1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月三日(金曜日)
午後零時二十八分開議
出席委員
委員長 井出一太郎君
理事 足立 篤郎君 理事 平野 三郎君
理事 金子與重郎君 理事 足鹿 覺君
理事 佐竹 新市君 理事 安藤 覺君
小枝 一雄君 佐々木盛雄君
佐藤善一郎君 佐藤洋之助君
福田 喜東君 松岡 俊三君
松野 頼三君 松山 義雄君
加藤 高藏君 吉川 久衛君
井谷 正吉君 芳賀 貢君
山本 幸一君 川俣 清音君
日野 吉夫君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局長) 河野 一之君
農林政務次官 篠田 弘作君
農林事務官
(農林経済局
長) 小倉 武一君
委員外の出席者
専 門 員 難波 理平君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 藤井 信君
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七月三日
委員木村文男君及び伊藤卯四郎君辞任につき、
その補欠として福田喜東君及び佐竹新市君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
佐竹新市君が理事に補欠当選した。
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七月二日
農業災害対策確立に関する請願(山口丈太郎君
紹介)(第二二九三号)
農業政策に関する請願(佐藤善一郎君外十一名
紹介)(第二三六二号)
川内市地内農作物水害対策確立に関する請願外
一件(池田清志君紹介)(第二三六三号)
飼料需給調整に関する請願(大石ヨシエ君紹
介)(第二三六五号)
小松島市に農林省神戸植物防疫所支所設置等に
関する請願外二件(小笠公韶君外一名紹介)(
第二三六六号)
東鷹栖村地内国有林野払下げに関する請願(武
田信之助君紹介)(第二三六七号)
柳原用水土地改良事業施行の請願(栗田英男君
紹介)(第二三六八号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
理事の互選
昭和二十八年の凍霜害に伴う営農資金の融通に
関する特別措置法案(平野力三君外四十五名提
出、衆法第一〇号)の撤回許可に関する件
昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被
害農家に対する資金の融通に関する特別措置法
案(内閣提出第八七号)
農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(
内閣提出第八八号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/0
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001・井出一太郎
○井出委員長 これより会議を開きます。
まず理事の補欠選任についてお諮りいたします。ただいま理事が一名欠員になつておりますが、この際その補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/1
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002・井出一太郎
○井出委員長 御異議なしと認め、佐竹新市君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/2
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003・井出一太郎
○井出委員長 お諮りいたします。平野力三君外四十五名提出、昭和二十八年の凍霜害に伴う営農資金の融通に関する特別措置法案は、提出者全員より撤回の申出がありました。本案はすでに本委員会の議題となつておりますので、本案の撤回には衆議院規則第三十六条によりまして委員会の許可が必要であります。つきましては本案の撤回を許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/3
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004・井出一太郎
○井出委員長 御異議なしと認めます。よつて、撤回を許可するに決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/4
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005・井出一太郎
○井出委員長 次に内閣提出、昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案及び内閣提出、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/5
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006・日野吉夫
○日野委員 平野力三君外四十五名提出の、昭和二十八年の凍霜害に伴う営農資金の融通に関する特別措置法案を撤回いたしまして、各党の共同修正案を提出をいたします。すなわち、
昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案に対する修正案
昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案の一部を次のように修正する。
第二条第二項中「償還期限二年以内」を「償還期限二年(政令で定める場合は三年)以内に改める。
第四条第二項中「貸付金の総額につき年二分五厘」を「貸付金の総額につき年二分五厘(政令で定める場合は年三分)」に、「貸付金の総額の百分の十五」を「貸付金の総額の百分の二十」に改める。
以上の各党共同の修正案を提出いたします。何とぞ御賛成を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/6
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007・井出一太郎
○井出委員長 ただいま日野吉夫君から各派共同提案のもとに出されました修正案並びに政府原案について御質疑があればこれを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/7
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008・足鹿覺
