1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年八月四日(火曜日)
午後二時三十一分開議
出席委員
委員長 村上 勇君
理事 生田 宏一君 理事 綱島 正興君
理事 赤澤 正道君 理事 滝井 義高君
理事 稲富 稜人君 江藤 夏雄君
大久保武雄君 熊谷 憲一君
田渕 光一君 林 信雄君
坊 秀男君 松野 頼三君
山本 友一君 岡部 得三君
白浜 仁吉君 舘林三喜男君
村瀬 宣親君 吉田 安君
井谷 正吉君 井手 以誠君
田中 稔男君 辻原 弘市君
細迫 兼光君 八木 一男君
池田 禎治君 伊瀬幸太郎君
木下 郁君 杉山元治郎君
辻 文雄君 松前 重義君
世耕 弘一君
出席政府委員
建設事務官
(計画局長) 澁江 操一君
委員外の出席者
議 員 山口丈太郎君
参議院議員 矢嶋 三義君
参議院議員 山田 節男君
農 林 技 官
(水産庁調査研
究部調査資料課
長) 岡 伯明君
海上保安庁保安
官
(警備救難部
長) 松野 清秀君
参議院法制局参
事
(第二部第二課
長) 腰原 仁君
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八月四日
委員中島茂喜君及び赤路友藏君辞任につき、そ
の補欠として廣瀬正雄君及び細迫兼光君が議長
の指名で委員に選任された。
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八月三日
昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害
地域内のたい積土砂の排除に関する特別措置法
案(参議院提出、参法第一〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害
地域内のたい積土砂の排除に関する特別措置法
案(参議院提出、参法第一〇号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/0
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001・村上勇
○村上委員長 これより会議を開きます。
昨三日参議院提出にかかる昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害地域内のたい積土砂の排除に関する特別措置法案が、院議によつて当委員会に付託されました。ただいまより本案を議題として審査に入ります。まず、国会法第六十条によりまして、参議院の発議者より提案理由の説明を求めます。参議院水害地緊急対策特別委員会建設文部に関する小委員長山田節男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/1
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002・山田節男
○山田参議院議員 ただいま議題となりました昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害地域内のたい積土砂の排除に関する特別措置法案の提案理由を御説明申上げます。
本年六月及び七月にわたり正して停滞する梅雨前線のもたらした降雨のため九州、南近畿その他の地方に大災害の起つたことはすでに皆様よく御承知のことと存じます。特に二、三の地域においては河川の欠壊及び上砂の崩壊により、異常に多量の土砂が市街地、農地等に流入し、堆積している状態であります。これらの土砂の排除については、すでにそれぞれ地方当局等によつて、各方面の器材、人員を動員して日夜努力が続けられておりますが、地方当局の財政力、各個人の資力にもおのずから限度があり、作業は困難をきわめて遅々として進まない状況であります。このままに推移せんか、市街地交通の麻痺による産業経済の混乱、農地の耕作不能による生産の減退、公用施設その他一般住宅内の堆積土砂による公衆衛生の不良化等、まことに恐るべき結果を招来するものと考えられます。
かかる状態にかんがみ、本法は、これら災害地域内の堆積土砂の排除事業をすみやかに遂行させるため、当該排除事業についての国の費用負担及び補助等について特別措置を定めんとするものであります。
本法の内容について簡単に申し述べますと、まず、第二条によりまして本法にいう堆積土砂とは、昭和二十八年六月及び七月の大水書により災害地域内に流入して堆積し、または水害により発生した土砂の崩壊等により災害地域内に堆積した異常に多量の泥土、砂礫、岩石、樹木等をさすこととし、その異常の程度は政令で定めることにいたしております。また、本法の対象となります災害地域はすべて政令で定めることといたしております。
次に、第三条及び第四条では、第一に、災害地域内の公共用または公用施設で政令で定めるものの区域内に土砂が堆積している場合、第二に、災害地域内の土地または建物その他の工作物で、第一の公共用または公用施設並びに第九条の規定で別に補助の対象といたしておりまする農地及び施設の区域外にあるものに土砂が堆積しており、これを放置すれば公衆衛生上または正常な社会活動を維持する上において著しく支障があると認める場合には、これらの土砂の排除事業を原則として都道府県知事が施行し、この事業費の全額を国庫負担とすることとしております。また第九条には、政令で定めた地域内の農地並びに農業用施設、林業用施設及び漁港施設で、政令で定めるものの区域内に堆積する土砂の排除事業を行うものに対して、その事業費の全額を国が補助することと規定しております。その他事業費の決定、負担金の返還、剰余金の処分、監督等の事務手続について規定しているものであります。
なお、附則の第二項及び第三項では、この法律施行前にした堆積土砂の排除事業についてもこの法律を適用することといたしております。
最後に提案説明のついでに申し上げたいと存じますことは、本法案の次第につきましては、衆議院の特別委員会におきましては実はこの問題につきまして別途の見地からお定め願つておつたのでありますが、再三小委員会並びに委員長、小委員長、理事等の衆参両院の打合会によりまして、衆議院が最初から意図しておりましたこの単行法をつくることに対しまして異常な御協力を賜わりましたことに対しまして、参議院の特別委員会を代表し心からお礼を申し上げる次第でございます。
以上、提案理由並びに法文内容について簡単に申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/2
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003・村上勇
○村上委員長 これにて提案理由の説明は終りました。
引続き質疑に入ります。赤沢正道君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/3
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004・赤澤正道
○赤澤委員 九条に挿入さるべき漁港施設及び漁場については、実は本日承つた次第でございまして、衆議院としては、まだ小委員会では協議はいたしておりません。これにつきましてどういう場合を御想定になつておるものか、提案者の方に一応御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/4
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005・山田節男
○山田参議院議員 これは西日本、佐賀、熊本、福岡、この地帯に現実にあるかどうかまだはつきりいたしませんが、過般の和歌山地方を中心といたします大水害の場合におきましては、この海岸地帯にあります漁港の周辺に、山から流れて来ました根つこのついた樹木その他材木が、これはまつたく堆積というような状態になりまして、船が全然外からも入れないし、また内から出ることもできないというような情景があります。またこの漁場の問題でありますが、漁場も、沿岸貿易の地帯、これは魚介類はもちろんでございますが、その他地びき網——定置漁業の方に存じませんが、少くとも地びき網をやつておる沿岸漁業地帯が、異常な樹木がそこに堆積いたしまして、いかんともこれは処置ができないというのが、少くともわれわれの今言いました和歌山県の海岸地帯の異常な状態で、それで実は漁場というものも入れたらどうかということになつた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/5
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006・赤澤正道
○赤澤委員 それを事業費の全額を補助するということでございますが、熊本の例外についても、これは私有地あるいは居宅内までのものも全額国庫で持つて片づけるということについては、土量の計算等についてもなかなか容易ならぬ問題が伏在しているというふうに考えております。さらに、海岸に寄り着いた材木に至つては、具体的にはどういう方法をもつてこれを計算いたすべきか、何か御腹案がありましたら一応御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/6
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007・山田節男
