1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年十一月四日(水曜日)
午前十時四十三分開会
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出席者は左の通り。
委員長 郡 祐一君
理事
小野 義夫君
亀田 得治君
委員
大達 茂雄君
加藤 武徳君
楠見 義男君
中山 福藏君
三橋八次郎君
一松 定吉君
政府委員
法務政務次官 三浦寅之助君
法務大臣官
房調査課長 位野木益雄君
法務省刑事局長 岡原 昌男君
法務省刑事局総
務課長 津田 実君
事務局側
常任委員会専門
員 西村 高兄君
常任委員会専門
員 堀 真道君
説明員
最高裁判所長官
代理者
(事務総局総務
局総務課長) 磯崎 良誉君
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本日の会議に付した事件
○日本国とアメリカ合衆国との間の安
全保障条約第三条に基く行政協定に
伴う刑事特別法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本国における国際連合の軍隊に対
する刑事裁判権の行使に関する議定
書の実施に伴う刑事特別法案(内閣
提出、衆議院送付)
○検察及び裁判の運営等に関する調査
の件
(奄美群島の復帰に伴う法務省関係
法令の適用の暫定措置に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/0
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001・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 只今から本日の委員会を開会いたします。
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定に伴う刑事特別法の一部を改正する法律案及び日本国における国際連合の軍隊に対する刑事裁判権の行使に関する議定書の実施に伴う刑事特別法案、両法案とも本審査と相成つておりまするが、前回に引続き御質疑を願います。
それでは私から政府側に一点お尋ねいたしますが、国連の刑事特別法について先日も若干他の委員からお触れになつた点でありますが、実体規定に全然触れておられない事情、又近い将来に実体規定に触れる見込がおありになるかどうか、その点を御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/1
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002・津田実
○政府委員(津田実君) 御承知の通り行政協定に関する刑事特別法の実体規定は、行政協定の二十三条と申しまする、日本側が立法その他必要な措置をとる必要があるということを義務付けられた規定がございます。その規定がありますが故に、実体規定を設けてある次第でありまするが、この国連軍との協定におきましては刑事裁判権の行使に関する点にのみ議定書が締結されました次第でありまするので、未だ行政協定の二十三条に当るような規定につきましては何らの取極めができておりません。従いまして日本側におきましては義務を負つておりませんので、立法をいたさなかつた次第でございます。なお、この点につきましては国連側は相当強い要望を持つておる次第でございますので、将来情勢によりましてはかような取極めも締結に相成るかとも存ずる次第でありますが、その際は又改めて立法措置を講じたい、かような考えでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/2
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003・郡祐一
○委員長(郡祐一君) ちよつと速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/3
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004・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて下さい。
他に御質疑はございませんか。……御質疑はないようでありまするから、質疑は終局したものと認めて、これより討論採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/4
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005・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めまして、先ず日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定に伴う刑事特別法の一部を改正する法律案につきまして討論に入ります。御意見のおありのかたは、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/5
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006・亀田得治
○亀田得治君 私は日本社会党を代表して、本案に反対する理由を簡単に申上げたいと存じます。
刑事特別法の一部改正法案を旧法に比較するならば、確かに日本側に有利になつておることは私どもも認めるのであります。併しながら我が日本社会党は、日米間の安全保障条約は、日本の独立を侵害し、世界の平和に有害であるとして反対の態度をとり、従つて同条約第三条の規定から引出された行政協定及びそれに伴う刑事特別法についても、否定的態度をとつて来たことは、今更改めて説明の要はないのであります。このような立場に立つ場合、全体から見るならば、単にその一部分に過ぎない枝葉の規定が改正されたとしても、その部分だけを切離して賛成するわけには参りません。刑事特別法は、日本の独立と世界の平和を脅威するサンフランシスコ体制の延長であつて、改正の余地なき悪法と言わねばなりません。
以上のような意味で、私どもは或る程度政府の努力を認めつも、明確に反対の意思表示をするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/6
