1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月二十四日(金曜日)
午前十時四十八分開会
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出席者は左の通り。
経済安定委員
委員長 早川 愼一君
理事
高橋 衛君
八木 幸吉君
委員
奥 むめお君
鮎川 義介君
通商産業委員
委員長 中川 以良君
理事
加藤 正人君
小松 正雄君
委員
石原幹市郎君
黒川 武雄君
小林 英三君
西川彌平治君
松平 勇雄君
岸 良一君
豊田 雅孝君
政府委員
公正取引委員会
委員 湯地謹爾郎君
公正取引委員会
事務局経済部長 坂根 哲夫君
経済審議庁調整
部長 岩武 照彦君
事務局側
常任委員会専門
員 桑野 仁君
常任委員会専門
員 内田源兵衞君
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した事件
○私的独占の禁止及び公正取引の確保
に関する法律の一部を改正する法律
案
(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/0
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001・早川愼一
○委員長(早川愼一君) それでは只今から経済安定、通商産業連合委員会を開会いたします。
議題となつておりまする私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、前回に引続き質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/1
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002・豊田雅孝
○豊田雅孝君 昨日御要求いたしました資料として頂くようになつておりましたものはできましたでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/2
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003・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 誠に申しにくいんでございますが、事務的には一応案ができておつたのでございますが、委員会にかける暇がなかつた関係上只今お出しすることができないのは甚だ遺憾でございますが、これは至急今日午後から委員会を開いて頂いてお出しいたしたいと思います。ただ最初申上げておきますのはこの不況カルテルの認定を受けるについては、公取としてはこの条文にあります点について相当厳格に解釈したいと、こういうことだけは御承知願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/3
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004・豊田雅孝
○豊田雅孝君 衆議院のほうの修正によりますと、認可機関としては今回公取のほうになるというような点もあるようでありますので、認定基準が今後は認可基準になるかも知れないのでありまして、それだけに今後影響するところは一段と重且つ大になつたと思うのであります。従つてそういう面から公取の認定基準というふうに要求いたしましたけれども、認可基準としてお考え直しになつたものをお出し願うということと、更に特に私関心を持つておりますのは、不当取引として大企業の下請けに対する未払い、支払い遅延の問題、更に百貨店の不当取引振り等に対しまして、公取が今後指導せられるというふうになろうと思うのでありまして、これらにつきましてあらゆる面からの施行細則といいまするか、そういうものの要項に当るようなものをお作り願つてお示しを願いたいと思います。改めてこの点希望をいたしておきます。
続いて伺いかたがた申述べておきたいと思いますのは、再販売価格維持契約の問題でありますが、これは結構だと思うのでありますが、その除外例として消費組合等を認めるということになつておるのでありますが、御承知のように消費組合などは員外販売をしない建前になつておりますけれども、この員外販売を取締るということは殆んど不可能なんでありまして、この点は何人も認めておるような状態であります。従つて消費組合等に再販売価格維持契約の除外扱いをいたしますると、殆ど私は意味がなくなると思うんでありましで、この点につきまして御意見は如何でありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/4
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005・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) この再販売価格維持契約についてここに十一の団体について除外例を設けておりますが、これは実は員外利用等の問題等もありまして、実はその除外例を設けるにつきまして、普通の事業会社の購買会等についてもこれは除外例を設けるべきじやないかという要望等が相当あつたんでございますが、どこで一線を画するかということになりまして、成るべく一般小売商等に影響を及ぼさないという見地で、法律の規定に基いてできた団体があり、而も法律において員外利用について規制をしているというものを一応取上げまして、そこでまあ線を引こうということで、これらの団体について除外例を設けたというのでありまして、中小企業等協同組合についてはその員外利用の点について法的規則が十分でありません関係上、特にこの但書においてその構成員の消費の用に供するものに限るというふうにいたしたわけであります。員外利用の問題につきましては通産省その他監督官庁につきまして、この法律の趣旨から見て成るべくそういう員外利用の問題については十分監督をして頂きたいということを申出ておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/5
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006・豊田雅孝
