1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年二月十日(水曜日)
午前十一時三分開議
出席委員
委員長 千葉 三郎君
理事 淺香 忠雄君 理事 黒金 泰美君
理事 坊 秀男君 理事 山本 勝市君
理事 内藤 友明君 理事 久保田鶴松君
理事 井上 良二君
宇都宮徳馬君 大平 正芳君
苫米地英俊君 藤枝 泉介君
三和 精一君 福田 繁芳君
佐々木更三君 春日 一幸君
平岡忠次郎君
出席政府委員
自治庁次長 鈴木 俊一君
大蔵政務次官 植木庚子郎君
大蔵事務官
(日本専売公社
監理官) 今泉 兼寛君
大蔵事務官
(理財局長) 阪田 泰二君
委員外の出席者
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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二月五日
委員柳原三郎君辞任につき、その補欠として福
田繁芳君が議長の指名で委員に選任された。
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二月四日
緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律
案(内閣提出第一二号)
同月八日
国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会
の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)
(予)
同月九日
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一六号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一七号)
酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
八号)
印紙税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一九号)
砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第二〇号)
骨牌税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
二一号)
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
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同月四日
揮発油税軽減に関する請願(岡田五郎君紹介)
(第六六一号)
同(瀬戸山三男君紹介)(第六八六号)
中小企業特別融資に関する請願(片島港君紹
介)(第六七一号)
生糸に対する原糸課税反対に関する請願(小川
平二君紹介)(第七三九号)
同月五日
揮発油税軽減に関する請願(關谷勝利君紹介)
(第七五一号)
同(福田喜東君紹介)(第七七五号)
同(徳安實藏君紹介)(第八二九号)
同(平野三郎君紹介)(第八三〇号)
熊毛糖業振興に関する請願(岩川與助君紹介)
(第七五二号)
たばこ小売人の利益率引上げに関する請願(熊
谷憲一君紹介)(第七五三号)
麻製品に対する消費税課税反対に関する請願(
伊東岩男君紹介)(第七七七号)
節句飾物及び人形に対する物品税免除に関する
請願(西村直己君紹介)(第八三一号)
同月八日
所得税法の一部改正に関する請願(關内正一君
紹介)(第八三七号)
登録税法の一部改正に関する請願(關内正一君
紹介)(第八四五号)
生糸に対する原糸課税反対に関する請願(吉川
久衛君紹介)(第八四七号)
同(關内正一君紹介)(第九〇七号)
揮発油税軽減に関する請願(相川勝六君紹介)
(第八四八号)
同外一件(藤枝泉介君紹介)(第九〇五号)
(同外一件(平野三郎君紹介)(第九〇六号)
同(迫水久常君紹介)(第九九二号)
同(小峯柳多君紹介)(第九九三号)
電源開発に伴う移転補償金の免税に関する請願
(關内正一君紹介)(第八七九号)
葉たばこの冷害対策確立に関する請願(關内正
一君紹介)(第九〇三号)
大衆保護のため保全経済会の立法化に関する請
願外二件(松永東君紹介)(第九〇八号)
同(佐藤芳男君紹介)(第九九一号)
の審査を本委員会に付託された。
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同月六日
租税制度改革に関する陳情書
(第三六二号)
税制改正に関する陳情書
(第三六三号)
現行租税政策に関する陳情書
(第三六四号)
税制改正に関する陳情書
(第三六五号)
資本蓄積促進に関する陳情書
(第三六六号)
財政規模の縮減に関する陳情書
(第三六七号)
国税並びに地方税改正に関する陳情書
(第三六
八号)
織物消費税復活反対の陳情書
(第三六九号)
同(第三七〇号)
同(第三七一号)
石炭手当及び寒冷地手当に対する免税措置立法
化に関する陳情書
(第三七二号)
青果小売業者の本年度所得額決定に関する陳情
書
(第三七三号)
地方公共団体中央金庫設立の陳情書
(第三七四号)
中小金融機関に対する政府指定預金引揚げの延
期に関する陳情書
(第三七五号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
昭和二十八年度における国債整理基金に充てる
べき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第四号)
資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案
(内閣提出第八号)
製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源
に充てるための一般会計からする繰入金に関す
る法律案(内閣提出第一一号)
緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律
案(内閣提出第一二号)
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一六号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一七号)
酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
八号)
印紙税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一九号)
砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第二〇号)
骨牌税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
二一号)
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会
の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)
(予)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/0
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001・千葉三郎
○千葉委員長 これより会議を開きます。
去る四日本委員会に付託されました緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案及び一昨八日付託されまして国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の両案を一括議題として、政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。大蔵大臣政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/1
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002・植木庚子郎
