1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年三月十八日(水曜日)
午後二時六分開会
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本日議長において本委員を左の通り指
名した。
石村 幸作君
上原 正吉君
草葉 隆圓君
古池 信三君
中川 幸平君
長谷山行毅君
宮本 邦彦君
安井 謙君
河井 彌八君
小林 政夫君
高橋 道男君
館 哲二君
溝口 三郎君
伊藤 修君
相馬 助治君
山田 節男君
小笠原二三男君
菊川 孝夫君
成瀬 幡治君
一松 定吉君
松浦 定義君
谷口弥三郎君
千田 正君
鈴木 清一君
須藤 五郎君
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出席者は左の通り。
委員長 河井 彌八君
理事
古池 信三君
中川 幸平君
小林 政夫君
山田 節男君
菊川 孝夫君
委員
石村 幸作君
上原 正吉君
草葉 隆圓君
長谷山行毅君
宮本 邦彦君
高橋 道男君
館 哲二君
溝口 三郎君
伊藤 修君
小笠原二三男君
成瀬 幡治君
一松 定吉君
谷口弥三郎君
千田 正君
須藤 五郎君
政府委員
内閣官房副長官 江口見登留君
法制局次長 林 修三君
法制局第一部長 高辻 正己君
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本日の会議に付した事件
○委員長の互選
○理事の互選
○期限等の定のある法律につき当該期
限等を変更するための法律案(内閣
提出)
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〔年長者一松定吉君仮委員長となる〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/0
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001・一松定吉
○仮委員長(一松定吉君) これより期限等の定のある法律につき当該期限等を変更するための法律案の特別委員会を開きますが、先ず委員長を選挙しなければなりませんが、それまで参議院規則第八十条の二項によりまして、委員中の最年長者である私が暫らくその責任を尽しまして、議事の進行を図ることにいたします。
そこで参議院規則第八十条の第一項によりまして、委員長を選挙しなければなりませんが、どういう方法にいたしますか。推薦の方法か、若しくは投票によるかをお諮りいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/1
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002・長谷山行毅
○長谷山行毅君 委員長の互選は投票によらないで、河井彌八君を推薦いたしたいと思います。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/2
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003・一松定吉
○仮委員長(一松定吉君) 只今の長谷山君の御動議に異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/3
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004・一松定吉
○仮委員長(一松定吉君) さように取計らいまして、河井彌八君を委員長に推薦することにいたします。委員長と交代いたします。どうぞ。
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〔仮委員長退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/4
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005・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 私甚だ不肖でありますが、(「ノーノー」と呼ぶ者あり)只今の御推薦によりまして、委員長の席を汚します。どうぞよろしく願います。
早速でありますが、やはり委員会の構成をきめなければなりませんから、これより理事の互選を行いたいと存じます。そこで理事の数と、その選任方法を如何いたしまするか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/5
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006・長谷山行毅
○長谷山行毅君 理事の選任につきましては、議院運営委員会の申合せに従いまして、その数は五名とし、自由党二、それから緑風会、社会党第二控室、社会党第4控え室おのおの一とし、互選の方法は成規の手続を省略して、委員長にその指名を一任することの動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/6
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007・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 長谷山君の動議は理事の数を五名とし、その選任の方法は委員長に一任するということであります。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/7
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008・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさように決します。つきましては、委員長から理事を御指名申上げます。古池信三君、中川幸平君、小林政夫君、山田節男君及び菊川孝夫君。この五名のお方を御指名申上げます。よろしくどうぞお願いいたします。
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009・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 次に期限等の定のある法律につき当該期限等を変更するための法律案を議題といたします。
先ず以て御懇談をいたしたいと思います。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/9
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010・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
それでは只今議題となつておりまする法律案につきまして、致府から提案の理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/10
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011・江口見登留
○政府委員(江口見登留君) 只今議題となりました期限等の定のある法律につき当該期限等を変更するための法律案について提案理由を御説明申上げます。
過日の衆議院解散に伴いまして、有効期限等の定のある法律中、次期特別国会の開会までの間に、その期限等の到来するものが生ずるのでありますが、これらにつきましては、諸般の状況から見て、この際暫らく現状を存続し、次の特別国会における審議を待つべきものと認められるものが少くないのであります。本案は、右の趣旨に基き、関税定率法外十五の法律につきまして、その定める期限の延長等のため所要の改正措置を講ぜんとするものであります。以下その内容中主要なものについて御説明申上げます。
