1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年六月二十六日(金曜日)
午前十一時七分開議
出席委員
委員長 中井 一夫君
理事 加藤 精三君 理事 富田 健治君
理事 灘尾 弘吉君 理事 床次 徳二君
理事 西村 力弥君 理事 門司 亮君
理事 山村新治郎君
生田 宏一君 佐藤 親弘君
吉田 重延君 橋本 清吉君
藤田 義光君 北山 愛郎君
滝井 義高君 横路 節雄君
伊瀬幸太郎君 大石ヨシエ君
大矢 省三君
出席政府委員
国家消防本部長 瀧野 好曉君
自治政務次官 青木 正君
総理府事務官
(自治庁財政部
長) 武岡 憲一君
総理府事務官
(自治庁税務部
長) 後藤 博君
委員外の出席者
総理府事務官
(国家消防本部
総務課長) 横山 和夫君
専 門 員 有松 昇君
専 門 員 長橋 茂男君
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六月二十五日
委員田中伊三次君及び橋本龍伍君辞任につき、
その補欠として相川勝六君及び生田宏一君が議
長の指名で委員こ選任された。
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六月二十五日
地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一〇六号)
地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う
関係法令の整理に関する法律案(内閣提出第一
〇七号)
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一〇八号)
同月二十三日
営業用トラツクに対する自動車税軽減の請願(
足鹿覺君紹介)(第一四一九号)
同(岸田正記君紹介)(第一四二〇号)
地方税法の一部改正に関する請願(岸田正記君
紹介)(第一四二一号)
同月二十四日
地方税法の一部改正に関する請願(森清君紹
介)(第一四七三号)
同(勝間田清一君紹介)(第一四七四号)
同(春日一幸君紹介)(第一五六〇号)
同(小峯柳多君紹介)(第一五六一号)
同(加藤精三君紹介)(第一五六二号)
営業用トラツクに対する自動車税軽減の請願(
春日一幸君紹介)(第一四七五号)
同(小川平二君紹介)(第一四七六号)
同(勝間田清一君紹介)(第一四七七号)
同(中村三之丞君紹介)(第一四七八号)
同(森清君紹介)(第一四七九号)
同(加藤精三君紹介)(第一五六三号)
同(小峯柳多君紹介)(第一五六四号)
自動車税引上げ反対に関する請願(岡田五郎君
紹介)(第一四八〇号)
地方議会の権限縮小反対に関する請願(萩元た
け子君紹介)(第一五五九号)
同月二十五日
クリーニング業に対する地方税軽減に関する請
願(中村三之丞君紹介)(第一六八五号)
地方税法の一部改正に関する請願(南條徳男君
紹介)(第一六八六号)
営業用トラツクに対する自動車税軽減の請願(
南條徳男君紹介)(第一六八七号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
消防施設強化促進法案(内閣提出第二五号)
地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一〇六号)
地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う
関係法令の整理に関する法律案(内閣提出第一
〇七号)
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一〇八号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/0
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001・中井一夫
○中井委員長 会議を開きます。
昨二十五日付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇六号)及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出第一〇七号)並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇八号)を一括して議題といたします。まず政府安員より提案理由の説明を聴取いたします。
青木政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/1
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002・青木正
○青木(正)政府委員 ただいま本委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要について御説明申し上げます。御承知のごとく、目下地方制度調査会において地方制度の全般にわたつて調査審議が進められておりますので、地方自治法の実質に触れる改正は、すべてその審議の結果にまつことにいたしておりますが、昨年未までにおいて成立をしました他の法律の制定及び改廃に伴い、地方自治法の別表を整理する必要がありますので、これを整備することとし、なお、当面技術的な整備を必要とする若干の規定をあわせて改正することといたしたく、この法律案を提案いたす次第でございます。
内容を簡単に御説明いたしますと、まず、昨年末までに成立いたしました各種法律の制定改廃に伴い、地方公共団体またはその機関が処理すべき事務について増減、変更を見たものが少くないので、これを別表の各相当欄に掲げ、またはそれぞれ規定に所要の改正を加えることが主たる改正案の内容であります。
なお、この機会に地方自治法の本文中規定の改正をしようといたしましたのは、第一に税関の出張所及び監視署等を、その所掌する事務の性質上、国会の承認を経ないで設けることができる国の地方行政機関のうちに加えることとし、第二には、広く地方公共団体の一般の職員について共同設置できることを明らかにし、事務の共同処理に便ならしめるようにしたのであります。その他市町村の固定資産評価審査会を地方公共団体の執行機関としての一般規定中に加える等一、二必要な規定について技術的整備を加えることといたしました。
なお、昨年全市町村に教育委員会が置かれるにあたり、教育委員会法の規定により、本年三月三十一日までは、従来教育事務を取扱つていた助役は教育長となり得ることになつているのでありますが、市町村の教育委員会の実情にかんがみ、当分の間、市町村の助役で教育長となり得る資格を有する者は、教育長と兼ね得る道を開いて置くことが適当と認められますので、附則においてこれに関する規定を設けることといたしたのであります。以上が本法律案の概要であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。引続いてただいま本委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案につきまして、その提案の趣旨を御説明申し上げます。
昨年第十三国会において御審議を願つて成立いたしました地方自治法の一部を改正する法律により、地方公共団体及びその機関に対して事務処理を義務づけるには、必ず法律またはこれに基く政令によらなければならないこととなり、もつて地方自治の健全な自主的運営をはかることと相なつたのであります。
しかしながら、当時、政令以外の命令により、地方公共団体及びその機関に対して事務処理を義務づけていたものは、なお、数多く存しておりましたので、これらについては、経過的に、右の地方自治法の一部を改正する法律施行の日から起算いたしまして一年以内、すなわち昭和二十八年八月三十一日までに、改正後の地方自治法の規定に適合するように改正の措置がとられなければならないものといたし、これらの命令は、その法律改正がなされるまで、または改正自治法施行の日から起算して一年以内に限つて、なお、その効力を有するものと規定されておりまして、それまでの間に、これらの法令の規定を整備しなければならないことに相なつているのであります。
右のような次第で、整理を必要とする法律は、古物営業法以下七十四法律に及んでおりますが、これらを統一的に整理することが適当と考えられますので、便宜一括いたしまして、地方自治法の規定に適合するように、省令等の規定事項を政令により規定するための根拠規定を設け、または法律で直接規定するように所要の改正を加えることといたしたのであります。
しかしてこの際関係法律中明らかに地方自治法の精神に沿わないと認められる若干の規定につきましては、これを整理し、その他必要な調整を行うこととし、なお、従来の省令等にある事務についても、できるだけ簡素化する趣旨のもとに、法律により根拠を与える必要のないと認められるものは、その立法措置を避けることといたしたものも若干ごいざます。
以上が地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の提案の趣旨であります。
何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
なお引続きまして、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略について簡単に御説明申し上げます。
地方行政制度とあわせて現行の地方税制度につきましても根本的な再検討を加える必要のあることはすでに御承知の通りでありまして、政府におきましても、その具体的な改革の方法につきましてすでに地方制度調査会に諮問いたし、同調査会は、目下鋭意検討中であります。従いまして、地方税制度の体系に触れる根本的改革につきましては、調査会の答申をまつてできるだけすみやかな機会に行財政制度の改革とあわせ行うことが適当と存ずるのでありますが、地方財政及び地方税制運営の実情にかんがみまして、現行税法にさしあたり必要最少限度の改正を行う必要を認め、本法律案を提案いたした次第であります。
次に本法律案の内容について簡単に御説明申し上げます。
改正の第一は、事業税及び特別所得税に関するものであります。その一は、個人事業税及び特別所得税の基礎控除額の引上げに関するものであります。御承知の通り、現行法は、個人事業税及び特別所得税については三万八千円の基礎控除を認めているのでありますが、少額所得者の負担を軽減し、納税の合理化をはかるため、今回これを五万円に引上げようとするものであります。その二は、青色申告法人について、損金算入を認める繰越欠損金の範囲の拡大に関するものであります。現行法上は二年でありますが、事業税及び特別所得税をさらに一年存置することとなつたのに伴いまして、今回さらに一年延長し、三年としようとするものであります。その三は、課税標準の算定から除外されます国民健康保険法等各種保険法に基く療養の給付につき支払いを受ける金額の範囲に関するものであります。現行法上は国民健康保険及び健康保険に基くものに限定せられているのでありますが、税務行政の運営上遺憾な点がありますので、今回これを拡大合理化するとともに、従来疑義がありました療養の給付につき支払いを受けた金額の範囲を明確化しようとするものであります。
改正の第二は定額税の税率の調整に関するものであります。現行自動車税及び入場税の税率は、昭和二十三年ないし昭和二十四年における物価を基礎として定められたまま今日に及んでおりますが、その後における物価は相当に騰貴いたしており、各種手数料の額等もそれぞれ物価の変動に即応して調整せられていることにもかんがみ、かたがた地方財源確保の趣意を含めて、この際物価水準の変動等に照し所要の調整を加えようとするものであります。
改正の第三は、鉱区税に関するものであります。鉱区税につきましては、従来その徴収は困難をきわめていたのでありますが、地方財源の実情にかんがみ、賦課期日を改訂するとともに、滞納者に対しましては試掘権の期間延長及び転願を許可しないことといたし、その徴収の確保を期することといたしたのであります。
改正の第四は、市町村民税の課税方法に関するものであります。御承知のように、市町村民税の賦課方法といたしましては、現在所得税額を課税標準とする第一方式、課税総所得金額を課税標準とする第二方式及び課税総所得金額から所得税額を控除したいわゆる所得税引き所得を課税標準とする第三方式の三方式が定められ、それぞれ制限税率が定められているのでありますが、この三方式につきまして、いずれを採択するかは、まつたく市町村の自由にゆだねられておりますので、結局実質的意味における制限税率は、課税総所得金額の百分の十または所得税引き課税総所得金額の百分の二十となるわけであります。しかるに市町村の実情によつては、第二方式による場合は課税技術上の困難を倍加し、徴収費の増嵩を招くこととなりますため、第一方式をとりつつ第二方式と同様の目的を達成し得るの方途を開くことが要望せられていたのであります。今回の改正はこの要望にこたえまして、第一方式によつて課税した場合においても、その税額が第二方式によつた場合の制限を越えない限り、税率決定の自由を認めようといたすものであります。
改正の第五は、昭和二十五年度分以前の法人事業税に関するものであります。すなわち、昭和二十五年度分以前の法人事業税のうち、二以上の道府県にまたがるものについて、調査が不十分であつたため分割基準の錯誤を来し、是正することを要するものがあるのでありますが、これに対する是正方法として再賦課処分を行うことは、納税義務者に迷惑を及ぼすことになりますので、道府県相互の間において錯誤訂正による差額を決済することといたし、簡便な方法によつて所期の目的を達成しようとするものであります。
