1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年六月二十九日(月曜日)
午前十一時十八分開議
出席委員
委員長 關内 正一君
理事 關谷 勝利君 理事 鈴木 仙八君
大久保武雄君 岡本 忠雄君
木村 俊夫君 高橋圓三郎君
徳安 實藏君 南條 徳男君
臼井 莊一君 正木 清君
松原喜之次君 中居英太郎君
出席政府委員
運輸政務次官 西村 英一君
運輸事務官
(海運局長) 岡田 修一君
運輸事務官
(海運局海運調
整部長) 國安 誠一君
運輸事務官
(鉄道監督局
長) 植田 純一君
委員外の出席者
専 門 員 岩村 勝君
専 門 員 堤 正威君
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六月二十九日
委員館俊三君辞任につき、その補欠として中原
健次君が議長の指名で委員に選任された。
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六月二十七日
港湾運送事業法の一部改正に関する請願(岡本
忠雄君紹介)(第一八四〇号)
大隅地区に測候機関設置の請願(永田良吉君紹
介)(第一八四一号)
古江線鹿屋、野里駅間路線変更に関する請願(
永田良吉君紹介)(第一八四二号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
四国本土連絡鉄道建設促進に関する陳情書
(第四三五号)
港湾機能施設整備促進法制定に関する陳情書
(第四六九号)
甲府、長野間国鉄電化実現に関する陳情書
(第四七〇号)
東海道線名古屋、米原間並びに北陸線米原、敦
賀問電化促進の陳情書
(第五〇四号)
甲府、長野間国鉄電化実現に関する陳情書
(第五〇五号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
木船再保険法案(内閣提出第三八号)
航空機抵当法案(内閣提出第五二号)
海上衝突予防法案(内閣提出第六九号)(予)
水先法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
五号)
海事代理士法の一部を改正する法律案(内閣提
出第七七号)(予)
九州地区の豪雨による鉄道被害状況に関する説
明聴取
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/0
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001・關内正一
○關内委員長 これより会議を開きます。
木船再保険法案及び航空機抵当法案を一括議題とし、これより質疑に入ります。松原喜之次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/1
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002・松原喜之次
○松原委員 両法案ともきわめて技術的なものであつて、ほとんど質疑の要も、討論の要もないと思いますから、この際質疑、討論ともに省略しまして、ただちに採決されんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/2
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003・關内正一
○關内委員長 松原君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/3
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004・關内正一
○關内委員長 なければ、動議のごとく決しました。
これより両案を一括採決いたします。両案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/4
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005・關内正一
○關内委員長 起立総員。よつて両案は原案の通り可決すべきものと決しました。
なお両案に対する委員会報告書については、委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/5
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006・關内正一
○關内委員長 なければさよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/6
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007・關内正一
○關内委員長 次に水先法の一部を改正する法律案、海上衝突予防法案及び海事代理士法の一部を改正する法律案を一括議題とし、これより質疑に入ります。通告があります。岡本忠雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/7
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008・岡本忠雄
○岡本委員 海事代理士法の一部を改正する法律案につきまして、二点ほどお尋ねをいたします。
第一は、第一条中の「及び相談に応ずる」を削ることになつておりますが、私の記憶では、たしかこれは弁護士法との関係で非常にもめた問題だと思いますが、なぜこれを削ることになされたかという点でございます。
第二は、別表第二の中の「第五号の三、第六号及び第十号を削り」とあります、すなわち木船運送法をはづすことになつておるようでございますが、木船運送事業者は非常に文盲の人も多いし、むしろこういう人たちの相談が非常に多いのではないかという気がしますが、法律をつくつても守らしめることが非常に困難であるから、かえつて弊害を残すという意味で、これをお削りになつたのかどうか、この二点についてお答え願いたいと思います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/8
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009・國安誠一
○國安政府委員 第一点の御質問の相談をするという点の問題でございますが、これはいろいろ問題もございまするが大体従来までの実績に徴しまして、ただ相談をする程度のものであれば、海事代理士を業としないところのいろいろな海事関係の団体というようなものでも、そういつた相談に預かつて実際上やつておりますので、そういうものはこの対象とする必要はないではないかというので、これを削ることにいたしたのであります。
第二点の別表の中の木船運送法を削りました理由は、木船関係につきましては、こういう仕事は機帆船組合の連合会とかあるいは地区の組合におきまして、木船業者にかわりまして、そういうことをあつせんいたしてやつておりますので、これを除いてやつた方が、かえつて便利だというふうに考えてやつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/9
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010・岡本忠雄
○岡本委員 さらに海上衝突予防法案の二十九条に、注意等を怠ることについての責任という規定がありますが、二十九条の終りの方に「船舶、船舶所有者、船長又は海員の責任を免除するものではない。」ということがあります。このうち船舶の責任というのはちよつと不明瞭でありますが、これは一体原文にあるのでありますか、国際条約等には皆船舶になつておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/10
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011・國安誠一
