1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月三十一日(金曜日)
午前十一時三十八分開会
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委員氏名
水害地緊急対策特別委員
委員長 矢嶋 三義君
理事
秋山俊一郎君
三浦 辰雄君
永岡 光治君
永井純一郎君
武藤 常介君
植竹 春彦君
小野 義夫君
剱木 亨弘君
重政 庸徳君
高野 一夫君
谷口弥三郎君
藤野 繁雄君
松岡 平市君
河野 謙三君
島村 軍次君
新谷寅三郎君
林 了君
安部キミ子君
白井 勇君
小松 正雄君
山田 節男君
松浦 定義君
杉原 荒太君
鈴木 強平君
建設委員
委員長 石川 清一君
理事
石井 桂君
石川 榮一君
三浦 辰雄君
石坂 豊一君
小沢久太郎君
鹿島守之助君
加納 金助君
赤木 正雄君
高木 正夫君
竹中 勝男君
小笠原二三男君
近藤 信一君
田中 一君
木村禧八郎君
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出席者は左の通り。
水害地緊急対策特別委員
委員長 矢嶋 三義君
理事
秋山俊一郎君
三浦 辰雄君
永岡 光治君
永井純一郎君
武藤 常介君
委員
植竹 春彦君
重政 庸徳君
藤野 繁雄君
島村 軍次君
新谷寅三郎君
白井 勇君
山田 節男君
建設委員
委員長 石川 清一君
理事
石井 桂君
石川 榮一君
委員
小沢久太郎君
鹿島守之助君
赤木 正雄君
小笠原二三男君
田中 一君
政府委員
建設省河川局長 米田 正文君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
法制局側
参 事
(第二部第二課
長) 腰原 仁君
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本日の会議に付した事件
○昭和二十八年六月及び七月における
大水害による災害地域内のたい積土
砂の排除に関する特別措置法案(山
田節男君外五名発議)
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〔水害地緊急対策特別委員長矢嶋三義君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/0
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001・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今から水害地緊急対策委員会、建設常任委員会の連合委員会を開会いたします。審議に入る前に私のほうから一、二建設委員の皆様方に御報告を申上げます。それは、参議院の緊急対策特別委員会と衆議院の緊急対策特別委員会は、それぞれ建設に関する小委員会を設置いたしまして今度の水害に対していろいろと審査して参りました。そして結論として得たものは、建設関係におきましては、現行法を改正する部分と、それから現行法にはなくて、全く新らしい特殊なものを対象としたところの新らしい立法、こういうように大きく二つに分類いたしまして、前者は衆議院側から提案する、後者は参議院側から提案することに、両院特別委員会の委員長、小委員長、理事の連合打合会で決定いたした次第でございます。その決定に基きまして、御配付申上げてありまする昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害地域内のたい積土砂の排除に関する特別措置法案を、参議院側の建設小委員長山田節男君を初め該当委員が発議者となつて提案いたした次第でございます。只今提案者山田節男君が、本法案の提案理由の説明をいたしたいと申出ておりますので、発言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/1
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002・山田節男
○山田節男君 只今議題となりました昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害地域内のたい積土砂の排除に関する特別措置法案の提案理由を御説明申上げます。
本年六月及び七月に亘りまして停滞する梅雨前線のもたらした降雨のため九州、南近畿その他の地方に大災害の起つたことはすでに皆様よく御承知のことと存じます。特にここの地域においては河川の欠壊及び土砂の崩壊により異常に多量の土砂が市街地、農地等に流入し、たい積している状態であります。これらの土砂の排除につきましてはすでにそれぞれ地方当局等によつて各方の器材、人員を動員して日夜努力が続けられておりますが、地方当局の財政力、各個人の資力にもおのずから限度がございまして、作業は困難を極めて遅々として進まない状況であります。このままに推移いたしますならば市街地交通の麻痺による産業経済の混乱、農地の耕作不能による生産の減退、公用施設その他一般住宅内のたい積土砂による公衆衛生の不良化等誠に恐るべき結果を招来するものと考えられます。
かような状態に鑑みまして本法はこれら災害地域内のたい積土砂の排除事業を速かに遂行させるため、当該排除事業についての国の費用負担及び補助等について特別掲置を定めんとするものであります。
本法の内容につきまして簡単に申述べますと、先ず第二条によりまして、本法にいうたい積土砂とは昭和二十八年六月及び七月の大水害により災害地域内に流入してたい積し又は水害により発生した土砂の崩壊等によりまして、災害地域内にたい積した異常に多量のでい土、砂れき、岩石、樹木等を指すこととし、その異常の程度は政令で定めることにいたしております。また本法の対象となります災害地域は、先ほど申述べました、異常に多量にたい積いたしましたために、現実に本法の国庫負担又は補助を行う必要がある程度に土砂がたい積している地域を具体的調査の上政令で指定することに予定いたしております。
次に第三条及び第四条では、第一に災害地域内の公共用又は公用施設で政令で定めるものの区域内に土砂がたい積している場合、第二の同地域内の土地又は建物その他の工作物で第一の公共用又は公用施設並びに第九条に規定する農地及び施設の区域外に土砂がたい積しており、これを放置いたしますならば公衆衛生上又は正常な社会活動を維持する上において著しく支障があると認める場合には、これらの土砂の排除事業を原則として都道府県知事が施行し、この事業費の全額を国庫負担とすることとしております。又第九条には政令で定めた地域内の農地並びに農業用施設林業用施設及び漁港施設で政令で定めるものの区域内にたい積する土砂の排除事業を行うものに対して、その事業費の全額を国が補助することと規定しております。その他事業費の決定、負担金の返還、剰余金の処分、監督等の事務手続について規定しているものであります。
なお附則の第二項及び第三項では、この法律施行前にしたたい積土砂の排除事業についてもこの法律を適用することといたしております。
以上、提案理由並びに法文内容について簡単に申述べました次第であります。何とぞ慎重御審議の上速かに御賛同賜わらんことをお願い申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/2
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003・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今提案者から提案理由の説明がありましたが、質疑のあるかたは発言を求めて願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/3
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004・石川榮一
○石川榮一君 両委員会の活動によりまして、ここに特殊な法律として、新しい要網を御説明になり、本法の速かな実施によりまして、堆積土を成るべく早く処理いたしたいという気持はよくわかります。この堆積土の量はどのくらいありますか、その量並びにこの法案が通りました場合、どの程度の日数においてこれらが排除されるのでありますか。それからこの堆積土以外に、河川にややもすると、欠懐いたしまして、思わざる、いわゆる何と言いますか、深掘れの農地を殆んど沼地にしてしまうようなこともあるわけです。九州においてはありましたかどうかわかりませんが、今までの大水害にはそれがあつた。従いまして耕地が原状回復するということ、これは堆積土だけに限定しますが、それともこの法の考え方は、或る止むを得ない場合には、大きな支障をなしたもの等につきましてもこれらのものを均霑させるという御意図がありますかどうか。要するに、宅地並びに耕地等が大きく池沼に変化したというような場合、これを見逃すのでありますか。これらを一応伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/4
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005・山田節男
○山田節男君 これは先ほども御説明申上げましたように、具体的に申しますると、一番問題になりましたのは、この熊本市、これはまあ建設省の最初からの情報によりますと、約二百四十万立米、それで主といたしまして見ておるものが、大体これらの二百四十万立米を排除いたしますのに十二億それから下水等に入つているものの排除が約四億円、これは最初十六億円ということを申しておる。勿論今のお話のございましたように、市街地におきまして、ここにも書いてありまするが、例えば個人の家の宅地、或いは地下室、こういうようなものが、公衆衛生と申しますか、これは特に火山灰の泥土であるために、降ればぬるぬるするし、乾けばほこりになつて砂塵万丈というような状況で、こういう点でこれらが一時も早くやらなくちやいけないというので、大体といたしましては、この熊本地区を対象といたしました異常な堆積ということになりますると、市街地の全般並びに私有地、私の宅地と申しますか、家屋なり、これに入つているのもやはり国費で負担して、排除事業を完遂しよう、これがまあ主眼になつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/5
