1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十八年六月二十六日(金曜日)
午前十一時二十二分開議
出席委員
委員長 井出一太郎君
理事 足立 篤郎君 理事 綱島 正興君
理事 平野 三郎君 理事 金子與重郎君
理事 足鹿 覺君 理事 佐竹 新市君
理事 安藤 覺君
小枝 一雄君 佐々木盛雄君
佐藤善一郎君 佐藤洋之助君
松岡 俊三君 松野 頼三君
松山 義雄君 加藤 高藏君
吉川 久衛君 古屋 貞雄君
稲富 稜人君 川俣 清音君
日野 吉夫君
出席政府委員
農林政務次官 篠田 弘作君
農林事務官
(農林経済局
長) 小倉 武一君
農林事務官
(農地局長) 平川 守君
委員外の出席者
農林事務官
(農林経済局 松岡 亮君
金融課長)
専 門 員 難波 理平君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 藤井 信君
—————————————
六月二十六日
委員川俣清音君辞任につき、その補欠として日
野吉夫君が議長の指名で委員に選任された。
—————————————
六月二十五日
開拓融資保証法案(内閣提出第一〇五号)(
予)
の審査を本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被
害農家に対する資金の融通に関する特別措置法
案(内閣提出第八七号)
農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(
内閣提出第八八号)
日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為に
よる特別損失の補償に関する法律案(内閣提出
第四二号)に関し、水産委員会に意見申入れの
件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/0
-
001・井出一太郎
○井出委員長 これより会議を開きます。昨日水産委員会と連合審査会を開きました日本団に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案につきまして、水産委員会に申入れの件につき、足鹿委員より発言を求められております。これを許します。足鹿覺君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/1
-
002・足鹿覺
○足鹿委員 昨日水産委員会と連合審査会を御開催を願いまして、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案に関する件につきまして、農林委員の立場からいろいろ質疑を試みたのでございます。元来この法律案は水産委員会に付託と相なるよりも、わが委員会に御付託に相なるべきものであるとも考えられましたので、熱心に審査いたしました結果、この法案には修正を要する事項、あるいは法運営上において留意すべき事項等の種々あることを発見いたしました。しかして二十項目に近い質疑をいたしたのでありますが、そのうち特別調達庁長官等からの答弁によつて大体了承をした点もございますが、了承いたしかねる点が多々ございますので、これを本委員会において御決議を願い、修正事項と附帯決議事項の二項目にわけまして、本委員会において御決定を願い、ただちに水産委員会に申入れをいたしていただきたいと存ずるのでございます。その案文につきましては、朗読申し上げて、御説明にかえたいと存じます。
日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案に関する件
農林委員会は昨二十五日、貴水産委員会との連合審査の結果右法律案の内容並びに其の運用方針に就いて少なからず是正の必要があることを認めるに至つた。よつて本委員会は、成立後の本法が農業生産並びに農民の福祉の上に与える影響の重大なるにかんがみ、今後政府をして特別損失の適正なる補償を実施せしめるため、本法律案に関し、別紙の如き意見を申し入れる。
一、本案を左の如く修正せられたい。
(一) 日米安全保障条約締結後におけるアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失は、これをすべて本法により補償することを確実ならしむるため、本法を同条約発効当時に溯及して適用するよう付則第一項を修正すること。
(二) 補償すべき損失の有無に関する異議の申立に関し、内閣総理大臣が決定した後の救済方法に就いての政府側の解釈には疑義がある。よつて法の運用に万全を期するため、訴の提起を確実ならしむるようこれを法文中に明記すること。
(三)は案文を整理して、あとで申し上げます。
(四) 補償金の税法上の取扱いについては、これを現金所得とみることなくその性質上、非課税とするよう追加修正すること。
以上が修正事項に対する本委員会の態度であります。
次に附帯決議事項について申し上げます。
二、左記事項については、附帯決議を附する等適当なる方法により政府の善処方を要望せられたい。
(一) 防風林等を伐採したために生じた損失の如きは、数十年間に亘つて継続する性質のものであるから、損失の回復するまで完全に補償し、いやしくも途中において打切り又は削減等のことのないよう注意すること。
(二) 駐留軍の行為により、農業振興計画、造林計画等に挫折を来し、食糧の増産、農家経済の安定向上を阻碍するに至つた場合、将来に対して確実に期待しうべかりし利益はこれを別途の方法をもつて実現しうるよう行政上最善の努力を払うこと。
(三) 駐留軍の行為が精神的打撃を与え、生産意欲を喪失せしめた場合に生ずることあるべき損失に関し、本法により救済することを得ざるものに就いては、見舞金制度その他の活用により遺憾なきを期すること。
