1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年六月二十三日(火曜日)
午前十時三十二分開議
出席委員
委員長代理理事 内藤 友明君
理事 淺香 忠雄君 理事 苫米地英俊君
理事 坊 秀男君 理事 佐藤觀次郎君
理事 井上 良二君 理事 島村 一郎君
有田 二郎君 宇都宮徳馬君
大平 正芳君 藤枝 泉介君
宮原幸三郎君 福田 繁芳君
本名 武君 小川 豊明君
木原津與志君 久保田鶴松君
春日 一幸君 平岡忠次郎君
出席政府委員
大蔵政務次官 愛知 揆一君
大蔵事務官
(主税局長) 渡辺喜久造君
大蔵事務官
(銀行局長) 河野 通一君
委員外の出席者
参議院議員 三浦 辰雄君
大蔵事務官
(銀行局特殊金
融課長) 有吉 正君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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六月十八日
昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会
計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の
延期に関する法律の一部を改正する法律案(内
閣提出第四三号)
国有財産法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第四五号)(予)
同月十九日
小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する
法律案(内閣提出第一四号)(参議院送付)
木船再保険特別会計法案(内閣提出第五四号)
国の所有に属する物品の売払代金の納付に関す
る法律の一部を改正する法律案(参議院提出、
参法第一号)
証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
第四九号)(予)
金管理法案(内閣提出第五五号)(予)
同月二十日
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六二号)
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六三号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六四号)
同月二十二日
国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する
特別措置に関する法律案(内閣提出第六五号)
国税徴収法の一部を改正する法律案(内閣提出
第六六号)
造幣局特別会計法の一部を改正する法律案(内
閣提出第七〇号)
昭和二十八年度における国債整理基金に充てる
べき資金の繰入の特例に関する法律案(内閣提
出第七一号)
証券投資信託法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七八号)(予)
同月十七日
揮発油税軽減に関する請願(河原田稼吉君紹
介)(第一〇八九号)
同(保利茂君紹介)(第一〇九〇号)
石油関税の減免措置延期に関する請願(河原田
稼吉君紹介)(第一〇九四号)
酒類容器売放し制度実施に関する請願(世耕弘
一君紹介)(第一一〇〇号)
同月二十日
石油関税の減免措置延期に関する請願(保利茂
君紹介)(第一一八四号)
同(植木庚子郎君紹介)(第一一八五号)
同(小川豊明君紹介)(第一一八六号)
同(松山義雄君紹介)(第一一八七号)
同(臼井莊一君紹介)(第一一八八号)
揮発油税軽減に関する請願(松山義雄君紹介)
(第一一八九号)
同(江藤夏雄君紹介)(第一一九〇号)
同(甲斐政治君紹介)(第一一九一号)
同(小川豊明君紹介)(第一一九二号)
同(臼井莊一君紹介)(第一一九三号)
同(植木庚子郎君紹介)(第一一九四号)
軽発油税軽減等に関する請願(小川豊明君紹
介)(第一一九五号)
同月二十二日
揮発油税軽減に関する請願外一件(小林かなえ
君紹介)(第一三三三号)
同(船越弘君紹介)(第一三三四号)
石油関税の減免措置延期に関する請願外一件(
小林かなえ君紹介)(第一三三五号)
同(村上勇君紹介)(第一三三六号)
同(船越弘君紹介)(第一三三七号)
同(内海安吉君紹介)(第一三三八号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十二日
揮発油税軽減等に関する陳情書
(第三五七号)
昭和二十八年度予算編成に関する陳情書
(第三八四号)
漁業協同組合に対する法人税撤廃に関する陳情
書
(第四〇一号)
揮発油税軽減に関する陳情書
(第四
〇二号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
連合審査会開会申入の件
信用金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三号)
有価証券取引税法案(内閣提出第二七号)
納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三一号)
砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第三二号)
富裕税法を廃止する法律案(内閣提出第三三
号)
登録税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
三五号)
揮発油税法の一部を改正する法律案(内閣提出
第三六号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六二号)
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六三号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六四号)
国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する
特別措置に関する法律案(内閣提出第六五号)
国税徴収法の一部を改正する法律案(内閣提出
第六六号)
一般会計の歳出の財源に充てるための緊要物資
輸入基金からする一般会計への繰入金に関する
法律案(内閣提出第三四号)
昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会
計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の
延期に関する法律の一部を改正する法律案(内
閣提出第四三号)
木船再保険特別会計法案(内閣提出第五四号)
国の所有に属する物品の売払代金の納付に関す
る法律の一部を改正する法律案(参議院提出、
参法第一号)
社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分
に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
出第二八号)(予)
国有財産法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第四五号)(予)
証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
第四九号)(予)
金管理法案(内閣提出第五五号)(予)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/0
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001・内藤友明
○内藤委員長代理 これより会議を開きます。
去る十六日本委員会に付託になりました有価証券取引税法案、納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、富裕税法を廃止する法律案、登録税法の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案及び二十日付託になりました法人税法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、さらに昨二十二日付託になりました国税徴収法の一部を改正する法律案、以上税法十件を一括議題といたし、まず政府より提案趣旨の説明を聴取いたします。愛知大蔵政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/1
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002・愛知揆一
○愛知政府委員 ただいま議題となりました八つの法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
まず一般会計の歳出の財源に充てるための緊要物資輸入基金からする一般会計への繰入金に関する法律案から、その提案の理由を御説明申し上げます。
緊要物資輸入基金特別会計におきましては、一般会計から繰入れられた二十五億円の緊要物資輸入基金をもつて、国際的とりきめによつて日本国に割当てられた稀少物資等の取得及び売払いを行つて来たのでありますが、その運用の実情に顧み、昭和二十八年度におきましては、一般会計の財源に充てるため基金から一五億円を一般会計へ繰入れることとしようとするものであります。
なお、将来情勢が変化いたしまして、政府輸入にまたなければならない事態が増大いたしました場合の基金運用に支障なからしめるため、一時借入金をなし得る制度をあわせて設けようとするものであります。
第二に、昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
政府が昭和二十一年度において、昭和二十一年法律第五十五号及び昭和二十一年法律第十号に基き借り入れました借入金の現在高は、一般会計において百五十一億七千八十六万円、郵政事業特別会計において五億六千三百七十四万円でありまして、その償還期限は、昭和二十五年法律第六号により昭和二十八年八月一日まで延期せられておりますが、同期限までに償還いたしますことは困難でありますので、償還期限をさらに昭和三十一年三月三十一日まで延長することとし、その間において必要な場合には、公債に借りかえることができることとしようとするものであります。
以上御説明いたしました二つの法律案は、第十五回国会におきまして審議未了となりましたので、あらためて提出いたしました次第でございます。
第三に、国有財産法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。
国有財産の管理及び処分に関する事務は、主として国有財産法及び国有財産特別措置法に基きまして運営せられているのでありますが、これらの法律に若干の改正を加え、国有財産制度を整備し、関係事務の適切な運営を期するため、ここにこの法律案を提出することといたした次第であります。
この法律案は、国有財産法の一部改正と国有財産特別措置法の一部改正との二つにわかれておりますが、以下その概要を申し上げますと、まず国有財産法の一部改正におけるおもな点は、第一に、国において直接公共の用に供する財産の管理を適正にするため、国有財産の分類及び種類に変更を加え、公共福祉用財産と公共物を統合して、行政財産の中に新たに公共用財産という種類を設けることとしたのであります。