○山田参議院議員 これは今赤沢小委員長の御質問の通りでありまして、これは実際何立米あるかというようなことはちよつと……。しかも堆積の厚さとか、それからたとえば岩石があるといたしますと、岩石にずつと連なつておる材木が全部で何千石あるか、そういうことが簡単にどういうふうにしてできるかという目安は、実は私は持つておりませんですが、実際問題といたしまとて、ああいうように根つこのついたままのものが錯綜しておりまして、これは容易な作業ではない。たとえば、これは人力だけでなし得るかどうかということも、実際危ぶまれるようなその堆積の状況だということを、写真でも見ております。それから情報でも聞いておるわけであります。この点につきましては、私は、どういうふうにしてその目安を定めるかということは、実は正直のところ自信がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/7
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008・赤澤正道
○赤澤委員 さらに、それに関連いたしまして、立木の所有権はだれに帰属するというお考えのもとに御立案になりましたか、これをひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/8
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009・村上勇
○村上委員長 ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/9
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010・村上勇
○村上委員長 速記を始めて。
暫時休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
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午後三時二十六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/10
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011・村上勇
○村上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。質疑を継続いたします。赤沢正道翼。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/11
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012・赤澤正道
○赤澤委員 ただいま疑義を生じました件につきまして、衆議院の建設小委員会において協議をいたしました。元来被害地がこの流木の災害によつて非常にお困りになつておる事実は、私どもも十分認識をいたしておりますので、ただ、これを法文化いたしました後において、かえつて疑議が生じて、そこに混乱が生れたりしないようにという気持から、実は検討をいたす次第でありまして、決して、これにつきまして、現地の事情をわきまえないとかなんとかいうのではございませんので、その点は御理解願いたいと思うのであります。大体こういう漁港並びに漁場に流入した樹木、しかもこれの除去を全額国庫負担をもつてやると申します場合に、流木というものの流入しておる状態はいろいろであると思うのであります。これについて、一応立案者におかれまして、お気持にありますところの範囲というものを明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/12
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013・山田節男
○山田参議院議員 今の赤沢小委員長の御質問並びに御意見でございますが、ごもつともでありまして、先ほど来いろいろと御討議願つたわけであります。表には出ておりませんがこれは沈積いたしております流木の根つこのついたものが錯綜して、その上に土砂をかぶつたり何かいたしまして、具体的に申しますと、泥土の排除と樹木の排除、二つになつておるようなものであります。その意味におき幸しては御了解願つたことと思いますが、今の赤沢小委員長の御言葉で、この文句にはつきりとその気持を現わしたらどうかということでありますが、どうも今即座には、この文章を改めてそういうふうに書くということになると、技術的にどうかと思います。政令で定めた地域ということにしぼつてありますので先ほど来御了解願つたような地域でなければ、政令で指定しないということからいたしまして、問題の主点は主として和歌山県ではないかと思います。和歌山県の海岸地帯で、ことにそういつたような自然の洪水による流木が、普通ではいかんともできない、しかも、漁業を妨げ、船の航行を妨げるというものがございますから、政令でその地域を指定することになりますれば、大体今赤沢小委員長のおつしやつたようなことにまでしぼれるのじやないか。これは私の想像でございます。文句の追加ということにつきましては、今こういうふうにしたらという名案はございませんが、政令でしぼるということで御了承願えませんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/13
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014・矢嶋三義
○矢嶋参議院議員 私の方から補足して御説明申し上げます。第九条に農地並びに農業用施設、林業用施設、漁港施設及び漁場で政令に定めるものとなりますと、あるいは公共団体の単位で政令で区域を定めることもございましようし、また漁場になりますと、海図によつてその区域を政令で定めることも起つて来るでありましよう。そして、その区域内に堆積している堆積土砂の排除事業について云々となつておるわけでございます。その堆積とは何ぞや、これは第二条に堆積土砂の定義がなされておるわけでございます。その堆積土砂は、皆さん御承知の通り「異常に多量のでい土、砂れき、岩石、樹木」でございます。従つて、漁場をこれに入れた場合に、ただいま山田小委員長から御答弁がございましたように、明快にここに表現する方法を即座に考え得ないのでありますが、しかし、ここに速記に次のごとく明快に残して置けば、後日この法の運用の場合に疑義を生じないのじやないかと思うのでございます。と申すことは、漁場にある堆積土砂を排除するのだ、堆積土砂の定義は第二条で申し上げた通りでございます。しかも、その堆積土砂が海中に沈下しておつて、あるいは航海、あるいは漁業に著しく支障がある場合に限るのだ、こういうふうに速記に明確に残しておけば、それで法の運用ができるのじやないかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/14
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015・赤澤正道
○赤澤委員 ただいま私の質疑に対して、漁港並びに漁場に流入、堆積した樹木の範囲について、提案者の方でこれを明確にしていただきました。これにつきまして衆議院の小委員会としては了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/15
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016・辻原弘市
○辻原委員 ただいま漁場に沈積する問題につきましては一応決定に相なりましたが、その前に規定されております漁港施設というこの範囲について、立案者の方ではどのように考えられておるのか、あるいは従来の法律の規定によつては、漁港施設というものはどの程度までを含んでいるのか、これを具体的に承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/16
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017・山田節男
○山田参議院議員 法制局員が説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/17
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018・腰原仁
○腰原参議院法制局参事 お答えいたします。漁港施設は、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の第二条にございます「漁業施設」を予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/18
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019・辻原弘市
○辻原委員 たずいまの御説明によりまして、第二条に規定する漁港施設の範囲であるということを承つたわけでありますが、その場合に、たとえば網干場であるとか、あるいは漁港の背後に控えておる山であるとか、こういうものが災害によつて崩壊して、これが漁港施設におおいかぶさつておるという場合、これも漁港施設から土砂を排除するという範囲に考慮せられておるのかどうか。いわゆる漁港施設は、その漁港の内外に包括されておるあらゆる施設——私は先ほど法律を若干見ましたが、その法律の具体的な規定を見ましても、一部そういつた点については抜かつておる向きもありますので、この場合規定せられたのは、そういうあらゆる場合を想定されて、いわゆる漁港施設という一般的な常識をもつて考えられるような場合、並びに間接的に漁港施設に影響を及ぼしておるような背後の山の土砂くずれというようなものも含んでおるのか、この点について立案者の御企図を承つてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/19
