1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年十二月二十三日(火曜
日)
午後二時十二分開会
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委員の異動
十二月二十二日委員北村一男君及び木
下源吾君辞任につき、その補欠として
重宗雄三君及び千葉信君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 門田 定藏君
理事
カニエ邦彦君
委員
千葉 信君
紅露 みつ君
委員外議員
三浦 辰雄君
政府委員
内閣官房副長官 菅野 義丸君
総理府事務官
(内閣総理大臣
官房審議室長事
務代理) 久田 富治君
人事院事務総局
給与局長 滝本 忠男君
大蔵省主計局給
与課長 岸本 晋君
事務局側
常任委員会専門
員 熊埜御堂定君
説明員
行政管理庁管理
部長 岡部 史郎君
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本日の会議に付した事件
○委員長の報告
○一般職の職員の給与に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/0
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001・門田定藏
○委員長(門田定藏君) 只今より委員会を開会いたします。
会議に先立ちましてちよつと御報告いたします。本日議院運営委員長から各委員会に対し自然休会に関する申入れがありました。
申入れの要旨は、
本日の議院運営
委員会において左の通り申合せを行
なつたので、各委員会の協力をお願
いする。
記
各委員会において審議中の議案に
ついては、今、明日中に委員会及び
本会議の審議を終了し、十二月二十
五日以降明年一月二十日まで自然休会とする。
大体右のような御申入れがあります。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/1
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002・門田定藏
○委員長(門田定藏君) 速記を始めて。
委員外議員三浦君の発言を許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/2
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003・門田定藏
○委員長(門田定藏君) それでは発言を許可することにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/3
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004・門田定藏
○委員長(門田定藏君) それでは一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。政府から出席しておられますのは菅野内閣官房副長官、久田内閣総理大臣官房審議室長、岸本大蔵省給与課長、滝本人事院給与局長であります。質疑のあるかたは順次御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/4
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005・千葉信
○千葉信君 ちよつと速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/5
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006・門田定藏
○委員長(門田定藏君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/6
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007・門田定藏
○委員長(門田定藏君) 速記を始めてもらいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/7
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008・千葉信
○千葉信君 最初に滝本さんにお伺いしたいと思うのですが、政府原案の第十九条の三に関連する問題ですが、今大体一般職の職員等に対する超過勤務手当、若くは第十九条の三に言われている超過勤務手当等という表現をされている給与は、平均してどのくらいの給与額の中の比率になつているか、或いは又、今の平均給与に対してどのくらいの比率になつているか、どちらからでも結構ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/8
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009・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 只今超過勤務手当につきましては、我々のほうといたしましても、実情をよく調べているのでありますが、俸給と勤務地手当に対しましては、大体一三%強というくらいな平均のところになつているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/9
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010・千葉信
○千葉信君 それは一般職の職員全体に対してそういう数字になつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/10
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011・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 只今申上げましたのは、全体を平均いたしましての話であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/11
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012・千葉信
○千葉信君 これが各省別ということになりますと、この手当の割合はかなり各省ごとに違うでしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/12
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013・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) これは各省別になつて参りますると、或る程度違いはあるようでございます。又事実上現業的なところと、それから非現業の官庁におきましても又違いがあるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/13
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014・千葉信
○千葉信君 今の質問は、これは全体の場合の割合等の問題ですが、これを更に今度政府原案の十九条の三によつて適用を除外される管理者等に対する従来の支給の状況はどういう状況になつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/14
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015・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) これは管理者ということで、はつきりなかなかいたさないのでありますが、殊に管理者のほうにおきましては、事実上この命令は勿論出していないわけでありましようけれども、事実上勤務が長くなるというような場合にも、必ずしも超過勤務手当をやつたということを明記いたしません場合もありますし、しまして、これは管理者としては必ずしもはつきりつかみ得ない、我々のほうといたしましては、つかみ得ない状況でございます。ただ事実上管理者は職務の性質上非常に勤務が長くなることは多いであろうというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/15
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016・千葉信