(四) 国連軍の行為による特別損失の補償に就いては、本法に準じ行政的措置をもつて完璧を期すること。
(五) 損失の調査、補償金の交付については、迅速的確を期し、且つ補償金額について予算上の制約等によりいやしくも削減払い、補償繰延べ、若しくは補償停止等のことがないよう、各省間の緊密な協力関係を確立すること。
昭和二十八年六月二十六日
農林委員長 井出一太郎
水産委員長 田口長治郎殿
以上が申入れ書の全文でございます。
つきましては、先刻冒頭にちよつと申し述べましたように、修正事項につきまして、(一)及び(二)につきましては水産委員会におきましても相当質疑が多く、論議が行われておりまして、おそらくわれわれとの意見の一致を見ることと存じます。従つてこの点は必ず実現するものだと私ども信じます。
次の(三)の問題につきましては、今案文を整理してさらに説明を申し上げます。
(四)の補償金の税法上の取扱いについては、過去における税額から算出して所得を算出し、その所得に対して補償を与えるということになつております。しかるに昨日の答弁によりますと、この所得を所得とみなして課税の対象にするということが明らかになつております。このような事案に対して、補償金にさらに所得税をかけるがごときことは、まことに穏当を欠く態度であるといわなければなりませんので、この点を第四点としてわれわれは主張いたしたいのであります。
附帯決議の一項につきましては、たとえば九州芦屋の飛行場のごときは防風林を伐採し、そのあとに数十メートル下つたところに造林をいたしておりますが、これが成長する間というものは相当の期間を要し、その間に相当長年月にわたる損失が継続するのでありまして、これらのものが時代の変遷に従つて補償の打切りあるいは削減等のないように、特に農耕地等に対するわれわれの意向をここにまとめたものでございます。
二の農業振興計画、造林計画等の計画が駐留軍の施設あるいは行為によつて挫折を招来する、こういう期待利益に対しては、何ら本法には規定してありませんが、農林関係としては最も重大な点であろうと思いまして取上げたわけであります。
三の駐留軍の行為が精神的に打撃を与えて、農民の生産意欲を著しく喪失せしめるというようなことにつきましては、何らこれにありません。昨日の特別調達庁長官の答弁等においても、まだ明確を欠いておりますので、見舞金等の制度をつくつて運営上において遺憾なきを期して参りたいということであります。
四の国連軍の行為による特別損失補償は本法では取上げてありません。しかるに日本には現在アメリカ駐留軍のほかに、国連軍が現実に駐留をし、これによる直接間接の損失等も発生しておるのにもかかわらず、国連軍の行為等についての措置が講じてないことは、法の不完備を示しておるものでありますので、もしこれを法で取上げられぬとするならば、行政的措置をもつて、これが完璧を期することが当然であろうとわれわれは考えたからであります。
五の損失の調査、補償金の交付等について迅速的確を期せよということについては、中央に審査会が現在できておるそうでありますが、これは数年前できたものであり、必ずしも農村方面の意向が迅速的確に反映するとは考えられません。将来不幸な事態ではございますが、駐留軍等による損失は今後も増大することをわれわれは残念ながら認めなければなりませんので、こういう点につきましては、もつと審査会の構成メンバーあるいはその運営等が的確迅速に行くべき点を考え、また補償金額については、昨日の答弁によりまして、追加予算等の場合もあり得るということは言つておりますが、従来の事例から見まして、ややもすれば予算上の制約に藉口して、削減払いあるいは補償の繰延べ等、被害農民に非常な迷惑を及ぼしておる事実等もございますので、これらの点について迅速的確なる措置を講ずることを適当と認めまして、ここに取上げた次第でございます。
それでは修正事項の第三項を朗読いたします。
(三) 第一条第一項第三号の政令事項は、其の委任の範囲は余りにも広きに過ぎるものである。仍つて少くも調達庁長官が委員会席上発表した項目を中心とし、少くも左記のものについては、これを法文中に列挙するよう追加修正すること。
1 海面(河川、湖沼及び海浜を含む)における艦船、船艇、飛行艇の使用及び水中における障害物の遺棄
2 堤防、林道、水源、用水施設、排水施設、防災施設「タメイケ」又は魚付林の除去、損壊、新設、変更又は利用阻害
3 水量の変更又は水質を汚濁する薬品、石油類の使用
4 火薬類並びに爆発性を有する危険物の保管及び使用
5 進入表面、転移表面の附近に存する建築物に近接した航空機の発着
6 学術研究を阻害する航空機、戦車等重車輛の操縦及び射撃、砲撃
7 自動車道の使用
以上であります。この三項につきましては、御存じのようにあの法案はきわめて簡単な法案でありまして、その重要な部分はすべて政令に委任をされております。しかも今読み上げましたごとく、その内容は明らかなものであり、当然これらは政令に委任することなくして、本法に明確に規定し、運用の全きを期することが妥当であると私どもは考えた次第でございます。
以上で大体案文並びにこれにつきまする説明を終りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/2
-
003・井出一太郎
○井出委員長 ただいまの申入れ事項に関して御意見があれば発言を許します。——御意見がなければ、これより採決いたします。
先ほどの足鹿君の御発議通り、水産委員会に意見を申し入れることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/3
-
004・井出一太郎
○井出委員長 御異議なしと認めます。なお字句等の整理については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/4
-
005・井出一太郎
