1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月二十三日(木曜日)
午前十時四十四分開会
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昭和二十八年七月二十一日衆議院議長において協
議委員を左の通り指名した。
坪川 信三君 渡邊 良夫君
平野 三郎君 足立 篤郎君
金子與重郎君 吉川 久衛君
足鹿 覺君 正木 清君
川俣 清音君 安藤 覺君
七月二十二日互選の結果、正副議長を左の通り選
定した。
議長 坪川 信三君
副議長 吉川 久衛君
昭和二十八年七月二十二日参議院議長において協
議委員を左の通り指名した。
佐藤清一郎君 関根 久藏君
寺尾 豊君 宮本 邦彦君
片柳 眞吉君 河野 謙三君
清澤 俊英君 白井 勇君
戸叶 武君 松浦 定義君
同日互選の結果、正副議長を左の通り選定した。
議長 片柳 眞吉君
副議長 宮本 邦彦君
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出席委員
衆議院側
議長 坪川 信三君
副議長 吉川 久衛君
渡邊 良夫君 平野 三郎君
足立 篤郎君 金子與重郎君
足鹿 覺君 正木 清君
川俣 清音君 安藤 覺君
参議院側
議長 片柳 眞吉君
副議長 宮本 邦彦君
佐藤清一郎君 関根 久藏君
寺尾 豊君 河野 謙三君
清澤 俊英君 白井 勇君
戸叶 武君 松浦 定義君
委員外出席者
衆議院事務局側
参 事
(委員部長) 山崎 高君
常任委員会専門
員 岩隈 博君
常任委員会専門
員 藤井 信君
衆議院法制局側
参 事
(第三部長) 川口 頼好君
参議院事務局側
参 事
(委員部長) 宮坂 完孝君
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した事件
○農業災害補償法の一部を改正する法律案
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会議
「抽籤により片柳眞吉君議長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/0
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001・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) 抽籤によりまして、私が本日の両院協議会の議長を勤めることに相成りました。どうぞよろしくお願いいたします。
なお衆議院の両院協議委員議長には坪川信三君、副議長には吉川久衛君、参議院の両院協議委員議長には不肖私、副議長には宮本邦彦君がそれぞれ当選いたされましたので、この際御報告申上げます。
これより農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会を開会いたします。
両院協議会は、国会法第九十七条によりまして、傍聴を許さないことになつておりますから、協議委員並びに協議会の事務をとります職員以外のかたは御退席を願います。
それでは、先ず各議院におきまする議決の趣旨につきまして御説明を願いましてから協議に入りたいと存じまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/1
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002・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。
それでは先ず衆議院側から御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/2
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003・金子與重郎
○金子與重郎君 それでは議長の只今申されました、衆議院側がどうしてこういうふうな修正をしたかという趣旨につきまして、私から申しげ、なお衆議院のこの法律に対する小委員長であります足鹿君から補足して説明をさせてもらいたいと思います。
この修正の条文的な字句の問題は別といたしまして、総括してこの修正をどうしてしたかということにつきましては、この前参議院の委員会で、私が委員のかたがたからの御質問にお答え申上げたように、この法律の役員の責任であるとか、或いは罰則規定のようなものを、総括しての考え方でありますが、この条文を一つ一つ検討して見ますると、いろいろの論議さるべき点も多々あるように見受けられ、又一方、この法律と一緒に含まれておりますいわゆるこの春の凍霜害で、当初この法律の中に入つておりました繭の問題、麦の問題を臨時処置として取上げましたので、現実的には残つておる稲の問題だけが差当つて必要であるということが一つと、もう一つにはこの修正しました箇所は、もともとこの農業災害補償法そのものに対する抜本的な一つの案を研究する際に取上げようじやないかと、従つてそいう問題を弥縫的な補足改正を今しておつても、もともと農業災害補償法に対しては、もはや二三年前からいろいろな問題点が取上げられておりまして、農業災害補償五カ年計画を見て、この辺で一度抜本的に組替える時期に来ておるんだと。そこで小委員会も作つてあることであるからして、これらの問題は挙げて今後の問題として一応おこうというようなことで、これを除いた部分を別にいたしたような次第であります。従つてその法文を、例えば今削除しました法文をどう生かすかということで研究いたすとして、一条々々ごとにいろいろ検討がなされたのでありますけれども、それをずつと検討した結果、これを今ここで取上げてどうするかということよりも、むしろ小委員会で根本問題と一緒に検討してもらつたほうがいいのではないかということで、これを一応削除しておいたような次第であります。従つて今日の両院協議会に至るまでの衆議院の考え方といたしましても、皆さま参議院のほうの今の農災の実情に鑑みたときに、たとえそれまでの半年といえども、一年といえども、こういつたような法律はあつたほうがいいじやないかという、非常に筋の素直な考え方というものに対して、私どもよくわかりますが、衆議院といたしましては、当時その方針、農業災害補償法に対する態度も、それに対する小委員会を作つたあとの問題でありましたので、そういう経過を踏んで今日に至つて参つた次第であります。今日両院協議会に至る間におきましても、そのことは参議院のほうで、たとえどれだけの期間であつても、あつたほうがいいのだという素直なお考えに対しては、私どももよく了承し得る点があるのでありますが、もう一つは、衆議院がそういうような段階に来ておるということを今日の委員会でよく皆さまがたに申上げ、そうして話合つたらどうだろうと、こういう考え方で両院協議会に至つた次第であります。簡単でありますが、私は一条々々について触れませんで、全体の考え方がそうであるということを申上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/3
