1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月八日(水曜日)
午後二時三十七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小酒井義男君
理事
上原 正吉君
長島 銀藏君
竹下 豐次君
委員
井上 知治君
白波瀬米吉君
井野 碩哉君
松永 義雄君
松原 一彦君
野本 品吉君
政府委員
内閣官房副長官 江口見登留君
総理府恩給局長 三橋 則雄君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
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本日の会議に付した事件
○昭和二十七年十月三十一日以前に給
与事由の生じた恩給等の年額の改定
に関する法律案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X01019530708/0
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001・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) これより内閣委員会を開きます。
昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改訂に関する法律案を議題といたします。政府の提案説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X01019530708/1
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002・江口見登留
○政府委員(江口見登留君) 只今、議題となりました昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申上げます。
恩給は、公務員の退職又は死亡当時の条件に応じて給される趣旨から、その金額は退職又は死亡当時の俸給年額を基礎として計算されることになつておりますのであります。ところが昨秋、在職公務員の俸給支給水準が引上げられましたため、受給者の受ける恩給の中には、支給水準の高い新俸給を基礎として計算された年額の恩給と、支給水準の低い旧俸給を基礎として計算された年額の恩給とができ、同じような官職にあつた者の恩給の間においても、その退職の時期によつて差異を生じておりますが、このような事は恩給制度の趣旨にかんがみ好ましくないことと考えられますので、旧俸給を基礎として年額を計算された恩給について国家財政等を考慮し、本年十月分の恩給から、従来の恩給年額改定の方法に準じて増額改定をいたそうとするものでありまして、この法体案の第一項から第三項までの規定、並びに別表第一から第三までの規定が、これに関するものであります。
なお、本改定に伴い別途国会に提出いたしました「恩給法の一部を改正する法律案」による、いわゆる普通恩給の若年停止に関する規定の適用、その他同法律案中不用となる規定の削除等に関して規定いたそうとするものでありまして、この法律案の第四項及び附則第二項の規定がこれに関するものであります。
以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。なにとぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X01019530708/2
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003・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 続いて本法律案に対して法案内容の補足説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X01019530708/3
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004・三橋則雄
○政府委員(三橋則雄君) 御承知のように、そしていま提案理由の際に説明されましたように、昨年の十一月一日に在職公務員の俸給支給水準が引上げられましたので、現在支給されておりまする年金恩給をみますると、引上げ前に退職した又死亡した公務員、又その遺族の恩給と、それから引上げ前の支給水準の旧俸給年額を基礎として計算された恩給を給されておる者との間におきまして、恩給金額の差異ができておるのでございます。その差は大体どれくらいあるかと申しますると、一割七分から三割八分ぐらいまでの開きがあるのではないかと思つておるところでございます。その開きをなくそうとしまするのが、この法案の趣旨なのでございますが、その方法は従来の例にならいまして、現在恩給年額計算の基礎となつておりまする俸給年額を、昭和二十七年の十月三十一日における在職者の俸給とみなした場合に、同年十一月一日の改正給与法令によつて切換えらるべき俸給を求めまして、そしてこれを基礎として計算をしなおしました年額に改訂しようとするのであります。
このような恩給増額の改定は、でき得ることでございますならば、公務員の俸給支給水準の引上げられましたときに行われることが望ましいことだと思います。例えば昨年の公務員の俸給支給水準の引上げをなしたような場合におきましては、事由が許されますならば、その際に行われることが望ましいのでございますが、昨年の秋の公務員の支給水準を引上げましたのに伴う、被恩給受給者の恩給増額改訂は、いろいろの事情からいたしまして今日までその実現を見るに至らなかつたのでございます。今回やつとこの十月分の恩給から増額いたそうとするのであります。