○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
暫時休憩いたします。
午前十一時三十九分休憩
————◇—————
午後三時十四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/5
-
006・井出一太郎
○井出委員長 午前に引続き会議を開きます。
昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案、農林金融公庫法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、質疑を継続いたします。質疑の通告があります。通告順にこれを許します。日野吉夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/6
-
007・日野吉夫
○日野委員 ただいま提出されておりますこの法律の内容を見ますと、凍霜害に対する融資であるということで、内容は「償還期限二年以内及び利率年六分五厘以内の条件で昭和二十八年九月三十日までに貸し付けるものをいう。こういうふうに規定してありますが、同じ農林省の管轄で、昨年の十二月二十九日に国会を通り、そして現実に融資をしておるところの、オホーツク海暴風浪及びカムチャツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法、こういうのが出ておるのでありますが、この法律によりますと、償還期限が五箇年、利率は規定してありませんが、損失補償を契約した金融機関から融資されたものの利子の五分を補給する。それから損失の補償は政府が三割、府県がもし百分の三十を下らない額を補償した場合は、政府がさらに二割を補給する、そういたしますと、損失補償が八割になつておるのでありますが、この法律との均衡上はなはだしい懸隔があると思う。同一省内で扱う災害の融資に、一方にはそういう条件のいいもの、一方にはこういう低い苛酷な条件でもつて融資しておる。この二つのものが並立していて、もしこれが農民諸君から今度の災害に対して——過般のいろいろの大会やそうしたもので各党の代表等も呼ばれて、そこに賛意を表しておるのでありますが、そういうことでもつと高度の要求が来た場合、農林省としてこれでいいのか、これにまだ若干考慮を加える余地があるのかどうか、その点をまず伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/7
-
008・小倉武一
○小倉政府委員 お尋ねのようにオホーツク海の暴風浪によります漁業災害の復旧資金につきましては五分の利子補給になつております。また償還期限も五年といつたようなことになつておりまして、今度の凍霜害の営農資金の融資とはそこに国の取扱い方が違うことになつておるのであります。この理由といたしまして考えますることは、オホーツク海の場合は施設ということになつておりまして、共同施設だけではありませんけれども、とにかく漁業者の漁船なり漁具なりその他重要な生産手段でありますところの施設に対する復旧の融資でございます。このたびの営農資金は文字通り生産手段である、施設に対する資金の供給ではございませんで営農の資金でございます。従いましてそこに利率なり償還期限についての違いが出て来て参つておるのであります。さような事情でございまして、表面利率、年限が違つて参つておりまするけれども、実情から申しますと、さような違いがある方が妥当ではないかと思うのであります。
なお年五分の補給でございまするが、営農資金の場合も、これは国と県——地方自治体を合せまして五分の補給に相なるわけであります。従いましてお尋ねの趣旨はおそらく国が全部補給したらどうかということに相なるかと思うのでございますが、その点について考えてみますと、漁業の場合はこれは農業の場合と比較しまして、同じ県、同じ村をとりましても、どうしても一部分に偏するおそれがございまして、小さな地方団体に負担させるということについては無理がありはしないか。ところが農業の場合におきましては、多くの場合、特に今回の凍霜害のような場合におきましては、大きな村においてはほとんど全村に近いような損害でありまして、村当局といたしましては非常にそこに大きな関心があつて、災害農家をまま子扱いにするようなことがないようにと願うわけであります。また地方団体としても、若干の助成をするということがよろしかろう、かように考えまして、かようなことにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/8
-
009・日野吉夫
○日野委員 ただいま漁業災害と農業災害は違う、漁業災害はその多くは施設に関する災害であると言われておりますけれども、昨年私は水産関係をやつておつて、現場をつまびらかに視察し、この現実をよく知つておるのでありますが、この大部分は若干の施設費に含むけれども、農産物と何らのかわりのない、のりあるいはかき等の養殖によるものに当てられておるのであつて、現実にそれが融資されておる。それは農業災害とほとんど性質が同一のものとわれわれは考えるのであるが、今の答弁で漁業災害はほとんど施設の破壊に対する復旧のように考えられておりますけれども、施設と栽培物とそういうものの内容をもつと詳しくおわかりですか。何かそういう区分でも御存じでしたらお話願います。ぼくの知つている範囲では、相当の農業災害と同一の性質のものが多いと考えておるのであつて、多少の違いはもちろんあろうけれども、この法律の内容からするとはなはだしく相違する。たとえば五箇年と二箇年、利子の補給にいたしましてもそういう点の相違があるということ。もう一つは、今県あるいは町村等に負担を負わせることが適当である、こういうようなお考えのようでありますが、現実は府県あるいは市町村は決して財政的に裕福じやない。従つてこれらの負担を欣然負担するという態度はとつておらない。