以上が本法律案の提案理由及びその内容の大略であります、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。
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003・中井一夫
○中井委員長 この際各位の御意向に従いまして、消防施設強化促進法案を議題とし、質疑を進めたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/3
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004・大石ヨシエ
○大石委員 そんなにあつちこつちやつたつて、きようはこれ、あしたはこれときめてかからないと何もできませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/4
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005・中井一夫
○中井委員長 御趣旨はよく了承いたしましたが、きようは消防から始めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/5
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006・大石ヨシエ
○大石委員 そんならなぜプログラムに入れておかないのです。そんなにあつちこつちしたら困るじやありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/6
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007・中井一夫
○中井委員長 なお本日消防の問題を進めることにつきましては、特別には記載はいたしておりませんけれども、審議の第一番目に公報にちやんと記載されておりますからさよう御承知を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/7
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008・北山愛郎
○北山委員 国家消防本部の方おいでになつておりますか。これに関連してですが、消防行政といいますか、消防制度についての基本的な問題を御質問したいと思うのですが、政府では現在の消防組織、これが市町村におきましていわゆる常備消防というものと、それから非常勤の消防団、この二通りになつておるわけです。これを今後の方針としてどういうふうに持つて行こうとするか。たいてい地方の中小都市以下の町村におきましては、消防団が消防組織の中心というか、大部分をなしておるのでありまして、常備消防を持つているところは少いわけであります。この現実をどういうふうに持つて行つたらいいか。要するに将来逐次常備消防化する方がいいか、どういうふうなお考えを持つておられるかをお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/8
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009・瀧野好曉
○瀧野政府委員 ただいまの、現在の消防組織をどういうふうに考えているかという御質問でございますが、消防の制度といたしまして市町村が保有する消防機関には、今お話がございましたように常備消防である消防本部、消防署と、非常備のいわゆる義勇消防であります消防団とがございます。これは市町村の実情からいたしまして、わが国におきましてはこの二種類のものは、各市町村の実情に応じて、それぞれふさわしい消防機関を保有するということが必要であろうと思います。ものの考え方といたしましては、消防機関といたしまして常備力を保有するということは理想でございます。常にいつでも消防の活動ができるような態勢を保有するということは理想でございまして、これが必要なのはもちろんでございますけれども、ただ市町村というふうなそれぞれの団体におきまする家屋の状況あるいは地勢その他消防の活動上の実態から見まして、必ず常備がほしいというところは、大体現在のところ市制施行地である市及びそれに類するような家屋の連携地域を保有する町村であろうと思います。そのほかの大部分の農村、山村、漁村等の家屋の密集していないような疎散な地域におきましては、これは財政その他の都合もございましようし、必ずしも常備力はいらぬであろう、従いましてこの二つのものは、大都市、中都市、小都市、農村というふうな団体にわけて、それぞれこの二つのものが適当な配分において並存してその活動の分野を定め、その町村の防衛に当るということが必要だろうと思うのであります。繰返しますと、市及びこれに準ずるような町村におきましては、大体常備消防をぜひ設置してほしいというふうに指導いたしております。その他の地域におきましては、消防団を中心にこれの育成強化を実施をして行きたい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/9
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010・北山愛郎
○北山委員 そうしますと、現在の政府の消防に対する考え方というのは、大体現状を維持して行くというか、現状に沿うた施策をとつて行くというふうに思われるのですが、実際に消防の活動をやつておる第一線の消防組織を見ますと、町村の消防を非常勤消防団にまかしておるということによつて、いろいろな問題があるわけであります。その一つは経費の問題でありますが、現在町村の消防団は、これは歴史的な関係から見ましても、消防団各分団の維持費あるいは器具資材の経費というものが、その部落の寄付等によつて維持されておる。これは今までの歴史的な輪廓が、あるからそうだろうと思うのですが、昭和二十三年に消防の費用は市町村が持つということに原則がきめられまして、今もそうである。そこからして結局地方の住民としては、税金のほかに二つの負担を負つておるのだ。それは金の上では消防団を維持する経費の相当部分を寄付金として負担しておる。もう一つは実際の労力のサービスとして奉仕している、こういうふうな状態にあるわけであります。そこでおそらくこれは消防費の例の平衡交付金の単位費用を計算する場合にも、あるいはそれが実績の平均として影響してはいないかと思うのですが、町村の消防費というものは、町村の予算の上に載つている以外に、住民が負担しておる金銭上のあるいは労力の負担があるのだ。そういう事態をそのままにしておいていいかどうかの問題、私どもはそれは大きな都市の消防施設に比べて、非常に不公平であるというように感じておる。
それから、もう一つは機能の問題なんです。地方の農村においても、消防という問題は非常に困つておる。困つているのはいろいろな器具、資材、あるいは消防団員の組織、そういうものが火災の場合に、有効に働かないということなんです。というのは一つの火事が出た、そのときに、近傍の町村からも応援にたくさんの消防団員とかポンプ、そういうものがかけつける。しかし集まつただけの機能を発揮しておらない。要するに各町村単位に消防団が組織されて、そしてそれが単に協力するという関係にあるものであるからして、火災の場合には有効にその力が発揮されておらないというような、消防の機能の合理化という点で、非常に遅れているわけです。そういう点を一体どういうふうに持つて行こうとするか。そういう意味から私はお伺いしたわけなんですが、そういう点については、どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/10
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011・瀧野好曉
○瀧野政府委員 最初のお話でございますが、まさしく町村の、主として農村方面におきます消防機関であります。消防団のあります町村におきましては、これの運営につきまして、おつしやいましたような消防に要する費用というものが、必ずしも十分町村の予算に組まれていない、これは事実でございます。また従来の慣行からいたしまして、町村の予算をくぐらないいわゆる寄付によるものが相当あることも予想されております。これは消防組織法の考え方といたしましても、やはり町村の通常の負担によりますところの予算から出して、消防団の育成をはからねばならぬというふうに、いろいろな機会に強調して参つております。従いましてお話の出ました地方平衡交付金の計算の基礎となりますところの消防費の基準財政需要額の中に出て来る、——これは主として実績からはじいておると思うのでありますが、町村方面の実績は、はなはだ少いという結果にもなつております。これはやはり寄付というようなものを避けまして、消防組織法の精神から、市町村の通常の経費から負担すべきものだと存じております。この労力の面でございますが、これは消防団の伝統的な、無償で義勇的に郷土を守るといううるわしい精神からいたしまして、この方面の消防団の御努力は、非常に感謝しておるのでありますが、もう少し合理的に消防団の労力と申しますか、出動して労力活動をするという面におきまして、不必要に消防団員の諸君の出動をさせないで、しかも有効なる平素の訓練なり、火災の場合の出動による活動面を、今後の教養によつて改善して行きたい、かように考えております。
第二番目の消防機能の合理化でございますが、まさしくこれは町村方面におきましては、御存じだろうと思いますが、例の労力のみによつてやる腕用ポンプというものが、まだ日本には五万台以上もございまして、機械化されていないということを、非常にわれわれは遺憾に思つておるのでありますが、これも逐次機械化されて参つております。大型の消防自動車というものでなしに、もう少し扱いやすい、軽便にして割合安い、しかも相当の威力のある消防ポンプを普及させるように、またこれに対しましても、少しでも政府が補助するというふうにいたしまして、もう少し消防団の機能の合理化をはかりたい。応援によつてたくさん機械が集まるが、とかく全部が働き得ないという面も、水利と機械力の合理的なマッチができていないという点が非常に多かろうと思います。また応援を受けた側の地元の消防が、大体全体の統制をとることになつておるのでありますが、火災が少し大きくなりますと、とかく統制が乱れがちであります。そういう方面も、今後実践的な協力訓練によりまして、だんだん改善して行きたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/11
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012・北山愛郎
○北山委員 もう一つお伺いしますが、消防制度についても、いろいろ問題はありますけれども、確かに消防の機械力が技術的な方面において、まだまだ改善しなければならぬ、整備しなければならぬという点は、私も実際にそう思うわけであります。但し、実際に火災の現状を見ると、機械力の整備もさることでありますが、水利という問題が伴わなければ何にもならない。地方の都会では、大火災というものは、たいがい水利の悪いことが大きな影響を与えておるようであります。そこで私は、もしも消防の器材とかそういうものに一億なら一億の補助を出すならば、それの十倍ぐらいのものは水利に援助しなければ、その一億が生きて来ない、かように考えるものでありますが、その点はどうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/12
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013・瀧野好曉
○瀧野政府委員 ただいまの御意見、まことにその通りでございまして、わが国の総会的な消防力を見ます場合に、多くの場合、機械と水利というふうなものが合つてないということは、仰せの通りでありますが、装備、機械を強化いたしますとともに、水利の面を充実させねばならない。そのためにはどうするかと申しますと、現在政府としての非常に有力な施策はないわけでありますが、ただ御存じであろうと思いますが、都市計画施行地域におきましては、都市計画事業の一環といたしまして、公共事業費によりまして、わずかでありまするが、一億円の支出をいたしまして、その当該方面におきまする防火貯水槽というようなものを緊要な場所に設けるように指導して参つておりまして、今年度で三年目を迎えるようなわけであります。ただ都市計画施行地以外はどうするかと申しますと、今すぐに国から奨励するというような予算は持つておりませんが、極力今後さような予算をふやすべく努力いたしまして、今度お願いいたしますこの促進法の内容充実とともに、その方面の充実もはかつて行きたい。これはおつしやる通り、機械を強化するならば、それの数倍に値するだけの水利を今後やらなければ、どつちかというと水利が劣つておるのでありますから、まつたく今の仰せのことは、痛感いたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/13
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014・藤田義光
○藤田委員 私は初めてこの法案の審議をやるわけでございますが、二、三御質問いたしまして、本日済まない分は後日またあらためて御質問いたしたいと思います。
