1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年十一月四日(水曜日)
午後二時三十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 矢嶋 三義君
理事
藤野 繁雄君
三浦 辰雄君
成瀬 幡治君
永井純一郎君
寺本 広作君
委員
井上 清一君
大谷 贇雄君
重政 庸徳君
高野 一夫君
田中 啓一君
松岡 平市君
井野 碩哉君
上林 忠次君
新谷寅三郎君
竹中 勝男君
松浦 清一君
山田 節男君
石川 清一君
衆議院議員
綱島 正興君
八木 一郎君
政府委員
内閣官房副長官 田中不破三君
自治庁財政部長 後藤 博君
大蔵省主計局次
長 原 純夫君
厚生省社会局長 安田 巖君
事務局側
委員部第三課長 川合 重男君
説明員
厚生省公衆衛生
局環境衛生部長 楠本 正康君
農林大臣官房総
務課長 奥田 孝君
建設大臣官房長 石破 二朗君
建設省河川局長 米田 正文君
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本日の会議に付した事件
○委員長の報告
○昭和二十八年六月及び七月の大水害
により被害を受けた地方公共団体の
起債の特例に関する法律等の一部を
改正する法律案(内閣送付)
○昭和二十八年六月及び七月における
水害による被害たばこ耕作者に対す
る資金の融通に関する特別措置法等
の一部を改正する法律案(内閣送
付)
○昭和二十八年六月及び七月の大水害
の被害地域における公衆衛生の保持
に関する特別措置法等の一部を改正
する法律案(内閣送付)
○昭和二十八年六月及び七月における
大水害に伴う中小企業信用保険法の
特例に関する法律等の一部を改正す
る法律案(内閣送付)
○農林水産業施設災害復旧事業費国庫
補助の暫定措置に関する法律等の一
部を改正する法律案(内閣送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/0
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001・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今から本日の会議を開きます。
先ず委員長からご報告申上げることがございます。十月三十日第一回の本特別委員会において、本特別委員会は第十六日会に成立いたしました水害地緊急対策特別委員会の引継事項を尊重してこれに臨む、而うしてその後の情勢によつて変化した部分については、政府委員の出席を求めて再検討をする。従つて、必要が生ずれば予算委員会と連合審査をなすということを確認いたしました。翌三十一日連合審査を申入れることを確認いたしております。それに基いて委員長は予算委員長に対してその申入をいたしました。その後、昨日連合審査と法律案の審議について意見があつたことは御承知の通りでございまして、特別委員会として予算関係について不明確な点は明確にし、説明を聴取していない部分については聴取するところの機会も持たなければならないという意見もあつた次第でございます。
ところが本日予算委員会理事会においては、風水害対策委員会との連合審査は持たないという拒絶の態度を確認いたしました。その後、連合審査は拒絶するが特別委員長の報告は三十分に限つてこれを受付ける、でその時期は大蔵大臣が提案理由の説明をした直後である、こういう連絡が急にあつた次第でございます。そこで委員長は皆様方にお諮り申上げる時間もございませんので、予算委員会に出席いたしまして大要次のことを報告いたしました。
一つは、前水害地緊急対策特別委員会から風水害対策特別委員会に引継がれた事項に対する基本的態度。第二番には八月以降の災害に対して現在本特別委員会がとりつつある態度。第三番には、法律の審議、政令の検討野をなしたが、予算についてはなお特別委員会としては政府から説明を聴取いたしたい点がある、不明確な点がある。従つてそれらを明確にする機会を持ちたいのであるが、予算委員会との連合審査もできないとあらば、かくかくの点について予算委員会に明確にすることを要望するという立場からの報告と要望をいたしなおそれらに関連いたしまして、本特別委員会の従来まで意思決定或いは決議し政府に申入れた事項、並びに衆議院水害地緊急対策委員会ととつて来た連絡状況、並びに両院の特別委員会の申合せ事項等、それらについて報告をいたした次第でございます。この特別委員長の報告の御了承をお願いいたします。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/1
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002・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 次に只今自治庁並びに大蔵省の政府委員が参つておりまするので、先刻三浦委員から提議されました件について質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/2
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003・三浦辰雄
○三浦辰雄君 私は大蔵関係のかたにお聞きしたいのですが、今度の水害の予算については、まあかねて御承知の通りに異常な災害に対してこれに与える国家の予算が非常に少いということで、災害地の被害を受けた皆さんにはこの委員会としては委員一同恐縮しておるのは御承知の通りですが、そこで今度の予算というものはああいう少い不満足の額だが、およそ例年の例による三割程度までは事業が進捗するに従つてつなぎ融資をして、そうしてその復旧の促進は図りたいということまでは政府自信も言つておる。そこで問題になるのはそのいわゆるつなぎ融資に対する利子、このつなぎにつきましては或いは資金運用部資金の場合もあるだろうし、場合によつては市中銀行という場合も考えられる。これらの利子について政府は補給するかどうか。言葉を換えていえば、この起伏の特例に関する法律の第一条の第二号に書いてある「災害対策に通常要する費用」という中にこれらの利子というものを解釈上当然入れてそうしてそれらのほうも含めた額の起債というものを例外的にお許しになるか。そうしてその起債というものを平衡交付金等において逐次なし崩しにして行く、こういうことが明らかであれば、いわゆる利子を補給るすという結果になるので、この際あえて問題にしなくてもいいのかも参知れないけれども、そうでなくて我我この第一条の第一項の第二号を見ると、必ずしもそれは入るというふうにはむしろ見えない。若しこれが入らないのだということであり、或いは疑義がその間にあるのだとするのならば、この委員会としては利子補給の問題を明かに法律上しておくという必要があるのではなかろうか。そういう点から率直に政府の意見を求めたいわけなんです。
先に行われた三派のいわゆる予算の修正にからんでの申合せは、今日も予算委員会においてその成案を速かに出せということを要求されておりましたけれどもこの点どうも明らかでない。私どもは政府の執行部として、つまり政府としてこれを出すというところの決心がおつきになつているかどうか出すつもりであつたけれど、その後の情勢の変化の結果、この点については遺憾であつたといつたような説明を受けるのではたまらない。ああいつた災害に対して二割足らずの金を出しておいて、そうしてさんざん問題になつた挙句は三割の目標にまで達するように仕事が進むならば融資等において特別に考慮すると言つておりながら、こういつた特殊の事情の下における融資というものについては、当然利息というものを政府自身が考えるのはもう言うまでもないのだと思うのですけれども、どうも疑義がある。この点明らかにしてもらいたい、この点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/3
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004・後藤博
○政府委員(後藤博君) お答えいたします。この前にここで申上げましたように、繋ぎ融資の措置につきましては特例法の通用区域につきましては特例法で考えて行く、自余のところについては特別平衡交付金で全額みたい、かように叩上げておつたのであります。その後特例法の今おつしやいました条文の中に命令。定むる災害対策に通常要する費用、この中に私ども入れたいと考えまして大蔵省と現在折衝しております。若しもこれができませんでしたら特別立法をお願いしなきやならんと思つておりますけれども、現在私どもは当然にこの条文の中に入つて特例の起債を認むべきものである。かような解釈で折衝いたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/4
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005・三浦辰雄
○三浦辰雄君 一応自治庁例におきまするいわゆる希望的な解釈はわかりましたが、これに対する財政当局の率直な意見を聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/5
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006・原純夫
○政府委員(原純夫君) 第二の問題につきましてはなお只今研究申でございますので、暫く返事を留保さして頂きたいと思います。
第二の三党でお話合いになりました中にありますところの、二割の予算では困るという場合に工事の進捗状況等を見まして、預金部その他からの融資について斡旋いたします場合の利子につきましては、補給の途を講ずるというお話になつている。こういうふうに承知いたしております。従いましてそのつもりで今措置いたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/6
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007・三浦辰雄
○三浦辰雄君 その措置をするつもりだというのは誠に結構なんですけれども、その措置はいわゆる法令に基くものでなくて、予算措置でおやりになるという意味だと解釈するのですが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/7
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008・原純夫
○政府委員(原純夫君) これは只今申しましたように実際の必要を見て参らねばならん問題でございまするし、今回のところといたしましては、そういう形式につきましては別段はつきりと予算措置に仕切るという結論までは出しておりません。もう少し実情を見まして必要がありますれば法律をお願いするということに相成るかと思いますが、この辺は実際の事態の成行を見まして実情に即するように措置いたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/8
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009・三浦辰雄
○三浦辰雄君 今の三党で打合せされたというものに対する利子は必要に応じた額を出しそれに対しては政府のほうとしてはなんらかの形、例えば立法さえいたしても出すというお考えだと承つたのですが、それはいわゆる特例法を施行した地域に重点がおかれては行くんだろうけれども、この災害の経費というものは特例法を実施しなければならないところのひどくやられた地方と又そこまでは至らなかつたけれども併し相当これは急を要するというところに行われるんだろうと思うんですが、その利子の補給というのは今お話のなんらかの方法を以て補給するつもりだというその対象は利子の特別法が適用される地域のみに限らずに、なお必要に応じて起きるであろう融資斡旋貸付の額であつて、特別立法をやつた所、そうでない所との区別はないんだろうと思いますが、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/9
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010・原純夫
○政府委員(原純夫君) 特にこの場合の利子補給につきまして地域を限らねばならんというふうにはつきり思い定めてはおりませんです。おつしやいます通りそういうこの融資を付ける必要のある例というのは、恐らくダブる場合があると思いますが、外れたらいかんというまでは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/10
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011・三浦辰雄
○三浦辰雄君 それでは原さんは第一点と申されましたが、起債の特例法の第二条の第一項の第二号、お手許にありますか、それの災害対策に通常要する費用という中にその利子というものも含めて、その利子というものも通常要する費用というものに当然解釈をしておやりになるかどうかということを、後刻でいいんですけれども、期限がないものですから今日中に御意見をまとめて来て頂きたい。というのは、もう一つの問題として海岸の堤防についての問題がからむかも知れませんから一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/11
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012・原純夫
○政府委員(原純夫君) はい承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/12
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013・松岡平市
○松岡平市君 只今主計局次長のこれはきまつておらぬというお話ですけれども、ともかくこの法律を起案いたしますときには、御承知のように今度の異常な災害については地方公共団体の負担を将来に残さないようにしよう、少くともこの災害に関する負担は残さないようにしようということで、特別平衡交付金で賄えるかどうか、それは予算上も賄えない。然らば特別交付金或いは災害交付金というようなものを給付する特別立法をしようという、この委員会の空気であつたのでありまするが、政府との数次に亘る質疑応答の結果、現在の平衡交付金制度をみだる虞れがあるからそれはやめてもらいたい。そこでそれに代るものとしてこの立法措置を講じて、そしてそれらのもとよりそれらというのは融資の利子等をも含めて、地方公共団体のこの災害のために負担せざるを得なくなつたものは起債に求める、そうして将来に亘つて起債の利子まで政府が平衡交付金によつて見てやる、こういうことは数回自治庁長官と特に私との質疑応答で明かになつておる。
私はかように理解しておりまして、只今原政府委員のお話を聞いて誠に意外であると考えるのであります。この中に資金の点は単につなぎ融資のみならず、災害復旧のために予算結盟が講じられないで地方公共団体が他から融資を受けたその利子に至るまで、当然全額起債、は認められるものと我々は今が今まで了承しておつた。かように考えまするから、只今の御答弁にかかわらず、そういうこの法律の立法の経過にも鑑みて、政府のこれに対する解釈を速かに統一して頂きたい。若しその点について疑義が残るとか、或いは只今私が申しましたように融資の利息はここに掲げられておる「通常要する費用」というものに含まれないというような政府の解釈が万が一にも生ずるというような場合にはこれは重大なことである。この法律全体の趣旨から鑑みて融資の利子についての立法を特段に考えなければならんとかように私どもも考えまして、三浦委員の御希望に速かに副われんことを特に希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/13
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014・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 委員長から重ねて尋ねますが、これは立法との関連がありまして、会期あと僅かになつていますので一時間以内に御返事頂きたいと思うのですが、できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/14
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015・原純夫
○政府委員(原純夫君) まあなるべく御趣旨に副うようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/15
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016・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そんな御趣旨に副うとかいうようなことでなく、あなたのほうがはいつておらんとするならばここで入れるから、はつきり……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/16
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017・原純夫
○政府委員(原純夫君) 時間となりますと研究する相手の人の時間の問題もございますからそう申したので、成るべく早くいたしますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/17
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018・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) そのことは委員長で取扱います。
速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/18
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019・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を起して下さい。
昭和二十八年六月及び七月の大水害の被地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法等町の一部を改正する法律案を表題に供します。昨日法律案の提案理由説明を聴取いたしました。御質疑のある方は質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/19
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020・藤野繁雄
○藤野繁雄君 これはすべての法律に関係があるのでありますが、第一条のところで法律の題名が「昭和二十八年六月及び七月の大水害並びに」と書いてあります。そうして次の第一条中には「大水害又は」と書いてある。「及び」と「又は」ということを使い分けたところの理由がどこにあるか。「及び」と「又は」は違うのであるか違わないのであるか。この点をお尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/20
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021・安田巖
○政府委員(安田巖君) 六月、七月の大水害と八月、九月の風水害とを並行的にどちらもこの措置を適用するという趣旨でございまして、別段それ以外のことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/21
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022・藤野繁雄
○藤野繁雄君 若しそうであつたらば「並びに」というのも並行的であるのでありますが、「又は」というとそうではないような感じがするのであります。なぜ使い分けなくちやいけないかということでありますが、「又は」と書いてでも「並びに」と書いてでも同様だということであればそれでいいのでありますが、同様だと確信してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/22
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023・安田巖
○政府委員(安田巖君) 他の法律は存じませんけれども、私どもの考えではこの改正の法律案につきましては六月、七月と八月、九月の大水害に適用するものだとこういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/23
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024・成瀬幡治
○成瀬幡治君 三条の簡易水道のところですが、昭和二十九年三月三十一日までに復旧又は布設しようとする、こうなつているわけですが、実は愛知県とか三重県のように堤防が完成しなければ、恐らく完成が昭和二十九年の三月三十一日までにはむずかしいと思います。そうしますと、その後にそこへ又家を建てるような場合には、この二分の一の補助がこれだとなされないわけですか、私はここで法律を修正しようとは思いません、そういう場合にそういうことを考慮されて、この法律はそうなつておるけれどもあなたのほうにおいてこういうものを特別にみると、こういうことになれば私は修正する必要がないと思いますが、そういうようにお図り預けるものかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/24
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025・楠本正康