もし府県あるいは町村が喜んでこの融資をやるという態度でなかつたならば、本法に盛つてあるような厳重なこの条件のもとでは事実上融資ができないのじやないか、われわれはそう考えおります。過般のオホーツク海の場合は、御承知のように各党が超党派でやつた。それでこの法案が衆議院の本会議を通りますと、各県はこれを見越しましてただちに漁信連等に府県の金を預託して罹災漁民を救済したということによつて、非常にすみやかに漁民の手に金が渡つた。そうしてあと融資によつて借りられたときこれを返済してもらつた。こういうことになりますので府県、市町村等においても非常に喜んで迅速にやることになります。災害対策というのは過般もいろいろ問題になりましたが、御承知のように共済の給付のようなものも非常に遅れまして、その復旧の間に合わないという場合が非常に多いので、私たちの考えからするならば、府県あるいは市町村の貧弱なものにあまり経済的な負担を負わせるような法律をつくられることは、対策としてはきわめて不適当ではないかと考えるものでございますが、これに対して農林当局の見解をもう一度承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/9
-
010・小倉武一
○小倉政府委員 漁業災害についてのお尋ねでございますが、もちろん漁業災害においても施設ばかりではなくして、農業で申しますれば農産物に相当するような災害があることはもちろんお説の通りであると存じます。私の申し上げたのは、オホーツク海の漁業資金に関する特別措置法で融資の対象になつておるのは施設ということになつておるということを申し上げたのであります。もちろん実情といたしましては、施設ということで融資をしたものが漁業を営むための資金に相当するようなものに日常使われていやしないかということでありますれば、あるいはそういうこともあるかもしれないと思いますけれども、法律制度の建前としては、あくまでも施設に融資をすることになつておりますので、今回のこの資金は、あくまで施設でなくて経営資金というふうになつておる点が違うということを申し上げたのであります。なお町村あるいは府県に対する負担の問題でございますが、これは御承知の通り、できるだけそういう負担が少い方が望ましいことは申すまでないことであります。ただこの農業災害につきましては、各般の災害がございます。農地に対する災害あるいは作物に対する災害もあります。あるいは共同施設に対する災害もいろいろありますが、基本的な施設であればあるほど国ができるだけ多くの助成をするということは当然やるべきことだと思います。農作物につきましては、これは短期間の資金でございますし、またこの回収ということも、平年作が続くならば容易にできるということでございますので、地方自治体ないし府県の財政から見ましても、そこに若干の助成をするということが認められはしないかというのがこの提出法案の趣旨としているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/10
-
011・日野吉夫
○日野委員 これは見解の相違と申しましようか、われわれはあまり負担を負わせない方式をとりたいと思うのであります。これはいろいろ意見のわかれるところでありましてやむを得ないといたしましても、ここの利子の規定ですが、六分五厘以内の条件で融資した場合にこれが適用されるのであります。そういうことになりますと、農林中金以外に利用し得る金融機関は現実にはないということになりますが、そう解釈してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/11
-
012・小倉武一
○小倉政府委員 この資金を貸し出す先の融資機関の問題でございますが、これはこの法律にもございますように、農林中央金庫のほかに他の金融機関も考えております。それは地方銀行であります。地方銀行というようなものも府県との関係におきまして、一般的にはあるいはむずかしかろうと思いまするが、地方銀行が中金等にかわりまして融資をするということも考えられると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/12
-
013・日野吉夫
○日野委員 前のオホーツク海の方の法律で行きますと、金融機関には制限を加えないので、金融機関は、政府と契約を結んだ機関であればどれでもいいということになつて、その点は非常にゆるく出ているのですが、こういうふうに制限をしますと、これは農林中金だけに押えられて、農林中金と何らかの取引があつて、農林中金を利用できないものは、現実にこの法律の適用を受け得ないことになりますが、これらの点の何かの救済を考えておられるでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/13
-
014・小倉武一
○小倉政府委員 これはもちろんお尋ねのような場合があろうかと思います。農業協同組合だけに限定したものでは、資金の融通の円滑を欠きはしないかというおそれがあろうかと思いますので、この法律は協同組合に限らずに、他の金融機関、たとえば地方銀行ということも予定をいたしておるのであります。従いまして都道府県が地方銀行と契約をいたしまして一応金融をするということがありまする場合に、政府はそれに対してやはり二分の一の助成をするという措置を講ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/14
-
015・日野吉夫