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004・足鹿覺
○足鹿覺君 今金子委員から御説明があつたのでありますが、これに関連しまして、衆議院が農業災害補償法の抜本的な改正の問題をめぐつて非常に努力しておる実情を申上げて私どもの意のあるところを御了承願いたいと思うわけであります。
只今も金子委員のお話の中にもありましたように、劈頭この一部改正案が提案されますると同時に、衆議院農林委員会としては小委員会を作りまして現在家畜共済の問題をも含めて前後八回の小委員会を開いて、真に抜本的な改正の問題と、当面しておる家畜共済の臨時特例の法案に審議を進めておるわけであります。たまたま今問題になつておりまするこの問題につきましても、ただこれのみを取上げることなく、農業災害補償制度に関する基本問題の中の一項として問題を取上げ検討に入りつつあるところでありまして大体先国会の末期にも衆議院は小委員会を持ちまして、農業共済制度の根本について審議をした先例もありまして、それらの従来からの経緯を引継いて今回も又小委員会を作つてやつておるわけてあります。現在問題になつておる監督規定、或いは役員の責任の明確化等、条文そのものとして見れば別にそれがとやかく言われる筋合のものではありません。併し現在農業災害補償制度そのものについてはごうごうたる非難が湧き上つておる。ただ一部を若干これは手入れをするということだけでは済まされない重大な段階に到達しておるのではないか、そういう点で衆議院としては部分的な修正は、本年の水稲の共済開始を直前に控えておるので、あの一部改正案に対しては意見があるが、万止むを得ない、今年の水稲をそのまま放置しておくわけに行かないし、一応これを取上げて通しはするが、併し根本的な問題については十分検討しようという態度をとつておるのであります。併し今まで衆議院においても農林委員会の小委員会もたくさんできましたが、前後八回に亙つて小委員会を持つということは先例も余りないようでありまして、まだ結論に達しておりませんが、これは委員長にも了解を得まして、若し必要があるならば、本国会中に結論に達しない場合には、継続審査等の措置をとつてこの問題については答えを出そう。それについては農林省側も本年の十二月頃までであれば、来年度の予算にも関連のあることだし、でき得る限り結論を出してもらいたい、こういう態度も示してたりますし、我々の現在の考え方としては今年の麦には適用できるような法案の改正というようなことは恐らくで費ないであろうが、来年度の予算との関連も考えて、昭和二十九年の水稲を対象として如何、ようなものができるか知りませんが、少くとも災害補償法の根本的な問題を解決して実施ができるように計らいたい、こういう気持で非常に連日各委員の人にも御精励を願つておるような状態でありまして、そういう経過を踏んでおるということを一つ参議院の皆さまがたにもこの際御了解を願つておきたい。余り補足にもならないでしようが、大体の経緯を申上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/4
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005・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) では参議院のほうから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/5
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006・宮本邦彦
○宮本邦彦君 参議院の修正の理由を簡単に御説明申上げます。
参議院の先ず修正点についてでありまするが、これはもうすでに御存じのことと思いますけれども、念のため申上げますというと、衆議院の削除修正に対して第三十二条の二の役員の忠実義務、組合に対する役員の連帯責任、第三者に対する役員の連帯責任、この問題と、それから第八十条の行政庁の役員改選命令、行政庁の役員解任権、それから第百十一条の家畜共済の義務加入に関する特別議決、この三つの規定を復活修正いたしたものでございます。
政府は今回農業災害補償法の改正を企てまして、この国会に提案、そして改正事項の一つとして、農業共済団体の運営について農業災害補償制度の一環としての特殊的な性格に鑑みまして、公益的見地からの適正な監督を行い得ることとし、又役員の責任を明確ならしめることにしたいというような意向を以てこのために必要な規定を新たに設けることにいたしたのであります。こういつた改正に対しまして、衆議院では衆議院農林委員会においての御意向もございましたので、参議院の農林委員会で衆議院のほうから代表としておいで願いまして、丁度金子與重郎君がおいで下すつたのですが、その御説明によりますというと、農業災害補償法については抜本的な改正を行う必要があるので、この際は必要な最小限度の規模の改正でやるのがいいんだというような御趣旨の説明があつたわけなんであります。従いまして、役員の責任の明確化に関する規定を削除修正した、かような話でございました。参議院の農林委員会におきましては、この抜本的な改正の問題についてもいろいろ審議いたしましたのでございますが、相当困難であるということが実は皆の意見として相当論議されたのでございます。政府がこの際新らしく規定を設けて、共済団体の役員の責任を明確にすることを立法いたしたのでございますけれども、抜本的な改正が直ちに間に合わないとするならば、その期間を空白にしておくことは誠に不合理じやないか、又考え方によれば非常に無責任と言わなければならないのじやないか、なお農民の間には共済団体及びその役員のあり方等についても今日とかくの批判を耳にするのでありまして、かかる状態の下においては、たとえ抜本的改正のときまでと言つても、国会が政府の原案から共済団体の役員の責任の明確化に関する規定を削除するときは、農民の間に誤解を招くような虞れが多分にあると思われますので、かような次第でありますから、この際衆議院の修正を、改めて農業共済団体の役員の責任の明確化に関して特に共済団体の特殊的な性格に鑑みまして、少くとも政府原案通りの規定にすべきであるというのが本修正をいたしました理由でございます。なお、役員の責任の明確化及び監督の強化については、これをもつと強化すべきであるとの強い主張があるのでありますが、これが具体的なことは更に検討の上他日に譲ることといたしまして、今回は最小限度政府案によることといたしたものであります。
