1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年二月十九日(木曜日)
午後一時五十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 中川 以良君
理事
大矢半次郎君
木内 四郎君
伊藤 保平君
菊川 孝夫君
委員
黒田 英雄君
平沼彌太郎君
小林 政夫君
小宮山常吉君
杉山 昌作君
野溝 勝君
松永 義雄君
政府委員
大蔵省主税局長 渡邊喜久造君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 小田 正義君
説明員
大蔵省主税局税
制第一課長 泉 美之松君
食糧庁総務部長 松任谷健太郎君
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本日の会議に付した事件
○所得税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○富裕税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○相続税法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○酒税法案(内閣送付)
○酒税の保全及び酒類業組合等に関
する法律案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/0
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001・中川以良
○委員長(中川以良君) 只今より委員会を開きます。
本日は酒税法関係は、只今衆議院の委員会で政府委員が行つて答弁をいたしておりまするので、酒税法の分は一応後廻しにいたしまして、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、富裕税法を廃止する法律案、相続税法の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず最初にこの四つの法律案につきましての、一応簡単な政府の内容説明が少々ございましたが、当時泉課長も欠席をされておられましたので、今日はそのうち主に重要な問題になるような点につきまして、特に一応御説明を伺いまして、その後において質疑に入りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/1
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002・泉美之松
○説明員(泉美之松君) それでは所得税法の一部を改正する法律案外三件につきまして概略御説明申上げたいと思います。
お手許に差上げていると思いますが、二十八年度税制改正の要綱について、それと条文を申上げながらお話したほうがおわかりいいかと思いますので、それを参照しながら申上げたいと存じます。
先ず所得税法の一部改正でございますが、所得税につきましては、何と申しましても、先般御審議をお願いいたしました所得税法の臨時特例法によりまして実施いたしました基礎控除、扶養控除、勤労控除の最高限度の引上げ、それから社会保険料の控除、税率の引下げ、この五つの改正が今度の改正の中で一番大きな事項になつておるのでございまして、全体の減税額が御承知のように千九億円のうち、所得税法の減税額が九百三十一億円、その九百三十一億円のうちにおきまして、臨時特例法を平常化することによります減税額が八百三十七億円、こういうふうに相成つておるのであります。従いまして、これらの事項が非常に重要な点になるわけであります。
なお、この基礎控除及び税率の改正におきましては、給与所得者につきましては、一—三月の間すでに実施いたしておりますので、四月以降におきまして、特に毎月の源泉徴収税額が減るということにはならないのでありますが、今度の改正は臨時特例法として実施いたしましたものを、所得税法の中に取入れて平常化するという点に意義があるわけでございます。
で、これらの改正につきましては、すでにこの前臨時特例法のときに申上げましたので、特に申上げるところはないのでありますが、ただ一、二点申上げますと、税率の点につきまして、この前特例法になかつたのでありますが、今度富裕税法を廃止いたしまして富裕税を課さないことにいたしますので、高額所得者に対する負担の適正化を図るという意味合におきまして、新らしく三百万円を超える金額に対しまして六〇%、五百万円を超える金額に対しまして六五%という新らしい税率を設けております。この結果所得税の最高税率は六五%になりまして、市町村民税の二〇%、つまり一三%を加えまして最高七八%の負担になるということになるのであります。まあ資産の、所得の如何によつて多少違いますけれどもも、大体におきましては、富裕税の場合に比しまして、所得税の税率を引上げることによる負担のほうが、所得税の税額と富裕税の税額とを合せた税額と、それから改正後の所得税の税率を上げたところとで比較して見ますと、大体において負担は軽くなつているということが言えるのでありまして、減税額におきましても、富裕税の減税額が十八億八千万円という額になつておるのに対しまして、所得税の税率引上げによる増収額は八億円になつておりますので、その点からいたしましても軽減になつておるということがおわかりになろうかと思います。
それからなお、要綱におきましては書いてございませんが、扶養控除額を、最初の一人につきまして三万五千円に引上げるということにいたしました結果、従来扶養親族の範囲といたしましては、年の所得金額が二万円以下のものを扶養親族とするということにしておつたのでありますが、今度、二十八年分の所得税からは、三万五千円以下の総所得金額のものを扶養親族とするということになつて来るわけであります。
そこで扶養控除額を引上げると同時に、扶養親族の範囲を拡げるということになるのでありますが、この扶養控除額を、最初の扶養親族一人について三万五千円に引上げる。と申しますのはこの生活費の実際をいろいろ検討して参りますと、世帯の人員が殖えるに従いまして一人当りの生活費というものは若干低減して参るのでありますか、独身者の場合に比べまして、扶養親族が一人、まあ大部分の場合妻になると思いますが、扶養親族が一人加つた場合の、一人当りの生活費の低減と、扶養親族が三人、四人と殖えた場合におきまする扶養親族の低減の状況とは若干違いますので、最初の扶養親族一人につきましてだけ三万五千円に引上げることにしたわけであります。ところが従来扶養控除を受けるにつきましては納税者の申告によつて誰の所得者の扶養親族とするかどうかということは、全部申告に委ねておつたのであります。ところが、扶養親族一人についてだけ三万五千円に引上げることにいたしましたので、同一世帯の中に所得者が二人以上おります場合に、その扶養親族をどつちの扶養親族とでもすることができるということにいたしますと、同一世帯内で所得者が二人以上おりますと、扶養親族が従来のままですと、一人だけでなしに二人以上三万五千円の軽減を受けることができるということになるのであります。併しそれは今回扶養控除を引上げた趣旨からいたしますと、そのように三万五千円の控除を受けるものが、同一世帯内に多勢できるということはおかしいということになりますので、今回の改正におきましては生計を一にする親族の中に所得者が二人以上おる場合の扶養親族は、原則として誰か一人の扶養親族にしてしまう。そうして、併し所得者の所得が少いというようなことによつて扶養控除しきれない場合が生じて参ります。そういつた場合におきましては他の所得から控除するのでありますが、その場合におきましても、前の所得者についての扶養控除の順序によつて控除を行う、例えば甲乙二人の所得者がおりまして、扶養親族が四人おつたといたしまして、まず甲の所得者から扶養控除を行うようにするのでありますが、甲の所得額が低いために、四人分の控除を受けられなかつたという場合におきましては、乙のほうから控除を認めるのでありますが、その場合におきましても、その四人が甲の扶養親族であるということの順序によつて控除を認める、従つて四人目の人が甲から引き切れない場合におきましては、乙のほうから引くのでありますが、その場合には三万五千円控除するのでなしに、一万五千円しか控除されない、それから三人目からでありますと、やはり二万円しか控除しない、こういうふうにしておるのであります。この点は税法のほうで申上げますと、第八条のほうの一項後段のところの規定のところの改正と、それから十一条の七という新らしく入れた規定、この十一条の七の一項、二項というところで、そういうふうになつて参るのであります。
以上申上げたのが前の臨時特例法を平常化した点でありますが、これから申上げますのが今度新らしく改正に取り入れた点でございます。先ず第一点は、生命保険料の控除限度を八千円、従来四千円でありましたのを八千円に引き上げるということでございます。これは従来の十一条の五の中にありましたのを、新らしく十一条の六にいたしまして、そういうふうに改正をいたしております。それからその次の医療費の控除は、従来総所得の一割を超える医療費につきまして、十万円を限度といたしまして医療費の控除を認めておつたのでありますが、その後いろいろ実情を調べて参りますと、医療費の控除として一割を超える額というのは、やや少い憾みがありますので、今度から総所得額の五%を超える部分を医療費といたしまして控除を認める、と同時に控除の限度を十万円から十五万円に引き上げるということにいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/2
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003・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それは何条ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/3
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004・泉美之松
○説明員(泉美之松君) この規定は十一条の四でございます。
それからその次は青色申告者のいわゆる専従者控除と普通に申しておるのでありますが、青色申告者が営んでおります事業にその親族が専ら従事しておりました場合に、それに給与を支払つたときには、その費用を必要経費に算入するということにしているのでありますが、その必要経費に算入する金額の五万円というのを六万円に引上げ、同時に専従者控除を受けることができる専従者の範囲を拡げまして、従来大体高等学校卒業程度を目途としまして十八歳以上の者に限つておつたのを、十五歳以上の者が専従者として控除を受けることができるということにしたのであります。これは十一条の二の改正であります。
その次は退職所得につきましての控除額を二十万円に引上げたのであります。これは御承知のように退職所得につきましては昨年の改正から、収入金額から十五万円を控除いたしまして、その半額に対しまして、他の所得と分離して課税をしておつたのでありますが、今度基礎控除を引上げた関係もありまして、これを二十万円に引上げることにしたのであります。これは九条一項六号のところに、十五万円を二十万円と改めてございます。同時にこれに従いまして所得税の別表の源泉徴収税額表で、退職所得に対する源泉徴収税額表がきめられておりますが、この別表の四というのを、それに応じまして源泉徴収税額表を軽減しております。
それからその次は有価証券の譲渡所得に対する所得税の課税を廃止するということでございますが、これはすでに御承知の通り、有価証券の譲渡所得課税は、なかなか把握が徹底いたしませんし、申告のみに待つということにしましても不公平が多いということでありますので、この際思い切つてこの課税を廃止しまして、むしろ低い税率によつて有価証券取引税を課税するほうがいいというふうに考えて、この課税を廃止することにしておるのであります。ただ、これは譲渡所得に対しましての有価証券の移転に対する課税を廃止するのでありまして、従来営業所得といたしまして課税しておつた分は外されないことになるのであります。この関係のことは新らしく非課税所得といたしまして、六条五号のうちに有価証券の移転により生ずる所得を、非課税の所得に入れておるのであります。同時に有価証券の譲渡をしたことによつて損が生じましても、その損は損金として認めないということにしております。これはやはり九条のほうに二項に新らしく「営利を目的とする継続的行為による場合を除き、第六条第五号に規定する資産の譲渡に因る収入金額が当該資産の取得価額及び譲渡に関する経費の額の合計額に満たない場合におけるその不足額」というふうに、その不足額はなかつたものと見なすということで、損を仮に生じましても、それは損としては認めませんということにいたしておるのであります。
なお有価証券の譲渡所得を非課税とすることに伴いまして、あとで申上げますが、法人税のほうにおきまして法人の清算所得を課税する、解散、合併の場合におきましては清算所得を課税するということにいたしまして、個人の段階におきましては解散、合併の場合には課税しないということにいたしております。そのことは新らしく六条のほうに六号七号というふうに規定を入れておるのであります。
それから又証券投資信託の収益の分配の場合におきまして、従来この証券投資信託の収益の中には配当所得からなるものと、譲渡所得からなるものと、それから利子所得からなるものと、こういうふうに三つのものがあるわけでありまして、そのうち配当所得からなるものを従来大体六〇%程度と見まして、配当控除の二五%を証券投資信託の収益の分配の場合におきましては一五%にしておつたのであります。ところが今度有価証券の譲渡所得を課税しないということになりますので、譲渡所得部分にはやはり課税してはいけないことになつて来るわけであります。そこで、先ず証券投資信託の信託期間の間におきまして、収益の分配を行います際には、全部一応配当所得からなるものを分配するものと見まして、それに対しましては配当所得としての源泉徴収及び配当控除の二五%をまるまる認める。併し信託の全部又は一部の解約によりまして、信託が終了する際におきましては、その際に証券投資信託の収益のうちにありまする配当所得部分、譲渡所得部分、及び利子所得部分を全部計算をいたしまして、譲渡所得部分には非課税、それから配当所得部分につきましてと、それから利子所得部分につきましては源泉徴収をいたしまして、配当所得部分についてのみ二五%の配当控除を認める。やや複雑でございますが、そのようにいたしておるのであります。その関係のことが六条の八、九、十それから九条の二号、三号、四号、五号と、こういつたところに現われております。