○日野委員 これは凍霜害対策委員会等で一応意見の一致を見て、融資をしなければならないということにきまつて立法されたものと思うのでありますが、私たちの方でもこれにつきましては、オホーツク海の例をとり、やや改正いたしまして、もつと知能的な一つの案を用意しておるのでありますが、非常にきゆうくつな、むしろ不合理な点さえもあるのでありまして、これは、今つくられております凍霜害対策委員会と各党超党派的な会合からの要求等と照し合せまして、もし救済できるものがあれば、これに対して若干その修正等をする用意がおありでしようか。同時に、この法律が通れば、今まだ熾烈に要求されております風水害の対策等もまた講ぜられなければなりませんけれども、これと同様の風水害に対する融資の法律も次におつくりになるお考えでしようか、どうでしようか、それをちよつと伺つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/15
-
016・篠田弘作
○篠田政府委員 ただいまのお尋ねでありますが、予算の関係がありまして、こちらから修正をするというような考えはありません。但し国会のことでありますから、多数をもつて修正された場合には、これはやむを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/16
-
017・日野吉夫
○日野委員 次に風水害の対策も同様の趣旨のものをおつくりになるお考えかどうか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/17
-
018・篠田弘作
○篠田政府委員 風水書も目下同様の考え方を持つてやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/18
-
019・日野吉夫
○日野委員 予算の関係があると言われるのですが、予算の操作がつけばよろしいわけですね。これは融資法ですから予算はきわめて少い。利子補給で済むものと考えられるのでありまして、予算の操作ができればよろしいと承つてよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/19
-
020・篠田弘作
○篠田政府委員 もちろん利子補給の予算というものが拡大された場合においては、さしつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/20
-
021・吉川久衛
○吉川(久)委員 私は本法律案について簡単に数点お尋ねをしておきたいと思います。第一は、償還期限を二箇年といたしてございますが、私は果樹と開拓についてはこの期間は適当でないと思います。果樹の場合は一本年すでに春施肥済みでありまして、そこへ果実がみなだめになつてしまつた。従つてその肥効が葉や茎に及びますと徒長枝のみ伸びて、結果枝ができません。そのために翌年度も非常な減収になるということが予測できるわけであります。それを二箇年間の期間で償還させることは私は不可能ではないかと思うので、果樹については二箇年の年限は適当でない。開拓の場合も、あの非常に悪条件の中でやつております開拓については、これまた私は二箇年間というような短期の償還期限では、不可能をしいるようなものではないかと思う。なるほどそのまぎわまで行つてできない場合には、そのときにまた措置をとるというような考え方もあろうと思いますけれども、しかしあらかじめ予測できるようなこういう問題について、法律を制定するにあたつて、さような不見識な扱いをしたくないという考え方から、私は果樹と開拓に対しては、少くとも三年以上の償還期限を考えなければいけない、こういうように思いますが、政府はどういうようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/21
-
022・篠田弘作
○篠田政府委員 償還年限の二箇年が短か過ぎる、開拓あるいは果樹の問題についてもう少し延ばしたらどうかという御意見、これはわれわれもごもつともと思いますが、大体二箇年という年限をきめますときに、農家の現金収入というものを見合せまして、この状態であれば二箇年で大体償還し得るのじやないかということで、二箇年という年限をきめたのであります。そういう意味できめたのでありますが、ただいまおつしやつた通り、二箇年たつても返せないという場合には、さらに延長ということは考えられると思います。ただしかし、ある程度の基礎のもとに出した二箇年という数字でありますから、二箇年で返せないのじやないかという見込みあるいは仮定のもとに、さらにここで延長ずるというふうには考えておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/22
-
023・吉川久衛
○吉川(久)委員 政府当局は私は非常に不見識だと思うのです。そのときになつて適当な措置をとるというようなことは、予見できない問題については私はやむを得ないと思いますが、今日予見ができるようなこういう具体的な問題に対して、二箇年という期限は私は非常に適当でないと思うのです。むしろただいまこれを修正しておくべきであると考える。しかもその二箇年というのが机の上の作業であつて、現実をよく御存じない方の立案であると思うのです、なぜかと申しますと、次に伺う点に関連を持つのでございますが、提案理由の説明に、樹勢の回復のために肥料代金云々とございます。桑やお茶の場合には樹勢の回復ということで速効肥料の代金をめんどうを見てやるということが必要でしよう。しかしながら果樹の場合には、この上速効肥料をやつて樹勢回復をやつたならば徒長枝をますますはびこらせることになつて、そうして来年度の結果枝ができないことになるので、来年度の減産をますます助長するようなそういう考え方はおそらくなつていないのです。そういう考え方の上に立つて二箇年というような償還期限をつくつたということは、机の上の現実を離れた空論なんです。こういう考え方でおやりになるから、二箇年という妥当ならざる期限を付するので、これは修正しなければなりません。そこで果樹の場合は樹勢回復に肥料のめんどうを見てやるというのではなくて、むしろ緑肥の種子などのせわをして、そうして春やつたところのあの肥料を緑肥等によつて吸いとらせておいて、来春になつてこの刈りとつておいた緑肥をあらためて来春施肥するという措置をとらなければ、私は適当でないのではないかと思う。こういう現実をお考えなさつて、これはすみやかにかえなければならないと思いますが、果樹園に対するところの緑肥種子等に対してはどういうようなお考え方を持つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/23
