1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十八年七月九日(木曜日)
議事日程 第十九号
午後一時開議
第一 地方鉄道軌道整備法案(關谷勝利君外三十九名提出)
第二 大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 国際小麦協定を修正更新する協定の受諾について承認を求めるの件
●本日の会議に付した事件
国立近代美術館評議員会評議員の任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件
日程第一 地方鉄道軌道整備法案(關谷勝利君外三十九名提出)
日程第二 大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 国際小麦協定を修正更新する協定の受諾について承認を求めるの件
土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出)
午後一時四十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/0
-
001・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/1
-
002・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) お諮りいたします。内閣から、国立近代美術館評議員会評議員に衆議院議員竹尾弌君を任命するため議決を得たいとの申出がありました。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/2
-
003・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/3
-
004・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 日程第一、地方鉄道軌道整備法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長關内正一君。
〔關内正一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/4
-
005・關内正一
○關内正一君 ただいま議題となりました地方鉄道軌道整備法案につき、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本法案は、地方鉄道軌道の建設及び改良の促進並びに公益性の発揮をはかることにより、産業の発達及び民生の安定に寄与することを目的とするものでありまして、その骨子は次の通りであります。
まず助成措置といたしましては、第一に、運輸大臣の認定または承認する資源の開発、産業の振興上特に必要な新線、または運輸の確保等の必要から大規模な改良を行う地方鉄道軌道に対しては、十年を限り営業用固定資産の額の六分の範囲で国庫補助を行い、また国民生活上不可欠な地方鉄道軌道であつて営業の維持が困難なものに対しては、欠損額以内を国庫において補填することといたしております。第二に、地方鉄道軌道業者が運輸大臣の指示する設備の改良に要する資金の借入れを行うときは、その利子の一部を補給することにいたしました。第三に、助成の対象となりました地方鉄道軌道に対しては、固定資産税及び事業税の減免を行い得る原則を定めております。
次に、日本国有鉄道の新線建設に伴う地方鉄道軌道に対する損失補償であります。すなわち、日本国有鉄道が地方鉄道軌道に接近または並行して新線を建設したため営業を廃止し、または収益を減少した場合、その損失を日本国有鉄道が補償することといたしております。
さて、本法案は、關谷勝利君外三十九名の提出にかかるものでありまして、大月二十六日、本委員会に付託され、翌二十七日、提出者代表關谷勝利君より提案理由の説明を聴取し、七月七日質疑を行いましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
かくて、昨八日質疑を打切り、討論に入り、日本社会党川島金次君より、その党を代表して、本法第三条の規定による認定または承認を行うにあたつては、政府は広く関係方面の意見を聴取する等、あくまでも公正かつ妥当を期すべきである旨の附帯決議を付して賛成の意を表されました。
右をもつて討論を終局し、採決の結果、全会一致をもつて本法案は原案の通り可決、次いで附帯決議について採決の結果、これまた全会一致をもつて可決、よつて本法案は附帯決議を付して可決すべきものと議決した次第であります。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/5
-
006・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/6
-
007・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通わ可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/7
-
008・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 日程第二、大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事上林與市郎君。
〔上林與市郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/8
-
009・上林與市郎
○上林與市郎君 ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、最近の実情にかんがみ、税関行政の整備拡充をはかるため、従来横浜税関に属していた東京及び羽田の二税関支署を東京税関として独立せしめるとともに、九州沿岸地域における密輸取締りの充実を期し、南方諸地域との貿易増加に対処するため長崎税関を復活、並びに税関職員に対する組織的な指導訓練を行うため、本省の附属機関として新たに税関研修所を設置するほか、主計局及び税関の事務に関する規定を整備しようとするものであります。
本案は、六月二十九日、本委員会に付託され、政府の説明を聞き、質疑を行い、七月八日、討論省略、採決の結果、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/9
-
010・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/10
-