先ず第一に、法律そのものが失効するものといたしましては、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律、国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律及び恩給法の特例に関する件の三件があるのでありますが、これらの失効によつていわば法の空白が生ずることになりますので、取りあえずその有効期限を二カ月延期することといたしております。
次に租税関係につきましては、学校給食用乾燥脱脂ミルク、大豆その他の農産物、産業用の重要機械類等の輸入税の減免、並びに給与所得及び退職所得についての軽減措置が三月限り失効することとなりますので、これらの期限を二カ月延期することとし、なお地方税につきましては、昭和二十八年分についても従来通り、附加価値税に代え事業税及び特別所得税を賦課徴収することとしようとするものであります。
次に、引揚援護庁は、三月限り外局から内局となることになつておるのでありますが、これも最近における引揚の再開に伴いまして五月まで外局として存置することといたしております。
最後に、旅行期日の延長に関するものとして、外国人登録法中の指紋押なつに関する規定は、四月中に施行されることとなつているのでありますが、これにつきましても、諸般の事情に鑑みて、先の諸件同様特別国会開会までの間、一応現状のままとすることが適当と認められますので、六月一日までその施行を延期しようとするものであります。
なお、以上のほか本案には、その他若干の改正措置も含まれておりますが、これらにつきましては、政府委員の細目説明に譲ることといたします。
以上が、この法律案を提出いたしました理由でございます。何とぞよろしく御審議の上速かに可決せらるるようお願い申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/11
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012・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 諸君において御異議がありませんならば、引続きまして本案の逐条説明を政府委員から求めたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/12
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013・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めまして、さように決します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/13
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014・林修三
○政府委員(林修三君) それでは私から只今提案になりましたこの法律案の逐条説明をいたさせて頂きますが、この法律案の大体の内容につきましては、官房副長官から御説明がございました。更に一々の内容について極く簡単に御説明申上げます。
先ず最初に申上げますが、今回のこの法律における措置は、衆議院の解散に伴います特別国会開会までの間の暫定的、臨時的のものであるということを念頭に置きまして、暫定予算の組み方などとも睨み合せまして、特別の理由のあるものを除きまして、原則として期限等の延長は二カ月ということにいたしておるわけでございます。
次に、各条の内容について御説明申上げます。その先ず第一でありますが、第一条の第一項は、法律の規定中「昭和二十八年三月三十一日」となつておりますのを「昭和二十八年五月三十一日」と二カ月間延ばすように改めようとするものでございます。ここに挙つております法律は全部で八件でございます。
先ず第一の関税定率法附則第二項でございますが、これは小学校又は盲学校、ろう学校若しくは養護学校の小学部若しくは保育所の児童の給食用乾燥脱脂ミルクの輸入税の免除期限が本年三月三十一日までとなつておりますのを、これをこの際二カ月延長いたしまして五月三十一日までとしようとするものでございます。
それから第二の租税特別措置法第二十六条第一項は、これは航空機の燃料用ガソリンの揮発油税は、現在昭和二十八年三月三十一日までに製造場又は保税地域から揮発油を引き取る場合には揮発油税を免除する、こういう規定でございますが、これをやはり二カ月延長いたしまして、五月三十一日までに引き取るものにつきましてはやはり免除いたそう、こういうことでございます。
第三は、少年院法の第二十一条でありますが、現行の少年院法の第二十一条第一項のほうでございますが、第一項によれば、本年の三月三十一日までの間に限り、少年院又は拘置監の特に区別した場所を少年鑑別所に充てる、いわゆる代用少年鑑別所の制度が認められておるわけでございます。又第二十一条の第二項によれば、本年三月三十一日までの間に限り、少年刑務所の特に区別した場所を特別少年院に充てる、いわゆる代用特別少年院の制度が認められておるのでございますが、現在なお少年鑑別所及び特別少年院の施設は十分でございませんので、この特例措置を更にこの際二カ月間延長しようとするものであります。
第四は、関税定率法の一部を改正する法律、昭和二十六年法律第百十号、これの附則の第五項、第六項でございますが、その第五項のほうでございますが、これはこうりやん、とうもろこし、大豆、重油、航空機等の輸入税は、本年三月三十一日までの輸入につきましては全部免除いたす、かようになつております。又ガソリン、建染染料等につきましては軽減説率が適用されることに相成つておりまするが、その免除又は軽減の期間をこれ又五号三十一日まで二カ月延長しようとするものであります。なお附則第六項のほうは産業用の機械類のうち、新式又は高性能で我が国では製作が困難であり、且つ経済の自立達成に資する産業用のものの輸入税は、これ又本年三月三十一日までの輸入については免除することになつておりますが、これを本年五月三十一日まで延長しようとするものでございます。
第五は、恩給法の特別に関する件の措置に関する法律第二条でございますが、この第二条と申しますのは、旧軍人軍属及びその遺族について恩給の停止を定めたいわゆるポツダム勅令であります「恩給法の特例に関する件」というものの法律としての効力が本年三月三十一日限りなくなる、こういうことを定めたものでございますが、これについては何らかの法的措置を必要といたしますので、この際取りあえずこれを五月三十一日まで二月間延長しようとするものであります。
第六の国家行政組織法の一部を改正する法律附則第三項と第七の行政機関職員定員法の一部を改正する法律附則第六項は、共に本条第二項の第二号に掲げられております厚生省設置法の一部を改正する法律の一部改正とも関連するものでありまして、引揚援護庁は、本年の三月三十一日までは厚生省の外局として置かれ、四月一日以降同省の内局たる引揚援護局となることとなつているのでありますが、中共からの引揚をも考えて、これを更に二月間、即ち五月三十一日まで外局のまま存置しようとすることに伴うものであります。
第八は、保安庁職員給与法第二十八条の改正でありますが、現行法によれば、昨年十月十五日から本年三月三十一日までに保安隊の二等保査として採用された者には、二年間勤務した後退職又は死亡したときは、これに俸給の百日分の退職手当を支給することになつており、又、これらの者及び昨年八月一日から本年三月三十一日までに警備隊の警査長以下の警備官として採用された者が、採用後二年内に公務上死亡し又は傷痍疾病により退職した場合には、勤続期間一月につき四日の割合で計算した日数分の俸給額に相当する退職手当を支給することになつておりますが、保安庁の職員に関する退職手当の制度が別途制定されるまでの間の暫定措置として、この採用期間の終期をとりあえず五月三十一日まで二月間延長することとしようとするものであります。
第一条の第二項は、法律の規定中「昭和二十八年四月一日」となつておりますのを「昭和二十八年六月一日」とし、二月間延長しようとするものであります。この関係の法律は二件でありまして、
第一は、国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律附則第二項でありますが、この法律は、何らの立法措置をしないときは、本年四月一日に失効することとなつておりますので、本法の有効期間を取りあえずさらに二月間延長しようとするものであります。