○千葉信君 そうしますと、人事院としては管理者に対する超過勤務手当、若くは宿日直、夜勤手当、休日給というようなものの支給は、明確にまだどの程度実際に支給されているかどうかということは、はつきりしないという、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/16
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017・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 現在この超過勤務手当の二十七年度の予算に計上いたしてあります額はわかつております。それから又こういう問題を扱いまする場合には、やはり実績というものが相当わからなければならんということでございまするので、先般来調べておつたのでありますが、極く簡単な抜き検査的なものは一応終了してみましたけれども、併しそういうことだけで問題を判断するということは、これはやはり慎重を欠く恨みがありまするので、改めまして、このいわゆる管理者というふうな人々の超過勤務の実態がどうなつているものであるかということを給与局等から現在取調べつつありまして、これは間もなく、まとまるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/17
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018・千葉信
○千葉信君 そういたしますと、超過勤務手当等の給与を、今年は特別調整額と言いますか、調整を行なつて、本俸以外に給与額としてこれを支給することになりそうなんですが、こういう方針をお考えになつた人事院当局のお立場として、実態はわからないままにこういう方針をお立てになつたということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/18
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019・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 具体的詳細のいちいちの調査は、その当時いたしていなくて、現在、先ほど申上げましたように、現在調査を続行中でございまして、これはまとまると思います。併しこれはサンプル的な調査は従来としてもいたしておつたのであります。そういう資料に基きまして、人事院といたしましては、特別調整額ということは言わなかつたのでございますが、いわゆる管理的な職務に従事いたしまするものの勤務の形態から見まして、時間的にこれをつかんで行くということは非常に実情に沿わない点があるのではなかろうかというふうに考えます。これは現在人事院で立案中の給与準則におきましても、そういうものの考え方を取入れようと思つておつたのでありまするが、この際この問題はできるところからやつて行くのがいいのではなかろうかというふうに考えますが、人事院といたしましては、特別調整額とは言わなかつたのでございますが、こういう管理的な職務に対しましては、超過勤務手当を廃止するという方向に行きたいという考えを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/19
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020・千葉信
○千葉信君 従来、これは人事院もそうだろうと思うのですが、従つて又今度の措置をお考えになられたのだろうと思うのですが、超過勤務手当等のごときを、管理者に対して支給するということ自体がおかしいですね。その職務の性質から言つて、命令によつて居残りをさせられたり、超過勤務をさせられたりする下級従業員等の場合には、当然これは超過勤務手当という制度を設けて、それに対応する給与を考えなければならないけれども、併し命令する側にあるものの勤務に対して、超過勤務手当を支給する、自己の判断において超過勤務をすればするという立場の人に対して、超過勤務手当の制度を置くということはこれはおかしい。併し従来又そういう考え方の下に、管理者に対しては先ほど御答弁のように超過勤務手当等は支給されておらなかつたと思うのですが、或る程度下級者の超過勤務手当に該当するような給与を、その予算の中から支出して支給していたかも知れないけれども、実際の場合においては超過勤務手当そのものを管理者に対して支給するということは、給与の根本の考え方から言つて少し筋違いであることは明らかだと思うのです。そういう立場からお考えになつても、人事院のほうとしては、管理者に対する超過勤務の支給ということになればはつきりしないという条件がおのずからあつたと思うのです。或る程度実態調査をして見ても、今申上げたように、仮に支給されている場合があるとしても、それは非常に割合も少いし、又支給金額等についても、下級職員に比べると、これは実績としてもかなり少い金額であつたろうと思うのです。ところが今度第十九条の三によつて超過勤務手当等に代る特別調整額というようなものを設定するということになりますと、これを人事院のほうで今準備されているそうですが、そういうことになつて、これが支給されるということになると、同じ超過勤務手当若くは休日給若くは宿日直給等の予算が可成り大幅に、管理者に対する給与として廻るということに結論がなつて来ると思うのであります。そういう状態に対応して、今度の補正予算のうちでは、管理者に対する超過勤務手当等の特別調整額切換に伴う給与が、下級職員に対して影響を与えない、犠牲のしわ寄せを起さないというような含みを一体今度の予算にとられているか。又そういう方法をとるべきだというふうに人事院としてはお考えになられたか。その点、人事院のわかつている限りの見解で結構ですから御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/20
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021・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 今千葉委員から御指摘になりましたように、管理的な職務に従事いたしまする者につきまして超過勤務というような考えはおかしいということは御指摘の通りであります。我々もさように考えております。併しながら現実の給与法におきましては、現在の給与法第十六条に超過勤務手当というものが規定してございます。これは管理者であると一般の職員であるとを問わず、やはり時間的に給与が計算されて、そうして超過勤務手当が支払われるということになつているわけであります。従いまして現在の給与法の超過勤務の考え方というもの自体がおかしいということを千葉委員が御指摘になりました通り、我々としても、こういう際に、こういう職員に対しましては超過勤務ということを考えないほうがいいだろう、こういう考えに立つている次第であります。まあ併し、そうは申しましても、現実にそういう勤務をやつておりまして、そうしてこれは人により又省庁によりおのずから違いはあるでありましようが、現実にそういう給与が支払われているということでありますならば、これが超過勤務を廃止するということによりまして取払つてしまうというようなことは、これは甚だおかしなことであろうというふうに考える次第であります。従いまして、平均的なものよりちよつと低い程度という点を我々は狙つている次第でありまするが、その程度のことは、やはり従来の実績として保障されて然るべきじやなかろうかというふうに思つている次第であります。
で、今我々が考えておりまするところによりますると、一般職員の超過勤務手当の平均よりも低いところを考えている次第でございまするから、その意味から申してこの管理職の特別調整額というものを付けまするために、一般職員がそれだけ犠牲になるというふうには考えられないのでありますが、併し個々の省庁等を見て参りますと、或いはそういうことが起つて来るという場合があるであろうというふうに考える次第であります。併しながら、そういう際におきましても、なお且つこれはその省庁の超過勤務手当の範囲内でそれを食つてしまいまして、あとが足りないというようなことをするのは適当でないということで、そういう希望は政府側に対しまして申入れている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/21
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022・千葉信
○千葉信君 岸本君から、ちよつと今の質問に関連しまして、どの程度考慮してあるかということを御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/22
