1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年十二月二十二日(月曜
日)
午前十時五十九分開会
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委員の異動
十二月二十二日委員三輪貞治君辞任に
つき、その補欠として菊川孝夫君を議
長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 中川 以良君
理事
大矢半次郎君
伊藤 保平君
菊川 孝夫君
木内 四郎君
委員
岡崎 真一君
黒田 英雄君
西川甚五郎君
平沼彌太郎君
小林 政夫君
小宮山常吉君
杉山 昌作君
野溝 勝君
松永 義雄君
菊田 七平君
堀木 鎌三君
木村禧八郎君
政府委員
大蔵政務次官 愛知 揆一君
大蔵省主税局長 平田敬一郎君
日本専売公社監
理官 今泉 兼寛君
食糧庁長官 東畑 四郎君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 小田 正義君
説明員
大蔵省主税局税
制第一課長 泉 美之松君
食糧庁総務部主
計課長 厚味荘之助君
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本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○小委員の補欠選任の件
○昭和二十八年分所得税の臨時特例等
に関する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
○食糧管理特別会計の歳入不足を補て
んするための一般会計からする繰入
金に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/0
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001・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは只今より委員会を開催いたします。
最初に理事補欠選挙の件並びに小委員の補欠選定の件をお諮りいたしたいと思います。去る十九日三輪委員が大蔵委員を辞任されましたので、本委員会の理事並びに請願及び陳情に関する小委員にそれぞれ欠員が生じました。よつてこの際理事の補欠互選及び小委員の補欠選定を行いたいと存じまするが、いずれも前例によりまして委員長より指名いたしますことに御一任を願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/1
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002・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。それでは理事並びに請願及び陳情に関する小委員に菊川委員を御指名申上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/2
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003・中川以良
○委員長(中川以良君) 本日は最初に昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案を議題に供します。先ず御質疑をお願い申上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/3
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004・菊川孝夫
○菊川孝夫君 特に一点だけ最後にちよつと。第一条の第二項の八号ですが、今も課長にちよつと聞いてみたのですが、第二項の八号の、地方公共団体の職員が条例や又は法律によつてやつている共済制度や退職金の負担の費用は控除されるということになつているのですが、地方公共団体と類似した法人とか或いはその他の組合だとかそういうところで、この地方公共団体の職員の共済制度と類似した制度があつた場合に、それは適用除外になるわけですけれども、その点について今直ちにというと複雑で法人についてもいろいろあるだろうと思いますが、例えば交通営団であるとか国民金融公庫、ここらに勤めているのは一体どうなるのか、一つこの点をちよつとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/4
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005・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今回控除することにいたしました保険料は、一種の法律に基きまする強制的なものでございまして、勿論これは国民健康保険が或る地域によつて住民の自由意思できまつて、きまれば強制的になるというものもございまするが、まあ要するに法律に基きまして半ば強制的に支払うようなもの、それをまあ中心に考えたわけでございます。従いまして、お話のような点につきましてはいろいろ問題があろうかと思いますが、今後もう少し検討してみたいと思いますけれども、今回の問題といたしましてはそのような問題までは及ぶのは如何であろうかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/5
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006・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると将来法律によらずに、そこの会社なり或いはその他法人の内部規定におきまして、そこに採用された場合には当然そこの共済組合に入らなければならん、而も相当公務員並びに地方公共団体の共済制度と殆んど同じように完備されたと認められるというようなものは、或る程度これは認めて行くようにするのが私は正しい行き方じやないか、かように考えるのですが、その点については御検討をされるというのですが、将来そこまでふやすことをやはり検討される御意思は十分あるわけでございますか、その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/6
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007・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 勿論検討してみたいと思いますが、ただこの任意的なものを入れますと又却つて負担の不公平を来すような場合も出て来ますので、簡単に今ここで当然入れる方向で研究するというわけには申上げかねるのでございます。まあ成るべく一律に強制的な基準によつて、本人の自由意思にかかわらず頭から差引かれる、こういうものはやはり所得の計算上控除したほうがいいのじやないか、まあこういう意味合で今回控除することにいたした次第でございますので、お話のような点まで行きまするのは一歩拡張と申しますか、ということに相成るかと存じます。従いましてそういうようなことに行くか行かないか、慎重検討を要するのではないかと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/7
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008・菊川孝夫
○菊川孝夫君 これは例えば国有鉄道には国有鉄道の共済組合があるわけですが、ところがこれを見ならつて各私鉄におきましても殆んど国有鉄道の共済制度と同じようなのを代表的な会社では皆持つているわけです。これもやはり強制加入になつているのですが、こういう例から考えますると、やはりこれも一種の社会保険的な性格を十分持つている、こういうふうに思うわけですが、十分これは御検討願いたいと思います。まあ今回いま直ちにということになりますと、その範囲等については非常にむずかしいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/8
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009・中川以良
○委員長(中川以良君) 他に御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/9
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010・野溝勝
○野溝勝君 それじや一つ御質問申上げます。昭和二十八年の所得税の臨時特例に関する問題につきまして、二、三お伺いいたしたいと思います。大体まあ減税を相当織込んでおる法律案でありますので原則的には大体了承できるのでございます。併しこの法律案の内容を検討してみますると、本改正法案中特に目立つておるのは、この源泉所得が非常にふえて来ておるということをまあ発表もされていますし、又この比較表を見てもそういう点がよく見られるのです。例えば二十六年度のときには二千三百有余億の源泉所得があつた、ところがまあ二十七年度においては二千七百億で、四百何十億というもののそこに開きができておるわけですが、かような一体この源泉所得に対する増収というのは当初予算と余り違い過ぎるのですが、どういう結果からこういうものが出ているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/10
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011・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) その点は実は今回の初めに大分詳しく申上げたのでございますが、要点を申上げますと、当初予算を見積りましたのは昨年の丁度今頃でございまして、当時大体昨年の九月乃至十月頃の給与の水準を基にしまして、それに若干の騰貴を見込みまして見積つた次第でございますが、結果から申しますと、見込以上に給与が今年になつてから上つたということでございます。即ち昨年の九月に対しまして、最近の民間給与の水準は約一割七分程度上つております。それでその程度上つただけでなぜこんなにふえるかという問題が次にございまするが、それも前回申上げましたように、控除の累進税率の関係で、所得がふえますと税額は所得の増減以上にふえたり減つたりするのでございます。これは細かく説明しますと時間がかかりますが、主として勤労所得税のふえましたのは二つの事情に実はよるわけでございます。
それで前者についてもう少し申上げますと、昨年の朝鮮動乱以後昨年一ぱいまでは法人税が非常に急激にふえたのですよ。生産と物価が上昇したのに対しまして賃金が応じていなかつた。それが最近になりまして賃金が大分遅れて上つてきた、こういう事情にあるのではないかと見ております。それで従いまして結果から申しますと、昨年は主として自然増収が法人税に現われたのが、今年は法人税は頭打でありまして、給与の源泉所得税と、それに基きまする消費の増加に対応しまして間接税収入がふえて来た。これが大ずかみな傾向と申上げてもよいかと思う次第であります。細かいことを申上げますと、時間がかかりますから要点は大体そのようなところにあることを申上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/11
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012・野溝勝
○野溝勝君 どうも説明又数字上から見るといつも減税になつているように見えるのですけれども、まあこれは数字の技術が非常に上手で我々にはよくわからない。一体どういうのでしようかね。減税になつたと言えば生活が楽にならなければならんのでしようが、今回の或いは二十八年度のあれを見ても、又ここに減税の内容を記録しているのですが、今度は社会保険料の控除の制度を設けておる、誠に結構なんですよ。ですけれどもどうして一体勤労者の生活が苦しくなるのだかその論理が不可解でならない。減税になつたら楽になつていいのだがどうして楽にならんのかね、何かそこに魔術がありはせんかと思うのですがね。そういう点について一つどういうわけで生活が苦しくなつているかということに対して、一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/12
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013・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) よく常識的に受ける質問でありまして、どうもそういうことに対していつも考えておるのですが、これは私の一つの見解ですけれども、生活は私はこの二、三年来徐々に上つておる、終戦後毎年上つて来まして、最近特にこの一年間くらいは、これは給与所得者の消費水準は経済審議庁の調査でも上つておりますけれども、我々の見たところに上りましても相当実質は向上しております。それに伴いまして生活は上つておることはこれは間違いないところだろうと思う。それは減税だけの理由でないことは勿論申すまでもありませんが、減税も一つの要素に入つておるのではないかと思います。併しなぜそういうものの実態感が今お話のように楽じやない。まあ我々もそう思うのですが、皆それが常識的なように聞えますが、これは私はまだ戦前の水準に戻つていない、そこにやはり問題があるのではないかと思う。それで生活水準も昨年に比べますと、今年は統計その他から見ますと上つておる。これはデパートの売上並びに消費物資の売上物品税等の売上から見ましてもここ一、二年間の間には相当上つておることは事実でしようが、戦前の水準に比べるとまだく低い。税金の問題でございますが、やはり減税になつておることはあるし、これは私は何とおつしやろうと実質的には減税になつておることは間違いない。これは時間がかかるのでございますが、併しそれでもなお負担が重いのは何かというと、これはまだ戦前に比べまして重い、これは事実でございます。所得税等のごときもまだまだ戦前に比べますと相当重い、二十六年度に比べると非常に下つておるが戦前に比べますと高い。その辺のところは結局お話のようなふうに、一般の感じといたしましてはよくなつたようであるがさつぱりよくなつたように見えない。その辺がやはり二つのことを分けて考えて問題を整理しまして、従つて今後どうすべきかというふうに判断して行きますならば、或る程度その辺に対する実感が伴なつた分析ができるのではないかと、こう考えるのでございまして、これは非常にむずかしい問題でございまして、やかましく申上げますともつと相当詳細な根拠を申上げて御説明しないとどうかと思いますが、大体私どもの感じております結論の要点はどうもその辺にあるように感じますので、御参考までにその点を申上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/13
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014・野溝勝
○野溝勝君 その程度の御説明は誰にもわかるのでありますが、大体この平田さんね、この今度の減税も二百何十億減税するというのだが、あなたの源泉所得の当初予算と、それから実際の額とは四百億も違うのですよ。そうしますと減税をしましても半分だけまだ所得者が多く出さなければならん。そこに大きな矛盾があつて結局減税であつて減税でないのですよ。だからそういうような減税なら、この源泉所得のほうも文字通りこの自然増収とかいうようなことをなくするような形に税制を考えてくれるならいいけれども結局給料はふえた、ふえればこれは自然増収だと言つて取られたんじや昇給にもならんのだね、実際は。そういう一つの矛盾というものを解決しない限り、勤労所得者の地位というものは安定しないと私は思つている。
更に今お話を聞きますと、戦前のようなわけにはいかんけれども非常によくなつて来ている。こう言われますが、戦前においては百円から大体所得税がついたわけです。ところが今日物価は三百二十倍になつているわけですね。それを金に換算するとどうしても三万円近くの収入がないと、まあ百円の戦争前の当時の金の価値ほどのものは買えないわけです。これはすでに経済審議庁でも発表してますから御承知だと思うのですが、そうすると年間所得二十八、九万円にならないと戦前の千二百円の年間所得とが対比できないのですね。ここにやはり一つの私は勤労所得者の苦痛というものはあると思うのです。こういう点に対して、今平田さんは戦前のようなわけにはいかんけれども非常によくなつて来ている、こう言いますがだね、どこが一体よくなつて来ているか、私にはよくわからんのですよ。更にこれをですよ、例えば住宅の面から見ても、或いは現在の預金の面から見ても、或いはその他いろいろの生活諸情勢の面から見ても、どういうところにおいて地位が高まつて来ているかという立証すべきものがどこにあるでしようか。それを私は聞かなければ、どうも平田さんの御答弁に対してはやはり私自身が自信を持てないのです。その点を一つ希望しておきます。それ以上私は聞かない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/14
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015・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 私、ちよつと今申上げましたことをもう一遍かいつまんで申上げます。終戦直後非常に生活水準が一遍にがた落になりまして、それから徐々に上つて今日まで来ている。それで朝鮮動乱後企業が殊に最初よくて最近になつて一般の生活もよくなつて来ている。このことを申上げました。併しよくなつて来ておりますが、現在の水準がそれじや戦前の水準まで到達しているかというと、これはまだ到達していない。生活水準は、特に経済審議庁では農民、勤労者を通じますと、戦前に比しまして八三・四%、去年は七五・六%だつたと言つておりますが、この細かい統計の数字は非常に問題があるのでありますが、傾向はそのようにつていると思う。そのことを私は申上げたつもりであります。なぜ併しそれじや一向よくならんかということは、まだ前の水準に戻つていないから、国民所得がふえますとやはり意欲を満たしたい、それにはまだ金が足りない、こういうところがやはりよくなつていないと感ずる一つの理由ではないかと、こういうふうに申上げた次第でございます。
それからなお最近の状態ですが、これは計数だけちよつと比較して正確に申上げておきますが、昨年の九月に対しまして今年の九月でございますが、これが消費者物価が二・三%上つております。それに対しまして労働省で調べておりまする毎月きまつて支給する給与でございます。これが昨年の九月に対しまして一割七分五厘上つております。これはもう統計の数字でございます。従つて物価が二・三%上つておるのに対しまして給与が一七・五%土つておりますからそれだけ実質的にこの一年で相当給与がよくなつておるということは言い得ると思うのであります。然らばなぜそんなことが実現可能であるかということをいろいろ分析してみるのですが、結局生産を調べてみますと、今年になつてから消費財の生産が一番ふえておる。同じく昨年の九月を一〇〇といたしまして鉱工業の生産の総指数は一〇一%に九月の水準はふえておる。その中で一番ふえておりますのは消費財の生産指数であります。消費財は二割二分三厘増加しておる、昨年の九月に対して今年の九月は。従いまして大体これでバランスがとれておるのじやないかと見ておるのでありますが、今年になりましてから、動乱後の好影響を一般の勤労者が受けるに至つておるということはこれは確かに指摘し得るのじやないか、それからもう少し遡つて動乱前と比べたらどうかという御議論が出るかも知れませんがその数字をちよつと申上げますと、つまり昭和二十五の六月を一〇〇としまして勃発前の今の同じ数字を申上げますと、消費者物価が二割七分七厘九月が上つております。消費者物価指数が動乱勃発直前の六月を一〇〇としまして二割七分七厘の騰貴。それに対しまして今申上げました毎月きまつて支給する給与でございます、これが四割七分八厘上つております。それで鉱工業生産が五割八分五厘上つております。こういう状況でございまして、朝鮮動乱直前と比べましてもやはり給与のほうは総体的に上つて来ておるということは言い得ると思います。なおその他いろいろ貸方が見方がありますけれども、私どもいろいろ統計をとりましても昨年まではなかなか給与が追いついていなかつたのが、今年になりましてから物価が横ばいで給与が上りましてそのためによくなつて来つつあるということはこれはもう事実であろうと存じております。併し今後これがどうなる又いろいろ問題があろうかと思いますが、最近までの状況はそのようになつておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/15