第二は、厚生省設置法の一部を改正する法律附則第一項であります。これは、引揚援護庁を本年四月一日より内局の引揚援護局とするものでありますが、先ほど御説明申上げました通り、取りあえずなお、二月間は現状のまま引揚援護庁として存置しようとするものであります。以上が法案の第一条関係でございます。
次に第二条について御説明申上げます。本条は、昭和二十一年度一般会計終戦処理の財源に充てるための借入金に関する法律及び帝国鉄道会計又は通信事業特別会計における昭和二十一年度の経費支弁のための借入金等に関する法律に基き借り入れました借入金の償還期限は、昭和二十七年末となつていますが、この償還期限を六月一日まで延期する契約を結ぶことができるようにしようとするものであります。
第三条は、金管理法第二十条第一項に関するものでありますが、これは、金鉱業者がその事業に必要なものであるとの証明を主務大臣から受けて輸入しました試錐機、パイン油等につきましては、本年四月末までの間輸入税を免除することとなつていますが、この免除期間を五月末まで一月間延長しようとするものであります。
第四条は、国家公務員等に対する退職手当に関するものでありまして、現行法は本年三月三十一日限りその効力を失うものとなつておりますが、これを差し当り五月三十一日まで二月間延長しようとするものであります。
第五条は、地方税法のうち、附加価値税並びに事業税及び特別所得税の制度に関するものであります。現行地方税につき何らの措置をいたしませんと、昭和二十八年度から、これまで延期されておりました附加価値税の制度を実施しなければならないことと相成るのでありますが、この際昭和二十八年度につきましては、現在通り、附加価値税の実施に代えて事業税及び特別所得税の制度を維持して行くことが必要であると考えますので、このために地方税法中所要の改正を加えようとするものであります。
第六条は、外国人登録法に関するものでありまして、同法によれば、指紋押なつに関する規定は、同法の施行の日から一年以内で政令で定める日から施行されることとなつております。同法の施行されましたのは、昨年の対日平和条約の発効の日でありましたから、この指紋押なつの規定は本年四月二十八日までに施行しなければならないのでございますが、右施行期限を本年六月一日まで延長しようとするものであります。
最後に、第七条は、所得税の臨時特例の措置を延長しようとするものであります。即ち給与所得及び退職手当につきましては、昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律によりまして、本年一月から三月までの支給分は、政府が昭和二十八年分所得税について予定していました減税措置を織り込んで軽減したところに従つて源泉徴収しておるのでありますが、従つて次の特別国会で所得税に関する改正措置が行われるまで、この特例措置を更に二月間即ち四、五月分についても行おうとするものであります。
最後に、附則の第一項はこの法律の施行期日及び地方税の改正規定の適用関係を定めたものであります。第二項は経過措置として必要な事項は政令で定めることを規定しております。この経過措置は、只今のところ地方税法の改正について必要があろうと考えております。
以上でこの法案の逐条に亙つての説明を終らせて頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/14
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015・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 諸君にお諮りいたします。只今提案の理由と、それから案の各条についての説明がありました。これから質疑応答に入るわけでありますが、直ちにそれに入つてよろしうございますか、皆さん方の御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/15
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016・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私は直ちに質疑に入るためには官房長官その他主管大臣の出席を求めたいと思いますので、それは困難だと考えますが、少くともそういう内容の質疑でなくて、この法の体裁上から来る各種の疑義については法制局次長もおいでのようですから、皆さんに許して頂けるならば、前提となる点については質疑をして明らかにしにおきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/16
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017・一松定吉
○一松定吉君 小笠原君の説に私も賛成します。逐条審議的のことはそれは適当に……、大体の総論的の質問はこの際許して頂いたほうが審議を促進する上に便宜だと思います。総論的のことは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/17
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018・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 只今小笠原君の御発言がありましたが、そうして一松君の御賛成もありますが、その通りに取計らつて行きたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/18
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019・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それではさようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/19
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020・小笠原二三男
○小笠原二三男君 実はこの法案の体裁につきましては、先ほどの議院運営委員会においても政府側にその所見を質したのでございまするが、私の疑点といたしました点は、各法律が幾多一本の法案として提案になつて来たものについて、参議院が一部否決或いは修正等を行なつて衆議院に廻した場合、廻したということでなくて、政府から同意を求められた場合、この法は五月に多分特別国会があつて同意を求められる予定でございましようが、その段階においてはこの法律は公布せられ施行せられておるのでございます。そこでさてそれについて同意、不同意の問題を衆議院が審議します場合に、一部の部分について不同意であるという状態が起る場合に、その不同意を成り立たせようとするならば、私の考えでは全体についてこの法一本で十五の法律について全部不同意であるという結果を生ずるような議決しかできないであろうと、こういう点が私の疑点だつたので、そうなりますと、衆議院の審議権を初めから法の提出の形式によつて拘束する疑いが起つて来るが、これは衆議院として可分のものとしてそれぞれの中に含まれる法律の日時等の変更を一部不同意、他は同意ということがなし得られるかということを追及しましたところ、法制局長官においては各号それぞれ法律が違うのであるから、可分のものとして一部不同意、他は同意という方法はとり得られるものと考える。よつてこれで差支えないというお話だつたのであります。そこで私は一応議運の問題としてはこれを、その答弁について疑義はあるけれども留保したのでありますが、実際只今この法律が出たところで見ますと、第一条、第二条、第三条というふうに一本の法の体制になつてこの形式が出て来ておるのでございます。それで仮に第一条において例をとりますならば、第一条三号の少年院法についてのこの法の有効ということについては衆議院は不同意だ、こうなつて、これは削除せられ、可分することができる、こういうことが仮にあり得たと考えまして、次に第二条になりますと、第二条のほうは今日たつた一つの法律が第二条の日時変更に規定せられておる。