それからその次は、山林所得、不動産の譲渡所得等の一時所得についての税負担の軽減と課税の簡素化でございますが、これは先ず山林所得のほうを申上げますと、従来は、山林所得につきましては、譲渡所得、一時所得と合せまして、十万円を引きまして、その残りの金額を他の所得と総合いたしまして、変動所得としての平均課税を行うということをやつておつたのでありますが、変動所得としまして五カ年間の平均課税を行いますことは相当複雑なことになります。そのために山林所得が五十万円以下で、同時に総所得の半額以下であるというような場合におきましては、一年限りで平均課税を済ませるということができることにしておつたのでありますが、今度は課税の簡素化を図りつつ同時に負担の軽減を図るという趣旨におきまして、先ず従来は、山林所得と譲渡所得と利子所得と三つ合せて十万円控除しておりますのを、今度は山林所得だけから十五万円を引く。そうしてその残りの金額を五分五乗の方式によつて他の所得と総合課税をする。つまり今まで五十万円以下の場合に認めておつたと同じ方式を五十万円を超える場合においても認めようということにいたしておるのであります。この改正が十三条の二で山林所得だけのことを言つておるわけであります。なお、変動所得につきましてはまだ漁獲から生ずる所得であるとか、原稿料、作曲料、或いは著作権の使用料、こういつた場合の変動所得の規定はまだ残しまして、これらの変動所得としての負担の適正を図るということは依然として続けることにいたしております。
それから譲渡所得と一時所得につきましては、山林所得よりもまだ稀にしか発生いたしませんので、やはり山林所得と別に十五万を控除するということにすると同時に、その半額を他の所得と総合課税をする。シヤウプ勧告によりまして、全額課税になります前の税制に戻すということにいたしているのであります。このことは九条の改正の中に入つております。
そのほか要綱にあります預貯金利子等に対する源泉選択税率のほうは、これは租税特別措置法のほうで規定いたす予定にいたしておりますので所得税法には入つておりません。で、そのほか所得税法の中に規定されている主な点を申上げますと、先ず第一条に、新らしく今度「匿名組合契約等に基く利益の分配」というものにつきましても課税を行うということの規定を設けますと同時に、源泉徴収の規定を設けまして、四十二条に新らしく三項を設けまして、この匿名組合契約に基く利益の分配につきましては、二〇%の税率で源泉徴収を行うということにいたしております。
次は、まあ個人の場合には余りないことかと思いますが、外国におきまして課税された税額を控除するという制度を、法人税と所得税にとつたのでありまして、その点を、外国で課税されました所得に対しまして、日本で課税を行います場合におきましては、日本におけるその所得に対する税額を限度といたしまして、税額を控除する。控除しきれない場合におきましては還付するということにいたしているのでございます。これが十五条の八の改正でございます。
それから次に、新らしく三条の二という規定と、六十七条に三項として一項を加えるということと、それから六十七条の二の規定を新らしく設けるという規定を入れております。この三つの規定は、それぞれ相関連いたしているのでございまして、先ず第三条の二の規定と申しますのは、これは所得税の課税の原則というものを明示したのでありまして、所得税は、名義の如何にかかわらず、実質上その所得を有している者に対して課税するのであるということを明らかにしたのであります。従来からもそういう方針で、例えば信託の場合などにおきましては、信託法上受益者とされている者が信託財産を有するものとして課税を行うのだというような規定を四条に設けているようなこともあつたのであります。又実務上におきましても、名義がどのようになつておりましても、実際その所得を持つている者に対して課税するのであるということでずつと続けて参つたのであります。最近企業組合であるとか、生活協同組合であるとか、或いはいろんな同族会社等の仮装の形式、或いは株式につきまして、本来会社の株式を重役の名義に仮装する。或いは重役の株式を会社名義に仮装する、こういつた事柄によりまして法律の不備を免れようとするきらいがありますので、そういう名義を如何に使いましても、名義の如何にかかわらず、実質上所得を得ている者に対して課税するのであるという趣旨を明らかにしたのであります。これが第三条の二の規定でございます。同時に第六十七条の二のほうは、そういうふうに実質上所得を得ている者に対して課税するのでありますが、それではいろんな法形式をとつている場合におきまして、実質上誰が所得を得ているのかということがなかなかつかみにくい。殊に最近のように税負担が重い場合におきましては、なかなか税金を免れようとしていろいろの措置を講じますので、税務署が一々その所得金額を立証いたしませんと課税できないのであります。ところが悲しいかな、税務署よりも実際所得者のほうが、自分が所得が幾らであるかということは証明しやすいはずのものでありますから、新らしく六十七条の二の規定を設けまして、一定の客観的な条件がある場合におきましては、その事業から生ずる収益につきましては、個人がその所得を得ているものと推定するという趣旨の規定を入れたのであります。即ちその客観的な条件と申しますものは、法人に五以上の営業所がありまして、その営業所の三分の二以上に当る営業所の所長とか、主任或いはそれらの親族その他特殊な関係のある者が従前に個人として事業を営んでおり、又その現在所長であるとか、主任等になつている者がその営業所にかかる事業を主宰しておるというような事実がありますときには、法人というのはその事業から生ずる収益については単なる名義人であつて、実際上はその所長、主任等が収益を得ているものと推定するという規定を設けているものでありまして、これは法律上の単なる推定でございますから、勿論反証を上げることによつて容易に覆えされるのでありますが、一応課税に当りましては挙証責任を納税者のほうに負わせまして、税務署のほうでこれだけの一定の条件を立証いたしましたならば、あとは挙証責任は納税者のほうに移つて、納税者のほうが証明をしなければならないというふうにしているのであります。
それから六十七条のほうに新らしく一項附加えまするのは、これは法人として成立した企業組合であるとか、生活協同組合、或いは有限会社などの場合におきまして、一定の出資があつた場合におきましては、その営業所と、それからその営業所を主宰している所長などとの間の行為、計算につきまして、今まで同族会社の行為、計算の否認の規定を設けておつたのと同様なことができるように、行為、計算の否認の規定を準用して行こうというのでありまして、それは法人に三つ以上の営業所がありまして、その営業所の二分の一以上に当る営業所につきまして、その営業所の所長であるとか、主任その他営業所の事業の主宰者、主宰者の親族、その他主宰者と特別な関係のある者が、前にその営業所で個人として営業を営んでおつて、そうして、同時にその営業所の所長などの持つている法人の株式であるとか、出資の金額の合計額が、その法人の二分の一以上に相当する場合の行為又は計算につきましては、同族会社の行為、計算の否認規定と同様の規定を準用いたしまして行為、計算の否認ができるということにいたしておるのであります。これは勿論先ほど申上げましたように、企業組合であるとか、生活協同組合、或いはそれから変つて行きました有限会社などについて、そういうことを想定して、規定いたしているのでありますが、この三つの規定は勿論健全なる企業組合であるとか、或いは生活協同組合が生じて、それが健全なる発達をするということを何ら阻害する意図は有しておらないのであります。目下中小企業庁、国税庁及び主税局との間におきまして、この規定の運用につきまして、そういつた健全なる企業組合の発達を阻害することのないように慎重な措置を講ずるよう検討いたしているような次第でございます。
それからこの前所得税法の臨時特例法で申上げましたように、昭和二十七年分の所得税につきましては三月十六日を納期限及び申告期限といたすのでありますが、所得税法に新らしく取入れられる段階におきましては、三月十五日を所得税の確定申告の申告期限及び第三期の納期限といたすことにしております。この点は二十六条の規定及び二十六条の二、それから三十条などにそれぞれ現われて来ているわけでございます。
それからもう一つ、源泉徴収の制度のほうにおきまして、賞与に対する源泉徴収の税額の計算方法を簡易化しております。これは従来でございますと、賞与につきましては、前月分の給与を基礎にいたしまして、その前月分の給与に対する税額と、その前月分の給与の上に賞与の六分の一、賞与の計算期間が一年に亘りますときには、十二分の一でありますが、それを加えました税額との差額を出しまして、それは六をかけ、或いは十二をかけることによつて源泉徴収税額を算出しておつたのでありますが、それは非常に源泉徴収義務者の手数を要することになりますので、今度は前月分の給与を基礎にいたしまして、賞与にどれだけの率をかけたものを源泉徴収すればいいかという表を新らしく別表の三として設けたのでありまして、これによりますと、例えば扶養親族が二人で、前月分の給与が二万円でありますと、賞与には二八%をかけたものを徴収すればいいというように、源泉徴収する税額の計算が簡易にできるようにいたしているのであります。それは三十八条の一項七号の改正であります。
それからこれはまあ当然のことでありますが、富裕税法を廃止いたしますので、従来からありました財産債務明細表の提出義務とか或いは財産債務明細表の提出しない場合の加算税、この規定は削除いたしております。六十二条の三と四を削るということにいたしておるのがそれでございます。以上が所得税につきまして改正の主なる点でございます。
その次法人税でございますが、法人税のうち、この要綱にありまするものは租税特別措置法或いは企業合理化促進法の政令、省令或いは租税特別措置法自体において規定されるものが多いのでございます。順次申上げて参りますと、先ず第一に企業合理化促進法及び租税特別措置法に基く特別償却、初年度半額の特別償却と取得後三年間の五割増し償却、この二つの制度につきまして初年度半額の償却につきましては業種が特定されており、同時にその適用を受ける機械設備の範囲も特定されておるわけでありますが、この業種の範囲を拡げる、それから機械設備の範囲をも拡げるということでございまして、これは政令及び省令によつて実施するつもりでおります。なお租税特別措置法に基く取得後三年間の五割増し償却も、省令の改正によつてその範囲を拡げるということになるわけであります。
それから二番目の貸倒準備金の拡張改善とありますが、まあ貸倒準備金のほうにつきましては、毎事業年度積立てることができまする限度につきまして改正をしようというのでありまして、従来期末貸金額の、卸小売業でありますれば千分の十というふうになつておりましたのを千分の二十、それから製造業と金融保険業につきましては千分の七でありましたのを千分の十、それからその他につきましては千分の五でありましたのを千分の七、こういうふうに引上げることにいたしておるのでありますが、これはやはり政令の改正によつて行う考えでございます。
それから価格変動準備金の制度につきましては、これは租税特別措置法の改正によつて実施するつもりでございまして、その内容は二つでございます。一つは新らしく国債を価格変動準備金の対象に取入れる。もう一つは棚卸資産につきまして九〇%、或いは有価証券につきまして九五%という、時価の九〇%或いは九五%という金額と帳簿価格との差額を価格変動準備金として積立てることができるのであります。従来九〇%或いは九五%に達するまでには六カ月、事業年度で四事業年度、つまり二カ年間を要するということになつておつたのを、今度すでに大体二事業年度を経過したことでもありますので、経過的措置を外ずしてしまおう、そうして一挙に九〇%或いは九五%まで行けるようにしようということにいたしておるのであります。なお価格変動準備金につきましては、ドル価値法を導入せよ、或いは物価が上る際に積立てて、物価が下る際に取崩すような措置を講ずるようにというようないろいろな御意見があつたのでありますが、これは今後なお慎重に検討することといたしまして、今回の改正には織込んでおりません。
それから三番目の貿易商社等につきまして、五年間を限つて輸出契約取消準備金制度を設け、又海外支店設置費の特別償却を認めるということにいたしておりますが、これは両方とも租税特別措置法の改正によつて実施することにいたしておりまして、いずれ租税特別措置法の改正法案を提出いたしましたときに詳しく御説明申上げたいと思いますが、輸出契約取消準備金のほうは名前を少し縮めまして輸出損失準備金というふうに改めるつもりでおります。結局貿易商社につきまして毎事業年度の積立金限度とそれから累計の積立金限度とを大体貸倒準備金と同じような考え方の下にそういう一定の制限を設けて、その制限の限度内で積立てることができるようにしようというのでありまして、大体は事業年度中の輸出契約額の千分の五とそれから事業年度中の所得の三五%、そのいずれか低い金額で毎事業年度積立てることができまして、累計年度額といたしましては事業年度中の輸出契約額の千分の十つまり一%まで積立てることができる。そうしてキャンセル或いはクレームによつて損失が生じました場合におきましては、その準備金から取崩すということにしておるのであります。それから海外支店設置費の特別償却のほうは、海外支店設置費のうち家屋の取得費とその他のものを分けまして、家屋につきましては取得後三年間五割増の特別償却を認める。そのほか自動車でありますとか調度品であるとかいつたようなその他の支店設置費につきましては、取得の年に半額の特別償却ができるということにいたしておるのであります。