次に、公共福祉用財産及び皇室用財産の取得、用途廃止等につきまして、その手続を緩和し、すべて国会の議決を経ることとなつております現行規定を改めまして、皇室用財産の取得について、一件の価額が三百万円に満たないもので、一年間にその合計額が三千万円に達するまでの場合には、国会の議決を要しないことといたしたのであります。
次に、国有財産特別措置法の一部改正におきましては、国立大学の施設を効率的に運営するため、国立大学の施設を集合整備する必要があります場合に、文部大臣は、当該国立大学の施設と地方公共団体その他の者の所有する施設と交換することができることといたしたのであります。
以上が、この法律案の提案の理由並びにその概要であります。
第四に、証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
現行証券取引法は、施行以来、すでに五年を経過いたし、その間経済の進展に応じ、数回にわたり改正が行われて来たのでありますが、独立後のわが国の経済、特に最近の証券市場の実情にかんがみ、有価証券の募集または売出しに関する届出の制度を簡素化するとともに、証券業者に対する監督規定を整備し、あわせて証券取引所の機能の公共性にかんがみ、その設立に免許を要するものとする等の必要があると考えられますので、前国会に証券取引法の一部を改正する法律案を提出したのでありますが、衆議院解散のため審議未了となりましたので、その後の検討に基き、同法律案に若干の改正を加え、再びこの法律案を提出した次第であります。
その内容の第一は、投資者の保護に支障のない限りにおいて有価証券の発行者の負担を軽減するため、有価証券の募集または売出しに関する届出の制度を簡素化したことであります。すなわち、担保付社債券等は、当分の間、募集または売出しの届出を要しないものといたしますほか、大蔵省令で届出を免除することができる有価証券が、現在その額面または発行価額の総額において千万円までのものに限られておりましたのを、その額を引上げ、五千万円といたしたのであります。
その二は、弱体業者の濫立を防ぎ、もつて投資者の保護に資するため、証券業者の登録の拒否原因となるべき事項といたしまして、新たに、登録申請者が株式会社でない場合及び登録申請者の純財産額が政令で定める資本の額の九割に満たない場合を追加し、また、証券業者に対する監督を強化し、資力薄弱な証券業者が顧客から過当な数量の有価証券を借り入れ、または預託を受けております場合には、これらの有価証券を顧客に返還することを命ずる等の措置をとり得ることとしたのであります。なお、現行の証券業者の信用の供与に関する規定につきましても、これをわが国の実情に即せしめ、弾力性のある運用をはかる余地を開いたのであります。
その三は、証券取引所の機能の公共性に顧みまして、証券取引所の設立を登録制度から免許制度に改め、また、証券取引所が定款等を変更するときは、大蔵大臣の認可を受けなければならないこととし、取引所の監督規定を整備いたしたのであります。
第五に、木船再保険特別会計法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
今回、政府は、船主相互保険組合法に基き、木船相互保険組合が経営しております木船保険につきまして、その普及発達をはかるために、木船再保険法案を提出して御審議を願つているのでありますが、この木船再保険法を実施することとなる場合には、政府の再保険関係の経理を明確にするため、一般会計と区分して、新たに木船再保険特別会計を設けることが適当と考え、この法律案を提出した次第であります。
この法律案の概略について申し上げますと、この会計におきましては、再保険料、木船再保険法第十三条の規定による納付金、同法第十六条による一般会計からの繰入金、借入金その他をもつて歳入とし、再保険金、再保険料の払いもどし金、借入金の償還金及びその利子、一時借入金の利子その他をもつて歳出とするほか、この会計の予算及び決算に関し必要な事項を規定しております。以上が、この法律案の提出の理由であります。
なおこの法律案も第十五国会において審議未了となりましたので、あらためて提出いたしました次第でございます。
第六に、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
政府は、昭和二十二年以来、神社、寺院等に無償で貸し付けてあつた国有財産を当該神社、寺院等に対し、無償譲渡または半額売払いの処分を行つて参りました。社寺境内地処分審査会は、この処分にあたり、大蔵大臣の諮問機関として、大きな役目を果して来たのでありますが、現在の段階におきましては、その設置の目的を達成したと認められるに至りましたので、この際社寺境内地処分審査会等に関する規定を削除しようとするものであります。
なお、この法律案は、第十五回国会に提出し、参議院で可決された後、衆議院で審議中のところ、解散のため不成立となりました法律案とまつたく同様の内容のものであります。
第七に、金管理法案につきまして、提案の理由を御説明いたします。
金管理法の一部改正につきましては、去る第十五回国会で審議未了となりましたので、今回あらためて提案いたし御審議を願う次第であります。
この法案の内容は、前回審議未了となりましたものと同様でございまして、そのおもな点を御説明いたします。
従来政府は、金につきまして全面的に価格及び需給の統制を行い、新産金等はすべて強制的に買い上げるとともに、国内の産業、工芸、歯科用等に必要な加工用金は、政府保有金のうちから割当売却することとし、また政府の買入れ価格、売渡し価格及び業者の販売価格は、すべて政府が公定いたしておつたのであります。
しかしながら、最近金に対する実需も増加して参ります一方、生産も漸増して参りましたので、政府といたしましては、新産金の一部のみを買い上げることといたし、それ以外の金につきましては、一切の統制を廃止いたしまして、価格及び取引ともに自由とし、もつて金に対する需要の増加に応ずるとともに、あわせてわが国金鉱業の育成に資することが適当であると考えられるのでございます。
以上の趣旨によりまして、この法律案におきましては、政府が強制買上げをする金は、新産金のうち政令で定める割合のもののみといたしまして、これに伴い割当制度、加工用金売りさばき業者等の監督の制度を廃止し、金の取引を自由といたしました。ただ自由取引実施に伴い、国内及び国際的な事情を考慮して、金の取引の実態把握に必要な報告を徴することができることといたしておるのでございます。
第八に、国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律案の提案の理由を御説明いたします。
外資の導入によりわが国の経済基盤の強化拡充をはかりますことは、政府のかねがね強調して参つたところでございまして、特に国際復興開発銀行からの外資の受入れについて鋭意努力を重ねて参つたのでありますが、電力設備合理化のための資金の借入れについて近く実現を期待し得るに至りました。この法律案は、国際復興開発銀行等からの外資の受入れを促進するため、関係諸法律の特例規定を設けようとするものであります。
その内容を簡単に申し述べますと、まず第一に、国際復興開発銀行または外国政府金融機関から外資を受け入れようとする場合には、その外資の特質にかんがみ、当該貸付を受けようとする者が主務大臣の認可を受けたときは、その認可をもつて外資に関する法律の規定による認可を受けたものとみなして、国際復興開発銀行等に対する元利金等の支払いの場合における外貨送金を保証するものとしたことであります。
第二に、日本開発銀行または日本輸出入銀行が、国際復興開発銀行等からの資金の借入れ契約に基き外貨で支払わなければならない債務について、予算の定めるところによりまして、政府が保証契約をすることができることといたしたのであります。
第三に、日本開発銀行または日本輸出入銀行が国際復興開発銀行等からの外貨資金の借入れ契約に基き債券を引渡す必要がある場合、その借入れ金額を限り債券を発行することができることといたしたのでございます。
以上がこの法律案の要点であります。
以上をもちまして、ただいま議題となりました八つの法律案の提案理由を御説明申し上げた次第でございます。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/2
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003・内藤友明
○内藤委員長代理 次に、去る十九日本委員会に付託されました国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案を議題として、提案者より提案趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員三浦辰雄君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/3
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004・三浦辰雄
○三浦参議院議員 ただいま議題となりました国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明いたします。
国有林野のいわゆる立木の売払いにおきましては、それが大量である場合、または搬出設備のない奥地林のものである場合には、立木の買受け人が搬出設備を設け、伐採し、搬出し、売り払いまして、その代金を回収いたしますまでには、相当長期間を必要とする実情にあります。そのため以前は、北海道の国有林におきましては二年以内、その他の国有林におきましては一年以内の延納の特約ができることになつておりました。ところが、現行の国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の施行後は、他の一般の物品と同列に、最長半年の延納特約を認められるにすぎないこととなつておつたのであります。前述のような実情からいたしまして、その不便が痛感されていたのであります。今般、これを是正して、実情に即した取扱いができるようにいたしますために、この法律の一部を改正しまして、国有林野のいわゆる立木売払い代金については、延納期間を一年に延長いたしたいと存ずるのであります。
以上が本法案の提案理由の大要でありますが、本件につきましては、前十五国会で当委員会で御審議をいただき、可決せられましたが、本会議を通過する機会がなくて、再び御審議をお願いする次第でございます。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決ありますようにお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/4
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005・内藤友明
○内藤委員長代理 ちよつと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/5
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006・内藤友明
