1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年二月二十四日(水曜日)
午前十時五十七分開議
出席委員
委員長 千葉 三郎君
理事 淺香 忠雄君 理事 黒金 泰美君
理事 坊 秀男君 理事 山本 勝市君
理事 内藤 友明君 理事 久保田鶴松君
理事 井上 良二君 大平 正芳君
宇都宮徳馬君 島村 一郎君
小西 寅松君 福田 赳夫君
苫米地英俊君 三和 精一君
藤枝 泉介君 福田 繁芳君
池田 清志君 柴田 義男君
小川 豊明君 平岡忠次郎君
春日 一幸君
出席政府委員
大蔵政務次官 植木庚子郎君
大蔵事務官
(主税局長) 渡辺喜久造君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主税局税制第
二課長) 塩崎 潤君
農林事務官
(食糧庁総務部
長) 新沢 寧君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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二月二十四日
委員有田二郎君及び高橋英吉君辞任につき、そ
の補欠として堀川恭平君及び三和精一君が議長
の指名で委員に選任された。
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二月二十三日
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第五三号)
食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
内閣提出第五四号)
同日
所得税制度改正に関する請願(中村清君紹介)
(第二二〇四号)
揮発油税軽減に関する請願(三輪壽壯君紹介)
(第二二三五号)
同(長谷川保君紹介)(第二二三六号)
同(廣瀬正雄君紹介)(第二二三七号)
同(關内正一君紹介)(第二二三八号)
同(五十嵐吉藏君紹介)(第二二三九号)
同(並木芳雄君紹介)(第二二四〇号)
同(高瀬傳君紹介)(第二二四一号)
同(大高康君紹介)(第二二四二号)
同(加藤精三君紹介)(第二二四三号)
同(塩原時三郎君紹介)(第二二四四号)
同(池田正之輔君紹介)(第二二四五号)
同(亘四郎君紹介)(第二二四六号)
化粧品に対する物品税軽減に関する請願(福田
繁芳君紹介)(第二二四八号)
骨牌税軽減に関する請願(黒金泰美君紹介)(
第二二四九号)
織物消費税の復活反対に関する請願(宇都宮徳
馬君紹介)(第二二五〇号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
織物消費税復活反対の陳情書
(第九七九号)
国税における寒冷地控除実施に関する陳情書
(第九
八〇号)
税制調査会の答申に関する陳情書
(第一〇〇九号)
寒冷地課税の免除並びに特別控除に関する陳情
書(
第一〇一〇号)
納税申告手続等に関する陳情書
(第一〇一一号)
公認会計士法の一部改正に関する陳情書
(第一〇一二
号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
日殖事件に関する新聞記事取消要求に関する件
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一六号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一七号)
酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
八号)
印紙税法の一部を改正する法律案内閣提出第一
九号
砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第二〇号)
骨牌税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
二一号)
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
二九号)
入場税法案(内閣提出第三〇号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/0
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001・千葉三郎
○千葉委員長 これより会議を開きます。
本日の日程に掲げました所得税法の一部を改正する法律案外九税法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。なお本日政府委員といたしまして渡辺主税局長と、説明員といたしまして塩崎税制第二課長と、食糧庁の総務部長が出席しております。小川豊明君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/1
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002・小川豊明
○小川(豊)委員 砂糖消費税の問題に関してお尋ねしたいと思います。今の日本の有効需要とでもいいますか、これがどのくらいあるか。それからことしの輸入見込みはどのくらいあるか。昨年はどうであつたか。それから砂糖は食糧として輸入されておるのではなくて、生産用原料資材として輸入されているように考えられるが、一体これはどういう理由で食糧として輸入しないで、生産用原料資材として輸入しておるのか、この点をまず第一にお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/2
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003・新沢寧
○新沢説明員 第一点の有効需要の問題でありますが、私たちの見込みといたしましては、年間需要を約百万トンというふうに押えております。しかし昨年の後半期から需要は若干伸びておるようでございます。百万トンを若干上まわる数量を有効需要というふうにとらえるのが、今の需給事情から見ますとよろしいかと存じますが、大体百万トンというふうに考えております。
次の輸入状況でございますが、二十七年度は約八十万トン入つております。二十八年度中におきましては、約百万トンくらい入れる計画を立てておりますが、二十八年の四月から十二月までには七十八万トン入つております。さらに一月から三月までには十六万トン程度入つて来るというふうに予想いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/3
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004・小川豊明
○小川(豊)委員 七十八万トンにプラスされるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/4
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005・新沢寧
○新沢説明員 プラス十六万トン入つて来るというふうに予定いたしております。
それからもう一つは輸入の形態でございますが、食糧として輸入しないで、なぜ原料用という形で輸入を取扱つているかというお問いでありますが、これは戦前の需要傾向なり、また最近までにおきます需要傾向を見ましても、砂糖の大部分は精製糖という形で消費せられております。また粗糖のまま使用いたしますことに関しましては、衛生的な見地から、粗糖のまま使用いたしますよりも、やはり一応精製の過程を経た方がよろしいという衛生当局の御意見もありますので、現在のところ、一部再製糖というような形で使用いたしますものを除きまして、大部分のものを一応精製して使用するという建前で、ただいま申し上げたような取扱いをしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/5
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006・小川豊明
○小川(豊)委員 昨年のこの委員会であなたの方から、有効需要は七十万トンか八十万トンである、こういう説明を私は聞いて控えてあるのですが、ことしはこれが急に一躍百万トンに上つたということなんですが、これはどういうことでそういうふうに需要が上つたか。これはそう増大して来たから上つたといえばそれまでですけれども、これに対してどういうお考えを持つておられるか、これをお聞きしたい。