それからその次以下が法人税法に新らしく規定されるものでありまして、先ず交際費、機密費等の制限でありますが、これは前の国会からいろいろ問題になつておりました点でございますが、新らしく交際費、機密費等につきまして一定の限度を設けましてその限度を超える額につきましては、その半額しか損金に認めないということにしようというのでありまして、その改正は法人税法の九条の十のほうに入つております。で、この場合の交際費の定義というのは、二項のほうによりまして、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の接待、きよう応、慰安、贈答、その他これらに類する行為のために支出するものをいう。」ということにしておるのでありますが、そのうち専ら従業員の慰安のために行われる運動会であるとか演芸会、旅行等のために通常要する費用、こういつたものはまあ福利厚生費と認めるのが妥当と思われますので、交際費の枠からはずす。それから又命令でもう少し規定したいと思つておるのでありますが、例えば盆、暮などに贈答する場合のカレンダーであるとか手帳、タオル、こういつた類のものは広告宣伝費に類する面もありますし、又交際費と見られる面もあるわけでありますが、これは交際費の規制の対象から除くといつたようなことを命令で書きたいと思つております。それからなおこの交際費に限度を設けるのでございますが、その限度は命令に譲つております。この命令につきましては、ずれこの要綱案を提出いたしたいと思つておるのでございますが、業種別に或る程度分けまして、そして所得金額とそれから資本金、自己資本の金額でありますが、その両方と、それから更に損益金額を加えまして一定の限度を設けたい、かように考えておるのであります。
それからその次は先ほど申上げましたように、個人の有価証券の譲渡所得に対しては譲渡所得税を課税しないのでありますが、そこで法人が解散、合併したような場合におきましては、従来は法人の段階では課税せずに、シヤウプ勧告によりまして個人の段階で解散のときの積立金からなる部分につきましては、みなす配当、それからそれ以外の分につきましては、みなす所得として課税しておつたのでありますが、譲渡所得に課税することが、有価証券の譲渡所得に課税ができなくなりますので、この場合のみなす譲渡所得税の課税ができなくなるわけであります。そこで従来みなす配当として課税しておつたのは取得価格を超える部分のうち積立金に対応する部分であつたわけでありますが、今度はその基準を変えて、払込金額を基礎にしてみなす配当を課税するということにすることも一つの案として考えられるのでありますが、従来の実績に鑑みますると、どうも課税漏れなどが生じまして、徴収の便宜及び課税の充実の点からいたしまして適当でありませんので、前やつておりましたように、シヤウプ勧告前にかえりまして、法人に清算所得を課税してその埋合せをしようということにいたしておるのであります。従いまして清算所得関係のことは新らしくいろいろ条文に出て参るのでありますが、先ず第一にはこの八条のところで法人税の課税標準に新らしく清算所得の金額というものを取入れます。それからその次が十二条の二で清算所得というものの定義をしております。それから十七条のほうに参りまして、清算所得に対する税率を規定いたしておるのでありまして、清算所得のほうの税率は一般の法人と、それから新らしく九条六項に掲げまする協同組合等の法人とに分けまして、規定をいたしております。そしてこの清算所得のうち解散若しくは合併のときにおける積立金額に相当するものと、或いは清算中に生じた所得で法人税を課せられない部分からなるものにつきましては、二〇%の税率で課税を行う。つまり配当所得に対しまして源泉徴収二〇%とすると同様の観念の下に、これらにつきましてはすでに法人税が課税されているか、或いは法人税を課税すべきものでない所得でありますから、個人の段階において課税するものに変えて二〇%を取るということにいたしておるのであります。それから清算所得のうちそういつた部分以外のものにつきましては、本来法人税として課税すべきものと、それから個人の段階で課税すべきものと両方合せたものを法人の段階で課税するということになりますので、これにつきましては一般の法人の場合には四六%、それから九条の六項の法人の場合には六一%、この税率で課税することにいたしておるのであります。
それからそのほか法人税につきましては、先ほど個人のところで申上げましたように、法人の海外支店等につきまして外国で法人税に相当する税金を課税されました場合におきましては、日本のその所得に対する日本の法人税を限度としまして税額控除を認めるということにいたしております。これは十条の三でございます。新らしく設けることになつたわけでございます。
それからそのほかといたしましては、先ほど個人の段階で申上げましたように、証券投資信託の収益の分配を法人が受ける場合におきまして、従来はその分配額のうち六〇%を益金に算入しないということにしておつたのが、先ほども個人の段階で申上げましたように、証券投資信託の収益の中には配当所得からなる部分が六〇%程度あつて、従いましてこの部分は一般の法人の場合も同様の趣旨で六〇%を益金に算入しないということにしておつたのでありますが、個人のほうで配当所得、譲渡所得、利子所得ということを明らかにいたしますので今度は個人のほうが証券投資信託の収益の分配を受ける場合におきましても、配当所得に相当する部分だけについて益金算入をしない、益金不算入とするということにしたのであります。それが九条の六の改正でございます。
それからなお個人について申上げたと同様に、法人税につきましても、名義の如何にかかわらず実際上所得を有しておる者に対して法人税を課税するのだという趣旨の規定を七条の三に入れております。
それから同時に同族会社の行為、計算の否認規定につきましても先ほど個人の場合について申上げたと同様な準用規定を設けております。それは三十一条の三に第二項として新らしく入れておるわけでございます。
それからなおこの要綱に漏れておりますが、租税特別措置法を改正いたしまして、同族会社につきましてはその積立金に対しまして年五十万円を超えるときには積立金課税をいたしておるわけでありますが、この五十万円という限度を引上げまして百万円にいたしたいと考えて租税特別措置法の改正を行うように予定いたしております。
その次は富裕税法の廃止法律でございますが、これは極めて簡単におわかりの通り、昭和二十八年分、つまり二十九年の二月に納付すべき分から富裕税法を廃止する、ただ併しその前に貸し又は借りになつたものについては、従前の例によるということでありまして、特に申上げるほどのことはございませんが、附則の中で税理士法を直しておりますのは、富裕税の試験課目、富裕税が税理士の試験の課目になつておりましたのを廃止しますので試験課目から取除くということになるわけでございます。
それから次は相続税法の一部改正の法律でございますが、これは今度の改正の中では相当大きな改正でございまして、相続税の考え方が又相当根本的に変わることになるのでございます。御承知のようにシヤウプ勧告によりまして、現在の相続税法につきましては、人の一生を通じまして相続税贈与、遺贈によりまして取得しました財産につきまして累積課税をしておるというのでありますから、人の一生の間いろいろの人から贈与により、或いは相続により、遺贈により財産を取得したものをだんだん積み重ねて課税して参りますそのために、課税上の記録をとつておくことが非常に大変であります。納税者としても一々昔のことを覚えて行かなければならない。殊にだんだん年限が経つて参りますと、もとの財産の上に累積された財産について税金を納めて行かなければなりませんので、だんだん税率が高くなつて来るということになりますので、非常に納めにくいというような点があるわけであります。理論的にはともかくといたしまして、実行上非常に難点が多いので、今度この累積課税の制度をやめまして、相続と包括遺贈につきましてはその都度相続税を課税する。それから贈与と特定遺贈につきましては、一年間分をまとめまして贈与税を課税するということにいたしておるのであります。ただ取得者に対しまして課税するという制度は、やはり現在の民法の建前などからいたしまして、やはり存置しておくほうが適当であるというふうに考えられますので、取得者課税の制度はそのまま残しまして、もとのように遺産課税にはしないということにしておりますが、それによつてまあ負担の軽減を図る趣旨も同時にあるわけでありますが、そういうふうにいたしておるのであります。従いまして同一年度に父と母が死亡いたしまして相続いたしました場合におきましては、父について相続税を納め、又母から取得した財産について相続税を納めるということになつて参るのであります。従来でございますと、基礎控除なども人の一生を通じまして、三十万円ということになつておつたわけでございますが、今度はその三十万円の限度を五十万円に引上げ、而も今申しましたように同一年中に父と母がなくなりますれば、父について五十万円の基礎控除、母から取得した財産についてやはり五十万円の基礎控除ということに相成るのでございます。それから贈与税につきましては、十万円の控除を認めるということになるわけでありますが、これにつきましては従来贈与には年三万円の少額控除があつたのでありますが、今度は少額控除のほうはやめまして、控除を十万円に引きげるということにいたしておるのであります。
なお今申上げましたような点は、この相続税法の中で今まで第二章で課税価格、税率及び控除というものを一つにしており、又相続税の課税は全部相続、贈与によつて取得した財産について課税するのだということを一条と二条で謳つておつたわけでありますが、それを改めまして今度は第一条は相続税の納税義務者、それから一条の二に新らしく贈与税の納税義務者を加える、それから従来二条に相続税の課税財産の範囲として規定しておりましたのを分けまして、二条に相続税の課税財産の範囲、二条の二に新らしく贈与税の課税財産の範囲というものを規定したことから、そういうふうな改正が出て来るのでありまして、同時に第二章の課税価格、税率及び控除の中味を第一節の相続税と第二節の贈与税、こういうふうに二つに分けまして、課税価格の計算、税率、それから控除というものをそれぞれ違えておるのであります。相続税のほうの基礎控除のほうは、十七条の今までの規定の三十万円というのを五十万円に改めております。それから贈与税のほうの十万円の控除を新らしく二十一条の四というのを設けております。それからその次は死亡の保険金と退職金に対する控除の従来それぞれ二十万円でありましたのを三十万円に引上げておるのでありますが、これは相続税の非課税財産の十二条のところに、一項の四号と五号とにそれぞれあるわけであります。四号のほうが死亡保険金の控除、今まで二十万円でありましたのを三十万円にする、それから五号のほうが退職、死亡によつて受取る退職金につきまして三十万円を控除するということであります。
それからその次には税率でございますが、これは贈与税と相続税と税率を違えました。相続税のほうにおきましては従来の税率から最初の段階を二〇%から一五%に軽減する、同時にまあ上のほうの税率は変えないのでありますが、最高今まで二千万円を超える金額に対しまして六〇%となつておりましたのを、今度六〇%の適用は三千万円を超える金額にいたしまして、三千万円以下の課税財産価格につきまして税率適用の幅を拡げたのであります。初めの二十万、五十万、百万、二百万円までは変りはないのでありますが、そこまでは従来から五%ずつ下げる、それから上は五%乃至一〇%下げるというふうにいたしまして、真ん中の中くらいの三百万円から千五百万円程度の間の税率が大分下るようにいたしておるのであります。これは昨年改正いたしました際にどうも中ほどの税負担がかなり急激に上つておるような状態でありますので、その点を緩和することにいたしたのであります。これは十八条の税率改正、それから贈与税の税率はこれは従来の税率と大体同程度にいたしておりますが、と言いますのは、贈与税は生前に贈与することによつて死亡の際の相続税の負担を軽減しようということを図るのを或る程度防ぐという趣旨からいたしまして、最初の税率を相続税でありますと一五%でありますのを二〇%に五%だけ引上げる、それからだんだんずつと五%ずつ高目にいたしておるのでありますが、三千万円を超える金額につきましては七〇%といたしまして、相続税の場合よりも一〇%高目にいたしておるのであります。
それから相続税の延納につきまして、従来はインフレというようなものを考えまして相当制限を設けておつたのでありまして、税額が三万円を超え、同時に一時に納付することが困難とする事由のある場合を限つておつたのでありますが、今度はその事由を相当緩和いたしまして、税額が一万円を超える場合におきましては延納ができる。併し延納年割額は一万円を、最後の場合を除きまして年割額が一万円を超えない程度において延納ができるということにいたしておるのであります。それから従来年賦延納という観念、実際上はあつたのでありますが、法律上は年賦という観念が出ておらなかつたのを新らしく年賦延納という観念を取入れまして原則として毎年均一額を延納によつて納付するということにいたしております。なお今度新らしく一定の事由がある場合におきましては税務署長は延納を許可しなければならないというふうにいたしております。これは新らしく三十九条に二項、三項を加えまして、今申上げましたような一定の要件を備えておる延納の申請があつた場合におきましては、担保の種類が適当でないという場合のほかは申請を許可しなければならないということにいたしておるのであります。
そのほか相続税といたしましては非課税財産を相続税と贈与税とに分けるとかいろいろの細かい点がありますが、大体の点といたしましてはさほど変つておりません。ただ一つ申上げておかなければなりませんのは、相続開始前に二年以内に贈与がありました場合におきましては、先ほど贈与の際の税率を少し高めにしておると申上げましたと同様の趣旨におきまして、生前に贈与をたくさんすることによつて相続税の負担を免れるということが生じますので、二年以内の贈与につきましてはそれを合算いたしまして、相続税の負担をきめるということにいたしております。勿論その合算した税額につきまして前に納めました贈与税の額は引いて相続税の税額を計算することは言うまでもありません。
それからいま一つ申上げておきたいのは、従来老年者、年長者控除というのがあつたのでありますが、年長者控除と申しますのは、相次相続の控除と実際上ダブる場合が多いので、年長者控除の制度は今度廃止することにいたしております。
少し風邪気味なものでございますからおわかりにくかつたかと思いますが以上を以ちまして両法案の概略を御説明申上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/4
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005・中川以良
○委員長(中川以良君) では委員長から資料をお願いいたしたいと思いますが、法人税法中におきましての政令又は省令に譲るものについてはその具体的な内容を明らかにする資料を一つお出し頂きたいと思います。御質疑をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/5
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006・松永義雄
○松永義雄君 酒税法のことについて御質問いたしたいと思いますがよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/6