更に今回参議院で復活修正いたしました規定に関する他の立法例は、商法、中小企業等協同組合法、商品取引所法等多くあるのでありまして、又今国会に政府から土地改良法の一部を改正する法律案が出されており、衆議院農林委員会においては近々政府原案の通り可決せられるような御意向のように仄聞しております。で本改正法律案第百三十四条、違反行為に対する措置でございますが、新らしく今問題となつている行政庁の土地改良区役員改選命令及び行政庁の土地改良区役員解任権の規定が追加せられているのでありまして、かれこれ勘案いたしますとき、殊更に共済団体についてのみ近く抜本的改正を行わなければたらないという理由だけで以てこの種の規定を削除せんとせられるのは、ちよつと了解に苦しむところでございまして、私ども参議院におけるところの修正の理由の大要は右のようなものでございます。まあどうぞ一つ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/6
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007・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) 両院からの説明はこれで終りました。補足の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/7
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008・川俣清音
○川俣清音君 私金子君並びに宮本君からの説明に更に補足いたしたいと思います。
この災害補償法を改正せよという要望は、前国会において強く農林委員会において要望された点でありまして、当時災害補償法の改正を根本的にし出せという要望をいたしておつたわけであります。ところがその要望に応えないで、あたかも政府の責任を共済団体の役員の適正化を以て一般農民に応えようとしたような修正を以て糊塗しようとする態度については、私どもは了解できないという態度がこの修正案になつて現われたというように我々は了解いたしております。従つて以前からありましたこういう監督規定をにわかに削除したのではなくて、新しく改正しようとする意図でありまするならば、今日の農民の要望されておる点を十分改正して、それに適応するようた監督規定が現われて来るのであれば、これは又一つの筋が通ると思うのであります。ところが今の非難を、これは共済団体の得員の責任である、又監督が不十分であるから非難が出ておるのだ、こういうような考え方でこの改正案を持ち出したところに、政府に一点突かなければならんという考え方が、これは政治感覚の問題なんです。これは前から問題になりましたのは、農業災害というのは共済に値するのか、或いは天災的な取扱方として国が補償すべきものであるかどうかというような議論が盛んに行われたわけであります。今度は改正するならばこういう点に触れて来なければならない要望があつたのです。こういう問題に一つも触れないで、而もこの監督規定さえあれば以て満足するのだという態度で改正に出て来たことは我々の意思に反する、こういうことなんですね。一々条項を見ないで、こういう監督規定は必要じやないか、こういう議論になれば、或いはそうかと思うのでありますが、それは十分な農民の要望に応えた上でこの答えを更に完璧ならしめるという改正でありますならば、御趣旨のように私どもは了解してもよろしいと思うのでありますが、これは非常に誤解を受けるのは困ると思うのですが、私どもはそういう根本改正を先にやらないでこういう監督規定だけを適正化して来る、こういうことで糊塗しようとする態度に対して忿懣の意がここに現われたのだというふうに御理解願わんと、非常に誤解を生ずるのじやないかと思うので、この点を補足説明しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/8
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009・河野謙三
○河野謙三君 私から同僚の宮本さんの説明に補足いたします。同時にその補足が今の川俣さんの疑義に対しての私の見解にもなります。私のほうも衆議院と全く同様に全員根本的に、抜本的に現在の制度は改正しなければいかんということはこれは委員会で知つております。同時にその将来の扱い方として、後れ馳せながら衆議院と同様に小委員会を設けてこれを根本的に検討を始めるということもこれは同様であります。そこで議会側のほうでは衆参両院共意見は一致しておる。そこで大事な農林省の場合に、一体今川俣さんがおつしやるように、農林省は抜本的の改正の必要を認めているか、認めていないか、そこが大事である。そういう必要を認めないという前提に立つてこの法律を出したかどうかということを衆議院のほうでも念を押されたと思いますが、私のほうでは特に農林省政府当局に念を押したところが、全く議会制と同校に抜本的改正の必要を認めます、こういうことだつたんです。然らば次の国会に政府は政府の責任において何かの具体案を以て臨むかと言つたところが、できるだけ早く決定しなければならん、次期国会とは申しませんでしたが、できるだけ早くそういう措置をとりたい、こういうことなんです。そういう点はだから政府がちやんと議会において正式に我々と見解を同じくするという説明をしておるのであつて、その点においてこれは今川俣さんなり我々がかねて持つておつたような、これによつて言い逃がれを作つて、そうして抜本的改正に入りたくないというようなことではないということがはつきりしたので、そこで今度の問題になるんですが、我々は考えてみたんですが、これを罰則規定を抜いたら一体どこに得があるか、置いたら何か邪魔になるか、私は邪魔にならないと思う。現実に青森その他でいろいろな役員の責任問題が起つておるんだから、現実に火事は起つておるんだから、蒸気ポンプがなければとにかく手押ポンプでも取りあえず持つて行つて間に合わせる、あなたのほうですでに蒸気ポンプの用意ができておればその必要はないが、聞いてみると、金子さんの説明では今国会に間に合わないというから、取りあえず手押ポンプを出しておこうというのが私のほうの趣旨です。我々のほうでも今国会に間に合わんということ、政府のほうでも次期国会には出せないとは言わないけれども、次期国会とは言わない。そこでこの間においてこれがあつても邪魔にはならん、これをなんで私は気にするかと思うんだがね、なおほかの例のいろいろな説明がありましたが、川俣さんは特に専門家だが、やはり法には法の体系があると思うんだ、罰則規定なり何なり、特に今度の共済のように六割から国家の資本を投入しておる、これに罰則規定がないというのはおかしいと思う。そういう意味合いもありましようから、どうか御了解を願いたい。全く両方とも一致しておるんですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/9
