1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月二十七日(月曜日)
午前十時二十八分開議
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議事日程 第二十六号
昭和二十八年七月二十七日
午前十時開議
第一 農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会成案(衆議院送付)(協議委員議長報告)
第二 千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にへーグで、及び千九三十四年六月二日にロンドンで修正された貨物の原産地虚偽表示の防止に関する千八百九十一年四月十四日のマドリッド協定への加入について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
第三 商工会議所法案(衆議院提出)(委員長報告)
第四 中小企業金融公庫法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 塩業組合法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第八 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 教育職員免許法及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一〇 市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一一 地方財政法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一二 日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二二 漁船損害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一四 公衆電気通信法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一五 有線電気通信法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一六 有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一七 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一八 がん具の物品税免税点引上げに関する請願(委員長報告)
第一九 物品税法中に化粧用セツトを包含する等の請願(委員長報告)
第二〇 商工組合中央金庫資金源確保に関する請願(委員長報告)
第二一 旧海軍文官の退職賞与中未払額支払促進に関する請願(委員長報告)
第二二 国有機械、器具交換払下げの長期年賦償還に関する請願(委員長報告)
第三二 国家買収に係る土地、家屋移転補償料に対する免税の請願(委員長報告)
第二四 旧軍港市の国有財産処理等に関する請願(委員長報告)
第二五 転換旧軍馬施設の一時使用料すえ置等に関する請願(委員長報告)
第二六 所得税、総所得税額の決定に関する陳情(委員長報告)
第二七 商工組合中央金庫に対する政府指定預託金償還延期等の陳情(委員長報告)
第二八 長崎税関支署の昇格に関する陳情(委員長報告)
第二九 P・X向け写真機の輸出免税手続に関する陳情(委員長報告)
第三〇 琵琶湖電源開発に関する陳情(委員長報告)
第三一 只見川電源開発促進に関する陳情(委員長報告)
第三二 只見川電源開発本流案実施促進に関する陳情(委員長報告)
第三三 電源開発に伴う損失補償に関する陳情(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/0
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001・河井彌八
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/1
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002・河井彌八
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。
この際、日程に追加して、国家公安委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/2
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003・河井彌八
○議長(河井彌八君) 御異議なしと認めます。
去る二十日内閣総理大臣から、警察法第五条の規定により、高野弦雄君を国家公安委員に任命することについて、未院の同意を求めて参りました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/3
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004・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て同意することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/4
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005・河井彌八
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、旧軍港市国有財産処理審議会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/5
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006・河井彌八
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
去る二十二日内閣総理大臣から、旧軍港市転換法第六条の規定により、福島正雄君、荒井誠一郎君、野村秀雄君、堀越禎三君、山田義見君を旧軍港市国有財産処理審議会委員に任命することについて本院の同意を求めて参りました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/6
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007・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て同意することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/7
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008・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第一、農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会成案(衆議院送付)を議題といたします。
先ず協議委員議長の報告を求めます。協議委員議長片柳眞吉君。
〔片柳眞吉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/8
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009・片柳眞吉
○片柳眞吉君 只今、議題となりました農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会成案につきまして、両院協議会の協議の経過並びに結果について御報告申上げます。
協議会は、去る七月二十三日及び二十四日の両日に亘つて開かれまして、その間、慎重且つ熱心に協議が行われたのであります。先ず七月二十三日衆議院側を代表いたしまして金子與重郎君から、衆議院が両院協議会を求めるに至つた理由について説明が行われたのであります。即ちその理由を要約いたしますと、「衆議院において政府原案にある農業共済団体の役員の責任の明確化に関する規定を削除いたしました理由は、現行農業災害補償制度の従来の経緯を思い、その今後を考えるとき、すでに抜本的な検討を加えなければならない時期が到来しているので、差当つて本年産水稲及び陸稲に対する共済の引受に当面して、今回はこれら共済掛金に関する規定の改正、即ち最小必要限度の改正にとどめ、役員の責任の明確化等の修正は抜本的検討の際に譲ることとして、この際は、衆議院修正案を本協議会成案とされたい」との要旨でございます。次いで同じく衆議院側から、足鹿覺君が同様趣旨の補足説明を行い、次に宮本邦彦君から、参議院側を代表して修正の理由について説明が行われたのであります。即ち衆議院の削除修正に対して、(一)、第三十二条の二の役員の忠実義務、組合に対する役員の連帯責任、第三者に対する役員の連帯責任、(二)、第八十条の行政庁の役員改選命令、行政庁の役員解任権、(三)、第百十一条の家畜共済の義務加入に関する特別議決、以上三つの規定を復活修正を行うこととした、その理由としましては、「農民の間に共済団体及びその役員の在り方について、とかくの批判を耳にする昨今、而も抜本的改正の直ちに間に合わせぬ現在、これらの規定を削除して、その間の期間を空白にしておくことは不合理且つ無責任と考えられると同時に、農民の間に詳解を招く虞れが多分にあると思わらる。更に今回参議院で復活修正いたしました規定に関する他の立法例としましては、商法、中小企業等協同組合法、商品取引所法等多々あるのであつて、彼此勘案いたしまするとき、殊更に農業共済団体についてのみ近く抜本的改正を行わなければならないという理由を以て、この種規定を削除せんとするのは了解に苦しむ」旨の発言がなされたのであります。続いて衆議院側から、川俣清音君、参議院側から、河野謙三君及び戸叶武君が立ち、それぞれ補足的説明を行い、その後慎重且つ熱心な質疑応答を重ねましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
次いで協議会は懇談会に入り、問題点について四十分近くに亘り種々意見の交換を行なつたのであります。その結果、衆議院側の提案によりまして、翌二十四日更に協議会を開会することに決定したのであります。次いで二十四日に第二回協議会を開会し、直ちに懇談会に入り、種々意見の交換を行なつた結果、遂に意見の一致を見るに至つた次第であります。即ち、協議会再会冒頭、衆議院協議委員足鹿覧君から、「昨日来の論議の結果、衆参両院とも、根本的には意見の食い違いはなく、又抜本的改正を行う態度も一致しておりますので、次のような申合せを行なつて参議院の議決案に同意する」との動議が提出せられ、次いで「参議院議決の通りとする」という協議案の採決を行いました結果、全会一致を以て可決せられましたので、ここに両院協議会は、「参議院議決の通りとする」という成案を得るに至つた次第であります。
次いで足鹿覺君から提案せられました農業災害補償法は、実施以来五カ年を経過したが、その制度の根本的欠陥と運営も又よろしきを得ず、農民の要望に応え難き実情に鑑み、両院協議会は左記により農業災害補償制度の行詰りに対し、抜本的検討をなすことを申合せる。
記
一、農業災害補償制度についてはその抜本的改正の必要であることを確認する。
二、政府は昭和二十九年度水稲を目的として制度の根本的改正を行い、農業災害補償に対し完全なる施策を講ずること。
三、衆参両院は、農業災害補償制度の完璧を期するため閉会中もなおその調査を継続し検討すること。
こういう申合せを諮りましたところ、これ又全会一致を以て決定いたした次第であります。
次いでこの申合せに対する政府の所見を保利農林大臣に質しましたところ、「農業災害補償則度については、政府としても根本的に検討しなければならないと考えております。新制度を昭和二十九年度から実施し得るか否かは、検討の結果、直ちに実施し得る問題もあろうし、又問題によつては、相当準備鶴間を要するものも出て来ると思われます。而して只今両院において、それぞれ小委員会を設けて検討されております問題の結論如何にもよると思われますが、いずれにしても政府は根本的検討に努力する」旨の答弁がなされました。協議会はこれを了承し、会議を終つた次第であります。
以上、御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/9
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010・河井彌八
