1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年十二月二十三日(火曜日)
午前十時五十七分開議
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議事日程 第十四号
昭和二十七年十二月二十三日
午前十時開議
第一 湿田単作地域農業改良促進法案(衆議院提出)(委員長報告
第二 オホーツク海暴風浪及びカムチヤツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案(衆議院提出)(委員長報告)
第三 昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関る法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 日本国憲法第八条の規定による議決案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/0
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001・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
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002・三木治朗
○副議長(三木治朗君) これより本日の会議を開きます。
この際、日程に追加して、国会法第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(国立近代美術館評議員会評議員)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/2
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003・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。去る二十日、内閣総理大臣から、国立近代美術館評議員会評議員に、衆議院議員竹尾弌君、本院議員團伊能君を任命することについて、本院の議決を求めて参りました。両君が国立近代美術館評議員会評議員に就くことに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/3
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004・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て両君が国立近代美術館評議員会評議員に就くことができると議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/4
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005・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程に追加して、文化財保護委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/5
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006・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。去る十月二十四日、内閣総理大臣から、文化財保護法第九条の規定により、細川護立君、一萬田尚登君を文化財保護委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。本件に同意する二とに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/6
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007・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て同意することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/7
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008・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 日程第一、湿田単作地域農業改良促進法案(衆議院提出)を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。農林委員長山崎恒君。
〔山崎恒君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/8
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009・山崎恒
○山崎恒君 只今議題となりました衆議院議員青木正君ほか七十七名の提出にかかる湿田単作地域農業改良促進法案につきまして、農林委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
本法律案は、国内の水田約三百万町歩のうち約六十九万町歩に達する、常時排水が不良であつて湿田であるがために農地としての利用率が低く、農業生産力が劣つている地域に対して、総合的な計画に基いて、海潮、排水、農道の造設、区画整理及び客土等の農地の改良並びに農業技術の改善を最も効率的に行なつて、湿田を解消し、農業生産の増大に寄与せんとする目的を以て、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法に準じて、農林大臣による全国に亘る湿田単作地域及び都道府県知事による都道府県内における湿田単作地区の指定、湿田単作地域及び湿田単作地区内における農業改良計画の策定及びその実施、並びにこれが実施のために必要な経費に対する予算及び金融に関する政府の措置、更に本法の運用そのほか湿田単作地域における農業改良促進に関する重要問題を調査解離するための湿田単作地域農業改良促進対策審議会等の事項について規定せんとするものでありまして、なお昭和三十三年三月三十一日を以て失効する限時法となつております。
なお、以上のような内容の法律案について、衆議院農林委員会において、政府は食糧自給度の向上のため、現行土地改良法を再検討し、総合的な農業計画の下に土地改良事業の効率的な実施を図るべきであるが、取りあえず本法の施行に当つては指定基準面積をできるだけ引下げて、湿田単作地域の指定範囲を最高限度に拡大すべきであるとの附帯決議が行われていることを御参考までに申添えておきます。
委員会におきましては、提案者並びに農林及び大蔵等、政府当局との間に、食糧増産上、資金の最効率的な利用からみて、乾田一毛作地帯の二毛作化と湿田の改良との得失、乾田一毛作地帯の二毛作化を阻害している原因及びその対策、この種特殊立法の意義、功罪及び各種特殊立法の調整、本法案にいわゆる湿田単作地域の国内における分布状況、並びに太法案において湿田を改良することと単作を二毛作化することとは不可分のものとして取扱われるか、或いは分離して考えられるか等、湿田単作の意味、本法案とすでに制定されている土地改良法及び積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法或いは又最近政府において計画されていると伝えられている食糧自給促進法案及び食糧増産五カ年計画等との関係、及びこれらの関係において新らしく本法を制定することの要否及びその意義、土地改良計画の総合性と本法との関係、本法実施に必要な経費及びこれが予算的措置並びに資金計画、又補助事業にあつては、補助の対象とすべき事業の種類及びその規模並びに補助の方法及び補助率、本法案による農業改良計画作成の手続並びに本法の有効期限と本法案による事業目標及びその効率との関係、本法が真にその成果を収めるため、法案中に具体的事業計画及び経済効果の測定を成文化することに関する見解、衆議院農林委員会における附帯決議の趣旨及びその意義、審議会の性格等、各方面に亘つて極めて慎重な検討が加えられたのでありまして、その内容の詳細については会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。
而してこれらの審議において、提案者及び政府当局の答弁のうちに述べられたところについて、その一、二を拾つて御紹介いたしますと、本法の適用は本質的には田であるが、併し現実にはその周辺の地下水の高い畑についても考えられることがある。又本法案に言う湿田単作地域とは、積雪寒冷単作坑帯振興臨時措置法によつて指定せられた地域及び滞水地帯を除き、それ以外の地方に分布するものであつて、該当する地域は各府県に亘つて分布している。而して湿田を改良し、諸条件を総合的に勘案して二毛作化できるものを期待するのであつて、これは審議会において実情を調査の上決定することとなる。食糧自給促進法案は増産一本を目標としているが、本法案は劣悪条件の解消に重点が置かれていて、従つて補助の対象及び補助率等に魁酌が加えられることが考えられ、特殊立法とすることによつて事業の実施及び補助内容等を有利にする足場となり得ることを希望し、受益者の期待が糠喜びとならないよう努力したい。本法の所期する実績及びその確認は審議会の活動に期待したい。本法案の趣旨については大蔵当局としても同感である。議員立法と財政との調整はその関係がデリケートである。併しかかる本質論は別として、本法案の内容をなす事項は食糧増産上有効且つ必要心事項であるから、かような問題については当然予算的措置が講ぜられるべきことと思われるので、本法案成立の上はできるだけ協力したい。差し当つて本年度において審議会に要する経費に対しては、行政的予算の許す範囲内で協力しなければならないと思うというような趣旨の答弁が行われているのであります。
かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、岩崎委員から、法律が成立した暁には、その運用の適正を期し、必要な経費予算を確保すべであり、且つ審議会委員の人選に遺憾なからしむべきである旨の、又楠見委員から緑風会を代表して、裏打となるべき経費予算を確保して、特殊立法が却つて町村の迷惑をかもし、不平を招き、立法者の努力が水泡に帰するがごときことのないよう厳に慎しみ、土地改良の総合的重点的実施を期して、目下政府において準備中と伝えられておる食糧自給促進法案のごときものが実現する場合は、各種特殊立法は総合化せらるべきであり、又農業改良計画の樹立に関する政府の指導及び補助的援助に遺憾なからしむべきである趣旨の、又三橋委員は、本法の適用基準を緩和して適用範囲を拡大し、二毛作可能地域でありながら単作地として残されている地帯の二毛作化を促進し、且つ本法の所期する事業の実施は経済的効果のみに捉われることなく、劣悪条件排除の意味において善処せらるべきであるとの趣旨の、最後に宮本委員から、湿田地方の農業の立ち遅れている現状に鑑み、本法の実施は単に湿田の解消にとどめることなく、農村の近代化の構想の下に諸般の施設を総合的に行い、新農村の建設に資すべきである旨、それぞれ希望を付して賛成がありました。続いて採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
右御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/9
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010・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/10
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011・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/11
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012・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 日程第二、オホーツク海暴風浪及びカムチヤツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案(衆議院提出)を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。水産委員長秋山俊一郎君。
〔秋山俊一郎料登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/12
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013・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 只今議題となりましたオホーツク海暴風浪及びカムチヤツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案について、委員会における審議の経過並びにその結果について御報告申上げます。
先ず提案の理由について申上げます。去る十月二十三日のオホーツク海におきまする暴風浪及び十一月五日にカムチヤツカ沖に発生いたしました地震により起きた津波によつて、漁船、漁具、養殖施設及び共同利用施設が被害を受けましたので、これが復旧のため漁業者及び水産業協同組合等が農林中央金庫その他融資機関から復旧資金の融資を受けました場合に、政府がこの融資機関に対し、損失補償と利子補給を行うことができるようにずることによつて、漁民のこうむつた損害の復旧を円滑にしようとするものでありまして、先に制定を見ました昭和二十六年十月の台風による漁業災害並びに十勝沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する二つの特別措置法と同様の趣旨のものでありますが、今回災害を受けました地方の漁民は、本年三月に十勝沖の地震によつて甚大な損害を受け、その復興途上において再度の損害をこうむつた関係上、その復旧には一段と困難がありますので、その他前回の場合の融資状況等をも勘案いたし、都道府県においても同様損失補償の途を設け、融資総額の三割を下らない額を限度として補償の契約がある場合には、政府は従来の三割を五割補償する途を開き、更に利子補給については従来の四分を五分にそれぞれ引上げ、これによつて災害復旧を可能にし、なお且つ促進して、漁業者の生活の安定に資したいというのが提案の理由であります。