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023・岸本晋
○政府委員(岸本晋君) 御承知のように、俸給の特別調整額を作るにあたりまして、大体の目安といたしましては、先ほど人事院の給与局長からお話がありました超過勤務手当の平均、つまり一三・五%、これを絶対に上廻らない、つまり管理者に対しまして俸給特別調整額の支給率は必ずその範囲内でとどめるということにいたし、その範囲内で事実上の管理者の選定乃至率の決を人事院で操作をいたすことになつております。従いまして、問題は平均で一三%なにがしかを上廻らないにいたしましても、個々の省庁等におきましては必ずしも一三%平均率の超過勤務手当の支給されていないところがございます。そういうところにおきまして管理者が二〇%とか一五%、或いは一〇%というのを取るのは適当でないのでありまして、若しそれを取りまして一般の職員の超過勤務手当に食込むということは必ずしも適当でないと思います。予算の措置といたしまして、こういう場合においては、そういうような省庁等において確保されておりました一般の超過勤務手当の支給率、これに食込まないようにして頂きたい。つまり俸給の特別調整額を支給することによりまして、一般に迷惑をかけないように予算上は考慮してもらいたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/23
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024・千葉信
○千葉信君 予算上は考慮してもらいたいというあなたの御答弁は少しおかしいと思うのですが、私のお尋ね申上げているのは、従来超過勤務手当のようなものは、下級職員ならいざ知らず、管理者等の場合には、仮に現行給与法第十六条のようなものがあるとしても、その職務自体の性質からいつて、仮に居残りをして仕事をする場合でも、命令に基いて仕事をさせられる下級職員に対する超過勤務手当の支払とは、おのずから違つた措置が出て来たと思う。実際にそうだつたと思うのであります。そういう条件があるからこそ、人事院としても、今滝本局長から御答弁のように、管理者に対するこれらの支給額は今日においてもまだ明確になつておらない、明確になつておらないと思うのです。今これで、でつち上げようとしても、その数字は出て来ないのが真相だと思うのであります。そういうことはとにかくといたしまして、今度政府原案の第十九条の三によつて、これらの超過勤務手当等の給与が特別調整額に切換えられようとしているのです。そうなりますと、まあこれは平均一三%ということでありましても、従来の実績から言いますれば、組まれていた一三%の超過勤務手当の原資というものは、大体これは下級従業員に対する支給となつていると思うのであります。これは全体の平均から出されますから。そういう状態で継続されて来た今一日の段階において、超過勤務手当等の代りに特別調整額というものを仮に設定するという考えで進む場合には、従来の下級従業員に対する超過勤務手当等の特別支給額に影響を与えないためには、何がしかの予算措置を講じ、従来の計上額を上廻る程度の考慮は今度の補正予算等にもされていなければならないと思うのであります。そういうことを大蔵省当局として今度の補正予算に対してやつたかどうかということ、それから又そういう点について人事院なり若くは政府のほうからなり大蔵省のほうに考慮すべしということが言われたか。それとも又そういう申出に従つてあなたのほうで考慮を加えて編成したかどうか。その点をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/24
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025・岸本晋
○政府委員(岸本晋君) 只今の御質問のございましたうちで、従来管理職員に相当する者の超過勤務手当というものは全然出ていなかつたというお話でございましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/25
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026・千葉信
○千葉信君 全然じやない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/26
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027・岸本晋
○政府委員(岸本晋君) これはやはり相当程度出ております。やはり勤務の状態に応じまして出されておつたのが私ども実情のように思つております。その計数の今正確なものを持つておりませんが、抜取りくらいなものであります。全般的なものを掴んでおりませんが、一般職員と見合うような率は出されておつたものも相当あつたように記憶いたしております。その点は別といたしまして、今度の補正予算の編成に対しましてどういう措置をとつたかという御質問につきましては、原則としては、超勤予算の補正予算といたしましては、超勤予算の枠を超えないその範囲内で賄なう、但し俸給調整額を支給することによりまして、一般職員の超勤手当に食込むようなことが生じました場合には、これに対しまして予算執行上何か措置をいたして行きたい、かように考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/27
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028・千葉信
○千葉信君 滝本さんにお尋ねいたしますが、現行法第十六条によりますと、超過勤務手当については「正規の勤務時間をこえて勤務することを命ぜられた職員には、正規の勤務時間をこえて勤務した全時間に対して」こういう条文になつております。私は将来超過勤務手当については「命令をしたけれども、その命令は正規なものじやなくて、口頭とか或いは内意というかつこうで出されたために、実際上超過勤務をしても超過勤務手当が支払われたとか支払われなかつたとか、何ヵ月分溜つておるとか、随分問題になつたのです。而もこういう厳格に勤務することを命ぜられた職員にはある。ところが今の岸本さんの御答弁から言つても、あなたの先ほどの御答弁から言つても、実態がわからないけれども、或る程度管理職には支給されておる。今の岸本課長の御答弁のごときは全く下級職員と同程度まで支給されていたかのような御答弁なんです。一体、従来管理職にあるものが、今の現行第十六条によるような、命ぜられて超過勤務をやつておる、管理職なるものが命ぜられて超過勤務をやつておるというような実態があつたかどうか。それから又そういう実態に従つて超過勤務手当を払つていたのかどうか。この点を実施官庁の立場から御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/28
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029・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 管理職と一概のお話がございますが、これはどの程度管理職と言うかということはおのずから初めきめてかからなければならんと思うのです。併しまあ仮に課長、局長にいたしましても、これはやはり、例えば、次官から命ぜられ或いは局長から命ぜられるということはあり得まするし、それから又我々が知つておりまする範囲におきましては、この超過勤務命令簿というものがございまして、それでまあ一応形式的には、それでやはり、命ぜられますると、それに記入いたし、それから捺印するというふうな方法で、これはやはり命ぜられてやつたという形になつておると、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/29
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030・千葉信
○千葉信君 各官庁の長官だとか、それから局長だとか、或いは課長なんというものが、今までそういうふうに超過勤務をやれという命令を受けてやつていたというような実情があるのですか。誰から出ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/30