○内藤委員長代理 速記を始めてください。
それでは委員会は暫時休憇いたしまして、理事会を開きたいと思います。
午前十一時十三分休憇
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午前十一時二十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/6
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007・内藤友明
○内藤委員長代理 休憇前に引続き会議を開きます。
この際お諮りいたします。ただいま建設委員会において審査中の道路整備費の財源等に関する臨時措置法案及び通産委員会において審議中の中小企業金融公庫法案の両案につきましては、本委員会の所管事項とも重大なる関連を有する法案でありますので、それぞれの委員会に連合審査の申入れを行いたいと存じますが、この点御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/7
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008・内藤友明
○内藤委員長代理 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
なお連合審査会開会の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/8
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009・内藤友明
○内藤委員長代理 次に、先刻説明を聴取いたしました各案及び信用金庫法の一部改正案につきまして質疑を行います。ただいま御出席の政府委員は愛知さん、渡辺さん、河野さん、それに参議院議員の三浦さん、これだけお出ましであります。質疑は通告順によりましてこれを許します。井上良二さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/9
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010・井上良二
○井上委員 信用金庫法の一部を改正する法律案、これに関連して二、三質問したいのですが、この金庫法の一部を改正する法案の目的は、金銭貸付の業を行う者が金庫という名称をいたずらに使つてはいかぬ、こういうことであります。一体何ゆえに金庫という文字を他の者が僭称するかということでありますが、これに関連して、問題は現在あります金融機関の金融状況が、小口である中小企業及び庶民大衆を対象とするのではなしに、主として大産業、大企業、裕福な方々に対して、営利を目的として金融がはかられておるというところから、零細な中小企業や庶民を対象にした金融機関が、最近非常な勢いで跋扈しておることは政府の御存じの通りであります。この零細な中小企業及び庶民大衆に対する金融については、政府もいろいろ対策を講じて、必要な法案、あるいは金融の措置を講じておるようでございますけれども、それはまつたく焼石に水の現状でございまして、現実にほとんど効果を現わし得ない実情にあるわけであります。これは政府の方にも報告が来ていると思いますが、たとえば大阪府において調べました、府下の銀行が昨年貸し付けましたもので、資本金三百万円以上のものに対しては、三千四百八十億円を貸し付けておりますが、資本金三百万円以下のものには、六百六十億円しか貸し付けておりません。全体の一割一分しか貸付はせられていないのです。さらにまたこれを商工中金の扱つた本年三月の金融状況を調べてみても、さらにまた国民金融公庫の実情を調べてみても、いずれもが中小企業中、特に零細な企業、零細な庶民に対しての貸付というものが非常に梗塞しておる実情にあるのです。この実情に対して何ら政府が積極的な対策を講ぜずにおいて、いかに法的にこの金庫の名前を使つてはいかぬと言うても、大衆に信用さすようなうまい名称を考えて、いわゆる法的に規定してあります銀行業、あるいは貸金業等の類似の行為が大手を振つて跋扈する実情にある。これに対して、政府は一体具体的にどういう対策を立てているかということと、これから立てんとするかということについて、大蔵大臣もその施政方針の演説において、民間金融機関は貯蓄の増強を一層促進して、資金の融通においても極力不要不急の資金は押え、経済的に基礎の充実するような産業の合理化促進に必要な資金供給を行うことや、さらにまた中小企業その他の金融について積極的にやりたいということが言われておりますけれども、わずかに資金百億円を新しく増額したにすぎないのであつて、具体的に公庫の今申し上げます方面に対する資金の円滑なる運営というものは考えられていない。これを一体どうしようとするか、この問題を、根本的に国としても、国会としても考える必要がありますので、政府のこの問題に対する具体的な対策をひとつお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/10
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011・愛知揆一
○愛知政府委員 ただいま井上さんの御指摘になりましたことは、私もまこがあれば、預けさせたらいいじやないか。何もとめる必要はない。しかも戸別訪問をし勧誘をして、遊金のある者は預けておけばいい。そしてそれに対してはまた金融もしてやる。こういうことで預けようとするのに対して、お前のところは府県の許可だからいかぬ、信用がないからいかぬというのは、あなたが言つておるだけであつて、預ける方はそんなことを思つておらぬ。それはそうでしよう。あなたの方でそういう解釈を下しているにすぎない。しかも信用協同組合においても、資金が三千万円も四千万円もある、信用力を持つた協同組合が大分最近できておるようでございますから、市中におけるそういう活動力のある面が、もう少しうまく働けるような機能、組織、運営をどう考えるかということが、一番大事じやないかと思うのです。私自身は、もしそれが薄弱であるというならば、商工中金と結びつけたら一層信用力も増し、また資金の配分もうまく行くのではないかという考え方なんです。そういう面で、末端というか、第一線でそういう仕事をやりやすいような方法で、民間の資金をどううまく集めるか、集めたものがどううまく還元され、まわされるかというところに、重点を置かなければいかぬと思うのです。そういう面で、最近非常に発展しつつある正規な信用協同組合なりあるいは信用金庫というものが、もう少し活躍する余地を大胆に与えたらどうか。そうして一方いかぬ場合には、信用保険制度といいますか、そういうもので見て行くという手を打てばいいのでありますから、思い切つて働けるような保護的な措置を講じて、やみ金融を押えて行くという手を打たなければ、一方はあらゆる制限を設けて活動できぬようにする、しかも金利が高くてなかなかうまく行かぬという状態において、片方はやみ金融が大手を振つて横行するということでは、これははなはだおもしろくないと思う。だからこの点に対して、もう少し行き届いた対策を具体的に政府は考えるべきではないかと思う。
次にやみ金融に対して一体どういう対策を今日までとつて来ておるか、そして今後とらんとするか。この問題についてはすでに政府の方でも、一部やみ金融に不正なものありとして、いろいろな角度から調査を進められ、また現実に警告を発したというようなものもあるやに新聞は報道しております。この問題は、一つは今申したような中小企業の金融の梗塞から来ておる問題でありますけれども、一方また下手を行きますと、預金者に及ばず影響が非常に大きいので、これは非常に慎重に扱わなければならぬとわれわれは考えておりますが、さりとて政府の対策よろしきを得ず、そのまま放任というわけには参らぬと思う。政府はこれらの問題に対して一体どう考えておるか、今お答えができなければ、あしたでも、大蔵大臣からはつきりこの問題に対する責任のある御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/11
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012・愛知揆一
○愛知政府委員 それではまずお答えをいたしますが、先ほど来申し上げておりますように、非常にごもつともな点が多いと思うのであります。ただ従来のわれわれの考え方から申しますと、たとえば、御承知の通り信用金庫は、現在全国で五百七十くらい信用金庫として正規の免許を受けて、その業況も非常に活発でございまして、他の金融機関に比べますと、たとえば御承知の貯蓄奨励の目標というものを掲げてやつておりますが、その貯蓄目標の達成のぐあいなどは、信用金庫が圧倒的に他の金融機関を凌駕しておるというような状況で、この点は私ども非常に喜んでおるようなわけでございます。そこで御批判があると思いますが、私どもの今までの考え方、また現在の考え方から申しますならば、良質で、かつ御指摘のような相当業績の上つておるような信用協同組合があります場合には、これはむしろ信用金庫法に基いて信用金庫としてやつていただくならば、これに対して、たとえば預託金などの問題にいたしましても、現在信用協同組合とは無関係なのでございますが、信用金庫までのところは、政府としては相当力を入れておりますので、そういう面で考えさせていただきたいと思います。なお中央機関の問題は、これはあれば非常にけつこうなことであることは、御同感でございます。ただ商工中金とこれを結びつけるかどうかということについては、なおとくと研究させていただきたいと思うのであります。
それから第二のやみ金融の問題につきましては、当委員会におきましても従来からいろいろと御意見を承つており、また政府側の意見も申し上げておるつもりでございますが、私どもの対策の一つは、井上さんの御指摘のごとく、庶民金融機関に対してもつと政府が力を入れなければならないということが一つだと思います。この点は、今いろいろお話のありましたような点を十分参考にいたしまして、従来に増した努力をやつて参りたいと思つております。
それからやみ金融の形態については、すでに御承知の通りいろいろな形態がございまして、その形態が公表されておるような形態であります限りにおいては、違法ではないのであります。しかし内容をそれぞれ調べて参りますと、もうほとんどというか、貸金業等の取締に関する法律あるいは銀行法その他に触れる点が明瞭に出て来ているものが相当にございます。こういうものにつきましては、断固たる処置をとらなければなるまいと考えます。なお一般の善意の大衆に対しましても、こういう機関については、こういうふうな実情であるということを啓蒙することによりまして、自然的に淘汰されるような方策もあわせ講じなければなるまいと考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/12
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013・有田二郎