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016・野溝勝
○野溝勝君 それじやもう一点お伺いいたしますが、この表で見ると現行は八万円以下の金額は百分の二〇というのですが、そうすると今度の表において七万円から八万円の間の所得の人はえらい損をするわけなんですが、これはどういうのでしような。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/16
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017・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは税率のその部分だけを御覧になりますとそうなるのでございますが、併し今回はその二万円以下の部分に対しまして五下つておる。つまり今御指摘の部分は七万円から八万円の部分が五上つておるのですが、併しこれは順々に下から税率を所得を分けて適用して行きますのでその人の最初の二万円の部分は五下るのでございますね。従いまして税率から申しましても、全体を通じてみますと七万円と八万円のところもその中の一万円の部分に対してだけは五下るという結果になりまして、下からずつと順々に分けて適用して行きますので、税率の点から行きましても引上げにはなつておりません。もう少しこれも細かく説明を要するかも知れませんが、例えば課税所得が八万円ありますと、八万円に対していきなりこの適用をするにあらずして、八万円のうちの最初の二万円の部分は一五、そのうちの七万円まで、つまり五万円の部分は二〇、その次の七万円から八万円の一万円に対して今度は二五と、こういうことになるわけでございますが、従いまして最初の二万円の部分は今までの二〇から一五に下つておりますから、やはり八万円のところの人も一万円の部分に対してだけは五下るこういう結果になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/17
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018・小林政夫
○小林政夫君 この提出された資料で、先ず国家公職員の給与ベースに関する調べという資料を出してもらいましたけれども、この公務員については二十五年の四月と比べますと二十七年の十一月は約倍になつておる。ところが民間産業労働者については、それが一四九・九だ、約五割上げである。従つて勤労控除又は私の言う給与所得者控除を今度三万円から四万五千円にしたことは、民間産業労働者の給与の値上り率に丁度マツチしておるのだという意味の資料として、まあ資料の裏付のような意味で特に民間産業労働者のベース・アツプの比率を書換えてお出しになつておるようでありますが、下の注釈を見ると、この調査方法の改正があつたので主計局において変えられたとこういうことが書いてあるわけであります。これはどのように修正をされたのか、その点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/18
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019・泉美之松
○説明員(泉美之松君) これは御承知かと思うのでございますが、毎勤の定期的給与の調べにつきまして二十五年の一月と二十七年の一月にそれぞれ適用対象を違えましたので、例を挙げて申上げますと二十七年の一月に毎勤の数字が変りまして旧指数によりますと一万二千百二円という指数が出るのでありますが、新指数によりますと一万一千九百二円ということになりまして、そのままでは連結しないわけであります。そこでそれを連結するように直したというだけでありまして、別段数字をいじくつたというわけではないのであります。金額に相違ができましたのを続くようにしたというだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/19
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020・小林政夫
○小林政夫君 どうも私の資料を要求した意図を御承知で特に説明がつくように合されたような気がしてしようがないのだけれども、この資料を見ると大体公務員のほうが一般産業労働者に比べて、べースが低い低いと言いながら、実質上においてはもう二十七年十一月でそろつておるというふうなことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/20
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021・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 私からちよつと申上げておきますが、この基点をいつにとつたほうがいいかという問題、これは非常に私は問題があるのじやないかと思うのです。それでここでは一応二十三年の一月を元にしました比較の数字と、それから税法に関係がありますので二十五年四月を元にしましてどうなるか、二つの数字を載ぜているわけでございますけれども、いずれにいたしましても二十三年の一月にそれじや均衡がとれていたかということになりますと、これは非常に問題があるわけでございまして、この資料だけからしましてもうバランスがとれておるかとれないかということを結論を下すのは如何であろうかと思いますが、まあ一つの参考資料にはなると思いますけれども、これだけですべて御判断願いませんようにそのことは特に私からお願いいたしておきたい問題でございますが、一つの計算をお示ししているに過ぎないという前提で御覧頂きますようにお願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/21
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022・小林政夫
○小林政夫君 そうするとまあその点はその点として重ねて伺いますが、公務員のほうは倍になつておる、民間のほうはこれは私は飽くまでも二十五年四月を基準としての話ですが、本年の十一月においては公務員のほうは二十五年四月のベースに比べると倍に上つておる、併し一般産業のほうは五割上げだ、それは結局公務員のほうが二十五年四月以前においてあまりにもぺースが低過ぎている、二十五年四月までに急速に民間ベースに近ずけるべくこぎつけたと、こういうことにまあ表自体からは読めるということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/22
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023・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) この表は実は私どものところでお出しする表題としては少しどうかと思うのですが、私どもはこれは単純に二十三年一月を一〇〇として幾らになつておるか、二十五年四月を一〇〇として幾らになつておるか、この数字をお示ししているだけでありまして、均衡云々の問題につきましては、これはよほどもつと詳細な検討を必要とするのではないか。ただ税の上におきまして、一応三万円の勤労控除を四万五千円に引き上げましたのは、基本はやはり民間給与の水準に置かなければなりませんので、それがまあどの程度に上つているか、つまり一つのフアクターとして調べておるわけでありまして、その点に関する限りこの表を御覧になるのはいいと思いますが、それ以外につきましては、給与ベースのいろいろの問題等つきましては別途の相当な検討を必要とするのではないか。従つて重ねて申上げますのは、この表であまり簡単な断定をお下しなさることは一つよくお考えを願つておきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/23
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024・小林政夫
○小林政夫君 そうすると私のこの資料を要求した意図は、結局勤労控除の最高限度を三万円から四万五千円に引上げることが妥当かどうかということを、もう一つの資料としてお願いをしたわけでありますがこういう資料によつた結果としての主税局長の御意見を一つどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/24
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025・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今のお話の点に関する限りにおきましては、私どももこの表の二十五年四月を一〇〇としました民間給与の騰貴率、これを参考にするのが一番適当ではないかと考えておるわけでございまして、それが勤労控除を上げるにつきまして判断の要素に入れました一番大きなフアクターであるということを重ねて申上げておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/25
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026・小林政夫
○小林政夫君 それはこれ以上やると議論になりますから、私のほうももう少し研究してみます。
それからもう一点、衆議院の吉田委員要求の資料で出されている、所得税の納税人員に関する調べの中で、給与所得者、営業所得者、それから農業所得者、その他の事業所得者、それからその他の所得者、その他の所得者が四十一万五千人ということに二十七年度においてはなつておりますが、その他の所得者は貸地、貸家等の不動産所得、或いは公債社債の利子だとか、預金利子、合同運用信託の利益、配当、剰余金の分配というようなものの所得者だと思いますが、これは納税人員を計算する上において、大部分はその上に書いてある給与所得者、営業所得者、農業所得者、その他の事業所得者と重なつておると大体において判断していいと思うのですがその点如何でございましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/26
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027・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) お話の通り、その他の所得者は、ほかの源泉課税で税を納めている人の間には若干重複があることは免れません。ただ配当所得者等は源泉で徴収いたしておりますが、その源泉で徴収したものはこの人員に含めておりませんので、例えば配当でその他の所得者として何もこの人は、これは一人としてだけしか挙げておりません。それからお話のような家賃の収入とか地代の収入とかいうもので、ほかの所得がなくてそれだけで納税者になつておる人もこれは重複いたしておりません。ただ給与所得者でありまして源泉でも納めている、併し高額所得者である、又二カ所から給与を受けているために更に申告しまして納めている、これは両方に重複をいたしております。その重複間の調査がなかなかむずかしいのでその点は特に備考に断わりまして単純に合計したものを納税者にしているということであります。預金利子とか配当の源泉納税者は全然見ておりませんので、大体この数字で大局的には納税者の数として間違いないのではないかと見ておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/27
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028・中川以良
○委員長(中川以良君) ほかに御発言ございませんでしようか。他に御発言もないようでございまするが、質疑は終了したものと認めまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/28
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029・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/29
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030・小林政夫
○小林政夫君 私は本案に賛成をいたします。特に第十三国会における我々の要望、強く本委員会において要望した社会保険料の控除、或いは勤労控除の最高額の引上等について、本委員会の意向を十分に尊重された改正案でありますので喜んで賛成をいたします。
ただ質疑過程において将来の税制改正については相当の意見を持つておりますが、特にこの勤労控除という名前は法律語としてはないけれども一応当局の権威ある慣用語として勤労控除という言葉が使われておりますが、私は早い機会において給与所得者の勤労控除という、勤労という名前にとらわれていろいろな誤解を受ける場合がありますので、その用語の名称の変更を強く要望をいたしておきます。なお二十八年度以降の税制改正についてのいろいろの意見についても申上げたい点がありますので、委細は本会議において賛成討論の際に述べたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/30
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031・中川以良
○委員長(中川以良君) 他に御発言ございませんか。ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/31
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032・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/32
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033・松永義雄
○松永義雄君 私は本案が多少それは減税という形になつておる点については異議はないのでありますが、併し現在の状況においてはこの減税の方法、負担について著しく少いという点で、私は残念ながら本案には反対するものであります。
それは何が故に勤労階級がその生活が苦しいかということは、これは戦後生活が多少の向上を見たとは言われますけれども、併しその配分が不公平な結果に陥つているということを指摘しなければならないからであります。例えば一軒の家にしてみましても、火災で焼けてそうしてその建直しをやるという際に、家屋の建築のみに重点を置いて家庭の生活を軽視して行つたならば、それだけ家庭の者から不平が出るのは当然であります。而もその家の建築の持主が一部の階級の者に偏するということになれば、家庭の者と又違つた意味において強く現われて来るのは当然なのであります。而も大会社の所得というものが非常に乱費されて、そうしてこれこれの生活の向上はできたと、こう言つておりましても、今まで一部の者のぜいたくというところを前にしておれば、終戦後多少生活が向上したと言つてもまだ戦前に廃らない状態にある勤労階級が、そうした一部の日本の本筋に反するような非常なぜいたくをしている者を目の前にするときは、非常な不平感を持たざるを得ない。即ち不公平だという点が著しく現われているのではないかと思うのであります。而もなお資本の蓄積だとかいろいろな名目で日本の復興を期していることは、まあそれはそれとして論議のほかにしましても、そういつたようなことの恩典に浴しておりながら、而もなお大きな会社の人たちがただ単にぜいたくをしておるという感情的の点ばかりでなく、金の使い方或いは又金の持つて行きどころという点について非常な時世にそぐわないことをあえてしておるということを認めざるを得ないのであります。そういつた点を考慮しないで、ただ単純にここで税率を引下げたとおつしやられても、それだけでは我々は納まらない点があるのでありまして、我々としましては本案に反対せざるを得ないのであります。我々は少くとも月二万円ぐらいは税金のかからないようにしてくれと、こういうことをまあ言つておるわけでありますけれども、そうした限度の点ばかりでなくその他の点についても非常な不満を持つておりますので、本案に反対するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/33
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034・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私は労働者農民党を代表いたしまして、所得税の臨時特例に関する法律案に反対いたします。
反対理由は、この本年度の補正予算の裏付としての財源を見ますと、殆んど大部分が勤労大衆の税の自然増収によつていることは、この政府の提出いたしました資料によつても明らかであります。自然増収七百一億のうちいわゆる勤労所得税の増収六百六十億に達しているのでありまして、而もその他の増税としては酒税、砂糖消費税、揮発油税、物品税、関税、こういうふうないわゆる大衆税の増収によつたものである。これは一面一般国民所得がふえたことによる自然増収もあると思いますけれども、その大部分は価格騰貴による名目的な貸金その他所得の増収によつて生じた自然増収と見ざるを得ない。名目的に賃金給与が上つているにもかかわらずそれに応じて勤労控除はまあ一応別にいたします、基礎控除、扶養控除等をそのままに据置いたために名目的に所得がふえたからそこに自然増収が出て来ることは当然なんです。併しこれは実質的には自然増収ではありません自然増税であります。実質的に一般国民の所得がふえたときに税がふえるのは、これは当然自然増収と言えるわけであります。併しながら名目的に、全部とは言いませんが大部分がふえた所得に対して、勤労控除、扶養控除を据置くためにふえたものは自動的には自然増収になります。で、これがいわゆる税制上の減税と言われるゆえんなんです。本来ならばこの大部分は、殊に勤労所得税の大部分は、これは税金の取過ぎとして返すべきもの、だと私はそう解釈しております。ところが政府は減税として二百二十九億の減税をされるということになつておる。而も自然増収六百六十億の中には今回の給与ベースの引上げによるはね返り九十五億も含まれている。そうしますと、まあ約六百六十億勤労所得税を増税して、そうして減税するのは約二百三十億、その残りというものは全部とは言いませんが大部分はこれは基礎控除、扶養控除等の引上の時期がずれたために生ずる一見減税で、増税と見ざるを得ない。ですからこれは大部分本当は私は税金の過納として返すべきものと思う。減税でなくこれは税金の調整です、過納分の調整、それを減税と言うのは私は偽りであると思う。而もこの主税局のほうから提出して頂きました資料を見ますと、給与ベースが上る前と上つたあとの比較の税金の調査を出して頂きました。成るほど直接納める税金は減ります。減りますが、比較するときに、給与ベースが上つたのはこれは生計費が上るために上つたのであつて、従つて給与ベースが上つても実質的な購買力としては上る前と同じと見なければならない。従つてこの税金を比べるときには現在の給与ベースを元にしてそれで給与が上つた、それで税金が下つたと言つても前に旧給与ベースのときに納める税金と、今度上つたときに納める税金とを比較しなければならないのであつてそれを比較しますと多少減つてはおりますが大して減つておりません。そうしますとこれは運賃の値上及び食糧の値上によつて大体相殺されてしまうと私は思うのです。従つて実質的には何ら税負担の軽減にはならない。こういう形でこの大部分を勤労大衆の負担による自然増収によつて賄つて行く。私はそういう意味で今度のこの税法には反対せざるを得ない。