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより成案の採決をいたします。成案全部を問題に供します。成案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/10
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011・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて成案は、全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/11
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012・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第二、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にへーグで、及び千九百三十四年六月二日にロンドンで修正された貨物の原産地虚偽表示の防止に関する千八百九十一年四月十四日のマドリッド協定への加入について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。外務委員長佐藤尚武君。
〔佐藤尚武君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/12
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013・佐藤尚武
○佐藤尚武君 只今、議題となりました千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にへーグで、及び千九百三十四年六月二日にロンドンで修正された貨物の原産地虚偽表示の防止に関する千八百九十一年四月十四日のマドリッド協定への加入について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。
政府の説明によりますると、この協定は千八百九十一年四月十四日にマドリツドで最初に成立し、その後三回修正されており、今回我が国が加入いたしますのは、ロンドンで最後に修正されたマドリッド協定でありまして、この協定は、千九百三十八年八月一日に効力を生じ、現在その締約国は十六に上つておるのであります。我が国は一昨年九月八日にサンフランシスコで平和条約の署名に際し、平和条約の最物の効力発生ののち一年以内にこの協定に加入する意思を宣言しておりますので、政府はこの協定を第十五特別国会に提出して加入について承認を求めたのでありまするが、審議半ばで衆議院が解散されたため、右加入について事前に国会の承認を得ることができませんでしたので、政府の責任において、本年四月二十一日に同協定に加入の手続をとつたものであります。
この協定の要点は、生産物が締約国の一又はその中にある場所を原産地として虚偽に表示せられている場合に、その生産物の輸入を取締ることによつて不正競争を防止することを目的としたものであります。本協定は、すでに公私の貿易及び通商において国際的に承認された公正な慣行を取入れたものにほかならないとの説明でありました。協定の詳細の内容につきましては、お手許の資料を御参照願いたいと存じます。
委員会は、七月九日、十三日、十四日の三回に亘り本件の審議を行いました。質疑を了し、討論に入りましたところ、杉原委員より、「本件の承認については賛成であるが、今回政府がマドリッド協定に加入した後に国会に承認の手続をとつておる点についてははつきりさせておきたいことがある。本件の場合、事情を斟酌すべき点はあるが、本来、条約は対外的に確定的効力を発生した後に至つて国会の承認を求めることは、憲法の精神に鑑み問題があると思われるので、本件の承認を以て今後の先例とすべきではないということを、でき得れば委員会の意思としても明確にしておきたい」旨の発言があり、次いで羽生委員より、「この協定には異議はないが、杉原委員の御発言の趣旨を何らかの形で当委員会でとりまとめることを前提として本件に賛成する」との発言がありました。続いて本協定加入について承認を求めるの件につき、採決に入りましたところ、本件は、承認すべきものとして全会一致で決定いたしました。
次いで、本件討議中に、杉原、羽生両委員より提出されました動議に従い、附帯決議を附する件につき採決に入りましたところ、本件は、多数を以て左の通りの附帯決議をなすことに決定いたしました。
本件の場合、これが平和条約調印に際し加入の意思を宣言したる協定なる点において、事情斟酌すべきものありとするも、元来、条約が対外的に確定的効力を発生したる後に至つて国会の承認を求めるがごときは、憲法の精神に鑑み、避くべきであり、且つ国民外交の趣旨にも反することとなるにより、事情斟酌すべきものある本協定の承認を以て、一般条約の場合に対する先例となすことなきよう政府に対し要望する。以上であります。
右、御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/13
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014・河井彌八
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件全部を問題に供します。委員長報告の通り、本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/14
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015・河井彌八
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本件は、承認するごとに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/15
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016・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第三、商工会議所法案(衆議院提出)、
日程第四、中小企業金融公庫法案(内閣提出、衆議院送付)、
以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/16
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017・河井彌八
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事、加藤正人君。
〔加藤正人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/17
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018・加藤正人
○加藤正人君 只今議題となりました商工会議所法案及び中小企業金融公庫法案について、通商産業委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
最初に商工会議所法案について申上げます。御承知の通り、我が国の商工会議所は地域的総合団体として約六十年の歴史を持つております。然るに戦後は、去る昭和二十五年に現行の商工会議所法により、単なる民法上の社団法人となりましたが、これでは商工会議所が本来の使命を十分に達成することが困難であると考えられますので、今般衆議院議員小平久雄君外三十二名により本法律案が提案せられた次第であります。
本法律案の要点を申上げますと、第一に、商工会議所の設立認可の要件を法定し、第二に、商工会議所の組織の簡素強力化を図るため、会員総会の代りに議員総会を以てし、軽微な事項については、常議員会の決議による途を開いていること。第三に、その事業範囲を拡大し、第四に、商工会議所の公共性に鑑み、その財政的基礎を強化するため、各種租税の全部又は一部について非課税の措置を講じ、又商工業者法定台帳の作成、管理、運用に要する経費は、その台帳の被登録者から納付せられた負担金を以て当て得るとしていること、等であります。
本委員会の審議に際しましては、各委員から熱心な質疑がなされましたが、その最も注目すべき点は、一定の資格を有する特定商工業者について法定台帳を作成しなければならない理由及びその経費に充てるため特定商工業者に対し、負担金を課し得るようになつておる点でありました。これに対して提案者代表及び政府側から、「法定台帳の作成は、地区内商工業者の実態を正確に把握し、照会等のある場合、積極的に商取引を斡旋でき得るようにするためであり、又負担金については、法定台帳の作成、管理等の費用として、実費程度を賦課することを考慮しており、負担額は特定商工業者の過半数の賛成と、通商産業大臣の認可を要することになつていて、決して過重な負担をかけないようにする」という答弁でありました。その他有意義な質疑応答が重ねられましたが、その詳細は速記録に譲りたいと存じます。
かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、海野委員から、「商工会議所の運営に当つては、広く学識経験者の意見等を聴取する途を開き、公正な運用を図るように努むべきであると強く要望して本案に賛成する」旨の発言があり、討論を終つて採決の結果、本法律案は、全会一致を以て衆議院送付原案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。以上、簡単ながら御報告申上げます。
次に、中小企業金融公庫法案について申上げます。
御承知の通り、昨年末に衆参両院は、金融の実情に鑑み、特に中小企業金融促進に関する決議をいたしましたが、今回政府は、右決議の趣旨に基きまして、中小企業者に対する長期金融の特別な恒久的政府機関として中小企業金融公庫を設立するため、本法律案の提出を見た次第であります。
本法案の要点を申上げますと、第一に公庫の資本金は、政府の全額出資とし、その金額は、衆議院の修正の結果一般会計からの百三十億円と投資特別会計からの法定出資金との合計額であります。なおこのほか政府から貸付を受けることができ、今年度は、それが二十億円に計上されております。第二に、公庫は、中小企業者に対する設備資金又は長期運転資金の貸付を行なう業務を一部金融機関に委託するのであります。第三に、貸付の限度は、説明によると一企業者当り累計一千万円とし、又組合或いはその連合会については、累計三千万円としております。
以上が、本法案の要点でありますが、本委員会におきましては、審議に際し関係金融機関等よりも意見を聴取して、幾多の質疑応答を重ね、慎重に審議いたしましたが、その詳細は速記録を御覧願うことといたしまして、質疑の過程において判明いたしました主なる事項を申述べますと、一、公庫の本年度の資金は百三十億と二十億の合計百五十億ですが、内二十億はすでに蹄工中金に貸付けたものであつて、二カ年間は運用できないもので、そのほかに開発銀行の四月以降の貸付二十五億五千万円は買取ることになつておるので、結局本年度の貸付金は、百五億上千万円となります。従つて来年以降は、別に出資を要しますが、これについては、「政府側も財政の許す限り増額して行く」旨の言明がありました。二といたしまして、貸付の対象となる業種は、政令で定められますが、その中には、通産省の所管の事業ばかりでなく、他省の所管に属するものでも、中小企業である限り包含されており、これらの間に資金をあらかじめ割当てる等のことは行わない由であります。第二点としては、この貸付は、公庫が直接に行うのでなく、金融機関に全部委託する方針であり、そのために公庫の職員は、約五十名程度の簡素なものとする方針であります。なお運輸委員会並びに厚生委員会から、それぞれ「運輸、厚生両省の所管事業にも、公庫の融資につき配慮を加えられたい」という申入れがありました。
質疑を終り、討論に入りましたところ、各委員よりそれぞれ次のような希望条件を付して賛成意見が述べられたのであります。先ず石原委員より、「資金の貸出は業種別、地域別に広く公平に行い、又運用には広汎な知識を有する人物を選任すること。」次に藤田委員より、「第一に、他の業種の金融機関と重複せぬよう注意をすること。第二に、貸付金利の年一割は高いから、七分五厘まで下げるよう努力をすること。第三に、受託機関は商工組合中央金庫など中小金融専門の機関とすること。第四に、手数料は、最高年四分限度とし、できれば段階制を設けて少額貸出を有利にすること。第五に、総額が少いから零細な企業に重点を置き、又貸出限度も三百万円とし、特に必要なものに限つて一千万円までとすること。」武藤委員より、「災害地には別段の配慮をなし、又全国の中小企業者に制度の趣旨を徹底されたい。」小松委員からは、「協同組合に重点を置き、且つ風水害地帯の人々の要望に副うよう本制度の活用に努力されたい。」最後に豊田委員より、「第一に、今回計上の出資は本年度の資金に充当し、爾今毎年この程度の出資をなされたい。第二には、金融制度と風水害に鑑み、本制度の発足当初は極力大幅に資金を使用されたい。第三に、中小企業合理化の重点の一つは、協同組合の育成強化にあり、従つて組合金融に当る機関に、公庫の資金を重点的に配分し、且つかかる機関の金利をできるだけ引下げるよう特別の配慮を希望する」との各希望条件がありました。