011・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/11
-
012・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 日程第三、国際小麦協定を修正更新する協定の受諾について承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長上塚司君。
〔上塚司君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/12
-
013・上塚司
○上塚司君 ただいま議題となりました国際小麦協定を修正更新する協定の受諾について承認を求めるの件に関し、外務委員会における審議の経過及び結果について御報告申し上げます。
本件は、六月二十三日に本委員会に付託されましたので、六月二十七日、七月一日、四日及び八日にわたり審査を行いました。
本協定は、本年七月三十一日に効力を失いまする現行の一九四九年の国際小麦協定を修正更新するためのものでありまして、本年七月十五日までに参加署名国が受諾することによつて効力を生ずることになつております。この協定の目的は、公正かつ安定した価格で輸入国に小麦を供給し、輸出国に小麦市場を確保することであります。
今次協定における修正の要点は、現行協定が最高基準価格一ブツシエルにつき一ドル八十セント、最低基準価格が、初年度一ドル五十セントで、次年度より毎年度十セントずつ逓減し、かつ協定の有効期間が四箇年でありましたのに対し、今回の協定は、最高基準価格一ブツシエルにつき二ドル五セント、最低基準価格は一ドル五十五セントで、協定の有効期間を三箇年とすることとなつております。また、現行協定のわが国の買入れ保証数量は年間五十万トンであるのに対し、今回の買入れ保証数量は年間百万トンとなつているのであります。
本協定への加入により、わが国が受ける利益と見られる点は、毎年百五十万トン以上の小麦を輸入しなければならない現状から、この協定に参加して、今後三箇年間は毎年百万トンの小麦の輸入を保証されること、及び低廉な価格による小麦の輸入により、毎年数百万ドルの外貨の節約を期待できることであります。
本件の審査に関する委員会の議事の詳細については委員会議録に譲ります。
質疑応答を終つて、本協定案件を議題として討論に入り、改進党の並木委員よりは、内麦の生産及び価格を圧迫せず、麦の現在の管理方針を維持せられたいとの希望を付して賛成意見を述べられ、日本社会党の穗積委員よりは、外麦買付によつて国内小麦生産農家の経済を圧迫せず、小麦買付に際してはあとう限り低廉に買いつけること、従つて、わが国に不利な場合には本協定から脱退することが望ましく、また国内小麦生産農家を圧迫しないために、外麦の政府管理をゆるめず、売渡し価格、数量、時期等を勘案せられたい旨を希望して賛成の意見を述べられ、日本社会党の戸叶委員よりは、外麦の輸入による内麦の不当なる値下りを防止するとともに、農産物価格安定法のようなものを制定して、内麦生産者の生産意欲を減退させないようにとの希望を述べて賛成の意見を表明され、討論を終結、採決の結果、本委員会は全会一致をもつて本件を承認することに決定したのであります。
以上報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/13
-
014・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/14
-
015・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認するに決しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/15
-
016・今村忠助
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、土地収用法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/16
-
017・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/17
-
018・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
土地収用法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長久野忠治君。
〔久野忠治君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/18
-
019・久野忠治
○久野忠治君 ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
最初に本改正案の要旨を申し上げます。改正の第一点は、近時電源開発、治山治水等のためダムの建設事業が増加して参りましたが、これら事業の準備のために測量、調査を行うにあたりまして障害となる植物、かき、さく等を伐除し得るという規定は現行法にありますが、地質調査のための土地の試掘等、いわゆるボーリングをする場合の規定がありませんため、土地所有者の同意が得られない場合は、ダム工事は準備の段階におきまして行き詰まるという事態が起きますので、この点を解決いたしますため、事業施行者は知事の許可を受けてボーリングを行い得るよう規定を整備しようとするものであります。改正の第二点は、公共事業の施行に伴う用地の取得に関して、関係当事者の間に合意が成立しない場合に、土地収用の手続をとる以前におきましてこれが解決されるよう、あつせん委員によるあつせんという制度を設けようとするものであります。
建設委員会におきましては、七月三日政府より提案理由の説明を聞き、次いで七日、九日の両日にわたり質疑を行いました。その詳細は速記録に譲ることといたしますが、あつせん制度をつくることによつて公共事業が遅延するのではないか、公共事業推進の強化策を別途考慮すべきではないかという意見が述べられました。
かくて、本日質疑を終了し、討論を省略の上、採決いたしましたところ、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/19
-
020・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/20
-
021・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101605254X02019530709/21
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。