従つてこの第二条の日時変更を不同意ということになりますと、第二条について不同意となつてこれが削除抹殺せらるる、そうなれば、その後削除抹殺になつた場合において、この法はどういうふうな公布の形に手続が変つて行くのか、例えば三条、四条、五条というものは逐次繰り上つて、二条、三条、四条というふうになるとしますならば、それは修正議決を要することであつて、衆議院の修正はこの緊急集会で参議院のきめたことについては行い得ない。そういう建前から言つて、私は法そのものの体裁がここにおかしいことになるのではないか、或いはこの修正をしないとなれば、二条のない法律ということが改めて公布されるという形になるのではないか、こういう点に私は今でも疑義を持つておるのであります。いわゆる私の申上げます全般的な理由は、一々十五のこの法案が別建で一本に出て来れば、衆議院は同意、不同意を直ちに決し、意思を表明することもできるが、一本の形に出て来たものの一部についての同意、不同意ということが確かに可分の問題として可能であるか、可分の問題として可能であるというような場合、第二条のような場合は二条全部抹殺になるという結果になつてもよろしいのか、その場合には三条、四条は衆議院で議決することなしにでも政府は繰上げて条章を変更するようなことができるか、欠条がここに出て来て法が公布せられるということがあつていいのかどうか。
又最後に伺いたいことは、そういう不同意ということが一部行われた法案は、我々が同意することによつて四月一日からこれは効果を発する法律なんです。緊急集会、それだけで効力を発する法律なんです。それが途中の五月においてこの一部効力が認められないというような状態になつた場合のこの公布の手続はどういうふうにするものであるのか、こういう点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/20
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021・林修三
○政府委員(林修三君) この法律案が参議院におきまして御議決を願いましたあと、次の特別国会におきまして衆議院の同意を求めました場合に、この議決……衆議院の同意をいたしますについて可分であるか、或いは不可分一体として議決、同意又は不同意をきめるべきであるかという点につきましては、この法律案の内容が十五の法律につきましての各改正措置をきめております関係上、おのおの別個の内容を成しております、当然可分である。かような意味のことは、先ほど議院運営委員会で私どもの法制局長官がお答えした通りであろうと存ずるわけであります。そこで然りとすれば、この法律が今度の、次期の特別国会におきまして、一部衆議院が不同意した場合どういう形になるかという御質問ではないかとまあ思うわけでございますが、この法律案はこの参議院の緊急集会におきまして御議決を願いますれば、勿論その法律としての効力につきましては、次の衆議院における特別国会による同意という条件は勿論付いておりますけれども、一応法律として成立するものとまあ考えまして、これは勿論官報に公布をいたさなければならないと思うのであります。そこで参議院のほうで御議決を願いましたところ従つて官報に公布せられることになろうと思うわけであります。そこで今度は衆議院で特別国会が開かれました際には、この形で参議院で御議決を願いまして法律として公布せられております形のものを衆議院に提案をいたして同意を求めることになりますが、その場合に、内容が可分でありますから、一条のうちの何号或いは二条については不同意であるということ、こういうことも当然衆議院で議決ができるものと我我は考えております。その場合におきまして、結局その場合のこの条項が効力を……、不同意であるということが確定いたしますれば、そのときにおいて将来に向つてその法律は効力を失うことになるものと我々は考えておるわけでございますが、その分につきましては、衆議院の同意が得られなかつたということを何らかの形におきまして官報に公示して一般の国民に知らせる、こういう措置をとるべきものではなかろうかと考えておる次第であります。従いまして、そういうことがありますれば、この条文の中の或る条なり、或る項は効力のない規定になると、つまり失効する、そういうことにとどまるのではなかろうか、先ほど仰せられましたような、号が繰上る、条が繰上るということにはならないのではないかとかように考えております。
も一つ、これは可分であるということの一つの問題といたしまして、この法律はそれぞれ十六の法律につきまして一部改正の措置でございます。皆全部が一部改正でございます。一部改正につきましては、従来の日本の法律形式といたしまして、一部改正法律は施行になりますれば、その改正部分が本来の法律の中にはまり込んで読まれる、つまりアメリカ流と違いまして、この中の例えば少年院法の第二十一条第一項及び第二項の中の二十八年三月三十一日というものが五月三十一日に改まれば、少年院法自体の規定がそういうふうに変る、こう考えておるわけであります。仮にその規定につきまして衆議院が不同意であるということになれば、それが又元に戻る、こういうことで、必ずしもこの法律の体裁上さした支障はないのではないかと、かように考えておるわけであります。
それから一番初めに仰せられましたこの法案につきまして、参議院におきまして御修正がある、或いはそのほかの何らかの措置があるという場合におきましては、当然今度の緊急集会におきまして成立しました法律は、その御修正になりましたところのあとの形におきまして勿論公布されるというわけであります。その御議決になつたものが又衆議院に出されるわけであります。ここで削られましたり、或いは修正されました点を又元に戻して衆議院の同意を求めるということはこれはあり得ないと思います。参議院の御議決を得ました通りのものが衆議院のほうに出て行くのであります。かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/21
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022・小笠原二三男
○小笠原二三男君 具体的に第二条について伺いますが、「本則中「昭和二十七年度」を「昭和二十八年六月一日」に改める。」このことが参議院でこの場合成立いたしますと、この第二条にある本法そのものが改正公布せられる、こういうふうに了解してよろしうございますか。又これが五月二十五日の特別国会に同意を求める案件として出て、この部分が不同意となれば、五月二十五日において又その本法のほうの日附けが改正になつて公布せられる、こういう手続をお取りになるのでございますか。その点が第一点。
それから仮に五月二十五日にそういう措置になつて、第二条がこの法によつていわゆる当該期限等を変更するための法律案そのものの中で不同意となつた場合には、これは削除されることになると思いますが、削除された部分についての何と申しますか、効力を実際的にするための公示なり、公布の方法の手続はどうなるのでございますか。この点をお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/22
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023・林修三