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031・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) それは超過勤務をやれというような形で、これは課長なり局長なりの場合に、超過勤務をやるということには実態としてならんと思います。例えばまあ四時過ぎ、五時過ぎぐらいに、この局長、課長が相談しており、何としてもこの仕事は明日までにやらなければならん、国会の御要請で甚だこれは気の毒であるが、やつてくれというようなことになる場合がある。そういう場合には、やはりこれは言葉の上で超過勤務をやれと言つておらんでも、実態としてその仕事をやるのに、時間外にやらなければならんということになりますれば、やはりこれは命令として出たものであると理解して差支ないのじやないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/31
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032・千葉信
○千葉信君 正面切つて理窟を言えば、僕のほうからそういう理窟つぽい質問すれば、あなたのほうからそういう答弁をせざるを得ないと思うのです。私は併し、実情をはつきりさせなければ、今までの実績がどういうものであつたかということをはつきりさせなければ、今の起りつつある問題を審議する参考にならん。そういう立場から質問しておる。ですから、そういう立場から言いますと、これはあなたの御答弁も間違いじやないと思う。どこの長官であろうと、超過勤務を全然やつてないとは申しませんし、多分実際上は或る程度正規の勤務時間を超えて超過勤務をやつておつたろうし、又それに対して或る程度の考慮を加えて手当が支給されていただろうということもわかつておるのです。併しそれは或る程度のことであつて、従来の実績をはつきりあなた方が今お調べになつておるのだから、これは間もなくはつきりするでしようが、お調べになればなるほど、管理職にある者が下級従業員との超過勤務手当等の支給率はずつと違つておると思うのです。これはあなた方も否定なさらないと思うのです。それは勿論あなたのおつしやるように、いろいろの事情も仕事の状態によつてありましようから、超過勤務をするようなこともありましよう。そうして又そういう場合に考慮して、これに対して適当に手当を支給することもあつたでしよう。併しその支給されておる割合というものは恐らく下級従業員と同率なんということはあり得ないし、あり得ないどころか実体は非常に違つただろうと思うのです。そういう点をはつきりさせるために、今私は第十六条までわざわざ持ち出してあなたに質問したのです。そういうことから言うと、これは実施官庁としての人事院の立場から、従来の実績を或る程度は知つておいでになるだろうと思うのです。その或る程度のものでも、恐らく人事院としては、管理職にある者も、超過勤務は、実際上、下級職員と何ら変らないで同率でやつたということはおつしやらないし、それから又超過勤務手当の支給額なんかも、支給率なんかも、ずつとこれは下級職員の場合とは違つた形で遠慮しつつ出されておつたというのが事実だろうと思うのです。そういう状態じやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/32
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033・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 今のお話は、我々も気持としては御同感の節が多分にあるのです。併しこういう問題は、やはり我々といたしましては、現在給与簿制度というものがあるわけでありまして、そこに超過勤務手当の実情が出て参るわけであります。こういうものから集めまして判断するのが一番的確であろうというふうに考えております。先ほどから申上げましたように、従来我々は、統一ある全体的な資料でなしに、例示的な資料は持つておつた。個々の省庁につきましても或る特殊の課長等をピツクアツプして見るというようなことで、併しそれではやはり全体として判断ができませんから、目下殆んどまあ調査も終りに近ずいておりまするけれども、最も広範囲に全部の管理職について調べるというような調査をやつております。これは統計についてお話ができるというふうに現在まだできないのですけれども、考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/33
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034・千葉信
○千葉信君 それでは人事院としては、そういう実態の判明しないままの一三%よりは少し下廻る程度というふうに、腰だめで特別調整額の支給額なんかを計画されて作業を進めておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/34
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035・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 腰だめというわけでもございませんので、やはり我々がサンプル的に抜き出しておりまするものから大体の見当は付けておる次第なんです。なお、その見当を付けておりまするが、更に詳細の資料の集計をしまして、そういうものから的確な判断を下して行きたい。大体の目安をつけていろいろ研究はしておりますけれども、判断は的確な資料に基いてやりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/35
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036・千葉信
○千葉信君 それから滝本さんにお伺いいたしますが、例えば中央官庁の、本省なんかの関係から言つて、各省の判断における課長若しくは局長、次長級、こういう管理職に対する特別調整額をお考えになつておられると思うのですが、各省ごとの超過勤務に該当するような勤務の態様は千差万別だと思うのです。人事院はそういう実情に応じた調整額をお考えになつておるのか、それとも一律に総花式にお考えになつておられるのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/36
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037・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) これはまだ我々成案を得ておるということでございませんので、まだ研究中と申上げたほうがよろしいのであります。或る程度各省によりまして違いがございます。違いがございまするが、先ほどから千葉委員が御指摘になつておりまするように、この超過勤務の命令を出すという場合におきましても、いわゆる超過勤務命令簿に記載されるというような場合におきましても、やはり従前得ております超過勤務手当の予算というものの睨み合せということも若干はあつたでありましようから、従いまして実績だけ見ましても、例えば実績が少いところが必ずしも、事実上、超過勤務と言いますか、勤務の形態がそれほど楽でないところもあるのではなかろうか、そういう問題もあろうかと思うのです。それから又、仮に一つの省庁内におきまして、若干の勤務の繁閑に差がございましても、これを区別して一々小さな差等を付して行くということは、これは又非常にむずかしい問題になろうかというふうに考えます。従いまして、これはこの取扱の上に事実上余り細分いたしませんで、大まかな線に区切つて行くということがむしろ取扱としては適切なのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。
以上のようなことで研究を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/37
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038・千葉信
○千葉信君 各省ごとに差別をつけるということは、なかなか実際問題としてむずかしいのではないのですか。ただここに問題になることは超過勤務手当或いはその他の給与も、その他の諸手当もそうですが、実際上その勤務が正規の時間を超えて勤務しておるとか、勤務の内容が、つまり勤務時間の内容が違うとか、こういうような条件に応じて、実際の基準給料というか、基準時間内における給与以外に支給される手当ですから、そういう意味から言うと、これはそういう勤務の実質に応じて特別に支給される給与ということになつておるわけですけれども、そういう場合に、下級職員に対しましては、今まで通りの方法で、実際のその勤務に応じて正しい労働の反対給付というか、そういう角度から支給されておりながら、一方、管理者若しくは理事者に対しては、勤務の実情に応じないで、一律にこういう給与のきめ方をするという行き方は、これは人事院としてはどういう考え方の中から出て来たのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/38