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006・石川榮一
○石川榮一君 大体において、熊本市を中心としての御計画のようでございますが、市以外に、私どもは視察しておりませんからわかりませんが、市にそれくらいたくさんでい土がたい積しておるといたしますと、耕地にも相当たくさんあると思いますが、耕地のほうはどういうお考えで処理なさるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/6
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007・三浦辰雄
○三浦辰雄君 私、発案者の一人として、且つ又あの際に、早速この院議に基いてお見舞をして来た者として、その点についてお答えをいたします。確かに御指摘のように、御想像のように、如何にも火山灰のたい積というものは非常に畠、田園の上はありまして、ひどいところは二尺を越えて、三尺にも近いといつたような所も非常に多いのであります。そこで前にお尋ねのございました、そこをどうするという問題でございます。そこはこの法律の第九条にございますが、この農地或いは農業用施設、林業用施設及び港湾施設等に、そういつた、第二条に掲げてありますような異常に多量のこれらのでい土、砂れき、岩石、樹木といつたようなものがあります場合は、これはやはり対象とする。これは所管が所管でありますから、ここにありますように農林大臣の監督のもとでございますが、それを対象として行く。併し普通の耕地の復旧についてとはこれを区別しなければならない。そういう意味で、十条で以て「この法律により国がその費用を負担し、又は補助するたい積土砂の排除事業については、他の法律による国の費用負担又は補助は行わない」ということで、重複のことは厳にここで避けるように明らかにしております。又先ほどお尋ねの田畑がいわゆる池になつてしまつた、或いは川敷になつてしまつたところの復旧はどうかという関連した御質問がございました。これにつきましては、公共事業災害復旧国庫負担法におきまして、それについては、いわゆる補助の対象として早く復旧をし、そうして食糧の増産に早く役立たせると、それはそのほうで行くような建前になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/7
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008・小笠原二三男
○小笠原二三男君 議事進行について。私はこの本法案を真剣に連合審査を要求して討議したいがために、発議者に本法案の成り立ちについて卒直な御意見を承わつておきたいと思います。即ちそれは、本法案は特別委員会の委員の諸君によつて議員立法せられたようでありまするが、今回の特別委員会は水害地の緊急対策を樹立するがために設けられた委員会でございまするから、融資その他緊急の対策を、政府の措置を督励し、鞭撻する一方、法を以てやらなければならない部面は立法措置として御検討になられたものと考えます。で、特別委員会の使命として、公式に立法上の研究をなされて、そうして特別委員会の委員の諸君が発議して出て来たものであると考えます。そうしますならば、この特別委員会は超党派で災害地対策を樹立するためにあるのであるということは、再三特別委員会を作る場合の論議の上で各会派を通じて問題にされ了承されておるところであります。それが議運のほうでこの法案を付託することについて問題になりました場合にも、基本的には、これは常任委員会の所管事項としては建設委員会にかかるものである。従つて条理上はそうであるが、特別委員会が総合的な施策を行うために設けられたのだから、この委員会の調査に、又こういう法案を付託することのほうが望ましい、そのほうが緊急対策としての臨時立法が速かに通過せられて、この水害地の緊急対策ができるという便宜上のことから言つても非常に望ましいということで、本院の議運として特に特別委員会に付託したものである。従つてこの法案の発議者を見ますと、各会派が網羅せられておるようであります。それは各会派の同意が得られておることは、私は特別委員会の性格上当然であろうと考えておるのであります。従つてこの審査を進めて行くに当つて、この法案について異議が起り、反対であるというような態度が出て来るようであつては、私は災害地域の救済を待つた住民のために院が特別委員会を何のために構成したのかということで指弾されるであろう。又、私自身もそういうことは遺憾であると考える。慎重に立法過程において、特別委員会が各会派を代表する委員によつて検討せられる。それらの各会派のかたの代表署名がある隣りは、私はこの法は審議によつて事情を明らかにすることは明らかになるでしようが、法の通過ということは火をみるよりも明らかである。全会一致になるべき筋合のものであろうと考える。そういうふうに立法過程において慎重に……。この小委員長でもありました山田さんが小委員会において慎重に扱われたかどうか。各会派それぞれの意見の一致を見ておるという建前でこれを提案されておるのであるかどうか。この点を明らかにして、審議を進捗させるための事情を、事態をお知らせ願つておきたい。そうでなくて、一部の議員には署名はさせたが、おれは反対だつた。反対なんだというようになるならば、これは特別委員会にそもそもこの法案を付託したという、又議運なら議運のほうは不明をこれは恥じなければならない。この点を明らかにして頂いて審議を進めて頂きたい。かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/8
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009・山田節男
○山田節男君 これは本連合審査会が始まる冒頭において、矢嶋特別委員長から経過の報告並びに今日こうして建設常任委員会と連合審査をして頂く理由を詳細に述べられたのであります。小笠原委員がまだおいでになる前でした。今小笠原委員の指摘される小委員会でとうであるか——仰せのようにこの発議者は各党を代表いたしております。矢嶋特別委員長が最初に申されました通りの方針で、各会派の代表者、これも与党、野党から全部入りまして、そうしてこの者は一応これは一つの特別委員会のまあ分科会のような意味で、私の管轄は建設並びに文部に関することとして、各会派の代表者合計六名で以て構成して、そうして文部省、それから建設省の諸君並びに現地からたまたま見えておつた、これは和歌山県を入れましての各地方の知事を招致いたしまして、そうして更に大野国務相が九州から帰つて来られた。これも特別委員会へ来られたのでいろいろ意見要望等がございました。で、特別立法措置を早急にしてもらわなければならんというようなことから、実は緊急対策の面にも特別立法措置をしなければならんだろうというので、勿論この小委員会はこれは四つに分れておつたと思いますが、各小委員会の緊急対策としての応急措置並びに恒久措置という問題がありますが、恒久措置ということになれば、これはもうちやんと常任委員会があるのであつて、これは原則として常任委員会に任せるべきものであるが、併し恒久対策と同時に応急なる緊急な対策をしなければならん。併しこれは常に恒久対策というものを睨み合せてやらないと国費の濫費になるし、又恒久対策を……、今回のこの大水害というものは、これは終戦以来今日までの政治というものが治水治山というものに対しての誠意と申しますか、熱意が足らなかつたというような点からも原因するという点を考えまして、これはどうしても応急と言いながら恒久ということもこれは根本的に立てて行かなければならない。これは例えば建設なら建設常任委員会でやつて頂かなければならん問題があります。そこで、そういうような、本質的に恒久対策とそれから応急対策、そこに不即不離の関係がありながら、併しながら緊急対策もこれは一日も還延を許さないというような状態でございますので、そういう建前でこれは進みました。そこで出ましたのが、この建設関係はまあいろいろお手許に重げてあると思いますが、衆議院のほうで今法案を立案しておられる問題、その中の重要問題の一つとしましては、例のたい積土砂の問題、そこで今小笠原委員もおつしやつたように、それじやこの連中は超党派でやつておられるのであるから、これは一人も反対なくしてやつたのだと、勿論そうであります。ここに署名してある者はこれもう全部了承いたしました。そうして我々としても親委員会である特別委員会にかけて、更にこれを衆議院の同じやはり建設に関する、或いは教育に関する、文部に関する小委員会これが三回に亘りまして論議して、そうしてここで妥結できない、どうしても保留して、両方とも意見が合わない、譲れないという点は保留点としまして、又持ち帰つて小委員会並びに親委員会で審議してそうして更に又衆議院の小委員会とこれを論議し、更に特別常任委員長、理事及び小委員長会議というものをたしか三回か四回やつたように思いますが、そういうようにいたしましてもう向うも超党派でやり、こつちも超党派でやる。それでもうこれは完全に一致してできたのであります。で、この点におきましては私の扱つたもの、他の小委員会におきましてもこうして法案として出し、そうして発議者の名前においてこうして出すことについては、これはもう何ら反対ない。全員これは一致して小委員会並びに特別委員会におきまして全会一致であつたということは、これは私は国民に誓つて証言いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/9
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010・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで事情は非常に明らかになつたわけであります。即ち参議院で構成しましたこの特別委員会の性格は超党派的なものである。そうして各会派から代表として委員が参加する。従つてその代表として参画した委員が公式に立法過程において会派等にも慎重に諮つておきめ頂いたということであれば、この代表署名は即ち会派を代表した委員の署名ということで立派にでき上つて来た法案であるというふうに、私もはつきり了解いたします。そういう線に沿うて、この法案が慎重審議の上、通過する場合においても全会一致であるべきだという点を私は念のために予断しておいて、そうしてこの審議を続けて行きたいと思います。事情はよくわかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/10