○植木政府委員 ただいま議題となりました緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
この特別会計は、緊要物資の取得及び売払いのため、昭和二十六年一般会計より二十五億円を受入れ発足したのでありますが、その後これら物資の需給も著しく緩和いたして参りましたので、昭和二十八年度限りこの会計を廃止し、その資産のうち現金を産業投資特別会計に、その他の資産及び負債を一般会計に引継ぐ等必要な措置を規定しようとするものであります。
以上が、この法律案の提出の理由であります。
次に、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
御承知の通り現在皇室用財産として管理している正倉院宝庫においては、千二百余年にわたつて貴重な宝物が保存されて来たのでありますが、ここに収蔵してある宝物をさらに、永久、かつ完全に保存するためには、完全な管理のもとに修理を施す必要がありますが、現在完備した施設がなく支障を来している現状にあります。
これがため昭和二十八年度予算をもつて新たに正倉院保存修理室を新築することとなつたのでありますが、この建物は、宝庫の収蔵物管理には必要欠くことのできない重要性を有するものでありまして、宝庫と同様皇室用財産として取得する必要がありますので、国有財産法第十三条第二項の規定により提案した次第であります。
何とぞ御審議の上すみやかに御承認下さるようお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/2
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003・千葉三郎
○千葉委員長 次に、昨九日付託されました税法八件、すなわち所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、骨牌税法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の八法案を一括議題として、政府当局上り提案趣旨の説明を聴取いたします。植木政務次官。
発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/3
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004・植木庚子郎
○植木政府委員 ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案外七法律茶について、提案の理由を説明いたします。
政府は、過去数回にわたつて減税を行い、国民負担の軽減に努めて来たのでありますが、国民の租税負担の現状はなお相当重いと認められますので、情勢の許す限りさらにその軽減をはかることが望ましいのでありますが、現下の財政及び経済の情勢にかんがみるときは、この際消費意欲を刺戟し、また歳入総額の減少を来すがごとき税制の改正は、これを避けることが適当であると考えられる次第であります。
しかしながら、特に低額所得者の負担を軽減するとともに資本蓄積の促進をはかり、あわせて奢侈的消費の抑制、国際収支の改善等に資するため、税制について所要の調整を加えることが適当であると考えられますので、所得税、法人税等の直接税の負担を軽減合理化するとともに、奢侈品、高級品に対する課税を中心として閣接税の増徴、新設を行うこととし、その他課税の適正、簡素化及び地方財源の偏在、是正をはかる等のため必要と認められる改正を行うこととしたのでありまして、さしあたりここに関係八法律案を提出した次第であります。以下順次各法律案について、その大要を申し上げます。
第一に所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。所得税につきましては、まず主として低額所得者の負担の軽減をはかるため、基礎控除額及び扶養控除額を引上げることとしております。すなわち基礎控除額を六万円から七万円に、扶養控除額を、最初の扶養親族については三万五千円から四万円に、二人目及び三人目については二万円から二万五千円に、それぞれ引上げることとしたのであります。但し昭和二十九年分については、この改正を四月から実施したものとして計算した金額とし、給与所得に対する源泉徴収については、四月以後の分については、この改正後の平年度の金額により計算した税額によることとしているのであります。
次に、資本蓄積の促進に資するため、生命保険料の控除額を八千円から一万二千円に、但し、昭和二十九年分については一万一千円に引上げることとし、また別途租税特別措置法の改正により、個人の長期の定期性預貯金等の利子並びに配当所得に対する源泉徴収税率を引下げることといたす予定であります。
次に、退職所得及び山林所得の負担の軽減合理化をはかるため、退職所得についての現行二十万円の控除額を、勤務年数が十年を越える者については、勤務年数に応じて最高五十万円まで引上げることとし、また山林所得については、他の所得と分別して、五分五乗方式により課税することとしているのであります。
さらに青色申告の普及に資するため、青色申告者についての専従者控除の限度額を基礎控除額と同額まで引上げるとともに、配偶者についても専従者控除を認めることとしているのであります。
次に、申告所得税について手続の簡素化をはかるため、予定申告制度を予定納税制度に改めて、前年分の所得税額を基礎とした税額により、申告を要しないで予定納税することとし、また、変動所得の課税方式を簡素化しようとしているのであります。
第二に、法人税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
法人税につきましては、税率の引下げ等による一般的な軽減は行わないこととし、別途租税特別措置法の改正により、資本蓄積の促進、資本構成の是正及び輸出振興等に資するため所要の軽減措置を講ずることを予定しているのでありますが、本法律案におきましては、法人の積立金に対する累積課税の制度を廃止し、同族会社が一定限度を越えて新たに利益のうちから積み立てた場合には、積み立てた年度において一回限り、その積み立てた一定の金額に対して一〇%の税率により課税することとしております。なお、この機会に同族会社の範囲について、現在株主の一人が株式の三〇%以上を有している場合に同族会社に該当することとなつているのを、五〇%以上を有している場合に改める等によりその合理化をはかることとしております。
第三に、相続税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
相続税につきましては、主として相続財産等の価額が低額である場合の負担を軽減するため、最低税率を引下げる等により税率の緩和をはかるとともに、生命保険金及び退職金に対する控除額を現行の三十万円から五十万円に引上げることとし、その他相続財産に含まれる立木について、所得税の負担を考慮して評価の合理化をはかることとしているのであります。
以上のほか、所得税、法人税及び相続税を通じて、申告後一年以後に更正が行われた場合等について利子税を軽減することとし、また、第三者通報の制度を廃止することとするほか、所要の規定の整備を行うこととしているのであります。
第四に、酒税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
酒税につきましては、昨年税率を引下げた事情もあり、これを全般的に引上げることは、現在の酒税の負担状況から見て適当でないと考えられますので、今回は高級酒類を中心として、清酒特級及び第一級、ビール並びに雑酒特級について、その税率を五分ないし一割程度引上げることとしております。これにより、酒類のびん抜き小売価格は、清酒特級では一升九百四十五円が千五円程度に、ビールは一本百七円が百十円五十銭程度になりますが、このほか原料米の値上り等による製造原価の若干の引上げ等を考慮すれば、これよりも若干高くなる見込みであります。
第五に、砂糖消費税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