○有田(二)委員 今井上君からお話のありましたやみ金融の問題については、以前大蔵省の銀行局の方から、五十銭以上の日歩をとつたものについて処分をするというような意味合いの法案が本委員会に上程されたのでありますが、少くともやみ金融については、総括的な、全面的な検討を続けて行かないと、世間にいろいろな悪影響を及ぼす点が多いのであります。単に政府の考えている五十銭で筋を引いて、その点だけを取締つて、あとはどうなつてもいいという考え方は無責任である。こういう考え方で、当時本委員会においても遂に審議未了に陥りましたことは、各委員ともよく御存じのところでございます。この点は、今愛知政務次官からもお話がありましたが、十分検討をして、このやみ金融に対しては、とにかく現在の日本の経済情勢とにらみ合せながら、最もふさわしい方向に決定さるべきである、かように私は考えておるのであります。これについての所見を承りたい。と同時に、今井上委員からお話のありました中小企業の金融について、先般も中小企業庁の方からの御報告を受けますと、商工中金を取巻く業者の数は約十万、国民金融公庫を取巻く業者は約十万、それに対して各銀行の中小企業店関係その他のものが約七十万、それから信用金庫を取引先としておる中小企業者の数は百二十万、相互銀行を取引先としておるものが約二百万、数は間違つておるかもしれませんが、大体そういうような意味合いのことを中小企業庁から私は報告を受けたのであります。そこで現在の状態において私が非常に不愉快だと思うのは、日本銀行の中小企業に対する協力の乏しいという点であります。相互銀行においても、私の聞くところによると、わずか三店より取引がされておらない。それもほとんど形式的である。特に銀行局長は日本銀行の監理官という立場におられますから、この点を私はお願いしたい。同時に大蔵省から、日銀政策委員というものが大蔵省を代表して出ておられるのに、中小企業に対して日本銀行は熱意がない。今井上委員がいろいろおつしやいましたが、これは大蔵関係の勉強が今まで足りなかつたから、ポイントがはずれておると思うのですが、井上委員の考えておられるところは、予算において中小企業金融公庫法によつて百億余りの金が出て参ります。この点はこの点として、少くとも日本銀行は、一万田氏が再々新聞において発表しておるところでは、中小企業金融には大きな関心を持つておるといいながら、現実においてはまつたく形式的であつて、中小企業に対する一万田氏の熱意がない、こう私は断言しても過言ではないと思うのであります。従いまして大蔵省としては、日銀政策委員を大蔵省代表として派遣し、また銀行局長は日本銀行の監理官を兼務しておられます立場からいつても、今日までの日本銀行が、中小企業に対する金融に対して熱意がない、こう私が断定することに対して、御答弁を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/13
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014・愛知揆一
○愛知政府委員 私もざつくばらんに申しまして、その御批判は十分あると思います。それはしかし結局するところ、日本銀行が熱意がないということでありますならば、やつぱりこれは大蔵当局の責任でございますから、今後十分ひとつ関心を高揚させるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/14
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015・有田二郎
○有田(二)委員 それはよくわかるわけでありますが、今私が申し上げておるのはたとえば相互銀行なんかをつくるときは、私は最初反対であつたのですが、こうやつてできて来ておる以上、それが毎日商店に行つて金をとるという相互銀行のあり方というものは、日本の中小企業の性格にぴつたり合つておる。この相互銀行を伸ばして行くことは、同時に全国の中小企業者を伸ばして行くことである。また信用金庫にいたしても同じことでありますが、相互銀行と取引をいたしておるものは二百万、信用金庫と取引をいたしておるものは百二十万、この多数の中小企業者に対して、相互銀行、信用金庫を通じて国の予算を流して行くということはもちろんでありますが、日本銀行の営業の一つの部面として、これらの方面に金が流れて行くならば、井上委員の目的が十分達成されるもの、かように考えるのであります。今のような無責任きわまる政府の答弁では、私は与党といえども満足ができないのであります。従つて政府としては、将来この日本銀行に対して、中小企業金融についてどういう所見を持つておるか、これについて銀行局長の答弁をひとつ承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/15
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016・河野通一
○河野(通)政府委員 日本銀行の中小企業に対する考え方について、非常に冷淡である、あるいは熱意がないというお話であります。私は基本的にはさように考えておりませんが、やはりいずれかといいますと、中小企業に対するウエートの置き方が、どうしても少くなるということはいなめない。この点は十分に私どもは注意をいたして参らなければならぬと思います。ただ問題は、中小企業に対する日本銀行の熱意を強くいたして参りますことと、具体的に信用金庫でありますとか、相互銀行でありますとか、そういつたものに対して日本銀行が取引を開くという問題とは、必ずしも問題は同じ事柄ではない。私は日本銀行自体の、いわゆる言葉は非常に悪いのでありますが、中央銀行としての使命というものの範囲も考えて参らなければならない。御承知のように、中央銀行としては、やはり短期的な金融の調節ということが重点にならなければならぬと思うのであります。従つて中小金融というものの性質上、資金が相当長く寝るようなものは、中央銀行たる日本銀行の短期的な資金の調節、金融の調節という使命とぴつたり来ない点がある。私どもは、実はこの点は非常に割切つて考えておるのでありまして、一般の市中の金融機関は、それぞれその特色に従つて、中小金融に対して十分に努力をいたさなければならぬことについては、これは有田さんのおつしやる通りだと思う。しかしながら、それがただちに日本銀行に結びついて、日本銀行の通貨の増出という形で日本銀行から中小金融の資金が出て行くということが、はたしていいか悪いかにつきましては、私は中央銀行自体の性格という点から、十分考えて参らなければならぬと思うのです。さればといつて、日本銀行が中小金融に対して全然とびらを取引の上で締めておるわけじやございません。御承知のように、商工中金でありますとか、一部の相互銀行等については取引は開いて参る。中小金融という資金が非常に長くなるという点と、中央銀行の性格をどこで調節するかという問題については、十分考えて参らなければならないのでありまして、今にわかに日本銀行の信用増出の形で中小金融というものにどんどん資金を流して行くということがはたしていいかどうか、この点については十分に検討いたしたい。しかしながら、日本銀行がいろいろな形で、中小金融に対してないがしろにしておるという点があるならば、これはいけないことでありまして、今後とも中小金融というものが非常に重要であるということにつきまして、もし彼らの認識が足りませんければ、十分認識を持つようにやつて参らなければならぬと思うのであります。この点は有田さんの御意見と私もまつたく同意見であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/16
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017・有田二郎
○有田(二)委員 銀行局長の御答弁を承ると、賛成やら反対やらさつぱりわけのわからぬようなことで困りますが、日本銀行のあり方については、これは今日においても大分行き過ぎたものが多い。たとえば北海道に四箇所も支店を設けるとか、まるきり市中銀行やら国の銀行やらわけのわからぬような状態、また一つ一つの貸出しについても、日銀がこれに関係して、一々各銀行に干渉するというようなあり方も、私は日本銀行本来の建前からしてどうかと思う点がある。それらの点も、日銀の監理官として十分監督しておられない、私はかように考えておる。従つて中小企業に対しては、少くとも平時の日本であるならば別でありますが、今日の窮迫した中小企業のあり方から見て、中小企業を育成することが当然政府の方針でもあり、過去において各大臣並びに総理大臣は、この点について口をきわめて、中小企業の育成については誓約をしておられる。その誓約しておられる一つの部門として、今日の日本銀行が、実際問題として各会社の個々の金の貸出しについてまで各銀行に関与し、くちばしを入れておるという現状を見て、私は日銀の監理官の銀行局長の河野さんの答弁としては、不十分であると思う。日本銀行が現在において、相互銀行の中で三箇所だけ取引をしている。あとの相互銀行と取引をしないということは、おかしいと私は思うのであります。十分この点について御検討を願つて、中小企業の育成は超党派的に皆が考えている点でありますから、十分御検討を願つて、中小企業金融にこれらの相互銀行、あるいは信用金庫を通じて全国三百二十万の中小企業者に流れて行く方向、そういう道をやつても、日本銀行としてこれは間違つた方向である、私はさように考えないのであります。この点を将来とも十分御検討願いたいと思うのであります。
それから税のことを一点だけお聞きしたいのですが、実はきようの新聞にも出ておりましたが、税の過納金の問題です。国民の納め過ぎた税金を返すのに非常に手間取つておる。しかも税務署員に対する国税庁の教育の仕方が足りない。各過納者が税務署へ行くと、そのうちに何とかなるだろうということで、延び延びになつて来ておりますが、過納ということはよくある現象でありますから、その事実に対して私は批判をするのではないのでありますが、少くとも税金を過納した以上は、一日もすみやかに国民に金を返してやるべきだ。しかるにそれがどんどん延びておる。延びておるのについては、予算が先般の解散で通らなかつたから延びておるのならば、その理由を納税者に、予算が通過しましたら金が参りまして、すみやかに返せますが、今予算が通つていないので、お渡しすることができないというはつきりした答弁ならいいのですが、五月になつたら支払う、六月になつたら支払うというように、理由をはつきり明示しないで、延び延びになつて国民の疑惑を買つておるようでありますが、この点についての御答弁をあわせて承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/17
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018・愛知揆一
○愛知政府委員 今有田さんの御指摘の点は、両点ともまことにごもつともでございます。第一の点につきましては、そういう趣旨に沿うて、できるだけ迅速に処置をいたしたいと思います。
それから第二の過納の問題は、今朝新聞にも出ておつたようでございますが、一つは、おそらく私の想像でありますが、御指摘の通り、予算の関係だつたと思うのでありまして、そういう場合には国税庁を通じまして、各税務署の末端も、その理由をはつきりと国民にわかつていただけるように、これはさつそく処置をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/18