まず第一にお伺いいたしたいのは、ただいま配付されました資料で、本年度の起債でございますが、昨年度の申請額は消防起債七十五億円余りであつたものが、本年度になつて六十億円に減少いたしております。ほかの費目の単独事業その他が激増しておる際におきまして、消防起債が非常に減つたという理由は那辺にあるかをまずお伺いしたい。幸い財政部長もおられますから、許可額も大体内定しておると思います。本年の見込額をこの際お示し願いたい。消防の必要は常に強調されておりますし、火災による被害額は誇大に常に宣伝されておるにもかかわりませず、起債の申請額が減つたということは、従来消防起債の査定にあたり、あまりにきびしきに過ぎたのではないかという気持もありますが、この点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/14
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015・瀧野好曉
○瀧野政府委員 ただいまの御質疑でございますが、従来消防起債の申請額は年々年を追うてふえておるのに、本年に限つて昨年よりも減つておるじやないかということは、私も那辺にこの原因があるかを、今ただちにお答えするだけの用意をいたしておらないのでございますが、御指摘のごとく毎年毎年非常にたくさんの申請をしながらも、実際に許可になる額があまりに少いので、これはある程度考えざるを得ないというふうなことが、一つの原因になつておるかとも思います。そのほかいろいろな事情もございましようが、結局許可額が申請額に対してあまりに少いという現状から見まして、もう少し起債のわくを今後お上げしたい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/15
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016・武岡憲一
○武岡政府委員 消防に関します起債の本年度の許可見込みについて、何か見込額が立つておるかというお尋ねだろうと思いますが、これは特に本年度の消防起債として、どれくらいのわくあるいは目標額というものは立ててはおりません。いろいろ各団体からの申請の状况その他各種の単独事業の状况、また本年度全体として単独事業に許可得る総額等々とにらみ合わせまして、方針に従つてただいま査定をいたしております。近く全体的な単独事業に関します一応の査定を終る段階まで参りましたので、大体消防関係のものに対して、どれくらいのものを本年度許可するだろうということの数字は、近くお示しすることができるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/16
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017・藤田義光
○藤田委員 財政部長の御答弁でございますが、これはもう大体見通しが立つておるのですが、どういう都合か——実は私まだ調べておりませんから、発表していただきましても、決して当委員会としてマイナスにならぬと思いますので、ざつくばらんに御答弁願つて、けつこうだと思いますが、大蔵省の関係がありますから、発表を遠慮されておるというふうに了解いたしておきます。それから本部長の御答弁を聞いておりますと、少い職員で全力をあげてやつておられますが、これは現在消防施設の機械器具の購入等は、現在の地方財政では絶対能力がないので、起債オンリーでやつておりますので、もし年度初めに全国から起債の申請がありました際は、これによつて全国の大体の消防施設の計画というものか、起債申請によつて一応見通しが立つわけでございますから、専任の係官を置いていただきまして、地方財政と直結したこの問題には補助金をとる前に、よほど慎重に御研究願つておきたいということを希望いたしておきます。減りました原因は、私は一応考えは持つておりますけれども、十分国消におきましても研究しておいていただきまして、もし具体策でもできましたら、近くお示しを願いたいと思います。これは全国一万の自治体としては相当大問題であります。
それから先ほど北山さんの御質問に対しまして、都市計画施行地域内だけに、まずこの補助金を考えられております。私はその考え方は反対であります。なるほど農村地帯あるいは中小都市地帯におきましては、市街地的な家屋の密集はございませんが、私の関知する範囲内におきましては、僻陬の地におきまして神代以来水不足のために、土や砂をもつて消火しているというところが全国にたくさんあります。こういうどころこそ財政力が最も貧弱でありまして、私は国家の恩典による消防施設の強化をやるべきではないか、かように考えております。この点に関しまして起債査定官等の考えも、大体国消の考えと似通つた方式で、消防施設の査定をやつておられますが、これは第一線の窮状を十分勉強になつていないと、私は極論したいのであります。こういう点に関しましては今後この法律案の採決にあたりまして、私たちの立場からそれぞれ党機関にも相談したいと思いますので、この法文には出ておりませんが、もし第三條あるいはこの法律の実施にあたりまして、いわゆる大都市偏重の補助金配分ということになりますれば、一般農村、中小都市から相当反撃があるのじやないかと考えておるのでございまするが、都市計画施行地域内だけにやるというようなことになりますると、それは政令でおきめになりますかどうですか、お伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/17
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018・瀧野好曉
○瀧野政府委員 先ほど北山委員にお答えいたしましたときに申し上げました水利の対策としての補助でございますが、これは現在考えておりますところでは、消防施設強化促進法でまかなう分ではなくて、全然別わくであります。具体的に申しますと、建設省の計画局でやつておりますところの都市計画事業の中に、防火用貯水槽という費目で一億円計上されてございます。その面で実際は消防が全部これを使うのでございますが、その内容につきましては私の方で審査いたしまして、現在まで三年間継続して大体都市計画事業の一環としてやつております。しかいたしますと、今お話のような都市計画施行地域外の水利は、適当な方法がないということになりますので、近い将来の問題といたしましては、この都市計画事業でまかなう分を、あるいはこの予算に一本にいたしまして、いわゆる機械装備と合せまして、水利の方もこれで一本でまかないますか、あるいは別途の方法を考えますかいたしまして、都市計画施行地域に限るところの事業だけにしないで、もう少し余裕のある幅の広い事業として消防水利を考えて行きたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/18
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019・藤田義光
○藤田委員 この法律に基きます補助額予定は、大体予算化されておるのが二億五千万と了解いたしますが、この法律の実施時期は公布の日という附則がございますが、大体いつから実施される予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/19
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020・瀧野好曉
○瀧野政府委員 この法律は附則にもございますように、公布の日から即日施行になりますので、できるだけこれを急がせていただきまして、私どもの希望といたしましては、この法案が通過いたし、予算案も通過いたしますとともに、すぐ事業計画を実施いたしまして、一日も早くこれによつて地方小都市の消防が充実するように、この法案を一刻も早く施行いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/20
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021・藤田義光
○藤田委員 大体いつごろから実施するかということは、地方財政執行上非常に重要な問題であります。財政部長がおられますが、単独事業で今年の補助の対象たるべきものの起債の許可が、内定されておるところがたくさんあります。この起債許可を受けました町村に対しましても、公布の日よりさかのぼつて補助金を出すということになりますかどうですか。またそうすれば公共事業の起債ということも考えられますが、この法律の実施に伴います起債のわくというものを大体予定されておりますか、どうですか。その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/21
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022・瀧野好曉
○瀧野政府委員 御承知のように消防施設に対する起債は、自治庁の方で現在せつかく御審議をいただいておりますので、おそらく近々にまとまる段階になると思いますが、消防に対する起債の許可されますのが、時間的には早くなると思うのであります。この法案なり、現在提案になつております政府の予算案がきまりますと、その起債を追いかけまして、私の方の地方に対する呼びかけ、それから地方から出ますものに対する決定というものが、時間的には少しあとになると思いますから、双方勘案いたしまして、起債による消防施設の強化、補助金による施設の強化とよくにらみ合せて、これが非常に片寄つてしまうとか、あるいはもう少し何とかすれば非常に消防力の充実が期せられるとか、いろいろ地方の実態に即応いたしまして、自治庁ともよく話し合つてやつて行きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/22
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023・加藤精三
○加藤(精)委員 ただいまの質問に関連して伺います。こういうような起債のわくと、国庫補助のわくとの関連の問題になりますが、本年度の予算の決定が、たいへん遅れましたことに関連いたしまして、北海道や東北地方等は事業期間が非常に短縮されるわけであります。気候的に十一月になりますと、降雨雪その他の関係で事業の執行がきわめて困難な実情にかんがみまして、新しく国庫補助を国の予算で決定いたしましたような、たとえば消防の関係とか、老朽学校の関係等につきましては、地方自治庁におかれまして起債の方を先にできるだけ早く決定していただいて、そうして国庫補助の要項等がきまり次第、国庫補助と起債とが並行するものにつきましては、あとから国庫補助を決定して、それにつけていただく。そうしてその国庫補助の金額に該当するだけの起債の不要財源は、起債の必要度がその次に必要なものにまわしてくださるというような処置をとつていただきたい。こう考えております。財政部長さんからその点の御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/23
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024・武岡憲一
○武岡政府委員 本年度は予算の成立が遅れました関係から、起債の査定の方が先行しておるという御承知のような状態であります。そこでただいまお話のありました通りに、単独事業につきまして、あるいは将来補助がつくかもしれないという情勢に今年はあるわけですが、各種の事業につきまして、できるだけ早く事業の見通しを立てるということが、地方財政にとつても、より必要であろうと存じますので、本年度におきましては一応各団体につきまして、消防関係のものについて必要な事業分量というものをきめる。そういたしましてそれはとりあえず全体的に起債で承認いたしておきまして、将来法律並びに予算の成立に伴いまして補助金が交付される場合に、この補助金の配分につきましてはいずれ所管省の方で適当に御配分になるだろうと思いますが、起債で決定したものと補助金が出るものとが、競合するような場合におきましては、ただいま加藤先生からお話のございましたような方法によつて、適当に調節するようにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/24
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025・藤田義光
○藤田委員 この法律が実は死文になるかならないかということにも関係した重要な問題でありますのでお聞きしたいのであります。ただいまの財政部長の御答弁は、今年の単独事業の起債として消防ポンプ、あるいは器具等の起債の許可があつたものは、今回の法律によつて補助金を出した場合、公共事業としての起債の取扱いに切りかえますかどうですか。これは御存じのごとく三分の一だけの国庫補助でありまして、残り三分の二は自治体が負担しなければならない。現在の地方財政では負担能力がありません。補助金をもらいましてもその補助金を返還するという事実が、各種の補助金に最近頻発しております。こういうことがありましては、せつかく施設強化促進のために単行法をつくつても、天下の物笑いになると私は考えます。従つてこの法律をつくる以上は、不足財源はどうするかという相当詳細な資料を整備して、国会に出していただきませんと補助金はもらつた、差額の地方負担はできない、起債に関しては何ら自治庁と相談ができていないというような結果になることを憂慮して、私はお伺いしているわけでございますが、現に自治庁では単独事業の起債の査定は終つております。補助金はこれから交付されます。交付されましてこれが公共事業ということになれば、当然単独事業の起債で厳重な査定を受けたものが、その差額をさらに公共事業の起債のわくでもらえるかどうかという点をお伺いしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/25
