1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年三月十三日(土曜日)
午前十一時九分開議
出席委員
委員長代理 理事 瀬戸山三男君
理事 内海 安吉君 理事 田中 角榮君
理事 中島 茂喜君 理事 志村 茂治君
逢澤 寛君 岡村利右衞門君
高田 弥市君 赤澤 正道君
村瀬 宣親君 三鍋 義三君
山下 榮二君 佐竹 新市君
出席政府委員
大蔵事務官
(理財局長) 阪田 泰二君
建設政務次官 南 好雄君
委員外の出席者
建設事務官
(住宅経済課
長) 鮎川 幸雄君
専 門 員 西畑 正倫君
専 門 員 田中 義一君
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三月十一日
委員三鍋義三君辞任につき、その補欠として山
崎始男君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
委員山崎始男君辞任につき、その補として三鍋
義三君が議長の指名で委員に選任された。
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三月十二日
船越水道開さく工事施行に関する請願(長野長
廣君紹介)(第三三七五号)
桐生川改修工事反対に関する請願(山田長司君
紹介)(第三三七六号)
道路工事につき国の直轄工事継続施行に関する
請願(中島茂喜君紹介)(第三四〇五号)
ヌツチ川改修工事施行に関する請願(椎熊三郎
君紹介)(第三四〇六号)
鳥の海護岸工事施行に関する請願(内海安吉君
紹介)(第三四〇七号)
大高根射撃場使用による特別損失補償に関する
請願(松岡俊三君紹介)(第三四三五号)
長磯、白泉間の道路改修工事施行に関する請願
(川村善八郎君紹介)(第三四八九号)
海岸浸しよく防上対策工事施行に関する請願(
山崎岩男君外三名紹介)(第三四九〇号)
道路整備費の財源等に関する臨時措置法による
予算措置に関する請願(田中好君紹介)(第三
四九一号)
保津村住宅地帯堤防等改修工事施行に関する請
願(田中好君紹介)(第三四九二号)
鳥羽地内上桂川右岸堤防補強工事施行に関する
請願(田中好君紹介)(第三四九三号)
大藪地内上桂川右岸堤防災害復旧工事施行等に
関する請願(田中好君紹介)(第三四九四号)
幡豆郡の災害復旧工事施行に関する請願(中野
四郎君紹介)(第三四九五号)
年谷川下流改修工事施行に関する請願(田中好
君紹介)(第三四九六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七八号)
災害復旧に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/0
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001・瀬戸山三男
○瀬戸山委員長代理 これより会議を開きます。
ただいま委員長が不在でありますので、理事であります私がかわつて、暫時委員長の職務を代行いたします。
住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入りますが、質疑は通告順に従つてこれを行います。内海安吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/1
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002・内海安吉
○内海委員 去る九日、師岡住宅局長から提案理由の説明がありまして、概念的にはよくわかつたのでありますけれども、これが実施の上において、多少の支障を来すのではないかというような点があるように思いますので、この機会に二、三の質問を試みたいと存じます。
今度の公庫法の改正は、むしろおそきに失するきらいがあるのでございます。これが実施をするにあたりまして、特に適切な措置を要すると考えられるものが、数々あると思われるのでありますが、これに対して当局はいかなる準備と対策を持つておられるか、具体的にこの機会に御説明を得ますならば、本案の審議の上においてもまことに円滑に進めることができると思うのであります。ひとつ具体的に、詳細に御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/2
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003・鮎川幸雄
○鮎川説明員 ただいま御質問のございました改正案の実施のための準備の点でございますが、この法律の改正は、従来の公庫法において定められた貸付条件その他の変更が主になつているわけでございまして、大部分は、従来の既定計画の範囲内において貸付をやります際に、条件等を変更いたしてできるわけでございます。ただ宅地対策として取上げております土地の開発造成事業につきましては、若干の資金を必要とするわけでございますが、ただいまのところ、その資金につきましても、さきに衆議院を通過いたしました予算の範囲内において実施する考えでございまして、土地の開発造成事業につきましては、二十九年度においては既存約二十万坪程度の開発事業を行う予定でございます。これに要する資金につきましては、二十九年度の事業計画の範囲内におきまして、その資金繰りをやつて実施いたす予定をいたしております。実施のやり方の詳細な点につきましては、ただいまその準備をいたしておりますので、若干変更はありますが、大体そういう程度で考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/3
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004・内海安吉
○内海委員 私の承りたいのは、どういう方向に向つておやりになるのか、一体どんな準備をされているのかを承つているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/4
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005・鮎川幸雄
○鮎川説明員 この法律の実施の準備につきましては、この法律が通過いたしますれば、これに基きまして、それぞれの項目について業務方法その他を整備して実施するわけでございますが、先ほど申し上げましたように、この改正の大部分は、従来の条件をいろいろかえてやるわけでございまして、それさえできれば、できるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/5
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006・内海安吉