砂糖消費税につきましては、最近における砂糖の消費状況等に顧み、樽入黒糖及び樽入白下糖を除き、分蜜白糖に対する税率を百斤につき現行二千三百五十円を二千八百円に引上げる程度の増徴を行うこととしているのであります。
第六に、骨牌税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
骨牌税につきましては、現在麻雀は一率に千五百円となつておりますのを、その素材によつて税率に区分を設け、象牙製のものは六千円に、牛骨製のものは四千円に、その他のものは二千円に引上げ、その他の骨牌については二割程度増徴することとしているのであります。
第七に、印紙税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
印紙税につきましては、昭和二十三年以来税率がすえ置かれておりますが、その後における一般物価の上昇等を勘案し、定額課税の印紙税の税率を、委任状については二円を五円に、受取書等については二円を十円にそれぞれ引上げる等相当程度引上げることとしているのであります。もつとも、小額の受取書等に課税することは適当でないと認められますので、免税点を千円から三千円に引上げることとしているのであります。
最後に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
最近における同法実施の状況に顧み、酒類業組合等の実情に即した運営をはかるため、酒類業組合等の定めようとする協定の内容が、当該組合等が直接または間接の構成員となつている連合会または中央会が大蔵大臣の認可を受けて定めている協定の内容と同一であるときには、あらためて大蔵大臣の認可を要せず、届出をもつて足りるものとし、手続の簡素化をはかることとしたのであります。
以上八法律案につきまして、提案の理由と内容の概略を申し上げたのでありますが、右に申し上げた措置によりまして、所得税において約二百七十五億円、法人税においては、租税特別措置法による改正分を加えて約十九億円、相続税において約三億円のそれぞれ減収となります反面、酒税におきまして約三十七億円、砂糖消費税におきまして約五十七億円、印紙税及び骨牌税におきまして約五十五億円の増収が見込まれるのであります。なお以上のほか、別途再評価税につきまして約二十四億円の減税、物品税につきまして約十億円の増税、揮発油税につきまして約三十一億円の増税、高級繊維品に対する消費税によりまして約八十五億円の増収を予定しておりますので、これらを通算して、今回の税制改正の結果、直接税において約三百二十一億円の減収、間接税におきましての増収見込額は約二百七十六億円に相なつておりまして、差引四十五億円の減収と相なつておる次第であります。
何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成賜わりますよう切望いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/4
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005・内藤友明
○内藤委員 今植木先生から何だか増税になり減税になるということをお話になつたのですが、実はまだそんな法律案は出ていないのです。どこから割出してそういうふうな御説明をなさつたのかわかりませんが、ただいま八つの法律案が出ておりますが、大事な租税特別措置法の一部改正、物品税、揮発油税、それから問題の繊維消費税なんというものは出ておらぬのでございますが、それはいつごろ出るのか、それをお出しにならずに、今御説明を聞いておりますと、それがそれだけ減ずるのだ、増税するのだということはちよつと合点が行かないのですが、今まで法律案も出さないのに税金だけそうなる、こうなるということは一度も聞いたことがないのであります。これはこのごろの新発明でありますか、いつごろ爾余の法律案をお出しになるのしか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/5
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006・植木庚子郎
○植木政府委員 一応ごもつともな御質問でございますが、ただいま提案いたしました八法律案と、今参考に御説明申しました他の増減税法案とは密接な関係もございますので、この際八法律案の御審議の際に、近く提出することになつております分の大要をもあわせて御説明申した方が御参考になろう、こう思つて御説明申した次第でございます。各法律案の提出時期につきましては、目下法文の整備に鋭意急いでおりますから、一日も早く提出いたしたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/6
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007・内藤友明
○内藤委員 まことに御親切なお言葉でありますが、その五つの法律案はいつごろ出るのでありますか。それと関連してこの審議をしなければならぬのでございまして、その法律案をお出しにならぬと、これは審議ができないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/7
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008・植木庚子郎
○植木政府委員 入場税と物品税に関しまする改正法律案は、もうすぐ出せると思います。その他の法律案はもう少し遅れると思いますが、少しでも早くできますように勉強いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/8
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009・内藤友明
○内藤委員 およそいつごろか、その日をお知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/9
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010・植木庚子郎
○植木政府委員 物品税と入場税につきましては、来週早々に提出ができる見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/10
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011・内藤友明
○内藤委員 それから例の繊維消費税はいつごろですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/11
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012・植木庚子郎
○植木政府委員 これはなるべく早く出したいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/12
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013・千葉三郎
○千葉委員長 内藤君、よろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/13
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014・内藤友明
○内藤委員 よろしゆうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/14
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015・千葉三郎
○千葉委員長 ただいま説明のありました各法案に対する質疑は、次会に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/15
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016・千葉三郎