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010・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) もう全く実質的には質疑になりますから、質疑なり御意見のおありのかたはどうぞ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/10
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011・川俣清音
○川俣清音君 これも在来からあつたのを今取るということだとすると、今のような参議院側の意見も出るのもこれは当然だと思うんです。ということは去年の国会においては根本的改正をなすべしというので、それについてやりましようという返事をしておきながら持つて来たのはこの改正案です。そこで問題になるんです。今度は又あなたのほうで要望されて、部分的な改正を持つて来たのはけしからん、こういう態度で恐らく出られるだろう、恐らくこれは政治感覚の問題なんで十よ。こういう規定を普通の場合に入れるべきか入れないかという議論をすると、入れないというような議論はおかしい、入れるほうがいいという議論は私は不当じやないと思う。ところがもつとやらなければならん規定を先に持つて来ないで、監督だけの規定を持つて来て、役員のいわゆる監督だけを持つて来て、すべての非難をここに集中しようとしたところに問題があるんじやないか、こういうことなんです。立派なものを作つて、この立派なものを育てるためにこの監督規定が必要だというならば、あえて衆議院側で反対しなかつたと思うんです。これは今度の一部改正の要綱はこの点と、御承知の通り今年の米に対する臨時の問題がけなんです、そうすればもつと根本的に持つて来いという問題を監督規定だけで改正しちやう、こういうのですね、そこに衆議院の忿懣があつて、それではこれを握ろうかと、全部改正するまでこれを握ろうかということになつたんだが、それでは今年のあとの種々の点について解決しなければならん問題があるので、これはまあ忍んで呑もう、それではまあ余計な分も持つて来た責任は見送つて、根本的改正のあとにしよう、こういうことであつたわけなんです。併しながら修正してみると、こういう法律が必要じやないかという場合に、これはあえて必要じやないという議論は恐らく衆議院側にもなかなかよく出て来ない、条文だけから言えば、体裁だけから言つても……併し問題は解決すべき問題を持つて来ない、それでこの問題を持つて来てこれを改正でございますと、こうやられたのでは、去年の国会からの要望に一えると言つて監督規定を持つて来られて、これで改正でございますと言われたのじや虫が納まらん、この点は誤解をされないように、こういう改正監督規定をわざわざ持つて来て、我々は共済組合に何の関係もない、批判者の立場ですから関係ない。考え方としてはそういう考え方でやつた。若し完璧なものができた場合にこういうことは附加えて条文の改正が行われることはあえて反対しない。ただこういう修正だけを持つて来て、これだけで大体完璧になつた、こういう恰好で持つて来られた姿に対しての反撃だというように、一つ御了解願わないといけないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/11
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012・河野謙三
○河野謙三君 それは私たちも同様に心配したのです。そこで先ほど申上げましたように、両院の委員会が企図する抜本的改正のために支障になるようなものはたとえ一条でも削らなければならん。ところが政府当局自体がこういうものを出している。政府当局自体が抜本的改正を両院の農林委員会と同性に我々もその必要を認めますし、それについては急ぎますと、こういうふうに言つているのだから、将来我々の企図する抜本的改正に何ら支障にならないと、私のほうは少なくとも私のほうとしての責任において質して、そこまで解決したから、こういうことになつたと、こういうふうに私はその点については了解しているのですがね。若しその点において疑義があるなら、私はここに政府当局を呼んで、改めて政府当局から、将来の我々の抜本的改正に進むに当つての支障にならんように、一ぺん質しておく必要が私はあると思う。私はそういうことは質したんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/12
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013・川俣清音
○川俣清音君 それで十五国会において、衆議院の農林委員会で根本的改正をなすべしという意見が大勢を占めて、そうしてそこでこの法案が、前にも出された法案というものが握りつぶしになつている。抜本的改正をやらない場合においては部分的改正はやらない、こういう態度で十五国会において臨んでおつたのです。ところが十六国会になつてから凍霜害の問題が起きて、どうしても部分的な改正をしなければ処理できないという結果になつたから、止むを得ず根本解決を待たないで、これを参議院に送られたと、こういうことになるのです。そこで先ほどから繰返して言うように、抜本的解決を次の国会までに持つて来いという要望に応えずこれを持つて来たというところに問題があると、こういうふうに思う、だからもう一度お考えおき願いたいと、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/13
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014・戸叶武