○内海委員 ただいまの御答弁に満足することはできませんけれども、いずれ局長がお見えになつてから……。
これに関連して、従来住宅公庫による住宅の建築の実績、これの長所と短所について、具体的に御説明ができますならばこの機会に承つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/6
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007・鮎川幸雄
○鮎川説明員 ただいま御質問のございました住宅金融公庫の実績について、まず御説明申し上げます。御承知のように、公庫は昭和二十五年の六月に創設されまして、二十九年度において五年目を迎えるわけでございますが、昭和二十五年以来大体毎年五万戸ないし六万戸程度の住宅の建設をいたして参つたわけでございまして、二十九年度未になりますと、大体二十五、六万程度の住宅金融公庫資金の支出による住宅が建設されるわけでございます。住宅金融公庫による住宅は、御承知のように一般の金融機関から融資を受けられないいわゆる勤労階級が、自己資金のみによつては住宅を建設できない場合に、その不足分に対して国が、八割程度の融資をいたして住宅を建設いたしているわけでありまして、これによつて各個人は大部分持家として住宅金融公庫の資金によつて相当の住宅を建設されて来たわけであります。なおそのほかには、いわゆる賃貸住宅と申しまして、公共団体等が頭金を出しまして、その残額について公庫が融資をいたし、鉄筋のアパートを建設したしまして、比較的に安い家賃で賃貸住宅を提供いたして来たわけでございます。このように一般勤労階層に対して持家を提供いたし、また低い家賃の貸家を建設して参つたわけでございまして、こういう制度によりまして、なかなか建てられなかつた住宅が相当建設されたことは、いろいろな面において公庫の持つている大きな一つの使命であり、また過去において果した業績であると思うわけであります。
ただ、こういう従来のやり方におきましても、いろいろな問題が出て参つたわけであります。たとえば土地の値上りあるいは建築費の値上り等によりまして、従来階層がなかなか利用できなくなつて来たというような面が見えて参りましたので、従来の勤労階層がこの公庫を従来通りに利用できるようにというような面におきまして、今般の改正案を出したわけでございます。こういう点において、改正が実現されますならば、従来の階層が広く公庫資金を利用できまして、良質堅固な住宅が建設されるものと期待いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/7
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008・内海安吉
○内海委員 もう二点ばかりお伺いいたします。市街構成並びに市民生活便益の観点から、もう一つ承つておきたいと思います。従来土地取得の困難性と個人住宅の建築等から、道路、水道、下水、電気、ガス等の公共あるいは公共的施設に恵まれない多くの住宅が建設せられ、市民の不利、不便と、公共団体の負担増大の伴つた傾向が認められたのではないかと思うのであります。この点に対して、十分御注意を払われたことと思うのであるが、これらの傾向に対して一体政府はどんな考えを持つておられるか、この点をちよつと承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/8
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009・南好雄
○南政府委員 お答え申し上げます。内海委員の御質問は、まことにごもつともな御質問でございますが、今までの公庫の貸付け条件は、御承知の通り、主として土地を持つておつて、それの上に建てる建築費がない方を、まず第一段に置いて救つて行つたわけであります。ところが御承知のように、建築費もそう予定されたように安く上らぬというような例がいろいろございます。のみならず、自分の住宅でございますので、希望もいろいろ加わつて参りまして、とかく建築費というものがかさはつて参ります。その結果、土地を買う方面の費用などはなるべく少くするということで、御指摘になるような地価の安いところというふうになつて参りますので、公共団体の負担とか、あるいは市民生活としては非常に不便なところに、とにかくこういう種類の建物が建つという結果も免れ得ないのではなかろうかと思うのであります。しかしそういう一段のことが済んで参りますと、ただ単に土地の問題を考えずに住宅だけを対象にするという貸付けの方法では、解決できない面が出て参りますので、先舞提案理由にも御説明申し上げましたように、土地についても相当考慮して、できるだけ利便をはかりたい、こういうふうに今度の改正でなつて参つたのであります。従つて、土地購入資金についても、相当程度に貸付けの対象になるということになりますれば、実際問題といたしましては、よほど上手にやらなければならぬと考えておりますが、一応土地問題につきまして、比較的市民生活に不便でないというところにつきましても、一応貸付けの対象になつたことは、住宅問題解決の一つの進歩でないか、こういうふうに考えております。御指摘の通り、過去における貸付け条件のきゆうくつさから、市民生活を割方享有できない方面にこういうものが建つたという傾向は、確かにあつたと考えられるのでありますが、今度の改正によりまして、そういう点もある程度解決されるのではないかと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/9
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010・内海安吉
○内海委員 土地の取得、造成あるいは譲渡に関して、省内においてもいろいろな御議論があるやに承つております。もちろん省内の協力をはかることは先決問題でありますが、これと同時に、地方公共団体の積極的協力が必要であると考えられるのであります。これに対しての建設省としての準備はどの程度まで考えられておられるか、その点を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/10
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011・南好雄