かくして討論を終り、採決に入りましたところ、本法案は、全会一致を以て、衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
次いで加藤委員より
中小企業金融公庫に対して、爾今相当年度に亘り、毎年度最小限度百五十億円の政府出資を行うこと。
右決議する
との附帯決議案が提出されましたが、これ又全会一致を以ちまして、原案通り決定いたしました。
右、御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/18
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019・河井彌八
○(河井彌八君)別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/19
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020・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は、全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/20
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021・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第五、塩業組合法案、
日程第六、相続税法の一部を改正する法律案、
日程第七、鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案、
日程第八、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上、四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/21
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022・河井彌八
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事西川甚五郎君。
〔西川甚五郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/22
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023・西川甚五郎
○西川甚五郎君 只今、議題となりました四つの法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず第一に、塩業組合法案でありまするが、我が国の塩業は、生産、販売等一切の事業活動について塩専売法の規制を受けておりまする上に、農業に類似する塩田採かん作業と化学工業に類似する工場せんごう作業とを併存する特殊な産業形態をとるものであり、而もこのせんごう施設の建設及び維持管理には、安定した組合組織と多額の資金の蓄積投入を要します等、特殊な性格を持つておるものであります。従いまして塩業団体を現行の中小企業等協同組合法で律して参りますることは、塩業の実態に即しないものがありまするので、本案は、この特殊性に鑑みまして中小企業等協同組合と別個の塩業組合を設立し、塩業経営の合理化によつて塩の生産の維持増進を図ると共に、塩業者の経済的地位の向上に資しようとするものであります。
この法律案の特徴といたしまする点は、第一に、塩業者の協同組織による互助体制を確立するため、地区塩業組合、塩業組合連合会及び塩業組合中央云を置きまして、これをそれぞれ法人とし、塩業組合連合会には、塩業組合りほか、会社及び個人も会員になり、又塩業組合中央会には、塩業組合連合会りほか加入すべき連合会のない組合、云社及び個人も会員になることができることとしたことでございます。第二に、資力のある組合員の出資の余地を拡げて、地区塩業組合の必要とする資金の獲得を容易にするため、組合員一人当りの出資口数の最高限度を百分の二十五としたことでございます。第三に、地区塩業組合の組合員は、各一個の議決権及び役員の選挙権を有することといたしまするが、組合員が七人以上の場合は、定款によりまして出資口数に応じ、二個以上とすることができることとし、この場合の最高限度を出資総口数の六分の一としたことであります。第四に、地区塩業組合の組合員が組合を脱退したときに、持分の払戻しを直ちに行いますると、組合の事業の運営を著しく困難にする場合がありまするので、かかる虞れのある場合には、その払戻しについて条件を附することができることといたしたのでございます。なお本案は衆議院におきまして、地区塩業組合の事業に組合員の貯金の受入業務を加えると共に、専売公社は、貯金の受入業務を行う組合の事業又は会計の状況について、毎年一回を常例として検査しなければならないことに修正議決せられたのでございます。
本案の審議の過程におきまして問題となりました諸点につきまして質疑応答が行われましたが、その詳細は、速記録によつて御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、野溝委員より、「塩の需給実績の内容を伺つていると、一向進歩の跡が見えない。こんな状態では、塩の生産計画の空念仏に終る虞れがある。この次の機会には、十分な資料を以て示すよう注意ありたい」との希望を附して賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て、衆議院送付原案通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。
次に、相続税法の一部を改正する件律案について、御説明申上げます。
本案は、相続税の負担の軽減合理化と課税の簡素化を図る見地より、現行の累積課税制度を廃止いたしまして、相続及び包括遺贈によつて取得した財産については、その都度、その取得者に対して相続税を課税し、贈与及び特定遺贈によつて取得した財産については、一年間分を合算して、その取得者に対して贈与税を課税しようとするほか、基礎控除を引上げ、死亡保険金及び退職金控除の引上げ、税率の改正、延納制度の改正等を行おうとするものであります。即ち基礎控除額は、相続税については五十万円、贈与税については十万円を控除することとし、又死亡保険金及び退職金についての控除額は、それぞれ二十万円から三十万円に引上げようとするものであります。又税率は、相続税については最高税率の七〇%は据置いておりますが、課税価格三千万円以下の税率をそれぞれ五%程度ずつ引下げることとし、階級区分に若干の調整を加えて負担の軽減を図り、贈与税については、負担の権衡を考慮して、相続税の税率より勢子高目とし、おおむね現行税率と同程度にいたそうとするものであります。このほか相続税の納付を容易にするため、延納の条件を緩和する措置を講ずると共に、利子税の計算方法を簡素化し、重加算税の徴収について適正化を図る等、規定の整備を行おうとするものであります。
本案の審議に当りましては、延納制曲等について、慎重なる質疑応答が行われたのでございまするが、詳細は速記録に譲ることを御了承願いたいと存じます。
次いで討論採決の結果、全会一致を以て、原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に、鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案について御説明申上げます。
本案は、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の長期資金の調達を円滑ならしめるため、これらのものの発行する鉄道債券及び電信電話債券並びにこれらのものが借入れる外貨払を要する長期借入金について、予算の定めるところによりまして、政府が保証契約をすることができることとしようとするものでございます。なお昭和二十八年度は、鉄道債券八十五億円及び電信電話債券七十五億円を公募することとなつており、政府は、その元金及び利子等の支払について保証することとなつておるのでございます。
本案の審議に当りまして行われました質疑応答の主なるものについて申上げまするど、「長期借入金で外貨を以て支払われるものとは、どういうものを考えているか」との質疑に対して、「本年度は、国内の債券発行だけを考えていて、外貨払の長期借入金は考えていない。日本電信電話公社法には、第六十九条に、政府が保証契約をなし得る規定があるが、日本国有鉄道法には、この趣旨の規定がなかつたので、今回この法律で、これを統一して政府が保証契約をなし得るよう規定したわけである。従つてこの法律の附則で、日本電信電話公社法第六十二条第九項の規定は削除することになつている」との答弁があり、「債券は政府が保証しなければ売れないのか」との質疑に対して、「政府が保証すれば、国債に準ずるものとして発行条件を有利にすることもでき、又日本銀行が担保にとる場合も有利に取扱われる」との答弁があり、「国が公債を発行して日本国有鉄道及び日本電信電話公社に増資する形がとれないか」との質疑に対し、「財政法第四条の規定によつて形式的にはできるが、両者とも独立の機関であるので、それぞれの責任において、債券を発行するのが適当であると考える」との答弁がありました。その他債券発行の条件、方法及び時期、債券消化の見通し、資金の使途等につきましても質疑が行われたのでありますが、その詳細は、速記録によつて御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了いたしまして、討論に入り、採決の結果、全会一致を以て、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
最後に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について申上げます。
御承知のごとく酒類業組合等は本年三月制定せられました酒類の保全及び酒類業組合等に関する法律によりまして、漸次その設立を見ておるのでありますが、その後の施行状況に鑑みまして、業者団体である酒類業組合等を通じまして、組合員の企業合理化等に必要な資金を融通する途を講ずることが組合の結成を促進し、その健全なる発展に資するものと思われまするので、今回酒類業組合等が資金の借入の斡旋に代えてみずから資金を借入れ、これを組合員に貸付けることができるようにすると共に、中小企業等協同組合や調整組合と同様に、中小企業金融公庫より資金の融通を受けることができるようにいたそうとするものでございます。
本案の審議に当りましては、熱心なる質疑応答が交わされ、更に密造酒対策、酒類審議会の性格、中小企業金融公庫よりの融資問題等について慎重なる審議が行われましたが、その詳細は、速記録に譲ることを御承知願いたいと存じます。
かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、小林委員より、「本法の施行は、中小企業金融公庫法と同時に施行せられたい」との要望を附して賛成意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て、原案通り可決すべきものと決定した次第でございます。
以上、御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/23
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024・河井彌八
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。四案全部を問題に供します。四案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/24
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025・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて四案は、全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/25