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007・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 他に御発言はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/7
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008・楠見義男
○楠見義男君 私は緑風会を代表しまして、只今議題になつております日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定に伴う刑事特別法の一部を改正する法律案に賛成をいたします。元来私どもは、日米安全保障条約に賛成をしたものでありますが、その立場から申しても、現在の刑事特別法については、その当初からNATO方式との間に著しい懸隔があり、従つてこの点に非常に不満を持つておつたものでありますが、今回その当時問題になつておりました方式についてNATO方式が採用されたのでおりますから、私どもはこの案に賛成いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/8
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009・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 他に御発言はございませんか。御発言がなければ討論は終局したものと認めて、直ちに採決入ります。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/9
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010・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 多数と認めホす。よつて本案は多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、例によりまして本会議における委員長の口頭報告の内容等は便宜御一任を願います。本案に賛成の諸君の御署名を願います。
多数意見者署名
一松 定吉 楠見 義男
加藤 武徳 大運 茂雄
中山 福藏 小野 義夫
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/10
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011・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 次に、日本国おける国際連合の軍隊に対する刑事裁判権の行使に関する議定書の実施に伴う刑事特別法案につきまして、質疑終了したものと認めて、これより討論採決に入りたいと存じますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/11
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012・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。御意見のおありのからは、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/12
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013・亀田得治
○亀田得治君 日本社会党の立場から本案にも反対いたします。
要点を簡単に申上げますと、三点になります。第二は本質的な問題でありまして、アメリカ軍同様、外国の軍隊である国連軍が日本に駐留しておることは、日本の独立と世界の平和に有害である。そういう立場を我が党はとつて参つております。そのような立場から見るならば、外国軍の駐留を前提とする如何なる法規にも、我々は賛成できないりでございます。
第二の点は、この法案の基礎となりました議定書が、今国会に承認を求めるべく提出されておりますが、私どもは政府の今回の承認の求め方が、憲法の精神を甚しく無視しておるものと考えます。その理由は憲法の七十三条によりますと、締結前に国会の審議にかける諸般の事情からそれができない場合には、止むを得ず締結後に国会の承認を求める。こういう立場で規定されておりますが、ところが本法案の基礎になつておるこの議定書の取扱い方を見ますると、この議定書が調印されたのは十月の二十六日でございます。そうして直ちに三日後の十月二十九日には効力を発生させられてしまつた。而もその十月二十九日には、第十七臨時国会が開催されておる。こういう状態であつた。先ほど申上げた憲法の精神から言うならば、いやしくも批准条項の付いておらないようなこの議定書、而もその内容が極めて重要な要素を持つておる。こういう議定書については国会の事前の承認を求めて行く。これが飽くまでも憲法の要請しておる考え方だと思いますが、そういう考え方を全然踏みにじり、而もこの臨時国会が間近に迫つておるのに、その国会に先立つて効力を発生せしめる。こういうことは政府のやり方として極めて国会を無視したやり方であるばかりでなく、先ほど申上げた憲法の立場を甚しく蹂躪しておる。こういうふうに考えるのでございます。アメリカ軍とのつり合の関係ということが、或いはその間にあつたかと思いますが、併しそれ以上に私どもが憲法の精神というものを大切に守つて行く。こういうことが政府において徹しておるならば、僅か五、六日か一週間程度を何とか工夫するならば、かような不手際なことに私はならないで、正当な承認の手続がとれたのではないか、こういうように考えます。これが反対の第二の点であります。