○南政府委員 お答え申し上げます。御承知の通り最近の傾向といたしましては、国民の衣食住中、何と申しましても、この住宅問題が緊急に解決をしなければならぬ社会問題として、最も重要なものでなかろうかと考えるのであります。そういう意味合いにおきまして、あるいはこの程度の予算計上とか、あるいはこの程度の計画では、お前の言うほど政府は力を尽していないという御非難もございましようが、現下のいろいろな財政事情その他の点から考えまして、政府といたしまして精一ぱいのところをやつたわけであります。この通り国の中央機関が考えておりますように、地方団体も協力してやつてくださいますならば、私は住宅問題を解決できるのじやないか、こういうふうに考えておりますが、地方団体の財政状態その他の状態から、必ずしも国が考えておるほど協力しなかつたというのも、間々ある実例でなかろうかと考えております。しかしながら御承知のように現在の法律体制のもとにおきまして、国の予算面の考慮とかいろいろなことを、よほど積極的に考えなければ、公共団体については強制するわけにはなかなか参りかねる。従つて、補助の条件で、あるいは公共団体に国の政策に協力させるように、できるだけ間接強制のような形でやつて行く、こういうことになつて参るのであります。しかしこういう段階が一段落済みますれば、またより以上の方法で解決しなければならぬ面も出て参るど考えますが、現段階におきましては、今のような方法で相当程度の効果はあげ得る、こういうふうに考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/11
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012・内海安吉
○内海委員 南次官のお言葉はよくわかります。ぜひその御方針でお進みを願いたいと思います。
なお、融資についてでありますが、地方公共団体を優先して計画的に不燃住宅の推進を期することが、最も重要ではないかと考えられるのでありますが、要するに、この不燃住宅政策についてお考えがありましたら、この際御所見を承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/12
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013・南好雄
○南政府委員 お答え申し上げます。この住宅問題につきまして、従来のような木造家屋でやつて行くという考え方について、いろいろの問題を勘案して参りますならば、できるだけ耐火耐震にかえて行かなければならぬことは、お言葉の通りであります。そういう意味合いにおきまして、いわゆる住宅政策に関連を持ちまする不燃化地帯に補助金を出す、あるいは北海道の耐震耐火の特別の法律をつくるというような方法によりまして、そういう方面のこともあわせ考えて推進しておるのでありますけれども、将来の見通しといたしましては、もつと力を注いで耐震耐火の建物にして参らなければ、今後の住宅問題は解決しないというように、私個人といたしましては考えておるような次第であります。できますことならば、住宅問題は、外国がやつておりますように耐震耐火の建物にかえて行く。ただ、今まで日本がやつておりましたような住宅を、急激にこれを変更して参りますと、相当つり合わぬ面が出て参りますので、勢い微温的にならざるを得ないのでありますけれども、国の方向といたしましては、将来は国の施設として耐震耐火のものしかやらないように持つて行かなければならない時期が間もなく来るというように、私自身考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/13
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014・内海安吉
○内海委員 建設大臣は、住宅または土地の譲渡、移譲について、譲受人の資格、譲渡の方法及び譲渡価額、これらを規制することができるようになつておるようでありますが、これらに対していかなる対策を持つておるか、たとえば既成市街地内に多層家屋建築を行う場合、原住者を優先収容する措置について、住居者と地主、貸家人等の関係は、きわめて困難な場合が起ると思われるのであります。これもやはり本法案審議にあたつては最も重大な点だと思うのでありますが、これらの点に対していかなるお考えをもつて臨まれるか承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/14
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015・鮎川幸雄
○鮎川説明員 土地の造成事業によりましてこれを譲渡いたします際に、譲渡方法あるいは譲受人の資格、譲渡価額等につきまして、規制をいたすことになつておるわけでありますが、この趣旨は、申すまでもなく住宅金融公庫の資金は、国家公共の資金でございます。また低利資金であるわけでございます。従いまして、その資金によりまして利益を企図するという事業に、これを貸し付けるということには行かぬわけでございます。従いまして、この譲渡されます土地が、できるだけ安い価格で、また公庫の利用者として考えられる者にこれが譲渡されることが主たる目的でございますので、この目的に合いますように譲渡価額、譲渡方法等につきましては規制をいたしたいと考えておるわけでございます。その詳細につきましては、省令等によりまして規制をいたす考えでございますが、先ほど御質疑がありました点につきましては、その際にいろいろ検討いたしまして、十分に考慮いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/15
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016・内海安吉
○内海委員 住宅払底の現状からするならば、一つの世帯でも多く、一戸でも多く住宅を供給することが理想でなければならぬのでありますが、国がこれらに対して融資する以上は、住宅建築の居住単位、規模を規正し、構造について指導的措置をいかに考慮しておるかということが、われわれの聞きたいところであります。大なる単位規模のものに対して、融資上の規正をどういうようにお考えになつておるか、これまたこの機会に明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/16
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017・鮎川幸雄
○鮎川説明員 ただいまの住宅の基準に関する問題でございますが、これにつきましては、従来におきましても融資によつて建設されますところの住宅が一定の規格以上であるように、これは公庫におきましても業務報告書に基きまして、これを規定いたしておりまして、住宅の主要なる部分につきましては、その基準以下であつてはならないように指導いたしておるわけであります。そのやり方につきましては、今後ともこれを踏襲いたしまして、さらに実情に合うようにいたすというふうに考えておりますとともに、なお改正案につきましては、第十九条の二におきまして、多層家屋の敷地の基準等につきましては、この基準を守つてやれるように、さらにこれを追加いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/17