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026・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第九、教育職員免許法及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案、
日程第十、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/26
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027・河井彌八
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長川村松助君。
〔川村松助君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/27
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028・川村松助
○川村松助君 只今、議題となりました二法案につきまして文部委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず教育職員免許法及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案についてでありますが、本法律案は、教員養成制度、現職教育制度、教育職員の需給状況等、現下の実情に鑑み、養護教諭の養成、教員免許制度の新設、僻陬地における教員の教科免許の特例等、所要の改正をいたさんとするものであります。
本案につきましての質疑応答の詳細につきましては、速記録に譲ることといたします。討論におきましては、僻陬地の教員の需給状況が困難であるに鑑み、かような地方有資格教員を迎え得るよう、更に実質的な措置を講ずること、現行の免許法は、余りに複雑多岐であり、教育効果の上から見ても不必要な面もあると思うので、将来抜本的に簡素化すること、又いわゆる戦前の検定制度は弊害もないではなかつたが、学資なき向学の徒をして奮起せしめた功績は没しがたいものがあつたので、この精神を汲んで、将来この制度を何らかの形式において取入れるよう措置すること等の希望を付しまして、木村委員、荒木委員より相馬委員より、それぞれ賛成意見の開陳がありました。
次いで採決を行いましたところ、全会一致を以て、本案は可決すべきものと決定いたしました。
次に、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。
教育公務員特例法によりますと、公立学校の教育公務員の給与の種類及び額については、国立学校の教育公務員のそれを基準とすることになつております関係上、昨年十二月、国立学校の教育公務員の給与の基準を定めておる一般職の職員の給与に関する法律が改正いたされまして、年末手当が期末手当に改められ、同時に勤勉手当が加えられましたのに伴いまして、今回市町村立学校職員給与負担法第一条について、これに相応した所要の改正を加えんとするものであります。
本案に関する審議の詳細につきましては速記録によることにいたしますが、討論におきましては、木村委員は賛成の意見を述べられ、深川委員は勤勉手当支給に際しては、余りにも画一的基準によつて支給しないようにという希望を付した賛成討論があり、荒木委員からは、本案に対する反対討論がございました。次いで採決の結果多数を以て本案は可決すべきものと決定いたしました。
右、簡単ながら御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/28
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029・河井彌八
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。先ず教育職員免許法及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/29
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030・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/30
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031・河井彌八
○議長(河井彌八君) 次に、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/31
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032・河井彌八
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は、可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/32
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033・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第十一、地方財政法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長内村清次君。
〔内村清次君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/33
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034・内村清次
○内村清次君 只今議題となりました地方財政法の一部を改正する法律案の委員会における審議の経過並びに結果について、御報告申上げます。
本法律案は、第一に学校、河川、道路、港湾等の公共施設のほか、直接行政目的の利用に供する庁舎等の公共施設の建設につきましても、地方債を以てその財源とすることができるものとすることであります。第二に、地方債は、従来その殆んど全部を政府資金によつて賄つて参つたのでありまするが、将来は、地方財政計画上相当額の公募資金を予定し、そのために、公共施設又は公用施設を建設するために起した地方債の償還年限は、当該施設の耐用年数を超えないようにすると共に、証券発行の方法による地方債につきましては、その発行及び償還に関する技術的な事項を政令で規定するほか、割引発行及び抽せん償還の方途を認め、又、これに対し、商法の社債に関する規定の一部を準用する等、公募債を中心として、地方債に関する規定を整備下ることを主な内容とするものであります。
本法律案に対しまして、衆議院におきましては、二点において修正が行われております。即ち、第一点は第五条第一項第五号中の改正に関するものでありますが、厚生施設、消防施設等、公共施設、公用施設の具体的例示を増加したに過ぎないものでありまして、別に原案と内容を異にするものではありません。第二点は、附則第三十二条中の改正に関するものでありまして従来認められていました自治体警察の創設のほか、その整備に伴う施設の建設費に対しましても起債の途を認めんとするものであります。本委員会は、七月二十三日及び二十五日の両目に亘り、政府委員との間に質疑応答を重ねましたが、その詳細は速記録により御承知をお知いしたいと存じます。次いで討論においては別段の発言もなく、全会一致を以て衆議院修正送付の原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/34
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035・河井彌八
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/35
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036・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/36
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037・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第十二、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案、
日程第十三、漁船損害補償法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/37
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038・河井彌八
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長森崎隆君。
〔森崎隆君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/38
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039・森崎隆
○森崎隆君 只今議題となりました日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案の委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
先ず提案理由を申上げます。日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基きまして、日本国内及びその附近に配備されましたアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍によつて、防潜網、水中聴音器、その他の水中工作物の設置又は維持、或いは防風林のような防風施設又は砂防施設の除去或いは損壊等が行われたことによつて、従来、適法に、農業、林業、漁業その他の事業を営んでいた者が、その事業の経営上損失をこうむつたときは、国がその損失を適正に補償をする必要があるのでありまして、これが本法案提出の理由であります。
次に、本法原案の主なる点を申上げますると、補償すべき損失の原因となるアメリカ合衆国の陸軍、海軍、空軍の行為といたしましては、一、防潜網その他の水中工作物の設置又は維持、二、防風施設又は防砂施設の除去又は損壊、三、その他政令で定める行為の三項を挙げ、第一、第二を除いては、すべて行為の種類を政令で定めることにいたしておるのであります。又、損失の補償を受けるべき事業の種類も、農業、林業、漁業以外は、その種類、範囲等をこれ又政令で定めることにいたしております。又、この損失の補償は、他の法律によつて国が損害補償又は損失補償の責に任ずべき損失については適用しないことといたしまして、その補償する損失は通常生ずべき損失といたしております。次に、この損失補償の手続きでありまするが、補償を受けようとする者は、総理府令の定めるところによりまして、自己の住所の所在地を管轄する都道府県知事を経由いたしまして、損失補償申請書を内閣総理大臣に提出し、総理大臣は、損失の有無、補償の額を決定し、遅滞なくこれを都道府県知事を経由して申請者に通知しなければならないことにいたしております。この総理大臣の決定に不服のある者は異議の申立てをすることができますし、又補償金の額に不服がある者は増額請求の訴えを起すことがこれ又できるようにいたしております。
以上が提案理由及び原案の大要でございまするが、衆議院におきましては、大体次のように修正議決して、本院に送付して参りました。
即ち、第一条第一項の一を、「防潜網その他の水中工作物の設置若しくは維持、水面の利用上必要な施設であつて政令で定めるものの除去、損壊若しくは変更又は水質の汚毒、障害物の遺棄その他水面の利用を著しく阻害する行為であつて政令で定めるもの」といたしまして、同条第一項の二を、「防野施設、防砂施設、防災施設その他農地、牧野若しくは林野等の利用上必要な施設であつて政令で定めるものの除去、損壊若しくは変更又は農地、牧野若しくは林野等の利用を著しく阻害する行為であつて政令で定めるもの」と修正し、附則において、本法を日本国とアメリカ合衆国との問の安全保障条約の効力発生の日以降生じた損失に遡及適用することとし、すでに支払つた見舞金等は損失補償金の内払とみなすことにいたしております。
以上のように衆議院におきましては修正議決いたしたのでありますので、水産委員会におきましては、政府委員と修正原案提出者代表に対しまして、質疑を行い、慎重に審議を重ねたのでありまするが、このほか水産農林連合委員会を開会いたしまして、農林委員側からもいろいろと質疑が行われたのであります。