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039・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 我々は差当り管理職の範囲を限定いたしまして、この問題をやつて行きたいというふうに思つております。併しながら、この行政職等で、特に企画業務に従事いたしておりまするものにつきましては、必ずしも管理職だけでなく、一般職員におきましてもなお且つと申しますか、時間を計算いたしまして給与を支給するという方法が、適当でないものもあろうかと考える次第であります。従いまして将来に亘りまして、若し必要があれば、この制度を広く拡充して行く必要があるのではないかというようなことを考えておる次第であります。それから又管理職につきまして、超過勤務手当と考えるのがおかしいということで、人事院としてはどう考えるかというお話でございます。それは千葉委員も御指摘になりましたように、管理職というようなものは、時間的に計算いたしましてそうして給与を支給するということが適切でないような勤務態様をいたしております。従いましてこの超過勤務手当というようなものの考え方はやめたほうがいいのではないかと申上げた次第であります。ただ特別調整額と申しまするか、そういうものをなぜ付けるかと申しますれば、これは新しく何かそこに一つの給与を付けようということではないのであります。管理職一般に従前出ておりましたものを、個人的に見れば、従前の基準から見れば、不公平があるかも知れませんが、全体としては一応均一化する次第でございます。そういうようにいたしまして、従前の給与を一応保障しようというだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/39
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040・千葉信
○千葉信君 どうも人事院の考え方を聞いておると、人事院は全体としては公平に考えておるようだけれども、実際に下級従業員の立場なんというものよりも、むしろどういうのか、保守的な考え方というのか、上級者、管理者等に、より多くの比重をかけて人事院が考えておる傾向がたまたまあるのです。特に今度の問題なんかはその優たるものだと思うのです。超過勤務手当のようなものを理事者に与えることはおかしいということは、これは私もわかるのです。併しそのおかしいという考え方の中から、直ちに全体の職員に対する平均された……超過勤務手当の平均額、或いはその率程度のものを、少しそれより下つておるとは言いますけれども、それと余り差がないものを一つの制度として、超過勤務をやつてもやらなくても、今度は管理職に対しては支給するという方向に持つて行かれようとするのです。そうなりますと、先ほどから大蔵省のほうかう聞いておるのですけれども、今のところでは、特別にこういう特別調整額のような制度を設定するということのために、従来の超過勤務手当の積算率に対して、更にこの分を考慮したという形跡はないのです。そういうことになりますと、これはもう下級職員の犠牲において管理者、上級者が有利に将来に向つて保障されるということになつてしまうと思うのです。ですから、問題は更に一歩進んで、一体超過勤務手当の平均支給率よりちよつと下廻つておるといつても、どの程度下廻つておるのか、実情をお調ベになればわかると思うのですが、併し私どもの推測する限りにおいても、管理職や上級職は、下級職よりも事実上の超過勤務は少かつたはずだし、又その勤務の態様も、下級職員の超過勤務よりも、その勤務の態様において、果して超過勤務が必要であるかどうかと疑われる執務さえもやつていて、従来は超過勤務に該当して、払われたかと思うのですが、併しその勤務の内容も違つておるのです。これはしばしば官庁とか人事院でもはつきりしておると思うのです。そうなりますと、特別に給与予算の中にこういう部分が考慮されないままにこの制度が設定されるということは、又ぞろここでも下級従業員の犠牲という問題が生まれて来やしないか。犠牲という言葉が若しも大袈裟であるとすれば、少くともその皺寄せが下級従業員の頭上に舞い下つて来るということになりはしないか。こういう点について、人事院はどういう救済策を考えながらこの方法をおとりになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/40
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041・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 先ほど大蔵省の給与課長からお答えになりましたところは、原則としては超勤予算の増額をしないということを言われたように思うのです。ただ併しながらこの超勤予算が非常に少い所におきまして、管理職に一般的普通のこの特別調整額を附けまするためには、そのためにそういう役所におきまして従来出ておりました超勤率というものが保障されないというようなことがあつてはいけないから、そういう場合におきましては、別の費目から流用なり何なりいたしまして、そうして従来のその官庁における超勤率というものは一応保障するような努力をしたいということを言われたように私は聞いたのであります。又我々といたしましても、政府側に対しまして今回まあ超勤を廃止して、我々は特別調整額とは言わなかつたが、まあ同様のことを考えておつたのです。特別調整額というものを設定する以上、そういうことのために、従来の超勤の原資が食い込まれることがないようにということは、これは日頃要望しておるところでございます。なお且つ私はこういうことを考えるのでありますが、一般に、従来超勤につきましては、例えば予算書等で超勤予算というものが一応出ております。併しながらこの超勤というものは、必ずしも予算に計上されましたように実際運営されるという場合が少いんじやなかろうか。概ねこの流用等によりまして増額をされなければならんという実態があつたように私は思うのであります。ところがその結果がどういうふうになつておるかというのは、従来これはなかなか調べることができなかつた。で、我々といたしましては、どう申しまするか、管理職、管理的な職務に従事いたしておりまする職員の超過勤務手当というものは、かねがねおかしいと思うのであつて、それで、これは何とか早く問題にしなければならんということは、絶えず考えておつたのでありまするけれども、併し資料がなかなか取りにくい、まあ給与法等で行きましても、なかなかはつきり事態を把握するのに困難であるという事情がある、ところが今回はまあこういう問題をやるということにつきまして、いろいろ数字等も出て参りました。先ほど大蔵省の給与課長から言われましたように、超勤の平均的な率は、本俸とそれから勤務地手当に対しまして一三・五%というような数字がはつきりして参るということになりますれば、このことは、はつきりした事実でありまするから、若し或る特定の官庁におきまして、事実上超過勤務等が多い、而もその官庁におきまして、超勤予算等が十分確保されていないということになりますと、ここに一つ問題が提起されることになるのじやなかろうか、まあ我々はそういうことも考えておるのであります。従いまして、今回管理職に対しまして、超勤を廃止して特別調整額を設けるという制度は、これが契機となりまして、例えば超勤の問題の合理化ということが、今後に引続いて行われる契機になるであろうし、又管理職一般に対しましては、やはりその勤務に適当したような給与体系に持つて行くということになるであろう、こういうふうに理解いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/41
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042・千葉信
○千葉信君 今の給与局長の御答弁の中に、超勤手当の合理化というお言葉がありましたが、例えばそのことはどういうふうにお考えになつておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/42