○政府委員(林修三君) 第一の点でございますが、この法律案が仮に第二条なら第二条が、この通りで参議院の緊急集会におきまして御議決があつたということになりますれば、そういう形でこの法律がいわゆる法律の形で官報に公布せられます。併しその場合におきましてこの法律の効力自体は、これは御承知の通りに暫定的のものであり、条件附きのものでございますことは言うまでもございません。併しこの形のままで一応公布に相成るわけであります。そこでその場合の我々の法律の読み方といたしましては、一応第二条に引用してございますこの法律の本則の内容が、条件附きに変つたものとして読んで行くわけでございます。それでそれが次の特別国会におきまして、この法律をこれは又やはり参議院で御議決を願いました形で衆議院の同意を求めることに相成ろうと思いますが、その場合に衆議院が第二条なら第二条は削除と申しますか、不同意であるということを表明される場合であろうと思いますが、その場合は、第二条の改正の効果が将来に向つて、これは私どもの考えといたしまして、過去に遡らず将来に向つて失効する。従いましてこの規定の体裁としては、元のこの二条に引張つております法律の本則の規定の内容が元の昭和二十七年度という形に変る、これは必然的に変るものと考えておるわけでございます。その場合に、衆議院のほうで不同意がありました場合のその公示方法は如何ということでございますが、これは憲法にも、その他まだそういう直接の公示方法をきめた規定はないわけでございますが、これはやはり官報に……、何らかの今後私たちも研究をいたしたいと存じますが、何らかの方法を以てこの部分は不同意になり、従つて将来に向つて失効したものであると、これを宣言的のものでありますが、そういう公示をしなければならんものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/23
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024・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そういうことを何らか私だんだん聞いておりますと、午前中に法制局長官は例を挙げて質問した不正競争防止法案の一部改正に関する法律というように、内容も一本の法律の一部改正法律として出て来ておるもののうち、参議院の緊急集会において仮に二つ修正をした。その修正したものを衆議院においては、一部の修正は同意、他の修正には不同意、そういうことをやり得るかどうかというお尋ねをしましたら、法制局長官は、そういう一本の法としてあるものについてはあり得ない。全体として同意不同意しかないのだ。これは法そのものの内容とするものが十五の法律を以て成り立つておるのだから、これをばらばらにすることはできる。けれどもそうでないほうはそういうことはあり得ないと言つたのですが、私は今の話をこう聞いていますと、如何なる法律についても衆議院は修正できないけれども、同意、不同意は一部に対しても全体に対しても自由に与えることができるのではないか。そういう気分がいたすのですが、如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/24
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025・林修三
○政府委員(林修三君) その点は先ほど例に引きました不正競争防止法なら防止法でございますが、これにつきまして、一応今議案が出ておるわけでございますが、これにつきまして参議院で仮に御修正になりまして、これは参議院の緊急集会を求めました事項の範囲か範囲でないかということは、それはあると存じますが、そのものにつきまして御修正がありまして、御議決になるということに相成りますれば、その形で何らかの事項が附け加わりまして御議決になりました場合には、その御議決になりました形で衆議院の同意を求めることに相成ろうかと思います。その場合におきまして、果して一つの法律の場合に、全部が全部同意か、一部同意ができるかどうかということは、それにつきまして先ほど私どものほうの長官も、普通そういう場合には内容が一体をなしておると思うから、一部同意はできないのであろう。こういうふうに申上げたのであろうと思うのでありまして、全然内容が可分で、全然別個のもの、そういうことになりました場合には、やはりそこまで衆議院の議決権を拘束するものかどうかにつきましては、やや疑問があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/25
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026・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そのやや疑問があるでは、私どうも初めから問うていることからいうとピリオツドを打たれないのです。あなたたちは専門家、法律家なんですから、日本のこの法律の御意見番であるような形で制定は明らかにしてもらいたい。そうでないと、やはり我々としては衆議院の同意、不同意ということは何という権利に属しますか、その権利を拘束するような形のものを参議院側だけの議決で法律にしてやつて、それで責任は免がれたというわけには行かんのであつて、本院は本院で責任は取るが、衆議院は衆議院で自由な判断に基いて、審議が百パーセントなし得るような措置にだけはして、この法の成立を期待しなければならんと私は考えておる。その点からお尋ねしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/26
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027・林修三
○政府委員(林修三君) 先ほど不正競争防止法を例にお挙げになりましたけれども、これは只今国会に御提案申上げております点は、この不正競争防止法案の理由書を御覧になりましてお分りと存じます通りに、大体一点のことを内容といたしておるわけでございます。仮に併しこの法律に限らず、ほかにまだ国立学校設置法もございまするし、或いは国会議員の選挙費の基準に関する法律案もございますが、こういうものにつきまして、通常の場合でありますれば、これは普通の場合におきましても、こういう一個の法律につきましての改正は、大体今までこれは政府が提案いたします場合にも、議員のほうから御提案になります場合にも、大体の事項別に分けて御提案申上げるということは恐らく普通の場合にはないことでございまして、一つの法律の一部改正であれば、大体一つにまとめてお出しするのが普通であろうと思います。大体併しそういう場合には一つの法案にまとまつて、一つの法案の改正をいたします場合には、又大体においてその内容が相関連しておることがこれ又普通であろうと思うのでございます。そういう意味におきましては、そういう法律が参議院で議決されまして、衆議院の次の特別国会において同意を求める、こういう場合には、その内容が不可分である限りにおいては、少くとも相連関して一つを認め一つを認めないということが非常におかしいという限りにおいては、これはやはり普通の法律の場合と、一個の法律でございますので、やはり全部についての同意か、或いは不同意であるということになろうと思いますが、併し仮にそういう一個の法律でございまして、一個の法律と申しますのは、今回の今議題になつている法律ではございませんが、本当に内容が一個の法律であります場合には、その内容が明らかに二つ或いは三つのことを規定しているそういう場合には、これが内容的に明らかに可分であるという場合には、これはやはり衆議院の議決権はそこまで拘束できないのじやなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/27