そのうち、問題となりました主な点を二、三申上げますると、先ず第一に、本法の裏付けとなる損害補償額の算定基準でありまするが、現在政府が実施しておりまする算定方式は、平年の粗収入から経費を差引いたものを平年所得といたしまして被害期間中の粗収入から経費を差引いたものをその期間中の所得といたしまして、前の平年所得からそのあとの被害期間中の所得を差引いたものを損害とみなしまして、その八〇%を補償することにいたしておりまするが、これは当然一〇〇%補償すべきではない、だろうかという点であります。第二は、補償金が交付されて末端に行つた場合、経営者と労働者の間に、或いは地主と小作人との間に、これが配分についてしばしば紛争を起しておるようでありまするが、かようなことの起らないよう措置すべきであるという点。第三は、補償の申請手続が余りにも煩雑で農民や漁民は到底その煩に堪えないという現状であるが、これをもつと簡素化すべきであるという点、その他多岐に亘つておりまするが、質疑応答の詳細は速記録によつて御覧を頂くことといたします。
次に本案に対しまして農林委員会から特に左の事項について遺憾なく措置願いたいとの申入れがありました。即ち、
一、本法第一条第一項によつて損失補償の対象となるべき行為は大幅に政令に委ねられており、更に衆議院における修正はその感を一層深からしめるものであるが、これら対象となるべき行為の決定に当つては、あらゆる行為を取上げて、いやしくも遺漏なからしめること。
一、本法第一条第三項の補償の程度について「補償すべき損失は通常生ずべき損失」となつており、而して政府の見解によれば、通常生ずべき損失とは、平年の収入と対象行為の下における収入との差額の八〇%として算定されるようであるが、かかる算定方法は全く了解しがたいところであつて、実損失に対してこれを完全に補償することとすること。
以上であります。
よつて委員長におきましては、これを委員会に報告して了解を求めると共に、これに対する政府の見解を求めたのであります。これに対しまして、政府委員から、第一の点につきましては全く同感で、現在生じておるあらゆる損害を政令に盛るつもりであるが、更に将来新らしい事件が起つた場合は、政令を改正して、いやしくも遺漏のないように努力するつもりである。第二の点については、現在、昨年七月の閣議決定に基いて、損失の八〇%を補償するごとにいたしているが、御要望の趣旨もございまするので、十分御希望に副うよう研究することにいたしたい旨の答弁がありました。
かくて質疑を打切り、討論に入りましたところ、千田委員から、本法案に対して次のごとき附帯決議を付して賛成いたしたいとの提案がありました。朗読いたします。
附帯決議
政府は本法の施行に際して特に次の点に留意し措置すべきである。
一、損失補償の申請手編はできるだけ簡素化を図ること。
一、本法第十一条第三項の補償の算定において「補償すべき損失は通常生ずべき損失」となつており、政府の見解によれば、その通常生ずべき損失とは平年の収入と対象行為の下における収入との差額の八〇%と算定しているが、かかる算定方法は了解しがたいところであつて実損失に対して宗全に補償することとすること。
一、損失補償に当つては、各省間の緊密なる連絡の下に、これが損失の的確なる調査及び補償金の迅速なる交付を期し、いやしくも削減、繰延べ等のないよう留意すること。以上であります。
かくて討論を打切り、先ず原案を採決いたしましたところ、全会一致を以て衆議院修正議決の通り可決すべきものと決定いたしました。
次に附帯決議を採決いたしましたが、これ又全会一致を以て附帯決議をすべきものと決定いたしたのであります。
以上御報告申上げます。
次に、只今議題となりました漁船損害補償法の一部を改正する法律案につきまして、水産委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず本法案の提案理由について申上げますると、従来極めて低調であつた小型漁船の保険加入が、昨年第十三国会で制定されました漁船損害補償法によつて、二十トン未満の漁船に対し一定の条件の下で義務加入の制度が設けられまして、その場合、保険料の一部を国庫が負担することとなりましたため、爾来その加入成績が次第に活発となつて参りました。併しながら、漁業経営の実情を見ますると、事故による損害の復旧を補償する普通損害保険制度ばかりでなく、更に損害保険と代船建造資金の積立を兼ねた、いわゆる満期保険制度の実施を必要とする段階に立ち至つていることが痛感されるのでありまして、ここに満期保険の制度を新設することとし、これがため漁船損害補償法に所要の規定を加え、且つこれと関連してその一部を改正せんとするのであります。これが本案提出の理由であります。
次に本法案の内容について御説明申上げます。
その第一点は、只今申上げました満期保険でありますが、その事業主体は漁船保険組合が行うこととし、その組合が従来の普通損害保険事業及び特種保険事業のほかに満期保険の事業を行うことができるようにいたしたのであります。満期保険というのは、期限が満了になつた際、又は満期前の普通保険事業によつて損害が生じた場合に、保険金額を支払うのであります。而して満期保険の目的となる漁船は、満期のときにおいて、木船では建造後満十五年、鋼船では建造後満二十五年を越えないものと省令で定めることになつております。又保険料は、積立保険料と損害保険料から成るものとなつており、保険期間については三年から十年までの間において政令で定める期間の範囲内で組合の定款で定めることになつております。なお満期保険の解約等により保険関係が消滅した場合には保険料の一部を払い戻すことになつております。
第二点は、保険料の一部国庫負担についてでありますが、普通損害保険において保険料の一部を国庫が負担する場合に該当する漁船であつて、満期保険に付したものについては、国庫は損害保険料のうちの純保険料の百分の五十に相当する金額を負担することになつております。第三点は奨励金の交付でありますが、満期保険の加入者であつて、漁船の建造資金を借入れて漁船を建造した者に対しては、国庫は、当分の間、一定の条件の下に、借入金に対する利子の一部に相当する金額を奨励金として交付することになつております。
第四点は政府の再保険でありますが、政府は、満期保険につき、積立保険に係わる部分にあつては保険金額とり同額を、損害保険に係わる部分にありては保険金額の百分の九十を再保険することになつております。
その他、普通損害保険に加入する義務は義務者の二分の一以上の同意等により消滅する旨を定め、又指定地区内に指定漁船の所有者が三人未満である場合においては、指定地区内の総トン数二十トン未満のものの三分の二以上が普通保険に付されたときは、国庫は義務加入の例により純保険料の二分の一を負担することになつております。
以上が本法案の内容の大要であります。この法律案は、政府提案で、衆議院か修正可決して本院に送付になつたものであります。
衆議院の修正点は次の二点であります。即ち第一は、「付保義務の発生」の条損中、原案に「政令で指定する漁船」とあるのを修正して、指定漁船として、一年を通じて六十日以上漁業に従事する総トン数百トン未満一トン以上の動力漁船であつて、当該地底内に主たる根拠地を有する漁船」と条文に明記したのであります。第二は、付則に新たな一項を加えまして、右の修正案項の適用については昭和二十九年三日三十一日までの間は百トンを二十トンと読み替えるものとしたのであります、
委員会におきまする審議の結果は、別に質疑もなく、討論に入りましたところ、秋山委員より、「本法案の実施によつて業者多年の熱望が達せられることになり、喜びに堪えない。農業関係におきましては米麦等主食は勿論、その他各般のものに対し災害共済の制度がありまするのに、漁業については僅かに漁船の事故による損害補償制度があるのみであります。従つて中小漁業者の漁船が老朽し、損壊した場合、代船建造に対する金融の途もなく、非膳に困窮している現状から見て、この満期保険の制度創設のための今回の改王は当然のことである」という意見を述べて賛成されました。よつて討論を終結し、採決の結果、全会一致を以て衆議院修正の原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告を申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/39
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040・河井彌八
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/40
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041・河井彌八
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/41
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042・河井彌八
○議長(河井彌八君) 日程第十四、小衆電気通信法案、
日程第十五、有線電気通信法案、
日程第十六、有線電気通信法及び小衆電気通信法施行法案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上三案を一括して議題とすることに異議ございませんか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/42
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043・河井彌八
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員長左藤義詮君。
〔左藤義詮君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/43
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044・左藤義詮
○左藤義詮君 只今議題となりました公衆電気通信法案、有線電気通信法案及び有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案について、電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず右三法案の提案理由でありますが、我が国の電気通信に関する現行法律には、電信法、電波法、電信線電話線建設条例及び電信電話料金法がございますが、右のうち、電信法は明治三十三年、電信線電話線建設条例は明治二十三年の制定で、非常な古いものでありまして、爾来大きな改正がありませんために、その内容及び体裁におきまして今日の実情に副わないものがあります。そこで、今回、日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社の提供する電信電話サービスに関する基本的事項等を規定するため公衆電気通信法を、有線電気通信に関する監督法規として有線電気通信法を、又、右両法律を施行するため必要な経過規定の制定並びに関係法律の改正を行うため右両法律の施行法を制定しようとするものであります。
次にその内容でありますが、先ず公衆電気通信法案におきましては、現行制度と異なる主なる点は、第一に、電話の普通加入区域外に加入電話を設置するために電話線路の新設を要する場合には、その費用をその加入者に負担させること、而してその後五カ年以内においてその線路を利用して新たな加入者がある場合には、その者に線路新設費用を分担させ、公社はその分担金を最初の負担者に返還すること。第二に、電話加入権を譲渡した者が同一加入区域内において一年以内に加入申込みをしたときは、その申込みについては事実上承諾をしないこととすること。第三に、公社において、公衆電気通信業務の用に供する線路及び空中線等を設置するため、他人の土地等を使用する場合においては、その土地の利用を著しく妨げない限度においてのみ使用することができるものとすること。第四に、構内交換電話の交換設備等の設置及び保存について、今後は公社が行うほか、加入者等が行うことを認めること等でありますが、更に本案におきましては、電信電話の設備の拡張及び改良資金の一部を賄うために、本年八月一日より平均二〇%の料金引上げを行うこととしているのであります。
次に有線電気通信法案におきましては、有線電気通信設備の設置及び使用については、公社又は会社が行う公衆電気通信業務の独占を侵さない限り、でき得るだけ自由にする建前をとり、又その設備については、他人の設置する有線電気通信設備に妨害を与え、又は人体若しくは物件に危険、損傷を与えることを防止するため、その設置及び維持についての必要最少限度の技術基準を設けておりますと同時に、役所関係の手続を極力簡易化するように配費しております。
最後に、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案におきましては、この三法律の施行期日を本年八月一日と定め、右両法律の施行に伴い必要な経過規定及び他の法律の改廃を規定しておりますが、このうち主な事項は、明治三十九年から大正八年までの間に電話加入申込みを受理せられ、当時の金で五円乃至十五円の加入登記料を納付していて、今日なお架設をみてないもの約十二万について、この際これらの権利の帰属を確定整理して、成るべく速かに架設しようとしていることであります。