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007・中川以良
○委員長(中川以良君) 酒税法は今日は初めに申上げたんですが、丁度酒税法担当の……。それでは実は松永君から前回の委員会におきまして特に御質疑があつて、そのために食糧庁より答弁に食糧庁の総務部長が見えておられますので、松永君一応御発言をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/7
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008・松永義雄
○松永義雄君 先ず以てお尋ねいたしたいのは、本年度二十八年度の酒の造石量が増加しているのですが、それに必要なる米の増加量、どれくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/8
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009・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 本年度におきまして酒米をどの程度確保するかという問題につきましては、事務的に申上げますると、大蔵省の国税庁と食糧庁と具体的に相談いたしまして、国税庁は財政確保なり、或いは密造防止の見地からいたしておりまして、本年度もとにかく百万石以上は何とか確保して欲しいというような御要望が強かつたのでございます。食糧庁といたしましてはいろいろ需給の関係からいたしまして、特に需要面が人口増加でございますとか、或いは加配の増加でございますとか、或いは麦作農家の消費増加でございまするというような点を睨み合せまして、年間の需要量を抑えまして、一方供給の面、即ち本年度の作柄並びに供出買入手数料というものを見通しをし、更に外米確保の大体の見通しを立てまして、でき得る限り国税庁に対しましては必要最小限度の数量ということで九十四万石ということで決定をいたしたのでございます。この九十四万石につきましては国税庁のほうにおかれましても大分不満の点があつたようでございますが、とにかく需給の関係から申しましてこの程度でまあ我慢して頂きたいという話になりまして、国税庁が醸造業者別の割当をされまして、それに基きまして食糧庁が供給をいたしたいという実情になつておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/9
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010・松永義雄
○松永義雄君 今の九十四万石というのは全量ではないのですか、それともそれが殖えた量だとこういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/10
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011・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 九十四万石と申しますのは全量の数量でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/11
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012・松永義雄
○松永義雄君 殖えた量はどれくらいかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/12
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013・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) その比較の基準になりますものが、と申しますのは昨年の数字と思いますが、昨年度は七十四万石でございまして、これに比べますと二十万石増加しておるということでございますが、一昨年更にその前の年という数字に比べますと年々殖えて参つておりますという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/13
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014・松永義雄
○松永義雄君 それからビールのことをお聞きしたいのですが、ビールも同様増石となつておるのですが、それに対して同様ビール麦といいますか、麦が必要になつて来ますが、その必要なる麦の石数、増加石数を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/14
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015・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) ビールの原料でございますビール麦の問題につきましては、実は統制解除以来ビール麦の買入れ等を行なつておりませんで、これは醸造業者と栽培農家との話合いになつておるのでございます。従いましてその数量を実は具体的に今持合せてないのでございますが、のとそれから更にビールの製造石数といいますものにつきましては私のほうではわかりませんで、これは大蔵省のほうから御説明があることと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/15
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016・松永義雄
○松永義雄君 只今の点は昭和二十八年度租税及び印紙収入予算の説明の第二十二頁に、二十八年度課税石数、ビールとして百九十一万二千石となつて、昭和二十七年度は百五十六万七千石になつているので、それだけ造石量の増加量はそれを逆算すればどれくらいか、概算的でよろしいのですが、どのくらい一体麦が必要であるかということがわかつて来ると思うのですが、その数量はどうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/16
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017・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 百九十一万二千石のビールを造りますのには、ビール麦といたしまして大体四十万石近いものが要るように考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/17
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018・松永義雄
○松永義雄君 そうすると増加した酒米の二十万石、ビールの八万石というものは、一体輸入米麦によるのですか、それとも内地の土地改良又は作付面積の変更によつて生じて来るのですか。どつちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/18
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019・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 米につきましては御承知の通り国家管理をやつておりまして、すべて酒米といえども国が持つておりまする米を払い下げるという形になるわけでございます。それから麦につきましては、先ほど申上げました通りこれは専らビール麦の供給は内地麦によつておりますので、国が現在のところ強制的に麦を供出さして買上げるといつたような措置を講じておりませんので、ビール麦の栽培者と醸造家との間の話合いによりまして、数量なり価格なりがきまつて来るというようなことになつておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/19
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020・松永義雄
○松永義雄君 私の聞いているのは、酒米の中で外米が含まれているか。それからビール麦の需要量が殖えればそれだけ作付変更の面積が違つて来ると思うのですが、その点はどうですか。こういうことを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/20
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021・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 説明が不十分で申訳ございませんが、酒米の点について申上げますると、酒米につきましては毎年生産されまする米の中で、酒造適格米と称する品種なり名柄があるわけでございまして、その適格米につきまして、食糧庁がその米を醸造家に加算額等を考えて売つて参るということになつているのでございます。作付等に及ぼす影響と申しますると、まあ酒米が殖えて参りますれば、酒造適格米に該当する品種なり銘柄がおのずから殖えるであろうということは推定されますが、的確にその数字等につきましては詳細申上げかねるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/21
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022・松永義雄
○松永義雄君 外米が入つているかどうかという点を聞いているので、入つていないなら入つていない。入つてるなら入つてる。イエスかノーで答えられるのですが、どうなんですかね。大変答弁が長いんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/22
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023・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 外米は酒米の九十四万石には入つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/23
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024・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 補足して申上げますが、ビールのほうにだけ若干外米の中の砕米を使つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/24
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025・松永義雄
○松永義雄君 更にお尋ねいたしたいのですが、本年度の補給金は、輸入食糧に対して前年度より減少しているのですけれども、それはこれだけ数量が少くなつて来ただけで補給金の額が減つて来たのか、それとも輸入価格が低くなつたから減つて来たのですか、どつちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/25
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026・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 数量の減が主としての原因でございますが、なお価格につきましては麦としまして多少若干低めに見ているのでございますが、その点で補給金の関係が前年度に比べますと、前年度と申しまするのは、本年度の会計年度でございますが、お話は二十八年度の予算との比較だと思いますが、その点は補正を繰入れまして現在の補給金予算が三百九十六億というのに対しまして、来年は三百二十億というような計上をしておりまするが、今申上げました米と百五万トンに対しまして九十六万トン、それから大麦が八十八万トンに対しまして八十二万トン、それから小麦は百五十八万トンに対して百五十七万トンという数字の減少が専らの原因になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/26
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027・松永義雄
○松永義雄君 これは二十八年度予算の説明に、これは数字がここに載つておりますから、成るたけ重複を避けてお尋ねしたいと思うのでございます。ところで先ず主税局にお聞きしたいのは、今度の課税石数の増加は、消費の増加及び密造酒の減少によるということが挙げられているのですが、石数はどのくらいの量になるのですか。消費の増加及び密造酒の減少の量……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/27
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028・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 密造酒のほうからやつたほうがおわかりいいかと思いますが、密造酒のほうから正規の種類に転換されるものが大体五十六万石と見込んでいるのでございます。それから消費の増と申しまするのは、これは酒税の税率の引下げ、同時に小売価格を引下げることになりますので、現行法の場合といいますか、税率の引下げを行わない場合の消費石数は全体五百二十九万石と一応考えておるのでありますが、その五百二十九万石に対しまして、六百七十九万七千石に殖えるということになつておるのでありまして、大体百五十万石ほど殖えるわけでありますが、そのうち先ほど申上げましたように、五十六万石は、これは密造酒が駆逐せられて政府の酒類になる。従いましてあとの九十四万石というものが消費の増加であるというふうに考えて頂いて結構だと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/28
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029・松永義雄