○説明員(楠本正康君) お答えを申上げます。この点につきましては前回の委員会におきまして新谷先生からも御指摘を頂いておるのでございます。私どもといたしましては、いやしくも災害の復旧関係の仕事、災害対策は極めて迅速に手際よく処理いたしたいというのが趣旨でございます。従つて成るほど御指摘のように三月三十一日までに着工しなかつたものは対象となり得ないのである。かような緊急を要するものでありますので、すべての事業を少くも三月三十一日までに今後着工できるように準備を進めて行きたいという決心でございます。併しながら勿論この市町村単独の政令の指定が遅れたり、或いは只今御指摘のような点も万一あろうかとも存じますが、私どもといたしましては来年三月まで現状の姿で置くということは忍びないのでありまして、できるだけ速かにこれを処理いたしたい考えでございます。併しまあ現在はその決心で進んでおりますが二月、三月になりましてどうしても見通しが誤つたということになりますればそのとき又別個な措置をとりたいと存じます。たまたま二月、三月は国会開会中でもありますので別な措置をとりたいと思います。少くとも私はこの緊急の事態は一日もゆるがせにせず手際よく処理いたしたいという決心でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/25
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026・三浦辰雄
○三浦辰雄君 議事進行ですが、こういうふうにやつて行つて採決というような形はあとでまとめておやりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/26
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027・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 各法律別に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/27
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028・三浦辰雄
○三浦辰雄君 そうしますと今出ております公衆衛生以下一連の問題、これは異議がなければここですぐ採決する、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/28
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029・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/29
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030・三浦辰雄
○三浦辰雄君 私の会派では、前回の委員会で問題になりました、のちほどここに議題となります六月下旬の問題でございます。あの六月下旬の問題についてはその際に触れますけれども、結論的に言うとやはり第二台風というものは入れべきでないということになり、そうして若し時期を統一するのだというだけのことで、六月という言葉で現わしたらという議論の点を紹介いたしましたところが、若し統一するのだというなら六月下旬にこそ統一すべきものであるというふうな実は決定でございます。従つて若しその統一の問題があるなら、私はこれを遡つて六月下旬に訂正をしなければならん事態があるかも知れませんので、議事進行もお聞きしたような次第なんであります。私の議事進行についての問題は、一先ずこれを異議なしのところに進めておいて、そうして採決自身は今後ずつと一連をやつて行つたあとでやつても、時間的にこのまま呑むのだとすれば関係のないことであります。ただ修正を要するような問題については、その同様な修正点を明らかにしておい一て、又採決を適当なときにしてもいいと思いますが、下旬の問題が引掛つているために私はこういう議事進行についての提案をするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/30
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031・松岡平市
○松岡平市君 只今の議事進行に関連して。只今三浦委員の御発言は御尤もなことでありますが、これは単にこの法律或いはここで我々が論議をしなければならない法律だけでなく、他の法律にも及ぶ関係があつて全般的な問題であると思うのであります。一先ず法律は議事進行上採決をされまして、そうして今三浦委員の発言された点は、若し一切の法律を下旬にする、下旬を加えるということならば、決定採決されたものにもその際に下旬を加えるということ、そうでない場合にはそうでないということをあらかじめ条件付にしておいて、一つずつを速かに採決して行かれんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/31
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032・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 議事進行について御発言があつたようですが、かなり重大な問題であるようでありますから、一応速記をとめて懇談いたします。
ちよつと速記をとめて下さい。
午後三時七分速記中止
―――――・―――――
午後三時二十八分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/32
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033・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記始めて下さい。他に御質疑ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/33
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034・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 質疑なしの声がありましたので、討論に入る前に二十四の法律を通ずる問題でありますが、災害対策本部長に代つて田中副長官から答弁を求めます。それは先ほど藤野委員からも質疑があつたのですが六月及び七月又は八月及び九月というような表現をされておられるのに関連するのでございます。結局伺いたい点は地域指定をする場合に一つの基準がある。例えば公共事業費と標準税収入とを比較する、こういう基準があるわけですが、そういう場合に公共事業復旧費を計算するときに六月、七月、八月、九月の災害の所要費、これの合計と標準税収入を比べるのか、それとも六、七月の公共事業復旧所要費と標準税収入を比べ、更に八九月と標準税収入を別個に比べるのか、その点を明確にしておきたい。この点については先般建設省並びに農林省に対して本委員会で委員から質疑した場合には、六月から九月までの合計と標準税収入とを比べて地域を決定するということを答弁頂いておるのでありますが、災害対策本部長は二十四の法律を通じて如何ように取扱うかという点をこの際明確にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/34
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035・田中不破三
○政府委員(田中不破三君) 災害対策本部、又政府といたしましても六、七、八、九の四月の災害を通算いたして標準税収入と比較すると、こういう考えを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/35
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036・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら修正案文及びその修正理由を討論中にお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/36
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037・松岡平市
○松岡平市君 私は修正意見を提出いたします。それはこの出ております印刷物の第二ページ最後から二行目であります。これは第四条第一項中「又は同年七月一日」を「七月一日、八月一日、又は九月一日」に、「水害」を「水害等」に改める、とこうなつておりまするのを、最後のところ、「水害」を「水害等」に改めその下に「塵芥焼却場」の下に「、屠畜場」を加える。かように修正して瞬きたい。これはすでに今までの委員会におきまして、塵芥焼却場並びにこの法律の中に挙げております火葬場と同様の立場にある屠畜場を法律は落してある。ところが今回の災害において知られたる屠畜場の被害が数十カ所あるということで、これは塵芥焼却場や火葬場と同列のものであるから、これの災害のみを無視するわけにはいかんということで、委員会においても数次いろいろと議論を戦わした結果、これは入れるということを各位の御賛同を得ておるのです。不幸にして原案におきまして屠畜場を加えてございませんから、是非この機会に只今申上げましたように条文を改めて、屠畜場が加わるようにして頂きたい。かように修正意見を提出いたしまして、他の部分につきましては全面的に賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/37
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038・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 他に御意見ございませんか。只今の修正案提案に対して質疑ございませんか。ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/38
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039・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を起して下さい。他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めてお異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/39
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040・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) お異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。
昭和二十八年六月及び七月の大水害の被害地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法等の一部を改正する法律案について採決をいたします。先ず討論中にありました松岡君の修正案を議題に供します。松岡君提出の修正案に賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/40
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041・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 全会一致でございます。よつて松岡君提出の修正案は可決されました。
次に只今可決されました松岡君の修正にかかる部分を除いて、内閣提出にかかる昭和二十八年六月及び七月の大水害の被害地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/41
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042・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て修正議決されました。
なお、本会議における委員長の口答報告の内容と自後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、お異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/42
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043・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) お異議ないと認めます。
次に本案を可とされましたかたは例により順次御署名願います。
多数意見者署名
藤野 繁雄 三浦 辰雄
成瀬 幡治 寺本 広作
井上 清一 大谷 贇雄
重政 庸徳 高野 一夫
田中 啓一 松岡 平市
井野 碩哉 上林 忠次
新谷寅三郎 林 了
竹中 勝男 山田 節男
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/43
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044・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 次に昭和二十八年六月及び七月における水害による被害たばこ耕作者に対する資金の融通に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題に供します。本案については昨日提案理由の説明を聴取いたしておりますので、御質疑のおありの方は御質疑願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/44
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045・松岡平市
○松岡平市君 これは別段の問題もないはずでございますから質疑を打切る動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/45
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046・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今の松岡君の議事進行に関する動議、お異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/46
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047・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) お異議ないようでございますから、質疑は終局したものと認めます。(「進行々々」と呼ぶ者あり)
それではこれより討論に入ります。
〔「討論省略」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/47
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048・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 討論省略の声がありますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/48
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049・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから討論は終局したものと認めます。
それではこれより採決に入ります。昭和二十八年六月及び七月における水害による被害たばこ耕作者に対する資金の融通に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/49
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050・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/50
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051・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないと認めます。次に本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
藤野 繁雄 三浦 辰雄
成瀬 幡治 寺本 広作
井上 清一 大谷 贇雄
重政 庸徳 高野 一夫
田中 啓一 松岡 平市
井野 碩哉 上林 忠次
新谷寅三郎 林 了
竹中 勝男 山田 節男
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/51
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052・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 次に農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題に供します。本案は内閣提出にかかるものでありますが、院において修正議決して本院へ送付されております。質疑のある方は質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/52
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053・三浦辰雄
○三浦辰雄君 私は衆議院の修正された意図を聞きたい。つまり六月下旬とある下旬を削除した意図ですね。どういう雪に考えたためにこの局という文字をとる必要があつたか。この点聞きたい。又このとつたことによつて政府はどういうふうな変化が起きると考ておるか聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/53
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054・奥田孝
○説明員(奥田孝君) 衆議院で修正されました意図につきましては、これは私からお答えするのは不適当かと思いますので衆議院の提案者から申上げるようにお願いいたします。それで下旬という言葉が削られますとどういうことになるのかと申しますと、結局台風二号による被害の復旧事業に高率が必要になる、こういう結果になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/54
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055・三浦辰雄
○三浦辰雄君 衆議院の修正をされた意図が反映して、今農林省のほうからお答えがあつたのかと存じますが、今のために私は衆議院の修正されたどなたか代表して意見をお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/55
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056・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今修正者である衆議院特別委員会の代表者の出席を要求してありますので、暫時お待ち願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/56
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057・井野碩哉
○井野碩哉君 見えますまで御質問いたします。二号台風が入りますと農林省と、建設省どのくらいふえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/57
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058・奥田孝
○説明員(奥田孝君) その数字はどれだけになるかということを農林省で只今はじいておりますが、まだできてませんがもう追つつけできると思います。
それからこれは私の考えでありますが、結局農林省の要求に対しまして大蔵省が査定をしておりますので、この台風二号が高率適用になることによりまして補助金がどれだけプラスになるかということにつきましては、むしろ大蔵省に聞いたほうがいいんじやないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/58
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059・石破二朗
○説明員(石破二朗君) この二号台風だけの建設省関係の被害報告額というものははつきりわかりませんけれども、御承知の通り第二台風がありまして、その後すぐ引続いて梅雨前線による被害がありまして、その関係を合計いたしますと、ここに今資料を持つておりませんけれどもかれこれ六、七十億の機雷報告があつたのじやなかつたかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/59
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060・藤野繁雄
○藤野繁雄君 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案の第一条によつて見ますると、「昭和二十八年六月下旬から七月までの間に生じた大水害又は同年八月から九月までの間に生じた風水害」こうなつているのであります。又昭和二十八年における冷害等による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案の第一条によつて見ますると「昭和二十八年に政令で定める地域内において生じた冷害及び昭和二十八年六月から九月までの間に」と書いてある。一方は六月下旬から七月までと書いて、又は八月九月となつているのであります。一方は六月から九月までとなつているのでありますがこれについては売渡価格その他についても非常に相違があるのでありますが、二つの法律で一方は六月から九月までと書き、一方は六月下旬からと長々しく書いた理由はどこにあるのか。この区別を明らかにして頂きたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/60
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061・奥田孝