以上は右三法案の提案理由及び内容でありますが、右三法案は、去る第十三回及び第十五回国会に、政府より、料金の部分を除き、ほぼ同様の提案がなされた経緯を有するものでありまして、今回衆議院において、電話料金について全面的修正の上、本院に送付と相成つたものであります。即ちその要点は、電話使用料の建て方及びその金額を修正し、同時に市内通話一度数毎に原案十円を七円とし、市外通話料金については六〇キロを超える待時通話区間において、夜間割引制を設けること等によつて、料金引上率政府原案二五%を二〇%に引下げたのであります。
電気通信委員会におきましては、本案の重要性に鑑みまして、十四回に亘つて委員会を開き、郵政省及び電々公社当局並びに大蔵省当局及び衆議院の修正発議者に対して詳細な質疑を行うのみならず、公聴会を開きまして、広く利害関係者及び学識経験者の意見を聞くなど、慎重審議をいたしたのであります。
いま質疑によつて明らかとなりました主なる点を申上げますと、
先ずこの料金引上げを必要とする理由は、今日の我が国の電気通信事業の行詰りを打開するためには、従来のような不安定な外部資金を頼りとする一年限りの拡張改良の方法をやめて、安定した資金を基とした長期計画を遂行する必要があるので、日本電信電話公社では、ここに電信電話拡充五カ年計画を樹立し、これに要する資金の一部に充てるため料金収入平均二割五分の増収を図るためのものであること、而してこの五カ年計画の内容は、昭和一十八年度より三十二年度に亘る五カ年において、加入電話七十万個、市外電話回線百十八万キロの増設、その他の拡張改良を行い、その完遂によつて、六犬都市、特に東京、大阪の中心部においては、つかない電話、出ない電話の非難を解消する。農山漁村においては、公衆電話又は郵便局に通話所を設場け、郵便局に電話のない村をなくする。市外電話は、東京、名古屋、大阪、神戸、福岡の各区間相互の通話を即時通話とする、その他のサービス改善を行うというのでございます。
又、政府原案は、料金収入二五%、即ち本年度内百三十四億円の増収を目込んでいましたが、衆議院の修正によつて、原案に比べて二十五億円の減収となるが、この分に対しては公募社債の増額を行うほか、郵便貯金等の伸び方によつては、資金運用部資金融通の途も講ずるよう努力し、二十九年度以降においても、所要資金の調達については、公社の財政状況、金融界の事情その他を考慮しつつ、万全の措置を講じ、必ず公社の計画の遂行に支障を来たさないようにすること等であります。
なお右のほか、この料金引上げの物価及び生計費に及ぼす影響、電話事業の欠損を電話事業の利益で賄うことの可否、電信料金の建て方、電信窓口機関の普及方策、電話料金の算定及び収納方法、構内交換設備等の自営を認めることの適否、専用通信設備の設置を許可制とせず、届出制とすることの適否、罰則における刑の均衡等につきまして、熱心な質疑が行われたのでありますが、詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。
一昨二十五日質疑を終え、三法案一括討論に入りましたところ、日本社会党両派を代表して小林委員より、公衆電気通信法案及び両法施行法案に対する修正案、即ち、構内交換設備等の自営を認める範囲を限定すること、及び電話料金の引上額を少くすることを内容とする修正案が提出され、次いで緑風会の新谷委員より、有線電気通信法案において私設専用設備の設置の届出主義について、郵政大臣はその言明の通り真剣に再検討することを望む。衆議院修正によつて生ずる収入減の補填について、政府は万全の措置を講じ、公社当局は、冗費の節約、サービス向上に努めて、所期の計画を達成することの希望を付して、原案に賛成、修正案に反対、日本社会党両派を代表して山田委員より、修正案は責任の所在を明確にするものであり、又民間技術の現状から見て適当である、料金改正の原案では拡充資金の確保を期しがたいとして、修正案賛成、又、自由党の島津委員より、公社の資金確保に政府の格段の配意を希望して、原案に賛成、修正案反対、純無所属クラブの三浦委員より、公社の拡充改良資金確保について政府の努力を望む旨の附帯決議をなすことを希望して、原案賛成、修正案反対の意見を表明せられたのであります。
討論を終えて、先ず小林委員発議の修正案について採決しましたところ、賛成三、反対六を以て否決、次いで衆議院送付の案を一括採決いたしましたところ、賛成六、反対三を以て可決せられたのであります。
なお三浦委員より提案、可決せられました附帯決議は、
本院においては、電話事業の整備拡充について、再度に亘つて決議をなし、その促進を要望したが、国民の電話に対する需要とサービス改善の要求は益々し烈なるものがある。よつて政府は少くとも今回日本電信電話公社の企図する拡充計画の実施に必要な資金の確保につき、その責任に於て万全の措置を講ずべきである。
右決議する。
昭和二十八年七月二十五日
参議院電気通信委員会というのでありますが、これに対して、郵政大臣及び大蔵政務次官より、それぞれ本附帯決議の趣旨に副つて努力する旨の発言がございました。
以上御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/44
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045・河井彌八
○議長(河井彌八君) 三案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。久保等君。
〔久保等君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/45
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046・久保等
○久保等君 私は日本社会党を代表いたしまして、有線電気通信法案、公衆電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案に対しまして、反対の意思を申述べんとするものであります。
そもそも電信電話事業は国家社会の全体にとつて絶対欠くことのできない重要なる神経的機能を果すものでありまして、公共の福祉増進を目的とする極めて高度な公共性を有する事業である一面、本来、一元的経営を必須条件とするいわゆる自然的独占事業であることは、今更申述べる必要もないところであります。我が国では八十年もの長きに亘つて国営を続けて参りました電気通信事業に対し、公共性を確保しつつ、一段と企業性を発揮せしめることによりまして飛躍的な発展を期するという理由を以ちまして、昨年十三国会におきまして、公共企業体制度に改革せられたのであります。然るに本国会に上程せられた公衆電気通信法案外二法案は、これら電気通信事業本来の性質と目的を無視して、更には又、公社設立の趣旨にも反するものでありまして、強く反対をいたすものであります。
先ず第一に反対をいたしまする点は、公衆電気通信法案第百五条、面ちいわゆるPBXに関する規定であります。この規定では、構内交換機、内線電話機及び専用設備の電話機等の設備類の設置、これらを民間の業者による民営として事業を分断するのみならず、一部資本家、企業家の営利の道具に供しようとするものでありまして、単に日本電信電話公社法第一条に言うところの、事業の合理的能率的な発展並びに設備の整備及び拡充の促進を阻害するばかりでなく、延いては国家の将来に大きな禍根を残す虞れがある条項であると言わざる得ないのであります。公衆電気通信法第百五条の実施によるPBXの民営化によつて生ずる弊害は多々あるのでありまするが、その主なる点、二、三を挙げてみまするならば、第一点といたしまして、各加入者、専用者の設備の設置は、個々の業者によつて行われる結果、技術的に共同設備の設置のできるものもできたくなる。設備が非経済的な方法によつて設置せられることになるのみならず、又、業者は次たと濫立し、設置工事、保存は営利本位となり、加入者、専用者の費用負担が増大する虞れのあることであります。第二点として申上げたいことは、営利本位で而も区々の業者の手によつて行われるため、工事方法や機械の不統一を来たしまして、障碍や故障が非常に多くなる。即ちこのことは、民営でやりました場合は、公社直営の場合より二倍以上も障碍率が多いという過去の実績が雄弁に物語つておるのであります。第三点として申上げたいことは、有機的統一体であるべき電気通信が多数の業者によつて設置保存せられる結果は、責任の所在が不明確となり、その有機的健全性が害せられることであります。第四点)して申上げたいことは、本法案は昨年電気通信省当時すでに第十三国会に上程せられていたものでありまするが、「通信事業の合理的且つ能率的な経営の体制を確立し、公衆電気通信勢備の整備及び拡充を促進」する目的を以て、日本電信電話公社の発足した今日においても、PBXの大幅民営化の方針について何らの再検討を加えることもなく、依然として民営の早急実施を強行せんとする政府の態度は、電気通信事業の公共性を無視し、本年四月一日より、年間二十億円に及ぶ利潤を挙げている国際電信電話事業を、生木を裂くがごとくに国内の電信電話事業から切り離して、純然たる営利本位の国際電信電話株式会社を設立した態度と全く同一でありまして、強く反対をいたすものであります。(拍手)
なおPBXの問題について一言申添えたいことは、曾つてPBXが民営の当時において、日本電話設備会社の従業員として、その実情をみずからの体験を通じて最もよく知る約一千五百名の、現在は電信電話公社の職員である者が、
〔議長退席、副議長着席〕
すべて、電気通信事業の本質と公共性の立場から民営にすべきでないとして、強く反対をいたしておるという事実であります。
次に、三法案について第二に反対いたす点としては、電信電話料金の値上げについてであります。政府原案におきましては、現行電信電話料金収入の約二五%の増加を図るため、本年八月一日より各種料金の大幅値上げを実施しようとするものであり、その理由として説明するところは、電信電話拡充五カ年計画実施に要する所要資金の一部に充てるためだというのであります。又、衆議院において修正通過を見た、自由党、改進党、自由党三派共同修正にかかる増収二〇%の値上案は、政府原案に対する輿論の猛烈なる反対の前に、遂に五%の切下げを余儀なくされたものであります。併しながら、そのいずれをとるにいたしましても、元来、電信電話のごとき公企業の拡充に要する資金を利用者大衆に求むることは邪道でありまして政府は、みずからの資金を以て融通するとか、或いは又公債発行等によつて積極的方途を講ずべきであります。而も、特にこの際、想起しなければならない事実は、昭和九年、通信事業特別会計が設置せられて以来、昭和十九年に至る十一年間に、この電信電話事業から、実に十二億三千四百万円余、即ち今日の貨幣価値に換算いたしますならば約三、四千億円にも達する莫大な資金が、一般会計或いは臨時軍事費特別会計に納入させられていたということであります。そして、戦時中においては、電信電話設備は何らの償却も行われないままに酷使されて来たのでありまして、評価約三千億円といわれます今日の電信電話の資産のすべては、全く過去の利用者負担の累積にほかならぬといつても過言ではないのであります。このような点からいたしましても、今後における電信電話の拡充資金については、政府がみずから積極的に特別の財政的援助を行うのが当然なのであります。然るに、政府の昨年度予算における百三十五億円投資が本年度流産本予算には四十億円に削減計上せられ、更に又、今回上程せられました本年度予算では、すべて削除せられてゼロになつているのであります。そうして、その上に年間純利益約二十億円といわれる国際電信電話株式会社を作つて国際通信を民間に切り離したために、利益二十億円が本年度から減ることになつておるのであります。従つて、政府の昨年度百三十五億円投資したものを本年度は全額削除し、更に利益の一番ある部分を民間に払い下げた結果の撥ね返りが電信電話の利用者の負担となつてこのたびの料金大幅値上げに現われて参つておるのであります。電信電話公社が、公衆電気通信設備の整備及び拡充を促進し、電気通信による国民の利便を確保することによつて公共の福祉の増進を図らんとする目的は、単なる法律の条文や掛声だけによつて断じて達成することはできないのであります。
以上申述べました反対の立場から、関連事項を含む有線電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案につきましても反対をいたすものであります。
最後に一言申上げたいことは、英国及び米国を初めその他の国においても、電気通信事業は、その持つ特質からいたしまして一元的に直営を原則といたしている中にありまして、ひとり我が国における通信事業のみは、政府の逆コース政策によつて、最近とみに分断民営の方向を辿りつつあることは、明らかに国民大衆の利益を無視し、公共の福祉に悖るものであることを強く指摘いたしまして、本法案に対する私の反対意見といたしたいと存じます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/46
