1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年四月三日(土曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 小島 徹三君
理事 青柳 一郎君 理事 古屋 菊男君
理事 長谷川 保君
越智 茂君 助川 良平君
高橋 等君 田子 一民君
安井 大吉君 山口六郎次君
亘 四郎君 滝井 義高君
福田 昌子君 柳田 秀一君
杉山元治郎君 山口シヅエ君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
出席政府委員
厚生事務官
(薬務局長) 高田 正巳君
厚生事務官
(保険局長) 久下 勝次君
厚 生 技 官
(医務局長) 曽田 長宗君
委員外出席者
厚生事務官
(大臣官房総務
課長) 小山進次郎君
厚生事務官
(医務局次長) 高田 浩運君
厚 生 技 官
(保険局医療課
長) 五十嵐義明君
専 門 員 川井 章知君
専 門 員 引地亮太郎君
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四月三日
委員萩元たけ子君辞任につき、その補欠として
柳田秀一君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
医薬関係審議会設置法案(内閣提出第八二号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/0
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001・小島徹三
○小島委員長 これより会議を開きます。
まず医薬関係審議会設置法案を議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。青柳一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/1
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002・青柳一郎
○青柳委員 昭和二十六年の初めにこの厚生委員会におきましては、医薬分業の審議を十分慎重にいたしたのであります。当時のことを考えてみますのに、われわれの立場といたしましては、もちろんお医者さんの側のことも考えなければならぬ、さらに薬剤師の側のことも考えなければならぬ。しかしながらそれにも増して、国民の立場からこの問題を検討しなければならぬということに相なつたのであります。しこうして国民の立場からこれを考えるときにどういう問題があるか、まず第一には医療内容の向上であります。医薬分業によつて医療内容が向上するかどうかという問題が一つ考えられます。さらにこの医薬分業は、患者たる国民にとつて便利であるか、不便利であるかという点について考える必要もあります。さらにまたこの医薬分業の問題は、国民の医療費の負担を増すものでないかどうかという三点について考える必要があるという結論に、慎重審議の結果なつたのであります。しこうしてまず第一の医療内容の向上につきましては、これは医療の技術的、学問的な向上をまつのであつて、これは大した問題として考えなくてよかろう。次に便、不便の問題であるというので、この便、不便の問題について、不便なからしめるために行われたのが今日の修正であります。これによりまして便、不便の問題は、一応あまり不便でないように解決せられました。残る問題は、国民の医療費の増嵩を来し、国民の生活を圧迫しはしないかという問題でございました。当時この医薬分業の問題をめぐりまして、厚生大臣はたつた一回か二回出席せられまして、この説明を行つただけであります。その他は厚生省関係の政府委員の手によつて進められたのでありますが、ここに私はその速記を持つておるのであります。この審議の最後の場面におきまして、私は時の平沢政務次官に対して大臣にかわつてお答えを願つたのであります。そのお答えによりますと、こういうことが言われております。この法律の実施に伴いまする医療費の点につきましては、先刻大臣から——ただいま青柳委員から申されましたように、答弁いたしたのは、すなわち現状と大差ないようにいたしたいという御答弁であつたことは、御承知の通りであります。現状と大差ないという御答弁であつたのであります。一応この御答弁を信頼いたしましてこの医薬分業をわれわれ可決したのが、当時の経緯であつたことは、政府御当局の御存じのところであると思うのであります。しこうして今回医薬分業審議会の審議が始まりますや、やはり事の当然として、医療費が高まるかどうかという問題について論議が集中せられたと思います。この点につきましてある程度の当局からの御答弁はあつたのでありますが、今のところ御当局はどの程度医療費が高まると思つておられますか、その点につきましてまず第一に承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/2
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003・草葉隆圓
○草葉国務大臣 お話のような筋書を経まして三法が実施され、いわゆる医薬分業が三十年の一月から実施の運びに至りました次第であります、それについての審議会の設置にあたりまして、医療費の国民負担が現状よりも増すことであるならば、むしろかような制度は考えものではないか。従つて当時におきましても、医療費の点については現状と大差がないという前提のもとにいたしておるのでありますが、これは現在の厚生省におきましても、また政府におきましてもその方針を堅持いたしております。前回以来数回それぞれ御審議の中に各関係局長等からも御答弁申し上げたと存じますが、現在の国民所得の中におきまする医療費を検討いたしまして、これよりも少くとも増すという方向をとつて行かない方針をもつてこの実施にあたつて行く、こういう方針でいたしておりますから、その点に対しましては従来と何らかわりがなく、またできるならば、より一層国民の医療に対します負担を、できるだけ努力をしながら現在以上にならないようにして行くという方向をとつて行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/3
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004・青柳一郎
○青柳委員 ただいま大臣の御答弁によりますと、国民の医療費を増さないように努力しながらこの実施を期したいというお話でございます。しかしながら、本委員会におきまして今回の審議会法案の審議の過程におきましては、どうも増さなくてはならぬようなふうにも考えられるのであります。それに関連して承りたいことがあるのでありますが、この医療費の問題は、社会保険の部面におきましては、社会保険医療協議会でもつて検討せられるものであると思うのでありますが、この社会保険医療協議会において医療費の問題がはたして妥結を見るかどうかという点につきまして、私は非常な危惧を持つものであります。ことに私の承つておりますところによりますと、この社会保険医療協議会におきましては議がまとまらなかつたということは、今までかつてなかつたようにも思います。またこの医療協議会の審議の結果は、大体政府において今まで尊重せられておるのが沿革であると聞いているのでありますが、さようであつたかどうかを、局長からでもよいから、お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/4
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005・久下勝次
○久下政府委員 私からお答えいたします。医薬分業実施に伴いまして、社会保険に関係する部面でおそらく現在の点数表等を修正しなければならないことになろうと思います。その場合に、社会保険医療協議会に付議いたしますことは当然でございます、従来は社会保険医療協議会の意見は十分尊重して、大体御意見のように実施をいたしておるのでございます。意見に反して実施を行つたことは、ただいままで私は承知いたしておりません。多数意見、少数意見というようなことで、問題を多数意見に従つてきめたことはございますけれども、少くとも民主的運営に欠くるところはないようにして参つたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/5
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006・青柳一郎
○青柳委員 私は医薬分業をめぐつての国民の医療費、ことに社会保険の費用に関する医療費につきまして、当然この医療協議会に付議せられ、そこにおいて円満なる妥結を見、この円満なる妥結なくしては、今までの協議会の沿革から申しましても、事は容易に連ばないと存するのでございます。
しこうして次にお尋ねいたしたい点は、大臣はただいま医療費は高まらないように十分努力をするというお話でございますが、大臣を信用しないわけではございません。また仮定の質問に対しましてはお答え願えないかもしれないということは考えながら、もし医療費が万一高まつた場合の措置はどうされるかという点を承りたい。大きい問題といたしましては、必ずこれは社会保険の部面におきまして政府管掌の国家の負担を増すものでございます。かかる際には予算関係か生ずるものであると存じますが、さように考えてよろしいのでありますかどうですか、承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/6
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007・草葉隆圓
○草葉国務大臣 ただいま申し上げましたように、現在の国民所得に対します医療負担が大体三%程度であつたと記憶いたしております。従いまして少くともこの程度以内にとどめるように、今後の実施の面において具体的に考える、そういう意味でございますから、現在増すことはあまり考えずにやつて行く、国民負担が現状よりも増さない。(「不可能だ」と呼ぶ者あり)こういう考え方でいろいろ検討いたしますと、決して不可能ではないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/7
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008・青柳一郎
○青柳委員 この問題は深く、また重ねてお尋ねすることはやめます。ただ私は今回の審議会法案の審議をめぐりまして、何となく国民の医療費の負担が増さざるを得ないような危惧を持つもりのでございます。
次に承りたい点は、この審議会は医薬分業関係の三法案によりまして、別に定める審議会でもつて、実施について大臣が諮問するということによつて成立し、出発するものを存じておるのでありまするが、もしこの審議会ができないときはどうかということをもう少し観点をかえて考えますると、あの母法たる三法において、別に審議会をきめる、こうある以上は、法律をもつて今回の御提案のように審議会の設置をきめるのが、事の当然だと思うのでございまするが、もしこの審議会の法案が成立しないときには、政令をもつてこの審議会をつくるというようなことも可能であろうかと存ずるのでございます。その点につきまして当局の御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/8
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009・小山進次郎
○小山説明員 ただいまお話にありましたように、二十六年の法律で、別に定める審議会ということが規定してございますので、こういう場合の普通の法律解釈としましては、別に定める審議会というのは、法律できめなければならない、こういうことになつております。それで政令でやるという可能性があるかどうかということにつきましては、法律上は政令できめるという余地はないと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/9