次に内容について申上げます。第一条に、この法律の目的として、漁業者又は水産業協同組合が、昭和二十七年十月のオホーツク海暴風浪又は昭和二十七年十一月のカムチヤツカ沖地震によつて、その所有する漁船、漁具、水産動植物の養殖施設について受けた損害の復旧を円滑にするため、政府がその復旧資金の融通について損失補償及び利子補給を行うことを定め、第二条以下において損失補償及び利子補給の方法、基準、限度、利率等について限定いたしておりますが、その具体的内容は、オホーツク海暴風浪又はカムチヤツカ沖地震によつて漁業施設に損害を受けた漁業者若しくは水産業協同組合に対し、漁業施設の復旧のため、農林中央金庫その他政令で定める金融機関が漁業施設の復旧資金を融通する場合に、政府はその金融機関が融資することによつて受けた損失の全部又は一部を補償し、且つ利子を補給する旨を、当該融資機関と契約を結ぶことができるようにし、但し、この損失補償及び利子補給を受ける融資は昭和二十九年三月十一日までになされ、且つその償還期限が昭和三十四年三月三十一日以前になつているものに限り、又政府がこの契約をなすことができる融資の総額は十三億円を限度としております。
次に損失の基準及び損失補償の金額の限度でありますが、融資元本の償還期限の到来後一カ年以内の一定の期間を経過しても、なお、元木又は利子の全部又は一部について回収されなかつた金額に対して、政府は融資機関ことに、その融資機関がなした融資の都道府県、ことの総額の百分の三十に相当する金額を補償することになつております。
〔副議長退席、議長着席〕
一方において、都道府県においても当該融資機関との間に、当該融資機関が都道府県の地域においてなした融資について、百分の三十を下らない額を限度として損失補償をなす旨の契約が結ばれている場合には、百分の五十に相当する金額を補償することになつております。次に、利子補給につきましては、年に五分の割合で計算した金額を補給し、従つて当該金融機関は、通常の場合より年五分引下げた利率で融資しなければならないことになつております。又水産業協同組合が融資を受けて、組合員又は会員に転貸しするときの利率は、当該融資機関から受けた当該融資の利率を越えてはならないことになつております。又最後に、融資機関は損失補償を受けた後も、債権を善良なる管理者の注意を以て保有し、且つ回収に努め、自己の損失の填補に充当し、なお残額があるときは、損失補償の金額に達するまでの金額を政府に納入しなければならないことを規定しております。
委員会におきましては、質疑応答を重ね、慎重審議をいたしましたが、その一、二を申上げます。「従来から、災害が起つたその都度この種の臨時立法を行なつているが、今般の立案に際し、恒久的な災害救済の法律を考えなかつたか」との質問に対し、「今回は国会の会期の都合もあり、応急措置をとつたが、いずれ恒久的な法律の立案を行いたいと思う」との答弁があり、被害額、融資限度、都道府県の行う損失補償等については、今回の被害は北海道及び青森、岩手、宮城、静岡、三重等の各県でその総額は二十四億円で、そのうち要復旧額を二十二億円とし、その七割が融資を必要とする額と見て、更のその八割を融資限度とした結果十三億円になつた。又今回の災害地は、十勝沖地震に引続き再度の災害を受けているので、地方の県においても損失補償等救済の方途を講じてもらうことにし、宮城県においてはすでに確定しているとの答弁がありました。なお詳細につきましては速記録を御覧願いたいと存じます。
質疑を打切り、討論に入りましたところ、千田、松浦、木下辰雄、木下源吾の各委員から、「恒久的災害救済の法律を作るべきであるが、その第一段階としてこの法律を制定し、災害の速かな復旧を願う、又従来の例から見て、負担能力ある大きい漁業者にのみ融資が行われることなく、零細な漁業者にも広く多数の者が融資を受けて、速かに復興ができることを希望する」との趣旨の賛成意見が開陳され、特に千田委員からは、「金融機関の資金を確保するため、政府は金融機関に政府資金の預託を行い、又農林中央金庫の発行する農林債を紐付きで買上げる等の措置を講じ、運用に潰憾のないようにせられたい」との要望がありました。かくて討論を打切り、採決を行いましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/13
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014・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もたければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/14
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015・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/15
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016・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 日程第三、昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案、
日程第四、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/16
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017・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長中川以良君。
〔中川以良君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/17
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018・中川以良
○中川以良君 只今議題となりました昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
本案は、民生の安定と資本蓄積の促進とに資するため、昭和二十八年度においても税制の一般的改正を行おうとするものでありますが、差当り昭和二十七年度補正予算に関連して臨時特例を設け、所得税負担の軽減合理化を図ろうとするものであります。
本案の内容について申上げますと、先ず昭和二十八年一月から三月までの間に支給される給与所得及び退職所得につきましては、明年度予定されております控除及び税率によつて計算した源泉徴収税額により源泉徴収いたそうとするものであります。即ち基礎控除については現行五万円を六万円に、扶養控除については、最初の一人につき現行二万円を三万五千円に、勤労控除の最高限を現行三万円から四万五千円にそれぞれ引上げると共に、新たに社会保険料控除の制度を設け、又税率については、特に低額所得者に対する負担の軽減を図るため税率の引下げを行なつて税額を算出いたしております。なお、この社会保険料の控除は、特に昭和二十七年分の所得についても適用いたし、本年一月に遡つて控除いたそうとするものであります。これらの諸控除及び税率の改正によりまして、所得税の負担は相当軽減されることとなり、源泉徴収分約二百二十九億一千百万円、申告納税分一億二千百万円、合計二百三十億三千二百万円の減税となるものであります。更に又昭和二十七年度分の所得税につきましては、申告納税の一層の改善充実を図るため、確定申告書の提出期限及び第三期分の納期限を三月十六日まで延期いたそうとするものであります。
さて、本案につきましては、十二月九日、一橋大学経済学部長井藤半弥君外五名の参考人よりそれぞれ意見を聴取いたします等、慎重に審議いたしたのでありますが、その詳細は速記録により御承知願いたいと存じます。
かくて質疑を終局し、討論に入りましたところ、小林委員より、「本案は第十三回国会において要望しておいた社会保険料の控除及び勤労控除の最高限度の引上げを実現したものであるから賛意を表するが、将来の税制改正に際しては勤労控除という言葉は適当でないから、名称を変更して、給与所得者控除とすべきである」との希望を付した賛成意見が述べられ、次いで松永委員より、「勤労階級は、所得の不公平な配分によつて、依然としてその生活苦は解消されておらず、少くとも月二万円程度の所得までは免除すべきである」との反対意見が述べられ、更に木村委員より、「今回の補正予算の財源は、その大部分が勤労大衆の名目的な自然増収に依存しているものであり、従つて今回の減税措置は、税の調整を図つたものに過ぎず、税負担の実質的な軽減が行われているとは考えられないこと、及び勤労控除はシヤウプ勧告前の二五%に是正するほか、基礎控除、扶養控除等についても少くとも給与ベースの線までは免除すべきである」等の反対意見が述べられ、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について御報告を申上げます。
本案は、食糧管理特別会計において昭和二十七年度に生ずることが予定される歳入不足百十四億六千万円を補填するため、その不足額を一般会計から本会計に繰入れることができることとしようとするものでございます。即ち昭和二十七年度産米の消費者価格及び生産者価格の改訂措置等に伴つて生ずる不足金七十八億円余、昭和二十六、七年産麦の売買差損二十一億円余、昭和二十六年産米につき将励金等を支払つたことによる不足金十億円余、その他、学校給食用輸入小麦の売却に伴つて生ずる不足金十四億円余等の合計額から、加工米等の売払に伴う歳入増加見込分八億円余を差引いた差額百十四億六千万円を、昭和二十七年度において一般会計から本会計に繰入れることができるようにしようとするものであります。
本案審議に当りましては、食糧管理のあり方、この会計における来年度の歳入不足の見込、学童給食、検査官の超過勤務手当支給等についての質疑が行われたのでありまするが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。
かくて質疑を終了し、討論に入り、木村委員、菊川委員及び堀木委員からそれぞれ反対の意見が述べられ、又松永委員及び小林委員からそれぞれ賛成の意見が述べられ、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定をいたした次第でございます。
以上御報告を申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/18
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019・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。小林政夫君。
〔小林政夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/19
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020・小林政夫
○小林政夫君 時間が制約されましたので、少し早口になりまして、お聞き取りにくいと思いますが、御了承を願います。
私は、只今上程されました昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案に賛成いたします。
特に本法律案は、本員が強く要望しておりました社会保険料控除の制度を設け、又勤労控除の最高限を引上げようとするものでありますから、欣快の情さを以て賛成する次第であります。私がここにあえて賛成討論に立ちましたゆえんは、本院大蔵常任委員会の意向を尊重された大蔵省主税当局に敬意を表すると共に、本臨時特例を二十八年度において基本法に織込むに当り、その他の税制について併せて考慮されるべき問題を指摘せんがためであります。
先ず第一に、所得税についてでありますが、政府は大蔵常任委員会において、今回の臨時特例を基本法に織込み、本格的な改正をする。富裕税を廃止して、現在の所得区分の最高限二百万円の上に二階級くらいを設けて、最高税率を六五%程度に引上げる。その結果、地方税を加えて最高七八%くらいの税率になる。有価証券の譲渡所得税を廃止して、有価証券移転税を起す。右の有価証券の譲渡所得税廃止との権衡を列するため、他の譲渡所得、例えば森林所得、不動産譲渡所得等についても負担の緩和を図る。変動所得の平均課税の方法を簡素化する。生命保険料年四千円の控除額を引上げる。源泉選択課税の税率五〇%を或る程度引下げると言明があつたのでありますが、必ずその言明通りに是非実行されるべきは勿論でありますが、更に私は勤労控除について一段の考慮が払わるべきであると思います。そもそも勤労控除という呼称は、呼称自体が改められるべきであり、勤労という字句に眩惑されて誤解されたり、的はずれの不権衡論が唱えられたりするのであります。勤労控除という言葉が税法中に使つてあるわけではなく、ただ簡潔な慣用語に過ぎないのでありますから、政府の用語として、給与控除とでも訂正使用されたらよいと思います。
さて給与控除でございますが、この控除を設ける根拠を、政府は、給与所得は他の所得に比べて担税力が弱いということと、給与所得については、必要経費を細かく計算して控除しないという二つの理由にしておりますが、シヤウプ博士の論駁によるまでもなく、私は表面的なこじつけ理由に過ぎないと思います。政府の理由とするところの二点は、いずれも基礎控除の設定によつて解決されております。私は理論ではなしに、実際上、給与控除は必要であるとするものであります。実際の課税能力、所得把握の的確度の差異にその設定の根拠があります。このことは徴税機関を現地調査することによつて実証されるのであります。この給与控除は、二十五年四月の税制改正で、二五%から一五%に引下げられ、最高限を三万円と定められたのてありますが、このたびの改正で、この最高限が五割増の四万五千円とされるわけであります。控除率を旧に復せという意見もございますが、率の引上げは減収額を著しく大きくする。例えば最高限を三万円に据え置いて、率を五%引上げて二〇%にした場合にも、二十七年度の年換算減収見込は五十五億四千百万円となるのでありまして、現状では、率の引上げは望ましいことではありますが、ちよつと困難でありましよう。最高限を五万円とする場合には、今次の補正予算に対する減収見込額は三億一千万円であり、年換算十七億五千四百円、六万円の場合には年換算三十九億七千六百万円となります。この程度のことならばできるはずであります。最高限を四万五千円とする根拠として、政府は、民間産業労働者の給与べースが、二十五年四月を一〇〇とした場合に、二十七年九月は一四九・九となつているというような資料を提出したのでありますが、同時に提出された国家公務員の給与ベースは二十五年四月を一〇〇として、二十七年十一月は二〇三・三となつている。民間産業労働者のベース・アップ率は、私として納得できがたい点もあり、給与控除の最高限は四万五千円よりいま少し引上げらるべきものと思います。