○説明員(奥田孝君) この二つの法律の大きな違いを先ず初めに申上げますと、その六月及び七月の大水害による被害者に米麦を売渡す法律は、六月、七月の水害によりまして農家が現在保有していた米や麦を流した意に対する措置になつているわけであります。それであとでお読みになりました昭和二十八年における冷害等による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律にも、やはり六月から九月までの間に政令で定める地域内において生じた風水害による被害農家と、冷害を受けた農家と二つ出て参りますが、このほうは保有中の米麦を流した農家ではなくして、とれる予定をしておつたお米や麦がとれなかつたという人に対しまして特別に安い値で払下げる。こういうような法律でございましてこの二つの法律はそういう趣旨が違いますので、従つてこの書きようにつきましても多少違つた点が出て参つているのであります。それから水害によりまして保有米麦を流した人に対する救済の法律にはやはり六月下旬となつているのでありますが、従いまして台風二号による被害農家はどうかという御疑問が出ると思いますが、その今風二号によりまして米麦を流した農家に対する米麦の売渡はこの立法の際にはすでに問題が解消しておりましたので特に下旬という言葉が入つたように私は理解しているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/61
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062・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 質疑の途中でありますが、先刻の三浦委員が要求されました議院側の綱島委員が代表として出席されましたので、先ずそちらのほうから、質疑を始めたいと思います。三浦委員改めて質疑願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/62
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063・三浦辰雄
○三浦辰雄君 衆議院の修正の代表としてお見えになりまして御苦労さんです。
私の聞きたいというのは、このたび農林出係の災害施設の暫定措置法で六月下旬とあるこの下旬を削除されたのは、どういう意図から特に削除になられたのか。綱島先生は前国会の水害当初から委員として非常な御活躍をなされたかたで、その立法の経過については十分御承知の綱島先生です。その綱島先生から是非この法律の下旬という字を直したという本当の意図をお聞きしたい。この点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/63
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064・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) お答えを申上げます。実は六月上旬の三号台風の、級につきましては、施設災害以外のものは毎たび予算を計上しましてそれは大体補償いたしたようなことに相成つておりまして、ただ施設に対するものについてはその措置が洩れておりましたことが一つ。いま一つはこの農地及びその他の農業施設に対する災害は二号今風のものとその後の大水吉によるものとの区別が非常に困難でございまして、一応査定を終つておりまして二号台風のときの災害だとして特に査定をいたしておりました所と査定をいたしていなかつた所とが、いろいろその後取調べましたところが錯綜して参りまして、一に厚く一に薄くというようなことに相成りますために、これは一応なべてこのたびの立法を適用するほうが実は公平になる。こういう結論に逃しまして結局さような理由から提出いたし、又委員会においてその通りに可決いたしたような事でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/64
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065・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 御趣旨わかりましたが、何でも新聞等で伺いますと、三党協定で災害復旧費の中で国庫負担分が千五百六十五億ということを前提にしていろいろお話合をなさつたように伺つているのですが、そこで二号台風の分も入れるのだということになりますと、その根本的な国庫負担分の数字が変つて来るわけです。その点は衆議院の災害対策の委員会においても勿論三党の方々も了承をした上のことだと思う。この問題は将来の分もございますが、本年度の補正予算におきまして今御承知のように三百億の災害対策費が盛られているわけですが、この分も相当にふえないと二号台風及びこの四日本の大水害以前に起つた、先ほど建設省から御説明があつたのですが、梅雨前線等によつてもたらされた災害というものも含まれない。建設省のほうでは大体五、六十億くらいあるだろうということを育つておられるのですが、農林、建設等を含めまして更に第二号の補正でも政府にやらせるような意図を以て三派でお話合になつておりますのか。或いはこれはもう三百億の範囲で二号台風の分は賄うのだというようなお考えでそういう御決定になつたのかこの間の事情を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/65
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066・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 勿論三党協定で大体においての三割、一応査定額と千五百六十五億円といたして、それからそれに対する三億に及ぶだけの資金の融通をなすことによつて、これを大体において三割になるようにやつて行くという協定がございましたことは相違もございません。従つて総予算額が多少法律の改正によつて狂いますこともお説の通りでございますが、この点については狂うけれどもこれは少しもかまわんということではございませんが、多少のズレはございましても予算はそのままで承認しよう。それから勿論、するもせんも予算は他の予算委員会で進行いたしているのであります。災害委員会においてはこれとは大体さほどの変更を来さない範囲での訂正であるからやむを得まいという考え方から訂正いたしたのであります。従つて三党の枠をこれによつて変更するということは前提になつておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/66
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067・三浦辰雄
○三浦辰雄君 もう一点確かめたいのですが、今提案者の御説明では、第二号台風と当初成立したいわゆる特別立法の被害とが区別できないところがあるというその現実の事情が主たる動機のようであります。私はそうであるならば、千八百億円の例の大蔵省の査定といい、その後、集まつた再査定をして千五百六十五億となつたというあの査定の中には実態が入つているのだろうと思うのです。私はそのどうしても不可分である、どうしても区分して調査が事実現場においてできなかつたというその部分を救うために、この下旬という言葉をとつただけなんであつて進んで第二次台風のものまでもこの際拡げて行こうというふうに考えているのではどうしてもないのだと思う。それはあのような僅かなと言いますか、お互い水害の委員会としては非常な実に不満足な額しかくれない今日です。そうしてあの部分については他の法律で、施設以外については相当な措置をしたあの第二台風に拡げて行くという考えは私はないのであつて、どうしても施設関係にして不可分であつて区別がどうしてもできないというものを、その施設関係担当者が法律を侵すというような問題になる虞れを防ぐだけのために消極的に入れたんだと解釈するのですが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/67
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068・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 大体お説の通りでありまして、先ほど申上げました通り実際上は地域的に厳密にそれを区別した部分もあつたようであります。併しこれが厳密に区別ができるかどうかということも科学的に疑問がある問題でございましようが、厳密に区別しようと出先で努力した部分もあるようでございます。それからそんなことはお説のようにできないとしても、一緒くたに災害として見ておる分もあるのです。そうすると厳密に区別しようとしたところの査定官にかかつたほうは非常に不利益です。それからこれは到底区別はできないということで結局譲歩した所とは査定額、復旧工事量というものが全然変つて参りますので、かようなことは面白くない。こういうことがまあ一つの大きな狙いでございます。
いま一つは公共土木は勿論上旬からその通りやつて参ります。これはそうなつて参る。それから施設災害と農地災害だけは別にやつて、而も事実上はこれを区別することが非常に困難であり、強いて区別すれば具体的にはその出先によつて取扱に非常に差違が起つて来る。こういうこと等の諸般の事情を考慮いたしましてこれは大体除くほうが実態に合い、別に予算をそう食うというようなこともない。大体においては先ほどおつしやいました通り厳密に言えばそれは多少のものは相違はございます。併し三浦さんのお説のごとく大体の部分は引分けられるので、これを含めて反復するということになりまして、最後の雨で降つたものが二崩れてあとで三崩れて実は五崩れておるというやつを、三だけの復旧ということは科学的に不可能であり、その不可能な分を強いてするということでは法律を実は適用できない。不可能なことになりますのでやはりこの点は除かねば妥当な線が出ない、公平にもならない、こういう脈からその多くは先ほど申上げました通り、査定のときに二号のやつも入つておる。こういうようなわけで実は改正案を提出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/68
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069・三浦辰雄
○三浦辰雄君 今実に不可思議な言葉があつた。公共事業施設については初めからやつていると言う。そんなはずはありやしない。公共事業については成るほど形式の法律から言えば六月及び七月であつて下旬はないけれども、あれはおのおのの委員会において、且つ又衆参の水害特別委員会の合同打合会においても下旬である。表現は六月及び七月にしようと言つたけれども、あの第二日台風以降つまり西日本に始つた災害からこれを適用するということはもう明々白々の事実なんですよ。それを私は必ずしも今綱島先生を大いに追及する意味じやありませんが、この公共土木については初めから入つていた。若しそういうような認識であるならば、世間が言うがごとく遺憾ながら財源というものについての特別のちえもなく、ただ災害のいわゆる適用の範囲を徒らに拡めて、そうして災害民に迎合するの態度あるのみであつて、国議員の立法としては恐らく将来非常に批判を受ける特別立法であると言つて、我々も非難をされているうちの委員であつたのですが、そういうことにならないとも限らない。公共土木施設というものは六月及び七月という表現ではあるけれども、この他の法律も皆西日本から始まつたのが入るということになつていなければならない。それを公共土木平米は初めからという、六月と書いてあるから六月というのは一日に始まるくらいわかつているけれども、それは西日本から始まつたのだということが、あれほど明らかであつたのが初めから入つていることでもあるし、農業施設関係が下旬というのは不可分の問題もあるし、その他もろもろの不可分の問題があるということでやつたというのは、修正に対してのどうも何と言いますか確たる信念、更に遡ればこの当初前国会できめた特別立法の適用の範囲自身をも不明確にしてしまうものだ、私はそう断ぜざるを得ない。そうかと思うと政令については衆参両院議員とも非常に監視的な態度である。この政令如何によつては法律の、生命はかかわるのだと言つて夏中も十何回かお互いにやつていたのですが、私はどうも折角の御説明で一応はわかるけれども、公共土木事業の関係が六月の初めから入つていることでもあるのだしという言葉を聞いて誠に不可解に感ずるのです。これについての御感想だけ承ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/69
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070・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 御存じの通り公共土木については六月、七月と書いてありますし多くの規定は殆んどそうなつておる。大体これは私が主として草案をして差出したものが六月下旬と、特に下旬という字を入れているのでそのあとのやつは殆んど六月、七月と、まあ全法律と申上げていいくらい入つておる。そのうちで明らかに上旬においてもうすでに国家の措置を始めたと認められているものを除いての趣旨で、特にこの災の分を残したのでありますが、これは際は公共土木は六月の下旬だけしかみてない。こういうふうに事実はなつておりまして、それは何と言つたつて六月の初めにこわれた分があり、七月にこわれた分がある、二つ加えて一つのこわれが来たときに七月のしまいの分だけを復旧するということは不可能でございますとその難問は二週間か三週間、その間に一つのものがこわれている。そうしてその次のやつはもうあとからこわれたのだから、あとからこわれたやつだけやるということは査定は事実上不可能でございますので、そうなつておるようでございます。たまたま法律にこの農地及び農業施設災害については下旬という言葉があるためにとらわれて、それを厳密にするということを努力した地域とそうしなかつた地域とが錯綜いたしているから、これは法律上でも統一したほうが法律的の立場から公平である、どちらも土木関係であつてどちらもこのほうが公平である、こういり考えでございます。従つて三浦委員はそうおつしやいますけれども、六月上旬のものは全然入つていない、下旬のものだけが入つている、こういうようなことは具体的には災害復旧工事については不可能な分が非常に多い。そこで成るほど精神はどうあろうとも具体的に災予算をとり災復旧工事をやるというときには、それはまぜて復旧をいたしているので復旧量としては結局一方のものがまじつておる。それだから勿論公共土木ではその通りやつておる。それから農地及び農地災害においては、普通の常識の人はそうやつて行く、特に厳密なことを言う人は高めて行くというところに、この法律を演出なければならん、実情があると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/70
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071・井野碩哉
○井野碩哉君 ちよつとお伺いいたしますが、只今お話の六月上旬の二号台風でやられて又その次の台風でやられたという所、併し六月の上旬の二号台風だけでやられてあと台風のなかつた所、それにまで及ぶ御趣旨でありますか。それは六月はないがあとあつたものだけに今度の改正で適用する、こういうふうにお考えでありますか。又農業施設は上旬の二号台風のものはすでに処置してしまつた。そうして六月下旬からのは処置していないからやるのだと。こういうお舌でありますが、処置したものにまでこの改正によつて及ぼされるお考えであつたのでありますか、その点をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/71
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072・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 実は農地及び農業施設災害については上旬のほうは処置がございません。これは当然処置は残つている。この農地及び施設災害についての特別立法をいたしましたのは、あの風水害が起つて初めてこれではこれもやらなければ行くまいということになつたのでありまして、若しもあとのほうが起らなかつたならば従来の一般法でやつたに間違いない。そこで御横川のところに触れて参ります問題は、二号台風の耕作物やその他は前のやつでもう片付けてしまつて、今度の風水害の耕作物については別な法律が適用される、常農資金やその他の別な資金でやるものが適用される。それから農地のことについてはそれは前のやつだからあとのやつでは適用する必要がないじやないか、こういう御議論になろうかと存じますが、これらも実は今申上げました通り区別し得る性質のようなものは区別してやつて差支ないと思います。実際は二号台風のやつは農地災害で余り大したものでないようですよ、実際においては。これは実際から申上げますと、一号台風で災にを受けて大変な適用しなければならんようなものは幾つかあるかも知れませんが、余りないようです。問題はむしろあのときは麦が流されたり菜種が流されたりしたというようなことで、これは土地が流されたというような問題ではなかつたのですが、あのときのは余り事実上は適用がないようです。観念上から言えば御承知の通る二号台風のやつは別段適用する必要はありますまい。その二号台風だけのものだということがはつきりしている、いわゆる上旬災害だけたとわかつているやつは何しましようが、そんなものは事実上はどうでございますか、私は余りないのじやないかと思つているのですが、つまりこの法律の適用品的物になるものの存在ということになると、御懸念のようなものは余り事実主ないのではなかろうか。こういう考えでその点はことさらに区別をして立法いたしたわけじやございません。だからおのずからそういうことから標準が立つて来ると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/72
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073・井野碩哉
○井野碩哉君 私が伺いましたのは、二号台風で相当農林省で麦が流されたりしたいろいろのものについて対策をやつたのですね。それにまで又今度のやつは及ぶかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/73
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074・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) あれは耕作物……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/74
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075・井野碩哉
○井野碩哉君 ですから耕作物も…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/75
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076・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それはやりません。これはこれだけを改正して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/76
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077・井野碩哉
○井野碩哉君 それからもう一つ、公共施設につきましても二号台風だけの影響を受けた、あとの台風の影響を受けないという所でもこの改正によつて及ぼすようになるのか、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/77
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078・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それは二号台風がはつきりしている所はこの法律を適用する必要はございますまい。まあそれは事実上起らんであろうというふうに私どもは考える。それからその他の施設以外のものは勿論前の上旬というやつをやはり入れております。これを一つ改正をいたしておる。改正をいたしたものは農地及び農業施設、この復旧だけを改正をいたす。耕作物やその他のものについては上旬という字は除いておりません。そのままにいたしております。これは勿論適用をいたす意思はございません。問題は耕地及び農業施設に対する災害だけでございますから、これならば二号台風だけの地域には私は直接対象になるものはないだろうと思つておるわけでございますが、具体的に恐らくなかろうと思つておりますが、あのときは余り施設はこわれていないで麦が流されたとか、要するに前のやつは御承知の通り長雨でやられた、ひどい雨でやられたというんではなかつたのであります。耕作物災でございますからあのときのやつは余り、関係がないと存じておりますが、併しながらあればどうかという御意見でございましたら、あつてもその点は適用する目的で立法いたしたものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/78
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079・井野碩哉
○井野碩哉君 その意味で先ほど農林省当局に質問したんです。この法律の改正によつて、二月台風の影響により受ける予算がどのくらいあるかという金額を尋ねたんです。そうしたら今それは調査中で、でき次第六蔵省のほうへ要求する。こういうわけですから或る程度あるものと私は了解して実は御質問申上げたのです。そこで農林省のほう如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/79
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080・奥田孝
○説明員(奥田孝君) 今の点は只今調査中でございますが、やはり二号台風だけで、農地なり農業用施設に被害を受けたものが若干あるんじやないかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/80