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011・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) その点について委員長から一言たけ委員長のとつた態度を皆さん方に申述べておきたいと思います。
緊急対策の特別委員会でございますので、各省に関係いたします。それから国会では各常任委員会に関係いたします。これらの調整均衡を保つということに非常に苦慮いたしました。従つて要綱ができた場合に、前例を破りまして法律案要綱並びに申入れ事項、全部印刷にしまして全議員さんにお配り申上げた次第でございます。そうして特別委員の皆様方には、全部の議員さんにお配りしてあるから十分党のほうで検討して態度をきめておいでを願つてそうして参議院で態度を決定し、そうして衆議院側と合せた、こういう経過を辿り、委員長としてはまあできるだけその点は本日まで努力して参つたつもりであるということを、今のに付け足して申上げておきます。
どなたか質疑ございませんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/11
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012・小沢久太郎
○小沢久太郎君 この復旧に要する金額は大体どのくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/12
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013・武井篤
○専門員(武井篤君) 都市のこの法案によつて救われます、救われると申しますか、たい積土砂を排除する費用は、建設省の報告によりますと、大体十六億ぐらい……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/13
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014・小沢久太郎
○小沢久太郎君 十六億のほかに、或いは都市以外とか、或いは農耕地、そういうことがあるのじやありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/14
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015・武井篤
○専門員(武井篤君) これは九州と山口だけの数字だと思つております。ほかのはちよつと今数字を手許に持ち合せておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/15
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016・小沢久太郎
○小沢久太郎君 先ほど十六億と言いましたが、この法案に大体盛られているところは十六億で済むのでございますか。ほかに何かわからん数字があるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/16
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017・山田節男
○山田節男君 これはこの第二条の後段に「又は水害により発生した土砂の崩壊等により災害地域内にたい積した政令で定める程度に達する異常に多量のでい土、砂れき岩石、樹木」、これは砂れき岩石と申しますと、これは例えば今回の和歌山、奈良県の山岳地帯、これは非常に岩がたくさん押出しまして、これはやはり一面においてはこれは砂防的なこととも考えられるかも知れんが、殊にこれは衆議院におきましてこれは異常なでい土というような工合に、これは同じカテゴリーに入れるべきだというので、これはまあ衆議院のほうからも非常に強い御要望がありまして入りました。それから樹木というのがありますが、これはいわゆる根つ子が付いた木が、今回の和歌山の大水害において漁港、海岸等へ非常に大量の根つ子の付いた木が押流されて、先ほども提案理由のときに申上げましたが、これも異常に堆積して、これは今の熊本市におきまする泥土のような、例えば社会公衆衛生といいますか、これに匹敵するような理由、或いは漁港において船が入つて来れぬとか、こういうような異常な場合に政令で定めた場合は、やはり本法を適用するという建前になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/17
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018・小沢久太郎
○小沢久太郎君 いろいろ政令で定めるという条項があるんですが、まあ政令で定めてからでなければ、はつきりわからないということは言えるんですが、一応こういうことを書かれたのはどういうことを想定されているんですか。大体想定されているのはどのくらいの復旧費というものが要るというお見込みは付きませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/18
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019・山田節男
○山田節男君 先ほども武井専門員が申上げましたが、熊本一帯と山口県という、こういう方面の現地からの情報或いは建設省当局情報を聞きまして、先ほどいろいろ御報告申上げたのでありますが、併しこれは鳥取とか島根とか兵庫、京都或いは福井或いは今回の和歌山、奈良県、これはまだ政府といたしましても特に和歌山、奈良県の奥のほうにこういつたようなもので一体どれくらい金が要るだろうかということは、少くとも昨日までは政府といえどもまだ詳細というか、大体のめどが付くだけの情報をまだ持つていないような状態であります。従いましてこの見積りということも申上げられませんが、併し先ほども御説明申上げましたような異常なという言葉がございまして、そしてこれはどうしても国庫が負担するか補助しなくちやならんというものは、これは政令によつてやることになつております。そういたしまするというと、やはりこれは目の子算用でございますが、これは二十億をそう余りたくさん出ないんじやないか。これは極めて大ざつぱな目安でございますが、まあ議論過程ではそういうような議論も衆参両院の打合会では一応出ておつたということを御参考までに申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/19
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020・小沢久太郎
○小沢久太郎君 この予算措置はどういうふうにお考えでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/20
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021・山田節男
○山田節男君 この問題は、勿論初めからこの法案は予算の措置を伴わなくてはならん法律でございまするから、従つて予算措置を考えないで法律を作つてはこれは死文に等しい。これは最初からそういう意向が、我々としてもそう意識いたしております。そこで先ほども小笠原委員の質問のときに申上げましたが、こういう超党派でやつており、そうして政府委員のいろいろ意見を聞いてみまして、そうして極めてこれは限定された応急なものである、どうしてもこれは予算などないといつても、予算がないからやれないんだというようなことで、放つておけんようなものを、我々がピックアップしてやるのでありますから、我々がここで対象とし、我々が論議の結論を出すものは、政府が財政的にどうにもこうにもならんというような多額のものを無理に要求するのではない。併しながら最低限度、我々がこうして審議いたしまして最小限度のものは、これは政府が責任を以てやらなくちやならん。そこに超党派といたしまして成るべく経費を少くしよう。例えばこの泥土問題以外に、建設の小委員会で衆参両院が論議を戦わされたときにも、これは衆参両院案を見まするというと、衆議院のほうが相当金がたくさん要る。そこで予算的な関係からいろいろ論議いたしまして、むしろ参議院のほうの案が非常に保守的だと言われるくらいまでにも搾りましたことも、成るべく緊急止むを得ない。併しこれに対して政府はもう責任を持つて予算措置をすべきものだと、かような建前で、私は我々の小委員会並びに特別委員会として、飽くまでやつているということは明かな事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/21
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022・小沢久太郎
○小沢久太郎君 その点は政府とお打合せ済みでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/22
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023・山田節男
○山田節男君 政府と打合済みという段階まではまだ私は入つておりません。と申しますのは、一応この法律化をするのでありますから、衆参両議院意向が一致しなければ、而もそうしてこの親委員会、親委員会と申しますか、建設に対しては建設の常任委員会の御意向を聞いて、一応御審議願つて、建設委員会の専門的立場から見てこれでいい、併し予算的にこれはどうであろう、これはこういうところは予算が多いじやないかという、こういうようなアドヴァイスも頂けるだろう、その上で本当にもうエッセンスのものミンマムなものは我々特別委員会としても責任でありますし、衆参両院にお願い申上げまして、できるだけ予算措置を願いたい。補正予算においても或いは臨時国会においてもお願いしなければならん。これはまあ衆参両院、野党与党を問わず、これまでも論議の過程において、これは皆様から異口同音にそういう御意見があつたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/23
