1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月七日(火曜日)
午前十時三十八分開会
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委員の異動
六月二十六日委員愛知揆一君辞任し
た。
出席者は左の通り。
委員長 早川 愼一君
理事
高橋 衛君
八木 幸吉君
委員
岩沢 忠恭君
永井純一郎君
鮎川 義介君
衆議院議員
綱島 正興君
大橋 武夫君
政府委員
経済審議政務次
官 深水 六郎君
事務局側
常任委員会専門
員 桑野 仁君
常任委員会専門
員 内田源兵衛君
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本日の会議に付した事件
○離島振興法案(衆議院提出)
○国土調査法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○連合委員会開会の件
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001・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 只今から経済安定委員会を開会いたします。
経済審議庁長官の経済安定に関する説明があるはずになつておりましたが、御都合で若干時間が遅れますので、これをあと廻しにいたしまして、離島振興法案、これは衆議院議員綱島正興君外七十名発議になつております。七月二日に衆議院で修正議決されて、本委員会に付託になりました。今日はその提案理由の説明をお聞きすることにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/1
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002・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 只今議題になりました綱島正興外七十名の提案にかかる離島振興法案提案の理由を御説明申上げます。
祖国日本は、敗戦によつて国土の四五%を失ひ、僅かに本州、四国、九州、北海道と、これらを含む二千三百有余の島々に限定せらるるに至つたのであります。この狭隘なる領域の上に、而も八千有余万の厖大なる人口を擁して、我が国の政治的独立と経済的自立を達成するためには、貿易の振興を図ると共に、国土の津々浦々に至るまであまねく開発の方途を講ずることが、最も必要であることは申すまでもありません。
日本の本土より隔絶した外海の離島は、幾多の海陸資源を蔵しながらも、自然的、社会的諸条件の制約によつて、今なお未開発の部面が多く、而も島民は文明の恩沢に浴することが甚だ薄いのでありまして、その民度水準は極めて低く、経済的にも想像以上のみじめな状態のまま取残されたところが多いのであります。
かかる離島の開発のための基礎条件を速かに整備し、産業振興の施策を強力に推進して離島の後進性を除去すると共に、島民生活の向上を図り、国民経済、文化の発展に寄与せしめるために特別の措置を講ずることは、邦家の現状よりしてまさに喫緊の急務と言わねばなりません。このような見地から、社会的、経済的の事情と、一面は離島民の長い間の悲願に応えて、離島振興法案を提出した次第であります。
以下この法案の内容について御説明申上げます。
第一に、本法案は前述のごとく離島の後進性を除去するための基礎条件の改善並びに産業振興に関する対策を樹立し、これに基く事業を迅速且つ強力に実施することによつて、その経済力の培養、島民の生活の安定及び福祉の向上を図り、併せて国民経済の発展に寄与することを目的とするものであつて、内閣総理大臣が離島振興対策地域を指定し、関係都道府県知事は、その地域について振興計画を作成して内閣総理大臣に報告いたしますと、内閣総理大臣は、国土総合開発審議会の答申に基いて離島振興計画を決定し、閣議の決定を求めなければならないことになつております。
なほ離島振興計画は、離島振興対策地域に国土総合開発法に基く総合開発計画がある場合には、これと調和したものでなければならんようにいたしているのであります。振興計画の内容には、離島の海陸交通を確保するに必要な施設及び通信施設の整備、開発振興山の促進に必要なる漁港、林道、農地及び電力施設等の整備、風水害その他の災害を防除するために必要な国土保全施設の整備、住民の福祉向上のため必要なる教育、厚生及び文化に関する諸施設の整備が含まれているのであります。
第二に、都道府県知事は、毎年離島振興計画実施のための事業計画を政府に提出し、その事業計画については、審議庁長官が各省間の必要なる調整を行うことになつており、なお国は、その決定した離島振興計画の実施に必要なる経費は、毎年国の財政の許す範囲で予算に計上しなければならないことになつております。
第三に、国が決定した離島振興計画を行う地方公共団体その他の者に対し、政令で補助金を交付し、必要な資金を融通、斡旋、その他必要と認める措置を講じなければならないように規定することといたし、特に振興計画の事業に要する費用について国が負担上又は補助する割合を、港湾法、漁港法、道路法について、従来の規定にかかわらずこれを高率にして、法案の別表にその率を明示いたしているのであります。なお、この場合、普通平衡交付金を受けない地方公共団体については、本法案の別表で定める国庫の負担割合及び補助を減ずることができるようにいたしたのであります。なお法案の別表に掲げている費用以外の費用についても、国が負担し又は補助する割合及び対象についても、政令で特例を設けて、離島の開発振興を図ることにいたしたのであります。
第四に、本法案によつて、国が離島に対して特別の措置を講ずると、約十カ年ぐらいでおおむねその目的を達することができるものとして、本法案は公布の日より昭和三十八年三月末限り、その効力を失うことといたしたのであります。
以上が衆議院に提出いたしました離島振興法案の内容の骨子でありますが、衆議院経済安定委員会におきまして、栗田委員外六名より次のような修正理由の下に修正案の共同提案があつたのであります。
第一は、審議会を別個に設けるということ。即ち、本法案によりますれば、重要な事項はことごとく国土総合開発審議会に諮問することになつているが、地元の意見を反映させるためにも、又迅速なる事務運営を図る上からも、別個に離島振興対策審議会を設けて、離島関係の国会議員、知事、町村長を委員として参加させるように新たに条項を挿入願いたい。
第二は、離島において、農林漁業団体が電力施設を整備せんとするときは、農山漁村電気導入促進法の適用をなし得るようにすること。即ち、離島は一般的に電力源に乏しく、動力用は勿論、点燈用の電力にも事欠いている。これは離島の近代化を阻んでいる大きな要因をなしており、今試みに、電力の一人当り消費実績の人口当りキロワット・アワーによつて見るも、全国平均は三三〇であるのに、大鉱山を有しておる佐渡でさえも一六六であり、その余の島は、壱岐島八、甑島五という状態であり、而も点燈率においても、隠岐七八、対馬五八、種子島五三等のごとく、電燈の恩沢にも浴していない者が極めて多い現状である。従つて農山漁村電気導入促進法第五条中「開拓地」の下に「離島振興対策実施地域」を加えるようにして挿入願いたい。
なお附帯事項といたして、本法律案において離島振興対策実施地域の指定に当つては、おおむね左の方針によつて、これを行うように措置されたい。
一、本土の外海に存在すること。
二、その島と本土との間の交通が非常に不安定であること。
三、島民の生活が本土に強く依存していること。
かくて右修正案及び修正案を除いた本法案が全員一致を以て可決を見た次第であります。
以上法律案の内容と、参議院回付までに至る経緯の大要を御説明申上げましたが、このような法律案を制定することによつて離島の振興と島民の生活の向上を図り、祖国再建に寄与せしめたいと考えるのでありまして、何とぞ慎重御審議の上速かに御賛成を頂きますよう切望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/2
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003・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 審議庁長官の出席までこの法案に対する御質疑を願つておいたほうがよかろうかと思いますが、如何でございますか。それでは離島振興法案に対する只今の提案者がおいでになる間に御質疑がありましたら質疑を継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/3
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004・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 この法案の離島地域につきましては、総理大臣が認定するということになつておりますが、その離島というものはどういうような考えで表現しておられるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/4
