑑別所は、少年法のいわゆる観護措置決定によつて送致された者を収容するとともに、なお家庭裁判所の行う少年に対する調査及び審判並びに保護処分の執行に資するため、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門知識に基いて、少年の資質の鑑別をするということになつております関係から、少年鑑別所という名前になつておるのでございます。当初少年鑑別所という名称ができました当時におきましても、立案者の方でいろいろ適当な名前を研究した模様でございますが、少年の資質を鑑別するということからこの名前が一番適当であろうということで、この名前におちついたようでございますが、なおただいま委員長からおつしやいました通りに、あまりに唯物的な響きを持つておるようなきらいもあるというようなことで、さらに関係方面とも研究いたしまして、よりいい名前があつたらその方に変更しようということで、目下研究しておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/7
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008・田嶋好文
○田嶋委員長 次にもう一つお尋ねいたしますが、青少年犯罪に対する最近の一般的動向について政府から報告を求めたいと思います。本日資料がございませんで、なお答弁不可能でありましたならば、後日当委員会へ資料で提出していただいてもけつこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/8
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009・高橋孝
○高橋(孝)政府委員 青少年の犯罪状況の趨勢ということにつきまして、大体のことを御説明申し上げます。青少年犯罪の趨勢という観点から、まずその犯罪の検挙状況がどういうふうになつているか、その次に青少年犯罪の審利をしております家庭裁判所の受理状況がどういうふうになつておるか、次に特に家庭裁判所において少年院送致の決定をされた少年の数がどうなつておるかというような数的な画からまず御説明したいと思います。
青少年、これは二十歳未満という概念で、青少年の、特に刑法犯についての検挙状況を国警本部で作成した資料に基いて申し上げますと、昭和十一年における刑法犯の総数は全部で四十四万五千六百八十七になつております。その後の推移状況を見ますと、特に二十五年以降について申し上げますと、二十五年が六十一万六千七百二十三、二十六年が六十一万九千三十五、二十七年が五十七万五千八百五十二、こういうふうな数字を示しております。これを昭和十一年の指数を一〇〇として二十五年以降の指数がどうなつておるかと申しますと、二十五年が一三八・四、二十六年が一三九・一、二十七年が一三〇、こういうふうな数字を示しております。これに対して二十歳未満のいわゆる少年の刑法犯がどういうふうな傾向の数字を示しておるかを申し上げますと、昭和十一年が四万六千五百五十、昭和二十五年が十五万八千四百二十六、二十六年が十六万六千四百三十三、二十七年が十四万三千二百四十七、こういう数字を示しております。従いまして前と同様、昭和十一年の数字を一〇〇という指数でこれに対比しまして二十五年以降を見てみますと、二十五年が三四〇・三、二十六年が三五八、二十七年が三〇八・二という数字を示しております。従いまして一般の犯罪と対比しまして青少年の犯罪は非常な激増の数字を示しております。しかしながら今申し上げた数字でも大体わかりますように、二十六年から二十七年にわたつては多少減少の数字を示しております。
次に家庭裁判所における青少年犯罪の受理の数字を見てみますと、二十六年前におきましては少年というものの年齢の範囲が十八歳未満ということになつておりましたために、二十六年前と二十六年以後とではその点違うわけで、数字的な対比は省きまして、二十六年以降の受理状況がどういう数字を示しているかということについて申しますと、二十六年、二十七年は大した異動はないようであります。多少二十七年の方が減少しておるという傾向を示しております。二十六年度におきましては家庭裁判所の受理件数は一箇月最低一万四百くらいから最高一万九千くらいになつております。これに対して昭和二十七年度においては最低一万二千から最高一万六千という数字を示しております。
なお御参考までに少年院における新収容者の数を申し上げますと、昭和二十六年度と二十七年度における各月の数字を対比しましてそう大した変化はないようでございますが、昭和二十七年度の方が多少減少の数字を示しておるのでございます。
数字的に見ますと大体以上の通りでございまして、青少年犯罪の増加の傾向も、最近におきましてはやや頭打ちの状況を示しておるのでございます。これにつきましては、いろいろな要素が考えられますけれども、ともかく社会情勢がようやくおちつきつつあることによるものではないか、こういうふうに考えます。
