1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月二十八日(火曜日)
午前十時五十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小酒井義男君
理事
上原 正吉君
長島 銀藏君
竹下 豐次君
委員
井上 知治君
白波瀬米吉君
高瀬荘太郎君
成瀬 幡治君
松永 義雄君
松原 一彦君
野本 品吉君
国務大臣
郵 政 大 臣 塚田十一郎君
政府委員
総理府恩給局長 三橋 則雄君
行政管理庁次長 大野木克彦君
行政管理庁管理
部長 岡部 史郎君
外務政務次官 小滝 彬君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
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本日の会議に付した事件
○行政機関職員定員法の一部を改正す
る法律案(内閣提出・衆議院送付)
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001・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引続いて御質疑のあるかたは質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/1
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002・松原一彦
○松原一彦君 この法案は外務省設置法の一部を改正する法律案と関連しておりますので、両方併せて伺いたいと思いますが、それで外務省の本省に海外移住局設置に伴う六人の増というのがありますが、その海外移住局を新たに作る構想の前提となる、どこからどういう課を集めて新らしい機構をどういうふうにやるのかということを少し詳しく御説明願いとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/2
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003・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 私から御説明申上げます。海外移住局を作ります構想といたしましては、従来欧米局には第一課から第五課まで及び渡航課という課がございます。それでこのたび海外移住局を新設する場合におきましては、渡航課を先ず海外移住局に一つ持つて参りましてこれは定員二十七名でございますが、これをそのまま持つて参りまして海外移住局の第二課といたします。即ちこれにつきましては全然増員をいたしません。その次にやはり欧米局の第二課におきまして任意の事務を取扱うために移民班というものがありまして、これには職員六人が従事いたしております。この移民班を独立の一課といたしまして即ちこれを海外移住局の第一課といたしまして、これに新たに課長以下五人及び局長一人合せて六人を新規に増員いたしまして海外移住局を構成する。即ち海外移住局の専ら移民本来の事務は第一課の五名で当るということに相成るわけであります。でありまするから、もう一度初めから申上げますと、海外移住局は局長一名、それから局付き即ちいわば次長格に当るような局長補佐をするものといたしまして、審議室の参事官を一人局付きに持つて参ります。そのほかに一課五名、二課二十七名、こういうような構想、合せて四十名を以て発足するという計画であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/3
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004・松原一彦
○松原一彦君 その移民班におつた六人はこれはそのまま引越すのじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/4
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005・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 大変失礼いたしました。移民班の六名がそのまま参りますから、それに新規の五名と合せまして第一課は十一名と相成るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/5
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006・松原一彦
○松原一彦君 そういたしますと、実質的に申しますと、欧米局にあつた一つの旅券を発行する渡航課というものをそのままその任務はそつくりそのまま人と共に持つて来てそうして六人でやつておつた移民班に五人を加え、それに局長を加えたもので移民局を構成するが、その主体は第一課であるこう心得ていいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/6
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007・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) お説の通りと存じますが、一番最後の主体と申しますと、如何かと存じますが、海外移住局の移民関係を扱うのは第一課でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/7
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008・松原一彦
○松原一彦君 そうしてみると、実体から言えば五人に六人を加えたる十一人という小さい課がここに一つあつて、まあその上に局長ができ更に次長的な参事官が加わるというので、形の上から見ると如何にも小さい局ができるのでありますが、どうしてもここに局とせねばならないという切実なる理由をお聞かせ頂かないと、私は少くともいこじになつて何もこれを妨げておるのではないのでありまして何とかして行政機構というものをば拡大させまい、どつかで抑えて新らしい局を作るとか新らしい課を作る場合にはどつかから節約をして拡大を防ぐ、そうして公務員が増加するということが今日の趨勢上よろしくないというだけの見地で言つておるのでありますから、何も絶対必要なものをば妨げる考えはありませんが、これを第一課、第二課で結構ですが、課としてむしろ大臣官房の直属にしておくとか、次官は官房としてこれをばお扱いになるといつたような構想はできないものだろうか、どういうものだろうか、この辺を形式的でなく納得の行くようにお話を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/8
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009・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は松原委員の御質問になつておる通り、先般私が当委員会で申上げたときにもそのように申上げたのでありますが、私自身がこれを審議いたしますときに、これはそれほど必要なものだろうかということでかなり強く検討いたしてみたのであります。まあいろいろ説明を聞いてみると一応尤もじやないかということで承認をしたのでありますが、御承知のように移民関係の仕事が日本において非常に大事であるということは申すまでもないので、昔はそのために拓務省が担当しておつたということは御承知の通りであります。これが戦争中から戦後にかけてそういうことが全然見込がないということになつておつたために移民もなくなり、省もなくなり、局もなくなるということになつておつたわけであります。それがまあ外交もだんだん復活して参りまして、これから努力をすれば幾らかでもこれはその方面に伸びて行かれるという段階になりましたので、一つは対外的にも移民の問題に対して政府が非常に熱意を持つておるんだということをはつきりさせるためにも何がしかの役に立つのじやないか、こういうように考えましたので、これを局とすることもやむを得ないというように考えました。