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081・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 衆議院側に要望いたしたい点は、今の総務課長の答弁と関連いたしますが、例の千八百と千五百六十五の数の机違ですね。この千八百億であつたのが千五百六十五億になつたのは文教、厚生も入つた、これにも問題がありましてそれも一つの理由として挙げておりますが、台風二号が千八百穂の適用の中に入つていたがこれを落したから千五百六十五億になつた、こういう説明を政府はしておる。そうするならば衆議院側で修正して台風二号を入れるということになりますと、それに相応するだけの予算というものは衆議院側で政府当局と話合をつけて出して頂かないと、これは問題になるんですね。その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/81
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082・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 実は二号台風のやつで農地災害に出たものは、私は今まで予算に計上して出ているものは現実にはなかつたと記憶しておりますが、農地及び農業施設の場合……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/82
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083・三浦辰雄
○三浦辰雄君 それは綱島議員の言われるように補助関係としては出なかつたでしよう、出る機会がなかつたんだから。併し私最後に明らかにしておいて頂きたいのは、今対象になるようなものが二号台風の地域でも起きた場合に、ないと思うが、あつてもそれは出さないですむだろうといつたようなことは、これは非常に法律を施行される国民から言えば異議の生ずるところで、このよしあしは別として、こういうふうに修正されましたからには第二台風、あの対象になるような所があれば、これは入れるんだ、それは単独だつて入れるんだと、こういうふうにおきめになるのが、そうしてそういうふうに立法の旨を明らかにしておくのが本当かと思うわけです、よしあしは別として。その点については如何です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/83
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084・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 実は予算が、もはや審議の或る程度過程をすぎて落ち着く先の見通しがついておる最、甲の訂正でございましたので、でき得る限り予算に正接影響を及ぼさないようにという注意を払つて訂正いたしました。大体これは区別ができないために不公平が起ろうという……強いて区別しようというために不公平が起つてはならない、こういうことが改正の主な趣旨でありまして、前の二号台風のやつもこの際一つひつかけて補助をとろう、こういうようなつもりでは実はなかつたのであります。けれども御承知の通りこの六月下旬という字句を除けば法律の成文から言えばそうなるかも知れませんが、多少のことは法律に合えば強いてこれはやるのだと主張されればこれもやむを得んことになりましようが、区別できない以上は結局そこらは査定基準に基いて多少の手心ができるのじやなかろうかというようなことも考えておつたのでありますが、どうでしようかね、事実上そういうものが出て参りましようかね、区別するものが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/84
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085・三浦辰雄
○三浦辰雄君 農林省のほうはこれを調べると言い、他の省はこれを六、七十億はあるのかと思われると言つているのですが、果して特別立法の基準に達した所が幾らあるという調査の結果は私どもも実はまだ資料が整わないので聞かない。ですから私はくどく言うのではないのです、簡単でいいのです。六月とわざわざ改めたのだからあの災害、第二台風による農地施設関係、農業施設関係のものも政令に合えばやはり適用すると考えるのか。原則として不可分のものだけを事務的に救う。事務的というと語弊がありますが不可分のものを救うだけであつて、単独とわかつている所は入れないという意味かどつちですか。どつちですという答えだけで結構でする発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/85
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086・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 注文の上には勿論区別をするという規定はございませんので法律的解釈をすれば勿論両方とも区別はないと申上げなければなりません。併し立法の趣旨は今申上げるような趣旨で立法したとお答え申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/86
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087・松岡平市
○松岡平市君 大変いろいろ論議されておりまするが、問題は二号台風だけでそうしてあとの台風に重ならないもの、又網島議員の御説明を附いておりますとそういうもので生じる不公平を避けたい。こういう御説明でありますが特に六月下旬ということを強調いたしましたのは、あの西日本の九州近県、山口県の災害というのは異常災害であつた。この特別立法というようなものはかような異常災害にだけしか適用しないというのがあの立法当初の我々の態度だつたと思うのです。ところがその後において和歌山、奈良の災害は又異常災害だと考える。そうして十三号台風も又同様なる異常災害だと考える。ところがそのほかにもあるわけであります。鳥取、島根、或いは広島、和歌山、兵庫というような方面に、それらには該当しないけれどもやはり被害は相当大きかつたというようなものがあつて、そうしていろいろ委員会の運営の最後の結論としては、本会議で副総理も説明したように異常災害というものに深く狭くという考えもあつたけれども、両院の特別委員会の希望としてむしろこの場合浅くても広くというようなことで政令もきめた、こういうふうな説明もあつたわけであります。従つてその中には異常災害と或いは認めがたいものもこの場合にはやむを得んじやないか、こういうふうに委員会の態度も変つたと思う。のみならず先ほども明らかになつたように六月の下旬から少くとも九月までのものは何遍起つてもこれは全部積算する、みんな一緒に勘定する、こういうことになつてしまつた。こういうようなことから考えますと、その六月の下旬に極めて事実において接続しておる二号台風というもの、これは理論的には勿論截然と分けられるけれども実際的に分けがたいものが大部分である。が、そのあとの部分を加えて積算するならば、立法の当初の我々の態度とは甚だ違うけれども、この場合六月上旬の二号台風も私算して別に不公平でないじやないか。こういうようなことが私は衆議院においてもやはり考えられたと思うのであります。それで実際において今日我々が特別立法をした当初の趣旨とは甚だ違うけれども、もはや今日実際的に考えてみて二号台風だけの場合にも、今三浦君が確められたように、私は適用して差支えないという態度を若し衆議院が明らかにして頂けば、むしろそれのほうが直截簡明ではないか。この問題は参議院のこの委員会におきましては非常にまあたびたび論争されて来ておるわけであります。衆議院でそういう場合もそういう趣旨からしても適用されてもいい、こういうふうに御言明を願えればむしろ損害の範囲が非常に狭くなると思うのでありますが、綱島議員のお考えは如何であるか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/87
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088・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 参議院がさような御趣旨でございますれば別段衆議院は争う意思はないと存じますが、特に法律では法律の文理上から御解釈になればお説の通りに相成ります。別段法律はそういうふうに読まないのだというような特別な制限をつけておりませんので、その中に単独の災害も含まれることは絶対ならんとは考えておりませんが、修正の当初の意思はどこま百でも事実上は何とかなるだろうという程度の考え方であつたことは間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/88
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089・重政庸徳
○重政庸徳君 この問題はたびたび私は殆んど数度に亘つてここで申上げて参つたのであります。私も当初からこの水害の委員をずつとやつて参つておるのであります。当初においてはこの法律は異常ということに非常に重点があつた。
その十三号台風並びに和歌山、京都等のいわゆる異常と称される水害がありましたが、その八月、九月の京都並びに和歌山、十三号の間に連続的に小災害が相当あるのであります。ところがこれはやはり区別することはできない。たびたびご説明の中にあつたように、六月から九月までの総和を以て計算して対象の基礎として行かなければならないというような状況にある。そういうことになるといわゆる異常ということが時間の継起とともに崩れて来た。そうすると今度は日にちに重点をおくのか、こういう問題になるのである。日にちに重点をおくということになると今綱島先生もいろいろ御説明があつたように、なかなかこれは区別することができないものが非常に多数ある。なお且つこの政治が非常に不公平になる。今まで査定したものはそれなら外す、それから査定しなかつたいわゆる届出が遅かつたものについては区別できんからあとの法律の適用の中に入れる。実情から申せば同じ農林省関係でもいわゆる山林に属する林道などは殆んど査定も何もいつておらないというような政府のほうの答弁であつたのであります。そういうことになると非常に事務的に手続が遅れたものも一切がつさい今度の立法の適用を受けるというようなまあ時目的な経過とともにこういう問題が生じて参つたろうと思うのでありますが、綱島先生のほうも恐らくそういう考えでこの修正案をおやりになつたのだろうと思うのでありますが、一つその点聞かして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/89
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090・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 大体お説の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/90
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091・高野一夫
○高野一夫君 議事進行。大体この辺で相当いろいろ質疑応答でごしやごしやになつたようでありますが、或る程度鮮明にされたと思いますので、この辺で質疑を打切つて討論を省略し、採決することの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/91
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092・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 議事進行の動議がありましたが、この問題については委員長は次のように考えます。お諮り申上げます。
それは災害復旧所要費千八百が千五百六十五と減額になつたのは、台風二号が入つておつたのをはずしたからだ。こういうことを大蔵大臣も緒方副総理も申しておりまするし、今日午前中この修正提案をされた衆議院の特別委員会の委員長である村上委員長も、そういうふうに言明されておられるわけでございます。ところが提案者はそれは明確でない、それから農林省では台風二号の被害額は幾らかわからない、こういう答弁でございます。この点先ず明確にすることが私はこれに対する態度決定には必須条件だと考えますが、早急に、政府並びに提案者において、台風二号が被害額が幾らであつたから千八百億の数字が千五百六十五億となつたのか、台風二号に対して幾らかという点をいやしくも修正案を提出する以上は明確にして頂きたいと思いますので、それを早急に答弁してもらいたいと思います。これは委員長の見解であります。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/92
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093・高野一夫
○高野一夫君 私はこの法案の審議について今助炭を提出したので、先ほど賛成もあつたのですからこの動議は動議としてお取上げをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/93
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094・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 私は委員長の所見を申上げたのであります。これに対して三浦委員から賛成の意見もありますが意見を承わります。そうして一緒にお諮り申し上げます。
速記をちよつととめて下さい。
午後四時三十三分速記中止
―――――・―――――
午後四時五十一分開会会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/94
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095・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今から会議を再開いたします。御着席願います。
速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/95
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096・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を起して下さい。只今議題となつておりまする法律案について、他に御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/96
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097・上林忠次
○上林忠次君 これは今の問題と少し違うかも知れませんが、農林省が来ておられますからちよつとお尋ねしておきます。この水害地の来年作の種もみに対する補助の問題ですが冷害地の農家に対しては一石当り約千三百円ばかりの補助がある。水害地に対してはこういうような規定がないのですが、これは予算措置で農林省で考えておられるということを聞いておりますが、そういう工合にこちらで確認していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/97
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098・奥田孝
○説明員(奥田孝君) 農林省といたしましては、来年作の種もみ等の対策を考える際には必ずしも冷害で被害を受けた農家ばかりを考えておりませんので同じような事情にある農家は同じように扱つて行きたいという方針でやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/98
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099・上林忠次
○上林忠次君 それでは水害地の来年作のもみのない所も同じような補助を与えてやるというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/99
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100・奥田孝
○説明員(奥田孝君) そういう工合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/100
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101・松岡平市
○松岡平市君 さつきの藤野委員に対しての総務課長の御説明によりますと、米麦の売渡は西日本その他風水の部分は米を流した者に対する売渡、冷害についてはとれなかつた者に対する売渡と、こういうふうに、言つておられた、かように考えます。ところがこの風水害のほうも例えば三重県とか、滋賀県とか、京都府とか、大阪府というような所には非常な数十町歩の田地に亙つて風水害で米のとれなかつた所がある。これに対してはどういうふうに言えておられるか。米麦のことに関する法律で先ほどの御説明では、片つ方は流出せしめた、冷害においてはとれなかつたものであるが、風水害においても全然とれなかつたものが相当ある、これはどういうふうに考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/101
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102・奥田孝
○説明員(奥田孝君) 私の言葉が足りなかつたと思いますが、冷害だけに限りませんので、六月から九月までの風水害によりまして減収の結果、飯用米麦を払い下げる、こういう法案の内容になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/102
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103・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) ほかに質疑がないようですから、委員長から二点伺つておきます。それは六、七月の災と八、九月の災害によつて米麦の売渡の価格が違う。七千五百円と八千二百円と違つておるように聞いておるのですが、その理由。
もう一点は供出農家と非供出農家に対する米麦の売渡の量の相違、これはどういう理由に基くものか。たとい非供出農家でも生産に従事しているかたには消費者と差等をつけて売渡すべきだと思うのでありますが、約一合の差をつけている理由が納得できません。これは再考の余地はないのかどうか、その一点のお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/103
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104・奥田孝
○説明員(奥田孝君) 第一の質問の点は、さつき御説明いたしましたように、保有米麦を流したほうの農家には約七十五百円の価格になつておりますが、これは六、七日の水害で現に持つている米を流したということでありますので、旧価格による生産価格で払戻す、こういう考えをとつたわけでございます。それから冷害等で収穫の少い農家には新しくとれる米が足りないということでありますので、新米価による生産者価格をとつたわけであります。
それから第二の御質問の供出農家と非供出農家で米の売渡量が違うという点は、従来食糧庁として供出農家に一合の加配をやつている、その方針を踏襲したわけでありますが、ただ米では一合の差がございますけれども、その非供出農家には米の代りに麦を売渡しまして、麦で米の売渡しの足らんところは補うということにいたしましていずれも四合ベースで米か麦かいずれか、とにかく四合は特別価格で売渡すような措置を講じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/104
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105・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/105
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106・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を起して下さい。本法律案についての質疑は、台風二号の災が額に関する件を除いて終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/106
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107・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから質疑を終了いたします。討論並びに採決は先刻懇談会で決定いたしました通りに後刻行います。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/107
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108・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 次に昭和二十八年六月及び七月における大水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律等の一部を改正する法律案を議題に供します。本件については昨日その提案理由説明を聴取いたしておりますので、質疑のあるかたは質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/108
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109・松岡平市