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024・小沢久太郎
○小沢久太郎君 私の御質問申上げたいのは、これは緊急に早くやらなければならん、こういう問題で御質問するのですが、例えば予算措置を、補正予算ならば遅れるのでありますから、それ以前にもつとこれを早くするという御意図はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/24
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025・山田節男
○山田節男君 まあ補正予算になりますると、これはどうしても九月の末乃至十月頃に審議を始めるのでは、遅いから、臨時国会、できればこの法律は、我々昼夜殆んど夜遅くまでやつておりましたは、国会が今日までしかない、それまでに何とか立法化すると同時に、両院の御意思をここに盛り込んでもらつて、そうして予算という最後の問題になれば、政府に一つ槌つて何とかこれらの措置を、一時にできなくしても、段階的に、最も重要な面から最初にやるということでいいから、政府はこれはもう責任があるということを国会で意思表示をしてもらいたい。現に我々審議の過程におきまして、熊本県の阿蘇郡の町村会長、或いはその他の熊本県とか、佐賀県とか、福岡或いは和歌山県の状況を聞きまして、繋ぎ融資をもうすでに出したというような報告を得て、すでに二週間経過しておりますが、九州の熊本県阿蘇郡の宮地町長の意見を聞きまするというと、もう通知は七月の十六日にあつたけれども、二十一日にまた三十万円の金も頂いておりませんというような、かような状況からみましても、どうしてももう現地で困つている、何とかしなくちや、応急対策といたしましては、もうたとえ今日国会が終るにいたしましても、今晩十二時までもして、結論が出たらば、我々挙党一致して国会としてお願いしよう。そういうわけで実は今日まで来ているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/25
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026・小沢久太郎
○小沢久太郎君 これは災害対策予備費がありますが、あれから出ませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/26
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027・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) それは七十五億しか残つていない……。その問題については、一応委員会を運営して参りました委員長から、お答えするのが適宜だと思いますから、基本的な立場をお答え申上げます。私は特別委員長として、委員会を運営して参るに当りまして、立法過程に入ると共に、最も心痛したのは予算の面でございます。折角各法律案要綱ができると同時に……当時は政府には被害のデータというものは十分揃つていずに、必要予算額の算出に非常に苦労する状況にあつたのでございますが、各常任委員会の専門員諸氏の非常な御努力によつて、この法律案要綱で行くならば、概算どのくらい予算が要るということを算出したわけでございます。それも各党へお持ち帰り願つて、所要予算の概算額と、それと法律案要綱で検討願つたわけでございます。それで私は、一つの法律案を議員として国会に提案するに当つては、一応予算の概要というものをつかまなければならない。又政府の意志も一応は聞かなければならない。併し一から十まで全部政府委員諸君のOKがなければ国会に提案しないという態度はとらない。一応聞いて、そうして我々特別委員会の委員諸君がそれぞれの所属の党派の意向も持ち寄つて、この程な度らばこの緊急対策特別委員会として災害復旧には必要である、こういうように結論付けたものについては、たとえ政府委員諸君が、反対であると意思表示しようとも、立法府の我々としては立法をやる、こういう方針で参つた次第でございます。
この内容についても随分と検討されましたが、只今小委員長からもお話がありましたように、この程度のものは是非共やらなければならない、こういうような結論に達して提案がなされた。委員長はそういうような取扱方を本日までなして来たということを念のためにお答え申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/27
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028・田中一
○田中一君 最初に伺いたいのは、これは常識的な考え方ですけれども、これが六月並びに七月の大水害、いわゆる限定された西日本水害に対する措置というふうに考えてよろしゆうございますね、これは委員長に伺いたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/28
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029・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 申上げます。それらの解釈については、衆参の特別委員会の委員長、小委員長、理事の合同の打合会で決定線を出しました。その決定線とは如何なるものかと申上げますというと、例えば具体的にこの法律案を取上げますが、この法律案を適用するのは、年々歳々水害の時に起る程度の土砂などは対象にしない。雨が降れば土が出るのはきまつておる。そのたびにすべての地域に、時間的にも無制限にこういう法律を適用していたのでは国家財政は持たない。従つて期間を六月、七月と切つたからといつて、六月、七月中に雨の降つたところに全部適用することができない。如何なるところに適用するかということは政令で定める。その前提条件というものは異常なる程度の災害によるものだ。こういう意識統一を当院ではいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/29
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030・田中一
○田中一君 では、この法案を作成しなければならなかつた、立案されなければならないということは、政府が現在持ちますところの予算、或いは二十八年度予算が通過したあとにおいても、かかるものに対する財政支出をするという意図がこの中にはないということを認定されての立案ですか。委員長に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/30
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031・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) お答えします。調査団の報告、並びに政府側の災害報告、更には地元側の資料による陳情等によつて、この災害はこういう立法をしなければ復旧はできない、立ち上れないという考えの下にやつたのでございます。と申しますることは、先ほどもちよつと話が出ましたが、災害対策予備金にいたしましても、八月以降に発効するであろう。現在参議院で審議中の予算には、百億が計上されております。政府側の答弁によりますと、約二十五億すでに使つて、七十五億くらいしか残つておらないということを本委員会では答弁いたしております。そうなりますというと、その枠内で何とかしようと政府委員は考えているように本委員会では答弁をしています。これは程度の問題にかかわらず、すべての災害についてであります。
一方、中央対策本部の本部長である緒方副総理は、このたびの災害というものは関東大震災に次ぐ大災害であるということを、再三再四この委員会で発言いたしております。併しながらそれに対して具体的な予算措置については、我々としては納得のできるような答弁は一回も受けていないわけでございます。従つて最小限度の立法でなければならないというところで、先刻から申上げましたように、衆参協議して、建設、厚生、或いは文部、或いは通産それぞれの関係法律案を提案することに決定したのが経過でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/31
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032・田中一
○田中一君 若し政府委員が、見えていれば政府委員に質問したいのですが、よろしうございますか。見えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/32
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033・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 結構です。河川局長が見えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/33
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034・田中一
○田中一君 では河川局長に伺いますが、今委員長がこの立案の過程における政府側の答弁が不満足であつたから、このような措置をとらなければならなかつたという答弁に対しましては、その通りでございますか。別に政府としては見解をお持ちですか。答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/34
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035・米田正文