それから人間がふえましたのは、これは局にするからということでふえたのではないので、移民事務がだんだんとふえて参りましたのに応じて人間の増加が必要になつて参りましてふえて参つたのでありまして、私はむしろこの方面においては目下勿論どんどんと人間を滅らさなくちやならん段階であります。外務省のこういう事務については今後も必要があればふやさなければならないのかも知れない、そういうようにさえも考えておるような実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/9
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010・松原一彦
○松原一彦君 長官に御相談申すのですが、長官もこの時代に固い御熱意を持たれて行政機構の新らしい構想を練ろうとしておるときに、移民の重大性については積極的にこれを支持したいのであります。けれども渡航課というのはこれはほんの付けたりでどこにあつても差支えはない。而も二十七八の現員そのままでやつて行ける、強いて申せば局にせんがための一つのそえものとでもいつたような感じがないでもない。移民の構想について今後お考えになるという場合に、こういう小さい十一人くらいを主体としたる局を作るということが、貧乏で財政の上にも厖大な機構の上にも困り抜いておる日本の現状として適当でしようかどうでしようか。私が先に申しましたように大臣官房にでも付けておいて徐々に将来企画して行くといつたようなことができるのじやないか。できないはずがないように思うのですが、発案者として今これを否認されるわけには行きますまいけれども、忌憚なくこういうところから先ず考え直して行かにやあならんことがありやせんかと思いますので伺つておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/10
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011・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これは御指摘のように仕事も今まで通り若しくは現在多少ふえて参つておりますが、当面見通される範囲の仕事を片付けて行くという程度においては、現在の機構で多少人員を増して頂くという程度で片付けて行けるように私も考えるわけであります。そして一方強く今まであるものを整理しなければいかないという考え方を以て今検討しておることも先般来申上げた通りなのであります。併しそういうような考えに立ちながらも本当に必要なものを又国が力を注いで努力をしなければならないものはやはりふやして頂くということも、そう一概にとめるわけに行かない。殊にこの移民の問題は相手のある問題でありますので、日本政府が非常に力を入れておるということを形の上にも又実際の上にでも現わすということが、この移民問題を今後有利に展開するために非常に役立つのじやないか、こういう考え方から私もやむを得ないのじやないかと思つて賛成をしたわけであります。私といたしましては、是非一つ御賛成願えるならば御賛成が願いたいということで考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/11
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012・松原一彦
○松原一彦君 これ以上お尋ねしてもこれは長官のお立場上困るでございましよう。それから以上は意見として考えるよりいたし方ない。私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/12
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013・竹下豐次
○竹下豐次君 今松原委員から御質問がありましたが、この移民局ということになりましても実質は十一人の局である。ほかの二十七人というのは別であつて移民直接の問題じやないわけであります。ただ十一人じや局にしちやあ少いから二十七人にしよう、多少つながりもあるから早く局にしようという、何人ですか十二人の局にするというような工作があるような疑いが起るのです。そういうことは非常によくないことと私は思います。今松原さんもそういう意味で御質疑になつたように思います。私も確かにその点はよくないと思います。
それから松原さんから官房に課を置いたらどうかというお話がございましたが、それも一つの方法でもありましよう。ただ私今の松原さんの御質問を承わつて今ここで疑問が起つたのですが、欧米局で仕事をしておられるわけですね、現在は。欧米局長もなかなか忙しいのでしようけれども、とにかく自分の局の仕事として移民関係については責任を持つている、それでもなかなか手が廻らないというのが今日の政府の考えであろうと思うのですが、そこでそれを官房のほうに持つて行くということにしたら又非常に高い次官が直接御覧にならなければならないというようなことになつて実際の動きとしては今のままにしておいたほうがいいのか、官房のほうに持つて行くほうがいいのか、これはよほど研究しなければならない問題だと思つております。考え方によつては今の局のままにしておくほうが官房のほうに持つて行くよりもいいのじやないかという疑問も起りますが、長官としてはそれは第二次の問題でありまして提案と違いますから、それに対する御意見をお述べになるにもよほどお困りかと思いますけれども、お差支えがなかつたらどつちがいいのか、どういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/13
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014・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) どうも、ほんの私の個人としての考え方と御承知願えれば非常にありがたいと思うのですが、普通にはそういうように官房に付けてという形はよく考える形で仕事の性質も或いはそのほうがいいかと思うので、殊に欧米課であつて米州課ではないものですから、而も政府が考えておる日本として考えられる移民の問題は、相手先の概して米州のものでありますから、そういう意味で欧米課に置くというのもかなり問題があるのですが、ただ外務省の官房というのは非常にたくさん雑多な仕事を持つておるわけでありまして、殊に海外電信関係なんか非常に面倒なのがあり、そこに更にそういう仕事を持つて行くということは必ずしも得策ではないと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/14
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015・竹下豐次
○竹下豐次君 これも新聞でちよつと見たので事実を確めているわけじやないのですが、人口問題に関する質問に対して総理が、海外移民の問題も考えなきやあならんと思うけれども、今の状態においてはなかなかまだよその感情も鋭いものが残つており、移民々々と言つて海外の問題ばかり、海外のほうへ眼を向ける前に国内の生産の復興、再建によつて国内で人口の収容を考えることが当面大事なことであると思う。こういうようなことを答えられておつたらしいのです。若しそれが事実とすると、今のこの移民局を新らしく置くという考え方と何だかぴつたり来ないような感じがするのですが、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/15