○松岡平市君 本改正法律案については、ただ八月、九月の風水害を加えるということだけより以外には改正意見がないようでございます。従つて質疑打切の動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/109
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110・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今の松岡君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/110
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111・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないようでございますからさよう決定いたします。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方には賛否を明らかにして願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/111
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112・松岡平市
○松岡平市君 討論省略の動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/112
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113・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今の松岡君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/113
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114・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないようでございますからさよう決定いたします。
それではこれより採択に入ります。昭和二十八年六月及び七月における大水害に伴う小企業信用保除法の特例に関する法律等の一部を改正する法律案を原案通り一決することに賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/114
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115・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 全会一致でございます。本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/115
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116・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないと認めます。
次に本件を可とされましたかたは例により順次御署名を願います。
多数意見者署名
藤野 繁雄 三浦 辰雄
成瀬 幡治 井上 清一
大谷 贇雄 重政 庸徳
高野 一夫 田中 啓一
松岡 平市 井野 碩哉
新谷寅三郎 林 了
竹中 勝男 山田 節男
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/116
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117・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 次に昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律等の一部を改正する法律案を議題に供します。本件についてもその提案理由説明は昨日聴取いたしておりますので、質疑のあるかたは質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/117
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118・大谷贇雄
○大谷贇雄君 この公共土木施設に関しまして、前の二百五十六号の法律について夢7条の二項等を改正をいたす点について衆議院のほうで修正をいたされたのでありますが、前法律によりますと十分の九が補助をされることになつておるのでありますが、この修正によりますと十分の八となつておりますが、これについて修正者の御説明を一つお願いをいたしたいと思います。
なお先程当委員会におきまして井野委員から同じく修正の御意向が出まして賛成をいたしたわけでありますが、その際建設省におきましてはこういう改正をすることにも不賛成のような御意向が窺われたわけでありますが、当委員会ではこれはもう当然加えるべきであるということで、そのときにも十分の九ということが明らかに出ておつたのであります。従つてここに十分の八にいたしたということにつきましては、この際衆議院側の御説明を要求いたすものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/118
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119・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今の大谷委員の御要望によつて修正者の本委員会への出席を要求いたしましたから、暫時お待ちを願いたいと思います。
なお建設省の石破官房長が出席されておりますので、石破官房長に質疑のあるかたは願います。
その前に御報告申上げますが、つい先刻建設委員長から本委員会へ申入がございました。印刷をするひまがございませんので今参事に朗読させますから、恐れ入りますがお書取り願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/119
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120・川合重男
○参事(川合重男君) 建設委員長よりの申入れを申上げます。
建設委員長よりの申入
一、第五条の二、第一項中の「十分の八」を「十分の八以内」と改めること。
これは事業量を伸長せしむるためである。
二、第五条の二、第一項にいわゆる政令で指定する地域とは伊勢湾を中心とした愛知県、三重県の地域及び浜名湖の人口と限定する。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/120
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121・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 石破官房長に質疑のあるかた願います。ちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/121
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122・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を起して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/122
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123・井野碩哉
○井野碩哉君 衆議院で修正になりました、昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律等の一部を改正する法律案の中で、海岸堤防の問題が修正になつておりますが、琵琶湖一にこれと同じような事例があるので、その点もこれに加えてもらいたいという意見が参議院の中にあるのであります。先般これについて衆議院に開きましたらばかの法律でこれは加えるようになつておるから、強いてここへ入れなくていいということを答えられました。建設省としてはどういう考えを持つておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/123
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124・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 琵琶湖は湖水ではありますけれども、河川法が準用になつておりまして、準用河川ということに一応相成つております。法律上の立場はそうなつております。従いまして河川法において規定されておりますいろいろの工事は琵琶湖についてもやり得る、こういうことにはなつております。そこで現実に私のほうがどういうことをやつておるかと申しますと、今回の台風十三号によりまして琵琶湖沿岸に湖面が上つたために農作物等に非常な被害があつたことは事実でございますが、このために直接沿岸の公共土木施設に被害があつたというようなことは少いようでございます。公共土木の災害国庫負担法にいわゆる公共土木の被害というものは、正確な数字はわかりませんけれども、施設の復旧費は数千万円を出ないであろう、と言いますことは裏返して言いますと、現在の法律では先般琵琶湖沿岸に起りました湖面上昇による農作物の被害は、建設省の所管しております災害国庫負担法では救済し得ないということに相成つております。ただこれは準用河川であるのでありますから、これにあたかも河川改修工事をやりますがごとくやればやれる。別にこれは法律上の問題ではりありませんので、予算上の制約を受けておるわけでございますけれども、やればやれるという条件に相成つております。そこでその工法でございますけれども、私も玄人でありませんのでよくわかりませんが、御承知の琵琶湖の湖面の問題は瀬田川の出品の南郷に洗堰というものを設けまして人為的に湖面の調節をすることになつておりますが、これとの関連において将来大いに考えて行かなくてはいかんだろうということは痛感いたします。琵琶湖の湖岸にがんじような堤防を造るとか或いは南郷の洗堰の操作をもう少し現在と変えて沿岸の被害を少くするほうがいいとか、そういう点については今後十分討検しなければならないと、私は素人でありますけれどもかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/124
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125・井野碩哉
○井野碩哉君 只今お話のものは国の直轄工事の分だと思います。ただ今度の決壊した分に県の施設の部分があるそうです。三分の一くらいあるそうですそれは今お話の点に入り得ないのじやないかと思いますがその点は如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/125
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126・石破二朗
○説明員(石破二朗君) お断りいたしました通りに琵琶湖の沿岸の施設についての被害については正確な資料を持つておりませんけれども、先ほど主管の課長に聞いたところによりますと数千万円を出ないだろうと言つております。只今お話の県の施設とおつしやいました中には建設省所管分のほかに農業施設関係などで或いはあるのかと思いますが、私が申上げました数千万円と申しますのは直轄分だけじやありませんので、県管理の施設も勿論含んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/126
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127・松岡平市
○松岡平市君 私は当委員会の命令によつて滋賀県の災害状況を視察いたしました。成るほど直接切れておるという場所を復旧するというだけのことにおいては、或いは只今官房長か君われたような金額かも知れません。あの干拓は戦時中学生その他を動員して、国営とは言いながら殆んど勤労奉仕の労力を以て戦争中非常に急速にこれを仕上げたというような経緯もあつて、干拓地の護岸というものは非常に脆弱であるということでありまして、これを補強するということは一日もゆるがせにできないというのが実情のようであります。従つて災害復旧ということからだけならば只今御説明の通り僅かに数千万円の工事かも知らんのであります。現にここで衆議院が修正して出しておりますものは、愛知、三市の海岸の復旧のみならずこれらに接続する海岸線の改修をも法律の補助をすることをきめたものであります。従つて私はこれと同様な状況にある琵琶湖岸の復旧のみならず、災害箇所に接続する場所の強化という面においては相当な経費を要すると考えられますので、海岸線についてかようなことを行われるのならば湖岸線においても同様なことを取扱われることが最も妥当である。かように考えますが故に只今の政府委員の御答弁にもかかわらず、依然として滋賀県の琵琶湖岸を入れられるということについては、先ほど懇談中井野委員から仰せられたので、これには他に別段の措置が講ぜられるからということでその点が納得されれば別ですが、然らざる限りにおいては海岸線と同様の措置を湖岸線においてもとられんことを強く要望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/127
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128・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 只今の質疑並びに要望とに関連する問題がありますのでお尋ねいたします。
それは先般中国に視察に参りました島村委員から当委員会へ正式報告がされておる問題でございますが、それは島根県の宍道湖の問題であります。これは六、七月の災害で宍道湖の湖面の上昇によつてその周辺は随分冠水をしたわけでありますが、この宍道湖は琵琶湖と両様な準用河川になつておるのかどうか、その取扱はどういうふうにお考えになつておりますか、それも併せて答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/128
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129・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 準用河川になつておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/129
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130・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 全く同様に取扱われると、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/130
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131・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 宍道湖にも長年に亘りまして湖面の上昇によります附近の農地に対する被害の問題としては災害の問題が起つておるのでありまして、考え方は同じように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/131
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132・重政庸徳
○重政庸徳君 建設省に御質問いたしますが、今の湖岸の琵琶湖並びに宍道湖が準用河川に入つておるという御説明ですが、準用河川として建設省は琵琶湖並びに宍道湖にそういう修理といいますか、補強といいますか、そういうものでどのくらい予算を出しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/132
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133・石破二朗
○説明員(石破二朗君) ここに資料を用意して持つておりませんので、琵琶湖に関しましては直接湖岸の造成なり修理ということにつきましては金を出していなかつたのじやないかと思います。勿論私のほうの考え方は、先ほどもちよつと触れましたが、洗堰の操作は勿論直轄でやつておりますし、あのほうの操作のやり方を今後十分検討して行かなければならないと考えておりますけれども、湖岸には予算を計上していないのじやないかと思います。
なお宍道湖につきましても大体同様なことではなかろうかと思います。正確なことは覚えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/133
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134・重政庸徳
○重政庸徳君 私の想像通りのお答えであつたのでありますが、恐らく他の一般の準用河川と同様にただ法律上準用河川として修理でき得るというだけにとどまつて、いわゆる過失においてそういうような費用を投ずるまでに至つておらんというふうに解してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/134
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135・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 以前の例はよくわかりませんが、現在では大した仕事はやつていないと御了承願つて結構であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/135
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136・三浦辰雄
○三浦辰雄君 官房長にお聞きするのですがあそこは結局あの扉を上げる下げるの問題で調節しようというのだけれども、淀川ですか、あそこの川は要するに流量の問題があつて建設省としてはいろいろ設計をいわゆる適切に変えなければならないというようなところまで来ているわけですね。そうしてその工事が一体いつ終るかということはなかなか問題だと思うけれども、そういう意味からいつても私は今の貯水池の役割をしている湖岸を不安の形において置くことは非常に困るのだろうということが一つと、もう一つはまああなたのほうで海山汗保全法或いは河川法というようなものをいつお出しになるかわかりませんけれども、関連のある湖岸の堤防のことですからこの際そういつた不安を与えないことができるのと同時に、複雑な行政の姿でなしに特別立法で、これを大いにあなたのほうがまずまず下のほうの川の流量その他のものの検討による堤防というようなものを完成するまでの間の問題としても取り上げて然るべきように、そういう意味からも私はこれを中に入れることについてあなたのほうは大した異議はないだろうと思うのですが、それについてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/136
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137・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 直接湖岸の提防を増強する経費更に洗堰を改良する経費並びにその速度、こういうものをよく考えてやつて行かなければならん問題があるだろうと思います。なお河川なりその他が氾濫して非常に因つているけれども所要の予算が計上されないで、河川改修いずれも中途半ぱで非常に困つているという事情も御了解願いたいと思うのです。従いまして私が申上げたいと思いますことは伊勢湾の海岸を今回特別におやりになる、それに関連して琵琶湖もおやりになる、こういうことならばあえてとやこういうべきではありませんけれども、全般の問題としてひとり琵琶湖、宍道湖といわず伊勢湾そのものにも、実は改良費に対して十分の八の補助を出すようなことをなさることそれ自体には、若干申上げたいことは考えておりますけれども御質問でありませんので省略さして頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/137
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138・三浦辰雄
○三浦辰雄君 今一応考え方としちやあ異議がない。併し十分の八については異議があるということは、あえて御説明するまでもなくそれだけの財源というものが来ないのに、ただ率を上げるだけであつたのでは工事量が少くなるということを非常に心配するということをいいたいのだろうと思うのです。僕らも同感なんです。だけれどもそのことは今度の治山治水対策の根本問題を現政府は取上げてやつているのだから、今までの経過から見て徒らに心配するというのでなしに、こういつた重点々々の所は成るべく早くやらなければならない。その中でも特に今の追加されるという意見の出ている琵琶湖は、あの川の全体のマネージメントの非常ないわゆるためになつているのですから、湖岸の人が非常な不安を持つということからは救つて行かなければならないのじやないか、こういう意味なんです。官房長は私の想像したのと違つているのだつたらお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/138
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139・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 琵琶湖の沿岸をあのままにして置いてはいかんことは建設省誰も異存は持つておりませんので、ああいう大災害が二度と起らんようにしなければならんというのは痛感しておる次第でございますけれども、その災害を防止する工法につきましては洗堰の操作の問題もありますし、若干検討をさして頂きたいと考える次第でございます。