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010・青柳一郎
○青柳委員 そういたしますれば、この審議会の審議がはかどりませずに、この法案が成立しない場合には、どういうふうに相なるのか、その点について承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/10
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011・小山進次郎
○小山説明員 これは非常に私どもとしては考えにくい、仮定の上でのお話でございますので、こういう場合について御説明を申し上げることははなはだ苦しいのでございますけれども、純粋の法律論として申し上げまするならば、今回の審議会に付議してきめまする事項はすべて例外事項でございますので、もしもこの審議会が成立せず、従つて有効にこの審議会に厚生大臣が意見を聞くことができないといたしまするならば、おそらく例外がきめられないで、原則通り実施される、こういうことに相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/11
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012・青柳一郎
○青柳委員 ただいまの御答弁はよくわかりました。
最後に承りたい点は、これも仮定の上に立つことでありまして、まことに恐縮とは存ずるのでありますが、心配の余りお尋ねするものであるというふうに御了承願つて、お答え願いたいのであります。この審議会の法案が成立いたしまして、審議会が発足いたします。しこうして審議会において大臣の諮問に対して答申をするわけであります。その際に審議会の意見がまとまらぬ場合には、いかなる措置をとられるおつもりでありますか、その点を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/12
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013・小山進次郎
○小山説明員 今のところ、審議会の意見がまとまらないでという場合は、全然予想しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/13
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014・青柳一郎
○青柳委員 私の質問はこれで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/14
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015・小島徹三
○小島委員長 長谷川保君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/15
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016・長谷川保
○長谷川(保)委員 ひとつ具体的な例を伺つておきたいのでありますが、この医薬分業がいよいよ行われたといたしまして、たとえば医療扶助あるいは社会保険によつて診療をするという場合に、今日行われておりまするような濃厚診療を認めたというようなときには、すでに医者は処方箋を書き、そして薬剤師は薬剤の投与をしてしまつたわけでありますが、濃厚診療なるがゆえにというので、これを払わないというような場合には、その責任はだれが負うのでありましようか。
〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/16
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017・久下勝次
○久下政府委員 私は保険の立場にありまするから、私の立場に関する限りをお答え申し上げます。ただいまの制度から申しますと、事前に調整をする余地は全然ございません。後刻そういう問題が明白になりますれば、当該保険医を指導し、あるいは監査をする等の措置をとるという方法以外にはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/17
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018・長谷川保
○長谷川(保)委員 そういたしますと、今のような濃厚診療で保険の方では払わないという場合には、医者だけが払われないのでしようか。医者の処方箋に従つて薬剤師は調剤をしておるわけであります。薬剤師の方は支払われるということになるのでしようか、どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/18
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019・久下勝次
○久下政府委員 私がただいま申し上げましたのは、事前に調整の方法がございませんので、結局事実そういう診療が行われたということでありまして、また薬剤師がそれに基いて調剤したということになりますれば、診療費の支払いはいたさざるを得ないと思います。ただ請求が間違いがあつたり何かした場合に、審査上審査委員会の若干の査定を受けることはあり得ると思いますけれども、一応支払いをしておきまして、後日それが濃厚診療ではなはだしい状況でありますれば、ただいま申し上げたように、あとで調整措置をとる以外にないだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/19
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020・長谷川保
○長谷川(保)委員 あとでとるにしろ、前にとるにしろ——前にはとれないということでありますが、いずれにいたしましても、今日のような制度でありまして、審査会で審査して、濃厚診療だから払わないということになりますと、とにかく責任を医者が負うか、薬剤師が負うか、だれかが負わなければならぬ。診療については、医者が負つて、薬剤に対しては薬剤師が負うということになりますれば、薬剤師としては当然医者の処方通りの調剤をするということは、薬事法できまつておることでありますから、これはちよつと責任の負う場所がわからない。全然そういう審査をしないということでありますれば、問題ははつきりしますけれども、そうでありませんと、だれが一体その損害を負うのかということが全然わからなくなる。あとで著しく濃厚なものとしては処置をすると申しましても、医者と薬剤師にわかれてしまうわけでありますから、濃厚診療だということで、医者がやつた分についてはこれは医者が責任を負えということが言えるかもしれませんが、ただ処方箋によつて薬剤師が調剤したということになれば、薬剤師の責任はないはずであります。さればといつて、薬剤師の調剤いたしました薬代を医者が負うということも不都合だとも思うのであります。そういうことは事実においてできますまい。もしそういうことをいたしますれば、今日のような奴隷医療という行為がはなはだしくなると思うのであります。ここまで事態が進展して来ております以上は、こういう問題はすでにはつきりしておらなければならぬ。昭和二十六年に本法ができますときに、先ごろ来非常に問題になつておる事柄は、全部ちやんとしておかなければならなかつた。ところか私は昨日も速記録を調べてみたのでありますけれども、当時と今日のこの委員会の質疑応答と、ほとんど同じようなかつこうになつておる。具体的なものについてはあとでするということで、何ら審議されておらぬ。二十六年六月二十日に公布になつておりますから、それからすでに約三年たつております今日、依然として三年前とまつたく同じである。今私の伺つております濃厚診療の問題だけでも、これは実に重大な問題になると思うのでありますけれども、どうも今の局長さんの御答弁でははつきりしません。責任の所在、損害の負担をだれがするのかはつきりしないのですが、今申しました通りに、一体薬剤師は責任を負うのか、負わないのか、薬剤師が損害等につきましては負うのか負わぬのか、その点もう一度はつきり伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/20
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021・久下勝次
○久下政府委員 私の申し上げ方が不十分でございましたが、現在の制度で申しますと、薬剤師の調剤料の支払いの規則がございます。今御引例になりましたような場合には、薬剤師に対する支払いは保険者が直接薬剤師に支払うことになつておりますので、これは必ず支払われることになつております。
それから問題は医師の方の問題でございます。御引例になつた場合は、担当規定に該当しないいわゆる不当な診療をやつた場合を例にあげてのお話だと思いますが、その場合におきましても、処方箋料はいわゆる文書料として請求がございますので、これは査定のしようがないのではないか、従つて実際問題として払わざるを得ない。しかしその人が具体的に濃厚診療であるということが明白でありますれば、私が先ほど申し上げましたように後日の問題、これから先の問題として厳重に警告をするというような措置をとらざるを得ないであろうということを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/21
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022・長谷川保
○長谷川(保)委員 そうしますと、一応後日のための警告以外には、ただいま申し上げましたような濃厚診療という言葉が適当かどうか知りませんが、濃厚診療、度を過ぎた薬剤その他の治療の場合には、あるいは点数等で削るということができるかもしれませんけれども、その他のことについてはできない。そうすると結局保険財政がその責任を負う、つまり濃厚診療の責任は保険財政が負つてしまうのである。不当な診療に対しましての責任は、保険財政が負う、結局損害を負つてしまう、こういうことになるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/22
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023・久下勝次
○久下政府委員 結果におきまして現在の建前ではさようになります。くどいようでありますが、個々に薬剤の投与とかあるいは注射とかいうことでの点数の請求になつておりません。文書料としての請求でございますので、これを査定するということも審査委員会では不可能だと思います。しかもそれを支払わないということも結果において不当になりますので、現在では一応やつたものは支払いをしておきまして、そのかわりあとあとそれがはなはだしいようであれば指定取消しをやるとかいうような、あとの措置によつて調整する以外にないだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/23
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024・青柳一郎
○青柳委員長代理 他に御質疑はございませんか。——福田昌子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/24
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025・福田昌子
○福田(昌)委員 重ねてただいまの点をお伺いさせていただきたいのですが、具体的に御説明願いたいと思います。
処方箋を持つて薬局に行きまして、お薬を患者としていただきます場合に、その薬局に支払われる支払いというものはどういう形で支払われ、患者が出した分に対してはまたどういう形で補償されるか、こまかな具体的な点についての御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/25