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005・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 実は離島というものについては非常に議論が衆議院でもございました。厳格にどういうものがこの法案に言われる離島であるかということについては、実は地理上、それから経済上、いわゆる社会上の条件等を勘案して大体審議会できめて頂くよりはかなかろう。それには大体の基準としてはこの提案理由でも大体修正意見として申出てありますように、大体本土の四つの島の外海にあるもの、それから相当の距離を有しているもの、経済上にも相当立ち遅れておる、交通でも相当不便である、本土に対する依存性も相当強い、それらのことを勘案して頂くよりはかなかろうということで、特にこれを島々の数を挙げますとか、或いは何とかいうことは却つて弊害がある、或いは当然なものを落したり、或いは一つの条件を書き上げましても、それに妥当しなかつたりするようなことができますことがあり、実は非常に困難であろうと考えまして、そこは至つて常識的にお考え方を願うほうが妥当じやなかろうかということで、かように立案をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/5
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006・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 今の御説明によりますと、外海の島その他遠隔というようなお話でございますが、我々がこの離島振興策の法案の作成について聞いておるのでは、外海ではなくて本土に近いような島も相当開発が遅れておるというような意味からこの法案によつて恩恵を受けるというような声が相当あつたのですが、そういつた今あなたのお説によりますと、その趣旨によつてこの審議会が決定すると、こういうようなことになるのですが、そこでその認定する場合にいろいろな情実がございまして、変な結果になるという虞れが多分にあるのじやないか。それよりは今お話の趣旨の通りに隠岐島とか或いは五島とかいうような、本当に誰もが見て離島だというようなとこを指定なさつたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/6
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007・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) その指定はやはり審議会にお願いをしないと、ここで、最初は由来から申上げますと東京都、新潟県、島根県、長崎県、鹿児島県の知事さん等がこれはいろいろな公共事業とか或いは災害復旧とかいろいろな問題があつて地方負担が不可能なために事実上離島はできなくなり、あと廻しになる。そこで非常に困るからしてこれを何とかして後進性を除かねばならんということから特別な立法をしたいということで寄り寄り協議をされたことがこの立法の遠因になつたようでございますが、その当時予定されておりましたものは只今お話がございました佐渡とか隠岐とか或いは壱岐、対馬、五島列島とか或いは甑島、屋久島、西南諸島、或いは伊豆七島、小笠原列島というようなものでございましたが、その後だんだん伺つてみますると、山口県の三島という島が大変遠方ということであります。それから高知県にもあります。それから熊本県の天草島も一部は近いが一部は非常に東支那海に面しておつて非常に不便な地域もあるというようなお話も伺つておりますが、そういう所はやはり特別なる知識を持つておられるおかたがこの島嶼についての、島々についての特別なる知識を持つておられるおかたの知識を基礎といたさないと特殊に法案で限定することは又或いはいかんのじやなかろうかと考えましたし、幸いに予算がだんだん余裕ができて参りまして、丁度道路法における一級国道と二級国道みたように、先ず重要なものを先にやつて、今度は二級道というようなものを、離島というようなものが、施設ができるというようなことになればそれもよかろう。このうちでも修正になりました電気導入等におきましては、やはり近い島でも非常に困つておられる所が多いような区域もあるようでございますから或いは制限した指定を受けるというようなことも或いはいいのじやないか。いろいろ考えまして、この際特殊に限定することは如何かということで、衆議院では大体それを支持して参つたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/7
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008・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 今の御説明で大体御趣旨はわかつたのですが、とにかくこの法案は十カ年を限度としてのあれですから、本当に離島の開発の価値のあるものをやるならば予算的の見地から考えましてただそういつたものを広く取上げれば十年間で目的を達せられるようにというふうに考えられるのですが、従つて十年間で目的を達するという意味から来ればやはり厳選主義にして開発の効果のある島を狙う。例えば隠岐とか、佐渡とか、五島とか、壱岐、対馬といつたようなものに限定してこの法案が十カ年ということで限度をとつておりますから、私は非常に心配しておるのですが、その辺もどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/8
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009・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) いや全く同感でございますが、併し又反対意見等もございまして、結局は丁度御意見のような御意見も又ございましたけれども、反対意見等もございまして、結局こういうことに立案も審議も大体落ちついたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/9
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010・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 どうも余り満遍主義になると折角の長年の島民の希望が達せられないという虞れが多分にあるのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/10
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011・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 立案者においても必ずしも懸念がないわけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/11
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012・永井純一郎
○永井純一郎君 説明を途中から聞いたのですが、大体資源を蔵しながらも、と書いてありますが、予想されておるものはどういう資源ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/12
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013・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 予想されておるものは、主たる共通な資源と申せば水産資源が共通でございます。これが漁港整備の必要なわけであり、修正意見のうち特に電気導入を、農山漁村電気導入の特別補助をこの法案に添加いたし、修正の主な理由にあつたようでありますが、漁港基地としてこの港湾を開発し、設備をするというようなことが非常に必要になつて来るわけでございますが、そのほか実はお手許に差上げてありました……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/13
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014・永井純一郎
○永井純一郎君 大体でいいのです。例えば対馬の亜鉛であるとか、五島の陶土、これは焼物の土でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/14