○政府委員(米田正文君) 今お尋ねの問題は、両者の間の問題でございます。今の不満足であつたかどうかは、対策委員会側の御意見でございます。政府側もたくさんの部門に分れておりますけれども、できるだけ現行法で行けるものはそれで行きたいという希望は述べて参りました。そういう点で対策委員会側の御要望と政府側の意見とが十分に一致をしないという状態であつたことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/35
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036・田中一
○田中一君 委員長は、この西日本の六月、七月の災害に対する特別委員長であるはずでございますが、和歌山県の災害に対しては、この委員会に付託されるような調査案件がないのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/36
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037・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) お答えいたします。参議院の院議によつて設けられました本特別委員会は、御承知のように七月二十日の本会議において本特別委員会が設置された当時、審査の対象とされた災害以外に、和歌山の災害と九州の六月下旬以後に起つた災害も含めて審査の対象とするということは、院議できまつております。従つて和歌山は当然入つているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/37
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038・田中一
○田中一君 若し政府が自分の或いは非を知れと言つては言い過ぎかも知らんけれども、このような立案をされないでも、政府としてはこのような措置を講ずるという言明があつた場合には、この立法に対するお考え方はどうお考えになりますか。委員長に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/38
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039・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) では答弁いたします。我々はこのたびの災害復旧対策について審査をして過程において、政府側の答弁に納得できないのが多々ございました。我々は地元からの陳情を、一〇〇%信憑性を持つては聞いておりません。併し余りにも懸隔があらゆる面においてあつたわけでございます。例えば繋ぎ融資にいたしましても、中央本部の緒方副総理は、二十億円出た、当時それで十分である。又小笠原大蔵大臣も、その二十億円で現地本部長である大野国務相も満足、或いは了解しておるのだと、こういうことを速記をつけて言明いたしておりました。ところが地元からは二十億の繋ぎ融資ではどうにもならない、こういう血の出るような叫びがあつたわけです。で、九州から東京にお帰りになつた大野本部長はいわゆる二十億ではとても駄目だというので、十億直ちに追加し、更に福岡に帰任するに当つては、更に十億を追加して行つたわけです。本特別委員会は各県側のいろいろの資料を取り寄せております。で、政府は当時二十億で十分だ、現在四十億になつておりますけれども、我々特別委員会としては、その程度ではこの逼迫した地方財政というものは立ち直れない、関東大震災に次ぐ大災害で、立ち直れない。而も御承知のように今はやはり台風時期でございます。もう佐賀県、福岡県の遠賀川附近は再災害まで起つておるわけです、二百十日も近づいていることです。ともかくも緊急特別対策委員会としてはそれこそ緊急に処置しなければならない。随分と気は焦つておりますけれども、政府側も勿論中央本部を設けられて非常に努力なさつておられます。併しながらそれぞれの立場々々ですが、我々特別委員会としては相当高い見地から予算を眺め、或いは法律案を眺めて参つたわけです。今政府が考えているような金融措置或いは法の中における操作、そういう行政措置では、あの関東大震災に次ぐ山口、九州五県、或いは和歌山という大災害地は立ち直れない、こういう我々は結論に達している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/39
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040・田中一
○田中一君 では政府としては、この立法に対して、無論衆参両院で仮に決定されるものとするならば、これは勿論従うでございましよう。併しながらこうした立法について好むか好まないか答弁して頂きたいと思います。これは昨日、建設常任委員会におきまして建設大臣に質問いたしました。これは懇談の形で質問したところが、好ましくないという答弁があつたのです。各党が集まつてきめられたこの法案に対して。これは非公式でございますが、速記はとりませんでしたけれども、好ましくないというような発言がありました。併しながら、当然仕事をする河川局長としては、この立法そのものに対するよりも、実際自分の所管の仕事を遂行する上においては、恐らく河川局長、住宅局長並びに計画局長も見えておりますが、この方々は、少くとも十分な仕事をしようとするならば、かかる予算措置があつてほしいというものがあるのじやなかろうかと思うのです。そうしてここに三局長が見えますから、三局長はここにかかるものの立法によつて得るところのものに対しては賛成されるかどうか、三局長に一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/40
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041・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/41
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042・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記をつけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/42
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043・山田節男
○山田節男君 これはまあ今の田中君の御質問に関連して、我々の特別委員会として、まあ緊急対策特別委員会がこうして衆参両院で作られて、而も予算を伴う法律案を、私も六年間において予算を伴わない特別法は三つばかり衆議院で作つておるのです。併し今回は予算がどうしても伴わなくちや文句だけではいけない。そこでまあこれは現在の日本の憲法或いは国会法から見て、議員立法はできる、議員立法は予算を伴わなくちやいかんのかというと、これは日本はアメリカの制度を守つて、アメリカの例をとつておるのでありますから、議員立法ということは勿論予算措置を伴うのであつて、これはできるのだと、この憲法並びに国会法の解釈から来ておるわけです。そこで政府が好むか好まないか、勿論これは予算的意味からの好む好まないがありましよう。それから若しこの法律において例えば改修工事をやる、或いはもつと具体的なことに支出するということになれば、これは政府にプランがあり、又今回の大災害の後には、総合的なプランが作られておりましよう。或いは関係当局も作つておりましよう。そういうことはこれは我々の干渉すべきものでもない。専門的立場からやるのでありますから、これはもう……。ただ問題は、委員長が言われましたように大野伴睦国務相が九州から帰つて来られて、あの本会議で言われた要望事項の中には、これはどうしても立法措置でやらなければ、現行法ではできないということが、要望事項の中に一項ございました。我々委員会でもそういうことを言つて、国会でこの際法律案を作つて、実はこういう強い要望がございました。そこで我々参議院で、どの御質問があつたときにも申上げましたが、これは衆参両議院で各会派の代表が出られて、而も予算というものも考えて衆参両院、殊に私の受持ちました建設関係におきましては、衆参両議院の問題点の対照表をずうつと作つてみました。予算的に考えてみても、どうも衆議院のほうは相当たくさんです。これは成るべく金は使わんほうがいいのであるから、成るべく合理的に費用負担を少くするというようなことからずつと狭めて、絞り上げて来て、実は今日出したこの一つの泥土の問題は、そういう立場から、衆参両議院の小委員会並びに特別委員会、更に両院特別委員長理事並びに小委員長が三回か四回かに亘りまして相談して生れたこういう結果を御審議願つておるのでありますが、その心構えとしては、その過程に予算ということは勿論頭にしよつちゆう思つておつたわけであります。併し又これは予算の伴う法律は議員がこれを作れないのだということは、今日の国会法、憲法においては、そういうことはないのであつて、作れるのだ、そういう解釈から実はやつておつた。
もう一つ田中委員が御質問になつた点、これは政府、今日ここにおられる河川局長さんにも再三来て頂きましてこれは当時情報が十五、六日に出て、よくはわからないものに、将来はどうするんだ、又現行法でどうするんだということも我々は一応は政府の肚もお聞きして、そうしてなおこれは政府が政行法でできんという点を、これは衆参両議院としてもいろいろ協議して、こういう線を出した、建設関係はそうであります。
