1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年八月四日(火曜日)
午前十時二十九分開会
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委員の異動
八月三日委員亀田得治君辞任につき、
その補欠として佐多忠隆君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 郡 祐一君
理事
小野 義夫君
宮城タマヨ君
委員
青木 一男君
大達 茂雄君
中川 幸平君
中山 福藏君
三橋八次郎君
赤松 常子君
棚橋 小虎君
一松 定吉君
木村篤太郎君
国務大臣
法 務 大 臣 犬養 健君
政府委員
法務政務次官 三浦寅之助君
法務省保護局長 齋藤 三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 西村 高兄君
常任委員会専門
員 堀 眞道君
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本日の会議に付した事件
○刑法等の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/0
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001・郡祐一
○委員長(郡祐一君) これより委員会を開会いたします。
刑法等の一部を改正する法律案を議題に供します。
本案につきましては、殆んど質疑は尽きているように思われますので、質疑は終局したものと認め、これより討論採決に入りたいと存じますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/1
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002・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/2
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003・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/3
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004・宮城タマヨ
○宮城タマヨ君 私は緑風会を代表いたしまして述べますのでございます。今回の刑法等の一部を改正する法律案につきまして衆議院のほうから、刑法等の一部を改正する法律案の一部を次のように改正するという第一条中の第二十五条の二第一項前段の改正規定を削り、附則中、第二項を削り、第三項を第二項とするというこの衆議院の修正部分を除きます政府提出の原案とこの衆議院の修正案全部につきまして緑風会は賛成いたしますものでございます。
その理由といたしましては、この一部を改正する法律案に盛られております一番重要な点と考えますものは成人保護観察制度でございまして、これはこの犯罪対策に対しまして実に格段の進歩をいたしておりますところの原案だと存じております。私ども勿論この刑事政策の一環といたしましてできるなら宣告猶予の制定を願つておりますのでございますが、政府も又その制度を作ることにいろいろ考察を重ねていらつしやることを伺いまして非常に心強くいたしております者でございますけれども、その段階といたしまして執行猶予者について、今まで少年には付いておりましたが、新たに成人にもこの観察制度が付きますということは、実は今まで以上に執行猶予者の範囲を拡げられることになると思つております。それは執行猶予をいたしまして保護観察を付けるならば、実刑を科さないで社会において社会生活をさせながら而も保護善導し、更生生活をさせようという意味合におきまして、私ども長い間この制度のできますことを待ち望んでおりました者でございます。ただ併しここに問題がございますのは、その保護観察の仕方が当を得ませんときには、折角のこの精神も十分に生かすことができないということになりますから、ここで十分な予算を取り、そうして直接当ります保護観察官並びに保護司というものの質をよくするということ、その質をよくするためには、今までのような待遇の方法では到底できるものではございませんから、そこで十分な予算を取りまして、質において又量の点にも万遺憾なきを期して頂いてその運営におきましては方法よろしきを得なければ、折角のこの制度も十分に効果を現わすことができないというように考えますのでございます。そこで私は衆議院で提案されましたところの修正案に賛成いたしまして“今の段階におきましては初度目の者に保護観察を付せないということがよろしいかと思つております。ただ一日も早くこの進歩いたしました制度を完成されます意味におきまして、私はここに附帯決議案を提案いたしましたのでございます。
附帯決議案
政府は、保護観察制度の拡充強化
を図るよう格段の努力をいたすとと
もに、初度目の執行猶予者について
も必要あるときは保護観察に付する
ことができるよう措置する為、速や
かに適切妥当な法案を準備し、国会
に提案すべきである。
右決議する。この決議案を提案いたしまして、私は刑法等の一部を改正する法律案の原案のうち、只今申上げた衆議院の修正部分を除きました政府提出原案、それに衆議院の修正案を含めまして賛成いたします者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/4
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005・赤松常子
○赤松常子君 私は只今宮城委員の述べられた衆議院の修正部分を除いた政府の原案並びに衆議院の修正案並びにこの附帯決議案全部に賛成いたす者でございます。我々の終局の目的は、言うまでもございません、泥棒のいない国、犯罪者のない社会の建設でございます。それに向つて一歩これは前進したと私考えますわけで、非常に喜ばしいことだと思いますが、折角こういうふうに画期的な改正をなさいましても、その実が結ぶか結ばないかということは、ひとえにこの保護観察制度の充実が図られるかどうかということにかかつていると存じます。私は審議の過程におきましてさまざまはつきりいたしましたことの一つは、この保護観察制度の従来のあり方についても疑問があるし、又今後どういうふうな保護観察制度を政府が考えておられるかということに対しましても明確な具体的な具体案というものが示されなかつたということは大変残念に思う次第でございます。でもこの附帯決議によりまして我々の要望を政府が忠実に実行する意思を表明されましたことを諒といたしまして、どうぞその点に格段の御留意を願いたいと思う次第でございます。次の国会には必ずこの決議が実行されますことを強く要望いたしまして賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/5
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006・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 他に御発言がなければ討論は終局したものと認めて、これより採決に入ります。念のため申上げますが、本案につきましては衆議院において修正をされましたので、この修正部分を含めましたものが原案でございます。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/6
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007・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に討論中宮城君より提出されました附帯決議案を議題に供します。本附帯決議案を委員会の決議とすることに賛成の諸君の御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/7
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008・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 全会一致と認めます。よつて宮城君提出の附帯決議案は委員会の附帯決議とすることに決定いたしました。
なお、例によりまして本会議の委員長の口頭報告の内容等は便宜委員長に御一任願います。
本案に賛成の諸君の御署名を願います。
多数意見者署名
棚橋 小虎 宮城タマヨ
赤松 常子 中山 福藏
木村篤太郎 三橋八次郎
大達 茂雄 中川 幸平
青木 一男 小野 義夫
一松 定吉発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/8
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009・郡祐一
○委員長(郡祐一君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/9
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010・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午前十時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615206X02919530804/10
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