次にこの青少年の犯罪の原因についてでございますが、犯罪の原因というものは、単一には考えられません。その者の家庭的な条件、教育的な条件、社会的または経済的な諸条件が、それぞれからみ合つておりますので、これを統計的に取扱うことは、多少困難を伴いますので、従来とも的確な資料がないのでございますが、昨年十一月現在で、少年院に収容されておる約一万一千の少年について調査しました結果によりますれば、家庭欠損、すなわち両親がそろつておらないような家庭欠損、それから家庭上の不和等の家庭的条件によるものが約三四%、それから不良交友、映画、パチンコ等の間に、その社会生活的な面の影響によると考えられるものが約二三%、次に本人の失業でありますとか、技能がないというものでありますとか、そういう経済的条件によるものと認められますものが約二二%というふうな数字を示しております。
次に青少年の犯罪の内容、犯罪の種別がどういう割合を示しておるかと申しますと、これは一般成人の犯罪におきますと同様、窃盗犯がその大部分を示しております。次に暴行傷害、脅迫、恐喝、こういうものを一括して粗暴犯と申しますが、粗暴犯というものがその次に多い数字となつております。その方法、内容につきましては、もちろん成人ほどの計画性を持つた込み入つた犯罪も少く、単純な動機による偶発的な犯罪が多く見られる。大まかに申し上げますと、こういうふうな傾向を示しておるように見受けられます。大体以上の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/9
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010・猪俣浩三
○猪俣委員 ちよつとお尋ねしたいのですが、もしすぐおわかりにならなければ、御調査の上御報告願いたいと思います。それは、今この表を見ますると、昭和十八年から二十七年までの罪種別犯罪の比較表ですか、一般の少年犯罪は、昭和二十六年よりも二十七年の方が減つておるにかかわらず、強姦罪だけは昭和二十六年に千五百三十のものが、昭和二十七年には千八百七十と上つておる。なお驚くべきことは、その次の表を見ますると、いわゆる婦女誘惑、いたずらというような犯罪が、十四歳以上十八歳未満の者がトツプを切つております。十八歳以上二十歳未満の者が五百四十六件であるのに、十四歳以上で十八歳未満の者が八百二十七となつておる。この原因でありますが、お示しの非公式の調べでは、はつきり出ておらぬのでありますが、私がお尋ねいたしたいと思うことは、エロ雑誌、あるいはストリツプ、あるいはエロ映画、こういうものがこの少年の性をどういうふうに刺激して、それが犯罪に転化しておるか。ことにエロ雑誌の悪影響であります。これをいま少しく詳しく知りたいのであります。どうも店頭に陳列されておるものも、実に目に余るものがあるのであります。これが十四歳、十八歳というような、からだだけはもう春に目ざめて来て、頭が無分別な連中を刺激して、相当の風俗犯罪を犯さしめておるのじやないか。そこで検閲制度が廃止され、出版自由の原則が立てられておりますが、こういうものこそ、公共の福祉の上において大いに考慮を払わなければならぬと思います。この表を見ただけでも、はなはだ異常を感ずるのであります。そこでこういうものがどんなに少年犯罪に響いておるか。エロ雑誌中心でもよろしゆうございますが、何かそういうことがおわかりでございましたならば、統計的にお示しいただければけつこうかと思うのであります。いろいろの総合的な原因がございましようけれども、こういう風俗犯罪、あるいは強姦、あるいは婦女誘拐というような性的犯罪に関するものの原因として、エロ雑誌がいかに原因をなしておるかということの科学的研究を聞きたい。もしそういう参考的な統計なり何かがありましたら、お教えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/10
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011・高橋孝
○高橋(孝)政府委員 統計の数字から申しますと、ただいま御指摘のように、まず青少年の強姦罪につきましては、二十六年度から二十七年度にわたつて相当ふえております。なお次に虞犯少年、不良少年関係の婦女誘惑、いたずら、これも十四歳以上十八歳未満の者が一番多い数字を示しております。この原因につきましては、ただいま御指摘のように、猥褻文書等の影響によるものではないかとも考えられますけれども、犯罪の原因につきましては、先ほどちよつと申し上げましたように、なかなかその原因関係の究明がむずかしいような実情でもございますし、この原因についての正確な調査は、ほとんど不可能ではないかと考えられますけれども、なお十分調査研究しまして判明するものがございましたら後刻御報告申し上げたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/11