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026・五十嵐義明
○五十嵐説明員 私かわりまして御説明申し上げます。保険医が処分箋を発行いたしました場合、患者はこれを持ちまして保険薬剤師のところに参ります。保険薬剤師はその処方箋によりまして調剤をいたしまして、これを患者に渡します。患者が被保険者でありますれば負担は全然ゼロであります。被扶養者であれば一般の場合と同じように半額負担するわけであります。その調剤手数料並びに薬品の原価等をひつくるめまして、被保険者についてはその総額、被扶養者についてはその半額を保険薬剤師は保険者に請求いたすわけであります。保険者がその請求によりましてこれを保険薬剤師に直接支払う、こういう手続がとられるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/26
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027・福田昌子
○福田(昌)委員 その際に、処方箋を出しました医者の方では、この投薬は二日でよろしい、二日間だけの服薬でいいというつもりで医者の方で出しましても、患者の方はお薬は長く飲んでいる方がきくだろうということで、これを一週間も十日も続けて飲んだといたします。その場合に被保険者であれば当然その投薬というものは薬局側におきましてなされまして、全部続けて服薬できるということになると思うのでありますが、そういうことは可能でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/27
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028・久下勝次
○久下政府委員 そういうことはちよつと考えられないのでありまして、むしろこれは薬剤師の責任であります。二日間という有効期間が限られております処方箋で調剤をいたしますのは二日間だけでありまして、それは患者の請求がありましても三日以上にわたつて調剤をいたすことは、正式な処方箋によつて調剤したものとは認められないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/28
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029・福田昌子
○福田(昌)委員 そういうことはあり得ないというお話でございますが、これはごくあり得ることでございまして、しよつちゆうあり得ております。患者の側にいたしますと、二日でいいという医者の処方箋でありましても、患者自身といたしますれば、大衆というものはお薬を余分に飲めばきくように考えております。薬剤に対する知識というものが必ずしも高くない。ことに農村に行けば行くほどそういう点が強いのでございますが、そういう患者がぜひもう二日分でもくれというような場合になりますと、これは薬剤師側としては現金で徴収をするのでありましようか、保険として取扱つて調剤をするのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/29
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030・久下勝次
○久下政府委員 先ほど申し上げました通りでありまして、事実そういうことがあることを私は否定しているのではございません。ただ保険でそれの支払いをするかどうかという法律上の取扱いの問題としては、ただいま御引例になつたような場合は保険では支払いをいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/30
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031・福田昌子
○福田(昌)委員 保険で支払いをいたさないということになりますと、その上になお患者がぜひ一日分ないし二日分ほしいと言つて参つたときにどうするかということです。現金で調剤することを認められるかどうかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/31
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032・高田正巳
○高田政府委員 さような場合には薬剤師は調剤をいたすことを法律上禁じられております。無診投薬になる場合が非常に多かろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/32
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033・福田昌子
○福田(昌)委員 法律は禁止しておりますが、現在薬局におきまして法律通りに行つていないことは先刻御承知の通りだと思います。処方箋による投薬どころか、薬剤師の人がお医者さんの立場くらいやつておられまして、患者の症状を聞きまして、手ごろに調剤をいたしまして、ひどい薬局になりますと注射もしておられます。そういうことを厚生当局において御存じないとは世間が通らないのです。そういう状態でございますが、ここで医薬分業というものが行われるということにたりますと、現在の慣習上そういうことも当然あり得ると思うのですが、そういう場合にどうなさるかということです。法規の上からもそういう処方等外の、そしてまた期限外の調剤をすることは禁止されていると言つておりましても、患者がぜひお薬がほしいということであつた場合、一方は商売ですから、これに対してもし拒否しないで調剤したという場合に、罰則規定でもおつくりになるのでございましようかどうか、その点を伺わせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/33
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034・高田正巳
○高田政府委員 無診投薬につきましては罰則規定もございまするし、さような場合においては、取締りを厳重にいたしまして、罰則を適用して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/34
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035・福田昌子
○福田(昌)委員 罰則規定がございますれば、すでに現在までに無診投薬によつて罰せられた薬剤師が何人ございまして、どの程度の刑を負わせられたか、その点詳しく御報告願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/35
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036・高田正巳
○高田政府委員 これは現在までも相当取締りの実例がございます。その数は忘れましたが、相当件数をあげております。しかし新たに医薬分業というふうな態勢になりました場合には、当然この取締りは強化いたさなければならぬ、私はかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/36
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037・福田昌子
○福田(昌)委員 現在多くの法規上の違反と言えば言えることが行われております。それがほとんど無法律状態のもとに置かれまして、取締られたという例を、私ども寡聞にして聞かないのでございます。厚生省が相当処分をしたというお話でございますから、そのデータを速急に、一、二時間ほどの間にお出し願いたいと思います。これまでやられたデータであれば、ちよつと厚生省に電話をかけてお取寄せになれば、すぐお取寄せ願えるわけでありますから、三十分間か一時間の間に、今までやられた書類をぜひ資料としてお出し願いたいと思います。
それからもう一点重ねてお尋ねさせていただきたいのは、二十六年にこの医薬分業をやるべしという法律ができたそのときにおきまして、当時薬局側においては——この際は薬局のことを話しておりますから、多少非難めいたことに聞えて恐縮でありますが、薬局の話だけを取上げて話させていただきますと、薬剤師側におきまして相当法規上の違反行為をやつておる。無診投薬をやつたり、注射をやつておる人もある。こういい現状に対しましては、医薬分業を実施いたしまする昭和三十年一月一日までの間に、そういつた違反事項というものを徹底的に調査取締りをいたしまして、そして三十年一月一日実施まぎわにおいてはそういう事例のないようにいたしますというのが厚生省の御答弁であつたのでございます。ところが現行においては、いささかも、それが取締られて、さらにその監督が強化されておるという点はうかがえないのでございます。一方、むしろ野放図に無診投薬、注射、また抗性物質の当然医者の指示を受けなければ使えないような薬剤に対しましても、薬局側では患者の要求するままに、それをどんどん医者を抜きにして出しておるというのが現状でございます。二十六年にお約束なさつた厚生省の御言明とはいささか現実というものは齟齬して参つておる。こういう点につきまして、私どもの御質問申し上げておる点が間違いであれば、そうじやない、かくかくの資料があり、かくかくの取締りをやつておるということを即刻お出し願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/37
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038・高田正巳
○高田政府委員 私が申し上げましたことは若干違つておりましたので、訂正をいたします。現行の薬事法につきましては無診投薬の取締りの規定は明文がございません。改正前の薬事法につきましてはございました。今度新たに二十六年の法律で三十年一月一日から施行される改正法律には、二十二条の二に再び明文が設けられたのであります。それで、私が記憶いたしておりまするのは、旧薬事法——改正前の薬事法の時代に、部分的な地方であつたと思いますが、相当な取締りをいたしもして、その際に、医師法の医師がみずから調剤をやらなければならぬという規定の取締りもしないで、なぜわれわれをやるのだ、こういうふうな非難を、当時の薬務局が受けたというふうなことを私耳にいたしておりましたので、ただいま申し上げたように、相当取締りの実際の件数があるということを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/38
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039・福田昌子
○福田(昌)委員 相当取締りの件数があつたという御説明でございますが、私どもは相当というような漠然とした数においては納得できないのでございます。従いまして取締つておられるのでございましたら、その件数を年度別におわけいただきまして、即刻一、二十分のうちに厚生省からお取寄せ願いたいと存じます。あるものであれば、すぐお取寄せ願えるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/39
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040・高田正巳
○高田政府委員 ただいま申し上げましたように、現行の薬事法にはその規定の明文がございません。従いまして現行薬事法の施行の時期におきましては、その取締りの実際はないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/40
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041・福田昌子
○福田(昌)委員 現行の薬事法においてその法規がないというお話でございますから、その前の旧薬事法における時代の取締り件数をお出し願いたい。それから現在その取締り法規がなくなつたということは、薬局側で無診投薬をしたり、医者にかわつての医師法違反的な注射行為をやつていないというお考えで、なされているのかどうか、この点もあわせて御説明願いたいと思います。