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047・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 山田節男君。
〔山田節男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/47
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048・山田節男
○山田節男君 只今上程されておりまする三法案に対しまして、日本社会党第二控室を代表し、ここに反対の意を表するものであります。
以下簡単にその理由を御説明申上げたいと存じます。先ほど久保同僚から反対の理由として述べられた部面は、勿論、私の反対する理由の全部を含むものであります。ただ、この三法案は、先ほど委員長からの御報告にありました通りに、昨年第十三国会におきまして、従来の国営の電信電話事業を公社並びに民営といたしまして、昨年より日本電々公社が発足し、又今年の三月より国際電々株式会社が発足いたしたのでありまして、これらの電信電話業務を監督規律する法律が生れるのは当然の帰結であります。併しながら、日本におきましては電信電話に関しまするまさに革命的な旧法の改正に際しましては、十分なる私は政府の所信がなくてはならないと思うのでありまするが、この提案されました三法案の底を流れる面におきまして、我々の期待する電信電話を国民のものとしてそのサービスを維持改善するという点につきまして、いささか所見を異にいたしますので、その点を簡単にお述べしたいと存じます。
第一に、先ほど久保議員が指摘されましたPBX、これに対する反対の理由は久保議員からも申されましたが、私の特に不安といたしまする点は、このPBX、即ち構内の交換電話設備というものが、この法律によりますると、一つの加入電話として扱われておるのであります。かようになりましたからには、この日本電信電話公社といたしましては、これは公益独占事業体でございまして、若しこのPBX、構内交換電話の設備が、技術の点におきまして画一性を欠き、高度の技術水準を欠きますならば、これは電話利用一般の者に対する大きな支障妨害となるのであります。これは、英米、ヨーロツパ等の例を見ましても、この構内交換電話の設備に関しましては、その経営しておりまする政府或いは会社が責任を持つてやつておる。然るに今回この法律によりまするというと、構内交換電話設備をこれを民間に開放する、御承知のように、昭和二十三年のGHQの指令によりまして、日本電話設備株式会社が解散を命ぜられ、これを当時の電通省に合併されました。然るに今回これを民間に開放するということにつきましては、先ほど久保議員の述べられましたいろいろな不安がございまするが、特に私が申上げたいと存じますることは、日本電々公社は、私どもがこの公社法を作りますとき、日本におきまして最も自主的経営をなし得るていの公社法を制定いたしたのであります。従いまして独占公益企業自体といたしましても、このPBXの点につきましては、私は全責任を持つて独占をいたしますることこそ公社法の本質に従うものと存ずるのでありまするが、今回、これが民間開放になりましたことは、再び日本電話設備株式会社のようなものができまして、そうして元の逓信官僚の食い物になるというような不安があるのじやないかということすら臆測せざるを得ないのでありまして、この点におきまして、私はPBXが民間に開放されたということは誠に遺憾に存ずるのであります。
次は料金の問題であります。これは第十五国会におきましては一割の値上げ、これを基準といたしまして電々公社は五カ年計画を立てております。それによりまするというと、外債を二百億円、第一年度におきまして二百億円、又政府の資金を二百二十億余円を見積つております。然るに今回二五%を値上げすることといたしまして、政府からは僅かにこの国際電々公社株式売却をこれを若干殖やしまして三十二億にいたしまして、そうして、この性質の支出が僅かにこの部分のみにとどまつておりまして、他はことごとく政府の一般の公募債或いは電話加入申込者らの負担から資金を得ようといたしておるのでございます。この前回におきましては一〇%、今回は二五%値上げということにつきましての政府の所信をいろいろ伺つてみまししたけれども、誠に私は了解し得ない事項がたくさんございまして、殊にこれが衆議院におきまして二五形が二〇形になつた、遂にこれは三派合同案として通過して本院に参つたのでありまするが、而も政府提案の二五%の値上げ案として、二十八年度の予算はすでに衆議院を通過しております。これが二十八年度予算案が参議院を通過いたしまするならば、ここに非常な立法上に妙な予算措置の問題が起きますのみならず、この二〇%でやるということになりました結果、資金の面において誠に無理をいたしまして、今年度におきましては百億、明年度におきましては二百六億、合計五カ年におきまして七百五十億の借金をしているということになつておるのであります。先ほど久保議員が申されましたように、これは公社の事業でございます。国民の負担を成るべく少くして加入者の利益を拡げるということは当然の義務でありまするが、二五%値上げするということによりまして、政府はこれに何ら財的な措置をしない。而も衆議院の改正によりまして、従来の法律の改悪は更に改悪を生んだという結果になつておるのであります。而もかような結果からいたしまして、先ほど委員長報告にありましたように、電通委員会といたしましては、かようなべらぼうな計画はできるものではない。殊に外部からの資金を借りるということは困難中の困難であるからして、政府は責任を以て財政的な処置をしてやれという厳重な附帯決議をいたしたのを見ましても、これに賛成いたします自由党すら、本法案の施行に際しましては、将来非常な不安を覚えておることは明瞭であると存ずるのであります。かような理由からいたしまして、私は、この法案が幾多民主的に改善されたる美点があるのでございますけれども、その電話の改善、設備の拡充、これによる国民の福利増進という面から見まして、この三法案を流れますところの根本の趣旨において首肯し得ざる点がございますので、残念ながら本法案に対しまして反対せざるを得ないのであります。
以上を以て反対の理由といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/48
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049・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/49
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050・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/50
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051・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 日程第十七、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長小酒井義男君。
〔小酒井義男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/51
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052・小酒井義男
○小酒井義男君 只今議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
先ずこの法律案の提案理由として政府の説明するところを御報告いたします。
政府においては、かねて、行政運営の民主化、能率化を推進するため、行政監察機能の活用に意を用い来たつたが、行政運営を改善し、国費の効率的使用を図ることは、行政費を節減し、国民負担を軽減するゆえんであつて、誠に刻下喫緊の要務である。この意味において、行政の能率的運営を推進する行政監察の機能は更に一段と強化を策すべき要があると信ずる。このため、当面の措置として、監察の実施又は監察結果の処置に関する権限等について行政管理庁設置法に所要の改正を加えることとした次第であるが、その改正の要旨は次の諸点である。
第一に、行政監察を実施するに当り、その実効を収めるためには、各行政機関の業務の実施状況について実地に調査して、その実情を把握する必要があるが、現行法では各行政機関に対して資料の提供及び説明を求めることについての権限を規定しているのみであるので、この改正によつて、監察を行うため必要な範囲において各行政機関の業務を実地に調査することができることとした。
第二に、各行政機関の監察に関連して行う公共企業体の業務及び国の委任又は補助にかかる業務の調査について、従来は特別の規定はなく、一般関係者に対する場合と同様、資料の提出に関し協力を求めることができるとの規定によつたのであるが、これらの調査は各行政機関の監察の手段として特に重要な関係を有するが故に、この限りにおいて当該行政機関と協力して、書面により又は実地に調査することができることを明らかにした。
第三に、現行法では監察の結果については単に改善意見を述べることができるとの規定があるにとどまつているが、行政監察の目的を達成するためには、どうしても勧告に基く改善措置を確認して、その改善を推進して行く必要があるので、その勧告に基いてとつた措置について報告を求めることができることとした。第四に、監察の結果は、場合によつてはこれを特に強く行政に反映させるために、内閣総理大臣に対し関係行政機関の長に所管事項の改善を指示するよう意見を具申することができる途を開いた。第五に、監察の結果、綱紀を維持するため必要があると認めたときは、速かにこれが是正の措置をとるため、これをそれぞれ関係行政機関の長に連絡し、その判断による適宜の措置が講ぜられるように意見を述べることができることにした。第六に、第二条第十二号について、昨年七月三十一日法律第二百八十八号による公共企業体等労働関係法の改正に伴う所要の改正をしたほか、長官の権限を規定した第四条の各項の規定の配列を整理した。以上が、本法律案の提案の理由として政府の説明するところであります。
内閣委員会は、委員会を四回開きまして、本法律案の審査に当つたのでありますが、塚田行政管理庁長官その他政府委員との間に交わされた質疑応答によつて、次の諸点が明らかにされました。
その第一点は、本法律案の第四条第五項に、「長官は、各行政機関の業務の監察に関連して、当該行政機関と協力して、第二条第十二号に規定する業務について、書面により又は実地に調査することができる。」と規定されておつて、当該行政機関が協力を拒んだ場合は、調査することができないこととなるが、監察の周到を期するがためには、原案は少しく手ぬるいとの質問に対し、塚田長官は、「その点は、本法律案で最も問題となつた点であつて、従来行なつた監察の経験に徴しても、調査を腕曲に拒まれた事例もあつた。政府は、来年度行政機構改革を行いたいと考えておるが、その際、この行政監察機構を根本的に改正したいと考えておる」旨、答弁がありました。その第二点は、「行政監察の主たる目的は、行政運営の改善にあつて、従つてこの監察の成果を収むるがためには、職員の能力の充実が要件となるが故に、今後各専門事項について、十分職員の研修に力を注ぐ必要があると思う。今後、その点に十分努力を払いたい方針である」旨、政府委員より言明がありました。その第三点は、今回の改正は、監察方法の強化を主たる目標としておつて、監察範囲の拡大には及んでいないのであります。塚田長官の答弁によれば、「現在の行政管理庁の機構では、徒らにこの際、この監察範囲の拡大を図ることは、必ずしも得策とは考えない。将来の問題として検討したい」とのことでありました。
討論の段階に入りましたところ、内閣委員全員の発議によりまして、本法律案に対する次の修正案が提出されました。その修正案を朗読いたします。
行政管理庁設置法の一部を改正する法律案に対する修正案
行政管理庁設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第二条第十二号の改正規定中「改める。」を『改め、「、関係者行政機関と協力して、」を削る。』に改める。
第四条に六項を加える改正規定のうち第五項中「当該行政機関と協力して、」を削り、同項に後段として「この場合において調査を受けるものは、その調査を拒んではならない。」を加える。
以上の通りであります。