いま一つは、砂糖は食糧として輸入されるのではなくて、これは原料で入れて来て、内地で精白するがゆえに生産用原料資材である、こういう御答弁でしたが、この点はそういうふうに解釈してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/6
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007・新沢寧
○新沢説明員 有効需要の問題でございますが、砂糖の有効需要を的確につかむということは、いろいろの関係でなかなか困難と思いますが、最近におきます実際の砂糖の売行き、消費状況等を見まして、大体家庭用といたしまして約四十万トンくらい使われるのではないか。また業務用といたしまして——お菓子その他の用途でございますが、業務用として六十万トンくらいの需要であるというふうに推定いたしておる次第でございます。
それから輸入の見方でございますが、食糧とか生産原材料というような厳密なわけ方があるわけではないのであります。実際上の割当をいたします場合に、特に外貨の割当でございますが、外貨の割当の方法といたしましては、いろいろな物資によりまして、輸入業者に割当てるものと、それからそのものの実需者に外貨を割当てるものと、大体大ざつぱにわけましてそういう二つのやり方があるわけでございますが、砂糖につきましては、約三分の二くらいになりますが、リンクとかバーターとかいうようなほかの貿易政策との関連におきまして、輸入業者に割当てをするのでございます。残りの約三分の一くらいが、いわゆる実需者割当と称しまして、実需者という解釈のもとに、精糖業者と再製糖の業者に外貨の割当をしております。その理由は先ほど申し上げました通りに、消費の形態が粗糖のまま使われるということはほとんど例外的であつて、その大部分が一応精製の過程を経て使われる。そういたしますと、やはり精製を業とする者に粗糖の輸入の外貨の割当をするのが一応の筋ではないかという考えで、現在の外貨の割当が行われているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/7
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008・小川豊明
○小川(豊)委員 有効需要は八十万トンであつたのが百万トンにもふえて来ているのですが、戦前の砂糖の消費量の大体六〇%は粗糖で使われていたものが、今日は一〇〇%精白されているわけですが、この点は先ほどあなたは、厚生省の方面から、粗糖ではいけない、精製糖で出すべきだという意見があつたから全部精白して出しておる、こういうお話でしたが、戦前の消費量の六〇%は粗糖または黄ザラで使われていたにかかわらず、今日は全部精白されているわけです。これは精白されていることのいい悪いの問題ではないのですが、その理由は、衛生関係方面からの注意によつてこうなつているのだ、こういうお話ですが、これは間違いございませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/8
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009・新沢寧
○新沢説明員 戦前の需要傾向についてのお話が今ございましたが、戦前は台湾という大きな供給源がありましたために、確かにいろいろの糖種がこちらの需要に応じていろいろの形で入つておりまして、粗糖という観念で言えば、四〇%にはならないかと思いますが、約三〇%前後は精製度の低い色のついた形で消費されておりまして、あとの七〇%くらいが精製糖という形で消費せられたわけでございます。現在は供給地が戦前とかわつておりますために、輸入いたしますとすれば、全然加工されていない粗糖、原糖の形で入つて来るわけであります。それを使いますについては、これは厚生省とも相談したわけでありますが、一応はやはり精製の過程を経て使う方が衛生的にはいいだろうという見解を私ども伺つているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/9
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010・小川豊明
○小川(豊)委員 そこで戦前の家庭消費量は大体〇・五斤であつた。今度百万トンもの砂糖が入れられた場合に、この戦前の家庭消費量の割合はどういうふうに改善されますか。私が聞くところによると、今度輸入が増大されるにかかわらず、業務用はふえても、家庭消費量の方はむしろ逆に圧迫されるという話までも聞いております。これはわかりませんが、戦前の〇・五斤というものは輸入によつてどういうふうに改善されて行くか、これをちよつとお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/10
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011・新沢寧
○新沢説明員 戦前の一人当り消費量と最近におきます消費量の推移等についてのお問いでございましたが、確かにおつしやる通りでございまして、ただいま私どもの手元に持つております数字は、砂糖そのままで個人が消費しておりますものと業務用とわけた個人当り消費量が出ておりませんので、ちよつと今お答え申し上げかねますが、個人が消費されたものと業務用として消費されたものと合計いたしまして、平均して一人頭は戦前が十四キロくらいに対しまして、二十七年現在で十キロくらいということになつております。その十キロのうち、最近におきましては、大体四割くらいが直接個人消費になつておるものというふうに推定せられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/11
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012・小川豊明
○小川(豊)委員 そこで国税庁にお尋ねいたしますが、この砂糖の輸入に対する関税は、直接消費するというのですか、直消糖と原料糖、こういうふうになつて、直接消費できるような形のものは三五、原料で輸入するものは二〇という関税率になつているということでありますが、それに間違いがあるかないか。もしそうだとすれば、この二つを糖度によつてわけているそうだが、これはどういう見解からこの直消糖と原料糖の関税を三五と二〇にしているのか、この点をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/12
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013・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 税関は私の方の関係ですから、お答えいたします。今お話がございましたが、直消用、原料用というのは、おそらく便宜的に使われている用語ではないかと思つております。現在の使用の状況におきまして、今食糧庁の方から御返事申し上げましたように、最近における輸入粗糖は非常に雑物の入つた粗悪なものが多うございまして、粗糖のままですぐに直接消費するのには適当でないものが、ほとんど大部分と言つていいのじやないかと思います。戦前でございますと、台湾から入つて参りましたものは、かなり直接消費に使われ得たわけでございますが、最近キユーバとか各方面から入つて来ますものは、私どもも精製工場でちよつと見て参りましたが、非常に雑物が多い。そこでそうした粗糖は大体直接消費しませんで、一応製糖にまわしまして、精製している。従いまして粗糖を精製用、それからそういう必要のない白い砂糖を直消用というふうに普通いわれておるので、小川委員はそういう用語でお話になつたと思いますが、関税法で見ております立場は、必ずしも原料用とか直消用とかいう観点ではございませんで、砂糖の中で品質のいいものと悪いものと一応わけまして、それを糖度で区別しまして、その中で品質の悪いものについては二割五分、品質のいいものについては三割五分、やはり高級品についてはある程度高い関税をかけていいじやないか。ことに精製糖の工場は現在日本に相当ございますので、わざわざ精製糖を輸入して来ることは、国民経済の上から見ても、相当高い関税をかけてもいいのじやないか、こういう観点も入つているのではないかと思います。そのような意味において、上質な砂糖については高い税率、質の悪いものについては安い税率、こういう関税の考え方は許され得るのではないか、そういう観点で一応の区別をつけた関税率を持つております。こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/13