○千葉委員長 次に、昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案、製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案の三法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。井上君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/16
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017・井上良二
○井上委員 最初に、昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案に関連をしまして伺いたいのであります。本改正の内容は、二十八年度に改正をしました点を引続いて二十九年度も適用させるという改正の趣旨であります。そのこと自身には問題はないのでありますが、この国債整理の内容について二、三伺いたいのであります。その第一は、内国国債は二十七年度末に三千三百六十七億円でありましたが、これが二十八年度末の見込みは四千六百九十六億円となり、約千三百三十億円が増加する予定であります。この増加する理由は一体どこにあるか、その内容をまず簡単に明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/17
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018・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまの国債が二十八年度末に増加いたします内容の問題でありますが、ごく大体のことを申し上げますと、御承知のように昭和二十八年度におきましては、一般会計等におきましては国債の発行を予定いたしておりませんが、産業投資特別会計におきまして、二百億円の減税国債の発行を予定しております。その関係と、それから利息国庫債券の交付せられるもの、これは二十七年度においても行いましたが、二十八年度にも増加するわけであります。それからそのほかに大きなものといたしまして、従来日本銀行からの借入金でまかなつておりましたものを、これは四百億円程度でありますが、今回国債に借りかえることにいたしました。それによりまする増加、それからもう一つ、一番金額の大きいのは、国際通貨基金に出資するために、通貨の代用として国庫債券を発行いたしました。これが約六百六十五億ございます。これは国際復興開発銀行に出資いたします分は、二十七年度に発行いたしましたが、通貨基金の方は二十八年度の発行になるわけであります。そういうものを合せますと、大体お示しのような増加額になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/18
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019・井上良二
○井上委員 次に外債でありますが、二十八年度末の見込みの内訳は、英貨債が邦貨換算で六百七億円、米貨債が二百五十三億円、仏貨債が四億円となつております。このうち英貨債と米貨債の内容を一応御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/19
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020・阪田泰二
○阪田政府委員 英貨債、米貨債ともそれぞれ銘柄が十数種ございますが、内容については別途資料でお知らせいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/20
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021・井上良二
○井上委員 特に米貨債の中に例の対日援助の金額は含まれておるのか、それともあれは全然別になつておるのか、その点はどういうことになつておりますか、それを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/21
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022・阪田泰二
○阪田政府委員 御質問の対日援助の関係につきましては、大蔵大臣からたびたびお答え申し上げておりまするように、まだ確定的な債務となつておるものでもありませんので、この中には計上されておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/22
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023・井上良二
○井上委員 本日の新聞を見ますと、大蔵省では手持ち外貨六億ドルを売却しまして、そのうち約二千億円を開発その他の銀行に預託をして、オーバー・ローンの解消に向けたい。こういうことが発表されておりますが、この手持ち外貨六億ドルの売却をしてオーバー・ローンの解消に充て得るという場合において、これの売却の価格は一体どういうことになりますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/23
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024・植木庚子郎
○植木政府委員 ただいまの御質問は、本日のある新聞に出ておりました件についてでございますが、ただいま発表云々と仰せられましたけれども、大蔵省として別に発表したものではございません。手持ち外貨を利用いたしまして、これによつて現下のわが国の資本構成、銀行の資産内容の構成上いろいろの論議の種に相なつておりますオーバー・ローンの問題の解消に資するために、適当に利用する方法はないかということにつきましては、目下せつかく研究中でございまして、いまだ成案を得るに至つておりません。場合によりますと、この問題につきまして、本国会中に御審議を願うようになるかもしれませんが、ただいまのところせつかくまだ研究中の問題でございまして、ここでもこの点について構想を申し上げ得る程度に至つておらないことを遺憾に存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/24
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025・井上良二
○井上委員 きようの日刊新聞のほとんど全部が、この問題を経済記事として大きく取上げております。それによると、大蔵当局から日銀政策委員会に、オーバー・ローン解消の一つの手として、かような方法をとりたい、政策委員会はどう思うか、その日銀の政策委員会の意見を聞く、こういうことに実は政府が働きかけておるやに聞いておりますが、さような事実はありませんか、それを伺いたい。そうして、政府がもしそういう意図をお持ちでございますならば、一体六億ドルという手持ち外貨を売ります場合、国際的な市場価格というものはどういうことに今なつておりますか、それを伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/25
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026・植木庚子郎
○植木政府委員 大蔵省から、ただいまお尋ねのような手持ち外貨中の六億ドルについての適当な利用方法などについて、日銀の政策委員会へ質問といいますか、あるいは意見を問うということをしたかという仰せでございますが、この点も大蔵省から正式にそうした意見の聴取、あるいは説明をしたわけではないのでありまして、大蔵省部内で研究をしております一つの構想について、向うの政策委員の方々の御意見は那辺にあるかということを知るために、大蔵省関係の一政策委員が、自分の私案としていろいろ話題に供したのではないか、かように存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/26
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027・井上良二