それから第三点は、国連軍に関する一般的協定というものがまだできておりません。その一般的協定がないのに、刑事裁判権の部分だけを取極めをしている。こういうことは非常に主客が顛倒しておると考えます。一般的協定の作り方如何によつては、日本としても国連軍の刑事裁判権をどういうふうに取扱うか、これは変つて来るだろうと、これは常識的に考えられます。そういう原則的なことがきまらないうちに、アメリカ軍と同等の待遇を刑事裁判権においてすでに与えてしまつておる。こういうことでは今後の一般的な協定の交渉そのものが、大きな拘束を受けて来るのではないかと私どもは考えます。而もその一般的協定の問題は、政府側の説明によれば、相当話が進捗しており、年内には大体解決が付くのではないか。こういうようなことが言われておるわけでございますから、やはり一般的協定が成立するまでこの刑事裁判権に関する問題も暫く待つて、同時にそれを出発さして行く、こういうやり方を当然とるべきものであつたと考えます。
以上のような三つの理由、一つはまあ本質的な問題、第二には憲法上の取扱方の問題、第三には一般的協定との関係、そういうような三つの点から本案にも反対いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/13
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014・一松定吉
○一松定吉君 私は本案には賛成なんですが、その賛成の中でも、今亀田君の言われましたように、憲法の七十三条の規定によりまして、条約を締結するということについては、事前に国会の承認を経るということは原則です。これは時宜によつては事後に承認を経ることはできるけれども、例外規定なんです。国会の意思を尊重するという意味において事前に国会の承認を経るということが原則でなければならんことは言うまでもありません。それを事後にやるというようなことになつて来るから、常に秘密外交というなうな非難の問題が起る。だからしてそういうようなことは将来政府は改めて、やはり国会を尊重するという建前から、事前に国会の承認を経てそうして締結をする、効力が発生してしまつた後に国会へ持つて来てやるというのはどうもよくない。国内法と条約とはどちらが優先するかというような問題も当然起つて来るんです。これはやはり、将来政府はそういうような重大な問題については、あらかじめ国会の承認を経て、そうしてやるということに一つ将来御注意相成りたいということを、私は附加して政府に申入れをしておくということが一つ。
いま一つ亀田君の言うこの問題については、アメリカと日本との関係について改正しなきやならんことがたくさんあるのに、一部だけやるということについては反対だとかいうようなことは、これは私は亀田君と意見反対です。悪いことがあれば悪いことを全部改めることがいいが、全部改めることがいろんな事情でできなければ、そのうちの一つでも改めて一歩前進ということのほうが国のために利益なんだから、そういう意味においてこれが改正されるということについては、私どもは何も強いて反対することはないと、こう考えておりまするから、亀田君の事前に国会の承認を経なきやならんじやないかという御意見には賛成、そのあとの点については、私の意見は相違はありますけれども、要するにこの原案には賛成をいたします。但し、政府は将来こういう点について十分の御注意を相成りたい。これだけのことを申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/14
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015・楠見義男
○楠見義男君 緑風会は只今議題になりました日本国における国際連合の軍隊に対する刑事裁判権の行使に関する議定書の実施に伴う刑事特別法案に賛成をいたします。
その理由は、従来一般的な国際法の慣例に従つて処分をしておるとは言いながら、不明確な点がございましたが、今回その基礎的な取極めができ、そしてこの法律ができまして、而もそれはNATO方式に従つてやるのでございますから、この点については賛成でございます。
ただ、私も先ほど亀田さんからお述べになつた点の第二点及び第三点並びに一松さんからお述べになつた全般のことについて希望を申上げておきたいと思います。それはこの法律の事後承認については、政府としてアメリカと同時に効力を発生したいということ、及び日本側にとつては従来に比して右利であるという、二つの点からすでに効力発生した議定書を締結されたことについては、その事情において理由かしとはしないのでありますが、併し今お述べになつた点については全く我々も同感でありまして、従つて将来国際取極め或いは協定等において、でき得る限り憲法の原則を尊重せられるように希望いたします。
それから亀田さんのお述べになつた第三点でありますが、国連軍の一般的地位に関する一般的取極めについては、これはでき得る限り早くこれを取極めになり、そしてその地位が明確になるように御努力を願いたい。この点を希望申上げて賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/15
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016・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 他に御発言はございませんか。御発言がなければ、討論は終局したものと認めて直ちに採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/16
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017・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 多数と認めます。よつて日本国における国際連合の軍隊に対する刑事裁判権に関する議索書の実施に伴う刑事特別法案は、原案通り多数を以て可決すべきものと決定いたしました。
なお、例によりまして、本会議における委員長の口頭報告の内容等は便宜御一任を願います。本案に賛成の諸君の御署名を願います。
多数意見者署名
一松 定吉 楠見 義男
加藤 武徳 人達 茂雄
中山 福藏 小野 義夫発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/17
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018・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/18