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012・福井盛太
○福井(盛)委員 これを拝見いたしましたが、現在存在いたしておりますところの少年院または拘置監の設備をもつてして、この少年犯罪人の全部を収容するのに現在は十分間に合つておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/12
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013・高橋孝
○高橋(孝)政府委員 少年院関係について申し上げますと、今回法務省設置法の一部改正によりまして、全部で十一箇所の少年院を新設することになつております。その内容を申し上げますと、新たに新設するもの、それから少年刑務所等を転用しまして少年院とするもの、こういうことであります。なおそれにつけ加えまして従来の分院を本院に昇格するもの、こういうもので全部で十一箇所の少年院を設置することになつておりますが、これができ上りましたら、現在の収容状況から見まして、現在のやり方程度でございましたら大体まかなえるものと考えております。ただ少年院における在院期間が十分でないというような新たな観点から、在院期間をさらに延長して矯正教育を十分にやつて行くということになりますと、なお十分でないというふうな結果が出る場合が考えられる、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/13
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014・福井盛太
○福井(盛)委員 何と申しましても少年期におきましては非常に感化力が強いので、影響するところきわめて多いものですから、運営の上においてそういう収容所などの点について、わずかな期間でありましても感化するところが多いのでお尋ねしたのであります。私の知つておる範囲においては、二十三年度においては全犯罪者の二分の一が青少年の犯罪であるというふうに記憶が残つておりますが、ただいまではやや下火といつても、これは安心のできないような程度でありますから、その点については十分御注意もしておると思うのでありますが、その点でお尋ねしたのであります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/14
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015・松岡松平
○松岡(松)委員 少年鑑別所の収容状況を見ますと、昭和二十七年の十二月末現在で、収容定員が二千三百二十人に対して在所人員が千二百七十人となつております。千人以上の収容余力があるのにまた代用鑑別所を設けなければならなかつたという事情を説明していただきたい。
次に、今回の少年法改正の第十七条の二で、家庭裁判所が仮収容を決定することになつているのですが、その決定の基準はどうか。また仮収容の期間を七十二時間に限つた算定の根拠はどうかこれを説明していただきたい。
次に、本改正案の実施に伴う予算措置の説明を求めたいのであります。参考資料によりますと、小倉市及び平市で少年鑑別所支所の新設を予定し、さらに職員の増員を見込んでいるが、二十八年度予算はどうなつておるか、あと一、二点ありますが、まずこれだけ先にお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/15
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016・高橋孝
○高橋(孝)政府委員 まず第一点の鑑別所の収容定員が二千三百二十人であり、これに対する収容人員は千二百七十人であり、こういうことからしたら、さらに少年鑑別所設置の要はないではないかという御質問の点でございますが、二千三百二十人と申しますのは、昭和二十七年十二月末現在の定員であり、これに対する千二百七十人と申しますのは、やはりこの月末の収容人員でございます。そういう関係で月末にはできるだけ事件をさばいて新しい月を迎えるというような一般的処理のやり方から、月末は特に減少の数字を示す傾向にございます。なお新しい収容者の数を申しますと、これは新しく入つて来る者の頭数でございまして、この合計を申しますと、相当実際の月末人員数よりも多い数字を示しておりますし、昭和二十七年度における全部の新収容者は、参考資料にあげられております通りに、三万六千八百二十二名という数字になつておるのであります。従いましてこれを一月平均にしますと大体三千の数字になるわけでございますが、一箇月少年鑑別所における収容期間が大体現在のところ十八日程度になつておりますから、月平均の新しい収容者が毎月三千くらいになる結論にはなりませんけれども、大体少年の取扱い方といたしましては、捜査段階から少年鑑別所に身柄を拘束するという建前になつております。しかし実際の面では、捜査段階におきまして、少年鑑別所に収容されずに勾留状でまかなわれているようなことのために、少年法が予想している通りに実際運用しておられないような関係から、収容定員に比較いたしまして少年鑑別所に実際入つて来る者が多少少いという結果になつておるようでございますが、少年法が最初所期している通りに運用される場合のことも考えてみますれば、あながち収容定員に対して相当のものであるということも言えないのではないかと考えます。