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014・小川豊明
○小川(豊)委員 そこでいよいよお聞きしたいと思いますのは、輸入している砂糖を百万トンととしますと、大体バーターで輸入されるもの、あるいはスイツチという形、さらに外貨の割当により輸入される形、こういう形がとられている。このバーターやスイツチ等で輸入される砂糖は、消費税の値上げが関連してかどうか知りませんが、今砂糖が非常に暴騰して来ている。ちよつと前は七十円か七十五円でありました。その当時の価格で見ても、このバーター、スイツチ等で入れるものは利益が非常に少い、あまり大したもうけはない、ある場合には手一ぱいの場合もあつた、こう見ています。ところが外貨による割当をもらつてやつて行くと、厖大な利益が出るのであつて、十万トンの割当を受けると、関税から力工賃から歩どまりから、そういう一切のものを引いても、ニユーヨーク相場との関係が出て来ますけれども、ニユーヨークで三セント四四の場合でも、三十三億かの厖大な利益が製糖会社へ与えられることになるわけです。
そこで私がお聞きしなければならないのは、こういう輸入割当をされているがゆえに、十八もの製糖会社は非常に強固な連盟をつくつて、一歩も他のものを入れない。そこで問題が出て来るのです。この関税等においても、要するに粗糖が入れるものは二五%、今長官からお聞きすると、その一つの理由はありますけれども、精白して入れて、直消で入るものは三五だということも、製糖会社が輸入するのでなければ、この直消ではとうていそろばんに合わないという形がここにもとられているのじやないかという、邪推かしらぬが、そういう一つの考え方が出て来る。さらにこういう厖大な利益のある割当であるがゆえに、これをめぐつて非常に運動が行われておることも私どもは聞いておる。そこで十八社とか十九社とか聞いておりますが、こういうものに割当てるのは、聞くところによると、製糖施設によつて五〇%とか四〇%、それから実績では何%、平均割が何%、そういうふうなあなたの方から割当てる一つの基準があるそうですが、それはどういう基準になつておるか、それをお尋ねしてみたい、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/14
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015・新沢寧
○新沢説明員 ただいま行つております割当基準といたしましては、能力によるウエートが四〇、輸入実績を五〇、それから実際粗糖を処理した実績を五〇、平等割を一〇というウエートをかけて、割当をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/15
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016・小川豊明
○小川(豊)委員 あなたのお手元に資料があるかないかわかりませんから、あとで出していただいてもけつこうですが、最近の製糖会社が、盛んにここ一、二年のうちに製糖能力の増大をはかつて来ておるわけなんです。それは、この基準によると能力と実績とが九〇というものを占めますがゆえに、どうしてもこれにくつつけるために非常に能力を増大して来ている。そういうことで、むしろ私どもは、日本の製糖能力というものは、有効需要の百万トンをはるかに突破する製糖能力をさえ備えているのではないか、こういうふうに思われるわけです。これは今後消費がもつと増大して行けば、それは必要かもしれませんが、問題はそこにあるのではなくて、こういう割当を行われて行くことをめぐつて幾つかのいやな話を私どもは聞かされておる。例は私は控えてここであげませんが、こういう点が非常にある。そこで十八社か十九社の製糖会社が最近において能力をどういうふうに拡充して来ているかということを、ひとつ出していただきたい。これはおわかりになつておればあとでこれを出していただきたい。従つてあなたの方から言えば、最近に各社に割当てた二十六年は幾ら、二十七年は幾ら、二十八年は幾らというような割当の量をひとつお聞きしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/16
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017・新沢寧
○新沢説明員 ただいまの各工場別の能力の増加の傾向、並びに二十六年から二十八年までにおける各社別の割当数量、これは後ほど資料としてお手元に差上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/17
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018・小川豊明
○小川(豊)委員 そこで、この私の調べた数字に間違いがあるといけませんから、あなたの方から御訂正してもらつていいのですが、外貨の割当によつて三十万トンなりその他が日本へ輸入されている。これはあるいは二十万トンになつているかもしれませんが、この割当を受けると、一万トン当りにおいて一億七千万から三億三千万程度の厖大な利益が製糖会社に入つて行くような計算が出て来る。この計算のこまかい、何によつて幾ら、何によつて幾らというようなものは私の方に調査したのがありますが、こういう利益が製糖会社に与えられているわけですけれども、こういう私の方で今申し上げた数字をあなたの方では肯定されますか。こういうふうなことは、そういう厖大な利益が製糖会社に落ちるようなことはありませんか、それともありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/18
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019・新沢寧
○新沢説明員 砂糖の相場の動きを見ておりますと、輸入物資でありまする関係上、輸入計画がどういうふうにきまつて来るかということによつて非常に大きな動きを示しておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、二十七年は八十万トンということにいたしまして、二十八年度は百万トン以上のものが入るだろうという計画が発表されましたことによりまして、二十八年の四月から六、七月ごろまでは非常に砂糖の相場は低い位置に低迷していたわけであります。しかるに最近いろいろな事情によりまして輸入が思うように入つて参りませんので、それから先行きの外貨事情の不安を懸念いたしましたこと等によりまして、この一月以降急激な砂糖の値上りを示しておるわけであります。この一月の砂糖の価格と、それから生産原価と申しますか、それを比較いたしますと、非常に利益が出て来るような計算になるわけでございますが、通年見てどれくらいの利益があるかということは、砂糖の価格の趨勢との兼ね合いでありまして、また将来砂糖がこちらで考えておりますような計画通りに入つて来るということになれば、砂糖の相場はもつと下つて来て、利益率もそうべらぼうなものではなく行くんじやないかというふうに考えまして、一概に一万トン入れたら何ぼくらいの利益というふうに機械的な算出はなかなかむずかしいものではないか、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/19
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020・小川豊明