○戸叶武君 川俣さんの説明で、とにかく衆議院と政府との間のいきさつというものはよく私たちもわかります。併しこれは問題は農業共済に対する関心というものは農民一般が持つているのです。国会と政府の間におけるそういういきさつがあつたとしても、今日農業共済に対する非難は一般農民の中から出てるんです。私はこれがために八カ所ばかりの村を対象にしてずつと座談会をやつて参りました。非難ごうごうたるものがあるのです。特にこれは農民自身というものの非難は今の共済組合の幹部に向けられています。併しこの農業共済の根本的欠陥というものは今までの制度にあるのです。政府の責任というものは一番大きいのです。併しそれと同時に、農業共済の今までの幹部というものも随分過ちを犯しています。若しこの規定を削除したときに、一般農民がどういうような感じを持つでしよう。今全国を洗つて御覧なさい。農業共済関係で埃の出ないところはどこにもないと思うので、現実において農業共済会館なんというものが建てられているのは、二、三百万のものは大抵五百万ぐらいにやられているのです。その資料というものはどこでも大抵持つています。これは人件費その他が足りないから、運営の点から言つていろいろな苦難から私は無理もあると思いますが、そういう意味においてこの農業共済制度を強化するならば、抜本的改正をやつて行くこの過程において穴をあけてしまつて、全然理事者に対する責任の追及を消してしまうなどということになれば、何らかの手が入つてそこのところを削除するという印象だけしか私は残らないと思うのです。それは政府と国会、衆議院をめぐるところのいきさつがこうこうであつたという説明をしたとしても、農民自体は納得しないと思うのです。従つてそういう意味において、やはりこれだけの注意的な抜本的改正を行うための一時的な修正としても、これたけのものをとにかく削つてしまつたというのは、政府に対する一つのお灸にはなるかも知れないけれども、一般農民としては一部非常に不満なものをここに抱くと思いますから、その点を御考慮願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/14
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015・清澤俊英
○清澤俊英君 政府がやるべきことをやらないで残して置くということは、これは僕らのほうでも大分問題になつて、それは突くだけ突いたのだ。それで結局あなたの言われる通りなんです。ところがちよつと問題になるところは、結局この法案を修正して、あなたがたが修正されたことについて法案を出したならば、その農業共済というものに対して責任が持てるか持てないかという責任なんです、そういう責任はこれは持てません。持てませんというならば、取つて元通りの悪いものをそつくり出して、何も私らは力がないけのだからということで責任の転嫁を前の法律で残されたら、これも考えものだ、これで責任が持てるか、これは持てませんと言うのだ。それがあれば持てる。ことうをういうふうな政治責任の点も相当考慮に入れて、あなたのところは逆の点を言つている点があるので、その点を御考慮願いたい。それは決してそのまま問題にしないのではない。その結論として責任問題が出て来ている。それがなければ持てない。それがあれば持てる。こういうこともここに出て来たので、持てるように暫定的に本改正をする。暫定的の間でも一方では農民に応え、一方は政府に責任を持つてもらう、こういうことになるのではないかと思う。実はそういう結論に立つているので、だから同じことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/15
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016・川俣清音
○川俣清音君 ただ先に参議院に出されたと同じような考え方でこれは修正して来たのですから、前からその点を我々が修正したのではなくて、こういう改正案として持つて来たのです。要望に応えるのにこういう修正案でやつて来た。政府が修正する、改正してしまうことが必要だという改正はした。それだからそういう改正をやつて来るならもつと細かく改正をやつて来いという出方をしたという点で、参議院一衆議院で修正したために、これはあつたのを削るというのはおかしいじやないかという問題が出て来たと思うのです。
もう一つ戸叶委員の言われるように、農民の間から共済組合のあり方、共済制度に対して非常な非難の起つていることは事実です。又我々も非常にこれは多く聞かされておるのであります。併しながらこれらの問題をよく分析してみるに、農民の気持はこれはやはり変態的な災害で、政府が或る程度見るのが本当だという考えからして、それを十分に見させないのは役員のやり方が悪いからだという農民もある。そうすれば問題の根本は、やはり根本改正をして応えるのでなければならない。勿論それと同時に当然国の何が件われるのであるからして、これに伴う監督規定が生れて来ることは、これは裏腹の関係で絶対必要だと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/16
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017・足鹿覺
○足鹿覺君 例えば今の戸叶さんのお話は私はよくわかるのです。伊上二つ問題がある。それは制度自体もよくないし、組合の運営上においても遺憾な点がたくさんあるという点ですね。ところがこの改正案のどこにも政府自体が誤つておるという点をみずから直して書いておる条項が一つもない、こういうことでこの共済団体、共済の運営が健全になり、且つ農民の要望に副い得るようになるかどうかということについてみますというと、これはほんの気休め程度のものです。第一さつきも河野さんが青森事件ということを言われたが、青森事件は新聞が伝えるところによると、あれは政府の役人が現地へ来て、そうしてその役人の何と言いますか、恩恵的なものをひけらかせて、そうしてその幹部と非常に何と言うか、饗応を受けたりどうとかというようなことを新聞は書いておつた。そうすると、いわゆる問題の発生して来る根本というものは組合の運営にもまずいところもあるのたが、いわゆる政府の事務費の補助であるとか、いろいろ面倒な損害の評価の問題をめぐつてその責任の衝にある政府自体が大いに反省し、出直して行かなければならんことが根本なんです。ところがその点については一つも触れていない、てんでこんなことはどこにもあると……。とにかく今川俣君が言われるように、組合の役員等に全部しわを寄せて来て、自分たちは涼しいところに逃げておる。そういう態度が我々としては、今この程度のものをそんな短期間やつてみたところでとても農民の要望に副い得ない。問題は政府自身が率直に過去を振り返つて出直して行かなければならん。そのためにはやはり参議院も幸いに根本的な意見が一致しておるということですから、こういうものにこだわらないで、一つ抜本的改正のために大いに協調してやつてもらいたいと私は思うのです。問題はこれじや片がつかん、そういうふうに私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/17
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018・戸叶武
