1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年四月二十日(火曜日)
午後零時九分開議
出席委員
委員長代理理事 加藤 宗平君
理事 小笠 公韶君 理事 武田信之助君
理事 松原喜之次君 西村 久之君
越智 茂君 山口 好一君
降旗 徳弥君 楠美 省吾君
加藤 高藏君 杉村沖治郎君
伊藤 好道君
山下 榮二君
出席政府委員
経済審議政務次
官 深水 六郎君
総理府事務官
(経済審議庁次
長) 長村 貞一君
委員外の出席者
専 門 員 円地与四松君
専 門 員 菅田清治郎君
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四月十九日
委員山下榮二君辞任につき、その補欠として伊
瀬幸太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
委員根本龍太郎君、前田正男君、南好雄君及び
伊瀬幸太郎君辞任につき、その補欠として越智
茂君、山口好一君、降旗徳弥君及び山下榮二君
が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員越智茂君、降旗徳弥君及び山口好一君辞任
につき、その補欠として根本龍太郎君、南好雄
君及び前田正男君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
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四月十七日
国土総合開発の促進に関する陳情書
(第二八三六号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
離島振興法の一部を改正する法律案(綱島正興
君外五十二名提出、衆法第二一号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/0
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001・加藤宗平
○加藤(宗)委員長代理 これより会議を開きます。
離島振興法の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑に入りたいと存じますが、その前に離島振興法の施行以後における経過につきまして経済審議庁当局より報告をいたしたい旨の申出がありますので、この際これを許します。経済審議庁次長長村貞一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/1
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002・長村貞一
○長村政府委員 それでは離島振興法の制定以後の施行経過につきまして簡単に御説明申し上げます。
離島振興法は昭和二十八年の七月二十二日に公布、即日施行された法律でございます。同年八月の二十二日に離島振興対策審議会令という政令が公布せられまして、続いて審議会委員が任命されまして、第一回の離島振興対策審議会は、昭和二十八年の十月八、九の両日に開催されまして、この審議会におきまして、この法律に基きます離島の指定基準をきめまして、同時にその基準に基きまして、第一次分として伊豆諸島外十一諸島を本法に基く離島として指定いたしました。第二回の離島振興対策審議会は、昭和二十八年の十月二十八日に開催されまして、第一次指定の離島に対しまして、昭和二十八年、二十九年両年度分の離島振興計画を決定いたしました。さらに離島としまして、第二次指定分平戸島外十九島を指定いたしたのでございます。第三回の離島振興対策審議会は昭和二十八年の十二月二十四日に開催されまして、第二次指定分のうち、さしあたり処理を必要とする粟島外十三島につきましての二十九年度の振興計画を決定いたしたのでございます。離島振興法に基きまする離島の指定その他の状況は以上の通りでございまするが、なお離島振興事業費は、二十八年度につきましては道路としまして三千七百八十万円、漁港一億九千九百二十五万円、港湾八千五十万円、合計三億一千七百五十五万円でございます。昭和二十九年度の離島振興事業費として計上されておりまするのは、道路が四千万円、漁港が二億八千六百万円、港湾が一億三千三百万円、離島電気導入事業費補助金千五百万円、合計四億七千四百万円、以上のようになつておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/2
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003・加藤宗平
○加藤(宗)委員長代理 この際質疑の通告がありますので、これを許します。武田信之助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/3
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004・武田信之助
○武田委員 私は離島振興法のただいまの改正点につきましては、もちろん何ら異議はありませんが、この機会にひとつお尋ねをいたしておきたいことは、北海道の問題でありますが、これは離島振興法はここにうたつてある通りに、後進性を除去するためにいろいろな施策を行う、こういうのが離島振興法の目的になつております。ところで北海道はもう全体的に後進性を持つておるわけでありますが、北海道全体の後進性を持つておるところに、さらに北海道に付属するところの離島は非常に後進性に富んでおる、こういうわけであります。そこで北海道は後進性があるばかりでなく、そのほかに北海道の豊富なる資源を開発する、あるいは広大なる土地を開発をして、食糧の増産をはかり、また人口の移入をはかる、こういうようなことで、特別に北海道開発法というものが制定されて、さまざまな開発をやつております。それはまことにけつこうでありますが、そのうちで北海道における離島というものは礼文、利尻あるいは焼尻、天売、奥尻こういうような離島がありまして、この北海道開発法と離島振興法というものとを比較してみますると、あらゆる点において開発法とよく似ております。政府の施策あるいは特別な助成という点におきましては相通ずるものがあるわけでありますが、そのうちでひとり道路の問題だけは北海道開発法では道路に対して六分の補助の率ということで北海道開発をやつております。しかるにこの離島振興法によりますと、道路の面では六分六厘という助成の率で振興するということになつておるわけであります。そこで北海道の離島における道路の面だけを離島振興法というこの法律によつて道路の開発をして行く、もちろんこの離島には鉄道一寸あるわけではありません。まつたくこれは道路よりほかに交通機関はないのでありますから、北海直のこの島々に対しても、離島振興法を適用して道路の改良開発をして行く、そういう場合には六分六厘の、北海道開発法よりもさらに恩典の厚い助成が行われる、こういうことになるわけでありますが、そうした場合に北海道全体から考えまして、北海道におきましても離島振興法を適用を受けたい、こういう要望がありました場合には、これに対して当然この法律に包含せられるものと考えるわけでありますが、この点について政府側の御意見をひとつ伺つておきたい、かように思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/4