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015・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) その他屋久島等の木材でございますとか、隠岐の木材でございますとか、又は佐渡の金山開発でございますとか、これは下火になつたようでございますが、その他要するに木材、電源、水利、それから全般的には農業の開発が、食糧の生産の開発が非常に遅れておりますので、これら等も含んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/15
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016・永井純一郎
○永井純一郎君 大体どの島とどの島という島を教えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/16
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017・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 先ほどから申上げますのと、佐渡、今の隠岐、対島、壱岐、五島列島、甑島西南諸島、それから伊豆七島、小笠原列島等でございますが、そのほかに北海道の利尻、礼文島のごときものでございますけれども、これらは大体北海道開発法と本法案の補助率とは大体同一でございますので、特に取上げても実益が余りなかろうかと考えられますが、そのほかにやはり山口県の見島等にどうも聞いてみると入れておかなければいかんと、こういうふうに考えておりますし、高知県にも何か非常に遠い島があるように聞いております。又中間で少しボーダーラインみたようになつておるのものが今の天草島……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/17
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018・永井純一郎
○永井純一郎君 西南諸島だの小笠原はやれないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/18
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019・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 勿論只今の行政区域の関係がございますけれども、只今すぐはやれないのでございましようが、そういうものについては今後の発展に準じてやると御承知を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/19
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020・永井純一郎
○永井純一郎君 差当り指定はできないわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/20
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021・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/21
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022・永井純一郎
○永井純一郎君 それからこれは、国土総合開発審議会とこういうものが関係があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/22
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023・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/23
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024・永井純一郎
○永井純一郎君 どういうふうに関係するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/24
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025・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 只今でも例えば隠岐島等は特殊地域として、隠岐と対馬は国土総合開発審議会で御指定中でございます。そういうものについては率が違いましたりするものがございます。特別な本法の問題として取扱つてもらいたいということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/25
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026・永井純一郎
○永井純一郎君 これは結局漁港だとか、林道だとか、道路だとか、こういうものに対する法律の補助をやろうということに尽きるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/26
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027・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 大体さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/27
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028・永井純一郎
○永井純一郎君 そうしますと、この法律は別に作らんでもやれるんじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/28
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029・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) いや、補助率がきまつておりまして、これがなければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/29
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030・永井純一郎
○永井純一郎君 ですから今補助率がある、それぞれの法に補助率があります。漁港法なら漁港法……。そこに但書をちよつとくつけたらいいのじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/30
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031・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それはそれでもできるでしようが、そのほかに本法におきましては、総合開発の線から補助率も書いてありますが、実は本法にございます通り、資金の斡旋もいたしましたり、いろいろな総合開発計画をいたしましていろいろいたしますので、主要なることは今の特別補助がございますことが根幹になりますけれども、開発については特別処置が講ぜられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/31
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032・永井純一郎
○永井純一郎君 今でもどの村に対してでも補助金を出すのには必要な資金の融通なり起債なりですべきです。ですからこれを特別こういう法律がなくつたつて当然これはやれることですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/32
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033・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) いや全部の法律をどの島だけはどうというふうに一々変えればできるかも知れませんが、法律の特性として一定固定しておる必要がございましようから一つ一つの法律を一々変えて行く、一回ごとに変えて行くということは実は村長が幾ら参りましても、知事さんがどう運動されましてもその都度変えて参るということは、実際上は可能に属しはしないかと存じますので、特に本法律のような総括的に御審議願つて御制定を願う法律が必要だと存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/33
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034・永井純一郎