○小川(豊)委員 そいつはおかしいですよ。あなたはそれの割当をやつておる方の係であつて、その何万、あるいは何億というものが出るか出ないかわからないはずはない。私のようなしろうとが調べても、諸掛りが幾らで、加工賃が幾らで、歩どまりが幾らだというので行くと、当時の七十八円の砂糖の価格で算定して、ニユーヨーク相場が三セント四四のときには一万トンで三億三千三百という数字が出て来る、こういう厖大な利益を製糖会社に与えつつ、なおかつ消費税を設けて砂糖の価格を上昇させている。しかもその砂糖が業務用にまわる率が多くて、家庭消費用の率は依然としてそのままであるというようなことは、これははなはだ解せない問題である。これをさらに関連して考えると、先ほど言つた製糖能力というものをきめておるがゆえに、他のものはこれは輸入できない、どうしてもこの十八社でない限りは輸入できないような措置が一方においてとられておる。それから関税においても、粗糖を入れた方がそろばんがとれるような形でこれも保護されているのではないか。そうして十八社か十九社の製糖会社を保護し、育成して行くような形が政策の上にとられておるのではないかという疑問を抱かざるを得ないのでお尋ねしているのであります。そこで十八社か十九社か明確ではありませんが、今申し上げた十八か十九の会社の製糖能力の問題等と、それからそれを割当てた過去何箇年間の、三年なり四年なりの割当てた数量というものをひとつあなたの方からお出し願いたい、こう思うわけでありますが、それは出してもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/20
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021・新沢寧
○新沢説明員 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/21
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022・井上良二
○井上委員 ただいま小川君から質問をしておりました砂糖消費税に関連をして伺うわけですが、ただいまの質疑応答を聞いておりましても、原料糖で、つまり粗糖で輸入いたしまして、これを精製して市販に出す、その間に厖大な利益が製糖会社に落ちておる、この関係を一体どう是正しようとするのか。この問題が解決されない限りは、ただ消費税だけを上げるという考え方はおかしいのじやないか。途中で何ぼもうかつておつても そんなことは政府は知らぬ、こう主税局長はお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/22
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023・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 先ほど来いろいろお話がございましたが、結局有効需要の問題は、一つは価格の問題と結びついて行くのではないかというふうに考えます。砂糖の値段が比較的安ければ、おのずから有効需要は増して参りましようし、同時にその値段が高くなりますと、有効需要は減退して来る。もちろん商品によりましてその程度はいろいろ違うものもあろうと思います。そこで、今度砂糖消費税を昨年に引続きましてさらにある程度上げたいといつたような考え方の出て参りましたゆえんのものは、現在の値段でございますと、今申しましたような関係もございまして、砂糖の市況はなかなか強い。相当やはり高い。多く輸入をしませんと、砂糖会社に対しても利益が相当大きく残るというようないろいろ御議論が出る事態になるわけであります。従いましてそうした面につきましても、片方におきまして外貨の関係もありまして、そう砂糖の輸入だけをふやすわけにも行かない。そこでそうした国際収支を改善することも一面考えなければなりませんものでございますから、この機会に砂糖の消費税をある程度上げることは許されることじやないか、かような考え方を持ちまして今回御提案を申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/23
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024・井上良二
○井上委員 砂糖が高級菓子とかその他嗜好の面に多量に使われておるという場合は、あなたの意見も一応成り立つわけであります。ところがこれは、そこに隣に食糧庁の方がおいでになりますが、御承知の通り現在わが国の食糧の事情というものは、一箇月、半分米で配給して、あと半分は粉食ということになつておる。しかもその一箇月十五日の米の配給さえ完全に行い得ない情勢にある。しかも十五日の粒食による米の配給の内容を見ておつても、内地米は大都市においてはわずかに一週間かそこらくらいしか配給できない現状にある。そうしますと、粉食及び外米を中心にした食糧が多くの勤労大衆の主食となつておる現在、砂糖というものがいかに重要な食糧化されたものになつておるかということを、あなたお考えになりませんか。砂糖を上げることは米を上げることと同じことになります。あなたはそうお考えになりませんか。これをぜいたく品として、輸入抑制の見地からできるだけ使わさぬようにした方がいい。戦時中ならいざ知らず、戦時中に砂糖けもなければ塩けもないものを食わしたときならいざ知らず、そうは行きませんぞ、今は。そこで今申すように、現実に粉食を中心にして一箇月二十日以上は生きて行かなければならぬ勤労大衆にとつては、砂糖の値上げは容易ならぬことである。あなた方ピースはタバコでも高級の方に入るから、一箇で五円値上げするというが、砂糖も一斤で五、六円の値上げになりますよ。どうお考えになります。だから私がこの間から申し上げておるように、あなたのものの考え方はむちやくちややということです。ちつとも系統立つてない。もちろんあなたをそうさせておる自由党もけしからぬが、そんなことできませんというてはね返さなければいかぬ。砂糖がいかに国民大衆の生活と切り離すことのできない必需品であるかということをお考えになつた場合、これを軽々に値上げをするということは、もつてのほかであります。この前も値上げして、また今度も値上げするじやないか。そんなむちやな話がありますか、一体。しかもその裏にある砂糖会社が厖大な利益をあげ、一月以来政府が手をやくごとく砂糖の値は暴騰しておるのであります。暴騰して利益を得ておるのはだれです。それに何ら政府は手を打たずに、ただ大衆に重税を課して行くというやり方が、妥当なやり方であるとお考えになりますか。そこであなたの方で、どうしても値上げをせにやならぬということを、粉食で生活をしておる低額所得者にもつと理解できるように説明をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/24
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025・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 砂糖が生活の必需品であるということは、私もそのように思つております。ただ現在使われておる砂糖は、先ほど来のお話もございましたように、四割が家庭用、六割がいわゆる業務用というような使用をされておることによりまして、まあ米と同じような意味の必需性というものが——砂糖そのものをとつて見れば、必需的なものと思いますが、現在の使用の姿が、全部が全部必需的に使われているかどうかという点につきましては、必ずしもそうでない部分が相当あるのではないかというふうに思つております。砂糖消費税を引上げるにつきましては、結局先ほども申しましたように、価格と有効需要との関係がかなり緊切な姿にある。同時にその価格におきましては、消費税を込めたその姿における価格と、有効需要とが一つの関連を持つている。従いまして従来のままの税率にしておいたときの値段に比べますと、やはりそこに相当大きな有効需要が出て参ります。そこで外貨の関係からしまして、輸入がどうも思うほど入らないということになれば、おのずから値段は上つて参りまして、砂糖会社にかなり大きな利益が出て来るという結果になつて来るのではないか。従いまして、この機会におきまして、片方で直接税を下げようという意味におきまして、砂糖消費税というものもある程度上げる。結局それによつておちつく砂糖の値段は、大体そう大きな違いはないのではないだろうか。そう考えて参りますと、昨年引上げた後ではございますが、この機会にさらに砂糖消費税のある程度の引上げを行いまして、そこに財源を求めるということは考えられる筋ではないだろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/25
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026・井上良二