もう一つ参考のために申上げますが、この文部省関係の社会教育施設の問題、これは丁度この国会で以て昨日通過いたしましたが、公立学校施設費国庫負担法案が文部委員会に出ております。丁度その時を同じうして、こういう緊急対策の問題が出ておりましたので、今、私がお渡ししました社会教育施設に関する文部省関係のものにつきましては、これは完全に文部省のほうから、こういうふうにしてもらいたい、これは現行法でできませんという称を、一つ文部省から出させまして、それを予算面或いは補助率の点から、殊に予算面を考えまして、そうして政府の意向をよく聞きまして、実は昨日これはまあ参議院の本会議にも出してこれを通過さしてもらいました。衆議院でも、私、昨日提案説明して、満場一致可決されておりますが、これなども結局この応急対策法によりまして、昨日通つた公立学校施設国庫負担法案の差が五億円、この特別措置によつて殖えるわけでございます。それによつて北九州或いは和歌山の図書館、公民館なり、こういうものが助かるということでございますから、こういう点につきましては、而も予算が五億円増加によつて、昨日通過した法律にプラス今回の別の特別措置法を作つて頂ければ、五億の差、五億円殖やすだけで以て、非常にこの社会教育施設がよくなりますということで、実は一致してやつた措置もございます。これは一つ念のために申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/43
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044・田中一
○田中一君 私はこれに反対しようと思つて言つておるのではない。このいい前例を、日本は台風の来る国ですから、今後来るものに対しても、このような措置を十分とるためには、政府にも、一つだめを押しておいて、又特殊な災害をもたらすようなものがあつたらば、直ちに両院において与野党共に一致して災害者の救済のために当ろうという意図の下に、一つうるさい質問をしたわけでありますが、これで了承いたしました。恐らく政府は辛かろうが、かかる措置をとられなければならない。同時に衆参両院とも、与量党一緒になつてかかる立法をすることを確認しておきたいために申上げたのですから、誤解のないように。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/44
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045・石川榮一
○石川榮一君 もう一つお伺いいたしますが、この趣旨は私ども誠に尤もな趣旨であると考えておるわけであります。ただ問題は、今委員長からの御説明を承わりますと、政府側の答弁が、財政的な裏付けについて非常にあいまいであると、こういうことを伺つておる。私も、もと利根川開発の法案の当時に、非常に苦い経験を持つております。全画的に文部大臣は、全部反対いたしました。併しやむにやまれずあの法案を出したのでありますが、要するに現今の災害は根本的には政治の貧困から来ておると見ておる。その観点に立ちまして、政府側が今躊躇しておる。皆さんが方がこれほどに苦心してこれを立法しなければならないという立場を呑込んでおらないという点に、遺憾な点がある。若しこの状態で行きましたならば、仮にこの立法ができましても、これが補正予算或いは臨時国会を開くという決議があればいいのですが、早くしなければならない。恐らく八月も九月は台風期であります。長期予報によれば十月までは波状的に九州並びに関西、関東を襲うであろうということを言われております。恐らく私どもはそれを予感しておるのであります。
そういたしますと、この立法をし、而も政府がその予算に対して十分誠意を示さない、協力をしないという態度をとつて、時日を経過いたしますと、大きな祖いをはずれて参ると思う。それは何かというと、この立法措置に地元民は非常に期待を持つておると思う。立法はしたが、財政措置をとらぬということになると、九月、十月になると又次の台風が来る。土砂が崩れる。六月、七月、八月だけで限定し得ないような状況が信加して来る。こういうことも考えておりますので、政府か肚をきめることが大事じやないかと思う。若しどうしても是らなかつたならば、期日をきめてこの立法を効果あらしめるような研究をして、政府に強く迫られるべきではないかと思うのです。そうでないと、この立法化がせられたら、必ず財政的措置がすぐ講ぜられなければならない。少くとも補正予算を組む臨時国会を開かなければならない。私は早期に開いてもらいたいと思います。このいうものが残つておりますので、そういうものを、この法案をめぐつて政府側の態度を十分に私は一つ質しまして、そうして政府も少々でも早急にこの予算的措置をしますという言明を得たい。若しそうでなければ、私たちは期待を裏切られて、立法に頼つたために、熊本県にしましても、福岡県にしましても、政府がやつてくれるらしいからというので、個人々々がやろうと思うのが躊躇をする。暫く眺めている。やるべきものをやらずに待つているということもあり得ると思う。そのうちに次の災害が来るということになりますれば、これは目も当てられないと思うのであります。立法したための効果が、非常に害毒を流すということになりまして、期待すべからざるものを期待させたという責任が起つて来るわけであります。そこで私が差しこの際、これはどうしても政府ができないならば、今の直ちに予算的措置をして、災害復旧費の国庫負担法の最高限は、これは金額国庫負担であるはずです。最高限これを実施しますという声明をさせておいて、そうすると、これは或る程度まで融資でも出しまして立替えて行くということもできますが、この立法の、折角おやりになりました立法の、いわゆる画竜点睛の点が、未だ政府側との折衝はお付けになつておらないのか、私はそれがそのめどであると思う。これは全額国庫負担である。災害復旧費でもパーまでやるのだ。非常の場合だからやるのだという言明を得て、この表付けによつてこれを通しまして、そうしてそういう原因がある以上繋き融資を出して立替払いをさせて、そして直ちに熊本を中心とする土砂に泣いている方々に、県を動員、町村を動員してあらゆる団体を動員して、少くとも八月一ぱい、次の台風の来るまでには大体片付けてもらいたい。こう思うのですがこれらに対する所見を伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/45
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046・山田節男
○山田節男君 大変石川委員から率直なる御意見があり、私はもう全樹的に感動してお聞きした点でありますが、勿論、先ほど特別委員長から申されましたし、私も申上げましたように、この立法措置は、予算の問題を頬かぶりしてやつたわけではございません。正直なところ、むしろ特別委員長から話されるべきだと思いますが、昨日の午後以来、衆議院におきましては、やはりどうも与党側がぐずぐずして出しちやつて、それがために私は昨日来ずつと建設に関する社会教育の問題で、政府まで了承しているものすら、昨日は十時半まで待ちまして、ごちやごちややつて、そして全会一致可決されたということであります。その点、今あなたのおつしやいますように、これをやつて政府の了解がないとやれないのじやないか。勿論この点、私どもが一番心配いたしておりますのは、今日までこれは一応衆参両議員の超党派的にまとめる前におきまして、そういうことも勿論他の野党の諸君も心配されているわけです。それと同時に、殊に佐賀県の鍋島知事が参りまして言つておりましたが、とにかく、これは政府でやつてくれるかどうかわからないけれども、併し私としては、災害県として、とにかくやれ、あとのことはどうにかなるから、とにかく土手が崩れ、家が流れたのだから、とにかくできるだけのことをしてやる。あとは政府と国会が何とかして下さるだろう。こういうので、佐賀県のごときは全部そうしてやりました。こう申しております。それから熊本県などにしても、そういう部門が相当ございます。それは大野伴睦国務相も、そういう肚でやるのだということを申されましたが、併し一旦こういう法律が、国会で超党派で、補助率なり、或いは補助の拡大なり、或いは災害救助法に関しまして、或いは公共土木の災害の国庫負担法にいたしましても、そういう一つの今までのめどがあり、それを国会が三分の二にするのだというのを金額にしろという法律ができたといたしましても、この二十八年度の予算が通つて、田植可能期である七月二十日までの緊急応急工事、それから石川さんのおつしやる八月一ぱいまでのものをきめませんと、台風というものがございます。そういう三段階を我々は考えて参りました。そういうわけでございますから、七月末までの応急と、それから八月の末までの又緊急の対策、そういう点で一応この枠を立法的に補助的にきめても、二十八年度の予算が通過いたせば、もう枠を国会がきめて法律にしてしまえば、八月一ぱいのやつは何とかやるだろう。それから恒久対策ということも当然ありましようが、これは勿論臨時国会或いは補正予算というときに治山治水審議会なり政府が作るとか、国会としてもいろいろそういう方面の議論を出して頂いて、これは特別委員会の将外だ。かようないきさつで実は参りましたのでございまして、とにかくこれは今石川さんがおつしやるように、待つているということと、それから同時に、あとはどうにかなる、何とかしてくれる、これだけをしなくちやならんというあれが相当あるということを、実は我々現場情報を聞きまして、そういう意味からも、こういう法律を一日も早く具体化することが行政的にはめどが付く、地方公共団体でもめどが付く、又個人もそれによつて大体自分がこうすればこれだけの傘は補助してもらえるというめどが付いて一層励んでやる。とにかく八月末までのやつを応急として実はめどを持つてやりましたのですから、今石川委員の御指摘になつたような矛盾とか或いは足らない点もございますけれども、特別委員会並びに建設委員会の小委員会では、この点は実は重視いたして、かような措置に速急に行くんだというので、衆参両院でこういう結論を出したようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/46
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047・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 只今先ほどから予算の問題についてしきりに御質疑が行われております。勿論我々この特別委員といたしましても、今度の災害については早急な措置をとらなきやならん、特に非常なものに対してはできるだけの措置を講じなければならんというので、かような法案が立法されたわけでありますが、ただ先ほどから問題になりますところの予算の問題が果して法案に伴うようなものでなければ、これは石川委員のお話のように我々の趣旨に副わないようなことがあつては大変であるということから、実は私共も予算に関して折衝をいたしておるのでありますが、衆議院におきましても、いろいろ予算を伴う法案の改正であるとか、或いは立法措置が考えられておるので、総合的に早急にこれを解決しようということで、今日中には大体のめどが付くことになつております。従つて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/47