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019・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 実は、きようは大蔵大臣に日銀の問題について、中小企業者の関係について質問するはずでありましたが、出席がないようですから、信用金庫法について、愛知政務次官と銀行局長に質問したいのです。実はこういう法律をやたらつくつて、われわれから考えますと、前の議会におきまして、同僚議員から、こういう金庫という名前を廃止したらどうかと言われたときに、銀行局長は、そんなことは金庫店という金庫もあるし、そういうことを取締る必要がないということを先会のときに言つておられました。わずか半年の間に、政府みずから言つたことをすぐ裏返すようなことをやられるということは、非常におかしいと思うのであります。そこでわれわれは、今中小企業の金融の問題について、先ほど同僚の井上委員から言われましたように、現在やみ金融がはびこつておるという事実は、政府の機関が中小企業に対して、あるいは零細企業に対して何ら考慮していないからこういうものが生れる。これは社会的な一つの条件であります。そのいい悪いはわれわれが判断しなければならないから、利子の問題、その他の問題については、われわれはそういう点は考えますけれども、現実にそういう実態があるというのは、われわれも否定することができません。ただ問題は、こういうような法律をやたらにつくつて、この信用金庫というものができたのは、昭和二十六年にできておるのでありますが、これができる前に、金庫という名前を使つたものがありはしないか。もしそういうような場合があつたら、どういう考えでこういう法律を出されるかということを、まず一点私はお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/19
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020・河野通一
○河野(通)政府委員 私が先般御答弁申し上げたことに関連するようでありますから、お答え申し上げます。去る三月に、貸金業者等に関する対策の問題のときに、確かに大蔵委員の一人の方から、このことについて御質問がありました。私は今速記録を持つておりませんので、的確なことは申し上げられませんが、私はこれは反対だということを申した覚えは毛頭ないのです。ただ問題は、いろいろ書き方について疑問がある。そのときに、さつきお話のように、たとえば金庫店というものが、あるが、それを金庫という名前を使つてはいかぬ、入れるか入れないかというような問題は検討しなければならないので、趣旨はよくわかると私は答弁したつもりでおります。ところが、その後そういつた問題もありますので、本来ならば、およそいかなるものも、金を集めるものは金庫という名前を使つたらいかぬ。そういうことになりますと、今申しましたようないろいろな技術的な難点があるから、この法律では、特に貸金業者に限つて使つてはいけないということにしたのであります。本来ならば、およそ何人も金庫という名前は使つてはいかぬ。金を集める形においては、使つてはいかぬという趣旨にすべきが本来の筋だと思いますけれども、技術的な難点もありますから、貸金業者に限つて、金庫という名前を使つてはいけない、こういうことにいたしたのであります。従来ならば、信用金庫法の現行法で言いますならば、貸金業者に限らない、何人といえども使つてはいけない。ところが今度は、貸金業者に限つて金庫という名前を使つてはいけないことにいたしたのであります。そういう点は、技術的な問題でありますので、ここで弁解がましくなりますから長くは申し上げませんが、そういつた点で、先般三月に御答弁申し上げましたのは、私は反対だということを申し上げておらぬつもりでありますので、少し逃げ口上になるかもしれませんが、お答え申し上げます。
それから第二のお尋ねの、信用金庫法ができる前から金庫という名前を使つておつたものの既得権をどうするかという問題だと思います。この点は、いろいろ法律的に研究をいたしましたが、制度としてそういつたものを法律で禁止しますならば、過去の既得権ということに対する措置は、必要がないという法律的解釈になつておりますので、その点につきましては、過去において、信用金庫法ができる前から金庫という名前を使つておりましたものについても、やはりこの法律は、当然に適用がある、こういうふうに解釈をいたしております。またそれでさしつかえないと思つております。政府本来の見解と一致しておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/20
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021・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 私の記憶では、銀行局長がはつきり反対の答弁をなさつたと思いますが、これは速記録を見ればわかりますから、そういうことはこだわりません。ただわれわれが問題にしたいのは、いろいろやみ金融が問題になつておりまして、特に相互金庫が問題になつておりますが、しかしそのほかの経済会というものは、この法律では縛れない。この法律は、おそらく相互銀行という名前についての制限でありますが、そのほかの経済会なんかのことについてどういう取締りをやる意思があるか。それから現在中小企業者の金融について、たびたびいろいろな説明がありますけれども、今の国民金融公庫、あるいは中小企業金庫のような金くらいでは、現在の中小企業の資金というものはそんなになまやさしく解決できないと思います。少くとも大蔵省のお考えになるような、そんな簡単な今の経済情勢ではありません。最近の経済情勢は、御承知のように不渡り手形もきようの朝日に出ておりましたが、たくさん出ておる。そういうような経済界の非常な混乱の時代において、政府の資金でまかなえないようなものだからこそ、こういうようなやみ金融が出るわけです。これの根本的な対策を、われわれが納得するように、政府はこういう方針で現在の苦しい中小企業金融についての対策があるという法があれば、どういうものが実際やれるのだということについて、政務次官あるいは銀行局長の確信のあるところをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/21
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022・愛知揆一
○愛知政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、たとえば、これを一例をもつて申し上げるのでありますが、国民金融公庫の例をとつて申しますると、やはり政府機関ではございまするが、融資ということでありまする以上は、救済資金とか補助金と違いますから、何でも出すということは行き過ぎだと思うのであります。最近の情勢から申しますと、借りたいと言つて申し入れて来られます額が、大体一年間で八百億円ぐらいになつておる。しかしこれは成規の手続で、それから各窓口でいわゆる察査をいたしますと、大体その三分の一くらいのものが、どうしても融資をしてあげなければならない額だというのが、国民金融公庫その他の常識的な結論なのであります。そこで、先ほど申しましたが、その申入れが殺到して、かりに一年間八百億あるとすれば、大体それに対して、われわれの考え方としては、二百五十億円の融資額というものが用意されておれば、まず国民金融金公庫を通ずる融資先にも満足が得られるであろうし、また政府としても、それで一応の限界であろうと考えております。従つて国民金融公庫で申しますならば、先ほど申しましたように、大体二百六十億余りの貸付資金の用意が、予算案に関連してできておるわけでございます。それからそのほか現実にやつておりますことは、やつぱりわれわれとしては、既存の金融機関に対して、できるだけ円滑に融資ができるような資金源を供給することであると思いますので、その中で政府が最も今のところ力を入れておりますのが、指定預金であるわけでございます。大体現在のところを申しますならば、現在政府が指定預金をいたしております残高は、五百億円ほどございます。これはやはり会計法その他の関係から申しますと、制度としては、どうしてもある時期に引揚げなければならぬ問題ではございますが、会計法の解釈の許し得る範囲内におきまして、できるだけその方でめんどうを見ておるというようなわけでございます。結局、非常にざつくばらんなものの言い方をいたしますが、現在金を借りたいという人の数、あるいはその額というものが、非常に大きいのでありますが、これにピンからキリまで全部お金を出すということは、いろいろの観点からいつても、また常識的にいつても、これはできないことなんでありまして、われわれとしても、まだ対策が足りないとは思つておりますが、先ほど来申し上げましたような措置をあわせ行いますことによつて、相当程度に庶民金融のめんどうも見て行けるのではなかろうかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/22
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023・春日一幸
○春日委員 三点ばかり簡単にお尋ねをいたします。
この信用金庫の名称を使用すべからずという法律に関係するわけでありますが、現在そういう名前を使用することによつて、信用金庫の業務に悪い影響を与えていると思われるところの企業体の生態調査、それをひとつ承りたいと思います。
それから次は、大体この信用金庫の名称を使用してはいけないというこの考え方について、意見を述べたいのでありますが、少くとも言語とか文字とかいうものは、民族の共有のものであるわけです。これは民主社会における鉄則であり、しかも経済活動における普遍的な原理だと思う。大体この信用金庫という文字は、法律によつて創造された文字であるから、先国会においても了承を与え得たと思うのでありますが、少くともこの金庫なる名称をもつて、経済活動をして来たところの多くの前歴者がある。私どもが知つておるだけでも、十指を越えるのでありますが、特に政策的な面では、労働金庫というものもあります。これなんかは、他の法律によつて云々ということもありましようけれども、労働金庫法なるものが、いつ成立するという見通しも今立つておりません。従つて、現実に労働者が全国において労働金庫の名によつてずいぶん経済活動が行われておるにもかかわらず、これが禁止されるということになりますと、被害の及ぶところが非常に大きい。こういう点についてもお考えになつておるかどうか。法律でもつて文字や言語の使用を禁止するということは、そのこと自体が、相当の被害を与えておるという実情の上に立たなければならぬ。少くともそれは酸鼻をきわめるというぐらいの被害でなければならぬ。私は、ただいまの佐藤君の質問に関連して伺いたいのでありますが、前国会においてすでに論議が行われたのでありますが、当局はこれに対して、さほどの必要性を痛感していなかつた。しかるところ、六箇月たたぬでこういう法律案を提出されるということは、察するところ、業界からしかるべき陳情あるいは運動が行われた結果に基くものであろうと思うのであります。私は一部の者が運動をすれば、それにただちに応諾をして法律を朝令暮改して、もつて他の第三者に対して拘束権を発動するこの大蔵省の政治の執行のあり方に対して、まつたく了承することができない。少くとも私が今申し上げたいことは、法は三章をもつて足れりという。この信用金庫に対してだれがこう言つたからすぐ直す、こういう陳情があればただちにこれを直すというようなことは、たださえ業者と結託しておる大蔵省内部ということは、これは巷間世上に普遍的に伝わつておる。そういう場合に、法律案を上程される際には、もう少し慎重な検討なり、さらに及ぼすところの影響について、十二分の研究の上、そういう法律案を出すべきだと思うのであります。これに対する河野銀行局長の責任ある御答弁を伺います。