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028・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私は政府が飽くまでも政策的な意図を持たない、いわゆる緊急集会の名にふさわしい内容を盛つた法改正を参議院に求めて来る場合は疑義がないと思うのです。併し今回出ております法案を見ましても、租税特別措置法であれ、或いは今は挟殺せられましたが、義務教育費国庫負担法の問題であれ、国が憲法上……、憲法に行政府が違反するとか、或いはこの法が止まるとか、実施されるとかいうことによつて、行政府が事務の執行が不可能なる、そういうふうな国の行政の執行に緊急な、法律違反になるような事態が起るというふうに、極めて狭い範囲における客観的な緊急性というものの基準に照らして法案が出て来る場合は大して私は問題は起らんと思いますが、これを延そうとも延すまいとも、法の執行そのものには何ら差障りはない。ただ併しながら、この法を通すことが、この法を止めることが、国民なり業界の一部に不利益を与えるとか何とかいう、そのときの内閣の判断によつて緊急集会にこの法が出るのが望ましいというふうな一つの判断を加えて提案して来た法案である限りは、これは参議院としても、一個の修正だけで政府が出て来たものを、もう一個加えて二つの修正を参議院としてしなければ辻褄が合わんとかいうようなことでやる場合はあり得ると思います。例えば、今はこの法は出て来ませんけれども、義務教育費半額国庫負担法で言えば、六月一日から施行するとしたものを現行法に参議院が戻す、差戻すという一つの修正をしたとしますと、大阪とか東京の富裕県に対して、国と地方を通ずる財政計画上から言えばロス部分になる金がむずむずと要つてしまう。それは全体の財政計画上不適当であるから、そこの部分は二カ月間だけは交付しないという特別な措置をすることができると、もう一カ条政府から出て来ていない法の修正をこれは参議院の判断においてする、こういうことになると二つの修正が出て来るわけです。そういうような事態は確かに起つて来ると思うのです、将来の法案において……。その場合に、それが衆議院側のほうに行つて、一部不同意、一部同意という形になつて、衆議院側が衆議院側として独自の判断を下す場合も、これは可能性としてはあり得るわけなんです。又そのほうが、或いはそのときの情勢からいつていいかも知れない、こういう場合が起るかも知れないのです。それでもなお且つ一個の法である限りは、これは全体として同意、不同意ということしかできないとはつきりここで分けるのか、法案そのものによるのだということで、今あなたが言うたように、私逃げるという言葉を使うと林さんには大変失礼かも知れないけれども、あいまいにせられておるのか、この点どうも不可解である。もうこの本委員会に提案になつておるような幾多の法律案を含むのは可分できるのだ、他のものは不可分なんであるというならいうで、その通りに解釈を統一してもらいたいし、いや、そうではなくて、一本の法の中でも事情によつては一部不同意他は同意という方法があり得るのだと、こういうことであるならばあるでよろしいし、御答弁を願つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/28
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029・林修三
○政府委員(林修三君) 最初にお話ございました参議院におきます修正のことでございますが、これは勿論この緊急集会を求められました目的の範囲内において法律案について御修正その他が行われますことは、これは参議院の御権限の範囲内で当然のことであると思います。その結果この条文について、この法に限らずほかの法案についても附加えられるものがあり、削除せられるものがあるということは当然であると思います。その結果それが衆議院に廻むました場合に、衆議院におきまして、その同意が全部同意か一部同意ができるかどうかということにつきましては、これは先ほどから申し上げました通りに、只今問題になつております法律案は、これは内容が御承知のように十六の法律でございまして、明らかに可分のものでございます。明らかに可分のものでございますから、そのおのおのにつきまして、一部同意は勿論できるということを、或いは一部不同意もできるということを先ほど来申上げたわけでございます。但しそうでなくて、一個の法律で内容が不可分のもの、そういうものについて、例えばここで例を申しますと、恐縮でございますが、第五条に地方税法の一部改正をやつておりますが、この地方税法の一部改正は非常に長い条文ですが、全部これは附加価値税と事業税、特別所得税の関連部分でございます。このうちの或る部分をお削りになり、衆議院におきまして或る部分が不同意であるということは、事柄の性質上成り立ち得ないものであろうと思いますが、併し仮に一個の法律の中でも全然別のものが入つている場合においては、これは内容の可分、不可分によつて判断すべきである。必ずしも法律が一個或いは二個であるというものばかりではなかろうと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/29
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030・小笠原二三男
○小笠原二三男君 どうも私は頭が悪いもので、はつきりわからんですが、あなた今地方税の話をしましたが、私は内容としてはそれは問題になる点はあると思うのです。事業税そのものをとることを二カ月延ばしたということになりますと、附加価値税を実施する場合、現政府が考えたように折衷された事業税を四月から納付するという場合は歳入となるこの財源に欠陥を生ずる点が起つて来るのです。二カ月分の歳入減になる部分は将来これこれの措置を以てですね、補填せられて二十八年度当初計画のごとくでなければならんという議論はさまざまな問題から起つて来ると思うのです。そういう場合に仮に私なら私は六月以降の税制改革においてはこれこれだけの財源は得られるような措置をとられなければならない、だからそのことについて法律の中で一本謳つて、そして地方公共団体に何らの不安を与えないような法の修正をしなければならない、こういうようなことになつて、この法律の修正があれば、それは事業税を二カ月延期するということに関連しただけの政府提案の修正でなくて、独立した根拠に基いて修正が参議院でも行われる、密接な関連において。その場合に衆議院のほうに行つてですね、政府から出て来た部分の関連した部分については同意、参議院がそういう附帯的な条項をつけたことについては不同意、こういうようなこともなし得られるのかどうか、こういう点になつて来るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/30
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031・林修三
○政府委員(林修三君) これは結局先ほどからもお話がございました通りに、内容が可分であるか、不可分であるかという判定によつてきまるものであろうと存じます。可分であるか、不可分であるか、そういう場合に、今仮に参議院でお附加わえになりました修正も一緒に込めなければ全体として意味がない。或いはそれを切離しても意味があるかどうか、こういうことによつての判断で衆議院が判断されて然るべきものであろう、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/31
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032・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすれば、今までで明らかになつたことは、一本の性格を持つ法であつても、法の内容上幾多の条項になつているもので、要素がどつちかと言えばばらばらになつている部分のものについては一部不同意ということはできる。関連しておる全体のものは、その関連しているもの全体について、その同意、不同意がなされると、こういうふうに私は聞き取つたように思うのですが、それならばそういうことはですね、例えばこういう委員会において委員長はどういうふうに扱うような議事手続があるのか。皆さん一部不同意のお方がありましたならば御発表願いたい。そしてみんなそれも提案させて、そしてここにですね、誰それ委員のこの条項一部不同意について賛成の諸君の御起立を願います、何願いますと、ずつとやつて、そしてあとは全体について、この承認について御賛成の方は起立を願います。こういうふうにばらばらに離して議案を扱われるような議事通則なり、何なりがどこにあるのか。少くとも本院に出ておりますような形式は一本になつている法案についてですね、第一条第一号、第二号御異議ございませんか、第三号御異議ございませんか、一々こういうことをぶつてやる議事通則がどこにあるか。私はその扱いがさつぱりわからんのだ。それをですね、やつぱりこれはずつとばらばらにどこかの委員がですね、不同意、同意というものを出してですね、修正案を出すがごとく、一括してそれを出して採決をとるというようなそういう手続方法があるのですか。私にはさつぱりその点はわからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/32