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019・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて次に奄美群島復帰に伴う法務省関係法令の適用の暫定措置に関連して、同復帰に対する裁判所側の受入れ態勢について事務当局より説明を聴取いたしたいと存じます。最高裁判所事務総局総務課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/19
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020・磯崎良誉
○説明員(磯崎良誉君) 法案の内容につきましては政府側から詳しい御説明がありましたのでございまするが、裁判所の受入れ態勢と申しますか、その点につきまして簡単に御説明を申上げます。
法案で申しますと、丁度五条、六条あたりに当りますかと存じます。先ず五条の裁判所の設置の関係でございますが、奄美群島のうちの名瀬市と大島郡の亀津町にそれぞれ簡易裁判所一カ所ずつ設置いたすこととなつております。管轄区域はその同条に掲げたる通りでございます。なお地方裁判所及び家庭裁判所の支部といたしまして、名瀬市に鹿児島地方裁判所、家庭裁判所の権限甲号の支部を設置いたす方針で準備をいたしております。甲号支部を置きます結果、地方裁判所の事件に関しましては、簡易裁判所からの民事事件につきましての上訴事件と、行政事件を除きますすべての事件が名瀬市支部で処理できるということになります。又家庭裁判所の関係では家事審判調停、青少年事件、成人事件、家庭裁判所の権限に関するすべての事件が鹿児島の本庁まで参りませんで、この名瀬市支部で処理されるという結果になります。
なお、これらの裁判所の支部及び簡易裁判所に配置いたしますところの裁判官以下の職員でございまするが、現在巡回裁判所及び管下の三つの治安裁判所の治安裁判所判事はいずれも内地の裁判所その他の法例に照しまして裁判官の資格がございませんので、新らしく内地の裁判官の有資格者を送り込む予定で目下人選を進めております。特に初代の名瀬の支部長には優秀な老練な裁判官を選びまして送り込みたい方針で人選を急いでおるような次第でございます。なお、現在の巡回裁判所、治安裁判所には治安裁判所の判事六名、巡回裁判の判事五名を含めまして全体で三十九人の裁判所職員がございます。これらの職員は内地の法例によるところの資格に照しましてそれぞれの地位に受け入れたいというふうに考えております。
それからこれらの裁判所からのいわゆる高等裁判所に対する控訴でございまするが、現在のままですと、福岡地方裁判所の宮崎支部の管外の簡易裁判所の刑事の控訴事件、それから支部の民事刑事の控訴事件が上訴されることになりまして、奄美群島内の住民のかたがたに多少御不便をおかけすることになりますかと思いますので、それらの点につきましては裁判所法の六十九条二項によりますところの開廷場所の指定のあの制度を活用して、場合によつては名瀬の支部において内地から高裁の判事が出て参りまして、高等裁判所管轄に基くところの控訴事件を取扱うというふうな方法がとれないかどうかというようなことも、今後の控訴事件の件数等とも睨み合しまして、慎重に検討いたしました上で決定したいというふう考えております。
まあ大体受入れ態勢として御説明申上げるべき点は以上の通りかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/20
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021・中山福藏
○中山福藏君 ちよつとお尋ねしておきますが、巡回裁判所というのは、アメリカのこの裁判所制度の中にあるのを奄美大島に施行されておつたということになつておりますが、先だつてお話を聞きますというと、巡回裁判所というのは日本の地方裁判所に該当するのだという御説明がありましたが、これはそういうのじやなくて各島々を巡回して裁判をして廻るというのじやないのですか。オランダの植民地なんかの当時の巡回裁判所というのはそういうふうになつておりましたがそうじやないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/21
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022・磯崎良誉
○説明員(磯崎良誉君) ちよつと名前は巡回裁判所になつておりますけれども、琉球裁判所管下のアメリカが置きましたところの巡回裁判所は廻つて行かないで、固定した場所で裁判をする、アメリカの本国で実施されておりますところの巡回裁判所とは名前は似ておりますけれども、実態は全く違つたもののように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/22
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023・中山福藏
○中山福藏君 私は只今仰せられた開廷場所の指定、いわゆる控訴裁判所の場合における開廷場所の指定という問題が一応取上げられて考慮の中に入つているというお話でございましたが、こういう島が点在しておる場所におきましては、やはり巡回そのものの名の通りの巡回裁判所という制度を取りきめるということが非常に便宜ではないかと私は考えるわけでありますが、これはオランダの植民地時代にありましたのを私研究しておつたのですが、大体一週間に二日くらいの予定でずつと地方を廻るのですね。巡回して裁判を便利にして住民の便益を図るというような取扱いをやつておりますが、私はこの奄美大島というような非常にたくさんの島があちこちにある場合においては、そういうふうな立場をおとりになるということが一般住民の非常に利益と申しますか、裁判を施行する上において好結果をもたらすのじやないかということを考えておりますが、そういうことはお考えになつておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/23
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024・磯崎良誉