○井上委員 次に食糧証券の問題でございますが、二十七年度に食糧証券千四百七十億、それが二十八年度には千九百五十億、さらに本年度の二十九年度末の見込みでは二千百六十億と、食糧証券が年々増加を見込まれて来ておるのであります。もちろん人口増による国内食糧の不足その他から、外国食糧の輸入等にも関連がございましようけれども、一体食糧証券を年々かくのごとく増発するということが妥当な政策であるかどうか、特に現在の食管会計の内容をわれわれ検討しますと、主食である米麦中心の食管だけではなしに、いろいろなもの食管会計の中に抱き込まれており、しかもその抱き込みになつておりますたとえば北海道のてん菜糖でありますとか、澱粉でありますとか、あるいはいも粉でありますとか、そういうものがいずれも大幅な赤字を出しておる、それが食管の大きな赤字となり、また食管会計の全体の運営の上に大きな支障を来しておる事実をわれわれは見のがすわけには行かない、そういう問題を何ら解決せずに、食管の食糧証券を年々増発して行くというやり方を一体どうお考えですか、この点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/27
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028・植木庚子郎
○植木政府委員 まことにごもつともなるご心配でござまして、われわれ大蔵当局といたしましても、食糧証券の増発の問題については、常に慎重な態度で御協議にあずかつております。仰せの農産物、たとえばてん菜糖、澱粉、あるいはいも粉というようなものにつきましての若干の赤字の問題も、この食糧証券増発の一因になつておるかとも考えられますが、やはり主たる問題は一米価そのものがだんだん上つて参りまして、そのために食糧証券の増発の主たる原因が起つておるというふうに考えておるのでございます。今後この食糧証券の問題については、なお一層われわれといたしましてもよく注意をいたして見て参りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/28
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029・井上良二
○井上委員 次に昨年発行いたしました二百億の国債の消化の現状はどうなつておりますか、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/29
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030・阪田泰二
○阪田政府委員 二百億本年度に発行を予定しておりまする特別減税国債の消化の状況を申し上げますと、大体十二月末におきまして、応募額の総計が百三十二億六千四百万円という数字になつております。今後さらにこれの募集につきましては努力するつもりでありますが、二百億に対しましては、やはり相当の売れ残りと申しますか、応募不足額が出るのぢやないかというふうにただいまの現状では考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/30
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031・井上良二
○井上委員 もう一点伺いますが、朝鮮食糧証券というものを発行して、これが一億四千万円依然として残つておりますが、どういう方法でこれを処分するつもりですか、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/31
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032・阪田泰二
○阪田政府委員 この朝鮮食糧証券につきましては、終戦当時における残高がそのまま継続されておるわけでありまして、これの措置の方針その他につきましては、ただいまのところまだ決定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/32
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033・井上良二
○井上委員 内国債の増加して行くうちで、さきに局長の御説明によると、その一つの大きなものに、従来日銀から借入れをしておりましたものを国債によつて肩がわりさした、こういうお話でございますが、この日銀からの借入れによつた場合の利子と国債による場合とはどういうぐあいになつて行きますか。四百億という総額においての利子の計算の上で、どう帳じりでは違いますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/33
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034・阪田泰二
○阪田政府委員 これは、日本銀行からの借入金につきましては、普通三分六厘五毛という利子でやつておりますが、これに対しまして国債を発行すれば、御承知のように五分五厘という率になるのであります。そういう点で、国債にいたしますれば利子としては増加するわけでありますが、これはそもそも当初から日銀からの借入金、あるいは国債の発行によつてやり得る、こういう規定でありましたが、借入れによりましても、結局だんだんと長くなりまして、やはり国債の発行によりましてまかなうことが適当な形であると認められますので、従来のいろいろな沿革から残つております借入金を、この際国債の形で全部まとめて整理するということにいたしたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/34
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035・大平正芳
○大平委員 関連して。先ほど理財局長から特別減税国債の現在までの消化の状況、これが年度末まで参りましても若干未消化のものが残るというお話がございましたが、そういたしますと、開発銀行の方の金繰りが狂つて来るじやないかと思いますが、局長はこれをどういうふうにするつもりか。そういう点が一点。
それから遺族国庫債券は大体すでに交付が終つたかどうか。
それから生活保護者に対してはこれを現金化しておるということを聞いておりますが、どの程度現金化が終つておるのか。そういつた点を二、三お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/35
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036・阪田泰二
○阪田政府委員 減税国債の売れ残り願に相応する額は、開発銀行に対する融資の予定額がそれだけ減少するわけでありますが、開発銀行の方に対しましても、どれくらい不足額が出るか、はつきりしないのでありますが、ただいまそれに対応して一応いろいろ対策は立てております。大体におきまして、回収金がみな予定以上に増加する分がありますので、それによつてまかないがつくような部面もございます。その他貸付金の交付の計画をいろいろ改訂せしむる等のことによりまして、何とか不足額程度は処置できるであろうという見通しが立つておるのであります。
それから遺族国庫債券の交付の進捗状況でありますが、これは交付金額九百十四億円というような予定をしておりますが、それに対しまして厚生省から請求がありまして、日本銀行へ国債交付の令達を済ませましたものが現在で八百三十五億円でございまして、大体八九%程度が交付済みということになつております。二%だけ残つておるわけでありますが、これは主として沖縄関係につきまして最近交付を始めましたので、その分がこれから始まるわけであります。これにつきましても整理を急ぎまして、年度内に大部分完了することにいたしたい、かように考えております。