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033・林修三
○政府委員(林修三君) 議事の法につきましては実は私それほど詳しくございませんので、或いは的確なお答えができないのではないかという気がしますが、やはりこれはまあ抽象的に考えますれば、一種のやはり衆議院におきまして、この法律に同意されるか、同意されないか、或いは一部同意がされるかということは、やはりそこに一部不同意、一部同意ということが一種の修正議決と同じような性質のものであろうと思います。そういう意味の手続がとられるべきものではなかろうかと思うのでございます。例えば地方自治法に基きます地方官署の設置の承認等につきましても、承認議案につきまして一部承認、他は不承認というような議決も今まで行われておるようであります。そういう意味におきまして、一部不同意という手続もとれるのじやないかと、かように考えておる次第であります。詳しい議事の手続につきましては、私それほど自信を持つて実はお答え申上げかねるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/33
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034・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私これ以上、実はもつと質問したいのでありますけれども、水掛け論になつて来て、聞きづらい点が起つて来ますと、大変恐縮でありますから、本日はこの点だけにしておいて、明日改めて私もとつくり考えておいてその点はお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/34
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035・中川幸平
○中川幸平君 小笠原さんの御質問も御尤もだけれども、実際問題として次の特別国会に憲法の条章によつてこれを衆議院の事後承認を受ける。それと並行して、個々の六月以降の法律はそれと並行してやはり政府から提案されるものと解釈します。それで間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/35
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036・林修三
○政府委員(林修三君) これは今お話がございました通りに、恐らくこれと並行いたしまして、五月三十一日或いは六月一日以後の恒久的な、或いは臨時的な場合もありましようが、そのときの国家の情勢によりましては臨時的な措置が、更に一月なり、二月なり延びる臨時措置が附加わることもありましようし、或いはそのときの情勢によりましては、恒久的な措置が講じ得るような情勢もある場合もございましようが、これだけでは大体において足りませんで、これの後始末の法律が当然出て来ると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/36
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037・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで問題が別になりましたが、私関連して伺います。私はこの法はですね、もう一度五月になれば、又何カ月が延期の法案になつて出て来ることは必然だから問題にしておる。これはなぜならばですね、これは二十八年度本予算を組むに当つて、直接その財源を求めるというような点についてですね、もう直接必要な法案が入つているのです。ところがこの本予算は五月中にはこれはできるものじやない。恐らく八月も越えて九月の上旬まで行くんじやないかと我々には考えられる。そうしますと、地方税を事業税として五月三十一日まで延ばすということは、又ですね、延ばすというほうが事務的に自動的に必然のものとして出て来るのです。そういう問題が幾多ここの中に内在していますからですね、私はいろいろ問題にしてこの点を追及しているのです。官房副長官は、これはあなたは純粋な官吏でしようからお尋ねするのは無理だろうと思うのですけれども、五月の上旬に特別国会が仮に開かれて、組閣等の問題が起つて、自然休会なり何なり一カ月も置いて本予算を組まなければならん、政策も何もきまらん、六月の中旬過ぎるのですよ。又すぐですね、組閣したこの内閣は何にもわからず、前の内閣のそれを踏襲して事務的な方法をもつとこれ以上に或いは続々出して来てですね、やる場合が起つて来るだろうと思う。而も将来衆議院の与野党の勢力というもの、或いはそれぞれの連合勢力というものがですね、どうなるかとんと見通しもつかない今日のような段階にですね、政府側の今の解釈では可分でやれるのだといつても、そのときの勢力によつては可分にすることはできない、こういう衆議院の解釈で押えつけてそして内閣をいじめるなり、何なりするという方法も起つて来る。政略にこういうものが使われる可能性というものが客観的にはあるのですよ、一本の形態でこの法が出て来ておる限りは。そういうような点を考慮するならば、私は客観的にはこういう選挙管理する暫定内閣としては、それは如何に複雑多岐に亙るものであつても、法そのものはばらばらにして、何ら疑義を残さないように提案してもらうということが参議院として責任がとりやすい問題になるというふうに私は考えてお伺いしているわけなんで、今中川さんがおつしやつたように、五月に並行して法案が出て来たからと言つたつて五月中にそういう重要な厖大な法案が通るものじやないし、予算が通らない以上は法案が出せないという形で出て来るのもあるのですからね。だから私は一概に中川君の言うようなことにはならんと思う。その点で私は重要と思うのですが、見通しはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/37
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038・江口見登留
○政府委員(江口見登留君) これは主として予算の暫定措置をとるに当りまして考慮されたことでありまするが、先ず二カ月分を計上いたしまするか、或いは三カ月分計上いたしまするか、従いまして、それらと合せまして法律につきましても、成るものを二カ月に延ばすか、三カ月に延ばすかという点については十分に研究されたのでございます。併しながら純事務的に考えてみますと、理論的には五月の中旬前には、特別国会が開催できるであろう、それから首班の指名などの手続を終えて、まあ十五日か二十日ぐらいの日にちは五月中にあります。従つて、純粋の事務的な必要最小限度の予算と、この法案の後始末の法律案の議決はお願いできるかも知れません。それまでに我々は大体政治的にいろいろ考えて、首班指名に何日かかるだろうとか、或いは予算の審議には半月、もつとかかるだろう、政治的な考慮を半月なり一月考えて、これを三月にして出すか、三月半にして出すかということは、現在では考え過ぎじやないか。できるだけそれを事務的に考えて、出し得るという最小限度の日にちを見るのがこの際至当ではないか。従いまして、今小笠原さんのお話にございましたように、五月の末日まで延ばしましたけれども、五月の特別国会が開かれて、もう一月だけ延ばそうというような措置を取りあえずとつて、本格的な法律なり予算案なりを御審議願うということになるかも知れませんけれども、純粋に考えまして、理論的には五月一ぱいまで延ばしておけばやれないはずがないじやないか。或いはやれないという見通しがどこにあるか、こういうふうになりますと、非常に御答弁にも困るわけでありますが、そういう純粋的な意味から取りあえず二カ月でよかろう、こういたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/38