次に、やむを得ない場合とただちに少年鑑別所に収容することが著しく困難な場合、この場合をどういうふうに考えておるかという御質問についてでございますが、これはまず第一番に、今度代用少年鑑別所が廃止になりますと、家庭裁判所から少年鑑別所送致の決定により、少年鑑別所に収容されることになるのでございますが、御存じの通りに、この少年事件を取扱います家庭裁判所が、特に甲号の家庭裁判所支部におきましては、少年鑑別所の所在地にあることになつておりませんので、甲号の家庭裁判所支部で少年鑑別所送致の決定をされますと、少年鑑別所本所まで同行し、そこに収容しなければならぬことになります。しかるに少年鑑別所と甲号の家庭裁判所支部が地理的に申しまして相当遠隔の地にある。なお遠隔の地にない場合でも、交通事情等のためにその日に少年鑑別所に収容できない、こういう場合が考えられるわけであります。実例で申し上げますと、たとえば長野県の飯田市に甲号の家庭裁判所支部がございますが、ここに送致された少年事件については、少年鑑別所に収容する場合は、長野市所在の少年鑑別所に送致しなければなりません。その間の所要時間は大体五時間と三十分くらいかかることになつております。なおそれと同様の場合が新潟県の高田でありますとか、網走でありますとか、豊岡市でありますとか、相当数ございます。そういうふうな地理的関係、また交通事情等のために、ただちに少年鑑別所に収容することができない、こういう場合が普通この改正条文の適用を受ける大多数の場合と考えられます。次に地理的関係ではさほど遠隔の地でない場合におきましても、たまたま少年鑑別所に同行をする職員、要員がないというような場合も、この場合に該当するのではないか、こういうふうに考えます。なお特別な事件等におきまして、途中少年を奪還されるようなおそれがあり、ただちに鑑別所に同行することが困難であるような場合、こういうような場合が、ただちに少年鑑別所に収容することが著しく困難である場合、こういうふうに考えております。
次に七十二時間ときめた理由についてでございますが、以上のようにただちに少年鑑別所に収容することが著しく困難な場合であり、なおこれに附加しまして、さらに調査したら終局処分をすることが適当であるというような事件もあるだろうと考えられますので、この仮収容の期間をどういうふうにするかという点については、できるだけ制限しなければならないような建前もございますし、なお今申し上げましたように事案次第によつては少年のためにさらに調査をして、終局処分をするというようなこともできるような趣旨で、大体七十二時間というところに線を引いたような次第でございます。
次に代鑑廃止に伴う予算的措置がどうなつておるかということについてでございますが、これはお手元に配付してある参考資料にございます通りに、二十八年度予算としましては、全額で申しますと、七千六百七十四万三千円という程度のものになつております。その内訳は、矯正官署の項が二千百八十三万三千七百円くらい、矯正収容費の項が七百六十五万九千五百円、それから小倉と平に鑑別所の支所を設けることになつておりますのと、なお従来ありました少年鑑別所を、多少営繕工事をして、収容定員を増すというような意味合いで四千七百二十五万円、こういう内訳になつております。
以上の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/16
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017・松岡松平
○松岡(松)委員 次に少年院法の一部を改正する法律案について質問しますが、第一点は、今回の少年院法の改正の要旨は、犯罪少年の身柄が少年院に移されてからの取扱いについての改正を承知しますが、現在の少年院、すなわち医療少年院を含めての収容状況を御説明願いたいのであります。
第二点は、今国会において、法務省設置法の改正案が提出され、少年院の新設、少年刑務所の少年院転用、少年院の分院を少年院に昇格するの改正があることとなつているのを承知しております。その改正案の内容、予算関係、収容定員の増加の点などについて御説明を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/17
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018・高橋孝
○高橋(孝)政府委員 まず少年院の収容状況を申し上げますと、現在少年院の収容定員は八千二百九十六名になつております。これに対して少年在院者の数は一万四百九十一という数字を示しております。申し遅れましたが、これは昭和二十七年十二月末日現在の数字でございます。