○説明員(磯崎良誉君) 中山委員の仰せの点でございますが、制度的に検討いたしております。特に奄美群島のような場所、それから北海道の北のほうのような場所に、高等裁判所のいわゆる巡回裁判というような制度をとり入れたらどうかという点で、それから外国の制度の検討をいたしておりますが、根本的には現在の裁判所の制度に相当改正を加えて行くということになりますので、慎重に研究して行きたいと思つておりますということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/24
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025・中山福藏
○中山福藏君 控訴審の場合の問題なんですがね、第三にお尋ねしたいのは……。実は宮崎のほうから、或いは、宮崎に福岡高等裁判所の支部があるというお話で、これは刑事だけのようですが、実は宮崎からこの奄美大島に行くのは非常に便利なんです。鹿児島のほうから行きますと船が六時間かかるのですね、それから宮崎のほうからここヘ出張するというと都城を通つて志布志を通つて、志布志から船に乗りますと三時間しかからない。だからこれはどちらから御出張になるのか知りませんが、大体宮崎のほうの裁判官を差向けられるつもりでしようか、或いは福岡の高等裁判所の判事が差向けられるつもりでしようか、それはどうお考えでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/25
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026・磯崎良誉
○説明員(磯崎良誉君) まだ高裁から直接奄美群島に参つて控訴審の事件をやるというふうに確定したわけじやございませんが、若し実施いたすといたしますれば、それはやはり宮崎高裁判事が参ることになろうかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/26
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027・中山福藏
○中山福藏君 先ほど承りますと大体判事だけが三十九名ということになるようですが如何でございますか。予算の関係で相当の旅費とかいろんな問題が附帯して来ると思うのですが、やはりこういう土地柄と申しますか、奄美大島のようなこのたくさんな島がよつて一つの奄美大島というものを形成しておるようなところでは、くどいようでありますが、先ほど申しましたように三十九名などという判事は巡回裁判所というものを設置すれば要らないと思うのですね、この半分ぐらいで済むのじやないかという気もしますが、従つてこういうところにはいろんな事情があつて裁判所も相当の予算を計上して建設されるということになりますというと、現在のいわゆる高等裁判所、最高裁判所に振向けた予算額でこういう設備ができるものかどうか、非常に私ども在野法曹として気にかかるのですが、大体大阪なんかの家庭裁判所は四年越しになつてまだ約三割ぐらいの程度しかできていないのです。そういうふうな予算が非常な貧弱なところへ持つて来て、こういうところにこういうふうな設備をするとおつしやつても、それがうまく行くかどうかということは非常に疑問になるのですがね。そういう点は裁判所の当局におかれては十分お考えになつて確信を持つてこれはこういうことができるという見通しをおつけになつてのもくろみでしようか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/27
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028・磯崎良誉
○説明員(磯崎良誉君) 先ほどの私の説明が多少不十分で誤解を招いているようですが、三十九名と申しましたのは、現在向うの職員が巡回裁判所判事三石、治安裁判所判事六名を含めまして三十九名おりますのを引取るという趣旨でございます。今度置かれますところの支部と簡易裁判所に配置する判事は判事が二人、判事補が一人、簡易裁判所判事が二人、全部で計五人でございます。それで従前の巡回裁判所の判事、治安裁判所の判事は内地の裁判所法とも照しまして資格がございませんから、それらのものは書記官その他資格に合う所へ合せて引取ろうという方針でございます。それから予算の点でございますが、人員といたしましては先ほど申しましたように鹿児島地方裁判所、家庭裁判所の甲号支部、殆んど本庁と同じような事件を取扱うということになりまして、相当人員を要しますが、簡易裁判所のあと二つを加えまして大体四十人前後て賄えると存じております。でそのうち三十九人の大部分の人は差当つては向うの、帰つて来る人で賄つて行くというような方針でございます。それから予算の点で、もう一件営繕でございますが、営繕は名瀬の支部及び同簡易裁判所が共同して使用するところの現在の巡回裁判所の庁舎は、終戦後ガリオア資金で建てられた新らしい庁舎でございまして、若干法廷等の設備を整えましてそのまま使える予定でございます。ただ徳之島の簡易裁判所のほうには新らしい簡易裁判所を作らないと、現在の治安裁判所では手狭でございまして間に合わないかと思つております。徳之島のほうは人員の予算を大蔵省と折衝いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/28
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029・中山福藏
○中山福藏君 これは裁判所の説明は一応承わつたんですが、検事局のほうはどういうふうになつておりますか。一つ検事局の奄美大島に設置される庁舎並びに人員などについて構想を承わつておきたいと思いますが、どうぞ一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/29
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030・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 検察庁の関係は、裁判所に対応いたしまして地方検察庁の支部を名瀬市に設置いたす予定でございます。それから簡易裁判所に対応いたします名瀬市と徳之島の亀津町に区検察庁を設置することになつております。で人員の点でございますが、これはやはり地方裁判所のほうでも相当なかたが行かれることに考えておられるようでありますが、検察庁関係におきましても、特に当初は非常に処理すべき事項もいろいろ重要なことがあろうかと思われますので、相当のしつかりしたかたを、検事を、二、五名は最小限度行つてもらうというふうな考えをいたしております。なお、検察庁につきましてはそれぞれ検事を最小限度一名ずつということを考えております。現在向うには検事が二名、それから副検事が二名おります。で全部で十数名、二十名足らずの職員でありますが、今度もやはりその程度の総員の職員を置くことになろうかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/30