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020・山田節男
○山田参議院議員 先ほど法制局の方から説明申し上げましたように、漁港施設の定義でございますが、この漁港施設として定義されております施設が、今回の大水害によりまして山くずれあるいは土砂の崩壊その他泥土の流出、こいうようなことによりまして使用できなくなる、使用が非常に不便になる、こういう場合、先ほど説明にも申し上げましたが、異常に多量な堆積土あるいはくずれた土砂、岩石、砂礫等によつて災害を受けた場合に、これを政令で指定された場合におきましては、もちろんその排除作業につきましては全額の国庫負担をすべきものと、かように想定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/20
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021・世耕弘一
○世耕委員 このたびの特別災害について、交付金ないし特別災害の財政補給金の制度の特別立法が当然必要だと思いますが、こういう点に関しまして、特に参議院の委員長も御臨席のようでございますが、本議会で御手配ができるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/21
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022・矢嶋三義
○矢嶋参議院議員 ただいまの御質問の件は、ただいま議題となつておりまするたい積土砂の排除に関する特別措置法案とは直接的には関係がないかとも考えますが、御質問がありましたので御答弁申し上げます。
このたびの災害で、地方公共団体が経済的に財政的に非常に参つておる。従つて特別財政補給金交付というものを考えなければ、地方公共団体は財政的に成り立つて行かない、こういう結論のもとに、参議院は一応それを立法化すべく態度をきめました。その後当該小委員長で政府側といろいろ折衝しておるのでございますが、その前に衆議院の当該小委員会との打合せの際に、衆議院側におかれましては、小委員長の報告によりますと、やや消極的で否定された。従つて両院の意見一致という形にならないので、法案として出て来ていないという実情でございます。参議院はきよう午前中もさらに検討いたしたのでありますが、今次災害復興にあたりましては、地方財政の問題を何とかし有れば、われわれの立法としては画竜点睛を欠くのではないかということになりまして、本日午後再びこれを審議することになつておりますが、どうか衆議院におかれましても、残る期間さらにこの点御検討いただきまするならば、衆参相携えて何とか解決点が見出し得るのではなかろうか、こういうふうに考えております。
なお、立つたついでに、堆積土砂について、先ほど以来、それぞれの議員さんでいろいろ解釈しているやに提案に受取れるのでございますが、この際明確に申し上げておきますと、提案者といたしましては、こここいう異常な堆積土砂というのはまさに異常なものでありまして、年々歳々風水書がありますと、必ず石が流れ土が流れ出ます。しかし、そういう程度のものにはこの法は適用しない。まさに異常な堆積土砂だ、こういうことを繰返し繰返し審議の過程に確認し、さらに本会議における報告でも、そういうことをいたしまして、この法律は濫用してはならない、政令をつくるときには厳格に政令をつくらなければならない、そういう希望条件まてつけて、本会議を通過しているということを、念のために申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/22
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023・大久保武雄
○大久保委員 関連して。提案者に御質問をいたしますが、「漁港施設」という文字がございますが、商港は漁港のうちにお含めになつておられるかどうか、あるいは商港と漁港と兼ねておるものばかりがその地帯にあるのか、あるいは、もし商港を除いておられるならば、それはどうされるのか、あるいは救済の必要がないのか、念のため御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/23
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024・山田節男
○山田参議院議員 今の第九条で申しまする漁港施設に商港が入つておるかどうか、漁港と商港とが兼ねている場合を想定しておるかという御質問でございますが、これは第三条で、「都道府県知事は、災害地域内に存する道路、上下水道、水利施設、学校、公園、官公署その他の公共用又は公用の施設で政令で定めるものの区域内に」云々、かようにいたしておりまして、それで、政令で定める場合には、一応公用の施設、あるいは市でこれをやつておる場合には公共用の施設、これによつてもちろん商港というものも含まれる、かように想定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/24
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025・林信雄
○林(信)委員 一点だけ伺つておきたいと存じますが、第二条に関係することなんです。第二条にただいまも御説明のありました異常ということでありますが、異常のことはいわゆる異常である。これは抽象的に言葉の意味はよくわかるが、具体的になりますと、非常にむずかしいと思う。しかし、結局はこれは政令で定められますから、確定はいたしますものの、その政令に定められます間において、この異常の範囲をどの程度にするかということは、具体的調査の結果によるが、その端境の物量あるいは地域についてかなり困難な場面も出て来ると思います。それはそう思いますと同時に、さような場合に、この委員会のあなた方なりわれわれの論議、あるいは発言いたしますことか、執行部に非常に重要な反響を起すもので、その意味におきまして、先刻来参議院の小委員長より御説明のありました——当初いただきましたプリントによりますと、八行目に「特にここの地域において」とありますものを、われわれはすなおに読んでおりまして、そうしますれば、その七行目にあります「九州、南近畿その他の地方」を受けておりますから、これはそのまま受取れるものでありますけれども、実際に御発言になりました委員長の言葉では「特にここの地域」とありますその「ここ」を「二、三」とお読みになりました。実は休憩中に小委員長にお伺いしたのですが、小委員長のプリントはわざわざそこは手直しになつておる。そうしますと、二条に予定せられます地域というものは、具体的調査の結果によつて定められるのでありますけれども、その地域たるや二、三にとどまるという印象を受けるものであります。もつとも二、三にいたしましても、これが九州、南近畿その他の地方の二、三でありますならば非常に公範囲なんです。しかしながら、おそらくはその地域はそんな県単位のものでなくて、市町村単位程度のものではないかと思われますについては、二、三ということになりますと、これは異常の解釈とも関連いたしまして、非常に限られたる地域のみのものを対象に考えられておるように印象づけられるのであります。実はこの地域が政令で定められるというので、はたして自分のところが入るかどうかというので、かなり神経過敏になつておる実際の現地の状況をも考え合せまして、この点どういうふうにお考えになつておりますか。あるいは執行部との御折衝の関係がございましたら、御説明おき願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/25
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026・山田節男
○山田参議院議員 まず第一の問題でございますが、この場合は、この法案の第二条にうたいました「異常に多量の」ということは、これは、第一には、西日本並びに山口県の一部に起りました——これは関東大震災あるいはそれ以上のものである、であるから今後こうして国庫で全額負担をしてやるというのは、これは異常中の異常である、かような意味で、実はそれであるからこそ全額国庫負担にしなければならない、かように打出したわけでございまして、これはもちろん政令でその地区を定める場合には、これは常識と申しては何でございますが、少くとも普通の台風とか水書では想像できない地区、こういうことにいたしまして、そういう基準で全額国庫負担をするという地区を政令で定める、かように実は——これは最初に申し上げましたように、この単独法案につきましては、衆議院さんの方ではいろいろ御論議もございました。ところがこれは異常中の異常災害であります。また引続いて起りました和歌山県一帯、奈良県にいたしましても、あるいは島根県、鳥取県あるいは京都、兵庫、福井にしても、あるいはこれに妥当するものがあるかも存じません。かような意味で、政府の方といたしましても、政令によつて基準をきめることと存じます。