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043・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 私は先ほども申上げた通りでございます。例えば平均的に、この超勤の平均支給率というものは一三・五%ということが今回明らかになる。そして実績と申しますか、或る特定の官庁におきまして、事実もう業務として超勤をやらなきやならんような事態があるにもかかわらず、まあ従来やり得なかつたというようなところが仮にあるといたしまするならば、もうその程度は平均であるということが、一応の目安になるというようなこともあろうかと思います。予算書等を御覧になりましても、超勤原資につきましては、各省各庁相当これは従来アンバランス……まあこれは見る人によつていろいろ見解量るかも知れませんが、あるわけでございます。で、一三五%というものが、必ずしもそれを均一化することがいいかどうかということは問題であります。併しながら、これはやはりそういうことが今後に向つて、例えば余りに或る省庁の起動率というものは少な過ぎるのではなかろうかとか、或いは又その反対というようなことも考えられまして、これが契機となりまして、将来に向つて合理化されることになるのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/43
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044・千葉信
○千葉信君 岸本さんにお伺いいたしますがね。超過勤務手当の各省毎の予算なんかを見ますと、随分各省まちまちなんですね。或る省は一三%が一五%ぐらいにもなつているというところもありますが、極端な例もかなりあるようですが、例えば水産講習所のごときは、超過勤務手当の原資のごときは五%にも当らないのです。四・五%ぐらいの所もあります。これはまあ極端な例ですが、その他にも実際上の超過勤務手当の原資等は、各省によつて一六・七%から四・五%ぐらいの所もあるのです。こういう点については、やつぱり若しも特別調整額のようなものを仮に設定するとすれば、こういう省庁の超過勤務手当の原資なんかは、この際相当大蔵省としても考慮しなければならないのですが、これは本年度予算にはどういう恰好になつておるか。それから来年度予算ではどういう考慮を加えるつもりか、この点を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/44
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045・岸本晋
○政府委員(岸本晋君) 超勤予算の原資が各省庁においい非常にばらばらで、アンバランスであるということを、人事院の給与局長からも言われたし、又今千葉委員からも御指摘がございましたが、成るほど一見アンバランスでございますが、これは各省庁の業務内容を見ますと、これは又非常に千差万別でございまして、与えられた定員で以つて、その設置法の中で与えられた業務を遂行して行く、そのためにはどうしてもこれだけの超過勤務が必要だというようなことは、業務内容から遡つて査定して参るわけでございまして、従いまして、その結果として、非常にアンバランスが出て来るということも、これはまあ一面には止むを得ないことじやないかと思つております。まあ給与のバランスというものを、単に表面的に、金額が一致すればいいということならば、これはアンバランスでございますけれども、やはり予算の査定の立場に立ちますと、それぞれ業務内容の実態を把握して参るということになりますから、この点は表面的のバランスは私は破れて来ると考えております。今年度の予算といたしましては、先ほど申上げましたように、実行上の問題として、或る程度一般職員の超勤を食い込まないように、注意をいたして参りますが、来年度の予算といたしましては、特別調整額というものを弾きまして、それを除いたほかの職員に対しましては、従来の実績は必ず保障するという建前の下に、目下予算編成を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/45
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046・千葉信
○千葉信君 只今の御答弁によりますと、各省の超過勤務手当の原資は相当、指摘しましたように、又御答弁がありましたように、ばらばらで、かなりアンバランスがある。まあこれは将来に向つては、只今の答弁では特別調整額等の原資のごときは考慮するという話でありましたが、併しその省における超過勤務手当の原資については、これはその業務内容等に応じて大体そのままだという話、そのままだという御答弁であつたのです。これは滝本さんにお伺いいたしますが、それではやはり今でさえ超過勤務手当の率が四%乃至五%の省庁もある。そういう省庁の理事者の場各には、やつぱり全体として一三%よりは少しは下廻るということを言つておられますが、まあ仮に一〇%ぐらいとして、管理者の場合には一〇%程度の特別調整額が考慮されながら、一般の職員に対しては、今大蔵省の御答弁では、これはその業務内容等に応じて、仕事の内容等に応じて、慎重な考慮の上に配分しているのだから、これはそのままだと、こういう御答弁なんですが、そうなりますと、人事院が今後一律に、まあどういう程度のものを理事者という恰好で拾うかわかりませんが、少くとも従来の各官庁の中における理事者と、下級従業員とは、非常に大きな開きが、超過勤務の原資などが少いところでは起つてしまうということになるのです。これに対しては、人事院としてはどういう方法をおとりになるおつもりか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/46
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047・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) この管理者につきましては、一律なものをきめるということは、私はまあ申上げないのです。で、やはりこの特別調整額を付けます場合に、一つの、例えば本省の中において特に区別するというようなことは、これは事実上技術的にむずかしいのじやなかろうかというふうに思いますけれども、官庁の性質によつて、或いは出先機関でありますとか、まあそういう必ずしも出先機関とまでは行きませんが、やはり官庁の性質によりまして、二段階とか、三段階とかというような工合に、これは実績もよく検討いたしまして分ける必要があるのじやなかろうかというようなことを考えて、目下研究を進めておる次第でございます。従いましてこのまあ一三%何がしという程度のものが、一律にすべての管理者、層に支給されるということにはならないのではなかろうかというふうに考えております。それでまあ先ほど私も一三・五%というところの実績が出ておるということを申したのでございますが、これはやはり岸本さんからも先ほどお話がありましたように、これはやはり各省庁によりまして、業務の繁閑というものがあるわけでございます。一概に一三・五%ということをそこに揃えるのだというようなことを私は申上げたわけではないので、やはりそういうものが一つの目標として出て参るということになると、従来まあ職務に繁閑がございましても、与えられておつた超過勤務手当の原資というものがそれでいいかどうかということにつきまして、この際改めて反省の機会が与えられるということになるのではないか。それから又大蔵省のほうとされまして、これは予算査定のときにいろいろ方針はおありになりましよう。併しながら、これは予算査定ということは大蔵省がやられるが、予算要求というのは各省がやられるのでありますから、その際にやはり理由を付して説明されれば、又納得されるという向きもあるのであります。その辺はやはり今後に向つて進歩があり得るというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/47
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048・千葉信
○千葉信君 まあ滝本さんの言われることはよくわかるのですがね。これは併し今これはまあ岸本君が責任を以つて答弁されたとは考えられないのですけれども、併し一応はやはり大蔵省の今の考え方としては、先ほど御答弁になられたように、特別調整額によつて必要となる原資は計上するつもりであるけれども、その他の超勤原資については、これはその省内における仕事の状態から出発して、まあ大体従来通りになる。ところが滝本さんのほうからは、非常に理想主義的なお話がありまして、超過勤務手当のこういう切換えによつて、当然これは大蔵省としても予算上の措置を考えなければならんだろう。その予算上の措置は、各省庁の超過勤務手当のアンバランスをできるだけ修正せなければならない方向に行くだろう、又そういうように言つて来ればこれはもう文句はないのです。ところが私はそういう点については実に悲観論者ですから、この点についてはこの際人事院としても余ほど「ふんどし」を締めて、この問題に対しては滝本さんが今述べられたようにその方向に向う御努力をされたいと思いますが、私は余り期待は持てないと思います。この点一つ十分お考え願いたいと思います。