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048・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 秋山さん、発言の途中ですが、それは水害対策特別委員会の話じやないでしようか、今あなたが発言されていることは、ここでやつぱりやられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/48
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049・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 いや、この法案を審議する上においてのいろいろな今御質問が出ましたから、その点を私から申上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/49
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050・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 石川君の御懸念の点ございますが、参議院の特別委員会としては、大野国務相が再三再四、西日本水害に対する予算化のために臨時国会を必要とするということを何回も委員会で言明されました。それを裏付けされるような含みのある発言を、緒方副総理も小笠原大蔵大臣もなされております。従つて私どもはそういう期待を政府に対して持つております。と同時に、この特別委員会が発足して審議をして行く間に、或いは山陰が起つた、或いは近畿が起つた、次々に災害が加わつて来て、特別委員会としてはまあ困つたものだ、こういう応急のことばかりやつておつて、これで日本の災害というものは解決するものか、こういうふうに思つておる矢先に、院内の同僚諸君、特に専門の方々から、緊急対策特別委員会だから緊急なことをだけやればいいようなものの、もつと大きいところに目を着けてやらなければこの問題は解決しないんだぞというような専門的な助言も、我々特別委員会は得た次第であります。そこで、やがて特別国会というものが開かれるであろう、従つてその特別国会においては、政府としては治山治水に関するところの抜本的な政策というものを打出すべきである、そういうような私どもは観点に達しまして、或いは建設委員の皆様方、或いは農林委員の皆様方と一緒に、超党的にそれらを意思表示するところの決議案を本会に出したい、そしてその決議案を空文化することなく、先ほど石川君から発言されましたような実現のために我々は政府を督励し、又監督して行かなければならない。こういうふうに特別委員会は固く覚悟しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/50
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051・赤木正雄
○赤木正雄君 私は今日まあ主として建設委員のことをお聞きになると思いますが、建設委員会といたしましても、三浦委員がおいでになつてこの法案をあれしたことと思いますから、又これを見ましても、大体結構であります。ただ第二条の「政令で定める地域」、この政令で定める地域が、先ほど小澤委員からも御質問がありましたが、その点がはつきりしないように思います。この政令で定める地域ということはもう少し明確にお話できないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/51
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052・山田節男
○山田節男君 御尤もな点でありまして、衆議院のほうの案に実は「政令で定める地域」という文句がありまして、それをもう少しはつきりわかり易く程度と地域と入れたわけでございますが、先ほど提案理由の説明のときにも申上げまして「災害地域」、「政令で定める程度」をどう見るかということ、これはまあ非常に漠然とお聞えになつたかと存じますが、先ほど申上げましたように、この災害地域は、現実に本法の国庫で負担しよう或いは補助を行う必要がある程度に土砂がたい積している地域を、具体的にこれはまあこうなりますと建設省がやることでありますが、具体的に調査の上で政令で処置する、こういうように予定して申上げましたが、これは例えばまあ具体的には熊本の泥土を対象といたしまして、又衆議院では奈良県のどこか山岳地帯に岩が出て何ともかんとも処置できない、それから和歌山の海岸のほうでは樹木が根つこのついたのがたい積しちやつて船が入つて来れぬこういつたようないろいろな話が出まして、衆参両院で協議の結果、「政令で定める程度」、「政令で定める地域」、まあこういうようなことになつたのでありますが、赤木委員の今の御質問の点、御尤もな点でありますが、赤木さんのもつといいお知恵があれば実は拝借したいのでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/52
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053・赤木正雄
○赤木正雄君 今山田さんのおつしやつた通り、実際現場できめるより方法ないと思います。
もう一つ関連いたしまして、やはり第二条に「たい積した政令で定める程度」、これも変なものになりますが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/53
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054・腰原仁
○法制局参事(腰原仁君) 只今第二条の「政令で定める程度に達する異常に多量のでい土、砂れき、岩石、樹木等」ということについての御質問でございましたが、これは異常に多量の泥土云々とありますので、多量の程度がどの程常かはつきりいたしませんので、その異常に多量の程度を政令で一応の基準を定めるという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/54
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055・赤木正雄
○赤木正雄君 ここに熊本県の大水害の写真がありますが、私案はまだ現場を見ていませんが、この写真を見ましても、市内の状況を見ますと、成るほどこれはもうすぐ何とかせんといけないと思います。併し今あとのほうの土砂の崩壊の関係でありますが、これは皆さんと或いは逆の説を言うかも知れませんが、場所によりましては、崩壊して堆積した土砂を取除かないで、そのままにその上に建設したほうがいいというふうな場合がたくさんあると思うのです、そういうことも御検討になつておりましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/55
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056・山田節男
○山田節男君 これも私まあ現地で、これは建設省あたりもつとよく知つておられるかと思いますが、この火山灰は非常に、私もまだ実物を見ておりませんが、例えば阿蘇山の状況を見ますと、それじやその上に土を盛つて何んとか田にならなくても畠にならんか、例えばそのままにしてその上に家を建てたほうがいいじやないか、こういうようなことを熊本県から来た人にも聞きましたが、火山灰というやつは雨が降ると、とにかくぬるぬるになつて、まるで水飴のようになる。又乾くとそれがぱつと飛ぶ。一種の異常な土壌でこれは赤木さん専門家ですからよく御存知だろうと思いますが、そういうようなもので、どうも処置というと……、ですから、この間二十三日頃見えたかたも言つておりましたが、熊本でもどんどん保安隊が来て捨てるけれども、一体どこに捨てるかという実は場所に悩んでおりますと熊本県の副知事が申しております。それは土砂が特殊の土砂であるために地域の距離から言つても、場所にしても、将来何とか盛り土でもしてやるという使える主ならまだいいけれども、どうも用をなさんというように熊本県の副知事が衆議院へ、我々の合同委員会に参りまして説明するものですから、実はそういうようなことも衆参両委員会とも実はいい知恵が出ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/56
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057・赤木正雄
○赤木正雄君 今の阿蘇地帯ですね、これはあなたのおつしやる通りなんです。私も何回も行つてよく存じておりますが、私の一緒に行つたときに、やはり阿蘇の谷川を降りて見まして、非常に土地が固まつているように見えたのです。滝壷なんですよ。その上に上から飛び下りてずぼつと胸まで入つてしまつた、県庁の人が。それで困つておつたのです。そういう地帯で、阿蘇地帯の火山灰はわかつていますが、後ほどおつしやいました和歌山県ですね、そういうところはどうかと思つたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/57
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058・三浦辰雄
○三浦辰雄君 それは今の赤木先生のは御尤もなんですが、第二条の堆積土砂の説明だけなんです。赤木委員の疑問とされるそれを取除かなくなつたというような問題、これは第一条で明らかにしています。「災害地域内のたい積土砂の排除事業をすみやかに遂行させるため」なんだから、例えば堆積土砂というところの量があつても、むしろそれは排除をしないで、他目的等に使うというような場合には、これは速かに排除させる目的にならないものだから、政令でもつてこの区域から除外する、こういうような考え方になつているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/58