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031・中山福藏
○中山福藏君 この検事二名、それから副検事二名というお言葉がありますが、これは何でございますか、アメリカの採用した検事二名副検事二名という意味なんですか。或いは従来日本の官吏であつた者が一応アメリカが占領した結果、向うの官吏になつて現在までその地位におつたその者を引取るという意味なんですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/31
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032・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 現在向うにおられます検事二名副検事二名は内地の資格を持つておられるかたではありません。行政権分離後向うで試験をいたしまして通過した人、或いは副検事は特に試験はなかつたようでありますが、あそこの琉球に法曹会というのがありまして、それの適任の証明を得て任命されているものというようか実情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/32
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033・中山福藏
○中山福藏君 それをそのまま引取つて、こちらの検事並びに副検事に任命すると、こういう意味になるのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/33
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034・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 説明がちよつと欠けておりましたが、それは内地の検事乃至副検事の資格を持つておりませんですから、やはり新らしくこちらから資格を持つた人に行つて頂き、そうして今までの人はできる限りほかの方法で優遇して行きたいというふうな考え方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/34
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035・中山福藏
○中山福藏君 その今までの人は特別の方法で優遇して引取りたいというのは、どういう意味ですか、そこをはつきりしておいて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/35
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036・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) これはまだ非常に苦慮いたしておるので、決定いたしてはおりませんですが、この現在の法令の範囲内では、これを検事或いは副検事に任命することはできませんので、何らか適当な方法がないかということを研究中であります。で、少なくともこの従前の人の立場をなるべく尊重するようなほかの検察庁内の適当な地位を考慮する、或いはそれ以外の地位も考慮するというふうなことを、目下研究中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/36
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037・中山福藏
○中山福藏君 特別な方法を研究中だとおつしやいますけれども、特にこういうこの奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案、法務関係参考資料というようなものを頂いているのですから、これはやはりこれと同時に暫定措置に関する法律或いは政令というようなものをこしらえて、何とか今のうちこれはおきめになつておかんと、勝手に検察当局でこういうことをおきめになつていいのでしようか。それはどういうお考えでしようかね。そこは一つこういう連中を優遇する方法をとられるについては、やはりそういうことも一緒におきめになつておく必要があるのじやないでしようか、どうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/37
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038・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 御尤もであります。現行の制度といたしましては、遺憾ながら検事或いは検察官といたすことはできませんので、差当りはやはり検察庁内のほかの、或いは検察面の事務的な地位、或いはそう不均衡でなければ、検察事務官として検事事務取扱いをいたしてもらおう、検事事務扱の検察事務官にするというような方向になろうかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/38
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039・中山福藏