更に税法の臨時特例の内容につきましては、勤労控除についてまだ私は……一応今度は考慮が払われましたが、その点については敬意を表します。それから保険料の控除、これは今度非常な努力によつて認めたことについては事務当局その他の御努力は、確かに私は意のあるところに敬意を表します。努力に対して敬意を表することにやぶさかではありませんが、併しながらシヤウプ税制改革のときに二五%の控除があつたのですが、それが一五%減らされてそうしてその結果として勤労者或いは給与所得者と申告納税者との税の不均衡というものは非常にまだひどくなつていると思うのです。これは是正されておりません。これはもう主税局長も税制課長も当然認めるところだと思う。勤労控除については当然私は二五%に引上げなければならんものだと思います。それでなければ不均衡です。その限度もやはり引上げるべきだ。基礎控除、扶養控除等についても私は足りません。大体の目安は給与ベースの限度まで私は基礎控除、扶養控除というものは引上げるべきものだと思うのです。
又税制改正の更にいろいろな細かい内容についてはまだいろいろな異議がありますけれども、今後富裕税を廃止すると言つておりますし、それから譲渡所得につきましても、どうもこれを正確に把握するという努力よりもむしろ闇所得を認めて行くというような方向に向うようにまだなつていると思う。こういう点も我々割切れません。そういうことが反対の第二の点です。
最後に反対の第三は、今度の補正予算の裏付としての所得税の臨時特例のこの減税でありますが、これは政策全般との関連において見ますと、今度の補正において一番重要なことは、二十七年度の当初予算において非常に多くの不生産的な経費を計上した。防衛分担金、警察予備隊或いは安全保障諸費等予算の二一%にも上る非常に大きな不生産的な支出を計上したために、民生費のほうを十分考える余裕がなかつたのを今度は補正においてこれを考慮すべきであつた。そこでこの補正において一応考慮する努力を払う、狙いはそこにあつた。ですから給与改善というものが今度の補正の一番大きな目的であつた。併しながら人事院勧告はこれを拒否し、国鉄、専売等も裁定を拒否しております。そうして更に又減税も先に申上げましたような実質的には減税にならないで、実は税制上の減税で、むしろ国民の税法における理解の不十分、錯覚をまあ極端に言えば利用して、あたかも減税されたがごとき処置をとつている。これはなぜかと言えば結局二十八年度予算に非常に大きな経費が予想され、そのために相当財源を保留しておかなければならない、蓄積保存しておかなければならないというところから出ているのであつて、思い切つた減税のできないのも、思い切つた給与ベースの改訂ができないのもそこにある。従つて本来ならばこの二十八年度予算の骨格を実は示すべきであつた。歳出歳入についても政府はこの補正を出すときに明らかにしなければならないのに、未だに明らかにしておらない。歳出についても歳入についてもそうです。ですから本来ならばこの臨時特例法を審議する前提として二十八年度のすべての国家歳入についての構想をここに明らかにすべきであつた。それとの関連なくしてこの臨時特例は審議しても無意味であります。そういうことが全然明らかにされておらない。これは歳出についてもそうであります。来年二十八年度のこういうことが明らかにされない。而も給与ベースの改訂も不十分、減税も不十分だということは、相当大きな歳出が予想されるのではないか。相当大きな不生産的な支出、防衛費、外債の支払、賠償の支払、アメリカ対日援助資金の返済等々何か非常に大きな新たなる歳出がふえるのではないかという危惧に我々はおそわれるのですが、そういうことが明らかにされていない。それが非常な不生産的な支出の増加であつて、我我はそういう関連においてこれを考えざるを得ない。そうしますと本来ならば不生産的な支出を削減すれば思い切つた減税をできるのに、今後はむしろそういう不生産的な支出を増加する傾向において予算を組もうとしている。従つて臨時特例の背景、基礎事情、そういうものとの関連において私はどうしても承服できない。これが我々がこの臨時特例等に関する法律案に対する反対理由でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/34
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035・中川以良
○委員長(中川以良君) 別に御発言がないようでございまするので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/35
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036・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案を衆議院送付通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/36
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037・中川以良
○委員長(中川以良君) 多数であります。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定をいたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条により本委員会における審議、討論、表決の要旨を報告するごとにしてあらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/37
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038・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないもと認めます。それから本院規則第七十二条により委員長が議院に提出する報告書に付する多数意見者の御署名をお願い申上げます。多数意見者署名
菊田 七平 木内 四郎
小宮山常吉 黒田、英雄
小林 政夫 大矢半次郎
伊藤 保平 岡崎 真一
西川甚五郎
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/38
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039・中川以良
○委員長(中川以良君) 次に食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題に供します。先ず御質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/39
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040・松永義雄
○松永義雄君 先だつて外米の買入について金があれば買えるのだというようなお話でしたが、今年度は外米の買入は円滑に行つておるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/40
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041・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 外米の買入状況でございますが、詳細については資料をお出ししても結構だと思いますが、昭和二十七会計年度で只今のところ到着いたしておりまするものが五十二万八千トンであります。すでに買付済のものがそのほかに三十五万三千トンになつております。これは確実に到着をいたすものです。合せまして八十八万一千トン到着及び到着確実の見込のものであります。従いまして当初予算百五万三千トンに対しまして、なお十七万二千トンだけの残がございます。この十七万二千トンにつきましてアメリカ、タイ、ビルマ等に今いろいろ交渉をいたしておりまして、三月までには到着するのではないかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/41
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042・松永義雄
○松永義雄君 これは食糧庁長官を別にせめるとかせめないとかというのではなくて、値が高くなつて行けばなかなか買いにくいし、向うでかけひきをやりますればこちらで買うのには困難を生ずるということが考えられるので、何とかやつて行ける見通しはつくのでしようか。これから先。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/42
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043・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 我々としましてはなるたけドルを倹約し、又国際価格をつり上げることを避けたい。値段を多くしますればこれは買えるのでありますが、なるたけ値段も合理的にそう高くしないで買おうと思つておりますので、相当の努力が要るのであります。米の需給上心配のないような手当は勿論いたしますけれども、そう簡単にこれは買えるというようには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/43
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044・菊川孝夫
○菊川孝夫君 二十七年度の百十四億六千万円だが、これは来年度は一体どのくらいあてる必要があるか、見通しはどのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/44
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045・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 来年度予算につきましてはまだ何らきまつておりませんのでありますが、この、百十四億の内訳を御覧になりましてもおわかり下さいますように、これは米の赤字と麦の赤字と学童給食の赤字が大きな内容をなしております。従いまして米はその大部分が米価の値上をいたしますまでの間の今年度産米の赤になつております。従いまして或る程度米価の値上りができますればそれからは赤が出ないということになりますが、来年度産米をそれでは幾らで買うかということが大きな影響をしますが、これも只今のところ今年通りで行くことになれば赤が出ない。麦につきましてはこの案では二十億程度の赤字になつておるのでありますが、そのうちの十億程度はいわゆるバツク・ペイ、統制中にバツク・ペイいたしましたものを消費者価格に織込んでおりませんので、それが十億を占めるのであります。純然たる買入価格と売払価格の差損というものは約十億程度であります。仮に麦が本年度と同じ程度のものであれば大体十億程度の赤字が出ると思います。バツク・ペイは来年度はございません。学童給食は大体通年度二十五、六億という見当をいたしております。今年度仮に実行いたしますれば二十五、六億は原麦を半値で売つておりますので当然出る赤であります。
もう一遍申上げますと、学童給食が二十五、六億が通年で仮にこれを継続すれば出る。あとは麦の赤が本年通りならば先ず十億程度は出る、米につきましては一応これで解消いたしまして来年の米価如何によつては問題が出るわけであります。本年通りならばこれで全部解消する。こういうふうな仕組になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/45
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046・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それではその食糧管理特別会計で一体学童給食を賄うということはどういう理窟から来ておるのであるかこれは別にこの特別会計で学童給食費を賄うというのはちよつと理窟上おかしいのじやないかと思いますが、なぜこういうふうになつたのか、そのいきさつをちよつと御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/46
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047・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 特別会計で学童給食を賄うと言いますか、食糧管理が原麦、殊に輸入した原麦全部を管理いたしておりますので、それを学童給食用といいますか、生活改善用に半額で売るということに一つの政府の方針がきまりましたために、必然に買入価格と売払価格の差だけが食管特別会計としては赤字として出す。この赤字を補填して頂くということになるわけであります。それだけの赤をどの会計が負担するかということが、たまたま取扱つております食管特別会計に補填させるということに過さないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/47
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048・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますとこの学童給食は輸入食糧ばかりを輸入金額の半額で地方団体に売渡す、その半分を地方団体に出すということになつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/48
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049・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) これは輸入食糧がその大部分でございますけれども、必ずしも輸入食糧と限定しておるわけではございませんが、政府買入価格と学童給食用に売渡す価格との差額となつておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/49
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050・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると学童給食用に売払する場合の食糧はすべて買入価格の半額、こういうふうに法律できまつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/50
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051・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 政府の普通売払価格に対して半額で、これは原麦でございますが半額で売るという方針をきめております。別段法律的根拠はないのでありますが、そういう政府の方針で半額で売つておる、こういうふうに御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/51
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052・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それじやもう少し具体的に、この百十四億六千万円の内訳ですが、一つ詳しくどういうところからこれだけ出て来るのであるか、具体的に米はどういう計算で百十四億か、これも百十四億六千万円を限りこういうことになつておるのですか、これをオーバーするようなことは全然ないのかどうか、その辺について明白にするために基礎を一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/52
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053・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) それでは百十四億の内訳を詳細に御説明いたしますと、その一つが二十六年産米の赤字でございまして、これが十億五百七十万六千円を占めております。これは昨年の八月に米価が値上りました以後昨年の供出等が相当困難を極めました場合に完遂奨励金を出しましたとか、或いは超過供出奨励金を二千円出しましたとか、いろいろその後二十六年産米の集荷に対しまして措置をしたわけであります。それが消費者価格に実はもうすでに織込済みではなかつたのであります。なお卸売マージンの値上等も必要でございましたのでそれを若干値上をした。そういうものを計算をいたしまして約十億五百七十万六千円だけが二十六年産米で二十六年の消費者価格に織込未済の赤字でございます。二十七年産米に対しまして約七十八億一千三百万円の赤を含んでおりますが、この赤字は消費者米価を十キロ六百八十円に値上をいたしますのを一月からと考えておりますので、すでに九月以後早場米等が出廻りましてそれを配給いたしておるのでありますが、それは十キロ六百二十円でございますので、その差額はこれは安売の赤ということになります。その赤が五十二億三百万百万円でございます。それに対しまして完遂奨励金、供出を完遂いたしました場合に石当り百円の奨励金を出すということであります、それが予算上二十五億五千万円を占めていますので、只今申上げました五十二億六千三百万円と二十五億五千万円とを加えましたもの、七十八億一千三百万円というのが二十七年産米の赤でございます。
その次が先ほど言いました二十七年の麦の赤字でございまして二十一億三千九百九十四万二千円、細かい数字でございますが、二十一億三千九百九十四万二千百円、その一つが本年の麦の買入価格と売払価格における結果としての赤字が十億六千三百九十四万九千円、細かい数字ですが、それから先ほど言いました二十六年産麦の、バツク・べイの金が十億七千五百九十九万三千円、甚だ細かい数字でありますが、それを合計いたしまして二十一億三千九百九十四万二千円というものが麦関係の赤字でございます。それから外麦の給食関係でございまして、一応これは九万トン程度を考えまして十四億九百四十万円でございます。
それから酒米でありますとか或いは工業原料用に若干の米を売つておるのであります。それの黒字が九億八百四万八千円ございますので、それを引きますると、百十四億六千万円という数字になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/53
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054・菊川孝夫