○永井純一郎君 私がそのことを言うのは、例えば離島でない山村なんかにこれに優る町村がたくさんある。それから補助等において非常に遅れておる。非常に貧弱な漁村なんというものはこれと殆んど変らないのです。そうすると国全体を見た場合には山村でありますとか、貧弱な漁村というようなものが、当然これと同じような私は措置をやはりしなくちやいかん。国全体から見ればこれだけをやるわけにはいかん。そういうことであるならば、そういつたような山村なり、漁村なりは離島と同じように今あるそれぞれの漁業についての補助金の法律、道路について或いは林道について、漁港についてのそれぞれの法律の補助率について特別な規定をして全国的にそういう措置を貧弱な町村にするということが私はやつぱり考えられると思います。そういうふうに考えるとこれを特別に出す理由というものがはつきりして来ないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/34
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035・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) いや、そういうものができてしまえばそうでございましようけれども、只今ございませんのと、只今伺いましたところによると、農山漁村の中にはそれよりひどいものもあるという仰せでございますが、或いはございましようが、併し一定地域の、一定区画の上に特定して定むることがこの島と同様な関係に法律的に指定し、計画することができるということについては、やはり同一条件で必ずしもあるとは考えられませんので、やはりこれについては特殊なやはり御立法を願うほうが妥当だと考えまするし、成るほど農山村にひどいところもございますようです。ございますけれども、この離島の山奥なんというものは、これは格別でございますが、これは実際言語に絶するような人の住いかと思うような、又現に申上げますれば、学校でも掘立小屋があるようなところがまだあるのでございますから、それは実際はとても離島はひどいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/35
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036・永井純一郎
○永井純一郎君 離島のひどいことは、私もよくわかるのです。ですから離島に対してそういう措置を講ずることは大賛成なんです。同時に、それに匹敵するようなただ離れていないというだけで陸続きであつても山村なんて特にひどいのです。私は山国だからよく知つておりますが、離島に優るとも決して劣らないそういうものと、それからもう一つ考えられることは常習災害地というものは日本にたくさんございます。これは全く惨憺たる状態なんです。毎年必ず災害が起るということがございます。そこの漁村なんというものは御承知の通り毎年来るのでどうにもならない。而もそれが普通の補助率でぼつぼつ仕事を、公共事業をやつておりますから、次から次に壊されて行つて漁業ができないのですから、これと同時にそういうものにも対策を立てるようなことを、これに入れん限りは、我々としてはこれはおかしいです。離島と同じような条件にある農山漁村に対しまして、そのようなものでなければおかしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/36
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037・大橋武夫
○衆議院議員(大橋武夫君) 御趣旨誠に御尤もでございまして、離島と同じような困難な状況にある町村はたくさんあろうと思います。併しこの法案で取上げましたのは、差当り幾多の困難な町村のうちで離島を取上げたわけです。その目的でこの法案が立案せられたのでございます。又これと事情の同様なものについては別途の法案においてお考えを願うという方法もあり得るのではなかろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/37
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038・永井純一郎
○永井純一郎君 そこで今大橋君のおつしやるような御趣旨であるならば私の言うのは一緒にそういうものを出して来ないと国会としては工合が悪い。当然こういう以下の条件にあるようなそういう農山村があるわけです。ただ離島だけを取上げるという理由がそこになくなるわけです。そうしたらそういう特別の町村を指定してそしてその振興を、昔特別助成町村というのがありましたが、そういつたような全国的に対策が講ぜられるようなことでないと離島の困難な事情は私もよくわかり、それに対する対策は私は非常によいと思う、それは決して悪くないと思う。同時にそれと同様な農山漁村も取上げるようなこともこれは経済安定委員会としては考えざるを得ないということを私は言いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/38
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039・大橋武夫
○衆議院議員(大橋武夫君) お答え申上げますが、離島と同様の窮迫した町村は無論あるわけでございますが、ここに離島が窮迫しておる原因はやはり離島というものの特殊な条件から来ておる場合が多いのでございまして外海に隔絶しておる島でございまするので特に船によらなければ交通ができない、而も日本の地理的な条件からいたしまして夏も台風が参りまするし、又冬季間は非常に海が荒れる。こういう事情で交通も始終杜絶しがちでございます。或いは一ヵ月以上本土との交通が杜絶するというような離島も少くないわけであります。これらが非常に地元の産業活動を阻害し、従つて文化の発展をも阻害しておる。いろいろ経済的な不利益を増大しておるということは明らかでございまして、こうした特殊の離島に特有の条件に対しましてその点を考えて、できるだけそうした困難な事情を少しでも軽くして根本的な解決をして行きたい。こういう観点でこの法案を立案いたした次第でございました。従いまして山間部の交通困難な所もございますが、それらにつきましては又おのずから解決の途も別途の観点からなさるべきものもあるのじやなかろうか。やはり本法におきましては離島の特殊事情ということを主眼にして立案をいたしたものでございまするから差当り離島だけを取上げることが適当ではないか。こういう考えで衆議院といたしましては本法を通した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/39
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040・永井純一郎
○永井純一郎君 それで、私はやはりこの法律案に反対じやない、賛成なんです、これに決して反対というわけじやない。これについて考えるべき一番重要なことは二つある。それは結局はこの離島の島民の生活を安定させ、それを向上させることですからその島が持つ産業をどうして開発するか、という計画がきちつと先ず立たなくちやいかんと思う。そしてそれに必要な道路なり港湾なりの施設がこれによつて行われるということに私はなると思うのですが、このことはどの農山漁村についても言える。それで困つているそういつたものが全部政府の、私どもから言えば、余り当を得ない政策によつて農産物でもその他のものがすべて比較的非常に低位にあるわけであつて、それで困難を来たしているわけでありますから、そういう政策と待つてその離島なり、或いは農村の産業が作つたものが或る一定の値でやつて行けるようにしない限りには、私は駄目だと思う。その観点から言うならば、山村なんかはもう特に今日ひどいわけです。ですからそういう点から言うと、離島だけを取上げて行くということにどうしても私は納得できない。離島を取上げるのは結構であつて、同時にそういつたような貧困な農漁村に対するものを私はここに出してもらいたいということなんです。それからもう一つ、少くともそういつた単独の法律が困難であるならば、今のそれぞれの補助金の法律について、そういつたような改正をすること、それはわけないと思う。例えば常習災害地なんかは非常な困難を来たしているわけなんですから、常習災害地は総理大臣が指定する。そうして指定した常習災害地に対する補助率は、同じように非常に高率の或いは全額の補助をやつて災害凌ぎをやらせるというようなことをここに同時に出してもらえませんか。非常にうまく簡単に行くと思うが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/40
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041・大橋武夫