-
024・松岡俊三
○松岡(俊)委員 今果樹及び開拓のことが問題になつておりますが、政府はこの開拓のことについては、提出すべき予定法案の中に開拓者に関する金融関係の措置を考慮しているようでありますが、これはどんなふうになつているか。これと関連して考えらるべきものかどうか。今その予定になつているものはどういう進捗の程度にあるか。これを伺つて行つた方がただいまの御質問に対する適正な答弁にもなろうかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/24
-
025・篠田弘作
○篠田政府委員 ただいまの緑肥の資金といいますかそれはこの中に含まれているのです。この中からそれに向けることができるというふうになつております。それから開拓者資金の問題でありますが、昭和二十八年度の予算が、三分六厘五毛のものが十六億円あります。そのうち農家あるいは家畜に向けるいわゆる現金給与というものが六億ばかりありまして、十億だけが現金で開拓者の資金に向けられるようになつているわけであります。ところがこれは昭和二十六、七、八年度に三年間に入植した人々に向けられることになつておりますので、それ以前に入つた人にはこれは適用されないことになつているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/25
-
026・吉川久衛
○吉川(久)委員 そうすると果樹に対する樹勢回復の肥料とはどういうものを意味するのか、それが一点。それから次にこの融資のわくを府県ごとに定めるのかどうであるか。それから農林中金あたりは、その他の金融機関はなおさらでございますが、開拓者に対しては融資をしたがらないのです。開拓者に対しては非常に危険視して、まま子扱いにして貸したがらない。そういう機関にたよつていたのでは開拓者の回復は容易でないと思う。そこで政府はもう少しあたたかい配慮があつてしかるべきだと思う。そのあたたかい配慮とはどんなことかと申しますと、開拓者に対するところの資金のわくを別に考えるか。この二十億の中からどれだけといつて資金のわくを別に設けるのか。あるいはまた中金やその他の機関にたよらないで、開拓連合会を通じて流して行くというようなことをお考えになつておいでになるのかどうか。なつていなければそれはやらなければならないと思うのでございますが、おやりになる御意見があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/26
-
027・小倉武一
○小倉政府委員 府県別のわくの問題でございますが、これは特に融資でもございますので農林省から一方的にわくをつくるということはいたしたくないつもりであります。特に桑、茶あるいは果樹、こういつた作物別にやるということになりますとよけい実情に沿わない憂いがございますので、そういう作物別のわくということはただいまのところ考えておらないのでございます。それから開拓者に対する本資金融通の問題でございますが、これはたとえば農林省におきまして二十億の一部分を県別に開拓者のわくということにきめましても、必ずしも中央において的確に開拓者に行くというふうには期待しがたいのでございますので、農林中金から開拓者の連盟といつたような開拓者の団体に流すという方法がとれはしないかということを今考慮中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/27
-
028・吉川久衛
○吉川(久)委員 最初にお尋ねした果樹の場合の樹勢回復の肥料というのはどういう意味のものなのか、それに対するお答えがない。それから二十億の中で開拓関係のわくをつくれないものなのかどうであるか。これをもう一ぺん……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/28
-
029・小倉武一
○小倉政府委員 お尋ねの果樹の肥料代のことでございますが、これは公庫の業務としての特例の点に関連する御質問だと思うのでありますが、「その他政令で定める農作物」というのはお話の果樹に当つておりまして、この果樹につきまして、お話のようないろいろな窒素質肥料を加えるということは、かえつてむしろ歩出があるというようなこともございましよう。ただたとえば石灰窒素といつたような肥料が果樹について特別の効用がある、こういつた場合を実は予想いたしておりまして、例外的と申しますと語弊がございますが、そういう百趣旨で入れておるわけでございます。
それから開拓者の資金につきましてわくをつくるということも、これは十分考えなくちやならぬ問題でございますが、実際問題といたしますると、拓地は麦が多いというふうに思うのでございますけれども、今回の二十億のわくの中での積算の基礎を見ますと、麦は比較的少いことになつておるのでございます。そこからだけ出すということもいかがかと存じまするし、それからまた開拓者の資金が県別に一体どのくらいいるかという的確な資料が県から参つておらない実情でございます。そこで農林省でもつて無理にそのわくをつくりましても、かえつて実情に沿わないといううらみもございますが、県別にそういう的確なわくができるような数字がございますれば、もちろんある程度わくをつくるということを考慮してよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/29