それから第二の、私が提案理由の説明のときに、今御指摘の「特に二、三の地域」と言つたことについて、先ほど休憩中にも御質問がございました。これは私ちよつと考え違いでございまして、これは「特にここの地域においては」、これはやはり「ここ」とお直しくださいますように、私から訂正いたしますから御了承を願います。それで二、三ということを申し上げましたが、この地域の二、三ということについて、行政当局と何ら折衝いたしたことはございません。また委員長においてもしかりでございますが、私の方におきましても、そういうことについて、二、三ということに限定する話は毛頭いたしておらないことを、ここに神に誓つて言明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/26
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027・大久保武雄
○大久保委員 先ほど参議院の委員長から、第三条に商港が含まれている、こういう御答弁がありましたが、将来本法の疑義をなからしむるために、一応法文の解釈をはつきりしておいた方がよくはないか、かような意味でもう一回御質問申し上げる次第であります。第三条にもし商港が入つているといたしましたならば、なぜ第九条の漁港が第三条でいけないのか。公共用施設でいけないのか。第三条をこのままで商港をこれに入れて解釈せよということは、速記録に残しましても、法文上に若干疑義はありませんか。もし漁港を第九条に入れられて、海上の施設に対してある程度この法が出て行く、こういうおぼしめしならば、第三条にもう少し海域についての規定をされる方が明快ではないか、かように考えるわけでありますが、さらにもう一回参議院委員長の御説明をいただきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/27
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028・山田節男
○山田参議院議員 今の御質問でございますが、この第三条は、先ほどもちよつと申し上げましたが、いろいろな施設を例示いたしております。「学校、公園、官公署その他の公共用又は公用の施設で政令で定めるもの」云々とあります。ですから商港はもちろんこの中に入るものと、かように私どもは確信をいたしまして、特に商港ということをうたわなかつたのでございますが、この点は、行政当局の解釈上で、公共用あるいは公用の施設ということになれば商港も十分入り得る、これは立法当局の法制局かそういうことを申しております。この点ひとつ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/28
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029・杉山元治郎
○杉山委員 堆積土砂の排除に関する特別措置法案をおつくりになつたことに私は敬意を表するのでありますが、提案者である参議院の方に一つ伺い、またそれに関連して、建設省の方がおいでになるならば、お伺いしてみたい点があるのであります。
先ほどからのお話で、政令によつて定めるということによつて地域がよくわかるのでありますが、さつき御説明のありました異常の程度ですね、これは非常に抽象的なお言葉で、いかにも異常には違いないが、一体一尺積つたのが異常か、あるいは五尺積つたのが異常か、こういうような問題になつて、実際にこの範囲に入れるという場合になつて来れば、いろいろ堆積の模様によつて、これは異常である、これは異常でないという問題も起つて来るであろうと思いますから、提案者の方では、ただ単なる異常という言葉で現わしただけでは、はなはだ不十分だと思うが、それを政令で定める場合には、大体どの程度までを異常と認めておるかという点を、ひとつお聞きしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/29
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030・矢嶋三義
○矢嶋参議院議員 これは本法律案を運用する場合に最も大事な点でございまして、当初からいろいろ議論があつたところでございます。先刻私から一応御答弁申し上げましたが、ただいま私どもの手元でどこの土砂は異常であり、どこどこの土砂は異常ではないというような認定はいたしておりません。それはこの法律案の中に書いてありますように、政令にゆだねておるわけでございます。定義として、一尺は異常なのか、二尺、三尺は異常なのか、こういうふうに問い詰められますと、数学的な数字をもつて答弁はできません。しかしながら、この提案理由の二枚目の六行目に書いてありますように、「これを放置すれば公衆衛生上または正常な社会活動を維持する上において著しく支障があると認める場合」こういうふうにうたつてあるわけでございます。先ほど私が、雨が降れば石、砂が流れるのはあたりまえである、その年々歳々ある程度のそういうものには法律は適用するのではない、濫用してはならない、特殊の場合として私有地にもこれを適用し、さらに全額補助という立法をしたのである、こういうふうに申し上げておる点から、おそらくわかつていただけると思うのでございますが、私ども提案した者としましては、そういう角度から、この法律案が成立のあかつきにおきまして、行政府がわれわれの意を体して政令をつくるかどうかという点については、重大関心と監督をして行きたい、こういうふうに考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/30
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031・杉山元治郎
○杉山委員 提案者のお心持なり御説明はよくわかるのでありますが、そういうようになりますと、都道府県においてこれは異常だと認識いたしますときに、おのおのそこに差異があつても、都道府県がそういうふうに認識しておればそれでいい、こういうことになるのであります。そうすると、認識の相違によつて、多少都道府県によつて相違が出て来るだろうと思うのですが、そういう点について私は心配するから、何かそういうような問題について、もつとはつきりした異常というものについての考えがあるならばお伺いしたい、こういうことを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/31
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032・大久保武雄
○大久保委員 もう一点だけ。新らしく条文が入りましたので、疑義があるといけませんからお聞きしたい。漁港が第九条に入りまして、先ほどの御説明で、商港が入るとすれば第三条の中に入る、こういう御答弁であります。そこでこの第九条の場合におきましても、航行の安全を阻害するもの、航件の障害になるもの、こういう御答弁でございます。そこで、これから参りますと、商港は、私の解釈では大体所管大臣は運輸大臣じやないですか。それから船の航行の安全を阻害するものの除去は、これまた運輸大臣の所管じやないかと考えておる。そこで、さらに第六条、第九条において、建設大臣または農林大臣を所管大臣としていろいろ法文上の規定が行われておりますが、航行の安全を阻害するものの除去あるいは商港に対する措置、こういうものが解釈上入りました場合においても、所管大臣はこれでいいかどうか。一応御質問申し上げておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/32
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033・山田節男
○山田参議院議員 これは、先ほど第九条の漁港施設及び漁場という漁場を入れるときにも、いろいろ当委員会で御論議願つたわけでございますが、要するにこの特別措置法は排除の作業であります。排除の作業にあたつて全額国庫負担をする。異常な堆積をしておる樹木であるとか土砂であるとか岩石を排除する。たとえば漁場の場合にいたしましても、先ほどこれは海上保安庁がやることについて御議論もございました。しかしながら、これを政令でしぼりまして、いわゆる沈積しておる樹木であるから、これは何も海上保安庁を煩わさなくても実際できるのではないか。今仰せのように、たとえば商港は運輸省の管轄でありますので、排除の作業は運輸省の管轄じやないかというお言葉でございますが、なるほどその施設の管轄は運輸省でございます。しかしながら、たとえば今淡路の洲本ですか、こういうような問題が起きております。少くともこの排除作業、これは建設大臣の所管ではない、しかしこれが運輸省所管ということになりますれば、何も運輸省がやらなくても、都道府県知事がしかるべく行政措置をやる、建前さえきまつておれば、その管轄が運輸省、建設省、農林大臣と言わなくても、実際の措置については問題がないだろう。先ほど行政上の措置についてもいろいろ御議論願つたわけでありますが、私はそういう権限争いをするようなことはない、排除の作業でありますから支障のないもの、かように確信をして提案いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/33
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034・大久保武雄