○衆議院議員(大橋武夫君) 誠に御尤もな御質問で私どもも趣旨は全くその通りだと存じますが、現在災害に対する国庫補助の制度等におきましては、この地元の負担力というものを勘案して補助率が決定されることになつておりまして、お話のように年々災害が継続して起つたような場合におきましては、それらの災害が続けば続くほど補助率が自動的に高まつて行く、こういうふうな補助率の計算になつておるように聞いております。現に離島等におきましても、やはり年々災害をこうむつておるところもありますし、これらについて離島は一般の公共事業についての補助率を上げる以上は、災害についてももう少し特別にしたらどうだという意見もあつたのでございます。これはいろいろ災害の補助率を研究しましたところ、年々災害に見舞われるというような場合におきましては、だんだん災害の補助率が殖えて行きまして九割何分というような非常な高率な国庫補助の適用を受ける。まあそういうふうになつておりますので、災害の問題はこの際一般と同じでよかろうと、こういう考えで除いたような次第でございました。一般の公共事業についてはまだしも、少くとも災害については或る程度現行法においても法律が出ておるかと考えます。一般の公共事業についてはお話のような点もあるかも知れませんが、少くとも災害については或る程度現行法におきましても考慮されておるものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/41
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042・永井純一郎
○永井純一郎君 災害については一昨年、昨年からでしたか、大体は、やはり六五%なのです。めつたに九割とか八割にしてくれないのです。常習災害というのは実際は結局予算の範囲内で抑えるから、法律を逆にこれのように作れば、それが私の言うようなことができ始めると思う。ですからそうすることが今は望ましいことだし、これを折角超党派的に進めるならば、私は便乗するというのではないのですが、実際災害地は気の毒だからこれと同じくらいにして行くような改正をすることは、これはわけなくできると思うのですが……。こんなに災害が始終ありますと、そういうことをすることが必要ですね。先ずこの高率というのはどのくらいをやるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/42
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043・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 大体北海道は七十五、それは別表に書いてありますが、港湾の建設、又は改良、水域施設と外廓施設、これは十分の十、繋留施設と臨港交通施設は百分の七十五補助金が出る。避難港も大体この率でございますし、地方港湾もこうでございます。漁港も大体只今のような順になつております。道路が大体三分の二でございます。御承知の電気導入が三分の一の補助率、大体それくらいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/43
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044・永井純一郎
○永井純一郎君 こういう表を出すとなお更要りますな。少くとも常習災害地くらいは自由党と皆一緒で一つしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/44
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045・岩沢忠恭
○岩沢忠恭君 そうすると、永井君の常習災害に対する率を上げるということはこの間公共土木災害に対しては高率になると思うのです。現在においてもその法律の改正によつて税収の非常に少い町村に対しては、而も災害が多いところは九割五分くらいまで国の費用で災害復旧をやつておる。従つて年々災害の多い、而も貧弱町村に対しては先ほど大橋君の話の通りに九割以上のものは大体国で負担しておると、ただ農地災害が現在におきましてもこの六割くらいで抑えておると思う。これは大体今問題になつておる。従つて今僕が聞いておるのではやはり農地災害も漸増主義を改正するというようなことを聞いておりますけれども、まだ現われておりませんけれども、土木災害に対しては御心配のないようになつております。非常にいいと思います。今永井君のお話の通り、この別表にずつと掲げるということはこれは又今まで静かなやつがずつと……。そういう嫌いは多分にあるのです。これは見ないで、このようなことを言つて、大蔵省に潰されちやつて何もなりません。離島のような政治力の少い、代議士さんなんかろくに出していない山村ですから、こういうものは普通の農山漁村のごときものは何かのなかなか大変な関係者が多いから、これを厳格でなくてもやつて行けるでしようが、併しこれは大体北海道開発法の率でございますよ。大体それに準じておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/45
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046・永井純一郎
○永井純一郎君 これを作つて頂くことはいいんです。決して反対しないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/46
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047・鮎川義介
○鮎川義介君 私は後ほど長官がおいでになりましたら言いたいと思うことがありますが、それにこれが関連しておりますから、別の角度からちよつと申上げて見たいと思います。今日本の経済情勢というものを財政的に見ますというと、何もかもみんなふんばる力はないと思います。最も重点的にお金をかけた、一円の金でもそれが最も有効に全体に影響のあるということで行くのが現在のやり方だと思うのです。殊に参議院におきましては国全体のことから考えるということで行きたいと思うのです。従つて先ほどのお話のようにこの離島に電気を引つ張るというようなことは非常に高くかかると思うのです。実際は先ほどの永井さんのおつしやるように農山漁村の陸続きのほうにそういうものをやるのは割合安く参行くわけです。それから道路にいたしましても国道の延長をやるほうが、新らしく造るよりも安いということが、同じ金をかけても金の効率が非常に違うわけです。金がたくさんあつて、予算が幾らでもとれるときにはいいけれども、今の情勢においては私は最もどこが一番有効であるかというところへ力を入れるべきであつてつまり離島というような定義の下に一括してこれを満遍なくやるということは金の効率から言うと非常に懸け離れた点になりはしないかと思うのです。それは一つの法律でやつても実際はできなくなりはしないか。事実物事がはかどらんですね。結局未開発のままで、未稼働資産のままで、何年となくほつたらかされるような運命になりはしないか。つまり金を有効に使う傾向が多いと私は思いません。恐らく十年でこれは言われたことはできまいと思います。半くさしにものをして、港湾でも何でも、半分やつておくというようなことは、一番経済上不利益と思うのです。私はこれがどのくらいの効果があるかということが、一応計算上できておつてそうして内地の農山漁村の寒村にやるよりも、これほど必要だということが欲しいと思うのです。その調査のほうが私は先じやないかと思う。調査資料というものが、どのくらいあるのか私は知りませんが、今度審議会ができるということは、そういうことを調査する目的でできるんですか。それとももう話はきまつておつて、実行に移るんですか、どつちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/47
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048・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) お答え申上げます。国家の財政が枯渇をいたしておりますから、非常に効率的に作らにやならないという御意見には賛成でございます。併しながら、それこそ世界的な近代的な考え方からいたしますと、単に一部的な目安を定めた効率的というようなことでやつて参りますと、想像もつかんような大きな国家は社会的な負担をしなければならないような状態にぶつかると存ずるのであります。決してそういうふうな単なる経済的効果がある点だけにやるという営利会社みたいな考え方だけを中心にしただけではやれないので、やはりそこには社会的な考え方が必要だと存ずるのであります。でこれがそれじやその調査がどれだけできておるかというお話でございますが、もとより議員立法でございますから、それほどの調査機関もあるわけではございませんし、先ほどからもたびたび申上げましたように、これは或る程度の通念に基いて御判断を願わにやならない。従つて審議会もできましたが、審議会においてもそのことは勿論、調査経過等を進めて頂く筋合いに相成ると存じておりますが、さような考え方だけでこれができて来たものならばしてもよろしい、それ以外ならばする必要はなかろうじやないかという考え方が若しも支配的に日本でなりましたならば、私はこれは由々しい問題だと思うのです。