別途国会に提案されました恩給法の一部を改正する法律案によりますると、一般文官恩給についての改正が加えられることになつておるのでございます。このたびの恩給の改定は昨年秋の公務員の俸給支給水準の引上げに伴いまして、恩給受給者の間に生じましたところの恩給支給水準の差異をなくそうとすることにあるのでございます。そこでこの趣旨を達成しまするために、このたびの恩給の増額改定は昨年の十一月、公務員の俸給支給水準の引上げに伴いまして、その際に新旧恩給支給水準を調節するための措置が講じられ、その後に右の恩給法の一部を改正する法律案が実施されたとしました場合に、給されるところの恩給年額を確保することを目途といたしまして、右恩給法の一部を改正する法律案による、改正前の恩給年額算定に関する規定を適用いたしまして、そしてこれらの恩給年額を増額改定しようといたそうとしておるのであります。右の今申上げました恩給法の一部を改正する法律案による改正後の恩給法を適用して計算しました場合の恩給年額が多い場合があるのでございます。これは傷病者の公務員、傷病者の場合でございまするが、そういうような場合におきましてはこの多いほうの額を支給することといたしました。そして本年十月以降の恩給年額を改訂しようと、こういうふうに考えておるところでございます。
この法律案の第一項のところと、それから第二項のところと、それから別表の第一と、第二と、それから第三までのそれの規定がこれに関するものであります。第一項の第一号と別表の第一は、第一項の第二号、第三号以外の一般職の職員である公務員、及びその遺族等の恩給に関することであります。それから第一項の第二号及び別表の第二は、昔の親任官、現在の認証官その他特別職の職員である公務員及びその遺族の恩給に関するものでございます。それから第一項の第三号と別表の第三は、新憲法施行後の裁判官及び検察官である公務員並びにその遺族の恩給に関するものでございます。この法案の第二項は、この恩給年額の改定は受給者の請求を待たずに裁定庁において行うということを明らかにしたのでございます。
次に、只今申上げましたように恩給法の一部を改正する法律案を別途国会に提出しておるのでございますが、この法律案の附則によりますると、昭和二十一年勅令第六十八号即ち恩給法の特例に関する件という勅令でございますが、これによりましてこの普通恩給又は扶助料を給されなくなつたとか、或いは又その金額を減額されている人たちが、新たに普通恩給を給されたり、扶助料を給されたり、或いは又、今もらつておるところの普通恩給なり、又扶助料を増額されるようなことになつておるのでございます。そしてその恩給年額は、現に年金恩給を給されておる人々の恩給年額の計算の基礎となつておる俸給年額と同額の俸給年額を基礎といたしまして計算されることになつております。
ところで現に年金恩給を給されておる人々の中で、昭和二十七年十月三十一日以前に退職した、又死亡した一般公務員及びその遺族の恩給につきましては、今申上げました通り増額改定することになりますので、今申上げましたような人々の恩給年額につきましても、やはり増額改定をいたそうと考えておるところでございます。ただこれらの人々が現実に恩給を給されまするのは、今申上げましたような恩給法の一部を改正する法律案の施行後になるわけでございまするから、その恩給年額の算定方法につきましては、恩給法の一部を改正する法律案による改正後の恩給法の規定によつて計算することといたそうとしておるのでございまして、この法律案の第三項の規定がこれに関するものでございます。
それから次に恩給法の一部を改正する法律案によりますると、普通恩給についてのいわゆる若年停止に関する規定が改正されて、停止年齢が若干引上げられることになつておるのでございまするが、この恩給法の一部を改正する法律案の附則の規定によりますと、少くとも現に支給されておる年額だけは支給されることになつているのでございます。それで、今度の増額改定が昨年十一月に行われたといたしますると、同月から支給されたであろう年額だけは支給する趣旨を以ちまして、右改正法律の施行以前から受けていた普通恩給を、この法律案によつて改正した年額について、右改正法律案による改正前の停止年齢により支給できる額だけは支払いいたそうとするのが、この法律案の趣旨でございます。この法律案の第四項の規定がこれに関するものであります。
以上申しましたほかに、恩給法の一部を改正する法律案の附則には、昭和二十七年十月三十一日前に退職し、又は死亡した公務員の俸給年額が、その後退職したり又死亡した公務員の俸給年額と支給水準を異にしていることを前提とした規定がございます。今度の増額改定の実施により、本年の十月からは、この恩給年額の計算の基礎になつております俸給年額の差異がなくなることになりますに伴いまして、不要となりますので、この規定を削るための改正をすることにいたしたのであります。この法律案の附則の第二項の規定がこれに関するものであります。
なお今度の改定によりまして、恩給局長の裁定に属しておりまする恩給受給者について、どれくらいの関係者があるかと申しますと、大体二十二、三万人くらいの関係者があるものと考えております。そして平均いたしまして大体二割五分前後の恩給が増額されることになり、年間を通じまして二十三億五千六十六万四千円くらいの恩給増額をいたすことと見込んでおります。本年十月分以降の一支給期分といたしまして、本年度の予算には五億八千七百六十六万六千円を計上いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X01019530708/4
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005・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 本法律案に対する質疑は次回に行うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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006・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 次に保庁法の一部を改正する法律案につきまして本日質疑を行う予定でありましたが、衆議院の予算委員会に政府委員が出席をしておりまして、当委員会に出席が不可能でございますので、質疑は次回に行うことにいたしたいと思います。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X01019530708/6
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