その前にそういうものは到底間に合やせんというところで一挙に高率補助の法律をお作りになりまして、而もそれを二年間でというようなことになりますと、少しまあ建設省といたしましては残念ながら用意申上げかねるような気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/139
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140・松岡平市
○松岡平市君 ただ率の問題或いは先ほどおつしやつたように準用河川の適用を受けてできるとおつしやるが、準用河川であれば適用を受けても多分国庫補助は十分の五(二分の一)だと思うのでありますが、今問題になつておる海岸線の補助は只今建設委員会からの申入もあり、これから研究されるわけですが洗堰の問題解決と一緒に解決するからそれまでとおつしやるのか、琵琶湖の湖岸も伊勢湾の海岸も同様な取扱をするのは異議がないとおつしやるのか。その二つ明らかにして頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/140
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141・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 伊勢湾のほうを高率補助をなさいますという以上は琵琶湖もやはり高率補助をすべきであるとおつ上やることそれ自体には、私はあえて異議を申上げるべきじやなかろうと思いますけれども、ただ琵琶湖については工法の問題として洗堰を改良すべきか、湖岸の堤防を増強すべきかという問題が残つておりますから軍に高率補助の問題だけでなしに、工法のどちらがいいかということを検討さして頂きます時間を与えて、頂きたい。こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/141
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142・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) この件については後刻懇談協議いたしたいと思います。一応ここで審議を終つて、先刻大谷委員から要求されました衆議院側の修正案提出責任者が出席されておりますので、先刻の大谷委員の質疑を続けまして後刻併せて協議いたしたいと思います。改めて質疑願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/142
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143・大谷贇雄
○大谷贇雄君 この公共土木施設災害復旧に関しまする特別措置に関しまして、第五条の二を加えるということに関しましては満腔の賛意を表するものでございますが、前国会におきまして水害対策特別委員会の委員の各位が非常な御尽力を願いまして二十四立法ができたわけでございますが、只今の法律におきまして第五条の第一には地すべり防止施設に関する補助の規定がございまして、これに関しましてはその事業費の十分の九を補助するとこういうことでございます。而うして今回の一部改正の場合におきましてはその事末費が十分の九ということになつておるのでありますが、そういうことでの修正をなさいました修正者の御意向又従来の経過等に対しまして御説明を預きたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/143
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144・八木一郎
○衆議院議員(八木一郎君) 簡単にお尋ねの点を御説明申上げます。この五条の二を修正の形で挿入をいたしましたのは実はいろいろと立法の立場から、予算の立場から、政治的な立場から、検討いたしました結果がこの五条の二を挿入する形において目的とするこの法の狂うところを貫こうということになつたの一あります。この狙いは今更改めて申上げるまてもございませんが、台風十三号が異常な風速と大雨を伴い、長時間降り続いたあげくに、而も全国的に驚くべき惨禍がありましたが、今度襲来の中心地になつた伊勢湾、渥美湾、知多湾、続いて浜名湖辺の海光地帯というのが折あしく大潮の時と重なつたということと、さなきだに地盤沈下の、天然現象、つまり急に地盤沈下したためであるという見方もありまするし、いや高潮だという見方もありまするが、ともかく異常な天然現象がここ数年続いておるの。あります。数年前の潮の高さと今日の潮の高さとは非常に満潮時における高さが違つて来ておる。だからこれは原因については太陽の焦点の云々だというような説もあり、或いは地盤沈下のためであるという説もありいろいろあるようでございますが、ともかくも現実の問題として海岸に立ちまするとこの事実が認められます。そういう現象の起きて参りました防災上脆弱となつておりました海岸堤防が、今回重なり合いましてずたずたに決壊をいたしまして言語に絶する異常の災害になつた。これは親しく現場を御視察頂きました各委員のお認めになつておるところだと存じますが、これに対処する方法をどうしたらいいかということでいろいろと立法的な措置も考えて参つたのでありまするけれども、他に類例を見ない災害でありますので特別の措置を講ずるのでなければだめだという結論になり、そこで災害現地の実情に即した立法が次の二点に重点を置いて立案をいたした次第であります。
その第一点は只今申述べましたよううなどこにも例のない異例の災害地帯である海岸堤防、及びこれと近接し且つその効用を同じくいたしまして、而も不可分関係にある海岸堤防という施設関係は、単に原形復旧のみでは今後この種の災害があつた場合、この地方におきましては老農は、これは予算大ありますけれども、申酉飢饉六十年暦によつて申の年と酉の年というのは最も危険である、今あるこの災害は前奏曲だということを育つておりますが、これは私の地方だけじやなしに被害地を廻りますと、北陸地帯においてもこういうことを言つておられる。そういうようなことから今なお太平洋の水にひたつて耕地、宅地を奪われた住民は非常に戦々兢々としておるのでありますが、これを何とか深手を負つた傷を手当するという拙はここ特有の関係にあるんだということで、この災害を防止するに必要な最小限度の海岸堤防施設を行います事業について、再災害防止の特殊な地帯に対する取扱という意味で高率な補助費を付けて、これはむしろ国が全額を打つてやらなければならんのじやないか。予算委員会においては実は直接侵略というふうなものか問題になつておるが、十三号今風によつて直接侵略を受けて領土、而も穀倉地帯、六十年、三十年と漸く美田、実りの秋にして来た所を太平洋の水にひたしてしまつて、それが食糧の基地を取戻すことができずにおつて、非常に切噛扼腕をしている住民を見ますと、国がこの侵略に対して早速やるべきであるということであります。現地の陳情もこの点を衝きまして建設当局に特別なケースであるという角度から、建設大臣はこれをやる意思があるかどうかというようなことを抑えて質問も予算委員会でいたして参りますると、衆議院の本会議においては建設大臣から賛同に対して答えがありましたか、予算委員会において、私から重ねてこの問題を追求いたして意のあるところを戸塚国務大臣にお伺いたしましたところ、ここに速記を持つて来て今私読んでいるのですけれども、こういう御意思なんです。行政当局の御意思は「お答え申上げます。三重、愛知の海岸、堤防の問題につきましては、先ほど本会議におきまして申上げたことは何ら誇張した気持はございません。なお建設省といたしましてもこれに全力を注ぐつもりでありまして、中部地煙では海洋堤防建設部を設けまして、建設省も全力を尽してこの堤防の工事に努力いたしたい、」これは別途、註を加えまするが建設省の組織法の一部を改正する法律案で、こちらに送り込んでおりまする海岸提防建設部設置のことを言われていると思います。「かように考えております。」、またその予算化の問題につきましては、「また先ほども申し上げましたように、改良百億、災害復旧百億、約二百億を要するのでありまするが、来年の出水期までにどうしても一応の復旧をやらなければならない、さように、考えておりまして、それに要する本年度分が五、六十億というふうに考えております。金額はとにかくといたしましても、先ほど申し上げましたようにこの工事を遅延させる、あるいは途中で足踏みするというようなことは絶対にいたさない。それがためには、本年の補正予算に出ております金額は少ないけれども、起債なり融資なりあらゆる手段を講じてただいま申し上げましたように工場事を遅らせないようにいたしたい、かようにかたい決心を持つております。」こういうまあ答弁である。そこで私は所管大臣がしつかりやりますというなら、額面通り受取つて結構だ。
併し大蔵当局はどうか。小笠原国務大臣の答弁を求め、緒方副総理の答弁を求めましたが、今の所管大臣の意見に副うようにしようと、こういうことを言うているのであります。詳細は速記針にありまするが、かような熱意を以てやるならば、十分の十を投じても特殊の中の特殊なケースとしてこれだけは何とか予算をつけることを苦慮して頂たいものだという熱望はあるのであります。ところが予算は小笠原国務大臣はここに言つておりますが、二十何億かがいわゆる超過工事特別措置としての十分の九で何とか予算の中で行けるけれども、あと三十億というものはまだどうしてつけるかということについては見通しは明確になつていない、こういうお話であります。そこで高率な補助をやめるのなら金融で措置をして、県債を認めてその県債に対しては特別組付の本省のほうで見てやるとか何とかいう裏付がしつかりしておれば、ここに高率補助をあえてやらなくてもいいのだろう、高率補助をして事業量が減るということを心配することは、建設当局と我々も同様の立場になつて検討いたしました結果においてその点が明確になつて参りません。
そこで原案は十分の九でありましたが、どうしたものだろうかということをよりより党各派で相談をいたしました。なかんずく保守三党の申合等がありました際に、具体的にこの問題を切り出してお話をとげた際に、融資なり起債なり何とかするというだけでは困る、こうするんだということがきまらないとすれば、立法精神に合致させて高率の点は主張を下げるわけにいかないということになりまして、九の原案が八と下りてそこでまあ進んで参つたのであります。政府与党の党内といたしましてはいろいろと意見も出ました。出ましたがそれじや替札にその融資を認めるということを言えるかというとまだ今は言えないが。こういうようなことも出て参りまして、押切つて押切られてこの十分の八、こういう高率の事態が出て参つた次第でございまして、これがこの法律の第二点になつております。
それから第二点は、これだけの情熱を込めた熱心な立場から十三号台風に侵略しやられてしまつた領土を戻そうという熱意でかかるというこの工事ならば、如何なる手段を蔵しても二十九年長末までにこれをまあ安心だというところまでやらねばならないという原案でしたが、それも予算で拘束されるからということで努めなければならないという二点を入れまして、この修正の内容といたして全会一致衆一議院は通過いたした、こういう経緯でございます。よろしく御了承頂たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/144
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145・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 他に質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/145
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146・大谷贇雄
○大谷贇雄君 只今の修正者の御意見でよくわかつたのでありますが、又建設省におきましても十三号台風による被害の復旧について非常な熱意をもつて当ろうということに関しましては、過日文書課長のお話でよく了承しております。ただこの第五条の二の十分の八にするとか十分の九にするとかいうような点について、先ほどちよつと官庁長からお話があつたようですが、そういう高率補助は言かんほうがいいのだというような御意向のように伺つておるわけでありますが、そういう点についてこれはまあ私は議事の途中で参加いたしましたので十分にわからんわけでありますが、第五条の第一のほうは十分の九である、又原案には十分の九であつたのが十分の八になつておる。又先ほど建設委員からの申出にはなおそれと違つたような申出があるようでありますが、そういう点について一体政府はどういうふうに考えておられるのか、それをはつきり承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/146
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147・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 事業の概要からちよつと申上げます。ここに河川局長が見えておりますから更に詳しいことはお話があると思いますけれども、今回の十三号台風によつて海岸提防で破堤若しくは決壊した個所の総延長が百十三キロになつております。建設省におきましてはこの部分を復旧するのは勿論でございますが、その部分を従来通りに復旧したんでは再度災害は免れないということから、これに相当程度の助成費をつぎ込んで立派な海洋堤防を作りたいと思つております。更にこれに近接しておる堤防、今回は辛い被害はなかつたけれども、これを今にして増強しなければ今後災害の防除を保障しがたい、災害が発生するかも知れんと思われる地区の総延長が九十七キロ余、かように相成つております。この事業のほうで、それでは災害復旧と助成費、改良費とも一部行つておりますが、災害復旧費と助成費との割合は事業費にするとどうなつているかと申しますと、復旧費のほうが百十五億、助成費のほうが九十七億に相成つております。大体こういう工事でございます。
そこで私どもが高率補助がいいかどうかという点についての見解を若干申上げさして頂きたいと思いますが、破堤した個所の百十三キロについてはこれを復旧しますことは法律の命ずるところでございますから、これは大文夫やつて行く自信もあり、又やつて行かなければならんと思いますが、この際補強しなければならんと思われます九十七キロの部分につきましては、実は高率補助でなくてもこれを予算化する点につきましては非常な努力が要るものと考えております。ほかの川に例をとつてみますと、利根川にいたしましても脆弱の部分はたくさんありまして、この際補強しなければならんと思われる所はたくさんありますが手がつかずになつております。
更にもう少し卑近な例をとりまして、先般の西日本の災を受けました筑後川、白川は全面的に改修し直さなければいかんであろう。即ち災害復旧だけでなしにこの際改良もしなければならんというような部分がたくさんあるわけでございますが、こういう分については御承知の通り直轄でやります場合は三分の二、補助でやります場合には二分の一の実は補助しかしておらん。そういう事業量が非常に大きいものでございますから予算が取りにくいであろうということ。更にはかの方面との権衡においてなかなかこのことはえらいであろう、かように考えるわけでございます。
実はこの予算編成の過程におきまして、伊勢湾の近所の海洋堤防には特別の融資の方法でも考えようかという実は内々の協議をしておつたわけでございますが、その際に成る地方庁の知事さんがお見えになりまして、そういういいことがあるならば、一つおれのところも融資をやらしてくれということを言つておられた向もありまして、この伊勢湾を復旧を急ぐことは確かでございますけれども、高率補助になりますといろいろな点に支障が出はせんかと思うわけございます。それでは政府は高率補助がいやならば、融資のほうではつきりした約束をするのかという点が実は問題になつて来るだろうと思いますけれども、その点については私ごときものがまだはつきりした責任のある答弁をいたしかねますけれども、何と申しましても国庫の補助よりかやはり起伏その他のほうが獲得し易いのじやなかろうかとも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/147
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148・松岡平市
○松岡平市君 河川局長にお尋ねいたします。成るほど三重県或いは愛知県の海岸については誠に異常なる災害であつたことを、私三重県のごときは当委員会から調査に派遣されて親しく見て来ております。これに対してこれの復旧を早からしめて高率補助もするということについて別段の異議はあるわけではありませんが、海岸はこうでありまするが、河川局長の管理しておられる、或いは管理はしておられないけれども、地方公共団体が復旧に当らなければならん河川等において、一つの河川が数十カ所両岸に亘つて決壊をしておる。そうしてその被害は川の流域殆んど全耕地に亘るというような例も九州等にはあるわけであります。ところがそれらは直轄河川であつても国の補助額は今回の場合においては違いますけれども、これは復旧費についてはここに新らしい立法ができておる。ところが復旧する場所に接続した部分については、直轄河川において恐らく私の知つている所は三分の二です。準用河川においては十分の五、二分の一の国庫補助しかないことになつておると私は考えるのであります。成るほど両県のあの広い海岸線という特殊の事情、条件にはそう認められますけれども、河川の両岸がずたずたに切られてこれに沿うておる耕地が殆んど被害をこうむつたという所では、地域は狭いにしても被害は同じ状況であります。そうしてその河川の被害箇所に接続している部分は、ちようどこの海岸の被害箇所に接続している場所と同じような状況にあるものが少からずあるように私は承知しておりますが、若しこの法律がかように修正されて通過するとすれば、河川についても同様な復旧のみならず、他のこれに接続する部分の改良工事についてもかような高率補助をして公平を保つようにしなければならんように私は思うのであります。河川局長の御意見はどうであるかということをお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/148
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149・米田正文
○説明員(米田正文君) 結論としては私ども、災害の激甚なものについての財政措置という見地から見るならば、海岸であろうと河川であろうと或いは道路であろうと、国としてはその助成の率を同じくすべきものであるということが基本になるべきだと考えます。でこの今取り出されております海洋は、先ほど官房長からもお話申上げましたように箇所的に見まして一連の海岸ではありますけれども、二百億というような大事業費というところに問題があるのではないかと思います。今お話のように直接河川の区域内においては国が三分の二の助成をいたします。いわゆる災害につけ足してやる改良工事については三分の二を負担いたします。県の場合には県のいわゆる準用河川で、県河川としてやつておるものについては二分の一を助成として補助をいたすのでございます。そういう懸隔があるのでこれすらも今日いろいろと論議をされているような実情でありまするので、どこか一個所高率補助という前例ができますと他との均衡は非常に困難になつて参りまして、我々としてはその説明に非常に苦しむ立場に立たされるのであります。でありますから、私どもといたしてはこの愛知、三重の海岸のごとく非常に局地的に而も非常に被害額の莫大なものについて、或る程度補助率を高めるということも又これは止むを得ない筋とも思いますけれども、その率も余り他の災害とかけ離れてすることは他との均衡上適当でないという考えを持つております。例えば白川のごとき或いは筑後川のごとき或いは有田川のごとき或いは福井県の北川のごとき相当に数十億の大災害を局地的に受けておるのであります。でありますから他との均衡という点を是非一つお考え願つておきめを願いたいと存ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/149
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150・松岡平市
○松岡平市君 私はこれをどうというわけじやないので、私は河川局長に曾つて私が松浦川という川が、これは委員長も親しく御視察になつておられるけれども、両岸随所に切断されておる。これは今回のみならず二十三年、二十四年にもうしばしばそういうことをやつておるので、せめてこれを直轄河川なみに扱つて頂けないかということをお願い申上げたところが、聞き届けがたいような御返事でありました。今回の災害が激甚であつたことは委員長みずから視察してよく知つておられるわけでありますが、この法律の、修正案が通つた場合には、これと同じようにあの川或いは只今挙げられた筑後川その他についても十分の八の補助をし、或いはあとでなおこの第三号でくつ付いております昭和二十九年度までに完成するように、必要な措置を講ずることに努めなければならない、こういう法律と同趣旨の取扱をすることに御同意かどうか、私はそれをお開きしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/150
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151・米田正文
○説明員(米田正文君) 今のは松浦川の関係ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/151
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152・松岡平市
○松岡平市君 私はその松浦川についてはお願いしたけれどもお聞き届けがたいように承わつた。ところが今お挙げになつたように筑後川を初めとしてたくさん同様なものがあるわけでありまするがこの修正案が仮にこのまま通過したとしたならば、この被害と殆んど変らないような被害の生じておる河川については、二十九年度までに復旧を完成させるというようなことや、或いはそれに接続した改良復旧についても同じような取扱をするように政府はして預けるものかどうかということをお聞きしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/152