○國安政府委員 この条文は原文をほとんど忠実にそのまま訳したものでありまして、原文にもこのように書いてありますし、現行法もこのように規定してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/11
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012・岡本忠雄
○岡本委員 それではその船舶の責任というのは、従来適用上はどういうように解釈していたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/12
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013・國安誠一
○國安政府委員 船舶の責任というのは、従来からはなはだおかしいのでございますが、船長の責任というふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/13
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014・岡本忠雄
○岡本委員 国際条約関係もこの通りであるし、また国内法でもこの通りで来ておるということでありますから、やむを得ず了承することにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/14
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015・關内正一
○關内委員長 次に、今次水害の国鉄の被害状況について報告を求めます。植田政府委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/15
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016・植田純一
○植田政府委員 九州地区を中心としました今回の災害状況でございますが、ただいまも国鉄を中心にいろいろ情報の収集等をいたしておつたのでありますが、大体の今までわかつております状況につきまして御報告申し上げます。
昨日の明け方から再び豪雨が見舞いまして、特に門司地区におきましては非常な豪雨でございまして、門司港、門司操車場、構内か浸水いたしました。ことに関門トンネルにおきましても、防衛もむなしく浸水いたしまして、トンネル中心部約二キロは満水の状態になつて不通になつております。全般的の状況は、お手元にお配りいたしました鉛直線路被害件数表をごらん願いたいのでありますが、全般的に至るところに被害を受けておりして、一時は各所で寸断されるというような状況になつておりまして、これの復旧に鋭意努力いたしておりますが、その被害の状況が的確にわからないような箇所もあるようなわけであります。
まず山陽線につきましては、昨日来の降雨により、山口県におきましても相当の被害を出しまして、不通になつておつたのでありますが、山陽線は大体本日の昼ごろには辛うじて開通するという見込みでございます。もちろん部分的には単線運転でございまして、完全とは言いかねるのですが、きよう昼ごろにはとにかく開通さそうという意気込みでやつております。問題は関門トンネルでございますが、関門トンネルの復旧につきましては、先ほど申し上げましたように、トンネル内二キロにわたりまして満水いたしております。この水の排出、これもポンプを動員いたしまして、四六時中働かせまして、少くとも一週間はかかるであろうというような見込みでおります。しかもその排水後の状況がどういうふうになつておるか、おそらく水と同時に土砂その他相当のものがトンネルの中に入り込んで来ておるということは、当然予想されることであります。従いまして排水をいたしまして、その状況を見ませんと、実は復旧の見込みが立たないのであります。ことに電気施設、信号保安関係等につきましては、相当被害を受けておることはもちろんであります。そういうような点をにらみ合わさないと、的確な復旧の見込みは立たないのでありますが、国鉄といたしましては、何と申しましてもこの九州を貫く大動脈でございますので、七月の十五日ごろには何とか開通にこぎつけたいという目標で努力をいたすつもりでおります。先ほど申しましたように水を排してしまわないと的確にはわからないのでありますが、国鉄といたしましては、そういう目標で復旧に努力をして参りたいと存じておる次第であります。
九州被害の鹿児島本線、あるいは長崎線の復旧につきましては、これも遠賀川と筑後川との二つの大きな河川が氾濫しておりまして、この二つの大きな川の水がある程度減水いたしませんと、鉄橋の被害状況もわからないのであります。遠賀川の氾濫も漸次減水を始めておるということでございますが、これも一日ごろになりませんと、はたして鉄橋がどういうふうな状況であるか、橋脚が大丈夫であるかどうかというような点の調べもできかねるような状況であります。従いまして、ある程度今後減水を待つて、その上で的確に見通しを立てなければ、今日におきましてははつきりした見通しは立たないのでありますが、大して橋脚にも大きな故障がないという前提で、鹿児島本線も来月の五日ごろには開通の運びに行きたい、かように考えております。長崎本線の方は佐賀を中心といたしまして、肥前山口、鳥栖間か相当被害が大きいものでございますので、これはさらに五日くらい開通が遅れまして、七月の十日くらいになるのではないか、かような見通しを立てております。それから日豊線の方は、部分的に不通の箇所がずいぶん出ておりますか、これは本日開通いたしております。
かような状態でございまして、この対策といたしましては、旅客輸送の面といたしましては、下関と博多の間に、国鉄の持つております徳寿丸という船を動かして、この下関と博多との間の連絡に任じております。この船は大体定員が千人余り、千百人くらいの定員を持つておりますが、この徳寿丸で一日片往復、博多と下関の間の連絡に当つております。なお関門連絡船は現在三十往復動いております。また貨物におきましては、二十六日より、この関門通過の貨物の取扱いを停止いたしておるのでありますが、現在この九州向けの貨車が、途中の駅、操車場等で大体二千両くらいのものがとまつておる状況でありまして、これらの荷物につきましては、各荷主のさしずを今仰いでおるような状況でございます。さらに状況によりまして、この船を動員して必要な物資の輸送に充てたい、かように存じて、目下関係の方面と対策を練つております。
大体以上が国鉄災害の状況の概略でございまして、なお私鉄の関係におきましては、北九州、福岡県に全般にまたがつておりますところの西日本鉄道、これはほとんど各線とも浸水いたしまして、道床の流失した箇所も、現在わかつておりますだけでも三箇所、約一キロ六百メートルに達しております。そのほか被害状況の的確にわからない箇所が相当あります。従いまして被害の概算額につきましても、目下のところ見当がついておりません。そのほか熊本電鉄におきましては、橋梁が流失した箇所がございまして、全線不通になつております。また大分交通、熊本の市電等にも相当の被害かあるということでありますが、詳細につきましては情報がまだ入つておりません。
大体現在わかつております状況は以上の通りでございます。
なお、ただいま長崎本県の開通の時期を七月十日ごろまでかかると申し上げましたが、ただいまさらに入りました情報によりますと、これはもつと早くなる。長崎本線としますと、遠賀川の橋梁だとか、そういう橋梁にもよりますが、この区間としましては七月の初めに復旧できるだろう、こういう情報でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/16
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017・關内正一
○關内委員長 ただいまの植田政府委員の報告に対し、何か御質疑はありませんか。
他に御質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101603830X00719530629/17
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