○大久保委員 私も権限争いはぜひこの際防止をしたいと思うのでございます。ただ所管上の点を明確にしておきませんと、かえつてこれが所管争い等になるから、さらに御質問申し上げますが、運輸省の港湾局は港湾に関する建設一切やつておるわけです。ちようど建設省が一切の河川をやつておると同じように、港湾局は予算もとつており、直営工事もやり、技術陣も持つてやつておる。その技術陣も排除して建設省にやらされるのか、あるいは港湾局の持つておる建設陣を使用してやらせるのか、この点は明確にしておかなければ権限争いが起ると思います。今の御説明によると、運輸省の持つておる建設能力というものを排除して建設省がやる、こういうふうにもとれますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/34
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035・山田節男
○山田参議院議員 仰せの通りいろいろ疑義が起ることはもちろんでございます。これは要するに政令で地域が定められ、それで地域を定めるということは、異常だという査定においてその地域がきまるのでありますから、従つて今のような権限争いというものが起らないように、政令を定める場合に、やはりそういうことの管轄、たとえばお示しの商港の流木、土砂、そういうものの排除の場合におきましても、そういう権限争いの起らないようなぐあいに政令でうたうように政府に対して十分注文をつければ、これは行政的にそういうトラブルが起らないようにできる、かように確信をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/35
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036・大久保武雄
○大久保委員 どうも小委員長の今の御説明では、これは権限上の問題を将来に残しておると思う。法文上の疑義は立法者としてはあくまで明らかにしておかなければいかぬ。このまま行政府に渡したら必ず疑義が起ります。今の点は法文上明らかになつていない。そこで私は、建設省においては技術的にもむずかしいし、これは運輸省港湾局の建設陣を利用されるなり、あるいはまた航行の安全を阻害しておる沈下材木の処理は、海上保安庁の所管とされる方がよかろうかと思いますが、この点は明確にしておかないと必ず行政上の問題が起ると思いますから、あらかじめ念を押しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/36
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037・山田節男
○山田参議院議員 ごもつともでございます。私のお答えが十分でなかつた点もあると思いますが、要するに第三条の但書の最後の文句にもございますように、施設を管理する者の意に反して行うことはできないのでありますから、具体的に今の商港の問題を取上げてみますと、もしこれを運輸省がどうしても自分の方でやるとか、あるいはやる必要はないということになれば、意に反して行うことはできないとここに出ておるのでございまから、そういう部面からも今御心配のような事項は起きないのではないかと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/37
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038・大久保武雄
○大久保委員 今の管理者というお話ですが、管理者は県がやつておつたりすることがあると思います。しかしこれは国がやる場合のことが書いてある。そこで、その予算がどこに所属し、どうするかという問題でありますから、管理者の問題ではないと私は思うのでありまして、若干そこに疑義が残つておるので、なるべく行政庁に渡されるときには、これを明らかにして渡された方がよかろうと思いますが、いかがでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/38
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039・山田節男
○山田参議院議員 今おつしやるような管轄と申しますか、この法律によつて排除の作業をいたすもの、すなわちこの予算を使いますものは、地域も政令で定めるのでございますから、政令によつて今御心配の点をはつきりさせる、そういうトラブルが起らないようなぐあいの政令を定めることはできると確信をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/39
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040・杉山元治郎
○杉山委員 建設省の方にお伺いいたしたいのでありますが、政令によつて定める地域並びに異常の堆積だと予想される場所の土砂を排除いたしますために、大体どれほどの費用がいるという予想なり見積りができておりましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/40
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041・澁江操一
○澁江政府委員 ただいま御審議になつておりますこの法律案によります異睡の堆積土砂というものの標準をどこに置くか。これはやはり、行政府といたしましては、あくまで、法律の執行の建前から申しまして、立案の趣旨並びに立案の過程における審議の状況を判断して、その法律の意図するところを正確に把握し、またお聞きいたしまして政令案を立てる、原則としましてはそういう方針で行くべきだろうと思うのであります。従つて、具体的には、どの程度の堆積した土砂量があつた場合にはこれは異常とみなすかということは、その具体的な政令の範囲において考えられるべき問題でございまして、ただいまのところこれをどういう程度にするかということについては、まだ御審議中のことでもございますし、立案者から先ほどお話もありましたように、直接行政府に対してこういう方向においてということのお示しも現在まだはつきり伺つておりませんので、この点についてはまだ御答弁申し上げる用意をいたしておりません。
それから、しからば現在どの程度の堆積土砂ないしはそれに要する費用というものが考えられておるかということでありますが、これも、災害費用に対します一般原則といたしまして、国が全額負担をいたすわけでございますから、一応国としては、あるいは行政府といたしましても、それに対する査定をいたさなければならぬ結果になつて参ると思います。従いまして、その査定の結果から申し上げることが、正確な事業費なりそれによる国庫負担額というものを申し上げる筋合いになろうかと思いますが、現在私どもの方でわかつております点は、建設省所管といたしましては、もつぱら都市等を中心といたしました堆積土砂の排除事業費というものを、一応現地側の報告を受けて集計いたしております。これは、現在までのところでは、その報告によりますれば大体十八億程度ということになつております。各排土作業の単価でございますが、これは五百円と想定されておる場合もございますし、あるいはそれ以上と想定されておる場合もございまして、現地々々の実情に応じまして若干そこに相違は出ておるようでございます。いずれにいたしましても、それらに対しまする正確な事業費の数字ということになりますれば、査定の結果をまつて申し上げることになろうかと思いますので、それによつて御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/41
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042・杉山元治郎
○杉山委員 まだ法案が確定しないので、御答弁はその通りかと存じます。そこで、今お話の都市というようなお言葉で、よくおわかりのようでしたが、たとえば最も阿蘇の火山灰が流れ込みました熊本市の排土作業などによつて、熊本市ではどのくらいの費用がいるというお見通しでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/42
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043・澁江操一
○澁江政府委員 これもいろいろの機会にすでにお聞取りになつたかと思いますが、私どもの方で県あるいは市等から報告を受けましたところでは、当初市内に堆積いたしておる土砂量が二百四十万立米、その後さらにそれにプラス・アルフアということが言われております。そういうことから、ただいま申し上げましたそれぞれの排土作業に要する単価を積算いたしまして、十四億という数字を私どもはつけております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/43
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044・杉山元治郎
○杉山委員 熊本だけで十四億だということになりますると、さつきの十八億ですか、それではちよつと他の地方の土砂の排除は困難と思いますが、それは私は問いません。
そこで、今その排除いたしておりまする土砂の置場ですね。もし川に流せば、御承知のようにまた河川の床を浅くいたしまして、再び水害を起す心配がございますし、またこれを都市の近くに置けば、雨のときに流れ込んで来て、またいろいろの土砂の心配をする、こういうような話も伺つておりますが、そういうような排除しております土地の土砂の置場は、いわゆる荒廃した土地なら土地というように、そういう心配のないような場所を選んでおるのか、そういう点についての尋問的な御答弁を伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/44