○豊田雅孝君 御承知だと思うのでありますが、英国あたりでは消費組合はやはり再販売価格維持契約のようなものについては同等の扱いにしまして、そしてその剰余金が出ましたような場合には組合員に対して歩戻しをするとか、或いは剰余金配当の形で還元して行くというような行き方をしまして、この販売価格それ自体においては一般業者と同じようにして行くということによつて業者の利害関係の対立を緩和しておるのです。こういう行き方を私はするのが本当じやないか。それでないと日本のように人口の非常に過剰なところにおきましては商工業者の職を消費組合とか購買会によつて奪つて行くというようなことになるのが、私は国全体の大きな施策から見て非常に問題だと思うのです。そういう点において私はこれはやはり除外扱いをしないで、そして消費組合なり購買会のメンバーに対しては内部で然るべく利益に均霑さして行くという行き方をすべきであると思うのですが、その点につきまして御意見はどうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/6
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007・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 実はこの再販売維持契約については衆議院の委員会でもいろいろ問題がありましたのでございまして、場合によつてはアメリカのように維持契約を結ばないものに対してまでも強制力を持つようにしたらどうかという意見さえあつたのでございますが、我々といたしましてはこの制度を切めて取入れるわけでございまして、アメリカのようにノンサイナークローズ等にすることは現在として行過ぎじやないかという意味で契約をしたものについて強制力を持つ、持たせようということにいたしたのでありまして、お話の消費組合等に対する問題につきましては、実は一応解散国会において提案いたしました際は除外例を認めないで原案を出したのでございますが、やはり衆議院等の審議の経過等に鑑みましてこの除外例を認めるということになつたのでございますが、この点についてはやはり両論ございまして、只今といたしましては一応議案のように御承認を願いまして施行の結果等から見ていろいろ弊害ありますれば、或いはこれを削除するというようなことを考えてもいいかと実は私は考えておるのでございますが、一応この改正案といたしましては先ほど申しましたような次第でこういう除外例を認めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/7
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008・豊田雅孝
○豊田雅孝君 これ以上重ねて申してもしようがないかと思いますのでこれ以上申しませんけれども、只今のお話のありましたごとく今後の施行状況を真剣に一つ監視願いまして、殊に員外取引をするということに対しましてはこれはやはり公正取引委員会としてその立場から特に監視せられるべきものだと思うのでありまして、それらの点を睨み合せまして施行状況が思わしくないというような場合におきましては、是非ともこの点については御再考を願いたいと思うのであります。この点を希望いたしておきます。それともう一つは、先般来いろいろ質問を重ねました結果今度の独禁法の緩和につきまして考えてみますると、御承知の輸出取引法が大きく改正せられ、内容がもう画期的に強化されますので輸出の面についても輸入の面についても、要するにこの対外貿易の関係においては、あの法律によつて十分にカルテルはやり得るし、場合によれば更にアウトサイダーまで抑えることもできるということになつておるわけでございまして、又一面国内関係においては濫立濫売の最も虞れのありまする多数業者のある関係、具体的に言いますると中小企業者の混つておりまするような業種業態については今川中小企業安定法というものができることによりまして、これはもう独禁法の緩和以上の実質を備えるということになると思うのであります、従つて今度の独禁法の緩和というものは国内関係のうちで特にこの大企業だけがあるものという面についてのことになると思うのでありますが、そう相成りますると、現状から見ますると、御承知のように鉄鋼関係にいたしましても、もう三社ぐらいしかないわけでございまして、この間で然るべくやつて行くならば或る程度の統制的なことは当然できる力を持つておるのであります。又紡績にしても十社ぐらいのことで済むのでありまして、独禁法の緩和的なことを、遠慮を多少すればもう当然やれることなんでありまして、それを強いて今回独禁法の緩和が消費者、或いは中小企業者、或いは労働者方面から強い反対があるにかかわらず、それをどうしてもやらなければならんということが私どもにはどうも理解ができんのでありまして、むしろそれを強いてやることが大企業のために長い目で見ると、ためにならないのではないかというふうに考えるわけでありまして、同時に又政府としてこれを強いて、強行することも、私は広い目で見た場合には却つて、思わしくないのじやないか。そういう一つの法律の行き方によつて、最も必要な面はそれぞれ賄われるということになつて来ておるのでありまして、そういう面において大企業の面においても又政府の面においても考え直されるほうが私はむしろいいのじやないかというふうに考えるのであります。その点から不況カルテルは濫用しないということでありますけれども、前途に私は非常に危惧の念を持つのでありましてこの不況カルテル特に価格カルテルの条項削除を私は要望いたすのでありますが、もはやこれは先般来論議を尽した上でありまするので、これ以上申すことは如何かと思いますからその点をはつきり申添えまして私の質問は打切りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/8
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009・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 通産委員のかたで御質問ございますか。それでは通産委員のかたがたの御質疑は大体ないようでございますから以後通産委員会のかたで御質疑のあります場合には経済安定委員会に御出席頂きまして委員外発言で御質問頂くことにいたしまして、本連合委員会はこれを以て終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/9
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010・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。それでは一応経済安定、通商産業連合委員会はこれを以て閉会いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614070X00419530724/10
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