次に少年院在院者の年齢別区分による数字がどういうふうになつておるかという点を御参考までに申し上げますと、十六歳未満男千百七十二名、女百九十二名、計千三百六十四名、十七歳未満男千五百五十七名、女二百四名、計千七百六十一名、十八歳末満男千八百二十八名、女二百三十六名、計二千六十四名、十九歳末満男千九百五十三名、女二百五十六名、計二千二百九名、二十歳末満男二千四十一名、女百九十七名、計二千二百三十八名、二十三歳末満男七百八十四名、女七十一名、計八百五十五名、先ほど申し上げましたように全部で一万四百九十一名、こういうふうになつております。
次に少年院には四種の種別がございます。すなわち初等少年院、中等少年院、特別少年院、医療少年院の四種の種別がございますが、この種別に従つて在院者の数がどういうふうになつておるかという点を申し上げますと、初等少年院におきましては、男千三百四十三名、女二百八名、計千五百五十一名、中等少年院におきましては、男四千二百八十一名、女五百九名、計四千七百九十名、特別少年院におきましては、男三千二十名、女百八十八名、計三千二百八名、医療少年院におきましては、男六百九十一名、女二百五十一名、計九百四十二名、全部の合計が先ほど申しましたように、一万四百九十一名というふうになつております。
次に法務省設置法の一部改正によつて、十一箇所の少年院を新設することになつておりますが、その内容を申し上げますと、新たに新設するものが全部で五箇所でございます。次に少年刑務所、それから刑務支所というような刑務所施設を転用して少年院を設置するものが四つになつております。次に少年院の分院を昇格させて少年院として設置するものが二箇所、全部で十一箇所の少年院を新設する予定になつております。その十一箇所の新設ができますれば、昭和二十八年四月一日からは、少年院本院が全部で五十六箇所、分院が九箇所、合計六十五箇所ということになるのでございます。
次にただいま申し上げました少年院を新設するための予算は、全部で九千二百二十五万円になつております。その内訳を申し上げますと、官署費五十五万円、収容費二百五十万円、営繕費八千九百二十万円、大体こういうようになつております。以上の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/18
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019・松岡松平
○松岡(松)委員 さらに少年犯罪に対する不良化並びに犯罪防止に対する対策は、現在どういうふうにとられておるのですか。その点についてお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/19
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020・高橋孝
○高橋(孝)政府委員 法務省矯正局所管でありますと、刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、こういう各収容所施設における管理を担当しておるのでございますが、そのうちで特に少年院内における矯正教育をどういうふうにしておるかということについて概要申し上げますと、大体少年法の趣旨に基いて、少年院処遇規則というものをもちまして、その処遇規則によつて少年院内の少年に対する処遇をいたしておるのであります。建前といたしましては、この院長が日課を定め、その日課の励行をはかりまして、教科につきましては、在院者の特性に基きまして、興味と必要に即して自発的に学習指導をすることになつております。次に職業の補導につきましては、まず勤労を重んずるような態度をつちかいますとともに、個性に応じた職業を選択して能力をできるだけ助成するというような方向でやつております。なお少年院の中での矯正教育が徹底して行きますに従いまして、段階を設けて、その段階相応の処遇をやつて行くというようなことで、在院者の矯正教育ができるだけ徹底するような方向で少年院の管理に努力しておるような次第であります。はなはだ簡単でございますが、一応右の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/20
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021・田嶋好文
○田嶋委員長 他に質疑がなければ、本日はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
午後三時四十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101505206X02519530304/21
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