○菊川孝夫君 これはこの前の吉田内閣のときに根本農林大臣のときに米の統制撤廃ということがやかましく言われた。これはなぜ今年百四億六千万円のときにそれをお聞きするかというと、来年当然自由党としてはあの当時から米の統制撤廃或いは供出後の自由販売というやつをやかましく言つておるのですがこれと買入価格との関係は来年度において考慮されておるかどうか、その点を一つお聞きしたいのですが、それはなぜそういうことを申上げるかと言いますと、供出後の自由販売或いは統制撤廃ということが仮に実現するということになりますと、この食糧管理特別会計というものは非常に縮小せられて来るだろうと思うのでありますが、そうすると当然国の財政規模にもそれが影響して来ると思う。これが現在今年度百十四億六千万円繰入れるけれども、来年度の食糧需給関係とにらみ合せてこれは考えなければならん問題だと思うのですが、この点が今食糧庁のほうではどの程度まで計画として進んでおるか、全然既定方針通り当分行くという方針で食糧管理特別会計はやるのか。それはなぜかいうといろいろな設備の問題、供出の制度の問題等とからんで来る。そういう費用も相当特別会計で負担しておるだろうと思うのですが、それと関連してすぐ百十四億六千万円が響いて来ると思うのですが、この点はどういうふうに食糧庁では今計画しておるか。もう来年も今年のようなつもりで同じような制度でやつて行くつもりで百十四億六千万円というものを考えているものかどうか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/54
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055・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 百十四億六千万円は、先ほど申しましたように、米につきましては十二月までの買入価格と売払価格との差損でございまして、過去のもののこれは赤でございまして、将来本年の米価或いは供出奨励金等が予算通り行きますれば赤は出ないのであります。統制問題とは一応この赤字は関係ございません。来年度予算等におきましてどうするかにつきましては、まだ政府の最後の方針はきまつておりませんので、私からまだ結論を申上げるわけには参らんことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/55
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056・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、仮に統制撤廃にしても以前から米穀事務所というのがあつたんですが、統制撤廃をするということになりますと、ここに本当の食糧管理特別会計の歳入不足補填というようなことは全然必要はないのですか。この点が今までの経緯から考えてどうですか。過去において統制されていなくても米のできどきにおいては食糧事務所において買入をやつた。これなんかも特別会計でやつて来たと思うのですが、そういうふうに仮定した場合には歳入不足分というのはどのくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/56
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057・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 統制撤廃ということもいろいろな前提なり条件があると思いますが、麦でもこれは統制撤廃を現在やつておるといえばやつておるのでございますが、いわゆる間接的な価格統制をやつているのでございます。やはり食糧庁が農民の要求に上り無制限に買入をやるということで、本年も相当麦を買つておりまして、払下げは法規に従つて随契で売つておるということになりまするので、結果として約十億程度の赤が出ておるのであります。米につきましてはこれはまだ統制撤廃と言いましても、どういう前提、どういう条件だということによつて非常に変つて来る問題であります。我々事務当局としてはまだそこまで申上げる段階には参つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/57
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058・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それではこの二十七年度の産米は一月から十キロ六百八十円で、今売つておるのは六百二十円で六十円の差がある。これは買入が十キロどれだけで買入れするのですか。供出完遂奨励金或いはその他を加えまして平均しますとどれだけになるのですか、石当り。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/58
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059・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) それは原価計算を御説明いたせばわかると思いますから御説明いたします。十キロ六百八十円の決定をいたしました原価でございますが、生産者価格の基本価格が七千五百円でございます。そのほかに供出奨励金これは早場米の奨励金ですが、七千五百円とずつと並べて石で申しますと二百八十七円、それから超過供出奨励金を予算上二百七十五万石と想定いたしておりますので、これが二百九十二円、包装代、これが平均いたしまして、いろいろな俵があるのでありますが、百六十九円というのが平均のコストであります。なお一等米、二等米、三等米、四等米の等級間格差がございますのでこれを差引きまして七十二円としますと、結局生産者価格は八千百七十六円、包装こみで石あたり八千百七十六円であります。それに食糧庁の経費とロスが七百六十三円かかります、ロスを入れまして七百六十三円、そこで政府が卸に売る価格が八千九百三十九円、それに御小売のマージンとロス、配給ロスがあります、これを入れますると大体六百六円が配給段階における中間経費であります、八千九百一二十九円先ほど申し上げました承のに大百六円加えますと九千五百四十五円、これが一石あたりの消費者価格であります。これを十キロに換算いたしますると六百八十円十三銭でありまして、十キロいわゆる六百八十円こういうことを申上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/59
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060・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、この七百六十三円のロス並びに管理費用このうちのロスはどれだけで、管理費用はどれだけというのは出ているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/60
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061・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) それから約六十円程度を引いて頂ければいいのでありますが、それが純粋の食管の経費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/61
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062・菊川孝夫
○菊川孝夫君 約石あたり六百円という食糧管理費用というものは要るわけですが、米につきまして石について六百円という費用がつくわけになるのでありますが一体その石に六百円もつくのは大体約八分ぐらい管理費用にかかるわけですか。一体それはどういう費用にかかるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/62
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063・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 今申上げましたのには集荷手数料というものがあります。これは食糧庁が買う場合においては農業協同組合ですかそういう方面に手数料を払つて買います。或いは運賃も含んでおります。純粋の食糧庁の事務費といいますものは百六十円程度、そのほか保管料も入つている、金利も払うというのも全部加えたいわゆる経費を特別会計に計上いたします。保管料でありますとか、金利でありますとか運賃でありますとか集荷手数料でありますとか、食管そのものの人件事務費全部を入れましたものが今申上げた数字になるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/63
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064・松永義雄
○松永義雄君 検査官の超勤手当もそこに入つているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/64
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065・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 事務費の中に入つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/65
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066・松永義雄
○松永義雄君 検査官の超勤手当のことも問題になつていることはよくあなたも御承知の通り、本年度早期供出奨励金かなんか三回にも亙つて出されておつた。その農林省の通達、示達といいますか各検査官に対してその晩の十二時までは必ず受付けてやれというような指令が出ているので、検査官はそれに応接しなければならん、そのために非常に超勤の時間がふえている計算になつております。それは本年度におけるその検査官の超勤に対しては当初予算にすでに見積つてあるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/66
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067・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 超過勤務手当というものは実は当初予算に一応予定をして計上しておつたのでありますが、本年の集荷が非常に早かつたために十月、十一月に米の出廻りが殺到いたしたのであります。やむなく無制限に而もこれを堂入れるという方針に副いまして、現地の検査官に十二時まで受付けろ、而も土曜日曜も返上せいということをまあ実は申した。実によく米の受付をやつたのでありますが、遺憾ながら超勤を計算いたしますると予算はありませんので、第四四半期分等の予算も要りますので、現地の要求だけは果すわけに行かなかつたわけでありますが、やりくりしまして或る程度の季節的な繁閑を考慮した超過勤務手当は支給したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/67
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068・松永義雄
○松永義雄君 支出したと言つて支出できるのですか。支出したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/68
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069・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 超過勤務の実績だけの支給はいたした形になつております。或る程度の加算は一年分の予算のやりくりをしまして忙しいときに多く出すということは当然でありますので、第三四半期に多少早場米等の多い地域には若干の増額をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/69
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070・松永義雄
○松永義雄君 全部にはまだ出てないのですか。一部の地方だけは出ておるけれども全部の地方はまだ出ていないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/70
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071・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 早場の非常に多かつた地域而も十二時までも受付けたような地域には実績通りには渡つてないと思います。若干の増額はいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/71
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072・松永義雄
○松永義雄君 なおまだ行渡つておらないということを聞いておるのですが、そういう点についてこれから先考慮を払われるのですかどうですか。もう全然行渡つちやつて何も考える余地はないのだとこう考えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/72
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073・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 予算の範囲において事務の繁閉を考慮して考える以外に方法はないのであります。又私どもといたしましても第四四半期の問題になつて参りますが十分検討を進めておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/73
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074・松永義雄
○松永義雄君 大蔵政務次官、今問題になつている点で解決ができるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/74
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075・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) 食糧検査の関係の超過勤務の問題は必ずしも今問題になつているものとは別個の問題だと思いますけれども、さような状況であるような実情に即しまして超過勤務の実績があるところには必ず実績通りの超過勤務手当を支給いたしたいという考え方が今度の超勤に対する考え方でありますから、そのほうから言いまして今長官が言われたような一部行渡つておらんところがあれば、このほうの関係から私は少くともその大部分は解決するのではなかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/75
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076・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それに関連して。今愛知政務次官から非常に重要な御答弁がありましたので一つ再確認しておきたいのです。その超過勤務の実績があつたところに対してはそれを支払うようにするということも今度の超過勤務繰上支給については考慮されておるというようなお話がありましたが、昨日予算委員会でも、大蔵省の国税局においてそういう事例があります、而も国税長官もそれから各地の税務署長も確認しているのです。この間も超勤命令簿というのがございますが、超勤命令簿のほうは、実際の超勤はしておいてあとで予算の範囲内で命令簿につけるというような実情になつているわけです。従つて命令簿以外において未払の超勤が実績として相当あるわけです。それについて今愛知政務次官は支払われるとこういうことを言われたものと解釈しますが、やはりそういう方針ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/76
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077・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) 今木村さんのおつしやつたことと私申上げたこととは食い違いがございます。私の申しましたのは超過勤務の実情に応じて第四四半期の超過勤務手当の財源を年内に繰上げて支給するこういう昨日来申しておる政府側の説明と同じことを私は申上げたわけであります。ただ併し今御指摘の命令簿に記載があつてなお且つそれに支払われていなかつたようなものがあるとすれば、それは当然支払わなければなりません。そういうこともですから今回の措置で併せてその一部は解決するものと私は考えます。こういうふうに申上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/77
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078・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはやはり非常に重要な御発言でございます。それは速記録を見て頂けばわかります。超過勤務の実績があつた者に対しては、やはり今回の超勤の繰上支給に合せて考えるというお話でありましたが、重ねて政務次官は、命令簿にその予算の範囲内で超勤をやるということが記載されていなくても、実際に超勤の事実があるとすればそれは当然払うものと思うという話なんです。これは昨日河野主計局長にも伺つたんですが、今度の超勤に関してはそういうことは考慮に入つておらないと言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/78
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079・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) あなたの言うのは違うのですよ。私の言つたのを誤解されてるようですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/79
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080・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ちよつと待つて下さい、あとで答弁して頂きますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/80
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081・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) 違うのを前提にして御発言になつたのでは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/81
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082・木村禧八郎
○木村禧八郎君 今発言中ですから。若し間違つておりましたら、誤解のないように政務次官から御釈明願つていいのですが、これははつきりしておきませんと。今一番重要な問題になつておりますのでもう一度愛知政務次官から、先ほど御発言になつた内容についてもつとはつきりしたことを重ねてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/82