-
030・吉川久衛
○吉川(久)委員 最後に開拓者に対する利子補給の問題であります。これは普通の農民と同じような考え方でできておるのでありますが、開拓者に対しては、あの開拓者資金融通法によるような三分六厘三毛ですか、ああいつたいうな特別の考慮をすべきだと思うのです。一割一分五厘の中で、県が二分五厘持ち、それからその余は国が持つ。そうすると合せて幾らになりますか、開拓者に対しては三分六厘五毛になるようなそういう利子補給、開拓者に対してはそういう特別の取扱いをすべきだと思いますが、なぜ一般の場合と同じような取扱いをなさつたのか、そういう問題をお考えにならなかつたのかどうなのか、その辺のいきさつを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/30
-
031・篠田弘作
○篠田政府委員 三分六厘五毛というのは、この法律がでさたときの国債の利子に当てはまるのでありまして、これは特別な関係であります。今日の国債の利子は五分五厘であります。そういう関係で三分六厘五毛という利子は特殊な利子ということになつております。そこで今度のような場合には、結局一般的な面におきましては、——開拓者はそういう利子によつて資金の融通を受けることができるのでありますが、これは特殊なものでありますから、今回のような一般的な災害につきましては、一般の利子によつてやる、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/31
-
032・吉川久衛
○吉川(久)委員 開拓者は、その開拓者の特別の融資の法律ができる当時も特別扱いをしなければならないということで、そういう低利の措置を講じてあるのです。だから今回の場合もほとんど一本立ちができないような不安定な状態にある開拓者に対しては、やはり特別の考え方を持つのが私は妥当だと思うのです。それを一般の場合と同じような取扱いをしていたら、今までつぎ込んだところの国の資金も、これは元も子もなくなつてしまうような事態が起ることを私は恐れるのです。そういう大きな国の経済的な立場から考えても、この際開拓者に特別な取扱いをするということが考えられなければならないと思うのですが、その点はどうなんでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/32
-
033・篠田弘作
○篠田政府委員 お話の通り、御指摘の点はわれわれもよくわかりますし、またわれわれもぜひそういうふうにしたいという気持はありますけれども、これは入植後三年間ということに限つて三分六厘五毛の利子の金を融通することになつておるわけであります。三年以後については開拓者といえども三分六厘五毛の利子は使えない。そういう段階がありますから、今回のような場合につきましては、そういうふうにしてあげたいという気持はありますけれども、大体三年間たてば、一般の農民と同じ待遇をしていいんじやないか。そういう建前で三年たてば開拓者といえども今いつたような利子が使えないことになつておる。そこで今度のような場合におきましても、そういう考え方で一般と同様に扱つたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/33
-
034・吉川久衛
○吉川(久)委員 普通の農家は何百年かかつて今日の一人前の農家になつておるのですか。開拓者は三年で一人前の農家になれるというような、そういう冷たい考え方ではとても救われないですよ。あなたは開拓地のことをよく御存じのはずです。だからもう少し開拓者についてあたたかい思いやりを、今後施策の上に現わしてもらいたい、これを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/34
-
035・古屋貞雄
○古屋(貞)委員 今御答弁になつた三年という規定はないはずなんです。それから資材に制限されておるのだから、もう買い入れる品物、いわゆる資材等きちんと制限されておるし、三年の規定ということはないはずなんです。これは運営に弾力性を持たせて、広義に解釈して運営するかしないかでぼくはできると思う。その点どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/35
-
036・篠田弘作
○篠田政府委員 規定はなるほどないのでありますけれども、予算の建前が三年間ということになつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/36
-
037・古屋貞雄
○古屋(貞)委員 私は予算の建前はそうなつていないと思うのです。つまり今のような特別の援助の意味で、その意味はよくわかりますが、三年というように切つて厳格に解釈をするというのなら規定がなければならぬ。そういう規定はないはずなんです。規定があるかどうか、その点の弾力性が持つてるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/37
-
038・篠田弘作
○篠田政府委員 大蔵省との話合いが三年ということになつておりまして、自作農資金なども実は公債の利子と同じように、五分五厘に改められたという関係がありまして、この問題も実はこのわくを拡大するというよりも、むしろ五分五厘に改めようという考えの方が強いのです。但し前からこういうふうにやつておりますから、入植三年間はこういうふうにするということになつておるので、現在の利子の一般原則から申しますと、そういう利子というものはどこにもないわけでありますから、現在の利子の五分五厘に改めようという意向が非常に強いのであります。従つてこの問題はあまりこれがやかましくなるというと、そういう特殊な利子というものはどこにもない。一般利子の原則に当てはめて、最低の利子をやるという問題がかえつて起つて来るというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/38