これはもつと大きな問題だと思います。もつと大きな犠牲を払わなければならん時期が必ず参ると思うのです。そういう考えで日本の政治を掌つて参りましたならば、恐らくはもつと大きな犠牲を払わなければならない事態が来る。そういう意味で、やはりこの立法の趣旨の中には、実は近代的な一つの考え方が非常に入つておることも一つ加味してお考えを願いたい。それからいま一つ申上げますことは、御承知の通り英国などが非常にこの飢餓輸出等をいたしまして、チャーチルなどが努力をいたしましたようでありますが、英国自身においてさえももはやこの飢餓輸出なんという基本的な考え方にも或る程度の修正を加えなければならんという考え方が非常に強くなつたようであります。それは御承知の通りこの植民地というものを世界中が持たなくなつたために、特別なる関税障壁による原料割安の製品割高時代というものはもはや過ぎたという考え方から、国内資源の満遍なき開発、食糧需給政策というものが、どうしても英国のような国でさえもとらなければならんというような考え方が強くなつて来た。そういう考え方からすれば、日本の離島なんというものはまだまだ余地がございます。私はこういうところはよく前車の覆るを見なくちやならない。私はこういう法案はそういう意味からも非常に適切な法案だと考えておりまして、単なる個人的な考え方だけではございません。これは日本の社会公安の上からも、それから日本の大きな意味における経済建設からも、実は必要だと考えておるわけでございますから、この点はよく一つ御了承を賜わりたい。そのことがやがてはいわゆる参議院の御使命である全国的の立場からの御審議を賜わる本当の筋合いだと実は存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/48
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049・鮎川義介
○鮎川義介君 私も綱島さんのおつしやることに反対するわけでもないし、又私もその通り考えておる。ただ私の言うのはやつたことはやつた、やつたというような掛声のほうが多くてできないことになる虞れがありはしないか。それで、よほどやるのに、どれもこれもやるということはみんなに迷惑をかけることが多くて困るじやないか。私はこれはもう多くのこういう問題は社会問題が入つておる。ただ一つの株式会社でやるということを申上げておるわけじやない。とかくやる事柄が漫然としておつて、本当にそう行けばいいんですが、行かない虞れがありますからして、やるならばよほどしつかりしたことで、どうしてもこれでなくてはということにしたい。ただそういう掛声をしてみんなに安心を与えて、そうしてしまいには迷惑をかけるというようなことはしたくない。そういう考え方から申上げておる。無論社会問題もなくちやいかん。ただ経済問題だけでないということを私は百も承知で申上げておるわけです。それは誤解のないようにお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/49
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050・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) お説はよく拝聴いたしました。私もその通り考えておりますし、無暗に地域を拡めたり、或いは掛声だけに終つたりすることを非常に憂えております。このためにはあらかじめ多くの省とも交渉をいたしまして、いろいろ私どもの範囲でできるだけのことはいたしたつもりでおります。これで地方の府県知事等も非常に努力をいたしておるわけでございます。現に府県庁からの役人の人も相当、もう四、五カ月に亙つて各府県から駐在をしておりまして、非常に努力をして資料を集めたり、その筋の了解を得たり、いろいろ努力をいたしておるようでございます。決してこれは思い付きで、ただ単にちよつとそこで何とかしようというような方法でできたわけではございませんので、この間のこともどうか御了承を賜わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/50
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051・鮎川義介
○鮎川義介君 無論私も思い付きということを申上げておるわけではない。よくお考えになつて社会政策的の問題が多分に入つておるということは私も多としておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/51
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052・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 有難う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/52
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053・鮎川義介
○鮎川義介君 とかくそういう問題の後は効果がないということに一つ注意したいということから申し上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/53
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054・永井純一郎
○永井純一郎君 只今ちよつと細かいことですが、こういうふうに書いてあるのであります。平衡交付金を受けない地方公共団体については別表に国庫の負担及び助成の割合を減ずることがあると書いてあります。これは例えば今もらつておる補助率よりも下げることはないんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/54
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055・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 法律よりは下げることがあるというだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/55
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056・永井純一郎
○永井純一郎君 どうせやるならやつちやつたらどうですか。今でも富裕な府県の離島には普通の補助率でやつているんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/56
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057・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 大分大蔵省で反対がございまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/57
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058・高橋衛
○高橋衛君 離島振興については、所属するところの都道府県では、特別の負担をするということは、全然お考えになつておりませんか。言い換えれば、例えば、新潟県とか、又は、長崎県とかいうふうな県はそれぞれ離島を自分の県の範囲で持つておるわけですが、従つて小数の人であるがために、県自体としても、十分な施設が行われないという憾みが多い。そういうような観点から県議会として、生活には配慮すると同時に、国でもそれに協力するという行き方であるべきが趣旨じやないかと思います。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/58
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059・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 只今法案では、そういうことにはなつておりませんが、事実上、離島をたくさん持つております府県は、非常に財政上、只今でも困難をいたしております。あらゆる面で非常に困難をいたしておりますために、特別なのは東京都ぐらいのものでございましようが、これは、東京都という特別な収入源がありますためのことで、離島を持つておるということからだけ言えば、非常な負担をしております。殊更に、開発について特に都道府県が特別な負担をするということは、この法律では考えられておらんのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/59
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060・大橋武夫