○戸叶武君 今の青森事件の問題でも、罰則規定があることによつて初めてその官吏の、それから理事者の責任をも追及できるのだと思う。そういうものがなければそういうものがうやむやに今までと同じようにされると思う。私は農林当局なりに対する追及の手を緩めるのじやないが、それはそれとして独立したものだと思う。それであるが故にこの罰則規定を削るというような理窟というものは全然ないので、この抜本的改正をやることと、農林省なり政府当局に対する責任の追及を我々は厳しくやるというのとは並行して行つて何ら差支えないのであつて、これは政府は責任を相当とらなければならないのにかかわらず、責任を共済組合の幹部のほうに転嫁するのでは気の毒だから、それではこの一方的だからという考えは間違いであつて、農民の間から相当厳しく今の共済組合制度、県理事者に対する具体的非難の火の手が上らなければ、この農業共済制度の発展というものは期し得られないと思う。今のようなうやむやに頬被りしていて御覧なさい、結局何をやつてもいい加減に葬ることができるのだというので、むしろ共済制度に疑惑が起きると思う。私は社会保障制度の一環にまで農業共済制度を発展させようとするならば、今のような過渡的時代において厳し過ぎてもいけませんが、この程度の罰則規定がないとするならば、全くルーズになつて、今でもルーズなのでああいう状態がかもし出されているのに、一つも引締められない。共済制度そのもの自身にどうしてもこれだけの形をとることは必要だと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/18
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019・川俣清音
○川俣清音君 私たちはこの罰則の規定が他の刑法等によつてこれらの規定の大半のものがこれは処罰できる。なぜ今まで処罰を受けなかつたかというと、問題はどこにあつたかという問題なのです。勿論個々の個人々々の不正は別です。団体としての不正と農民から呼ばれるものはどこにあつたかというと、大体共済組合が査定をした場合、これは七割以上、五割以上、三割以上と査定した場合、その査定した通りの金が来ないという問題なんです。そうすると来ないものだからして、それを再分配するにも適当な再分配の方法をやつておるわけです。これは確かにその組合の業務に対して忠実でないというようなことを言うかも知れませんけれども、これは予算の面がそういうふうに申請の通り来ないのです。いつも申請通り来ないで、六掛けで来るとか七掛けで来るとか、或いはときにうまく運動すれは九掛けで来るというものがあるけれども、恐らく調査というものが粗漏だと見るのか、予算の枠が必ず要望通り来ていない。厳格に調査に忠実にやればやるほどその通り予算が伴わない。共済金がそのまま来ないのです。来ないものだから、これを非常に適当な分配の仕方をする、個人感情を湛えて分配をするというような問題が起つて来るわけです。だからして当然責められるべき面は組合の役員の上にありますよ、それとそれ以上にもつと金が行かないところから問題が農民の憤激になつて現われて来るのだというふうに見て行かなければならない。若しそこに不正があつたという場合には、これは十分刑法上も処罰されるべきだろうと思いますが、又この刑法では十分取締れないとするならば、こういう規定を入れることも僕は差支えないと思うのです。ただ組合の役員がその任務を怠つたときというようなことに……、本当に申請したけれども、政府から行かなかつた場合、或いは共済連合協会の金がなくて、基金がなくて行かなかつた場合、誰がそれに対して責任を持つか、役員の怠慢か、政府の怠慢かということが出て来るのです。だから若しこれを入れるならばですよ、調査が合つた場合には必ず政府もその申請を認めなければならないというような規定を入れておかなければならない。「その任務を怠つたときは、」云々というようなことはこれは私はできない。却つて摩擦が起つて来るのじやないか。或いはその後段の「悪意又は重大な過失があつたとき」なんというのは、この規定は当然だと思うのです。併しこれに入れべきものか、又は刑法て処罰を受けべきものかということについては、これはもう一度考慮する余地があると思いますけれども、これは当然な面だと思うのです。前の「役員がその任務を怠つたとき」、これは任務を本当にやられて、一番困るのは政府ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/19
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020・河野謙三
○河野謙三君 問題は結局先ほど申上げたように、あなたのほうではこういうものを政府の原案を生かして行けば、我々の申すところの抜本的改正に政府の言訳としてこれを使われると、抜本的改正そのものに対して非常に戸惑う、こういうことなんですね。だから果して抜本的改正を急ぐためには現在出ているこういうものを削つたほうがいいと、こういうことなんですね。金子さんね、そういうような点を議会で指摘されると、それをその都度少しずつ言訳することをやつて、政府は少しも根本的の問題に触れようとしない、そこに非常に問題があるのですよ。今度のやつはそれでですね、あなたのほうだつて抜本的改正は同じなんだ、政府も抜本的改正をやると言うのだから、場合によつてはこの両院協議会でもつと具体的にできるのだ。我々も小委員会で大いに勉強するけれども、政府も来たるべき国会までに必ず成案を得て次回の国会に臨むということでいいのじやないでしようか。問題は手段の問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/20
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021・金子與重郎
○金子與重郎君 これは衆議院の委員の諸君が御説明した通りでありますがね、さつき戸叶さんのお話をしておることは、その通りすなおにとれるのですよ。それが違うなどとは全く思つておりません。そんなら政府にそういう意図が見えるかというと、共済に関する限り私ども見えないのです、と言うのは去年出して今年又家畜共済を出している。おの家畜共済の問題を見てもわかるんです。この共済でもなぜ今頃になつて役員の責任だなんと馬鹿なことを言う。これが農民の共済という一つの組織であるならば、当然劈頭役員の責任というものはなくてはならん。これはこの共済に関するあの農林省の役人たちの頭が共済の名において批判的な考え方を常に持つていない、自主性というものを持つてタツチしていない。だから今度の共済を見ても、現在あるものに対してどう普及するかということの考えしか持たない。衆議院の小委員会で問題になつている点もそこにあるのです。共済というものを堀り下げて本当に自主的なものから立ち直そうという気持がない。今まででつち上げたものである。どうやら積み上げて行くということでここまで来ているわけです。先ほど河野さんもおつしやつたように、この問題を起して、論議されて、ただそれを弥縫的にどう防ぐかということで、土台石の悪い上にただ石を積み上げて、そうして砂利を入れて穴を埋めて行くというようなことが今懸命に行われているのが共済に対する考え方であり、現われ方である。