第二に、法人税については、政府は、普通税を下げて超過所得税と二本建にしろという議論、下のほうの税率を下げろという議論、いずれにも封状においては賛成できないという、特に後者、即ち少額所得法人の税率を下げたらどうかという意見に対しましては、来年度に所得税の上の階級を上げる関係もありますし、又今日依然として法人成が多いという点から讃えても、賛成できがたいのであります。資本蓄積に資するため、価格変動準備金、貸倒れ準備金、産業合理化法に基く特別償却については、できる限り範囲の拡大、限度の引上げ等を行いたいとのことであるが、いささか自分は見解を異にするのであります。勿論、法人税率四二%を、据え置くことを前提とするならば、諸準備金、特別償却の範囲の拡大、限度の引上げは望ましいことであります。併し少額所得法人は殆んどこれらの特別軽減措置の恩典には浴していないのであります。これら特別軽減措置による二十七年度法人税の減収見込額は、価格変動準備金の損金算入により三十億八千五百万円、退職給与引当金の損金算入により百二十二億二千八百万円、貸倒れ準備金の損金算入限度引上により二十三億六千四百万円、租税特別措置法による法定償却額の五割増償却により二十一億九千五百万円、企業合理化法及び租税特別措置法による初年度二分の一の特別償却により十九億六千三百万円、計二百十八億三千五百万円となり、二十七年度法人税総額千八百七十九億九千百万円にこれを加えれば、これら特別軽減措置のなかつた場合の法人税総額となる。即ち二千九十八億二千六百万円であります。この軽減措置なかりし場合の法人税額に対する軽減措置による減収額の割合は一〇・四%であります。法人税率四二%に(1ー〇1〇4)を掛けると三七%六三二となります。即ち法人税率は一律に四二%でありますが、軽減措置による減収を一律に引き直すと、実際には三七%六三二となり、第十二国会において、三五形より四二%に無理して引上げたけれども、実際には総体的に見れば殆んど引上げなかつたような結果になつております。併しここに問題があるのであります。これから特別軽減措置の恩典に浴しているものは殷賑法人であり、高収益法人であり、多くの場合大法人であります。前にも述べた如く少額所得法人は殆んどその恩典に浴していないのであります。むしろ庇護を受くべき多くは当今問題の中小企業である。弱者に税率は重く、大企業の高収益法人は資本蓄積の美名の下に税率は軽くなつておるのであります。ここに私は顕著な反社会性を見るのであります。なお且つ企業間において業種別に非常なアンバランスがあります。不振産業、低収益企業といえども、国家的に育くまねばならぬ企業が多いのであります。強いものはますます強く、弱いものはますます弱くさせられるという反社会性は、断乎として是正されなければならないのであります。米英においても少額所得法人には免税点を設けてあり、税率も下げてあります。所得税の上の階級を増徴するからというようなことは、法人擬制説をとる現行法規の建前では反対理由にならないし、法人成が相当現今でも多いということは税法に対する無知のためであります。所得階層のどこに位するかによつて個人事業者は法人成によつて必らずしも有利ではないはずであります。
次に再評価はもう一回認めるべきであるかどうか。政府は今考えているようでありますが、前回の基準時より卸売物価の水準は七割程度上つていることでもあり、又前回の不況企業も今では好況企業となつているものもあり、企業の業態に著しい変化のある以上、もう一回と言わず、何回でも、日本経済が完全に落ち着くまで、再評価の機会を企業に与えるべきであると思います。
第三に相続税について。贈与を一生累積するということと同時に、税率控除についても検討考究の上、緩和を図るべきであると思います。
第四に間接税についてであります。酒税は、今なお依然として密造は後を絶たない。官憲によつた取締は蝿を追うに似たような状態で、一向に徹底していない。併しこれは、やはり経済的に撲滅する以外に途はないのでありまして、低級酒の税率を下げるべきであると思います。税率を下げても売行きの増加で減収にはならないと思います。
物品税は、課税品口、税率、免税点等について、社会経済事情の変化をも考慮に入れて再検討すべきであると思います。
以上、二十八年度税制改正に対する政府の方針に対比しつつ私の意見を述べたのでありますが、この際、私は自分で計算してみて、その数字の結果に驚いた事実を諸君に告げなければならない。それは所得税の納税人員についてであります。国民ひとしく品を開けば税の軽減と訴えると、私は極く最近まで思つておりました。ところが源泉所得税の納税者数は八百六十三万三千人であり、申告所得税の納税者数は三百十七万人であります。所得税の直接の納税者は合計千百八十万三千人であります。納税者一人当りの扶養人員は、源泉所得税納税者において一・六九人、申告所得税納税者においては平均四・一五人であります。扶養人員を含む所得税納税者と申しますか、所得税の軽減が恩典として受取れる国民の数は三千九百五十四万八千人であります。八千五百万人の総国民人口のうちで、そのほかの四千五百四十五万二千人は、所得税の軽減によつては、いささかも収入増にならない人たちであります。即ち、子供も、老人も、妻も、それぞれの納税者側にも加え、納税しない側にも加えて国民の五三%五は所得税には縁のない人たちである。国民皆貧、国民ひとしく貧乏になつた我が国の現状においては、堪えがたくとも課税所得を持つ者は上層階級に属するわけであります。大衆課税ということがよく言われておりますけれども、我が国の現状においては言葉の厳密な意味においては当らない。強いて大衆課税と言うならば、納税者中の大衆課税と言わなければならない。(「然り」と呼ぶ者あり)とまれ二十八年度は政府の構想通り実施するとして源泉所得税において約六百億、申告所得税で二百億、合せて八百億程度の税法上の減税となります。一方に要生活保護者は飢えに泣き、国民健康保険は危急を告げ、老朽校舎は幼児の生命をおびやかしつつあり、中小企業は崩壊に瀕しつつあるのであります。為政者としては減税のみで事足るものではないということを心に銘記すべきであると思います。
以上を以て私の賛成討論を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/20
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021・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
これより両案の採決をいたします。
先ず昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/21
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022・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/22
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023・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/23
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024・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/24
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025・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 日程第五、外務省設置法の一部を改正する法律案、
日程第六、日本国憲法第八条の規定による議決案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/25
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026・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長竹下豐次君。
〔竹下豐次君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/26
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027・竹下豐次
○竹下豐次君 外務省設置法の一部を改正する法律案につきまして内閣委員会における審議の経過並びに結果につき御報告いたします。
先ず順序といたしましてこの法律案提出の理由を御報告いたします。海外移住に関する行政事務は、外務省所管事項として外務省設置法に明記してあるところでありまするが、海外移住者は漸次増加の傾向にありまして、現に二、三の関係諸国においては日本移民誘致について具体的な計画を進めつつあります。この際、我が国としては優秀な移民をますます多く且つ円滑に送り出すよう努めなければなりません。このため、移住に必要な教養を与え、及びその渡航手続を斡旋する機関として、神戸移住斡旋所を設置し、これを運営する必要があるわけでありまするので、今般政府は外務省設置法の一部を改正する法律案を提出いたすことに相成つたのであります。
内閣委員会は予備審査を合せて委員会を二回開きまして、本法律案の審議に当つたのでありまするが、この審議の結果明らかになつた主な点を御報告いたします。
その第一点は現在の移民状況についてであります。現在移民の可能の国は南米の数カ国でありまして、これに計画移民と呼寄せ移民との二種類ございます。上塚司氏の計画によるアマゾン移民五千家族が昨年十月ブラジル政府の許可を得たのを初めといたしまして、パラグアイ農業移民計画(百二十家族)も正式に許可されており、最近にはブラジル在住松原安太郎氏の四千家族農業移民計画も同国政府の許可を得るに至りました。又他方、現地在留邦人による就職保証その他の方法によるブラジル、アルゼンチン等への呼寄せ移民も漸次増大しつつありまして、今後年間二三千人に達するものと見られておるのであります。右のうちアマゾン計画移民及び松原計画移民は、現地の受入態勢が現在整備されておりませんので、本格的送出は来年度にならないと実施ができない現状でありまするが、来年度においては各三百七十家族及び二百家族の導入が許可されており、又アマゾン移民の一部十八家族は本月二十七日神戸出帆予定の船で送出することになつているのであります。なおパラグアイ移民も近く具体化するものと予想されております。
その第二点は、本法律案によつて新設される神戸移住斡旋所についてであります。神戸移住斡旋所は外務省の附属機関でありまして、これら移住希望者が相手国の要求する健康上その他の条件を具備するかどうかを調査すると共に、合格者に対して複雑な渡航手続を斡旋し、且つ船待ちの間一定期間収容して、現地社会への同化を促進するための十分な予備知識を与えることを任務とする施設であります。なお同所は本年十月二十六日から神戸移住斡旋所として事実上開かれておるのでありまして、十一月一日には呼寄せ移民五十一人、十二月二日には同三十二名をすでに送り出したのであります。
その第三点は、神戸移住斡旋所新設に伴う予算措置の点であります。神戸移住斡旋所の建物は既設の建物を使用しておりまするので、予備費から約三千万円支出して補修費に充てられております。又本年度のブラジル五十四名の移民運営費として本年度補正予算に七百八十七万四千円計上されておりまするが、これは、これら移民の渡航の船賃であります。
その第四点は、神戸移住斡旋所の定員の点であります。この新設機関に対して本年度は行政機関職員定員法に基く定員は一人も増員されておりません。現在十四名の非常勤職員が配置され、この法律案によつて開設された後は若干の非常勤職員が増置され、所長は外務省欧米第二課長が兼務する予定であるとのことであります。
内閣委員会は昨日の委員会で本法律案についての質疑を終り、討論の段階に入りましたところ、上原委員から、本案は緊急止むを得ざる必要な措置と認められるから賛成する旨の発言があり、次いで採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決せられました。
次に日本国憲法第八条の規定による議決案につきまして内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず本議決案の提案理由と案の内容を説明いたします。憲法第八条によれば、皇室が財産を賜与する場合には国会の議決を得なければならないことになつております。而して内廷にある皇族以外の皇族が毎年四月一日から翌年三月三十一日までの期間内に賜与することができる財産の価額は、皇室経済法第二条及び皇室経済法施行法第二条第二号の規定によりまして、十五万円と定められておりますが、同一年度内において、その価額を超えて賜与される場合には、すべて国会の議決を要することに相成つております。このたび、高松宮宣仁親王殿下は、福島県内翁島村ほか二カ村に所有せられる土地家屋、その他を合しての価額二百五十八万余円を、同県が観光及び厚生の施設として利用できるように、同県に対し賜与されることになりましたので、政府は日本国憲法第八条の規定並びに前述の皇室経済法第二条及び皇室経済法施行法第二条第二号の規定に基き、本議決案を提出いたした次第であります。
内閣委員会は予備審査を合せて委員会を二回開いて、本議決案の審査に当つたのでありますが、その結果、明らかになつた牧点を報告申上げます。