○衆議院議員(大橋武夫君) いま一点ちよつと……この離島法案によります計画に属する事業の主体には、町村でやる場合もありまするし、それから港湾とか道路とかで県が事業主体になるものもあるわけでございまして、その県の事業につきまして、特にやるということになりますというと、県としてはやはり今までの財政ではできなかつた開発をそれだけに余分にやるという意味におきましても、県としても或る程度の負担を伴うことは当然なのでございまして、県が全く負担を免れるということはあり得ないわけです。補足だけしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/60
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061・高橋衛
○高橋衛君 そうしますと、提案者の御趣旨としては法律につき、法律上の義務とはしてないけれども、所属都道府県においては、当然この法律の趣旨に鑑みて、十分なそれに協力すると申しますか、それに力を入れるという配慮があるということを予定してそう考えていいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/61
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062・大橋武夫
○衆議院議員(大橋武夫君) この補助事業外にいろいろ計画のあること、文化的な面であるとか、そうした面もあるわけでございまして、こうしたものは、県が単独にしなければならんもの、或いは地元市町村と一緒にやる、併し国庫の助成はないというような事業もあるわけでございまして、こうした計画につきましては、当然それが一つの総合開発計画としてでき上つておる限りにおいては、県としても負担すべきものは当然負担しなければならない。又、そのことを県が積極的に負担してくれるということを期待いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/62
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063・高橋衛
○高橋衛君 いま一点ですが、この法案についての政府側の意見はお聞きになる委員長としての御意見がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/63
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064・早川愼一
○委員長(早川愼一君) その点ですね、如何でございましようか、次回に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/64
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065・八木幸吉
○八木幸吉君 この法案の有効期限は十カ年ばかりになつておるように拝見するわけですが、この法案の目的とする仕事を全部やるについて財政上の負担はどのくらいであるか。それからもう一つは、この法案の目的とするところが達成された場合に、離島の文化的の無形の利益ということは別問題といたしまして水産物その他の生産物の増加は大体数量においてどれくらいになるか、或いは金額においてどれくらいになるかといつたような経済的の収支の大体の予算と申しますか計画ができておありになりますれば次回の委員会でも結構でありますから御提出を願いたいと思うのと同時に、又その離島の各町村の税収入等のお調べもできておりましたら併せて拝見をしたいと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/65
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066・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 只今御質問になりましたような生産効果がこれを達成した後にどれだけになるか、或いは税収入が今どれだけあるかというようなものについての詳細な調べは只今手許にございます。次回までにそれが正確になるかどうか何でございますが大あらましても、でかすように成るべく努めたいと思います。なかなか困難ではありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/66
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067・八木幸吉
○八木幸吉君 それからこれをやるについて国の費用が幾らかかるか、これが何億になるかといつたようなどれくらいの財政の負担を持つ法案であるかということは一番伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/67
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068・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それはこちらはこの前笑話のように政調会で大蔵当局も入れて話を始めたときに大体今およそ予定されておる地域に二億足らずの金が行つておるようです。毎年二億弱、それに大体五億加えれば大体今の三倍乃至四倍になるのだから十年たつたらできやせんか。それで十年で五億くらいと見てもらつたらおよそめはながつきやしないか。こういうような了解事項と言いますか大体そういうことで厳格な意味ではありませんが、そういうこつちの希望を述べて御賛同を願つたようなことにそのことを、予算数字としての御賛同ではありませんが、この法案を提出することに対する了承を得たというような経過になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/68
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069・八木幸吉
○八木幸吉君 今のお話は大体年間五千万円十ヵ年で五億円という……五十億円という……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/69
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070・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/70
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071・八木幸吉
○八木幸吉君 その五十億円の大体の、やはり使用計画と申しますか、あらましの計画を一つ拝見をさして頂くとこの法案審議に非常に便宜ではないかと思う。ただ一方では大体五十億円で行けるだろうということでは少し大ざつぱ過ぎはせんかとかように存じますので、若し幸いにさような計画が立ちましたら次回若しくはその次でも結構でありますから御提出を頂ければ仕合せでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/71
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072・大橋武夫
○衆議院議員(大橋武夫君) 今御要求のような資料ができますことは私ども非常に希望はいたしておつたのでございますが、先ほど来御説明申上げております通り、この離島振興法によりまする事業の計画というものが今まだ現実にはないわけでございます。そして手続的にもこの法案が成立しましたらこれに基きまして各府県庁において一応関係島嶼についての計画を立てる。で、それを離島振興委員会におきまして検討の結果この計画は取上げる、この計画は残念ながら延ばすというような決定をするわけでございます。無論これを決定するに際しましては、単に経済効率だけで決定すべきではないので、やはり社会政策的な見地をも含めて考えるべきだと思いますが、併しその範囲内におきましてできるだけ利用価値の多い効率の多いようなものを優先的に取上げるということはこれは自然の順序であろうと存じます。従いまして或る島嶼において島なら島の港湾を開発したいという場合におきましてもおのずからその中で順序ができるわけでございまして、その順序に従いまして、或る程度の港湾を取上げて行く。その港湾についての個々の計画によりまして、将来、この計画によつて港湾が完成した場合においてはどの程度の生産の増加が期待されるということがきまるわけでございましようが、又そこらを勘案しながら計画の採否をきめるべきだろうと思うわけでございます。そういうような状況でございまするので、只今直ちに各島嶼についての具体的の計画を御提出申上げるということも至難でございまするし、又その計画実施の結果生ずるところの具体的利益の計算ということはなお更困難であるとこういう状況でございます。併し運用の精神といたしましては、或る程度の国庫の支出を基礎といたしまして、それをできるだけ効果的に又地方の利益になるようなそうした内容を持たせて、計画をきめるようにして行きたい。又そうされることを期待いたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/72