竹下委員は、全委員に代つて本修正案の趣旨を次のように説明されました。「行政運営の現状においては、単に部内監察のみでは不十分であつて、第三者的立場にあつて監察する行政監理庁の外部監察を必要とする。然るに原案では、行政管理庁長官が行う監察の周到を期するがためには、なお不十分の点があるが故に、原案に対し本修正案の通り修正を加える必要がある。しこれが本修正案の理由として述べられたところであります。松原委員は、改進党を代表して、本修正案を含めた原案に賛成する旨を述べ、本修正案は、監察当局を応援して監察の実を挙げられんことを望んで提案せられた次第であるから、速かにその実を挙げられんことを望む旨、成瀬委員は、日本社会党第四控室を代表して、政府は国家予算の支出と綱紀粛正の面において周到なる監察を実行せられんことを要望して、本修正案を含む原案に賛成する旨、野本委員は、純無所属クラブを代表して今日かかる監察機構を必要とし、又本修正案を必要とする現状にあるは誠に遺憾であるが現段階においては現監察機構及び本修正案を必要と認めるが故に、本修正案を含めた原案に賛成する旨、松永委員より、日本社会党第二控室を代表して、行政監察の事務に従事する職員の身分については、今後相当考慮する必要があると思う旨を述べ、本修正案を含めた原案に対して賛成する旨、最後に上原委員は、自由党を代表して、現在会計検査院の検査を初め各行政機関の部内監察、行政管理庁の外部監察等各種の検査、監察が行われておつて、これを受ける側の立場にある者は、その応接の煩に堪えない現状であるから、行政監察の運用についてはこれらの点について十分留意せられたい、行政監察の強化は本来賛成するものであるから本修正案を含めた原案に賛成する旨の、それぞれの発言がありました。
次いで、先ず本修正案について採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定せられ、最後に右修正案を除いた原案について採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決せられました。
以上を以て報告を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/52
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053・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は、修正議決報告でございます。委員長報告の通り、修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/53
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054・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/54
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055・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 日程第十八より第二十五までの請願及び日程第二十六より第二十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/55
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056・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事西川甚五郎君。
〔西川甚五郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/56
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057・西川甚五郎
○西川甚五郎君 只今上程せられました大蔵委員会付託の請願並びに陳情につきまして、本委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
大蔵委員会におきましては、特に小委員会を設け、紹介議員からの趣旨の説明、各委員の意見及び政府の見解を十分に聴取いたしまして、その上、質疑応答を重ね慎重に審議をいたしたのでありまするが、その結果は次の通りでございます。
日程第十八の請願は、幼童の必需品たる玩具の物品税の免税点を引上げられたいとの趣旨であり、日程第十九の請願は、物品税、化粧用具のうちに、化粧用セットの項目を新たに設け免税点を設置せられたいとの趣旨であり、日程第二十の請願は、商工組合中央金庫資金源確保のために格別の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、日程第二十一の請願は、旧海軍文官の退職賞与が、連合軍最高司令官の指令により停止されているが、講和条約成立の今日、その未払額を速かに支払われたいとの趣旨であり、日程第二十二の請願は、国有財産特別措置法による国有機械、器具、交換払下げ代金を中小企業の金融難の今日、長期年賦償還の便法を講ぜられたいとの趣旨であり、日程第二十三の請願は、河川の改修のごとき公共の利益のため、自己を滅し国家買収を受諾した土地、家屋、移転補償料に対して課税することは修理上不当であるから免税せられたいとの趣旨であり、日程第二十四の請願は、旧軍港市が旧軍港市転換法により産業港湾都市建設に努力しているが、なお国有財産処理に関し、売払方針の確立、価格の適正化、貸付料の低減等を善処せられたいとの趣旨であり、日程第二十五の請願は、同じく旧軍港市の問題で、転換旧軍用施設の一時使用料の据置等について善処せられたいとの趣旨であり、妥当と考えられます。よつて以上請願八件は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
日程第二十六の陳情は、所得税総所得額決定に当り、慎重公平を期し、国の一方的措置のみによらず、民主的方法を加味する等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、日程第二十七の陳情は、商工組合中央金庫に対する政府指定預託金の償還は、中小企業に重大なる影響を与えるので、この償還を延期し、なお政府資金を大幅に増額せられたいとの趣旨であり、日程第二十八の陳情は、長崎税関支署をこの際本関に昇格せられたいとの趣旨であり、日程第二十九の陳情は、PX向けの写真機の免税手続を外地向けと同様な手続に簡易化せられ輸出振興の一助とせられたいとの趣旨であり、妥当と考えられます。よつて以上陳情四件は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
右、御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/57
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058・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/58
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059・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/59
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060・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 日程第三十より第三十三までの陳情を、一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/60
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061・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員長早川愼一君。
〔早川愼一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/61
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062・早川愼一
○早川愼一君 只今議題となりました経済安定委員会付託の四件の陳情について御報告申上げます。
陳情第二十四号は、琵琶湖の電源開発を地建案によつて早急実現するよう支援されたいというものでございます。陳情第二十五号は、只見川電源開発については大局的見地から一切の紛争を退けて、早急に奥只見地点着工の実現を図つて頂きたいというものでございます。陳情第九十八号は、只見川電源開発は、本流案を以てこれが実現を促進せられたいというものでございます。陳情第二百六号は、電源開発の犠牲となる地元民の損失、補償が不十分で関係民に不安を与えているから、これについて十分の考慮と適切な措置を講じて頂きたいというものでございます。
以上四件の陳情につきましては、委員会において審議の結果、陳情第二十四号及び陳情第九十八号は政府において調査研究せしめる意味において、又陳情第二十五号及び陳情第二百六号は、いずれも願意を妥当と認め、議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと、全会一致を以て決定いたしました。
以上、御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/62
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063・重宗雄三
○副講長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/63
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064・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よつてこれらの陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
本日の議事日程は、これにて終了いたしました。次会の議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後零時三十六分散会
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○本日の会議に付した事件
一、国家公安委員の任命に関する件
一、旧軍港市国有財産処理審議会委員の任命に関する件
一、日程第一 農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会成案
一、日程第二 千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、及び千九百三十四年六月二日にロンドンで修正された貨物の原産地虚偽表示の防止に関する千八百九十一年四月十四日のマドリツド協定への加入について承認を求める件
一、日程第三 商工会議所法案
一、日程第四 中小企業金融公庫法案
一、日程第五 塩業組合法案
一、日程第六 相続税法の一部を改正する法律案
一、日程第七 鉄道債権及び電信電話債権等に係る債権の保証に関する法律案
一、日程第八 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第九 教育職員免許法及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案
一、日程第十 市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案
一、日程第十一 地方財政の一部を改正する法律案
一、日程第十二 日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律
一、日程第十三 漁船損害補償法の一部を改正する法律案
一、日程第十四 公衆電気通信法案
一、日程第十五 有線電気通信法案
一、日程第十六 有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案
一、日程第十七 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案
一、日程第十八乃第二十五の請願
一、日程第二十六乃至第二十九の陳情
一、日程第三十乃至第三十三の陳情発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101615254X02719530727/64
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