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016・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ海外移民は非常に過去にも重大視してやつてはおつたのでありますが、実際には実効がそう上らないし、日本の人口問題は、海外移民だけで片付くということに行かないということはまさにその通りでありまして、総理はそういう意味において問題をあのときには御発言になつたと思います。併しそうは言うものの日本の国策としてはこれは海外にも十分に伸びる余地というものを開拓し、又世界の国々にも受入れて頂くように了解工作をしなければならんということは国策としても昔も今もちつとも変つていないのでありまして、総理のそのように御発言になつたのとこの方針とはこれはやはり両立をするものだと、こういうふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/16
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017・野本品吉
○野本品吉君 これは私は休みにでもなつたら行つてみたいと思うのですが、白河に移民の訓練所というのがあるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/17
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018・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 神戸のあつせん所……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/18
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019・野本品吉
○野本品吉君 白河にそういうものはありませんか、農林省がやつておる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/19
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020・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) あとから調べてお答え申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/20
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021・野本品吉
○野本品吉君 あるないは別として私はそのことを聞いたときに、今の移民募集その他の仕事は地方的には農林関係の人が中心になつて行われておるのじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/21
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022・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) この農業移民は農林省のほうが実地のことをよく知つておりますので、農林省と協力いたしまして、現実の募集の問題は農林省が行なつておりまして主管をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/22
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023・野本品吉
○野本品吉君 そこで私は一つ注意もしなくちやならんしお聞きもしたいのですが、農林省が主として農業移民のことをおやりになつておるというその農業移民に対する感覚の問題、考え方の問題、恐らく農林省が主としておやりになつておるという、私のまあ噂に聞く範囲におきましても、そういう仕事に関しては従来満洲移民関係のものが非常に熱意を持つておるということを聞いておるのですが、そういうことは御存じないですか。農業移民の問題について従来満洲移民がありましたね、それらの人たちが大変熱心におやりになつておるということを聞いておるのですが、そういう事実はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/23
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024・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 詳細は私存じませんが、今政府で考えておりますのは、できるだけ優秀なる移民を出さなければならないというので、詳細に身元の調査もいたしまするし、そして学歴と申しますか、農業学校ぐらい出たものという考え方で各県に負わしてやつておりますから、そういう昔のことを受継いでおるというような点はないはずであります。特に和歌山県から出してくれというようなあつせん者の希望につきまして地域が限定される場合もありまするけれども、そういう特殊のものを除いては最も公正に、できるだけ今後の移民として恥かしくない人を送り出すという方針で詳細な調査を進めて過ちなきを期しておるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/24
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025・野本品吉
○野本品吉君 私はこういうことをお伺いしますのは、農業移民の問題が従来満洲開拓移民的な感覚において扱われたとするならば、将来の移民に非常に警戒すべき面があるということをまあ考えたのでちよつとお伺いしたのです。
なお福島の白河とかで訓練をするということを聞いたのですが、私はかようなことは実にばかげたことだと自分は考えておる。全然国土、人情すべてのことを異にしておる日本の内地の農場で教育した者が、その教育がブラジルなりどこなりで役に立つかどうかということを考えますとこれはまあ誠にナンセンスで、こういうふうに考えたので、若しそういうことを従来やつておつたとするならばその点についてのお考えを承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/25
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026・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) どうも白河にそういうものがあるかどうかということを調べてみないとお答えができないのでありますが、今私が承知しておりますところでは、移民のために殊にそういう、先ほど申上げた神戸で出ます前の訓練をしているということを承知しておりますが、その前段階において何か農林省が農民としての訓練をしておるというような話は今のところ承知をしておりませんのですが、なおよく調べまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/26
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027・野本品吉