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026・武岡憲一
○武岡政府委員 御指摘のような問題が起り得ると思うのでありますが、これはせつかくこういう法律もできまして、それに伴う予算もできることでありますから、法の趣旨を実現させるように、私どもとしてもできるだけ努力するようにいたしたいとは考えております。ただこの地方負担に残りますものを、それでは他の補助事業と違つて消防に限つて百パーセントにするかどうかという問題になりますと、これはただその面だけでもきめられない問題であろうと思いますが、特にこういうような法律によつて特別の措置がとられる種類の起債でもございますから、今からその負担分についての充当率を幾らと予定しているわけではありませんが、できるだけ団体の実情に即して、法の趣旨が実現できるような査定にはいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/26
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027・藤田義光
○藤田委員 公共事業の起債の査定はただいまから始まるところでございます。従つて公共事業の起債の査定をやるに関しましては、この法律の通過を見越して起債のわくをとつておられますか、どうですか、お伺いしておきたいと思うのであります。単独事業の水道の起債の申請のごときは、実に査定額の数十倍に達しておりまして、水道の起債のわくを拡張することが、当委員会としての当面の重大な関心事であります。もし公共事業の起債のわくで、この法律が通過後の、いわゆる消防施設の公共事業に対する起債のわくというものが予定されておらなければ、水道の起債のわくとともに、この際予算の修正にあたり、われわれは考慮しなくてはならぬと考えておりますから、いま一度この点に関してお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/27
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028・武岡憲一
○武岡政府委員 今回提案いたしておりまする予算に伴いまして、地方財政計画並びにそれに伴う地方債計画も、一応樹立してお示しをいたしております。後ほどそれを御説明申し上げたいと思いますが、それによりまして大体二十八年度の全体の地方債の発行計画というものを予定しております。従つてそれは本年度の国の予算に伴いまして、公共事業その他の補助事業分につきましても、大体大まかに申しまして、前年度程度の充当率に達するような起債のわくというものを一応予定はいたしております。そういうわくの中で査定を行うことになるわけでございますが、特に消防分だけを幾らというふうなこまかいわくは、これは例年のことでございますがつくつておりません。ただ御承知のように、補助事業の起債の査定につきましては、従来もそういう方法をとつておりますが、各団体の財政調整的な意味の要素を相当加味して配分をいたしております。消防の関係につきましても、あるいはその他の補助事業の関係につきましても、大体それぞれ事業の重要度というものは、もちろん勘案いたさなければなりませんけれども、くるめまして今回予定いたしております公共事業のわくの範囲内で査定して行くようにいたしたい、かように考えております。ただ全体的に見まして、ただいま私どもの予定いたしております地方債の計画というものが、項目別に見て、たとえば今御例示になつた、水道の問題でありますとか、あるいは電気事業の関係でありますとか、特にこれでは足りないではないか、というような御意見はあろうと思いますが、いずれこれは御審議を経ました上で、いろいろ御意見等を承つた上で考えたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/28
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029・藤田義光
○藤田委員 実はこの起債のわくは、おそらく予定されていないだろうと私は想像いたしております。たとえば交通事業の起債の査定のごとく、大都市中心に消防起債等も査定されるということになりますと、せつかくこの法律をつくりましても、これが全国に恩典が及びません。大都市中心になつてしまいます。現に国消から出されました資料によれば、この二億五千万円の使い道は、消防ポンプと通信機になつております。これらを必要とするところは大体大都市だけでございまして、私たちは補助金制度を新たに一つつくるということに関しても、地方自治の本質上いろいろ疑問を持つております。ましてやこの資料によりますると、大都市だけの補助金を予定したような法律案になつておるのではないかという疑いを持つております。この点私はいましばらく猶予を願いまして——わずか七箇條ではございますが、この法律案は十分検討してみないと、地方自治の本質と補助金制度の濫発という問題が、どういうふうに調整されるか、なるべく補助金制度を整理すべしということは、中央、地方におきまして一般の声になりつつあります。そういう際におきまして、平衡交付金の増額というものでなくて、新たな補助金制度を創設するというところにも、一つの問題がある。できました補助金制度が一部の大都会だけに、その利益を与えるという結果になりますと、地方行政委員会の審議事項として、よほど結論を出すについては慎重を要すると私は考えております。こういう観点からして、何か本部長からこの機会に御意見がございましたらお伺いいたしておきますが、本日私まだ十分この法律案の内容を検討しておりませんから、後日質問を繰返すことを申し上げまして、本日のお尋ねはこの程度で打切つておきたいと思いますけれども、ただいまの点で何か御意見がありましたら伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/29
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030・瀧野好曉
○瀧野政府委員 一言だけ申し上げておきます。いろいろ御意見がありましたが、この法案は決して大都会中心というふうな頭は毛頭ございません。御承知おき願いたいと思いますが、近年の火災その他の災害による被害というものは、大都会よりもむしろ中以下の小都市ないし町村の方面で、相当大きな災害をこうむつておるのであります。もちろん大都市も考えなければいかぬけれども、なおもつと考えなければならぬ小都市、町村が非常にたくさんあるわけであります。この点は国全体の火災による災害、ひいては国全体の公安問題にも影響するところでございますので、そういう高い視野からひとつこの法案を生かして行きたいという、基本的な考えをちよつと一言申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/30
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031・藤田義光
○藤田委員 委員長にお伺いしておきますが、この法律案の審議に対して、何かお考えがございますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/31
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032・中井一夫
○中井委員長 委員長としてはまつたく白紙なのでございまして、皆さんの御意見通り行きたいと思います。ただこれは前議会に提案されまして、各派一致で決定になつたものであります。それが不成立のために再提出をされたものでありますから、自然あまり多くの御意見はないのではなかろうかとは想像いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/32
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033・藤田義光
○藤田委員 実は前回私は落選しておりまして、初めての法律案でございますし、全然新しい角度から徹底的に審議したい、かように考えております。中井委員長のごとく連続御当選の方にはそういう感じがございましようが、法律案が出された以上は、新規の法律案として慎重に審議する機会を十分つくつていただきたい、かように考えております。特に当委員会にも初めての方が大分お見えになつておりますか、この点は私からお願いいたしまして、本日ほかの方が質問があれば続けていただきたいし、なければ、後日機会をあらためて審議を繰返していただきたい、かようにお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/33
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034・中井一夫
○中井委員長 藤田さんの御意見につきましては、まことに委員長も同感でございます。十分質疑を重ねられんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/34
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035・滝井義高
○滝井委員 先ほどの北山委員の御質問に対しまして、防火用水槽などは、大体建設省の都市計画の一貫として一億くらい出してやつておるという御説明でありましたが、実は消防施設強化促進法案の第三條の「消防の用に供する機械器具及び設備で」こうあるこの設備は、実は広義に解釈して、むしろ防火用水というようなものもこれに含まれておる、こう考えておりました。もちろん予算を見ますと、そういうような補助の対象に出ていないのですけれども、そういう解釈に基いて行けるのではないかと、こう考えておつたのですが、今の御説明では、どうもそういうものがないことが、大体はつきりいたしたのでありますけれども、むしろ私は現在地方自治体においては、先ほど北山委員も申し上げました通り、たとえば百二十万円の山林消防ポンプを買うというような場合には、町村がその六十万円くらいを出して、あとの六十万円というものはその地元民が負担をする。そうしますと、今度は消防の貯水槽までそこの住民が負担するということは、なかなか困難な現状であります。従つて最近は、どうにかポンプはできたけれども、さあ火事があつても貯水槽がないというのが現状でございます。あるいは最近の新興都市等においては、水道の起債その他がうまく行かない。従つて水道設備が行つていない。あるにしても、それは昔ながらの簡易水道みたいなものを、どうにか継ぎはぎしてやつておるという状態で、火事が起つて、近代的な消防ポンプがやつて来ても、その消防が役立たないということで、ポンプは来たけれども水がないために、燃えてしまつたというのが現状であります。従つて私は、消防施設の強化促進をやるというならば、当然あなたの方に建設省からそういう一億の費用をもらつて、そしてこの中に入れて、一元的にそういうものをやることがほんとうだと思うのですが、まだこの法案は決定いたしておりませんが、そういうことをやる御意思があるかどうか、まず第一にお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/35
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036・瀧野好曉
○瀧野政府委員 ただいまの御意見まことにごもつともでありまして、別にこの法律で——第三條をごらんいただきますように、設備という中に水利が入つているとか入つてないとかは、すぐには明らかでないのであります。とにかくこれは政令できめることになつておりますが、何しろ予算の総額から申しまして、現在見ておりますところから申しますと、機械あるいは通報施設等をまかなうのでもごくわずかでございますので、非常に金のかかる水利の点までは、すぐさしあたつては補助の対象にはいたしかねると考えております。ちようど都市計画事業費の中に、わずか一億ではありますが計上されておるというところからいたしまして、将来の問題といたしましては、先ほどもちよつと触れましたけれども、これ一本にいたしまして、それからそんなわずかの金でなしにもつと根本的に相当有力な施策になるような金を近き将来におきまして、いたして行くのが本筋ではなかろうか、仰せごもつともに拝聴いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/36
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037・藤田義光