それからもう一つは特別調整額の設定は焦眉に迫つている問題かと思うのです。給与法が通つたら人事院としては当然それに対する作業なり具体案なりを決定しなければならない段階に突入するわけなんです。そういう場合に、今滝本さんのお話では、一三・五%という大体の目安は別として、各省毎に一段階、二段階、三段階程度の計画をというお話でございましたが、その一段階、二段階、三段階というのは、現在のごとき各省庁間における超過勤務手当等のアンバランスに比例してそういうものを設けるという考えでありまして、それから又そういう三段階程度のものを設ける場合に、その格差は現在の各省庁における超過勤務原資のアンバランス程度のものを考慮しながら、その範囲内においてやられるという考えなのか、この点を伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/48
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049・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) これはまだ研究中でございますから、従いましてその率等もどういうふうにきめるかということはまだはつきりいたしておりません。で、各省庁、例えばこの本省の中で区別して行くというようなことを考えておるわけでもないのであります。で、我々はこの実際統計資料が出て参りまして、そうしてそれを大括りにして行きたいということを考えておる次第であります。私はこの、どう申しまするか、行政企画的な業務の多い本省というものは、これはやはり一律に取扱うほうがいいのではなかろうかということを考えております。
それから又出先機関等になつて参りますると仕事が非常に経営的になつて参る、そういうところの長というような人は、これは実績としてもそういうふうに出て参るのでありまするが、やはり超過勤務手当の実績というものは低い。従つてそういうところは或る程度に大括りにいたしましてこの率を考えて行きたい。目下これは検討中でございます。早急に結論を得たいと思つて目下懸命に検討をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/49
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050・千葉信
○千葉信君 これは法律から人事院規則に委任される事項だと思うのですが、今の段階での御研究なり御方針がその程度だと、人事院に委任することに危険を感ぜざるを得ないのですが、これはこの問題についてはこの程度にして置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/50
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051・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 それでは行政管理庁が来ておるそうですから、この前の資料に対する説明を一つして頂きましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/51
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052・岡部史郎
○説明員(岡部史郎君) 行政管理庁は、御承知の通り定員法に規定しておる一般職の職員の定員について管理を行なつておるわけであります。御承知の通り定員法は一般職の職員のうち職員のすべてを管理しておるわけではないのでありまして、現に人事院であるとか、会計検査院であるとか、或いは内閣法制局に属する一般職の職員は、これは定員法の埓外であります。又特別職に属する職員につきましてはこれも定員法の埓外でありまして、従いまして行政管理庁が管理している以外の職員に属するわけであります。それで行政管理庁といたしましては、毎月一日現在におきましてそれぞれの行政機関の在職職員の職員数の報告をとつておるわけでありますが、その最近の数字を申上げますると、最近手に入つております数字といたしましては、九月一日現在の数字が最も新らしいものでありまして、まだ十月のは集計がまとまつておりません。そこで九月一日現在の定員を申上げますと、先ほど申上げました一般職の職員の範囲内におきしては七十万九千六百三十二名であります。同日現在におきましては実人員は七十万一千四百七十四名であります。従いまして九月一日現在におきまして定員法がカヴアーしている範囲の一般職の職員、即ち行政管理庁が管理している範囲の職員の欠員は八千百五十八人ということになつております。これは欠員率といたしましては約一%であります。普通ノルマルな状態におきましては或いは三%、四%というようなことを言われておることが多いのでありますが、その時期におきましては、去る一月以来の行政整理実施の結果、特にこの欠員率が低いもの、こういうように考えております。簡単でありますがお答えといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/52
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053・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 そこで、人事院のほうで、一番新らしいその数字はどういうことになるのか。人事院のほうは給与を支払つておられるので、一番その数字から言えば正確ではないか。こう思うんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/53
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054・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) 人事院は、従来、この昨年の十二月に行いました給別号別の人員分布というものが一番新らしいわけです。それはすでに人事院月報等によりましてお手許に差出してあるわけです。ところが最近、本年の六月の資料が、これは半年期統計になつておりますから、まとまりつつあるのであります。今朝私はそれがもうできたかということを聞いてみたのでありますが、まだできていない、もう暫らくかかるということでございましたので、二、三日のうちには或いはお手許に差出すことができるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/54
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055・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 二、三日じや、もうこの審議の用にならんわけなんですが、大体目安としては何名ぐらいになつておりますか、欠員は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/55
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056・滝本忠男
○政府委員(滝本忠男君) ちよつとお待ちを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/56
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057・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 それでは今のやつは後ほど調べて頂きまして、次にはこれは官房副長官にお尋ねしたほうがいいのじやないかと思うんですが、問題の附帯決議ですか、予算の附帯決議の〇・二五の分ですが、これは一般公務員は起動があるんですが、超勤のない今騒いでおられる地方の教職員については、これはどういう工合にその措置をされるお考えであるか。これはどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/57