○中山福藏君 その点は相当明確にしておかれないと、あなたがたの手落ちになるのじやないかと思うのですね。こういう法律案が出たと同時に、これは本当は附帯的な取扱いをして、法制上明確にしておかれる必要があるのじやないかと思うのですが、果して検察事務官として満足するかどうかということも、これは疑問でありますね。こういう復帰に関する暫定措置の法律が出る場合に、こういうことをただあれやこれやと思い惑うというような立場を、こういう人々に対しておとりになるということだと、非常に私はこれはまずいのじやないかと思うのですね。これはやはりこの場合に一応身分関係というものをどうするという明確な規定を作つておかれる必要があるのじやないかと思うのですが向うさんが俺は今まで検事だつた、俺は今まで副検事だつた。それを折角喜びのうちに我々の島が母国に復帰するのに、こういう手落ちがあつたということがありますと、今までアメリカの迅速、非常にすべてのものが早い取扱いをすることに慣れた連中は、もう最初から日本のこういうふうな議会の取扱について不満を抱くというようなことが考えられるのですがね。大体アメリカで一週間で仕事が済むのが、日本の官庁で半年かかると或る外人が私に言つたことがありますが、こういうことはやはり迅速ということが一番大事なことじやないかと思うのですがね。もう少しこれは念の入つた親切な態度をおとりになるということが検察当局としては当然のことではないかと考えるのですが、どうでしようねその点は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/39
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040・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 御尤もなお話でございますが、今のところは止むを得ない措置といたしまして、やはり現在の制度ででき得る限りの措置をずる。そして将来の一般的な問題として研究したいというふうな考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/40
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041・中山福藏
○中山福藏君 これは将来一般的な問題としてとおつしやいますけれども、こういう一般的な問題は起つて来ませんですよ。琉球、小笠原というものが日本に復帰した場合は起るかも知れません。これは例外的な一部分的な問題だと思うのです。こういう問題は一つの先例として尾を引くわけでありますから、やはりこういうことは一般的なとか何とかという姑息な言葉を一つ用いないような、極めて筋道の通つた割切れるような一つ制度をお作りになつておかんというと、いつになつても検察当局が何をしておるかわからんといつて世間の物笑いになるというような憂いがあると思うのですが、これは一応一つお帰りになつて吟味してみられることがいいのじやないかと思うのですが、直ちに今日私はつきりした御答弁を求める必要はないと思うのですが、どんなものでしよう。一応お帰りになつて上司の人と一つ御協議下さることはできませんでしようかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/41
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042・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 実はその点についてはすでにたびたび議論が出ておりまして、如何にそういう人の受入れをいたすかということで、この場合に特例を設けるかどうかということが相当問題になつたのであります。併しながら今も仰せられましたように先例になるということがございます。それから検察官の地位とかその他、いろいろな問題もございまして、そういうふうな点からこの際特例を今認めるというところまでは決定ができませんで、将来の研究問題として差当りは現在の制度で可能の限りで運用するというふうな方針に今のところなつております。なおこの将来御趣旨の点を十分考慮いたしまして研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/42
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043・中山福藏
○中山福藏君 現在の制度で可能な範囲でとおつしやいますけれども、それが不可能になつたらどうなさるのですか。これは不可能になつた場合の救済措置というものを一応お考えになつておるのでしようか。そこはどうなんでしようか。現在の制度で可能なと言えば、可能なという範囲が明確だと思うのですね、これは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/43
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044・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 具体的に申しますれば、向うのかた、人でありますか、検察事務官でも結構であるというふうに申しておられるようでありますが、そういう地位として差支えのないようなかたはそういうふうな地位に迎え入れる。それでなければ、そのほかの例えば内地に引取つて適当な地位に置くというふうなことで、そういうことは不可能ではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/44
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045・中山福藏
○中山福藏君 どうもなんですね。別に私、検察のかたがたをいじめようという意味じやないのですよ。これはよくお聞きしておかないというと失職者を出して、最初から日本の政治に対して不満を抱くというようなことにならないように私お尋ねしておるわけですが、内地に引取つて適当な職につけるというのは、一体どういうところを予想して、如何なる職業を予想してそうういうお言葉をお使いになるのでし上うか。そういうことは一応最高検察当局の審議に上つたことがあるのでし上うか。又そういう予想されておる職業というのはどういう職業を予想されておるのでしようか。そこを一つ伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/45