○野本品吉君 それから神戸の渡航あつせん所というのですか、そこでいろいろやつておるそうですが、相当な規模だそうですが、そのあつせん所の現在の規模、そこでお働きになつておる人たち、それから常時の利用の状況でございますね、それがわかりましたらお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/27
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028・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 私が承知しております範囲内においてお答えを申上げます。正式の名称は神戸移住あつせん所と申しておりますが、そこの職員につきましては、従来は本省からの職員を特に派遣いたしまして兼務させておる。そのほかにその下に非常勤の職員を使つてやつておりましたがそれでは甚だ不十分でありますので、このたび新定員として七名を増加したい、それで御審議を頂いておるわけであります。そのあつせん所の機構といたしましては、所長の下に総務課、経理課、教養課、あつせん課という四課を置きまして、所長一、それから課長三、事務官三で、専任としてやつておきまして、その他に非常勤の職員二十名を置きましてこの規模でやつておりました。即ち専任は七名、ほかに非常勤の職員二十名を使つておりますが、これで二十八年度の計画移民の送り出し予定数は現在までのところ二百五十家族千二百五十名の計画でありまして、なおその計画移民のほかアルゼンチン、ブラジル等に対しまして呼び寄せ移民二千人を送り出す計画で、これらを扱うというのがこの大体の構想になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/28
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029・竹下豐次
○竹下豐次君 渡航課の仕事とこの移民の関係は外国に行くということだけを大きく出しているけれども、事務的なつながりとか性質というものは違つておるのじやないか、かように思われる。むしろ今度仮に移民局というものができて本当の移民の仕事を取扱う課と対立して移民局の一部になるということになりましても、この両課の連絡というものはそう緊密でなくたつていいのじやないか。ところが欧米局の第一課、第二課あたりとはむしろ密接な関係があるんじやないか。政治的に考えましても貿易その他の点を考慮いたしましても、むしろ渡航課の事務内容というものは移民局よりもむしろ欧米局のほうに密接な関係があるというように私は思います。それを現在欧米局でやつておるのを引き離して移民局という名前を作るためにそつちに無理に引付けるのだというような感じがするわけですが、その点は如何でしようか。一々の事務は詳しく存じ上げておりませんので、私の考えが違つておるかも知れません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/29
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030・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 渡航課が欧米局の下にあるのは実は便宜上やりましたことで非常に不自然な点があるわけであります。アジア方面でも技術移民を出しますのに欧米局で取扱うのは、アジア局に付けても困るし、官房のほうにやれば先ほどいろいろ長官からお場話のありましたように雑多な仕事があるので、便宜欧米局に付けておりますので、移民局ができましたならば、これは移民と言えば農業移民が主でありますけれども、今現に技術移民というようなものは東南アジアの提携関係でありますので、この渡航課を通じていろいろ身元を調査をし、先方の希望に応じて出す者と、海外移住局の移民課のほうから出て行かれるのは相当な共通点があるわけであります。幸いにして皆様の御承認を得ましたならば、渡航課は海外移住局のほうに付けたほうがより合理的であるというように考えられておるわけであります。なお長官からいろいろ御答弁になりましたので、私から蛇足を加える必要はないと存じますが、外務省の局は内地の官庁の局と多少違いまして、ブラジルの大使あたりもこの新聞報道などを見て大変喜んでおるのは事実であります。欧米局に付けても、アジア局に付けても、官房に付けても片手間にするというように実際問題としてならざるを得ない。が、併し専門の局長があるということになればより密接な関係をとられるので今後の移民にも寄与するところが多いだろうというように期待しております。この数から言えば成るほどほかの省に比べまして、これは御理解頂くのが困難であるかも知れませんけれども、相手は大使であり公使でありますような関係もございますので、この専任のものを置くということは外務省の対外的な特質から考えても是非特別の御考慮をお願いいたしたいというように考えておるわけであります。どうぞその点を御考慮に入れて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/30
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031・竹下豐次
○竹下豐次君 欧米以外のところの移民をどう取扱うかということにつきましては、前回の外務省設置の局の組替えがありましたときに、そこでも論議された問題であります。成るほど理窟としちやあ欧米以外のところは欧米以外だけれども、併し大部分は欧米に関係があるのであるから、そこで適当に取扱えれば立派な仕事ができて参りますという御答弁がこの席であつた。その後又外務省の御方針をお変えになつたのかどうか、私の記憶はそう残つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/31
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032・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 私の御説明誤解を招いたかも知れませんが、先ほど申述べました渡航課の問題、渡航課をどつちに付けたらいいかというお話ですから、それだつたら移民局に付けて不自然はないということを申上げたので、その点御了解願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/32
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033・竹下豐次
○竹下豐次君 そうしますと結局欧米局でやつても仕事ができるのだというこの前の国会のときの御答弁のように、それは今でも変らないということになつておりますから、事務的に考えても意見の相違になるかも知れませんけれども、どうも欧米局のほうが密接な関係がありやしないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/33
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034・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 現在のところで、どうしてもできないということになればそれだからというのでほかに移すという考えは持つておりません。とにかく移民政策を推進して行かなければならん。外務省として積極的に指導して行く面というものに対して今移民としては一番大事なときでありまして、どんどん出るようになつてしまえばそれはいろいろな機関もできるであましようし、丁度外務省が中心になつてやらないでも相当できると思いますが、現在これの施策を樹立し必要な法令を作らなければならないし、又調査も進めなければならない。そこのブレーンの中心になる人をこの際置いて本当に移民政策の確立を期したいというのが私どもの考えでありまして、そのためには欧米局の一班、一課というのでなしに、それに専念するところの人を置いて力を注ぐようにしたいという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/34