○井上委員 砂糖の六割は業務用に使うておる、だからあと四割くらいだから大したことはない。また有効需要がそれだけ多くふえて来ておるから、この際輸入抑制の見地からも、砂糖を大切に使う考え方を持つてもらう必要からも、税金によつて値が多少上つても、これはやむを得ない。早くいえばそういう考え方なんです。ところが、業務用というものの内容をもつと検討してみてください。今も小川君から御質問がございましたが、また、今農林省から発表になつた消費の約四割が個人用で、あと六割は業務用であるという実情を、われわれがさらに掘り下げて考える場合、御存じの通り粗糖で外貨割当をとつて輸入をして、これを国内で精製しておるわけです。ところが実際業務用に使いますには、精製された精白糖よりも、中ざらめの方が有効需要は大きいのです。少くとも戦前は四、五割が中ざらめで使用されておつたのです。中ざらめ糖を輸入すれば価格は非常に安いのです。また中ざらめでやればそれだけ価格は安く行くわけです。それを中ざらめに精製をする方面にはほとんど砂糖の割当はせずに、ことごとく大製糖会社に原糖が割当てられておる。外貨が割当てられておる。そういう事実を隠蔽して、ただ何も知らぬと思つていいかげんなことを言つたらあきませんぞ。それからまた有効需要がふえて来ておる理由は、一つは砂糖の取引による、いわゆる砂糖の相場というものが非常に動かされて、そのために思惑の砂糖がある。そういう関係から、一体百万トンは実際の有効需要かどうか、ということに疑問がある。もし砂糖行政がかくのごとき不健全な状態に動かされ、またこれが毎年々々税の対象になつて来る、しかもそのために中間において莫大な利益を砂糖関係の者が受けるという事実をわれわれが見ました場合、いつそのこと外米みたいに、政府が外国糖を一手に買いつけて、そしてこれを政府が製糖会社に一定の価格で売り渡す、こういうことにすれば、国庫収入はその面で砂糖消費税を上げるよりも多く利益が上ると私はにらみますが、かようにお考えになりませんか、どうですか。これは食糧庁、及び幸い今大蔵政務次官が参りましたから、大蔵政務次官にお伺いいたしますが、現在のような砂糖の自由買付制度を許しておいたのでは、いたずらに中間の製糖会社が利益を占めて、国民はこれらの人々のために高い砂糖を買わされなければならぬ。国内産の砂糖は年間わずかに五万トンくらいしかできませんから、あと八、九十万トンからのものは全部外国から輸入しなければなりません。だから外米と一緒に政府が一手に買い入れて、そして一定の国際価格でこれを製糖会社に売り渡す、払い下げる、そういう処置をとりますならば、国庫収入は相当大きくなると思いますが、わずか一斤五円くらいの消費税を上げなくても、そのことによつて利益を得ると思いますが、そうはお考えになりませんか。やはり製糖会社の利益を守るためにはやむを得ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/26
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027・植木庚子郎
○植木政府委員 ただいまの御質問、途中から承りましたので、あるいは間違つておるかもしれませんが、一応お答え申し上げます。砂糖の輸入の問題につきまして、現在のように自由放任にしておくよりも、政府が統制して、一手に輸入して、そうしてこれをしかるべき会社に売り渡した方がよくはないかという御質問のように承りました。やはり一つの御見解かと考えますが、政府といたしましては、ただいまのところこれを政府の手によつて一手に輸入する云々の問題については考えておりません。われわれ自由党の考え方といたしましては、特殊な場合は除きまして、国際貿易におきましても、国内の一般商工業におきましても、なるべく自由に業者の創意くふうを生かして、そうして最も経済が発達して行くようにという考え方をしておりますので、そうしたような意味の統制はする考えがないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/27
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028・井上良二
○井上委員 現に政府は、砂糖相場の急騰に当面して、何とか砂糖の輸入について手を打たなかつたならばいかぬ。はつきりした統制をしなくても、ある程度の自主統制か何かやらなかつたら、砂糖の相場は安定しない。こういうことを通産省みずからもいろいろ御検討されておるようであります。現に砂糖行政に手をやいておるじやありませんか。手をやいておる現在において、しかも現実に十万トンも砂糖を輸入すれば、三億円の利益を上げておるじやないか。どうしてそんなべらぼうなことが、国民の生活必需品において行えるのか。そんなばかなことはありませんよ。それで民生安定の政治だといえますか。そんな非常識な話がありますか。物には常識というものがあります。営利会社ですから、何も利益を上げるなとは申しません。上げるなとは申さないが、どうしても国民の生活に必要な必需品である限り、その利益には一定限度があるものであります。そういうことを平気で放任しておいて、そうして一方国の財政収入が足らぬからということで、生活必需品たる砂糖の値上げをしようというじやありませんか。税をとろうというじやありませんか。だから弱い者いじめの政治だと言われるのだ。そういうべらぼうな話はありません。同時にこれと同じ関連において、たとえば油の輸入関税の問題がある。これは二十八年三月末まで一応保留になつておる。政府は来年度において油の輸入に関税をかける意思がありますか。これもやはりわが国にはほとんど生産されない貴重なものでありますが、これに対しては頭から輸入関税をはずしておるじやありませんか。そうしてこれに対しては、何ら政治的措置を講じていないじやないか。いわゆる生産資本の巨大な資本のためにはいろいろ必要な手を講じておきながら、大衆が生きて行くためにどうしても必要なものに対しては、年々税制改革のたびごとに税を上げるとは一体どういうことです。そういうことが妥当な政治と考えられますか。この油の関税の問題と砂糖消費税の値上げの問題に関する矛盾をあなたは一体どうお考えになりますか。政務次官にお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/28
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029・植木庚子郎
○植木政府委員 ガソリンの問題につきましては、現在わが国におきましてのガソリンの消費の状況を考えてみますと、これにはやはり相当むだな消費の仕方もされておると思います。しかしこの問題は、やはり交通その他自動車用、産業用といたしましてぜひとも必要なものであり、なるべく現在の制度によつて進んで参りたい、かように思つております。
砂糖の問題につきましては、今回間接税全般にわたつていろいろ検討しました結果、なお砂糖の税率は若干これを引上げても、まあ忍んでいただき得る余地があるのではないか。かような見解のもとに、前年上げたのにもかかわらず、今回もまたこの税率の引上げをお願いしたい、かような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/29
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030・井上良二
○井上委員 ちよつと食糧庁の方にお伺いいたしますが、砂糖相場は一月以来どんどん上つて、天井知らず、遂に砂糖市場は一時休場しなければならぬところまで行つたのです。それほど砂糖相場は急騰した。かくのごとく相場が天井知らずに高くなつても、食糧庁としては一向国民生活に影響ないとお考えになつておりますか。そうしてそういう高い砂糖にまた税金を追つかけてとつても、これは一向さしつかえないとお考えになつておりますか。これはあなたに聞くのはえらいぐあいが悪いだろうけれども、わきに来ておりますによつて、あなたひとつ次官、長官のかわりに話をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/30
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031・新沢寧