その第一点は、この議決案によつて高松宮宣仁親王殿下が福島県に賜与せられんとする用地、家屋についての沿革であります。問題となつている高松宮御用地は、福島県耶麻郡翁島村、同県安積郡月形村、福良村に所在するものでありまして、明治四十年十二月有栖川宮威仁親王が当時公簿面積二百六十三町歩余の民有地を買上げられ、翌四十一年八月に四百四十五坪の洋式別邸及び附属家屋を新築せられたものであります。大正二年にこれら土地家屋は高松宮宣仁親王殿下に贈進せられ、その後、増築その他の変更もあり、大正十四年一月に右御用地を整理され、百九十八町歩余を福島県に賜与せられ、なお昭和二十二年以後、自作農創設特別措置法の実施に伴い、宅地百四十五坪並びに田畑の全部、山林の一部約十町歩を譲渡されたので、現在の土地家屋は、宅地三千坪余、山林原野等約九十町歩、家屋約六百十三坪でありまして、これが、このたび、この議決案によつて福島県に賜与されることと相成るのであります。
その第二点は、この議決案によりまして、これらの土地家屋が福島県に賜与されたのちの運営の点であります。福島県は、右土地家屋等の賜与を受けましたのち、これらの土地家屋を観光及び厚生の施設として利用いたすのでありますが、観光及び厚生の施設に直接関係のない山林原野については、明治四十年の御買上け当時の元所有者の間に、その返還等の要望もありますので、県は超党派的の委員会を設けて、これらの土地の今後の運用等の問題を調査審議する方針であるとのことであります。
内閣委員会は昨日の委員会におきまして、本議決案につき質疑応答を重ねましたのち、討論の段階に入りましたところ、上條委員より、「本件土地は、高松宮家より賜与ののちは、福島県当局は委員会を新設して、この土地の今後の処置を考究するとのことであるが、その場合、この土地が買上げられた当時の事情、特に元所有者への返還の事情等を十分調査して、観光、厚生の施設に支障のない限り、元地主の要望に副うよう、而してその場合、お買上げ当時の価額を十分調査し、適当な価額で返還せられるよう取計らわれたい」旨の希望条件を付して、本議決案に賛成する旨の発言があり、次いで中川、成瀬、栗栖各委員よりも、右希望条件の下に賛成する旨の発言がありました。次いで本議決案を採決に付しましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決せられました。
以上御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/27
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028・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
先ず外務省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/28
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029・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半放と認めます。よつて本案を可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/29
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030・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に日本国憲法第八条の規定による議決案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/30
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031・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/31
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032・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 日程第七、昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。決算委員長奥むめお君。
〔奥むめお君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/32
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033・奥むめお
○奥むめお君 只今議題となりました昭和二十四年度の一般会計並びに特別会計の歳入歳出決算及び政府関係機関収入支出決算につきまして、決算委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
右決算は第十回国会に提出されたものでありますが、昭和二十三年度決算の審議が未了でありました関係などから、第十二回国会から審議を始め、今回その審議を終つた次第であります。
先ず歳入の部について御報告いたします。
一般会計におきましては、歳入決算額は七千五百八十六億余万円で、歳入予算額と比較いたしますと百七十二億余万円を増加しております。次に歳出の部につきましては、一般会計におきましては、歳出予算額は七千四百十億余万円で、これに前年度からの繰越額十六億余万円を加えますと七千四百二十七億余万円となります。このうちから支出額六千九百九十四億余万円と翌年度へ繰越額百八十九億余万円とを差引きますと、結局二百四十三億余万円の不用額を生じております。
又昭和二十四年度における特別会計の数は三十四でありまして、各特別会計の決算額の合計額は、歳入決算額一兆八千三百九十四億余万円、歳出決算額一兆七千五百七十二億余万円であります。
次に昭和二十四年度における政府関係機関の数は二十一でありまして、各機関の決算額の合計額は、収入決算額一兆四千四百六十九億余万円、支出決算額一兆三千百七十五億余万円であります。以上は決算の大要でありますが、これらの決算に関する詳細は決算書類について御覧を願います。
次に決算に関する審議の結果を御報告いたします。会計検査院が検査報告中に指摘しております不当事項につきましては、その殆んど全部について当委員会は会計検査院とその見解を同じういたしております。ただ若干の項目につきましては多少見解を異にいたしますが、その理由等につきましては決算委員会の審査報告書で御覧を願います。右に述べました不当事項を除きまして決算に関するその他の事項については別に異議はありません。
決算審査の結果といたしまして、次の三項目につきましては、内閣に対し将来の注意を促すため特に警告を与えるものであります。
その一は、会計検査院の検査報告中に掲げられている不当事項の増加についてであります。この不当事項は終戦後毎年非常な勢いで増加するばかりで、昭和二十一年度百七十五件、二十三年度六百二十三件に比べまして、当年度は七百五十件の多きに上り、なお今後も減少の見込が立たないと言われております。不当事項の増加は、一面、会計検査院の検査能力の充実に基くものと思われますが、会計法規の軽視、責任感の弛緩等がその主なる原因であることは疑う余地のないところで、公職にある者の行為として誠に遺憾に堪えないところであります。不当行為の内容は千差万別でありますが、架空名義の支出、予算制度を無視した支出並びに職員の不正行為による国損のごときは最も注意を要する問題であります。職員の不正行為の案件の、ごときは各官庁並びに各政府関係機関の殆んどすべてに亘り、検査報告件数の約二割に相当する百四十七件の多きに上つており、国又は政府関係機関に与えた損害額は六億七千余万円、翌年度末までに補填されるに至らなかつた額は三億七千余万円を超えます。世人の耳目を驚かせた鉱工品貿易公団の事件のごときも右に含まれております。内閣は公務員一般に対し綱紀粛正に努め、吏道の高揚、遵法精神の涵養のため最善の方策を講ずべきであります。
その二は、違法又は不当の行為者に対する行政処分の問題であります。刑事事件に関連する場合はともかく、一般的には行政処分が軽きに失するきらいがあります。その事態の相当重い場合においてさえ、法律上の行政処分、即ち戒告以上の処分を受けている者は極めて稀でありまして、その大部分は行政処分に至らない訓告又は注意処分に過ぎないのであります。又不当行為の実行者である末端の職員を責めるに急にして、その上級職員たる監督者及び決定者に対する責任追及が軽視されている傾向も認められるのでありますが、実際問題としては、その不当行為が上司の指揮又は許容の下に行われたものと認められる場合が少くありませんのに、その責任追及が軽視又は看過されていることは不当であります。なお各官庁における処分を比較するに、一般的に見て均衡を失していると感ぜられるものもあります。行政処分を適正ならしめることが不正行為を未発に防止する上に最も必要な対策でありますことについては、当委員会は昭和二十一年度の決算審査報告以来、毎年繰返して内閣に警告を与えて来た次第でありますから、内閣は真筆なる態度を以て速かに適切な措置を講ずべきことを重ねてここに警告するものであります。
その三は、国有財産その他の管理及び経理についてでありますが、その措置よろしきを得ないものが甚だ多いのであります。国有財産にあつては、或いは建物の買受人が代金納入前にすでに解体移築し、或いは機械の買受人が代金納入前にすでに移転据付けを終えて使用した案件、或いは、貸付料及び売渡代金の収納未済又は徴収未決定額が八億円を超えるに至りました、ごとき、その他幾多の好ましからぬ事例があります。小委員会で特に詳細に審査いたしました聖十字学園事件はその最も顕著な一例でありまして売渡契約成立前に払下申請人である学園が整地及び建築工事等に借手していたことを看過しておつたこと、学園が資力薄弱な財団法人であつて、買受能力がないことが容易に判断できる事情であつたのに、その資力につき十分の調査を行わなかつたこと、学園が公益事業の用に供するという払下条件に違反して、一部を転売している事実に照らして、売渡契約を解除すべきであるという会計検査院の指摘を受けながら、なお聖十字学園の名に隠れて行われている各種の事業をいずれも公益事業であると誤認して一部の契約解除にとどめたごとき、数々の失態を重ねております。本件につきましては、国会の審査に鑑みて、当局は売買契約の全部解除の通知を発し、所有権移転の仮登記等の法律上必要な手続をとるに至りました。又国有物件につきましては、不当価格による購入、不急品又は不適格品の購入、過大量の購入、従つて保有量の過大、保管方法の不良による品質の低下、現品と帳簿面との不符合、その他種々の不当事項が生じております。
当委員会は、国有財産その他の国有物件の管理及び経理につきましては、すでに昭和二十一年度の決算審査報告を初め、しばしば内閣の注意を喚起し来たつたのでありますが、この際、重ねて内閣に対し、速かに有効適切な対策を講ずるよう警告するものであります。
なお、物品会計規則は明治二十二年に制定のまま著しい改正を加えられずに今日に至つていて、現在においては物品経理の万全を期する上に不十分であり、物件に関する不当事項の発生は法規の不備に基くものも少くないと思われます。よつて速かに時宜に適した物品会計法規を制定して、時弊を矯正することの必要を痛感いたします。
以上申述べました事項は、特別に注意を促すべき点を指摘して、内閣に警告を与えたのでありますが、その目的とするところは、国費の有効適切な使用を促し、不当な国損の発生を防止するがために、不当事項の発生の根絶を期せんとするものでありますから、内閣においては、この点に関する深き反省と考慮とによつて、この目的達成のため最善の方策を講ぜられるよう強く要望いたします。
最後に、公団の経理に関して申上げます。公団に関する決算検査報告に指摘された不当事項は七十五件に達し、その内容は、架空名義で支払つて給与等に充当したもの、職員の不正行為により公団に損害を与えたもの、資金の管理当を得ないもの、商品代の回収処置当を得ないもの、売掛金の整理が著しく不良なもの、物資の管理が十分でなかつたため多量の物資がほしいままに他に処分されたもの等でありまして、公団の経理運用が不当であることについては、かねて強く世人の注目の的となつていたところであります。申すまでもなく、公団の経理は収支が等しくなる建前になつておりましたし、清算が結了した今日における全公団を通計しての損益計算としては、さほど欠損はない勘定になる見込であるとのことでありまして、経理の不良が実質上さほど悪影響を及ぼしていないとの錯覚を与える危険があります。併しながら、幸いにも欠損をこうむらない計算となりましたのは、主として在庫品の甚だしい値上りという、公団の努力に基かないいわゆる不労収入のためで、これがために公団の経理運用の不当事実に対する批難に手加減を加えるべきではありません。従つて公団につきましては更に十分の審査をして功罪を検討すべきでありますが、すでに全公団が清算を終了いたしておりますので、過去の事実に対するこれ以上の詳細な審査を差控えたのであります。内閣においてはこの趣旨を理解し、諸公団の残務処理については厳重に督励されるよう要望いたします。なお、公団の不当経理発生の原因としては、機構の問題、監督の問題、公団の存続期間が短期間と規定され、而もその職員に対する解散後の身分保障がなかつたこと、その他幾多の点があると考えられますので、内閣においてはこれらの原因について十分の調査を遂げ、公団の功罪を検討して、これを明らかにし、他山の石として将来の参考に供せられるよう希望いたします。
決算委員会は極めて慎重に審議いたしました結果、多数を以ちまして以上の通り議決いたしました。但し討論に当りまして社会党第二控室の一委員から、「会計検査院が報告している批難件数は毎年増加の一途を辿り、昭和二十一年度百七十五件に比し、二十四年度七百五十件、更に目下審議中の二十五年度においては千百十三件となつておる。国会は毎年度の決算審査報告において、内閣に厳重な警告を発しておるにもかかわらず、少しも改善の跡が認められないばかりでなく、多数の不当事項によつて国費の経理を紊乱せしめていることについて、国民に対する内閣の責任が何ら明らかにされていないから、本件決算は承認できない」という趣旨の発言がございましたことを御報告いたします。
なお審議の詳細につきましては委員会の会議録で御覧を願います。
以上を以て御報告といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/33
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034・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 少数意見者から報告することを求められております。発言を許します。カニエ邦彦君。
〔カニエ邦彦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/34