○松永義雄君 そうすると密造酒の五十万石を逆算すると、米の量にするとどれくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/29
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030・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 密造酒のほうは……、普通の酒類でございますと、松永委員御承知のように、大体原料の米に対しまして八割程度量が殖えるのでありますが、密造酒の場合におきましては効率がよくありませんので、到底それまで殖えませんで、まあ米の石数の三割程度ぐらいにしか殖えないというふうに考えられますので、五十六万石というのを米のほうに換算いたしますと、四十二、三万石になろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/30
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031・中川以良
○委員長(中川以良君) 松永委員にちよつて申上げますが、酒税法につきましては、実は税制第二課が担当しておりますので、泉課長の担当ではないのでございます。今日は食糧庁関係だけ特に出席しておりますので、食糧庁関係の御質問にして頂いたほうがいいのではないかと思うのでありますが、衆議院のほうに第二課長その他酒税法関係の者が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/31
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032・松永義雄
○松永義雄君 もうそう長くかからないのです。農林省の五カ年計画はどうなつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/32
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033・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 甚だ、担当でございませんので御説明申上げかねる次第でございまするが、増産といつたような線につきましていろいろと検討をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/33
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034・松永義雄
○松永義雄君 それは答えられなければ答えられる人に出て来てもらわなければならないということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/34
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035・中川以良
○委員長(中川以良君) 次回に一つ要求いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/35
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036・松永義雄
○松永義雄君 それはどこの係ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/36
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037・松任谷健太郎
○説明員(松任谷健太郎君) 農地改良局と、農地局と、両方で計画いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/37
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038・松永義雄
○松永義雄君 それを一つ詳しく説明してもらつて、税収入を増やすために大蔵省でやいやい言つて、米を消費される。併しそれに必要なる一体対策が立つておるのか、一つ農林省の心がまえを聞きたい。質問の趣旨はそこにあるのですから、そのように委員長においてお取計らい願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/38
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039・中川以良
○委員長(中川以良君) できるだけ早い機会に一つ農地改良局の責任者の出席を求めます。……ほかに御質疑ございませんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/39
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040・木内四郎
○木内四郎君 ちよつと泉さんに伺いますが、協同組合ですね。協同組合によつて医療施設などをやつておる所があるのですが、いわゆる厚生協同組合、その方面に対する課税は今度免除するという取扱いにならないのですか。医療、これはお医者さん……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/40
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041・泉美之松
○説明員(泉美之松君) お尋ねの点は医療法人のことかと存じますが、医療法人の場合につきましては、これは法人として経営いたしておりますので、当然法人税がかかることになるわけでございます。まあ医療ということが社会的に非常に有意義な点であることは勿論承知をいたしておるのでございますが、これを医療法人が営んでそれによつて収益を挙げたという場合におきましては、これに対して課税をするのは別段差支えなかろうかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/41
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042・木内四郎
○木内四郎君 普通の医療法人じやない。厚生農業協同組合というのがありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/42
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043・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 現在ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/43
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044・木内四郎
○木内四郎君 私どもの県のほうでも厚生農業協同組合が病院を経営しておりますが、現に県の厚生農業協同組合連合会もあるし、全国厚生農業協同組合連合会というものもある。こういうものの経営しておる医療施設……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/44
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045・泉美之松
○説明員(泉美之松君) 誠に恐縮でございますが、私寡聞にいたしまして厚生協同組合というのを存じませんので取調べまして、どういうふうになりますか、できるだけ早い機会にお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/45
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046・木内四郎
○木内四郎君 これは勿論調べて頂いて結構ですが、現に協同組合として医療施設をやつておるのです。そういうものはまあ特に農業協同組合の中でも公的なものでありますので、法律の改正は或いは要らんかも知れないと思いますが、非課税の取扱いをして頂くことが適当じやないかと思うのです。そういう点をお調べになつたりお考えになつたりして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/46
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047・中川以良
○委員長(中川以良君) 資料の要求ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/47
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048・松永義雄
○松永義雄君 資料でお願いしたいんですが、免税準備金といいますか、準備金で免税された二十七年度の各準備金の種目及びその額です、税法改正によつて二十八年度にどれくらい免税せられる準備金があるか、その数字ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/48
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049・泉美之松
○説明員(泉美之松君) その点は後刻資料を以て提出いたしたいと存じますが、ただ先ほどお話のありました二十七年度はまだ実績が判明いたしませんので、一部予算の推計に基くものについて申上げなければならんと思いますが、その点を御了承頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/49
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050・中川以良
○委員長(中川以良君) 松永君に申上げますが、先ほどの御質問……局長、当該課長が参りましたからどうぞ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/50
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051・松永義雄
○松永義雄君 まあいいですよ。私の聞きたいのは農林大臣に聞きたいのだが、わざわざ農林大臣に来てもらつてもどうかと思うから局長でもよろしいのですが、一応数字だけをはつきりして頂きたい、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/51
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052・中川以良
○委員長(中川以良君) ほかにございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/52
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053・菊川孝夫
○菊川孝夫君 もう頂きました租税及び印紙収入の予算の説明でございますが、このうちで源泉と申告をこれだけまあ二十八年度の見込額を算定せられるに当りまして、その基礎となる国民所得といいますか、あの五兆六千億ですかな、これがどういうふうにあてはまつて来るか、これを一応基礎にせられておるのか、それとも前年度の実績に基いておやりになつているのか、どちらが大体基礎になつているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/53
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054・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 税収の見積の場合におきましてはやはり何と申しましても現実の数字ですね、それを中心にしてものを考えて参りませんとなかなか歳入の見積がはつきり立ちませんものですから、従いまして一応見積つて参りますときにおきましては、源泉の場合におきましても、それから申告の場合におきましても課税の実績を中心にしまして、その後における生産の動き、物価の動き、或いはまあ収益率を考えなければならん、そういうものを見込額にいたしまして、それで一応の見積りを出しまして、そうして別途計算しておりますところの国民所得との対比というのをまああとで反省的に考えてみる、こういうやり方をとつております。それで御承知のように最近は課税最低限も相当上りましたものですから、例えば農業所得にいたしてみましても、農家六百万戸とか六百五十万戸とかいわれておりますが、その中で今度の見積によりますと、農家で所得の課税を受けますのが大体百万戸弱といつたような関係になつておりまして、相当の部分はまあ課税を受けないで済んでしまう、こういうような関係もございまして、やはりその失格者のほうの数字というものも国民所得のほうでは当然拾うわけでございますが、我々のほうといたしましては、その間の関係がどういうふうになつているかという点などについてもそう国民所得のほうでははつきりわかりかねますので、結局課税対象というものを中心にまあものを考えて行く上におきまして、今度の課税所得の場合におきましては二十六年度の課税実績、そういうものを中心にしましてその後の動きを見て行く。それから源泉所得税につきましては最近における税収入を基礎といたしましてその課税額をきめて行く。まあ第一次的には課税の実績を基礎にいたしまして計算をしている、かようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/54
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055・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうしますと、この二十八年度の改正案による収入見込額千七百四十九億の対象になる、これだけまあ納める人、これを納める対象になるのは幾ら収入があるか。でこれが国民所得のあの五兆六千億と比べてどういう比率になるか。それから全税率と源泉徴収との比率は、どうなるか。そうして次に申告のほうを同様に一つ逆算したような、あなたのいわれるような意味で検算された数字は出ているんですか。なぜ私そういうことを申上げるかというと、一番のこの源泉徴収というやつは、まあいつも申上げる捕捉率は非常にいいということと、滞納が殆んどない、まあ特に個人の滞納というものがないだろう、法人なんかでややもしますと使用人から控除しておきながら税務署に納めておらないというような滞納はあるかも知れないけれども、個人の滞納というものは殆んどないとみなければならんと思うんですが、それから申告その他になりますと、やはり素人目でみましてどうしてもそこに余裕があるんじやないか。それは完全に捉えられておるのもございましようけれども、これは勘でございますがね。どのくらいそういうものはこの数字に現れて来るだろうかというような表を、それは国民所得の五兆六千億ですから、それから逆算してみますとその対象になるのはどのくらいか、その比率を割つてみますとわかると思うのですが、あなたのほうにはそういう検算したものはございませんか。資料としてお出し願うことは困難ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/55