ですからこの法文を入れるのがいいか悪いかというような、そんな意見になりますと、一応私どもも入れたつて邪魔にならないのじやないか、置いたつていいのじやないかと、こういう理窟は一応わかるのでございますけれども、併しこの問題は昨日や今日に始まつた問題ではなくて、政府はこんなに問題を起しておいてから、今さら役員の責任規定を入れるということは、言い換えるならば馬鹿な話ですね。そういうふうな考え方が若しもこういうことを契機にして根本的に入るならば、それは正直なことを申上げますと、この問題に対して一条々々に対する掘り下げをして、そして今のものを一つ一つ検討するのでなければ、とにかくこういうものを、去年出ましたときもこういう弥縫的なものはやらないということで前国会で過ぎた経緯もあつたものですから、繰返して申上げてくどいのですけれども、おそこの役所全体の空気もそうなつている。今出ています家畜のほうもだから参議院のほうへ廻つて参りますけれども、その法律の行き方を見てもただ積み上げて行くのではないかという考え方が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/21
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022・河野謙三
○河野謙三君 それは私は集団根性と思うのですが、少しいじめてやるとか、意地悪してやるとかというような動きがある、そうじやなくて、やはり立法府なんだから、若しどうしてもやれというなら、今小委員会もでまているから、こちらで法案をまとめて、それで政府にやらせればいいのだから、まあ具体的には非常に困難でしようが、我々が専門員と共同してやるというのは、具体的にやるのは困難ですが、そこで政府で聞いたら、政府でも今度はやると言つておるのだから、お灸を据えてやれというような、お灸を据えるというような観念の扱い方はよくないと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/22
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023・川俣清音
○川俣清音君 ではお尋ねいたしますけれども、私はこの中に純然たる違法上の行為の起つた場合と、実際上その不可能な場合の規定と二つあると思うのですよ。それで参議院側の議長にお尋ねするのですが、例えば三十二条の二の後段のほうですね、法律上のいわゆる「悪意又は重大な過失」の場合の損害賠償及び虚偽の行為というようなことについてはこれはまあ了解しますが、前段の分ですね、「定款及び総会の議決を遵守し、組合のため忠実にその職務を遂行しなければならない。」ということはこれはどうなんですか。現実に実行できるのだというふうに参議院はお考えになつていますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/23
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024・戸叶武
○戸叶武君 やはりそれはなかなか困難だということは常識的にわかるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/24
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025・川俣清音
○川俣清音君 いや、これは議長からお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/25
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026・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) 三十二条ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/26
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027・川俣清音
○川俣清音君 三十二朱の「総会の議決を遵守し、組合のため忠実にその職務を遂行しなければならない。」という規定なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/27
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028・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) これはさつき宮本さんから御説明申上げましたが、大体他の立法例もあることでございますし、これは農林省の査定については、或いは又この三十二条二の「組合のため忠実にその職務を遂行しなければならない。」という、そういう規定は私はどうもそう大した不当な規定ではないと、他の法律の規定から見まして、これは当然必要であつて、第二項以下は削除するということは特に私は必要ないのじやないかと判断いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/28
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029・川俣清音
○川俣清音君 こういうことが実行されるとお考えになつているかどうかと、こういうことなんです。実際御承知だろうと思いますけれども、災害があつた場合には査定委員会が開かれて、これが総会の議決となつて申請されて来ます。査定委員会が開かれてその査定を総会が全部認めるか、或いはそれを修正するかは別にしまして、総会が議決をして、それを申請して来ます。その申請はいつだつてどこの組合に対してもその申請通り共済金が行つた試しは一つもないだろうと思うのです。問題は別なところにあるのです。この規定を入れることでない。だから私の言つていることは、この規定が決して悪いとは思わない。これを入れるならば、裏付をしてやらないでこの規定だけを入れては不当じやないか、こういうことなんです。あとのほうの問題はいいですよ。あとの処罰の問題はいいですよ。不正な行為があつた場合これは当然ですよ。ただ刑法上もこれはあると思いますからね。私入れることもいいと思います。実態から言つて、総会の議決をこれは全く善意に河野さんがやろうと、戸叶さんがやろうと、この議決によつてやろうとすれば、これは全部取らなければならん結果になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/29
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030・戸叶武