それから時間が惜しいですから、重ねて次の問題をお尋ねいたしますが、医者が薬局側に処方箋を渡します場合、投薬期間をたとえば四日と期限を切つて出したといたします。ところがその疾病は投薬を四日間必要としないと、その支払い機関である審査機関において審査なさるような形できめられたといたしますると、すでに四日間の処方箋によつてその投薬が済んでおるというような場合もあると思うのであります。こういう事態に対してはいかなる処置をおとりになるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/41
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042・高田正巳
○高田政府委員 薬剤師が注射いたしましたり、その他の医療行為をいたしますることは、現行医師法違反でございます。従いましてその問題は現在でも禁止されておるわけでございます。
処方箋のない場合に投薬をいたした。その取締りの明文を何ゆえに除いたかということにつきましては、私当時その立法の事情等を詳しく承知いたしませんので、この機会にお答えをいたすことは、間違つてはいけませんので、差控えたいと存じます。
最後の方は、保険の方からお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/42
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043・久下勝次
○久下政府委員 お話のような場合は、先ほど長谷川委員のお尋ねの問題と同様でございまして、現在の社会保険の実情から申し上げますると、さような場合には、処方箋を出した場合に文書料としての請求がございますので、審査委員会においては手のつけようがないのじやないか申し上げたのであります。従つて薬剤師に対しては今申し上げましたようなルートで支払いが行われております。それから先の問題についてもしそういう事実がございますれば、その後の問題について適当な方法で矯正をする以外に方法はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/43
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044・福田昌子
○福田(昌)委員 薬務局長にお尋ねいたしたい点は、現行におきまして医師法違反に問われた薬剤師がどのくらいあるか、その件数を御説明願いたいと思います。
それから保険局長にお尋ねいたしたいのは、もう少し具体的な御説明がなければ、私ども納得できないのでございます。この支払い基金にある審査規定なるものは、薬局側には適用できないのかどうか、この点簡単に御回答願いたいと思います。あとで処置するとおつしやいましても、いかなる処置をなさるのか、見当が私どもつかないのでございます。事例をあげていただければなおけつこうですが、具体的な御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/44
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045・高田正巳
○高田政府委員 医師法違反についてどのくらい取締りの件数があるかという御質問でございますが、その件数は私記憶いたしておりません。先ほどの旧薬事法時代の無診投薬、それを一、二時間のうちに出せというお話でありますが、これは相当古いことでありまして、ただちに私ども資料をとりそろえられるかどうかということにつきましては、ちよつと自信がございません。なお当時実際の取締りは府県知事がやる態勢になつておつたように記憶いたしておりますので、厚生省にさような資料がただちに集まつておるかどうかも、私ただいま何とも申し上げかねると思います。御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/45
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046・久下勝次
○久下政府委員 保険薬剤師が保険医の処方箋に基いて調剤をいたしました場合には、先ほど私及びほかからも御説明申し上げた通り、直接保険者から支払いをすることになつております。支払い基金を通さないで支払うのでございます。
〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕
御承知のように審査委員会の制度は基金に付置されております関係上、そういう意味で審査委員会の審査を経ないのでございます。それからあとで保険医を矯正するのには、いろいろな方法がございますが、一般的に保険医の指導を常に行つておりますので、指導の方法によつて将来改めるようにしていただくということもありますし、またその程度によつては監査を実施して監査に基いた処分をするということもあり得るかと思います。いずれにしてもその程度に応じまして将来に向つての矯正方法をとるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/46
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047・福田昌子
○福田(昌)委員 そうしますと、薬局に支払われる分は、保険者から直接であるから、当然支払い基金の審査機関を通さない、例外的な審査機関の取扱いを受けない制度のもとに置かれるわけでありまして、医師の診療に対してのみ審査機関が置かれるということになりますが、そのように解釈してよろしいでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/47
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048・久下勝次
○久下政府委員 医師でありましても、保険医以外の診療は療養費払いという制度になつておりまして、支払い基金の審査委員会を通りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/48
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049・福田昌子
○福田(昌)委員 薬務局長にお尋ねいたしますが、医師法違反の件数というものは、全部じやございませんが、ときたま現行の薬局でやつておられる現状をつぶさに見ますと、医師法違反の事例が幾らでもあるのでございます。これらに対しては直接の所管ではないかもしれませんが、医師法違反に問われたという件数の御調査くらいお手元でできておると思いますが、その件数をここで御発表願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/49
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050・高田正巳
○高田政府委員 ただいま申し上げましたように、私ただいま件数を記憶いたしておりませんし、またその資料もここに持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/50
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051・福田昌子
○福田(昌)委員 御記憶なければ、この点だけでも早急に厚生省からお取寄せ願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/51
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052・高田正巳
○高田政府委員 ただいまお話のように、一、二時間でただちにということにはちよつとできないと思います。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/52
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053・福田昌子
○福田(昌)委員 その資料は私としては非常に重大でございますから、その資料の御提出がなければ、この審議会設置法案にも一つの疑義を残しますから、それを御提出の上でまた質問を続けたいと思います。
それから保険局長にお尋ねいたしたいのでございますが、ただいま御説明がございましたように、保険薬剤師から今後投薬を受けるということになりますと、これは保険薬剤師側の御希望によりますと、一剤に対して技術料が七円ほど必要だという要望もありますが、そういう点は厚生省とされては御検討なさるといたしまして、この七円の薬剤師側が要求しております点を抜きにいたしましても、ただいまのような調剤に対する支払い方法をもつていたしますと、現行の社会保険の支払い金額というものは当然膨脹して参ると思うのであります。この点に対しまする保険局長の御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/53
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054・久下勝次
○久下政府委員 私に対するお尋ねでございますが、この問題は医薬分業を実施することが国民経済にどういう影響を与えるかという、ひとり保険の立場だけでない広い観点から検討すべきものだと考えておるのであります。そういう観点に立つて先ほど大臣がお答え申し上げましてような方針で事柄の処理の方針がきまりますれば、私どもとしてはこの方針に従つて正規の機関にかけて保険としての取扱いを進める、こういう立場で考えたいと思つております。従いましてただいまのところ保険者の負担がふえるかどうかというような点につきましては、私としては何ともお答えいたしかねる段階にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/54
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055・福田昌子
○福田(昌)委員 それでは草葉厚生大臣にお伺い申し上げますが、国民の医療費の負担は医薬分業をやることによつてどのような変動が起りますか、この点どのような御見解をとつておられるか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/55
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056・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これは先ほども申し上げました医薬分業の一つの大きな問題だと思います。青柳さんの御質問の中にもありましたが、私どもといたしましては医薬分業によつて国民の医療費負担が増すということはいたさない方針で参りたい、これが根本方針としてとつておりまする点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/56
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057・福田昌子
○福田(昌)委員 大臣からいたさない方針というお話でありますが、これは結果的に膨脹いたすのでございまして、やはり世の中というものは二、二が四でなければ普遍妥当性がないのでございまして、大臣がいかに有能な士でありましても、二、二が三で押し切ろうとしてもおそらく不可能であります。大臣の御答弁の医療経済を変動させない、膨脹させないということは、簡単に申し上げれば二、二が三で押し切ろうという御見解にすぎないのであります。その暴挙をあえてなさる、これをそのままにしておくといたしまして、当然結果的には医療体系の混乱が起る、社会保険の支払い基金の回転難が起つて参るのでございますが、その際大臣はいかなる処置をおとりになる御覚悟があるかどうか、この点承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/57