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039・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私はその言葉を聞くと重大だと思う。五月中旬頃は何とかなつて、半月くらいの審議期間を以て本予算が成立するということを期待される部分もあるので、それで暫定予算は二カ月でよろしい、こういう形で組んだことならば、これは徒らに立法府の審議の何と申しますか、審議権というようなものを政府のほうが一方的に解釈して、縮めてやつてもらいたいということに期待しているようなもので、従来の例から見ても衆議院一カ月、参議院一カ月、二カ月は本予算において実際上かかつておる。而も暫定予算というものは四月、五月であつても、八月までの予算であつても、六月から仮に本予算となるという場合において、政策的なものがそれに加わつて行く部分が二カ月分あればいいわけであつて、何もその暫定予算が繰返し繰返し初めから出て来るような結果になるような暫定予算の提出の仕方をしなくてもいいのじやないか。もつと慎重に扱つて、実際上できないものならばできないまでのところを、事情を見計らつて出したらいいのではないかという疑点がある。又、あなたがおつしやるように、その暫定予算をお考えになるならば、この緊急集会における暫定予算というものは非常に重要なのであつて、槙重審議しなければなりません。少くとも二カ月分の暫定予算はこれでよろしいと参議院が同意を与えたということは、六月以降出て来る暫定予算も同じ形式と内容を持つて二カだ分出て来るものであろうということが推定せられる。そうすると、その間長い間の暫定予算になるであろう可能性のある今回出て来ておる基本的な暫定予算については、これは慎重に参議院としては配慮して審議しなければならない。ただ鵜呑みにはできないという状態がここに起つて来るわけなんです。そういう点から考えると、今副長官がおつしやつたように六月一日から本予算が施行せられることを期待して、二カ月の予算でよろしいとしたということについては、我々は非常に重大だと考えております。もう一度、これは話の聞き違いが私はあるかと思うので、御説明願つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/39
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040・江口見登留
○政府委員(江口見登留君) 私が申上げましたのは、六月始めからは本予算で組めるだろうという期待を持つて、五月末日までの暫定予算を組んだというふうに申上げたわけではございません、五月の半ば過ぎ、或いは下旬には新らしい内閣もできるであろう、従つてその内閣が、例えばこの六月の初めからの予算を暫定予算にするか、本予算にするかという判断も新らしい内閣が判断して、暫定予算であろうと、新らしい内閣の手で暫定予算を組まれることにすることが今の政府の義務ではないだろうか、こういうふうに考えたわけでございます。その間の期間はできるだけ最小限度をとつて、あとの部分は新らしい内閣に特別国会にお願いする。これが正しい措置ではないかと、こう考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/40
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041・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうしますと、六月以降も暫定予算にならざるを得ないということは本内閣も認めておることであると了承していいと思いますが、如何ですか。そうしますと、法律はもう又自動的な措置である暫定案が五月に出て来るのだ、こういうふうに類推せられるわけですが、それでよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/41
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042・江口見登留
○政府委員(江口見登留君) その五月の半ば以後のいろいろの政治情勢の見通しによりまして、六月から本予算が成立することを希望するとも、或いは六月、七月くらいは暫定予算であるほうがいいということを希望することも、どちらに申上げましてもいろいろ差障りがあるだろうと思いますので、その辺の御答弁は的確には申上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/42
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043・小笠原二三男
○小笠原二三男君 差障りも何もあるわけはない。本予算を五月に出したところで、五月中に成立を期待することはこれは如何なる内閣においてもできないことである、できないことなんです。それで、暫定予算は新らしい内閣において組まなければならないというふうに考えられないならば、今の吉田内閣というものはぼんくらだと言わざるを得ないのです。或いは法律案だつてその通りです。そういうことは責任を持つて態度は明確にお答え願わなければならんのです。それは本予算になつたところで成立を期待することはできないので、六月にはそれは何と申しますか、予算の施行はできない。それは差障りあるという問題でなくて、見通しについては政府としてはつきり御説明願つておきたい。暫定予算でも、本法案の審議にも重大な影響があるのです、このことは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/43
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044・江口見登留
○政府委員(江口見登留君) 先ほどもお答え申上げましたが、新内閣が、新政府が五月の半ば以後において生れて来るであろう、そのときの内閣の方針に従いまして、暫定予算にするなり、或いは国会の御審議を得て本予算にするなり、その新政府の判断に待つほうがいい、こういう前提で組んだのでありまして、小笠原さんのお見通しのように暫定予算を組まなければならんように思うがと、こう言われますれば私も或いはそうではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/44
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045・小笠原二三男
○小笠原二三男君 この点ももつとお話したいけれども、江口さんでは確かにこれ以上答えるということは、これはもう至難な業でございまするけれども、その点も私は留保しておきますが、繰返し繰返しこういう問題は今年起つて来る問題でございまするから、その正確な見通しと、如何なる内閣ができても、十分この緊急集会で扱う予算なり法案なりに対しては、責任を以てやつてもらうがためにも私は重要であると思いますので、質疑を続行することは留保いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/45
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046・河井彌八
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/46
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047・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。都合によりまして、本日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/47
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048・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
それでは本日はこれを以て散会いたしす。
午後三時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514018X00119530318/48
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