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035・カニエ邦彦
○カニエ邦彦君 私は只今議題となつております昭和二十四年度の一般会計、特別会計の決算に対しまして、少数の意見を述べたいと思います。
決算につきましては、御承知のごとく国の経理の締め括りでございまして、一番、国としては大切なことでなければならないと思うのであります。然るに、政府も国民も又国会も、この重要な問題に対しまして余りにも無関心であることは残念に堪えない次第でございます。(拍手)皆さん御承知のように、これが如何に無関心であるかということは、只今のこの議場の風景を御覧になつても私はわかると思うのであります。かかる重要な国の決算に当りまして政府の責任者がこの雛壇に一体おるか。(拍手)一人もいないということなんです。(「その通り」と呼ぶ者あり)これでは私は、如何に、いわゆる国民がなけなしの財布をはたきまして、そうして苦しい税金を出しましても、これは何にもならない。又如何に一体この経理の状態が、支出がなされておるかというようなことに対して、只今問題になつておりますところの二十四年度の決算の実態を、又国費のこの乱脈な様相を国民が知つたなれば、一体どういうことになるかということを私は非常に心配をしておるのであります。
先ず今委員長が報告されました通りに、二十四年度の批難の件数というものは七百五十件の多きに達しております。過去の、我々がこの国会に参りましてからの審議の経過を申上げますと、二十一年度は僅かに百七十五件でございます。二十二年度になりますとこれが三百八十六件に殖えて参りました。二十三年度には又これが約二倍の六百二十三件となつて参り、今議決をしようとする二十四年度は只今申しました通り七百五十件になつておる。而もこれから審議しようといたしまする二十五年度になりますと、驚くなかれ一千百十三件の多きに達しているのでございます。而もこの七百五十件のこの今問題になつておりますところの決算の報告というものは、これは会計検査院が実は「ふるい」に「ふるい」をかけまして、そうして鼻持ちならない、これではどうにもならないというもののみを最終的にまとめ上げましたものが七百五十件なのであります。だから、会計検査院が指摘をいたしました本当の件数を言いますと、実にこれは厖大な件数でございます。而も皆様方は、七百五十件と言えば、国の経理を十二分に検査をして出て来た件数とお考えになると思いますが、実はそうではございません。この件数を出すのに当りまして、会計検査院が努力をいたしましても、全部の検査をする個所の大体におきまして三分の一ぐらいしか検査をしていないのであります。従いまして三分の二は野放しの状態で過ごして来ておるのであります。国のいわゆる国民の血税が、かようにいわゆる検査に野放しになつて来ておるものが三分の二もあるのでありまして、(「けしからん」と呼ぶ者あり)この三分の一だけで七百五十件出て参り、而もその総金額にいたしますると、大体これを内訳してみますると、国に損害を与えたと認められますものが十三億一千百三十四万七千四百八十円ございます。それから経費を節減し得たと認められるものは六億八百三十七万三千百七十八円でございます。それから徴収の措置当を得ないもの、いわゆる馴れ合いその他におきまして、不正によつて、徴収すべきものをせなかつたというものが三十億五千五百九十六万五千百九十三円でございます。法令又は予算の違反によりました経理は実に七百六十三億一千六十二万八千六百三十五円、合計合しますると八百十九億七千七百十万五千四百六円という金額になるのであります。そのうち会計検査院等が、我々国会等でやかましく言いまして、そうして是正をさした金額が、実にそのうちに十九億一千九百五十一万五千五百十二円となつておるのであります。これが簡単に言いまして二十四年度の国費の濫費のかいつまんだ様相でございます。
そうして、一体、片一方ではどういうようないわゆる状態を起しておるかと言いますると、国は予算がない、財源がないと、こういうようなことを言いまして、皆さんも御承知のようにあの公務員が費しい中から努力をして仕事をしておるのに、その公務員に対しまして最低食うだけの人事院勧告が財源がないから実施をできないと、こう言つて騒いでおるのであります。一体然らばその騒いでおるところの必要な経費はどれだけであるかと言いますと、僅かに三百二十一億円あれば人事院勧告が完全に実施ができて来る。(拍手)而も百六十億円、明年度から僅か百六十億円のいわゆる財源があれば、全国の公務員に対して完全にいわゆる人事院勧告の実施ができ得ると言つておる。又地方のいわゆる自治体というものは財源不足を来たしまして、そうしていわゆる地方財源の難局に会いまして騒いでおるのであります。片一方に、こういつたような、いわば随分私綾の多い、いろいろな、なさねばならないことがあると思うのであります。こういうようなことが片一方であり、片一方では平気で今私が申しましたいわゆる厖大なる会計検査院の批難によりまして八百十六億というような大きな批難金額を出しておる。若しもこれを厳格に会計検査院が検査をいたしましたとすれば、この金額は驚くなかれ一千五百億を優に突破する金であると私は考えておるのであります。かようないわゆる国費を濫費し、そうして汚職に次ぐ汚職である、涜職に次ぐ涜職である。全くいわゆる何と言いますか、鼻持ちのならないような実態にある。そうしてお互いに、お前がやるか、そうすれば俺もやらにや損である、こういうような恰好で国費の濫費が年々行われるといたしましたなれば、一体我が国の経理というものはどういうことになるかということを、皆様方に一つ熱心に考えて頂きたい。
かような一体状態に追込んで来たということの原因は私は幾らもあろうと思います。先ず一番いかんことは、国のいわゆる大事な行政をやつており、そうして年間国費を使つておるところの人たちが、国費に対する観念というものが全く薄いということ、責任がないということ、又国民も一体これに対する関心が非常に薄い。国会は国会で、我々は済んだことだからもう仕方がないじやないか、いいじやないか、まあくということで、そうして年々実は決算委員会を過ごして来たわけであります。決算委員会におきましても、勿論、今委員長が報告をいたしました通り、年々政府に対しては厳重なる指摘をいたしまして、厳重なる警告を与えて来たのであります。ところが年々やつて参りましても、如何ように警告を発しましても、少しも改善をされない。少くとも私は、せめてこれが横這いの状態になる、こういうことになれば望ましいと思うのであります。ところが、年々倍になり、倍になり、倍になつて千何ぼになつて来る。こんなことで、一体このままの調子で行つたなら、一体どういうことになるか。これは私は憂慮すべき事態であろうと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)
こういう点について、私は先ず何としても会計検査院の拡充強化がなされなければならない。会計検査院は僅かに年間三億か四億の予算で賄つておるのでありますが、こういつた金をたとえ私は倍にいたしましても、三倍にいたしましても、それによつて何千億という国費の濫費が防げるという結果になれば、私は望ましいことじやなかろうか。又処分に関しましても、この処分は、不当を行いましたところの公務員が、官吏が、お互いにまあまあ済んだことだから、まあまあいいじやないかということで、お互いに仲間を仲間が処分をするということをいやがつて、していないということ、だから悪いことをやつても、手落ちがあつても、先ずそれがまあまあで済むということ、これが一番やはり問題である。それから今物品の経理に関しても申されましたが、物品の経理に至つては誠にむちやくちやになつておる。大切な税金で物を買つたところの莫大な物品の経理が、これが実に棚卸しすらもされていないということ、これは非常に私は遺憾に思う。なかんずく物品に関する法律に関しましては、年々私は委員会で言うのでありますが、政府はこれに対して少しも善処しない。未だに明治二十二年我が国の憲法ができました当時の物品経理の法律をそのままでやつて来ておる、こういう始末であります。それから検察当局におきましても、事、国費の問題に対するところの事犯につきましては、よくせき悪党なものでない限りにおきましては、これは一般の場合と非常に軽く扱つておる。非常に臭いものに蓋をさせるというような感じを我々は受けるのであります。裁判所にいたしましてもその通りであろうと思う。
こういうように、一々指摘をして行きますならば数限りがないのでありますが、かいつまんで言いますなれば、国民も、国会も、政府も、共に大切な国費の使途に対しては十二分なる関心を持つてやらなければならないということであります。私はなぜいわゆる同僚諸君が、まあくいいじやないか、賛成したらいいじやないかとおつしやつたけれども、私は反対したかといいますなれば、これが又もや今年も、二十四年度の会計もこれでまあくいいじやないかということで、これで通つたといたしますなれば、それこそ又、二十七年度、二十八年度のいわゆる経理に対しても、政府が何ら反省せないという結果になると思うのであります。それを恐れるのであります。だから私は、かような国費の濫費の実態に対しましては、良識あるところの参議院においては、やはり政府に対して一大鉄槌を加えるためにも、かかるいわゆる不当な、でたらめな国費の濫費の決算に対しては承認することができないというように私は考えて頂きたいと思うのであります。
まだまだ申上げたいことはございますが、以上申上げまして、今後に対するところの、いわゆる国費の濫費に関しましては、一層の熱意を持つて、そうして国民に対するところの責任をいわゆる政府は明らかにとらせる方向に持つて行つて頂きたいということを切にお願いをいたしまして、私のいわゆる反対の……いや、反対じやありません。私の少数意見といたす次第でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/35
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036・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件を委員長報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/36
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037・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は委員長報告の通り決せられました。
議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
午後零時三十一分休憩
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午後四時十五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/37
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038・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
参事に報告させます。
〔参事朗読〕
本日衆議院から左の衆議院提出案は同院において本院の修正案に同意しないことを議決し、両院協議会を開く旨の請求書を受領した。
町村の警察維持に関する責任転移の
時期の特例に関する法律案
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/38
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039・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案両院協議会協議委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/39
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040・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。協議委員の数は十人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/40
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041・安井謙
○安井謙君 只今の両院協議会協議委員の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/41
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042・赤木正雄
○赤木正雄君 私は安井君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/42
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043・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 安井君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/43
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044・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。協議委員の氏名を参事に朗読させます。
〔参事朗読〕
町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案両院協議
会協議委員
石村 幸作君 加藤 武徳君
草葉 隆圓君 宮田 重文君
安井 謙君 岡本 愛祐君
西郷吉之助君 館 哲二君
油井賢太郎君 岩木 哲夫君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/44
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045・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) これより直ちに協議委員の正副議長を選挙せられんことを望みます。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/45