○新沢説明員 一月以来、非常に砂糖相場が急騰いたしまして、異常な高値を出しておりますこと、これは私どもよく存じておりまして、このような高い値段のままおつてはいけないという点は、痛感いたしております。ただ一月以降現われました相場は、どういう原因で現われたかということを考えますと、いろいろ将来の思惑と申しますか、そういうものが非常に大きな因子をなしているのではないだろうかと思います。このままの相場がそのままずつと横ばい、あるいは上昇傾向をたどりつつ、今後なお長期間続くかどうかということに関しましては、いろいろ御意見もあろうかと思いますが、必ずしもそうは見られないのではないかと思つておるのでございます。さしあたり、この異常な思惑相場をできるだけ冷却いたすようにという意味合いにおきまして、今後入つて参ります外貨の割当、あるいは明年度におきます外貨の割当を至急決定いたすことによつて、大分見通しがつきますれば、この思惑も冷えて来るのではないかということを考えております。またさしあたりの措置といたしましては、政府が持つております甜菜糖をできるだけ早い期間に放出いたしまして、この異常な空気をやわらげようというふうに考えておる次第でございます。消費税との関連におきましては、今申し上げたように、必ずしもこの相場は恒久的な意味合いで出現しておるというふうな考えを持つていませんので、一時的な異常な相場じやないかという考えを持つておるわけであります。そういう意味合いにおきまして、砂糖の国民の食生活に占めるウエート、それから今回の租税の引上率、あるいは全体の国家財政等を彼此勘案いたしまして、まずこの程度の引上げは食糧を担当するものとしてもやむを得ないのじやないかという見解を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/31
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032・井上良二
○井上委員 大蔵政務次官の御意見を伺つておると、石油類の輸入関税については現状の政策通り行きたい、こういうお考えである。これはもう一応御検討を願いたい。と申しますのは、なるほどこれが生産資材として重要な輸入品であることはよくわかります。わかりますが、このために一体国内の石炭の状況はどうなつておるのですか。現実に石炭の状況というものは、厖大な国家資本を投資しながら、出て来た石炭というものは一体どういう状況にあるのですか。至るところに大きな滞貨がされて、その金融に、また労使関係において、年百年中紛争を起しておるじやないか。いわば油によるところの有効需要がどんどん石炭の面を侵しておるのであります。国産を愛せよ、外貨は貴重だからできるだけ使わなくして、輸入を抑制して行こうと言うておるときに、現実にやつておることは、さかさまになつて来ておるじやないですか。そういう事実から考えても、この外国油の輸入について相当の手を考えることは当然であります。またわれわれは、生産資材が日本の産業を振興し、輸出を振興さして行くという線に、国が積極的な手を打つとともに、その生産に携わるところの勤労大衆の生活が、少くともマツチして行かなかつたら何にもなりません。いかに安い油を入れ、いかに近代化された機械を輸入してやろうとしても、それを使いこなすだけの能力と腕を持つた有能な勤労者がおらなかつたら何にもなりません。この有能な技術と能力を持つた勤労者は、その家庭の生活が安定することが一番大切です。その家庭の一番重要な主婦に関連する砂糖の値上げを、内部的に何らの矛盾を解決せずに、単に結果的に上げるというその考え方が、根本的に誤つていますよ。あなたはそうお考えになりませんか。あなたは単に自由党におるからといつて、自由党の自由放任政策は何でも自由放任ではないということを、常にわれわれは聞かされておる。あるものに対しては一定の制限統制を加えて行く、そうしなければ正常な経済運営はできないということを、われわれは聞かされておる。この問題は、現実に食糧庁の方のお話もありましたように、相場は天井知らずに上つており、現にわずか五万トン足らずの政府の手持ち砂糖によつて市場価格を安定させなければならぬという手を打たれておる。この高相場を引下げる手は、外貨の割当をふやして輸入をよけいするか、何かここに手を打たなかつたならば、値段は下つて来ない。だから限られた数量で、限られぬ需要のあるものに対しては、政府が一定のここに輸入の統制を加えて行くということは当然であります。だからいつそのこと、この際輸入を管理して、政府が一手に買入れるということをやりますならば、相当国庫収入はふえると私は見ておる。また油に対しても一定の関税を課しますならば——こんなか弱い者をいじめつけるような、砂糖一斤で五円値上げし、ピース一個五円値上げし、酒一升特級六十円、一級二十五円値上げするというようなくだらんことをせぬでも、ちやんと大きいところを押えなさい。大きいところを押えぬで、貧乏人いじめばかりやつておるじやありませんか。そういうやり方ではとてもあきまへん。だからこの際そういうやり方にかえる意思はありませんか。だから終始一貫していないから、私ははなはだ納得できない。その点ひとつそうあなたは党派的根性を持たずに、国の財政計画の最高責任者として、もう少し広い目を見開いてもらつて——われわれも国際収支の均衡をとつて、そのために輸出を大いに振興しよう、輸入を抑制して行こうということに、何も反対しておるのではない。そうやらなければならぬ。しかしそれについては、あなた方のやつておることはおかしいじやないかということを言うておるのだから、そこのところをよう考えて、御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/32
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033・植木庚子郎
○植木政府委員 井上さんの御親切な御忠告よく承ります。よく研究いたします。しかしながらただいまのお話の、たとえば石炭の問題が、もつぱら油の輸入関税を軽減しておる、そのために起つておるような御指摘もございましたが、必ずしもそれだけが原因で現在日本内地の石炭が滞貨の山をはなしておるというようなことになつておるばかりではないと思います。もつとも民間の各種の産業において、石炭に対する需要と油に対する需要と、その需要の関係が最近において若干かわつて来ておることは、御指摘の通りであつてそのために現在のような状態を示しておるものと考えるのであります。また酒の値段とか、あるいはタバコの値段のお話もございましたが、政府としましては、なるべくその点は大衆の生活に影響が大きく及ばぬようにという建前から、高級の品物について税率を上げる、こういう建前をしておるのであります。間接税でございますから、その点選択消費の余地のございます。従つて国民の皆さんがこういう際にでき得る限り生活の合理化等の見地から、高いタバコをすつておられた方も、場合によつてはひとつがまんをして一級下げてのんでいただく。酒の場合もそういうふうに考えていただくようにいたしまして、国全体がこの際しばらくしんぼうをして行く。そうしてわが国の国内物価が下るように、それによつて日本の貿易が振興するようにと考えておる次第であります。
砂糖の問題もなるほどどんどん上りまして、非常に悪い影響を及ぼす憂いのあることは御指摘の通りであります。もしこの点がいつまでもこうした状況であり、あるいはこれがさらに長く続いて上へ上つて行くような傾向のある場合には、政府としてはそれに対する施策を十分に考えなければならぬ、かように存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/33
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034・井上良二
○井上委員 もう一点伺いますが、私は政府の施策について、特に税制改革について、単に抽象論的に議論をしておるのじやありません。さきにも申します通り、砂糖というものは今日わが国の食糧構成の上の重要な一要素をなしておる。特に貧乏人は麦を食えという考え方でおる人は別だけれども、そうでない限りは、今日一万円か二万円くらいの月収の人にとつて、粉食はやむにやまれぬものです。この粉食をするためにはどうしても砂糖が重要な要素になつて来ておる。だから砂糖は主食であります。この主食を税制改正のたびに改正をして税金をよけいとろうとする、そこに問題があることをひとつ十分御検討願わなければなりません。食べる方では行かれる、すうても行かれる、飲んでも行かれる。きようは休みだから映画に行こうとすれば、映画でもまた行かれる。一体どこへ行つたらゆつくり遊べるのです。そういうべらぼうなものの考え方はありませんよ。せめて休みの日に映画でも見た場合、税もとられずにゆつくり見られるようにしたらどうです。私どもは何も入場税全体を問題にしているわけじやない。五百円も千円も出して平気で歌舞伎座に行つたり、外国の有名な人を呼んで来て見たり、聞いたりしておるような者については、それだけの余裕のある人ですから、お出し願つてもけつこうであるけれども、一ぺん映画見に行つて四十円出したら、それで二割取上げるなんて、そんなむちやな話が一体どこにあるのです。ちよつと砂糖をねぶれば行くぞ、そんなむちやなことがどこにある。そういうわずかなことはやめてもつと考え方をかえれば、税収は他にあるということを私は特に御検討願いたい。単に大衆に耐乏を要求するだけでなく、いわゆる裕福な、相当物を持つておる人の方にちつとは痛い目をしてもらわぬと、ものはうまく治まりませんよ。自分の火の粉はできるだけ来ないようにして、相手方ばかり目がけて行くというやり方では、税の上において階級性がないとは言わせませんよ。階級性がはつきり横たわつておることをわれわれは見のがすわけに行きません。そういう点から、主税局の方と政府当局で十分御検討を願いたいとわれわれは思うのであります。