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046・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) 予想される地位といたしましては、例えば最高検、高検の事務局或いは本省の刑事局、或いはこれはまあ検察関係なんですが、それ以外に例えば検察に或いはこの密接な関係のあるほかの法務省の矯正部門、或いはそのほかの部門を考えられるわけであります。でまだその点具体的にどういうふうな地位に振向けるかということは、復帰の時期も決定いたしておりませんので、具体的なところまでは運んでおらない次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/46
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047・中山福藏
○中山福藏君 この法律自体は、復帰の時期はわからずに私ども作つておるのですから、その復帰の時期がわからないからといつて、これだけ切離して、後日に残してこれを措置するのだということは聞えないと思うのです。いつ日本に復帰するか、アメリカは大体十二月の初めというようなことは世間に宣伝されておりますけれども、これとてもまだ明確な時期を現わしていない、結局復帰という言葉は、この法律では、出る以上はやはりそういうことを一つしつかりとおきめになつて、釘を打つておかれないと、あとで苦しいと、がたつくというようなぶざまなことでは困るので念を押しておるのですが、どうかそういうふうな時期はわからないということは抜いて頂いて、その点も一つ……。これ以上私は申上げませんが、どうか検察当局では十分手落ちのないように、そうして奄美大島が久し振りに日本に帰つて、日本はこういうような状態だということで物笑いを招かないように、どうか一つ御努力をお願いしたいということを申添えまして私は質疑を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/47
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048・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 私からも一、二点お伺いしたいと思いますが、三十度乃至二十九度線間に点在しております十島村の裁判管轄についてはどんなふうなお見通しを持つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/48
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049・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) その点は御承知の通り大島郡に従前属しておつた地域でございますので、今度その地域を今の鹿児島の簡易裁判所から名瀬に置かれるべき予定の簡易裁判所に移すかどうかということを検討いたしたのでありますが、この島民は十島村及び三島村二つの村になつておるのでありますが、両方とも現在の管轄を希望しておるということであります。灰関するところによりますと、鹿児島県ではこの両村を、薩摩郡でございますか、そちらのほうに編入するということを考慮しておるということのようであります。でそういうふうな事情もありましたので、今度はやはり名瀬に属させないで従前の通りにいたして参る、いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/49
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050・郡祐一
○委員長(郡祐一君) それから現地調査の結果等を聞きますと、復帰を見越して盛んに沖繩本島から奄美群島に密輸品、外国の自動車等の輸送が盛んに行われておるというふうに聞きますが、実情果して然りとせば、これが対策のことについて考慮されておる点があれば伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/50
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051・位野木益雄
○政府委員(位野木益雄君) その点は私実は先般政府調査団のうちに加わわまして、現地に参つて二週間ばかり調査いたして参つたのでありますが、それは復帰決定後そういうふうな自動車のような物の密輸が盛に行われるようになつたというようなことは聞かなかつたのであります。併しながらそういうふうな事態があり得るということも十分想像せられるのであります。でまあこの取締対策でありますが、検察関係といたしましてはまあやはり先ほど申しましたように陣容的に相当しつかりしたかたにやつてもらう、そうしてそういう点に十分注意して警察等とも連絡を十分にして、その取締りに当つてもらうということを考えておるわけでございますが、なおそれ以上の措置として、或いは国境附近に、国境といいますか今度新たに沖縄と接触することになつた地域附近に何らかの機関を置くとかいうこともこれは必要かということも考えられるのでありますが、現在のところは差当り今考えている構想で臨まして、なお将来いろいろそれで不十分だという事態が出て参りました節には、更に考慮いたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/51
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052・郡祐一
○委員長(郡祐一君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/52
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053・郡祐一
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。奄美群島復帰に伴う法務省関係法令の適用の暫定措置に関しまして他にも御質疑があるかとも存じますが、この辺で休憩をいたします。
午前十一時五十一分休憩
〔休憩後開会に至らなかつた〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101715206X00419531104/53
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