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045・澁江操一
○澁江政府委員 今まで経験いたしませんでしたこういう異常な土砂の排除作業ということでございますので、御指摘になりましたような土捨て場の計画と排出の計画、これがいわゆる排土作業の実際の施行上の大きな問題点であることは確かであります。従いまして、一例を熊本市の例にとつて申し上げれば、これは各市内をそれぞれの施工区にわけております。これを八工区ないしはそれ以上の施行区にわけまして、それぞれの工区につきまして、排除すべき土砂を排出する士捨て場の計画を立てまして、それに排出をいたしておるわけであります。この土捨て場の位置の選定でございますが、地域の選定は、それぞれ県ないし市におきまして、いわゆる土砂の排除によつてほかにいろいろな支障を来さないような所という考えのもとに計画を立てております。もつとも、この計画の中には、中間的な土捨て場を置きまして、最終的には海岸その他ヘ捨て場を考えるという計画もあわせて立てておりまして、それらにつきましては、技術的な面から私ども相談にあづかりまして、現在決定をし、施行いたしておるような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/45
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046・杉山元治郎
○杉山委員 土捨て場の問題で、最終には海岸なりそういう被害のないような所ヘ流すということはけつこうだと思うのでございますが、他の場所はそれでいいといたしまして、聞き及ぶところによりますと、熊本は阿蘇の火山灰の流れ込むところになつているそうですが、建設省の方では、この火山灰を利用して有意義に使うという考えはないものか。いわゆる火山灰ブロツクをつくつて、これを建設用材にして参りますならば、そういう面を解決して行くにも非常に便利であると思うのです。また、今度の水害のために仕事を失つた失業者も相当あろうと思うのでりまして、今、一時はおのおの仕事の状態も非常に忙しでありましようが、少しくいたしますと仕事がなくなるという者も相当出て来るのではないか、あるいは、農地をなくしまして、よそへいつて仕事をしなければならぬような者も相当出て来るのではないかと思いますが、そういう場合の救済事業の一つとしても、また将来の耐震、耐火の建築のためにも、最もよい火山灰を利用してブロツクをつくる、こういうようなことについて建設省はこの際お考えになつているかいないか。お考えになつているとするならば、ぜひそういうような方向に進んでいただきたいと思うのでありますが、その点も伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/46
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047・澁江操一
○澁江政府委員 ただいま考えております問題の中心点は、ただいま立案者から御説明がございましたように、もつぱら、交通上、生活上早急に解決をしなければならない土砂の排除作業ということに重点を置いておりまして、今の火山灰そのものの利用方法、活用方法につきましてはまだ具体的な計画を立てておりません。御指摘になりましたところを十分お聞きいたしまして、また検討をさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/47
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048・杉山元治郎
○杉山委員 まだ他の点もあるのですが、以上にとどめて一応私の質問は終つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/48
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049・綱島正興
○綱島委員 建設省の政府委員の方にお尋ねいたします。長崎県の北松の今福の地すべり、これについては、かつて官房長から、至急に取調べて計画を立てるという御返答を得ておつたのでありますが、建設省の方では、まだそれに対して計画はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/49
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050・澁江操一
○澁江政府委員 私直接にその方の担当でございませんので、まだ詳しいことを聞いておりませんが、もし必要でありますならば、関係の政府委員なりその他に来てもらいますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/50
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051・綱島正興
○綱島委員 いや、おわかりにならなければよいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/51
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052・澁江操一
○澁江政府委員 現在私の承知している範囲では、御答弁申し上げるだけの材料はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/52
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053・綱島正興
○綱島委員 参議院の提出者にお尋ねをいたします。先ほどの御説明のうちに、この土砂排除の大体予定される地域のうちに、熊本県、和歌山県をおあげになりましたが、実は長崎県の北松の地すべりというものは、地域は狭いですが、一番大きいのであります。これなんかについては、御考慮の外にあるのでしようか。ちよつと意外に思つたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/53
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054・山田節男
○山田参議院議員 長崎県、ことに長崎県と佐賀県の境の地すべりのお話でありますが、これは、小委員会におきまして、衆参両院の打合せ会のときもたいへん問題になりました。しかもこの災害は非常に大きなものである。私ども最初からこのことは聞いております。また写真も見ております。これは決して無視した次第ではございません。この法律をつくります際に、もちろん念頭に入つておつての立案であるということははつきり申し上げます。今仰せのようなことは全然ございません。初めから入つておるということをはつきり申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/54
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055・田渕光一
○田渕委員 私は議事進行上一つ簡単に伺つて、ぜひとも御考慮願いたい点を簡単に申し上げます。
まず参議院の矢嶋委員長に伺いたいのであります。先ほど当委員会の世耕委員から財政的な裏づけについて強い要望をいたしておるように伺いましたが、何しろ要望では聞きおくだけでありまして、あるいは決議というような式で院議を尊重するという線に持つて行かなければ、これが建設、農林、厚生あるいは文部、ここらの方面で非常に予算的に困る。これを大蔵省に言つても、出すのなら一銭でも出すのがきらいなのは大蔵省事務当局です。だから、大蔵省で出しやすいようにしてやるのには、どうしても強い要望よりも、決議において院議を尊重するというような線でひつくくつて行かなければ大蔵官僚は聞きません。こういうことを思いますときに、参議院の方では、強い要望ということが決議事項に入つておつたかどうかということを一点お伺いしたいのであります。
もう一点は、本日ここに参議院からまわつて来たものを見まして、災害関係は十八件、昨日衆議院で上りました十七件のうち、参議院から回付された文部関係の一件がありましたから、十六件が今参議院に付託されておりますが、その審議過程がいかようになつておりますか、この二点を伺いたいのであります。というのは、この十六件、本日この委員会で上げるもので十七件と、昨日参議院から回付された一件で十八件が立法されてしまえば、陳情請願団が事務当局に行つてこれをやれるのでありますが、十六件上つて一件でも上らぬということになると、ちぐはぐになるのであります。でありますから、議事進行上、でき得るならば小委員会で大体おきめになつたものでありますから、本日はこれを本委員会で上げて、明日の本会議でやつていただく。何を申しましても五日、六日、七日と、最後の七日などは一瀉千里で審議などされるものじやありません。そうすると、あす、あさつてに上げなければならぬというように時間が切迫しておりますから、以上の二点について、参議院の矢嶋委員長の御所見を伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/55
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056・矢嶋三義