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153・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 我々事務当局といたしましては或いはそうすべきものとも一応考えておりますけれども、政府全体としてそういう法律が提案できるかどうかという点につきましては我々何ともお答え申上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/153
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154・田中啓一
○田中啓一君 今実は私財源のことを聞こうと思つておつたのでありますが、大体御説明を伺いましてこの所要の約二百十億余の費用の百十五億は復旧費で出す、あとの九十七億は改良費で出す、こういうお話でございましたが、改良費の一体総額は建設省はどのくらいに、無論これは河川も海岸も皆含めてでありますが、お持ちになつておりますか、それを一つお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/154
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155・米田正文
○説明員(米田正文君) 甚だ大ざつぱな話を申上げましてどうも……。大体河川砂防の改良費というものは二十八年度予算として二百六十億持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/155
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156・田中啓一
○田中啓一君 而してこの改良費というものを私の所に使つてくれという要望は、河川と言わず砂防と言わず非常に熾烈なもので、恐らく建設省は一年ぐらい先までおよそほのめかしておられるぐらいの実は状態なんで、そうなると今回別にいわゆる治山治水の根本対策というものが出て参りまして、恐らく予算から言えばやはり改良費のようなものになると思うのであります。技術的にはいろいろなことをやるかも知れない、結局はそうだと思いますが、そのほうもあつて、こういうものが相当増額せられることを我々は大いにまあやらなければいかんと思うのでありますが、さて一体これは、来年の二十九年度の予算というものはどうなるか、一体余地があるだろうか。いろいろな話を聞きますと、実に国の支出を増加することの困難なことはもう誰もわかつておることだと思う。そこで高率補助をやる、それからこれから当然改良費も出て来るということを意味するわけなんである。だから率も率だけれども大体金の工面が容易ならざるものだと思う。それを考えると今の官房長がおつしやつた何か一つ金を工面せよということになると、一方やらなければならんということはよくわかるのですよ。海の水が出入りしておるのを止めんわけにはいかんけれども、そこだけを止めてもちよつとすぐ隣の所が壊れるというようなことをやつておつてもいかん。ただやらなければならんということはどうもよくわかるのですが、金の工面というものをこれは県も一緒になつてやはり工面をするということでないとなかなかやれんのじやないかということを私は非常に憂えますので、これはよほどこの高率補助という問題はその点慎重を要するのじやないかということを考えるのでありますが、まあ何だか意見に亘つたようでありますが、まさか建設省はこの二百六十億の中をこつちで……、まあ九十七億の半分でありますか、一年にはどうなりますか、その辺はわかりませんが、この中から割くというよりもむしろこれだけは少くとも改良費は殖やすつもりでありましようか、その辺を一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/156
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157・石破二朗
○説明員(石破二朗君) お答え申上げます。お話の通り建設省の本年度の河川等の砂防を含めまして二百六十数位予算を持つておるわけでありまして、三重の海岸だけにつきましても今年六、七十億仮にやりあと百三十億ばかりを来年にやるということになりますと、そのほうだけでも従来の二百六十数億に対して五十億以上の改良費を加えなければならんという関係に相成りますが、更にそのほかに年々の災害を未然に防止するために根本の治山治水を来年からやろうということに計画いたしておりますので、河川改修費等の予算額は相当殖えるだろう。更に災害復旧費でございますが、昭和二十七年までに発生しました災害のうち建設省所管のもので二十九年度に打越します事業費が約七百億あります。更に今年発生しました災害を一応公共土木関係について見ますと、千億ちよつととまあ仮定いたしましてその三割を今年でやるとしても七百億というものが来年に持越されるわけです。今年の分を来年に持越します七百億と二十七年度までの七百億で千四百億、而も今年の来年に持越します分はその五割を来年中にやれということになりますと三百五十億、今年のものを五割やる以上は二十七年度までのものは更にそれ以上の率でやらにやいかんだろうというようなことになりますと、災害復旧費でも七百億を超える金が要るのじやなかろうかと思うわけでございまして、大蔵省が心配するまでもなく建設省といたしましても非常に心痛しておるわけでございます。
なおこれはこの今回の特例法の修正の御案に誠に反対するようで恐縮でございますけれども、御参考に申上げますと六、七月乃至八月の法律改正特例法がいろいろ出ましたが、建設省に関します限りは公共土木に関する特例が大部分でございます。その中で特例法で実際にどのくらい殖えるだろうかという予想でございますが、国庫負担の率にすれば大体一側見当、建設省は従来とも公共土木の災等復旧には国庫負担は累進する方法をとつておりましたから、あの特例法が出ましても国庫負担の割合は普通法に比べて一割程度の増で済むのじやなかろうかと思つておるような次第でありまして、その点も御参考にして預ければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/157
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158・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 予算が今問題に出ましたから私から一言修正案提案者に念のためお伺いしたいと思います。それは修正案提出者として代表としてお見えになつておる八木一郎君は現在参議院で審議中の補正予算案に賛成されたことと私は承知いたしております。ところが補正予算案は二分の一の補助で組まれておるわけでございます。これを十分の八の補助の改正法律案を出されるということは如何ような関係にお考えになつていらつしやるか。第二次補正で不足分を追加されるということは衆議院の特別委員会で超党派的に一致されておるのか、或いは政府と与党間の話では、二分の一の補助で現在の補正予算を組んでおるのを十分の八に修正した場合、その不足額は第二次補正で政府は出すというようなお話でもしておられるのか、その点念のため審議の都合上承つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/158
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159・八木一郎
○衆議院議員(八木一郎君) むずかしい問題ですが、法律の成立いたしました経緯が、予算に関しまする原案の固まつた前にこの法律がデッチ上ればまあ御指摘のような点はなかつたのであります。すでに予算案の基礎数字のコンクリートの方が進んでおつて、その後にこの法の成立を見た順序になつておりますので、その間の調整は当然今後の予算措置ににまつよりほかないということで、繋がりませんけれども、その点は第二次補正でどうするというような具体的のところまではまだ話は打合中に属するような次第でございます。それよりも大きな問題は予算は二十数億しかないが、私がさつき引用いたしました衆議院の予算委員会における大蔵大臣の答弁を開きますと、二十数億で放つておくわけでない、本年中に五十億はなんとかする、誠に希望的な答弁になつております。それを裏付けする財政措置或いは金融措置ということをたたみこんで行きますと今後に残つておるという誠に不満足な状態にあります。その不満足な状態をはつきりさせることと、それから今御指摘の件をはつきりさせるということがこの法案通過後に残されております。その問題をはつきりしない限りは九という高率なものを八に下げたという立場に立つ諸会派、各党のかたがたがこれ以上の点については承知ならん。簡単に言えばこれで押通す以外にないのだ、替札を持つて来いということで、これがきまつた経緯であります。問題は残つておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/159
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160・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 重ねてお伺いしますが、不足分については第二次補正を要求するとかいうような点について衆議院の特別委員会としては何らかの申し合せ、意思決定をなされておるのでございましよか。それともそれらの点については不問のままにしてございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/160
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161・八木一郎
○衆議院議員(八木一郎君) 跡仕末の事項としては今日も打合会も開いておりますが、会期のうちに結末をつけて、でき得ればはつきりと融資の面までも裏付できるようにしたい、折角立法化されるならばそういたしたい、こういうことも進めながら参議院側の一日も早く御賛成を願つて、この立法の精神だけは、さつき私が読み上げましたような政府の意思も誇張したのではなくて真実にそうするのだ、こういう強い言明をしておられるのですから、それに合うように持つて行きたいものだと折角今努力中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/161
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162・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/162
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163・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/163
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164・田中啓一
○田中啓一君 衆議院の委員会の代表のかたのお話を伺つておりますと、若し融資でやるという的確な当てがつくなら必ずしもこの海岸堤防の問題に関係する法案修正をやらんでもいいのだ。そのほうはどうも甚だ心許ないからこういうふうにしたのだ。こういうふうにも取れたのでありますが、それでよろしうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/164
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165・八木一郎
○衆議院議員(八木一郎君) この趣旨は、立法の根本的な考え方は先ほど申上げた通りです。この立法をいたしますのに十分の九を原案にして全会一致で立案をして、各党に持ち帰つていろいろ相談をした結果、政府与党側においては今、建設省側から縷々御説明のあつたような意見がいろいろ出て参りました。十分の九ではどうしてもいけないという言葉を出した。それで高率のいろいろ問題になつて来たときに、高率のことは結構だけれどもやらなければならん事業量に対する金はどうするのだ、予算はこれだけしかないんじやないかということになりまして、その問題が明らかにならん限りは高率を下げるわけにいかん。四分の三にしてもらえんかという原案で前申上げた意見も一部出たけれども、そこまで下げたらあと不足の分はどうするのだということがなければ同じじやないか。だからもう一以上に下つてこんな話にはついて行かれません。こういうはつきりした意見が圧倒的に出て参りまして、それ以上に大事なことは放つておけないから、予算と融資なり特別の起債なりの措置をつけて完成させることが大きな問題として残つておるのじやないか。法律案としてはこれで行く、こうなつたわけです。お尋ねのように予算と金をつけてくれればこの法律は要らないのだというようなことになつておりません。金さえくれればこの法律は要らないということのはなつておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/165
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166・松岡平市
○松岡平市君 八木先生にお尋ねいたしますが、この海岸堤防については私のごときも、これを速かに復習する、そうして被害場所のみならずこれに接続した部分についても十分に手当をするということについては異議がないのでありますが、衆議院において特にこれを二十九年度までに完成しろというようなことを付けておられる等のことから考えまして、もとより水害の先ほど私が河川局長に質問いたしました、河川の場合における災害復旧というものについてのバランスというようなことはどういうふうに考えておられるか。三重県とこれだけを二十九年度、次年度でやれ、そうして接続の場所も十分の八にしろということさえ通れば、あとの河川の場合における同様の事態についてはどうするか、少くとも衆議院の特別委員会においてはその点について十分論議されたと思うのです。これはこれで何とか別な処置をするとかというのか、それは放つておけというのか、その辺を明らかにして頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/166
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167・八木一郎
○衆議院議員(八木一郎君) 類似の災害は放つておけ、これだけやればいいのだというような意見はどなたからも出ておりません。集めた災害のケースいろいろの中でこれは取上ぐべきものであるということで、政府にいろいろと確めますと、政府は臨時海外堤防建設部まで設けてこれは放つておけませんというう非常な熱意を持つている。それならばそれとマツチした立法を考究して参りますると、結局は金を付けるところへ話が戻つて来るわけです。それでどうしたならば金が付くということのなると、これは恐らく予算編成の技術と二十九年度の予算編成の根本方針にふん込まないと解決せん問題になるが、災害対策委員会といたしましては諸般の災害の実態をずつと調査した結果といたしまして、これだけは取上げて行くべきである、こういうふうに相成つた次第でございます。これに関連しておりますから申上げますが、琵琶湖の問題もかなり途中において問題が出ております。出ておりますが、その条件の違うところに一つ加えてやるということによつて焦点がぼける。若し必要ならばそれだけは単独立法をしてもやるべきであるという点も、その線で検討することに反対する者はない。こういうことになりまして、直接仕事をしております当局の御意思も打合せた結果、この中に特に琵琶湖の問題が適用できるようなふうに無理をして入れるということでないほうがいいのではないかということで御了解を瀬い、この原案でこちらに送り込むということになつたような順序であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/167
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168・松岡平市
○松岡平市君 ただ今お挙げになつた琵琶湖の問題のみならず、すでに予算が付けられておる西日本並びに十三号等の過般の災害というものとの取扱と相当な懸隔があるように我々は思うのでございますが、只今の御説明によると政府がこれはやるのだというところからそれに調子を合せるためにこういうふうにしたというだけの御説明のようですが、私たちはこれがいけないという意思は毛頭ございません。先ほど申した通りです。併しながら同じ災害であつて三重県、愛知県の海岸の災害についてはこれだけのことをする。併しそのほかは今の琵琶湖の護岸或いは一般河川に起つた災害については、政府はそれほどの意思を示さなかつたということでは非常に災害に対する取扱として公正を欠くのではないか。こう思つたものですから衆議院の中においても委員会においてそれらの点についてはいろいろと論議をされたろう。こう考えて御質問申上げたのですけれども、重ねてお伺い申上げますが、その点についての論議はなかつたでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/168
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169・八木一郎
○衆議院議員(八木一郎君) 御指摘の論議は打合会の途中におきましてはいろいろ出ております。出ておりますからその問題を、そうすれば河川の中においては、こういうケースで取上げて単独立法する必要があるものはどことどこになるであろうということまで一部の意見が出たほどでありまして、これらは問題として今津に残つておりまするが、政府の考えはどうであろうということを間合せたところが、我々の考えとはつきり一致しておりまするし予算化の問題に関して政府の意図するところも一致点を見出し付られたので、これだけが早く出て来た、こういうふうに御了解を頂けたらいいのじやないか、説明が不十分でございますがそういう経緯であります。決してこれだけやればいい、ぽかはやらなくともいいという意図ではないのでありまして、現に今単独でこれもあれも取上げたらどうかという課題は、衆議院の災害対策特別委員会においては今日も明日も打合せをするようになつておる発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/169
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170・松岡平市
○松岡平市君 官房長にお尋ねいたします。只今の御答弁によりますと、政府の意見としてこれだけを取上げるということ、ほかのものは放つて置くのじやないが、これだけは別個に高率の補助もし二年間でやるという意図を明かにされたようでありますが、さようであれば一般災害のほかの河川或いは琵琶湖等の災害と私はいささか取扱が公正を欠くのじやないかということを先ほど来何遍も繰返しておりますが、この機会に先ほどの御答弁といささか違うようなお話が今八木議員からお話がありましたがこれを明らかにして頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/170
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171・石破二朗
○説明員(石破二朗君) 私も実は前後のことを知つておるわけではありませんので私の知つておる限りのことを申上げます。あの附近の海岸を早急に復旧しなければならない、そのためには建設省が全力を挙げてやりたいという点は、国会においてもたびたび申上げておりますし、この点につきましては勿論異存はありません。なおこれをやる具体的な方法としては、わざわざ海岸堤防建設部というものを作つてやるというところまでは確かであります。更に早急にやるということにつきましてはおおよそ三年間程度には少くともやりたい。そのうち今年中は五、六十億程度の工事はやりたい、この点はしばしば申上げておる通りであります。ただこの所要資金の措置を特別の高率の補助でやるか、或いは補助率は現在のままにしておいて、而もその総予算額は現在予算に計上しておるままやるか、或いは更にこれを増額するかというような点につきましては別段私はお打合せをした見えはないように思いますけれども、私のほうといたしましては、先ほど申上げました通り、できるなら三年間くらいに完了したい、できるならばという弱いことではありません、是非これを三年間に復旧したい。更に今年中には五、六十億の工事をやりたい。ただこれを本年度、明年度、明後年度、この短い間の国費でこれをそう高率の補助は国庫の負担が到底耐えられないだろう、かように考えております。
なお琵琶湖の問題につきましては、どういうことになつておりますか、できるだけ範囲を狭くして頂きたいということは係の者が申上げたことはあつたかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/171
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172・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) この際二件についてお諮り申上げます。
第一は、現在審議中の法律案の審議は本日はこの程度で打切り、明日午前十時から継続審議すること、先ずこの一件は御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/172
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173・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないようでございますから、さよう決定いたします。
もう一件お諮り申上げたいことは、繋ぎ融資の利子補給の件に関して議員立法をするかしないかということでございますが、この件については法律二百二十九号の第一条第二号「災害対策に通常要する費用」という中に繋ぎ融資の利子補給が含まれておるということになれば立法をする必要はない。併しながらそういうことが明確でない以上は議員立法を要するということは先刻全会一致いたした次第でございます。そのときに原次長に一時間以内にその大蔵当局の見解を決定して本委員会に報告するよう要請しておりましたところが、只今参りました。従つて原主計局次長から報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/173
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174・原純夫