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059・赤木正雄
○赤木正雄君 今の三浦委員の御説明でわかりました。これは実際問題といたしまして、日本の国土はそういうふうなほうぼうが崩壊して、それが下流の三角地帯に堆積して、そこに人家があるということは御承知なんです。神戸なんて皆それで発達しているのです。でありますから、これをただ法文に、これを自分の勝手のように解釈して、これを悪用されたら、たまらんですよ、国費が。それを十分理解して欲しい。それで結構です。それから私は、これと関連しませんが、先ほど委員長が今度根本対策として決議を出す。そういうことをおつしやいましたので、私も直接関連しませんが、やはりこの際申しておきたい。と申しますのは、今度は関東水害に次ぐ大水害とおつしやいましたが、この関東の水害のときに、丁度私が国土委員長をやつておりましたその関係で、九月三十日私は原案を作つて、水害に対する迅速な応急策と治水事業の完遂に関する決議案、これは参議院での決議案の一番初めなんです、これを私は、決議案を出したのです。そうしてその案文は、余計なことと思いますが、
水害に対する迅速な応急策と治水事業の完遂に関する決議
政府は、水害罹災民の窮状に対し、急速周到な救済の途を計ると共に、災害復旧に対して果敢な処置を講ずべきである。
治水は、国土の保安、産業及び国民生活の安定に極めて重大なもので
あるにかかわらず、歴代政府は、これを忽せにし、為めに、頻りに水害を被る事実に鑑み、この際あらためて治山治水の重要性を確認すると共に、治水の原則に準拠して水源より河口に至る一貫した計画を樹立し、造林を重視するは勿論殊に政策の抜本塞源的更改を断行して、砂防の完璧を期し、併せて河道の改修を計り、以て水禍を永遠に防ぐ方途を速かに講ずべきである。
なお、右に示した各般の水害対策につき政府の採つた措置に関して、次の常会の始めに、政府はこれを本院に報告することを要する。
右決議するこのあとの部分は、これは進駐軍に、決議案というものはただ出し放しでは駄目だ、どういう処置をとるか、これを政府に意見を聞くべきだ、それであとの分まで付けさせられて出したのです。これは片山内閣のときでした。その結果何にもされなかつた、実を申上げると。私は今度の水害もせめてこの決議案によつて多少でもやつてればこんなことはなかつた。現に阿蘇地方においても、多少でもやつておるところは水害がないのです。でありますから、今度決議案をお出しになるときは、前にもこんな決議案をやつても、参議院の第一回の決議が今もつて実行されないということをお考えになつて十分恒久の、水害のないように、お考え下さることを附加えてお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/59
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060・小沢久太郎
○小沢久太郎君 災害地域の指定ですが、これはどこの所管でやつておりますか。建設省でやつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/60
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061・腰原仁
○法制局参事(腰原仁君) この災害地域の指定は政令で定めることになつております。これはここに書いてございますように、建設大臣、農地、第九条の関係につきましては農林大臣、こういうことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/61
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062・石川清一
○石川清一君 速記録を十分見ておりませんので、私のお尋ねすることが速記録で論議されておれば結構でございますが、若しおられなかつたとしたらお答え願いたいと存じます。これに非常に似たことが、二十八年昔、北海道の上富良野というところにありまして、ここは十勝岳の大爆発で泥流が数百町歩に亘つて流れまして、人命も百二、三十名亡くしたのでございましたが、当時あそこは不毛の土地と言われておりましたが、客土いたしまして、今日では大体平均の反収を上げるようになりました。これは爆発によつて雪融けの水その他を含めて大洪水になつたのであります。将来こういうようなことが起るということも危険がございませんでしたし、又はかの地域にもこういう現象が起るというようなことも想像されなかつたのでございましたが、今度のこれを見ましても、異例的な立法でございます関係上、これが急速に、特に術生上いわゆる市民の日常生活上、特に衛生上大きな問題が将来に残る、起きて来るという上に立つて、速やかな排除作業を目的としておるようでありますが、阿蘇火山灰山麓に対して将来こういうようなことが再び起ることが懸念されないかどうか。又これが特に全額国庫で以て負担をするというような場合、こういう火山灰の砂防その他に対して十分考えなければならんようなことか起きやしないかどうか。この点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/62
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063・山田節男
○山田節男君 これは石川建設委員長のお言葉も誠にその通りでありまして、もとより小委員会、或いは特別委員会といたしましても、そういうようなことは、これは勿論建設省が専門的立場からの責任において恒久的な対策としてされなくちやならんものと存じます。それでこの法案に関する限りにおきましては、先ほど来、何遍も申上げましたように、応急の、而も七月の二十日まで、或いは八月の末まで、これを第二段階の緊急な応急措置としてやるということを中心にして考えております。勿論先ほども申上げましたように、将来これを再発しないように、砂防におきましても、いろいろこれは建設省がその方面から研究しておられると存じますが、この法案に関する限りにおきましては、先ほど申上げましたように、飽くまでも応急である。併しながら、建設省が例えば将来阿蘇の地域におきまして恒久的なそういう再発しないようなことをやると……。例えば今の熊本県の阿蘇郡では、もう川も何もなくなつたというのです。そうすると、新らしく川を付ける、或いは砂防を考えるということになれば、これは応急にやる場合においても、建設省でも、前の川をやめて今度ここへ川を付けるのだというようなことはあるかも知れません。これは勿論この法律の対象外で、ございまして、建設省が指示し、設計し、計画してやるべきだと、かような意味に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/63
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064・石川清一
○石川清一君 論議があれば結構でありますが、それではこの法案を何月何日までと、特にこの排除事業を完成する「短日時と言いますか、財政その他を勘案して何日までという日切りをしたほうが効果があるのではないか。特に台風期或いは乾燥期にこういう火山灰の下に住む地帯の衛生その他の心配される点を予想いたしまして、特に日切りを付けるというふうなことが論議されたかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/64
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065・山田節男
○山田節男君 これは例えば住宅問題でございますが、公営住宅とか、住宅金融公庫法による場合、これを緊急にやる場合、参議院といたしましては、これは緊急な対策であるから一年と切るべきだと、ところが衆議院におきましては、それはいかんと、やはり公営住宅の場合で申しまするというと、初年度を三割、次年度二割と、こういう工合にしまして、二カ年間でやるべしと、こういう実はいろいろ議論がございまして、これは結局まあ財政上のことも考慮いたしまして二年間と、こういうようになりました。そのほかの例えば泥土の問題であるとか、或いはその他の公共土木につきましては、勿論日限は書いておりませんが、併しこれは勿論三年も五年も、六年もかかるというものは、これはもう恒久対策でございます。先ほど来申上げましたように、先ず七月二十日まで、或いは八月一杯まで、この台風の時期を控えて、なんとか決壊場所とか、或いは道路の壊れておるとか、橋の壊れておるか、或いは学校関係にしましても、とにかく台風までの、八月末までを目当にやつておりましても、そのうちには厚生省、或いは農林省、いろいろ現実に基いて査定して来るものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/65
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066・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 当法案に関する連合委員会は今回を以て終了してよろしゆうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/66
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067・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 異議ないようでございますから、さよう決定いたします。これを以て散会いたします。
午後一時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614557X00119530731/67
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