○戸叶武君 それは問題が起きたときに、所定のものが常識的にそういう問題に対して役員の罰則規定で問題になるのは、甚しい問題のときにそれを黙認できないから罰則規定があるので、これは法律の技術といたしまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/30
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031・川俣清音
○川俣清音君 罰則規定は私は認める。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/31
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032・戸叶武
○戸叶武君 それでは話は別でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/32
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033・川俣清音
○川俣清音君 罰則規定は批判しない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/33
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034・戸叶武
○戸叶武君 それはおかしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/34
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035・河野謙三
○河野謙三君 要するにそれは今のお話になつていることは、これは農業共済制度そのものの批判になつて来るのだ。その批判はいろいろやつた結果お互いに抜本的にやろうということになつたんたから、そうじやなくて、この両院協議会の仕事は、要するに罰則規定を削るか、活かすかという問題なんだから、それだけで一つ話を進めて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/35
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036・足立篤郎
○足立篤郎君 今の川俣君はいろいろ考え違いの点もあるかと思うので、私共済をやつておりますので御説明申上げてみたいと思います。総会の決議に従つて評価をするということは事実です。町村の評価そのものが総会の決議を経て農林省に上つて来るものではない。ですから総会の決議によつて評価委員を組合長が任命し、その評価委員会の決定によつて各町村の評価というものがなされる、それは未確定なものなんです。未確定の状態で農林省まで上つて来る。農林省が法令、法律に基いてする行政処分で査定をされるわけなんです。それが又下へ下つて来ます。そこで変更されるから農民の意思というものが無視されるからけしからんということは、これは別な問題です。それを明らかにしておきます。川俣君の言う、必ずしも総会の決議が現状に常に背いているのだということにはなりませんので、そこは私はこの法文通り、一応共済団体の役員に責任を持たしてもらつて行けると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/36
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037・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) それでは懇談でやつたら如何でしよう。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/37
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038・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) 懇談に入ります。
午前十一時四十五分懇談会に移る。
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午後零時十二分懇談会を終る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/38
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039・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) 懇談を閉じまして、再開いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/39
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040・坪川信三
○坪川信三君 この際議事進行につきましてちよつと発言を求めますが、只今までの参議院側のお立場から申出られている御意見等につきましては、我々もいろいろな角度から了承いたしますけれども、衆議院側といたしまして直ちにこれに応ずるか、或いは如何なる立場で妥協するかというような問題につきまして、もう少し時間をかして頂きまして、慎重に協議いたしたいと思いますから、本日はこの程度で散会を願いまして、我々衆議院の立場といたしまして、明日九時に集まりまして協議をいたしましてそうして十時に協議会をお開きになつて、更に議事を進行して頂くならば幸いであると思いますが、参議院側の御了承を願えれば大変結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/40
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041・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) 只今の坪川君の御意見に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/41
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042・片柳眞吉
○議長(片柳眞吉君) それでは本日はこれで散会いたしまして、明日午前十時から開会いたします。
午後零時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101624982X00119530723/42
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