○足鹿委員 修正案については別に質疑はありません。しかし、ただいま議題となつておりまする二つの法案に対しましては、私どももあとでちよつと御相談を申し上げます附帯決議等においても意見を持つておるのでありますが、その前に附帯決議の取扱い方等につきまして、一応われわれの本法案に対する意見を申し上げる前に、政府の所信をこの際聞いておきたいことがありますので、お許しをいただきたいと思います。それは去る十五国会において、各党共同提案で農林漁業金融公庫法案を提出いたし、十二月二十日本委員会で満場一致可決し、本会議におきまして可決されております。しかしながら法案につきましては、附帯決議案が満場一致採択され、本委員会においてもその旨が報告をされておるのであります。すなわち、その附帯決議は、国務大臣は事業内容の健全信用農業協同組合連合会については、これは農林漁業金融公庫の受託機関となり得るよう、農林漁業金融公庫法第十九条第一項並びに農協法第十条第六項の規定に従い、必要の措置を講ずることとなつておるのであります。しかるにすでに半歳を過ぎた今日、この附帯決議の趣旨は何ら政府当局において適当な措置が講ぜられておりません。地方の実情は、政府もよく御存じでございましようが、この農林漁業金融公庫法に対する一般農漁民の期待は実に大なるものがありまして、またわずかな期間ではありますが、相当この成果は上りつつあるのであります。しかしながら少額の金融につきましては、この附帯決議の趣旨に基き、地方の信用農業協同組合連合会を受託機関として東京に陳情とかあるいは運動というようなことなくして、地方の信連の責任においてこれは処置すべきことが適当と認めて、本委員会において満場一致の附帯決議となつておるのであります。ところがこの信用農業協同組合連合会の健全なるという問題で若干その調査等において手間取つておるのと思いますが、この点が若干当局においても御検討の余地があつて遅れておると思いますが、すみやかにこの附帯決議の趣旨を生かして適当な措置を講ぜられる御意思があるかどうか、なおこの地方信連が受託した場合には、公庫法の示すところによつて、二〇%の損失補償がついておるのでありまして。もし地方信連が希望がしないならば、あえてそういうところには別にその適用をしなくてもよろしいのではないかと思います。ただ地方の信連が一斉にこれを要望しておるにもかかわらず、いまだこれが何ら具体的に実現しておらないということは、少し附帯決議というものに対して政府当局は軽視しておられるのではないか。今度の凍霜害の問題につきましても、われわれはあとで附帯決議を付したいと思つておりますが、その点についても、かくのごとく半年たつても何ら必要な措置が講ぜられないということであるならば、私どもはこの凍霜害の問題につきましても、態度を決することについては、さらに再考しなければならない場合もあり得る。従つて去年の十二月二十日の本委員会及び本会議が議決の附帯決議の第一項については、私が述べました今の農林漁業金融公庫法案の受託機関として地方信連の業務を代行せしめる必要な措置を、政府はいつどういうふうにしてやるかということを、この際はつきり承つて、満足な御答弁が得られるならば、私どもとしても本法案につきましても次に態度をきめたいと考えます。御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/8
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009・篠田弘作
○篠田政府委員 ただいま足鹿委員から言われました附帯決議が、前国会においてついておつたということは、よく了承しております。しかし、現在の信連の経営状態が、系統団体に対しまして非常にたくさんの固定化した貸金を抱えております。またそのために資金の疏通も欠いておるということでありまして、前国会においてこの附帯決議がありまして、その附帯決議を実行するためには、それに対する打開策あるいはまた法的措置も必要としておつたのであります。今回の国会にもこれに対する一つの打開策としまして、農林漁業組合連合会整備促進法案が出ておるのであります。ただいまおつしやいました通り、公庫の業務を受託することにつきましては、非常に多額の債務の保証というものがありますので、個々の信連の経営状態あるいは取扱いに対する業種というようなものをよく考慮いたしまして、ただいまおつしやつた附帯決議の趣旨を尊重し、十分にこれに実行して行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/9
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010・足鹿覺
○足鹿委員 趣旨を尊重して実行するということでありますが、問題は、健全なる信用農業協同組合連合会という言葉を少し問題にしておいでになるのではないかと思う。しかし農林省農協部は検査課という独立の機関をお持ちになつて、予算の上にも莫大な検査費用が計上されて、現地についてもしばしば出張して御検査になつており、不健全な信用農業協同組合があろうはずはない。農民の財産を保管する信用農業協同組合に、検査の結果不健全なものがあるとお考えになつておるのでありますか。もし若干疑義があるというようなものについては、これはまた当局の方で運営上御考慮になつてけつこうであろうと思いますが、原則としてはそれを希望する信連に対しては、よく御検討になつて、すみやかに業務の代行をお認めになるべきである。わずかな金額を、中央まで文書を携備して、申請してから三箇月も六箇月もたつようなことでは、実際公庫法の精神が死んでしまいます。ある程度の金については、地方信連の二割の損失補償がついておりますから、覚悟のほどはあろうと思う。にもかかわらず熾烈な要望があるのでありますから、すみやかに御善処されますかどうか。これは抽象的なことでなくして、すみやかに御善処になるということであれば、私も了承いたしますが、いま一度その点を御答弁願つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/10
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011・篠田弘作
○篠田政府委員 でき得る限りすみやかに善処いたす考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/11
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012・井出一太郎
○井出委員長 ただいまの修正案及び両案を一括して討論に付します。別に討論の要求もないようですから討論を省略して採決に入りたいと思いますか、その前に、附帯決議の提案がございまするので、発言を許します。芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/12
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013・芳賀貢
○芳賀委員 本法案の採決に先だつて、次のような附帯決議を提出したいと思います。