最後に一つ、次の機会に伺う前に伺つておきたい。この織物消費税の例の奢侈繊維課税の条文を読んでみると、これは二年間の時限法として提出しておるのですが、この奢侈的なぜいたく品に税をかけるという考え方は、二年先になつたら日本の国はそんなものをどんどん着て使つていいようになるというお考えなんですか。他の物品税によるいわゆる高級奢侈的なぜいたく品は時限法になつておらぬじやないですか。一体それはどういうわけで織物だけは時限法にして、他のぜいたく品は時限法じやないのですか。織物だけは、二年先になつたら自由闊達にぜいたくなものが横行して、着ておつてもいい、こういうお考えでありますか。他の税との関係がおかしいではありませんか。こういうむちやな話はありませんよ。その点を大蔵政務次官から御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/34
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035・植木庚子郎
○植木政府委員 今回の奢侈繊維品に対する繊維消費税を時限法にいたしましたのは、織物消費税の廃止以来しばらく実行しなかつた繊維品に対する課税でございますし、しかも今日の政府の施策が、はたして今考えておりますような施策で一年先へ行つて大体希望のような経済情勢になるか、二年先へ行つてなるか、経済界は生きものでございますから、なかなか見通しが困難でございます。繊維品はかりに奢侈品、高級品と申しましても、でき得るならば税金なしで行きたいということは、お立場上ごもつともと思いますが、われわれもまたそう考えおる次第であります。従つてこのたび奢侈的な高級な繊維品に課税するということにいたしましたが、でき得るならばこういう繊維品に対するものは時期を見てやめて行きたいという考えも十分持つておるのであります。しかしながら今日の情勢においては、他の間接税と比較いたしまして、その均衡上この際高級なものには課税して行こう、こういう決心をいたしましたので、さしあたり二年間くらいを目途として実行いたしましてそうしてなおこれを継続すべきか、廃止すべきかということは、そのときになつてから十分考慮いたしたい。かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/35
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036・井上良二
○井上委員 もう一点。あなたは最近国会に出て来られたから、あなたにこういうことを言うのははなはだ失礼でございますけれども、かつて改進党と社会党とで、取引高税というものができておつたときに、これは悪税であるとして自由党内閣で廃止をしたのです。そうしてこの間わずか三年かそこらしかたつておりませんよ。それと税のとり方はほとんど一緒です。同一のやり方です。それは国全体の財政収入が非常に枯渇して、やむにやまれぬ現状であるということを国民がよく理解をしての上ならば、私もぜいたくものにかけることにあえて反対をいたしません。ところが世間でこの財政収入を検討された専門家の意見によると、二十九年度予算の財政収入の中には、少くとも四、五百億から六、七百億くらいの含み財源があるということを常々われわれの耳に聞かされております。またいろいろな出版物にもそれが書かれております。わずか八十五億の税源を新設するために、全国津々浦々に反対を巻き起させて、このためにどれだけ多くの冗費を使つておりますか。しかもこれは二年先になつたらやめるのじや、そんなたよりない弱腰で、国民を騒がすようなあほうなことはやめたらどうや。二年合したところで百六十億か、百七十億の金や。そんなもので、この際国民を騒がしていらぬことを言われて、自由党の方もお気の毒にずいぶんつつきまわされておるのだ。あつちへ行けば頭をつつかれ、こつちへ行けば頭をつつかれ、一体何べんぐるぐるまわつて来おつたか。しかもその運命はなかなかたいへんなことになつておる。改進党も日本自由党も両派社会党も無所属もこれには反対です。もしこれが否決されたら、一体あなたはどうするのです。実際えらいことや。それで、あなたの方でこれをあえて時限法として出さなければならぬ財政的な根拠を一応御説明を願いたい。何百億という大きな穴が明いているから、どうしてもこれによつて埋めなければならぬというのなら、わかる。だけれども、含みが相当あるといわれておるじやないか。百億足らずのもので、しかも徴税費に二、三十億かかりまつしやろ。そうなつて来ると、手取りは一体何ぼあるか。そうなつて来たら、元も子もありはせぬ。だからこの際時限法なんということなら、もうこれはおやめになつた方がいいのじやないか。もし時限法をやるならば、他のぜいたく品も、やはり同じように時限法にすべきだ。それが建前なんです。少くとも今年新しく物品税をかけるやつも、ぜいたくでかけると言うておるのだから、そうすべきだ。織物だけをそうするというのは、おかしい。他の業者が文句を言いますよ。何じや、わしらは永久にとられるのか、片一方は二、三年、だからどうしてもものさしに合いません。そういうお考えにはなりませんか、どうです。他のぜいたく品との考え方が合わぬと思う。これで私の質問は一応保留しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/36
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037・植木庚子郎
○植木政府委員 ただいまの御質問の中で、二年たつたらやめるというふうにおつしやいましたが、私はそう申し上げておるのじやございません。二年たつたら、そのときにさらに検討をし直して、引続きやるかあるいは二年間でやめるかは、そのときになつて考えます。かようなことを申したわけであります。(「効力を失うのですよ」と呼ぶ者あり)ですから、私の申し上げていますのは、二年間は効力を持つている、それから三年目以降については、そのときになりまして十分検討し直す、かように申し上げておるのであります。
なお繊維品に対する課税の問題で、他の物品税その他ぜいたく品に対するものは時限法ではないのに、これだけ時限法というのはおかしいじやないかという御質問でございますが、この点は、先ほど申し上げました通り、他の立法はすでにできておりまして、そのできておる物品税の税率を変更するというような建前に今回の改正案はできております。税法全体の問題につきましては、あえて二年先を待たず、一年一年毎年税制全般にわたつて十分な検討は常にいたしておるので、将来この奢侈品に対する繊維課税をどうするかという問題のときには、もちろん他の物品税に対するものも、それらの間接税全体にわたつて、また直接税との権衡等も十二分に検討して、適切に善処する、かように考えておるのであります。財政全般の問題といたしまして、われわれ当局としては、なるべく早く日本の経済自立態勢がはつきりでき上つて、税制全般にわたつてもつと税率を引下げて行くことができる日の来るのが、少しでも早からんことを考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/37
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038・小川豊明
○小川(豊)委員 関連してちよつと……。