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018・内海安吉
○内海委員 先ごろの住宅局長の提案理由説明によつて、おおよそはわかつておるのでありますけれども、なおただいままでの御説明は、私の考えておるところとほぼ一致しておるのでありまして、どうぞ当局においてもこの線に沿うて十分細心の注意を払つて、本法の運営を願いたいということを希望いたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/18
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019・瀬戸山三男
○瀬戸山委員長代理 志村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/19
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020・志村茂治
○志村委員 いろいろ前の委員の質問と重複いたすかもしれませんが、なるべくそれを避けて、こまかい点でありますが二、三の点についてちよつと申し上げたいと思います。
まず第一に第十七条の第四項に「公庫は、貸付金に係る住宅の建設を容易にするため必要があると認める場合においては、土地を取得し、造成し、及び譲渡する事業又は土地を造成し、及び譲渡する事業を行う会社その他の法人並びにこれらの事業を行う地方公共団体に対し、土地の取得及び造成又は土地の造成に必要な資金を貸し付けることができる」。−この中に「会社その他の法人」ということが書いてございますけれども、一般の公共団体だけでなくて、法人に対しても土地の開発造成等に融資をされるということになりますと、要綱にその業務を実施するに適切なる組織と能力を有する法人というふうに、ただ抽象的に書いてございますが、これをどういうふうに解釈されるのであるか。たとえば電鉄会社あたりが、その路線の近くに新しく土地を買い、これを分譲するということで、ある程度思惑的な営利本位の考え方から土地を買収する場合もありますが、そういうようなものに対しても融資をされるのであるかどうか。もし、されるということになつたならば、はたして所期の住宅を建設するための目的に合うかどうかということに、大きく疑問がかかつて来るのでありますが、融資する先の法人の資格については、どういうふうにお考えになつておるかお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/20
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021・鮎川幸雄
○鮎川説明員 土地の開発造成事業を行います会社その他の法人というものは、どういうものであるかという点の御質問でございますが、これは先ほども申し上げましたように、開発造成いたしました土地が、できるだけ低い価格で譲受人の手に渡るということがその目的でございますし、さらにその目的を果しますためには、先ほども申し上げましたように、譲渡方法、譲渡価格その他の点について制限をいたしまして、利益を目的とする造成事業、あるいは譲渡事業ということは行えないようになつておるわけであります。従いまして、この条件に基きまして、この事業を実施できますところの団体は、地方公共団体とか、公共団体が出資いたしました公益的な法人でございますが、なお、それ以外の法人におきまして、ただいま御指摘がありました電鉄会社などにおきましても、こういう目的と、こういう方法に沿つてやるということになりまして、これによつて利益を得るということがございませんならば、考えられると思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/21
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022・志村茂治
○志村委員 次に附帯事業として、公庫が建売りをやるということが書いてございますけれども、これは一時金によつて支払わせるのか、あるいは割賦販売等の方法によつてやらせるのかできれば最近の住宅の事情から考えまして、割賦販売の方法によつてなるべく住居者の負担を少くするということが、趣旨に合するのではないかと思うのでありますが、公庫としてはどういう方針でやられるのか、それを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/22
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023・鮎川幸雄
○鮎川説明員 公庫の附帯業務といたしまして、公庫がみずから直接に土地を取得いたしまして、住宅を建設することができるようになつておるのでありますが、この趣旨は、もちろん土地対策上の問題として出たわけでございます。従来公庫におきましては、附帯業務といたしまして、住宅の設計工事に関する指導、または土地のあつせん等を行い得るようになつておるわけでありまして、こういう事業を行います際には、公庫におきましても、みずから直接に土地を取得して造成する必要がある場合も出て参りますし、またそういう土地に住宅を建てまして分譲するということで、たとえばモデル・ハウスをつくるというようなこともございます。広大な土地をあつせんいたします場合、またそれを譲渡いたしますような場合には、数軒の家を建てまして、これを譲渡するということも考えられるわけでありまして、そういうような場合に、こういう業務ができるということにいたしたわけでございます。その際に譲渡いたします場合には、主として従来の公庫の利用者というものが対象になるわけでございますかう、その利用者の負担に耐え得るような方法でやらなければならないと考えておるわけでございますので、お説のように長期の割賦分譲の方式になると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/23
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024・志村茂治
○志村委員 私の希望いたしますことは、今の住宅事情から考えまして、割賦販売もよろしいのですがさらに一歩を進めて、この住宅金融公庫が貸家建築までするというところまで、一歩前進していただきたいと思うのでありますが、今のところはそういう規定になつておりません。できれば、そういうふうな形に持つて行つていただきたいと考えておるのでありますが、建設省ではどういう方針でおられますか、それをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/24