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058・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これは現在新医療費体系等についても検討いたしておるのでございますから、従つてその検討の根本方針といたしましては私がただいま申し上げた方針でいたしております。その方針のもとに現在作業を続けておるのであります。従いまして、医薬分業によりまして国民の医療に対する混乱を来さない、少くとも現状は維持し得る、それ以上になお医療の合理化に資するためにこの方法をとつて行くという根本方針でやつておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/58
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059・福田昌子
○福田(昌)委員 私がお尋ねいたしましたのは、そのような御説明ではなかつたのでありまして、当然医療費というものは医薬分業により膨脹する、大臣の御見解はいささか間違つておる、結果的に医療費が膨脹いたした場合においては、大臣はその処置に対していかなる責任をおとりになるかということをお尋ねいたしたので、大臣のお責任のほどをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/59
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060・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これはただいま申し上げましたように、医薬分業によつて医療費の国民の負担が多くなる、かつまた不便になり、不合理になるということはいたさない、そのためには具体的にどうして行くとかいう問題が根本問題である、従つて審議会を設置する一つの目標、これは不便という点におきましては目標になつて参ります。医療費の問題につきましては新しい医療費の配分の問題等が検討されて参る点でございます。だんだん作業を続けて参つておりまする現在の段階におきましても、決して国民の医療費負担を増さずに十分合理的にやり得るという見通しのもとに、現在作業を続けておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/60
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061・福田昌子
○福田(昌)委員 ずいぶん御自信がおありのようですから、医療費に膨脹しないにしても、国民の医療経済に御迷惑をおかけしないという、その点をこまかな数字でお示し願いたいと思います。問題は金銭的な数字であります。ただ漠然と膨脹させないつもりでやるといつても、私ども頭の悪い人間には納得ができないのであります。どうかその数字をお示し願いたい。数字をお示し願わなければ、私どもはこれから先の質問もできないし、医薬分業是か否かの根本的な検討の資料はないのでございます。御自信がおありのようですから、どうか新医療費体系において、しかも社会保険医療においてその経済的な膨脹を来さないという、その点を数字で即刻お示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/61
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062・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これまた前から申し上げておりましたように、新医療費体系は、この審議会設置法に基きまして、審議会を設置しながら医薬分業の具体的な検討を進めて、しかも最後の段階、昭和三十年一月一日から実施いたしまするその一つの段階においてこれをつくり上げて参りたいと考えております。必ずしも医薬分業と新医療費体系とは同時期のものでなくてはならない、に考えておりませんが、そういう方向をとつて行くことが便利であろうと考えております。そういう意味において現在作業を続けております。作業を続ける段階に私どもの方針として強く堅持いたすようにいたしておりまするのは、ただいま申し上げた方針のもとに進めて参りたい、従つて現在まだ作業が完了いたしておりませんので、数日前も各委員の方からもしや新医療費体系があつたらこの際示した方が審議上都合がいいというお話もありましたが、今申し上げたようなことでおそらく御了承いただいておると存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/62
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063・福田昌子
○福田(昌)委員 それではこの審議会設置法が通りまして、審議会ができてから新医療費体系なるものを御研究になるというのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/63
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064・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これはでき得るならばこの実施までに一緒に取運んで行く方が一番便利であり、また都合がいいだろうと存じております。多分そういう方法でなし得ると存じております。万が一別でありましても、この審議会の審議の内容とこれとはおのずから違うのでありまするから、必ずしも同一でなくてはならないとは私は考えておりませんが、その方がけつこうであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/64
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065・福田昌子
○福田(昌)委員 大臣はその昭和二十六年のころに大臣ではございませんでしたので、いささか責任回避の御答弁でありまするが、さらに二十六年に医薬分業の親法案が成立いたしましたときに、実施の三十年の一月一日までの間に新医療費体系なるものを勘案して、正しい医療体系というものを厚生省で準備されること、それとまた薬局の配置あるいは医療機関の配置というような、そういう分布図も明瞭に御調査なされるということ、その他のことが三十年一月一日までの実施期間における調査事項というふうに大体申合せになつておつたのであります。その後すでに三年間たつておりますが、いまなお新医療費の体系なるものができていない。しかも厚生当局の御説明によりますと、今まではできなかつたけれども、試験勉強と同じで、あと二、三箇月の間には、もうせつぽ詰まつたからうんと勉強して夏までには出すというお話でありますが、これは個人の試験勉強ならそういう言いのがれも通るかもしれませんが、有能の士が集まつておられる厚生省で三年間かかつてやれなかつたことをあと二箇月や三箇月、半年でできるとは私ども考えられないのでございます。もし三箇月、あるいはまたおつしやる通り八月までにおできになるというものであれば、私どもとしましては、この医薬分業の実施のためには何としても新医療費体系なるものの全貌がつかめないことには、これが是か非か、正しいのかどうか、やるべきものであるかどうか、時期的に適当であるかどうかという見当がつかないのであります。従いまして、新医療費体系を、大体決定的な線でないまでも、過渡的なものにおいてもお示し願わないことには審議のしようがない。八月にお出しになるというならば、その八月にお出しになつた後に、この審議会の設置法というものは検討審議されてしかるべきだと思うのであります。従つて大臣におかれましても資料がないのでありますから、当然この審議会設置法の審議というものはお打切りを願いたいと思うのです。打切らずに今後続けられるということは、大臣としては無責任もはなはだしいと言わなければならないのでありまして、私ども法案の審議の立場からそういうむちやな審議というものはできがたいのでありますが、大臣の御所見を承ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/65
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066・草葉隆圓
○草葉国務大臣 実はこの二十六年の審議当時におきましては、お話のようなことであの三法案が議決されて、これが実施された次第であります。従いまして、私どもその線に沿つて努力をし、作業を続けております。ただ根本問題として私は申し上げたのであります。従いまして、一月一日までにこれらの作業を完了し、かつ新医療費体系等も検討し、今後の医薬分業に資する方向を十分完備するということに最善の努力をいたしておる次第でございます。ただ今回の審議会の設置法はそれとあわせて、この三法の実施がだんだんと迫つて参りましたので、いろいろと資料は厚生省で作業をいたして参る、あるいは分布図等は作業はいたして参りますが、それらのものと関連して、現実に審議会を設置しながら、また審議会の委員の方々でその分布図その他の具体的な問題を十分検討していただくという意味を含めまして、今回の国会に御提案申し上げて、御審議をいただいておる次第であります。そういう意味において御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/66
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067・福田昌子
○福田(昌)委員 大臣ののらりくらりの答弁は、何回聞きましても私どもには了解できないのでございます。従いまして、結果的にこの法案を強行なされば、三十年一月一日からの医薬分業の強制実施ということになりますと、日本の医療体系に大きな混乱が起つて参ります。その混乱が起つて参りますときに、大臣はどう責任をおとりになるかということをお伺いしましても、何回お聞きしても御答弁がない。そういう無責任な形で、この法案の審議を中途半ぱにして押し通そうというお考えに対しては、私どもはどう考えても納得ができない。これは国民の医療、そしてまたその負担膨脹ということを心配するのあまり私どもは納得できないのでございます。従いまして、もう少しこまかな点から伺つて参りたいと思います。保険局長に伺いますが、医薬分業を実施いたしますと、処方箋料の点は、現行の社会保険の中において何点と御規定になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/67
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068・久下勝次
○久下政府委員 先ほど申し上げましたような立場をとつておりますので、現在のところ現行点数表に定まつております処方箋料がどのようにかわつて参りますかということは、私の立場からまだお答えするまでには至つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/68
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069・福田昌子
○福田(昌)委員 昨日医務局長の説明によりますと、保険局長に聞けばわかるというお話でございましたので、保険局長のおいでを待つてお伺いしたのでありますが、さつぱりわけがわからないのでございます。私ども毎日々々厚生当局ののらりくらりのごまかしの答弁を聞いて日を過ごすことはもつたいないことでございますので、処方箋料は医薬分業を実施をいたしますと、どのようにかえるつもりか、それぐらいなことは、保険局長でありますから、当然何らかのお考えはあつてしかるべきだと思います。腹案でけつこうですから御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/69
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070・曽田長宗