○矢嶋参議院議員 まことにごもつともな御質問でございますが、御答弁申し上げます。
第一点の予算の件でございますが、これにつきましては衆議院の村上委員長とともに最も心配しているところでありまして、一つには国会閉会までに衆参の意思が決定したあかつきにおいて、中央対策本部長である緒方副総理並びに西日本場対策本部から帰任される大野国務大臣、小笠原大蔵大臣、そういう関係大臣に両院の委員長、小委員長、理事の連合打合会に出席していただいてその所信を聞き、決意を促したいと考えております。具体的には、大野国務相が東京あるいは現地において公約されました臨時国会による補正予算化というような問題もあると考えますが、そういうことを考えております。さらには、私は立法府の一員といたしましては基本的に次のごとく考えて、必ずしも心配いたしておりません。と申しますのは、現在のわが国の政治は政党政治が行われているのでございまして、そして現在のわが国の政権担当者である吉田内閣は、その母体を自由党に置いているわけでございます。この法律案は自由党の政調会を通り、総務会を通過して、両院の全会一致をもつて立法がなされるわけでございますから、この政党政治の基本線をくずさない限り、吉田内閣が健全であり、自由党が健在である限り、この予算化については私はあまり心配をいたしておりません。
それから、第二点につきましては、参議院の審議の過程については先刻一応申し上げましたが、簡単に申し上げます。現在の両院の情勢についての分析は、質問者と私はまつたく同様な考え方で法案を扱つております。衆議院の方から十六の法律案が送付されておるわけでございますがその中には、昨日衆議院の小委員長が参議院に提案理由の趣旨説明においでくださつたときに確認したのでございますが、両院で完全に意見が一致しないままに出て来ている生の法律案があるのでございます。そこで参議院の特別委員会としては、審議の基本方針といたしまして、両院の打合会で、完全に一致したものと、それから完全に一致しないままで出て来たのは質疑がありますので、それを分離して審議して、両院の打合会で致して来た法律案については、懇談会で論議を尽くしているのであるから、質疑応答などあまりやらずに、きようの午前中までの私の考えでは、本日でもそれをまず緊急上程いたしたい、こういうふうに考えておつたのでございます。いずれにいたしましても、両院の打合会で一致いたして提案いたしました法律案につきましては、参議院の特別委員長の責任において、明日の本会議で必ず成立するように努力いたします。残余の問題については、あるいは一日遅れ、あるいは皆様方とさらに御相談申し上げるようなことになるかもしれないということを、御了承願いたいと思うのでございます。
最後に、予算の問題については皆様方とともに善処いたしたいと思いますが、ただ最も懸念していることは、被災地の方々が、この立法府の立法したものに非常に期待していると思うのです。十八の法律案ができたが、中身は何もない、からつぽだつたというのでは、一体国会は何をやるところが、国会議員諸君は何をやつているのかということになつて、これは議会政治に対する国民の信頼感を薄らがせることになる問題で、これは一災害地の復興云云の問題よりもさらに飛躍した重大な問題であると思います。これらの十八の法律案が両院を通過成立したあかつきにおきましては、この裏づけにつきまして、衆参両院ともに立法に携わつたお互いの責任を感じ、政府の動向を重大な関心を持つて監督、督励して参りたい、こういうかたい決意をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/56
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057・田渕光一
○田渕委員 了承いたしましたが、さてそこで、私の懸念いたしまするのが、財政的措置の立法あるいは裏づけでありまするが、私は不敏にして、災害地におりましたために、この点を伺わなかつたのであります。両院の委員長が懸命にこの点を事務当局に念を押してくださつておると思いまするか、大体災害予備金が八十億円あるというように伺つております。これらがただちに出せるのではなかろうかということは、罹災民の望んでいるところであります。ところが私の懸念いたしますることは、すでに第六号台風が来るとか、なかなか九月、十月に相当な災害が来るだろうという予期のもとに、この八十億を今日全額放出するというような大胆な大蔵当局ではないと私は思う。そうすればこの八十億のうちから何がしかのものが緊急に使われるか、と申しますのは、今日つなぎ資金がごくわずかしか出ておりませんために、一切が今日中止されておる状態であります。たとえば、この八十億の災害予備金からどれだけとりあえず出すかというような、打つ手を打つて行かなければなりません。先の百より今の十であります。この点において、何とか災害予備金のうちから、あとの災害というのは来るやも来ないやもわからないのでありますから、これを大蔵省が押えるとしても、これは押えさせずに、罹災民に対して出してもらうように、どうか両院委員長におかれましてはまず御尽力を願いたいということをお願いしておきます、願わくは、私は各委員にもお願いいたしたいのでありまするが、大体御質問が終つたならばここらで質問を打切つて、当委員会でこの法案を上げてしまつて、明日の本会議にかけるというようなぐあいにお願いいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/57
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058・村上勇
○村上委員長 この際委員外議員の発言についてお諮りいたし申す。山口丈太郎君より本案に関して簡単に発言したいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/58
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059・村上勇
○村上委員長 御異議なしと認めます。山口丈太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/59
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060・山口丈太郎
○山口丈太郎君 お詳しをいただきましたので、私は委員外議員として一応伺つておきたいと思います。それの前に、非常に皆さん方の努力によりまして、多くの法律案を成立させていただきましたその御労苦に対しまして、この際厚くお礼を申し上げます。
私は、今回のこの水害に際しまして、むしろこの法案の立案者に御質問申し上げるよりも、主として紀伊水道または大阪湾、播磨灘等の瀬戸内海におきます漁場の問題と、そして船舶航行の安全についてひとつ当局に御質問申し上げたいと思います。
御承知のように、今度の災害によりまして、災害地から多くの流木等の障害物が海中に流れ込んで参りまして、当災害地方から非常な陳情が実は参つておるのでありますが、そのうち特に私どもの県下でありまする淡路地方と本土とは、御承知のように明石から岩屋へ、神戸港、大阪港から洲本ヘの連絡船によつて、これらの島々と本土との間を連絡いたしておるのでありますが、流木のために非常に航行に危険を生じておりますして、安心して航行することができない。それは流木だけではございませんで、流出いたしました家屋の家具、特に畳、それから農家に保有しておりましたところのわら、それから寝具、特にふとん等の流出物が非常に多いのでありまして、これは一面はそれら連絡船の航行に非常な危険を生じておるのであります。特に綿類などがスクリューに巻きつきますと、船はたちどころに故障を起すのでございます。また表面に出ていない流木がございまして、それは株のついたままの木、あるいは非常に根元と太さの極端な差のあるようなものが、縦になつて水没したままで移動をいたしております。これらが一ぺんそれらの船に当りますと、たちます船は破損をするという危険を生じておるのでございます。
それからまた、漁船について申しますと、綱引などがほとんどできません。わらがかかる、あるいは麦わらがかかる、ふとん、寝具がかかつて参りまして、漁師の方々は、それがためにほとんど漁業が停止されるような状態になつております。これは、それらの流出物によりまして、綱の破損がおびただしい数に上つておるのでございます。こういうふうな点で緊急措置をぜひとも講じていただかないと、それら沿岸の漁民は言うに及ばず、それらの島々からの交通がほとんど危険な状態にさらされておりますので、これらの措置につきましては、この航行の不安というものは運輸に属する問題でありまして、海上保安庁の問題であろうと考えるのでございます。ところが、の特別委員会でせつかく御審議をいただいておりますので、その方で質問をした方がいいだろうということで、運輸委員長から、私にこちらで特別に許してもらつて質問をするようにという指示をいただきました。そこで私は本委員会に参りました。海上保安と申しまするのは、ただ燈台の設備であるとかあるいはまた海上の秩序を維持する、密輸あるいは密航船等の取締りを行うというだけでは、海上保安の万全を期するものとは考えられないのでありまして、当然船のこういう異常な状態におきまする航行の安全を保持することも、海上保安庁の大きな任務の一つであろうと考えるのでありますか、これらにつきまして、海上保安庁としては何か対策を立てられ、あるいは掃海等の措置を至急に講じていただく必要があると思いまするが、それらについての手配についてどのようにしておられるのか。ひとつ御質問をしたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/60