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025・鮎川幸雄
○鮎川説明員 もちろん、公庫におきまして直接に貸家事業を行うことも、当然考えられるわけでございまして、またこの方法も、私どもは必ずしも悪いというふうには考えていないわけでございますが、ただいままでの住宅金融公庫におきましては、住宅金融という方式によりまして、住宅建設のための資金を融資いたしまして、それによつて住宅建設をいたして参つたわけでございますので、一応従来の方式に基く建前から、現在まではこの程度にいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/25
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026・志村茂治
○志村委員 現在までは、この法律案に出ておりますのは、そういうふうな御趣旨でありますけれども、最近の住宅事情から考え、またそれに入居する階級、階層の生計費等から考えまして、できることならば貸家住宅の建設まで進んでいただきたいというので、その希望に対して、建設省では、将来のお考えとしてはどういうふうになつておるかということを、お伺いしたいのてあります。
それから次には、中層家屋と高層家屋の貸付金の利率でありますが、中層家屋の場合には年五分、それから高層家屋のものは年四分五厘で、いずれも資金運用部資金の金利よりも安い金利で貸し付けられることになつておりまして非常に低利であります。低利であることはまことにけつこうでありますが、ほかの貸付金に比較して特にこれが非常に安い金利に置かれておるという理由はどこにありますか、その二点の御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/26
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027・鮎川幸雄
○鮎川説明員 ただいまの御質問の基礎になりましたのは、おそらくこの改正案が作成される相当前におきまする要綱ではないかと思います。以前におきましては、中層家屋ないし高層家屋というふうにわけまして金利を考えたらどうかというような問題も、検討されておりましたけれども、ただいま国会に提案されております改正案におきましては、金利は従来通りの金利になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/27
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028・志村茂治
○志村委員 もう一つ。これは今提案されておる法律案とは別な問題でありますが、実際に公庫住宅をつくつた人々が、自分の名前でくじが当つたけれども、それを友人に譲るというような方法——債務の譲渡といいますか、そういうような形で融通がつけられておるのであります。ところが今の公庫の業務規定ではそういうことが行われないようになつております結果、譲り受けた人は、いつまでも自分の名義にはならない、譲渡した人間は、いつまでも自分が責任を負わなければならないというようなことで、非常に実際上不便を来す計画か多いというようなことも聞きますが、そういうような場合に、ある程度内部の業務規定を緩和するなどの方法によつて、便宜をはかつてもらうようなことをお考え願えますかどうか、その点をお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/28
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029・鮎川幸雄
○鮎川説明員 ただいま御質問のありましたのは、公庫の抽籤に当りまして権利を持つておる者が、ほかの者に譲るというような場合、これをできるだけやりやすいようにしたらどうかというような御質問の趣旨のように伺つたわけでありますが、従前まで、公庫といたしましては、御承知のように抽籤という方式で公庫の申込人のまず第一の資格を定めておつたわけでございまして抽籤に当りました場合には、原則としましては、当つた方を最後まで契約の対象といたして考えて業務を進めておるわけでございまして、もし途中におきまして当つた方が権利を放棄するというような場合には、原則としてこれは公庫におきましてその権利者を名簿から落しまして、その分は、さらに譲るという方法ではなくて、公庫の方にこれを一括いたしまして、たとえば災害の場合とかその他にまわしておるわけでございます。ただ、住宅が建設に着工されましてから以後にいろいろ問題が起りまして、最終的に建設が完了できないというような場合には、この建築物を完成させるというような建前から、そういう場合にのみ、できるだけ権利を他の同じような資格の人に譲るということも認めておるわけでございますが、そういう場合に、もしいろいろ不便な点がございましたり、やりにくい点がございましたり、やりにくい点がございましたならば、さらに私どもといたしましても、やり方については検討いたしまして、できるだけ問題がないようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/29
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030・志村茂治
○志村委員 先ほどからの質問に御回答願えなかつた点が一つあります。住宅金融公庫が将来貸家建築まで進まれるお考えがあるかどうか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/30
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031・南好雄
○南政府委員 住宅問題についての志村さんの御質問の将来の見通しでございますが、住宅金融公庫が将来貸家まで建てるような方向に進むことの問題につきましては、私はいろいろ議論があると思います。しかし心持といたしましては、非常に重大な問題でもあり、政府といたしましても、できるだけこの住宅問題を取上げて解決して行くという心構えの上からいいますと、将来はやはり住宅金融公庫におきまして貸家も建てて貸して行くというようなふうにならざるを得ないものと私は考えております。考えておりますが、現段階におきましては、まだいろいろの議論がある、こういうふうに考えておるわけでございまして、いずれは住宅金融公庫のごときは、自己の名において自分の建物を建て、あるいはまた純営利的でなくて、相当公共的な意味を持つたものの住宅対策が一段落済むということになつて参りますれば、住宅金融公庫のごときものは貸家まで出て参るべきものというふうに私たちは考えておるわけであります。ただ、今の段階におきましては、そこまで行くよりも、民間資金を動員してできるだけ事業量を増大するという意味合いにおいて、まだそこまで行くのは早い、こういうふうに私たちは考えておるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/31