○曽田政府委員 私の名前も出て参りましたので、私さらに申し上げたいと思います。昨日、私特にお願いして二度立たせていただきまして、最初に申し上げたことに言葉の足りないところがあつたということで申し上げたのであります。この問題につきまして、すなわち新しい医療費体系ができましたあかつきに保険の処方箋料がどういうようにかわるかということについて、それは保険局がきめることであるから、私は全然知らぬというような意味におとりくださつたのであれば、これは言葉の足りなかつたところであります。そのときに申し上げたことをもう一ぺんはつきり申し上げますと、私どもといたしましては、新しき体系ができますれば、また新しい保険の点数の定め方もきめて行かなければならぬ。この点につきましては……(「二十七年を基礎にして論議して来ているじやないか」と呼ぶ者あり)二十七年じやありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/70
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071・小島徹三
○小島委員長 答弁中でありますから静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/71
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072・曽田長宗
○曽田政府委員 この新しい医療体系ができた場合にどうなるかという御質問でございますので、新しい体系ができましたあかつきには、その点数等は改訂をしなければならぬ、しからばそれは何点にするか、また幾らにするかということにつきましては、ただいま作業を続けております資料に基いて具体的にはきめます。しかしながら考え方としては、今日いわゆる薬治料と考えられております、普通の場合ならば一剤二点というものを、薬局に支払うべきものと医師の技術料として医師に支払うべきものとの二つにわけて、新しい形に盛り込んで行くという方針であるということを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/72
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073・福田昌子
○福田(昌)委員 委員長も毎日お聞きの通りでございまして、これで国民医療費が膨脹しないとか、支払い基金に何らの無理も起らないということに御了解いただけるかどうかということを、委員長自身御判断願いたいと思います。私ども何回聞いても、さつぱり厚生省の御答弁では理解できないのでございます。ただいまの医務局長の御説明によりますと、投薬の側の二点というものの中から、一点だけは処方箋料として医師側にまわすというふうにも聞えるのでございますが、そうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/73
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074・曽田長宗
○曽田政府委員 この点も昨日一応は御説明申し上げたのでありますが、これも説明が不十分であつたといたしますれば、もう一ぺん、繰返して申し上げます。この形を処方箋料という形にするということは、以前からの御審議の際にも、処方箋料というものは新しい体系においてはなるべくとりたくないということを申し上げてもおります。それを処方箋料というか、あるいは全然処方という言葉から離れまして、初診料、再診料、いわゆる診察料という形にするかということは、いずれの方法をとれば、いかようなそれぞれの点数にすることが適当であるかということを、今幾つかの方法を並べて検討をいたしております。そういうような意味におきまして、この処方箋料それ自身を例外的にはどうしてもある程度残さなければならないかもしれませんが、これを残すかどうかということ自体も問題でございます。しかしながら、いずれにしても医師の技術料というものを何らかの形でもつて診療報酬に組み立てて参ろうという考え方を持つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/74
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075・福田昌子
○福田(昌)委員 医師の技術料というものを新医療体系において組み立てて行きたいというのであれば、その医師の技術料に処方箋料も入つておるわけでありますから、当然現行の五点を少くとも維持すべきだと思う。五点をくずして一点にする、名前は処方箋料としてはぐあいが悪いから、何とか名前の看板だけはかえよう、こういう御答弁でありました。そういうことになりますと、医者の技術料というものは、適当に値上げしたり値下げしたり、かつてに一方的に踏みにじつてしかるべきだというお考えのように聞えますが、そのように了解してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/75
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076・曽田長宗
○曽田政府委員 現在の社会保険におきまして、処方箋料というものの実態を見ますと、これはすべての投薬の場合に処方箋料というものが考えられておるというふうには見られないのじやないかと思うのであります。たとえば、普通の場合を考えますれば、一日一剤二点、通常は二日分ずつもらつて参りますから、薬をもらつて行けば四点ということになります。ところが、薬をやらずに処方箋だけを出せば五点ということになりますれば、何もしないでお医者さんは処方箋だけを書いている方が、妙な言葉でありますが得だということになつて、常識的に考えてもこれは矛盾なんであります。しかし現在の処方箋がいかような場合に出されておるかということを考えます。と、今日までの慣例によりますれば、大体二日ずつぐらいもらつておるわけであります。いつもお医者さんに見てもらつたときに薬をちようだいして行く、ところが、たとえば遠くへ旅行するとかあるいは転地をするとかいうような場合に、そのお医者さんのところに一々薬をもらいには行けない、こういうようなことで、いわば数回続いて、三回とか四回とかいうぐあいに、お医者さんのところでないところで、薬局でもらう必要があつた場合に、出されておるのが通例であると考えられます。こういうような場合を実際的な基礎としてきめられた五点であると思うのであります。今のように、その都度処方箋を出すといたします場合に、処方箋料をもしも置くとすれば、これはやはり五点のそのままに置くわけには行かない、こういうふうに私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/76
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077・福田昌子
○福田(昌)委員 一体医者の技術をどのようにお考えになつておられるのでございましようか。たとえば専売局の女子労働者と同じように、単純作業とでもお考えになつておられるのでございましようか。数をたくさん書くようになるのだから値下げしなければいけないとおつしやるかと思いますと、昨日の御答弁では、医薬分業をやるということは、医者の技術を尊重しまして、現行の医者の実収——一人当り月平均四万から五万の線は絶対にくずさないのである、その上で、むだな医者の仕事を省かしてあげて、医者の当然の職務である医学に専念し、治療に専念して、医学の向上をはかつてもらいたいというようなことをおつしやつたのでございます。まつたく矛盾するのでございまして、処方箋料も切り下げようということで、今日の医務局長の御答弁から見ますれば、昨日滝井委員の御質問に対して御確約なさいました現行の、たとえば一開業医に対して月当り四万から五万の平均所得という線は、すでにくずれると思うのでありますが、この点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/77
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078・曽田長宗
○曽田政府委員 今の点につきましては、私どもとしては現在の医師の所得というものに変化を来さないということを方針としておるのであります。今のように、処方箋料自身が、かりに五点が二点なり三点なりに下つたといたしましても、その処方箋料なるものがそれでは何回医師に支払われるかということを考えて参りますれば、この処方箋料と申しますか、医師の技術料として入ります報酬には変化を来さない方法は幾らもあるというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/78
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079・福田昌子
○福田(昌)委員 その変化を来さない方法は幾らもあるそうでありますから、幾らも御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/79
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080・曽田長宗
○曽田政府委員 たとえばただいまでございますれば、投薬した場合にはいわゆる再診料というようなものはもらえないことになつております。しかしながら今度は、医師のところでは投薬をやらないことになりますから、普通今日まで投薬をして、いわば二日分やつて四点取つておつたというような場合にも、今度は再診料として収入があるわけであります。でありますから決してその場合に、処方箋料が五点というものでなくとも、その医師の所得点数というものには、五点を若干下げたからといつて、それだけ下るものとは私ども考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/80
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081・福田昌子
○福田(昌)委員 大体社会保険を取扱つておりまする医者の実収は、医薬分業をやつても下らないということでありますると、医者の実収というものは大体現行のままで、そのほかに薬局側に保険投薬として払うべき分が出て参るわけでありまするが、その分は今日の国民医療費の社会保険の支払い基金のわく外において、その分だけお考えになつておられるのでございますか。今の局長の御説明から伺いますと、こまかなことは言いたくないのですが、医者の取り分というものは大体社会保険診療の分においても現行と大差ない取り分になるという御説明でございます。しかも国民の社会保険の医療費の総わくの上からすると、変動を来さないようにやつて行きたいということでありますと、変動を来さないといえば現行通りが一番変動を来さないのであります。医者の取り分が現行通りであり、総わくに変動を来さないということであれば、保険薬剤師側に支払われる分は、特別に国庫の負担とするとか、何か別わくを考えておられるのかどうか、この点を御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/81
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082・曽田長宗
○曽田政府委員 今日におきましても、かようなことを申し上げるのはどうかとも思いますが、医師のところでいろいろと手伝いをしている人たちがあるのであります。調剤に要する医師の掛りというものは、相当大きいのであります。たとえば四点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/82
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083・福田昌子
○福田(昌)委員 御説明はもうけつこうです。わけのわからぬことを何べん聞いても同じですから、イエスかノーかを簡単にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/83
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084・曽田長宗