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061・松野清秀
○松野説明員 海上保安庁で調査したところによりますと、今回の和歌山方面の水害によりまして海上へ流出しました木材等は、大体二十万石程度あるようでございます。それらのものは現に紀伊水道から明石、播磨灘等の方面へ広がつておる次第でありますが、これらの木材のうちで航路障害になつておりますものは、大体五十万石程度と見ております。そのうちで約二万石は所有者がはつきりしておるようでございまして、これらのものにつきましては、木材の所有者が結成されました和歌山県の流材整理組合において処理されるということになつておる模様でございますので、海上保安庁といたしましては、目下その他の約三万石につきまして、お説の通り緊急に何らか対策を講じなければならない、こう考えて検討しておる次第でございますが、昨日水害対策中央本部と連絡いたしました結果、明日同本部が主催いたしまして各省会議を開催いたしまして、そうしてこの流木の処理についてその会議によつて対策を決定しよう、こういうことになつておりますので、海上保安庁といたしましては、明日の会議の決定をまちまして、できるだけの措置を講じたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/61
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062・山口丈太郎
○山口丈太郎君 流木につきましてはあすそのような決定をいただくということで、まだ私の希望はありますが、そのときにはなるたけ早急に——淡路島はほとんど閉塞されておるような状態であります。でありますから、一刻もすみやかに開放ができるように措置をしていただきたいと思います。しかし今申しますように、わら、家具、畳、寝具等の流出によりまして、これまた非常な危険を生じておるのでございます。ただ単にこれは流木だけではないのでございます。そういたしますと、やはり保安庁としても大規模な掃海作法というものを実行してもらわなければ、どうしても私は安全は保てないように考えるのでございますが、それらの点についてもお考えがあるかないかをお伺いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/62
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063・松野清秀
○松野説明員 むろん浮流しておる木材のみでなく、先ほど来いろいろお話がありましたが、中には根つこのついたものがたくさん来ておるというようなことでございます。もちろんそういうものも対象にして、明日十分検討したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/63
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064・山口丈太郎
○山口丈太郎君 これは保安庁の事項にはならないかと思いますが、御出席になり幸したら、港に漂着しております流木についても、一刻も早くこれらに対して適当な措置を講じていただくように進言していただきたいと存じます。
それから、水産庁の方にお伺いいたしますが、今お聞きのように、これはただ単に流木だけの問題ではないのであります。漁港は水産庁の方の所属にもなつておるところがあるのでございます。従つて私は水産庁にお願いしたいのでございますが、淡路地方の漁港は全部流木におおわれておるといつてもよいのでございますし、また明石海峡を隔てまして、本土の漁港におきましても、多数の流木によりまして非常に漁民が困難を来しております。ほとんど出港もできないような状態に置かれておるのでございますが、これらに対して、水産庁としてもやはり早急にそれらの施策を講じていただかないと、漁民はその日の生活に非常な不安を感じておるのでございます。これについては水産庁としても特別のおはからいをいただきたいと存じますが、これらの対策をどう考えられておるか、ひとつその対策の見通しがありましたら、お聞かせをいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/64
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065・岡伯明
○岡説明員 漁港の付近、特に漁業権漁場内における流木あるいはその他の沈積物の除去につきましては、水産庁といたしましても非常に頭を痛めておる問題であります。単に漁港の管理者あるいは都道府県等にその事業をまかせるだけでは、とうてい除去できない問題でありまして、幸いにして右堆積物の除去に関する特別の法律案を御審議いただきまして、通過する運びに至りつつあるということは、われわれとして非常にありがたいことでございます。特にこの漁港施設等は、これによつてさらにまた災害が増加するのではないかというような点も憂慮されますので、水産庁といたしましても早急にその除去に努力して参りたいと思つております。すでに関係方面との打合せも進めておりますが、これをもとにいたしまして予算措置を講じ、早急に除去の措置をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/65
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066・山口丈太郎
○山口丈太郎君 委員各位の御努力によつて生れて参りますこの法律——先般来私ども審議をいたしました重要な法律案と同時に、これによつて災害の救助に関する特別措置が大体できるようでございますが、しかし私の最も危惧いたしますのは、今質問をいたしましたような航行の安全を保持するための障害物の完全なる除去、漁民の漁撈作業に対します安全の措置という、の二つの兼ね合いが、この法律にありましては一本でございますから、この法律によつてもなおかつ保安庁関係と水産庁関係の緊密ななる連絡のもとに十分やつて行けるかどうかということであります、もちろん今日それらの法律を緊急立法で全部処理するということは、まだ困難な時期にあるのでございまして、それらについて保安庁並びに水産庁といたしましては、その官庁の所属は別といたしましても、この法律の円滑なる施行によつて、完全にそれらのことが実行し得るものであるかどうか、また協力して実行の得ることのできるという確信がおありであるか、その点両者から御意見を承つておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/66
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067・松野清秀
○松野説明員 先ほど申しました明日の会議、これは各省会議でありまして、もちろん明日は水産庁の方からもおいでになると思いますが、この問題につきましては、仰せの通り関係各省間の連絡を十分にとりまして、御期待に沿えるように進めて行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/67
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068・岡伯明
○岡説明員 これはこの法律案の審議の過程を拝聴しておりましても、十分各省が連絡をとつて行かなければならない問題だと思います。こういう問題は今まで全然例がないので、あるいは誤解等を生ずるおそれがあるかと思いますが、これは漁民側の方の陳情等によつて相当わかつておりますので、われわれといたしましてもそう御心配になるような点はないようにいたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/68
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069・山口丈太郎
○山口丈太郎君 両者からの力強い御答弁をいただきまして大体了承いたしました。今回のこの国難とも称すべき災害は、ただ単に兵庫あるいは岡山だけでなくて、西日本全体の大きな問題であると存じます。各省におきましてこれら所管事項について円滑を欠くようなことがあつてはたいへんだと存じますので、こういう異常状態にありますときには、特に各省におきまして、緊密な連絡のもとに、万全の処置を講じていただきますようお願いをいたしまして、私の質問を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/69
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070・村上勇
○村上委員長 他に御質疑はありませんか。——御質疑もないようでありますから、質疑はこれにて終局いたしました。
この際暫時休憩いたします。
午後四時五十一分休憩
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〔休憩後は開会に至らなかつた〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604556X02319530804/70
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