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005・深水六郎
○深水政府委員 ただいま北海道についての御要望と申しますか、質疑と申しますか、まことにごもつとものことと思いますが、この点につきましては、さつきもおつしやられたように、北海道開発法でいろいろ北海道はやつております。しかしこの離島振興法というのが別にできまして、これを離島には適用するのが当然でございましようけれども、今までの実際上の問題といたしまして、北海道からまだ正式な提案もございませんし、ただ口頭でこういう島々があるがというお話はあつたのでございますが、それで北海道開発法とのいろいろな関係その他について検討して、そうしてまた申出をするというようなお話もございましたので、今のところまだ取上げてはおらないのでございますが、まだ正式には申出もございません。ただいま仰せのように、とにかく道路について三分の二ということでございますので、約六分の差がございます。しかし北海道庁内でいろいろ意見もあるようでございまして、意見をまとめて申し出て参つたならば、審議会としていろいろ取上げられると思いますが、まだその段階まで行つておりませんし、ただ北海道だけでいろいろ検討されておる段階にあるのではないか、かように考えております。私たちといたしましては、申出があればこれを取上げて何らかの措置をしなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/5
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006・武田信之助
○武田委員 質問はそれだけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/6
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007・加藤宗平
○加藤(宗)委員長代理 杉村沖治郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/7
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008・杉村沖治郎
○杉村委員 私は法律を改正することには反対するものではありませんが、ただこの離島振興法の第九条の第二項の終りに、本文の末尾がこれこれ「にかかわらず、別表の通りとする。」と、こういうことになつておる、それにもかかわらず、ここへことさらに港湾法の五十二条を括弧して挿入し、さらに「第四十二条第一項及び第三項」の次に、港湾法の(第五十二条第二項において準用する場合を含む。)という括弧を挿入する。こういうようなものを挿入して、この規定にかかわらず別表の通りにするということになつておるが、ここにそういうことを挿入しなければならないのはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/8
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009・長村貞一
○長村政府委員 現在ございます本法の九条第二項が、お話の通りに、これこれの規定にかかわらず、別表の通りとする、このかかわらずという字を使つてありますのは、港湾法あるいは漁港法その他のここに列挙してございますそれぞれの法律で一定のきめはあるけれども、本法によつて特別に別表の通りに高い率をきわめるということが九条の意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/9
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010・杉村沖治郎
○杉村委員 そこでかかわらないのだつたら、あつてもなくてもよいということになるんじやないですか。改正案を見ますと、「第九条第二項中「第四十二条第一項及び第三項、同法第四十三条第二号及び第三号」を「第四十二条第一項及び第三項(第五十二条第二項において準用する場合を含む。)、同法第四十三条第一項第二号及び第三号、同法第五十二条第三項」に改める。」こうなつておるのですから、それならば第二項をこういうふうに改めてしまうのか。あなたの考えはわかつておるのだが、ここのところは法律の体裁としていかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/10
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011・長村貞一
○長村政府委員 お話のように書き方がややつこしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/11
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012・杉村沖治郎
○杉村委員 私はこういうふうに書いたら一番簡単じやないかと思うんです。つまり第二項の、「第五条第一項の離島振興計画の事業に要する費用について国が負担し又は補助する割合は、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第四十二条第一項及び第三項、」の次に(第五十二条第二項において準用する場合を含む。)と挿入し、ついでさらに「第四十三条第一項第二号及び第三号、」の次に「第五十二条第三項」を加えるとしたならば、少しも問題はないじやないか、そういうふうにすれば、だれが読んでもわかると思います。それはわかりやすいようにすることの意味ですが、それにしても、このかかわらずという文字がある以上は、こういう内容のものをここに書いてあるけれども、それにはかかわらないでこちらのこの通りやることになれば、ここのかかわらないところに何の必要があつて入れておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/12