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035・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をやめて下さい。
午前十一時三十五分速記中止
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午後零時六分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/35
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036・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/36
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037・竹下豐次
○竹下豐次君 大臣にお尋ねいたしますが、実は定員は人の数から見れば僅かの数でありますし、予算の面から見ましても殆んど問題にならないくらいの少額の問題でありますから、考えによつちややかましく言うほどのものでもないじやないかというような言い方もあるだろうと思います。併しどうも先ほどからいろいろお答えを願つておりまするけれども、どうも無理な局の新設じやないかという気持が未だに解けないのであります。なお私心配いたしますのは、前に行政整理の問題が起りました際、外局の整理の案が政府から出されまして、いろいろな理由であれが大分反対の決議になつて修正されたわけでありまするが、そのときの記憶を私たどつてみますと、いろいろな理由で修正されたのでありますけれども、そのうちの非常に大きな理由になつた一つといたしまして水産庁を思い出す、あんなちつぽけなものが外局として残る、あれを政府が整理をしない、そうして林野庁だとか食糧庁だとかいうような大きなものを内局に縮小するというようなことはおかしいじやないか、やめるなら一緒に水産庁もやめろ、あれを政府はなんで残すかというようなことの考え方があの修正された一つの大きな理由になつたことは、これはもう塚田さんよく御存じのはずであります。そういう歴史もありまするし、それだけじやなかつたわけですけれどもそれも大きな理由であつた。そんなことなども考え合せますと無理してこの際急いでこういう移民局というようなものをお作りになるということは、やがてあなたの責任で行政整理をこの秋にはおやりにならなければならない。私らの希望では改進党とのあの予算の関係ということよりも一層手広くやつて頂いても結構だと思う、むしろ望ましい部面があるのじやないかとまで考えております。そういうふうに考えて今お作りになりまして、あなたとしちやあ余計な心配かも知れませんが、私国のために心配しますが、手を伸ばそうとされましても各省がそれで局の整理とかいうようなことに同意するかしないかということはよく今から私は考えておいて頂かなければならん大きな問題だと思いまするが。で、この問題などはまあ行政整理をもうすぐ半年たたないうちにおやりになるという計画がある際のことでもありますし、半年待てない問題でないと私は考えます。そのときに一緒にお考えになることが無理のない常識的な考えであつて、又行政整理に責任を持つておるあなたのお立場としては誠に仕事をなさる上に大きな役割な占めることじやないか、かように私は考えておるわけなんですがね。それでむしろこの際余り御無理なさらないほうがいいのじやないかと思いますが、何か答えて下さるならば……質問というよりも希望が多く含まれておるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/37
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038・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これは来年の予算を組みますまでに機構改革ということはしばしば申上げた通りなんでありまして、そしてぼつぼつその線に沿うて事務の整理の検討をいたしておるわけでありますが、御承知のように今度の整理はどこまでも機構を整理し従つて人間を整理する、こういうように考えておる。従つて本日この法案を当委員会で御審議願いますには、当然そういうことも考慮しながら一応今出しておるわけなんでありまして、まあ次の機会に行政整理、機構改革をするにしましても、必要なものはやはり必要なものとして認める。そういう考え方でおりますので、私はこの海外移住局というものは今の段階では局として作るには十分なあれではないけれども、これはこういう工合にしてだんだんに内容を充実したものにして持つて行くほうが、今日の日本のあり方としてまあいいのじやないかという考え方で一応はいたしておるわけなんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/38
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039・竹下豐次
○竹下豐次君 まあ大臣の今の御答弁はそれで一ぱいだろうと思いますが、重ねて何にも申上げませんけれども、私はそういうことを希望を入れまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/39
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040・上原正吉
○上原正吉君 関連して大臣にお願いしたいと思うのです。行政整理に関しまして国の行政の機構というものは国の実力にふさわしいものでなければいけないと思うのです。電気洗濯器、電気冷蔵庫はどこの家庭でも皆要るものなんですが、それを備えるか備えんかということはふところと相談しての話でなければなければいかんと思うのです。そうして来ると行政整理というものは必要な機関を整理しなければできるものじやないと思うのです。結局国で行政機構を作るのだから必要なものを整理するのだと、そういう決心で一つお当り願いたいとこう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/40
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041・井上知治
○井上知治君 私は三、四年前賠償庁の仕事をしたことがあります。私が賠償庁の長官の時代はかなり賠償事務も煩雑でございました。ところが私がやめてから賠償庁に賠償政務次官というものができました。事務が煩雑でなくなつたのでございますからして賠償政務次官なんか置く必要はないと私は思つておつたのです。ところが政務次官を置いた。又一、二年して自由党は行政整理の大なたを振おうといたしましたところがその大なたをいつの間にか官僚の反対に会いましてひつこめた、そうしてそれこそ泰山鳴動鼠一匹というような状態になつてしまつたのであります。そこで三年前の行政整理のときに外局の整理をいたしましたところが大したことはせず、行政整理を豪語しておるところの吉田内閣は今度は定員を僅かに六人ぐらいにふやして、そうしてこれを局にするというようなことはどうも私はふに落ちません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/41