○曽田政府委員 ふえない方法はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/84
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085・福田昌子
○福田(昌)委員 そのふえない方法を具体的に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/85
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086・曽田長宗
○曽田政府委員 それではイエス、ノーだけでは済まなくなつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/86
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087・福田昌子
○福田(昌)委員 それでは最低限度の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/87
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088・曽田長宗
○曽田政府委員 現在の薬治料というもののうちにすでに薬楽品費も入つております。またその中にいろいろお医者さんの手伝いをして、調剤をしておつた者の人件費も入つております。こういうようなものが今後は薬局に支払われて行く。そして看護婦等が手伝つておつたというような部分が、今度は、はつきりとした薬剤師によつてその仕事が担当される。また医師のところにおきましてはいろいろと、たとえば薬品を仕入れますときにも、あるいは薬局等で仕入れる方が幾分安く手に入るというようなことがあるかもしれません、そういうようなものが、結局薬剤師の収入ということになつて行くと思うのであります。医師の今日までの技術料というものを侵害せずに、医師のところでかかりましたいろいろの人件費のようなものが薬剤師の方に移つて行くというふうに考えて、大体よろしいのではないかというふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/88
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089・福田昌子
○福田(昌)委員 ただいまの御説明によりますと、今まで医者が取り分として取つておつた薬治料の一部が薬局側に行く、従つて社会保険の総わくからすれば、医者の薬治料に入つておつたものの一部か大部分が薬剤師側に行くのであつて、新しいそういつた支払いのための予算的な措置は当然考えてもいないというお話でございますが、そうなりますと、結果的には、今日医者の平均所得になつております四万から五万の所得というものは下つて参るわけでございます。この医者の取り分ははつきり下るということを前提にして、それはもう当然だとして、医務局長はその点をお考えになつておられるのでございますか。もし下らない、たとえば再診料をこれから取れるのだということになりますと、社会保険の総わくの方が今度は膨脹して来るということになるのであります。それは両方とも膨脹しない、医者の取り分も現行通りだということになりますと、これはもう手品のようなもので、私は頭が悪いので理解できないのであります。一体どつちがほんとうなんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/89
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090・曽田長宗
○曽田政府委員 これはただ私どもといたしましては、今までの薬代というものの中に含まれておりましたその金額を、薬局で支払う部分と医師に技術料として支払う部分との二つにわけるだけでございますから、その間には変化は生じないというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/90
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091・福田昌子
○福田(昌)委員 そのほかに、新しく再診料というような制度も設けて、医者の実収もあまり現行と変動のないようにいたしますということでございました。そういたしますと、結局社会保険の医療費の総わくが大きくなりませんかとお尋ねすれば、それは大きくなりませんというお答え、今回の御説明でも私のその矛盾に対する疑問はどうしても氷解するわけに参らないのであります。それで重ねてお尋ねいたしますが、これは厚生大臣にお尋ねいたします。医務局長は医師でおありになりますが、しかし医師の正当な技術料というものに対しても、私はもう少し権威あるお考えがあるかと思つておりましたが、必要によつては処方箋料を現行五点のものを大幅に切り下げて一点にすることも知らぬ顔で、それが適当だというような御答弁でございまして、医務局長の医師たるのみずからの能力に対する自負心というものを疑わざるを得ないのでありまして、非常に理解に苦しみますから厚生大臣にお伺いいたしますが、社会保険の総医療費もわくを増さず、医者の取り分も現行の通りであるというような厚生省のお考えでありますが、大臣もそのようにお考えになつておられるかどうか、この点承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/91
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092・草葉隆圓
○草葉国務大臣 そこでだんだん掘り下げて参つて、ただいまのような質疑応答がなされておつたと存じます。私最初申し上げましたように、国民の医療費負担を増さない、かつまた医師の実収入を減らさないという方針で、従つて急激な変化を来さない、こういう考え方で参りますと、薬治料の中には薬が入つている。これは現物でどこからか購入して参る。それに対する袋の紙代、印刷代、これは当然入つて参ります。そういうものが今度はそのまま薬局の方へ参るわけであります。その中には、開業医師の方でやつておられました場合には、薬のロスもありましようし、あるいは返品もありましようし、いろいろそういう具体的な問題が起つて参る。そこで具体的な面は薬治料の二点の中に含まつた従来通りの計算をいたしております。従つてその薬なりあるいは印刷代なりという部面が薬局の方へ参りますから、実収入においては減らさないという方針はくずさぬでもいいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/92
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093・福田昌子
○福田(昌)委員 何べん聞いてもわかりません。大臣のおつしやつておる御答弁は、御自身も矛盾であると思つておつしやつておるのだろうと思います。何べん聞いてもわからない。こういう事態でありますから、私のような頭の悪い者は、こまかい数字を出していただかなければ理解できません。従つて新医療体系を出してもらうということが第一点、それからもう一つ、こまかな数字について質問を留保いたしまして、滝井委員が御質問になるそうでございますから譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/93
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094・滝井義高
○滝井委員 私昨日少し腹を立ててやめましたが、きようはまだたくさん残つております。たとえば技術者の問題、分業と社会保険の問題、分業後における製薬業のあり方、分業後における薬局のあり方というような基本的な問題の討議が済んでおりません。しかしいくら討議をしても、われわれは国民所得の三%のわく内では分業はできないと思う。私はいろいろ具体的な数字をあげて御質問をしたいのでございますが、厚生当局のそれに対する確信のある、科学的な、計数的な根拠に基いて御答弁が得られなかつたのでございます。それでもう私やる気がしなくなりましたのでやりませんが、たださいぜんの青柳委員の質問に関連して重大な発言がありましたので、厚生大臣の御答弁を得たいのでございます。もしこの医薬関係審議会設置法が成立をしなかつたときは、医師法二十二条あるいは薬事法の二十二条のものが原則として実施される、こういう総務課長の答弁があつたのでございますが、大臣もその通りお考えであるかどうかという点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/94
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095・草葉隆圓
○草葉国務大臣 私自身といたしましては、これの不成立ということはまだ考えておりません。皆さんの御審議によつて必ず成立させていただくものだという前提で進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/95
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096・滝井義高
○滝井委員 しからば、もしこれが成立しなかつた場合には、しかもこういう国民の経済生活、あるいは国民生活あるいは国の財政等に重大な影響のある問題を、こういう不確定な、不確信のもとに提案をして来られた大臣は、政治的責任をとるかどうか、ここでイエスかノーかを御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/96
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097・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これはむしろ政治的な立場よりも、今回の審議会というのは、私どもはごく事務的に当然なすべきことで、皆さんの御議決によりまして、昭和三十年の一月一日から実施するという御議決がありましたので、それまでに審議会をつくれよというのが至上命令でありますから、その至上命令に従つて厚生当局の大臣といたしましては拳々服膺しながら、皆さんの御審議をお願いしておる次第でございます。従いまして、むしろこの審議会を設置していただいて、その審議会で十分御検討をいただくことが、一月一日からの実施上たいへん便利であり、また必要であると存じましてお願いを申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/97
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098・滝井義高
○滝井委員 拳拳服膺してやつておると言うが、何もこれは審議会ができなくても、いわゆる医薬分業の大原則というものは、昭和二十六年にきまつたわけなんです。大原則がきまつて、今度やるものはすでに総務課長も言つたように、例外なんです。例外的なものは、拳々服膺することにはならない。拳々服膺することは大原則。従つて大原則がきまつておるというその前提の上に立つ場合において、今までわれわれが聞いたこの四、五日間の厚生当局の答弁というものは、何ら拳々服膺した答弁にはなつていない。拳々服膺した答弁にたつておるならば、私は大臣の政治的責任は問いません。しかし根本的なものが三年前にきまつておるのに、現在に至つてもまだ、医務局は薬務局に責任を転嫁し、薬務局は医務局に責任を転嫁し、医務局は保険局に責任を転嫁する。何ら厚生当局の答弁は一貫していないじやありませんか。これは拳々服膺してこの法案を出した大臣としては、あくまでもこれを通すというならば、少くともわれわれ国会議員に大体この程度の予算の負担になりますと、明白なものを打出さなければならぬ。あとはわれわれにまかせてくれ、この法案を通しさえすれば私は昭和三十年の一月一日から実施してみせますと言つたつて、これはできない。すでにこれに関係のある国の予算というものは、私の数えたところでは十八の会計に影響がある。従つてこの十八の会計で、もしもこれが上つた場合には、それだけのものをやりますという大蔵大臣なりのはつきりとした言明がない限りは、私たちはあなた方に白紙委任するわけに行かない。これは国会議員としての当然の任務であり、義務でもあり、責任でもある。あとは拳拳服膺するからわれわれにまかせよといつたつて、すでに三年間拳々服膺して来なかつたものにまかせるわけに行かない。だから大臣は、政治的責任をかけても通しますという、しかも一切国が負担を背負いますという政治的気魄を持つたときに、初めて医薬分業は血が通い、肉がつくと思う。ところが今の答弁を聞くと、何ら国民を安心させる答弁ではない。だからこれが通らなかつた場合には医薬分業の大原則が行われる、こういうことを総務課長が御答弁になりましたので、聞いておるのです。これはもう一切のものが、あなた方は仮定に立つてるんです。おそらく三%にとどまると思いますというのは、数字の裏づけのない仮定です。もし審議未了になつた場合には、大原則が通るんだというから、この委員会が否決しようがどうしようが大原則はきまつておるわけです。だからそれはその通りかというんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/98