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013・長村貞一
○長村政府委員 そのかかわらずという表現は、問題の現在の離島振興法それ自身から使つておりますので、そこに一つの問題があろうと思います。現在の港湾法なり漁港法なり道路法で、国の負担あるいは補助についてのある割合がすでにきまつておる。これが普通の場合でありますが、離島振興法は、それの特例として離島について第一条にあるような目的及び趣旨によつて、その補助率なり国の負担率を高くしよう、一般原則に対して特別な一種の優遇措置をとろうというのが本旨だろうと思います。そこでその趣旨を明らかにいたしますために、原則として港湾法、道路法、漁港法等にはこれこれの規定があるが、それにもかかわらず離島振興法という特別の法律によつて別表のようにするのだというのが現在の規定の体裁であります。そういう体裁のところに、今度の改正法で五十二条三項に当ります補助率の改正をやるわけであります。この改正法律で見ますと、条文だけ並べてありますので、はなはだ読みにくいのでありますが、改正された後の条文の体裁を見ますと、現在の体裁と同様に港湾法、漁港法、道路法等のそれぞれの法律の原則的な補助率あるいは負担率は、特別に別表のような高い負担率なり補助率をきめるのだということになりますので、従前の立法形式を考えると、こういう体裁がよいのではないかと思つておるわけであります。実質は、お話のようにむしろ別表にきめるところが中身でありまして、それが本法の本旨とするところで、その別表の中身が一般法であります港湾法、漁港法、道路法の特例であるという趣旨から、これこれにもかかわらず別表の通りにするという体裁になつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/13
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014・杉村沖治郎
○杉村委員 これ以上問答はいたしませんが、ただこれにかかわらずこれこれによるという場合には、こちらのことは関係ないのです。たとえばこれは十円である。しかしながらそれにもかかわらずこれはこれこれによるのだという場合に、十円であると規定すればよいわけでしよう。それにもかかわらず——かかわらずというところにさらに入れてやつたからといつて、それがために補助金がふえるとか減るとかということは起つて来ないと思います。私はそれを言つておるのです。ここは少しおかしいのではないですか。
次に別表の改正ですが、一つの体裁だが、別表は一、二、三とたくさんある。別表のどれをということを改正の場合には言う必要があると思う。別表中のどの別表ですか。法律を改正するときには、別表の第一とか、第二とか、第三とかいうことを表現することが必要じやなかろうかと思うのです。これは別表中でありましよう。これは私の方から言うと、そんなことは言わなくてもわかつているじやないかということになるかもしれませんが、法律の解釈となつて来るとそうではないのですから、これは別表中括弧一の改正だと思うのですが、別表中括弧一の本文をこういうふうに改正するわけでしよう。そういうふうに体裁を整えることが法律の改正上必要じやないかと思う。あなた方のお腹の中はよくわかつています。これは答弁いただかなくてもけつこうですから、ひとつそういうふうにやられることが必要じやないかと私は思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/14
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015・加藤宗平
○加藤(宗)委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/15
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016・武田信之助
○武田委員 動議を提出いたします。ただいま議題になつております離島振興法の一部を改正する法律案は、すでに十分質疑を終了したと考えますので、この際質疑を打切り、討論を省略してただちに採決に入られんことを希望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/16
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017・加藤宗平
○加藤(宗)委員長代理 ただいまの武田君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/17
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018・加藤宗平
○加藤(宗)委員長代理 御異議ないものと認めまして、本案につきましては質疑を打切り、討論を省略してただちにこれを採決いたします。
離島振興法の一部を改正する法律案を、原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/18
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019・加藤宗平
○加藤(宗)委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
次に、本案に関する委員会報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。
本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
午後零時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904073X01919540420/19
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