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083・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) 今木村さんの言われた中で、私の言つたことを引用されてお話になつたのでありますが、私が二回目に申上げたのは、勤務命令簿に記載があつて、記載があつてですよ、そして両当事者ともに超過勤務の実情、実績を確認しておつて、而もそれに対してその超勤手当が支払われてなかつたというようなことがあればですね、これは私は支払うのが当然であろう、こう申上げたのであります。であなたのおつしやつたのは、超過勤務の命令簿になくつても実績があつたような場合には支払うべきが当然だと君が言われたが、と言われましたが、その点は間違いでございますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/83
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084・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ああそうですか。それでも結構なんです。関東信越財務局においても命令簿に記載されていないが、上官もそれから署長も超過勤務しているのだと確認している場合どうなんです。而も予算の範囲外である、併しそれはやはり確認している以上は払わなければならんと思うのですが、超過勤務しているという事実ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/84
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085・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) ですから、それは昨日来の話のうちの具体的な一つ。ポイントだけを取上げられてお話になつておるのですが、我々の考え方というのは、書いたものでも申上げており事ように、又たびたび大臣から説明しておりますように、予算の範囲内且つ法令の許す範囲内ということを大前提にしておるわけでありますから、その中で、例えば昨日御配付申上げたような、各省各庁でこれに充当し得る財源がこれだけある、そういうふうな範囲内において各省各庁の実情に応じてと、こういうことを申上げておるのであつて、予算がなかろうがどうであろうが、そういうことが確認されたらとか何とかいうことを私は申上げておるわけじやないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/85
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086・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはね、愛知君は今そういう説明に変られましたが、速記をずつと御覧になればそう解釈できないのです。最初からそういうふうに御説明になれば、私はここで質問するはずがないのです。超過勤務の実績があればと言われたが、命令簿になくても署長なり上官なりが成るほど超過勤務をやつていると確認があつたならば、それは払うのは当然であるというふうなお話でありましたから私は質問したのです。併し上官が確認しても予算がないから払わないと、こういうことであるんならはつきりわかる。先ほどの御答弁では実績があれば払うのは当然であると言われたから、それでは第二補正みたような、或いは又はかの流用というような形ででも実績に対して払わなければならん、そういうことも含まれているということになると、昨日来の超勤の問題に対する政府の御答弁と違うから、私は申上げたので、最初から愛知さんのお話が今伺つたようなことであれば、何も私はここであえて質問する必要はないのです。そうしますと、上司が実際に超過勤務をやつていることを確認しても、命令簿に記載され、超勤としての予算がなければ、実際に超勤しても払わないということなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/86
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087・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) これは併しこれだけの大問題であるものをですね、故意にそういうふうにお考えになつて、私の申しましたことをあれされるなら別でありますけれども、私はさつきからの速記録を全部御覧になつても、今おつしやつたようなふうに申上げたつもりはないんです。ただそれは突然、突如として、食糧の検査の問題から問題が起りましたから、だから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/87
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088・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうじやない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/88
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089・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) いやそういうことが、そういうものの解決される部分があるであろうという表現を申上げた。それははつきり昨日配りました書類にもありますように、一般公務員については年末に際して現行の法令及び予算の範囲内において云々と書いてある。これはもう大前提でありますから、併しその範囲内において、実際超勤が命令簿にあつて、そうして払つてないものがあるならば、それは現在においてはこの範囲内において解決されることがあるであろう、私はそう申上げたので、若しそれ以外にお聞きになつたならば、それはお聞き違いか、私の言い誤りであると思いますが、私はそう思わないのですが、若し速記録にそう書いてあるならば、それは取消します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/89
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090・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それは愛知君、強弁されないほうがいいですよ。それはほかのかたが聞いておるのだから、それは当然そういう疑問が生ずるはずはない。食管の超勤について問題が起つたのですが、愛知君は、政府としてはそれが大体超勤に対しては全般的に臨む態度のように、原則論のように話されたから、それでは表面は命令簿に記載されておる分だけしか払えないのだけれども、実情に即して上官が命令簿にはないけれども、併し確かに十時間超勤したのだ、そういうものについては費目の流用、或いは目の中の流用、或いはそのほかの費用の節約等によつて、そういう実際に超勤はしたのだが、命令簿にない分についても年末手当のようなものを考えて、実情に即して何か処置するのじやないか、こういうように我々は解釈したので、愛知氏がたまたま正直なこと言われたのじやないか。そうであるならば我々もこれは又考えようがあるのであつて、非常に今重要であつたので、私はお尋ねしたのです。決して愛知さんをいじめるとかいじめないとかいうのじやなくて、実はこの問題で今苦慮しておりますから、たまたまそういう御発言があつたので、実際はそういういろいろな何と申しますか、弾力性ある考え方があるのか、こういう意味で御質問したのですから、誤解のないようにその点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/90
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091・中川以良
○委員長(中川以良君) よろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/91
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092・菊川孝夫
○菊川孝夫君 起過勤務手当は又別のなにで、一つこの特別会計の中で、今長官から御説明のあつた中で、外米を輸入した場合には、これはその原価計算はどうなつておるのですか。買入価格と売渡価格の差額の問題はちつとも御説明の中にはないように思いますが、外米の場合には政府は儲かつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/92
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093・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 外米は実はいろいろの国から買つておりますので、そのCIF価格というのがまちまちでございます。国によつて非常に違うのでございます。平均いたしますると一応二百十三ドル程度になります。現在の国内の要するにドメステイツク・CIFという言葉を使つておるのでありますが、仮に国内のものをずつと港まで持つて来まして、そこでCIF価格を算定いたしますと百四十四ドル程度であります。そこで二百十三ドルと百四十四ドルの差の六十九ドルが外米のほうが高うございますので、それだけを円に換算しましたものを輸入補給金の平均の厳価にしたのですが、具体的には個々に違つて参るわけであります。当初予算では四十ドルでありましたのが相当外米が高くなりまして六十九ドル程度が輸入補給金の平均単価になつております。個々に皆違つて参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/93
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094・菊川孝夫
○菊川孝夫君 その輸入補給金がこの食糧管理特別会計の中から負担されるのではないのですか、これは別に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/94
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095・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) この百四十四ドルのほかに輸入補給金は別途一般会計から繰入れておるのでありますけれども、これは特別会計法に輸入補給金は当然繰入れるということになつておるのであります。毎年々々これ仕議会の審議に付す必要はない、特別会計法上輸入補給金は繰入れることができるのでありますので、具体的には予算がきまりますればきまる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/95
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096・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと外米の輸入価格は今の日本の米に換算いたしまして石当り幾らになつて、それから配給価格は幾らになつておるか、それを一つ概算で結構ですが、お示し願えませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/96
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097・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 二百十三ドルをちよつと円に換算をして申上げます。
配給価格のほうは実は外米の中に二種類ございまして、御承知のように長細い外米と日本米的な外米とあります。いわゆる日本米的外米を準内地米という言葉で実は申上げておるのでありますが、準内地米は十キロやはり六百八十円という今回の内地米価格と同じように売るわけであります。いわゆる長細い外米はこれは十キロ五百八十円で配給する。従来五百五十五円でしたがこれを五、百八十円に値上をするのであります。内地米と外米の比率は、内地米を一〇〇といたしまして外米は従来九〇%で歩つたのでありますが、格差を開きまして八五%といたしまして、外米のほうを相対的には内地米より低くしておるのであります。実情に即して価格をきめたのであります。この外米々々と申上げますのはいわゆる長細いタイ、ビルマあたりから来るものであります。その他の外米は内地米と同じ値段で計算をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/97
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098・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと、この輸入米はすべてやはわ内地産米同じように食糧管理法としては総合して配給することになるわけだろう思いますが、そうしますとこれにもやはり手数料その他は特別会計のほうで負担になるのじやないですか。輸入するまではいいだろうけれども、輸入後は内地米と同じような操作で配給その他のルートに乗つて行くことになると思うのですが、その費用はやはりこの特別会計の中に含まれるんじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/98
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099・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) さようでございます。今百四十四ドルということを申しましたのは、そういう手数料を込めまして、もう一遍港まで内地米を遡つて持つて参つた場合の価格が幾らになるかということでございます。それを百四十四ドル、それには当然食管の経費その他が織込んでありまして、それから内地米と外米は同じ計算でありまして、外米にも当然そういう経費は織込ずみであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/99
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100・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、端的に申しまして一石当りの米にしますと今御説明の準内地米と純粋の本当の内地米と石当りにしますと原価計算がどちらのほうが高くなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/100
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101・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 港へ着いてから以後の国内の問題でありますと、これは同じように全部をひつくるめましてコスト計算をしておりますので、外米と内地米とはコストの差異はないのであります。ただCIF価格が大変に違うのでその差だけを補給金で補つておるということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/101
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102・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと内地の産米はかなり外米と今対抗する場合には端的に言つて安い。輸入補給金を出さなければならんぐらいですから安いということになるわけですか。この買入価格の石当り七千五百円というものは外米に比べて安いこういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/102
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103・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) その通りでありまして相対的に外米と比べれば非常に安いということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/103
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104・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますとこの日本の産物はできたものはすべて石炭にしろ何でも外国と比べて高過ぎる、だから輸入は伸びやせん、こういうことを言つておるのだが、この米だけは輸入したものは高くて、そうして内地産が安いということは、それだけ農家のほうでは安い米を買上げられておる。こういう結果になるんじやないですか、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/104
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105・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 米は、殊に内地米の絶対量が非常に不足をいたしておりますので、そこに現われて来る価格が非常に実は高いのであります。又世界的にみましても、従来九百万トン以上の貿易量のありました米が現在四百万トン程度より貿易量がない。そこに日本は百万トンも輸入いたしましたので、相当国際相場をつり上げておる傾向があります。高い安いとなりますと、これはなかなか価格政策の根本でありましてむずかしいのでありますが内地米の絶対量が足りないところに現われておるところの価格というものがこれは確かに政府のマル公の価格は安い、併しマル公の価格そのものが私としては不適正であるとは決して思つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/105
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106・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それでは次に食糧庁の関係で最後にお尋ねしたいのですが、この食糧管理特別会計の枠にはまつて来る内地の産米と、それからこれに載らないいわゆる実際的にはもう闇に流れておる米の量、そのパーセンテージは一体どのくらいですか。想定して毎年六千八百万石とか九百万石とか言つておるが、そのうち食糧管理特別会計には何千万石載つてその他農家の自家米は幾ら、それから闇のほうへ流れるのは幾ら、大体あなたのほうでは見込はどのくらいに見込んでおられますか、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/106
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107・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 闇米が幾らあるかという問題は正式に統計上むずかしい問題でありまして、統計上推定できる量としましては一つは農林省の農家経済調査があります。農家経済調査の中に供出外米、その手取金額というのが統計上ございます。それを最近のものを全国平均いたします乏一農家当り八斗七升となつております。併しこれは米麦農家だけにかけてよいのか或いは全農家にかけていいのかによつて計算が非常に違つて参ります。