-
039・古屋貞雄
○古屋(貞)委員 今の、特別の安い利息で金を貸すということは、金の使途について規定上制限があるはずです。規定に制限がありますから、今回の場合には適用されないと思うのです。それが一つと、私は、今御答弁になつたようなことは、開拓民に対しては全然できないと思うのです。ですから、別に開拓農民の被害については、政府がお考えになつて、別に予算をとつてやる方針があるかどうか、そういうほかに道はないと私は思うのです。いかに御答弁をされても……。この開拓者資金融通法によりますと、今御答弁になつたようなことはできないと思うのです。だから別に前会に政務次官から御答弁があつたように、特に開拓農民の被害者については援助する気持があるというならば、別に新たなる予算措置とお考えの処置をしなければほかの被害者と全然同じような補助政策よりできないと思うのです。それができないかということと、できないとすれば、別に方法をお講じになつていただけるかどうか、この二つの御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/39
-
040・篠田弘作
○篠田政府委員 使途に制限があるということは、もちろん営農資金として使う制限はあるわけであります。それから開拓者のために、このわく以外のものをつくる用意があるかという御質問でありますけれども、現在のところそういう用意はないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/40
-
041・古屋貞雄
○古屋(貞)委員 そうしますと、結局開拓者農民の今回のような凍霜害については、普通の取扱い以外に政府ではお考えにならぬ、こう承つてよろしゆうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/41
-
042・篠田弘作
○篠田政府委員 今のところその通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/42
-
043・稲富稜人
○稲富委員 関連ですが、先刻吉川委員の質問に対しまして、ちよつと農林次官に聞きたいのです。期限二箇年間の問題でございますが、もしも二箇年間で返済のできない場合には適当なる処置をとるという御説明があつたのでありますが、適当なる処置とは、どういう具体的な方針をおとりになる含みがあるか、政府の御方針を承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/43
-
044・篠田弘作
○篠田政府委員 適当な処置という意味は、そのときになつて延ばすという意味であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/44
-
045・稲富稜人
○稲富委員 それでは政府としても、二箇年間は無理だ、延ばさなければならないような場合があるだろうということは、予期しておられるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/45
-
046・篠田弘作
○篠田政府委員 全部二箇年間では行けないというふうには考えておらないのでございます。いわゆる農家の現金収入の度合いと見合いまして、現在のところ大部分の人は二箇年間でいいというふうに考えているわけであります。しかしながらもちろんその中には二箇年間で返せない人も出るということは、当然予想できることであります。従つてそういう人に対しては、そのときにおいて考慮するという意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/46
-
047・稲富稜人
○稲富委員 われわれの考え方は、二箇年間では無理があると思うのです。適当な処置をとられるというならば、おそらく適当な処置をとる分が多くなつて来るのではないか。こういうようなことを法律化する場合に、適当な処置をとるというような含みがあつて法律化するということは、立法の精神に反すると思う。当然適当な処置をとらなければできないような分があるならば、二箇年間を延長して立法化して行く、こういうことが妥当と思うのですが、これに対してどうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/47
-
048・篠田弘作
○篠田政府委員 ちよつと済みませんが、今参議院の方で法案を上程しているんですが、すぐ来ますから……。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/48
-
049・井出一太郎
○井出委員長 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案につきましては、御質疑はありませんか。——別に御質疑がなければ、この際暫時休憩いたしまして、懇談を行うことにいたします。
午後四時五分休憩
————◇—————
午後四時三十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/49
-
050・井出一太郎
○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
本日は都合によりましてこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
午後四時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01019530626/50
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。