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056・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 今御指摘になりました点を、的確に数字的に並べてみた資料は今ございませんが、極く大ざつぱに申しまして大体給与所得のほうもまあ二兆五千億、それから個人事業所得も大体二兆五千億、国民所得の五兆何千億かの数字を分解してみますと、給与所得のほうと事業所得のほうとが、大体国民所得の推定によれば同じであるのに、課税のほうからみますと、給与所得のほうと事業所得のほうとの比率というものが、いわば倍半ぐらいになつているのはどういうわけだと、これは一つの問題点だと我々も思いまして随分研究してみておりますが、一つはこういうこともあるのじやないかと思つております。私のほうでとつております数字は、何と申しましてもまあ課税の対象になつている人だけでございまして失格者の数字は入つておりません。従いまして基礎控除のほかに扶養控除が加わりまして、結局税金を一文も納めないという人は全然入つていないわけでございますが、これは課税になつた人のほうの統計でございますが、給与所得の場合におきましては扶養控除の数は平均しまして一・六八人になつております。それから業種所得のほうは平均いたしまして四・二三人、これは今の説明の六ページの丁度真中よりちよつと上のほうにございますが、平均扶養控除の数は一・六八人、それから片方の事業所得のほうでございますと、これは八ページにございますが、四・二三人で、昔の税制をよく引合いに出す場合がございまするが、戦争前の免税点が千二百円の時代におきましては扶養家族一人についてたしか百円だと思いましたが、あのときの税制は免税点を千二百円と非常に多くしておりましても、扶養家族一人についての控除額というものは比較的少い、こういつたような当時制度があつたのでございますが、あの時代の制度と最近の制度は変りまして、まあ基礎控除の額は六万円、それから最初の一人は三万五千円、それからあと二人は四万円、扶養家族の控除の額が非常に多くなつているといつたようなところが、結局失格者の面におきまして、そうした先ず最初において両方の数字を調べてからしているゆえんもあろう。それから税額の問題になりますと、やはり課税人員におきましてかなり事業所得者のほうが、割合に扶養家族の数が多いというような数字が出ますものでありますから、これもまあ一つの原因であろう。ただ今最後に御指摘になりました給与の場合におきましては、何と言いましてもそれほどつかまえ漏れがない。ところが申告事業所得税のほうには相当つかまえ漏れと言いますか、調査漏れ、或いは申告漏れがありはせんか、我々もこれがないというふうには断言できないと思つております。併し最近大分税務署のほうの仕事も軌道に乗つて参りまして、調査のほうも順調になつて参りましたし申告関係も大分改善されて参りましたので、その面のほうも漸次一時行われておりましたときに比べますれば随分改善されて来ているのではないか。なお今回の税収見積におきましても、その分による増も僅かではありますが、一応今後の改善を期待しまして歳入見積の中に入れている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/56
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057・松永義雄
○松永義雄君 資料をお願いしたいのですけれども、予算説明も出ているのですが、財政融資というのですか、終戦後のものはおおまかでいいのですけれども、数字がわからないのですか。それから民間の増資であるとかいつたような民間側の投資額、或る程度区分して頂いてそれぞれの額を御面倒でしようが出して頂ければ結構だと思います。なお且つ金を出したからそれだから直ちに資本蓄積になつているとも限らないと思うのですが、実際どれくらいのお見通しでありますか、その点おわかりになれば明らかにして頂きたい。別につつ込もうという意味でなくてどれくらいまあ施設が進んでいるかという点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/57
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058・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) できるだけ努力して、御満足のして頂ける資料が集まりますかどうか多少自信がございませんが、御希望に副うような資料を集めて提出するようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/58
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059・松永義雄
○松永義雄君 それから若しそれに必要なる資料でこれを読んだらばいいというような雑誌というか、各官庁で出している資料があると思うのですが、例えば経済審議庁なり通産省なりの出しているカタログみたいなものを出して頂いても結構です。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/59
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060・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案につきまして質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/60
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061・伊藤保平
○伊藤保平君 この法案につきまして二、三お尋ねいたしまするが、第十八条の四項ですが、この「創立総会においては、発起人が作成した定款を変更することができる。但し、地区及び組合員たる資格に関する規定については、この限りでない」というのは、創立総会のときにこれを変更するというと非常に混雑するという意味でこの場合だけ削つてあるという、そういうふうに解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/61
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062・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 法律は地区、それから組合員たる資格というものを一応限定しまして、例えば或る税務署の管轄区域について組合を作る、それも清酒の組合、製造業者の組合を作る。まあこういうようなのが一つの前提として創立総会ができるわけでございますから、従いまして例えば創立総会を招集する場合において参加を求める人も結局この当該税務署の範囲の人にいたすわけでございましよう。又清酒業者のかただけが恐らく創立総会に集るということになるのだろうと思います。従いまして創立総会において若し地区を変える、或いはその資格を変えるということになれば創立総会そのものが前提としているものが壊れるわけでございますから、従いまして創立総会の基礎になつているようなそうした地区或いは資格の問題は創立総会の変更する限りでない。若しそれを改めようとすれば、別に創立総会を改めて開催しなければならない、こういうようなつもりでこの事項に限りましては、これは創立総会において変更する限りでないと、かように規定しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/62
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063・伊藤保平
○伊藤保平君 それから次に第三十条ですが、理事の責任の第二項で、「理事が法令又は定款に違反する行為をしたときは」、この法令というのは相当広いようですが、あらゆる法令にちよつとしたことで違反したことがあつてもいけない、こういうふうに非常に厳格に解釈できるのですが、この点どういうように解釈しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/63
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064・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 結局組合のものですから、組合の組織としまして或いはそれに必要な理事者の責任というものを規定しなきやならない。商法におきまして例えば取締役が法令に違反して損害賠償の責を負うといつたような場合におきまして一定の規定があるわけでありますが、その場合の規定がそのままの形において組合におきましては理事の責任について規定してあるというわけでありまして、法令定款違反といつたような問題につきましては、これはまあ具体的な事例はいろいろなことが考えられますが、普通心配されるような問題はまあ普通の場合は出て来ない。それから大体商法の例によるというふうにお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/64
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065・伊藤保平
○伊藤保平君 それから第三十五条とこれに関連して八十一条或いは三十八条その他関係があろうと思いますが、議決権の問題ですが、「組合員は、各一個の議決権を有する」。これは原則としていいと思うのでありますが、連合会とか中央会に拡大されて行く場合にこの問題によりますと、単位組合が決議する、その決議を連合会へ持つて行く。その組合員の員数を背負つて代表者が出る。代理者じやないのですね、この場合、代表者が出る。こういうようになつて中央会も組織されておると思いますが、ちよつとこういう場合に、各組合員の員数がおのおの違いますから、或る組合で四十九名の組合員があるとすると、賛成が二十四で反対が二十五であつた。そうすると、これが連合会若しくは中央会へ行つた場合は全部が反対の四十九になつている。そういたしますと、それが中央会連合会へ行きまして賛成が九で反対が一、賛成が八で反対が二というように、却つてここで単位組合で反対が多かつたのが連合会若しくは中央会で賛成が多いということになると、又反対の場合が出て来ると考えられますが、やはりそうなるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/65
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066・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 大体今お話のようなことになるわけでございます。いろいろ考えられるわけでございますが、その連合会へ行つたとき、単位組合の代表者がどれくらいのウエイトの票数を持つかという問題がまず第一にあるわけでありまして、或いは組合が一つならそれぞれ一つの議決権を持つていたらいいじやないかという考え方、或いは又大きい組合と小さい組合に応じて適当に配分したウエイトの議決権を持つたらいいという考え方、それからこの規定にありますように、組合員の数をそのまま反映されるような議決権を持つたらいいという考え方、これが連合会の議決権の場合にはまず第一に問題になる点じやないかと思つておりますが、いろいろ研究してみたのですが、大きい組合と小さい組合といろいろありますのを単に一つずつというのも工合が悪いだろう、大きい組合のほうの発言がそれだけ、集りましたときは小さくなりますから、と申しましてそれじや適当な数で以てこれを幾つかの段階で分けるのもこれにもいろいろ問題があるわけでございまして、そこで現在できております中小企業協同組合の例が大体こういう行き方をしておりますものですから、それで連合会におきましては組合員の数のウエイトで以て発言権を持つということに一応案を作つてみたわけであります。ただその場合におきましては、今おつしやいましたように、今度は連合会でなくて個々の単位組合の人たちがそのまま一堂に会すればむしろAならAという決議ができたはずなのに、こういう二段階の階層を経たためにBならBという逆な反対の議決になる可能性がありやせんか。これはこういう二段階の階層を持つと、例えば代議員制度のような恰好で組合一つについて一票ずつ持たせた場合におきましても、或いは適当なウエイトを持たせた場合におきましても、それから今度のような場合に持たせた場合においてもどういう場合においても私はやはり一段階の場合と二段階の場合では違つた議決が起ることはあり得るのじやないかと思つております。例えば一組合が一つずつだということにしてみましても、或る組合がすれすれで以て可といつた、ところが或る組合は非常に絶対多数で以て非といつたといつた場合にその二つが集つた場合に二つだけなら可否同数なんですが、両方合しをみれば恐らく否のほうがずつと多い。これは二段階の場合におきましてはどういう制度をとつてもそういう問題はあり得るのじやないかと思つております。ただまあ連合会と組合との間にはおのずから職分の違いがございますから、従いまして連合会の意見というものがその下部の意見というものについて反映する場合におきましても、おのずから職分の違いがございますから、そこで最後に全体としてきめて行く場合におきましては、下部の組合の意見と連合会の上に現われた意見とが食違つているような場合におきましては、これは例えば若しそれが大蔵大臣の認可事項のような場合であれば、大蔵大臣としては相当慎重なる考慮を払うべきものじやないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/66