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032・志村茂治
○志村委員 ただいまの国民の所得状態からみまして、特に勤労階級の家計費の内情から見まして、自力で住宅を建てるということは、きわめて困難な状態でありますし、金融公庫から融資を受けて自分の家屋を建てるという階層は、以前では自力で住宅を建てる力のあつた階層の人々であるという状態であります。従つて、国民生活がだんだん窮迫するに従つて、それらの人たちは次第に減つて来て、やがて住宅金融公庫で融資を受けて自己のうちを建てるという人は、だんだん減つて来るというような現状であります。それに反比例して、貸家の要求はますます多くなつて来るというのが現状でありますから、先ほどお話になりました将来貸家を建てなければならないような情勢になるかもしれないという意味は、非常に重大なものと私は考えております。従つて、そういうようなことは、将来試みとしてはやつて行きたいというお話につきまして、私は非常に満足するものであります。そういう手段をできるだけ早くとつていただきたいということをここにお願い申し上げまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/32
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033・瀬戸山三男
○瀬戸山委員長代理 田中角榮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/33
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034・田中角榮
○田中(角)委員 本日は大臣がおいでになつておりませんから、南政務次官に意見を申し上げて、この次ぐらいの委員会において結論を得たら、省議にかけて研究していただきたい。
というのは、今度住宅金融公庫法の一部を改正する法律案が提出をせられておりますが、現在は字句の修正とか条文を整理するとか、こういうものをお出しになる段階ではなく、もうすでに住宅金融公庫法そのものを抜本的に再検討しなければならないときじやないかということを、前から申し上げておるわけであります。土地がないから、土地に対しても融資の対象にするとか、七割五分ではもう建たないから、八割にする、八割五分にする、九割にする、やがて全額を貸すということになるでしよう。そればかりでなく、償還年限も十五年を二十五年にし、三十年にし、やがて百年になるだろう。しかも償還金が返せない場合は、これを別途に免除する方法も考えようというように、こういう考えをどこまでも続けて行くということは、正しい行き方じやないと私は考えておるのです。日本の住宅事情が非常に悪いことは、言うまでもないのでありますが、先進国は日本よりももつと合理的なやり方を現在やつております。絶対量が足りないから、小さなものをたくさんつくる。もっと端的にはつきり表現しますと、安かろう悪かろう、やがて十五年後、二十年後になって、償還期限が切れるときには、もうくず家になってしまうのではないかというような、こういう住宅行政は、やはり抜本的に再検討しなければいけないと私は考えております。そういう意味において、当委員会でも前にいろいろな議論をしておつたようなわけでありますが、住宅金融公庫の行き方をもう少し根本的に考える場合には、今の公営住宅法にいる公営住宅のある部面とこれを一つにして、特に人口稠密な都市等に建設する場合には、不燃建築でなければならないという方向に持つて行くべきだ。しかも、この資金の問題には、ただに一般会計からの財源だけにたよらないで、いわゆる損害保険の剰余金をもつて住宅建設を行うというようなことを、イタリアでもやつております。そういうように、少し根本的な問題を考えて、将来の国富を増す、しかもそれが都市計画の一環となるような方向に持つて行くべきだと思います。今のような状態でこの法律を通して行きますと、土地の値上りというものは、うなぎ登りになります。まつたく平面都市であつて、やがて十年後には、東京から高崎までは東京都になつてしまうだろう。こういう状態を続けるべきではない。もうすでに建設省は、こういう法律を出す場合には、少くともこの時期においてはこういう法律をこういうふうに改変するのだという一つの軌道と目標をもつてやらなければいけない。私は前からそういう意見を申し上げておるのでありますが、どうも絶対量が足りないから、いたちごつこをするような考えより一歩も出ないのであります。すでに先般の委員会でも申し上げた通り、土地の値段を下げ、都市は立体都市にしなければいけない。そのためには、耐火建築促進法、住宅金融公庫法、公営住宅法、官庁営繕法、この四つの法律を組み合せることによつて、こういう目的は達成せられる。だから、ここで思い切つて都市における土地の収用を行うというような太い線を打出して、少くとも人口十万以上ぐらいの都市に建てられるところのものは、不燃構造物でなければいけないとか、しかも規格によるところの四階十一メートルにするとか、十二メートルにするとか、物価の値上りを十分押え得るだけの措置が講ぜられるわけであります。もうすでにその段階ではないかと思います。特に今他の委員諸君も言われたように、実際上頭金を出して自分のうちをつくるということは、なかなかむずかしいようであります。無理をしてつくつても、償還ができなくなる。できなくなるから、途中で売り飛ばしてしまう。今課長が平たく答弁をしておられましたが、実際抽籤には当つたけれども、建てられない。建てられないから、事実は売り飛ばしておる。全然住宅金融公庫の帳面に載つておらない人が所有権を持つておるのが、たくさんあります。これは事実なんです。だから、あつてはならないものがあるので困つたものですということだけで、こういうものを片づけるわけには行かない。必然的にうちはつくれないという状況になつておるのです。私はそう言うことを考える場合に、住宅金融公庫は、今までの住宅金融公庫の精神よりも別な面にその本筋を求めて、場合によつては、住宅金融公庫が規格による共同住宅を建てて貸すという方面に、根本的に切りかえてもいいのではないかと思う。私はそういうことを真剣に考えておるのです。だから、ただ、今までの住宅金融公庫に対する観念そのものを引継ぐというようなことではなくて、場合によつては、都市におけるものは、住宅金融公庫法の抜本的改正によつて、五大都市でも十六都市でも、あるいは二十の都市でもよろしいですから、ある一つの規格以上の都市に行う業務だけは貸家に切りかえてしまう——これは少し荒つぽい理論ではあるが筋の通つた議論なんです。