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046・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 参事に報告させます。
〔参事朗読〕
本日議員秋山俊一郎君外七名から委員会審査省略の要求書を附して左の議案を提出した。
漁港修築促進に関する決議案
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/46
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047・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、漁港修築促進に関する決議案(秋山俊一郎君外七名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とするごとに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/47
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048・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては、秋山俊一郎君外七名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/48
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049・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。秋山俊一郎君。
〔秋山俊一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/49
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050・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 発議者を代表いたしまして、只今議題となりました漁港修築促進に関する決議案の提案理由を御説明申上げます。
先ず案文を朗読いたします。
漁港修築促進に関する決議案
水産業の発展は、その基盤となる漁港施設の整備普及にまつことは論をまたないところである。然るにその状況を見るに、去る第十回国会において四百五十港を対象とする第一次漁港整備計画の決定を見、総事業費約四百九十四億円、うち国費予定額約三百億円、三カ年着手、六カ年間に完成の基本計画をたて、昭和二十六年より着手したのであるが、本年度までの実績は、着手港数は三百港、国費支出額は僅かに三十一億円にすぎず、かくては本計画は著るしく遅延し、これを完了するには十数年を要する結果となる。更に毎年襲う台風の被害に至つては、その復旧だけで三年乃至五年を要する現状と併せ鑑みて真に寒心にたえないところである。
よつて政府は、昭和二十八年度以降速やかに計画の完成をはかり漁港修築を促進すべきである。
右決議する。
以上の通り案文は極めて簡単でありますけれども、問題は極めて重要であることは、すでに各位の十分御承知のところであります。水産業の発展は、国民生活の安定と国民経済の発展の上から見て、極めて重要な関係にあるものであります。而して漁港はこの水産業の発達の基盤となるものでありまして、如何に天与の好漁場に恵まれていても、又如何に漁船や漁法が機械化し、科学化されましても、根拠地である漁港がこれに即応した能力や施設を備えていないならば、その天与の漁場を開拓し、又その進歩した漁船や漁法を十分に活動せしめるような漁業は成立たないのであります。我が国の漁業形態は全沿岸に隅なきまでに碁布されている漁村の多数の小漁民によつて営まれているのであります。沿岸漁業を大宗とし、遠洋漁業、捕鯨漁業等、大規模な近代的な漁業経営体に至るまで、各種各様の生産方式をとり、動力船十二万余隻、無動力船三十四万余隻、計四十七万余隻の漁船によつて魚介藻類九億余万貫の生産が挙げられておりまるが、他産業の近代化に比べますると水産業は著しく遅れておりまして、おおむね未だ原始産業たる域を脱し得ない状態に置かれているのであります。これら漁業の近代化を阻む主要な原因の一つは、漁港施設が著しく不備であり、大部分が古来からの天然状態に放置されていることにあるのであります。現在の漁業は、漁船の動力化が相当進み、近代産業としての形態を備えつつあり、殊に大規模な海洋漁業への進展は目覚ましいものがあるのでありまするが、これら漁業の発達は、現在まで三十余年に亘つて施設して来た少数の近代的な漁港施設を備えた漁業根拠地の恩恵によるものであります。併しこれらの漁港施設も、大部分は漁船規模の著しい増大や漁船数の増加によつてすでに狭隘となり、又利用上著しく支障を来たしているのであります。かかる漁港施設の貧困は、今なお多数の住居なき漁船を海浜に横たえておくの止むなき実状にあります。これが今後沿岸漁業から海洋漁業へと転換発展せんとする上の隘路となつております。従つて、全国沿岸に存在する約二千五百港の漁業根拠地について理想的な漁港網が樹立され、遠洋漁船の根拠地と中小沖合又は沿岸漁船の根拠地とが整然たる体系を以て整備されなければならないのであります。この要請に応じ、漁港の修築整備について、漁港法の規定に基き、過ぐる第十国会の承認を得て四百五十港を対象とする第一次漁港整備計画の決定を見、総事業費約四百九十四億円、うち国費予定額約二百九十七億円を以て緊急整備の基本計画を立て昭和二十六年度から着手したのでありまするが、昭和二十七年度までの二カ年間の実績を見ますると、着手港数は三百港になりまするが、国費支出額は僅かに三十一億円余に過ぎないのであります。今後においても昭和二十七年度程度の国費支出とすれば、本計画完成までにはなお十数年を要することとなり、且つ、この間、修築工事遅延のため、工事中災害にかかるもの多く、漁港修築の意義なき結果ともなり、又漁港の不備のために、災害のたびごとに沈没又は破損するもの毎年一万隻乃至二万隻に及び、その損失は莫大であります。更に、今後第二次以降の整備計画において同様整備を要する多数要望漁港に至つては、いつの目に実現されるかもわからず、生産の増強、経営の合理化はもとより、年々多数に上る漁船の遭難防止上からも重大な問題でありまして、漁業経営上寒心に堪えないところであります。よつて昭和二十八年度においては、漁港整備に要する国費を少くとも六カ年間に三百億以上を支出して第一次整備計画の早期完成に努めることが緊要であります。
以上本決議案を提出しました理由の説明といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/50
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051・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/51
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052・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議は全会一致を以て可決せられました。
只今の決議に対し、政府より発言を求められました。松浦農林政務次官。
〔政府委員松浦東介君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/52
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053・松浦東介
○政府委員(松浦東介君) 水産業の発展は、その基盤となる漁港施設の整備になることは今更申すまでもございません。政府は只今の決議案を尊重いたしまして、御趣旨に副うように、予算その他において最善の努力をいたします。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/53
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054・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、昨日内閣委員長提出の内閣委員会請願審査報告書第二号、同特別報告第二号及び陳情審査報告書第二号、同特別報告第二号にかかる元軍人恩給復活に関する請願外十四件の請願及び密漁船取締に関する陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/54
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055・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長竹下豐次君。
〔竹下豐次君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/55
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056・竹下豐次
○竹下豐次君 議題となりました請願及び陳情を一括して、内閣委員会における審議の結果を御報告申上げます。
元軍人恩給復活に関する請願十二件の要旨は、元軍人恩給は今日なお停止されておるが、講和発効の日から復活するよう措置を講ぜられたいという趣旨のものであります。
次に恩給復活に関する請願の要旨は、すでに退職して普通恩給を受けておつた者が、その在職期間の計算年限中に僅かに日露戦争に応召した期間が算入されておつたがために、昭和二十一年勅令第六十八号により一時恩給に変更されたものであるから、すでに講和の発効した今日、速かに年金恩給を復活せられたいとの趣旨のものであります。
次に恩給法の一部を改正する法律附則中一部改正に関する請願の要旨は、戦前樺太において特定郵便局長をしていた者が、昭和二十一年勅令第五十四号により廃官となつたのであるが、内地の特定郵便局長の処遇に比べて極めて不合理な差別待遇となつているから、これを是正するため、昭和二十五年法律第百八十四号附則第八項を改正して、この差別待遇を是正して欲しいという趣旨のものであります。
次に傷痍軍人軍属の恩給に関する請願の要旨は、傷痍軍人軍属に支給されておる恩給は、その支給金額が極めて少額であつて、実状に即しないために、生活の窮乏甚だしいものがあるから、傷痍軍人軍属に対する恩給制度を改善せられたいという趣旨のものであります。
最後に、密漁船取締に関する陳情の要旨は、密漁船の零細漁民に与える脅威は年々増大する一方であるから、取締船を増加して、密漁船の徹底的取締を実施せられたいとの陳情の趣旨であります。
内閣委員会は以上の請願及び陳情を審査いたしましたところ、いずれもこれを採択し、院議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
右御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/56
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057・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/57
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058・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/58
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059・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、昨日法務委員長提出の法務委員会請願審査報告書第一号、同特別報告第一号及び陳情審査報告書第一号、同特別報告第一号にかかる戦犯者の釈放に関する請願外五件の請願及び戦犯者の釈放に関する陳情外七件の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/59
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060・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員長岡部常君。
〔岡部常君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/60
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061・岡部常
○岡部常君 只今議題になりました請願及び陳情に対する委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。
請願第百五十九号は、福島県石川町に簡易裁判所設置のものであり、同第九百四十八号は大分家庭裁判所新築に関する請願、同第千二百六十三号は大阪布施市に大阪地方裁判所支部設置の請願、同第八十九号、同第七百二十二号、同第七百二十三号及び陳情第六十八号、同第八十九号、同第九十四号、同第百十一号、同第二百六号、同第二百五十三号は、いずれも戦犯者の釈放に関するものであり、同第百九十九号は、戦犯者の減刑等に関するもの、同第二百九十四号は、戦犯者の助命等に関するものであります。
以上の諸件につきまして、本委員会は政府の所見を開き、慎重に審査いたしました結果、いずれもこれを採択し、院議に付して、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/61
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062・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/62
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063・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/63