なお遺族国庫債券の現金化の問題につきましては、二十八年度におきまして、大体債務償還費三十億円の中から買上げをいたしておりまして、生活保護法の適用者、ことに昨年の風水害の被害地における被災者等の持つておりますものの中から買上げを行つておる、さような状況になつております。その他国民金融公庫におきましても、御承知のように十億円の資金を大体これに引当てまして、遺族国債担保の貸付をやつております。これも大体十億円の大部分、八億九千万程度が貸し付けられておる状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/36
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037・井上良二
○井上委員 資金運用部の問題で関係者が急ぐようですから、二、三伺つておきたいのですが、特に大蔵大臣がおるとぐあいがいいのですが、おられませんから、政務次官からお答えを願いたいのです。先般簡易保険、年金の資金を独立させて、向うは向うでかつてにやらすことにいたして参りましたが、最近簡易保険、年金等の非常な発展の結果、資金が非常にふえて参りまして、もうここ一、二年すると、実は資金運用部特別会計の運用する資金よりも向うの方の資金が大きくなりはせぬかと私は見ております。そうなつて参りますと、大蔵省の資金計画の上において一体これをどう調整をしようとされますか。もちろん簡保年金の運用は、これ自身をできるだけ国民に理解せしめ、かつ多くの加入者を募つて行く上において、見返り的に当該地方にこの資金を流して行くというこの趣旨自身に、われわれは反対するものではありせんが、それをはるかに上まわる資金が積み立てられまして、それが資金運用部の全体の資金計画とはほとんど十分な連絡なしに、向うは向うで独立的に運用を行うということが、まあ無意識的にやはり役所的なわ張りから起つて参る危険があります。ただいままでは運用資金もわくが少いのでありますから、そんな問題は起つて参りませんけれども、今後資金が相当大きくなり、運用する面が大きくなつて参りますと、逆に向うの方の圧力が強くなつて来はせぬか。そういうことになると、大蔵省の所管である資金運用の全体の計画というものは一体どうなるかという点について、今日から対策を立て、ある一定額は簡保年金の運用資金におまかせをしてもいいが、その一定以上のものになつた場合には、資金運用部資金の特別会計に入れてもらう、こういうぐあいに将来持つて行くべきではないかと私は考えます。そういう点についてどうお考えになつておりますか、その点をまず伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/37
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038・植木庚子郎
○植木政府委員 まことにごもつともなる御意見でございまして、簡保年金資金の別途運用の問題につきましては、御承知のように非常な経過と申しますか、折衝の結果、今日の現状に至つておるのであります。資金運用部の資金運用の観点から申しますと、全部これを一部局で統一運用し得るようになつておりますことが、ある意味では非常に好ましいのでありますが、いろいろな沿革その他がございまして、今日の現状になつておる次第であります。しかしながら幸いにして、今日資金運用部資金運用審議会というものがございまして、この審議会におきましては、簡保資金の分につきましても、固有の資金運用部資金につきましても、密接なる計画、連絡のもとに貸付その他運用をはかつておる次第であります。今日の現状では、お互いに、この貸付の分野その他につきましても十分連絡がとれております。スムースに行つておると思うのでありますが、お説のごとく将来のいわゆるこの伸びぐあいによりまして、向うの方がさらにどんどん大きくなつて行つて、資金運用部資金の運用計画上困りはせぬかという御心配もごもつともで、われわれとしましては今後なおこの問題についてはできる限り慎重に、しかも両者間の円満なる事務の進捗がはかれるようにして参りたい、かように存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/38
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039・井上良二
○井上委員 次に自治庁の方に伺いますが、昭和二十八年度災害補助つなぎ資金につきまして、先般大蔵省から末端の各地方財務局に命令をいたしまして、都道府県市町村のつなぎ資金の効率的な使用状況について調査をいたしたのでありますが、その結果によると、目的通りつなぎ資金を使つておりますのは六二%にすぎません。そして目的以外に使うもの四%、それからまだ全然使つていないというものが全体で三四%にも上つております。もちろんこの調査は十二月二十日ころの調査でございまして、十二月初めから十二月中ごろまでの調査でございますから、十三号台風を受けた地域は多少ずれておりますので、正確な資料とは申されませんが、このつなぎ資金の使用について自治庁は一体どういう通達を府県市町村にお出しになつておりますか。このつなぎ資金は災害復旧の応急復旧費に使つていいということになつておりますか、それとも補助金目当の災害原形復旧に使用せよという通達になつておりますか、その点を明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/39
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040・鈴木俊一
○鈴木(俊)政府委員 つなぎ融資の地方団体における使途の状況につきまして御指摘をせられて、地方団体に対して自治庁はどういう指導をしておるかというお尋ねでございますが、この災害関係のつなぎ融資は、補助金なりあるいは起債なりを見返りにいたしまして、大蔵省の方から御融通になつておるわけであります。従いましてその融通条件として、やはりさような災害関係の費途に使用しなければならぬわけであります。この点は自治庁から特に通達は出しておりませんけれども、しかしこれは融通条件として当然のことでございまして、地方団体といたしましてはその条件に従つた使用をいたすというのが筋でなければならないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/40
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041・井上良二
○井上委員 災害復旧、応急復旧というものには、補助金または起債の認可の裏づけがないように聞いておりますが、さようでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/41
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042・鈴木俊一
○鈴木(俊)政府委員 昨年の災害の当初に融通をいたしました分につきましては、御指摘のように、爾後の補助金、起債等の見返りと若干違いまして、応急に融資をいたしたわけでありまして、結局この関係は必ずしも災害に関する補助事業、あるいは起債対象事業に限らず、その他の応急対策費等に充当してもよろしいという含みで——これは当時災害対策本部がございましたが、そういうような含みで融通せられたわけでございます。その分は、従つて必ずしも爾後融通せられました分と同じような使用の仕方にはなつていないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/42
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043・井上良二