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058・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 衆議院の予算委員会におきまして給与の問題が附帯決議として出されました、それを尊重いたしまして、それに対する措置を政府は考えておるのでございますが、先般参議院の予算委員会におきまして大蔵大臣が申上げましたように、一般職の公務員につきましては、大体現在の法令予算の範囲内におきまして、例えば超過勤務の実情に応じて第四・四半期分の超過勤務手当の財源を年内に繰上げて支給するといつたような……等と言つておりますが、そういうような措置を講ずる、こういうふうに大蔵大臣から申上げてある次第であります。で、只今の御質問の超過勤務の操作によつて年末の手取を多少でも多くしてやりたいというこの方法は、お話のごとく超過勤務の制度のないものに対しましては、全くこれはできない。不可能なことであります。国家公務員でも地方公務員でも、超過勤務の制度のない教職員等につきましては、この方法を以てしては何ともいたし方がないわけでございます。これは理論的に申しますと、超過勤務の手当は、それは教職員につきましては本俸において考えておる。先ほどからいろいろお話がありましたが、超過勤務という制度を教職員に適用するのは不適当であるから、本俸においてその点は考慮して、超過勤務の制度は適用しておらないのでございまするから、今回の一般の公務員に対する超過勤務による操作ということは、教員については不必要であるかのごとき感を抱くのであります。理論的に申しますとそういうふうに言えるのでございまするが、併しながらそれは衆議院の附帯決議の趣旨ではないというふうに政府も承知しております。従いまして超過勤務の方法等という言葉を使つておるのでございまするが、これは何分にも具体的の問題になりまするので、いろいろ検討を重ねておる次第でございまして、今ここで以て具体的にどういうことをしたいということは申上げるわけに参らないのであります。併しながら何とかできるだけの措置を講じたいという考えは持つております。併しながら同時にこの現行の法令予算の範囲内においてでございまするから、この制限は勿論付くのでございまするけれども、その範囲内において政府のほうとしてできるだけの考慮をいたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/58
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059・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 この予算の範囲内でと言われておる。勿論それに教職員の今言われた「等」ですね。そういう「等」は具体的にはどういうものか言えないと言つておられるんですが、いずれにしてもそれを実施するところるの、今言われた予算の範囲内においてと、そこで予算の範囲内においてであると、これに対して振向けるものがどのくらいあるんですか、今のところで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/59
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060・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) これはどういう御質問でございまするか。つまり一般の公務員に対する、超過勤務の制度のある公務員に対するこういう措置がどのくらいの限度になるか、例えば一人当りどのくらいの率になるかという御質問でございましたならば、それはちよつと今はつきり数字で以て出ないのでございます。これは各省庁によりましていろいろ事情も変つて来るであろうと思いまするし、何分にも超過勤務という制度を通してのことでございまするので、一律とか、或いは統一をとつておるというような性質のものではございませんので、その額をはつきり申上げるわけに参らないのでございます。それから教員その他地方公務員についての点も又同様でございまして、殊に地方公務員につきましては国家公務員に準ずるのでございますから、これもおのずからまだその的確な数字というものは申上げるわけに行かないのは残念でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/60
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061・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 もう法案が上ろうとしておる今の段階で、まだそういつた数字すらも明確になつていないというようなことで、政府としてはこれで国会に対する態度としてそれでいいのかどうか。こういうようなことで一体行けるのかどうかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/61
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062・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) 冒頭に申上げましたように、これは法律を出して予算の変更をいたしまして、そうしてはつきりした手当を支給するということでしたらば、これは非常にはつきりしたものでございますが、今回の附帯決議の趣旨を尊重してやりまする政府の措置は、あくまでも現在の法律に反しないで、又予算の範囲内において実施するのでございまするので、これを余りぎゆうぎゆうと詰めて参りますると、結局何も出ないということにならざるを得ないのでございます。そこを何とかしてというところでございまして、何卒政府の苦衷を御諒察下さいましてお委せ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/62
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063・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 そこで、まあ非常に極めて苦しい御答弁のようでありますが、地方公務員に対するものも、そのような措置をやろうとすれば、勢いこの地方の平衡交付金等の関係もここで何とか早急に目安を立てなければ、実際問題としては、地方ではもうそれぞれ教職員に対しても、地方公務員に対しても附帯決議の分としての〇・二五というものを早いところはもうやつていると思うんですね。実際問題としてはですね。そうしますと、財源に地方としては非常に困るのじやないか。恐らくそういつた陳情がどんどんともう中央へ来るんではなかろうか。或いは来ているかも知れませんが、とにかくそういうことになるのじやなかろうか。その場合に、政府は地方に対しては一体どういうような考え方で処理をされるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/63
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064・菅野義丸
○政府委員(菅野義丸君) これは給与だけについて考えますると、これも四角張つた話でございますが、国家公務員も法令と予算の範囲内においてやる操作でございまするので、これはその財源を国庫で補填する問題にならないのでございます。例えば平衡交付金にいたしましても、平衡交付金法に言う基準単価の値上りとかいうようなことにならないのでございまして、算定の方法はないわけでございます。換言すれば、地方におきましても国と同じような法令と予算の範囲内においての措置をすればいいということが理論的には言い得るのでございます。併しながら先般の衆議院の予算委員会におきましては、公務員の給与改善について附帯決議をいたしましたと同時に、地方財政の推移によつてできるだけのことをいたしたいというような御返事をいたしているのでございまするが、これは給与を増したから地方財政が非常に困難になつたということでは、先ほど申上げましたような理窟によつて、それを補填するということはできないと思いまするが、地方財政全般といたしましていろいろ困る地方公共団体もあると思います。そういう場合におきましては今後平衡交付金とか、地方債の重点的の配分をするとか、或いは情勢の推移とも睨み合わせまして、地方債の交付額を増額するとかいうような方法を取つて行きたいと考えている次第でありまして、給与のみが地方財政の支出ではないのでございまするから、その点は全般的な地方財政の問題といたしまして考えて行きたい。かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/64
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065・門田定藏
○委員長(門田定藏君) 暫時休憩します。
午後三時四十六分休憩
〔休憩後は開会に至らなかつた〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514548X00719521223/65
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