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064・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、昨日文部委員長提出の文部委員会請願審査報告書第二号、同特別報告第二号、及び陳情審査報告書第二号、同特別報告第二号にかかる右二制学校建築費国庫補助に関する請願外九件の請願及びさ二制学校老朽校舎改築費国庫補助に関する陳情外二件の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/64
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065・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長若木勝藏君。
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〔若木勝藏君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/65
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066・若木勝藏
○若木勝藏君 只今議題となりました請願第千二十号外九件、陳情第二百七十六号外二件につきまして、文部委員会におきまする審議の経過並びに結果の大要を御報告申上げます。
請願第千二十号外一件、陳情第二百七十六号は、六三制教育施設の最低基準に対する建築整備費、危険校舎の改築費並びに寒冷湿潤地帯の屋内運動場整備費、或いは教育施設の災害復旧費等に対して、高率な国庫補助並びにこれを制度化するための立法措置を要望しておるものであります。
請願第千百十六号外二件は、公立の幼稚園教育振興のために、施設については国庫補助を、教員給与については市町村立学校給与負担法を改正して都道府県支弁とされたいというものであります。
次に請願第千二百七十五号は、今回の地方教育委員会設置によつて、公立学校教職員給与が若しも市町村に委譲されるならば、市町村財政貧困の折柄、教員給与不払等が予想されるので、飽くまで県負担の現行制度を維持して欲しいというものであり、又陳情第二百八十号は、公立学校教職員給与の全額国庫負担等について要望しておるものであります。
請願第千百六十一号は、教育の機会均等、国民の教育水準向上のために、勤労青少年教育振興法を制定して欲しいというものでりあます。
次に請願第千百六十二号は、国立大学附属学校経営費の増額を、又陳情第二百八十二号は、現在保安隊の使用しておる商船大学東京校舎を本来の目的に使用できるよう速かに返還の措置を講じられたいというものであります。
次に請願第千四十九号は学校給食の全国的実施を、又請願第千二百七十三号は義務教育費の全額国庫負担等を要望しておるのであります。
以上の諸件につきましては、本委員会は、その趣旨内容を詳細に検討いたしました結果、おおむね願意妥当と認め、これを院議に付するを要するものにして、内閣に送付を要するものと決定いたしました。
右御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/66
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067・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/67
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068・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/68
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069・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、昨日厚生委員長提出の厚生委員会請願審査報告書第四号、一同特別報告第四号及び陳情審査報告書第四号、同特別報告第四号にかかる社会保障制度に関する請願外三十一件の請願、及び国民健康保険事業の再建強化に関する陳情外五件の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/69
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070・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長藤森眞治君。
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〔藤森眞治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/70
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071・藤森眞治
○藤森眞治君 只今上程せられました請願三十二件、陳情六件につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
これらの請願陳情を大別いたしますと、清掃事業に対する国庫補助、らい予防事業等、医務及び公衆衛生に関するもの十二件、社会福祉に関するもの四件、母子福祉に関するもの五件、国民健康保険事業の強化、日雇労働者健康保険法制定等、社会保険に関するもの五件、未帰還者留守家族及び遺族援護等に関するもの十二件でありまして、二十二日の厚生委員会におきまして慎重審議の結果、以上の請願純情はいずれも願意は妥当なものと認め、議院の会議に付して内閣に送付を要すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/71
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072・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/72
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073・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/73
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074・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して昨日郵政委員長提出の郵政委員会請願審査報告書第一号、同特別報告第一号にかかる福島県荒海村簡易郵便局の無集配特定郵便局昇格に関する請願外三件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/74
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075・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。郵政委員長大島定吉君。
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〔大島定吉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/75
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076・大島定吉
○大島定吉君 只今議題となりました請願及び陳情につきまして郵政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず福島県荒海村簡易郵便局の無集配特定郵便局昇格に関する請願、高知県上分村に郵便局設置の請願でありまするが、これらはいずれも関係地域の発展に伴う郵便施設の改善方につき郵政省の措置を要望する請願でありまして、郵便当局より、前者は特定郵便局設置の基準には達しておるが、他にも優位のものがあるので、予算関係とも睨み合せて善処したい旨、又後者については、特定郵便局としては差向き困難であるので、簡易郵便局の設置方取運び中である旨、答弁がありました。
次に栃木県宇都宮郵便局庁舎建築に関する請願は、局舎が戦災後応急の建物であり、すでに腐朽狭隘であるから、速かに新築せられたいというのでありまして、郵政当局もその必要は認めており、他の老朽局舎との振合いもあるので、今後の予算状況と睨み合せて措置したいとの答弁がありました。
又植物種子の郵便料金改正に関する請願は、植物種子に対する郵便料金を低減せられたいとの請願であります。これに対しては政府においてよく考究する旨、答弁がありました。
委員会におきましては、以上申述べました諸件につき慎重審議の結果、いずれも願意を妥当と認めてこれを採択し、議院の会議に付して内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。
右御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/76
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077・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/77
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078・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/78
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079・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、昨日労働委員長提出の労働委員会請願審査報告書第二号、同特別報告第二号にかかる衛生管理者免許下付に関する請願外八件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/79
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080・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。労働委員会理事安井謙君。
〔安井謙君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/80
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081・安井謙
○安井謙君 只今議題となりました請願第四十号衛生管理者免許下付に関する請願ほか請願八件につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
請願第四十号、第四百九号、第四百六十五号、第六百六十五号、第八百十八号、第八百九十八号は、いずれも保健婦助産婦看護婦法の一部が改正され、従来行われていた国家試験による乙種看護婦の昇格制度が廃止されたが、労働省令によれば衛生管理者免許は国家試験合格者のみに下付されることになつており、甲乙両看護婦一本化の趣旨に反するから、この矛盾を是正する措置をとるよう要請しておるのであります。
次に請願第七百七十五号は、失業対策事業に就労する旦履労務者の救済のため、基準賃金の増額、失業対策事業費の国庫補助額の増額、及び越年、越夏手当を支給されたい旨要請しておるのであります。
次に請願第九百五十六号は、労働者の珪肺罹患を防ぐため、及び珪肺罹患労働者の救済の万全を期するため、珪肺特別法制定を要請しておるのであります。
次に請願第千五十五号は、土建産業に働く労働者の技能の低下と指導者不足の対策として、経済的裏付け及び専門家の指導等による技能者養成制度を確立されんことを要請しておるのであります。
以上請願九件は、いずれもその願意妥当なるものと認めてこれを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
目上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/81
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082・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/82
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083・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/83
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084・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 参事に報告させます。
〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
地方行政委員会請願審査報告書第一号同特別報告第一号及び第二号
地方行政委員会陳情審査報告書第一号同特別報告第一号大蔵委員会請願審査報告書第二号同特別報告第二号大蔵委員会陳情審査報告書第二号同特別報告第二号建設委員会請願審査報告書第二号同特別報告第二号建設委員会陳情審査報告書第二号同特別報告第二号
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/84
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085・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、地方行政委員長報告にかかる地方公共団体の公共企業優先に関する請願外四十九件の請願及び地方公務員の給与ベース改訂財源措置に関する陳情外十六件の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/85
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086・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長油井賢太郎君。
〔油井賢太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/86