次は、中小企業金融の問題でありますが、今やこの金融問題が社会問題となり、これがいろいろの階級的性格をもつて批判をされつつあるということは、当局もお考えになつておることと思います。たとえば商業銀行でありますが、商業銀行の資金源というものは、これは一般庶民の預金です。もう一つは財政資金です。こういうものが日銀を通じて、いろいろの操作によつて商業銀行の資金源がまかなわれておりますが、いずれもこの資金源は公共的性格を承つております。国家的性格を持つております。ところが全生産の六割何分という、そういう大きな生産の原動力である中小企業に、この金が流れていないということが、この批判の根源をなしておる。このことは十分お認めにならなければならぬ。そこで商業銀行が、現実に大企業に偏重した融資のあり方をしておるということに対して、大蔵省は何らかの規正をするような考え方をお持ちになつたことはないかどうか。あるいは今日まで、そういう問題について研究されたことがあるかどうか。あればその経過、てんまつについてお伺いしたいのであります。
私が問題として指摘したいのは、庶民大衆の預金と国家の財政資金をもつて大企業に融資をして、その預金者であるところの零細中小企業者が金を借りようと思つても、借りることのできないこの経済悪、社会悪は、やはり政治を通じて矯正してもらわなければならぬ。ところが現在、中小企業金融の専門店があるけれども、かれらはほとんどその窓口でこれをはねておる。十二分に信用あるものだけを受付ける。そうして受付けた数の中から貸出しをした数を抽出して、それをもつて、申込みに対して貸出しのパーセンテージの大きいことを社会に誇つておるのであります。これはまさにインチキである。すなわち書類を受付けないで、申込みを事前に拒否しておる数字は、申込みをした数字よりはるかに上まわつておる事実を御存じであるかどうか。従つて私は、商業銀行がもう少し中小企業に金を流し得るような立法措置なり、行政措置なり、何らかの措置を講じなければ、この問題の抜本塞源的な解決はあり得ないと思う。この点について大蔵当局の御答弁を承りたい。
次は、株主相互金融についてでありますが、こういうような商業銀行、金融機関のあり方が、期せずしてああいうような金融機関を発生せしめておる。このことは、何人もこれを認めなければならぬと思う。そこで私どもは、これに対して何らかの規正をしなければならぬと考えるのでありますが、それについて政府はあまねく資料をそろえなければならぬ。そこでお伺いしたいことは、現在この株主相互金融が融資の対象としておるところの大体の平均額は、先般大蔵委員に業界から陳情書が寄せられておりますが、その資料によりますと、一件貸出し平均は三万二千円になつておる。すなわち銀行は三十万、二十万というようなものでないと応諾しないわけで、その五万円以下というような融資、借入れには応諾しない。だから、そういうような庶民大衆はどこも相手にしてくれないので、ついこういうような機関にすがり、それによつて大体その小規模な零細事業の当面の資金をまかなつておる。すなわち必要は発明の母というがそういうような必要が、こういう零細金融機関を発生せしめたと考えられるので、いまやこの金額が三百億を越えて、百数十万人の諸君が、これによつてとにもかくにも事業の資金源として、これを活用しておる。この事実の上に立つて、私どもはこれに対する法律的な、さらにまた行政的ないろいろな処置を行つて行かなければならぬ。従つて私は銀行局長にお願いをしたいことは、一体現在のこの相互金融の諸君が貸出しをしておるところのマキシマムが、この平均金額が三万二千円といわれておるが、その通りに相違ないか。それから一口の預金が平均一万数千円といわれておるが、はたしてそういうような零細なる預金によつて、そういう相互扶助の考え方による融資が行われておるかどうか、こういうような点についても、政府当局の資料に基いての御答弁が承りたい。
それからもう一つ、私はこういう陳情を受けておるので、この点もひとつつまびらかにしてもらいたいと思うのでありますが、「横浜の日本勧業相互株式会社の検査を実施せる際、本省検査部より主任検査官として参加せる、鬼頭事務官は検査後、間もなく新に横浜に創立せられたる、相互銀行の役員として就任する事となつた。株主相互金融に対し、最も反対的態度をとつている相互銀行の役員として就任する予定の人物を、検査の主班として同地区内の株主相互金融会社の検査に当らしめたる事に対しては、非難の声がある。」従つて、私どもは色めがねで見るわけではないけれども、こういう相互金融に対して反対的立場にある人たちが、いろいろと大蔵当局に対して陳情をし、これを鞭撻をして、そうして自分たちの商売がたきであると思われる諸君をつぶすこのの運動をし、しかも主任検査官が検査をして、その後数日を出ずしてその反対者の側の会社の専務か何かに就任した。こういうような行政官吏のあり方というものは、これは一般大衆の支持を受けるゆえんではない。こういうような事実があつたかどうか、これに対するどういう解釈をしておられるか、この点について御答弁を伺いたい。御答弁のいかんによつては本会議で伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/23
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024・河野通一
○河野(通)政府委員 大分問題が多岐にわたつておるようでありますが、第一の、現在信用金庫以外のもので金庫という名称を使つておりますものは、御指摘の労働金庫の問題を抜きにしてとりあえず申しますが、全国約五十から六十くらいあるかと思います。これは会社の数でありますから、その支店が各地に非常にたくさんあるので、これらの支店の数を入れて、かんばんに金庫という名前を出しておるものがどのくらいありますか、ちよつとはつきりした数字は的確にわかりませんが、相当数に上つておると思います。
第二に、しからば現在金庫という名前を使つておるためにどういう影響があるかということにつきましては、先般御提案申し上げましたときの提案理由にも申し上げました通り、一般公衆は金庫という名前を使つておりますと、預金を合法的に集めていい正規の金融機関と、預金を集めることを禁止されておる、何と申しますか、貸金業者との間の差異が非常にわかりにくい。しかも非常にかんばんが大きく出されたりいたしますと、これも預金を集めていい金融機関であるかの誤解を起すことが非常に多いのであります。現に私どもは、このための弊害をたびたび耳にいたしております。そういつた点から一般の公衆に対して、免許を受けて預金の受入れができる正規の金融機関と、しからざるものとの区別をはつきりしてやる。それが大衆に対してやはり親切なゆえんでないかと私は考えます。従つてこの点に対しましては、はつきりそういつた区別をすることが必要であろうと思うのであります。ただ金庫という名前を禁じたら、それにまた似た名前が出て来るじやないかという議論も確かにあるかと思いますが、この点はどこまで行つてもおつかけごつこになるかと思います。名称というものは、非常に熟して来なければ、みんながその言葉を使わなくなるので、たとえば金庫がいけなければ、銀庫という名前を使うだろう、銀行がいけなければ、金行という名前を使うだろうとか、なかなか議論はあるようでありますが、言葉というものは、国民の間に熟して来なければ、そう使つたつて弊害が起るようなこともあるまいということで、とにかく金庫という名前だけは遠慮してもらいたいという趣旨であります。
それから関係の金融機関の間からの陳情によつて私どもが動かされて、この問題をやつたというような御質問でありますが、もちろん陳情はあります。しかし私どもは、陳情があればすべて聞くというようなことは、もちろんやつておらぬのであります。このことが、やはり今申し上げましたような弊害を現に起しておるから、これを是正いたさなければならぬという観点からやつておるのであります。
それからこの法案は、実はこの国会に初めて御提案申し上げたのではないのであつて、解散前の前国会に提案申し上げたのであります。ただ解散という事態のために、御審議を十分にいただかないで、そのまま廃案になつたという点もありますので、その点も御了承願いたいと思います。
それから次の問題でありますが、銀行等の中小企業に対する金融が非常に熱がないということであります。この点は、先ほど来各委員からの御意見、御指摘のあつた通りでありまして、私どもも、できるだけ銀行等が中小金融に対して努力をいたさなければならぬということは、かねがね考えて、できるだけあらゆる機会を通じて、こういう措置を進めて行くように指導はいたして参つておるつもりであります。ただ銀行等の中小専門店舗における中小金融の活動が遺憾ながら十分でないということは、ただいま御指摘の通りであります。またお話のように、借入れ申込みに対して九〇%以上まで貸出しが行われておるというのは、これも今御指摘の通りに、正規の申込みがあつたものに対する率でありますから、申込みの手続まで行かないものが相当あることも、その通りであります。九〇%まで貸しておるから十分に出ておるのだというようなことを、もしかりに銀行が言つておるとすれば、それは私は適当でないと考えます。今後におきましても、できるだけ銀行等の中小金融についての努力を、さらに進めるようにいたしたいと考えております。なお相互銀行、あるいは信用金庫等の中小金融に対する専門金融機関については、これは当然中小金融を扱つて行かなければならぬものでありますから、できるだけこれらの機関の活動を進めて参るために、政府においても、資金の点でできるだけのめんどうは見て参りたいと考えております。ただここで二つだけ問題を御考慮願いたいのであります。やはりこれらの正規の金融機関は、預金を預かつておる、あるいは貯金を預かつておるということに相なりますと、預金者保護ということがどうしても大切な問題になつて来る。そういたしますと、むやみに普通の貸金業者が行うような金融は、なかなかできない。おのずからそこには預金者保護という建前から、どうしても選択が行われなければならないと思うのであります。これらの点も、もちろん程度問題でありますから、預金者の保護ということに欠けない範囲においては、できるだけ中小企業に対する金融を、さらに一層奮発してやらせるようには持つて参りたいと思いますが、そういつた点も一応お考え願いたいと思います。