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073・八木幸吉
○八木幸吉君 かよな法案が審議され、且つ成立される場合には、やはりその裏付けになる大体の財政計画というものが同時に考えられて私は然るべきものではないかと思う。無論詳細のことはこれはなかなかむずかしいのでありましようけれども、大体これだけの金が要つて、そしてこれだけの開発ができる、而も島民は非常に今から見れば文化的な生活ができるのだ、社会問題としても非常にこれは必要であるというふうに進むのが本当であつて、経済的の或いは財政的の計画そのものは非常に漠とした金額で、とにかくまあ法律案ができてから一つ各府県でもこれを調べるというよりも、やはり並行的に相当集められる資料の範囲内で一定の財政計画を立てるということは今の財政上から見て私は当然の準備ではないかと、かように存じますので、もし幸いにお手許で収集される資料の範囲内においての財政計画、又この計画が達成されてのちの何と申しますか、生産の増嵩等の大体の見込というものを一つ御提出頂ければ審議の上において非常に参考になるのではないか。かように私は存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/73
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074・鮎川義介
○鮎川義介君 私は今の八木さんの御要求のようなことは私らも考えたいものでありまするが、どうもいい数字が出ないだろうと私は想像いたします。経済問題としてはほかの問題に比べるとなかなかで、低位のものじやないかと思うのです。十年でお金をかけてどのくらいの効果があるかということは、大体、非常に低位なものになりはしないか。むしろそれよりもこれは社会問題を主にしておやりになつたほうがいいのじやないか。例えば年々五億のものを十年出す、丁度教育資金でも出すような意味で出されたほうが、それを余りついていると余りいいほうのなににならんではないか。若し本当にそれを社会問題としてああいう離れ島というものは非常にフエバーされておらんいうことを考えてやる場合には、そのほうまあ過半数の重点を置いてかかられたほうが私は行きやすいのではないか思います。なかなかこれを調べるということは容易ではないのです。それでも非常な費用がかかるだろうし、時間もかかる、むしろ大ざつばな話でおやりになるほうがよくないか。そういう意味で私はこの法案に賛成したいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/74
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075・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 只今の御意見誠に有難いのでありますが、提案者も主として社会的な事情を基礎に考えておりまして、単なる資源開発だけならば、やはり国土開発の特別地域の設定をお願いすればいいわけでありますが、この法案に盛られておりまする基礎の事情には、社会的事情が非常に重点的に見られております。その点をどうぞ御考慮を願いたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/75
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076・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 一応如何ですか、質疑をこの程度で打切りまして次回……。只今政府のほうから連絡がございましたが、衆議院の予算委員会で岡野経審長官に対する質疑が継続中でございますので、今日は出席が予定できないという連絡がございまして実はこの前に質疑を大体やつて頂きました国土調査法の一部を改正する法律案、これはなお質疑がございますれば本日継続しまして若し御質疑がなければ一応この法案を上げたいと思いますが、如何でございますか。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/76
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077・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて。
国土調査法の一部を改正する法律案について御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/77
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078・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますから、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/78
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079・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
国土調査法の一部を改正する法律案を衆議院送付の原案通り可決することに御賛成のかたは御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/79
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080・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四条によりまして、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして御承認願うことにして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/80
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081・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。
それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
多数意見者署名
岩沢 忠恭 永井純一郎
八木 幸吉 高橋 衛
鮎川 義介発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/81
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082・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/82
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083・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて。
現在外務委員会に日米友好通商航海条約、通産委員会に輸出取引法の改正案が付託されております。本委員会と密接な関係のある議案なので連合委員会を申込むべきかどうかということをちよつとお諮りいたしたいのですが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/83
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084・八木幸吉
○八木幸吉君 輸出取引法は独禁法と相当関係があるのじやないですか。若しも独禁法をこの委員会でやるならばやはりそのほうにも連合して質疑をやるほうがいいのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/84
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085・早川愼一
○委員長(早川愼一君) 日米友好通商航海条約、このほうも如何ですか。一応連合委員会に申込をいたすことに手続を運んでよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/85
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086・早川愼一
○委員長(早川愼一君) それではそういうふうにいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614073X00419530707/86
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