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067・伊藤保平
○伊藤保平君 今これは極端な場合でそんなことがあつちや運営できないと思うのですが、大体この条文の上からみると起るのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/67
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068・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) どんなことをやつてもあるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/68
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069・伊藤保平
○伊藤保平君 第六条の酒類の種別、これは括弧してあるから(政令で定める種別。以下同じ。)だから、この本文はあとは全部これによるのですね。種別というのはこの条文が援用されるのですね。ところが酒類の種別で組合が作つているいろいろの組合が二つ三つ或いは四つも入つて来ることがあるのですね。そのときの規制とかそのときの決議はそれだけの酒類ですか、酒類のすべてですか、ややこしいがそれだけの決議で行くんですか、そのほかのものもずつと含んだものの決議で行くことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/69
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070・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 例えば問題、問題といつちやあれですが、例えば事例として考えられますのは、現在清酒のかたと味りんのかたと一緒に組合を作るということが従来の慣行からしまして考えられるわけでございますが、その場合におきましては今考えられているところでは清酒について規制的なあれを議決をしようとしますときは清酒業者だけが参加してそして多数決できめる。それから味りんについては味りんをやつていらつしやるかただけが参加してきめる、こういうふうなことに考えております。従いまして清酒のときに味りんだけやつていらつしやるかたが参加してきめるとか、味りんの場合に清酒だけやつていらつしやるかたが味りんの分についてきめるということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/70
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071・伊藤保平
○伊藤保平君 そうしますと、それでは今度連合会若しくは中央会へ行つて総合調整といいますか、総合規制ということになつてきますと、その組合だけでやつているならそれでいいのですが、もう少し広くやる場合には議決権の員数はどうなつて来るのでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/71
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072・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) その場合普通考えられますのは、極端な例を申上げればはつきりしますから。味りんなら味りんだけやつていらつしやるかた、これはまあ酒造組合を作りましても味りんのかたの数は僅かでありますから、味りんだけが全国的な問題になつて、それが連合会なり中央会に上つて行くという場合には、その代表者が背負つて行く議決権の数というものは味りんだけをやつていらつしやるかたの分、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/72
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073・伊藤保平
○伊藤保平君 今の員数をしよつて行く代表者のその数は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/73
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074・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 味りんの分だけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/74
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075・伊藤保平
○伊藤保平君 小さな酒類の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/75
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076・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 問題が清酒の場合は清酒の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/76
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077・伊藤保平
○伊藤保平君 決議を分けるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/77
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078・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) ええそうです。清酒の場合は清酒のかただけの決議の票数をとつて行きます。問題が味りん業者の場合は味りんだけやつていらつしやるかたの票数だけを背負つて連合会の方へ出て行く、かようになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/78
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079・伊藤保平
○伊藤保平君 第四十二条の五号ですか、「組合員の製造又は販売する酒類の需給が均衡を失したことに因り」以下酒類のいろいろなものによつて規制をやる場合の原因が、ただ需給が均衡を失したことだけが原因ですか。その他の原因は広く入れないのですか。極く狭義に、これだけの原因でなければならないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/79
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080・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) その他の原因と申しましても、結局その他の原因がありまして、そうしてこの問題に関する限りにおきましては、供給が過多になつたといいますか、その前の原因は例えばいろいろと考えられております、やれ不況であるとか或いは生産が過剰になり過ぎたとか、いろいろなことが考えられておりますが、結局これの幾つかの原因は酒類の需給均衡というところに大体集約されて行くのではないか。需給均衡を失した原因によりまして、いろいろな取引上の混乱とかいうようなものが起きて来るのではないか。従いまして大体狙いとして最終的なものが酒税の納付が困難になる、その前の原因としましてはやはり需給均衡を失して、その場合にいろいろな値下りとか代金回収の不能だとかが起る。需給関係が不均衡を失するその前にはいろいろな原因がある思いますが、大体需給関係の均衡を失したということをつかんでおけば問題は大体集約されるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/80
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081・伊藤保平
○伊藤保平君 ところでこの書き方で言うと、過去の税金納付が困難ということになつておりますが、将来そういうことがあり得るものと全般的に想像し得られる場合では、これは当てはまらないのですか。過去のことにきまつてはいないから、そこに行くまでに多少予備的にやるということはできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/81
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082・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) なかなかそこは書きにくいところでありますが、我々はこういうふうに解釈しております。困難というのは現実に困難が出て来た、それからその次にございます「又は困難となる虞があると認められる場合」……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/82
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083・伊藤保平
○伊藤保平君 途中ですけれども、「酒税の納付が困難となり」全部にかかつて来ないように思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/83
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084・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) まあそこの問題なんですがね、先ずそこの虞をどこまで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/84
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085・伊藤保平
○伊藤保平君 結論としてはそういう意味じやないのですか、そういう困難になると思つたのは事前でもお許しになるつもりなんですか、結論的には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/85
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086・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 結局虞の大きさでございますから、そこでまあ需給関係の或る程度不均衡というものが、例えば需給関係が多少不均衡になつたからといつてすぐに値下りの起るものではございませんし、従いまして、「困難となる虞」というぐらいになるまでには或る程度やはり需給関係が相当不均衡だということは程度の問題はありますが、現実の問題としてはやはり或る程度出て来るということが一応考えられるのじやないかと思います。それでまあ或る程度出て来た場合においても、すぐにそれで酒の値段が下るというところまでは行かないかも知れない。併しそれが程度がひどくなると、酒の値段が下つて来る。従いまして、需給関係の均衡を失するというのは、恐らくやはり失する虞があるというところまででは少し範囲が広過ぎやせんか、やはり何らかの恰好において失したという事実が一応出て来る。併しその程度は軽微ではあつても、もう少しぼつておくとここまで落ちるというときには動かし得るというくらいに解釈しているのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/86
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087・伊藤保平
○伊藤保平君 そこまで行つちまつちやもう少し前にやつておくほうが、折角の何ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/87
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088・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 何か出ますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/88
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089・伊藤保平
○伊藤保平君 それからその次にイですが、ここでこの製造石数とか、原材料の購入数量とか、貯蔵の設備というのですが、この品質のようなことは謳つていないのですが、例えば級別なんかですね、品質だと思うのですが、そういうことについては別に及ぼさないのでありますか。数量だけにですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/89
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090・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 例えば、酒類全体としては別にどうこうないけれども、特級酒だけが余り作り過ぎるようになつては面白くないというので何か申合でもしよう、こういうような意味の御質問でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/90
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091・伊藤保平
○伊藤保平君 その場合も許されるのですね。できるのですね、やるならば品質保全とかいう意味に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/91
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092・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 品質保全の意味と解すると少しおかしいと思いますが、例えば酒類全体としては別に供給過多でもないが、特級酒自体について非常に供給過多になる虞がある、こういつたような事態におきまして特級酒だけについて規制すると、こういう場合が或いは必要があることが出て来るのじやないかと思いますが、そうすればやはり酒類の製造石数というものについてそういう場合も考え得るのじやないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/92