附帯決議
昭和三十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の成立後において、政府は本法の運営上左記事項につき万遺憾なき措置を講ずること。
記
一、助成の対象となる融資限度は二十億円となつているが、融資要望額がこれを超過する場合においては、これが増額につき措置すること。
二、地方自治体が将来負担すべき損失補償に関連して融資に円滑を欠く如き事態の発生を防ぐため、政府は今後、地方自治体の損失補償額に相当する特別平衡交付金増額の措置を講ずること。
簡単に説明を申し上げます。
本法案の内容におきまして、融資の限度を一応二十億としておりますけれども、本法案審議の過程におきまして、政府当局の答弁の中にも、二十億という限度は一応五月三日までの災害を基準として算定したものであつて、その後増大された被害の額、あるいはまたこの二十億のわく内においては麦の被害に対する融資はそれほど配慮しておらなかつたということが表明されておるわけであります。そういうことを考慮いたした場合においては、必ずしもこの二十億の限界の中において被害農家に対する融資が十分であるということはでき得ないような状態が間々生ずると思うのであります。そういう場合においては政府といたしまして、この二十億の限度を必要の限界において越えたは場合は、これと同じような取扱いをしなければならないといつことをこの決議の中でうたつておるわけであります。
第二点は、ただいま各党共同提案によつて出された修正案の内容は、損失補償の額を四割として、地方自治体においてその半額の二割を負担するということになつておるわけでありますが、最近における地方自治体の財政の状態を検討した場合に、自治体の自主性を保つ意味においても、危機的な状態が発生しておるのであります。こういうような地方自治体に対して二割の損失補填の義務を課すると、そのことが因をなして、当然救済しなければならない被害農家に対する融資の十分なる配慮を阻害するようなことが起らないとも限らないわけであります。こういう点に対して政府は積極的に十分なる考慮を加えて、地方自治体が融資に対する損失補償を行つて行く場合は、地方財政の確立の意味においてもこれと同等の、これに見合う特別平衡交付金等を支出することを政府に確約してもらいたいというのがこの決議を提出した趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/13
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014・井出一太郎
○井出委員長 ただいま芳賀君の提示されました附帯決議に対し、政府側の見解を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/14
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015・篠田弘作
○篠田政府委員 ただいまの芳賀委員からの附帯決議に対しまして、第一項の二十億で足りなくなつた場合の問題につきましては、もちろんその後いろいろ災害の模様もわかつておりますが、二十億で十分であるとは考えておりません。しかし御承知の通り、その後風水害あるいは北九州の水害といつたようなものがどんどん出ておりますので、こういう水害の対策とも見合せまして考慮しなければならないと考えております。
第二の平衡交付金の問題でありますが、これは将来地方自治体において赤字が出たという場合におきましては十分な考慮しなければならないと考えておりまま。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/15
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016・河野一之
○河野(一)政府委員 ただいま農林政務次官も言われました通り、私どもも考えているところでありまして、御決議の趣旨につきましては十分善処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/16
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017・井出一太郎
○井出委員長 それでは昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案について採決いたします。
まず本案に対する各派共同の修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/17
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018・井出一太郎
○井出委員長 起立総員。よつて本修正案は可決せられました。(拍手)
次にただいま修正と決しました部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/18
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019・井出一太郎
○井出委員長 起立総員。よつて本案は修正案のごとく修正すべきものと決しました。
次に農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/19
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020・井出一太郎
○井出委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
引続き先ほどの附帯決議について採決いたします。この防帯決議を附するに御共議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/20
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021・井出一太郎
○井出委員長 異議なしと認め、さよう決しました。
なお諮りいたします。ただいま議決いたしました両案に関する衆議院規則第八十六条の規定による報告書の作成につきましては、委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/21
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022・井出一太郎
○井出委員長 異議なしと認め、さよう決しました。
本日はこれにて散会いたします。次会の日程は公報をもつてお知らせいたします。
午後零時五十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604988X01419530703/22
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