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087・油井賢太郎
○油井賢太郎君 只今議題となりました請願及び陳情について地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
請願第二百三十二号は、地方公共団体の公営事業に対しては、その公共性に鑑み、私営事業に優先する原則を確立するよう関係法令の改正を要望するものであります。
請願第二百二十九号、陳情第百六十六号、同じく第二百二十号は、国に対して地方公務員の給与改訂に伴う財源措置を要望するものであり、請願第五百八十二号、同第千百九十七号、陳情第八十四号、同第百五十三号、同第百六十七号、同第百九十八号、同第三百十三号は、地方税改正に伴う減収補填等、地方財政の赤字に対して平衡交付金の増額その他の財源措置を講ぜられたい。請願第七百六十七号は、地方財政上の唯一の血路ともいうべき地方債の枠を大幅に拡大せられたい。請願第六百八十号及び同第六百九十七号は、高等学校定時制分校校舎の建築のための起債を認められたい。請願第六百九十六号は、定時制高等学校について平衡交付金法の基準財政需要額の測定単位の改正、及び改正が早急に実現しない場合には特別交付金を交付されたい。陳情第二百六十七号は、現行の地方財政平衡交付金の配分は中小都市に不合理と認められるから算定方法を合理的に改正されたい。陳情第二百六十八号及び同第二百七十九号は、地方財政確立のために地方財政税制の改革を行われたいというのであります。
陳情第八十七号は、住民税の課税標準に弾力性を持たせるように地方税の改正を要望するものであり、請願第五百五十四号、陳情第百五十四号、同第二百十八号、同第三百二号は、歯科医に対する特別所得税或いは国家公務員共済組合法の規定に基く医療給付の特別所得税の課税標準からの除外につき地方税法の改正を要望するものであります。
以上地方行財政並びに税制に関する請願八件、陳情十四件は、いずれも願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付を要すると決定いたしました。
次に、請願第百五十七号以下町村の警察維持に関する責任転移の時期繰上げを要望する四十一件の陳情については、すでに本院を通過いたしました町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案によつて願意は達せられるものと認め、これを議院の会議に付するを要し、内閣に送付を要せざるものと決定いたしました。
陳情第二百十一号及び同第三百十二号は、地方財政の現状に鑑み、消防組織法第二十五条の規定に基く市町村の消防に要する費用に対する補助金に関する立法その他消防財政確立のために適切な措置を講せられたい。陳情第二百七十号は、最高裁判所裁判官国民審査の投票方法を改正されたいというのであり、以上消防に関する陳情二件、国民審査に関する陳情一件は、いずれも願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定した次第であります。以上御報告を申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/87
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088・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、警察維持に関する責任転移の時期繰上げに関する請願四十一件のほかは内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/88
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089・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、警察維持に関する責任転移の時期繰上げに関する請願四十一件のほかは内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/89
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090・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、大蔵委員長報告にかかる元海軍文官の退職賞与中未払額支払促進に関する請願外二十三件の請願及び国民金融公庫に対する政府出資金増額の陳情外二件の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/90
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091・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事大矢半次郎君。
〔大矢半次郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/91
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092・大矢半次郎
○大矢半次郎君 只今上程せられました大蔵委員会付託の請願並びに陳情につきまして、本委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
大蔵委員会におきましては、特に小委員会を設け、紹介議員からの趣旨の説明、各委員の意見及び政府の見解を十分に聴取いたしましてその上質疑応答を重ね、慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。
請願第五百五十九号、第千二十四号は、元海軍文官の退職賞与中連合軍最高司令官の指令により支払を停止された未払額を独立の今日支払を促進せられたいとの趣旨であり、請願第七百十三号は、医療法人の相続税が新たに課せられることのないよう措置せられたいとの趣旨であり、請願第八百八十三号、第九百六十一号、第千百十四号、第千百十五号、第千百七十五号、第千百七十六号、第千百九十八号、第千百九十九号、第千二百号、第千二百六十五号、第千二百六十六号、第千二百六十七号の各件は、いずれもガソリン税を軽減せられたいとの趣旨であり、妥当と考えられます。請願第八百十四号は、中小企業に対する税制改正について種々の要望が述べられており、請願第八百九十六号、第千十九号は、所得月額一万五千円まで免税、超過勤務手当、社会保険料、退職手当金の免税の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、共にそのような方向に適切な措置をするのが適当と考えられます。請願第九百四十九号は、宮城県生出村に国立たばこ試験場を設置せられたいとの趣旨であり、請願第千九十五号は、物品税全般について税率の軽減及び納税期限の延長を実施せられたいとの趣旨であり、妥当と考えられます。
請願第千百六十号は、物品税法中の貴石、半貴石類に適当な免税点を設置すると共に、室内装飾用品並びに身辺細貨類の免税点を引上げられたいとの趣旨でありますが、免税点は相当額引上げるのが妥当と考えられます。請願第千百三十一号、第千二百六十八号は、酒税を経滅せられたいとの趣旨でありますが、酒税については、この際、相当額引下げることが適当と考えられます。請願第千百七十四号は、C・P・O納入写真機等の物品税免税手続が煩雑なため、ドイツ製品の進出により非常な脅威を受けているから、手続を簡素化せられたいとの趣旨であり、妥当と考えられます。よつて以上の二十四件は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
陳情第二百二十五号は、国民金融公庫に対する政府出資金を大幅に増資せられたいとの趣旨であり、陳情第二百四十二号は、ガソリン税を軽減せられたいとの趣旨であり、陳情第二百七十一号は、基礎控除十一万円、勤労控除三〇%、退職金の基礎控除三十万円とし、残額の十分の二を課税対象とせられたいとの趣旨であり、そのような方向に適切な措置を講ずるのが適当と考えられます。よつて以上三件はいずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/92
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093・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/93
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094・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/94
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095・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日雇に追加して、建設委員長報告にかかる北海道渚滑川口導水堤工事完成等に関する請願外十三件の請願、及び戦災復興事業完遂に関する陳情外二件の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/95
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096・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長下條恭兵君。
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〔下條恭兵君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/96
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097・下條恭兵
○下條恭兵君 只今議題となりました請願十四件及び陳情三件につきまして、建設委員会の審議の結果について報告いたします。
河川に関する請願は、北海道渚滑川河口工事完成等に関するもの、愛知県矢作川、福島県新田川の改修工事及び利根川堤防引堤工事の促進に関するものであり、又砂防に関しては岩手県竜川の工事施行を要請するものであります。
道路に関するものとしては、静岡県沼津市内及び愛知県豊明村内の国道一号線改良工事、福島県裏磐梯線観光道路の建設、北海道問寒別地方の天塩川架橋に関するもののほか、高速度自動車道路、静岡県御殿場地内測量路線一部変更に関する請願であります。
これらのほか、海岸保全に関する立法措置と共に、九州の海岸保全のための諸措置に関する陳情並びに戦災都市復興事業を昭和二十九年度以降引続き施行して、その完遂を要望する陳情があり、又北海道札幌市所在の北海道指導農業協同組合連合会所有建物について使用解除の請願であります。
以上の諸件については、建設委員会は、いずれも願意おおむね妥当なものとして、これを院議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。
右御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/97
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098・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これよりを採決いたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/98
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099・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時七分散会
—————・—————
○本日の会議に付した事件
一、国会法第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(国立近代美術館評議員会評議員)
一、文化財保護委員会委員の任命に関する件
一、日程第一 湿田単作地域農業改良促進法案
一、日程第二 オホーツク海暴風浪及びカムチヤツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案
一、日程第三 昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案
一、日程第四 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案
一、日程第五 外務省設置法の一部を改正する法律案
一、日程第六 日本国憲法第八条の規定による議決案
一、日程第七昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十四度特別会計歳入歳出決算、昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算
一、町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案両院協議会協議委員の選挙
一、漁港修築促進に関する決議案
一、元軍人恩給復活に関する請願外十四件
一、密漁船取締に関する陳情
一、戦犯者の釈放に関する請願外五件
一、戦犯者の釈放に関する陳情外七件
一、六・三制学校建築費国庫補助に関する陳情外九件
一、六・三制学校老朽校舎改築費国庫補助に関する陳情外二件
一、社会保障制度に関する請願外三十一件
一、国民健康保険事業の再建強化に関する陳情外五件
一、福島県荒海村簡易郵便局の無集配特定郵便局昇格に関する請願外三件
一、衛生管理者免許下付に関する請願外八件
一、地方公共団体の公共企業優先に関する請願外四十九件
一、地方公務員の給与ベース改訂財源措置に関する陳情外十六件
一、元海軍文官の退職賞与中未払額支払促進に関する請願外二十三件
一、国民金融公庫に対する政府出資金増額の陳情外二件
一、北海道渚滑川口導水堤工事完成等に関する請願外十三件
一、戦災復興事業完遂に関する陳青外二件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101515254X01519521223/99
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