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042・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これは今の上原委員の発言、只今の井上委員の発言、確かに御尤もだと思うのでありまして、私も大体現在国がやつておる仕事、又今やろうとしておる仕事をやりたい、又やつたら役に立つという考え方からすればまさにそれはその通りなんでありまして、全然無駄なことをやつておるとは思つておらんのであります。併しそれをもなお且つ過去においてさようなことを整理して来たあと、今日もう一度やろうというときには、もちろん或る観点からすれば必要なものも整理するという考え方でやらなければできないということはよく承知し、又その覚悟でその考え方で事務を検討いたしておるわけであります。で、まあ大体目安を付けておきまして、国力に応じた国の行政機構の規模というものはどれくらいのものかという或る程度目安を付けまして、その目安に向つておのずから不急なもの若しくはなくても済むもの、そういうものを逐次外して行くという考え方で想を練つておるわけでありますが、そういう考え方から、こういう仕事は今まで相当大がかりになつておつたのがいろいろな事情で戦時中から戦後にかけてなくなつておつたのであつて、これからの日本としては恐らく必要な仕事である。こういうように考えておるわけなんでありまして、決して非常に無理をしてこれを考えておるというような意味のものではございませんですから、その点を御了解願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/42
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043・成瀬幡治
○成瀬幡治君 只今農林省関係で予算上の常勤的な非常勤職員と申しますか、労務者のことをお尋ねしましたら、本庁に三千五百十一名、食糧庁に二千八百十八名、林野庁九千六百三十九名計一万五千九百六十八名というのが大体常勤的な非常勤職員をやつておる。まあ大体お聞きしますと、給与であるとか、或いは勤務地手当であるとか、或いは扶養手当であるとか起動などもまあ特別に悪いというふうなことでなくて大体出ておるようであります。そうしますと大体普通の公務員と同じ取扱を受けておる。強いて言えば昇給、昇格が予算に抑えられておるから普通の公務員が半年、八月で上る場合にそれが二月か四月遅れるということがあるというふうに聞いておるのですが、まあ仕事の整理をせずに、或いは機械化をせずに私は機械的に天引された落し子だと思う。で迷惑をしておるのはこういう所に雇われておると申しますか、農林省だけで例をとれば一万五千九百六十八名、一万六千人そこで迷惑しておる。こういう者に対してどうされるのか。今回聞けば複雑な理由があるようでございますが、名目的な行政整理でやられるのは非常に遺憾だと思うのです。ただ退職金を出したというだけの話だ。こういうものについて根本的な解決をして頂かなければいかんと思う。ですから迷惑しておる農林省を例にとつただけで一万六千あるのです。これらの人はどうされるつもりなのかお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/43
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044・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これは御指摘の通り過去のやり方は多少無理があつたために、こういう面にふくれ出しておることは争えない事実なのであります。従つてそういうことになれば定員法の表面の上での定員の数は減つて、いかにも行政整理の効果が上つたように見えましても、国民負担が現実に減つて行くという面では何も実効がないことになつてしまうのでありまして、それではやつても意味がない。従つて今度のやり方はそうでなしに実際上今も申上げましたように整理をして行つてその上から来る仕事をしないでいるからして人間を減らすという考え方から来る整理を是非しなくちやあならん。そうしてこういう面にふくれ出すような人間もそういうことが今後ないようにしなくてはならん。従つて今後整理のときにはこういう非常勤労務者の中で定員としての中に繰込んで然るべきものは繰込む、繰込んで然るべきでないものは当然こういうものの数も事務の整理と併行してこれを整理して行つてこういう不明朗な形のものは最小限度にとどめるように措置したいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/44
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045・白波瀬米吉
○白波瀬米吉君 この行政整理の問題ですが、まあ過去三回に亙つておやりになつた、併しそれはまあ政府の意図されることとは遥かに遠い結果を実は見ておる。これはやはり日本の状態から言えば行政整理というものをどうしても思い切つてやらなければいかんと思うのですが、そこで政府で長官が中心になつてお考えになるだけでなしに、やはりむしろ国会全体がもつと行政整理の問題はもう真剣になつて考える必要があるんであつて、政府でお作りになるのはそれはもう当然のことですが、やはり国会でも何かこういう委員会か何か作つて国会あげて行政整理をもうどうしても必要だという空気というか何かそういう組織を作つてお進めにならなければ、大体まあ政府が作ればそれを批判的の立場でまあ又それにいろいろな関係がからんで、結局それを薄めることによりならない。それ以上のいわゆる行政整理の修正をするなんという結果は恐らく出て来ない。もう少し真剣に政府だけで原案を作つて承知してくれといつたようなことではいかんのだというお考えにおなりにならないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/45
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046・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) それはもう只今白波瀬委員から御指摘の通りのような考え方を実はいたしておるわけでありましてとてもこれは政府が逆立ちしましてもできないので、国会のお力に全面的におすがりしなければできない。その形としてはむしろ政府は案を作りましたり、若しくは資料を集めましたり、御意見に対してお答えするという立場でいいのであつて、国会にむしろ主になつてやつて頂くほうがいいのじやないか、こういうことを考えておるわけです。併しこれはまあ管理庁長官として申上げられる意見じやなくて私も一衆議院議員としてそういうように考えるので、その点は党の幹部などにも一つ御相談をしてみて是非実際の運び方は、そういうようにやつて頂けるようにしてみたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/46
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047・白波瀬米吉
○白波瀬米吉君 私はどうも国会にいろいろの特別委員会がまあたくさんできましたときに、それはまあいずれもその特別委員は必要に応じてできるのではありますけれども、いわゆる経費を使う、まあ簡単な言葉で言うと経費を使う方面にだけ特別委員会ができて、行政整理なんというものは、とにかくそれをやらなかつたら先行きできないというような段階にある。人の見方によつても違いますけれども、あげてそういうふうな感じを財界でも持つておる。それが特別委員会とか、或いは内閣委員の中にしてもそういつたようなもう議員自体でもこの問題は解決の一つの端緒を開いて行かなければならないということが見受けられないということは、非常に私はどうも政府が、まあ長官はどういう御案をお作りになるか知らんけれども、実際はこれがどれだけの部面が通るかということを考えると甚だどうも心もとないという感じを持つのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/47