○政府委員(原純夫君) 大変遅れて申訳ございません。相談いたしました結果、災害のための一時借入金の利子につきまして、地方債を以てこれを賄うという場合のその元利の補給について特例法を適用するかどうか、法律の解釈としては入るという解釈ができるという結論に達しました。ただ何が災害のための一時借入金であるかということにつきましては、市中銀行からの借入になりますと甚だこの境がむずかしいと思いますので、それらの点につきましてはなお検討いたしたい。
第二に中央、地方の財政の関係の一環としてのこと、つまりこれと平衡交付金との関係というような面につきましても、それぞれ然るべき対応措置が要るという考えを持つわけでありますがそれらの点、本日非常にお急ぎなんで、例えば第一点の純粋に災害のための部分をどう摘出するかという意味につきましては、こうしたらよろしいというところまでの具体案ができませんが、只今申上げましたような態度で本件をやつて参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/174
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175・三浦辰雄
○三浦辰雄君 今原次長さんの一応の御答弁を聞きましたが、政府部内で御相談なすつたというのは、こんなことを聞いては大変失礼になるかも知れませんけれども、どういうところでどういうふうなことでおきめになつたか。これは疑うという意味でなくてますます安心をしたいためにするのであるが、とかくあのときは答えたけれどもあのときはこの範囲でやつたために異議が出たとか、往々混乱の中でやるときにはあり得るので、この点が一点確かめたいことと、それから銀行から借りて来る場合、例えば簡易保険だとか郵便年金の特別会計の私立金だとか、資金運用部だとかというものは、いきおい大蔵関係が入つての査定というか一つのあれがあるから、これは問題ないと思うのです。今御指摘のような市中銀行から借りて来るという問題については、その目的とその金利の額ですね、この二つが問題だと思うのですが、これについては私は市中銀行といたしましては、どうせ大蔵省が中に入つて日銀が尻をくくる体制でなければ市中銀行は貸さないと思うのです。多くの場合貸さないと思うのです、実際問題として。だから私はその用途についてはもういいのじやないか。ただ利息もやはり大蔵省が睨んでいるから法外な利子もとるまいが、利息という点が主として問題じやないか、こういうふうに思うのです。もう一遍言えば、どういうようなあれで御相談をおきめに一応なつたか。それからもう一つあとの問題というのは、利息の額だけじやないかと思うのです。この点御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/175
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176・原純夫
○政府委員(原純夫君) 非常に関係者みな忙がしくしておりますので、完全に全部の関係者が一時に集つてということはございませんが、省内では理財局長、次官もお話に加わつて頂いておりますし、私のほうでは勿論局長や我我もやつております。又自治庁のほうも只今まで関係部局から来て頂いてお話したような次第でございます。
第二の点の利子というお話はちよつと私十分了解いたしかねるのですが、私が申上げましたのは、災害のための一時借入金、それもなおくだいて申しますと、旧から来るべき補助が来ない、本来ならば災害予備費というものを豊富に持つておつてどんどん出して欲しい、概算払でも出して欲しいというのがお気持だろうと思うのです。そういうようなもの、つまり今繋ぎ融資という形で出ております、こういうようなものですと、割合はつきりするわけですが、そうでなくて、市中から一般に借りるというような場合は、地方公共団体は災害以外の資金の借入返済というものがございますから、それを何といいますか境を付ける、これは非常に面倒なことであろう。それをどうしたらいいかということは、この数日間に実はそこまで議論が行き得ないので、その辺なお十分検討に検討をいたしたい、その余裕を与えて欲しいということを申上げたわけであります。
なお我々は先ほど申しましたように、起債を財源として利子を払われる、その起債分の元利補給というふうに解釈をいたしておりまするので、それで御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/176
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177・三浦辰雄
○三浦辰雄君 大体わかりますが、市中銀行或いはその他の金融機関から借りるということについては、今度の三党の協定によつて、政府のほうでは成るほど今度の災害予算も少い、で工事が進むに従つてその按配を見合うことは当然だけれども、例えば百四十数億の三割を目途とすれば、百数億の差があるわけだから、それについては極力繋ぎ又は融資斡旋等を考える。こう言つておられるのだけれども、これは年度を越えるという政府資金関係であれば問題になりますし、それから一般の市中銀行、金融機関関係であれば、これ又いずれにしてもやや従来の繋ぎ的なものよりは長くなることが想像されますので、而もあの協定の趣旨から目て当然利子は政府が持つてやるべきじやないかという考え方から出ているので、市町村が他の目的のために借入ある、その目的の違つた借入金に対する利子などということは考えてないのだが、そういつたような場合に端的にいうなるのだろう、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/177
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178・原純夫
○政府委員(原純夫君) 先ほど災害予算が相当豊富にあつてどんどん出してくれればと言いましたのは、そういうふうなお考えもあろうと思いますわけで、その点はよくわかると申上げたのですが、現実の問題として、今の財政事情からいいましてやはりそう右から左というわけには実際上参りません。そのために地方団体が借入をするという場合の利子の補給一般については、我々はやはり地方団体の負担ということを原則にしてやつて頂きたいと思つております。国もいろんな場合に火急の金が要るというようなことがないともいえません。そういう場合はやはり補助が出ますまで、苦しいけれども一つ自分の負担でやつて頂きたい。国は一生懸命早く出すというふうなこと六行きたい。従いまして只今お話の二割にしかならない、その上もう一割分というお話なんでありますが、工事の進行状況等を見てどうしても必要なものを出して行きます場合の利子補給の話は、そういうおきめがございましたから私どもこれでいたすつもりでおりますが、卒直に申上げましてこれを一般化するという考えは私ども持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/178
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179・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 実は非常に柔軟性のある重大な発言をされているのですが、従つて私は改めて伺いますが、この第一条の第二号の「その他これらに類する命令で定める災害対策」、この公共事業費の解釈ですね、要するにこの事業費を災害対策に要する費用と大蔵省は認めているか、認めていないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/179
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180・原純夫
○政府委員(原純夫君) 公共事業費でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/180
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181・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) ええ、あとで問題を起すと困りますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/181
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182・原純夫
○政府委員(原純夫君) 公共事業費そのもの、つまり公共事業費の国で持つ分でない、地方で負担するその部分でございますか。それは我々はこれには入らないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/182
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183・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) そうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/183
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184・原純夫
○政府委員(原純夫君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/184
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185・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) そういう解釈をあなたがたはされておるのですから、議員諸君が公共事業の復旧をやるのに非常に費用がかかる。従つてその起債というものが必要になつて来る。それが余りにも利子が大きくなつて来るからこれらの利子補給をしてもらおう、こういうわけですね。あなたがさつき如何なるものが災害対策に通常要する費用かという点について、非常に柔軟性のある答弁をしたのですが、災害救助対策、伝染病予防対策、こういう類のものだけで公共事業に必要な起債などしたのは、この第一条の第二号には該当しないと大蔵省では解釈しているのじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/185
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186・原純夫
○政府委員(原純夫君) それはそういうふうに解釈しております。そういたしませんと、この法律が仮にそれを含むといたしますと、公共施設の復旧事業費の地方負担分を地方債を以てその財源とするということに第一条でなります。でその第四条に行きまして、その地方債の利子及び元金の償還金、つまり元利全部を補給するという法律でございます。これはつまり公共施設の復旧に要する脅用のうち国の負担する分はその何年かかかるわけでありますが、国が出した残りの部分は起債、借金で一応はやるが、その借金の利息ばかりでなしに元も全部国に将来持つてもらいたいということになりますのですが、それは私どもそこまではとてもできないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/186
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187・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/187
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188・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/188
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189・三浦辰雄
○三浦辰雄君 それでは少し具体的にお聞きするのですけれども、例えばこの第一項の三号として、例えば水害等にかかる、風水害と言つたほうがいいかも知れないが、災害復旧に要する費用を支弁するため、昭和二十八年度において資金運用部資金若しくは簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金から融通を受ける資金の利子、又は銀行その他の金融機関から融通を受ける資金の利子で、政令で定むるものの支払の財源とする場合というのは、私は利子の額が問題になると思うのです。そんなことは一応しぼつておいたほうが或いは後日の誤解がないというので政令に入れて見たのですが、こういつた利子だけこれを明らかにしてこの第三号に入れ、若しあなたのほうで組曲ないのだというならば、第三号に入れるかどうかという問題がつまりこの問題なのです。そこです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/189
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190・原純夫
○政府委員(原純夫君) 非常に急な研究なんで、余りすぱつと今のようにこの第三号の条文案を出されて今伺つただけで右左というのに一〇〇%間違いないというまで私申しきれませんが、大体今おつしやつたような線に行くことができるのではないかということを先ほど来申上げておつたつもりなのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/190
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191・松岡平市
○松岡平市君 先ほど申上げました通り、少くともこの法律を立法するまでの間の政府当局、主として自治庁長官並びに自治庁からの政府委員各位との質疑応答で我々が了解しておることは、今のこの法律の趣旨としては、今回この災害によつて地方公共団体の負担が非常にたくさんある。今までも多くの地方公共団体は借金で困つておる。財政不如意で困つているのにこの意想外の災害でこの地方公共団体の債務と申しますか、負担分をうんと多く残しておけば、地方公共団体の財政が将来は非常な困難を来すことになるので、この災害についてだけはこれをこの機会に片付けてしまいたい、その処置を政府にしてもらいたいということで、その趣旨の災害特別交付金というようなものを立法化して政府が出すようにしようというのを、それに代るものとしてそれらは全部起債にしておけと、そしてそうした起債については将来平衡交付金で年々賄つてやるからそうしてもらいたい、こういうことからこの法律を作つたのだと私たちは了解しております。従つて先ほどのお話のうち災害復旧のために、或いは災害応急処理のために要した費用外のものについてはもとよりこれには該当いたしせんが、少くとも応急措置のため並びに復旧措置のために、直接或いは間接必要とした地方公共団体の負担しなければならん部分については、全額起債を求めるのみならず、その利子についてはこの四条の規定によつて政府が特別平衡交付金で負担してやる、こういうふうに私たちは了解しておるのです。只今原政府委員の御答弁では非常に短時間の間であつて、十分なる議を尽しかねるということで。どうも併しながら金利というものは見るのが原則だ、但し市中銀行その他から借りたものについてどうするかということが残つておる。こういうふうなことであつて、一向私は要領を得ないと思います。これは一つ幸いこの法律については明日まで討論採決が引き延ばされておりますから、政府当局において更に研究されて責任のある答弁をして頂けるようにお取計らい願いたい、議事進行になつてしまいましたけれどもさように私は希望いたします。今この点についての御答弁は要求しないことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/191
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192・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) それでは明日願います。この件については質疑をここで打切つて懇談に入つて態度を決定いたしたいと思います。
なお速記をとめて懇談に入る前に只今政府委員のほうから発言を求めておりますので、それを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/192
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193・原純夫
○政府委員(原純夫君) 実は私じかに伺わないで又聞きであるので間違つておるといけませんから申上げますが、千五百六十五億という数字をはじいた後、法律改正の手続が今国会で進んでおつて、それによると六月の下旬と七月となつておつた法律を六月及び七月というふうに直した。そのために六月の上中旬のもの、具体的に言いますと二号台風の分が我々の原案よりも殖えなければおかしいのじやないかというお話のようでございます。この点について御説明申上げますと、あの千五百六十四億何千万でありますが、これには二号台風の公共土木関係の分は全部特例法が、全部と申しますのはあれでございますが、二号台風にも特例法の適用があるというふうに前回の法律がなつておりますので、すでにこれは含んで計算いたしております。含んでおりませんのは、農地、農業用施設の分は前回おきめになりました法律に六月下旬と七月というふうになつておりますので、その分だけは特例法の適用がないということで外してございます。その分が極く概算でありますが、被害報告額において約八億円でございます。これは査定見込の率が六割五分でやつておりますので約五億円の査定見込額というふうなことに相成ろうかと思います。これに特別措置法による増加分、ちよつと私細かい資料を持つておりませんから、農地、農業用施設の場合にどれだけ殖えるかという何はございませんが、全般で行きますと約二割程度のものでございますから大体千五百六十四億円に加わりまして国費負担の増が約一億見当かと、これは概算でありますが申上げて差支えなかろうかと思います。従いまして若干変つて来るわけでありますけれども、こういうふうな事情で財源は我々としてはすつからかんに出してしまつたつもりでありますし、法律が変りますれば変つたものの総体の中でそれぞれ所管の各省に運用して頂くというようなことでやつて頂きたいというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/193
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194・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) ただそれに関連して一つ伺いますが、千八百という数字が千五百六十五に相成つた理由はいろいろ挙げられておりますが、その中に緒方副総理並びに小笠原大蔵大臣が、千八百億のときは台風二号が入つておつたが、その台風二号を落したら千五百六十五億になつたというので、その説明の一つの理由に使つておるのです。それはどうもおかしいと思うのですがね。それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/194
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195・原純夫
○政府委員(原純夫君) 大変我々の補佐が足りませんので、大部分については二号を特例方の通りに予算でやつておりましたので、申上げ方が足りないのでそうなりましたので、只今申上げたように御了解を頂ければ結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/195
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196・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 他に質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/196
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197・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 原君の今の御説明で伺いたいのですが、そうしますと、仮に緒方さんや大蔵大臣の数字の御説明の仕方が悪かつたということかも知れませんが、併し同時に事務当局は主務局長が大体その災害の国庫負担分として千八百億という説明を何遍もしておられるのです。それが千五百六十五億程度になつた理由ですね。どういう基礎で千五百六十五億になつたのか。その説明は事務当局から聞いておりませんが、どういう原因でそうなつたのですか。それを御説明願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/197
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198・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) その点は先般来資料の提出をお願いしてあるのですが、委員さんに資料をお配りして明日一つ説明して預けませんか。それで新谷さん如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/198
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199・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/199
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200・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) プリントを頂いでその上で。では速記をちよつととめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/200
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201・矢嶋三義
○委員長(矢嶋三義君) 速記を付けて下さい。
本日はこれを以て散会いたします。
午後七時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715055X00419531104/201
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