○藤田委員 関連して。ただいまの本部長の御答弁ですが、実はこの貯水池等の補助金をとるときには、この委員会——一昨年と一記憶しますが、二十六年度からとつております。当時安本政務次官の小峯君が非常に活躍してくれまして、当委員会としても政党の立場を離れまして、当然国消でこれを扱うべきであるが、一時過渡的な便法として建設省のわくから使うということになつたのでありまして、実は先ほど来の御答弁で今なお建設省が、この補助金を握つて、国家消防庁に移つていないということを聞いてびつくりしているわけでありますが。どういう事情でございますか。都市計画事業の一端としてやるにしましても、実際上の査定は国家消防庁でやつておられます。こういう行政を三年間も続けて来たというのはどういう理由であるか、この際はつきり——いずれ計画局長も、この次の委員会に呼んで真相を究明したいと思いますが、こういうことをしておりますと、いつまでたつても困るのは補助金をもらう地方自治体でありまして、すつきりこの法律案が出る機会に——滝井さんも言われましたが、当委員会として方針をきめたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/37
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038・瀧野好曉
○瀧野政府委員 今まで相当たつておるのに、都市計画の方でまだやつておるというお話でございますが、いろいろな事情があるのでございまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/38
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039・藤田義光
○藤田委員 そのいろいろな事情が聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/39
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040・瀧野好曉
○瀧野政府委員 いろいろな事情ではございませんが、簡単に申し上げますと、金が、単位が非常に低いということ、御承知のようにあの厖大な公共事業費の中から見れば、ごくわずか水一滴にも値しない程度なのでございます。その程度のものを引抜いて来るということの操作が困難である。それから実績がまだ比較的印が浅いということ、それからこういう法案ができまして、だんだん消防オンリーのものができます段階になりますれば別でありますが、今日まではさような予算がなくて、消防オンリーの補助金がなかつた。さようないろいろな事情もございまして、極力私の方はあれを消防の方のものにしたいということでやつて来ておりますが、ちようどこういう法案ができまして消防オンリーの補助が出ますので徐々にやつて行きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/40
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041・藤田義光
○藤田委員 今、本部長の御答弁ですが、あれだけの重要な仕事をしておる自治庁の予算は三千万円です。五千万円の補助金は金額が小さいからあの大きな公共事業費から引抜いて来るのはどうかと思うというのは、本部長の御意見ですか、それとも建設省の御意見でございますか。私はこれはあくまで国民的な立場から、こういう予算の運営執行については考えないといかぬのじやないか、かように考えております。いずれ建設省の都市計画局長——今はかわつておりますけれども、前任局長もお呼びして、真相を聞きたいと思いますが、本部長の意見で、五千万円というのは、公共事業費のわくから考えて小さいからひつぱつて来なかつたという意味に、解釈してよろしゆうございますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/41
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042・瀧野好曉
○瀧野政府委員 五千万円が現在一億になつておりますが、いろいろ話合いを進めて行こうとして努力いたして来たのでありますが、金額が少いということがもう一つの理由、それからこつちに持つて来るいれものもないということも一つの理由、少いからだめだというように簡単に仰せられると、ちよつと……。それも一つでありますか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/42
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043・藤田義光
○藤田委員 本部長がそういうものだから……。これはげたを預けておきます。もう少し追究しなければならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/43
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044・加藤精三
○加藤(精)委員 関連して。ただいまのお二人の御質問をお聞きしておる間に考えたのでありますが、国家消防本部御当局におかれましては、国家消防のことを、くまなく実地を御視察になつて御研究になつておられるように思えない節がある。と申しますのは、ただいまのような防火用貯水槽の問題を一つとりましても、都市計画の区域内だけの防火用貯水槽は考えておられるのだけれども、国家で火災予防の水利として現に用立てておるところの防火用貯水槽というものを一つにまとめて、消防の見地から、ぜひともこれを有益な施設として生かして行きたい、育てて行きたいという御熱意に欠けておるように思う。都市計画地域以外の防火用貯水槽につきましては、あまたの府県等におきまして県費の助成をして、これを育成しておるところもあると考えておる。もとより消防の施設は、市町村費負担ということが原則になつておりますけれども、先ほどほかの委員さんたちからもお話があつたよりに、市町村の財政の非常に窮迫しておるところがあるのでありまして、そういう場合に対する処置といたしましては、あるいは県なりあるいは国なりで助成するという第二段の策をとるわけであります。それが先ほど委員さんからお話がありましたごとく、どうも都市計画区域内の防火用貯水槽の政府の助成であるならば都市偏重の弊に陥る。ところが山中の離れた部落におきまして、一部落が全焼する、あるいは岩山の海岸の両方の部落から遠い、隠れたような部落で、全部落が全焼するとかいう、たくさんの実例がある。あるいは雪の深いときに、雪の中に、東からも西からも半里もある部落が、まる焼けをするというような事例は、現在におきましても、将来におきましても、非常に多くあることが考えられるのであります。また現実にあるのでありますが、そういう場合、都市計画区域外の防火用貯水槽の育成に関しまして、国家消防本部御当局はどういう考えを持つておられるか、これをお聞きしたい。
それから第二番目に、近時大都会におきましてビルデイング、高層建築が非常にたくさん建設されつつあるのでございまして、新聞等で承りますると、東京駅の八重洲口付近にでございますが、十二階の国鉄ビルというものも許可が内定しているということを承つております。しかるに東京消防庁におきましては、また他の大都市においてもしかりでありましようが、このはしご自動車の台数も、十分な機能を持つ台数が少くて、六階以上のビルデイング火災においては、非常に困難を来す実情にあるということを承つておるのであります。かかる場合において考えられることは二つあるのであります。一つは各都市当局において、さようなはしご自動車等の高層建築に対する消火器具を整備するということであります。また一つは、そういう高層建築を建設する場合において、その高層建築の社会的な公共性にかんがみまして、建設する当事者にそうした防火用筆許可の條件にして許可をする、あるいは建物の内部に自動的な防火組織を整備させる、こういう二つの方法があると思うのであります。そういう点につきましても国家消防本部長といたされては、国家的見地からそれぞれ企画、抱負を持つておられると思う。それらの点について十分承知いたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/44
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045・瀧野好曉
○瀧野政府委員 ただいま加藤委員の御質問の第一点でありますが、まさしく都市計画施行地以外の地域における消防用水利の欠乏は、はなはだしいのでございます。これが対策にも十分苦慮しておるのですが、将来の問題といたしまして、この法案の中にも設備の点においてぜひとも水利を入れまして、金額もかようなわずかな金額でなしに、もう少し大幅な補助をいたしまして、都市計画施行地以外にも、必要な水利を急速に施設していただくような方策を進めたい、かように考えております。
第二番目は、主として大都会方面における最近の高層建築の激増に伴つて、高層建築火災対策が重要であるというお話だろうと思うのでありますが、お話の通り方策としては大きくわければ二つになるわけであります。第一点は、まず建てるときからその建築自体において防火、消火の設備を條件として建てさせる。これは消防的見地からも、もちろんのことでありますし、建築の法規の上からも必要であると思います。ちよつとその点に触れますと、ただいま建築基準法によりまして、相当の大建築に対しては、あるいは特別な用途に用いる建築物については、いろいろ制約を設けておるわけであります。たとえて申しますと、高層建築等においては防火とびらとか、避難階段とか、そういうものを必ず設けなければ許可されないようになつております。なお一歩進めまして高層建築内における消火施設等に対しましては、建築基準法の第三十五條というのがございますが、まだこれを受けてのこまかいことをきめる政令がその部分だけできておりません。それでは消防はどうするのかといいますと、消防法では十七條におきまして、特別な目的に使う建物及び一定規模以上の建物については、各市町村條例でもつて、こまかく消火用設備、防火用の器具等を設置するようきめることになつております。たとえて申しますと、東京都におきましては、火災予防條例におきまして、四階以上の建物等におきましてはスプリンクラー、ドレンジヤーあるいは消火栓というようなものを、必ず設けなければならないことになつておりますし、また設けなければ、建築許可の場合におきまして消防が同意をすることが條件になつておりますが、同意をしない。そういうことを設けることを建築許可の條件にするという方策もとつておるようです。なおそれだけではいけないのであつて、いざという場合に、消防の側におきまして、はしご自動車というふうな装備を持つていなければ、人命救助ということからいつて困る面がありますので、この点も実際の消防機関におきましては、これを設けるべく苦慮いたしておるのですが、現在日本全国で大小合せてわずか三十のはしこ自動車しかありません。東京が八台持つておりますが、その八台でも十分使えないものが相当あるという状況であります。将来すみやかに消防機関にもさようなものを設置するように指導すると同時に、できますればかような政府の補助によつても、ひとつこういう面の側面的な助成をして行きたい、かように考えております。
〔委員長退席、西村(力)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/45
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046・加藤精三
○加藤(精)委員 ただいまお聞きいたしますと、ますますもつて遺憾な点があるのでありますが、建築基準法の中に、高層建築の防火施設につきまして規定があつて、それが政令に譲つてある、しかるにその政令の規定が出ていないということが、まず第一に不満であります。そういう公共の安寧に関する重大なる事項に対して役人が不勉強で、まだ政令の規定をしてないということは、まことに遺憾しごくなことでありまして、この点に関しましては国家消防本部として、建設省当局にどういう交渉をしたかというてんまつを承りたいと思います。
第二番目に、そうした場合の消防と建築との関連事項について、十分な規定を府県條例で規定させている。それは市町村條例の場合が多いだろうと、思うのですが、その條例が全部つくられているか、またそれが励行されているかという点につきますと、先ほどの御説明では、何だか十分に御調査してないのじやないかと思われるのでありますが、そうした点は前の建築基準法の高層建築火災防止に関しての政令の規定と同じように、重要な問題だと思うのであります。その点どうなつておりますか、御当局から承りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/46
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047・瀧野好曉
○瀧野政府委員 建築基準法に基きますこまかい政令ができておらぬ、これははなはだ遺憾な点でありますので、消防側といたしましては、すみやかにこの政令をつくるように催促もいたし、また審議にも参画する必要があるときは参画しておるわけでありますが、何しろ非常にこまかな技術的な問題があるようであります。現在の段階におきましては、先ほど申しました火災予防條例を基礎にこの政令をつくるように、今審議中でございます。しかしながら、現在それがないからといつて、防火、消火の面で非常に欠陥があるというものではございませんで、消防法に基きまして私の方で各都市におきます準則を設けました。その準則に基く市町村條例で相当こまかな規定を設けておりまして、先ほど申しましたような施設を設けねばならぬ。もし新しくつくるところで設けなければ、それを同意しない。同意しなければ結局建築許可ができない。でありますから、東京あたりで最近できます高層建築におきましては、少くとも最小限度の消防的な施設は要請され、これを條件として許可されておるはずであります。さように東京の実際の消防に当つておる者から確認いたしております。これがいいかげんに行われているということではありません。御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/47