それから株主相互金融等における一件当りの貸金額がどのくらいになりますか。これは実ははなはだおしかりを受けるかもわかりませんが、的確な数字をつかんでおりません。と申しますのは、一般の正規の金融機関のように、非常に綿密な監督は、実は私どもはやつておらぬのでわかりませんが、平均して金額は非常に小額であることはもちろんその通りだと思います。しかしながら一般の金融機関のうち、特に信用金庫でありますとか、信用組合、あるいは相互銀行等におきましては、非常に貸出し金額の平均は小さいのでございます。小額なものをできるだけ行つて参るようにいたしておるのでありまして、現在信用金庫の平均が、大体貸出し一件当り八万円から九万円くらいじやないかと思います。相互銀行が大体十二、三万円程度ではないかと思います。従いましてそれが平均でありますから、相当小額のものに対しても金融をいたしておると思いますし、今後におきましても、先ほど申し上げました預金者保護という観点のわくの中においては、できるだけ零細な金融をのけものにしないように、従来とも努力はされておるとは思いますけれども、今後も努力させるようにいたして参りたい、かように考えております。
それから株主相互金融が預かつておる資金がどのくらいあるかというと、平均が一万円というお話がありましたが、これは私どもははつきり申し上げております通り、株主相互金融というものは預金を扱えるべきではない。検査をいたしてみなければ、一体どのくらいまでを預かつているかわかりませんが、大体株主相互金融が金を預かることはいけないことである。これは禁止されておるのだということを、まずお考え願いたい、その点も一応念のために申し上げておきます。
それから最後に、横浜の株主相互金融会社を検査いたしました金融検査官が、今度新しく横浜に新設される相互銀行の職員として入社をいたしますることに内定をいたしましたことは、事実であります。これは新しい相互銀行を設立することを認めまして、私どもといたしましては、できるだけ役所の人をこれらの金融機関に入れることは適当でないという考え方に立つて、従来ともやつて参つておるのでありますが、この場合におきましては、新設の相互銀行として、どうしても経験者を入れるために、大蔵省から出してもらいたいという強い希望がございましたので、一番適任と考えて、今御指摘の人物を職員として派遣することにいたしたのであります。これらの点につきましては、別段今お話のありましたような株主相互金融を検査した男が、それと言葉は非常に悪いのでありますが、商売がたきといつたもので入つて行くという因果関係は何らないのでありまして、その男が新設の相互銀行の職員として入ることが最も適当であろうということで、私どもがやむを得ず推薦いたしたわけであります。もちろん役員として入るのではありませんで、職員として入るということになつている次第でございます。その点は、確かに金融検査官が入るということは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/24
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025・春日一幸
○春日委員 ちよつと伺つておきますが、今後相互銀行を設立しようと思うから、ひとつ役員、職員を推薦してくれとあなたに申し込みますと、今後大蔵省の相当の責任者を御推薦願えるかどうか、これは今後の前例になりますから、伺つておきます。
それからもう一つは、ただいま愛知さんの御答弁の中にありましたが、国民金融公庫に対する借受けの申込みが八百億あつて、大体三分の一程度、すなわち二百六十億程度あれば、その需要は大体満たし得るというお話でございます。しかしながら八百億なら八百億、そういう申込みがあるのにかかわらず、その三分の一くらいしか適格者として認めない。そういう独断が大体中小企業者の不平のもとになつている。少くとも金を借りたくない人で、だてや酔狂で申込みをする人はありません。やはり金を借りたいと思つて、いろいろな書類書式をそろえて、すがりつきたい思いで公庫に申し込んでおるのでありますから、従つて八百億のうち二百六十億しかないのだから、他のものは余分に申し込んで来ているのだというような考え方は、金融行政を誤るもとであるから、そういうお考えでなくて、八百億の申込みがあるなら、八百億を何とかして資金措置を講じなければならぬ、こういう考え方で、もう少し御努力を願いたいと思うのであります。
それからもう一つ伺つておきたいことは、依然として労働金庫の問題でありますが、労働金庫法は、労働委員会においてすでに三回流産をいたしております。従いまして、今次十六国会の労働委員会においても、いろいろと法案が山積しておりますときに、港湾労働法、硅肺法、その他労働金庫法が通過するかどうかということは、なかなか見通しが立ちません。もしそういうような状況下においてこの法律が成立いたしますと、全国における労働金庫は、その名称使用制限の適用を受けなければなりませんが、こういう場合、とにかく全国の労働者に対してそういう被害を与えつつ、なおかつあなた方は金庫の名称使用制限を強行せんとする意思であるかどうか、この点も伺つておきたい。
それから労働金庫という名前で保護されているのに、労働金庫の保護をせず、さらに拡張してこの金庫という名前を——とにかく金庫という文字たるや、これは普遍的なものである。しかも企業体が今伺えば五十幾つもやつている。その他政治的性格を持つているところのいろいろの機関においても、こういうものをすでに以前から使つている。こういうような実情の上に立つて、何も信用金庫の名において明確に保護されているものを、さらに厖大に拡張する必要が一体どこにあるか。しかもあなたの認識をもつてすれば、前国会ではそれほど痛感しなかつたのが、急激に今次国会で豹変して、その痛感度が激増するということはどういうことであるか。私は、この法律について今少し慎重にお考えになつて、その及ぼす影響、しかも商法の規定によつて、今登録して信用金庫の名前を信用しておるものがきつとあると思う。そういう商業上の彼らの既得権を法律によつて蹂躪して行くということも、やはり立法の責任者として慎重な配慮が必要であるので、この問題についてどういうふうに考えているか、簡単でいいから御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/25
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026・河野通一
○河野(通)政府委員 労働金庫の問題は今お答えを失しましたので、申訳ありません。労働金庫につきましては、私どもは労働金庫法という法律が制定されることを期待して——実は当然労働金庫法ができれば、この法律によつて名称ができておるのでありますから、当然金庫というものは使える。従つて労働金庫法というものが成立することを期待して、実は考えているのであります。なおもしかりに労働金庫法の特別法ができません場合においては、やはりこの原案におきますと、一般の貸金業者と同じように、金庫という名称は使えないという結果になることは、その通りであります。私どもは、労働金庫という名前まで禁止する必要はないかと思いますが、この法律の建前から言うと、まことにやむを得ない結果になると思います。
それからこの金庫という名称を禁止することにつきましては、そう軽卒にこの問題を取扱つたつもりは毛頭ありません。結論を出すまでには時間がかかりましたが、結論を出すまでにおいても、十分この問題は考えて参つたのであります。ただ結論が出るまでは、私どもとしてもやるということを皆様方に申し上げることができなかつた、結論を出すまでには慎重にこの問題は考えたつもりであります。従いまして、その結論によつて、金庫という名称はやはり禁止すべしという結論が出ましたので、先ほど申し上げましたように、前国会に提案をいたしたのでありまして、今国会に率然としてこの問題を取上げたのではないかということを、御了承願いたいと思います。
それから今後新しい銀行とか金融機関ができた場合に、その役員なり職員に大蔵省の職員を出してくれと言われた場合に、どんどん出すかと言われますと、これは先ほど申し上げましたように、原則として私どもは出したくございません。できるだけ出したくないと考えております。しかしこの場合におきましては、新設の金融機関であり、しかもどうしても経験者がその手助けをしてやらなければならないという、特殊のやむを得ない事情があつたためにそうしたのでありまして、原則としては、推薦をしてくれと頼まれたからといつて、私どもはどんどん役員をこれらの金融機関に出すつもりは毛頭ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/26
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027・春日一幸
○春日委員 この労働金庫のことだけでちよつと言つておきますが、この労働金庫の法律が成立することを期待して提出するというような、そういう架空の事態を想定しつつ法律案を出すというようなことでは、完璧であるべきはずがない。相当慎重にやつたと言つておられるが、察するところ、これはあなた方が労働金庫ということを知らなかつた。私が今そういうことを指摘したので、びつくりぎようてんしたに違いない。これは正直でなければならぬ。法律は完璧でなければならぬ。法律があれば何人も拘束されるのだから、従つて労働金庫問題をいかにするかという問題は、もう一ぺん慎重に考慮願つて、いずれ継続審議もあるそうでありますから、また時間もありませんから、私は次に譲りますが、とにかく労働金庫の問題については、私どもの判断では、大体今国会において成立することに難色ありと報告されておりますので、あえてここに発言をいたしておるわけでありますから、万全の措置を講ぜられんことを要望し、さらに継続審議ではもつと手きびしい質問をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/27
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028・内藤友明
○内藤委員長代理 福田繁芳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/28
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029・福田繁芳
○福田(繁)委員 私は先ほど来の井上委員、春日委員の御質問及び愛知政務次官の御答弁に関連いたしまして、四、五点をごく簡単に御質問いたしますから、お答え願いたいと思います。
先ほど愛知次官のお話によりますと、信用金庫法の適用を受けておる信用金庫の数が五百七十あられるというお話でありましたが、さすればこの五百七十の信用金庫の預貯金の総額を、最近でけつこうでありまするが、わかつておりますればお示しを願いたい。
それからもう一つは、普通銀行法の適用を受けておるところのいわゆる一般銀行の数と、これまた総預貯金の額をお示し願いたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/29
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030・愛知揆一
○愛知政府委員 まず信用金庫につきまして申し上げますが、正確な数は五百六十一でございます。預貯金の総額が千五百二十八億円でございます。(「それはいつですか」と呼ぶ者あり)本年六月十四日現在であります。
それから普通銀行の数は大体七十前後だつたと思いますが、これは調べまして、あとでお答え申し上げます。預貯金の総額が二兆一千億であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/30