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048・上原正吉
○上原正吉君 行政整理の話が出ましたからついでに、私のこれは意見ですけれども、御批評を頂ければ幸いだと思うのですが、行政整理をやるたびに一番障害になるのは失業者が出るということです。そうして失業者に国家が責任を持たなければいけないというのは私は当然だと思う。併しそれをやらなければ行政整理ができない。こういう矛盾に逢着するわけですが、一つこういう考え方はどうかと思うのですが、必要な仕事でも、必要な役所でもしめてしまう。但し職員の給料は払う。そうすれば失業者ができないわけです。そうすれば国費の節減には大分役立ちます。自然に職を得て転業して行く人もありましようし、そして又そういう人たちが民間の不安定な仕事に従事しておつて、又失業をしたというときには、又国家が保障するという考え方を立てて進んで行けば私は案外たやすく整理できるのじやないかと思う。それをやらずに政府が無責任に失業者を街頭に放り出すということになると、我々でさえ御賛成できないということになるのです。これは一つの考え方として御参考にして頂ければ大変仕合せだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/48
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049・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) その点は私どもも心配をしております。而も最も心配をしております問題の一つであります。そうして成功するかしないかはその対策が世間及び整理せられるかたがたが完全に納得が行かないまでも、或る程度納得して行かれる程度にその対策が講じられておるかおらないかということが確かに成功の成否を決する大きな一つのかぎにもなると思うのであります。で、私どもは国費を節減したいという意味で機構改革、行政整理を考えておりますけれども、併しそういう考え方からだけとれば一方で失業者を出して一方で失業対策で救済しなければならないということになれば、国費の面で同じだという結論が出るわけでありまして、そこで今御指摘のように整理はしてもすぐに職が見つからない人には相当期間やはり何らかの形で生活を保障するという方法を考えてやらなくちやならん。それが先般私がどこで申上げたのか、何年かかの計画を立てて最終目標はここに置く。もちろんこの仕事で必要がないものは或る時期が来たらきちつと整理をしてしまう。それから先は委嘱の形でずつと置くというのも一つの方法として考えられる。今大体公務員一人について国の予算が物件費、旅費とを含めて一人恐らく二十五万円ぐらいかかつておると思うのですが、併し給与だけから考えれば今のあれでも一万三千円平均ということになりますから、十二カ月分ですから十六万ぐらいでその差額だけは要らなくなるという考えが出て来る、極く大ざつぱな考え方としてまあ考えておるわけなんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/49
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050・成瀬幡治
○成瀬幡治君 長官のお話を聞きますと、名前と実のあるところの行政改革と申しますか、機構改革をやる、こういうまあお約束を私はされたものと思います。それはこの前の御答弁におきますと、一応まあ案が八月と言つたけれども八月よりも少し遅れるかも知れない、従つて昭和二十九年度に大体そういうものがやられるものと我々は期待しておるわけであります。そういつた場合に今いろいろな問題も上原委員も指摘されたと思いますけれども、私はやはりそういう今現に就職しておる人たちを失業させないということも一つの考えだと思うが、併しまあ社会の顕在失業者、潜在失業者までも合せればこれが何百万と言われるようなことだと思う。ですから私は日本の生産と申しますか経済をどういう形でやつて行くかというような大きな総合計画を立てなければ私はなかなかこういつた問題を根本的には解決することは不可能だろうと思う。まあ併しそういう大きなことを私はここであなたに今どうこうというわけには行かないと思いますけれども、少くともこういう名前と実の違つている一年以上四年も勤めておる非常動的職員をそのままほつたらかして置くということは私は何と言つたつて拙劣なものだと思う。過去の三回も行われたところの行政改革を見ておりまして、常勤的な人たちが非常勤職員になつたということが一つと、実際国の経費というものは私は節約されていないと思うのですよ。退職金が普通の場合に対して行政整理だからといつて八割増になつたり、四割増になつたりということはあつても、国費の軽減には何年から後にはなるという数は出ておりましたけれども、そういうことの効果の現われんうちに改正がなされてしまつて少しも国費の節約になつていない。或いは井上さんが申されておるように政務次官の数はふえたということは確かだけれども、私は役所の数が減つたとか、或いは課長さんが減つたとかいうようなことは少しも聞かない。あなたに一つフレッシュな改革と申しますか、とにかく今までのようなものではなく、私は抜本的な改革を要求しますし、又期待もいたします。
それからもう一点郵政省の問題について今度おやりになるようなときには一つのコーポレーシヨンを持つておるのですから、それらの所を勘案して私はやられるものだと思います。まああなたが郵政大臣をやつておいでになつておるから一番よく知つておいでになると思いますが、大体そういう方向を指しておると了承して差支えないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/50
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051・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これは郵政省だけでありませんで、ああいう公営企業の性格のものは現在も公務員でありながら給与の扱いは人事院の勧告によらずに相互の話合によつて調停、仲裁という形になつていたのでかなりいろいろな点で公社などと同じような扱いになつておるのです。それをもう一歩進めれば結局公益執行者という形に持つて行くということになるのですが、ただ郵政という事業がああいうように非常に国家的な色彩の強い仕事でありますから、現在今行なつているような三公社のようにまで持つて行けるかどうかということは検討しておりますが、考え方としては御指摘のような点は頭においてやつておることは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/51
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052・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それでは長官は閣議だそうでありますから、私お帰りになる前に一点ここで明確にしておきたいと思うのですが、実は当委員会に付託されておる外務省設置法一部改正の場合にも実はまだ結論が出ていないのです。若し局を置かないということになれば局長である定員はこれは削減される。或いは当委員会以外の委員会に付託されておる法律案の中で定員の増減を伴うものは、これはやはり法律が成立しなければやはり定員法の中に変更はないことになるのだ、こういうふうの点は明確にして頂く必要があるので、この点を一つ後答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/52