○井上委員 各地方団体の実情を伺いますと、補助金または起債の見返りのつなぎ資金であるから、従つて応急復旧にこのつなぎ資金を使つてしまつたならば、原形復旧の予算的措置ができない。原形復旧にこのつなぎ資金の一部を使つて、それに基く補助が来ました場合資金を返す、こういうやり方をせなければならぬ。だからここであなたの方といたしましては、たとえば橋が流される、あるいは道路が欠壊する、そういうやむにやまれぬ事態に対する応急復旧にこの資金を使いました場合、それ自身についてはこの補助金がございません。そういたしますと、地方団体は返すべき財源がございません。ここに一つ問題がございます。そこで今度は応急復旧はまあどうにかこうにかお茶を濁しておいて、かんじんの原形復旧への仕事を始めようといたしますためには、どうしても府県の指導を得まして工事設計を行つて、工事監督を具体的にしていただく措置が講ぜられない限り、この金を使うわけには行かぬことになるわけです。だから応急復旧の場合と原形復旧の場合との補助的また起債的な政府の処置というものが、地方団体に明確にされてないのじやないかと思う。但し災害救助法を適用されました地域は、このつなぎ資金をいろいろな面に使いましても、災害救助法に基く補助が出て参りますから、その場合はこのつなぎ資金を返す財源がそこに出て参ります。ところが土木災害及び農林災害等の応急復旧は、全然補助及び起債の対象になつておりません。これをどうするかということが一つ問題です。そういうことは地元でかつてにやつておけということになりますか、それとも実はつなぎ資金を使つておつても補助の対象にするといいますか、その点はどういうぐあいになつ
ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/43
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044・鈴木俊一
○鈴木(俊)政府委員 御指摘のように、災害団体におきましては、できるだけ早く災害復旧事業費の査定を各省にやつてもらいまして、査定が確定をいたしますれば、すみやかにそれに伴う補助金を支出してもらう、そうして従来借りておつたつなぎ融資を返して行く。また補助額が確定をいたしますれば、それに見合います地方の負担分につきましては、これは起債の割当を一〇〇%いたしますから、要するに補助金、起債が参りまするならば、公共に属しまするところの補助災害分につきましては、借りておつたつなぎ融資は返して、工事もどんどんやつて行ける、こういうことになるわけでございますが、御指摘のように、さような補助対象になりません災害の事業につきましては、これはいわゆる単独災害の復旧事業になるわけでございますが、これは補助金がございませんので、自治庁といたしましては起債を割当てるわけでございます。この起債は、現在約百億残つておるのであります。それから補助災害の分もまだ五十億残つているのであります。この両方のほかに、さらに例の地域を指定されましたところにつきましては、税の減収とか災害対策費が出ますための起債の特例法がございまして、その特例法に基く起債は元利補給されることになつているわけでありまして、その分がさらに五十億あるのであります。今後災害のためにさような形で出て参りますものが、以上合せますと二百二十億になると思いますが、これはなぜ今日まで遅れているかと申しますと、災害の査定が遅れている、従つて補助金の配分が遅れているというところに原因があるわけです。単独災害の起債の割当につきましては、やはり補助災害と関連をいたしておりますので、その割当と見合つて割当をいたしたいというようなことから、これも遅れているわけであります。しかし今月の中下旬には、大体この災害関係のまだ残つております市町村の地域指定等も決定いたすと考えておりますので、さような手続が完了し次第災害分を割当てたいと考えております。さようにいたしますれば、いろいろつなぎ融資の上で御指摘のような無理な点が残つておりますものは、おおむね解消するのではないか。さらにそのほかに、災害と関係ございません一般の補助事業につきましても、国の補助金の交付が遅れておりまして、起債の関係はそれに見合います分につきましては、総額四百億のうち三百億だけはすでに配分いたしておりますが、補助の確定を待ちまして、さらに百億出すようにいたしております。そういうものも合せますと、三百二十億余のものが行くことになるわけでありますし、また一方特別平衡交付金の配分を中旬中には了したいと考えておりますが、これがやはり百十億程度あるのであります。そういうものが地方にずつと参りますので、その結果は、今のつなぎ融資の上で出ておりますような無理な点は解消されるというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/44
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045・井上良二
○井上委員 鈴木次長さんによく聞いておいていただきたいのは、大蔵省の考え方というものは、災害を受けて次の補助金が参りますまで、地元としては応急復旧その他に非常な資金がいるからということで、このつなぎ資金を出した。ところが実際行つて調べてみたところが、三四%というものは未使用になつて、銀行及び信用組合に預金をされておつた。たとえば九月二十五日に台風十三号による災害をこうむつたのでありますが、そうすると十月、十一月、十二月、三月間全然使わぬというのがある。一体これはどういうことか。そういうことならばつなぎの必要はないのではないか、こういうのが大蔵省の考え方なんです。そこで資金が効率的に使われておらぬということで、こんなことなら、この次のつなぎ資金は相当考えなければならぬ、こういう考え方が大蔵省の考え方でないかと私はにらんでおります。ところが実際は、今申しますように、応急復旧の場合は補助の対象になかなかしてくれませんので、どうしても原形復旧の工事設計が具体的にできまして、それに対する仕事の計画が立ちませんと、この金を使うわけに行かぬ。使うたなら、補助金が来ません場合に返すことができませんから、そういうわけで問題は、要は府県の市町村に対する設計、監督の事務が非常に遅れておるために、せつかくいただいたつなぎ資金を実際の復旧に使うわけに行かない。そのために、下手して持つておつたのじや使い込むからというところから、銀行や信用組合に預託しておるのであつて、問題は府県の市町村に対する災害復旧工事への設計、監督というものが、人手が足らぬといいますか、そういうところに大きな原因があるとにらんで来ましたが、そうじやありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/45
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046・鈴木俊一
○鈴木(俊)政府委員 せつかくのつなぎ融資を使用しないで、銀行あるいは協同組合等に預金をしているということは、おそらく御指摘のようにのどから手を出したいくらいの金でありますから、窮乏している町村といたしましては、使いたいのはやまくであろうと思うのであります。御指摘のような町村が災害復旧工事、あるいは応急復旧の工事などをやります場合におきましても、技術陣、特に土木に関する技術者というものは町村ではとうてい維持することはできないわけでございまして、いつも府県に頼んで設計をしてもらい監督をしてやつてもらう。こういう形の場合が御指摘のように多いと考えます。そういう関係が設計ができない。従つて工事に着手できないということがあろうかと思います。しかしいま一つさかのぼりますと、設計ができないというのは、結局災害の規模が幾らに査定されるか、従つて補助金が幾ら来るかということが確定いたさぬものでございますから、設計の方もどういう基礎で設計するかということがきまつて来ないというようなところにやはり根本の問題があろうかと思うのであります。そういう意味で、私どもの方といたしましては、建設省なり農林省なりに、できるだけ急いで査定を完了して、補助をはつきりしてくれということを今も申し入れておるのでございまして、御指摘のような事実からかように遅れている点が多々あろうかと私どもは存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/46
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047・井上良二
○井上委員 そこでただいま次長がお話の通り、建設省なり農林省なり、その他の関係省の工事実施に伴う指導責任態勢というものが確立してないということから、つなぎ資金が有効適切に効率的に使われておらぬという結論になつて来ておるのです。従つてこれは地元地方団体の責任ではないのです。そういうことがここで大体明らかになつて来たわけですから、そこで理財局長さん、どうです。これはこんなに使うてないから、今度災害が起つてもそんなにつなぎ資金をよけい出さぬでもいいというような、そんな甘い考え方を持つておつてもらつたらえらいことになりますが、これはどういうお考えですか、この際これを明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/47