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031・福田繁芳
○福田(繁)委員 第一問によりまして、信用金庫の一行の平均預貯金と一般銀行の平均預貯金がほぼわかつたのでありますが、もう一ぺん掘り下げる意味合いにおいて、信用金庫の五百六十一の中において、最上位といいますか、預貯金の一番多いところ、これがわかつておりましたら、銀行の名前、金庫の名前はいりませんが、いかほどくらいの預貯金を持つておる——たとえば三十億ならば三十億くらい持つておるという数字を示してもらいたい。それと同時に、一般銀行の平均預貯金もわかりましたらお示し願いたい。
それから今度は逆に、七十ほどある銀行の一番下のCクラスといいますか、一番下に位するところの銀行の預貯金の数字がわかればちよつとお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/31
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032・愛知揆一
○愛知政府委員 信用金庫の最上位にありますものは、預金の額が、四十三億円、それから普通銀行の方は、最下位につきましては後刻お答えさせていただくことにいたします。普通に営業を円滑にやつておりまする普通銀行の最下位は、正確には後刻お答えいたしますが、私の記憶では、四十億前後ではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/32
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033・福田繁芳
○福田(繁)委員 そこで一応政府委員に伺いたいのですが、先ほど来の質疑を承つておりましても、この信用金庫法の適用を取けるところの信用金庫というものは、非常に中小金融機関において重大な役割を果しておる。しかるにその法規において、その責任の果しにくい点があるのだが、さすれば今申しましたような数字が出ると、言いかえますればAクラスと申しますか、三十四、五億以上の預貯金を持つているところの信用金庫をして、一般銀行法の適用を受けしむるところの銀行に指定するところの御所存はないか、先般承りますれば、為替業務云々といつた御答弁がありましたが、そういう意味合いではなくして、いわゆる普通銀行法の適用を受けるところの銀行に一段昇格せしむるところの御方針がないかということを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/33
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034・河野通一
○河野(通)政府委員 私どもは、結論的に申し上げますと、必ずしもそれは適当でないと考えております。と申しますのは、銀行につきましては、先ほど来いろいろ御指摘もございましたけれども、やはり銀行としての使命があるわけで、信用金庫というものは、その資金量がいかに大きくなつても、やはり中小専門の金融機関、しかも共同組織による信用金融機関としての職責というものがあるわけです。その共同組織としての中小専門の金融機関という職責を、ただ資金量がふえたからというので、それをやめて普通の銀行にするということは、私は必ずしも適当でないと考えております。たとえば、これは少し例が違いますが、ある相互銀行等におきましては、相互銀行でありますけれども、地方銀行のうちの一流位の資金を持つている銀行がある。たとえば約三億近くの資金を持つている相互銀行があるわけであります。これらにつきましても、ただ資金量からいいますれば、普通銀行に直したらいいじやないかという議論があろうかと思いますが、私どもは、これは必ずしも適当でないと思う。資金量が十分であり、かつ基礎が強固であつて、なおかつ中小金融を専門にやる機関というものが私はあるべきだと思う。従つてただ資金量がふえたからといつて、それを簡単に普通の銀行にしてしまうということは、中小金融の円滑化のためにも適当でないと思いますし、それらの点から考えますと、ただ資金量だけでこれをただちに一般銀行にするということは考えなければならぬ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/34
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035・福田繁芳
○福田(繁)委員 この問題は、先ほど資料をお出しくださるそうでありますから、相当長時間にわたりますから、資料をいただいた上で、次会に継続してもう少し御意見をお伺いしたい、こう思うのであります。
その次に愛知次官に伺いたいのですが、あなたは、先ほど信用金庫に対する預託金云々のというお話がありましたが、現在のところ、信用金庫法の適用を受けておるところの信用金庫に預託金をいかほど出しておられるか、これを参考に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/35
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036・愛知揆一
○愛知政府委員 それは課長から説明させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/36
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037・有吉正
○有吉説明員 信用金庫におきましては、五月末に七十億であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/37
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038・福田繁芳
○福田(繁)委員 今度の御答弁は、愛知次官にお願いいたしたいのですが、確かに課長さんから、七十億の預託金が出ておられるということはしかと伺いました。実際は、先ほど来問題のこういつた中小企業に対する重大な役割を果しておるこの信用金庫に、はたして七十億程度の預託金でよいものか、あるいは今後これを増額する御方針があるかということを、忌憚なく御参考に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/38
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039・愛知揆一
○愛知政府委員 この預託金の制度は、これはまた予算上の問題になるのでありますが、過去二年ほどの間におきましては、歳出に比べまして、歳入の方が予定通りきちつと入つておるというようなことで、国庫金に余裕金が相当出たのであります。そのこと自体は、私は予算制度の問題としては、大いに論議の対象になると思う点でありますが、事実として相当の余裕金がございましたために、主として中小金融の緩和の一助と思いまして、この金を運用いたしたわけでございます。現在提案いたしております予算案以降、今後の見通しから申しますれば、国庫の余裕金が今後さように大額に出るということは、むしろいかぬことであると私は考えておるわけでございますから、将来の見通しとしては、この預託に対して、全融機関が相当の期待を持つような考え方は直して行かなければならない。翻つて政府としては、別の方法を考慮しなければなるまいかと考えておるわけでございます。しかしさしあたり、今当面しておるような状況におきましては、やはり国庫金にある程度の余裕がございますので、もしできますならば、短期ではありましても、さらに増額をするということも考えたいと思うのであります。ただ、これはあくまでも短期でありまして、国庫の状況を見まして引揚げなければならない性質のものでございますから、従来のように、多くをこれに期待することはできない、こういうふうに私は考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/39
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040・福田繁芳
○福田(繁)委員 時間の都合上、最後の一点で打切つて、明日に継続いたします。
今度は少し方角をかえまして名称問題、いわゆる本案に関する問題でありますが、信用金庫という名称は、信用金庫にのみ持たすものであつて、それ以外のものには持たすわけには行かない。その理由について、先ほどから次官、局長からるる申されました。それを要約するに、金融秩序の維持のために肝要である、こういうことになるのですが、さすれば、私ちよつと参考に伺いたいのですが、金庫は除いて、今日一般銀行に対して預貯金する大衆というのは、数ある銀行の中でも、たとえば日本銀行、あるいは日本勧業銀行、帝国銀行、富士銀行といつたような、いわゆる著名な銀行に対して、預貯金者の心理作用として安心感を感じて預貯金をしていることは、おわかりであろうと思う。そこで最近いろいろなことが耳に入り、また見るのでございますが、例の株主相互金融機関において、一般銀行に対する預貯金の安心性というところから、日本興業、あるいは勧業、帝国、富士といつたような著名な銀行の頭文字を社名に使つている。たとえば日本興業相互金融とか、あるいは日本勧業といつたようなことをやつておられるのだが、こういう点もやらないことには、この法律の一部改正の意味をなさぬと思うが、これに対する御対策なり、あるいはお考えをお持ちになつているかを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/40
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041・愛知揆一
○愛知政府委員 その点は、実はごもつともな点も多いのでありまして、先ほど陳情によつて云々という話がございましたが、陳情といわぬまでも、どうもそういう名称を使われて困る、これは固有名詞でありますが、そういうふうな話も聞くのであります。しかし政府といたしましては、他の金融業務を営むものについて、銀行という文字を使つてはならないということが銀行法で規定されていることでもございますから、それで一応十分であろうかと考えているわけでございます。ちようどそれと同じような意味で、信用金庫を銀行という名前と同列に置いて考えているわけでございまして、それ以上、固有名詞までについては今のところ全然考えておらないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/41
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042・福田繁芳
○福田(繁)委員 本日はこの程度で、明日また継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/42
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043・内藤友明
○内藤委員長代理 次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X00619530623/43
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