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048・加藤精三
○加藤(精)委員 重ねてお尋ねするのは非常に失礼なようでありますが、どうも私はふに落ちない点がありますので、重ねてお尋ねいたしますが、しからば大都市のビルディングの新しくできる高層建築の火災につきましては、現在そのビル火災防止についての心配がないかどうかという点、端的にそれをお尋ねしたいのであります。これはまず二つにわけてお尋ねしますが、都市の火災予防條例によつて建築許可の際に、附帯條件として要求された事項がはたして施設されているかどうか、という問題が第一にあるわけです。第二番目は、それらが施設せられましてもなお、はしご自動車等が必要な場合があると思う。そのはしご自動車等の施設が十分であるかどうか。この二つにわけてビルディング火災というものに対しての対策が立つているかどうか、現状から見て十分かどうかということをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/48
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049・瀧野好曉
○瀧野政府委員 この問題は相当具体的な問題になると思うのでありまして、当面のそういう具体的な対策は、当然その当該消防機関の責任者がきめて、これを担当するのであります。ここで抽象的にはある程度申し上げられますけれども、具体的にお返事申し上げるためには、もう少し調べた上で御返答を申し上げた方が確実かと存じます。しかしながら最近におきまする建築の状態から見まして、たびたびさような都市方面の消防責任者に対しましては、防火の点、消火の点等につきまして、るる注意を喚起いたしておりますので、おそらく十分の対策を立てて実行しておると思いますが、なお御満足参りませんければ、再度調査いたしまして、正確なる御回答を申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/49
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050・加藤精三
○加藤(精)委員 ただいまの御答弁は非常に不満足であります。こういう消防本部というものは、国家消防全般の行政に関して指導できる立場にあると思うのであります。都市消防のごときは、都市消防当局がうまくやつておるのだろうと思うが、よく調べてみるという今の御答弁では、非常に私はふに落ちないのであります。しかしながらそういう御答弁でありますから、やむを得ませんからこの次の委員会までに、都市消防のことについて、また全国の山村僻地に至るまで防火用貯水槽を必要とする現実の状況等について、もう少しつつ込んだ御見解をお示しいただきたい、こう考えるのであります。消防というのはこれは非常にふしぎなもので、消防に対する関心は、国民的な輿論的な性質を持つておるものでありまして、これに対して政府が十分な対策を講じないということになりますと、国民の政府に対する信頼の念を冷却する結果になるものと考えております。そうした点は御当局も痛感されておることだろうとは思うのでありますが、主として財政問題の関係で、こういうことになるだろうと思う。先ほど他の委員より、補助政策というものが平衡交付金制度その他と関連して、はたして妥当であるかどうかということの御懸念もあつたようでございますが、少くとも起債のわくの問題につきましては、どの党派においても異論のないことだと考えるのであります。前国会におきましても起債のわくの拡大に関しましては、特に私よりも御当局に異常な熱を入れて努力せられるようお願いしたのでありますが、この起債のわくの拡大の点に対して、どういう御努力をなしておられるか、また同時に現在の地方財政法においては、この起債許可の中に消防施設の起債は当分規定になつておると記憶しておりますが、これは地方財政法第五條の本文において、当然起債をさせ得るという規定に、改正することが、最も必要だと解釈しておりますが、地方財政法の改正についてどういう御努力をしておられるか、それらの点を重ねて承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/50
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051・瀧野好曉
○瀧野政府委員 前国会におきまして、加藤委員から非常な熱意と決意を入れて、消防起債のわくの拡大に努めよという御激励、御鞭撻、御叱正をいただいたのであります。爾来今日に至るまで、私みずからはもちろんのこと、職員一緒になりまして消防起債の問題について所管庁にしばしば交渉もし、地方からも実情を聞きまして、十分こちらの意のあるところを伝えまして、結局消防単独起債の許可限度が拡がるように努めたのでありますが、まだ自治庁から結論を聞いておりませんが、おそらく前に比べると相当範囲の広い御許可をいただくはずと存じております。今後もますます努力して行きたい、かように考えております。それから、仰せの例の附則の三十三條でもつて、消防起債はまかなつておるが、これはいつまでもというわけには行かぬだろうから、本格的に第五條に持つて行く、これも数年前から私たちの念願でございまして、たびたび関係の方面ともお話合いを進めて来たのでありますが、まだ具体的にこうだという案でもつて、国会の方へ出す運びになつていないことはまことに恐縮であります。これも根本的な対策といたしまして、消防の起債が恒久的にまかなえるように第五條の方へ持つて行くよう、今後も改正案につきまして実現するよう努めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/51
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052・加藤精三
○加藤(精)委員 例の附則三十三條との関係につきまして、地方自治庁の御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/52
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053・武岡憲一
○武岡政府委員 消防に関しまする起債をもつと額を増しますには、範囲においてもあるいは金額等においても、徹底して許可ができるように法律の改正をやつたらどうかという御趣旨と承るのでありますが、まことにごもつともだと存じます。先ほど申し上げましたように、ただいま私たちに許されておりまする起債の許可予定額の範囲内においては、できるだけ団体の御要望に沿うように努めては参つておるのでありますが、なかなかいろいろな事情で思うように参らないことは遺憾に存じます。これに関連しましての地方財政法の改正の問題につきましては、目下消防本部の方におかれても、いろいろ御検討になもておられるようであり、御相談も受けておるのでございますが、なおこれは地方財政法全体の問題といたしまして、ただいまの起債に対しての範囲の拡張ということからいたしましても、今回御提案申し上げておる地方財政法の一部改正案におきまして、部分的に起債対象の範囲を拡張するような案を立てまして御審議を願つておるのでございますが、特にこの三十三條との関係におきまして、これをどう措置すべきかの問題につきましては、今日の全体的な起債事情その他ともにらみ合せまして、いましばらく検討の余地があるのではないか、かように考えまして、ただいま私どもといたしましては、まだ結論に到達いたしておりません。いましばらく研究させていただきたいと存じます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/53
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054・加藤精三
○加藤(精)委員 質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/54
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055・大矢省三
○大矢委員 今の起債の問題に関連してお尋ねいたします。先ほど藤田君が尋ねられたように、昨年は七十五億円の申請に対して、わずかに三億円、四四%、これで非常に努力したけれども、はなはだ残念だという財政部長のお話ですが、今予算審議中でありますから、大体の見当はついていると思います。この六十億円の申請に対して何ぼきまつておるかということを、次の委員会のときにお話願いたいと思います。今わかつておつたらすぐお答え願いたい。
それからもう一つ、国家消防の参考資料について、つまり五箇年計画の第一年度において二千二百二十二台という台数を計画しておられまするが、この大型、小型の内訳はどういうことになつておりますか。これは水槽に非常に関係があるのです。それから老朽車か四千三百四十七台減つておるということでありますが、これの内訳はどうであるか。台数が出ているのですから、当然内訳があると思いますので、これをひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/55
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056・武岡憲一
○武岡政府委員 本年度の消防関係の起債につきましては、ただいま査定中でございます。ただいまここにその数子を持ち合せておりませんが、大体近く一応集計ができると考えておりますので、数字が判明いたしましたならば、御報告申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/56
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057・瀧野好曉
○瀧野政府委員 仰せのように消防ポンプと申しましてもたくさん種類がございます。ただいろいろな種類のものをここへ羅列いたしましても、複雑になりますので、実は現在全国にございます消防の機械の種類別に、普通ごらんになつているような大型自動車ポンプに換算して出してあるのでございます。これについて申し上げますと、小型の消防ポンプは二分の一の能力に見ております。手引きガソリン・ポンプも二分の一に見ております。最近はやつております小型動力ポンプは三分の一に見ております。腕用ポンプは機動力あるいは放水能力からいたしまして十分の一に見ております。かようなふうに換算いたしましての台数が、ここに最初に出ております一万七千三十八台で、これが大体わが国における常備及び義勇消防で持つております消防ポンプであります。これは全部大型ポンプに換算しての数でございます。さようなふうにいたしまして、平衡交付金でもつて年々更新をある程度考えてもらつている分を差引き、さらに老朽となつて行く車が年々ございますのでこれを加えまして、結局のところ五箇年間に整備いたしますものが一万一千百九台であります。それを五箇年計画で整備いたしますとすれば年々二千二百二十二台のものを一応充実する。これが私の方で一応立てておりますところの、まず責任の持てるもので、これは基準台数との差を補充するような頭でつくつたのであります。しかいたしまして二千二百二十二台、大型ポンプが一台二百万円程度ございますので二百万円と計算いたしまして、まことに大ざつぱでございますけれども、ここに年々四十四億四千四百万円程度のものが、満足な方法でこれをやるならば、これだけのものがいるということを出したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/57
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058・大矢省三
○大矢委員 今の答弁によりますと、これは大体大型だ、そうして小型は大型に換算して全部で二千二百二十二台というふうに言つております。先ほどからも言われておりますように、どうも大都市に偏重する。大型トラツクの入るような道路もないという地方の小都市並びに町村において、これは非常に必要なものだと思いますので、そのことが私は聞きたかつた。従つてこれを出す以上はその内訳というものはあるはずだ。一体この中にはほんとうの大型はどのくらい、小型は幾らという数字があると思います。今もしなければ次会でもいいですから、ぜひともこれの内訳をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/58
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059・門司亮
○門司委員 今のお話ですが、消防本部は地方の実情を知つているかどうかということです。それはポンプの問題ですが、消防法が強化されて参りまして、これは御存じのように消防職員並びに消防団員に対しては、身分保障をいたしております。従つてもし小さな村で火事のあつた場合には、非常にたくさんの人間が動員される。現在の腕用ポンプ程度でありますと、これに補償するということになると非常に大きなものがいることになります。それからもう一つは、十分な装備を持つておらないために、もしそれから来る身体障害等があると、これも今の六給を基準として計算して参りますと、一人の人が消防のためになくなるとすると、約四十万円くらい金がかかります。こういうものは地方の自治体では、かなり大きな負担になつて来る。従つて地方の自治体では、できるだけ高能率のものにして人員は少くしても、そういう財政的の負担を除かなければならぬ。財政的の負担を除くとともに能率の増進をはからなければならないということが自治体の本領です。こういうことを一体消防本部長は知つておるかどうか。もしそういうことが十分にわかつておれば、大都市偏重でけしからぬというような意見が出て来ないようにされるべきだと思う。これは単に消防能力だけではありませんで、一方において、消防法の改正をして身分の保障をした、これと非常に大きな関連を持つて来ておる。こういう点を消防本部では十分にお考えを願いたい。