もう一つは消費者家計調査がありますが、これの配給外の米の購入量でございます。これは遺憾ながら最近若干ふえておりまして、東京なんかでは四日以上の闇購入量になつております。それもこれを全国全消費者家計にかけていいのかどうか、或いはどの程度の消費人口にかけていいのかということについてなかなかむずかしい問題でありますので、例えば農家六百万戸にかけるか、米作農家四百何十万戸にかけるかによつて又違つて参ります。それからCPSのほうも全消費世帯にかけるのかどうかということによつて変つて参ります。その総量につきましてはにわかに合理的な基礎は実はないのであります。あとはこれはおのおの推定する以外に政府としての資料からは出て参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/107
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108・菊川孝夫
○菊川孝夫君 資料として出てないとしても、食糧庁長官としてはやはり闇に流れている米穀は相当量あるということは認めざるを得ない。これを正当なルートにのせる。この七千五百円というやつは大体安いからして闇に流れればどうしても高い。ところが場所によりましては山形、秋田あたりの本当の原産地に参りますと、むしろ殆んど公定価格、供出の価格と同じくらいな金で買える。十キロ六百八十円くらいでしたら、むしろこれより安いような金で現地で調達できるというようなことが公然のニユースとして流布されている。そうするとそういつたものをもう少し食糧管理の特別会計の運用如何によつて、そんな安い金で出せるのなら食糧管理のほうの正当なルートにのせるというところからしまして方法を考えなければならん。その意味におきましてどうしてもこの七千五百円が、つきつめてみると外国の米と比べても安いし、それから現地のほうに行きますと多少はこれより安い所があるかも知れんが、消費者の価格よりは安いくらいの金で相当流れて行くということになると、もう少し石七千五百円のきめ方如何によりましては、或いは管理費用の七百六十三円ですか、これを節約して七千五百円のほうにふやすというような操作によつては、この食糧管理の正当ルートにまだ相当乗り得る米があるのではないか。そうすると高い準内地米や外米を買うことが要らなくなるのではないか。こういうふうな素人考えで考しえるわけですが、それには当然百十四億六千万円を或る程度増額しなければならん。併したとえ二十億や三十億増額したとしても、それが可能であるとすれば成るべくそうしたほうがいい。麦のように統制しないのなら別ですが、そうでなければできる限りルートに乗せるようにしなければならんと思うのですが、半ば公然と闇米のばつこを認めておきながら而も米は統制している。特別会計におきまして百十四億六千万円も繰入れるくらいならば、もう少しふえることによつてそういうことも可能であるように考えるのですが、食糧庁長官どういうふうにそれをルートに乗せることを研究しておられるかどうか。大体今のように放置しておいて或る程度は闇米があつてもうるおいがあつていいというような考えで食糧管理をやつておるのかどうかその点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/108
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109・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 誠に御尤もな御意見でありまして、農家から言えば成るたけ政府に出すということが、現実問題として闇価格等がありますために闇と比べると政府の七千五百円は確かに硬い。我々といたしましては実質的な手取を成るたけ保証して参りたいというので、二十五年二十六年以降の農民の手取とその後の物価差を見まして実質的な手取を確保しようということで、財政上の事情等も考慮して七千五百円のほかに若干の奨励金等を加えまして、手取は包装込で八千百七十六円というふうになつております。この基礎はやはり過去の農家の実質的手取額を保証するということから出て来ておる一つの数字なんであります。一面消費者のほうは闇購入量というものが月によつて変りますけれども、大体十五日配給であれば四日乃至五日が闇購入量ということに統計上なつております。それを平均しました実効価格に余り変りのないようにするのが食糧政策として重要でありますので、我々といたしましても闇価格そのものを慎重に推移を検討いたしまして実質的に家計の圧迫にならんような配給政策をとりたいということで、その関係において供出割当もやり超過供出もお願いをいたしまして、農民及び消費者両方とも実質的な影響のない形で検討を進めております。それが義務供出のほかに義務供出も相当量お願いするし、配給の価格は先ず六百八十円程度で一つ持つて行きたいという結論に実はなつたのであります。
なお先ほど御質問になりましたドルを、石になおす計算ができましたのでついでに御説明いたしますと、CIF二百十三ドルということを申上げました。これはトンでありますから石にいたしますと一万九百二十一円であります。それから国内のドメスチツクCIFが百四十四ドルと申しましたが、これはトンでありますから石になりますと七千三百八十三円、これは港まで内地米を持つて行つた場合の経費を引いた金でありまして、その差三千五百三十八円が輸入補給金の石当りの単価であります。こういうふうに御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/109
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110・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それでは最後に一つお尋ねしたいのは八千百七十六円を仮に一万円にこれをすると推定いたしまして、現在の消費者価格はそのままに据置くというふうにしてみますと、これは概算で結構だと思いますが、そうするとこの百十四億六千万円がどのくらいの額になりますか。これを倍額ぐらいにしなければ、それだけのことはできないのかどうか、推定で結構ですからちよつと参考までにお知らせ願いたい。一万円米価ということが盛んに言われておりましたので、当然食糧庁のほうでもそのくらいのことは計算されて、一万円にした場合には繰入金がどれだけにしたらそれが合いますか。併しそれが国の財政上許されないので、八千百七十六円、こういうふうに抑えられたと思うのですが、そういたしますと、或る程度今闇に流れているものも正当ルートに乗つて来る。こういうふうに思うのですが、概算で結構ですから御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/110
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111・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 七千五百円と現在の消費者米価六百二十円を据置くだけで、私のほうの計算は輸入補給金も含めまして五百二十一億ということになつております。それに一万円といたしますともう二千五百円か、仮に二千八百円としますともう七費億以上要るわけですから一千二三百億には確実になるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/111
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112・菊川孝夫
○菊川孝夫君 毎年十一月になりますると、その年の産米予想というのを農林省から発表されて、この産米予想のうちで今この食糧管理会計のルートに乗るといいますか、それに買上げられるのは何%ぐらいが毎年買上げられていることになるのですか。今年のパーセンテージと、今年の最終予想額と産米予想、それに買上げられる予想額はどのくらいになつておりますか。その点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/112
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113・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) これは年によつて非常に違いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/113
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114・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今年はどのくらい……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/114
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115・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 四割五分程度であります。一応……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/115
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116・中川以良
○委員長(中川以良君) ほかに御発言ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/116
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117・木村禧八郎
○木村禧八郎君 簡単に伺いたいのですが、この食管特別会計の資産勘定の、いわゆる蓄積資金といいますか、ああいうものは、使う場合に、例えば食管の赤字補填に使うというようなことはできるですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/117
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118・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 損益計算上の益はいろいろのものから成つておりますが、インベントリーフアイナンス二百七十億がある。それは明らかに利益でありますが、それだけ年度末の糧券の発行が減つておるわけです。そのもの自体の裏付としては物があるけれども、仮にその二百七十億を仮に出せと言われますと、物を売るか、糧券を発行するか、そうする以外にない。物を売るわけには、これは配給品が多いのでできませんので、それだけ糧券発行を殖やすということでそれだけの金が現金として出て来る、こういうふうに御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/118
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119・木村禧八郎
○木村禧八郎君 もう一つ。この学校給食用の外麦関係の赤字補填は、結局若しこういう赤字があれば、まあ全体としては僅かでしようが、消費者価格をその分だけ引上げていいという、要するに消費者価格でかぶるということにならないでしようか。この食管全体の関係として、一応今度の百十四億六千万円という赤字補填が出て来ますが、これはお話の、いろいろ項目二十六、七年度産米関係とか、酒米販売等或いは国内産麦関係等いろいろあります。それから学校給食もありますけれども、これは食管関係として、全部ひつくるめて考えられておるわけですか、この赤字補填は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/119
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120・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 百十四億結論としての赤字でございますが、コスト計算いたします場合には、各物別に実は、コスト計算をいたしておりますので、学童給食は麦でありますので、米の問題には関係なしに計算しております。麦は麦として計算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/120
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121・木村禧八郎
○木村禧八郎君 併し結局、トータルの赤字としては百十四億六千万円、そうしますと結局実際問題として、それは消費者価格で今度二割消費者価格を上げますね。そうすると、若しこの赤字補填がなかりせば、その分だけ消費者価格は上らなくて済む、こういうことになるのじやないですか、そこのところをちよつと御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/121
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122・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 別にこれと関係はないと思うのですが、百十四億の中には米もありますから、米の赤字をこれを持つて頂かないと、もつと消費者価格にこの赤字だけをかぶせるということになりますと、もつと上るというフアクターになるわけでして、少くとも十二月まで安く売つた米の赤字だけはこれを持つて頂かんと……六百八十円で済んでおるのです。これを若し消費者に、あとから配給するものにかぶせますれば六百八十円では済まないということになるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/122
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123・木村禧八郎
○木村禧八郎君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/123
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124・小林政夫
○小林政夫君 最初に二十七年度の損益計算というのを見ますと、やはり本年度の損失は六十七億五千四百万円、それで今度のこの法律による百十四億何ぼの損失補填をして更に六十七億五千四百万円、という損失が出ておるということは、どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/124
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125・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 前年度からの繰越が四百四十四億九千二百万円があるのでありますから、百十四億の赤字繰入をいたしましても、なお且つ六十七億五千四百万円の損失を計上しております。これは見込みでございますが、これは一つは予備費を五十二億程度計上しております。予備費は一応損失としてここに現われて来るわけです。そのほかに砂糖等が、北海道の甜菜糖を買いましたり、或いは従来砂糖等で統制中のものがございまして、それを食管で在庫品として整理をいたしております。これは当時よりは下つておりますので、損をいたします。五十二億との差、約十四億程度が砂糖の見込赤字でございます。これを合せまして六十七億五千七百万円が、本年の損失、こういうふうに御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/125
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126・小林政夫
○小林政夫君 私の一言つているのは、損失の原因を聞くよりは、こうやつて百十四億何ぼを一般会計から繰入れをして、損失補填をするのになお且つその損失補填した後においてやつて見たら、今おつしやつたような事由が発生して、決算して見たらこれだけの、なお六十七億五千四百万円の損が出たというのならわかるが、損失補填をやる際に予見される損失というものは六十七億ある。それを今のように細かくずつと損失計算をして、補填の百十四億の計算の基礎が出ておる。更にそのほかに現在量売却による利益を差引計算をしておる。こういう計算をするならば、前年度の繰越利益金として今おつしやつた四百四十四億九千二百万円という繰越利益がある、それを差引くならば、今の六十七億の損失が出ても百十四億というふうにそんなに繰入れなくともいいんじやないかという気もするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/126
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127・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 小林さんの言われる御趣旨で行けば、それだけ糧券の発行を殖やすということであれば、含み資産を食つて行くという……含み資産が四百四十四億ございまして、六十七億減りました。従つて残りが一応予定されるのでありますが、それが百十四億、繰入がない場合は、それだけ年度末に糧券を殖やして行くということであれば、一応計算もできるのであります。一応政府としては、本年の米麦等による止むを得ざる赤字だけは繰入をして行くということで計算をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/127
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128・小林政夫
○小林政夫君 含みを消さないという趣旨からいうと、それは六十七億五千万円くらいは含み資産に食い込んでもいいというこういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/128
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129・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) それは六十七億の中には予備費がございまして、予備費五十二億というのはやはり赤字として計上せざるを得ない。あとは砂糖として、砂糖の赤だけは一般会計から繰入れずに食管の操作で一つやろう、こういう方針でございまして、まだどれだけの赤が出るのか決算をいたしていないのでわかりませんが、一応十四億程度になるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/129
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130・小林政夫
○小林政夫君 併しこれだけの厖大な資金の特別会計でありますから、五十一億くらいの予備費というものは前年度においては当然持つておつたわけでしよう。前の予備費はどうだつたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/130
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131・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 昨年は、予備費は超過供出奨励金という形で集荷委託費に流用いたしまして、利用いたしまして支出したということでありまして、本年は今のところ五十二億そのものを計上して、まだこれをどう使用するかということは、弾力性を持たして、二十六年度の赤字は百十四億の中に含まれておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/131