そういうように、もう少し真剣にものを考えないと、ただ土地がないから土地にも貸そう、金がないから十割貸そうということには、どうも賛成しがたい。こういうことについて、今すぐ建設省の意見をまとめろと言つても、まとまるわけではありませんが、やがてこの法律案の審議が終るまでに、住宅金融公庫の幹部諸君にも御出席を願つて、こういう根本的な問題に対して討議を行いたいという考えを持つておりますから、建設省においても意見をまとめておいていただきたい。何回もこの委員会でこういう意見を出しておるのであります。予算も衆議院を通過し、今こそこういう抜本的な法律改正を行うときでありますから、あまり枝葉末節の改正だけをお出しにならないで、ひとつこういう機会に思い切つた改正を考えられてはどうかという私の意見だけを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/34
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035・南好雄
○南政府委員 田中さんの御意見は、前会にも前々会においても、つつしんで拝聴いたしたのであります。今回の法律は、御指摘のように、悪くいえばだんだん伸ばして行くような点も見られるのでありますけれども、その反面におきましては、真剣に多層建築、多層家屋というような、いわゆる高層建築も考え、それに耐震、耐火のものを加えて行く点も出て参っているのでありまして、これは量の問題と質の問題との兼ね合いで——御意見としてはまことに拝聴しなければならず、また将来もこういう種類のものの国家の施設事項としては、そうあつてしかるべきものという私個人の意見は持つておりますけれども、具体的な政治の面におきましては、量と質との兼ね合いで、田中さんの御意見のようにそう百八十度にはなかなか転換ができないものだと思うのであります。しかし御意見はまことに拝聴しなければならぬものであり、あの非常な戦災を受けて、まず質よりも量というような住宅政策がそろそろ一段落を告げまして、二十年、三十年、五十年、百年の国家の大計のもとにおける国民の血税の向け方につきましては、御意見のほどもごもつともと思われる点があるのであります。いずれ機会を設けまして公庫の首脳部等も出席させ、御意見通り一ぺん真剣に議論をさせたいと思いますから、その機会までひとつお待ち願つて、今回のこの改正につきましては、すみやかに御意見をおまとめくださいまして、御審議、通過賜わるように、お願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/35
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036・赤澤正道
○赤澤委員 先ほどの志村委員の御質問に関連したことですけれども、今までうつかり読んでいたのですが、十七条の第一項の第三号に「自ら居住するため住宅を必要とする者に対して住宅を建設して賃貸する事業を行う会社その他の法人」というのがあります。これは東京都の住宅協会なんかもこれに入るのでしようが、「会社その他の法人」というのは何ですか。そういうのがございましたら、一応例をあげて見せていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/36
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037・鮎川幸雄
○鮎川説明員 従来の十七条第一項の三号には、ただいまおつしやいましたように「会社その他の法人」となつておりまして、先ほど御指摘のような住宅協会とか、住宅公社とか、いろいろ名前はかわつておりますが、地方公共団体等の出資による協会等が主になつております。その内訳は、大体現在財団法人が主でございまして、社団法人も若干ございます。公庫設立当初におきましては、純民間的なものもございましたけれども、これは賃貸価格その他につきまして、省令でいろいろ制限いたしておりまして、営利としてはなかなか設立し、経営するのが困難であるという条件になつておりますので、現在ではほとんどすべてが府県公共団体の出資する協会等がやつているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/37
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038・赤澤正道
○赤澤委員 そういう省令があるということを聞いて、なるほどとわかつたのですが、この法文の条項を見ただけでは、おそらくだれもそういう判断はできないと思うのです。今の段階で、たとえば営利会社が社宅を建てる場合——これは非常に問題になつているのですが、この法律のもとで可能でございますかどうか、御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/38
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039・鮎川幸雄
○鮎川説明員 会社などがその従業員のために社宅を建てます際の資金の貸付けの問題につきましては、昨年の国会で御審議願い通過いたしました産業労働社住宅資金融通法というのがございまして、公庫が別の条件で資金の貸付をいたしておりますので、それに該当いたしますものはそちらの方になるわけでございまして、従業員のための住宅というのはいたしていないわけでございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/39
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040・瀬戸山三男
○瀬戸山委員長代理 本案に関する残余の質疑は次会に譲りまして、次に災害復旧に関する件を議題といたします。
前回の委員会において村瀬委員より要求のありました資料を、大蔵省から提出されましたので、これから阪田理財局長の御説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/40
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041・阪田泰二
○阪田政府委員 先般の委員会におきまして、昭和二十九年度の政府の財政投融資の計画並びにそれに対する三党の修正案による変更の関係につきまして、御質問がございました。資料が整備しておりませんで、十分その御説明ができませんでしたが、本日配付いたしました資料に基きまして御説明申し上げます。