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048・阪田泰二
○阪田政府委員 災害つなぎ融資の調査の結果によりまして、ただいまお話のような事実がありましたわけでありますが、これにつきましては、ただいま自治庁の方からお答え申し上げましたように、いろいろ事情があると思います。そこでただいま御指摘がありましたように、関係の官庁におきまして工事費の査定設計の査定を急ぎ、最も仕事を円滑に敏滑にやるというようなこともあわせてやつて参らなければならないと思いますが、資金運用部からこういう災害応急資金を出します出し方につきましても、やはり今日までの実績を見まして、十分検討いたしてみたいと思います。それにつきましてはただいまお話がありましたように、ただそういう不備があつたから来年はうんと削つてしまうとか、災害があつても出さない、こういうことではなしに、実情に適した出し方をするように、この次から十分くふうをしてみたいと考えております。御指摘のように、最初に必要となりますものは、当座の応急的な資金でありまして、原形復旧の土木工事がすぐ始まらないという際に、非常に地方から緊急な要望があるものですから、そういうものを補助のつなぎ融資という形で出しておるのでありますが、調べてみましたところが、それがやはり実情に適してなかつたわけでありますから、いろいろその辺のところを研究いたしまして、こういう場合には、どういうふうにしたら円滑に、しかも地方が一番必要とする資金が適切に出せるか、私どもの方でももう少し勉強してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/48
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049・井上良二
○井上委員 もう一度自治庁の方にお願いしておきたいのは、けしからぬのは目的以外につなぎ資金を使つておることです。多分、大蔵省が調査をいたしました内容については、あなたの方にも通達が出ておるだろうと思うのですが、事態は全然当てはまらぬのにかかわらず、当てはまるような要求を出して来て、政治的につなぎ資金をよけいとつておる。実際それを使わずに、他の面にこれを使つておるという地方団体に対しては、どういう警告を発するつもりですか。こういう目的以外に使つておる団体に対しては、相当警告をやかましくしておかぬといかぬじやないかと私は思いますが、この点に対するあなたの見解をひとつ伺いたい。ただ未使用分につきましては、実際工事設計等ができないという面から、また補助金額の全体のわくがきまらぬというようなところから、設計もできずに遅れておるということは好意的に認めなければならぬと思います。つなぎ資金をそのことに使わずに他の方面に使つてしまうということは、最も悪質な行き方でありますから、これに対しては厳重な忠告をする必要があろうと思いますが、これについて自治庁の御意見を伺いたい。
なお最後に、二十九年度地方団体の起債わくが資金運用部特別会計として四百三十億計画されておりますが、この内容は一体どういうぐあいになつておりますか、あわせて説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/49
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050・鈴木俊一
○鈴木(俊)政府委員 大蔵省の御調査によりますと、地方団体で融資の目的になつております条件外に使用しておるのが四%あるというお話でございまして、この点は昨年大蔵省からわれわれも連絡を受けておるのでございます。そのこと自体が確かに遺憾なことでございまして、今後十分注意をいたさなければならぬと考えるのでありますが、地方団体におきましては、昨年来いわゆる赤字の問題に非常に悩んでおるわけでございまして、赤字の再建については、農業協同組合等と同じように、そういうことで破産に瀕しておるような地方団体に対しては、再建整備をしてもらいたいという希望を強く持つておるのでありますが、しかしこの点はなお今後の問題に属しておるわけであります。二十七年度の赤字は約三百億程度のものがあるように私ども数字を持つておりますが、そういうようなことで、団体によりましては背に腹はかえられない、非常にやむにやまれない事情から、心ならずも目的外に使用しておるというようなところもあろうかと思うのであります。それからまた原因といたしましては、補助が参りますまでの間に返すという条件のもとに、他に流用しておるところがあろうかと思いますが、このこと自体は、私どもといたしましては厳に戒むべきことと考えます。何分さような実情もありますので、償還期限に遅れないように返す、そしてできるだけ目的内の使用にするようにするということを、府県の地方課長の会議等におきましては指導いたしまして、そういうふうに町村の方にも指導するようにしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/50
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051・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいま目的外に使用したものにつきまして、自治庁の方にお尋ねがあつたわけでありますが、資金運用部といたしましては、この災害つなぎ融資に限りません。一般の資金運用部資金の融通先につきましては、地方の財務局等におきまして使用の状況を時々調査いたしておりまして、目的外に使用したというものにつきましては、その情状の悪いものは繰上げ償還を命じて、取返してしまうというような措置をその都度とつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/51
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052・井上良二
○井上委員 地方債の起債の内容を言つてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/52
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053・鈴木俊一
○鈴木(俊)政府委員 政府資金の二十九年度の地方債計画におきまする内訳は、八百九十億のうち、四百三十億が資金運用部資金関係、四百六十億が簡易保険積立金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/53
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054・井上良二
○井上委員 大ざつぱでいいですが、その内容はわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/54
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055・鈴木俊一
○鈴木(俊)政府委員 地方債の計画全体といたしまして、政府資金の今の四百三十億、四百六十億をどういう起債の事業に振り当てるかということにつきましては、まだ政府間におきまして話合いがついておりません。そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/55
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056・千葉三郎
○千葉委員長 たばこの方は明日にお願いしまして、本日はこの程度で散会いたします。明日は午前十時から再開いたします。
午後零時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X00619540210/56
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