それからもう一つ、ここではつきり聞いておきたいことは、昨年あるいは一昨年に東京都で試みて参りましたいわゆる保険制度の問題であります。火災保険の制度を東京都が互助機関の関係で案を立てて、そして保険会社の強い反対で、これはうやむやになつておる形を示しております。消防施設がだんだん地方住民の負担で拡充されて参りますと、このものを事業の対象としておる火災保険というものは、だんだん利潤が増して来る。これは当然である。従つてこれに対して消防本部は何らかの政策、というと行き過ぎがありますが、話合いを進めたことがあるかどうか。たとえばポンプができて参りまして消防の施設が完備することによつて、保険料金の引下げをやるというようなことについて、消防本部は保険会社その他にそういう示唆をしておるかどうか。命令するわけには行きますまい、示唆をしておるかどうか。
〔西村(力)委員長代理退席、委員長着席〕
こういうものは地方住民の負担と関連性が多いのでありまして、そういう点について今まで消防本部で行われて参りましたことがあるとすれば、ひとつ御報告願いたい。さらにさつき申し上げた東京都の問題が今どうなつておるか。これも御存じであればお話願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/59
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060・瀧野好曉
○瀧野政府委員 まず先ほどの大矢さんの御質問にお答えしますが、まさしく今の二千二百二十二台というのは大型に換算してありますので、これを見ると大型だけを奨励して、主として都市方面にこれを充足することにのみ心がけておるように思われますけれども、そうでなくて、これは便宜しただ大型に換算してみただけで、やはり先ほどお話申しましたように、中以下小都市あるいは町村に非常に欠陥が多いので、この方面に対して設備あるいは装備の強化をするべく相当重点を置かなければいかぬということを心がけております。なお、内訳が必要だと仰せられますので、後日内訳をつくつて参ります。
それから門司委員にお答え申し上げますが、消防の科学化あるいは機械化ということは時代の進むに従つて当然のことでありまして、今までのように労力だけでやるような古い型の消防でなしに、ある程度人員を少くしても機械化して能率を上げることは、当然この方面に向つて進まねばならぬ、それで農村方面に対しましても消防の機械化ということを、われわれ勧奨しておりますが、今度の補助金によりましても相当それが促進することを期待しておるものでありますから、まつたく仰せの通りでございます。
第二の点は、消防と保険との関係で適切な御質問があつたのでありますが、これは外国等を見ましても、消防と保険とは非常に唇歯輔車の関係にございまして、日本がまだ保険がそれほど一般化してないために、保険と消防との関係が緊密化されてないことは、まことに遺憾であります。数年前から東京都におきまして相当の資金を出しまして、消防と関連を持たせたところの、保険会社を立案いたしまして、その監督官庁である大蔵大臣に御申請になつたようでありますが、私が承知しておりますところによりますと、今日までその保険会社設立に対しまして、大蔵省は何ら具体的な措置をとつておらぬというような状況であるように聞いております。しからば保険の方はほうつておくのかということになりますれば、だんだん保険が普及して参りますし、保険会社は相当の好成績をあげておりますので、消防がよくなればなるほど保険会社は有利な立場になることは、先ほど仰せの通りであります。従いまして保険会社側から、何らかの形で消防に協力するようにということは、絶えず申しつけておるわけであります。それから一つは消防の改善によつて、保険料率を下げるということは当然でありまして、これはしばしば保険料率算定会の方でも損害保険協会の方でも申し出まして、近年はある程度の保険料を下げて来ておるような趨勢にございます。しかしながらまだこれで事足りないのでありまして、なお消防機関に対しまして保険会社から何らかの措置をするようにということも、私のみならず消防関係団体等も一緒になりまして、しばしば会見を申し出ておるのでありますが、昨年あたりからようやくごくわずかな誠意でございますが、損害保険協会におきましても資金をある程度つくりまして、年々消防の設備の改善のためにある程度の力添えをするという段階になつております。あるいは今後この損害保険協会が消防のために誠意を示し、実績をあげて来るように、私たちさらにこの線に沿つてやつて行きたい、そういう現状であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/60
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061・門司亮
○門司委員 今の答弁ですが、大体それ以上私は答弁を追及しようとは考えておらない。追及してもおわかりにならぬと思いますから聞きません。問題はものの考え方ですが、消防の施設がだんだんできて行つて、保険会社が非常に利益を得ることは当然でありますが、そのときのものの考え方として、保険会社に消防施設の方を手伝つてもらう、東京都におきましても二、三台を寄付したように聞いておりますが、そういうことではなくて、やはり住民の負担を軽減するということに国家消防本部としては力を入れてもらいたい。これはやはり国の力である程度保険会社と話合いができることが望ましいのであつて、住民からは十分取上げておいて、その利潤分配は縮小してやろうというものの考え方は私はあまり感心しない。消防施設の充実と同時に保険料の程度を下げて行くという形をとるために、国家消防本部としては総括的にこういう方針で進んでもらいたい。
もう一つは東京都の保険の問題でありますが、これはきわめて重要な問題でありまして、今私が申し上げた段階は現状における一つの段階であつて、少くともわれわれから考えてみますと、地方公共団体が非常にたくさんな金をつぎ込んで消防施設の完備をして行く、さらに高層建築並びに防火建築というようなものについては、四分の一の補助をしている。地方の団体もやつておる。そしてできるだけ火災を少くするために努力しておるのでありますから、第一段階としては保険料率の問題が浮んで参りますが、次に来るものは、地方公共団体がみずから自家保険という形で保険を取扱うという制度であります。この制度は非常に大きな問題になると思いますが、消防本部としては、大体そこまで飛躍するといいますか、ものをお考えになつて、そうして今日の営利本位の保険会社というものは、自治体の自主的な住民の責任の上における保険制度を打立てて行くというような形になつて来れば、私は保険料率は今の半分あるいは三分の一で済む、これで十分やつて行けると思う。そういうようなことまでお考えになつているかどうか、この点をもしおわかりでしたらお話し願つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/61
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062・瀧野好曉
○瀧野政府委員 四年前から都が考えております例の公共団体を中心に、消防との密接な関連において、保険というものを合理的に、しかも低廉な料率でやつて、しかもかたかた消防の強化になるというようなやり方につきましては、私たちまさしく大賛成であります。都で計画しておる保険の問題につきましては非常に話も長くなりまするし、私たち詳しく存じませんので、これ以上は許していただきたいと思うのでありますが、ものの考え方としてはさような方向に行くのが正しいだろう。しかも方向といたしましては、火災保険会社に対しまして、最近の傾向といたしましては共済組合である程度火災共済をやつて行くというような制度が、他方にもだんだん火の手を上げて参りまして、りつぱな成績を上げつつあるやに聞いておるのでありますが、これもやはり一つの消防と保険との関係において、もう少しものを推進しなければいかぬのじやないか、私はかように考えております。保険の問題はちよつと大きな問題になりますから、この程度に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/62
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063・中井一夫
○中井委員長 ちよつとお諮りいたしますが、いよいよ一時になりましたが、このまま進めましてもよろしゆうございますか、あるいは一応この程度で休憩いたしますか、どういたしましようか。皆さんがよろしければ進めますが、人権蹂躙のおそれがありますからね——それでは皆さんの御趣旨に従いまして、このまま進めます。政府委員の方におかれましても、しばらくごしんぼうを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/63
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064・床次徳二
○床次委員 関連してひとつ質問いたしたいと思います。最近の火災保険の関係から見ますると、火災保険会社の料率が高率のために、いろいろの保険が出て来ているということは、現在の火災保険の実情に対して非常に反省を要すべきことだと考えます。これに対しましては、やはり消防施設の充実に伴つて、火災保険料を引下げるという努力が消防当局においても必要だと思つておるのであります。今門司委員からお話のあつた通りでありまして、この点に対しましては消防当局ではもつと積極的な配意が望ましい。なお将来消防施設の起債等の問題がありまするが、特に関係の深い火災保険会社がいろいろ金融関係をやつておりますが、消防起債に対しましては、むしろ積極的にこの融資を担当するというくらいのところまで行つていいはずだと思う今日保険会社はいろいろな方面に融資をしていますが、まず第一に消防施設に最も低利二協力するというくらいのことはしてしかるべきだと思う。これは消防本部自体といたしましても当然努力せらるべきことだと思つておりますが、特にこの点に関しましてわれわれは強い要望をいたしまして、積極的に負担の軽減また消防施設の拡充ということに対して努力をお願いしたい。ただいまの門司委員の意見に附帯いたしまして要望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/64
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065・滝井義高
○滝井委員 質問はこの次に譲りまして、ちよつと資料を要求したいのですが、全国の地方自治体の消防署の予算の総額を教えていただきたいと思います。それからその消防署の予算の中から出て行くところの、いわゆる消防ポンプなんかを買うときに、必ず市町村が半額の補助をしておるか、その補助の総額、それから自治体の消防団の予算、これを消防署のあるところとないところとわけて出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/65
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066・大石ヨシエ
○大石委員 中井先生は、先ほど藤田先生のおつしやることにこういうことをおつしやいました。この法案は前の国会で、もはや全会一致で可決したものであるからして、つまり言葉をかえたら、これは異議なく通してほしいということをおつしやいました。しかし国会が解散になりましたら、すべてのものが新しくなるのであります。それで私はこの法案は慎重審議をしていただきたい。これを御了承くださいますでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/66
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067・中井一夫
○中井委員長 お答えをいたします。私はその通りに考えております。それで先ほど藤田さんには、質疑を重ねられ、十分審議を進められたいということをお願いしておりますから、十分お尋ねを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/67
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068・大石ヨシエ
○大石委員 了承いたしました。
藤田先生がおつしやいました通り、すべて都会集権主義になつて、了今日の敗戦日本を招来したことは、私が申し上げるまでもないことでございます。先ほど大矢先生がおつしやいました通り、都会は大きいポンプが道路を通過しますけれども、いなかに行きますと、道路が非常に狭いので、小さいポンプしか通りません。その辺に対して消防の皆さんはどういうふうにお考えになつているか。第三点は、平衡交付金はこの消防に対してどれだけの交付が各府県になされているか、この点について私は詳細なることをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/68