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132・木村禧八郎
○木村禧八郎君 今後こういうつもりで行くわけですか。糧券発行を整理する意味で、四百四十億幾らかを繰越して含み資産としてずつと持つて行くわけですか。これは変えないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/132
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133・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 将来四百四十四億と六十七億の差でございますが、含み資産は三百七十億程度でございます。それをどうするかという根本方針になりますると、まだ来年度、再来年度の方針がきまりませんので、私から何とも申上げることができないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/133
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134・木村禧八郎
○木村禧八郎君 まあ糧券は、要するに運転資金ですね。米を買う運転資金です。今度は大体インベントリー・フアイナンスがやらないという建前をとられているということが、今度の補正には出て来ておるのです。そこで過去にやつたインベントリー・フアイナンスと糧券を税金で賄つているのですよ。それはやつぱり続けて行くわけなんですね。一応方針としては新たに今度はインベントリー・フアイナンスをやらないが、過去にやつたインベントリー・フアイナンス分は、これはやはり若し運転資金を金融のみにおいて賄うということになれば、そこに余剰が出て来るわけなんです。それだけはインベントリー・フアイナンスをやらないという原則を今後ずつとおとりになるとすれば、過当にやつたインベントリー・フアイナンスというものは、やつぱり続いているのでして、やはりこれは大きな政策上の問題になるのでしようけれども、どうなんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/134
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135・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) 只今のお話は御尤もな点だと思います。ただ二十八年度からどうやつて行くかということにつきましては、先ほどもお叱りがありましたけれども、実は政府でもまだお諮りするところまで成案を得ておりませんので、この国会が終了いたしましてから直ちに検討を早急に加えまして、正月の国会に御審議を願うことにいたしたいと考えております。勿論我々の只今までの研究の過程においても、今木村さんの御指摘のような問題を審議の対象として取上げていることは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/135
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136・小林政夫
○小林政夫君 そうすると先般提出して頂いた資料によると、二十七年度における手持ち食糧の量が、当初予算と補正後の予算との開きを出してもらつたのでありますがその資料によると、玄米換算にしてむしろ殖えるわけですね。これは単位がどうなつていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/136
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137・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 千トンです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/137
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138・小林政夫
○小林政夫君 千トンですか。そうすると当初は二百九十二万九千トンであつたものが、補正後においては三百二十九万六千トンということになるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/138
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139・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/139
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140・小林政夫
○小林政夫君 そうするとそれだけ含みが殖えたと……、含みが殖えたということじやない、別に資産的には前に食い込まなかつたということになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/140
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141・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/141
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142・小林政夫
○小林政夫君 そうすると六十七億五千四百万円という赤字が、この赤字も今の御説明によると、予備費五十億というものは必ずしも使うか使わないかわからない。そうしてこれは或る意味においてはこれだけ出ないかも知れませんが、損失が発生したという場合においては、この繰越食糧の数量のほうには影響ないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/142
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143・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) この当初予算と殖えましたのは物別に見ますと、米等は外国米と内地米を入れますとそう変りはないのでありますが、麦類等が若干殖えております。これは統制を撤廃いたしました以後の情勢等を検討いたしまして、政府の適正な手持量等をいろいろ検討の結果、大裸筆若干変更する必要があるというので、持越量を修正いたしたのであります。これは別段損益勘定の問題には変りはございませず、糧券の発行限度或いは年度末の糧券の問題には関係して参りますが、赤字、黒字の問題には別段変りはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/143
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144・小林政夫
○小林政夫君 糧券の発行で操作すれば、それは済むかも知れませんが、二千二百億という枠を拡げて、その枠内においてどうしても操作しようとすれば、場合によつては食糧を売つて金に代えなければならんということが起つて来ると、二千二百億という今度枠を拡げたということによつて、それは十分その範囲内において操作をするということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/144
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145・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 最高限度は先般御審議を願いました二千二百億で私は行けると思います。三月末は本年度予算では千四百七十億という限度にしております。千四百七十億で行くことには、これは米の集荷状況その他が非常に影響して参るのでありますが、先ず千四百七十億で我々としましては年度が越せるのではないかと今推定いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/145
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146・小林政夫
○小林政夫君 予算書の歳出の項で、食糧買入費の説明書の中で食糧買入代金の減少というのが二百四十七億ございますが、この説明書だけではよくわからないので減るものは引いて、殖えるものは加えて、差引したものが明細に載つておるようでありましたら、アイテム別に説明して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/146
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147・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 当初予算では麦の統制撤廃ということを予想しても、その買入数量等がどのくらいに見積るかわからなかつたために、七百八十万石という玄米価格になりまして、従来数字をそのまま計上しておつたのであります。ところが統制撤廃以後補正予算案に計上するまでに大体の数字がはつきりいたしましたので、主としてこれは国内の大裸、小麦の数字を修正減少いたしたというようなことが大きな買入費の変更の原因でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/147
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148・小林政夫
○小林政夫君 数字的に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/148
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149・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 数字的に申上げますと、大麦は当初三十五万トンありましたのを六万トン、裸麦が四十四万三千トンでありましたのを九万トン、小麦が六十三万六千トンでありましたのを三十六万一千トン、こういうように国内の玄麦の買入数量を修正減少したというのが大きな原因であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/149
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150・小林政夫
○小林政夫君 そうすると今のを金額にして言つてみて下さい。その数量を……。二百四十七億の内訳ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/150
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151・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 物別の内訳は今私は持つておりませんので、一本で国内食糧買入費となつておりますので、内訳の金額は取調べまして申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/151
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152・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、今おつしやつた大麦と裸麦と小麦はこの補正で金額は減つておりますが、トン数も今おつしやる通りになつておるわけですが、この当初予定額と補正予定のこの大麦、裸麦、小麦の三項目の差引した合計がこの二百四十七億になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/152
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153・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) そのほかに実は米が極く僅か厳密に言いますと殖えておる。この数字は極く僅かでありますが、若干殖えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/153
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154・小林政夫
○小林政夫君 殖えておるのですけれども、これは買入代金の減少額をお尋ねしているわけなんだが、そこで米のほうは殖えているが、そこに又どうも数字の内訳がよくわからんのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/154
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155・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) それは大きな減少した原因は大部分は麦でありまして、今申上げました数字が買入費の減少いたしました大きな原因であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/155
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156・小林政夫
○小林政夫君 それではあとで数字的に詳しく。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/156
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157・木村禧八郎
○木村禧八郎君 まだ小林君の御質問残つているようですが、あとで資料によつて又御質問するようですが、そうしますとそれを待つてから質問を終つて採決することになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/157
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158・中川以良
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/158
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159・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/159
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160・菊川孝夫
○菊川孝夫君 先ほど長官の説明の中で、酒米とそれから工業用原料米の売渡しによつて九億円利益があるこういうお話でございましたが、そうすると酒米でもやつぱり石は平均七千五百円で買入れて、そうしてこれの売渡しは一体どういうふうになつているかそれから工業用原料というのは一体どういうのを指しているか、その数量等を御明示願いたい。特に問題になるのはなぜこれをお尋ねするかというと、酒米には優秀な米を使うだろうと思うのです。工業用原料は余りいいものを使わないだろうと推定するのですがそうするとこれらの売渡し値段というものが相当微妙な関係に私はあると思うのです。端的に申しまして、九億円がもつと上るようなやり方もできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/160
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161・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 酒米等の予定でありますが、四月から十月までに大体二万七千トン、過去の数字であります。十一月からこの年内に六万トン、一—三月で五万八千トン程度を予定いたしております。売却価格が六万三千八百五十三円これはトンであります。それに対してコストは一応五万四千三百八十七円、なお一月以後若干コスト計算上上りますので、一月以後の分は五万九千五百八十円になります。十二月までの分は五万四千三百八十七円で、一月以後は五万九千五百八十円に見積りまして、その差額が先ほど申上げました利益になります。酒米等は相当食管としては利益を上げてお渡しをしておるということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/161
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162・菊川孝夫
○菊川孝夫君 六万三千を五万四千で売ることが安いか高いかということは非常に問題だと思うのでありますが、特に六万三千というのはこの食管としての買入価格で、農家から買う値段であつて、丁度八千百七十六円に該当するのはこのトソに換算して六万三千円と、こういう意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/162
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163・厚味荘之助
○説明員(厚味荘之助君) 今の六万三千八百五十三円と申しますのは、これは一般の工業用原料の売値の建て方の問題でありますが、おおむね消費者価格の水準できめております。従つて、普通の配給用のものを政府が卸に売る値段よりは、消費者価格の末端水準でやつておりますから、高くなつております。その高くなつておりますのがその六万三千円という数字でありますが、細かく言いますと、六万三千円は各等いろいろなものがありますから、これは平均した数字になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/163
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164・菊川孝夫
○菊川孝夫君 その六万三千円というのは、工業用も酒米も平均した値段でございますか。大体この工業用というのは、我々素人眼に考えましても、悪い屑米なんかを工業用に使うのだろうと思いますが、酒米というのは、昔から、僕らの子供の時分から一番優秀な米で、一等品ときまつたものでありますから、その一等品の値段と……、この八千百七十六円というのは均らしだと思うのですが、それとこの六万三千円というのは酒米にどういう値段に付くか、こういうことを私はお尋ねしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/164
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165・厚味荘之助
○説明員(厚味荘之助君) 具体的に酒米については、おつしやられるようにあれはよい米でありまして、買うときも高く買つております。従つて今申しました数字は、単に工業用……、工業用にはいろいろ悪いものもありますが、予算上は平均して一本にいたして出しております。その線で現実に行つております。それに対して酒米については買入価格において加算して高く買つているだけは、又高くプラスして売つている。従つてこの数字よりは具体的に売る酒米の値段は更に高くなつておりますが、それは買入値段でも高く買つているので、この計算では両落ちにしているわけであります。具体的にはおつしやられる通りいい米でありまして、より高く……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/165
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166・菊川孝夫