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053・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) それは外務省の移住局の場合にも勿論でありますし、その他の場合にも同じ考え方でありますが、結局この定員法は現在併行して国会に提出されておりますその他の定員の増加を必要とする法案と相関関係にあるものでありますから、それらのものが国会において御承認得られなければその承認が得られなかつた範囲において当然この設置法によつて定めた定員の数というものは実現されて行くというように私ども了解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/53
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054・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/54
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055・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それじや速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/55
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056・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) なお先ほどの発言に付加えまして、多少誤解が起るといけませんから申上げます。外務省の定員の増加六名の場合には、これはもともと移住関係の事務がふえますために定員増加をお願いしたわけでありまして、従つて定員増加を招来するような法律というものは別に出ておらんわけなんで、ただこの設置法で局を新設するということになつておるだけでありますから、従つて若し外務省の局というものが国会の御承認を得られないという場合には減つても差支えないと考えられますのは局長の定員一名だけでありましてあと従つて五名だけは局の設置如何にかかわらず是非承認をお願いしたいという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/56
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057・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/57
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058・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
ほかに御発言もございませんようですから質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/58
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059・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/59
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060・上原正吉
○上原正吉君 討論を省略いたしまして直ちに採決に入られんことの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/60
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061・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 討論を省略して採決に入ることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/61
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062・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 異議ないと認めます。
それでは行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/62
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063・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は前例によりまして委員長に御一任願うことに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/63
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064・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないものと認めます。
それでは多数意見者の署名をお願いいたします。
多数意見者署名
長島 銀藏 松永 義雄
松原 一彦 野本 品吉
井上 知治 高瀬荘太郎
白波瀬米吉 上原 正吉
竹下豐次発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/64
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065・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御署名洩れはございませんか……御署名洩れないと認めます。
それでは午前の会議はこれで休憩に入ることにいたします。
午後零時四十分休憩
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午後二時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/65
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066・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 休憩前に引続き委員会を開きます。速記をとめて下さい。
午後二時三十一分速記中止
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午後四時四十四分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/66
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067・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。本日の委員会はこれで散会いたします。
午後四時四十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614889X02419530728/67
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