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069・瀧野好曉
○瀧野政府委員 おつしやる通りですけれども、消防は交通事情を緩和しなければ実際の成績は上らないのであつて、とかくいなかの方でも大きなポンプをほしがりますけれども。必ずしもこれは適切な成績を上げにくい。でありまするから都市は都市、農村は農村、川は町というふうに、その地方の実情に応じたポンプを保有することが必要でありまして、都会だからといつて、非常に重点を置くわけに参りません。先ほどから繰返しますように、農村方側でも相当の被害を出している現状にかんがみまして、そういつた道路のよくないところには、携帯に便利のいい小型ポンプをたくさん奨励するように占えております。それから平衡交付金として各市町村にどの程度のものが考えられているかというお話でございますが、今数字を持つておりませんので、この次お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/69
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070・大石ヨシエ
○大石委員 それからあなたは先ほど消防に関して根本的な考え方を持つている、こうおつしやいましたが、その根本的な考え方とはどういう考え方でございますが、それから各府県の消防費に関する詳細なる資料を私たちは要求いたします。平衡交付金の分配の方法、どういうふうに平衡交付金が各府県で分配されておるか。それからあなたが根本的に消防を改善する必要があると先ほどおつしやいましたが、——私、ちやんとここに書いてあります。その根本とはどういうことをあなたは根本とおつしやいますか、それを私はお聞きしたい。根本問題を解決せねばならぬと言うが、その根本問題の解決方法はどういう方法であるかということを私は知りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/70
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071・瀧野好曉
○瀧野政府委員 根本的に消防改善策を考えていると申しましたかどうか、速記録を見なければわかりませんが、せつかくのお尋ねでございますので、基本的な考え方をごく簡単に申し上げますと、これは物心両面にわたりまして、わが国の消防をよくするためには、やはり組織の面におきまして非常に強靱な市町村の消防機関を持たねばならぬ。そのためには先ほど申しましたように常備力と義勇消防力とがある。この二つはそれぞれ町村にふさわしいように配置せられねばならない。これはもとより市町村のきめることでございまするけれども、これは人口、地勢、その他いろいろな事情によつて違いますけれども、基本的にはこの二つのものがそれぞれ調和し合いながら、組織として有力な消防機関とならねばならない。それから心の方でございますが、これは伝統的な消防精神でもつて、訓練、教養によつてこれを高めて行くということはもちろんのことでございますが、さらに一番われわれが問題にしておりますところのものは、消防の設備、装備、そういつた面におきまして、従来非常に遅れておりまして、この際わが国の現勢から見て、すみやかにこの方面を強化せねばならぬというふうに考えております。そのために今回の法案ともなり、いろいろ地方におきましてもそれぞれ装備、設備の強化には努められて参つておるのでありますが、この三つの点に重点を置いて進めて行くということを、消防の基本的な考え方として持つておるということを、私、先ほど申しましたかどうかわかりませんけれども、あらためて申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/71
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072・大石ヨシエ
○大石委員 それではこの次、各府県に平衡交付金を交付して、その消防費はどれだけそれを使いこなしておるか、それから雑収入のそれはどういうふうになつておるか、そういう点の詳細なことを私たちは調査したいのですが、あなた方は調査しておられるでしよう。平衡交付金は各府県で消防費としてどういうふうになつておるか、その詳細な資料をこの次までにくださいよ。この次に遅れたらもう承知しませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/72
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073・瀧野好曉
○瀧野政府委員 ちよつと大石委員にお尋ねすることをお許し願いたいと思うのでありますが、雑収入と仰せられるのは、たとえば寄付とかそういうものでありましようか。それからもう一つは平衡交付金はひもつきでないから、消防だけの平衡交付金というものはございませんので、基準財政需要額のことではないかと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/73
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074・大石ヨシエ
○大石委員 いつも消防の雑収入というものが行方不明になつている。飲んだり、食つたりした方面へ使つておるのです。それで平衡交付金を各府県に配分して、そうしてその消防費に幾ら、そうしてその雑収入として届けておるその明細なるものがほしいのです。私はおなごですからそこまで考えているのです。国民の血税やいろいろなものが平衡交付金になつておつて、それが飲んだり食つたりになつておる。それをこの次までに調べてここへ持つて来てください。頼みますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/74
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075・中井一夫
○中井委員長 大石さん、今のお尋ねはこういうわけですか、雑収入の問題は消防などで民間から金を集める、そういうようなことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/75
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076・大石ヨシエ
○大石委員 それもありますね。それから平衡交付金があるでしよう。それが配付されるでしよう。それが消防費になつておるでしよう。その内訳をいわゆる市町村の雑収入としてごまかしてぼやかしてやつておる点は、それは一体どうであるかという点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/76
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077・中井一夫
○中井委員長 雑費という意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/77
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078・大石ヨシエ
○大石委員 そうです。雑費としてどうやつておるか、それを知りたい。その雑費とはいかなるものであるか、その明細書をほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/78
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079・加藤精三
○加藤(精)委員 消防につきまして非常にたくさんの、熱心な論議が出たということは、私は非常にうれしいのでありますが、ただ何だか最後まで、抜本的な、一番大事なことを逸しているような気がしますので、これは私も結論は出ていない問題でありますが、ひとつ私の意見を述べて、国家消防本部及び自治庁の御研究を煩わしたいと思うのであります。
と申しますのは、わが国の消防で現在一番実質的に重要なことは、私は消防水利で、その次に消防道路だと私は思つておるのでありまして、機械その他はその次だと実際に考えている。私は消防の専門家じやありませんから見当が違うかもわかりませんが、そういう面におきまして、最近わが国の各工業地帯等におきまして、工業用水というものが非常な大問題になつておりまして、ラジオ新聞等で見ますと、これに何十億のわくをとつて善処するというようなことが問題になつております。幸いにそういう情勢にありまして、この工業用水道というものも防火のためには間接に相当役に立つわけでありますが、この際私が、以上の私の意見から提案したいのは、工業用水道と消防用に供する水道と、なお他の目的を持つてもいいのでありますが、多目的水道としての施設を、国家的にやる気はないか、しかもそれは治山治水に関連しまして、外国貿易に資する大産業を持つておるところの大工場地帯、それらにまでこれを延長しまして、そうして経過する市町村、都市をすべて防火の面をも保障し、そうして最後に港を持つている大工業地帯の防火にも資するというような意味で、そうした多目的水道を市町村の公営事業として実施する場合におきましては、特に国家補助または起債の面において優遇する、そういうような単独立法をする気はないか。この問題は、工業用水道というものを、現在の日本としては急速に解決しなければならない焦眉の急務になつておる時期でありますので、多目的水道として消防の用に供する上水道もそれに参加するということは、消防百年の大計の上からいつて非常にいいことじやないか、また地方自治の面からいいましても、たくさんの市町村が共同の公営事業を実施するという端緒を開く意味におきましても、自治の促進になるのではないか、こういうふうに考えます。これにつきましては、現在鉱工業地帯整備促進法に関連いたしまして、工業用水道というものが常に大きくクローズ・アツプされておる点を、国家消防本部及び自治庁におきまして御研究をいただきまして、もしそういう機運に乗じて、一つには市町村間の共同公営事業を推進する一つの機運を醸成し、あわせて消防水利の確保をするという点から、非常に重要ではないかと思いますので、御研究をいただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/79
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080・青木正
○青木(正)政府委員 ただいま加藤委員のお話でありますが、まことにごもつともとは存じます。ただ私ども考えますことは、御指摘の工業用水の問題は、主として鉱工業地帯を対象にしたものでありまして、そこでまた一方消防の問題は、単に鉱工業地帯のみならず広く考えるべき問題ではないか、こういうことも一応念頭に入れる必要があると思つております。またもう一つは、鉱工業地帯における工業用水の問題は、特定の需要者を対象にした水道というふうに考えております。しかし消防の方はそうしたものでなしに、もつと公共的な性格を持つている。こういうこともまた考える必要があるのじやないか。またもう一つ問題は、そうした特別な立法措置を講じましても、それに伴うべき財源措置がなければ無意味になりますから、立法措置も必要でありましようが、同時により以上大切なことは財源をどうするかという問題に結局帰着するのじやないか、かように存ずるのであります。そこでそうした関連におきまして、御趣旨の点まことにごもつともでありますが、国家全体としてまたその水道の内容に関連する方面が多岐にわたつておりますので、関係の各省の意見も徴し、また国家財政の現状等をも勘案いたしまして、なお慎重に研究をいたし、できることならばそうした御趣旨に沿うように今後努力して行かなければならない、かように思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/80
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081・門司亮
○門司委員 先ほどちよつとお話をいたしました実は保険料率と商法の関係ですが、この内容をもう少し詳しく知りたいと思いますので、保険関係を担当している大蔵省の係官を、この次の会に呼んでいただきまして、保険料率についてのこの間の事情を、もう少し詳しくお聞きしたいと思いますので、そのようにおとりはからいを願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/81
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082・中井一夫
○中井委員長 了承いたしました。ただいま門司委員の御請求の大蔵省における保険関係の当局者の出頭を求めます。それからさらに建設大臣と計画局長の出頭を求めまして、先ほど来論議せられました問題につき要領を得たいと思います。
次会は来週の火曜日二十日、午前十時より開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午後一時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604720X00619530626/82
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