○菊川孝夫君 その具体的な数字を私お尋ねしているので、今八千百七十六円という先ほどの長官の御説明のような計算をしますと、酒米は石当りにしてどのくらいになるか、それと売渡しをどのくらいになる、こういうので、それから工業用はどういうことになつているかということをお尋ねしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/166
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167・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 具体的に幾らで売るかということは今ちよつと数字を持つておりませんから平均を申上げたのでありますが現実は消費者価格で売渡すものでありますので、基準につきまして中間経費だけは儲かるという益になつて現れる、こういうことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/167
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168・菊川孝夫
○菊川孝夫君 なぜこれをくどう申上げるかというと、酒米ならばそれは或る程度、九億の利益のようにあなたのほうでは一応計算しておられますけれども私はもつとこれはいい米を而もこれは普通のいい米を買つてそうして売るのでありますから、これは利益を上げ得る余地はないと思う。そうしますと一般会計からの繰入は少くて済む。こういうふうになるわけでありますしそれを一応調べてみたいというわけでありますから、その資料をお願いいたしたいと思うのであります。まあ伊藤さんの前ではちよつと言いにくいのでありますが。 (笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/168
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169・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 酒米はこれは政府としては実は格差をきめまして、正式に実は官報に告示いたしまして売払価格もきまつておりますし、買入価格もいい米でありますから、農家から、具体的に若干高く買つております。具体的に幾らという計数はきまつておりますが、持つておりませんからお答えできなかつたのでありますが、それを原価にして主税局で酒税の計算になるわけであります。これを高く売れば繰入の減ることは勿論であります。それと同時に酒のほうの税の関係もありましてそれだけ税が、酒税の収入が減ることと同じことであります。そういう関係でこれを計算いたしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/169
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170・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それは長官の言うのはおかしいのでありまして、酒税が減るというよりも、高く売りました場合には当然その酒造業者のほうの、酒屋の小売のほうの手数料が減ると酒屋さんの儲けは少くなる。こういうことにしましたらそういう行き方もあり得るわけであります。大体昔から酒屋というのは、これは平均よりは、国民の生活の水準よりは酒造業者というものはちよつと上のほうにあることは、これは常識なんであります。だからそういうのを少しせばめるという行き方も考えられる余地は十分あると思うのでありますが、その点をお聞きしたいために、私一ぺん調べてみたいような気がするのでありますが、だから九億というのはどうも少いような気がするのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/170
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171・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 食管としましては、酒屋に売るときは中間経費が実はいらないわけであります。普通の消費者に売るときは卸小売を通りまして配給されるのでありますが、酒屋に売りまする場合には中間経費がかからないものを、中間経費がかかつた形において消費者価格の水準になつておりますから、それだけ食管は益が出て来ます。大部分それから益が出ております。更に酒米を高く売つてどうするかという問題になつて来ますと、これは食管会計の問題でなしに、主税局の税との関係の問題であります。酒屋の関係なり、行政をやつております大蔵省主税局の関係になつております。私どものほうでは食管会計から中間経費のかからないものを、かかつた形で高く売つておりますから、これが主なる益であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/171
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172・菊川孝夫
○菊川孝夫君 ちよつと納得が行かんのでありますが、いい米だからして平均よりはこれはもう高く買つているのですから高く売るのは当り前です。酒米というやつは、まあ工業用原料のほうは悪いだろうと思います。何に使うやつを工業用原料というか知らんが、従いましてもつといい米、より抜きの米、酒造米というのはどうしてもこれは一等米にわかつているのだからして一等米を買つている。この中間経費がかからないとおつしやいますけれども、それは小売だけは要らないかも知れませんが、あとプラスするものは倉庫料それから運送費というものは実際にちつとも変らん、酒米にしてもちつとも変らん、小売の手数料が必要でない、こういうことだけの違いだと私は思いますが、そういう経費もそう大して違わんと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/172
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173・東畑四郎
○政府委員(東畑四郎君) 一等米、二等米、三等米、四等米という格差は相当見ている。それはいい米を売る場合は格差上当然高く売つておりますが、これは予算でありますから、これは平均の単価でお話し申上げているのでありますが、現実いい米は年によつて相当違うわけであります。いい米はそれだけ歩留りがいいわけです。それだけ高く売つております。ここで中間経費が相当節約できるわけでありますから、が相当にある。農民から相当高く買つたものは高く酒米を売るということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/173
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174・中川以良
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/174
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175・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
他に御発言もないようでございまするが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/175
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176・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/176
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177・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私時間を急ぎますので先にさせて頂きます。食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案に反対いたす者でございます。反対の理由は、根本においてこの繰入の背景になつている食糧政策及び農業政策に対する政府側の立場と異なる立場をとつていることがその根本の理由であります。我々の考えといたしましては、完遂奨励金とか或いは早場米奨励金その他の奨励金等を出して一万円近い値段で超過分の食糧を買入れるという政策がとられていますが、むしろ我々は一般の米価をもう少し引上げてそうして超過供出できるような、富農的な一部の人たちを救済するのではなく、全体として米価をもつと引上げてそうして食糧の供出の確保をすべきであるという考え。それから従つて米価七千五百円では少い、一応一万円米価を要求しているわけですが、仮にすぐそれが予算上できないとしても、まあ八千五百円くらいには引上げなければならない、そのほうが効果的である、こう思うわけです。更に又輸入食糧につきましても、米価を政府が今度きめました七千五百円よりより以上上げることによつて国内の食糧の確保がもつとできると思いますので、そういう点を考え併せて見ますと、今の政府のやつている食糧価格政策は、殊に米価政策は非常にまずいのじやないかと思います。それから消費者価格については我々引上げに反対であります。従つて我々の主張を通せば、むしろもつと赤字補填額は大きくなるわけです。併しそれは我々はこれを社会保障的な観点から見ているわけです。そういう意味で我々はこれを解釈しておりますので、そういう根本的な立場が違いますので、本案に反対するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/177
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178・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私も本案には反対をせざるを得ないのです。なぜかと申しますと、先ほど食糧庁長官からすでに詳しく御説明願いましたところ、どうしても外国の米のほうが日本の米より高い、高くつく。石炭にいたしましてもその他の工業製品が今はどちらかと申しますと、日本の品物が高いからして輸出は伸びない、こう常識的に言われている。ところが米だけは日本の米が安いということは、それだけ農家は安く供出を強要されているということは常識上言い得ると思うのであります。従いましてこの七千五百円が、先ほど木村君が言われましたように、安過ぎるのではなかろうか。その証拠には現在この食糧管理の正式ルートに乗らないところの闇米というものが相当動いているということは誰でも認めざるを得ない。而も特に気の毒なのは、米産地の僻陬地の農家であります。それは殆んど消費者価格と同額くらいな、消費者価格以下か、消費者価格と同じくらいで現に自家保有米を売つているような所もある。といたしますならば、米産地におきましてはこの供出価格だけでは収支が償わないということを私ははつきり現わしているのではないかと思うのであります。ところが都会地の附近になりますと、大分消費者価格よりいい値で農家から取引されている。それで具体的に申しまして、山形や秋田の山の中に参りますと、殆んど消費者価格と同額くらいな闇米が取引されている。こういうことを考えましたときに、もう少し供出価格を引上げるということにいたしましたならば、これらはすべて、すべてとは申せないとしても、相当量食糧管理の正式ルートに乗つて来る余地が私はあるのじやないかと思う。どうせ食糧管理をやつている以上は、成るべく正式ルートにたくさん乗せるようにするのが正しい行き方ではないか。今までのような強権取締をやるということになりますると、ちよつとほうぼうに問題が起きて来ると思いますけれども、でき得る限り正式ルートに乗せるようにしますると、闇の米も食糧管理の正式ルートに乗つて、流れる米も大体見合うようになつて参つた場合に、闇米というものの弊害も非常に少くなるだろう。こういうふうに思いますので、我々としては一万円米価ということをかねてから主張しておつたのでありますが、いま一歩そこまで近ずけるということになりますると、相当量食糧管理のほうへ乗つて来る。そうすると外国米の輸入もそれだけ少くて済むようになりまして、ドルはほかの材料、原料を買うほうに廻し得るということにもなりますので今高い外米を買つて、而も内地米より高い外米を買つてこれに補助金を出してやるよりも、正式ルートに乗せることによつて或る程度外米は抑えることができるのではないか。こういうことも考えられますので、今後の食糧管理のあり方といたしましてでき得る限り正式ルートにたくさん乗せる。そうするには、どうしても買入価格を或る程度引上げなければそれは不可能だと思います。従いまして現在政府が提案されておりまする繰入金につきまして百十四億六千万円については、もう少し増加することによつてそのことが可能になる。従つてその百十四億六千万円よりも私はもう少し繰入れて、そうして買入価格を引上げることを主張したのでありまするが、遺憾ながら石七千五百円ということで決定して今日提案されましたけれども、我々の主張と相当開きがありますので、私たちは本案に反対する者であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/178
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179・堀木鎌三
○堀木鎌三君 私改進党を代表して申上げたいのでありまするが、この食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案は、その法案自身としては本年度の食管特別会計の歳入補填の案でありまするから、事務的に見ればそれ自体としては経理上必要だということは言い得ると思います。ただ私どもは今詳しくここで理由を申述べますのもどうかと思いまするから申述べることを差控えたいと思いまするがともかくも私どもは二重米価制度を考えているのであります。生産者には生産を償う価格を、そうして消費者には現下の情勢から見まして消費者価格を上げないで行きたい、行くべきであるという考え方をとつている。今食管特別会計のいろいろな御説明を承りましても、供出数量と米価の問題といろいろなものを合わせて一つも合理的にこれが処理されていない。尤も政府は一方においては米の統制撤廃をモツトーとしながら却つて中途半端な食糧政策をとつておるように思うのであります。そういう点から見まして、食管特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案に反対するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/179
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180・松永義雄
○松永義雄君 私は賛成するものであります。ただ現在七千五百円では安過ぎるので、これをもつと農家のむしろ救済というかそういつた点で米価を引上げるべきものであるという希望を持つておるのであります。御承知の通りとかく農林省は肥料の問題についても外国には安く売つておるけれども、高い米を買わなければならん。外国には肥料を安く売るといつたようなことを行なつておるのであります。このように農民の再生産費ということは常に問題になつておるのですが、農民の負担が軽減され税金がもう農民には非常に軽くなつておる、こう言つておるのですがこれは納められないからそういうふうになつて来たのであつて、むしろ人としては税金が納められるような富の分配を受くるに越したことはないのであります。要するにこれは米が安いからこういうことになつておるのであります。この点は非常に遺憾な点であります。我々は現在の米が農民救済として非常に安いということは遺憾であるということを申上げて、一応賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/180
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181・小林政夫
○小林政夫君 緑風会としては、まだ予算に対する最終的態度が決定しておりませんので、只今堀木君が言われたような二重価格制の御主張を強力に持つておる人もあるし、予算に対する態度がどうなるかということがまだ決定しておらないので、この法案については、一応技術的な歳入不足を補填するという観点のみから賛成をいたします。後に予算等についての別の態度が出た場合においては、結局歳入不足をもう一回補填しなければならんということになるとその場合においてはなお別途増額の補填をするようなことが起るかも知れませんが一応今日の段階においては単なる技術的な補填法案として賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/181
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182・中川以良
○委員長(中川以良君) ほかに御発言もないようでございますので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/182
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183・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成のおかたは挙手をお願いいたします。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/183
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184・中川以良
○委員長(中川以良君) 多数であります。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定をいたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条により、本委員会における質疑応答計論の要旨、表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/184
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185・中川以良
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
それから本院規則第七十二条により、本委員長が議院に提出する報告書に付する多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
菊田 七平 西川甚五郎
小宮山常吉 大矢半次郎
小林 政夫 魚田 英雄
松永 義雄 岡崎 真一
伊藤 保平
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/185
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186・中川以良
○委員長(中川以良君) なお本日は午後二時半より引続き請願陳情に関する小委員会を開くことにいたしたいと存じます。
なお、本日は今期の最終日でございまするので、本日はこのまま委員会は休憩といたすことにいたします。さよういたしまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/186
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187・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは暫らく休憩をいたします。
午後一時五十六分休憩
〔休憩後開会に至らなかつた〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X01419521222/187
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