私は汚職やそつちの方に発展させようとして言つているわけではないが、米の配給等が非常に制約されている限りにおいて、政府でも食生活の改善運動を叫んでいる場合において、砂糖は生活必需品なんです。その輸入される砂糖が六〇%は業務用、四〇%が家庭用だという、その比率がとれているか、とれていないかは別問題として、今度の輸入によつて家庭用はあまり増大する見込みがないように聞いている。これもあなたの方で検討しなければならない問題ですが、数字的に非常に問題が出ているのは、ニユーヨーク相場が三セント二五の場合において、一切の経費を引いて、ある相当の利潤を見ても、斤当り五十八円七十四銭。従つて七十五円の相場で見ても、十六円二十六銭というものは、外貨の割当を受けると黙つてころがつて来る利益である。これを十万トンとすると、二十七億九百万円という金が十八の製糖会社に落ちて来る。それで年間あなたの方で二十万トン割当てても、五十何億という利益が製糖会社に与えられて来る。こういう厖大な利益を製糖会社に与えつつ、なおかつ砂糖の消費税を上げてまで大衆の生活を圧迫しようとすることは、私にはどうも納得行かない点であります。しかもこの製糖会社に対して、能力等によつて割当をやつて行くことも、この製糖会社の十八社でなければできないということをきめてやる制度である。それから衛生上の見地と言うけれども、戦前はほとんど粗糖あるいは生ざら糖で入つて来たものが、今度これが急に衛生上精白しなければならないということで、百パーセント精白にまわしておるということも、そういう会社でなければならないという理由をつけるためのものである。それから関税の問題も、これでさえも原糖で入れる場合、直消糖で入れる場合においてそれが違つて行くということから、製糖能力のない会社は、競争に耐えないようにしてある。こういうふうに衛生上の見地、能力とか、あるいは関税だといつて、それを要約して行くならば、十八社の製糖会社に対する保護政策であり、助成政策である。そういうふうな助成をとりつつ、一方においてこういう厖大な利益を製糖会社はあげて、それでなおかつ消費税をあなたの方でつり上げて、大衆生活を圧迫しようということは、あなたの言われる耐乏生活とはおよそ意味の違つた問題が出て来る。しかも貴重な外貨をこういう方面に使われておる。バーターやスイツチで入れたところで相場は合つている。今建てられている相場で、バーターやスイツチで入れられているものでも、そうなつている。外貨の割当をもらつたものだけがはみ出して、こういう何十億という利益がそういう会社に与えられておる。従つてそういう会社は、この割当をもらうために猛烈な運動をしておる。そこにいろいろ不愉快な問題がかもし出されておる。こういうことになつて来ておる。従つて私がぜひ資料として提供してもらいたいのは、十八社の製糖会社の最近における製糖能力、それからどういう割当をあなたの方で年々されて行つたかという問題を、次の機会に至急資料としてお出し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/38
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039・新沢寧
○新沢説明員 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/39
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040・内藤友明
○内藤委員 私も資料をひとつお出しいただきたい。この法律のけじめをつけなければならぬ時期がだんだん切迫して来ておりますので、急いで資料を御提出いただきたいと思います。その一つは、しやし繊維品の課税に関する法律案に関する資料であります。それは第一条に一、二、三、四、五、六とこう書いてありますが、これはやはりあなたの方でちやんとした基礎的な数字があると思います。それのひとつ明確な数字についてお出し願いたい。こういうことで八十五億が課税になるんだということがよくわかるような、私どもどうもあまりこういう数字のことはよくわからぬですから、よくわかるような親切丁寧な資料をお出しいただきたいと思います。それが出て来ませんと審議できませんので、どうかよろしくお願いいたします。
もう一つは入場税の資料であります。この法律で各府県からどれだけ国に納まるか、それを人口割当てで割当てると、どれだけ割当てて行くか、その差引の関係であります。つまり弱小県は、これはいいんだという議論があるし、それから富裕県はこれは困るんだという意見がある。来週の月曜日でありますか火曜日でありますか、公述人を呼ぶのですが、富裕県と弱小県と呼ぶことになつておりますので、そういうことに対しても、その差引、出入りの関係を私どもよくわきまえておきませんと、いろいろな公述を聞きましても、何にもならぬということになるのでありますから、その資料をひとつお出しいただきたい。この二つをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/40
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041・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 かしこまりました。しかしあとの方の資料でありますが、収入はそう的確な数字は各府県別はむずかしいと思いますが、過去における各府県の入場税の収入はございますので、これはお出しできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/41
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042・内藤友明
○内藤委員 それはおかしいじやないのですか。あなたのところでこれだけ税金が取れるんだという数字が予算には出ている。その基礎というものがなければならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/42
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043・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 その基礎は、われわれの方は全国的な数字を元にしておりまして、たとえば東京都でもつて幾ら、埼玉県で幾らといつたような数字はちよつと無理だと思つております。しかし要するに今お話の点は、現在の制度のままにおきまして各府県で幾らとれるか、これは見積りができますので、それで御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/43
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044・淺香忠雄
○淺香委員 動議を提出いたします。去る二十日日本殖産金庫の不正事件に関連して、大蔵委員長初め大蔵委員が同金庫から献金を受けたという新聞記事が誇大に報道されていましたが、これはまつたく事実無根であります。この際本委員会は次の決議を行うとともに、右新聞記事の取消し方を各掲載新聞社に要求されんことを望みます。決議の案文を朗読いたします。
日本殖産金庫の不正事件に関連し、大蔵委員長を始め大蔵委員が、同金庫から献金を受けたという新聞記事が報道されているが、右は全く事実無根である。このような虚構記事は、単に当該個人の名誉を毀損するのみならず、大蔵委員会の品位と権威を傷けること甚大である。
よつて大蔵委員会は、右記事の即刻取消訂正方を各掲載新聞社に要求するものである。
右決議する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/44
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045・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの淺香君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/45
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046・千葉三郎
○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
なお新聞記事取消し要求の手続等につきましては、委員長並びに理事に御一任を願いたいと存じます。
他に発言がないようでありますから、この程度で散会いたします。
午後零時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01219540224/46
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