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099・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これは大原則はすでに三十年の一月一日から実施することにきまつてるじやないか、そうするとこの法案は否決しても否決せぬでも同じじやないかというようなお考えのようでしたが、その大原則に基いて実施するのに、福田さんからもいろいろお話がございましたが、そのままやるといろいろ混乱を来したり変化を来したりという状態になりはしないか、従つてこれを現実に合うようにいろいろ実施面においては検討しなければならぬことがある、それを最もスムーズに実施するために審議会をこしらえて、そうしてこれによつて諮問をしながら検討して行こうというのが、現在審議会法案を御審議をいただいておる趣旨でございます。従いまして、その大原則に基いてこれを全国に実施いたしますところの最も適当な方法として、法律にも申しておりますから、審議会の設置をお願い申し上げておるわけでありもす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/99
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100・滝井義高
○滝井委員 それはわかつております。しかし今の客観的情勢が必ずしも大臣が言うように、すらすらと通る情勢でないことは、大臣御承知の通りです。従つてこれはむしろ仮定の問題よりか現実の問題として、これが審議未了になる可能性が濃化して来ておるということです。この場合にこの母法は来年一月一日から実施されるかどうかと聞いたら、総務課長は実施されますと言つたから、その通りかと聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/100
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101・草葉隆圓
○草葉国務大臣 それは私自身としては、この審議会は十分御検討の結果必ず通していただくという考えのもとに出しております。従いまして、法律にすでにはつきりと昭和三十年の一月一日から実施すると書いてあるので、それを最もスムーズに実施するための審議会でありますので、そういう前提のもとに立ちました審議会といたしましては、むしろ実施の内容については、設置していただいて、その審議会で十分検討をして行くべき筋合いのものであろうと考えておりますから、そういう意味で私は先ほど、事務的に考えたと申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/101
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102・滝井義高
○滝井委員 どうも大臣の答弁はピントがぼけてる。これが通らなかつた場合に——法律論ですよ、いわゆる医師法の二十二条の強制分業が、そのまま来年の一月一日から実施されるかどうかということを、法律論として尋ねてるわけです。それを総務課長は実施されますと言つたから、大臣もその通りかというのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/102
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103・草葉隆圓
○草葉国務大臣 法律論といたしましては、先ほど総務課長が御答弁申し上げた通りであります。これは実施に至りますまで——私自身は通らないということは前提に置いておりませんから、法律はそうなつておりまするが、その段階においてはさらに十分検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/103
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104・滝井義高
○滝井委員 そうしますと、法律論としては、これが通らなくても来年一月から医薬分業が実施される、こういうことですね。そういたしますと、そういう場合に運営ができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/104
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105・草葉隆圓
○草葉国務大臣 これはさきに何べんも申し上げましたように、もしもそういう場合には——これは仮定の答弁はむしろ差控えるべきものでありますが、重ねての御質問でありますから申し上げますと、運営が阻害されると存じますか、そういう場合には十分研究をしながら進みたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/105
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106・滝井義高
○滝井委員 問題は非常に大事なんです。なぜかというと、これは審議会がなくても医薬分業が来年の一月一日から実施される。私たちは審議会の設置法がもしつぶれれば、これは動かぬと見ておるのです。ところがあなたの方は動くと言つているのです。だからどういうところから法律論として動くことになるのか、それをひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/106
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107・小山進次郎
○小山説明員 ただいまのお話をお聞きしておりまして、私ちよつと補足させていただきたいのでありますが、先ほど来申し上げましたように、純粋に法律解釈論としてどうなるかというお尋ねがありましたから、私は法律解釈論としてはこうなる、ということを申し上げたのでありまして、この点はおそらく後ほど速記録を見ていただいても、きわめて明瞭に読み取つていただけるように申しておつたつもりでございます。またこれから申し上げることも、純粋に法律論として考えればどうなるかということで御説明申し上げたいと思います。
昭和二十六年の法律第二百四十四号によりまして、それぞれ医師法、歯科医師法及び薬事法が改正されたのでございますが、改正されました条文は、まず医師法から申し上げますと、第二十二条に「医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認める場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。但し、省令の定めるところにより処方せんを交付することが患者の治療上特に支障があるとされる場合は、この限りでない。」こういうふうに第一項に規定されているのであります。このような場合に、もしも省令が制定されなかつたとしたならばどうなるかというところに問題はしぼつて行けるわけであります。と申しますのは、省令を制定しますためには、第二項にありますように、「厚生大臣は、前項但書に規定する省令を制定し、又は改正しようとするときは、別に定める審議会の意見をきかなければならない。」こういうふうに規定してあります。従つてもう一つ前の問題としては、かりにそういう審議会かなくて、あるいはあつても、そういう審議会の意見を聞かないで省令を制定した場合に、その省令がどういうふうになるかという問題が一つあり得るわけであります。この点については考え方は二つあり得るであろうと思いますけれども、法律にこれほど明瞭に規定してあるとしますならば、やはり省令の有効性について一応論議の出る可能性はあり得る。しかし厳密に突き詰めて行きますれば、その省令がそれで無効になるかどうかというところには、なお議論の余地があると思つておりますが、一応そういう意味で非常に問題のある省令になり得る、こういうことであります。従つて議論をさらにしぼりまして、まずそういう意味において、かりにそういうふうな省令の仕方は可能じやない、こういう立場に立つて考えてみますと、そういう場合には省令が制定されないということになるわけであります。従つてそういう省令が制定されないというような場合はどうなるかということになるわけでありますが、その場合は、但書に規定されているような特別な場合が定められないということになりますから、これは普通の法律の解釈といたしまして、当然原則の規定がそのまま働く、こういうことに相なるわけであります。
それから歯科医師法の第二十二条もこれはまつたく同様であります。それから薬事法では第二十二条に「薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない。但し、医師若しくは歯科医師が左に掲げる場合において自己の処方せんにより自ら調剤するとき、又は獣医師が自己の処方せんにより自ら調剤するときは、この限りでない。」とありまして、第一号に「患者又は現にその看護に当つている者が、特にその医師または歯科医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合」ということがきまつております。従つて先ほどの論議の通りでありまして、この場合薬事法の第二十二条の第一項の本文と第一号の場合は、これは当然働くということになるわけであります。それから第二号に「省令の定めるところにより診療上必要があるとされる場合」とありますが、この場合は先ほどの例で申しますと、省令が制定されませんから、こういう場合が一応きめられなかつたというだけの結果になるわけであります。第三号の「省令の定めるところにより薬局の普及が十分でないとされる地域で診療を行う場合」というこの場合も同様でございます。なお繰返して申し上げますが、私が御説明申し上げているのはまつたく単純な法律論でございますから、その点は特に御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/107
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108・小島徹三
○小島委員長 お諮りいたします。先刻の理事会の打合せ通り、本案の質疑は終了したものと認めるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/108
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109・小島徹三
○小島委員長 御異議がないようでありますから、本案の質疑は終了したものと認めます。本案の討論採決は次会に譲ります。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904237X02919540403/109
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