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093・伊藤保平
○伊藤保平君 これは少し余計になるかも知れませんが、九十二条になりますが交付金の問題ですが、これは組合にお出しになるのですか。或いはその組合といつても単位組合、連合会、中央会と三段構えになれば、まだそこまできまつておらないのでしようがどういう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/93
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094・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 現在考えておりますのは単位組合に対して交付金をやる、従いまして連合会、中央会は、要すれば単位組合から組合費をおとりになる。こういうふうになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/94
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095・伊藤保平
○伊藤保平君 これも全般的ですが、大体この条文の中に大分大蔵大臣の権限に属するということが多いようですが、実際には国税庁長官とか、何ですか国税局のほうでそこまで一々行つていると相当に日を費やしたり、いろいろ煩雑になると思うのですが、事実こうありましても実際はやはり国税局長ぐらいまでお任かせ、委任されるおつもりなんでしようか。大分多いようでありますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/95
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096・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 大体条文を見て参りますと、設立のときの規定でありますとか、或いは問題があつたときだけのことがよく条文にはずつと載つておりますから、大蔵大臣が随分たくさん顔を出しておりますが、実際問題としましては例えば統制とか規制とか何とかいう問題のほかはそう大蔵大臣がどうこうするという問題はないと思つております。又なお同時に勿論お話のように大蔵大臣のこの権限は相当下部機構にやはり委任されるものと思つております。但し統制のような主要な問題につきましては、これはやはり公正取引委員会との協議の問題もございますし、これはやはり中央で相当統制さるべきものであるとかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/96
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097・伊藤保平
○伊藤保平君 一応この程度にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/97
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098・黒田英雄
○黒田英雄君 いろいろお尋ねしたいことがありますが、これはもう少し先に皆さんで御質問が済んだらやめようと思つたんですが、ただ根本の酒税法について当局の御意見を伺つてみたいと思うのですが、我々まあ前から清酒というものはこういうものだということで古来日本の清酒がある、戦前まではそういうもののように思つておつたんですが、この頃はいろいろな理由で清酒にいろいろなものが混和されて来ておる。増量の目的であろうと思いますが、昔の本当の日本の清酒というものとは違つた清酒というものができておるように思うのです。これはまあ国民の嗜好が自然にいろいろうつり変ると思うのですからそれは差支えないと思いますが、ただこの普通に清酒というものがですね、日本の酒というものはこういうものであるというのが、実際においてはそうでない、前の清酒とは違う清酒ができて来ておるように思うのです。例えばたばこにしてもですね、一時いたどりなど入れてたばこだたばこだといつておつたようなもので、そういうものは今やめましたが、酒においては今ますます盛んになつて来るように思うのですが、そういうものを何か分けて、何も合成酒と一緒にせいとは私は申しませんが、合成酒とは勿論違うものであると思うのですから、そうすると清酒のうちに二種あつて、そうしてそれを国民によくわかるようにするということは、最も法律としては親切なものと思うのですが、ただ清酒とあれば純粋な清酒もあり、又いろいろな薬など入つておる清酒もあるというふうになつて来まして、まあそれはよくきき分ける人ならばきき分けるだろうと思いますけれども、併しとにかくそういうふうにうつり変つて来たから、新しいものになつて来た以上は新しい名前をここに与えるということがいいのではないか。税率の問題についてはこれは勿論問題ですから、税率は違つて来るようになつてもこれは差支えないですが、そういうふうな根本的の問題についてのお考えを一つ率直に伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/98
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099・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) いま黒田先生のお話になりましたのはたしかに私は一つの御意見と思つております。最近三倍増醸とかいろいろな恰好の酒ができております。それからそれでなくとも相当増量のために薬を入れさせておるわけですから、そういうふうな酒でなくて、専ら米だけで造つた昔ながらの酒を、まあ保存する意味におきまして、或いはそれだけは別の名前の清酒ということが考えられないかという御議論と思いますが、そうでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/99
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100・黒田英雄
○黒田英雄君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/100
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101・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) それも私は確かに一つの御意見だと思いますが、ただまあこれが税法の問題としてそういうふうな恰好のものを特に、特別なものに考えて行くのがいいか悪いかということにつきましては、私は現在の酒の業界とか何とかの実情を見て参りますと、何と申しましても酒に使われる米の方に一応の制約がございまして、どうしても或る程度のアルコールを入れて行かないと、現在醸成されているような清酒ができて行かないといつたような事情もございますので、結局米だけの清酒ができ、それが特に市場における競争場裡において、これは米だけの酒だといつたような意味のものが売出される場合もあり得ると思いますが、併し現在まあ酒造界全般の事情からしますと、そういうものを特にとり上げまして、本当の純粋の清酒だといつたようなものをまあ一つ税法の上に規格を設けるというのは、今の業界の状況からいいますとちよつと考えものじやないだろうか。どちらかといいますと、それは現在におきましては或る意味において、まあ殆んど一般的なものがアルコールを入れたものになつておりますから、三倍増醸になりますと、多少そういうものと格は離れておりますが、それらの中で特に米だけで造つた酒、これは割合に数量も少くなつておりますし、こういうものを特に税法の上でとり上げまして、これが純粋清酒だといつたようなものを税法の上にはつきり現わして行くということは、現在の状況からしますと、ちよつと行過ぎじやないだろうか。これは市場の上におきまして、或る酒屋さんがそういう酒を造り、うちの酒はそういう酒だと言つてまあ宣伝され売出されて行く、そこに昔ながらの日本の酒の味が残つて行く、こういうことは結構だと思つておりますが、税法の上で特にそれをどうこうするということは、現在の原料の関係からしましても、業界の実情からしましても、ちよつと躊躇と申しますか、ちよつと工合が悪いのじやないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/101
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102・黒田英雄
○黒田英雄君 まあお考えはよくわかりましたが、要するにそうするというと、在来の本当の清酒というものは今は殆んどない、今の清酒というものは在来の清酒とは違つたものになつておるということがまあお考えにあると思いますが、それでよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/102
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103・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) まあ一時はどちらかといいますと、全部の酒にアルコールを入れるというまあそうしておつた時もございます。現在はその関係はよほど緩和されておるわけでありますが、現在の酒の大部分は事実問題としてですね、昔のいわゆる米だけで造つた酒が昔ながらの酒であるといえば、まあそういう酒でなくなつておるわけですが、ただ最近技術的にも相当進歩して参つておりますし、まあ嗜好の変化しておるせいもあろうと思いますが、必ずしも現在の姿の酒も日本酒として十分まあ人に喜ばれておる姿でございますし、勿論昔ながらの酒を大いに愛好される方もあるわけでございますが、その点は税法の上におきまして格段の差別をつけるというより、おのずから市場においてそれぞれの特色を生かした酒が伸びて行くという考え方に持つて行つてよいじやないかということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/103
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104・黒田英雄
○黒田英雄君 大体わかりました、これ以上は今言わないでおきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/104
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105・中川以良
○委員長(中川以良君) よろしうございますか。ほかに御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/105
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106・菊川孝夫
○菊川孝夫君 一点お尋ねしたいと思うのですが、差当り組合法の附則の中で予算の範囲内において交付金を支給することができるということになつておりますが、これは一体今年度はどのくらいの予算を持つておられるか、基礎は何か、税金の何パーセントとこういうふうにきめられるのか。そうしませんと大蔵省の雑費とか何で大蔵大臣が勝手に認定するということになりますると、大蔵大臣の手加減でどうにもなるということになると思うのですが、この点を一つお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/106
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107・渡邊喜久造
○政府委員(渡邊喜久造君) 交付金の額は五千万円本年度の予算の中に国税庁の部に一応計上してございます。考え方としましては、組合の事務的な経費を補助しよう、事務的な経費の恐らく一部だろうと思います。それを補助しようという考え方でございます。なおその額はお説のように酒の税金の総額は千四百億になつておりますから酒の税額に比べますれば万分の三、併し万分の三という数字を先に出して五千万円をきめたわけではございませんで、結局要求としてはもつと多額の要求があつたのですが、主税局が査定しまして、一応五千万円という数字で本年度の予算書に国税庁の部に計上してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/107
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108・中川以良
○委員長(中川以良君) よろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/108
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109・菊川孝夫
○菊川孝夫君 逐条のとき伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/109
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110・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは本日はこれにて質疑を打切りますがよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/110
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111・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは本日はこれにて散会いたします。
午後四時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101514629X02019530219/111
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