一枚紙の「三党修正案に伴う昭和二十九年度財政投融資資金計画修正表」という表がございますが、これによりましてごらん願いたいと思います。以前の資料におきましては、資金運用部関係のみしか記載しておりませんでしたが、一般会計から支出をいたしますもの、及び資金運用部、簡易保険、産業投資会計等から投融資いたしますもの、それから公募債に関するもの等も入れまして、この一覧表をつくつたのでございます。この表で括孤内に入つております分が修正前の政府の原案でございまして、その下にあるのが三党修正後の数字でございます。
最初に一番上の欄にある開発銀行でありますが、これは当初は二百七十五億を資金運用部から出しまして、産業投資会計からは七十五億、合計三百五十億の運用と、自己資金の収入として、回収金でありますが、三百億の回収金をもつて六百五十億円の貸付をいたす、こういう計画になつておりましたが、三党修正の結果十五億円の資金運用部からの貸出しが減少いたしまして、なお中小企業金融公庫に対して、中小企業関係の貸付を肩がわりいたしました代償として、十九億円を中小企業金融公庫から受入れる予定になつておりました、これが延期することになりまして、減少いたしましたので、合せて三十四億の歳入の減になるわけでございまして、六百十六億の貸付を明年度においてはいたす、こういう数字になるわけでございます。開発銀行関係は、御承知のように電力会社あるいは石炭、鉄鋼、造船その他重要産業に融資をいたすことになつておりまして、この減少された数字に基いて、あらためてどういう内訳でどういう方面に融資すべきかということについてただいま検討中でございます。
輸出入銀行につきましてはかわりはございません。電源会社も同様でございます。
農林漁業公庫につきましては、一般会計から九十五億、資金運用部から百五億、合計二百億、回収金と合せて二百二十五億の融資をいたすことになつております。三党修正によつて政府の予算が増加いたしました関係上、それに伴う農林漁業公庫の融資等が増加すると予定される分が約七億ほどございましたがこれはこの二百二十五億の計画の中で処理することにいたしまして、資金の増加はほとんどございません。
それから国民金融公庫の方は、そこにございますように、当初の計画に対しまして二十一億資金が増加されまして−最後の欄でございますが、三百二十三億か二十一億ふえて、修正では三百四十四億という貸出しを見ることになつたのであります。なおこの国民金融公庫の欄の「自己資金等」というところに、自己資金等の回収金でありますが、二百三十三億という数字が抜けておりますので、御記入願いたいと思います。
住宅金融公庫は、かわりはございません。
中小企業金融公庫につきましては、先ほど申し上げましたように、開発銀行に返さなければならない十九億を延期することにいたしましたので、明年度は二百九億の貸付けができることになつたわけであります。
それから金融債引受けにつきましては、当初二百億の計画が十億減りまして、百九十億ということになりました。これを農林中央金庫、商工組合中央金庫、興業銀行、日本長期信用銀行の四者に貸すわけであります。その内訳等につきましては、この前に申し上げましたように、まだはつきりいたしておりません。
それから政府事業の国鉄、電電公社等につきましては、今回は変更を見ておらないわけで、資金運用部から九十五億、公募債が百九十億という計画になつておるわけであります。
それから地方債の関係におきましては、元の計画は、資金運用部から四百三十億、地方債の引受けをするはずでありましたが、予算が増加いたしますに伴いまして、その補助事業関係の起債等にいろいろ増減がございましたが、結局四億ほど地方債で増加いたしましたので、その分を資金運用部で引受けることにいたしたわけでございます。
それで財政投融資の総額といたしましては、終りから三行目の一番下でございますが、二千八百五億が、昭和二十九年度の財政投融資の数字でありまして、この総額は三党修正によりまして動いていない、内部におきまして、中小企業金融公庫、国民金融公庫に合計四十億を増加いたしました。なお地方債につきまして四億を増加いたしまして、それにかわりまして開発銀行と金融債の関係が減少したということになつておるわけであります。大体かような計画になつております。
もう一枚配付いたしました資料は「国民所得の推移」というような表題がついておりますが、これは大体明年度の資金運用部あるいは簡易保険等におきまして、ただいま御説明申し上げました運用計画を立てます場合に、その原資に充てる資金が、どの程度見込まれるかというような点につきまして、御参考までに提出いたしたものでございます。ここにございますように、明年度の国民所得は、経済審議庁の調査によりますと、大体二十九年度において五兆九千八百億という見込みになつておりますが、そのうちで租税等で引かれるものを除きまして、可処分所得といたしましては、大体五兆一千七百七十一億、そのうちで四兆一千九百五十六億が個人消費の方に向けられ、残りの九千八百十五億が個人貯蓄の方へまわる、こういうような経済審議庁の方の見通しになつておるわけでございます。これに対しまして、資金運用部、簡易保険等に直接関係のございます郵便貯金の方の見方はどうなつているかと言いますと、ここにありますように、三十九年度は郵便貯金は九百億に増加いたすというように見ておるわけでございます。国民所得、あるいは可処分所得、あるいは個人貯蓄等の見込み額に対する割合は、いずれも二十八年度よりもやや多く見ておるわけであります。これはいろいろと貯蓄の吸収等に努めるつもりでありますが、大体本年度の趨勢等から見まして、九百億程度の増加は見込み得ると考えまして、明年度の資金運用部に見積つたわけでございます。
次の簡易保険の年金資金の関係も、まつたく同様でございまして、二十八年度の四百六十億に対しまして、二十九年度は五百億を見込んであるのであります。これは地方債の引受け等の資金にまわるわけであります。国民所得分その他、やはり本年度よりもやや多く見込んでおるような次第でございます。最近の簡易保険の契約等の状況を見ますれば、この程度のものは大体来年度見込み得るのではないか、かように考えておるのであります。
簡単でございますが資料について御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/41
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042・瀬戸山三男
○瀬戸山委員長代理 ただいまの阪田局長の説明に対して、質疑があれば、これを許します。——質問がございませんければ、本日の委員会はこれにて散会いたします。
次会は公報をもつて御通知いたします。
午後零時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904149X01219540313/42
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